(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、あらかじめ形成された挿通孔101は、敷設された鉄筋120の間隔が施工現場毎に異なるため、鉄筋120に隣接する位置にあるとは限らない。したがって、
図5に示されるように、一部の挿通孔101は鉄筋120から離れた位置にあるため、結束線110によって止水板100を鉄筋120に取り付けるのが難しく、それによってコンクリート構造物の打継部に止水板100を配置することが困難である。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、コンクリート構造物の打継部に容易に配置可能な止水板と、止水板を用いた止水構造と、止水板を用いた止水工法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の止水板は、2つのコンクリート層の間に延びる打継部に設けられ、前記打継部を通して水が進行するのを抑制するために使用される止水板であって、格子状に形成され、複数の貫通孔を有する補強層と、前記補強層を被覆する粘着層とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記粘着層には、前記補強層の格子に沿った凹凸が形成されることが好ましい。
【0009】
また、前記補強層が、第1の方向に延びる複数の第1の棒状部材と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延びる複数の第2の棒状部材とを備え、前記複数の第1の棒状部材が、前記複数の第2の棒状部材の上に配置されることが好ましい。
【0010】
本発明の止水構造は、第1のコンクリート層と、前記第1のコンクリート層に打ち継がれる第2のコンクリート層と、前記第1のコンクリート層と前記第2のコンクリート層との間に延びる打継部に交差するように配置される上記止水板とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の止水工法は、上記止水板を用いた止水工法であって、間隔を空けて複数の鉄筋を敷設する工程と、敷設された前記複数の鉄筋のそれぞれに隣接して、前記止水板の補強層の貫通孔に沿って前記止水板に挿通孔を設ける工程と、前記挿通孔に挿通した結束線を前記複数の鉄筋のそれぞれに結束し、前記止水板を前記複数の鉄筋に取り付ける工程と、第1のコンクリート層を前記止水板の中間領域近傍まで打設する工程と、前記第1のコンクリート層に隣接して第2のコンクリート層を打設し、前記第1のコンクリート層に前記第2のコンクリート層を打ち継ぐ工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンクリート構造物の打継部に容易に配置可能な止水板と、止水板を用いた止水構造と、止水板を用いた止水工法とを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る止水板、止水板を用いた止水構造、および止水板を用いた止水工法について説明する。ただし、以下で説明する実施形態は、あくまで一例であり、本発明の止水板、止水構造および止水工法は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
本実施形態の止水板1は、
図1に示されるように、2つのコンクリート層C1、C2の間に延びる打継部Jに設けられ、打継部Jを通して水が進行するのを抑制するために用いられる。以下では、本実施形態の止水板1を用いた止水構造Wを例に挙げて止水板1を説明するが、本発明の止水板1は、以下の例に限定されることはなく、打継部Jを通して水が進行するのを抑制することが必要な他の用途にも用いることができる。
【0016】
本実施形態の止水構造Wは、
図1に示されるように、第1のコンクリート層C1と、第1のコンクリート層C1に打ち継がれる第2のコンクリート層C2と、第1のコンクリート層C1と第2のコンクリート層C2との間に延びる打継部Jに交差するように配置される止水板1とを備えている。止水構造Wは、コンクリート構造物に適用されて、コンクリート構造物の外部から内部へ打継部Jを通して水が進入するのを抑制する。止水構造Wが適用されるコンクリート構造物としては、2つのコンクリート層C1、C2の間に打継部Jが形成されるコンクリート構造物であれば、特に限定されることはなく、たとえば地下構造物、擁壁、橋脚、橋台、ビルなどが例示される。
【0017】
止水構造Wは、本実施形態では、後に形成される打継部Jの延びる方向に対して交差するように止水板1が保持された状態で、第1のコンクリート層C1が止水板1の中間領域近傍まで打設され、第1のコンクリート層C1が硬化した後、第2のコンクリート層C2が第1のコンクリート層C1上に打設されて打ち継がれることで形成される。止水構造Wは、本実施形態では、
図1に示されるように、第1および第2のコンクリート層C1、C2を補強するために、互いに間隔を空けて敷設される複数の鉄筋Rをさらに備えている。止水板1は、第1および第2のコンクリート層C1、C2が打設される前に、この補強用の鉄筋Rに結束線Bを介して取り付けられて保持される。ただし、止水板1は、打継部Jに配置されるように保持されればよく、鉄筋R以外の部材に保持されても構わない。
【0018】
第1および第2のコンクリート層C1、C2は、特に限定されることはなく、たとえば公知のコンクリート材料により形成される。第1および第2のコンクリート層C1、C2は、互いの間に打継部Jが形成されるように、互いに隣接して配置される。第1および第2のコンクリート層C1、C2は、本実施形態では、互いに時間間隔を空けて打設されるために、互いの間に打継部Jが形成される。ただし、第1および第2のコンクリート層C1、C2は、互いの間に打継部Jが形成されるように互いに隣接して設けられれば、その構成材料や打設方法は特に限定されることはない。
【0019】
鉄筋Rは、第1および第2のコンクリート層C1、C2の補強用として敷設される部材である。鉄筋Rの敷設される間隔や数は、第1および第2のコンクリート層C1、C2に要求される強度に応じて、適宜設定される。また、鉄筋Rは、第1および第2のコンクリート層C1、C2を補強する強度を有していれば、特に限定されることはなく、たとえば公知の鉄筋が用いられる。
【0020】
結束線Bは、止水板1を鉄筋Rに結束して保持させるための部材である。結束線Bは、コンクリート層C1、C2を打設する際のコンクリート流動により止水板1が力を受けても、止水板1を鉄筋Rに保持させることができれば、特に限定されることはなく、たとえば公知の番線などを用いることができる。
【0021】
止水板1は、2つのコンクリート層C1、C2の間に延びる打継部Jに設けられ、打継部Jを通して水が進行するのを抑制する。止水板1は、本実施形態では、
図1に示されるように、全体として略板状に形成され、打継部Jの延びる方向に対して板表面が交差するように2つのコンクリート層C1、C2に埋設される。ただし、止水板1は、打継部Jを通して水が進行するのを抑制できればよく、その形状や配置は特に限定されない。
【0022】
止水板1は、
図1、
図2C、
図2Dに示されるように、補強層2と、補強層2を被覆する粘着層3とを備えている。止水板1は、図示されてはいないが、2つのコンクリート層C1、C2に埋設される前に、粘着層3の表面に公知の離型紙が設けられていてもよい。
【0023】
補強層2は、粘着層3を支持するとともに、止水板1に剛性を付与する。補強層2は、あらかじめ止水板1が複数の鉄筋Rに保持された後、第1および第2のコンクリート層C1、C2が打設される際に、コンクリート流動によって止水板1が変形するのを抑制する。補強層2は、
図3A〜
図3Cに示されるように、格子状に形成され、複数の貫通孔21を有している。補強層2が、格子状に形成され、複数の貫通孔21を有することにより、止水板1の必要な場所またはその近傍に、挿通孔11(
図4参照)を容易に設けることができる。したがって、止水板1には、
図4に示されるように、たとえば施工現場であっても、複数の鉄筋Rのそれぞれに隣接した位置に挿通孔11を容易に設けることができる。挿通孔11が鉄筋Rに隣接することで、挿通孔11に挿通される結束線Bを鉄筋Rに容易に結束することができるので、止水板1を鉄筋Rに容易に取り付けることができ、それによって打継部Jに止水板1を容易に配置することができる。さらに、補強層2は、格子状に形成され、複数の貫通孔21を有することで、中実の板状に形成される場合と比べて、切断や曲げなどの加工が容易で、施工現場毎に適した形状に容易に変形することができる。
【0024】
補強層2は、本実施形態では、
図3A〜
図3Cに示されるように、第1の方向D1に延びる複数の第1の棒状部材22と、第1の方向D1と交差(図示された例では直交)する第2の方向D2に延びる複数の第2の棒状部材23とを備えている。複数の第1および第2の棒状部材22、23が格子状に配置されることで、補強層2が格子状に形成され、第1および第2の棒状部材22、23のそれぞれの間に貫通孔21が形成される。本実施形態では、複数の第1および第2の棒状部材22、23は、それぞれ互いに等間隔に配列され、略四角形の輪郭を有する貫通孔21が形成されている。ただし、複数の第1および第2の棒状部材22、23は、格子状に配置されていれば、本実施形態に限定されることはなく、それぞれ互いに異なる間隔を有していてもよいし、第1および第2の方向D1、D2が直線状ではなく曲線状であっても構わない。また、本実施形態では、複数の第1の棒状部材22は、複数の第2の棒状部材23の上に配置されている。つまり、複数の第1の棒状部材22は、複数の第2の棒状部材23の、第1および第2の方向D1、D2に直交する第3の方向D3の一方側に配置されている。したがって、第1の棒状部材22が配置される補強層2の一方の面側(
図3B中、左側)では、第2の棒状部材23に対して、第1の棒状部材22の第3の方向D3の高さ分だけ段差が生じ、第2の棒状部材23が配置される補強層2の他方の面側(
図3C中、下側)では、第1の棒状部材22に対して、第2の棒状部材23の第3の方向D3の高さ分だけ段差が生じている。それにより、後に詳しく述べるように、補強層2を粘着層3で被覆した際に、粘着層3の凹凸が大きくなる(凹部31と凸部32の高低差が大きくなる、
図2Cおよび
図2D参照)。ただし、複数の第1および第2の棒状部材22、23は、格子状に配置されていればよく、互いに第3の方向D3で同一高さ(同一平面上)に配置されても構わない。
【0025】
補強層2を形成する第1および第2の棒状部材22、23は、棒状に形成されていれば、その断面形状は特に限定されることはなく、任意の断面形状を有していてもよい。本実施形態では、第1の棒状部材22は、
図3Bに示されるように、断面が略円形の略円柱状に形成され、第2の棒状部材23は、
図3Cに示されるように、断面が略四角形の略四角柱状に形成される。補強層2が粘着層3で被覆された状態を示す
図2Cと
図2Dとを比べるとよく理解できるように、棒状部材が略円柱状に形成されることで(
図2C)、略四角柱状に形成される場合(
図2D)と比べて、粘着層3が棒状部材の外縁に沿って湾曲しやすくなるため、粘着層3に形成される凹凸がより大きくなる。
【0026】
補強層2を形成する第1および第2の棒状部材22、23の径や互いの間隔は、特に限定されることはなく、補強層2に必要な強度や必要な貫通孔の大きさなどに応じて適宜設定することができる。たとえば、第1の棒状部材22の略円形断面の直径は、1.0〜3.0mmが好ましく、1.4〜2.6mmがより好ましく、1.8〜2.2mmがさらに好ましい。第2の棒状部材23の略四角形断面の一辺は、1.0〜3.0mmが好ましく、1.4〜2.6mmがより好ましく、1.8〜2.2mmがよりさらに好ましい。また、格子状に形成される補強層2の目合いは、5〜20mm×5〜20mmであることが好ましく、7〜16mm×7〜16mmであることがより好ましく、9〜12mm×9〜12mmであることがよりさらに好ましい。
【0027】
補強層2は、コンクリート流動による止水板1の変形を抑制できる剛性を有していれば、構成材料は特に限定されることはなく、たとえば高密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)などの樹脂や、亜鉛や鉄などの金属などにより構成される。その中でも、軽量化や加工性の観点から、高密度ポリエチレンを好適に採用することができる。
【0028】
粘着層3は、2つのコンクリート層C1、C2に粘着して、打継部Jを通して水が流れるのを抑制する。粘着層3は、
図2A〜
図2Dに示されるように、補強層2の貫通孔21(
図3A参照)を含めて、補強層2を被覆する。粘着層3は、補強層2とともに2つのコンクリート層C1、C2の間の打継部Jに配置されることで、2つのコンクリート層C1、C2に粘着して、打継部Jを通して水が流れるのを抑制する。粘着層3は、本実施形態では、略均一の膜厚を有するフィルム状に形成され、補強層2の両面に貼付される。粘着層3は、本実施形態では補強層2の両面の全部を被覆しているが、少なくとも打継部Jの位置に対応する補強層2の部分を被覆することができればよく、補強層2の片面だけを被覆してもよいし、打継部Jの位置に対応する一部のみを被覆してもよい。また、粘着層3は、補強層2を被覆することができれば、その膜厚は均一でなくてもよい。
【0029】
粘着層3には、本実施形態では、
図2A〜
図2Dに示されるように、補強層2の格子に沿った凹凸が形成される。粘着層3は、表面に凹凸が形成されることで、平坦に形成される場合と比べて、表面積が増加し、コンクリート層C1、C2との粘着力が向上する。それによって、粘着層3は、打継部Jを通した水の進行をより抑制することができる。
【0030】
本実施形態では、上述したように、補強層2の複数の第1の棒状部材22が、複数の第2の棒状部材23の上に配置されている(
図3A〜
図3C参照)。それによって、粘着層3は、第1および第2の棒状部材22、23が互いに第3の方向D3で同一高さ(同一平面上)に配置される場合と比べて、形成される凹凸がより大きくなる(凹部31と凸部32の高低差がより大きくなる、
図2Cおよび
図2D参照)。粘着層3の凹凸がより大きくなることによって、粘着層3の表面積がより増加するので、粘着層3とコンクリート層C1、C2との粘着力がより向上し、打継部Jを通した水の進行をより抑制することができる。
【0031】
粘着層3は、補強層2の複数の第1の棒状部材22が、複数の第2の棒状部材23の上に配置されることで、補強層2の第1の棒状部材22が配置される一方の面側において、
図2Aに示されるように、第1の方向D1に延びる第1の棒状部材22に沿って凹凸が形成される。また、粘着層3は、補強層2の第2の棒状部材23が配置される他方の面側において、
図2Bに示されるように、第2の方向D2に延びる第2の棒状部材23に沿って凹凸が形成される。このように、止水板1の表裏面において一方向に延びる凹凸が形成されることで、表裏面の粘着層3、3の間の空気が抜けやすくなって、表裏面の粘着層3、3の間に空気が溜まるのが抑制される。また、上述したように、本実施形態では、止水板1の表裏面の粘着層3、3に、互いに交差する方向に延びる凹凸が形成される。ここで、粘着層3が一方向に延びる凹凸を有する場合、粘着層3とコンクリート層C1、C2との粘着面では、粘着層3の凹凸の延びる方向よりも、粘着層3の凹凸の延びる方向に対して交差する方向の方が、受けるせん断応力に対して大きな対抗力を有する。本実施形態では、止水板1の表裏面で、粘着層3、3の凹凸の延びる方向が交差しているので、止水板1の表裏面で交差する方向のせん断応力に対抗することができ、粘着層3とコンクリート層C1、C2との粘着力を向上させることができる。
【0032】
粘着層3は、
図2C、
図2Dに示されるように、補強層2の第1の棒状部材22が略円柱状に形成され、第2の棒状部材23が略四角柱状に形成されることで、第1の棒状部材22が設けられる一方の面側(
図2C中、左側)の方が、第2の棒状部材23が設けられる他方の面側(
図2D中、下側)よりも、形成される凹凸が大きい。このように、補強層2の第1の棒状部材22と第2の棒状部材23との断面形状を異ならせることにより、止水板1の表裏面の粘着層3の凹凸の大きさを異ならせることができる。たとえば、
図1に示されるように、略円柱状の第1の棒状部材22が設けられ、粘着層3の凹凸が相対的に大きい止水板1の一方の面側(
図1中、左側)を、外部から打継部Jを通して水が進入してくる側(
図1中、左側)に配置することで、水が進入してくる側において粘着層3とコンクリート層C1、C2との粘着力をより向上させ、打継部Jを通した水の進行をより効果的に抑制することができる。
【0033】
粘着層3を構成する材料は、コンクリートと粘着する粘着性を有する材料が用いられる。粘着性を有する材料としては、特に限定されることはなく、非加硫ブチルゴムなどが好適に用いられる。また、粘着層3は、補強層2の貫通孔21を含めて補強層2を被覆することができればよく、その厚さは特に限定されることはないが、止水板1がコンクリート層C1、C2に埋設される際に打継部Jの近傍において孔が形成されるのを抑制する耐圧性を有していることが好ましい。たとえば、粘着層3の厚さは、0.4mm以上であることが好ましく、0.6mm以上であることがより好ましく、0.8mm以上であることがよりさらに好ましい。
【0034】
つぎに、本実施形態の止水板を用いた止水工法について説明する。ただし、本発明の止水工法は、以下の説明に限定されることはない。
【0035】
本実施形態の止水工法は、上述した止水板1を用いた止水工法である。止水工法は、2つのコンクリート層C1、C2の間の打継部Jを通して水が進行するのを抑制するために用いられる。
【0036】
止水工法は、
図1および
図4に示されるように、間隔を空けて複数の鉄筋Rを敷設する工程を含んでいる。鉄筋Rは、後に打設されるコンクリート層C1、C2を補強するために敷設される。敷設される鉄筋Rの間隔や数は、特に限定されることはなく、要求されるコンクリート層C1、C2の強度などに応じて適宜設定される。
【0037】
止水工法はまた、
図4に示されるように、敷設された複数の鉄筋Rのそれぞれに隣接して、止水板1の補強層2の貫通孔21(
図3A参照)に沿って止水板1に挿通孔11を設ける工程を含んでいる。補強層2が、格子状に形成され、複数の貫通孔21を有しているので、止水板1に対して、敷設された鉄筋Rに隣接する位置に、容易に挿通孔11を設けることができる。
【0038】
止水工法はまた、
図4に示されるように、止水板1の挿通孔11に挿通した結束線Bを複数の鉄筋Rのそれぞれに結束し、止水板1を複数の鉄筋Rに取り付ける工程を含んでいる。止水板1の挿通孔11が、鉄筋Rに隣接した位置に設けられているので、結束線Bを鉄筋Rに結束しやすく、止水板1を鉄筋Rに容易に取り付けることができる。
【0039】
止水工法はまた、
図1に示されるように、第1のコンクリート層C1を止水板1の中間領域近傍まで打設する工程と、第1のコンクリート層C1に隣接して第2のコンクリート層C2を打設し、第1のコンクリート層C1に第2のコンクリート層C2を打ち継ぐ工程とを含んでいる。第1のコンクリート層C1が打設されて、第1のコンクリート層C1が硬化された後、第2のコンクリート層C2が打ち継がれることで、第1のコンクリート層C1と第2のコンクリート層C2との間に打継部Jが形成される。そして、止水板1の中間領域近傍まで第1のコンクリート層C1が打設されて、その後に第2のコンクリート層C2が打設されることで、第1および第2のコンクリート層C1、C2に止水板1が埋設されて、打継部Jに止水板1が設けられる。打継部Jに設けられる止水板1の粘着層3は、第1および第2のコンクリート層C1、C2と粘着することで、打継部Jを通して水が進行するのを抑制する。
【解決手段】本発明の止水板は、2つのコンクリート層C1、C2の間に延びる打継部Jに設けられ、打継部Jを通して水が進行するのを抑制するために使用される止水板1であって、格子状に形成され、複数の貫通孔21を有する補強層2と、補強層2を被覆する粘着層3とを備えることを特徴とする。また、本発明の止水構造は、第1のコンクリート層C1と、第1のコンクリート層C1に打ち継がれる第2のコンクリート層C2と、第1のコンクリート層C1と第2のコンクリート層C2との間に延びる打継部Jに交差するように配置される上記止水板1とを備えることを特徴とする。