(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
I.
定義および略語
本明細書中で用いられる場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈で明らかに別段の記載がない限り、複数を含む。例えば、「活性剤(an active agent)」ということは、1つの活性剤ならびに組み合わされた2以上の異なる活性剤を包含する。本発明の教唆は、本明細書中で開示された、特定の投与形態、担体などに限定されず、したがってさまざまであり得ることを理解されたい。
【0012】
本明細書中で用いられる略語は、一般的に、化学的および生物学的技術内でのそれらの通常の意味を有する。
【0013】
以下の略語を使用する:Acはアセチルである;AcOHは酢酸である;ACTBrはセチルトリメチルアンモニウムブロミドである;AIBNはアゾビスイソブチロニトリルまたは2,2アゾビスイソブチロニトリルである;aq.は水性である;Arはアリールである;B
2pin
2はビス(ピナコラート)ジボロンである;Bnは、一般に、ベンジルである[例外の一例についてはCbzを参照のこと];(BnS)
2はベンジルジスルフィドである;BnSHはベンジルチオールまたはベンジルメルカプタンである;BnBrは臭化ベンジルである;Bocはtert−ブトキシカルボニルである;Boc
2Oはジカルボン酸ジ−tert−ブチルである;Bzは、一般的に、ベンゾイルである;BzOOHは過酸化ベンゾイルである;CbzまたはZはベンジルオキシカルボニルまたはカルボキシベンジルである;Cs
2CO
3は炭酸セシウムである;CSAはカンファースルホン酸である;CTABはセチルトリメチルアンモニウムブロミドである;Cyはシクロヘキシルである;DABCOは1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである;DCMはジクロロメタンまたは塩化メチレンである;DHPはジヒドロピランである;DIADはアゾジカルボン酸ジイソプロピルである;DIEAまたはDIPEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミンである;DMAPは4−(ジメチルアミノ)ピリジンである;DMEは1,2−ジメトキシエタンである;DMFはN,N−ジメチルホルムアミドである;DMSOはジメチルスルホキシドである;equivまたはeq.は当量である;EtOAcは酢酸エチルである;EtOHはエタノールである;Et
2Oはジエチルエーテルである;EDCIはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩である;ELSは蒸発光散乱である;equivまたはeqは当量である;hは時間である;HATUはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートである;HOBtはN−ヒドロキシベンゾトリアゾールである;HClは塩酸である;HPLCは高圧液体クロマトグラフィーである;ISCO Companionは、Presearchから入手可能なUV吸収によるフラクション分析をおこなう自動化されたフラッシュクロマトグラフィー装置である;KOAcまたはAcOKは酢酸カリウムである;K
2CO
3は炭酸カリウムである;LiAlH
4またはLAHは水素化リチウムアルミニウムである;LDAはリチウムジイソプロピルアミドである;LHMDSはリチウムビス(トリメチルシリル)アミドである;KHMDSはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドである;LiOHは水酸化リチウムである;m−CPBAは3−クロロペルオキシ安息香酸である;MeCNまたはACNはシアン化メチルまたはシアノメタンまたはエタンニトリルまたはアセトニトリルであり、これらは全て同じ化合物についての名前である;MeOHはメタノールである;MgSO
4は硫酸マグネシウムである;minsまたはminは分である;MpまたはMPは融点である;NaCNBH
3はナトリウムシアノボロヒドリドである;NaOHは水酸化ナトリウムである;Na
2SO
4は硫酸ナトリウムである;NBSはN−ブロモスクシンイミドである;NH
4Clは塩化アンモニウムである;NISはN−ヨードスクシンイミドである;N
2は窒素である;NMMはN−メチルモルホリンである;n−BuLiはn−ブチルリチウムである;一晩はO/Nである;PdCl
2(pddf)は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である;Pd/Cは炭素上パラジウムとして知られる触媒である;Pd
2(dba)
3はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)として知られる有機金属触媒である;RaNiまたはラネーNiはラネーニッケルである;Phはフェニルである;PMBはp−メトキシベンジルである;PrOHは1−プロパノールである;iPrOHは2−プロパノールである;POCl
3はオキシ塩化リンである;PTSAはパラ−トルエンスルホン酸である;本明細書中で用いられるPyr.またはPyrまたはPyはピリジンを意味する;RTまたはrtまたはr.t.は室温である;sat.は飽和である;Si−アミンまたはSi−NH
2は、SiliCycleから入手可能なアミノ官能化シリカである;Si−pyrは、SiliCycleから入手可能なピリジル官能化シリカである;TEAまたはEt
3Nはトリエチルアミンである;TFAはトリフルオロ酢酸である;Tf
2Oは無水トリフルオロメタンスルホン酸である;THFはテトラヒドロフランである;TFAAは無水トリフルオロ酢酸である;THPはテトラヒドロピラニルである;TMSIはトリメチルシリルヨージドである;H
2Oは水である;diNO
2PhSO
2Clはジニトロフェニルスルホニルクロリドである;3−F−4−NO
2−PhSO
2Clは3−フルオロ−4−ニトロフェニルスルホニルクロリドである;2−MeO−4−NO
2−PhSO
2Clは2−メトキシ−4−ニトロフェニルスルホニルクロリドである;そして(EtO)
2POCH
2COOEtは、ホスホノ酢酸トリエチルとして知られるホスホノ酢酸のトリエチルエステルである。
【0014】
「本発明の化合物」は、本明細書中で用いられる場合、本明細書中で検討される化合物、これらの化合物の塩(例えば、薬剤的に許容される塩)、プロドラッグ、溶媒和物および水和物を指す。
【0015】
「多(poly)」という用語は、本明細書中で用いられる場合、少なくとも2を意味する。例えば、多価金属イオンは、少なくとも2の価数を有する金属イオンである。
【0016】
「部分」は、分子の残りと結合する分子のラジカルを指す。
【0017】
記号
【化3】
は、結合として用いられるか、または結合に対して垂直に表されるかのいずれにしても、表示された部分が分子の残りと結合している点を示す。
【0018】
「アルキル」という用語は、それ自身または別の置換基の一部として、特に明記しない限り、直鎖もしくは分枝鎖、または環状炭化水素ラジカル、あるいはそれらの組み合わせを意味し、これは、完全飽和、一もしくは多不飽和であり得、表示された炭素原子数を有する(即ち、C
1〜C
10は1〜10個の炭素を意味する)二価および多価ラジカルを含む可能性がある。いくつかの実施形態において、「アルキル」という用語は、直鎖もしくは分枝鎖、またはそれらの組み合わせを意味し、これは完全飽和、一もしくは多不飽和であり得、二価および多価ラジカルを含む可能性がある。飽和炭化水素ラジカルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどのホモログおよび異性体などの基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。不飽和アルキル基は、1以上の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−および3−プロピニル、3−ブチニル、ならびにさらに高次のホモログおよび異性体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
「アルキレン」という用語は、それ自身または別の置換基の一部として、−CH
2CH
2CH
2CH
2−によって例示されるが、これに限定されない、アルカンから誘導される二価ラジカルを意味する。典型的には、アルキル(またはアルキレン)基は、1〜24個の炭素原子を有し、本発明では10個以下の炭素原子を有する基が好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、一般的に8個以下の炭素原子を有する短鎖アルキルまたはアルキレン基である。
【0020】
「アルケニレン」という用語は、それ自身または別の置換基の一部として、アルケンから誘導される二価ラジカルを意味する。
【0021】
「シクロアルキレン」という用語は、それ自身または別の置換基の一部として、シクロアルキルから誘導される二価ラジカルを意味する。
【0022】
「ヘテロアルキレン」という用語は、それ自身または別の置換基の一部として、ヘテロアルカンから誘導される二価ラジカルを意味する。
【0023】
「ヘテロシクロアルキレン」という用語は、それ自身または別の置換基の一部として、ヘテロシクロアルカンから誘導される二価ラジカルを意味する。
【0024】
「アリーレン」という用語は、それ自身または別の置換基の一部として、アリールから誘導される二価ラジカルを意味する。
【0025】
「ヘテロアリーレン」という用語は、それ自身または別の置換基の一部として、ヘテロアリールから誘導される二価ラジカルを意味する。
【0026】
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」および「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)という用語は、それらの通常の意味で使用され、それぞれ、酸素原子、アミノ基、またはイオウ原子を介して分子の残りと結合したアルキル基を指す。
【0027】
「ヘテロアルキル」という用語は、それ自身で、または別の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、表示された数の炭素原子と少なくとも1つのヘテロ原子とからなる、安定な直鎖もしくは分枝鎖、または環状炭化水素ラジカル、あるいはその組み合わせを意味する。いくつかの実施形態において、「ヘテロアルキル」という用語は、それ自身で、または別の用語と組み合わせて、表示された数の炭素原子と、少なくとも1つのヘテロ原子とからなる、安定な直鎖もしくは分枝鎖、またはその組み合わせを意味する。例示的実施形態において、ヘテロ原子は、B、O、NおよびSからなる群から選択することができ、ここで、窒素およびイオウ原子は、場合によって酸化されていても浴、窒素ヘテロ原子は、場合によって四級化されていてもよい。ヘテロ原子B、O、NおよびSは、ヘテロアルキル基の任意の内部の位置で、またはアルキル基が分子の残りと結合する位置にある可能性がある。例としては、−CH
2−CH
2−O−CH
3、−CH
2−CH
2−NH−CH
3、−CH
2−CH
2−N(CH
3)−CH
3、−CH
2−S−CH
2−CH
3、−CH
2−CH
2、−S(O)−CH
3、−CH
2−CH
2−S(O)
2−CH
3、−CH=CH−O−CH
3、−CH
2−CH=N−OCH
3、および−CH=CH−N(CH
3)−CH
3が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、−CH
2−NH−OCH
3など、2個までのヘテロ原子が連続し得る。同様に、「ヘテロアルキレン」という用語は、それ自身または別の置換基の一部として、ヘテロアルキルから誘導される二価ラジカルを意味し、−CH
2−CH
2−S−CH
2−CH
2−および−CH
2−S−CH
2−CH
2−NH−CH
2−によって例示されるが、これらに限定されるものではない。ヘテロアルキレン基について、ヘテロ原子はまた、鎖末端のいずれかまたは両方を占める可能性がある(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレンおよびヘテロアルキレン連結基について、連結基の式が記載されている方向によって連結基の配向は示されない。例えば、式−C(O)
2R’−は、−C(O)
2R’−および−R’C(O)
2−の両方を表す。
【0028】
「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」という用語は、それ自身で、または他の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、それぞれ「アルキル」および「ヘテロアルキル」の環状形を表す。さらに、ヘテロシクロアルキルについて、ヘテロ原子はヘテロ環が分子の残りに結合している位置を占める可能性がある。シクロアルキルの例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヘテロシクロアルキルの例としては、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、それ自身でまたは別の置換基の一部として、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、「ハロ(C
1−C
4)アルキル」という用語は、これらに限定されるものではないが、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどを含むことを意味する。
【0030】
「アリール」という用語は、特に明記しない限り、一緒になって縮合しているか、または共有結合している1つの環もしくは複数の環(好ましくは1または2または3個の環)であり得る多不飽和芳香族置換基を意味する。「ヘテロアリール」という用語は、1〜4個のヘテロ原子を含有するアリール基(または環)を指す。例示的実施形態において、ヘテロ原子は、B、N、O、およびSから選択され、ここで、窒素およびイオウ原子は場合によって酸化され、そして窒素原子(複数可)は場合によって四級化されている。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残りと結合することができる。アリールおよびヘテロアリール基の非限定的例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、および6−キノリルが挙げられる。前記アリールおよびヘテロアリール環系のそれぞれの置換基は、後述の許容される置換基の群から選択される。
【0031】
簡潔のために、「アリール」という用語は、他の用語と組み合わせて用いられる場合(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)、アリール基が隣の部分を介して分子の残りと結合するラジカルを包含する。したがって、「アリールアルキル」という用語は、アリール基がアルキル基と結合するラジカル(例えば、ベンジル、1−(3−ニトロフェニル)エチルなど)を含むことを意味する。ベンジルまたは1−(3−ニトロフェニル)エチルなどの置換基は、「置換アルキル」によって表すこともでき、この場合は、エチルラジカルが3−ニトロフェニル部分で置換されている。「アリールオキシ」は、アリール基が酸素原子に結合しているラジカルを含むことを意味する。「アリールオキシアルキル」という用語は、アリール基が酸素原子に結合し、この酸素原子が次にアルキル基に結合しているラジカル(例えば、フェノキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピルなど)を含むことを意味する。
【0032】
簡潔のために、「ヘテロアリール」という用語は、他の用語と組み合わせて用いられる場合(例えば、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオキシ、ヘテロアリールアルキル)、ヘテロアリール基が隣の部分を介して分子の残りと結合するラジカルを含む。したがって、「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール基がアルキル基に結合しているラジカル(例えば、ピリジルメチルなど)を含むことを意味する。「ヘテロアリールオキシ」という用語は、ヘテロアリール基が酸素原子に結合しているラジカルを含むことを意味する。「ヘテロアリールオキシアルキル」という用語は、アリール基が酸素原子に結合し、この酸素原子が次にアルキル基に結合しているラジカルを含むことを意味する。(例えば、2−ピリジルオキシメチルなど)。
【0033】
前記用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」および「ヘテロアリール」)のそれぞれは、表示されたラジカルの置換形および非置換形の両方を含むことを意味する。各タイプのラジカルの好ましい置換基を後述する。
【0034】
アルキルおよびヘテロアルキルラジカルの置換基(多くの場合、アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、およびヘテロシクロアルケニルと称される基を含む)は、一般的に、「アルキル基置換基」と呼ばれ、それらは、限定されないが:−R’、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R”、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R”R”’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO
2R’、−CONR’R”、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R”’、−NR”C(O)
2R’、−NR””’−C(NR’R”R’”)=NR””、−NR””−C(NR’R”)=NR’”、−S(O)R’、−S(O)
2R’、−S(O)
2NR’R”、−NR”SO
2R’、−CN、−NO
2、−N
3、−CH(Ph)
2、フルオロ(C
1−C
4)アルコキシ、およびフルオロ(C
1−C
4)アルキルから選択される1以上の種々の基であり得、ゼロから(2m’+1)まで及ぶ数であり、式中、m’は、そのようなラジカル中の炭素原子の総数である。R’、R”、R”’、R””およびR””’は、それぞれ好ましくは独立して、水素、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換アリール、例えば、1または2または3個のハロゲンで置換されたアリール、置換もしくは非置換アルキル、アルコキシまたはチオアルコキシ基、あるいはアリールアルキル基を指す。本発明の化合物が1より多いR基を含む場合、例えば、R基のそれぞれは、R’、R”、R”’、R””およびR””’基の2以上が存在する場合、各R’、R”、R”’、R””およびR””’基のように独立して選択される。R’およびR”が同じ窒素原子に結合する場合、それらは窒素原子と組み合わせて、5、6、または7員環を形成することができる。例えば、−NR’R”は、限定されないが、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルを含むことを意味する。置換基の前記考察から、当業者は、「アルキル」という用語が、水素基以外の基と結合した炭素原子を含む基、例えばハロアルキル(例えば、−CF
3および−CH
2CF
3)ならびにアシル(例えば、−C(O)CH
3、−C(O)CF
3、−C(O)CH
2OCH
3など)を含むことを意味することを理解するであろう。
【0035】
アルキルラジカルについて記載した置換基と同様に、アリールおよびヘテロアリール基の置換基は、一般的に、「アリール基置換基」と称される。置換基は、例えば:−R’、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R”、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R”R”’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO
2R’、−CONR’R”、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R”’、−NR”C(O)
2R’、−NR””’−C(NR’R”R’”)=NR””、−NR””−C(NR’R”)=NR’”、−S(O)R’、−S(O)
2R’、−S(O)
2NR’R”、−NR”SO
2R’、−CN、−NO
2、−N
3、−CH(Ph)
2、フルオロ(C
1−C
4)アルコキシ、およびフルオロ(C
1−C
4)アルキルから選択され、ゼロから芳香族環系上の開放原子価(open valence)の総数にまで及ぶ数である;ここで、R’、R”、R”’、R””およびR””’は、好ましくは独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換アリールおよび置換もしくは非置換ヘテロアリールから選択される。本発明の化合物が1より多いR基を含む場合、例えば、R基のそれぞれは、2以上のR’、R”、R”’、R””およびR””’基が存在する場合の各R’、R”、R”’、R””およびR””’基のように独立して選択される。
【0036】
アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基の2つは、場合によって、式−T−C(O)−(CRR’)
q−U−(式中、TおよびUは、独立して、−NR−、−O−、−CRR’−または単結合であり、qは0〜3の整数である)の置換基で置換されていてもよい。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、場合によって、式−A−(CH
2)
r−B−(式中、AおよびBは独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2NR’−または単結合であり、rは1または2または3または4の整数である)で場合によって置換することができる。そのように形成された新しい環の単結合の1つを、場合によって二重結合で置換することができる。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つを、場合によって、式−(CRR’)
s−X−(CR”R’”)
d−(式中、sおよびdは独立して、0または1または2または3からの整数であり、Xは、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、または−S(O)
2NR’−である)の置換基で置換することができる。置換基R、R’、R”およびR’”は、好ましくは独立して、水素または置換もしくは非置換(C
1もしくはC
2もしくはC
3もしくはC
4もしくはC
5もしくはC
6)アルキルから選択される。
【0037】
「環」は、本明細書中で用いられる場合、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールを意味する。環は、縮合環部分を含む。環中の原子の数は、典型的には、環員数によって規定される。例えば、「5〜7員環」とは、環状配置で5または6または7個の原子があることを意味する。特に明記しない限り、環は、場合によってヘテロ原子を含む。したがって、「5〜7員環」という用語は、例えば、フェニル、ピリジニルおよびピペリジニルを含む。一方、「5〜7員ヘテロシクロアルキル環」という用語は、ピリジニルおよびピペリジニルを含むが、フェニルは含まない。「環」という用語は、2以上の「環」と含む環系をさらに含み、この場合、各「環」は、独立して前記定義のとおりである。
【0038】
本明細書中で用いられる場合、「ヘテロ原子」という用語は、炭素(C)および水素(H)以外の原子を含む。例としては、酸素(O)、窒素(N)イオウ(S)、ケイ素(Si)、およびホウ素(B)が挙げられる。
【0039】
「脱離基」という用語は、求核置換反応などの置換反応において別の官能基または原子によって置換することができる官能基または原子を意味する。例として、代表的な脱離基としては、トリフレート、クロロ、ブロモおよびヨード基;スルホン酸エステル基、例えばメシレート、トシレート、ブロシレート、ノシレートなど;およびアシルオキシ基、例えばアセトキシ、トリフルオロアセトキシなどが挙げられる。
【0040】
記号「R」は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキルおよび置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル基からなる群から選択される置換基を表す一般的な略語である。
【0041】
薬物、処方、または浸透剤の「有効」量とは、所望の局所的または全身的作用を提供するために十分な活性剤の量を意味する。「局所的に有効な」、「薬剤的に有効な」または「治療上有効な」量は、所望の結果をもたらすために必要な薬物の量を指す。
【0042】
「薬剤的に許容される塩」という用語は、本明細書中で記載される化合物上で見られる特定の置換基に応じて、比較的非毒性な酸または塩基で調製される本発明の化合物の塩を含むとされる。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、そのような化合物の中性形態を十分な量の所望の塩基と、そのままで、または好適な不活性溶媒中のずれかで、接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬剤的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ(例えば、コリンもしくはジエチルアミンもしくはアミノ酸、例えばd−アルギニン、l−アルギニン、d−リシンもしくはl−リシン)、またはマグネシウム塩、あるいは類似の塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、そのような化合物の中性形態を十分な量の所望の酸と、そのままで、または好適な不活性溶媒中のいずれかで接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。薬剤的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸(monohydrogencarbonic)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric)、二水素リン酸(dihydrogeniphosphoric)、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などのような無機酸由来のもの、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的非毒性の有機酸由来の塩が挙げられる。アルギン酸塩(arginate)などのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸(galactunoric acid)などの有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al., “Pharmaceutical Salts”, Journal of Pharmaceutical Science 66: 1-19 (1977)を参照のこと)。本発明のある特定の化合物は、化合物が塩基または酸付加塩のいずれかに変換されることを可能にする、塩基性および酸性官能基の両方を含有する。
【0043】
化合物の中性形態は、好ましくは、塩を塩基または酸と接触させ、そして親化合物を通常の方法で単離することによって再生される。化合物の親形態は、極性溶媒中の溶解度などのある物理的特性において、種々の塩形態とは異なる。
【0044】
塩形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書中で記載される化合物のプロドラッグは生理学的条件下で容易に化学変化を受けて、本発明の化合物を提供する。さらに、プロドラッグは、化学的または生化学的方法によりエクスビボ環境で本発明の化合物に変換することができる。
【0045】
本発明のある化合物は、非溶媒和形態でも、水和形態をはじめとする溶媒和形態でも存在する可能性がある。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等で、本発明の範囲内に含まれる。本発明のある化合物は、多結晶性(multiple crystalline)またはアモルファス形態で存在し得る。
【0046】
本発明のある化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有し;ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何異性体および個々の異性体は、本発明の範囲内に含まれる。本明細書中で用いられるラセミ化合物、アンビスケールミック(ambiscalemic)化合物およびスケールミック(scalemic)化合物またはエナンチオマー的に純粋な化合物の図式表示は、Maehr, J. Chem. Ed. 1985, 62: 114-120から引用する。特に明記しない限り、塗りつぶした楔形と破断した楔形を用いて、立体中心の絶対的立体配置を示す。本明細書中で記載される化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学的不斉中心を含む場合、そして特に明記しない限り、化合物はEおよびZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。同様に、全ての互変異性型が含まれる。
【0047】
本発明の化合物は、特定の幾何異性体または立体異性体形態で存在し得る。本発明は、シスおよびトランス異性体、(−)−および(+)−エナンチオマー、(R)−および(S)−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、およびそれらの他の混合物、例えばエナンチオマー的またはジアステレオマー的に富化された混合物を含む全てのそのような化合物が本発明の範囲内に含まれることを想定する。さらなる不斉炭素原子が、アルキル基などの置換基中に存在し得る。全てのそのような異性体、およびそれらの混合物は、本発明に含まれることが意図される。
【0048】
光学活性(R)−異性体および(S)−異性体ならびにdおよびl異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を用いて調製することができるか、または通常の技術を用いて分割することができる。例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望ましいならば、不斉合成によるか、またはキラル補助基での誘導化によって調製することができ、この場合、結果として得られたジアステレオマー混合物を分離し、補助基を切断して、純粋な所望のエナンチオマーを得る。あるいは、分子がアミノ基などの塩基性官能基、またはカルボキシル基などの酸性官能基を含有する場合、適切な光学活性酸または塩基でジアステレオマー塩を形成することができ、続いてこのようにして形成されたジアステレオマーを当該技術分野で公知の分別結晶またはクロマトグラフィー手段によって分割し、続いて純粋なエナンチオマーを回収する。加えて、エナンチオマーおよびジアステレオマーの分離は、キラル固定相を用い、場合によって、化学誘導体化(例えば、アミンからのカーバメートの形成)と組み合わせたクロマトグラフィーを用いて達成されることが多い。
【0049】
本発明の化合物はさらに、そのような化合物を構成する1以上の原子で、自然でない割合の原子同位体を含有し得る。例えば、化合物は、トリチウム(
3H)、ヨウ素125(
125I)または炭素14(
14C)などの放射性同位体で放射性標識することができる。本発明の化合物の全ての同位体変化は、放射性であるかどうかにかかわらず、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0050】
「薬剤的に許容される担体」または「薬剤的に許容されるビヒクル」という用語は、本明細書中で定義される有効量の活性剤の適切な送達を提供し、活性剤の生物学的活性の有効性を阻害せず、そして宿主または患者に対して十分に非毒性である任意の処方または担体媒体を指す。代表的な担体としては、水、油、植物および無機物の両方、クリーム基剤、ローション基剤、軟膏基剤などが挙げられる。これらの基剤には、懸濁化剤、増粘剤、浸透促進剤などが含まれる。それらの処方は、化粧品および局所調剤の当業者には周知である。担体に関するさらなる情報は、
Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott, Williams & Wilkins (2005)(参照することによって本明細書中に組み込まれる)で見出すことができる。
【0051】
「賦形剤」という用語は、所望の使用に有効な薬物組成物の処方で用いられる担体、希釈剤および/またはビヒクルを意味することが通常知られている。
【0052】
「微生物感染」または「微生物による感染」という用語は、これらに限定されるものではないが、細菌または原生動物をはじめとする感染因子による宿主組織の任意の感染を指す(例えば、Harrison’s Principles of Internal Medicine, pp. 93-98 (Wilson et al., eds., 12th ed. 1991); Williams et al., J. of Medicinal Chem. 42:1481-1485 (1999)(それぞれ、それらの全体として参照することによって本明細書中に組み込まれる)を参照のこと。
【0053】
「生物学的媒体」は、本明細書中で用いられる場合、インビトロおよびインビボ生物学的環境の両方を指す。例示的インビトロ「生物学的媒体」としては、細胞培養物、組織培養物、ホモジネート、血漿および血液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。インビボ適用は、一般的に、ほ乳類、好ましくはヒトで実施される。
【0054】
「阻害する」および「遮断する」は、本明細書中で交換可能に用いられて、酵素の部分的または完全な遮断を指す。例示的実施形態において、酵素は、tRNAシンセターゼの編集ドメインである。
【0055】
ホウ素は、本発明のある状況下で、酸素、イオウまたは窒素とさらなる共有または供与結合を形成することができる。
【0056】
本発明の実施形態はさらに、例えば、本発明で使用される化合物またはその反応性アナログのダイマー、トリマー、テトラマーおよびさらに高次のホモログなどの種を含む多価(polyvalentまたはmultivalent)種である化合物も含む。
【0057】
「塩カウンターイオン」は、本明細書中で用いられる場合、ホウ素が完全に負に荷電しているかまたは部分的に負に荷電している場合に本発明の化合物と結合する、正に荷電したイオンを指す。塩カウンターイオンの例としては、H
+、H
3O
+、アンモニウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム(例えばコリンまたはジエチルアミンまたはアミノ酸、例えばd−アルギニン、l−アルギニン、d−リシンもしくはl−リシン)およびナトリウムが挙げられる。
【0058】
炭素および3個のヘテロ原子(例えば、このセクションで記載される3個の酸素)に結合したホウ素を含む化合物は、場合によって、完全に負に荷電したホウ素または部分的に負に荷電したホウ素を含有する可能性がある。負電荷のために、正に荷電したカウンターイオンはこの化合物と結合することができ、かくして塩を形成することができる。塩カウンターイオンの例としては、H
+、H
3O
+、アンモニウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム(例えば、コリンまたはジエチルアミンまたはアミノ酸、例えばd−アルギニン、l−アルギニン、d−リシンまたはl−リシン)およびナトリウムが挙げられる。化合物の塩は、これらの化合物の記載に暗に含まれている。
【0059】
II.
序論
本発明は、新規ホウ素化合物およびこれらの分子の調製のための方法を提供する。本発明は、一部または全体として本明細書中で記載される化合物の使用による、細菌感染症の治療、細菌の殺滅または細菌の成長の阻害の方法をさらに提供する。別の態様において、本発明は、本発明の化合物と抗生物質との組み合わせである。別の態様において、本発明は、薬剤的に許容される賦形剤および本発明の化合物を含む医薬製剤である。別の態様において、本発明は、本発明の化合物、抗生物質、および薬剤的に許容される賦形剤を含む医薬製剤である。
【0060】
III.物質の
組成
III.a.)化合物
1つの態様において、本発明は、本発明の化合物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその塩を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物の塩は薬剤的に許容される塩である。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその薬剤的に許容される塩を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で提供される式で記載される化合物を提供する。例示的実施形態において、本発明は本明細書中で記載される化合物を提供する。
【0061】
1つの態様において、本発明は:
【化4】
(式中、R
3は、置換もしくは非置換ニトロアルキルまたは置換もしくは非置換アミノアルキルである;R
4は、ハロゲン、非置換アルキル非置換アルコキシおよび非置換フェニルから選択される;Yは、OまたはSである;R
5は、置換もしくは非置換アルキルおよび置換もしくは非置換ヘテロアルキルからなる群から選択される)の構造を有する化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
【0062】
1つの態様において、本発明は:
【化5】
(式中、R
3は、置換もしくは非置換ニトロアルキルまたは置換もしくは非置換アミノアルキルである;R
4は、ハロゲン、非置換アルキル、非置換アルコキシ、および非置換フェニルからなる群から選択される;Yは、OまたはSである;R
5は、置換もしくは非置換アルキルおよび置換もしくは非置換ヘテロアルキルからなる群から選択される)の構造を有する化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
【0063】
1つの態様において、本発明は:
【化6】
(式中、R
3は、置換もしくは非置換ニトロアルキルまたは置換もしくは非置換アミノアルキルである;R
4は、ハロゲン、非置換アルキル、非置換アルコキシ、および非置換フェニルからなる群から選択される;Yは、OまたはSである;R
5は、置換もしくは非置換アルキルおよび置換もしくは非置換ヘテロアルキルからなる群から選択される)である構造を有する化合物;またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
【0064】
例示的実施形態において、次式:
【化7】
(式中、C*は、(R)または(S)である立体配置を有する炭素原子立体中心である)による構造を有する化合物が提供される。例示的実施形態において、C*立体中心は(S)立体配置である。
【0065】
例示的実施形態において、次式:
【化8】
(式中、C*は、(R)または(S)である立体配置を有する炭素原子立体中心である)による構造を有する化合物が提供される。例示的実施形態において、C*立体中心は、(S)立体配置である。
【0066】
例示的実施形態において、次式:
【化9】
(式中、C*は、(R)または(S)である立体配置を有する炭素原子立体中心である)による構造を有する化合物が提供される。例示的実施形態において、C*立体中心は(S)立体配置である。
【0067】
例示的実施形態において、Y、R
5およびR
4は本明細書中で記載されるとおりであり、R
3は−(CR
20R
21)
nNR
22R
23であり、式中、nは1〜10から選択される整数である;各R
20および各R
21は独立して、H、R
26、OR
26、NR
26R
27、SR
26、−S(O)R
26、−S(O)
2R
26、−S(O)
2NR
26R
27、−C(O)R
27、−C(O)OR
27、−C(O)NR
26R
27からなる群から選択される;R
22およびR
23は独立して、H、−S(O)R
28、−S(O)
2R
28、−S(O)
2NR
28R
29、−C(O)R
28、−C(O)OR
28、−C(O)NR
28R
29、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、各R
26、各R
27、各R
28および各R
29は独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0068】
例示的実施形態において、Y、R
5およびR
4は、本明細書中で記載されるとおりであり、R
3は−CH
2NH
2または−CH
2NO
2である。例示的実施形態において、Y、R
5およびR
4は、本明細書中で記載されるとおりであり、そしてR
3は−CH
2NH
2である。例示的実施形態において、Y、R
5およびR
4は、本明細書中で記載されるとおりであり、R
3は−CH
2NH
2であり、そしてC*は、(S)である立体配置を有する。
【0069】
例示的実施形態において、Y、R
5およびR
3は、本明細書中で記載されるとおりであり、R
4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。例示的実施形態において、Y、R
5およびR
3は、本明細書中で記載されるとおりであり、R
4は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素からなる群から選択される。例示的実施形態において、Y、R
5およびR
3は、本明細書中で記載されるとおりであり、R
4は塩素または臭素である。例示的実施形態において、Y、R
5およびR
3は、本明細書中で記載されるとおりであり、R
4は塩素である。
【0070】
例示的実施形態において、Y、R
5およびR
3は、本明細書中で記載されるとおりであり、そしてR
4は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、およびsec−ブトキシからなる群から選択される。例示的実施形態において、Y、R
5およびR
3は、本明細書中で記載されるとおりであり、そしてR
4はメトキシまたはエトキシである。例示的実施形態において、Y、R
5およびR
3は、本明細書中で記載されるとおりであり、R
4はメトキシである。
【0071】
例示的実施形態において、Y、R
4およびR
3は、本明細書中で記載されるとおりであり、R
5は:
【化10】
(式中、aは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である;各R
10および各R
11は独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、OHおよびNH
2からなる群から選択される;R
12は、H、R
7、ハロゲン、シアノ、アミジノ、OR
7、NR
7R
8、SR
7、−N(R
7)S(O)
2R
8、−C(O)R
7、−C(O)OR
7、−C(O)NR
7R
8からなる群から選択され、ここで、各R
7および各R
8は独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から選択される。例示的実施形態において、Y、R
4、R
3、R
10、R
11、およびR
12は、本明細書中で記載されるとおりであり、そしてaは1、2、3、4、または5である。例示的実施形態において、Y、R
4、R
3、R
10、R
11、およびR
12は、本明細書中で記載されるとおりであり、そしてaは2、3、または4である。例示的実施形態において、Y、R
4、R
3、R
10、R
11、およびR
12は、本明細書中で記載されるとおりであり、そしてaは3である。例示的実施形態において、Y、R
4、R
3、a、およびR
12は、本明細書中で記載されるとおりであり、そして各R
10および各R
11は独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、OH、およびNH
2からなる群から選択される。例示的実施形態において、Y、R
4、R
3、a、およびR
12は、本明細書中で記載されるとおりであり、そして各R
10および各R
11はHである。例示的実施形態において、Y、R
4、R
3、R
10、R
11、およびaは、本明細書中で記載されるとおりであり、そしてR
12は、H、OH、NH
2、メチル、エチル、−NHS(O)
2CH
3、シアノ、−NHC(O)CH
3、−NHC(O)NHCH
2CH
3、−C(O)NH
2、−C(O)OH、4−(メトキシ)フェニル、ベンジル、ベンゾキシ、−NHC(O)OCH
2Ph、−C(O)NHCH
2CH
2OHおよび−C(NH
2)(NH)からなる群から選択される。
【0072】
例示的実施形態において、R
4、R
3、およびR
5は、本明細書中で記載されるとおりであり、そしてYはOである。例示的実施形態において、R
4、R
3、およびYは、本明細書中で記載されるとおりであり、そしてR
5は非置換アルキルである。例示的実施形態において、R
4、R
3、およびYは、本明細書中で記載されるとおりであり、そしてR
5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。
【0073】
例示的実施形態において、R
4はハロゲンであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。例示的実施形態において、R
4はハロゲンであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択される。例示的実施形態において、R
4はハロゲンであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。
【0074】
例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択される。例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。
【0075】
例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択される。例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。
【0076】
例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択される。例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。
【0077】
例示的実施形態において、R
4はハロゲンであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はメチルである。例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はメチルである。例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はメチルである。例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はメチルである。
【0078】
例示的実施形態において、R
4はハロゲンであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はエチルである。例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はエチルである。例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はエチルである。例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はエチルである。
【0079】
例示的実施形態において、R
4はハロゲンであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はプロピルである。例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はプロピルである。例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はプロピルである。例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はプロピルである。
【0080】
例示的実施形態において、R
4はハロゲンであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はイソプロピルである。例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はイソプロピルである。例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はイソプロピルである。例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はイソプロピルである。
【0081】
例示的実施形態において、R
4はハロゲンであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
4アルキルである。例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
4アルキルである。例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
4アルキルである。例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
4アルキルである。
【0082】
例示的実施形態において、R
4はハロゲンであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
5アルキルである。例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
5アルキルである。例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
5アルキルである。例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
5アルキルである。
【0083】
例示的実施形態において、R
4はハロゲンであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
6アルキルである。例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
6アルキルである。例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
6アルキルである。例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は非置換C
6アルキルである。
【0084】
例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択される。例示的実施形態において、R
4は塩素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。
【0085】
例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択される。例示的実施形態において、R
4はフッ素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。
【0086】
例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択される。例示的実施形態において、R
4は臭素であり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。
【0087】
例示的実施形態において、R
4は本明細書中で記載されるとおりであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5は置換もしくは非置換アルキルである。例示的実施形態において、YおよびR
5は、本明細書中で記載されるとおりであり、R
3は−CH
2NH
2である;そしてR
4はハロゲンである。例示的実施形態において、Yは本明細書中で記載されるとおりであり、R
4はハロゲンである;YはOである;そしてR
5は非置換アルキルである。例示的実施形態において、R
3は−CH
2NH
2である;R
4は塩素である;YはOである;そしてR
5は置換もしくは非置換アルキルである。例示的実施形態において、R
4は本明細書中で記載されるとおりであり、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はエチルである。
【0088】
例示的実施形態において、化合物は
【化11】
である構造を有する。
【0089】
例示的実施形態において、化合物は
【化12】
(式中、R
4、YおよびR
5は本明細書中に記載されるとおりである)である構造を有する。
【0090】
例示的実施形態において、化合物は
【化13】
(式中、R
4、YおよびR
5は本明細書中に記載されるとおりである)である構造を有する。例示的実施形態において、YはOであり、そしてR
4およびR
5は本明細書中で記載されるとおりである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、そしてR
5は本明細書中で記載されるとおりである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、そしてR
5は非置換アルキルである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、R
5は、メチルまたはエチルまたはプロピルまたはイソプロピルである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、R
5は、ブチルまたはイソブチルまたはネオブチルまたはt−ブチルである。
【0091】
例示的実施形態において、化合物は
【化14】
(式中、R
4、YおよびR
5は本明細書中に記載されるとおりである)である構造を有する。
【0092】
例示的実施形態において、化合物は
【化15】
(式中、R
4、YおよびR
5は本明細書中に記載されるとおりである)である構造を有する。例示的実施形態において、YはOであり、そしてR
4およびR
5は本明細書中で記載されるとおりである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、そしてR
5は本明細書中で記載されるとおりである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、そしてR
5は非置換アルキルである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、R
5は、メチルまたはエチルまたはプロピルまたはイソプロピルである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、R
5は、ブチルまたはイソブチルまたはネオブチルまたはt−ブチルである。
【0093】
例示的実施形態において、化合物は
【化16】
(式中、R
4、YおよびR
5は本明細書中に記載されるとおりである)である構造を有する。
【0094】
例示的実施形態において、化合物は
【化17】
(式中、R
4、YおよびR
5は本明細書中に記載されるとおりである)である構造を有する。例示的実施形態において、YはOであり、そしてR
4およびR
5は本明細書中で記載されるとおりである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、そしてR
5は本明細書中で記載されるとおりである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、そしてR
5は非置換アルキルである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、R
5は、メチルまたはエチルまたはプロピルまたはイソプロピルである。例示的実施形態において、YはOであり、R
4はハロゲンであり、R
5は、ブチルまたはイソブチルまたはネオブチルまたはt−ブチルである。
【0095】
例示的実施形態において、前記アルキルは直線状アルキルまたは分枝アルキルであり、例示的実施形態において、前記ヘテロアルキルは直線状ヘテロアルキルまたは分枝ヘテロアルキルである。
【0096】
例示的実施形態において、本発明は、ダイマーまたはトリマーを含む本発明の化合物の多価(polyvalentまたはmultivalent)種を提供する。本発明の別の例示的実施形態は、本発明の化合物の無水物を提供する。別の例示的実施形態において、本発明は、本発明の化合物の多価種を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物のダイマーを提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物のダイマーを提供する。
【0097】
例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物の無水物を提供する。例示的実施形態において、本発明は本明細書中で記載される化合物の無水物を提供する。
【0098】
例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物のトリマーを提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物のトリマーを提供する。
【0099】
本発明の化合物は、水と水和物を、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコールと溶媒和物を;アンモニア、メチルアミン、エチルアミンなどのアミノ化合物と付加物を;ギ酸、酢酸などの酸と付加物を;エタノールアミン、キノリン、アミノ酸などと複合物を形成することができる。
【0100】
例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、あるいはそれらの組み合わせを提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその塩を提供する。例示的実施形態において、塩は薬剤的に許容される塩である。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその水和物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその溶媒和物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはそのプロドラッグを提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物の塩を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物の薬剤的に許容される塩を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物の水和物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物の溶媒和物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物のプロドラッグを提供する。例示的実施形態において、本発明は、
図1中に記載される化合物、またはその塩を提供する。例示的実施形態において、本発明は、
図1中に記載される化合物、またはその薬剤的に許容される塩を提供する。
【0101】
例示的実施形態において、アルキルは直線状アルキルである。別の例示的実施形態において、アルキルは分枝アルキルである。
【0102】
例示的実施形態において、ヘテロアルキルは直線状ヘテロアルキルである。別の例示的実施形態において、ヘテロアルキルは分枝ヘテロアルキルである。
【0103】
III.b)さらなる治療薬を含む組み合わせ
本発明の化合物はまた、さらなる治療薬と組み合わせて用いることもできる。本発明はしたがって、さらなる態様において、本発明の化合物を、少なくとも1つのさらなる治療薬、またはその塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物とともに含む組み合わせを提供する。例示的実施形態において、本発明の化合物は、本明細書中で記載される化合物、またはその塩である。例示的実施形態において、さらなる治療薬は本発明の化合物である。例示的実施形態において、さらなる治療薬は、ホウ素原子を含む。例示的実施形態において、さらなる治療薬は、ホウ素原子を含有しない。例示的実施形態において、さらなる治療薬は、セクションIIIa)またはb)で記載される化合物である。
【0104】
本発明の化合物を、同じ疾患状態に対して活性な第2の治療薬と組み合わせて用いる場合、各化合物の用量は、その化合物を単独で使用する場合の用量とは異なる可能性がある。適切な用量は、当業者によって容易に理解されるであろう。当然のことながら、治療での使用に必要とされる本発明の化合物の量は、治療される状態の性質ならびに患者の年齢および状態で変わり、最終的に担当医(attendant physician)または獣医の判断による。
【0105】
例示的実施形態において、さらなる治療薬は抗菌剤である。例示的実施形態において、さらなる治療薬は抗結核剤である。例示的実施形態において、さらなる治療薬はリファンピシンである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はイソニアジドである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はピラジンアミドである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はエタンブトールである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はイソニアジドである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はストレプトマイシンである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はアミノグリコシドである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はアミカシンまたはカナマイシンである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はポリペプチドである。例示的実施形態において、さらなる治療薬は、カプレオマイシン、バイオマイシン、およびエンビオマイシンからなる群から選択される。例示的実施形態において、さらなる治療薬はフルオロキノロンである。例示的実施形態において、さらなる治療薬は、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、およびモキシフロキサシンからなる群から選択される。例示的実施形態において、さらなる治療薬はチオアミドである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はエチオナミドまたはプロチオンアミドである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はシクロセリンである。例示的実施形態において、さらなる治療薬はp−アミノサリチル酸である。例示的実施形態において、さらなる治療薬は、リファブチン、リネゾリド、チオアセタゾン、チオリダジン、アルギニン、ビタミンD、およびR207910からなる群から選択される。例示的実施形態において、さらなる治療薬はマクロライドである。
【0106】
そのような組み合わせの個々の成分を、同時または連続的のいずれかで、単位投与形態で投与することができる。単位投与形態は単一または複数の単位投与形態であり得る。例示的実施形態において、本発明は、単一単位投与形態中の組み合わせを提供する。単一単位投与形態の一例は、本発明の化合物およびさらなる治療薬の両方が同じカプセル内に含まれるカプセルである。例示的実施形態において、本発明は、2つの単位投与形態中の組み合わせを提供する。2つの単位投与形態の一例は、本発明の化合物を含有する第1カプセルと、さらなる治療薬を含有する第2カプセルである。したがって、「単一単位」または「2つの単位」または複数の単位」という用語は、動物(例えば、ヒト)が摂取する物体を指し、物体の内部の成分を指すのではない。公知治療薬の適切な用量は当業者には容易に理解されるであろう。
【0107】
本明細書中で言及される組み合わせは、医薬製剤の形態での使用のために都合よく提供される可能性がある。したがって、本発明の例示的実施形態は、a)本発明の化合物;b)さらなる治療薬およびc)薬剤的に許容される賦形剤を含む医薬製剤である。例示的実施形態において、医薬製剤は単位投与形態である。例示的実施形態において、医薬製剤は単一単位投与形態である。例示的実施形態において、医薬製剤は、本発明の化合物;抗生物質おおび薬剤的に許容される賦形剤を含む単一単位投与形態である。例示的実施形態において、医薬製剤は、本発明の化合物;抗生物質および少なくとも1つ薬剤的に許容される賦形剤を含む単一単位投与形態である。例示的実施形態において、医薬製剤は2つの単位投与形態である。例示的実施形態において、医薬製剤は、第1単位投与形態および第2単位投与形態を含む2つの単位投与形態であり、ここで、第1単位投与形態は、a)本発明の化合物およびb)第1の薬剤的に許容される賦形剤を含み;第2単位投与形態は、c)さらなる治療薬およびd)第2の薬剤的に許容される賦形剤を含む。例示的実施形態において、医薬製剤は、第1単位投与形態および第2単位投与形態を含む2つの単位投与形態であって、ここで、第1単位投与形態は、a)本発明の化合物およびb)第1の薬剤的に許容される賦形剤を含み;第2単位投与形態はc)抗生物質およびd)第2の薬剤的に許容される賦形剤を含む。
【0108】
III.c)ホウ素含有化合物の調製
本発明で有用な化合物は、市販の出発物質、公知中間体を使用するか、または米国特許出願第12/142,692号および米国特許公開第US20060234981号、同第US20070155699号および同第US20070293457号などの本明細書中で記載され、参照することによって組み込まれる参考文献で公開された合成法を用いることによって調製することができる。
【0109】
以下の一般的手順を実施例の生成で必要に応じて使用したが、当業者の知識を用いて他の適切な化合物に適用して、さらなるアナログを得ることができる。
一般的反応スキーム1
【化18】
【0110】
スキーム1は(I)の化合物の合成を説明し、ここで、R
4はフッ素または塩素であり、YおよびR
5は本明細書中で記載されるとおりである。調製することができるか、またはSigma−Aldrichから市販されている、式Aのフルオロまたはクロロ化合物を、強塩基(例えば、n−BuLi、sec−BuLi、またはt−BuLi、2当量)と反応させ、続いてホルミル化剤(例えば、DMF、ジメチルホルムアミド、ホルムアニリド、N−ホルミルモルホリン、大過剰)でクエンチングして、式Bの化合物を得る。化合物Bを脱メチル化剤(典型的にはBBr
3、2当量)で、好適な溶媒(ジクロロメタン、THF)中で処理して、式Cのフェノールを得る。化合物Cを対応するブロミドまたはメシレート(1〜1.5当量)と塩基(例えば、KOtBu、K
2CO
3、またはCs
2CO
3、1.5〜2当量)の存在下、DMFまたはDMSOなどの非プロトン性溶媒中で反応させて、式Dの化合物を得ることができる。1.2当量の無水トリフルオロメタンスルホン酸およびピリジンとのジクロロメタン中での反応によって、化合物DをトリフレートEに変換することができる。トリフレートEのボロネートFへの変換は、ビス(ピナコラート)ジボラン(2当量)、KOAc(3当量)および触媒量のPdCl
2(dppf)(4〜8モル%)との反応によって達成することができる。化合物Fをニトロメタン(3当量)と水酸化ナトリウム(3当量)の存在下、水またはTHF中で反応させて、式Gのニトロ化合物を得る。化合物Gを、ラネーNi還元(ラネーNi、2当量w/w、EtOH中2.0M NH
3、無水EtOH)によって式Hの最終生成物に変換することができる。
一般的反応スキーム2
【化19】
【0111】
スキーム2は、(I)の化合物の合成を説明し、ここで、R
4は塩素であり、YおよびR
5は本明細書中で記載されるとおりである。調製することができるか、またはSigma−Aldrichから市販されている、式Iのフェノールまたはチオフェノールは、臭素および触媒量の鉄粉の氷酢酸中溶液と反応して、式Jのブロモ置換化合物を得る。Jのアルキル化は、ブロミドと炭酸カリウムなどの塩基の存在下、DMFまたはアセトニトリルなどの溶媒中で反応させることによって達成することができる。アルデヒドKの保護は、トルエン中エチレングリコールと、触媒量のp−トルエンスルホン酸の存在下で還流させることによって達成することができる。化合物LをBuLiおよびホウ酸トリイソプロピルと反応させ、続いて塩酸で処理して、ボロン酸Mを得る。化合物Mをニトロメタンと水酸化ナトリウムの存在下で反応させて、式Nのニトロ化合物を得る。Nを1当量の塩化スルフリルで処理して、クロロ置換化合物Oを得る。化合物OのMeOH中でのラネーNi還元によって、式Pの最終生成物を得る。
一般的反応スキーム3
【化20】
【0112】
スキーム3は(I)の化合物の合成を説明し、ここで、R
4は臭素であり、YおよびR
5は本明細書中で記載されるとおりである。スキーム2にしたがって調製することができる式Nの化合物を、水酸化パラジウムの存在下での水素化または前述の様なラネーNi還元によって、還元して式Sのアミンにすることができる。式Sのアミンは、Boc無水物などのN−保護試薬と、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、ジクロロメタン中で反応して、式TのBoc保護化合物を得る。TをN−ブロモスクシンイミドおよび触媒量のAIBNでアセトニトリル中で処理して、式Uのブロモ置換化合物を得る。化合物UをHClなどの酸の存在下、ジオキサン中で脱保護して、式Uの最終化合物を得る。
一般的反応スキーム4
【化21】
【0113】
スキーム4は、(I)の化合物の合成を記載し、ここで、R
4はアルキルまたはアリール基であり、YおよびR
5は本明細書中で記載されるとおりである。スキーム2にしたがって調製することができる式Nの化合物は、アセトニトリルなどの溶媒中、N−ブロモスクシンイミドおよび触媒量のAIBNで臭素化して、式Wのブロミドを得ることができる。DMF中触媒Pd(Ph
3P)
4の存在下での、テトラメチルスタンナンまたはトリブチル−フェニル−スタンナンなどの有機スズ化合物とのスティルカップリングによって、式Xの化合物を得る。炭素上パラジウムの存在下での水素化または前述のようなラネーNi還元によって、化合物Xを還元して、式Yの最終化合物にすることができる。あるいは、Wと、DMF中触媒量のPd(Ph
3P)
4の存在下でのビニルトリブチルスズなどの有機スズ化合物とのスティル反応によって、式Zの化合物を得る。化合物ZのラネーNi還元後、前述のように炭素上パラジウムの存在下でさらに水素化して、式ABの最終化合物を得る。
一般的反応スキーム5:キラル分離
【化22】
【0114】
スキーム5は、化合物(I)をそれらのエナンチオ異性体に分ける方法を説明し、ここで、R
4、Y、およびR
5は本明細書中で記載されるとおりである。スキーム1またはスキーム2またはスキーム3またはスキーム4にしたがって調製することができる式ACの化合物は、Boc無水物などのN−保護試薬とトリエチルアミンなどの塩基の存在下、ジクロロメタン中で反応させることによって、Boc保護化合物ADに変換することができる。ラセミ化合物ADは、ChiralPak AD−Hなどのキラルカラムおよび溶離剤としてSF CO
2/メタノールを用いてキラルHPLCによって分割することができる。集められた2つの化合物は、エナンチオマーAEおよびエナンチオマーAFである。各異性体のエナンチオマー純度の分析は、ChiralPak ADカラムなどのキラルカラムを用いて達成することができる。Boc保護化合物AEおよびAFは、ジオキサン中HClなどの酸を用いた脱保護によって、最終キラル化合物AGおよびAHに変換することができる。
一般的反応スキーム6:キラル分離
【化23】
【0115】
スキーム6は、キラル化合物AIをそれらのエナンチオ異性体に分ける別の方法を説明し、ここで、R
4、Y、およびR
5は本明細書中で記載されるとおりである。式AIの化合物は、スキーム1またはスキーム2またはスキーム3またはスキーム4にしたがって調製することができる。2つのエナンチオマーの分離は、ラセミ物質AIを好適な溶媒中に溶解させ、そして適切なキラルカラムおよび溶離剤系に適用することによって達成された。分離されたエナンチオマー試料を集めたものを次いで濃縮し、さらなる精製をすることなく次のステップで使用した。この技術を用いて、分離されたエナンチオマーの様々なエナンチオマー過剰を達成することが可能である。ニトロ化合物AJおよびAKを、ラネーNi還元(ラネーNi2当量w/w、EtOH中2.0MのNH
3、無水EtOH)によって、最終キラル化合物ALおよびAMにそれぞれ変換することができる。
【0116】
IV.
アッセイ
当該技術分野で承認されている遺伝学および分子生物学の技術は、tRNAシンセターゼなどの酵素を結合および/または阻害する化合物を同定するために有用である。さらに、これらの技術は、化合物が、酵素の特定のドメインと結合および/または阻害するかどうかを識別するために有用である。例えば、ロイシルtRNAシンセターゼ(LeuRS)について、これらの技術は、化合物が合成ドメイン、編集ドメイン、または編集ドメインおよび合成ドメインの両方を結合および/または阻害するかどうかを区別することができる。マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)leuS遺伝子は、大腸菌(E. coli)最適化コドンを用いてGenscript(Piscataway, NJ)によって合成され、タンパク質は、標準的なT7 RNAポリメラーゼ過剰発現プロトコルおよび標準的な精製プロトコルを用いて作製された。
【0117】
IV.a)LeuRS
例示的アッセイにおいて、編集ドメインに対する代表的な化合物の活性を確認した。新規ホウ素含有抗菌剤化合物の標的を同定するために、この化合物に対する耐性を示す大腸菌における突然変異体を単離した。突然変異体の特性化は、それらが野生型よりも化合物に対する耐性において32〜256倍増加することを示した。突然変異体は、既知作用機序を有する種々の抗菌剤に対して感受性であることがさらに示され、このことは、化合物の細胞標的が他の抗菌剤の標的から区別されることを示唆する。突然変異体からのleuS遺伝子をプラスミド上にクローンし、それらの耐性をMICによって確認した。これらの突然変異体からの編集ドメインを配列決定し、突然変異はすべてこの酵素の編集ドメイン中に位置していた。
【0118】
特定の化合物が選択されたtRNAシンセターゼの編集ドメインに結合および/または阻害するかどうか、そしてどのように有効に結合および/または阻害するかを決定するためのアッセイも、本明細書中に記載され、さらなるアッセイは、当業者に容易に利用可能である。手短に言うと、例示的アッセイにおいて、不適切に荷電したtRNAおよびこの不適切に荷電したtRNAを編集することができるtRNAシンセターゼを組み合わせる。結果として得られた混合物を推定阻害剤と接触させ、阻害を編集する程度を観察する。
【0119】
別のアッセイは、薬物が編集ドメインによって機能することを示す遺伝学を使用する。このアッセイにおいて、化合物をまずtRNAシンセターゼ遺伝子のコピーを過剰発現する細胞の株に対して試験する。過剰発現株に対する化合物の効果を、対照株と比較して、化合物がシンセターゼに対して活性であるかどうかを判定する。最小阻害濃度(MIC)が、シンセターゼ遺伝子の余分なコピーを有する株において、野生型細胞に対する阻害剤のMICよりも2倍高いならば、さらなる遺伝子スクリーンを実施して、増大した耐性が編集ドメインにおける突然変異によるものであるかどうかを判定する。この第2のスクリーンにおいて、対照株は、高濃度の阻害剤に対して攻撃される。攻撃を生き残ったコロニーを単離し、これらの細胞からのDNAを単離する。プルーフリーディングPCR酵素および適切なプライマーを用いて編集ドメインを増幅する。標準的な手順を用いてPCR産物を精製することができる。配列増幅突然変異体DNAを野生型と比較する。突然変異体DNAが編集ドメイン中に突然変異を有するならば、そのような結果は、化合物が編集ドメインと結合し、このドメインによって分子の機能の編集機能に影響を及ぼすことを示唆する。
【0120】
一般的に、試験される化合物は、アッセイにおいて約1pM〜約100mM、好ましくは約1pM〜約1μMの範囲で存在する。他の化合物は、約1nM〜約100nM、好ましくは約1nM〜約1μMに及ぶ。
【0121】
酵素の機能に対する試験化合物の効果はさらに、任意の好適な生理学的変化によって測定することもできる。機能的結果がインタクト細胞または動物を用いて測定される場合、伝達物質放出、ホルモン放出、既知および特性化されていない遺伝子マーカーの両方に対する転写変化、細胞成長などの細胞代謝における変化またはpH変化、および細胞内第2メッセンジャー、例えばCa
2+、または環状ヌクレオチドにおける変化などの様々な効果を測定することもできる。
【0122】
本明細書中で記載されるアッセイおよび当該技術分野で容易に利用可能な他のアッセイを利用して、当業者は、tRNAシンセターゼの編集ドメインと結合および/または阻害する作用をする他の化合物および化合物のクラスを容易かつ慣例的に決定することができるであろう。
【0123】
別の態様において、本発明は、tRNAシンセターゼの編集ドメインと結合する化合物を同定するための方法であって:a)前記編集ドメインを試験化合物と、結合に好適な条件下で接触させ;そしてb)前記試験化合物の前記編集ドメインに対する結合を検出することを含む方法を提供する。例示的実施形態において、前記化合物の結合の検出は、前記化合物に結合した少なくとも1つの検出可能な元素、同位体、または化学標識の使用を含む。例示的実施形態において、元素、同位体または化学標識は、蛍光、発光、放射性、または吸光度の読み出しによって検出される。例示的実施形態において、前記試験化合物の前記編集ドメインとの接触はまた、前記試験化合物および前記編集ドメインを、AMPおよび末端アデノシンを有する分子から選択されるメンバーと接触させることをさらに含む。例示的実施形態において、tRNAシンセターゼはロイシルtRNAシンセターゼから誘導される。例示的実施形態において、tRNAシンセターゼは突然変異したtRNAシンセターゼから誘導され、この場合、前記突然変異したtRNAシンセターゼは、編集ドメイン中にアミノ酸突然変異を含む。別の例示的実施形態において、tRNAシンセターゼの前記編集ドメインは、本明細書中で記載されるペプチド配列のアミノ酸配列を含む。
【0124】
別の態様において、本発明は、tRNAシンセターゼの編集ドメインに結合する化合物を同定するための方法を提供し、前記アッセイは:a)tRNAシンセターゼの前記編集ドメインを前記化合物と、前記化合物とtRNAシンセターゼの前記編集ドメインとの結合に好適な条件下で接触させ;b)前記化合物と接触するtRNAシンセターゼの前記編集ドメインの生物学的活性を、前記化合物と接触しない場合の前記生物学的活性と比較し;そしてc)tRNAシンセターゼの前記編集ドメインの前記生物学的活性が、前記化合物と接触する場合に減少するならば、前記化合物がtRNAシンセターゼの前記編集ドメインと結合すると特定することを含む。例示的実施形態において、生物学的活性は非同族アミノ酸の加水分解である。別の例示的実施形態において、前記非同族アミノ酸の加水分解は、1以上の標識の使用によって検出される。別の例示的実施形態において、標識は放射性標識、蛍光マーカー、抗体、あるいはそれらの組み合わせを含む。別の例示的実施形態において、前記標識は、分光法を用いて検出することができる。別の例示的実施形態において、tRNAシンセターゼの前記編集ドメインは、ロイシルtRNAシンセターゼから誘導される。
【0125】
別の態様において、本発明は、非同族アミノ酸を有するtRNA分子を生成させる方法であって:a)変更されたアミノ酸編集ドメインを有する突然変異したtRNAシンセターゼを作製または単離し;そしてb)tRNA分子を、前記突然変異したtRNAシンセターゼおよび非同族アミノ酸と接触させることを含む方法を提供する。別の例示的実施形態において、突然変異したtRNAシンセターゼは、編集ドメイン中に1以上のアミノ酸突然変異を含む。別の例示的実施形態において、突然変異したtRNAシンセターゼは本発明の化合物と結合することができない。別の例示的実施形態において、突然変異したtRNAシンセターゼは、本明細書中で記載される化合物、またはその薬剤的に許容される塩と結合することができない。別の例示的実施形態において、突然変異したtRNAシンセターゼは、本明細書中で記載される式による化合物、またはその薬剤的に許容される塩と結合することができない。
【0126】
別の態様において、本発明は、非同族アミノ酸に結合した1以上のtRNA分子を含む組成物を提供し、この場合、前記tRNA分子は、微生物または微生物由来の細胞系から単離された、1以上の突然変異したtRNAシンセターゼを用いて合成される。例示的実施形態において、微生物は細菌である。例示的実施形態において、前記突然変異したtRNAシンセターゼは、それらの編集ドメインにおいてアミノ酸突然変異を含む。
【0127】
V.
アッセイで使用されるアミノ酸およびヌクレオチド配列
本発明において使用されるアミノ酸およびヌクレオチド配列は、本明細書中で記載され、参照することによって組み込まれる参考文献、例えば米国特許出願第12/142,692号および米国特許公開第US20060234981号、同第US20070155699号および同第US20070293457号で公開されている。コドン最適化エム・ツベルクローシス(M. tuberculosis)leuS遺伝子の配列は次のとおりである:
【0128】
VI.
方法
別の態様において、本発明の化合物は、酵素を阻害するために利用することができる。別の態様において、本発明の化合物および/または本発明の組み合わせは、細菌などの微生物に対して効力を示し、したがって、微生物を殺滅および/または微生物の成長を阻害する可能性を有する。別の態様において、本発明の化合物および/または本発明の組み合わせは、細菌などの微生物に対して効力を示し、したがって本明細書中に記載される動物において治療効果を達成する可能性を有する。
【0129】
VI.a)LeuRS
例示的実施形態において、本発明の化合物は、細菌などの微生物の、ロイシルtRNAシンセターゼなどのtRNAシンセターゼの編集ドメインを阻害する能力を示し、したがって、微生物tRNAシンセターゼの編集ドメイン阻害剤として使用される可能性を有する。
【0130】
本発明の別の態様によると、tRNAシンセターゼの編集ドメインを結合および/または阻害するための方法が提供され、この方法は、tRNAシンセターゼを、tRNAシンセターゼがその基質と相互作用して、アミノアシルアデニレート中間体を形成し、そして好ましくは荷電したtRNAを形成する条件下で編集ドメインを阻害する本発明の化合物と接触させることを含む。そのような条件は、当業者には公知である。例示的実施形態において、化合物は、本明細書中で記載される式による構造を有する。例示的実施形態において、化合物は本明細書中に記載されているか、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、あるいはそれらの組み合わせである。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその塩を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその塩を提供する。tRNAシンセターゼを、検出可能な量のtRNAシンセターゼ阻害をもたらすために十分な量の本発明の化合物と接触させる。この方法を、生物内に含まれるか、または生物の外側にあるtRNAシンセターゼに対して実施することができる。例示的実施形態において、動物内もしくは動物の表面上にある微生物または微生物細胞内に含まれるtRNAシンセターゼに対して方法を実施する。例示的実施形態において、動物はヒトである。方法は、阻害された編集ドメインを有するtRNAシンセターゼによって産生される荷電したtRNAの量の減少をもたらす。例示的実施形態において、阻害は微生物細胞などの細胞で起こる。別の例示的実施形態において、微生物細胞は細菌である。別の例示的実施形態において、tRNAシンセターゼはロイシルtRNAシンセターゼである。
【0131】
例示的実施形態において、本発明は、tRNA分子の荷電したtRNA分子への変換を阻害する方法を提供する。方法は、tRNAシンセターゼを、前記tRNAシンセターゼの編集ドメインの活性を阻害するために有効な本発明の化合物と、前記活性を阻害するために十分な条件下で接触させ、それによって前記変換を阻害することを含む。例示的実施形態において、本発明の化合物は、本明細書中で記載される化合物、またはその薬剤的に許容される塩である。例示的実施形態において、阻害は、細胞内で起こり、この細胞は微生物細胞である。別の例示的実施形態において、微生物細胞は細菌である。別の例示的実施形態において、微生物細胞は、本明細書中で記載される細菌である。別の例示的実施形態において、酵素は、本明細書中で記載される細菌のロイシルtRNAシンセターゼである。別の例示的実施形態において、tRNAシンセターゼはロイシルtRNAシンセターゼである。別の例示的実施形態において、化合物は前記tRNAシンセターゼの合成ドメインに対して100μMを超えるK
D、合成を有する。
【0132】
ある実施形態において、本発明の化合物の作用機序は、少なくともシンセターゼの編集ドメインと結合および/または阻害することによって、tRNA分子の荷電したtRNA分子への変換を阻害することである。この方法で有用な化合物はさらに、合成ドメイン(例えば、合成ドメインの活性部位)を阻害する可能性があるか、または他の方法で相互作用する可能性がある。現在好ましい実施形態において、編集ドメインは、合成ドメインの存在下で選択的に阻害される。好ましい実施形態において、合成ドメインは本質的に阻害されず、一方、編集ドメインは、tRNAシンセターゼの活性の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも70%、一層好ましくは少なくとも80%、そしてなお一層好ましくは少なくとも90%を阻害される。別の好ましい実施形態において、合成ドメインは、最高で50%、好ましくは最高で30%、好ましくは最高で20%、10%、好ましくは最高で8%、さらに好ましくは最高で5%、一層好ましくは最高で3%、そしてなお一層好ましくは最高で1%阻害される。編集ドメインの阻害は、適切に荷電したtRNAの量の減少をもたらし、これは細胞成長および分裂の遅延または中止をもたらす。
【0133】
別の例示的実施形態において、K
D、編集/K
D、合成として表される、前記編集ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度の、前記tRNAシンセターゼの前記合成ドメインを阻害する前記化合物の最小濃度に対する比は、1未満である。別の例示的実施形態において、化合物のK
D、編集/K
D、合成は、0.5未満、0.1未満および0.05未満から選択されるメンバーである。
【0134】
VI.b)微生物成長の阻害または微生物の殺滅
本発明の化合物および/または本発明の組み合わせは、細菌などの微生物に対する効力を示し、したがって微生物感染の治療および/もしくは防止、または微生物の殺滅および/または微生物成長の阻害をする可能性を有する。
【0135】
さらなる態様において、本発明は、微生物感染を治療および/もしくは防止する方法、または微生物を殺滅および/もしくは微生物の成長を阻害する方法を提供し、前記方法は:前記微生物を有効量の本発明の化合物と接触させ、それによって微生物を殺滅および/または微生物の成長を阻害することを含む。さらなる態様において、本発明は、微生物感染を治療および/もしくは防止する方法、または微生物を殺滅および/もしくは微生物の成長を阻害する方法を提供し、前記方法は:前記微生物を有効量の本発明の組み合わせと接触させ、それによって微生物を殺滅および/または微生物の成長を阻害することを含む。
【0136】
さらなる態様において、本発明は、細菌感染症を治療する方法であって、感染に苦しんでいる動物に有効量の本発明の化合物もしくは本発明の組み合わせ、またはその薬剤的に許容される塩を投与し、それによって細菌感染症を治療することを含む方法を提供する。例示的実施形態において、本発明は、細菌感染症を治療する方法であって、感染に苦しんでいる動物に有効量の本発明の化合物、またはその薬剤的に許容される塩、および有効量の抗生物質、またはその薬剤的に許容される塩を投与し、それによって細菌感染症を治療することを含む方法を提供する。
【0137】
さらなる態様において、本発明は、細菌感染症を防止する方法であって、動物に、予防量の本発明の化合物もしくは本発明の組み合わせ、またはその薬剤的に許容される塩を投与し、それによって細菌感染症を治療することを含む方法を提供する。例示的実施形態において、本発明は、細菌感染症を防止する方法であって、動物に予防量の本発明の化合物、またはその薬剤的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0138】
例示的実施形態において、微生物は細菌である。例示的実施形態において、化合物または組み合わせは、本明細書中で記載されているか、またはその塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、あるいはそれらの組み合わせである。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物もしくは組み合わせ、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物もしくは組み合わせ、またはそのプロドラッグを提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物もしくは組み合わせ、またはその塩を提供する。別の例示的実施形態において、本発明の化合物または組み合わせは、本明細書中で記載される化合物もしくは組み合わせ、またはその薬剤的に許容される塩である。別の例示的実施形態において、化合物または組み合わせの化合物は、本明細書中に記載される式により記載されるか、またはその薬剤的に許容される塩である。例示的実施形態において、化合物は本明細書中で記載される組み合わせの一部である。例示的実施形態において、化合物は本明細書中で記載される医薬製剤の一部である。別の例示的実施形態において、接触は、化合物が生物中に侵入するのを許容する条件下で起こる。そのような条件は当業者に公知である、本明細書中で記載されている。
【0139】
別の態様において、微生物は、動物の内部、または動物の表面上にある。別の例示的実施形態において、動物は本明細書中に記載されている。別の例示的実施形態において、動物はヒトである。
【0140】
例示的実施形態において、本発明の化合物および/または本発明の組み合わせの経口投与によって、微生物感染が治療および/もしくは防止されるか、または微生物が殺されるか、もしくはその成長が阻害される。例示的実施形態において、本発明の化合物および/または本発明の組み合わせの静脈内投与によって、微生物感染が治療および/もしくは防止されるか、または微生物が殺されるか、もしくはその成長が阻害される。
【0141】
例示的実施形態において、微生物は細菌である。例示的実施形態において、感染は、微生物、特に細菌に起因および/または関連する。例示的実施形態において、細菌はグラム陽性菌である。別の例示的実施形態において、グラム陽性菌は、スタフィロコッッカス(Staphylococcus)種、ストレプトコッカス(Streptococcus)種、バシラス(Bacillus)種、マイコバクテリウム(Mycobacterium)種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種(プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)種)、クロストリジウム(Clostridium)種、アクチノミセス(Actinomyces)種、エンテロコッカス(Enterococcus)種およびストレプトマイセス(Streptomyces)種からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、グラム陽性菌は、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophyticus)、スタフィロコッッカス・ヘモリチカス(Staphylococcus haemolyticus)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、アクチノミセス・イスラエリー(Actinomyces israelii)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、破傷風菌(Clostridium tetani)、およびクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、グラム陽性菌は、黄色ブドウ球菌、スタフィロコッッカス・エピデルミディス、肺炎連鎖球菌、化膿連鎖球菌、エンテロコッカス・フェカリス、エンテロコッカス・フェシウム、クロストリジウム・ディフィシルおよびプロピオニバクター・アクネス(Propionibacter acnes)からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌はグラム陰性菌である。別の例示的実施形態において、グラム陰性菌は、アシネトバクター(Acinetobacter)種、ナイセリア(Neisseria)種、シュードモナス種、ブルセラ(Brucella)種、アグロバクテリウム(Agrobacterium)種、ボルデテラ(Bordetella)種、エシェリヒア(Escherichia)種、シゲラ(Shigelia)種、エルシニア(Yersinia)種、サルモネラ(Salmonella)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、ヘモフィルス(Haemophilus)種、パスツレラ(Pateurella)種、ストレプトバシラス種、スピロヘータ(spirochetal)種、カンピロバクター(Campylobacter)種、ビブリオ(Vibrio)種、ヘリコバクター(Helicobacter)種、バクテロイデス(Bacteroides)種、シトロバクター種、プロテウス種、プロビデンシア(Providencia)種、セラチア(Serratia)種、ステノトロフォモナス(Stenotrophomonas)種およびバークホルデリア(Burkholderia)種からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、グラム陰性菌は、アシネトバクター種、シュードモナス種、エシェリヒア種、クレブシエラ種、エンテロバクター種、バクテロイデス種、シトロバクター種、プロテウス種、プロビデンシア種、セラチア種、ステノトロフォモナス種およびバークホルデリア種からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、グラム陰性菌は、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、大腸菌(Eschelicia coli)、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacgter pylori)、カンピロバクター・フィタス(Campylobacter fetus)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、ビブリオ・パラヘモリティカス(Vibrio parahemolyticus)、梅毒トレポネーマ(Trepomena pallidum)、リケッチア・プロワツェキイ(Rickettsia prowazekii)、リケッチア・リッケットシア(Rickettsia rickettsii)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、クラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci)、ブルセラ・アボルタス(Brucella abortus)、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、野兎病菌(Francisella tularensis)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、アシネトバクター・バウマニー(Acinetobacter baumannii)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、シトロバクター・フロインディイ、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロビデンシア・スチュアルティイ(Providencia stuartii)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)およびバークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、グラム陰性菌は、シュードモナス・エルジノーサ、大腸菌、インフルエンザ菌、クレブシエラ・ニューモニエ、エンテロバクター・クロアカエ、アシネトバクター・バウマニー、バクテロイデス・フラジリス、シトロバクター・フロインディイ、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア・スチュアルティイ、セラチア・マルセッセンス、ステノトロフォモナス・マルトフィリアおよびバークホルデリア・セパシアからなる群から選択される。別の例示的実施形態において、グラム陰性菌は、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカエ、エンテロバクター・サカザキ、大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエ、プロテウス・ミラビリス、セラチア・マルセッセンスおよびシトロバクター・フロインディイからなる群から選択される。別の例示的実施形態において、グラム陰性菌はプロビデンシア種である。
【0142】
例示的実施形態において、微生物は、抗酸菌である。別の例示的実施形態において、細菌はマイコバクテリウム(Mycobacterium)種である。別の例示的実施形態において、細菌は、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)である。別の例示的実施形態において、細菌はマイコバクテリウム・アビウム・イン
トラセルラーレ(Mycobacterium avium int
racellulare)である。別の例示的実施形態において、細菌は、マイコバクテリウム・カンサシ(Mycobacterium kansasii)である。別の例示的実施形態において、細菌はライ菌(Mycobacterium leprae)である。別の例示的実施形態において、細菌は、マイコバクテリウム・レプロマトーシス(Mycobacterium lepromatosis)である。別の例示的実施形態において、細菌は、マイコバクテリウム・アフリカヌム(Mycobacterium africanum)である。別の例示的実施形態において、細菌は、マイコバクテリウム・カネッティ(Mycobacterium canetti)である。別の例示的実施形態において、細菌は、マイコバクテリウム・ミクロティ(Mycobacterium microti)である。別の例示的実施形態において、細菌はマイコバクテリウム・ツベルクローシスである。別の例示的実施形態において、細菌は、多剤耐性であるマイコバクテリウム・ツベルクローシスである。別の例示的実施形態において、細菌は、広範囲にわたって薬物耐性であるマイコバクテリウム・ツベルクローシスである。別の例示的実施形態において、細菌は、リファンピシンに対して耐性であるマイコバクテリウム・ツベルクローシスである。別の例示的実施形態において、細菌は、イソニアジドに対して耐性であるマイコバクテリウム・ツベルクローシスである。別の例示的実施形態において、細菌は、カナマイシンに対して耐性であるマイコバクテリウム・ツベルクローシスである。別の例示的実施形態において、細菌は、カプレオマイシンに対して耐性であるマイコバクテリウム・ツベルクローシスである。別の例示的実施形態において、細菌は、アミカシンに対して耐性であるマイコバクテリウム・ツベルクローシスである。
【0143】
別の例示的実施形態において、細菌はシュードモナス(Pseudomonas)種である。別の例示的実施形態において、細菌はシュードモナス・エルジノーサである。別の例示的実施形態において、細菌は、シュードモナス・エルジノーサ、アシネトバクター・バウマニー、ステノトロフォモナス・マルトフィリアおよびバークホルデリア・セパシアからなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌はアシネトバクター・バウマニーである。別の例示的実施形態において、細菌はステノトロフォモナス・マルトフィリアである。別の例示的実施形態において、細菌はバークホルデリア・セパシアである。別の例示的実施形態において、細菌はアシネトバクター種である。別の例示的実施形態において、細菌はアシネトバクター・アニトラタス(Acinetobacter anitratus)である。別の例示的実施形態において、細菌は、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・クロアカエ、エンテロバクター・サカザキ(Enterobacter sakazakii)、大腸菌、ケイ・ニューモニエ(K. pneumoniae)、ピー・ミラビリス(P. mirabilis)、セラチア・マルセッセンス、シトロバクター・フロインディイおよびプロビデンシア種からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌は、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカエ、エンテロバクター・サカザキ、大腸菌、ケイ・ニューモニエ、ピー・ミラビリス、セラチア・マルセッセンス、シトロバクター・フロインディイ、プロビデンシア種、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、肺炎連鎖球菌(S. pneumonia)、化膿性連鎖球菌(S. pyogenes)、イー・フェカリス(E. faecalis)、およびイー・フェシウム(E. faecium)からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌は、シュードモナス・エルジノーサ、アシネトバクター・バウマニー、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、バークホルデリア・セパシアからなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌は、黄色ブドウ球菌、肺炎連鎖球菌、化膿性連鎖球菌、イー・フェカリス、およびイー・フェシウムからなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌は、ビリダンス(Viridans)属ストレプトコッカス(Strep.)からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌は、ストレプトコッカス・ミチス(Strep. mitis)、ミュータンス菌(Strep. mutans)、ストレプトコッカス・オラリス(Strep. Oralis)、ストレプトコッカス・サンギス(Strep. sanguis)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Strep. sobrinus)およびストレプトコッカス・ミレリ(Strep. millari)からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌は肺炎連鎖球菌である。別の例示的実施形態において、細菌はインフルエンザ菌(H. influenzae)である。別の例示的実施形態において、細菌は黄色ブドウ球菌である。別の例示的実施形態において、細菌はエム・カタラーリス(M. catarrhalis)である。別の例示的実施形態において、細菌はエム・ニューモニエ(M. pneumoniae)である。別の例示的実施形態において、細菌はエル・ニューモニエ(L. pneumoniae)である。別の例示的実施形態において、細菌はシー・ニューモニエ(C. pneumoniae)である。別の例示的実施形態において、細菌は化膿性連鎖球菌である。別の例示的実施形態において、細菌は嫌気性菌である。別の例示的実施形態において、細菌はアルカリゲネス(Alcaligenes)種である。別の例示的実施形態において、細菌はビー・セパシア(B. cepacia)である。別の例示的実施形態において、細菌は、エンテロバクター・クロアカエ、大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエ、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア・スチュアルティイ、セラチア・マルセッセンス、およびシトロバクター・フロインディイからなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌はメチシリンに対して耐性である。別の例示的実施形態において、細菌はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌である。別の例示的実施形態において、細菌は、肺炎連鎖球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、マイコバクテリウム・カタラーリス(Mycobacterium catarrhalis)、マイコバクテリウム・ニューモニエ(Mycobacterium pneumonia
e)、レジオネラ・ニューモフィラおよびクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)からなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌は、エンテロバクター・クロアカエ、大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエ、プロテウス・ミラビリス、セラチア・マルセッセンス、シトロバクター・フロインディイ、プロビデンシア・スチュアルティイ、シュードモナス・エルジノーサ、アシネトバクター・バウマニー、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、バークホルデリア・セパシア、黄色ブドウ球菌、肺炎連鎖球菌、化膿連鎖球菌、エンテロコッカス・フェカリス、およびエンテロコッカス・フェシウムからなる群から選択される。別の例示的実施形態において、細菌は、黄色ブドウ球菌、スタフィロコッッカス・エピデルミディス、スタフィロコッッカス・ヘモリチカス、化膿連鎖球菌、ストレプトコッカス・アガラクチエおよび肺炎連鎖球菌からなる群から選択される。
【0144】
例示的実施形態において、微生物は、バシラス種、コリネバクテリウム種(さらにプロピオニバクテリウム)およびクロストリジウム種をはじめとする桿菌;アクチノミセス種およびストレプトマイセス種をはじめとする糸状菌;シュードモナス種、ブルセラ種、アグロバクテリウム種、ボルデテラ種、エシェリヒア種、シゲラ(Shigella)種、エルシニア種、サルモネラ種、クレブシエラ種、エンテロバクター種、ヘモフィルス種、パスツレラ(Pasterurella)種、およびストレプトバシラス種などの桿菌;スピロヘータ種、カンピロバクター種、ビブリオ種;ならびにリケッチア(Rickettsiae)種およびクラミジア(Chlamydia)種をはじめとする細胞内細菌からなる群から選択される細菌である。
【0145】
VI.b)
微生物感染
本発明の化合物および/または本発明の組み合わせは、細菌などの微生物に対して効力を示し、したがって、細菌感染症などの微生物感染を治療および/または防止するために用いられる可能性を有する。
【0146】
さらなる態様において、本発明は細菌感染症を治療する方法であって、感染に苦しんでいる動物に有効量の本発明の化合物、またはその薬剤的に許容される塩を投与し、それによって、細菌感染症を治療することを含む方法を提供する。例示的実施形態において、本発明は、細菌感染症を治療する方法であって、感染に苦しんでいる動物に有効量の本発明の化合物、またはその薬剤的に許容される塩、および有効量の抗生物質、またはその薬剤的に許容される塩を投与し、それによって細菌感染症を治療することを含む方法を提供する。
【0147】
さらなる態様において、本発明は、細菌感染症を防止する方法であって、動物に予防量の本発明の化合物、またはその薬剤的に許容される塩を投与し、それによって、細菌感染症を治療することを含む方法を提供する。例示的実施形態において、本発明は、細菌感染症を防止する方法であって、動物に予防量の本発明の化合物、またはその薬剤的に許容される塩、および有効量の抗生物質、またはその薬剤的に許容される塩を投与し、それによって細菌感染症を治療することを含む方法を提供する。
【0148】
VI.c)
疾患
本発明の化合物および/または本発明の組み合わせは、細菌などの微生物に対する効力を示し、したがって、本明細書中で記載される動物において治療効果を達成する可能性を有する。
【0149】
別の態様において、本発明は、疾患を治療および/または防止する方法を提供する。例示的実施形態において、方法は、動物の治療有効量の本発明の化合物を投与し、それによって疾患を治療および/または防止することを含む。例示的実施形態において、方法は、動物に治療有効量の本発明の組み合わせを投与し、それによって疾患を治療および/または防止することを含む。例示的実施形態において、本発明の化合物または本発明の組み合わせを、ヒトまたは獣医学的薬物治療、特に細菌に関連した疾患の治療または予防で用いることができる。例示的実施形態において、化合物は本明細書中で記載されるか、またはその塩、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、あるいはそれらの組み合わせである。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはそのプロドラッグを提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。例示的実施形態において、本発明は、本明細書中で記載される化合物、またはその塩を提供する。別の例示的実施形態において、本発明の化合物は、本明細書中で記載される化合物、またはその薬剤的に許容される塩である。例示的実施形態において、化合物は、本明細書中で記載される化合物、またはその薬剤的に許容される塩である。例示的実施形態において、化合物は、本明細書中で記載される式によるか、またはその薬剤的に許容される塩である。例示的実施形態において、化合物は、本明細書中で記載される組み合わせの一部である。例示的実施形態において、化合物は、本明細書中で記載される医薬製剤の一部である。別の例示的実施形態において、疾患は全身性疾患である。別の例示的実施形態において、疾患は局所疾患である。例示的実施形態において、化合物が投与される動物は、ほかのことでは化合物での治療を必要としない。
【0150】
例示的実施形態において、疾患を本発明の化合物および/または本発明の組み合わせの経口投与によって治療する。例示的実施形態において、疾患を本発明の化合物および/または本発明の組み合わせの静脈内投与によって治療する。例示的実施形態において、疾患を本発明の化合物および/または本発明の組み合わせの皮下投与によって治療する。
【0151】
全身性疾患
別の態様において、本発明は、全身性疾患を治療する方法を提供する。方法は、動物を本発明の化合物および/または本発明の組み合わせと接触させることを含む。
【0152】
別の例示的実施形態において、疾患は本明細書中で記載される細菌に関連する。別の例示的実施形態において、疾患はグラム陽性菌による感染に関連する。例示的実施形態において、疾患はスタフィロコッッカス種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は、肺炎、胃腸炎、毒性ショック症候群、院外感染性肺炎(CAP)、髄膜炎、敗血症性関節炎、尿路感染症、菌血症、心内膜炎、骨髄炎、皮膚および皮膚構造感染からなる群から選択される。例示的実施形態において、疾患はストレプトコッカス種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は、連鎖球菌性咽頭炎、皮膚感染、壊死性筋膜炎、毒性ショック症候群、肺炎、中耳炎および副鼻腔炎からなる群から選択される。例示的実施形態において、疾患はアクチノミセス種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患はアクチノミセス症である。例示的実施形態において、疾患はノカルジア(Norcardia)種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は肺炎である。例示的実施形態において、疾患はコリネバクテリウム種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患はジフテリアである。例示的実施形態において、疾患はリステリア(Listeria)種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は髄膜炎である。例示的実施形態において、疾患はバシラス種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は炭疽または食中毒である。例示的実施形態において、疾患はクロストリジウム種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患はボツリヌス菌中毒、破傷風、ガス壊疽および下痢からなる群から選択される。
【0153】
例示的実施形態において、疾患はマイコバクテリウム種に関連する。例示的実施形態において、疾患はマイコバクテリウム・ツベルクローシスに関連する。例示的実施形態において、疾患はマイコバクテリウム・カンサシに関連する。例示的実施形態において、疾患はマイコバクテリウム・アビウム・イン
トラセルラーレに関連する。別の例示的実施形態において、疾患はハンセン病である。別の例示的実施形態において、疾患は結核である。別の例示的実施形態において、疾患は肺結核である。別の例示的実施形態において、疾患は肺外結核である。別の例示的実施形態において、疾患は多剤耐性結核に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は広範囲薬物耐性結核に関連する。
【0154】
別の例示的実施形態において、疾患はグラム陰性菌による感染に関連する。例示的実施形態において、疾患はナイセリア種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は、髄膜炎、淋病、外耳炎および毛包炎からなる群から選択される。例示的実施形態において、疾患はエシェリヒア種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は、下痢、尿路感染症、髄膜炎、敗血症およびHAPからなる群から選択される。例示的実施形態において、疾患はシゲラ種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は、下痢、菌血症、心内膜炎、髄膜炎および胃腸炎からなる群から選択される。例示的実施形態において、疾患はサルモネラ種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は、腸チフス、敗血症、胃腸炎、心内膜炎、副鼻腔炎および髄膜炎からなる群から選択される。例示的実施形態において、疾患はエルシニア種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は、腸チフス、腺ペスト、腸熱および胃腸炎からなる群から選択される。例示的実施形態において、疾患はクレブシエラ種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は敗血症または尿路感染症である。例示的実施形態において、疾患はプロテウス種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は尿路感染症である。例示的実施形態において、疾患はエンテロバクター種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は院内感染である。例示的実施形態において、疾患はセラチア種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は、尿路感染症、皮膚および皮膚構造感染ならびに肺炎からなる群から選択される。例示的実施形態において、疾患はビブリオ種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患はコレラまたは胃腸炎である。例示的実施形態において、疾患はカンピロバクター種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は胃腸炎である。例示的実施形態において、疾患はヘリコバクター種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は慢性胃炎である。例示的実施形態において、疾患はシュードモナス種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は、肺炎、骨髄炎、熱傷創感染、敗血症、UTI、心内膜炎、耳炎および角膜感染からなる群から選択される。例示的実施形態において、疾患はバクテロイデス種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は歯周疾患または誤嚥性肺炎である。例示的実施形態において、疾患はヘモフィルス種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は、髄膜炎、咽頭蓋炎、敗血症性関節炎、敗血症、軟性下疳および膣炎からなる群から選択される。例示的実施形態において、疾患はボルデテラ種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は百日咳である。例示的実施形態において、疾患はレジオネラ(Legionella)種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は肺炎またはポンティアック熱である。例示的実施形態において、疾患はフランシセラ(Francisella)種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は野兎病である。例示的実施形態において、疾患はブルセラ種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患はブルセラ症である。例示的実施形態において、疾患はパスツレラ(pasteurella)種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は皮膚感染である。例示的実施形態において、疾患はガルドネレラ(Gardnerella)種である。別の例示的実施形態において、疾患は膣炎である。例示的実施形態において、疾患はスピロヘータ(Spirochetes)種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は梅毒またはライム病である。例示的実施形態において、疾患は、クラミジア(Chlamydia)種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患はクラミジアである。例示的実施形態において、疾患は、リケッチア(Rickettsiae)種に関連する。別の例示的実施形態において、疾患はロッキー山紅斑熱またはチフスである。
【0155】
例示的実施形態において、疾患はマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は気管気管支炎または遊走性肺炎である。例示的実施形態において、疾患はウレアプラズマ・ウレアリチクム(Ureaplasma urealyticum)に関連する。別の例示的実施形態において、疾患は尿道炎である。別の例示的実施形態において、疾患は腎盂腎炎である。別の例示的実施形態において、疾患は腹腔内感染症である。別の例示的実施形態において、疾患は発熱性好中球減少症である。別の例示的実施形態において、疾患は骨盤感染症である。別の例示的実施形態において、疾患は菌血症である。別の例示的実施形態において、疾患は敗血症である。
【0156】
例示的実施形態において、疾患は慢性閉塞性肺疾患の急性増悪である。例示的実施形態において、疾患は慢性閉塞性肺疾患である。例示的実施形態において、疾患は咽頭炎である。例示的実施形態において、疾患は扁桃炎である。例示的実施形態において、疾患は、慢性気管支炎の急性増悪(AECB)である。例示的実施形態において、疾患は子宮頸管炎である。例示的実施形態において、疾患は生殖器潰瘍性疾患である。
【0157】
例示的実施形態において、本明細書中で記載される方法のいずれかについて、動物は、ヒト、ウシ、シカ、トナカイ、ヤギ、ミツバチ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、雄牛、イヌ、モルモット、スナネズミ、ウサギ、ネコ、ラクダ、ヤク、ゾウ、ダチョウ、カワウソ、ニワトリ、カモ、ガチョウ、ホロホロチョウ、ハト、ハクチョウ、およびシチメンチョウからなる群から選択される。別の例示的実施形態において、本明細書中で記載される方法のいずれかについて、動物は、ヒト、ウシ、ヤギ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、雄牛、イヌ、モルモット、スナネズミ、ウサギ、ネコ、チキンおよびシチメンチョウからなる群から選択される。別の例示的実施形態において、本明細書中で記載される方法のいずれかについて、動物はヒトである。
【0158】
例示的実施形態において、本明細書中で記載される方法のいずれかについて、本発明の化合物、本発明の組み合わせ、本明細書中で記載される化合物またはその薬剤的に許容される塩、または本明細書中に記載される組み合わせ、および/または本明細書中に記載される医薬製剤を用いることができる。
【0159】
VII.
医薬製剤
別の態様において、本発明は:a)本発明の化合物;およびb)薬剤的に許容される賦形剤を含む医薬製剤を提供する。別の態様において、本発明は:a)本発明の組み合わせ;およびb)薬剤的に許容される賦形剤を含む医薬製剤を提供する。例示的実施形態において、化合物は、本明細書中で記載される式による。例示的実施形態において、化合物は、本明細書中に記載される実施例による。例示的実施形態において、本発明の化合物または本発明の組み合わせは、本明細書中で記載される化合物もしくは本明細書中に記載される組み合わせ、またはその薬剤的に許容される塩である。例示的実施形態において、本発明の化合物は本明細書中で記載される化合物である。
【0160】
例示的実施形態において、本発明の化合物は、医薬製剤中、約0.0001%〜約60%(w/w)の量で提供される。例示的実施形態において、量は約0.01%〜約10%(w/w)である。例示的実施形態において、量は約0.1%〜約10%(w/w)である。例示的実施形態において、量は約0.25%〜約6%(w/w)である。例示的実施形態において、量は約0.5%〜約5%(w/w)である。例示的実施形態において、量は約0.1%〜約1.0%(w/w)である。例示的実施形態において、量は約1.0%〜約2.0%(w/w)である。例示的実施形態において、量は約2.0%〜約3.0%(w/w)である。例示的実施形態において、量は約3.0%〜約4.0%(w/w)である。例示的実施形態において、量は約4.0%〜約5.0%(w/w)である。
【0161】
本発明の医薬製剤は、選択された投与経路に適応させた様々な形態をとることができる。当業者は、本明細書中で記載される化合物を組み入れた非毒性医薬製剤を調製するために用いることができる様々な合成法を認識するであろう。当業者は、水、エタノール、プロピレングリコール、鉱物油、植物油およびジメチルスルホキシド(DMSO)などの、本発明の化合物の溶媒和物を調製するために用いることができる多様な非毒性の薬剤的に許容される溶媒を認識するであろう。
【0162】
本発明の組成物は、経口的、局所的、非経口的、吸入もしくはスプレーによる、または直腸的に、通常の非毒性の薬剤的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する投与単位処方で投与することができる。投与の最良の方法は、方法の組み合わせであり得ることがさらに理解される。ピル、カプセル、エリキシル、シロップ、ロゼンジ、トローチなどの形態での経口投与が特に好ましい。本明細書中で用いられる非経口という用語は、皮下注射、皮内、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、脊髄、鞘内注射もしくは同様の注射または注入技術を含む。
【0163】
本発明の化合物を含有する医薬製剤は、好ましくは、経口使用に好適な形態、例えば、as錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、ハードもしくはソフトカプセル、あるいはシロップまたはエリキシルとしてである。
【0164】
経口使用を意図する組成物は、医薬製剤の製造のために当該技術分野で公知の任意の方法にしたがって調製することができ、そのような組成物は、薬剤的にエレガントで味のよい製剤を提供するために、甘味料、香味料、着色剤および保存料からなる群から選択される1以上の薬剤を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬剤的に許容される賦形剤との混合物中に活性成分を含有し得る。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;造粒および崩壊剤、例えば、コーンスターチ、またはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク;ならびに増量剤および充填剤、例えば微結晶セルロースであり得る。錠剤はコーティングされていなくてもよいし、または公知技術によってコーティングして、消化管中での崩壊および吸収を遅らせ、それによって長時間にわたって持続作用を提供することができる。例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートなどの時間遅延材料を用いることができる。
【0165】
経口使用用の処方をハードゼラチンカプセルとして提供することもでき、この場合、活性成分は不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合され、あるいはソフトゼラチンカプセルとして提供することができ、この場合、活性成分は水または油媒体、例えばピーナッツ油,流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合される。
【0166】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合物中に活性材料を含有する。そのような賦形剤は懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴム;ならびに分散または湿潤剤であり得、これらは、天然に存在するホスファチド、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドの脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドの脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。水性懸濁液はさらに、1以上の防腐剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチル、またはn−プロピル、1以上の着色剤、1以上の香味料、および1以上の甘味料、例えばスクロースまたはサッカリンも含有し得る。
【0167】
油性懸濁液は、活性成分を、ピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油などの植物油中、または流動パラフィンなどの鉱物油中に懸濁させることによって処方することができる。油性懸濁液には、増粘剤、例えばミツロウ、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを含有させることができる。前述のものなどの甘味料、および香味料を添加して、味のよい経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤の添加によって保存することができる。
【0168】
水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁剤および1以上の防腐剤との混合物中活性成分を提供する。好適な分散または湿潤剤および懸濁剤は、すでに前述されたものによって例示される。他の分散剤には、親水性ポリマー、電解質、Tween(商標)60または80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP;Plasdone(商標)として商業的に公知)、および炭水化物系分散剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースエーテル(例えば、HPC、HPC−SL、およびHPC−L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(例えば、HPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15M、およびHPMC K100M)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、非晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(Plasdone(商標)、例えばS−630)、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマーとエチレンオキシドおよびホルムアルデヒド(チロキサポールとしても知られる)、ポロキサマー(例えば、Pluronics F68(商標)、F88(商標)、およびF108(商標)、これはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーである);ならびにポロキサミン(例えば、Tetronic 9080、ポロキサミン9080としても知られ、これは、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドをエチレンジアミンに連続して添加することから誘導される四官能性ブロックコポリマーである(BASF Corporation, Parsippany, N.J.))が含まれる。さらなる賦形剤、例えば甘味料、香味料および着色剤も存在し得る。
【0169】
本発明の医薬製剤はさらに、水中油エマルジョンおよび油中水エマルジョンの形態でもあり得る。油性相は、植物油、例えばオリーブ油もしくはピーナッツ油、または鉱物油、例えば流動パラフィンあるいはこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、天然に存在するガム、例えばアラビアゴムまたはトラガカントゴム;天然に存在するホスファチド、例えば大豆、レシチン、および脂肪酸およびヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル;無水物、例えばソルビタンモノオレエート;ならびに前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。エマルジョンは甘味料および香味料も含有し得る。
【0170】
シロップおよびエリキシルは、甘味料、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースで製剤化することができる。そのような処方は、緩和剤、防腐剤、ならびに香味料および着色剤も含有し得る。医薬製剤は、無菌注射可能な水性または油脂性懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、前述の好適な分散または湿潤剤および懸濁剤を用いて公知技術にしたがって処方することができる。無菌注射可能な製剤は、例えば1,3−ブタンジオール中溶液としてなど、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中無菌注射可能溶液または懸濁液でもあり得る。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー液および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌不揮発性油が、通常、溶媒または懸濁化剤として用いられる。このために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドをはじめとする任意の無刺激性不揮発性油を用いることができる。加えて、注射物質の調製ではオレイン酸などの脂肪酸を用いる。
【0171】
本発明の組成物は、坐剤の形態で、例えば薬物の直腸投与のために投与することもできる。これらの組成物は、通常の温度で固体であるが直腸温度で液体である好適な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって調製することができ、したがって直腸中で融解して、薬物を放出する。そのような材料は、カカオバターおよびポリエチレングリコールである。
【0172】
別法として、組成物を無菌媒体中で非経口投与することができる。薬物は、使用されるビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁することができるか、または溶解させることができるかのいずれかである。有利には、局所麻酔薬、防腐剤および緩衝剤などのアジュバントをビヒクル中に溶解させることができる。
【0173】
ヒト以外の動物へ投与するために、治療化合物を含有する組成物を動物の飼料または飲料水に添加することができる。さらに、動物が適切な量の化合物をその食餌中で摂取するように動物の飼料および飲料水製品を処方することが好都合である。飼料または飲料水へ添加するためのプレミックスとして組成物中の化合物を提供することがさらに好都合である。組成物はさらに、ヒト用の食品または飲料サプリメントとして添加することもできる。
【0174】
約5mg〜約250mg/キログラム体重/日、さらに好ましくは約25mg〜約150mg/キログラム体重/日程度の投薬レベルが、前述の状態の治療に有用である。担体材料と組み合わせて単一投与形態を製造することができる活性成分の量は、治療される状態および特定の投与様式によって変わるであろう。投与単位形態は、一般的に、約1mg〜約500mgの活性成分を含有する。
【0175】
投薬頻度も、使用される化合物および治療される特定の疾患によって変わり得る。しかし、ほとんどの障害の治療に関して、毎日4回以下の投与レジメンが好ましい。しかし、任意の特定の患者についての特定の用量レベルは、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与時間、投与経路および排泄速度、薬物の組み合わせならびに治療を受けている特定の疾患の重症度をはじめとする様々な因子に依存することは理解されるであろう。
【0176】
好ましい本発明の化合物は、経口バイオアベイラビリティ、低毒性、低血清タンパク結合および望ましいインビトロおよびインビボ半減期を含むが、これらに限定されない所望の薬理学的特性を有する。CNS障害を治療するために用いられる化合物には血液脳関門の浸透が必要であり、一方、末梢障害を治療するために用いられる化合物の低い脳内レベルが多くの場合好ましい。
【0177】
治療での使用に必要な組成物の量は、選択された特定の化合物だけでなく、投与経路、治療される状態の性質、ならびに患者の年齢および状態で変化し、最終的には担当医または臨床医の裁量による。
【0178】
例示的実施形態において、本明細書中で記載される医薬組成物はさらなる活性成分を含む。別の例示的実施形態において、さらなる活性成分は、アメリカ食品医薬品局によってヒトへの使用について承認されている化合物である。別の例示的実施形態において、さらなる活性成分は免疫抑制剤である。さらに別の例示的実施形態において、さらなる活性成分は、コルチコステロイド、アミノサリチレート、アザチオプリン(6−メルカプトプリン)、メトトレキサートおよびシクロスポリン、エタナーセプト、インフリキシマブ、アダリムマブ、アレファセプト、エファリズマブおよびアナキンラ(anakinra)からなる群から選択される。
【0179】
さらに別の例示的実施形態において、さらなる活性成分は、ベタメタゾン、タクロリムスおよびピメクロリムスからなる群から選択される。さらに別の例示的実施形態において、さらなる活性成分は、活性化ビタミンDアナログおよびアロチノイド(芳香族レチノイン酸アナログ)からなる群から選択される。さらに別の例示的実施形態において、さらなる活性成分は、カルシポトリオール(carcipotriol)、例えばタゾラック(タザロテン)である。
【0180】
VII.a)局所処方
好ましい実施形態において、本発明の方法は、本明細書中で記載される化合物の局所適用によって用いることができる。局所投与は、例えば、経粘膜、経皮、爪および経爪投与経路を含む。対象の発明で有用な局所組成物は、多種多様な製品タイプに作製することができる。これらとしては、とりわけ、ローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、ペースト、フォーム、ムース、マスク、眼軟膏、点眼剤もしくは点耳剤、含浸包帯、ワイプ、セッケン、ボディーウォッシュおよびシャンプーを含む洗浄剤、ならびにベース、ほお紅、口紅、およびアイシャドーなどの化粧品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの製品タイプは、粒子、ナノ粒子、およびリポソームを含むが、これらに限定されない数種類の担体系を含み得る。所望により、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤を添加することができる。処方および投与の技術は、
Remington: The Science and Practice of Pharmacy(上出)で見出すことができる。処方は、体内の所望の標的部位への送達を最大にするように選択することができる。処方はさらに、例えば、局所調製の感触および/または外観の改善などのさらなる利点を提供するために添加することができる種々の通常の着色剤、芳香剤、増粘剤、防腐剤、保湿剤、皮膚軟化剤、緩和剤、可溶化賦形剤、分散剤、浸透促進剤、可塑剤、防腐剤、安定剤、解乳化剤、湿潤剤、日焼け止め、乳化剤、モイスチャライザー、収斂剤、脱臭剤なども含むことができる。
【0181】
皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄表面に摩擦無く適用することができる製剤であるローションは、典型的には、微粉砕された固体、ワックス状、または液体が分散されている液体または半液体製剤である。ローションは、典型的には、より良好な分散をもたらすための懸濁剤、ならびに活性剤を皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄と接触して局在化させ、保持するために有用な化合物、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどを含有する。
【0182】
本発明による送達のための活性剤を含有するクリームは、粘稠性液体または水中油もしくは油中水のいずれかの半固体エマルジョンである。クリーム基剤は水で洗浄可能であり、油相、乳化剤および水性相を含有する。油相は一般的に、ペトロラタムまたはセチルアルコールもしくはステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールから構成され;水性相は、通常、体積で油相を上回るが、かならずしもそうである必要はなく、一般的に保湿剤を含有する。
Remington: The Science and Practice of Pharmacy(上出)で説明されているようなクリーム処方中の乳化剤は、一般的に、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性界面活性剤である。
【0183】
半固体製剤である軟膏は、典型的にはペトロラタムまたは他の石油誘導体に基づく。当業者には理解されるように、使用される特定の軟膏基剤は、所定の処方について選択された活性剤の最適送達を提供し、好ましくは、他の所望の特性、例えばエモリエント性(emolliency)なども提供するものである。他の担体またはビヒクルと同様に、軟膏基剤は、不活性、安定、非刺激性かつ非感作でなければならない。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed. (Easton, Pa.: Mack Publishing Co., 1995), at pages 1399-1404で説明されているように、軟膏基剤は4つのクラス:油脂性基剤;乳化可能な基剤;乳剤性基剤;および水溶性基剤に分類することができる。油脂性軟膏基剤としては、例えば、植物油、動物から得られる脂肪、および石油から得られる半固体炭化水素が挙げられる。好ましい水溶性軟膏基剤は、様々な分子量のポリエチレングリコールから調製される;ここでも、Remington: The Science and Practice of Pharmacy(上出)を、さらなる情報に関して参照することができる。
【0184】
有用な本発明の処方はさらに、スプレーおよびエアロゾルも含む。スプレーは、一般的に、水性および/またはアルコール性溶液中活性剤を提供し、これを送達のために皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄上に噴霧することができる。そのようなスプレーとしては、活性剤溶液を送達後に投与部位で活性剤溶液を濃縮するために処方されたものが挙げられ、例えば、スプレー溶液は主にアルコールまたは他の同様の揮発性液体から構成される可能性があり、この液体中に薬剤または活性剤を溶解させることができる。皮膚、爪、毛、鉤爪または蹄に送達すると、担体が蒸発し、濃縮された活性剤が投与部位に残る。エアロゾル技術の例は、米国特許第6,682,716号;同第6,716,415号;同第6,716,417号;同第6,783,753号;同第7,029,658号;および同第7,033,575号に開示されている。
【0185】
可溶化賦形剤の例としては、ポリエトキシル化脂肪酸、PEG−脂肪酸ジエステル、PEG−脂肪酸モノ−エステルおよびジ−エステル混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、アルコール−油エステル交換反応生成物、ポリグリセリド化(polyglycerized)脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル−グリセロールエステル、モノグリセリドおよびジグリセリド、ステロールおよびステロール誘導体の混合物、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、イオン性界面活性剤、トコフェロールエステル、およびステロールエステルが挙げられる。
【0187】
例示的実施形態において、本発明は:
【化24】
または
【化25】
または
【化26】
(式中、R
3は、置換もしくは非置換ニトロアルキルまたは置換もしくは非置換アミノアルキルである;R
4は、ハロゲン、非置換アルキル、非置換アルコキシ、および非置換フェニルからなる群から選択される;Yは、OまたはSである;そしてR
5は、置換もしくは非置換アルキルおよび置換もしくは非置換ヘテロアルキルからなる群から選択される)による構造を有する化合物;またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
【0188】
【化27】
または
【化28】
または
【化29】
である構造を有する前段落による例示的実施形態において、C*は、(R)または(S)である立体配置を有する炭素原子立体中心である。
【0189】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、C*立体中心は(S)立体配置である。
【0190】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
3は、−(CR
20R
21)
nNR
22R
23であり、式中、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である;
各R
20および各R
21は独立して、H、R
26、OR
26、NR
26R
27、SR
26、−S(O)R
26、−S(O)
2R
26、−S(O)
2NR
26R
27、−C(O)R
27、−C(O)OR
27、および−C(O)NR
26R
27からなる群から選択され、R
22およびR
23は独立して、H、−S(O)R
28、−S(O)
2R
28、−S(O)
2NR
28R
29、−C(O)R
28、−C(O)OR
28、−C(O)NR
28R
29、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から選択される;ここで、各R
26、各R
27、各R
28および各R
29は独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0191】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
3は−CH
2NH
2である。
【0192】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
3は−CH
2NH
2であり、C*は、(S)である立体配置を有する。
【0193】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。
【0194】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
4は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素からなる群から選択される。
【0195】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
4はフッ素である。
【0196】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
4は塩素である。
【0197】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
4は臭素である。
【0198】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
5は:
【化30】
(式中、aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である;各R
10および各R
11は独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、OHおよびNH
2からなる群から選択される;
R
12は、H、R
7、ハロゲン、シアノ、アミジノ、OR
7、NR
7R
8、SR
7、−N(R
7)S(O)
2R
8、−C(O)R
7、−C(O)OR
7、−C(O)NR
7R
8からなる群から選択され、ここで、各R
7および各R
8は独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0199】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、aは、1、2、3、4、または5である。
【0200】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、aは、2、3、または4である。
【0201】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、各R
10および各R
11は独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、OH、およびNH
2からなる群から選択される。
【0202】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、各R
10および各R
11はHである。
【0203】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
12は、H、OH、NH
2、メチル、エチル、−NHS(O)
2CH
3、シアノ、−NHC(O)CH
3、−NHC(O)NHCH
2CH
3、−C(O)NH
2、−C(O)OH、4−(メトキシ)フェニル、ベンジル、ベンゾキシ、−NHC(O)OCH
2Ph、−C(O)NHCH
2CH
2OHおよび−C(NH
2)(NH)からなる群から選択される。
【0204】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、YはOである。
【0205】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
5は非置換アルキルである。
【0206】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される。
【0207】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
3は−CH
2NH
2である;そしてYはOである;そしてR
5は置換もしくは非置換アルキルである。
【0208】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
3は−CH
2NH
2である;そしてR
4はハロゲンである。
【0209】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
4はハロゲンである;YはOである;そしてR
5は非置換アルキルである。
【0210】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
3は−CH
2NH
2であり、そしてC*は(S)である立体配置を有し、R
4はハロゲンである。
【0211】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
3は−CH
2NH
2であり、そしてC*は、(S)である立体配置を有し、R
5は非置換アルキルであり、R
4はハロゲンである。
【0212】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、YはOであり、R
3は−CH
2NH
2であり、そしてC*は、(S)である立体配置を有し、R
5は、非置換C
1またはC
2またはC
3またはC
4アルキルであり、R
4はハロゲンである。
【0213】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
3は−CH
2NH
2である;R
4は塩素である;YはOである;そしてR
5は置換もしくは非置換アルキルである。
【0214】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
3は−CH
2NH
2である;YはOである;そしてR
5はエチルである。
【0215】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、化合物は
【化31】
である構造を有する。
【0216】
例示的実施形態において、本発明は:(a)a)前段落のいずれかによる化合物の第1立体異性体;b)第1立体異性体の少なくとも1つのさらなる立体異性体を含む組成物であって;第1立体異性体が前記少なくとも1つのさらなる立体異性体に対して少なくとも80%エナンチオマー過剰率で存在する、組成物を提供する。
【0217】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、前記エナンチオマー過剰率は少なくとも92%である。
【0218】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、第1立体異性体のC*立体中心は(S)立体配置である。
【0219】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、R
3は−CH
2NH
2である。
【0220】
例示的実施形態において、本発明は、C*立体中心が(S)立体配置である前段落のいずれかによる組成物を提供し、前記組成物は、化合物の(R)エナンチオマーを実質的に含まない。
【0221】
例示的実施形態において、本発明は、前段落のいずれかによる化合物,またはその薬剤的に許容される塩を、少なくとも1つの他の治療活性剤とともに含む組み合わせを提供する。
【0222】
例示的実施形態において、本発明は:(a)前段落のいずれかによる化合物、またはその薬剤的に許容される塩;および(b)薬剤的に許容される賦形剤を含む医薬製剤を提供する。
【0223】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、処方は単位投与形態である。
【0224】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、処方は経口または局所使用のためのものである。
【0225】
例示的実施形態において、本発明は、酵素を阻害する方法であって:酵素を前段落のいずれかによる化合物と接触させ、それによって酵素を阻害することを含む方法を提供する。
【0226】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、酵素は、編集ドメインを含むt−RNAシンセターゼである。
【0227】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、酵素はロイシルt−RNAシンセターゼである。
【0228】
例示的実施形態において、本発明は、微生物の殺滅および/または微生物の成長の防止の方法であって:微生物を有効量の前段落のいずれかによる化合物、またはその薬剤的に許容される塩と接触させ、それによって微生物を殺滅および/または微生物の成長を防止することを含む方法を提供する。
【0229】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、微生物は細菌である。
【0230】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、微生物はマイコバクテリウム・ツベルクローシスである。
【0231】
例示的実施形態において、本発明は、動物において疾患を治療および/または防止する方法であって:動物に治療有効量の前段落のいずれかによる化合物、またはその薬剤的に許容される塩を投与し、それによって疾患を治療および/または防止することを含む方法を提供する。
【0232】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、疾患は結核である。
【0233】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、動物はヒトである。
【0234】
例示的実施形態において、本発明は、t−RNAシンセターゼの編集ドメインを阻害する方法であって:シンセターゼを有効量の前段落のいずれかによる化合物、またはその薬剤的に許容される塩と接触させ、それによってシンセターゼを阻害することを含む方法を提供する。
【0235】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、シンセターゼはロイシルt−RNAシンセターゼである。
【0236】
前段落のいずれかによる例示的実施形態において、シンセターゼは、マイコバクテリウム・ツベルクローシスロイシルt−RNAシンセターゼである。
【0237】
例示的実施形態において、本発明は、前段落のいずれかによる化合物または前段落のいずれかによる組み合わせまたはその薬剤的に許容される塩の、細菌感染症の治療および/または予防のための薬物の製造における使用を提供する。
【0238】
本発明は、態様および/または実施形態のあらゆる組み合わせ、ならびに本明細書中で記載される好適、簡便かつ好ましい群を網羅すると理解される。
【0239】
本発明を以下の実施例でさらに説明する。実施例は、本発明の範囲を規定または限定することを意図されない。
【0240】
実施例
プロトンNMRは、Varian AS300分光計で記録し、化学シフトはテトラメチルシランからのδ(ppm)の
低磁場として報告する。質量スペクトルをMicromass Quattro IIで測定する。
【0241】
エム・ツベルクローシスLeuRS遺伝子(DNA配列を本明細書中に記載する)をGenScriptによって調製し、T7発現ベクターpET28a(+)中にNdeI−XhoI部位でクローンした。この構築物からのエム・ツベルクローシスLeuRSの過剰発現は、N−末端hisタグを有するエム・ツベルクローシスLeuRSのバージョンを生成し、これはhis標識されたタンパク質の精製のための標準的な手順を使用する。
【0242】
実施例1
A.
3−アミノメチル−4−フルオロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;ビストリフルオロ酢酸塩
6−フルオロ−2,3−ジメトキシ−ベンズアルデヒド
【化32】
窒素下、−78℃で4−フルオロ−1,2−ジメトキシ−ベンゼン(20.0g、128.07ミリモル)の無水THF(200mL)中溶液に、n−BuLiのヘキサン中2.5M溶液(102.4mL、256.14ミリモル)を30分間滴加し、反応混合物を同じ温度で3時間さらに撹拌した。反応混合物をDMF(100mL)で−65℃〜−40℃にて慎重にクエンチし、一晩放置した。2N HCl(300mL)を−60℃で滴加し、混合物を30分間撹拌した。2層を分離し、水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水および塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。精製をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)によって完了した。収量18.0g(85%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 10.39 (s, 1 H), 7.09 (dd, J=9.4, 5.1 Hz, 1 H), 6.84 (t, J=9.6 Hz, 1 H), 3.98 (s, 3 H), 3.88 (s, 3 H).
19F NMR (376 MHz, CHLOROFORM-d): -126 ppm.
【0243】
6−フルオロ−2,3−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド
【化33】
6−フルオロ−2,3−ジメトキシ−ベンズアルデヒド(18.0g、97.74ミリモル)の無水ジクロロメタン(100mL)中溶液に窒素下、−60℃で、BBr
3.OEt
2(195mL、195.48ミリモル)を30分にわたって滴加し、溶液を室温まで温め、4時間撹拌した。反応混合物を−60℃まで冷却し、2N HCl(250mL)を慎重に滴加した。混合物を室温で一晩撹拌した。2層を分離し、水性層をDCMで抽出した。合わせた有機層を水、飽和NaHCO
3溶液、水および塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。溶媒を真空で除去して、標記化合物を得、これを、さらなる精製をすることなく次のステップで使用した。収量11.15g(74%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 11.53 (s, 1 H), 10.23 (s, 1 H), 7.11 (dd, J=8.8, 5.3 Hz, 1 H), 6.57 (t, J=9.6 Hz, 1 H), 5.48 (s, 1 H).
19F NMR (376 MHz, CHLOROFORM-d): -132 ppm.
【0244】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド
【化34】
6−フルオロ−2,3−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド(11.15g、71.42ミリモル)の無水DMSO(88mL)中溶液に窒素下で、ナトリウムt−ブトキシド(13.72g、142.84ミリモル)およびベンジル−3−ブロモプロピルエーテル(17.29g、78.56ミリモル)を連続して添加し、そして反応混合物を室温で18時間攪拌した。混合物を水(400mL)で希釈し、EtOAc(4×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水および塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)によって精製を完了した。収量11.5g(77%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 11.62 (s, 1 H), 10.23 (s, 1 H), 7.42 - 7.16 (m, 5 H), 7.05 (dd, J=8.8, 5.3 Hz, 1 H), 6.54 (t, J=9.6 Hz, 1 H), 4.52 (s, 2 H), 4.13 (t, J=6.3 Hz, 2 H), 3.68 (t, J=6.1 Hz, 2 H), 2.12 (quin, J=6.2 Hz, 2 H).
19F NMR (376 MHz, CHLOROFORM-d): -132 ppm.
【0245】
トリフルオロ−メタンスルホン酸6−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−フルオロ−2−ホルミル−フェニルエステル
【化35】
無水トリフルオロメタンスルホン酸(1.11g、3.94ミリモル)を、ピリジン(389mg、4.92ミリモル)および3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(1g、3.28ミリモル)のCH
2Cl
2(5mL)中溶液に0℃(浴温)で滴加した。反応混合物を次いで室温まで温め、出発物質が完全に消費されるまで(TLCによって測定)撹拌した。Et
2Oおよび2N HClを次いで添加した。有機層を分離し、飽和NaHCO
3、次いで塩水で洗浄した。有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、短いシリカゲルプラグを通してろ過しEt
2Oで洗浄した。ろ液を真空で濃縮して、1.10gの所望のトリフレート(収率76%)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 10.32 (s, 1 H), 7.44 - 7.21 (m, 7 H), 4.51 (s, 2 H), 4.18 (t, J=6.1 Hz, 2 H), 3.68 (t, J=5.7 Hz, 2 H), 2.14 (quin, J=5.8 Hz, 2 H).
【0246】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
【化36】
トリフルオロ−メタンスルホン酸6−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−フルオロ−2−ホルミル−フェニルエステル(1.092g、2.50ミリモル)の無水1,4−ジオキサン(10mL)中溶液をビス(ピナコラート)ジボラン(953mg、3.75ミリモル)およびKOAc(736mg、7.50ミリモル)に室温で添加し、次いでN
2で20分間脱気した。PdCl
2(dppf)(46mg、8モル%)を添加し、結果として得られた溶液を、反応が完了するまで100℃で撹拌した。溶液を室温まで冷却し、セライト(登録商標)またはシリカゲルを通してろ過し、真空で濃縮した。残留物をEtOAc中に溶かした。有機層を次いでH
2Oで、次に塩水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、ろ過し、そして真空で濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、0.5gの標記化合物を脱トリフレート化副生成物とともにH NMRスペクトルによると約1:1の比で得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 10.33 (s, 1 H), 7.41 - 7.23 (m, 6 H), 7.19 (d, J=9.4 Hz, 1 H), 4.57 - 4.42 (m, 2 H), 4.06 (t, J=6.3 Hz, 2 H), 3.69 - 3.64 (m, 2 H), 2.20 - 2.00 (m, 2 H), 1.44 (s, 12 H);
19F NMR (376 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm -73.72.
【0247】
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−フルオロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[C][1,2]オキサボロール−1−オール
【化37】
NaOH(48mg、1.20ミリモル)をH
2O(3mL)中3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(500mg、1.2ミリモル)に室温で添加し、そして反応混合物を室温で5分間撹拌した。MeNO
2(219mg、3.6ミリモル)を滴加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を2N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機フラクションをH
2Oで、次に塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、そして真空で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10〜40%EtOAc/ヘキサン)によって精製を達成して、1H NMRスペクトルによると120mgの標記化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 7.40-7.22 (m, 5 H), 7.11 (t, J=8.8 Hz, 1 H), 6.81 (t, J=8.6 Hz, 1 H), 5.93 (dd, J=9.0, 2.3 Hz, 1 H), 4.99 (dd, J=13.1, 2.5 Hz, 1 H), 4.62 - 4.53 (m, 2 H), 4.43 (dd, J=12.9, 9.0 Hz, 1 H), 4.19-4.01 (m, 2 H), 3.66 (dt, J=15.9, 5.7 Hz, 2 H), 2.18 - 1.94 (m, 2 H);
19F NMR (376 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm -72.81 (s, 1 F); MS (ESI) m/z=374 (M - 1, negative).
【0248】
3−アミノメチル−4−フルオロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;ビス−トリフルオロ酢酸塩
【化38】
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−フルオロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[C][1,2]オキサボロール−1−オール(120mg、0.32ミリモル)および20%Pd(OH)
2(120mg、1:1w/wの基質対触媒比)のAcOH(10mL)中混合物をH
2雰囲気下(45〜50psi)、Parrシェーカー中で振とうした。一旦反応が完了したら、セライト(登録商標)を通して混合物をろ過した。ろ液を真空で濃縮して、ガム状物質を得た。残存するAcOHをトルエンとともに共蒸発(3×)させて、アミンを得た。分取HPLC(0.1%水性CF
3CO
2H/CH
3CN)によって精製した、12mgの標記化合物を白色固体として得た(収率8.4%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.14 (br. s., 1 H), 8.02 (br. s., 3 H), 7.25 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 6.93 (d, J=7.4 Hz, 1 H), 5.43 (br. s., 1 H), 4.55 (br. s., 1 H), 4.07 (br. s., 2 H), 3.56 (br. s., 2 H), 3.42 - 3.37 (m, 1 H), 2.95 (br. s., 1 H), 1.86 (br. s., 2 H);
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ ppm -73.90 (s, 6 F)、-131.51 (s, 1 F); MS (ESI) m/z=256 (M + 1, positive);HPLC純度:95.65%(MaxPlot 200〜400nm)、96.63%(220nm)。
【0249】
B.
3−(アミノメチル)−4−クロロ−7−(3−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド
【化39】
NaH(2.95g、72.4ミリモル)を2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、36ミリモル)の無水DMSO(45mL)中氷冷溶液に添加した。ベンジル−3−ブロモプロピルエーテル(6.45mL、36.2ミリモル)を次いで添加し、混合物を室温で12時間撹拌した。1N HClを用いて混合物を中和し、次いでEtOAcで抽出した。有機フラクションをH
2Oで洗浄し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(8:2ヘキサン/EtOAc)により精製して、標記化合物を褐色油状物として得た:収量8.40g(81%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 9.93 (s, 1H), 7.36-7.23 (m, 6H), 7.20-7.16 (m, 2H), 6.98-6.91 (m, 1H), 4.53 (s, 2H), 4.19 (t, J=6.2 Hz, 2H), 3.70 (t, J=6.1 Hz, 2H), 2.19-2.16 (m, 2H).
【0250】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
【化40】
無水トリフルオロメタンスルホン酸(4.60mL、27.9ミリモル)をピリジン(3.42mL、42.5ミリモル)および3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(7.6g、26ミリモル)のCH
2Cl
2(200mL)中溶液に0℃(浴温)で滴加した。反応混合物を次いで室温まで温め、出発物質が完全に消費されるまで(TLCによって判定)撹拌した。Et
2Oおよび2N HClを次いで添加した。有機層を分離し、飽和NaHCO
3、次いで塩水で洗浄した。有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、短いシリカゲルプラグを通してろ過しEt
2Oで洗浄した。ろ液を真空で濃縮して、8.60gの所望のトリフレート(収率77%)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 10.23 (s, 1H), 7.54-7.47 (m, 1H), 7.43 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.36-7.22 (m, 6H), 4.52 (s, 2H), 4.23 (t, J=6.3 Hz, 2H), 3.71 (t, J=6.1 Hz, 2H), 2.21-2.17 (m, 2H).
【0251】
トリフルオロ−メタンスルホン酸2−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−ホルミル−フェニルエステル(8.0g、19ミリモル)の無水1,4−ジオキサン(160mL)中溶液をビス(ピナコラート)ジボラン(9.71g、38.2ミリモル)およびKOAc(5.71g、57.4ミリモル)に室温で添加し、次いでN
2で20分間脱気した。PdCl
2(dppf)(1.39g、1.89ミリモル)を添加し、結果として得られた溶液を、反応が完了するまで100℃で撹拌した。溶液を室温まで冷却し、セライト(登録商標)またはシリカゲルを通してろ過し、真空で濃縮した。残留物をEtOAc中に溶かした。有機層を次いでH
2Oで、次に塩水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、ろ過し、そして真空で濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(9:1ヘキサン/EtOAc)によって精製して、4.80gの標記化合物(収率43%)を若干のピナコール汚染物質とともに得、さらに精製することなく使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 9.93 (s, 1H), 7.46 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.41-7.36 (m, 1H), 7.35-7.24 (m, 5H), 7.08 (d, J=7.8 Hz, 1H), 4.50 (s, 2H), 4.10 (t, J=6.3 Hz, 2H), 3.67 (t, J=6.3 Hz, 2H), 2.11 (quin, J=6.2 Hz, 2H), 1.43 (s, 12H).
【0252】
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
【化41】
NaOHaq.(NaOH(3.64g、83ミリモル)をH
2O(180mL)およびTHF(50mL)中3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(36g、91ミリモル)に室温で添加し、そして反応混合物を室温で5分間撹拌した。MeNO
2(16.6g、273ミリモル)を滴加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を2N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機フラクションをH
2Oで、次に塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、そして真空で濃縮した。精製をフラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキサン/EtOAc)によりおこなって、15.9gの標記化合物を明黄色油状物として得た(収率50%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δppm: 9.05 (s, 1H), 7.44 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.35-7.20 (m, 5H), 7.06 (d, J=7.4 Hz, 1H), 6.88 (d, J=8.2 Hz, 1H), 5.70 (dd, J=9.4, 2.3 Hz, 1H), 5.29 (dd, J=13.7, 2.7 Hz, 1H), 4.53 (dd, J=13.3, 9.4 Hz, 1H), 4.45 (s, 2H), 4.11 (t, J=6.1 Hz, 2H), 3.60 (t, J=6.3 Hz, 2H), 2.04-1.91 (m, 2H); MS (ESI): m/z=356 (M-1, negative);HPLC純度:99.35%(MaxPlot 200〜400nm)、97.32%(220nm)。
【0253】
4−クロロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
【化42】
冷水浴中、氷AcOH(10mL)中の7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(1.1g、3.0ミリモル)に、SO
2Cl
2(0.7mL、9.07ミリモル)を5分間にわたって滴加した。結果として得られた溶液を同じ温度で30分間、次いで室温で1.5時間撹拌した。溶液をクラッシュアイスでクエンチし、次いでEtOAc(100mL)で希釈した。有機層を水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。MeOH(20mL)中粗残留物に、Pd(OH)
2(炭素上10%w/w、0.7g)を添加し、pHが1になるまで濃HClを添加し、そして反応容器を水素で30分間室温にて40psiまで加圧した。結果として得られた混合物を、セライト(登録商標)のパッドを通してろ過し、EtOAcで洗浄した。ろ液を真空で濃縮し、次いで残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:Hex、1:1)によって精製して、標記化合物を得た(0.2g、2ステップで24%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.31 (br. s., 1 H), 7.49 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 6.98 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 5.76 (dd, J=8.2, 2.7 Hz, 1 H), 5.33 (dd, J=13.2, 2.3 Hz, 1 H), 4.70 (dd, J=13.0, 8.4 Hz, 1 H), 4.55 (br. s., 1 H), 4.15 - 4.05 (m, 2 H), 3.61 - 3.55 (m, 2 H), 1.95 - 1.77 (m, 2 H).
【0254】
3−アミノメチル−4−クロロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩
【化43】
メタノール性アンモニア溶液(2M、20mL)中4−クロロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(105mg、0.35ミリモル)をRa/Ni(0.15g、2800Nickel水中スラリー)に添加し、反応容器を水素で一晩室温にて40psiまで加圧した。結果としての混合物を、セライト(登録商標)のパッドを通してろ過し、EtOAcで洗浄した。ろ液を真空で濃縮し、残留物に水(1mL)、続いて濃HClを添加してpH1にした。不均質混合物を凍結乾燥して、標記化合物(130mg、定量的)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.14 (br. s., 1 H), 8.36 (br. s., 3 H), 7.49 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 6.99 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 5.40 (d, J=7.0 Hz, 1 H), 4.40 (br. s., 1 H), 4.10 (br. s., 2 H), 3.59 (br. s., 2 H), ~3.30 (hidden, 1H), 2.89 (br. s., 1 H), 1.89 (br.s, 2 H); MS (ESI) m/z=272 (M+1, positive);HPLC純度:96.92%(MaxPlot 200〜400nm)、97.96%(220nm)。
【0255】
C.
3−アミノメチル−7−エトキシ−4−フルオロ−3H−ベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−1−オール;塩酸塩
6−フルオロ−2,3−ジメトキシ−ベンズアルデヒド
【化44】
4−フルオロ−1,2−ジメトキシベンゼン(15.00g、96.05ミリモル)の無水THF(150mL)中冷(−78℃)溶液に、n−BuLi(84.5mL、211.32ミリモル、2.5Mのヘキサン中溶液)を窒素下で添加し、3時間−78℃で撹拌した。DMF(75mL)で−65℃にて反応をクエンチし、2N HCl(300mL)を滴加し、30分間さらに撹拌した。2層分離が観察された。水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水、塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。酢酸エチル層をろ過し、真空でそれを濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーにより、純粋なヘキサン、次いで10および20%のヘキサン中EtOAcを用いて標記化合物を精製し、これによって、14.40g(78.19ミリモル、82%)の標記化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 10.23 (s, 1 H), 7.36 (dd, J=9.0, 5.1 Hz, 1 H), 7.03 (t, J=9.6 Hz, 1 H), 3.87 (s, 3 H), 3.83 (s, 3 H);
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ ppm -131.68 - -131.66 (m, 1F).
【0256】
6−フルオロ−2,3−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド
【化45】
6−フルオロ−2,3−ジメトキシ−ベンズアルデヒド(4.50g、24.43ミリモル)の無水ジクロロメタン(30mL)中冷(−78℃)溶液に、BBr
3(DCM中1M、48.8mL、48.87ミリモル)を滴加した(期間30分)。反応を室温まで温め、4時間撹拌した。それを再度−78℃まで冷却し、それに2N HCl(60mL)を滴加した。反応を室温で一晩攪拌し、DCMで抽出した。合わせた有機層を、水、飽和NaHCO
3溶液、塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。ろ過し、溶媒を除去して、2.42g(15.50ミリモル、64%)の標記化合物を黄色固体として得た。これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 10.22 (s, 1 H), 7.04 (dd, J=8.6, 5.5 Hz, 1 H), 6.61 (dd, J=10.4, 8.8 Hz, 1 H);
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ ppm -131.69- -131.65 (m, 1F).
【0257】
3−エトキシ−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド
【化46】
6−フルオロ−2,3−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド(1.00g、6.40ミリモル)の乾燥DMSO(10mL)中溶液に、NaOBu
t(1.23g、12.81ミリモル)およびエチルブロミド(0.77g、7.04ミリモル)をN
2下で添加し、室温で18時間撹拌した。結果としての混合物を水で希釈し、2N.HClでpH約6まで酸性化し、EtOAcで抽出した(4×25mL)。合わせた有機層を水および塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。ろ過し、減圧下で溶媒を除去して、1.05g(5.70ミリモル、89%)の標記化合物を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 10.24 (s, 1 H), 7.04 (dd, J=8.8, 5.3 Hz, 1 H), 6.61 - 6.50 (m, 1 H), 4.09 (q, J=7.0 Hz, 3 H), 1.46 (t, J=7.0 Hz, 3 H);
19F NMR (376 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm -132.19- -132.15 (m, 1F).
【0258】
トリフルオロ−メタンスルホン酸6−エトキシ−3−フルオロ−2−ホルミル−フェニルエステル
【化47】
3−エトキシ−6−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(1.05g、5.70ミリモル)の乾燥DCM(90mL)中冷(0℃)溶液に、ピリジン(675mg、8.53ミリモル)を窒素下で添加し、反応混合物を0℃で10分間撹拌した。次いで無水トリフリン酸(1.93g、6.84ミリモル)をゆっくりと添加し、撹拌を3時間室温で続けた。反応を1N.HCl(25mL)で希釈し、DCM(2×100mL)で抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。ろ過し、ろ液を濃縮した。5%のヘキサン中酢酸エチルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、1.12g(3.54ミリモル、62%)の標記化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 10.34 (s, 1 H), 7.31 - 7.13 (m, 2 H), 4.13 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 1.48 (t, J=7.0 Hz, 3 H);
19F NMR (376 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm -128.15- -128.11 (m, 1F)、-73.56 (s, 3F).
【0259】
3−エトキシ−6−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
【化48】
トリフルオロ−メタンスルホン酸6−エトキシ−3−フルオロ−2−ホルミル−フェニルエステル(1.60g、5.05ミリモル)の無水THF(50mL)中溶液を40分間脱気した。ビス(ピナコラート)ジボラン(3.85g、15.17ミリモル)、KOAc(1.50g、15.17ミリモル)およびPdCl
2(dppf)(296mg、8モル%)を添加し、反応を70℃(浴温)で3時間撹拌した。ビス(ピナコラート)ジボラン(1.40g、5.51ミリモル)をさらに添加し、70℃で2時間加熱して、反応を完了させた。結果としての混合物を室温まで冷却し、セライト(登録商標)のパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮した。ヘキサンおよび5%EtOAc/ヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、1.65gの標記化合物を白色固体として得た。
1H NMRは標記化合物の存在を裏付けたが、若干の不純物を含んでいた。それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 10.29 (s, 1 H), 7.12 - 6.97 (m, 2 H), 4.00 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 1.46 (s, 12 H), 1.41 (t, J=6.8 Hz, 3 H);
19F NMR (376 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm -133.71- -133.67 (m, 1F).
【0260】
7−エトキシ−4−フルオロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
【化49】
3−エトキシ−6−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(1.65g、5.61ミリモル)を、NaOH(225mg、5.60ミリモル)のH
2O(10mL)中溶液に添加し、そして10分間室温で撹拌した。ニトロメタン(1.03g、16.83ミリモル)を滴加し、4時間室温で撹拌した。反応混合物を4N HClで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。残留物を10〜40EtOAc/ヘキサンを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、
1H NMRスペクトルによると1.7gの化合物の混合物を得た。この混合物をさらに精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 7.13 (t, J=8.8 Hz, 1 H), 6.79 (dd, J=8.8, 2.5 Hz, 1 H), 5.95 (d, J=9.0 Hz, 1 H), 5.14 (s, 1 H), 5.01 (dd, J=13.3, 2.3 Hz, 1 H), 4.44 (dd, J=13.3, 9.0 Hz, 1 H), 4.10 (q, J=6.8 Hz, 2 H), 1.45 (t, J=6.8 Hz, 3 H);
19F NMR (376 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm -131.00- -130.97 (m, 1F).
【0261】
7−エトキシ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化50】
7−エトキシ−4−フルオロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(500mg、1.96ミリモル)の乾燥MeOH(20mL)中冷(0℃)溶液に、(Boc)
2O(856mg、3.92ミリモル)を添加し、続いてNiCl
2・6H
2O(466mg、1.96ミリモル)を窒素下で添加した。反応混合物を窒素下で20分間撹拌し、NaBH
4(445mg、11.76ミリモル)を数回に分けて添加し、一晩室温放置した。溶媒を蒸発させ、反応を30mlの酢酸エチルで希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液を濃縮し、残留物を、5%MeOH/DCMを用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製したが、生成物の混合物(950mg)が得られ、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
【0262】
3−アミノメチル−7−エトキシ−4−フルオロ−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;塩酸塩
【化51】
7−エトキシ−4−フルオロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(450mg、1.38ミリモル)の4M HCl(1,4−ジオキサン中、15mL)中溶液を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。EtOAc/ヘキサンから再結晶して、245mg(0.93ミリモル、62%)の標記化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.15 (br. s., 1 H), 8.20 (br. s., 3 H), 7.26 (t, J=9.0 Hz, 1 H), 6.95 - 6.85 (m, 1 H), 5.45 (d, J=6.3 Hz, 1 H), 3.30 (hidden, 1H), 4.05 (q, J=6.9 Hz, 2 H), 2.89 (br. s., 1 H), 1.30 (t, J=6.8 Hz, 3 H);
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ ppm -131.68- -131.66 (m, 1F); MS (ESI) m/z=226 (M+1, positive);HPLC純度:91.87%(MaxPlot 200〜400nm)、90.33%(220nm);元素分析C
10H
14BClFNO
3.0.5H
2Oについての計算値:C 44.40%;H 5.59%;N 5.18%。実測値:C 44.30%;H 5.42%;N 5.50%。
【0263】
D.
3−(アミノメチル)−4−クロロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
2−ブロモ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド
【化52】
3−ヒドロキシベンズアルデヒド(5g、0.04モル)、鉄粉(172mg、3ミリモル)および酢酸ナトリウム(6.72g、0.08モル)の酢酸(40mL)中懸濁液を、透明溶液が得られるまで温め、次いで室温まで冷却した。この混合物に、臭素の氷酢酸中溶液(10mL)を15分にわたって滴加した。添加後、反応混合物を2時間撹拌し、次いで氷水中に注いだ。結果として得られた混合物をジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。合わせた抽出物を無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮した。残留物をジクロロメタンから再結晶して、生成物を得た(2.3g、収率28%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6 δ10.30 (s, 1 H), 7.54-7.51 (m, 1H), 7.39-7.35 (m, 1H), 7.31-7.27 (m, 1H), 5.90 (s, 1H).
【0264】
2−ブロモ−3−エトキシベンズアルデヒド
【化53】
2−ブロモ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(120g、0.60モル)、K
2CO
3(247g、1.79モル)およびブロモエタン(135mL、1.79モル)のDMF(700mL)中懸濁液を70℃で3時間撹拌した。反応を水(50mL)でクエンチした後、結果として得られた混合物をEtOAcで抽出した(3×60mL)。合わせた有機層を水(50mL)およびLiCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、真空で濃縮乾固させた。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、標的化合物を得た(128g、収率94%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6 δ10.45 (s, 1H), 7.52-7.50 (d, 1H), 7.38-7.34 (t, 1H), 7.13-7.10 (d, 1H), 4.18-4.13 (m, 2H), 1.53-1.50 (m, 3H).
【0265】
2−(2−ブロモ−3−エトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン
【化54】
2−ブロモ−3−エトキシベンズアルデヒド(128g、0.56モル)およびグリコール(253mL、4.49モル)のトルエン(600mL)中溶液に、p−トルエンスルホン酸(10g、0.06モル)を添加した。反応フラスコにはディーン・スタークコンデンサーが取り付けられていて、反応混合物を還流させて、水を4時間除去した。反応混合物を次いで室温まで冷却し、そして真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、標的化合物を得た(132g、収率86%)。
【0266】
2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−6−エトキシフェニルボロン酸ジイソプロピル
【化55】
2−(2−ブロモ−3−エトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン(132g、0.48モル)の無水THF(500mL)中溶液に、n−BuLi(THF中2.5M、386mL、0.97モル)を−78℃にて窒素保護下で滴加した。混合物を−78℃で2時間撹拌し、次いでホウ酸トリイソプロピル(227mL、0.97モル)を滴加した。結果として得られた混合物をこの温度で4時間撹拌した。飽和NH
4Cl水溶液(200mL)を添加することによって反応をクエンチした後、結果として得られた混合物をEtOAcで抽出した(3×300mL)。合わせた有機層を水(200mL)および塩水(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固させた。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、標的化合物を得た(136g、収率87%)。
【0267】
2−エトキシ−6−ホルミルフェニルボロン酸
【化56】
2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−6−エトキシフェニルボロン酸ジイソプロピル(136g、0.42モル)のTHF(500mL)中混合物に、希HCl(2N、200mL)をゆっくりと室温で撹拌しながら添加した。1.5時間室温で撹拌した後、反応混合物を20%のNaOH水溶液で塩基性にしてpH=12にし、次いでEtOAc(2×100mL)で洗浄した。水性層を、希HCl(2N)を用いることによって酸性化してpH=2にし、次いでEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、濃縮乾固させた。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、標的化合物を白色固体として得た(80g、収率83%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 9.93 (s, 1H), 7.92 (s, 2H), 7.45-7.48 (m, 2H), 7.23-7.28 (d, 1H), 4.01-4.06 (m, 2H), 1.69-1.20 (m, 3H).
【0268】
7−エトキシ−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化57】
2−エトキシ−6−ホルミルフェニルボロン酸(80g、0.41モル)、NaOH(16.5g、0.41モル)およびCTAB(7.7g、20ミリモル)のH
2O(100mL)およびTHF(500mL)中混合物を0.5時間室温で撹拌した。ニトロメタン(14mL、2,4モル)を滴加した後、反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いで希HCl(2N)をpH=2まで添加することによって環化させ、次にEtOAcで抽出した(3×300mL)。合わせた有機層を塩水(250mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、真空で濃縮乾固させた。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、標的化合物を白色固体として得た(92g、収率94%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6 δ 9.06 (s, 1H), 7.46-7.43 (t, 1H), 7.07-7.05 (d, 1H), 6.89-6.87 (d, 1H), 5.71-5.69 (m, 1H), 5.31-5.27 (m, 1H), 4.57-4.51 (m, 1H), 4.12-4.07 (m, 2H), 1.34-1.30 (t, 3H).
【0269】
4−クロロ−7−エトキシ−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化58】
7−エトキシ−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(42g、0.18モル)のDMF(200mL)中溶液に80℃で、NCS(11.8g、0.18モル)のDMF(50mL)中溶液を30分で添加した。反応をLiCl溶液の水溶液(500mL)でクエンチし、結果として得られた混合物をEtOAcによって抽出した(3×250mL)。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物を白色固体として得た。(39.7g、18%C6−Cl位置異性体で汚染)。混合物を次いでエーテル/PE(1/5)から再結晶して、純粋な化合物を得た(28g、収率46.3%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ9.32 (s, 1H), 7.50-7.48 (d, 1H), 6.98-6.96 (d, 1H), 5.77-5.74 (d, 1H), 5.35-5.31 (d, 1H), 4.73-4.67 (m, 1H), 4.12-4.07 (m, 2H), 1.34-1.28 (t, 3H).
【0270】
3−(アミノメチル)−4−クロロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
【化59】
4−クロロ−7−エトキシ−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(47g、0.17モル)、ラネーNi(2g)および2MのEtOH中NH
3(40mL)のEtOH(200mL)中混合物をH
2雰囲気下で2時間撹拌し、次いでろ過した。4.5NのEtOH中HCl(100mL)を用いることによってろ液を酸性化した。30分間撹拌した後、混合物を濃縮し、残留物をCH
3CN(2×50mL)で洗浄して、生成物を白色固体として得た(43g、収率89%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.13 (s, 1 H), 8.18 (s, 3H), 7.50-7.51 (d, 1H), 6.97-7.00 (d, 1H), 5.36-5.39 (m, 1H), 4.08-4.14 (m, 2H), 3.55-3.59 (m, 1H), 2.90-2.95 (m, 1H), 1.33-1.36 (m, 3H); MS (ESI) m/z=242 [M + H]
+.
【0271】
E.
3−(アミノメチル)−4−ブロモ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
3−(アミノメチル)−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
【化60】
7−エトキシ−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(2g、8.43ミリモル)、ラネーNi(200mg)および2MのEtOH中NH
3(10mL)のエタノール(35mL)中溶液を、H
2雰囲気下で2時間、室温にて振とうした。セライト床を通して混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮した。粗アミンをEtOAc(10mL)中に溶解させ、Et
2O中HCl(30mL)を直ちに添加した。1時間後、懸濁液をろ過し、結果として得られた固体をアセトニトリル/ヘキサン(2:1、2×20mL)で洗浄して、化合物を白色固体として得た(1g、収率57.2%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.89 (s, 1H), 8.22 (s, 3H), 7.48-7.44 (t, 1H), 7.06-7.04 (d, 1H), 6.90-6.88 (d, 1H), 5.31-5.29 (m, 1H), 4.13-4.08 (m, 2H), 3.45-3.39 (m, 1H), 2.80-2.78 (m, 1H), 1.36-1.33 (m, 3H); MS (ESI) m/z=208 [M + H]
+.
【0272】
(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル−カルバミン酸tert−ブチル
【化61】
3−(アミノメチル)−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩(300mg、1.23ミリモル)およびトリエチルアミン(622mg、6.16ミリモル)のジクロロメタン(35mL)中混合物に0℃でジカルボン酸ジ−tert−ブチル(402.8mg、1.85ミリモル)を添加し、そして混合物を2時間室温で撹拌した。反応を飽和NaHCO
3(45mL)でクエンチし、結果として得られた混合物をEtOAc(3×30mL)で抽出した後、合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物を得た(320mg、収率84.6%)。
【0273】
(4−ブロモ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)−メチルカルバミン酸tert−ブチル
【化62】
(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル−カルバミン酸tert−ブチル(250mg、0.81ミリモル)および1−ブロモピロリジン−2,5−ジオン(173.9mg、0.98ミリモル)のCH
3CN(50mL)中溶液に、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル(10mg)を添加し、混合物を1時間90℃で撹拌した。混合物を次いで高真空中で濃縮し、残留物をprep−HPLCによって精製して、生成物を得た(200mg、収率63.6%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.90 (s, 1H), 7.55-7.53 (d, 1H), 6.85-6.82 (d, 1H), 5.08-5.07 (d, 1H), 4.11-4.07 (m, 2H), 3.82-3.79 (d, 1H), 3.06-3.03 (m, 1H), 1.39 (s, 9H), 1.30 (t, 3H); MS (ESI) m/z=387 [M + H]
+.
【0274】
3−(アミノメチル)−4−ブロモ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール2,2,2−トリフルオロ−酢酸塩
【化63】
(4−ブロモ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)−メチルカルバミン酸tert−ブチル(200mg、51.8ミリモル)の2,2,2−トリフルオロ酢酸およびジクロロメタン(1:1、20mL)中混合物を室温で1時間撹拌し、濃縮乾固させた(水浴<30℃)。残留物をアセトニトリルで洗浄し(2×5mL)、白色固体を高真空中で乾燥して、生成物を得た(190mg、収率91.6%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.12 (s, 1H), 8.04 (s, 3H), 7.65-7.62 (d, 1H), 6.94-6.92 (d, 1H), 5.27-5.25 (m, 1H), 4.13-4.08 (m, 2H), 3.64-3.61 (m, 1H), 2.99-2.92 (m, 1H), 1.36-1.33 (t, 3H); MS (ESI) m/z=287 [M + H]
+.
【0275】
F.
3−(アミノメチル)−7−エトキシ−4−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
7−エトキシ−4−メチル−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化64】
4−ブロモ−7−エトキシ−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(200mg、0.63ミリモル)、テトラメチルスタンナン(341.7mg、1.90ミリモル)およびPd(PPh
3)
4(触媒20mg)のDMF(35mL)中混合物を一晩90℃にてN
2保護下で撹拌した。氷水を添加することによって反応をクエンチし、結果として得られた混合物を酢酸エチルで抽出した(3×30mL)。合わせた抽出物を無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空で濃縮した。残留物をprep−TLCによって精製して、生成物を得た(72mg、収率45.3%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.00 (s, 1H), 7.23-7.21 (d, 1H), 6.83-6.81 (d, 1H), 5.77-5.75 (m, 1H), 5.27-5.24 (m, 1H), 4.50-4.44 (m, 1H), 4.08-4.03 (m, 2H), 2.25 (s, 3H), 1.33-1.29 (t, 3H).
【0276】
3−(アミノメチル)−7−エトキシ−4−メチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
【化65】
7−エトキシ−4−メチル−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(80mg、0.32ミリモル)、ラネーNi(50mg)およびNH
3/EtOH(2mL)のEtOH(10mL)中混合物をH
2雰囲気下で2時間撹拌し、次いでろ過した。4.5NのEtOH中HCl(15mL)を用いることによってろ液を酸性化した。30分間撹拌した後、混合物を真空で濃縮し、残留物をCH
3CN(2×3mL)で洗浄し、生成物を白色固体として得た(39mg、収率47.5%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.80 (s, 1H), 8.15 (s, 3H), 7.24-7.22 (d, 1H), 6.83-6.81 (d, 1H), 5.37-5.35 (m, 1H), 4.08-4.03 (m, 2H), 3.36-3.28 (m, 1H), 2.73-2.70 (m, 1H), 2.23 (s, 3H), 1.34-1.30 (t, 3H); MS (ESI) m/z=222 [M + H]
+.
【0277】
G.
3−(アミノメチル)−7−エトキシ−4−エチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
7−エトキシ−3−(ニトロメチル)−4−ビニルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化66】
4−ブロモ−7−エトキシ−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(900mg、2.85ミリモル)、ビニルトリブチルスズ(5.2g、53ミリモル)およびPd(Ph
3P)
4(230mg、0.2ミリモル)のDMF(45mL)中混合物を15分間N
2で脱気し、次いでマイクロ波リアクター(Biotage)中で100℃にて30分間撹拌した。反応を氷水でクエンチした後、結果として得られた混合物をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(20mL)および塩水(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥し、次いで真空で濃縮乾固させた。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物を得た(650mg、収率87%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6 δ 9.10 (s, 1 H), 7.64-7.66 (d, 1H), 6.93-6.95 (d, 1H), 6.77-6.84 (m, 1H), 5.93-5.96 (d, 1H), 5.69-5.73 (d, 1H), 5.28-5.31 (d, 1H), 5.10-5.14 (d, 1H), 4.44-4.49 (m, 1H), 4.09-4.14 (m, 2H), 1.32-1.35 (m, 3H); MS (ESI) m/z=264 [M + H]
+.
【0278】
3−(アミノメチル)−7−エトキシ−4−ビニルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化67】
7−エトキシ−3−(ニトロメチル)−4−ビニルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(205mg、0.78ミリモル)、ラネーNi(50mg)および2MのEtOH中NH
3(5mL)のEtOH(10mL)中混合物を、H
2雰囲気下で2時間、室温にて振とうした。セライト床を通して混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮した。粗アミンをEtOAc(2mL)中に溶解させ、Et
2O中HCl(20mL)を直ちに添加した。1時間後、懸濁液をろ過し、結果として得られた固体をさらに精製することなく次のステップのために直接使用した。
【0279】
3−(アミノメチル)−7−エトキシ−4−エチルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化68】
3−(アミノメチル)−7−エトキシ−4−ビニルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(175mg、0.75ミリモル)とPd/C(40mg)のEtOH(5mL)中懸濁液を、H
2雰囲気下で2時間、室温にて振とうした。セライト床を通して混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮した。粗アミンをEtOAc(2mL)中に溶解させ、Et
2O中HCl(15mL)を直ちに添加した。1時間後、懸濁液をろ過し、結果として得られた固体をヘキサンで洗浄して、標的化合物を得た(23mg、収率13%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.81 (s, 1 H), 8.18 (s, 3H), 7.31-7.29 (d, 1H), 6.68-6.88 (d, 1H), 5.38-5.40 (d, 1H), 4.04-4.09 (d, 2H), 3.30-3.35 (m, 1H), 2.66-2.71 (m, 1H), 1.31-1.34 (m, 3H), 1.15-1.17 (m, 3H); MS (ESI) m/z=236 [M + H]
+.
【0280】
H.
3−(アミノメチル)−7−エトキシ−4−フェニルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
7−エトキシ−3−(ニトロメチル)−4−フェニルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化69】
4−ブロモ−7−エトキシ−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(315mg、1ミリモル)、トリブチル−フェニル−スタンナン(750mg、2ミリモル)およびPd(Ph
3P)
4(触媒)のDMF(15mL)中混合物を15分間N
2で脱気し、次いでマイクロ波リアクター(Biotage)中で100℃にて30分間撹拌した。反応を氷水でクエンチした後、結果として得られた混合物をEtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を水(20mL)および塩水(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、次いで濃縮乾固させた。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物を白色固体として得た(60mg、収率20%)。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.13 (s, 1 H), 7.46-7.49 (m, 5H), 7.34-7.48 (m, 2H), 6.17-6.20 (m, 1H), 4.88-4.92 (m, 1H), 4.21-4.25 (m, 1H), 4.05-4.16 (m, 2H), 1.34-1.37 (m, 3H).
【0281】
3−(アミノメチル)−7−エトキシ−4−フェニルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化70】
7−エトキシ−3−(ニトロメチル)−4−フェニルベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(60mg、0.19ミリモル)、ラネーNi(約25mg)および2MのEtOH中NH
3(2mL)のEtOH(10mL)中混合物を、H
2雰囲気下で2時間、室温にて振とうした。セライト床を通して混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮した。粗アミンをEtOAc(1mL)中に溶解させ、Et
2O中HCl(5mL)を直ちに添加した。1時間後、懸濁液をろ過し、結果として得られた固体をヘキサンで洗浄して、化合物を白色固体として得た(30mg、収率51%)。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.89 (s, 1 H), 8.04 (s, 3H), 7.43-7.46 (d, 5H), 7.36-7.38 (d, 1H), 6.98-7.00 (d, 1H), 5.78-5.81 (d, 1H), 4.09-4.14 (m, 2H), 2.56-2.59 (m, 1H), 2.24-2.30 (m, 1H), 1.33-1.36 (m, 3H); MS (ESI) m/z=284 [M + H]
+.
【0282】
I.
7−(4−アミノブトキシ)−3−(アミノメチル)−4−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オールジヒドロクロリド
4−ヒドロキシブチルカルバミン酸tert−ブチル
【化71】
4−アミノブタン−1−オール(4.0g、45ミリモル)およびTEA(7.5mL、54ミリモル)のDCM(200mL)中混合物に、(Boc)
2O(10.2g、47.2ミリモル)を添加した。反応混合物を2時間室温で撹拌し、次いで水(2×150mL)およびクエン酸の溶液(100mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮して、生成物を黄色油状物、7.5gとして得た。(収率88%)。
【0283】
ブチルメタンスルホン酸4−(tert−ブトキシカルボニル)
【化72】
4−ヒドロキシブチルカルバミン酸tert−ブチル(7.5g、40ミリモル)およびTEA(3.6mL、48ミリモル)のDCM(100mL)中混合物に0℃でMsCl(6.6mL、48ミリモル)を滴加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで水(2×100mL)およびクエン酸の溶液(100mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮して、生成物を黄色油状物として得た(10.0g、収率94%)。
【0284】
4−(2−ブロモ−3−ホルミルフェノキシ)ブチルカルバミン酸tert−ブチル
【化73】
2−ブロモ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(3.0g、15ミリモル)およびブチルメタンスルホン酸tert−ブトキシカルボニル)(4.8g、18ミリモル)のDMF(40mL)中混合物に、K
2CO
3(6.2g、45ミリモル)を添加した。混合物を80℃で45分間撹拌し、LiCl水溶液(80mL)を添加することによってクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し(2x80mL)、合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、次いで濃縮して、粗生成物を褐色油状物(6.0g)として得た。
【0285】
4−(3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)−ブチルカルバミン酸tert−ブチル
【化74】
4−(2−ブロモ−3−ホルミルフェノキシ)ブチルカルバミン酸tert−ブチル(6.0g、16ミリモル)、KOAc(5.0g、48ミリモル)、(Pin)
2B
2(7.7g、86ミリモル)およびPb(dppf)Cl
2(1.25g、1.6ミリモル)のジオキサン(100mL)中混合物を15分間N
2で脱気し、そしてN
2保護したで2時間還流させた。混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィーによって精製して、生成物を黄色油状物(3.5g、収率55%)として得た。
【0286】
4−(1−ヒドロキシ−3−(ニトロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)ブチルカルバミン酸tert−ブチル
【化75】
4−(3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ)−ブチルカルバミン酸tert−ブチル(3.5g、8.3ミリモル)およびCTAB(触媒)のTHF(50mL)中溶液に、MeNO
2(2.8mL、49ミリモル)を添加し、続いてNaOH(0.36g、9.1ミリモル)のH
2O(5mL)中水溶液を添加した。混合物を室温で45分間撹拌した。PH=2になるまで0℃で2N HCl溶液を添加することによって環化させた。反応混合物をEtOAcで抽出し(3×50mL)、有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、次いで真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(PE:EtOAc=3:1)によって精製して、生成物を黄色油状物として得た(1.7g、収率53.6%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.05 (s, 1H), 7.44-7.47 (t, 1H), 7.06-7.08 (d, 1H), 6.88-6.90 (d, 1H), 9.86 (t, 1H), 5.70-5.72 (m, 1H), 5.29-5.33 (m, 1H), 4.53-4.59 (m, 1H), 4.02-4.06 (t, 2H), 2.95-2.30 (m, 2H), 1.67-1.72 (m, 2H), 1.52-1.57 (m, 2H), 1.38 (s, 9H).
【0287】
4−(4−クロロ−1−ヒドロキシ−3−(ニトロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)ブチルカルバミン酸tert−ブチル
【化76】
4−(1−ヒドロキシ−3−(ニトロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−ブチルカルバミン酸tert−ブチル(640mg、1.7ミリモル)のDMF(20mL)中混合物をDMF(5mL)中NCS(226mg、1.7ミリモル)に添加した。混合物を80℃まで2時間加熱した。反応をLiCl水溶液(100mL)でクエンチした後、結果として得られた混合物をEtOAcで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空で濃縮した。残留物をprep−HPLCによって精製して、生成物を得た(280mg、収率67.5%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.29 (s, 1H), 7.47-7.49 (d, 1H), 6.96-6.98 (d, 1H), 6.80 (s, 1H), 5.74-5.77 (m, 1H), 5.31-5.35 (m, 1H), 4.67-4.72 (m, 1H), 4.02-4.05 (m, 2H), 2.94-2.99 (m, 2H), 1.68-1.72 (m, 2H), 1.50-1.56 (m, 2H),1.36 (s, 9H).
【0288】
4−(3−(アミノメチル)−4−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)ブチルカルバミン酸tert−ブチル
【化77】
4−(1−ヒドロキシ−3−(ニトロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル−オキシ)−ブチルカルバミン酸tert−ブチル(410mg、1ミリモル)、ラネーNi(100mg)および2NのEtOH中NH
3(3mL)のEtOH(15mL)中混合物をH
2雰囲気下で2時間室温にて振とうした。セライト床を通して混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮した。結果として得られた固体を次のステップで直接使用した。
【0289】
7−(4−アミノブトキシ)−3−(アミノメチル)−4−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オールジヒドロクロリド
【化78】
粗4−(3−(アミノメチル)−4−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c]−[1,2]−オキサボロール−7−イルオキシ)ブチルカルバミン酸tert−ブチルのDCM(5mL)中混合物に、CF
3COOH(2mL)を室温で添加した。反応混合物を1時間撹拌し、真空で濃縮した。粗アミンをEtOAc(1mL)中に溶解させ、Et
2O中HCl(10mL)を直ちに添加した。1時間後、懸濁液をろ過し、結果として得られた固体をヘキサンで洗浄して、標的化合物を白色固体として得た(180mg、収率:42%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.16 (s, 1H), 8.28 (s, 3H), 8.03 (d, 3H), 7.49-7.51 (d, 1H), 6.99-7.01 (d, 1H), 5.38-5.40 (m, 1H), 4.05-4.08 (m, 2H), 3.56-3.59 (d,1H), 2.84-2.91 (m,3H), 1.71-1.83 (m, 4H); MS (ESI) m/z=285 [M + H]
+.
【0290】
J.
3−(アミノメチル)−7−(3−アミノプロポキシ)−4−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
3−ブロモプロピルカルバミン酸tert−ブチル
【化79】
3−ブロモプロパン−1−アミン(10.95g、50ミリモル)およびTEA(15.4mL、110ミリモル)のDCM(100mL)中混合物に0℃で(Boc)
2O(11.4g、52.5ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで水(3×100mL)およびクエン酸の溶液(100mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮して、生成物を黄色油状物として得た(9.0g、収率76%)。
【0291】
3−(2−ブロモ−3−ホルミルフェノキシ)プロピルカルバミン酸tert−ブチル
【化80】
2−ブロモ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド(5g、24.9ミリモル)、メタンスルホン酸3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−プロピル(7.55g、30ミリモル)およびCs
2CO
3(24g、75ミリモル)のDMF(60mL)中混合物を50℃で3時間撹拌し、水(600mL)でクエンチした。結果として得られた混合物をEtOAcで抽出し(3x60mL)、合わせた有機層を塩水(60mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、次いで真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1)によって精製して、生成物を得た(7.2g、収率81%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.43 (s, 1H), 7.53 (dd, J=7.8 Hz, 1.6 Hz, 1H), 7.37 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.12 (dd, J=8.2 Hz, 1.6 Hz, 1H), 5.16 (s, 1H), 4.15 (t, J=5.9 Hz, 2H), 3.42 (m, 2H), 2.10 (m, 2H), 1.44 (s, 9H); MS (ESI) m/z=358 [M+H]
+.
【0292】
3−(3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−フェノキシ)プロピルカルバミン酸tert−ブチル
【化81】
3−(2−ブロモ−3−ホルミルフェノキシ)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(7.1g、20ミリモル)、B
2pin
2(10g、40ミリモル)、Pd(dppf)Cl
2(800mg、2ミリモル)およびKOAc(5.9g、60ミリモル)の1,4−ジオキサン(30mL)中溶液をN
2で脱気し、80℃で5時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、EtOAc(100mL)で希釈した。有機層を水(50mL)および塩水(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、次いで濃縮した。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(PE/EtOAc=5/1)によって精製して、生成物を得た(3.1g、収率38.3%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.95 (s, 1H), 7.48 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.09 (d, J=8.2 Hz, 1H), 4.76 (s, 1H), 4.05 (t, J=6.3 Hz, 2H), 3.32 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 1.45 (s, 12H), 1.43 (s, 9H); MS (ESI) m/z=406 [M+H]
+.
【0293】
3−(1−ヒドロキシ−3−(ニトロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)−プロピルカルバミン酸tert−ブチル
【化82】
3−(3−ホルミル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(3.1g、8.47ミリモル)、MeNO
2(775mg、12.7ミリモル)、CTAB(310mg、0.85ミリモル)およびNaOH(407mg、10ミリモル)のTHF(35mL)およびH
2O(8mL)中混合物を室温で3時間撹拌した。2N HClを用いて混合物をpH2〜3に調節し、次いで30分間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出した(2×80mL)。有機層を水(30mL)および塩水(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、次いで濃縮した。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=5/1)によって精製して、生成物を得た(2g、収率64.5%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.05 (s, 1H), 7.47 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.07 (d, J=7.4 Hz, 1H), 6.91 (m, 2H), 5.72 (dd, J=9.0, 2.7 Hz, 1H), 5.31 (dd, J=13.3,2.7 Hz, 1H), 4.54 (dd, J=13.3,9.4 Hz, 1H), 4.05 (t, J=6.3 Hz, 2H), 3.09 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.37 (s, 9H); MS (ESI) m/z=367 [M+H]
+.
【0294】
4−(4−クロロ−1−ヒドロキシ−3−(ニトロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)プロピルカルバミン酸tert−ブチル
【化83】
4−(1−ヒドロキシ−3−(ニトロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イル−オキシ)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(2.9g、8ミリモル)のDMF(35mL)中混合物に、DMF(15mL)中NCS(1.0g、8ミリモル)を添加した。反応混合物を80℃まで2時間加熱し、次いでLiCl水溶液(300mL)でクエンチした。結果として得られた混合物をEtOAcで抽出した(3×100mL)。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空で濃縮した。残留物をprep−HPLCによって精製して、生成物を白色固体として得た(480mg、収率15.2%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.28 (s, 1H), 7.49-7.51 (d, 1H), 6.96-6.98 (d, 1H), 6.85 (s, 1H), 5.74-5.77 (m, 1H), 5.31-5.35 (m, 1H), 4.67-4.72 (m, 1H), 4.03-4.06 (m, 2H), 3.07-3.11 (m, 2H), 1.82-1.86 (m, 2H), 1.37 (s, 9H); MS (ESI) m/z=401 [M + H]
+.
【0295】
3−(3−(アミノメチル)−4−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)プロピルカルバミン酸tert−ブチル
【化84】
3−(4−クロロ−1−ヒドロキシ−3−(ニトロメチル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)プロピルカルバミン酸tert−ブチル(480mg、1.2ミリモル)、ラネーNi(500mg)および2MのEtOH中NH
3(3mL)のEtOH(15mL)中混合物を、H
2雰囲気下で2時間、室温にて振とうした。セライト床を通して混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮した。結果として得られた固体を次のステップで直接使用した。
【0296】
3−(アミノメチル)−7−(3−アミノプロポキシ)−4−クロロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化85】
粗3−(3−(アミノメチル)−4−クロロ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c]−[1,2]オキサボロール−7−イルオキシ)プロピルカルバミン酸tert−ブチルのDCM(10mL)中混合物に、CF
3COOH(2.0mL)を0℃で添加した。反応混合物を1時間撹拌し、真空で濃縮した。粗アミンをEtOH(2mL)中に溶解させ、Et
2O中HCl(2mL)を直ちに添加した。1時間後、混合物を真空で濃縮した。残留物をEtOH/Et
2Oによって再結晶して、標的化合物を得た(173.4mg、収率42%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.28 (s, 1H), 8.36 (s, 3H), 8.17 (s, 3H), 7.50-7.52 (d, 1H), 6.98-7.00 (d, 1H), 5.39-5.42 (m, 1H), 4.13-4.16 (m, 2H), 3.56-3.59 (d, 1H), 2.98-2.99 (m, 2H), 2.87 (s, 1H), 2.04-2.10 (m, 2H); MS (ESI) m/z=271 [M + H]
+.
【0297】
K.
(R)−3−(アミノメチル)−4−クロロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩および
L.
(S)−3−(アミノメチル)−4−クロロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
【化86】
((4−クロロ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化87】
3−(アミノメチル)−4−クロロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩(38.4g、0.16モル)およびEt
3N(47.8g、0.47モル)のCH
2Cl
2(350mL)中溶液を0℃にてジカルボン酸ジ−tert−ブチル(172g、0.79モル)に添加し、そして反応を2時間室温で撹拌した。飽和NaHCO
3(100mL)の添加によって反応をクエンチした後、結果として得られた混合物をEtOAc(3×120mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物を白色固体として得た(27g、収率50%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.92 (s, 1 H), 7.40-7.42 (d, 1H), 6.88-6.90 (d, 1H), 6.77-6.79 (m, 1H), 5.15-5.16 (d, 1H), 4.06-4.13 (m, 2H), 3.75-3.78 (d, 1H), 3.03-3.08 (m, 1H), 1.31-1.34 (m, 12H); MS (ESI) m/z=286 [M + H]
+.
【0298】
(S)−((4−クロロ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチルおよび(R)−((4−クロロ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化88】
アセトニトリル(10mg/ml)中に溶解させた25.7gの((4−クロロ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチルを、ChiralPak AD−H(250×30mM I.D.)およびSF CO
2/メタノールを溶離剤として用いてキラルHPLCによって分割した。流速は70mL/minである。UV検出を220nmでモニターした。2つのピークを集め、蒸発させて、10.65gのエナンチオマーA(早く溶出する異性体)および10.15gのエナンチオマーB(遅れて溶出する異性体)を得た。ChiralPak AD−3(150×4.6mM I.D.)および同じ移動相を用いたプールされたフラクションの分析によって、3.12分の保持時間および98.7%e.eを有するエナンチオマーAと3.44分の保持時間および98.5%e.eを有するエナンチオマーBとが示された。
【0299】
(R)−3−(アミノメチル)−4−クロロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
【化89】
エナンチオマーA(7.0g、20.5ミリモル)を30mlのジオキサン中に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(26.7mL、106.6ミリモル)で処理した。反応混合物を、LC/MSによって示される反応の完了まで室温で一晩攪拌した。ジオキサンを真空で除去し、エチルエーテルを添加した後、灰白色固体を集め、高真空下で乾燥した。この物質をアセトニトリルおよび水(1:1、v/v)中に再溶解させ、凍結乾燥して、5.17gの標記化合物を灰白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.11 (s, 1 H), 8.22 (s, 3H), 7.47 (d, 1H), 6.95 (d, 1H), 5.34-5.37 (m, 1H), 4.06-4.11 (m, 2H), 3.53-3.56 (m, 1H), 2.89 (m, 1H), 1.30-1.34 (m, 3H); MS (ESI) m/z=242.0 [M + H]
+.
【0300】
(S)−3−(アミノメチル)−4−クロロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
【化90】
エナンチオマーB(7.0g、20.5ミリモル)を30mlのジオキサン中に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(26.7mL、106.6ミリモル)で処理した。反応混合物を、LC/MSによって示される反応の完了まで室温で一晩攪拌した。ジオキサンを真空で除去し、ジエチルエーテルを添加した後、灰白色固体を集め、高真空下で乾燥した。この物質をアセトニトリルおよび水(1:1v/v)中に再溶解させ、凍結乾燥して、5.23gの標記化合物を灰白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.11 (s, 1 H), 8.25 (s, 3H), 7.47 (d, 1H), 6.95 (d, 1H), 5.35-5.38 (m, 1H), 4.06-4.11 (m, 2H), 3.53-3.56 (m, 1H), 2.88 (m, 1H), 1.30-1.33 (m, 3H); MS (ESI) m/z=242.0 [M + H]
+.
【0301】
M.
(R)−3−(アミノメチル)−4−フルオロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩および
N.
(S)−3−(アミノメチル)−4−フルオロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
【化91】
((4−フルオロ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化92】
3−アミノメチル−7−エトキシ−4−フルオロ−3H−ベンゾ[c][1,2]−オキサボロール−1−オール塩酸塩から、前述したものと同様の手順を用いて、この化合物を調製した。
【0302】
(S)−((4−フルオロ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチルおよび(R)−((4−フルオロ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化93】
エタノール(100mg/ml)中に溶解させた4.5gの((4−フルオロ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチルを、ChiralCel OZ−Hカラム(250×30mM I.D.)およびSF CO
2/ヘキサン:エタノール(1:1)を溶離剤として用いてキラルHPLCによって分割した。流速は70mL/分である。UV検出を220nmでモニターした。2つのピークを集め、蒸発させて、2.1gのエナンチオマーA(早く溶出する異性体)および2.2gのエナンチオマーB(遅れて溶出する異性体)を得た。ChiralCel OZ−H(150×4.6mM I.D.)およびSF CO
2/エタノール(0.05%DEA)を移動相として用いたプールされたフラクションの分析によって、2.66分の保持時間および99.5%e.eを有するエナンチオマーAと、3.31分の保持時間および98.1%e.eを有するエナンチオマーBとが示された。
【0303】
(R)−3−(アミノメチル)−4−フルオロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
【化94】
エナンチオマーA(2.1g)を200mLのMeOH中1.6N HClで処理し、そしてLC/MSで示される反応の完了まで室温にて5時間撹拌した。水(100mL)を添加した後、残留物を一晩凍結乾燥して、1.40gの標記化合物を灰白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.16 (br. s., 1H), 8.34 (br. s., 3H), 7.26 (t, 1H), 6.70 - 6.92 (m, 1H), 5.48 (d, 1H), 4.06 (q, 2 H), 3.35 (m, 1H), 2.88 (m, 1H), 1.30 (t, 3H); MS (ESI) m/z=226.1 (M+1, positive).
【0304】
(S)−3−(アミノメチル)−4−フルオロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
【化95】
エナンチオマーB(2.1g)を200mlのMeOH中1.6N HClで処理し、LC/MSによって示される反応の完了まで室温にて5時間撹拌した。水(100mL)を添加した後、残留物を一晩凍結乾燥して、1.43gの標記化合物を灰白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.16 (br. s., 1H), 8.31 (br. s., 3 H), 7.26 (t, 1H), 6.70 - 6.92 (m, 1 H), 5.48 (d, 1H), 4.06 (q, 2 H), 3.35 (m, 1H), 2.88 (m, 1 H), 1.31 (t, 3 H); MS (ESI) m/z=226.1 (M+1, positive).
【0305】
O.
3−アミノメチル−5−クロロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩
【化96】
5−クロロ−2,3−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド
5−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズアルデヒド(7g、37.5ミリモル)の無水CH
2Cl
2 (200mL)中溶液に0℃でBBr
3のCH
2Cl
2(1M、93.7mL、93.7ミリモル)中溶液を添加し、そして反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶液をCH
2Cl
2(200mL)で希釈し、水、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、標記化合物(6.2g、36.0ミリモル、96%)を明黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 11.02 (s, 1 H), 9.83 (s, 1 H), 7.18 (s, 1 H), 7.14 (d, J=2.3 Hz, 1 H), 5.71 (s, 1 H).
【0306】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド
5−クロロ−2,3−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド(3.1g、17.7ミリモル)の無水DMSO(20mL)中溶液に、NaH(鉱物油中60%、1.50g、35.4ミリモル)を数回に分けて添加し、混合物を30分間撹拌した。溶液を0℃まで冷却し、3−ベンジルオキシ−1−ブロモプロパン(3.1mL、17.7ミリモル)のDMSO(3mL)中溶液を10分にわたって滴加した。氷浴をはずした。一晩後、溶液をEtOAc(100mL)で希釈し、水、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2:1ヘキサン−EtOAc移動相)によって精製して、標記化合物(5.3g、16.6ミリモル、94%)を明黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 10.81 (s, 1 H), 9.87 (s, 1 H), 7.42 - 7.28 (m, 5 H), 7.17 (s, 1 H), 7.08 (s, 1 H), 4.53 (s, 2 H), 4.17 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 3.69 (t, J=5.8 Hz, 2 H), 2.15 (t, J=6.2 Hz, 2 H).
【0307】
トリフルオロ−メタンスルホン酸2−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−クロロ−6−ホルミル−フェニルエステル
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(5.3g、16.6ミリモル)およびピリジン(3.4mL、41.5ミリモル)のCH
2Cl
2(70mL)中溶液に0℃で、Tf
2O(3.1mL、18.3ミリモル)を5分にわたって滴加し、反応混合物を3時間室温にて撹拌した。溶液をCH
2Cl
2(100mL)で希釈し、水、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2:1ヘキサン−EtOAc移動相)によって精製して、標記化合物(3.8g、8.5ミリモル、51%)を明黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 10.18 (s, 1 H), 7.48 (d, J=2.3 Hz, 1 H), 7.37 - 7.29 (m, 6 H), 4.52 (s, 2 H), 4.23 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 3.69 (t, J=5.8 Hz, 2 H), 2.16 (t, J=6.0 Hz, 2 H);
19F NMR (376 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm -73.23 (s).
【0308】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−5−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
トリフルオロ−メタンスルホン酸2−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−クロロ−6−ホルミル−フェニルエステル(3.8g、8.4ミリモル)の無水1,4−ジオキサン(50mL)中溶液に、ビス(ピナコラート)ジボラン(4.3g、16.9ミリモル)およびKOAc(2.5g、25.4ミリモル)を連続して添加し、結果として得られた溶液をN
2で20分間脱気した。PdCl
2(dppf)(0.5g、0.67ミリモル)を添加し、結果として得られた混合物を一晩90℃で撹拌した。溶液をEtOAc(100mL)で希釈し、水、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(4:1ヘキサン−EtOAc移動相)によって精製して、標記化合物(3.4g、7.8ミリモル、92%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 9.87 (s, 1 H), 7.40 - 7.28 (m, 6 H), 7.03 (br s, 1 H), 4.50 (s, 2 H), 4.09 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 3.70 - 3.60 (m, 2 H), 2.10 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 1.42 (s, 12 H).
【0309】
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−5−クロロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−5−クロロ−2−(4,4,5−トリメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(3.4g、7.8ミリモル)およびニトロメタン(1.7mL、31.3ミリモル)のTHF(20mL)中溶液に、NaOHの溶液(0.025M、40mL)を添加した。12時間後、pHが1になるまで2N HClを添加した。溶液をEtOAc(150mL)で希釈し、水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(4:1ヘキサン−EtOAc移動相)によって精製して、標記化合物生成物(1.7g、56%)を無色ゲルとして得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 7.39 - 7.28 (m, 5 H), 6.92 (s, 1 H), 6.83 (s, 1 H), 5.85 (br s, 1 H), 5.81 (dd, J=8.5, 3.9 Hz, 1 H), 4.70 (dd, J=13.2, 3.9 Hz, 1 H), 4.59 (s, 2 H), 4.47 (dd, J=13.0, 8.7 Hz, 1 H), 4.21 - 4.07 (m, 2 H), 3.71 - 3.60 (m, 2 H), 2.10 (quin, J=5.7 Hz, 2 H).
【0310】
5−クロロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
【化97】
MeOH(30mL)中7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−5−クロロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(0.3g、0.91ミリモル)を濃HCl(1mL)およびPd(OH)
2(炭素上10%w/w、0.2g)に添加し、反応容器を水素で30分間室温にて40psiまで加圧した。混合物を、セライト(登録商標)のパッドを通してろ過し、EtOAcで洗浄した。ろ液を真空で濃縮し、生成物をprep.HPLC(C18カラム、アセトニトリルおよび0.1%AcOH/水溶液勾配を使用)によって精製して、標記化合物(80mg、33%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.19 (s, 1 H), 7.22 (s, 1 H), 6.97 (s, 1 H), 5.71 (dd, J=8.9, 2.3 Hz, 1 H), 5.32 (dd, J=13.2, 2.7 Hz, 1 H), 4.64 (dd, J=13.6, 8.9 Hz, 1 H), 4.53 (t, J=4.8 Hz, 1 H), 4.12 (t, J=6.0 Hz, 2 H), 3.57 (q, J=5.5 Hz, 2 H), 1.86 (t, J=6.2 Hz, 2 H).
【0311】
3−アミノメチル−5−クロロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩
【化98】
メタノール性アンモニア中溶液(2M、20mL)中5−クロロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール7(80mg、0.27ミリモル)に、Ra/Ni(約0.1g、2800Nickelの水中スラリー)を添加した。反応容器を水素で一晩室温にて40psiまで加圧した。混合物を、セライト(登録商標)のパッドを通してろ過し、EtOAcで洗浄した。ろ液を真空で濃縮し、結果として得られた残留物に水(1mL)を添加し、続いて濃HClを添加してpH1にした。不均質混合物を凍結乾燥して、標記化合物を吸湿性の象牙色固体(79mg、定量的)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.20 (s, 1 H), 6.99 (s, 1 H), 5.28 (dd, J=8.0, 2.5 Hz, 1 H), 4.13 (t, J=6.0 Hz, 2 H), 3.59 (t, J=6.0 Hz, 2 H), 3.47 (dd, J=13.0, 2.5 Hz, 1 H), 2.89 (dd, J=13.2, 8.6 Hz, 1 H), 1.89 (t, J=6.0 Hz, 2 H); MS (ESI) m/z=272 (M+1, positive);HPLC純度:96.83%(MaxPlot 200〜400nm)、95.40%(220nm)。
【0312】
P.
3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−6−メトキシ−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩
【化99】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ブロモ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順4の方法にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:2−ブロモ−3−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(1.0g、4.32ミリモル)、(3−ブロモ−プロポキシメチル)−ベンゼン(0.76mL、4.32ミリモル)、炭酸セシウム(2.11g、6.5ミリモル)、DMF(30mL)。精製:フラッシュクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン):収率1.54g(95%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 10.26 (s, 1 H), 7.73 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 7.46-7.18 (m, 5 H), 6.95 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 4.56 (s, 2 H), 4.14 (t, J=6.1 Hz, 2 H), 3.92 (s, 3 H), 3.77 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 2.15 (quin, J=6.5 Hz, 2 H); MS (ESI): m/z=381 (M+1, positive).
【0313】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順5の方法にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ブロモ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(14.82g、39ミリモル)、ビス(ピナコラート)ジボラン(14.86g、58.5ミリモル)、KOAc(11.46g、117ミリモル)、PdCl
2(dppf)(8.5g、11.7ミリモル)、ジオキサン(200mL)。精製:フラッシュカラムクロマトグラフィー(15%EtOAc/ヘキサン):収率3.42g(22%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 9.79 (s, 1 H), 7.53 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 7.40-7.24 (m, 5 H), 6.98 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 4.53 (s, 2 H), 4.12 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 3.69 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 2.10 (quin, J=6.5 Hz, 2 H), 1.44 (s, 12 H).
【0314】
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−メトキシ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
【化100】
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順8の方法にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(3.36g、7.88ミリモル)、ニトロメタン(1.28mL、23.66ミリモル)、NaOH(0.22g、5.52ミリモル)、THF(6mL)、水(18mL)。精製:フラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン):収量1.2g(41%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm): 9.36 (s, 1 H), 7.40-7.22 (m, 5 H), 7.22-7.04 (m, 2 H), 5.68 (dd, J=9.4, 2.7 Hz, 1 H), 5.29 (dd, J=13.4, 2.5 Hz, 1 H), 4.52 (dd, J=13.3, 9.4 Hz, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 4.25 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 3.75 (s, 3 H), 3.61 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 1.92 (quin, J=6.5 Hz, 2 H).
【0315】
3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−6−メトキシ−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;塩酸塩
【化101】
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−メトキシ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(0.5g、1.29ミリモル)のメタノール性アンモニア(10mL)中溶液に、水素化ビン中水酸化パラジウム(0.25g、45重量%)を添加し、フラスコに水素を45psiで18時間入れた。触媒をろ過で除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。全てのアンモニアが除去されることを確実にするために、化合物を高真空に1時間付した。得られた粗物質(0.4g)をメタノール(15mL)中にさらに溶解させ、水素化ビンに移し、濃HCl(5〜6滴)を添加して、pH2にした。この溶液に水酸化パラジウム(0.11g、25重量%)を添加し、フラスコに水素を45psiまで1.5時間入れた。セライトのパッドを通して触媒をろ過して除去し、溶媒を蒸発させた。分取HPLCによって精製をおこなって、0.16g(41%)の標記化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm): 8.06 (br. s, 1 H), 7.17 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 7.12 - 7.02 (m, 1 H), 5.32 (dd, J=7.8, 2.3 Hz, 1 H), 4.46 - 4.27 (m, 2 H), 4.14 (t, J=4.5 Hz, 2 H), 3.78 (s, 3 H), 3.44 (dd, J=13.3, 2.7 Hz, 1 H), 2.88 (dd, J=13.3, 8.2 Hz, 1 H), 2.08 - 1.94 (m, 2 H); MS (ESI): m/z=268 (M+1, positive);HPLC純度:95.35%(MaxPlot 200〜400nm)、97.48%(220nm)。
【0316】
Q.
3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−6−メチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;塩酸塩
【化102】
1,2−ジメトキシ−3−メチル−ベンゼン
1,2−ジメトキシ−3−メチルベンゼン(2.05g、13.45ミリモル)およびTMEDA(2.8mL、18.83ミリモル)のジエチルエーテル(100mL)中冷却(0℃)溶液に、t−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M、9.5mL、16.14ミリモル)を添加した。溶液の色が明黄色に変化し、そして数分後、白色沈殿が観察された。懸濁液を室温で18時間撹拌し、0℃まで冷却し、ジメチルホルムアミド(2.08mL、26.90ミリモル)を滴加した。沈殿が消失し、溶液の色が明ピンク色に変化した。0.5時間撹拌した後、氷を添加し、続いて1N HCl(30mL)を添加し、化合物を酢酸エチルで抽出し、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を蒸発させて、明褐色油状物を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標記化合物を得た:収量1.4g(58%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 10.34 (s, 1 H), 7.49 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 7.01 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 4.00 (s, 3 H), 3.86 (s, 3 H), 2.33 (s, 3 H). MS (ESI): m/z=181 (M+1, positive).
【0317】
2,3−ジヒドロキシ−4−メチル−ベンズアルデヒド
ジクロロメタン(200mL)中−30℃(ドライアイス/アセトン)まで冷却した1,2−ジメトキシ−3−メチル−ベンゼン(13.8g、76.66ミリモル)の溶液に、三塩化ホウ素(230mL、230ミリモル)を滴加し、混合物を一晩室温で撹拌した。溶液を0℃まで冷却し、氷/水を慎重に添加し、次いで過剰のジクロロメタンで抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を蒸発させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10〜20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標記化合物を結晶性固体として得た:収量9.2g(80%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 11.11 (s, 1 H), 9.82 (s, 1 H), 7.05 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 6.81 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 5.67 (s, 1 H), 2.33 (s, 3 H).
【0318】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ヒドロキシ−4−メチル−ベンズアルデヒド
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順4の方法にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:2,3−ジヒドロキシ−4−メチル−ベンズアルデヒド(9g、59.21ミリモル)、(3−ブロモ−プロポキシメチル)−ベンゼン(11.5mL、65.13ミリモル)、ナトリウムtert−ブトキシド(12.52g、130.26ミリモル)およびDMSO(100mL)。精製:フラッシュカラムクロマトグラフィー(5−10%EtOAc/ヘキサン):収量15.1g(85%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 11.05 (s, 1 H), 9.84 (s, 1 H), 7.38-7.26 (m, 5 H), 7.20 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 6.80 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 4.55 (s, 2 H), 4.15 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 3.73 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 2.31 (s, 3 H), 2.19-2.00 (m, 2 H).
【0319】
トリフルオロ−メタンスルホン酸2−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−ホルミル−3−メチル−フェニルエステル
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順6の方法にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−2−ヒドロキシ−4−メチル−ベンズアルデヒド(0.3g、1.0ミリモル)、トリフルオロメタンスルホン酸(0.34mL、2.0ミリモル)、ピリジン(0.25mL、3.1ミリモル)、ジクロロメタン(15mL)。精製:フラッシュカラムクロマトグラフィー(10−15%EtOAc/ヘキサン):収量0.25g(59%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 10.14 (s, 1 H), 7.61 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.42-7.29 (m, 6 H), 4.53 (s, 2 H), 4.07 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 3.71 (t, J=6.1 Hz, 2 H), 2.40 (s, 3 H), 2.07 - 2.22 (m, 2 H).
19F NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): -73.63 (s).
【0320】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順5の方法にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:トリフルオロ−メタンスルホン酸2−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−ホルミル−3−メチル−フェニルエステル(0.26g、0.6ミリモル)、ビス(ピナコラート)ジボラン(0.31g、1.2ミリモル)、KOAc(0.18g、1.8ミリモル)、PdCl
2(dppf)(0.13g、0.18ミリモル)、THF(10mL)。精製:フラッシュカラムクロマトグラフィー(15%EtOAc/ヘキサン):収量0.091g(36%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm): 9.89 (s, 1 H), 7.47 (d, J=7.4 Hz, 1 H), 7.40-7.25 (m, 6 H), 4.52 (s, 2 H), 4.02 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 3.70 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 2.32 (s, 3 H), 2.20-2.08 (m, 2 H), 1.45 (s, 12 H).
【0321】
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−メチル−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
【化103】
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順8の方法にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(1.14g、2.78ミリモル)、ニトロメタン(0.45mL、8.34ミリモル)、NaOH(0.78g、1.95ミリモル)、THF(3mL)および水(9mL)。精製:フラッシュカラムクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサン):収量0.42g(41%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm): 9.41 (s, 1 H), 7.37-7.18 (m, 6 H), 7.03 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 5.69 (dd, J=9.2, 2.5 Hz, 1 H), 5.28 (dd, J=13.7, 2.7 Hz, 1 H), 4.52 (dd, J=13.3, 9.4 Hz, 1 H), 4.46 (s, 2 H), 4.33 (t, J=6.1 Hz, 2 H), 3.58 (t, J= 6.1 Hz, 2 H), 2.12 (s, 3 H), 2.01-1.87 (m, 2 H). MS (ESI): m/z=370 (M-1, negative).
【0322】
3−アミノメチル−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−6−メチル−3Hベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール塩酸塩
【化104】
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−メチル−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(0.42g、1.13ミリモル)のメタノール性アンモニア(15mL)中溶液に、水酸化パラジウム(0.2g、45重量%)を水素化ビン中で添加し、フラスコに水素を45psiで18時間入れた。触媒をろ過して除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。全てのアンモニアが除去されることを確実にするために、化合物を高真空に1時間付した。得られた粗物質(0.38g)をメタノール(15mL)中にさらに溶解させ、水素化ビンに移し、濃HCl(5〜6滴)を添加して、pH2にした。この溶液に、水酸化パラジウム(0.1g、25重量%)を添加し、フラスコに水素を45psiで1.5時間入れた。セライトのパッドを通して触媒をろ過して除去し、溶媒を蒸発させた。分取HPLCによって精製して、0.12g(39%)の標記化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm): 8.40 (s, 1 H), 7.12 (d, J=7.4 Hz, 1 H), 6.80 (d, J=7.4 Hz, 1 H), 5.08-4.91 (m, 1 H), 4.49-4.21 (m, 2 H), 3.64 (t, J=5.7 Hz, 2 H), 3.17 (dd, J=12.9, 3.1 Hz, 1 H), 2.66 (dd, J=12.7, 8.0 Hz, 1 H), 2.14 (s, 3 H), 1.81 (quin, J=5.7 Hz, 2 H). MS (ESI): m/z=252 (M+1, positive);HPLC純度:98.25%(MaxPlot 200〜400nm)、98.39%(220nm)。
【0323】
R.
3−アミノメチル−6−フルオロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;塩酸塩
【化105】
4−フルオロ−2,3−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド
3−フルオロ−ベンゼン−1,2−ジオール(20g、156ミリモル)の無水アセトニトリル(400mL)中溶液に、塩化マグネシウム(37.1g、312ミリモル)、パラホルムアルデヒド(31.6g)およびトリエチルアミン(134mL、975ミリモル)を添加した。反応混合物を80℃で8時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、ろ過によって固体を集めた。固体を冷2N HClで処理し、水性層をEtOAcで抽出した。有機層を真空で濃縮して、20.4gの粗物質を得た。2回目の実施の後、40.8gの粗物質をDMF(1L)中に溶解させ、0℃まで冷却し、Cs
2CO
3(340g、1.04モル)に数回にわけて添加した。次いで、ヨウ化メチル(330mL、5.28モル)を添加した。室温まで温め、一晩撹拌した後、溶液をろ過し、酢酸エチルを添加し、有機層を水で洗浄した(3×)。真空で濃縮した後、生成物をBiotageシリカゲルクロマトグラフィー(2%〜3%/10%〜20%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、結果として14.8gのジメトキシ化合物を得た。この物質をDCM中に溶解させ、−30℃まで冷却し、BCl
3(DCM中1M、134mL、0.1343モル)を溶液に−30℃で添加した。室温で一晩後、溶液を−70℃まで冷却し、BBr
3(DCM中1M、67.25mL、0.067モル)を添加した。一晩室温まで温めた後、溶液を氷浴中で冷却し、ゆっくりと氷水を添加した。DCM層を分離し、水性層をDCMで抽出した(2×)。合わせた有機層を塩水で抽出し(2X)、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。得られた残留物をヘキサン/DCM(6:4)で摩砕した後、5.60g(11%収率)の得られた標記化合物は、茶色がかったピンク色固体であった。この物質をさらに精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm): 11.36 (s, 1H), 9.83 (s, 1H), 7.16 - 7.13 (m, 1H), 6.82 - 6.78 (m, 1H), 5.48 (brs,1H).
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6 with D
2O) δ (ppm): -119.03 - -119.08 (m, 1F).
【0324】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順の方法にしたがい、次の反応物質および量を用いて合成した:4−フルオロ−2,3−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド(5.15g、32.9ミリモル)、NaOtBu(6.95g、72.3ミリモル)、DMSO(200mL)、(3−ブロモ−プロポキシメチル)−ベンゼン(8.31g、36.3ミリモル)。精製:Biotageシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル勾配)によって、標記化合物とジアルキル化生成物との混合物4.00gが生成した。この物質をさらに精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm): 10.13 (s, 1H), 7.66 -7.54 (m, 5H), 7.53 - 7.33 (m, 1H), 6.92 - 6.90 (m, 1H), 4.53 (s, 2H), 4.52 - 4.44 (m, 2H), 3.71 - 3.62 (m, 2H), 2.18 - 2.13 (m, 2H).
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6 with D
2O) δ (ppm): -121.03 - -121.08 (m, 1F).
【0325】
3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順6の方法にしたがい、次の反応物質および量を用いて合成した:3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−フルオロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(4.00g、13.1ミリモル)、ピリジン(2.34mL、28.9ミリモル)、DCM(100mL)、トリフレート無水物(2.21mL、13.5ミリモル)。精製:Biotageシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル勾配)によって2.00gのトリフレートを得、これを米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順5にしたがって直ちに使用した。
【0326】
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順5の方法にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:トリフルオロ−メタンスルホン酸2−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−3−フルオロ−6−ホルミル−フェニルエステル(2.0g、4.57ミリモル)、THF(15mL)、B
2pin
2(2.20g、8.66ミリモル)、KOAc(1.60g、16.3ミリモル)、PdCl
2(dppf)
.DCM(0.40g、0.55ミリモル)。精製:Biotageシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル勾配)によって0.50g(26%収率)の標記化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm): 9.86 (s, 1H), 7.51 (dd, J=8.2 , 4.0 Hz, 1H), 7.34 - 7.31 (m, 5H), 7.21 (dd, J=11.0, 8.2 Hz, 1H), 4.51 (s, 2H), 4.24 (td, J=6.5, 2.0 Hz, 2H), 3.67 (t, J=6.2 Hz, 2H), 2.11 - 2.07 (m, 2H); 1.33 (s, 12H);
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6 with D
2O) δ (ppm): -120.3 - -121.1 (m, 1F).
【0327】
7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−フルオロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
【化106】
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順8の方法にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:3−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−4−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(0.40g、0.966ミリモル)、ニトロメタン(0.15mL、2.89ミリモル)、NaOH(0.038g、0.96ミリモル)、THF(10mL)、水(10mL)。これによって、0.34g(94%収率)の標記化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ (ppm): 9.83 (s, 1H), 7.32 - 7.02 (m, 7H), 5.78 - 5.75 (m, 1H), 5.28 -5.23 (m, 1H), 4.60 - 4.56 (m, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.37 (brs, 2H), 3.57 (brs, 2H), 1.92 (brs, 2H).
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6 with D
2O) δ (ppm): -132.3 (1F).
【0328】
3−アミノメチル−6−フルオロ−7−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;塩酸塩
【化107】
Parr装置中、7−(3−ベンジルオキシ−プロポキシ)−6−フルオロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(0.34g、0.906ミリモル)およびメタノール性アンモニア(2M、20mL)の混合物に、炭素上Pd(OH)
2(0.30g)を添加した。装置に水素(約40psi)を入れ、そして一晩室温で振とうした。懸濁液を、セライト(登録商標)通してろ過し、メタノールで洗浄し、そして真空で濃縮した。310mgのクリーム色固体をメタノール(20mL)中に溶解させ、Parr装置に移し、数滴の濃HClでpHを約3に調節した。次いで、炭素上Pd(OH)
2(0.20g)を添加し、装置に水素(約40psi)を入れた。35分後、懸濁液を、セライト(登録商標)を通してろ過し、メタノールで洗浄し、真空で濃縮した。逆相分取HPLC(アセトニトリル/水(0.1%AcOH)勾配)によって精製をおこなって、100mg(43%収率)の標記化合物を白色固体として得た。mp265〜267℃;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6 with D
2O) δ (ppm): 7.41 (dd, J=11.1, 8.2 Hz, 1H), 7.07 (dd, J=7.9, 2.8 Hz, 1H), 5.29 (d, J=7.0 Hz, 1H), 4.36 (t, J=6.0 Hz, 2H), 3.62 (br.s, 2H), 3.45 (d, J=12.9 Hz, 1H), 2.92 - 2. 86 (m, 1H), 1.93 - 1.83 (m, 2H);
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6 with D
2O) δ (ppm): -135.0 (1F); MS (ESI) m/z=256 (M+1, positive);HPLC純度:98.57%(MaxPlot 200〜400nm)、97.28%(220nm)。
【0329】
S.
3−アミノメチル−7−エトキシ−6−メトキシ−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;塩酸塩
【化108】
【化109】
2−ブロモ−3−エトキシ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド
エチルブロミド(2.88g、26.4ミリモル)を2−ブロモ−3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(5.08g、22ミリモル)および炭酸カリウム(4.56g、33ミリモル)の無水DMF(50mL)中混合物に室温にて窒素下で添加した。反応混合物を35℃で18時間撹拌し、EtOAc(150mL)で希釈し、水(2×50mL)、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、濃縮して、粗生成物を白色固体として得た。シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:30%ヘキサン中EtOAc)によって精製して、5.65g(99%収率)の標記化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm) 10.26 (s, 1H), 7.73 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.95 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.08 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 1.46 (t, J=7.0 Hz, 3H); MS (ESI) m/z=261 (M+1, positive).
【0330】
[3−エトキシ−4−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順5の方法にしたがい、次の反応物質および量を用いて合成した:2−ブロモ−3−エトキシ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(4g、15.43ミリモル)、KOAc(4.55g、46.29ミリモル)、ビス(ピナコラート)ジボロン(7.84g、30.86ミリモル)。乾燥ジオキサン(90mL)中PdCl
2(dppf)(0.91g、1.24ミリモル)。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘキサン1:9、次いで1:3)によって精製して、標記化合物を白色固体として得た(1.50g、32%収率)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ (ppm) 9.71 (s, 1H), 7.44 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.89 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.01 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.82 (s, 3H), 1.38 (s, 12H), 1.35 (t, J=7.0 Hz, 3H).
【0331】
7−エトキシ−6−メトキシ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
【化110】
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順9にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:[3−エトキシ−4−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(1.47g、4.80ミリモル)、ニトロメタン(0.92g、14.4ミリモル)、乾燥THF(20mL)中CATBr(88mg、0.24ミリモル)およびNaOH(0.025M水溶液)。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:10%EtOAc/ヘキサン〜30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標記化合物を黄色固体として得た(0.75g、59%)。
1H NMR {400 MHz, DMSO-d
6 + D
2O (0.01mL)} δ (ppm) 9.34 (s, 1H), 7.18 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.11 (d, J=8.0 Hz, 1H), 5.68 (dd, J=9.2, 2.0 Hz, 1H), 5.29 (dd, J=13.2, 2.8 Hz, 1H), 4.55-4.50 (m, 1H), 4.20 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.77 (s, 3H), 1.27 (t, J=7.0 Hz, 3H); MS (ESI) m/z=261 (M-1, negative).
【0332】
3−アミノメチル−7−エトキシ−6−メトキシ−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;塩酸塩
【化111】
米国特許公開第20090227541号(米国特許出願第12/142,692号)の一般的手順13の方法にしたがって、次の反応物質および量を用いて合成した:7−エトキシ−6−メトキシ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(0.97g、3.63ミリモル)、氷酢酸(20mL)、炭素上Pd(OH)
2(20%金属含有量、50重量%−湿潤)(300mg)。精製:分取HPLC(C18カラム、アセトニトリルおよび0.1%AcOH/水溶液を使用)によって標記化合物を得た(0.28g;28%収率)。m.p.202〜204℃。
1H NMR {400 MHz, CD
3OD) δ (ppm) 7.20 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.08 (d, J=8.1 Hz, 1H), 5.40 (dd, J=8.4, 2.8 Hz, 1H), 4.23 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.56 (dd, J=13.6, 7.2 Hz, 1H), 2.92 (dd, J=13.2, 7.2 Hz 1H), 1.33 (t, J=7 Hz, 3H); MS (ESI) m/z=238 (M+1, positive);HPLC純度:98.79%(MaxPlot 200〜400nm)および99.13%(220nm)。
【0333】
T.
3−アミノメチル−7−エトキシ−6−フルオロ−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;塩酸塩
【化112】
【化113】
4−フルオロ−2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド
2,3−ジメトキシ−4−フルオロベンズアルデヒド(7.0g、38.0ミリモル)の乾燥ジクロロメタン(150mL)中溶液に−78℃で、ジクロロメタン(30mL)中BBr
3(23.8g、95.0ミリモル)を滴加した。反応混合物を室温に到達させ、18時間撹拌した。次いで反応混合物を−78℃まで冷却し、メタノール(10mL)および水(50mL)の混合物でクエンチし、そして室温で30分間撹拌した。沈殿した固体をろ過によって分離し、冷ジクロロメタンで洗浄した。ジクロロメタン層を濃縮して、標記化合物を固体として得た(5.2g、88%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm: 11.38 (s, 1 H), 9.84 (s, 1 H), 7.15 (dd, J=8.6, 5.5 Hz, 1 H), 6.81 (t, J=9.4 Hz, 1 H), 5.47 (s, 1 H); MS (ESI) m/z=155 (M-1, negative).
【0334】
3−エトキシ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド
2,3−ジヒドロキシ−4−フルオロベンズアルデヒド(3.0g、19.23ミリモル)のDMSO(100mL)中溶液に、NaOBu−t(3.692g、38.46ミリモル)を数回にわけて室温で添加し、そして15分間撹拌した。ヨードエタンを室温で滴加し、18時間撹拌した。反応混合物をクラッシュアイス(200mL)上に注ぎ、2.5MのHClで酸性化して、pH3.0にした。生成物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、濃縮し、そして生成物をシリカゲルのカラム上クロマトグラフィー(Hex:EtOAc=95:5)にかけて、標記化合物を結晶性固体として得た(2.3g、65%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm:11.36 (s, 1 H), 9.83 (s, 1 H), 7.39 - 7.19 (m, 1 H), 6.77 (t, J=9.2 Hz, 1 H), 4.22 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H); MS (ESI) m/z=183 (M+1, positive).
【0335】
トリフルオロメタンスルホン酸2−エトキシ−3−フルオロ−6−ホルミル−フェニルエステル
3−エトキシ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒドベンズアルデヒド(2.208g、12.0ミリモル)およびピリジン(1.986g、24.0ミリモル)のジクロロメタン(30.0mL)中混合物に、0℃で、ジクロロメタン(5.0mL)中無水トリフルオロメタンスルホン酸(4.060、14.4ミリモル)のを滴加した。反応混合物を0℃で2時間、そして室温で3時間撹拌した。次いでジクロロメタン(40mL)で希釈し、2M HCl、塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、標記化合物を明黄色液体(3.3g、87%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm:10.15 (s, 1 H), 7.66 (dd, J=8.6, 5.5 Hz, 1 H), 7.28 - 7.22 (m, 1 H), 4.36 (q, J=6.9 Hz, 2 H), 1.47 (t, J=7.0 Hz, 3 H).
【0336】
3−エトキシ−4−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド
トリフルオロメタンスルホン酸2−エトキシ−3−フルオロ−6−ホルミル−フェニルエステル(2.2g、6.96ミリモル)の乾燥THF(35.0mL)中溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(2.134g、8.4ミリモル)、PdCl
2(dppf)(367mg、0.5ミリモル)および酢酸カリウム(1.372g、14.0ミリモル)を添加し、窒素で15分間パージした。反応混合物を還流下で24時間加熱した。室温まで冷却し、酢酸エチル(40mL)で希釈し、そしてセライトを通してろ過した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルのカラム上クロマトグラフィー(Hex:EtOAc=9:1)にかけて、標記化合物を灰白色固体として得た(850.0mg、42%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm:9.87 (s, 1 H), 7.51 (dd, J=8.2, 4.3 Hz, 1 H), 7.22 (dd, J=10.9, 8.6 Hz, 1 H), 4.20 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 1.46 (s, 12 H), 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H); MS (ESI) m/z=295 (M+1, positive).
【0337】
7−エトキシ−6−フルオロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール
【化114】
水酸化ナトリウム(80mg、2.0ミリモル)の水(3.0mL)中冷却溶液に、ニトロメタン(244.0mg、4.0ミリモル)を0℃で添加し、そして10分間撹拌した。次いで、THF(5.0mL)中3−エトキシ−4−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンズアルデヒド(588.0mg、2.0ミリモル)を添加した。反応混合物を1時間0℃で、そして2時間室温で撹拌した。反応混合物を2.5M HCl(1.0mL)で酸性化し、そして生成物を酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。有機抽出物を組み合わせ、塩水で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、生成物をシリカゲルのカラム上クロマトグラフィー(CH
2Cl
2:MeOH=95:5)にかけて、標記化合物を固体として得た(350mg、69%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm:7.40 (dd, J=11.3, 8.2 Hz, 1 H), 7.16 (dd, J=8.0, 3.3 Hz, 1 H), 5.74 (d, J=9.0 Hz, 1 H), 5.30 (dd, J=13.5, 2.2 Hz, 1 H), 4.62 (dd, J=13.5, 9.2 Hz, 1 H), 4.35 (q, J=6.8 Hz, 2 H), 1.28 (t, J=6.8 Hz, 3 H); MS (ESI) m/z=254 (M-1, negative).
【0338】
3−アミノメチル−7−エトキシ−6−フルオロ−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール;塩酸塩
【化115】
7−エトキシ−6−フルオロ−3−ニトロメチル−3H−ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1−オール(320.0mg、1.25ミリモル)のメタノール(5.0mL)中溶液に、5.0mlのメタノール中2Mアンモニアおよび160mgのC上Pd(OH)
2を添加し、45PSIで18時間水素化した。触媒をろ過によって除去し、ろ液を濃縮して、灰白色固体(250mg)を得た。この固体をメタノール(3mL)中に溶解させ、3.0mlのメタノール中1.2M HClを添加し、室温で3時間撹拌した。過剰のHClおよび溶媒を減圧下で除去し、生成物をエーテルで摩砕して、標記化合物を灰白色固体として得た(140mg、43%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm:9.43 (s, 1 H), 8.13 (br. s., 3 H), 7.40 (dd, J=11.5, 8.0 Hz, 1 H), 7.16 (dd, J=7.8, 3.1 Hz, 1 H), 5.32 (d, J=6.3 Hz, 1 H), 4.35 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 3.43 (br. s., 1 H), 2.92 (br. s., 1 H),1.29 (t, J=7.0 Hz, 3 H);
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ ppm -135 (s, 1F); MS (ESI) m/z=226 (M+1, positive);HPLC純度:95.81%(MaxPlot 200〜400nm)、94.73%(220nm)。
【0339】
U.
3−(アミノメチル)−5−クロロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化116】
【化117】
トリフルオロメタンスルホン酸4−クロロ−2−エトキシ−6−ホルミルフェニル
3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(20g、120.4ミリモル)のAcOH(200mL)中溶液にN−クロロスクシンイミド(16.1g、120.4ミリモル)を添加した。反応混合物を105℃まで30分間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をさらに2.5時間撹拌した。続いて、200mlの水を10分にわたってゆっくりと添加した。混合物をろ過し、乾燥して、黄色固体を得、これをエタノール中で再結晶させて、4gの標的化合物(4g、17%収率)を得た。
【0340】
トリフルオロメタンスルホン酸4−クロロ−2−エトキシ−6−ホルミルフェニル
5−クロロ−3−エトキシ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(2.0g、10.0ミリモル)のピリジン(2mL)およびDCM(20mL)中溶液に0℃で無水トリフルオロメタンスルホン酸(1mL)を滴加した。反応を1時間0℃で撹拌した後、氷水でクエンチした。有機層を飽和水性NaHCO
3(20mL)および塩水(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、次いで真空で濃縮した。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、標的化合物を得た(2.0g、収率:60%)。
【0341】
5−クロロ−3−エトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド
トリフルオロメタンスルホン酸4−クロロ−2−エトキシ−6−ホルミルフェニル(330mg、1ミリモル)、KOAc(350mg、2.0ミリモル)、ビス(ピナコラート)ジボラン(600mg、2.0ミリモル)およびPdCl
2(dppf)CH
2Cl
2(65mg、0.08ミリモル、8モル%)のジオキサン(30mL)中混合物を15分間N
2で脱気し、100℃で3時間撹拌した。氷水でクエンチした後、反応混合物をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3(20mL)および塩水(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、次いで濃縮した。残留物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物を得た(150mg、収率:43%)。
【0342】
5−クロロ−7−エトキシ−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
5−クロロ−3−エトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアルデヒド(310mg、1ミリモル)、NaOH(40mg、1ミリモル)およびCTAB(5mg、0.05ミリモル)のH
2O(2mL)およびTHF(10mL)中混合物を0.5時間室温で撹拌した。ニトロメタン(0.2mL、2ミリモル)の滴加後、反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いで希HCl水溶液(2N)をpH=2まで添加することによって環化させ、次いでEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(25mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固させた。残留物をprep−HPLCによって精製して、化合物(100mg、収率:56%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.20 (s, 1 H), 7.22 (s, 1H), 6.96 (s, 1H), 5.69-5.72 (m, 1H), 5.30-5.34 (m,1H), 4.61-4.67 (m, 1H), 4.10-4.15 (m, 2H), 1.31-1.34 (m, 3H);
【0343】
3−(アミノメチル)−5−クロロ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール
【化118】
5−クロロ−7−エトキシ−3−(ニトロメチル)ベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール(270mg、1.0ミリモル)、ラネーNi(約125mg)およびEtOH中2M NH
3(2mL)のEtOH(10mL)中混合物を、H
2雰囲気下で2時間、室温にて振とうした。セライト床を通して混合物をろ過し、ろ液を真空で濃縮した。粗アミンをEtOAc(2mL)中に溶解させ、HClのEt
2O中溶液(20mL)を直ちに添加した。1時間後、懸濁液をろ過し、結果として得られた固体をヘキサンで洗浄して、化合物標的化合物を得た(100mg、収率:43%)。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.06 (s, 1H), 8.18 (s, 3H), 7.22 (s, 1H), 6.96 (s, 1H), 5.27-5.29 (m, 1H), 4.10-4.13 (m, 2H), 3.40-3.47 (m, 1H), 2.87-2.92 (m, 1H), 1.30-1.36 (m, 3H); MS (ESI) m/z=242 [M + H]
+.
【0344】
V.
(S)−3−(アミノメチル)−4−ブロモ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
ステップ1:(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル−カルバミン酸tert−ブチル
【化119】
3−(アミノメチル)−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩(5.0g、20.5ミリモル)およびトリエチルアミン(10.4g、103.0ミリモル)のジクロロメタン(250mL)中混合物に0℃で、ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(6.7g、30.8ミリモル)を添加した。混合物を4時間室温で撹拌した。反応を飽和NaHCO
3(500mL)でクエンチした後、結果として得られた混合物をEtOAcで抽出し(3×300mL)、合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュ−カラムクロマトグラフィー(2.5%〜5.0%のDCM中MeOH)によって精製して、生成物を得た(5.51g、収率87%)。
【0345】
ステップ2:(4−ブロモ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)−メチルカルバミン酸tert−ブチル
【化120】
(7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)メチル−カルバミン酸tert−ブチル(5.5g、17.9ミリモル)および1−ブロモピロリジン−2,5−ジオン(3.8g、21.5ミリモル)のCH
3CN(1100mL)中溶液に、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル(220mg)を添加した。混合物を1時間90℃で撹拌した。反応混合物を次いで高真空中で濃縮し、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(2.5%〜5.0%のDCM中MeOH)によって精製して、生成物(3.7g、収率54%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) 8.90 (s, 1H), 7.55-7.53 (d, 1H), 6.85-6.82 (d, 1H), 5.08-5.07 (d, 1H), 4.11-4.07 (m, 2H), 3.82-3.79 (bd, 1H), 3.06-3.03 (m, 1H), 1.39 (s, 9H), 1.30 (t, 3H); MS (ESI) m/z=387 [M + H]
+.
【0346】
ステップ3:(S)−3−(アミノメチル)−4−ブロモ−7−エトキシベンゾ[c][1,2]オキサボロール−1(3H)−オール塩酸塩
【化121】
(4−ブロモ−7−エトキシ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール−3−イル)−メチルカルバミン酸tert−ブチル(3.7g、9.6ミリモル)の4Nのジオキサン中HCl(12mL、48.0ミリモル)中混合物を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮乾固させた(水浴<30℃)。残留物をDCM/エーテル(1/10、2×10mL)で摩砕し、白色固体を高真空中で乾燥して、生成物(2.96g、収率:92%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) 9.11 (s, 1H), 8.1 (bs, 3H), 7.63-7.60 (d, 1H), 6.92-6.89 (d, 1H), 5.27-5.24 (m, 1H), 4.12-4.05 (m, 2H), 3.62-3.57 (m, 1H), 2.99-2.92 (m, 1H), 1.34-1.30 (t, 3H); MS (ESI) m/z=287 [M + H]
+.
【0347】
実施例2
LeuRS IC50試験
96ウェルマイクロタイタープレート中で、50mMのHEPES−KOH(pH8.0)、30mMのMgCl
2および30mMのKClを含有する80μLの反応混合物、13μM[
14C]ロイシン(306mCi/ミリモル、Perkin−Elmer)、15uMの全大腸菌tRNA(Roche, Switzerland)、0.02%(w/v)BSA、1mMのDTT、0.2pMのLeuRSおよび4mMのATPを30℃で使用して実験を実施した。4mMのATPを添加することによって反応を開始した。7分後、反応をクエンチし、50μLの10%(w/v)TCAの添加によってtRNAを沈殿させ、96ウェルニトロセルロースメンブランフィルタープレート(Millipore Multiscreen HTS, MSHAN4B50)に移した。各ウェルを次いで100μLの5%TCAで3回洗浄した。フィルタープレートを次いで加熱ランプ下で乾燥し、沈殿した[
14C]ロイシンtRNA
Leuを、Wallac MicroBeta Triluxモデル1450液体シンチレーションカウンター(PerkinElmer, Waltham MA)を用いた液体シンチレーションカウンティングによって定量化した。
【0348】
酵素活性を50%(IC
50)減少させる阻害剤濃度を測定するために、増大する濃度の阻害剤をLeuRS酵素、tRNAおよびロイシンとともに20分間インキュベートした。4mMのATPを添加することによって反応を開始し、7分後に停止させ、次いで沈殿させ、計数して、放射活性を定量化した。
【0349】
本発明の例示的化合物の生化学的試験を
図1に示す。
【0350】
実施例3
抗菌剤MIC試験
細菌の全てのMIC試験は、好気性菌(Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically; Approved Standard- Seventh Edition)(M07−A7)および嫌気性菌(Methods for Antimicrobial Susceptibility Testing of Anaerobic Bacteria; Approved Standard- Seventh Edition)(M11−A7)の抗菌性試験についての臨床検査標準委員会(CLSI)指針にしたがった。
【0351】
本発明の例示的化合物の抗菌剤MIC試験結果を
図1に提供する。
【0352】
実施例4
マイクロプレートアラマーブルーアッセイ(MABA)
マイクロプレートアラマーブルーアッセイ(MABA)は、本質的にはCollins, L., et al., Antimicrob Agents Chemother 41: 1004-1009 (1997)により記載されているようにして実施した。例えば、実験ウェル中の脱水を防止するために周辺ウェルを滅菌水で満たした、黒色の透明な底の96ウェルマイクロプレート(ブラックビュープレート;Packard Instrument Company, Meriden, Conn.)。初期薬物希釈液をジメチルスルホキシド中で調製し、その後、マイクロプレート中、0.1mlの7H9GC(Tween80なし)中で2倍希釈を実施した。凍結した接種材料をまずBACTEC12B培地中1:20に希釈し、続いて7H9GC中で1:50に希釈した。100μLをウェルに添加して、H37RvおよびH37Raについてそれぞれ2.0×10
5〜5×10
4CFU/mLの最終細菌価(bacterial titer)が得られた。薬物のみを含有するウェルを用いて自己蛍光を検出し、さらに細菌のみ(B)および培地のみ(M)から構成されるさらなる対照ウェルを使用した。プレートを37℃でインキュベートした。インキュベーションの第4日に開始して、20μLの10×アラマーブルー溶液(Alamar Biosciences/Accumed, Westlake, Ohio)および12.5μLの20%Tween 80を1つのBウェルおよび1つのMウェルに添加し、プレートを37℃で再インキュベートした。ウェルを12および24時間で青からピンクへの色の変化について、そして50,000蛍光単位(FU)以上の読みについて観察した。蛍光をCytofluor IIマイクロプレート蛍光光度計(PerSeptive Biosystems, Framingham, Mass.)で530nmの励起および590nmでの発光をともなう底部読みモード(bottom-reading mode)で測定した。Bウェルが24時間までにピンク色になるならば、試薬をプレート全体に添加した。ウェルが青色のままであるか、または50,000FUが測定されたならば、色の変化が起こるまで、さらなるMおよびBウェルを毎日試験し、色の変化が起こった時点で、試薬を残りのウェル全てに添加した。プ
レートを次いで37℃でインキュベートし、結果を試薬添加後24時間で記録した。視覚的MICを、色の変化を防止する薬物の最低濃度として定義した。蛍光分析MICについて、バックグラウンド減算を3連のMウェルの平均を有する全てのウェルに関して実施した。パーセント阻害は、1−(試験ウェルFU/3連のBウェルの平均FU)×100として定義された。90%の阻害をおこなう最低薬物濃度をMICとみなした。
【0353】
本発明の例示的化合物の生化学的試験を
図1で提供する。
【0354】
実施例5
低酸素回復アッセイ(LORA)
低酸素回復アッセイ(low-oxygen recovery assay)(LORA)は本質的にCho et al. Antimicrob Agents Chemother 51: 1380-1385 (2007)によって記載されているようにして実施した。プラスミドpFCA−luxAB上にluxABを有する組換えエム・ツベルクローシスH
37R
vを全てのLORA実験で使用した。低酸素適用培養からの凍結したアリコートを解凍し、Middlebrook 7H12ブロス中(1mg/mLのCasitone、5.6μg/mLパルミチン酸、5mg/mLウシ血清アルブミン、および4μg/mlのフィルター滅菌したカタラーゼを含有するMiddlebrook 7H9ブロス)で希釈し、15秒間音波処理した。培養物を希釈して、100μLあたり0.03〜0.05および3,000〜7,000RLUのA
570を得た。これは、5×10
5〜2×10
6CFU/mLに相当する。2倍の段階希釈を黒色96ウェルマイクロタイタープレート中、体積100μLで調製し、100μLの細胞懸濁液を添加した。LORAについて、マイクロプレート培養物を、AnoxomatモデルWS−8080(MART Microbiology)および10%H
2、5%CO
2、および85%N
2の混合物での充填の3サイクルを用いることによって嫌気性条件(酸素濃度、0.16%未満)下に置いた。嫌気性インジケーターストリップをチャンバーの内部に置いて、酸素の除去を視覚的に確認した。プレートを37℃で10日間インキュベートし、次いで周囲気体条件(5%CO
2富化空気)インキュベーターに28時間「回復」のために移した。第11日(28時間好気性回復後)に、発光測定のために、100μLの培養物を白色96ウェルマイクロタイタープレートに移した。n−デカナールアルデヒド(Sigma)のエタノールの10%溶液をPBS中で新たに希釈し、100μlを各ウェルにオートインジェクターで添加した。1秒の読み取り時間を用いることによって、発光をVictor2マルチ標識リーダー(Perkin-Elmer Life Sciences)で測定した。MICを、無薬物対照の成長に対して90%の成長阻害をもたらす最低薬物濃度として定義した。
【0355】
本発明の例示的化合物の生化学的試験を
図1で提供する。
【0356】
実施例6
結核インビボ有効性実験
TBインビボ有効性実験は、本質的に、Lenaerts et al. Antimicrob Agents Chemother 47: 783-785 (2003)で記載されているようにして、2、3の変更を加えて実施した。高感受性ガンマインターフェロン特定病原体未感染C57BL/6−Ifngtm1ts(GKO)マウス(Jackson Laboratories, Bar Harbor, Maine)を、Kelly et al. Antimicrob Agents Chemother 40: 2809-2812 (1996)で以前に記載されているようなGlas−Col吸入曝露システム中エム・ツベルクローシス株Erdmanでの低用量エアロゾル感染に曝露した。各治療群は、次の各時点について5匹のマウスから構成されていた。治療を感染の10日後に開始した。感染マウスの1つの対照群を治療開始時に屠殺した。感染したが未治療のマウスの第2群を24日で治療中止後に屠殺した。CおよびLを生理食塩水中で処方し、Eを50%水/35%PEG400/5%PG中で処方し、一方、リファンピシンを20%シクロデキストリン中で処方した。全ての化合物を経口強制飼養によって投与した。リファンピシンを10mg/kg QD POで投与した。Cを100mg/kg BID POで投与した。Eを100mg/kg BID POで投与した。Lを100mg/kg QD POで投与した。治療終了後に、二酸化炭素吸入によってマウスを屠殺した。肺を無菌的に摘出し、組織ホモジナザーで破壊した。生菌数を、栄養Middlebrook 7H11寒天プレート(GIBCO BRL, Gaithersburg, Md.)上でのホモジネートの段階希釈によって測定した。プレートを37℃にて周囲空気中、4週間インキュベートした後、生存エム・ツベルクローシスコロニー(CFU)を計数した。
【0357】
第3日に、対照群は、2.83(0.40)の平均log10CFU/肺を有していた。第10日に、対照群は4.81(0.08)のlog10CFU/肺を有していた。第24日に、対照群は8.96(0.14)のlog10CFU/肺を有していた。第24日に、リファンピシンで治療した群は、6.16(0.10)のlog10CFU/肺を有していた。第24日に、Cで治療した群は、5.06(0.26)のlog10CFU/肺を有していた。第24日に、Eで治療した群は、2.73(0.05)のlog10CFU/肺を有していた。第24日に、Lで治療した群は、3.08(0.06)のlog10CFU/肺を有していた。
【0358】
実施例7
結核インビボ有効性実験
TBインビボ有効性実験は、本質的にLenaerts et al. Antimicrob Agents Chemother 47: 783-785 (2003)で記載されているようにして、いくつかの変更を加えて実施した。高感受性ガンマインターフェロン特定病原体未感染C57BL/6−Ifngtm1ts(GKO)マウス(Jackson Laboratories, Bar Harbor, Maine)をKelly et al. Antimicrob Agents Chemother 40: 2809-2812 (1996)で以前に記載されているようなGlas−Col吸入曝露システム中、エム・ツベルクローシス株Erdmanでの低用量エアロゾル感染に曝露した。すべての治療群は、次の各時点について5匹のマウスから構成されていた。治療は感染後13日で開始した。感染マウスの1つの対照群は、治療開始時に屠殺した。感染しているが未治療のマウスの第2群は、22日で治療を中止した後に屠殺した。Nは、生理食塩水中で処方し、そしてEは50%水/35%PEG400/5%PG中で処方し、一方、イソニアジド(INH)は蒸留水中で処方した。全ての化合物を経口強制飼養によって投与した。INHを25mg/kg QD POで投与した。Eを100mg/kg QD POで投与した。Nを100mg/kg BID POで投与した。治療終了後に、マウスを二酸化炭素吸入によって屠殺した。脾臓および肺を無菌的に摘出し、組織ホモジナザーで破壊した。栄養Middlebrook 7H11寒天プレート(GIBCO BRL, Gaithersburg, Md.)上でのホモジネートの段階希釈によって、生菌数を測定した。プレートを、37℃にて周囲空気中4週間インキュベートした後、生存エム・ツベルクローシスコロニー(CFU)を計数した。
【0359】
13日に、対照群は、肺について7.02(0.08)の平均log10CFUおよび脾臓について3.99(0.21)の平均log10CFUを有していた。22日に、対照群は、肺について7.82(0.11)および脾臓について6.69(0.08)のlog10CFUを有していた。22日に、INHで治療された群は、肺について5.29(0.13)および脾臓について4.27(0.25)のlog10CFUを有していた。22日に、Eで治療された群は、肺について5.27(0.12)および脾臓について4.27(0.25)のlog10CFUを有していた。22日に、Nで治療された群は、肺について5.51(0.09)および脾臓について2.42(0.48)のlog10CFUを有していた。
【0360】
本明細書中で記載する実施例および実施形態は、単に例示目的のためであり、本明細書を考慮すると種々の修正または変更が当業者には示唆され、本出願の主旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれると理解される。本明細書中で引用される全ての刊行物、特許、特許出願は、全ての目的についてその全体が参照することによって本明細書中に組み込まれる。
(付記)
(付記1)
【化122】
または
【化123】
または
【化124】
(式中、R3は、置換もしくは非置換ニトロアルキルまたは置換もしくは非置換アミノアルキルであり、
R4は、ハロゲン、非置換アルキル、非置換アルコキシ、および非置換フェニルからなる群から選択され、
Yは、OまたはSであり、
R5は、置換もしくは非置換アルキルおよび置換もしくは非置換ヘテロアルキルからなる群から選択される)
である構造を有する化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物。
(付記2)
【化125】
または
【化126】
または
【化127】
(式中、C*は、(R)または(S)の立体配置を有する炭素原子立体中心である)である構造を有する、請求項1記載の化合物。
(付記3)
【化128】
(式中、C*は、(R)または(S)の立体配置を有する炭素原子立体中心である)
である構造を有する、付記1記載の化合物。
(付記4)
C*立体中心が(S)立体配置である、付記2記載の化合物。
(付記5)
R3が−CH2NH2である、付記1記載の化合物。
(付記6)
R4が、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素からなる群から選択される、付記1記載の化合物。
(付記7)
YがOである、付記1記載の化合物。
(付記8)
R5が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびsec−ブチルからなる群から選択される、付記1記載の化合物。
(付記9)
R3が−CH2NH2であり、R4がハロゲンである、付記1記載の化合物。
(付記10)
R3が−CH2NH2であり、R4が塩素であり、YがOであり、R5が置換もしくは非置換アルキルである、付記1記載の化合物。
(付記11)
組成物であって、
a)付記2記載の化合物の第1立体異性体と、
b)第1立体異性体の少なくとも1つのさらなる立体異性体と
を含み、
前記立体異性体が、前記少なくとも1つのさらなる立体異性体に対して少なくとも80%エナンチオマー過剰で存在する、組成物。
(付記12)
付記1記載の化合物、またはその薬剤的に許容される塩を、少なくとも1つの他の治療活性剤と共に含む組み合わせ。
(付記13)
a)付記1記載の化合物、またはその薬剤的に許容される塩と、
b)薬剤的に許容される賦形剤と、
を含む、医薬製剤。
(付記14)
酵素を阻害する方法であって、酵素を付記1記載の化合物と接触させ、それによって酵素を阻害することを含む、方法。
(付記15)
微生物を殺滅および/または微生物の成長を防止する方法であって、
前記微生物を有効量の付記1記載の化合物と接触させ、それによって、微生物を殺滅および/または微生物の成長を防止すること
を含む、方法。
(付記16)
動物における疾患を治療および/または防止する方法であって、
治療有効量の付記1記載の化合物、またはその薬剤的に許容される塩を前記動物に投与し、それによって前記疾患を治療および/または防止すること
を含む、方法。
(付記17)
前記疾患が結核である、付記16記載の方法。
(付記18)
動物がヒトである、付記16記載の方法。
(付記19)
t−RNAシンセターゼの編集ドメインを阻害する方法であって、
前記シンセターゼを有効量の付記1記載の化合物、またはその薬剤的に許容される塩と接触させ、それによって前記シンセターゼを阻害することを含む、方法。
(付記20)
付記1記載の化合物または付記12記載の組み合わせまたはその薬剤的に許容される塩の、細菌感染症の治療および/または予防のための薬物の製造における使用。