特許第6491273号(P6491273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 広東広山新材料有限公司の特許一覧

特許6491273難燃性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、難燃性エンジニアリングプラスチック及び複合金属基板
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491273
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】難燃性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、難燃性エンジニアリングプラスチック及び複合金属基板
(51)【国際特許分類】
   C08L 63/00 20060101AFI20190318BHJP
   C08K 5/37 20060101ALI20190318BHJP
   C08K 5/375 20060101ALI20190318BHJP
   C08K 5/16 20060101ALI20190318BHJP
   C08K 5/49 20060101ALI20190318BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20190318BHJP
   C08K 3/016 20180101ALI20190318BHJP
   C08K 5/5415 20060101ALI20190318BHJP
   C08K 5/04 20060101ALI20190318BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20190318BHJP
   C08K 3/38 20060101ALI20190318BHJP
   C08K 7/04 20060101ALI20190318BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20190318BHJP
   B29B 9/12 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   C08L63/00 C
   C08L63/00 A
   C08K5/37
   C08K5/375
   C08K5/16
   C08K5/49
   C08L83/04
   C08K3/016
   C08K5/5415
   C08K5/04
   C08K3/22
   C08K3/38
   C08K7/04
   C08L101/00
   B29B9/12
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-140076(P2017-140076)
(22)【出願日】2017年7月19日
(65)【公開番号】特開2018-12838(P2018-12838A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2017年7月19日
(31)【優先権主張番号】201610581468.3
(32)【優先日】2016年7月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516064150
【氏名又は名称】広東広山新材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】潘 慶崇
【審査官】 内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−055537(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/111131(WO,A1)
【文献】 特表2014−506280(JP,A)
【文献】 特開2018−012837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/16
C08K 3/00− 7/14
C08J 5/24
C08G 59/18− 59/66
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性エンジニアリングプラスチックであって、前記難燃性エンジニアリングプラスチックは難燃性樹脂組成物を含み、
前記難燃性樹脂組成物は、硫黄含有難燃剤及びノンハロゲンエポキシ樹脂を含み、前記難燃性樹脂組成物は、リン含有難燃剤及び/又は窒素含有難燃剤を更に含み、
前記硫黄含有難燃剤は、p−ベンゼンジチオール及び/又は4,4’−ジアミノジフェニルジスルフィドであり、
前記難燃性樹脂組成物における硫黄元素の重量百分率含有量が5%以下である、難燃性エンジニアリングプラスチック。
【請求項2】
前記難燃性樹脂組成物におけるリン元素の重量百分率含有量が0.1%以上であり、
前記難燃性樹脂組成物における窒素元素の重量百分率含有量が0.1%以上であり、
前記リン含有難燃剤は、DOPOエーテル化ビスフェノールA、DOPO変性エポキシ樹脂、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフィン、テトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート、レゾルシノールテトラフェニルジホスフェート、リン酸トリフェニル、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ホスファゼン難燃剤、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−(2,5−ジヒドロキシナフチル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド又は9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド難燃剤のうちの任意の1種又は少なくとも2種の混合物であり、
前記窒素含有難燃剤は、ビウレア、メラミン又はメラミンリン酸塩のうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せである、ことを特徴とする請求項1に記載の難燃性エンジニアリングプラスチック。
【請求項3】
前記難燃性樹脂組成物はその他の難燃性材料を更に含み、
前記その他の難燃性材料は、シリコーン難燃剤、塩素含有有機難燃剤又は無機難燃剤のうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性エンジニアリングプラスチック。
【請求項4】
前記シリコーン難燃剤は、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シランカップリング剤、ポリシロキサン又はシリコーンアルカノールアミドのうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せであり、
前記塩素含有有機難燃剤は、テトラクロロフタル酸ジオクチル、無水クロレンド酸、クロレンド酸又はテトラクロロビスフェノールAのうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せであり、
前記無機難燃剤は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン又はホウ酸亜鉛のうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せである、ことを特徴とする請求項3に記載の難燃性エンジニアリングプラスチック。
【請求項5】
前記ノンハロゲンエポキシ樹脂は、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、イソシアネートエポキシ樹脂又はビフェニル型エポキシ樹脂のうちの少なくとも任意の1種又は少なくとも2種の混合物であり、
前記ノンハロゲンエポキシ樹脂の含有量が70〜95質量%である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性エンジニアリングプラスチック
【請求項6】
前記難燃性エンジニアリングプラスチックは、成分として、プラスチック40〜60重量部、請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物5〜15重量部、助剤0.5〜3重量部及び補強フィラー10〜20重量部を含む、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性エンジニアリングプラスチック。
【請求項7】
前記プラスチックはPC、ABS、PA、PP又はPETのうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せであり、
前記助剤は、潤滑剤、抗酸化剤又は相溶化剤のうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せであり、
前記補強フィラーは、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ウィスカ、ガラス片及び鉱物フィラーのうちの1種又は少なくとも2種の組合せであることを特徴とする請求項6に記載の難燃性エンジニアリングプラスチック。
【請求項8】
前記潤滑剤はTAF潤滑剤であり、
前記抗酸化剤はβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル及び/又は有機亜リン酸エステル粉末であり、
前記相溶化剤はポリシロキサン−アクリレート系相溶化剤である、ことを特徴とする請求項7に記載の難燃性エンジニアリングプラスチック。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の難燃性エンジニアリングプラスチックの調製方法であって、請求項1〜のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を含む原料を混合した後、混合原料を押出して造粒し、前記難燃性エンジニアリングプラスチックを得るステップを含む、ことを特徴とする難燃性エンジニアリングプラスチックの調製方法。
【請求項10】
前記押出造粒は180〜300℃で、二軸押出機を使用して押出して造粒する、ことを特徴とする請求項9に記載の難燃性エンジニアリングプラスチックの調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は難燃性材料の分野に属し、難燃性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、難燃性エンジニアリングプラスチック及び複合金属基板に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、コンピュータ、ビデオカメラ、電子ゲーム機に代表される電子製品、エアコン、冷蔵庫、テレビ画像、オーディオ製品等に代表される家電機器、オフィス電器製品、及びその他の分野に使用される各種製品の大部分は、安全のために、レベルが異なるが、ほとんど難燃特性が要求される。
【0003】
製品が要求される難燃特性又はレベルに達成させるために、従来技術では、材料系に難燃性物質、例えば難燃剤を添加することが一般的であるが、比較的高い難燃特性を実現するために難燃剤の使用量が大きく、一部の難燃性物質は高温又は燃焼時に有害な汚染物を発生させて、環境を汚染し、人間や動物の健康に悪影響を与え、一部の難燃剤は含有量が高い場合に材料の他の特性を損なう恐れもある。
【0004】
従って、如何に難燃剤の使用量を減少させると同時に、難燃性効果を保証できるかは本分野で解決しなければならない課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の欠陥に対して、本発明の目的は難燃性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、難燃性エンジニアリングプラスチック組成物及び複合金属基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成させるために、本発明は以下の技術案を採用する。
【0007】
一局面によれば、本発明は、硫黄含有難燃剤、リン含有難燃剤及び/又は窒素含有難燃剤、及びノンハロゲンエポキシ樹脂を含有する難燃性樹脂組成物を提供する。
【0008】
好ましくは、前記難燃性樹脂組成物において、硫黄元素の含有量が5重量%以下、例えば5重量%、4.5重量%、4重量%、3.5重量%、3重量%、2.5重量%、2重量%、1.5重量%、1重量%、0.5重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%等、好ましくは0.5〜2重量%である。
【0009】
好ましくは、前記難燃性樹脂組成物において、リン元素の含有量が0.1重量%以上、例えば0.1重量%、0.15重量%、0.2重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、1.5重量%、1.8重量%、2重量%等、好ましくは0.2〜1重量%である。
【0010】
好ましくは、前記難燃性樹脂組成物において、窒素元素の含有量が0.1重量%以上、例えば0.1重量%、0.15重量%、0.2重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、1.5重量%、1.8重量%、2重量%等、好ましくは0.1〜1重量%である。
【0011】
本発明で限定される硫黄元素、リン元素及び窒素元素の含有量の範囲内では、硫黄含有難燃剤とリン含有難燃剤及び/又は窒素含有難燃剤は相乗作用を果たし、樹脂組成物の難燃特性を強化させ、それによって樹脂組成物に優れた難燃特性を付与できるだけでなく、硫黄、窒素、リン元素の含有量を低く制御し、更に該含有量範囲内では、難燃性樹脂組成物を使用して調製された銅張積層板は様々な特性が最適化され、優れた耐熱性、耐水性、高い熱分解温度等を有するとともに、銅張積層板の統合的性能を向上させる。
【0012】
本発明は、硫黄含有難燃剤以外に少量のリン含有難燃剤及び/又は窒素含有難燃剤からなる複合難燃剤を樹脂組成物に添加することによって、硫黄含有難燃剤とリン含有難燃剤及び/又は窒素含有難燃剤のそれぞれの難燃効果を互に促進して、相乗した難燃効果を実現するとともに、難燃剤の使用量を減少させて、コストを削減させる。
【0013】
本発明では、難燃性樹脂組成物において、硫黄元素含有量と窒素元素の含有量は難燃性樹脂組成物の重量を100%にするものである。
【0014】
好ましくは、前記硫黄含有難燃剤は、p−ベンゼンジチオール及び/又は4,4’−ジアミノジフェニルジスルフィド、好ましくはp−ベンゼンジチオールである。
【0015】
好ましくは、前記リン含有難燃剤は、DOPOエーテル化ビスフェノールA、DOPO変性エポキシ樹脂、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフィン、テトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート、レゾルシノールテトラフェニルジホスフェート、リン酸トリフェニル、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ホスファゼン難燃剤、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−(2,5−ジヒドロキシナフチル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド又は9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド難燃剤のうちの任意の1種又は少なくとも2種の混合物である。
【0016】
好ましくは、前記窒素含有難燃剤はビウレア、メラミン又はメラミンリン酸塩のうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せである。
【0017】
必要に応じて本発明の難燃性組成物にその他の難燃性材料を添加してもよい。
【0018】
好ましくは、前記その他の難燃性材料はシリコーン難燃剤、塩素含有有機難燃剤又は無機難燃剤のうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せである。
【0019】
好ましくは、前記シリコーン難燃剤はシリコーンオイル、シリコーンゴム、シランカップリング剤、ポリシロキサン又はシリコーンアルカノールアミドのうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せである。
【0020】
好ましくは、前記塩素含有有機難燃剤はテトラクロロフタル酸ジオクチル、無水クロレンド酸、クロレンド酸又はテトラクロロビスフェノールAのうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せである。
【0021】
好ましくは、前記無機難燃剤は水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン又はホウ酸亜鉛のうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せである。
【0022】
好ましくは、前記ノンハロゲンエポキシ樹脂はビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、イソシアネートエポキシ樹脂又はビフェニル型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも任意の1種又は少なくとも2種の混合物である。
【0023】
好ましくは、前記難燃性樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂の含有量が70〜95質量%、例えば70質量%、73質量%、75質量%、78質量%、80質量%、83質量%、85質量%、88質量%、90質量%、92質量%、94質量%又は95質量%である。
【0024】
別の局面によれば、本発明は前記難燃性樹脂組成物を含有する難燃性エンジニアリングプラスチックを提供する。
【0025】
好ましくは、前記難燃性エンジニアリングプラスチックは、成分として、プラスチック40〜60重量部(例えば43重量部、45重量部、48重量部、50重量部、53重量部、55重量部又は58重量部)、前記難燃性樹脂組成物5〜15重量部(例えば7重量部、9重量部、11重量部又は13重量部)、助剤0.5〜3重量部(例えば0.6重量部、0.8重量部、1重量部、1.3重量部、1.5重量部、1.8重量部、2重量部、2.3重量部、2.5重量部又は2.8重量部)及び補強フィラー10〜20重量部(例えば12重量部、14重量部、16重量部、18重量部又は19重量部)を含む。
【0026】
好ましくは、前記プラスチックはPC(PC(ポリカーボネート))、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重体)、PA(ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)又はPET(ポリエチレンテレフタレート)のうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せである。
【0027】
好ましくは、前記助剤は潤滑剤、抗酸化剤又は相溶化剤のうちの任意の1種又は少なくとも2種の組合せである。
【0028】
好ましくは、前記潤滑剤はTAF潤滑剤である。
【0029】
好ましくは、前記抗酸化剤はβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル及び/又は有機亜リン酸エステル粉末である。
【0030】
好ましくは、前記相溶化剤はポリシロキサン−アクリレート系相溶化剤である。
【0031】
好ましくは、前記補強フィラーはガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ウィスカ、ガラス片及び鉱物フィラーのうちの1種又は少なくとも2種の組合せである。
【0032】
更なる局面によれば、本発明は、本発明の前記難燃性樹脂組成物を含む原料を混合して、混合原料を押出して造粒して前記難燃性エンジニアリングプラスチックを得るステップを含む前記難燃性エンジニアリングプラスチックの調製方法を提供する。
【0033】
好ましくは、前記押出造粒は180〜300℃(例えば190℃、200℃、220℃、240℃、260℃又は280℃)で、二軸押出機を使用して押出して造粒する。
【0034】
本発明の難燃性樹脂組成物における硫黄含有難燃剤、リン含有難燃剤及び/又は窒素含有難燃剤が相乗作用することによって、調製された難燃性エンジニアリングプラスチックは優れた難燃性を有すると同時に、良好な機械的特性を持つ。
【0035】
別の局面によれば、本発明は前記難燃性樹脂組成物を含む熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【0036】
好ましくは、前記熱硬化性樹脂組成物は更に硬化剤を含有する。
【0037】
好ましくは、前記硬化剤はジシアンジアミド、フェノール樹脂、芳香族アミン、酸無水物、活性エステル系硬化剤又は活性フェノール系硬化剤から選ばれる任意の1種又は少なくとも2種の組合せである。
【0038】
好ましくは、前記熱硬化性樹脂組成物は更に硬化促進剤を含む。
【0039】
好ましくは、前記硬化促進剤は、イミダゾール系硬化促進剤、有機ホスフィン硬化促進剤又は第三級アミン硬化促進剤のうちの任意の1種又は少なくとも2種の混合物である。
【0040】
好ましくは、前記イミダゾール系化合物は、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール又は1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールから選ばれる任意の1種又は少なくとも2種の混合物、好ましくは2−メチルイミダゾールである。
【0041】
更なる局面によれば、本発明は、上記熱硬化性樹脂組成物を基板に含浸又は塗布してなるプリプレグを提供する。
【0042】
好ましくは、前記基板はガラス繊維基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、セラミック基板又は炭素繊維基板等であってもよい。
【0043】
本発明では、含浸又は塗布プロセスの具体的な条件について特に限定がない。「プリプレグ」は当業者が公知する「接着シート」である。
【0044】
本発明は、少なくとも一枚の上記プリプレグに対して表面金属層被覆、積層、ラミネートを順に行ってなる複合金属基板を提供する。
【0045】
好ましくは、前記表面被覆金属層の材質はアルミニウム、銅、鉄及びそれらを任意に組み合せた合金である。
【0046】
好ましくは、前記複合金属基板はCEM−1銅張積層板、CEM−3銅張積層板、FR−4銅張積層板、FR−5銅張積層板、CEM−1アルミ基板、CEM−3アルミ基板、FR−4アルミ基板又はFR−5アルミ基板のうちの任意の1種である。
【0047】
本発明は、上記複合金属基板の表面に配線を加工してなる回路基板を提供する。
【発明の効果】
【0048】
従来技術に比べて、本発明は下記有益な効果を有する。
【0049】
本発明の難燃性樹脂組成物において硫黄含有難燃剤、リン含有難燃剤及び/又は窒素含有難燃剤が相乗作用することによって、調製された銅張積層板は優れた難燃性を有すると同時に、良好な耐熱性、耐水性、接着性、機械的特性及び電気特性を有する。本発明の前記難燃性樹脂組成物で調製された銅張積層板は、熱分解温度(5%重量減少)が390℃以上に達し、剥離強度が2.4kg/mm2以上に達し、T−288が100秒超えで、はんだ耐熱限界が40回以上、飽和吸水率が0.22%以下、燃焼性(UL−94)がV−0レベルに達し、本発明の難燃性樹脂組成物で調製されたエンジニアリングプラスチックは、曲げ強さが82.4〜84MPa、引張強度が65.7〜66.2MPa、ノッチ付き衝撃強さが26.3〜27J/mに達し、メルトインデックスが12.2〜13.4、酸素指数が27.5〜28%であり、優れた機械的特性と良好な難燃性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、具体的な実施形態を利用して本発明の技術案を更に説明する。当業者であれば、前記実施例は本発明を理解しやすくするものに過ぎず、本発明を制限するものではないことが理解できる。
【0051】
実施例1
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール4.9gとリン含有量が9.0%のテトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート6.2gを加えて混合して、硫黄含有量が2%、リン含有量が0.5%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド5.1gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Aとし、銅張積層板Aの特性テスト結果を表1に示す。
【0052】
実施例2
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール3.8gとフェノール性水酸基当量が300.0g/eq、リン含有量が10.0%のDOPOエーテル化ビスフェノールA11.5gを加えて混合して、硫黄含有量が1.5%、リン含有量が1%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にフェノール性水酸基当量が105g/eqのノボラック樹脂46.8gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解した後、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Bとし、銅張積層板Bの特性テスト結果を表1に示す。
【0053】
実施例3
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が25.8%の4,4’−ジアミノジフェニルジスルフィド0.9gとリン含有量が3.0%、エポキシ当量が300g/eqの汎用型DOPO変性エポキシ樹脂20.2gを加えて混合して、硫黄含有量が0.2%、リン含有量が0.5%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド6.6gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Cとし、銅張積層板Cの特性テスト結果を表1に示す。
【0054】
実施例4
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール5.2gとフェノール性水酸基当量が300.0g/eq、リン含有量が10.0%のDOPOエーテル化ビスフェノールA11.7gを加えて混合して、硫黄含有量が2%、リン含有量が1%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にフェノール性水酸基当量が105g/eqのノボラック樹脂44.7gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Dとし、銅張積層板Dの特性テスト結果を表1に示す。
【0055】
実施例5
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール4.7gと窒素含有量が47.4%のビウレア2.3gを加えて混合して、硫黄含有量が2%、窒素含有量が1%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド4.3gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Eとし、銅張積層板Eの特性テスト結果を表1に示す。
【0056】
実施例6
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール3.5gと窒素含有量が66.7%のメラミン3.2gを加えて混合して、硫黄含有量が1.5%、窒素含有量が2%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にフェノール性水酸基当量が105g/eqのノボラック樹脂43.3gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Fとし、銅張積層板Fの特性テスト結果を表1に示す。
【0057】
実施例7
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が25.8%の4,4’−ジアミノジフェニルジスルフィド0.8gと窒素含有量が66.7%のメラミン2.3gを加えて混合して、硫黄含有量が0.2%、窒素含有量が1.5%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド5.2gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Gとし、銅張積層板Gの特性テスト結果を表1に示す。
【0058】
実施例8
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール12.5gと窒素含有量が47.4%のビウレア0.2gを加えて混合して、硫黄含有量が5%、窒素含有量が0.1%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にフェノール性水酸基当量が105g/eqのノボラック樹脂37.2gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Hとし、銅張積層板Hの特性テスト結果を表1に示す。
【0059】
実施例9
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール5.0g、リン含有量が9.0%のテトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート6.3g及び窒素含有量が47.4%のビウレア2.4gを加えて混合して、硫黄含有量が2%、リン含有量が0.5%、窒素含有量が1%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド4.2gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Iとし、銅張積層板Iの特性テスト結果を表1に示す。
【0060】
実施例10
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール4.0g、リン含有量が10.0%のDOPOエーテル化ビスフェノールA11.8g及び窒素含有量が66.7%のメラミン3.6gを加えて混合して、硫黄含有量が1.5%、リン含有量が1%、窒素含有量が2%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にフェノール性水酸基当量が105g/eqのノボラック樹脂41.5gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Jとし、銅張積層板Jの特性テスト結果を表2に示す。
【0061】
実施例11
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が25.8%の4,4’−ジアミノジフェニルジスルフィド1g、リン含有量が3.0%、エポキシ当量が300g/eqの汎用型DOPO変性エポキシ樹脂20.6g及び窒素含有量が66.7%のメラミン2.8gを加えて混合して、硫黄含有量が0.2%、リン含有量が0.5%、窒素含有量が1.5%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド5.0gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Kとし、銅張積層板Kの特性テスト結果を表2に示す。
【0062】
実施例12
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール2.5g、リン含有量が10.0%のDOPOエーテル化ビスフェノールA11.4g及び窒素含有量が47.4%のビウレア0.2gを加えて混合して、硫黄含有量が1%、リン含有量が1%、窒素含有量が0.1%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にフェノール性水酸基当量が105g/eqのノボラック樹脂52gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Lとし、銅張積層板Lの特性テスト結果を表2に示す。
【0063】
比較例1
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール5.9gを加えて混合し、硫黄含有量が2.5%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド5.0gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Mとし、銅張積層板Mの特性テスト結果を表2に示す。
【0064】
比較例2
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、リン含有量が9.0%のテトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート38.5gを加えて混合して、リン含有量が2.5%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド5.9gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Nとし、銅張積層板Nの特性テスト結果を表2に示す。
【0065】
比較例3
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール7.1gを加えて混合し、硫黄含有量が3%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド4.8gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Pとし、銅張積層板Pの特性テスト結果を表2に示す。
【0066】
比較例4
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、窒素含有量が47.4%のビウレア6.7gを加えて混合して、窒素含有量が3%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド3.4gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Qとし、銅張積層板Qの特性テスト結果を表2に示す。
【0067】
比較例5
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、リン含有量が9.0%のテトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート34.3g及び窒素含有量が47.4%のビウレア2.9gを加えて混合して、リン含有量が2.5%、窒素含有量が1%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド4.8gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Rとし、銅張積層板Rの特性テスト結果を表2に示す。
【0068】
比較例6
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、リン含有量が9.0%のテトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート6.3g及び窒素含有量が47.4%のビウレア7.2gを加えて混合して、リン含有量が0.5%、窒素含有量が3%の難燃性樹脂組成物を得て、適量のアセトンを加えて溶解し、更にジシアンジアミド3.2gと2−メチルイミダゾール0.1gを加えて十分に溶解して、公知方法によって銅張積層板を調製し、この銅張積層板を銅張積層板Sとし、銅張積層板Sの特性テスト結果を表2に示す。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
表1と表2のテスト結果から明らかなように、本発明の前記難燃性樹脂組成物を使用して調製された銅張積層板は、熱分解温度(5%重量減少)が365℃以上と高く、剥離強度が2.0kg/mm2以上に達し、T−288が100秒超えで、はんだ耐熱限界が33回以上、飽和吸水率が0.33%以下、燃焼性(UL−94)がV−0レベルに達する。
【0072】
硫黄含有難燃剤とリン含有難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物については、リン含有難燃剤を使用せず、硫黄元素含有量が実施例1中の硫黄とリン元素の全含有量になるように硫黄含有難燃剤の量を増加すると(比較例1)、調製された銅張積層板は、難燃性及びその他の特性がいずれも悪くなり、同様に、硫黄含有難燃剤を使用せず、リン元素含有量が実施例1中の硫黄とリン元素の全含有量になるようにリン含有難燃剤の量を増加すると(比較例2)、調製された銅張積層板は、難燃性及びその他の特性が低下し、それによって、本発明における硫黄含有難燃剤とリン含有難燃剤は、難燃特性について相乗作用を果たすことが分かる。
【0073】
硫黄含有難燃剤と窒素含有難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物については、窒素含有難燃剤を使用せず、硫黄元素含有量が実施例5中の硫黄と窒素元素の全含有量になるように硫黄含有難燃剤の量を増加すると(比較例3)、調製された銅張積層板は、難燃性及びその他の特性がいずれも悪くなり、同様に、硫黄含有難燃剤を使用せず、窒素元素含有量が実施例5中の硫黄と窒素元素の全含有量になるように窒素含有難燃剤の量を増加すると(比較例4)、調製された銅張積層板は、難燃性及びその他の特性が低下し、従って、本発明では硫黄含有難燃剤と窒素含有難燃剤は難燃特性について相乗作用を果たすことが分かる。
【0074】
硫黄含有難燃剤、窒素含有難燃剤及びリン含有難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物については、硫黄含有難燃剤を使用せず、リン元素含有量が実施例9中の硫黄元素とリン元素の全含有量になるようにリン含有難燃剤の量を増加し(比較例5)、又は窒素元素含有量が実施例9中の窒素元素と硫黄元素の全含有量になるように窒素含有難燃剤の量を増加すると(比較例6)、得た銅張積層板は、難燃特性が悪くなり、その他の特性(例えば耐熱性、耐水性等)も低下し、それによって、硫黄含有難燃剤、リン含有難燃剤及び窒素含有難燃剤が相乗作用することによって、調製された銅張積層板は、優れた難燃性を有すると同時に、良好な耐熱性、耐水性、接着性、機械的特性及び電気特性を有する。
【0075】
従って、本発明の硫黄含有難燃剤とリン含有難燃剤及び/又は窒素含有難燃剤は相乗作用し、樹脂組成物の難燃特性を強化させ、それによって、調製された銅張積層板は、優れた難燃性を有すると同時に、良好な耐熱性、耐水性、接着性、機械的特性及び電気特性を持つ。
【0076】
実施例13
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール4.9gとリン含有量が9.0%のテトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート6.2gを加えて混合して、硫黄含有量が2%、リン含有量が0.5%の難燃性樹脂組成物を得た。
【0077】
PC 50重量部、上記難燃性樹脂組成物10重量部、潤滑剤1部、抗酸化剤0.8重量部、相溶化剤0.7重量部及びガラス繊維20重量部を、混合機で十分に混合した後、200℃で、二軸押出機を使用して混合原料を押出して造粒し、エンジニアリングプラスチックAを得て、その特性テスト結果を表3に示す。
【0078】
実施例14
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール4.7gと窒素含有量が47.4%のビウレア2.3gを加えて混合して、硫黄含有量が2%、窒素含有量が1%の難燃性樹脂組成物を得た。
【0079】
ABS 40重量部、上記難燃性樹脂組成物5重量部、潤滑剤1.2部、抗酸化剤0.5重量部、相溶化剤0.9重量部及び炭素繊維15重量部を、混合機で十分に混合した後、180℃で、二軸押出機を使用して混合原料を押出して造粒し、エンジニアリングプラスチックBを得て、その特性テスト結果を表3に示す。
【0080】
実施例15
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール5.0g、リン含有量が9.0%のテトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート6.3g及び窒素含有量が47.4%のビウレア2.4gを加えて混合して、硫黄含有量が2%、リン含有量が0.5%、窒素含有量が1%の難燃性樹脂組成物を得た。
【0081】
PET 60重量部、上記難燃性樹脂組成物15重量部、潤滑剤1重量部、抗酸化剤0.9重量部、相溶化剤1.1重量部及びガラス繊維10重量部を、混合機で十分に混合した後、300℃で、二軸押出機を使用して混合原料を押出して造粒し、エンジニアリングプラスチックCを得て、その特性テスト結果を表3に示す。
【0082】
比較例7
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール5.9gを加えて混合し、硫黄含有量が2.5%の難燃性樹脂組成物を得る以外、実施例13と同様なエンジニアリングプラスチックの原料、使用量及び調製方法によって、エンジニアリングプラスチックDを調製して、その特性テスト結果を表3に示す。
【0083】
比較例8
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、リン含有量が9.0%のテトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート38.5gを加えて混合して、リン含有量が2.5%の難燃性樹脂組成物を得る以外、実施例13と同様なエンジニアリングプラスチックの原料、使用量及び調製方法によって、エンジニアリングプラスチックEを調製して、その特性テスト結果を表3に示す。
【0084】
比較例9
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、硫黄含有量が45%のp−ベンゼンジチオール7.1gを加えて混合し、硫黄含有量が3%の難燃性樹脂組成物を得る以外、実施例14と同様なエンジニアリングプラスチックの原料、使用量及び調製方法によって、エンジニアリングプラスチックFを調製して、その特性テスト結果を表3に示す。
【0085】
比較例10
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、窒素含有量が47.4%のビウレア6.7gを加えて混合して、窒素含有量が3%の難燃性樹脂組成物を得る以外、実施例14と同様なエンジニアリングプラスチックの原料、使用量及び調製方法によって、エンジニアリングプラスチックGを調製して、その特性テスト結果を表3に示す。
【0086】
比較例11
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、リン含有量が9.0%のテトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート34.3g及び窒素含有量が47.4%のビウレア2.9gを加えて混合して、リン含有量が2.5%、窒素含有量が1%の難燃性樹脂組成物を得る以外、実施例15と同様なエンジニアリングプラスチックの原料、使用量及び調製方法によって、エンジニアリングプラスチックHを調製し、その特性テスト結果を表3に示す。
【0087】
比較例12
エポキシ当量が186g/eqの液体ビスフェノールAエポキシ樹脂100gを取り、リン含有量が9.0%のテトラ−(2,6−キシリル)レゾルシノールジホスフェート6.3g及び窒素含有量が47.4%のビウレア7.2gを加えて混合して、リン含有量が0.5%、窒素含有量が3%の難燃性樹脂組成物を得る以外、実施例15と同様なエンジニアリングプラスチックの原料、使用量及び調製方法によって、エンジニアリングプラスチックIを調製して、その特性テスト結果を表3に示す。
【0088】
【表3】

【0089】
表3中の実施例13〜15と比較例7〜12のテスト結果を比較した結果、本発明で調製されたエンジニアリングプラスチックは、硫黄含有難燃剤、リン含有難燃剤及び/又は窒素含有難燃剤が相乗作用することによって、優れた難燃性を有し、更に、エンジニアリングプラスチックの各原料の相互作用によって、良好な機械的特性を持つ。
【0090】
本発明は、上記実施例によって本発明の難燃性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び複合金属基板を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるわけではなく、即ち、本発明は上記詳細な方法によってしか実施できないものではないことを、出願人はここに声明する。当業者であれば、本発明に対する任意の改良、本発明の製品の各原料における同等置換や補助成分の添加、具体的な形態の選択等が、本発明の保護範囲と開示範囲に属することを認識しているはずである。