【実施例】
【0071】
以下の非限定的な実施例により本発明を説明する。
【0072】
実施例1:式3の化合物の合成
ラセミ3−(((1R,5S,6S)−6−(アミノメチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンの合成
【化37】
【0073】
段階1(式8の化合物)
ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)酢酸
【化38】
tert−ブチル2−(3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセタート(1.8g、6.09mmol)[調製については米国特許出願公開第2012/0071685(A1)号、実施例5−dに記載されている]のジクロロメタン(20ml)溶液にトリフルオロ酢酸(20ml)を加え、混合物を1時間静置した。溶媒を除去し、残渣をトルエン(100ml)に再溶解して蒸発乾固させ、この手順を5回繰り返して、2−(3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)酢酸(1.4g、5.62mmol、収率92%)を無色の油として得た。
【0074】
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Select C18、2.5μm、4.6×30mm、酸性(0.1%ギ酸)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):m/z;238(M−H)
−(ES
−)、2.21分、215nmにおける純度93%。
【0075】
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ12.25(1H,s),5.26(1H,d,J=2.0),4.87(2H,d,J=1.6),3.13(1H,br.s),2.85(1H,quin,J=7.5),2.46−2.32(3H,m),2.21(1H,ddd,J=12.5,8.8,2.5),2.11(2H,q,J=7.4),2.03(1H,br.d,J=16.5),1.46(1H,dd,J=11.3,7.3),1.04(3H,t,J=7.4)ppm。(トルエンも存在していた:7.26−7.23(0.3H,m),7.18−7.12(0.45H,m),2.30(0.45H,m))。
【0076】
段階2(式7の化合物)
ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトアミド
【化39】
2−(3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)酢酸(2.5g、10.45mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(10ml)溶液にヒューニッヒ塩基(2.74ml、15.67mmol)、次いでHATU(4.37g、11.49mmol)を加えた。混合物を室温で10分間攪拌した後、氷水で冷却した。この冷却した攪拌溶液に0.88のアンモニア水溶液(6.46ml、104mmol)を加えた。次いで、反応混合物を室温まで温め、さらに1時間攪拌した。回転蒸発により溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル中に溶かし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(40gシリカカラム、溶媒勾配20〜100%エーテル:イソヘキサン)により精製して、2−(3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトアミド(2.3g、9.46mmol、収率91%)を無色透明のゴム状物質として得た。
【0077】
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Select C18、2.5μm、4.6×30mm、酸性(0.1%ギ酸)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):m/z 239(M+H)+(ES+);237(M−H)−(ES−)、1.949分。
【0078】
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ7.28(1H,br.s),6.77(1H,br.s),5.27(1H,d,J=2.2),4.88(2H,dd,J=22.3,12.3),3.12(1H,br.s),2.85−2.78(1H,m),2.46−2.39(1H,m),2.24(1H,br.d,J=1.4),2.19(1H,ddd,J=12.4,8.8,2.6),2.11(2H,q,J=7.5),2.00(1H,br.d,J=16.8),1.42(1H,dd,J=12.5,7.4),1.05(3H,t,J=7.4)ppm。(DCMも存在していた:5.87(0.9H,s))
【0079】
段階3(式6の化合物)
ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトニトリル
【化40】
氷冷したラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトアミド(0.8g、3.36mmol)の乾燥ジクロロメタン(20ml)溶液にバージェス試薬(0.880g、3.69mmol)を一部ずつ20分かけて加え、混合物を室温まで温め、3時間攪拌した。反応混合物を体積が半分になるまで蒸発させ、シリカカートリッジに通し、Companionでのクロマトグラフィー(40gカラム、0〜60%エーテル:イソヘキサン)により精製して、ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトニトリル(501mg、2.23mmol、収率66.4%)を無色透明の油として得た。
【0080】
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Select C18、2.5μm、4.6×30mm、酸性(0.1%ギ酸)4分間方法、5〜95%アセトニトリル/水):m/z 221(M+H)+(ES+);219(M−H)−(ES−)、2.34。
【0081】
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ5.33(1H,d,J=2.0),4.87(2H,d,J=1.9),3.17(1H,br.s),2.93−2.85(1H,m),2.65(2H,br.s),2.49−2.43(1H,m),2.23(1H,ddd,J=12.5,8.8,2.5),2.16−2.05(3H,m),1.56(1H,dd,J=12.6,7.2),1.07(3H,t,J=7.4)ppm。
【0082】
段階4(式9の化合物)
ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)−N−ヒドロキシアセトイミドアミド
【化41】
ヒドロキシルアミンの水溶液(50%水溶液)(543μl、8.85mmol)とラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトニトリル(650mg、2.95mmol)のエタノール(10ml)溶液の混合物を100ワットのCEMマイクロ波で2時間、85℃で加熱した。反応混合物を蒸発乾固させ、残渣を酢酸エチル中に溶かし、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過し、蒸発させて、ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)−N−ヒドロキシアセトイミドアミド(530mg、1.883mmol、収率63.8%)を無色の油として得、これをそれ以上精製せずに使用した。
【0083】
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Select C18、2.5μm、4.6×30mm、酸性(0.1%ギ酸)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):m/z 254(M+H)+(ES+);1.25分。
【0084】
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ8.92(1H,s),5.36−5.35(1H,m),5.26(2H,br.s),4.96(1H,d,J=12.8),4.83(1H,d,J=12.8),3.13(1H,br.s),2.77(1H,quin,J=7.5),2.41(1H,dd,J=16.4,8.2),2.20−2.09(5H,m),2.02(1H,d,J=16.0),1.53(1H,dd,J=12.4,7.4),1.06(3H,t,J=7.4)ppm。
【0085】
段階5(式11の化合物)
ラセミ3−(((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化42】
ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)−N−ヒドロキシアセトイミドアミド(520mg、2.053mmol)とカルボニルジイミダゾール(666mg、4.11mmol)の混合物のジオキサン(30mL)溶液を還流下で2時間加熱した。反応混合物を蒸発乾固させ、残渣を水(50ml)に溶かし、この溶液を1N HCLで慎重に酸性化した。水性混合物をエーテル中に抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(12gカラム、溶媒:エーテル)により精製して、ラセミ3−(((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(195mg、0.684mmol、収率33.3%)を無色のゴム状物質として得た。
【0086】
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Select C18、2.5μm、4.6×30mm、塩基性(0.1%炭酸水素アンモニウム)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):278(M−H)
−(ES
−)、1.58分、215nmにおける純度98%。
【0087】
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ12.12(1H,s),5.35(1H,q,J=1.9),4.88(2H,q,J=13.5),3.16(1H,br.s),2.8791H,quin,J=7.5),2.66(2H,d,J=1.4),2.44(1H,dd,J=16.6,7.8),2.17−2.09(3H,m),2.06−2.02(1H,m),1.62(1H,dd,J=12.5,7.4),1.06(3H,t,J=7.5)。エーテルが存在し、3.4ppmにおいて1.06でのシグナルおよび水のシグナルと重なり合っている。
【0088】
13C NMR(100MHz,DMSO−d6):δ159.44,157.15,150.69,120.63,80.09,52.17,42.75,41.80,35.38,30.19,28.46,23.87,12.25ppm。
【0089】
段階6(式3の化合物)
ラセミ3−(((1R,5S,6S)−6−(アミノメチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化43】
メタノール(40ml)中のラセミ3−(((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(286mg、1.024mmol)および塩化ニッケル(II)・6H
2O(24.34mg、0.102mmol)の氷冷した溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(387mg、10.24mmol)を一部ずつ15分間かけて加えた。添加終了後、反応混合物を室温まで温めた。反応混合物に酢酸(1ml)を慎重に加えて反応を停止させ、混合物を蒸発乾固させた。残渣をメタノール中に溶かし、シリカのプラグに通し、溶離物を蒸発乾固させて、オフホワイトの固体を得た。粗生成物を分取HPLC(Waters社、酸性(0.1%ギ酸)、酸性、Waters X−Select Prep−C18、5μm、19×50mmカラム、25〜70%アセトニトリル水溶液)により精製し、凍結乾燥した後、ラセミ3−(((1R,5S,6S)−6−(アミノメチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(8.0mg,0.031mmol、収率3.07%)を無色の固体として得た。
【0090】
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Select C18、2.5μm、4.6×30mm、酸性(0.1%ギ酸)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):m/z 250(M+H)
+(ES
+);248(M−H)
−(ES
−)、1.143分、215nmにおける純度100%。
【0091】
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ8.27(0.5H,s),5.33(1H,d,J=1.5),3.11(1H,d,J=13.1),3.04(1H,J=13.1),2.97(1H,br.s),2.76(1H,quin,J=7.5),2.44−2.34(3H,m),2.12(2H,q,J=7.4),2.03−1.97(2H,m),1.31(1H,dd,J=12.2,7.4),1.05(3H,t,J=7.4)ppm。
【0092】
13C NMR(100MHz,DMSO−d6):δ170.67,165.86,149.09,121.20,51.92,46.98,42.62,41.81,34.69,32.98,30.35,24.11,12.64ppm。
【0093】
実施例2:式2の化合物の合成
ラセミ((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メタンアミンおよび鏡像異性体の合成
【化44】
【0094】
段階1(式10の化合物)
ラセミ5−(((1R,5S,6S−3−エチル−6−(ニトロメチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)−1H−テトラゾール
【化45】
ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトニトリル(280mg、1.271mmol)(調製については式3の化合物の段階3に記載されている)の乾燥トルエン(5ml)溶液にアジドトリメチルシラン(675μl、5.08mmol)およびジブチルスズオキシド(63.3mg、0.254mmol)を加え、混合物を電力100ワット、温度110℃のCEMマイクロ波オーブンで1時間加熱した。上記の工程を11回繰り返し、粗反応混合物を合わせた。合わせた反応混合物を蒸発乾固させ、残渣を0.1N水酸化ナトリウム溶液(10ml)中に溶かし、エーテル(2×20ml)で洗浄し、水層を分離し、1N塩酸で酸性化した。次いで、粗生成物を再びエーテル中に逆抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過し、蒸発させて固体を得、これをCompanionでのクロマトグラフィー(4gカラム、溶媒勾配:10〜70%エーテル:イソヘキサン)により精製して、ラセミ5−(((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)−1H−テトラゾール(1.81g、5.50mmol、収率39%)を無色の固体として得た。
【0095】
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Select C18、2.5μm、4.6×30mm、酸性(0.1%ギ酸)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):m/z 264(M+H)
+(ES
+);262(M−H)
−(ES
−)、2.05分、210nmにおける純度98%。
【0096】
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ16.12(1H,br.s),5.37(1H,d,J=1.0),4.80(2H,s),3.22(1H,br.s),3.02(2H,s),2.92−2.84(1H,m),2.50−2.44(1H,m),2.18−2.05(4H,m),1.64(1H,dd,J=12.4,7.4),1.06(3H,t,J=7.4)ppm。
【0097】
段階2(式13の化合物)
ラセミtert−ブチル(((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)カルバマート
【化46】
エタノール(50ml)と水(15ml)の溶媒中のラセミ5−(((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)−1H−テトラゾール(400mg、1.519mmol)の溶液に、鉄粉(848mg、15.19mmol)および塩化アンモニウム(488mg、9.12mmol)を加えた。混合物を攪拌し、1時間、加熱還流した。反応混合物を冷却し、セライトのパッドでろ過し、エタノールで十分に洗浄し、ろ液を蒸発乾固させた。上記の残渣を水(20ml)とテトラヒドロフラン(60ml)の混合物に溶かし、この溶液にジ−tert−ブチルジカルボナート(2.8g、12.86mmol)およびトリエチルアミン(1.79ml、12.86mmol)を加えた後、40℃で加熱し1時間攪拌した。反応混合物を体積が半分になるまで蒸発させ、残留物に10%クエン酸水溶液を加えて酸性化した。次いで、粗生成物を酢酸エチル中に抽出し、有機層を分離し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィー(12gカラム、溶媒勾配0〜70%エーテル:イソヘキサン)により精製して、ラセミtert−ブチル(((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)カルバマート(380mg、1.140mmol、収率89%)を無色透明のゴム状物質として得た。
【0098】
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Select C18、2.5μm、4.6×30mm、酸性(0.1%ギ酸)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):m/z 334(M+H)
+(ES
+);332(M−H)
−(ES
−)、2.34分、210nmにおける純度98%。
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Bridge C18、2.5μm、4.6×30mm、塩基性(0.1%炭酸水素アンモニウム)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):m/z 334(M+H)
+(ES
+);332(M−H)
−(ES
−)、1.51分、215nmにおける純度98%。
【0099】
1H NMR(400MHz,CD
3OD):δ6.96(1H,t,J=5.8),5.43(1H,br.s),3.27−3.15(2H,m),3.11(1H,br.s),2.99(1H,d,J=14.9),2.89(1H,d,J=14.9),2.84−2.76(1H,m),2.51(1H,dd,J=16.4,7.8),2.17(2H,q,J=7.4),2.07(1H,br.d,J=16.4),1.90(1H,ddd,J=11.8,8.7,2.6),1.56(1H,dd,J=12.1,7.3),1.46(7H,s,
tBu(主要回転異性体)),1.44(2H,s,
tBu(副次的回転異性体)),1.11(3H,t,J=7.5)ppm。(ジクロロメタンも存在していた:5.49(0.5H,s))
【0100】
段階3(式2の化合物)
ラセミ((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メタンアミン
【化47】
ラセミtert−ブチル(((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)カルバマート(1.3g、3.90mmol)のジクロロメタン(50ml)溶液にトリフルオロ酢酸(30ml、389mmol)を加え、混合物を室温で30分間静置した。
【0101】
混合物を蒸発乾固させ、残渣をトルエン(60ml)に再溶解し、蒸発乾固させ、この手順を3回繰り返した。残渣を1:1のメタノール/水(30m)に溶かした。この溶液をDowex(登録商標)50WX8水素型100−200メッシュイオン交換樹脂(10g)に通した。溶離物が中性になるまで樹脂を水で洗浄して溶離させた。次いで、2Nのアンモニアのメタノール溶液を用いて生成物を溶離させ、蒸発させた後、無色のゴム状物質を得た。この残渣をアセトニトリル(13ml)で研和して、ラセミ((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メタンアミンを無色の固体(365mg、1.50mmol、38.5%)として得た。
【0102】
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Select C18、2.5μm、4.6×30mm、酸性(0.1%ギ酸)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):m/z 234(M+H)
+(ES
+);232(M−H)
−(ES
−)、1.01分。
【0103】
LCMS(Agilent、X−Select、Waters X−Bridge C18、2.5μm、4.6×30mm、塩基性(0.1%炭酸水素アンモニウム)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):,m/z 234(M+H)
+(ES
+);232(M−H)
−(ES
−)、1.21分。
【0104】
1H NMR(400MHz,CD
3OD):δ5.40(1H,d,J=1.8),3.15(3H,m),3.05(1H,d,J=15.3),2.94(1H,d,J=15.3),2.83(1H,m),2.52(1H,br.dd,J=16.4,7.8),2.19(2H,q,J=7.8),2.10(1H,br.d),1.93(1H,ddd,J=12.4,8.7,2.7),1.64(1H,dd,J=12.6,7.5),1.13(3H,t,7=7.4)ppm。
【0105】
13C NMR(100MHz,CD
3OD):δ159.86,151.60,122.57,53.69,47.96,44.73,43.03,36.87,30.21,25.40,12.84ppm。
【0106】
段階4
ラセミ((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メタンアミンの鏡像異性体のキラル分割
【化48】
Diacel Chiralpak IC、5μm、20×250mm、15ml/分、50%エタノール:50%イソヘキサンを用いて、ラセミ((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メタンアミン(155mg)を分割した。蒸発後、保持時間9.91分のピーク1(32mg)および保持時間18.91分のピーク2(28mg)の画分が得られた。
【0107】
分析キラルクロマトグラフィー:Diacel Chiralpak IC、5μm、4.6×250mm、30分間法、1.5ml/分、30%エタノール:70%イソヘキサン、215nmにおいてピーク1の保持時間9.49分%、ピーク2の保持時間19.41分。
【0108】
実施例3:式2の化合物の合成
ラセミN−(((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)エタンアミンの合成
【化49】
ラセミ((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メタンアミン(式2の化合物)(50mg、0.214mmol)の乾燥ジクロロエタン(10ml)懸濁液にアセトアルデヒド(121μl、2.143mmol)を加え、混合物を20分間攪拌し、その間に溶液が透明になった。回転蒸発により溶媒を除去し、残渣をエタノール(10ml)中に溶かし、この溶液に水素化ホウ素ナトリウム(81mg、2.143mmol)を加え、混合物を20分間攪拌した。1N塩酸の滴加により反応混合物をpH1に酸性化し、得られた混合物を蒸発乾固させた。粗生成物を分取HPLC(Waters社、Basic(0.1%炭酸水素アンモニウム)、Basic、Waters X−Bridge Prep−C18、5μm、19×50mmカラム、20〜50%アセトニトリル水溶液)により精製して、N−(((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メチル)エタンアミン(24mg,0.090mmol、収率42.0%)を無色の固体として得た。
【0109】
LCMS(Agilent、Basic、Waters X−Bridge C18、2.5μm、4.6×30mm、Basic(0.1%炭酸水素アンモニウム)4分間法、5〜95%アセトニトリル/水):m/z 262(M+H)
+(ES
+);260(M−H)
−(ES
−)、1.32分、215nmにおける純度98%。
【0110】
1H NMR(400MHz,CD
3OD):δ5.35(1H,d,J=1.8),3.25(2H,dd,J=16.0,13.0),3.18−3.12(3H,m),3.08(1H,d,J=15.5),2.99(1H,d,J=15.5),2.88(1H,quin,J=7.4),2.52(1H,dd,J,=16.4,7.8),2.21−2.16(2H,m),2.10(1H,d,J=16.4),1.99(1H,ddd,J=12.4,8.7,2.7),1.60(1H,dd,J=12.4,7.5),1.40(3H,t,J=7.3),1.12(3H,t,J=7.4)ppm。
【0111】
13C NMR(100MHz,CD
3OD):δ160.10,151.80,122.38,56.59,53.89,45.05,44.50,42.99,37.25,31.93,31.08,25.39,12.80,11.53ppm。
【0112】
実施例4:化合物10を調製する代替経路
段階1(式14の化合物)
ラセミ(2E/Z)−2−((1R,5S)−3−エチル−6−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エニリデン)アセトニトリル
【化50】
テトラヒドロフラン(45mL)で希釈し0℃に冷却した1.78Mカリウムtert−ブトキシドのテトラヒドロフラン(64mL、113.9mmol)溶液にシアノメチルホスホン酸ジエチル(21.16g、119mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間攪拌し、室温まで温め、さらに30分間攪拌した。混合物を均圧滴下漏斗に移し、0℃のラセミ(1R,5S)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−オン(14.8g、109mmol)のテトラヒドロフラン(140mL)溶液に滴加した。混合物を室温まで温め、18時間攪拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)および酢酸エチル(200mL)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過後の残渣をシリカでのクロマトグラフィー(2.5%酢酸エチル:イソヘキサン)により精製して、ラセミ(2E)−2−((1R,5S)−3−エチル−6−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エニリデン)アセトニトリルをE/Z異性体の混合物として得た(14.45g、84%)。
【0113】
LCMS(Agilent、Waters SunFire C18、4.6×30mm、ギ酸、アセトニトリル水):m/z 160.2(M+H)+ES+、2.88分。
【0114】
1H NMR(400MHz,CDC13):アルケン異性体の約60:40の混合物δ5.43(0.4H,m),5.23(0.6H,m),5.09(0.6H,m),4.98(0.4H,m),4.12(0.4H,br s),3.93(0.6H,br s),3.19−2.90(2H,m),2.74−2.46(2H,m),2.29−2.07(2H,m),1.14−1.06(3H,m)。
【0115】
段階2(式6の化合物)
ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトニトリル
【化51】
(1R,5S)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−オン(9.59g、60.3mmol)のニトロメタン(75mL、84.6g、1.38mol)溶液に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(10mL、10.2g、66.9mmol)を窒素下で加え、混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物をオルトリン酸二水素カリウム(400mL)の5%水溶液に注加し、酢酸エチル(300mL)を加えた。層を分離し、さらに水層を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、粗生成物を得、それまでに半分の規模で実施した反応の粗生成物と合わせた。残渣をシリカでのクロマトグラフィー(5〜10%酢酸エチル:イソヘキサン)により精製して、ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトニトリル(16.5g、75mmol、収率83%)をジアステレオ異性体の約2:1の混合物として得た。主要ジアステレオ異性体のデータ。
【0116】
LCMS(Agilent、Waters SunFire C18、4.6×30mm、酸性(0.05%ギ酸、6分間法、3〜97%アセトニトリル/水):m/z 221(M+H)
+(ES
+)、2.79分。
【0117】
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ5.32(1H,d,J=2.1),4.87(2H,s),3.16(1H,br.s),2.97−2.82(1H,m),2.65(2H,s),2.48−2.40(1H,m),2.23(1H,ddd,J=12.4,8.8,2.5),2.16−2.02(3H,m),1.56(1H,dd,J=12.5,7.2),1.07(3H,t,J=7.5)ppm。
【0118】
段階3(式10の化合物)
ラセミ5−(((1R,5S,6S−3−エチル−6−(ニトロメチル−6−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エニル)メチル)−1H−テトラゾール
【化52】
ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトニトリル(200mg、0.909mmol)の乾燥トルエン(4mL)溶液にアジドトリメチルシラン(590μl、4.44mmol)およびジブチルスズオキシド(113mg、0.45mmol)を加えた。容器を密閉し、18時間、110℃に加熱した。混合物を室温まで冷却し、水(20mL)と酢酸エチル(20mL)との間で分配した。有機層を2M水酸化ナトリウム溶液(20mL)で処理し、水層を分離した後、濃塩酸でpH約1に酸性化した。酸性の水層を酢酸エチル(2×20mL)で再抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過し、蒸発させて、粗生成物を得、シリカでのクロマトグラフィー(50%エーテル:イソヘキサン)により精製して、ラセミ5−(((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)−6−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エニル)メチル)−1H−テトラゾール(10mg、0.038mmol、収率4%)を得た。
【0119】
LCMS(Agilent、Waters SunFire C18、4.6×30mm、酸性(0.05%ギ酸、6分間法、3〜97%アセトニトリル/水):m/z 264(M+H)+(ES+);262(M−H)−(ES−)、2.35分。
【0120】
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ11.09(1H,br.s),5.37(1H,d,J=1.2),4.80(2H,s),3.22(1H,br.s),3.01(2H,s),2.93−2.81(1H,m),2.50−2.40(1H,m),2.19−2.05(4H,m),1.63(1H,dd,J=12.5,7.5),1.05(3H,t,J=7.6)ppm。
【0121】
段階3(式10の化合物)の代替条件
ラセミ5−(((1R,5S,6S−3−エチル−6−(ニトロメチル−6−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エニル)メチル−1H−テトラゾール
ラセミ2−((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)アセトニトリル(170mg、0.772mmol)の1−メチル−2−ピロリジノン(2.7mL)溶液にピリジン塩酸塩(180mg、1.57mmol)およびアジ化ナトリウム(263mg、4.04mmol)を加えた。フラスコを窒素下で18時間、100℃に加熱した。次いで、さらに4時間、フラスコの温度を117〜120℃に上昇させた後、室温まで冷却させた。混合物を水(20mL)中に注加し、2M塩酸水溶液で慎重に酸性化した。水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した後、有機層を2M水酸化ナトリウム水溶液(1×20mL、1×10mL)とともに振盪した。次いで、合わせた水層を濃塩酸でpH約1に酸性化し、酢酸エチル(3×20mL)で再抽出した。合わせた有機層を水(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過し、蒸発させて、粗生成物を得、シリカでのクロマトグラフィー(7gシリカ、ジエチルエーテル:イソヘキサン:酢酸(200:300:8))により精製して、ラセミ5−(((1R,5S,6S)−3−エチル−6−(ニトロメチル)−6−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エニル)メチル)−1H−テトラゾール(81mg、0.304mmol、収率40%)を得た。
【0122】
LCMS(Agilent、Waters SunFire C18、4.6×30mm、酸性(0.05%ギ酸、6分間法、3〜97%アセトニトリル/水):m/z 264(M+H)
+(ES
+);262(M−H)
−(ES
−)、2.35分。1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ16.10(1H,br.s),5.34(1H,d,J=1.4),4.80(2H,s),3.22(1H,br.s),3.02(2H,s),2.94−2.81(1H,m),2.48−2.40(1H,m),2.19−2.05(4H,m),1.64(1H,dd,J=12.5,7.4),1.05(3H,t,J=7.4)ppm。
【0123】
実施例5
α
2δ−1結合親和性アッセイにより本発明の化合物の治療活性が示された。この試験は以下の方法で実施した。
【0124】
カルシウムチャネルα
2δ−1サブユニット結合アッセイ
この節では、α
2δ−1を含む膜への[
3H]ガバペンチン([
3H]GBP)結合を測定するシンチレーション近接アッセイ(SPA)および化合物のプロファイリングへのその使用について記載する(Calvoら(2012)J.Biomol.Screen.17:1041−1049)。
【0125】
ヒトCavl.2/β3/α
2δ−1カルシウムチャネル膜(Chantest社)を氷上で融解して等分し、のちに使用するために−80℃で保管した。アッセイ緩衝液(10mM HEPES(Sigma社)、(pH7.4))で膜を200μg/ml(最終アッセイ濃度(FAC)3μg/ウェル)に希釈した。[
3H]GBP(Perkin Elmer社)ストック溶液を−20℃で保管した。[
3H]GBPをアッセイ緩衝液で40nM(FAC 10nM)に希釈した。SPAビーズ(Perkin Elmer社)を10mM HEPES(pH7.4)中に100mg/mlで再懸濁させた。ビーズをアッセイ緩衝液で40mg/ml(FAC 0.6mg/ウェル)に希釈した。過剰のプレガバリン(Tocris社)を用いて非特異的結合(NSB)を生じさせた。プレガバリンをMilli−Q H
2Oに10mMで可溶化させた。10mMのプレガバリンをアッセイ緩衝液で400μΜ(FAC 100μΜ)に希釈した。化合物を100μΜに希釈し、次いで半対数希釈した。次いで、これらをアッセイ緩衝液で1:100に希釈して4×アッセイ濃度にした(最高希釈FAC 1μΜ)。SPAビーズ15μl;膜15μl;プレガバリンまたはアッセイ緩衝液/被験化合物15μlおよび[
3]GBP 15μlを白色の96ウェルisoplate(Perkin Elmer社)に加えた。アッセイプレートを密閉し、プレート振盪機で10秒間混合した後、プレートラックに入れ、リーダースタッカ―中に差し込んだ。プレートを一晩(20時間)インキュベートした後、1450 MicroBeta TriLux Microplate Scintillation and Luminescence Counterで周囲室温(RT)にて読み取った。
【0126】
データ解析
化合物で得られた値から100μΜプレガバリンの添加によって得られたNSB値を減じて、特異的結合値を求めた。カウント毎分(cpm)で表した特異的結合を化合物濃度(M)に対してプロットし、4パラメータロジスティック方程式を用いてフィットさせた。化合物が特異的結合を50%阻害するときの化合物の濃度であるIC
50値を算出した。被験化合物の結果を表1に示す。
【0127】
【表1】
【0128】
実施例6
α
2δ−1サブユニットに対するGABA類似体の速度論的結合パラメータ(結合速度および解離速度)および親和性(KD)を決定する方法。
【0129】
結合親和性がKDまたは平衡解離定数として表せることは当該技術分野で周知であり、結合親和性の増大はKDの減少と相関し、KDは速度論的結合定数から算出できる。α
2δ−1サブユニットに対するGABA類似体の速度論的結合解析は、Biacore(商標)SPR機器(Biacore、GE Healthcare社、ウプサラ)に適用される表面プラズモン共鳴技術によって決定できる。速度論的結合速度(ka;k−on)および解離速度(kd;k−off)を求める。平衡解離定数(KD;親和性)の値をk−off/k−onとして計算する。
【0130】
先行技術および科学刊行物では、完全長の電位依存性カルシウムチャネルサブユニットα
2δ−1内のある短い領域がガバペンチンおよびプレガバリンの結合部分であるとされている(Wangら(1999)Biochem.J.342,313−320;Fieldら(2006)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A,14,103,17537−17542)。
【0131】
この実施例は、GABA類似体である((1R,5S,6S)−6−((1H−テトラゾール−5−イル)メチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル)メタンアミン(「試験化合物」:実施例2に記載される通りに調製される化合物)および(1R,5S,6S)−6−(アミノメチル)−3−エチルビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−エン−6−イル]酢酸(「参照化合物」:国際公開第2010/079668号および米国特許出願公開第2012/0071685(A1)号に記載される通りに調製される化合物)がヒト電位依存性カルシウムチャネルサブユニット(α
2δ−1、CACNA2D1)の組換えフラグメントに結合可能であることを開示する。さらに、上記2つの化合物の、それらの標的(CACNA2D1)に対する潜在的な結合特性の差を特定して特徴づけるために、これらの2つの化合物の比較結合論的結合解析を実施した。
【0132】
チオールカップリング化学反応を製造業者の指示通りに用いて、標的リガンドであるヒト組換えCACNA2D1をBiacore CM5光学センサーチップの表面に共有結合により高密度(26000RU)で固定化した(Biacore Thiol Coupling Kit、注文コード:BR−10057;GE−Healthcare社、ウプサラ)。非特異的バックグランド結合を補正するため、参照フローセルにウシ血清アルブミンを固定化した。HBS−P緩衝液(注文コード:BR−100368;GE−Healthcare社、ウプサラ)に溶かした漸増濃度の試験化合物および参照化合物を流速30μl/分でフローセルに通した。前に結合した物質を除去して活性化合物結合部位を再構築するため、実行する毎に10mM塩酸でセンサーチップ表面を再生した(流速=30μl/分)。次いで、減算センサグラム(CACNA2D1組換えタンパク質がBSA参照を減じたもの)を作成した。
【0133】
次いで、BiaEvaluation 4.0ソフトウェアにより提供されるラングミュア1:1相互作用アルゴリズムを用いる各減算結合センサグラムの数学的単一センサグラムフィッティングにより、速度論的結合解析を実施した。
【0134】
この実施例に記載される実験結果から、検討した両化合物が、ヒトCACNA2D1組換えタンパク質に特異的に結合できたことが明らかになった。さらに、この実施例に開示されるデータにより、試験化合物と参照化合物との間で結合特性を差別化できる。これらの差異が試験化合物の薬理活性を参照化合物よりも増大させると予測される。
【0135】
上記の実施例は本発明を説明することを意図するものであって、本発明を限定することを決して意図するものではないことが理解されよう。したがって、本発明の範囲は、添付の任意の請求項およびそのような請求項の権利が及ぶ均等物の全範囲に関して定められる。