(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
運動学的置換、すなわち請求項1から6のいずれか一項に記載の機構のいずれか1つにおいて第1リンク(1)の固定を解除して、代わりに第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、または第9リンク(2,3,4,5,6,7,8,9)のいずれか1つを前記固定リンクとすることによって得られることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の機構。
1もしくは複数のばね(10)、および/または1もしくは複数の緩衝装置が前記機構の任意の2つのリンクの間に取り付けられ、前記機構が1または複数のアクチュエータを有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の機構。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の1つは、
機構を基礎に連結するジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、当該ジョイントにおける摩耗が最小化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、当該ジョイントの寿命が最大化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントの寿命が可能な限り最大化されていることで、当該ジョイントの保守コストが最小化されるように、
これらのジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されるように、
基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されていることで、機構によって生成される騒音が最小化されるように、
基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されていることで、基礎に伝達される振動が最小化されるように、
基礎に伝達される騒音および振動が可能な限り最小化されていることで、機構における騒音および振動を防止することに関連するコストが最小化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントにおける摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、機構のエネルギー消費が最小化されるように、
アクチュエータを何ら使用することなくばねのみを使用することによって、任意の所望のトルク変動を生成可能な、機械トルク生成装置を実現することである。
【0006】
本発明の別の目的は、
機構を基礎に連結するジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、当該ジョイントにおける摩耗が最小化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、当該ジョイントの寿命が最大化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントの寿命が可能な限り最大化されていることで、当該ジョイントの保守コストが最小化されるように、
これらのジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されるように、
基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されていることで、機構によって生成される騒音が最小化されるように、
基礎に伝達される振動力および振動モーメントが最小化されていることで、基礎に伝達される振動が最小化されるように、
基礎に伝達される騒音および振動が可能な限り最小化されていることで、機構における騒音および振動を防止することに関連するコストが最小化されるように、
機構を基礎に連結するジョイントにおける摩擦力の大部分がリンクの重量のみに起因することで、機構のエネルギー消費が最小化されるように、
出力リンクの回転運動が、入力リンクの並進運動の任意の所望の関数として得られ、
液圧でまたは空気圧で作動される機械、内燃機関、および圧縮機などの多くの異なる分野で使用することができる、汎用機構を実現することである。
【0007】
本発明の別の目的は、
機構を第1リンクに連結する4つのジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分が、リンクの重量、第1リンクにのみ作用する外力、外力モーメント、慣性力、および慣性モーメントに起因することで、当該4つのジョイントにおける摩耗が最小化されるように、
機構を第1リンクに連結する4つのジョイントにおける反力、反力モーメント、および摩擦力の大部分が、リンクの重量、第1リンクにのみ作用する外力、外力モーメント、慣性力、および慣性モーメントに起因することで、当該4つのジョイントの寿命が最大化されるように、
機構を第1リンクに連結する4つのジョイントの寿命が可能な限り最大化されていることで、当該4つのジョイントの保守コストが最小化されるように、
機構を第1リンクに連結する4つのジョイントにおける摩擦力の大部分が、リンクの重量、第1リンクにのみ作用する外力、外力モーメント、慣性力、および慣性モーメントに起因することで、機構のエネルギー消費が最小化されるように、
あるジョイントにおける相対回転運動が、別のジョイントにおける相対並進運動の任意の所望の関数として得られ、
液圧でまたは空気圧で作動される機械、内燃機関、および圧縮機などの多くの異なる分野で使用することができる、汎用機構を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
機構は、ジョイントによって互いに連結されたリンクからなり、かつ運動および/または力をある場所から別の場所に伝達するために使用される、機械的システムである。高い反力および反力モーメント、ならびに機構のジョイントにおいて生じる高い摩擦力および摩擦モーメントは、軸受の早い摩耗を引き起こすだけでなく、機構のエネルギー消費をも増大させる。さらに機構は、それが取り付けられる基礎に振動力および振動モーメントを及ぼす。この振動力および振動モーメントは、機構を基礎に連結するジョイントにおいて生じる反力、反力モーメント、摩擦力、および摩擦モーメントに起因し、基礎での望ましくない振動および騒音を引き起こす。
【0009】
本明細書において説明される発明は、(その実際の使用に関する限り)1自由度の、過拘束の(overconstrained)(すなわち恒久的に臨界形態にある(in permanently critical form))、新規な平面機構に関し、その入力リンクは並進するが、その出力リンクは固定された軸を中心に回転する。本明細書において、入力リンクおよび出力リンクは、基礎にジョイントで連結される任意の2つのリンクを指す。入力リンクが機構を作動させるリンクであるとする典型的な仮定は採用されない。上述された最初の機構の出力リンクの回転運動は、入力リンクの並進運動の任意の所望の関数として得られる。さらに、この新規な機構の運動寸法、リンクの慣性パラメータ、および負荷条件が特定の条件を満たすならば、基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、および機構を基礎に連結するジョイントにおける摩擦力は、これらがリンクの重量のみによって決まることになるので、最小化される。摩擦力が最小化されるので、機構のエネルギー消費は最小化される。本発明に係る機械トルク生成装置は、任意の所望のトルクを生成可能であり、機構を基礎に連結するジョイントにおいて基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、摩擦力、ひいては機構のエネルギー消費を最小化するものであり、上述された新規な機構のいくつかのリンクの間にばねを取り付けることによって得られる。
【0010】
本明細書においてEqMTG
1&2機構と称される機構は、MTG機構において第1リンクと第2リンクとを互いに連結する回転ジョイントをシリンダ−イン−スロットジョイントで置き換えることによって得られる機構である。これは、恒久的な臨界形態ではない(すなわち過拘束ではない)機構である。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、第1リンク上で、点(O
2)
2の経路をx
1軸に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第2リンクを第1リンクに対して、点(O
2)
2を通過するz
1軸に平行な軸を中心に回転させる。ここで(O
2)
2は、第2リンク上の原点O
2を示す(
図2を参照)。MTG機構およびEqMTG
1&2機構の運動寸法および入力運動(input motions)が同じである場合、2つの機構の運動は同一になる。
【0011】
一方、EqMTG
1&3機構は、MTG機構から第1リンクと第3リンクとを連結する直動ジョイントをシリンダ−イン−スロットジョイントによって置き換えることによって得られる、恒久的な臨界形態ではない(すなわち過拘束ではない)別の機構である。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、第1リンク上で、点U3
3の経路を、y
1軸に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第1リンクに対して第3リンクを、点U3
3を通過するz
1軸に平行な軸を中心に回転させる。ここでU3
3は、y
3軸上に位置付けられる第3リンク上の点を示す。EqMTG
1&2機構と同様に、MTG機構およびEqMTG
1&3機構の運動寸法および入力運動が同じである場合、2つの機構の運動は同一になる。MTG機構における場合のように、EqMTG
1&2機構およびEqMTG
1&3機構の運動寸法、リンクの慣性パラメータ、および負荷条件が特定の条件を満たすならば、機構を基礎に連結するジョイントにおいて基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、および摩擦力が最小化され、さらにこのことにより機構のエネルギー消費が最小化される。
【0012】
MTG機構、EqMTG
1&2機構、およびEqMTG
1&3機構が導かれる元になる運動機構から運動学的置換(kinematic inversion)の方法によって得られる機構は全て、MTG機構、EqMTG
1&2機構、およびEqMTG
1&3機構と同様の利点を有する。運動学的置換方法によって得られるこれらの機構では、あるジョイントにおける相対回転運動が、別のジョイントにおける相対並進運動の任意の所望の関数として得られる。さらに、上述された機構の運動寸法、リンクの慣性パラメータ、および負荷条件が特定の条件を満たすならば、これらの機構の第1リンクを第2、第3、第4、および第5リンクに連結する4つのジョイントの各々における、反力、反力モーメント、およびクーロン摩擦力の大部分が、第1リンクに作用する外力および外力モーメント、ならびにダランベールの原理によって第1リンクに作用する慣性力および慣性モーメントから生じることになる。また、これらの大部分は、第1リンク以外のリンクに作用している外力および外力モーメント、ならびに第1リンク以外のリンクの加速度から独立しているであろう。
【0013】
本発明の目的を達成するように実現される「機械トルク生成装置および関連する運動機構」は、以下に列挙する添付の図面において示されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面において示される全ての部品には番号が付されており、以下に列挙される対応物を指している。
1.第1リンク
2.第2リンク
3.第3リンク
4.第4リンク
5.第5リンク
6.第6リンク
7.第7リンク
8.第8リンク
9.第9リンク
10.ばね
11.機械トルク生成装置
12.等価な機械トルク生成装置−1&3機構
13.摩擦および振動が最小の−あらゆる回転に対して並進する機構
【0016】
機械トルク生成装置(11)の概略図が、
図2において与えられている。MTG(11)には、第1リンクとして示される基礎を含む全部で9つのリンクが存在する。O
1x
1y1、O
2x
2y
2、O
3x
3y
3、O
4x
4y
4、O
5x
5y
5、O
6x
6y
6、O
7x
7y
7、O
8x
8y
8、およびO
9x
9y
9の座標系は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、および第9リンク(1,2,3,4,5,6,7,8,9)に結び付けられる基準系であり、x
3軸およびx
5軸はx
1軸に平行であり、一方でy
3軸およびy
5軸はy
1軸に平行である。図をこれ以上複雑にしないように、第6、第7、第8、および第9リンク(6,7,8,9)に属するx軸およびy軸は、
図2には示されていない。
【0017】
MTG(11)において使用されるジョイントが、
図3において示されている。この表において、R、P、およびC
Sはそれぞれ、回転ジョイント、直動ジョイント、およびシリンダ−イン−スロットジョイントを表す。
図3を用いて、どのリンクが他のどのリンクに、どの種類のジョイントを用いて連結されるかを見て取ることが可能である。例えば、
図3において与えられる9×9行列の第5行によると、第5リンク(5)が、第1、第8、および第9(1,8,9)に、それぞれ直動ジョイント、シリンダ−イン−スロットジョイント、およびシリンダ−イン−スロットジョイントによって連結されることが見て取れる。
【0018】
MTG(11)において使用される第6リンクのローラ(6)は、第3リンク(3)の溝内を移動する。LO
3Rと表示された(
図2を参照)、この溝のちょうど真ん中に位置付けられるカーブは、第3リンク上での第6リンク(6)上の点A
6の軌跡である。ここで、A
6は、第6リンク(6)上の点Aを表す。汎用的にいえば、P
iはi番目のリンク上の点Pを規定する。ここで、点B
7は、第3リンク(3)上のカーブLO
3Lに従う。同様に、点D
9およびC
8は、それぞれ第5リンク(5)上のカーブLO
5RおよびカーブLO
5Lに沿って移動する。
【0019】
機械トルク生成装置(11)の出力リンクは、第2リンクおよび第4リンク(2,4)であり、これらの角度位置は、θ
o(t)によって示される。一方、
図2におけるトルクT
2(θ
o)およびT
4(θ
o)は、機械トルク生成装置(11)によって生成されたトルク(すなわち生成装置の出力)を示す。これらのトルクは互いに等しいはずなので(式(E48)を参照)、いずれのトルクもT(θ
o)によって表すことができる。使用されるシンボルから理解できるように、トルクT
2(θ
o)およびT
4(θ
o)は出力リンクの角度位置によって決まる。
【0020】
図2においては、固定された筐体(1)と第3リンク(3)との間に、ばね定数k
uを有するばね(10)が存在する。一方、筐体と第5リンク(5)との間のばね(10)のばね定数は、k
lとして示される。
【0021】
機械トルク生成装置(11)は、平面機構であり、その入力リンクは並進運動を実行し、出力リンクは固定された軸を中心とした回転運動を実行し、その実際の自由度は1であり、入力リンクの位置s
i(t)と出力リンクの角度位置θ
o(t)との間の任意の関係を得ることが可能であり(
図2を参照)、MTGの運動寸法が適切に設計されるとき、この関係は以下の数式として表されうる。
θ
o=f(s
i) (E1)
ここで、f(s
i)はs
iによって決まる任意の関数を表象し、この関数およびその導関数は連続的なものになる。さらに、所望の入力−出力関係は、所望であれば式(E1)の代わりにs
i=g(θ
o)として表されることに留意されたい。
【0022】
MTG(11)を使用することによって、所望の入力−出力関係を生成することに加えて、機械トルク生成装置(11)の運動寸法、使用されるばねの自由長さ、ならびにばね定数k
uおよびばね定数k
lを適切に設計することによって、任意の所望のトルクT(θ
o)を生成することも可能である。
【0023】
機械トルク生成装置(11)の自由度を求めるために、以下の式が使用されうる。
【0025】
ここで、F、λ、l、およびjはそれぞれ、機構の自由度、機構が動作する空間の自由度、機構のリンクの個数、および機構のジョイントの個数を表し、f
iは、ジョイントiの自由度である。MTG(11)は平面機構であるので、以下のようになる。
λ=3 (E3)
【0026】
さらに、
図2および
図3を使用して、以下が得られる。
l=9 (E4)
j=12 (E5)
【0027】
図3に示されるように、MTG(11)には、6つの1自由度の回転ジョイント、2つの1自由度の直動ジョイント、および4つの2自由度のシリンダ−イン−スロットジョイントが存在する。したがって、以下が得られる。
【0029】
式(E3)〜(E6)を式(E2)に代入すると、以下が得られる。
F=4 (E7)
【0030】
一方、機構の現実の自由度は、以下のようになるであろう。
F
g=5 (E8)
【0031】
式(E2)を使用することによって得られる自由度と現実の自由度との間の差の理由は、MTG(11)が、恒久的に臨界形態にある機構であることである。換言すれば、MTG(11)において使用される特別な運動寸法[式(E10)〜(E22)を参照]のために、MTG(11)のジョイントに起因する拘束は、互いから独立していない。これらの特別な運動寸法のため、基礎(1)に固定されたO
1x
1y
1座標系に関する、点A
2、B
4、C
2、およびD
4の座標(
図2を参照)は、第6、第7、第8、および第9リンクのローラ(6,7,8,9)の中心であり、運動の全体を通して、それぞれ(x
a,y
a)、(−x
a,y
a)、(−x
a,−y
a)、および(x
a,−y
a)である。
【0032】
一方、機構の使用が考慮されるとき、機械トルク生成装置の実際の自由度は
F
g,p=F
g−4=1 (E9)
であるといえるが、これは、点A、B、C、およびDをそれぞれ通過するz
1軸に平行な軸を中心とした第6、第7、第8、および第9リンク(6,7,8,9)の回転が、用途において重要性を持たないことによる。
【0033】
MTG(11)において使用される上述された特別な運動寸法が、以下に列挙されている。
【0035】
式(E11)〜(E13)における記号「⇔」は、「一致する」を意味することを意図されている。一方、式(E14)において、r
6、r
7、r
8、およびr
9はそれぞれ、第6、第7、第8、および第9リンクのローラ(6,7,8,9)の半径を表す。(x
LO_3R,y
LO_3R)は、O
3x
3y
3系に関する、カーブLO
3R上の点のx座標およびy座標を表す。一方、(x
LO_3L,y
LO_3L)は、O
3x
3y
3系に関する、カーブLO
3L上の点のx座標およびy座標を表す。同様に、(x
LO_5R,y
LO_5R)および(x
LO_5L,y
LO_5L)はそれぞれ、O
5x
5y
5系に関する、カーブLO
5RおよびカーブLO
5L上の点のx座標およびy座標を示す。一方、pはパラメータを表し、その下限および上限はp
minおよびp
maxである。換言すれば、以下のようなパラメータpに対する制約が存在する。
p
min≦p≦p
max (E23)
【0036】
最後に、fおよびgは、カーブLO
3R、LO
3L、LO
5R、およびLO
5Lを規定するために使用される2つの関数である。ここで、以下の関数は、連続的であるはずである。
【0038】
MTG(11)の運動寸法が式(E10)〜(E22)によって与えられる条件を満たすならば、トルク生成装置の運動全体を通して、以下のようになる。
【0040】
図2において、角度∠K
1P
1B
4および長さO
1O
3は、それぞれθ
o(t)およびs
i(t)として示されている。
【0041】
MTG(11)のリンクの慣性パラメータによって満たされるべき条件も存在する。これらの条件は、以下に列挙されている。
【0043】
ここで、G
i、m
i、x
G_i、およびy
G_iはそれぞれ、重心、質量、i番目のリンクリンクに連携されたO
ix
iy
i系に関する重心のx座標、およびリンクiのO
ix
iy
i系に関する重心のy座標を表す。一方、I
G_iは、G
iから延びるz
1に平行な軸に関するi番目のリンクの慣性モーメントである。
【0044】
最後に、MTG(11)に加えられる外力および外力モーメントによって満たされるべき条件(
図2を参照)が、以下に与えられる。
【0046】
式(E47)において、ベクトルF
k_uおよびベクトルF
k_lはそれぞれ、ばね定数k
uおよびk
lを有するばね(10)によって第3リンクおよび第5リンク(3,5)に加えられる力を示す。
【0047】
ここで、等価な機械トルク生成装置(EqMTG:Equivalent Mechanical Torque Generator)−1&2と名付けられる平面機構を検討する。第1リンクと第2リンクと(1,2)を連結するジョイントの種類を除いて、EqMTG
1&2と
図2において示されるMTGとは、同じ機構である。MTGでは、第2リンク(2)と基礎(1)との間に、回転ジョイントが存在する。一方、EqMTG
1&2では、第2リンク(2)と基礎(1)とが、2自由度のシリンダ−イン−スロットジョイントによって互いに連結される。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、第1リンク(1)上で、点(O
2)
2の経路をx
1軸[または、原点(O
1)
1を通過するいずれかの直線]に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第2リンク(2)を第1リンク(1)に対して、点(O
2)
2を通過するz
1軸に平行な軸を中心に回転させる。ここで、(O
2)
2は、第2リンク(2)上の原点O
2を表す。さらに、EqMTG
1&2機構の運動寸法は、条件(E10)〜(E22)を満たす。EqMTG
1&2機構の自由度が式(E2)を使用することによって計算されるとき、以下が得られる。
F=5 (E49)
【0048】
このようにして得られた自由度は、EqMTG
1&2機構の実際の自由度である。このため、MTG(11)機構とは対照的に、EqMTG
1&2機構は、恒久的に臨界形態にある機構ではない。EqMTG
1&2機構およびMTG(11)機構の運動寸法および入力運動が同じである場合、これらの機構の運動も同じになる。
【0049】
図4では、等価な機械トルク生成装置(EqMTG)−1&3(12)と称される平面機構が示されている。
図4におけるカーブC
13は、半径b
1および中心U3
3を有する円上に存在する。ここで、U3
3は、第3リンク(3)上に存在しかつy
3軸上に位置付けられる点を表す。EqMTG
1&3(12)と
図2において示されるMTG(11)とを比較すると、第1リンクと第3リンクと(1,3)を連結するジョイントの種類を除いて、これらの機構が同じであることが理解されるであろう。MTG(11)においては、第3リンク(3)と基礎(1)との間に、直動ジョイントが存在する。一方、EqMTG
1&3(12)においては、第3リンク(3)と基礎(1)とは、シリンダ−イン−スロットジョイントによって互いに連結される。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、リンク(1)上で、点U3
3の経路をy
1軸に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第3リンク(3)を第1リンク(1)に対して、点U3
3を通過するz
1軸に平行な軸を中心に回転させる。さらに、EqMTG
1&3機構(12)の運動寸法は、条件(E10)〜(E22)を満たす。EqMTG
1&2機構と同様に、EqMTG
1&3機構(12)は、恒久的な臨界形態にはない5自由度の機構である。ここでも、EqMTG
1&2機構の場合のように、EqMTG
1&3(12)機構およびMTG(11)機構の運動寸法および入力運動が同じである場合、EqMTG
1&3(12)機構およびMTG(11)機構の運動も同じになる。
【0050】
一方で、等価な機械トルク生成装置−1&4(EqMTG
1&4)機構は、EqMTG
1&2機構と同様に、MTG(11)において第4リンク(4)と基礎(1)とを連結する回転ジョイントを排除し、これをシリンダ−イン−スロットジョイントと置き換えることによって得られる。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、第1リンク(1)上で、点(O
4)
4の経路を、x
1軸[または、原点(O
1)
1を通過するいずれかの線]に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第4リンクを第1リンク(1)に対して、点(O
4)
4を通過するz
1軸に平行な軸を中心に回転させる。ここで、(O
4)
4は、第4リンク(4)上の原点O
4を表す。EqMTG
1&3機構と同様に、等価な機械トルク生成装置−1&5(EqMTG
1&5)機構は、MTG(11)において第5リンク(5)と基礎(1)とを連結する直動ジョイントを排除し、これをシリンダ−イン−スロットジョイントに置き換えることによって得られる。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、第1リンク(1)上で、点(U
5)
5の経路をy
1軸に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第5リンク(5)を第1リンク(1)に対して、点(U5)
5を通過するz
1軸に平行な軸を中心に回転させる。ここで、(U5)
5は、第5リンク(5)上に存在しかつy
5軸上に位置付けられる点を表す。EqMTG
1&4機構およびEqMTG
1&5機構は、EqMTG
1&2およびEqMTG
1&3(12)と同じ特性を有する。
【0051】
ここで、
図4に示される(EqMTG
1&3)(12)機構に関連して、以下に与えられる6つの条件を検討する。
(C1) 機構の運動寸法が、式(E10)〜(E22)を満たす。
(C2) 機構の慣性パラメータが、式(E26)〜(E44)を満たす。
(C2) 機構の負荷条件が、式(E45)〜(E48)を満たす。
(C4) 重力加速度g(ベクトル)がゼロである。
(C5) 第6、第7、第8、および第9リンク(6,7,8,9)を第2リンクおよび第4リンク(2,4)に連結する4つの回転ジョイントの摩擦関連特性が互いに等しい。
(C6) 第6、第7、第8、および第9リンク(6,7,8,9)を第3リンクおよび第5リンク(3,5)に連結する4つのシリンダ−イン−スロットジョイントの摩擦関連特性が互いに等しい。
【0052】
上記の条件が満たされる場合、機構を基礎(1)に連結するジョイントにおける全ての反力および反力モーメントが、常に[すなわち、任意の所与の入力運動s
i(t)に対して、式(E1)によって与えられる任意の所与のθ
o=f(s
i)の関係に対して、および任意の時間tに対して]以下のように得られるであろう。
【0054】
ここで、ベクトルF
1i(t)およびベクトルM
1i(t)[i=2,3,4,5]は、回転ジョイント、直動ジョイント、またはシリンダ−イン−スロットジョイントに起因して生じる、基礎によってi番目のリンクに及ぼされる反力および反力モーメントを表す。一方、F
1ixおよびF
1iyは、力F
1i(ベクトル)のx
1成分およびy
1成分を示す。さらに、ベクトルi
1、ベクトルj
1、およびベクトルk
1は、x
1軸、y
1軸、およびz
1軸に平行な単位ベクトルである。式(E50)〜(E54)から明らかに理解できるように、EqMTG
1&3機構(12)によって基礎(1)に伝達される振動力および振動モーメントのz
1成分はゼロである。さらに、機構を基礎に連結する4つのジョイントの各々における反力および反力モーメントはゼロであるので、これらのジョイントの各々におけるクーロン摩擦力もゼロになる。なお、ここで、EqMTG
1&3(12)によって生み出されるトルクがどのようであれ、またEqMTG
1&3(12)のリンクの加速度がどのようであれ、振動力、振動モーメント、および摩擦力は依然としてゼロである。
【0055】
EqMTG
1&3(12)機構が満たさねばならない条件、すなわち上で与えられた条件C1〜C6が、EqMTG
1&2機構、EqMTG
1&4機構、およびEqMTG
1&5機構においても同様に、生成されるトルクT(θ
o)およびリンクの加速度から独立してである満たされる場合、機構を基礎に連結する4つのリンクの各々において基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、およびクーロン摩擦力はゼロになる。
【0056】
既に説明されたように、
図2において示されているMTG(11)は、恒久的に臨界形態にある機構である。この理由により、機構の動的な力の分析は、静的な不確定性を含む問題になる。換言すれば、機構の動的な力の分析を行うためには、剛体力学から得られた方程式に加えて、リンクの柔軟性から生じる変形方程式も必要である。この理由により、剛体力学から得られる方程式のみが使用されるとき、MTG(11)の動的な力の分析は、無数の解を生むことになる。MTG(11)が、先立って与えられたEqMTG
1&3機構(12)に関連する6つの条件(すなわち条件C1〜C6)を満たす場合、上記の解は、EqMTG
1&2機構、EqMTG
1&3(12)機構、EqMTG
1&4機構、およびEqMTG
1&5機構の動的な力の分析の解、すなわち式(E50)〜(E54)によって与えられる解をも含む。このため、MTG(11)のリンクの柔軟性を適切に設計することにより、機構を基礎に連結する4つのジョイントの各々において基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、およびクーロン摩擦力を、ゼロまたはほぼゼロにすることも可能である。
【0057】
MTG(11)機構、EqMTG
1&2機構、EqMTG
1&3(12)機構、EqMTG
1&4機構、およびEqMTG
1&5機構に関連する6つの条件のうちの1つである条件(C4)が満たされない(すなわち重力加速度gがゼロではない)場合、機構を基礎に連結する4つのジョイントの各々において基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、およびクーロン摩擦力は、ゼロにはならないものの、基本的にはこれらは、リンクの重量のみに起因し、生成されたトルクT(θ
o)およびリンクの加速度から独立しているであろう。
【0058】
図5では、負荷に関してのみMTG(11)とは異なる機構が示されている。この機構では、MTG(11)において存在する2つのばね(10)が排除されている。そして、代わりに外力F
u(s
i)およびF
l(s
i)が加えられている。上記2つの外力は、以下で与えられる条件を満たすものとする。
F
u(s
i)⇔(y
1軸) (E55)
F
l(s
i)⇔(y
1軸) (E56)
F
u(s
i)=F
l(s
i) (E57)
【0059】
図5において与えられる機構は、摩擦および振動が最小の−あらゆる回転に対して並進する機構(MinFaS−TaR:Minimum Friction and Shaking−Translation to any Rotation)(13)と称される。この機構は、MTG(11)機構と同様に、恒久的に臨界形態にある。MTG(11)機構およびMinFaS−TaR(13)機構の、運動寸法、慣性パラメータ、および負荷条件によって満たされるべき条件は、
図6に示される表において与えられる。
【0060】
ここで、EqMTG
1&3(12)機構と同様に、等価な、摩擦および振動が最小の−あらゆる回転に対して並進する−1&3(EqMinFaS−TaR
1&3)機構と称される機構について検討する。第1リンクと第3リンク(1および3)とを連結するジョイントの種類を除いて、EqMinFaS−TaR
1&3機構とMinFaS−TaR(13)機構とは同じである。MinFaS−TaR(13)では、第3リンク(3)と基礎(1)との間に直動ジョイントが存在する。一方、EqMinFaS−TaR
1&3機構では、第3リンク(3)と基礎(1)とが、シリンダ−イン−スロットジョイントによって連結されている。このシリンダ−イン−スロットジョイントは、リンク(1)上で点U3
3が従う経路を、y
1軸に一致させる。また、このシリンダ−イン−スロットジョイントはさらに、第3リンク(3)を第1リンク(1)に対して、点U3
3を通過するz
1軸に平行な軸を中心に回転させる。ここで、U3
3は、y
3軸上に位置付けられる第3リンク(3)上の点を表す。MinFaS−TaR(13)機構とは対照的に、EqMinFaS−TaR
1&3機構は、恒久的に臨界形態にある機構ではない。EqMinFaS−TaR
1&3機構およびMinFaS−TaR(13)機構の運動寸法および入力運動が同じである場合、これらの機構の運動も同じである。
【0061】
EqMinFaS−TaR
1&2機構、EqMinFaS−TaR
1&4機構、およびEqMinFaS−TaR
1&5機構も、EqMinFaS−TaR
1&3機構と同様に規定される。(機構を基礎に連結する4つのジョイントの各々において基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、およびクーロン摩擦力に関連する)MTG(11)機構、EqMTG
1&2機構、EqMTG
1&3(12)機構、EqMTG
1&4機構、およびEqMTG
1&5機構に関して先立ってなされた主張は全て、MinFaS−TaR(13)機構、EqMinFaS−TaR
1&2機構、EqMinFaS−TaR
1&3機構、EqMinFaS−TaR
1&4機構、およびEqMinFaS−TaR
1&5機構に関しても有効である。換言すれば、MinFaS−TaR(13)機構、EqMinFaS−TaR
1&2機構、EqMinFaS−TaR
1&3機構、EqMinFaS−TaR
1&4機構、およびEqMinFaS−TaR
1&5機構において、機構を基礎に連結する4つのジョイントの各々において基礎に伝達される振動力、基礎に伝達される振動モーメント、およびクーロン摩擦力は、基本的にはリンクの重量のみに起因するであろう。
【0062】
既に説明されたように、負荷条件が考慮されない場合、
図2および
図5において示されるMTG(11)機構およびMinFaS−TaR(13)機構は相違しない。換言すれば、運動学的な観点からは、MTG(11)機構およびMinFaS−TaR(13)機構は、同じ機構である。いずれの機構も、[6つの回転ジョイント、2つの直動ジョイント、および4つのシリンダ−イン−スロットジョイントを
図3の表に従って使用して、9つのリンクを互いに連結することによって得られ、運動寸法が条件(E10)〜(E22)を満たす]平面運動機構から、第1リンク(1)を運動不可能にすることによって(すなわち第1リンク(1)を基礎とすることによって)得られる。本明細書においては、上述された新規な運動機構は、2つの最適な回転ジョイントおよび2つの最適な直動ジョイントを有する運動機構(Kinematic Chain with 2 Optimum Revolute and 2 Optimum Prismatic Joints)(KCw2ORa2OPJ)と称される。KCw2ORa2OPJは恒久的に臨界形態にある機構であるので、この機構から運動学的置換方法を使用することによって得られる全ての機構も、恒久的に臨界形態にある機構になる。
【0063】
本明細書において、負荷条件を除いて相違しないEqMTG
1&3(12)機構およびEqMinFaS−TaR
1&3機構が導かれる元となっている運動機構は、2つの最適な回転ジョイントおよび2つの最適な直動ジョイントを有する等価な運動機構−1&3(EqKCw2ORa2OPJ
1&3:Equivalent Kinematic Chain with 2 Optimum Revolute and 2 Optimum Prismatic Joints-1&3)と称される。EqKCw2ORa2OPJ
1&3は、その運動寸法が条件(E10)〜(E22)を満たしており、恒久的な臨界形態にはない平面運動機構であるので、この運動機構から運動学的置換の方法を使用することによって得られる全ての機構も、恒久的な臨界形態ではない機構になる。
【0064】
同様に、[負荷条件が考慮されなければ全く相違しない]EqMTG
1&2機構およびEqMinFaS−TaR
1&2機構が導かれる元になる運動機構は、本明細書では、2つの最適な回転ジョイントおよび2つの最適な直動ジョイントを有する等価な運動機構−1&2(EqKCw2ORa2OPJ
1&2)と称される。さらに、EqMTG
1&4機構およびEqMinFaS−TaR
1&4機構が導かれる元になる運動機構、ならびにEqMTG
1&5機構およびEqMinFaS−TaR
1&5機構が導かれる元になる運動機構は、本明細書においてはそれぞれ、2つの最適な回転ジョイントおよび2つの最適な直動ジョイントを有する等価な運動機構−1&4(EqKCw2ORa2OPJ
1&4)、および2つの最適な回転ジョイントおよび2つの最適な直動ジョイントを有する等価な運動機構−1&5(EqKCw2ORa2OPJ
1&5)と称される。EqKCw2ORa2OPJ
1&2、EqKCw2ORa2OPJ
1&4、およびEqKCw2ORa2OPJ
1&5の平面運動機構は、それらの運動寸法が条件(E10)〜(E22)を満たしており、恒久的な臨界形態ではない運動機構であるので、これらの運動機構から運動学的置換の方法を使用することによって得られる機構も、恒久的な臨界形態ではない機構になる。
【0065】
運動機構EqKCw2ORa2OPJ
1&2およびEqKCw2ORa2OPJ
1&4は、実際には同じ運動機構であるが、本明細書においては、表記をこれ以上複雑にしないように異なる名称を有する。同じ理由により、運動機構EqKCw2ORa2OPJ
1&3およびEqKCw2ORa2OPJ
1&5は、異なる運動機構ではないが、本明細書においては異なる名称を有する。
【0066】
EqKCw2ORa2OPJ
1&2運動機構、EqKCw2ORa2OPJ
1&3運動機構、EqKCw2ORa2OPJ
1&4運動機構、およびEqKCw2ORa2OPJ
1&5運動機構から運動学的置換の方法によって得られる全ての機構が、条件(C1)〜(C6)を満たすならば、第1リンク(1)を第2、第3、第4、および第5リンク(2,3,4,5)に連結する4つのジョイントの各々における反力および反力モーメントならびにクーロン摩擦力は、第1リンク(1)のみに作用する外力および外力モーメント、ならびにダランベールの原理によって第1リンク(1)に作用する慣性力および慣性モーメントから生じることになる。換言すれば、EqMTG
1&2機構、EqMTG
1&3(12)機構、EqMTG
1&4機構、およびEqMTG
1&5機構と同様に、上述された4つのジョイントにおける反力、反力モーメント、およびクーロン摩擦力は、第1リンク(1)以外のリンクの加速度、ならびにT
2(θ
o)、T
4(θ
o)、ベクトルF
k_uおよびベクトルF
k_lから独立したものになる。
【0067】
既に説明されたように、運動機構KCw2ORa2OPJから得られる機構は、恒久的に臨界形態にある機構になる。この理由により、これらの機構の動的な力の分析は、静的な不確定性を含む問題をもたらすであろう。一方、KCw2ORa2OPJ運動機構から運動学的置換の方法を用いて得られる機構が条件(C1)〜(C6)を満たす場合、そしてさらに、MTG(11)機構と同様に、リンクの柔軟性が適切な様式で設計されている場合、第1リンク(1)を第2、第3、第4、および第5リンク(2,3,4,5)に連結する2つの回転ジョイントおよび2つの直動ジョイントの各々における反力および反力モーメントならびにクーロン摩擦力の大部分が、第1リンク(1)のみに作用する外力および外力モーメント、ならびにダランベールの原理によって第1リンク(1)に作用する慣性力および慣性モーメントから生じることになる。換言すれば、上述された4つのジョイントにおける、反力、反力モーメント、およびクーロン摩擦力の大部分が、第1リンク(1)以外のリンクの加速度、ならびにT
2(θ
o)、T
4(θ
o)、ベクトルF
k_uおよびベクトルF
k_lから独立したものになる。
【0068】
運動機構EqKCw2ORa2OPJ、EqKCw2ORa2OPJ
1&2、EqKCw2ORa2OPJ
1&3、EqKCw2ORa2OPJ
1&4、およびEqKCw2ORa2OPJ
1&5において、条件(C4)が満たされない場合、すなわち重力加速度がゼロでない場合、第1リンクをその他のリンクに連結する4つのジョイントの各々における反力および反力モーメントならびにクーロン摩擦力はさらに、リンクの重量にも依存することになる。
【0069】
知られているように、実際の用途では、直動ジョイントによって互いに連結される2つのリンクは、加圧された油または気体を収容するピストン−シリンダ対と等価である。この理由により、運動学的置換の方法を使用して、2つの直動ジョイントを有する運動機構EqKCw2ORa2OPJ、EqKCw2ORa2OPJ
1&2、EqKCw2ORa2OPJ
1&4、ならびに1つの直動ジョイントを有する運動機構EqKCw2ORa2OPJ
1&3およびEqKCw2ORa2OPJ
1&5から得られることになる機構は、液圧でまたは空気圧で作動される機械、内燃機関、および圧縮機などの多くの異なる分野において有用であると期待される。上述された機構では、任意の数のアクチュエータが使用されてもよい。さらに、機構における任意の2つのリンクの間に、ばねおよび/または緩衝装置が取り付けられてもよい。