(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、スクリューコンベア型ディスペンサーの1実施態様を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、スクリューコンベア型ディスペンサーを示す分解図である。
【
図3】
図3は、スクリューコンベア型ディスペンサーを示す上面図である。
【
図4】
図4は、鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベア型ディスペンサーの1実施態様を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベア型ディスペンサーを示す分解図である。
【
図6】
図6は、鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベア型ディスペンサーを示す断面図である。
【
図7】
図7は、水平方向及び鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベア型ディスペンサーを示す斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の1態様に基づく錠剤ディスペンサー及び錠剤ボトルを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8の錠剤ディスペンサー及び錠剤ボトルを示す分解図である。
【
図10】
図10は、本発明の別の実施態様に基づく、複数の錠剤ディスペンサー及び錠剤ボトルを示す斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の1態様に基づく錠剤ディスペンサー及び錠剤ボトルを示す斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の1態様に基づく錠剤ディスペンサー及び錠剤ボトルを示す斜視図である。
【
図16】
図16は、
図13の錠剤ディスペンサー及び錠剤ボトルの開位置を、錠剤を含む状態で示す斜視図である。
【
図17】
図17は、機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーを示す斜視図である。
【
図18】
図18は、機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーを作動位置で示す斜視図である。
【
図19】
図19は、電気機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーを示す斜視図である。
【
図20】
図20は、電気機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーを示す分解図である。
【
図21A】
図21Aは、電気機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーの作動を示す破断図である。
【
図21B】
図21Bは、電気機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーの供給角度を示す破断図である。
【
図22】
図22は、トレイキャッチを有する機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーを示す斜視図である。
【
図23】
図23A〜Cは、
図11の錠剤ディスペンサー及び錠剤ボトルを、錠剤ディスペンサーの開位置及び閉位置で示す斜視図である。
【
図24A】
図24Aは、
図13の錠剤ディスペンサー及び錠剤ボトルを、錠剤ディスペンサーの開位置で示す上面図である。
【
図24B】
図24Bは、
図13の錠剤ディスペンサー及び錠剤ボトルを、錠剤ディスペンサーの閉位置で示す側方斜視図である。
【
図26A】
図26Aは、水平方向及び鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベア型ディスペンサーを示す正面図である。
【
図26B】
図26Bは、水平方向及び鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベア型ディスペンサーを示す斜視図である。
【
図27】
図27は、水平方向に積み重ねられたタンブラー型錠剤ディスペンサーを示す斜視図である。
【
図28】
図28A〜Dは、錠剤ディスペンサー制御システムのスケジューリングに関するパーソナルデバイスのスクリーンショットである。
【
図29】
図29は、錠剤特定の論理カテゴリダイヤグラムである。
【
図30A】
図30Aは、平面状のトラベル用容器構造を有する、水平方向に積み重ね可能なスクリューコンベアを示す斜視図である。
【
図30B】
図30Bは、取り外し可能且つスライド可能なトラベル用容器構造を有する、水平方向に積み重ね可能なスクリューコンベアを示す斜視図である。
【
図31】
図31は、照明を有する鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベアを示す側面図である。
【
図32】
図32は、複数のタンブラー型錠剤ディスペンサーと、ユニット間で電力及びデータを共有するための接続点と、を示す斜視図である。
【
図33】
図33は、照明を有する電気機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーを示す破断図である。
【
図34】
図34は、複数のタンブラー型錠剤ディスペンサーと、マスターユニットとを示す斜視図である。
【
図35】
図35は、複数のタンブラー型錠剤ディスペンサーと、マスターユニットとを示す分解図である。
【
図36】
図36は、複数のタンブラー型錠剤ディスペンサーと、取り外し可能なトラベル用容器を有するマスターユニットとを示す斜視図である。
【
図37】
図37A〜Dは、パーソナルデバイスと錠剤ディスペンサーとの間の種々の通信シナリオを示す図である。
【
図38A】
図38Aは、変調のためのスイッチを有するパーソナルデバイスとの通信シナリオを示す図である。
【
図38B】
図38Bは、錠剤キャップディスペンサーとパーソナルデバイスとの通信シナリオを示す図である。
【
図39】
図39は、パーソナルデバイスと錠剤ディスペンサーシステムとの間のセキュリティシナリオを示す図である。
【
図40】
図40は、自動錠剤特定の論理ダイヤグラム、及びラマン分光法グラフを示す。
【
図41】
図41は、スクリューコンベア型錠剤ディスペンサーを、錠剤容器の角度とともに示す側面図である。
【
図42】
図42は、スクリュー型錠剤容器が一体化された別のスクリューコンベア型ディスペンサーを示す斜視図である。
【
図43A】
図43Aは、一体化された錠剤識別子と、これを読み取るためのシステムと、を有する錠剤容器を示す図である。
【
図44】
図44は、錠剤容器、錠剤ディスペンサー、及びパーソナルデバイスの間の、インターネットを含む通信経路を示す図である。
【
図45】
図45は、スクリューコンベア型ディスペンサーと一緒に使用するための3つの異なるサイズのスコップを示す斜視図である。
【
図46】
図46は、ディスペンサーのための制御システムを示すブロック線図である。
【
図47】
図47は、ディスペンサーのための制御システム、及びデバイスのための制御システムを示すブロック線図である。
【
図48】
図48は、本発明の別の態様に基づく錠剤ディスペンサーを示す斜視図である。
【
図51】
図51は、スクリューコンベア型ディスペンサーと一緒に使用するための調節可能なスコップを示す斜視図である。
【
図52】
図52は、取り外し可能なシール部材を有する錠剤容器を示す斜視図である。
【
図53】
図53は、本発明の別の態様に基づく、水平方向及び鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベア型ディスペンサーと、トラベル用錠剤容器と、を示す図である。
【
図55】
図55は、本発明の別の態様に基づく、水平方向及び鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベア型ディスペンサーと、取り外し可能なトレイと、を示す図である。
【
図57】
図57は、トラベル用錠剤容器を充填するために
図55の取り外し可能なトレイを使用することを示す図である。
【
図58】
図58は、本発明の別の態様に基づく錠剤ディスペンサーを示す斜視図である。
【
図62】
図62は、
図58の錠剤ディスペンサーを、プッシュバーが持ち上げられた供給位置にある状態で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、供給される錠剤の数を調整又は制限し得る種々の手動、半自動、及び自動ディスペンサーに関する。本発明の1つの態様は、スクリューコンベア・スコップ型ディスペンサーに関する。本発明の別の態様は、ラチェット・スコップ型ディスペンサーに関する。本発明のさらに別の態様は、プッシュ操作式ディスペンサーに関する。本発明のさらに別の態様は、捩り操作式ディスペンサーに関する。本発明のさらに別の態様は、フリップ操作式ディスペンサーに関する。
【0019】
本発明は概ね錠剤の定量供給という文脈において説明されるが、言うまでもなく、ディスペンサーは、本質的に任意の物品、又は錠剤サイズの品目を供給するように形成することができる。例えば、ディスペンサーは種々異なる物品、例えば錠剤、カプセル剤、タブレット剤、カプレット剤、キャンディ、及び類似の形状のその他の品目、例えばカプセル形物品、楕円形物品、球形物品、菱形物品、又はSTD Cupを定量供給することができる。いくつかの例を挙げると、ディスペンサーはマルチビタミン、心拍薬、糖尿病薬、ビタミンC錠剤、Nutrilite Double X、Nutrilite Vitamin C Plus、Nutrilite Cal Mag D Advanced、Nutrilite Natural B Complex、Nutrilite Lecithin-E Chewables、Nutrilite Vision Health w/Lutein、Nutrilite Glucosamine 7、又は他のサプリメントを定量供給することができる。
【0020】
ディスペンサーは、種々の構成部分を備えた制御システムを含んでよい。例えばいくつかの実施態様は、
図46又は47に示されているように、コントローラ1002と、センサーシステム1004と、通信システム1006と、入力部1010と、出力部1008と、電源又は電源コネクタ1012とを含んでいてよい。制御システム1000は、自動供給、半自動供給、セキュリティ、通信、錠剤特定、ユーザー識別及びセキュリティ、通知、又は他の機能を可能にするように形成されていてよい。1つの実施態様では、制御システムは、単一の錠剤又は所定数の錠剤を定量供給するように構成することができる。
【0021】
ディスペンサーは、モバイルデバイス、例えばスマートフォン、ラップトップ、又は体重管理デバイスと通信することができる。デバイスは制御システム1020を含んでいてよい。例えば制御システムはセンサーシステム1024と、通信システム1022と、電源又は電源コネクタ1032とを含んでいてよい。
【0022】
ディスペンサーの多種多様な実施態様を以下に論じる。その後で、種々の構造内に組み入れることができる数多くの特徴を論じる。
【0023】
I. スクリューコンベア型ディスペンサー
【0024】
電気機械的なスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーに関する本発明の1つの態様のいくつかの実施態様が
図1〜7、26A〜26B、30〜31、41〜42、45、及び47に示されている。
図1〜3及び41は、スクリューコンベア型錠剤ディスペンサーの1つの実施態様を示している。
図4〜6及び31は、鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーを示している。
図7、26A及び26Bは、水平方向及び鉛直方向に積み重ね可能なスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーの1つの実施態様を示している。
図30は、トラベル用錠剤容器と一緒に使用するための水平方向に積み重ね可能なスクリューコンベアの1つの実施態様を示している。
図42は、スクリュー型錠剤容器が一体化されたスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーの1つの実施態様を示している。
図45は、スクリューコンベア型錠剤ディスペンサーと一緒に使用するための種々異なるサイズのスコップを示している。
図51は、スクリューコンベア型錠剤ディスペンサーと一緒に使用するための調節可能なスコップを示している。
【0025】
図1〜3及び41に示されたスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーはベースカバー1と、モジュールキャップ2と、スクリューコンベア3と、錠剤容器キャップ4と、スコップ集成体5と、錠剤容器又はホッパ6と、ボタン7と、供給管8と、錠剤トレイ9とを含む。
【0026】
スクリューコンベア型錠剤ディスペンサーは電気的構成部分を含んでいてよい。例えば、
図46は、スクリューコンベア型錠剤ディスペンサーのいずれにも含むことができる電気的構成部分のブロック線図を示している。具体的にはディスペンサーは、コントローラ1002を含む制御システム1000と、センサーシステム1004と、通信システム1006と、出力部1008と、入力部1010と、電源又は電源コネクタ1012と、モーター1014とを含んでいてよい。電気的構成部分は回路基板上に含まれるか、又は線材を介して回路基板に接続されていてよい。
【0027】
作動中、スクリューコンベア型錠剤ディスペンサー又はベースユニットは、スクリュー3を回転させるためにDCモーターを利用する。スクリューが配向される角度に基づいて、1つ又は2つ以上の錠剤が、錠剤容器の、スクリュー側に乗り上げる。図示の実施態様では、おそらく
図41において最も良く示されているように、スクリューの角度はスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーのベースから42度であり、ベースユニットに対する錠剤容器の底部の角度は48度である。この角度は錠剤が出口穴の開口に向かって集まって、スコップ集成体が供給のために掬い上げる前に錠剤を供給する可能性を防止するのに充分である。この角度はまた、錠剤がスクリューを昇るのを保証するのに充分である。
【0028】
錠剤が錠剤容器6の上部に達すると、スコップ集成体5は錠剤を掬い、錠剤容器6の開口10を通して出口シュート8からこれを供給する。スコップ集成体5が2つ以上の錠剤を掬い取る場合、錠剤容器6の角度及び重力は、1つを除いて錠剤を落下させ錠剤容器6内へ戻す。スコップ集成体5がスクリュー軸線14を中心として回転して錠剤を供給するのに伴って、錠剤は錠剤容器6の開口10を通って供給管8内に出る。ここで錠剤はセンサー11(例えば光学センサー又はフォトアイ)の傍らを通る。センサーは錠剤を認識してモーターを停止するようにトリガする。
【0029】
現行の実施態様は光学センサーを利用するが、別の実施態様は、錠剤が供給されたことを見極めるために、異なるタイプのセンサーを利用することもできる。
【0030】
1つの実施態様では、錠剤が錠剤容器6を出て、センサー11の傍らを通る前に供給管8を下降するのにかかる時間は、スコップ集成体5が錠剤容器6の開口10の傍らを通過することにより、スコップ集成体壁16が錠剤容器6の開口10を覆うのにかかる時間にほぼ等しい。スコップ集成体壁16は錠剤容器6の開口10を覆い、そしてこれを閉じた状態でシールすることにより、錠剤容器6内の錠剤を新鮮に保つのを助け、そして錠剤の寿命及び有効性を保証するのを助けることができる。現行の実施態様では、錠剤の供給に応答してモーターが止まる時までにスコップ集成体壁16が錠剤容器6の開口10を実質的に覆うように、モーター速度を約45RPMとなるように選択することができる。
【0031】
1つの実施態様では、錠剤容器内に脱酸素剤又は酸素吸収剤を含むことにより、錠剤容器内の酸素濃度を除去又は低減するのを助けることができる。脱酸素剤又は酸素吸収剤は、錠剤とともにスクリューコンベアに乗り上げることのできるパケット内に設けられてよいが、しかしこれはそのサイズ及び形状に起因して供給されることはない。脱酸素剤又は酸素吸収剤の運動及び循環は、錠剤容器から酸素を除去するときにその効果を高め、その結果、錠剤の有効性を高めることができる。
【0032】
錠剤はセンサーの傍らを通り、錠剤トレイ9内へ供給される。センサーは、錠剤が供給されたことを伝達し、モーターを遮断させることができる。
【0033】
スクリューコンベア型錠剤ディスペンサーを、付加的なスクリューコンベア型錠剤ディスペンサー・モジュールと一緒に鉛直方向、水平方向、又は鉛直方向且つ水平方向に積み重ねることができる。
図4〜6は、鉛直方向に積み重ねられたスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーの1つの実施態様を示している。
図30は、水平方向に積み重ねられたスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーの1つの実施態様を示している。
図7、26A、及び26Bは、水平方向及び鉛直方向に積み重ねられたスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーの1つの実施態様を示している。
【0034】
積み重ね型の実施態様はそれぞれ1つ又は2つ以上のベース・スクリューコンベア型錠剤ディスペンサーと、1つ又は2つ以上のスクリューコンベア型錠剤ディスペンサー・モジュールとを含んでいる。ベース・スクリューコンベア型錠剤ディスペンサーは概ね、
図1〜3のスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーと関連して上述したものと同じ構成部分を含んでいる。いくつかの実施態様では、スクリューコンベア型錠剤ディスペンサー・モジュールと、ベースユニットとは供給シュート52を形成している。供給シュート52は、供給管8から錠剤ディスペンサー・トレイ9へ錠剤を誘導することができる。おそらく
図6において最も良く示されているように、錠剤は供給管8を下降してベース30又はモジュール32,34内に達することができる。それぞれのモジュール32,34は、次のモジュールへの滑らかな移行のために、次のモジュールと整列する。それぞれのモジュール及びベース集成体は、錠剤が通過したことを認識するためにフォトアイ又は他のセンサーを含んでいてよい。このことは、各モジュール及びベースのスコップ集成体5がそれぞれの錠剤容器をシールするのを可能にする。
【0035】
それぞれのモジュールはその固有の電源を含んでいてよく、あるいは、モジュールは1つのモジュールから次のモジュールへ電力を伝送するように形成することができる。こうして、集成体全体はベースユニット内の1つの電源コネクタ又は電源によって給電することができる。この構成を容易にするために、ベース・スクリューコンベア型錠剤ディスペンサー、及びモジュール・スクリューコンベア型錠剤ディスペンサーは、ベース間の、又はベースとモジュールとの間の電力及び/又は通信を伝送するための接点を含んでいてよい。おそらく
図5において最も良く示されているように、ベース30の上部に第1のモジュール32を積み重ねることにより、モジュール32に設けられた底部接点集合38がベース30に設けられた接点集合36と接触することができ、ベースとモジュールとの間を電力、通信、又は電力と通信とが通るのを可能にする。同様に、第2のモジュールに設けられた底部接点集合42は第1のモジュールに設けられた上部接点集合40と接触することができ、これにより第1のモジュールと第2のモジュールとの間を電力、通信、又は電力と通信とが通るのを可能にする。キャップ2は、第2のモジュールに設けられた上部接点集合44を覆うことができる。2つのモジュールが示されているが、別の実施態様では、第2のモジュールの上部に付加的なモジュールを積み重ねてよい。
【0036】
鉛直方向に積み重ねられた錠剤ディスペンサーを、
図7、26A、及び26Bに示されたように水平方向に積み重ねることもできる。図示の実施態様では、ベースユニットは両側に電気的接点2600又は無線電源コイルを含んでいてよく、これによりベースユニットを互いに隣接して設け、電量及び/又は通信を伝送することができる。
【0037】
図30Aに示された1つの実施態様の場合、いくつかのスクリューコンベア型ディスペンサーを平らな錠剤トレイ9と一緒に水平方向に積み重ねることにより、トラベル用錠剤容器に対応させる。操作中、トラベル用錠剤容器を平らな錠剤トレイ9の面上でスライドさせることにより、トラベル用錠剤容器のうちの1つに対する供給管8の出口を位置決めすることができる。トラベル用錠剤容器は供給管8の出口に対して水平方向にスライドさせることができるので、1週間分の錠剤を錠剤容器内へ容易に供給することができる。こうして、トラベル用錠剤容器を便利に充填することができる。
【0038】
図30Bは、トラベル用錠剤容器を加えることにより水平方向に拡張された電気機械的なスクリューコンベア型錠剤ディスペンサーを示している。トラベル用トレイの各日分を全週トレイから分離することができる。特定の日に対応する単一のトレイ区分をベース内へスライドさせることにより、ホッパから供給された錠剤を捕捉することができる。一日分トレイ(day tray)は、そのトレイの区画を開くようにスライドする蓋を有することができる。また、錠剤を捕捉するために一日分トレイがベース内へスライドしている間、ベース・トラベル用トレイカバーを押し戻して隠すこともできる。
【0039】
ここで
図53〜54を参照すると、平らな錠剤トレイ9を有する状態で、いくつかのスクリューコンベア型ディスペンサーを水平方向及び鉛直方向に積み重ねることにより、トラベル用錠剤容器200の実施態様に対応する。トラベル用錠剤容器200は供給管8の出口に対して水平方向にスライドさせることができるので、一週間分の錠剤をトラベル用錠剤容器200内へ容易に供給することができる。トラベル用錠剤容器200は、蓋を備えた複数の一日分錠剤容器(day pill containers)を有している。蓋をスライドして開くことにより、適切な一日分の錠剤を、一日分錠剤容器内へ供給することができる。
【0040】
図55〜57は、取り外し可能なトレイ210を含む、平らなトレイ209の別の実施態様を示している。取り外し可能なトレイ210は、ほぼその周囲に延びるリップ212を含む。取り外し可能なトレイ210はまたリップ212を貫通する切り欠き214と隆起ハンドル216部分とを含む。ホッパから供給された錠剤は、取り外し可能なトレイ210上に着地する。次いで、取り外し可能なトレイ210はハンドル216を使用して取り外すことができる。リップ212は、錠剤が取り外し可能なトレイ210からこぼれ落ちるのを防止するが、しかし切り欠き214を通してトラベル用錠剤容器内へ錠剤を注ぎ入れることができる。
【0041】
図31は、それぞれの錠剤ディスペンサーがLEDを使用して点灯し得ることを示している。下で詳述するように、それぞれのモジュールは個別に、どの錠剤が服用の準備ができているかを示し、あるいは長期間にわたって錠剤が服用されていない場合、それを示すことができる。
【0042】
いくつかの実施態様では、スクリューコンベアは錠剤容器と一体化することができる。例えば
図42に示されているように、錠剤容器150は容器の内面に沿ってスクリュー巻き体152と一緒に成形することができる。図示の実施態様では、錠剤容器150の底部はスクリュー軸154と嵌合又はロックするので、モーター(図示せず)がスクリュー軸154を駆動すると、錠剤容器全体が、ひいてはスクリュー巻き体152が回転する。図示の実施態様では、錠剤容器150は、成形キー底部154上でロックする成形キーソケット又はねじ山付きのドライブ156を含む。
【0043】
スクリューコンベアが旋回したときに錠剤容器が定置のままである
図1〜3とは異なり、この実施態様では、錠剤容器全体が、一体化されたスクリュー巻き体と一緒に回転する。この実施態様では、
図1〜3と同様に、内部螺旋錠剤ガイド又はスクリュー巻き体が回転するのに伴って、錠剤が、錠剤容器の上部に達するまで錠剤容器の縁部に沿ってスクリュー巻き体に乗り上げる。
【0044】
錠剤容器150は、錠剤容器カバー160と接続するためのねじ山又はスナップリング158を含んでいてよい。
図42の実施態様は、他の実施態様との関連で上述したように、錠剤が錠剤容器の上部に達するとともに錠剤を供給管162内へ供給するためのスコップ集成体を含んでよい。
【0045】
図45は、調節可能なスコップ集成体の1つの実施態様を示している。
図45の実施態様の場合、調節可能なスコップ集成体170は3つの異なるサイズのスコップ集成体を含んでいる。これらのスコップ集成体はスクリューコンベア軸の端部に選択的に設置することができる。第1のスコップ集成体172は、大型の錠剤を掬い上げるようにサイズ設定されたスコップ182を含み、第2のスコップ集成体174は、中型の錠剤を掬い上げるようにサイズ設定されたスコップ184を含み、そして第3のスコップ集成体176は、小型の錠剤を掬い上げるようにサイズ設定されたスコップ186を含む。図示の実施態様では、3つ全てのスコップ集成体が、錠剤が供給された後に錠剤容器をシールするためのスコップ集成体壁16を含んでいる。さらに、3つ全てのスコップ集成体は、スクリューコンベア軸と接続するためのソケットを含み、これによりスクリューコンベア軸が回転させられるとスコップ集成体も回転する。
【0046】
調節可能なスクリューコンベア集成体の別の実施態様が
図51に示されている。この実施態様では、スコップ集成体のスコップのサイズを調節することができる。図示の調節可能なスコップは、スクリューコンベア軸に被せ嵌められるようにサイズ設定されたソケット部分を含むので、スクリューコンベア軸が回転することにより、調節可能なスコップ集成体が回転する。調節可能なスコップ集成体は可動アーム2002を含む。可動アーム2002はスコップ2004の開口2004を貫通してスライドすることによって、スコップが受容することができる物品のサイズ又は形状を調節することができる。
【0048】
機械的又は電気機械的タンブラー型錠剤ディスペンサーに関する本発明の1つの態様のいくつかの実施態様が
図17〜22、27、及び32〜36に示されている。
図17〜18は、機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーの1つの実施態様を示している。
図22は、機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーの別の実施態様を示している。
図19〜21及び33は、電気機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーを示している。
図27及び32は、水平方向に拡張可能なタンブラー型錠剤ディスペンサーの1実施態様を示している。
図34〜36は、水平方向に拡張可能なタンブラー型錠剤ディスペンサーの別の実施態様を示している。
【0049】
図19は、電気機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーを、トレイ130が閉じられた状態で示している。錠剤ディスペンサーハウジングの蓋23、及び主ハウジング27はラベルを含んでいてよい。電気機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーは、錠剤を自動式又は半自動式に供給することができる。自動式の実施態様の場合、タンブラー型錠剤ディスペンサーは、デバイスと通信して近接検出時に錠剤を供給することができる制御システムを含んでよい。半自動式の実施態様の場合、タンブラー型錠剤ディスペンサーは、デバイスと通信してデバイスからの指示時に錠剤を供給することができる制御システムを含んでよく、あるいは、起動に応答して1つ又は2つ以上の錠剤を供給するようにモーター作動させるボタン又は他のアクチュエータを含んでもよい。
【0050】
おそらく、
図20の分解図に最も良く示されているように、電気機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーは、ハウジングの蓋23と、1つ又は2つ以上のポケット120を含む錠剤容器24と、開口122を含むシュラウド25と、大ギア26と、供給導管124を備えた主ハウジング27と、電動モーター28と、小ギア29と、可動トレイ30とを含む。蓋23は、錠剤と、タンブラー型錠剤ディスペンサーの内側構成部分とを捕捉する主ハウジング27にスナップ結合することができる。錠剤容器又はディッシュ24は、複数の錠剤を含んでよく、1つ又は2つ以上の錠剤を供給するために回転させることができる。シュラウド25は、錠剤容器24が放出位置まで回転させられるまで錠剤の供給を制限することができる。大ギアは錠剤容器24及び小ギア29と接続する。小ギア29は電動モーター28によって回転させられる。トレイ30は開閉のためにスライドすることができる。主ハウジング27は、錠剤が供給されたことを特定するためにフォトアイ又は他のセンサーを含んでよい。
【0051】
図21Aは、電気機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーの1つの実施態様がどのように機能するかを示している。操作中、モーター28は小ギア29を回転させる。小ギアは大ギア26を回転させる。大ギア26は錠剤容器24に固定されており、錠剤容器24を回転させる。図示の実施態様では、錠剤容器24の回転は、
図21Aに示されているように反時計回りである。錠剤容器24が回転するのに伴って、錠剤容器内の錠剤はタンブルし、最終的に1つ又は2つ以上の錠剤がポケット120内に入る。ポケット120は、特定のサイズ及び形状の錠剤に適合するようにサイズ設定することができる。例えば図示の実施態様ではポケット120は、単一の錠剤に適合するようにサイズ設定されている。別の実施態様では、ポケットは、そのタイプの錠剤の所期投与量と相応する、2つ又は3つ以上の錠剤に適合するようにサイズ設定することができる。錠剤容器24が回転するのに伴って、ポケット120内の錠剤はシュラウド壁25に当て付けられたポケット120を滑り降りる。錠剤容器24が回転してシュラウド25の開口122がポケット120と整合すると、錠剤が錠剤容器ポケット120の表面を滑り降り、シュラウド25の開口122を通って、そして供給導管124を通って供給トレイ30へ移動するのを、重力が支援する。シュラウド25の開口122の角度は
図21Bに示されている。現行の実施態様では、この131度の角度は、ポケット120からシュラウドの開口122を通って移動する錠剤の所望の移動を可能にするために選択された。別の実施態様では、異なる角度、より大きい又はより小さい角度が選択されてよい。
【0052】
タンブラー型錠剤ディスペンサーは、モーターによって操作する代わりに機械的に操作することができる。
図17〜18は、供給のために指操作式トリガ180を有する機械的タンブラー型錠剤ディスペンサーの実施態様を示している。トリガ180はキャッチ181を介してギア129に機械的にカップリングされているので、トリガ180の運動は、ギア29の回転をもたらし、最終的には、電気機械的実施態様におけるギア29の回転が錠剤の供給をもたらすのと同様に、錠剤を供給する。トリガ180は、いくつの放出位置又はポケット120が存在するかに応じて回転することができる。360度を放出位置の量で割り算すると、回転度を見極めることができる。
図22に示された機械的なタンブラー型錠剤ディスペンサーの別の実施態様の場合、トレイ1330は小ギア1329に機械的にカップリングされていることにより、トレイ1330のスライドがギア1329を回転させ、最終的には、電気機械的実施態様におけるギア1329の回転と同様に、錠剤が供給される。機械的カップリングはトレイ1330に設けられたキャッチ1301によって達成することができる。キャッチ1301は錠剤ディスペンサー内部の小ギア1329を引張り、ギアを手動で回転させる。
【0053】
1つの実施態様の場合、タンブラー型錠剤ディスペンサーは
図27及び32に示されているように水平方向に拡張することができる。
図27及び32は、多数の錠剤ディスペンサーをどのように互いに取り付け、接続することができるかを示している。例えば、錠剤ディスペンサーは、タンブラー型錠剤ディスペンサーを整合させるための物理的又は磁気的なカプラーを含んでよい。
【0054】
図示の実施態様では、錠剤ディスペンサーは同じプロフィール形状を共有するが、しかしより小さい/より大きい量/サイズの錠剤に適合するために、異なる深さを有するようにサイズ設定されている。すなわち、複数のタンブラー型錠剤ディスペンサーを水平方向に配列することにより、種々異なるタイプ又はサイズの錠剤に対応することができる。さらに、錠剤容器又はドラムは、タンブラー型錠剤ディスペンサー内へ挿入し得る使い捨て容器として別個に販売されてよい。タンブラー型錠剤ディスペンサー内で使用するための錠剤容器は、熱、収縮、真空、又はその他の形式でシールすることにより、錠剤の寿命及び有効性を改善することができる。
【0055】
1つの実施態様では、
図52に示されているように、錠剤容器2500はシール部材2502によって取り外し可能にシールされる。図示の実施態様では、取り外し可能なシール部材2502は、ポケット2520が配置された放出位置2504を覆い、また容器開口2506を覆う。図示の実施態様では、取り外し可能なシール部材2502は二部分シール部材である。このシール部材の第1の部分2510は容器2500の上部の開口2506を取り外し可能にシールし、このシール部材2512の別の部分は放出位置2504を取り外し可能にシールする。二部分シール部材は、容器が従来の錠剤容器、又はタンブラー型錠剤ディスペンサーと一緒に使用するための容器として使用されるのを可能にする。シール部材の第1の部分2510を取り外すことにより、ユーザーは錠剤容器に伝統的な形でアクセスすることができる。あるいは、シール部材2512の第2の部分、又はシール部材2512の第1の部分と第2の部分とを取り外すことにより、容器2500を錠剤ディスペンサー・タンブラー内に設置することができる。こうして、容器2500を従来の錠剤容器として、又はタンブラー型錠剤ディスペンサーのための錠剤容器として利用することができる。
【0056】
別の実施態様では、取り外し可能なシール部材2502は、容器の開口2506及び放出位置2504の両方をシールするワンピース型のシール部材であってよい。さらに別の実施態様では、容器は開口2506を含まなくてよく(例えば容器2500は錠剤容器の上部を覆う、固定された又は一体的な蓋を含んでよい)、そして容器は、放出位置2504を覆うシール部材によって取り外し可能にシールされてよい。シール部材はテープ、又はシール部材2512として
図52に示されているような別の取り外し可能なシール部材であり得る。錠剤ディスペンサーのポケットは、特定の錠剤、又は錠剤サイズのためのサイズ設定することができるが、しかしタンブラー型錠剤ディスペンサー全体、すなわちシュラウド、ハウジング、及びモーターと相互作用する。使用準備ができた中央モジュールにトラベル用トレイを貯蔵することができる。
【0057】
図27及び32のタンブラー型錠剤ディスペンサーは機械的又は電気機械的であり得る。
図32は、互いに並んで積み重ねることにより錠剤ディスペンサーが互いに接続し、そしてユニット間で電力及びデータを共有するための接続点として役立つ電気的接点32を有し得ることを示している。電気機械的な実施態様では、タンブラー型錠剤ディスペンサーはそれぞれ電源又は電力コネクタと、モーターとを含んでいてよい。あるいは、タンブラー型錠剤ディスペンサーは、タンブラー型錠剤ディスペンサー間で電力及び/又は通信を伝送するための電気的接点32又は無線電力ユニットを含んでもよい。電気的接点32はタンブラー型錠剤ディスペンサーの一方又は両方の側に含まれていてよい。
【0058】
図33は、どの錠剤を供給/消費するべきかを消費者に知らせるために、縁部に設けられたLED33又はライトパイプを介して、タンブラー型錠剤ディスペンサーの前縁を照明し得ることを示している。照明機能については、制御システムとの関連において下で詳述する。
【0059】
図34〜36は、マスターユニット1302と接続する複数のタンブラー型錠剤ディスペンサー1300を示している。タンブラー型錠剤ディスペンサー1300はマスターユニット1302のいずれの側にも積み重なることができる。マスターユニットは給電部又は電源との接続部を含んでいてよく、電気的接点を介して又は無線で錠剤ディスペンサー1300へ電力を渡すことができる。マスターユニット1302は、タッチスクリーン1304と、データ、例えば在庫、リマインダ、再注文、及び消費者プロフィールを記憶するためのメモリとを含むことができる。マスターユニットは、タンブラー型錠剤ディスペンサー1300、又は他のデバイスと、WiFi又はブルートゥース(登録商標)を介して接続することができる。
図35に示された1つの実施態様の場合、マスターユニット1302は、従属錠剤ディスペンサー容器と電気的接点1306を介して接続する。錠剤ディスペンサー1300及びマスターユニット1302の電気的接点1306は、電気的接点を介して電力を伝送することができ、そして磁石又はその他のコネクタを含むことにより錠剤ディスペンサーを所定の位置にロックすることができる。
図36は、マスターユニットの頂部に積み重ねられたトラベル用ケースを示している。タンブラーディスペンサーから供給された錠剤はトラベル用ケースへ好都合に移動させることができる。
【0060】
III. プッシュ操作式ディスペンサー
【0061】
本発明の1実施態様に基づく錠剤ディスペンサーが、
図8及び9において全体的に符号300で示されている。錠剤ディスペンサー300は従来の錠剤ボトル312と一緒に使用することを目的としており、一般的に言えば、プッシュ操作式錠剤ディスペンサーである。錠剤ボトル312は標準的であり、多数のカプセル剤、タブレット剤、錠剤などを含有していてよく、これらは本明細書中ではまとめて「錠剤」と呼ぶ。ボトル312は数多くの錠剤を含有していてよいが、錠剤ディスペンサー300は、一度に1つの錠剤を供給するように形成されている。
【0062】
錠剤ディスペンサー300は一般に、内側のシェル又はハウジング313と、外側のシェル又はハウジング316と、内側及び外側のハウジング313及び316の内部に封入された1つ又は2つ以上のばね314とを含む。内側ハウジング313は、ねじ山付きのネック320を含むほぼ箱形の部材である。ねじ山付きのネック320は、錠剤ボトル312の標準サイズの雄のねじ山の付いた瓶口321に解離可能にねじ嵌めすることができる。内側ハウジング313の側壁322は、内側ハウジング313のほぼ漏斗状の内部チャンバー326を介してネック320と連通する窓324を含む。
【0063】
内側ハウジング313はまた、内側ハウジング313の下側部分を閉鎖する下面328を含む。下面328の外側に、1つ又は2つ以上のばね314が取り付けられ、又は固定されている。模範的実施態様において、錠剤ディスペンサー300は4つのばね314を使用した状態で示されているが、しかし言うまでもなく、より多い又はより少ないばねを使用してもよい。下面328はこれを貫通する開口(図示せず)を有していてよく、その目的は後で説明する。
【0064】
外側ハウジング316は、内部に内側ハウジング313を受容するようにサイズ設定されたほぼ箱形の部材である。外側ハウジング316の側壁330は、ディスペンサー窓332と、ディスペンサー窓332の真下に位置決めされた錠剤出口棚(presentation ledge)334とを含む。外側ハウジング316のベース336から上方に向かってガイドポスト(図示せず)が延びており、ガイドポストは外側ハウジング316の内部に位置決めされている。
【0065】
錠剤ディスペンサー300の構成部分が集成されると、1つ又は2つ以上のばね314は内側ハウジング313の下面328と、外側ハウジング316のベース336とによって仕切られる。さらに、図示してはいないが、外側ハウジング316のガイドポストは内側ハウジング313の下面328の開口を通って延びている。
【0066】
使用時には、錠剤ディスペンサー300を錠剤ボトル312の瓶口321に被せ嵌める。次いで錠剤ボトル312を逆さまにして、錠剤ディスペンサー300のベース336を支持面、例えばテーブル又は棚上に、逆さまにした錠剤ボトル312が錠剤ディスペンサー300から上方へ延びる状態で置いてよい。この元の位置において、錠剤は錠剤ディスペンサー300の内部326内へ落下する。錠剤を供給するために、ユーザーは、錠剤ボトル312のベース336を支持面に押さえつけながら錠剤ボトル312を単に押し下げるだけである。錠剤ボトル312を押し下げることにより、内側ハウジング313を外側ハウジング316内へ押し下げ、封入された1つ又は2つ以上のばね314を圧縮する。内側ハウジング313が所定の位置へ押し下げられると、内側ハウジング313の窓324と外側ハウジング316のディスペンサー窓332とが整合させられることにより、錠剤が窓324及び332を通って落下することができ、外側ハウジング316の側壁330を通してユーザーがアクセスできるようになる。ガイドポスト(図示せず)は角度付き上面を含んでよく、これにより、ガイドポストは錠剤が窓324及び332内へ、そしてこれらの窓を通って落下するのを促す。さらに、内側ハウジング313の漏斗状内部326、及びガイドポストの角度付き表面は両方とも、整合させられた窓324及び332を通して錠剤をガイドするように働く。錠剤が供給されたら、ユーザーは錠剤ボトル312を解放することができ、そして圧縮された1つ又は2つ以上のばね314は内側ハウジング313を元の位置へ戻す。元の位置において、窓324及び332は整合させられず、これにより錠剤が供給されるのを防止する。錠剤ディスペンサー300を既存のボトル及び容器に対する改造キャップとして提供することができ、あるいは錠剤の販売時に提供することもできる。
【0067】
錠剤ディスペンサー300は方形の幾何学的形状を有するものとして示されてはいるものの、他の適宜な形状、例えば円形も考えられる。さらに、窓324及び332の適切なサイズ設定が錠剤の適切な供給を助けることを出願人は見いだしている。例えば、窓324及び332は、所期錠剤のサイズのほぼ110%〜150%であるようにサイズ設定されてよい。従って、錠剤ディスペンサー300のサイズ全体及びその外観の寸法を、錠剤ディスペンサー300と一緒に使用されることになっている特定の錠剤、タブレット剤、カプセル剤などのサイズに対してスケールアップ又はダウンさせることが考えられる。
【0068】
ここで
図9、10及び25を参照すると、別の実施態様によれば、複数の錠剤ディスペンサー300を互いに接合することにより、ディスペンサー群を形成することができる。この実施態様では、錠剤ディスペンサー300はまた磁石315を含む。磁石315は内側ハウジング313の互いに対向する側壁338に配置されている。また言うまでもなく、磁石315はその代わりに外側ハウジング316の側壁に、つまり外側ハウジング316の内側又は外側に位置決めすることもできる。
図10及び25に示されているように、複数の錠剤ディスペンサー300及びボトル312を整合させ、そして互いに磁気的に固定することにより、ディスペンサーの再構成可能なグループを形成することができる。
【0070】
本発明の1実施態様に基づく錠剤ディスペンサーが、
図11、12,及び23A〜Cにおいて全体的に符号400で示されている。錠剤ディスペンサー400は従来の錠剤ボトル412と一緒に使用することを目的としており、一般的に言えば、捩り操作式錠剤ディスペンサーである。錠剤ディスペンサー400は、一度に1つの錠剤を供給するように形成されている。
【0071】
錠剤ディスペンサー400は概ね、回転キャップ417と、ねじ山付きのカラー418と、回転漏斗419とを含んでいる。回転キャップ417は、供給窓424が貫通開口しているほぼディスク状の部材である。回転キャップ417の下面428は下方に向かって延びるポスト(図示せず)を含む。この目的は後で説明する。
【0072】
ねじ山付きのカラー418は、中間窓432と中心穴434とが貫通する上面430を含む。ねじ山付きのカラー418はまた、上面430の周囲から下方に懸吊するフランジ又はカラー436を含む。カラー436は錠剤ボトル412の標準サイズの雄のねじ山の付いた瓶口421に解離可能にねじ嵌めすることができる。
【0073】
回転漏斗419は中心ボス438と、外側フランジ440と、内部窓442とを含む。回転漏斗419はまた、外側フランジ440の下面446から内部窓442へ移行する漏斗444を含む。
【0074】
錠剤ディスペンサー400の構成部分が集成されると、ねじ山付きのカラー418は回転キャップ417と回転漏斗419との間に配置される。回転キャップ417のポスト(図示せず)は、ねじ山付きのカラー418の中心穴434を貫通し、回転漏斗419の中心ボス438内に受容される。ポスト、及び中心ボス438は、構成部分が集成されると供給窓424と内部窓442との位置が合っていることを確実にするために、位置合わせ機能を含んでいてよい。
【0075】
使用時には、錠剤ディスペンサー400は、錠剤ボトル412の瓶口421にねじ嵌めされる。ユーザーは回転キャップ417を旋回させてよい。この旋回は、回転漏斗419をも旋回させる。なぜならば、これら2つの構成部分はそれぞれのポストと中心ボス438とによって結合されているからである。回転キャップ417は3つ全ての窓、すなわち供給窓424と、中間窓432と、内部窓442とが整合させられて、回転キャップ内の錠剤が供給される開位置を定義するまで、選択的に旋回させられる。錠剤ボトル412を上側が下向きになるように旋回させる又は下向きに角度を付けると、錠剤は漏斗444内へ落下し、そして整合させられた窓421,432及び424へ向かって誘導される。窓421,432及び424は、単一の錠剤が一度に供給されるようにサイズ設定される。錠剤が一時的に詰まった場合には錠剤ボトル412を振ることにより、詰まった錠剤を押しのけることができる。適切な数の錠剤が供給されたら、窓421,432及び424が整合しないように回転キャップ417及び漏斗419を旋回させ、これにより付加的な錠剤が供給されるのを防止することができる。
【0076】
本発明の別の態様に基づく錠剤ディスペンサーが、
図48〜50において全体的に符号600で示されている。錠剤ディスペンサー600は従来の錠剤ボトル(図示せず)と一緒に使用することを目的としており、一般的に言えば、捩り操作式錠剤ディスペンサーである。錠剤ディスペンサー600は、一度に1つの錠剤を供給するように形成されている。
【0077】
錠剤ディスペンサー600は概ね、回転キャップ617と、ハウジング618とを含んでいる。回転キャップ617は、供給窓624が貫通開口しているほぼディスク状の部材である。回転キャップ617の下面628は下方に向かって延びるポスト(図示せず)を含む。この目的は後で説明する。
【0078】
ハウジング618は、ハウジング618の周囲から下方に懸吊する、ねじ山付きのカラー636を含み、カラー636は雌のねじ山を有しており、そして錠剤ボトル(図示せず)の標準サイズの雄のねじ山の付いた瓶口に、解離可能にねじ嵌めすることができる。ハウジング618の上面630が、これを貫通する2つ又は3つ以上の開口632と中心ボス(図示せず)とを含む。ハウジング618はまた、ハウジング618の下面646からハウジング618の上面630を貫通する開口632へ移行する2つ又は3つ以上の漏斗619を含む。図示の例では、漏斗619はハウジング618の直径を横切ってサイド・バイ・サイド状に配列されたものとして示されているものの、他の形態もここで考えられる。例えば、2つの漏斗619は接線方向又は半径方向に間隔を置いて位置していてもよい。さらに、これよりも多い又は少ない漏斗も考えられる。
【0079】
錠剤ディスペンサー600の構成部分が集成されると、回転キャップ617のポスト(図示せず)はハウジング618の中心ボス内に受容される。ポスト及び中心ボスは、構成部分が組み立てられたままであることを確実にするために、保持形状を含んでよい。
【0080】
使用時には、錠剤ディスペンサー600は、錠剤ボトルの瓶口にねじ嵌めされる。ユーザーは回転キャップ617を旋回させることによって、供給窓624を開口632のうちの一方と整合させ、回転キャップ内の錠剤が供給される開位置を定義する。錠剤ボトルを上側が下向きになるように旋回させるか又は下向きに角度を付けると、錠剤は漏斗619内へ落下し、そして開口632へ向かって誘導される。供給窓624と整合した漏斗619内へ落下した錠剤は供給される、第2の漏斗619内に落下した他方の錠剤は「ローディング」される。錠剤ボトルがまだ逆さまにされているか、又は少なくとも下向きに角度付けされている状態で、ユーザーは、供給窓624が第2の漏斗619と整合させるまで回転キャップ617を再び旋回させることによって、第2の錠剤を供給することができる。漏斗619は、単一の錠剤がそれぞれによって供給されるようにサイズ設定される。錠剤が一時的に詰まった場合には錠剤ボトルを振ることにより、詰まった錠剤を押しのけることができる。適切な数の錠剤が供給されたら、供給窓624が開口632のいずれとも、もはや整合しないように回転キャップ617を旋回させ、これにより付加的な錠剤が供給されるのを防止することができる。
【0082】
本発明の1実施態様に基づく錠剤ディスペンサーが、
図13〜16及び24A〜Bにおいて全体的に符号500で示されている。錠剤ディスペンサー500は従来の錠剤ボトル512と一緒に使用することを目的としており、一般的に言えば、フリップ操作式錠剤ディスペンサーである。錠剤ディスペンサー500は、一度に1つの錠剤を供給するように形成されている。
【0083】
錠剤ディスペンサー500は概ねキャップ520とハウジング522とを含んでいる。キャップ520は概ね(逆さまの)カップ状の部材であり、内部空間又は内部チャンバー524と、キャップ520の内面に配置された、本明細書中では傾斜面(ramp)526と呼ばれる傾斜した面とを含んでいる。キャップ520はハウジング522にヒンジ結合式に取り付けられている。使用していないとき、そして逆さまにしたときにもキャップ520を閉じた状態に保つための特性をキャップ520が含むことが考えられる。このような特性は、もどり止め突起、ラッチ、又はキャップ520を閉位置に選択的に保持するための他の適宜な手段を含んでよい。
【0084】
ハウジング522はフランジ又はカラー528と、ハウジング522の上面534に配置されたトレイ530及び開口532とを含んでいる。カラー528は、雌のねじ山を有しており、錠剤ボトル512の標準サイズの雄のねじ山の付いた瓶口521に、解離可能にねじ嵌めすることができる。図示の例では、トレイ530と開口532とは上面534を実質的に分裂、又は均一に分割している。さらに図示の例では、トレイ530と開口532とは、キャップ520を取り付けるヒンジに対して前後の関係を成してサイド・バイ・サイド状に配列されている。もちろん、他のサイド・バイ・サイド状配列も考えられる。さらに、図示してはいないが、ハウジング522の下側はスロープ面、又は漏斗を含む。漏斗はトレイ530の下側に配置されており、開口532に向かってスロープを有していることにより、ボトル内の錠剤を漏斗に沿って開口532へ向かって送るのを助ける。
【0085】
ここで
図14Bを参照すると、出願人は、使用を意図する錠剤のサイズに対するトレイ530と開口532との効果的な関係を発見した。例えば、開口532は、錠剤ディスペンサー500がそれとともに使用する目的で設計された錠剤よりも125〜150%広幅であり、125〜150%長くなるようにサイズ設定されてよい。より具体的には、開口532は所期錠剤の幅のほぼ125%、そして長さのほぼ125%でサイズ設定されていてよい。同様にトレイ530も、錠剤ディスペンサー500がそれとともに使用する目的で設計された錠剤よりも125〜150%広幅であり、125〜150%長くなるようにサイズ設定されてよい。より具体的には、トレイ530は所期錠剤の幅のほぼ125%、そして長さのほぼ125%でサイズ設定されていてよい。別の実施態様では、トレイ530は2つ以上の錠剤を捕捉するために、より大型であることが考えられる。この実施態様では、トレイ530上で2つの錠剤を捕捉するために、トレイ530は、単一錠剤の幅のほぼ225%、そして長さのほぼ125%でサイズ設定されていてよい。あるいは、トレイ530は、単一錠剤の幅のほぼ125%、そして長さのほぼ225%でサイズ設定されていてもよい。
【0086】
さらに出願人は、使用を意図する錠剤のサイズに対するチャンバー524の高さの効果的な関係を発見した。例えば、チャンバー524の高さは、錠剤ディスペンサー500がそれとともに使用する目的で設計された錠剤の幅の125〜150%であるようにサイズ設定されていてよい。より具体的には、チャンバー524の高さは、所期錠剤の幅のほぼ132%であるようにサイズ設定されていてよい。
【0087】
使用時には、錠剤ディスペンサー500は錠剤ボトル512の瓶口521にねじ嵌めされる。錠剤ボトル512を、ユーザーによって上側を下向きにしてフリップし、次いで真直ぐに戻す。ボトルを逆さまにすることにより錠剤は開口532を通ってトレイ530上に落下する。錠剤は、ボトル512が真直ぐに戻されたときにユーザーに供給するためにトレイ530上に捕らえられる。上記のように、キャップ520のもどり止め特性が、ユーザーによって選択的に開けられるまでキャップ520が解放するのを防止する。キャップ520及びハウジング522の形状は、錠剤が開口532を通って落下し、トレイ530上に着地するのを促すように協働的に配置される。例えばキャップ520の傾斜面526は、ハウジング522の開口532の上方に配置されており、これにより錠剤ディスペンサー500及びボトル512が逆さまにされると、錠剤は開口532を通って落下し、傾斜面526によってトレイ530へ向かって誘導される。また上記のように、トレイ530の下面の漏斗は開口532に向かってスロープを有していることにより、錠剤を開口532へ向かってガイドするか又は漏斗に沿って送るのを助ける。必要な場合には、錠剤ボトル512を振ることにより、錠剤が開口532を通って落下するのを促すことができる。
【0088】
VI. プッシュ操作式ディスペンサーII
【0089】
本発明の1態様に基づく錠剤ディスペンサーが、
図58〜66において全体的に符号700で示されている。錠剤ディスペンサー700は、
図9に示された実施態様と同様に、従来の錠剤ボトル及び内側ハウジングと一緒に使用されてよい。一般的に言えば、錠剤ディスペンサー700はプッシュ操作式錠剤ディスペンサーである。
【0090】
錠剤ディスペンサー700は概ね、ほぼ箱形の部材であるハウジング716を含む。ハウジング716の前壁730はディスペンサー窓732と、ディスペンサー窓732の真下に位置決めされた錠剤出口棚(presentation ledge)734とを含む。ハウジング716の内部はほぼ漏斗状の内部チャンバー718を含む。この内部チャンバー718はハウジング716の前壁730及びベース720に向かってテーパしている。
【0091】
錠剤ディスペンサー700は、ハウジング716の内部に、チャンバー718の下方でベース720に隣接して配置されたプッシュバー740を含む。ハウジング716内にはベース720の近くでチャネル742が配置されており、チャネル742はハウジング716の後壁から前壁730へ延びている。プッシュバー740はチャネル742内部にスライド可能に配置されている。さらに、プッシュバー740はハウジング716の後壁に配置されたアパーチャ744から突出している。
【0092】
プッシュバー740はほぼ剛性の部分746と、可撓性の部分748とを含む。図示の例では、可撓性部分748はチェーンリンクから形成されている。最も上側のリンク750はT字形バー752と、角度付き錠剤スコップ754とを含む。T字形バー752は、ハウジング716の前壁730の内面に配置された連携スロット756内に受容される。
【0093】
使用時には、錠剤ディスペンサー700の漏斗状の内部チャンバー718内へ錠剤を入れることができる。錠剤は内部チャンバー718の底部に向かって、錠剤スコップ754の上に落下する。錠剤を供給するために、ユーザーはプッシュバー740の剛性部分746を押し込むことができる。これにより可撓性部分748が押し上げられる。錠剤スコップ754は、可撓性部分748及び最も上側のリンク750が持ち上がるのに伴って単一の錠剤が持ち上げられるようにサイズ設定されている。最も上側のリンク750が
図65に示された最高地点に達すると、錠剤スコップ754とディスペンサー窓732とが整合させられ、錠剤が窓732を通って錠剤出口棚734上へ落下することができる。錠剤スコップ754の角度付き面は、錠剤がディスペンサー窓732内へ、そしてディスペンサー窓372を通って落下するのを促す。さらに、ハウジング716の漏斗状内部チャンバー718、及び最も上側のリンク750の角度付き面の両方は、錠剤をディスペンサー窓732を通して案内するように作業する。錠剤が供給されたら、ユーザーはプッシュバー740を引き出して元の位置へ戻すことができる。
【0094】
錠剤ディスペンサー700は方形の幾何学的形状を有するものとして示されてはいるものの、他の適宜な形状、例えば円形も考えられる。窓732のサイズ設定は錠剤の適切な供給を助けることができる。例えば、窓732は、所期錠剤のサイズのほぼ110%〜150%であるようにサイズ設定されてよい。従って、錠剤ディスペンサー700のサイズ全体及びその外観の寸法を、錠剤ディスペンサー700と一緒に使用されることになっている特定の錠剤、タブレット剤、カプセル剤などのサイズに対してスケールアップ又はダウンさせることが考えられる。
【0096】
本発明の種々の態様は制御システムを含んでよい。例えば、スクリューコンベア型ディスペンサー、タンブラー型ディスペンサー、及び錠剤キャップディスペンサーの種々の実施態様は制御システムを含んでよい。制御システムは種々異なる機能を発揮することができ、用途に応じて種々異なる構成部分を含むことができる。例えば、制御システムは、錠剤が供給されたとき、又は錠剤キャップが開閉されたときのような情報を感知するためのセンサーシステムを含んでよい。センサーシステムはモーターを含んでよい。モーターは駆動されると自動的又は半自動的に錠剤を供給することができる。制御システムは、別のディスペンサー、マスターユニット、又は別のデバイス、例えばユーザーの電話機、ラップトップ、タブレット、又は他のパーソナルデバイスと通信するための通信システムを含んでよい。制御システムは、入力部、例えば錠剤を供給するためのボタン又はタッチスクリーンを含むことができる。制御システムは出力部、例えば照明又はスピーカーを含むことができる。制御システムは電力を伝送又は受容するための電源又は電源コネクタを含むことができる。
【0097】
ディスペンサーのための制御システム1000の1つの実施態様は
図46に示されている。
図46の実施態様は、コントローラ1002と、センサーシステム1004と、モーター1014と、通信システム1006と、出力部1008と、入力部1010と、電源1012とを含む。ディスペンサーのための制御システム1000の別の実施態様が
図47に示されている。
図47の実施態様では、制御システムはモーターを含んでいない。さらに、
図47は、センサーシステム1024と、通信システム1022と、電源1032とを含む固有の制御システム1020を有するデバイスを示している。デバイスはスマートフォン、ラップトップ、タブレット、他のパーソナルデバイス、又は別のディスペンサーであり得る。制御システムを示す2つの図示の実施態様は一例であり、包括的なものではない。種々異なる制御システムが、図示の制御システムに対して付加的な構成部分、より少ない構成部分、又は異なる構成部分を含んでいてよい。図示の制御システム、又は制御システムの別の実施態様のうちの少なくとも1つを用いて実現することのできる多種多様な任意の特徴については下で説明する。
【0099】
ディスペンサーは、デバイスとディスペンサーとの通信に基づいて供給を行うための回路を任意に含むことができる。デバイス又はデバイスプロフィールはユーザーと関連づけられているので、デバイスはディスペンサーと通信し、通信に基づいて供給することができる。例えば、デバイスからディスペンサーへ投薬計画を伝達することができる。あるいは、ディスペンサーはプログラミングされて、ユーザーがディスペンサーの近くにいることを特定したことに応答して供給を行ってもよい。
【0100】
図37A〜Dは、本発明の種々の態様において実施することができる4つの通信シナリオを示している。
図37Aが示すシナリオの場合、3つの錠剤ディスペンサー・モジュール1302,1304,1306と、モバイルデバイス1308とがそれぞれ、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー(Blue Tooth(登録商標)Low Energy: BTLE)通信を行うことができる通信システムを含んでいる。コマンド及びコントロールは、錠剤ディスペンサー1306のそれぞれと通信するスマートフォン1308上のモバイルアプリケーション内にあってよい。各錠剤ディスペンサーは、別個のバッテリーによって給電することができ、あるいは中央電源から各容器へ電力をルーティングすることもできる。
図37Bが示すシナリオの場合、マスター錠剤ディスペンサー1310がBTLEを介してモバイルデバイス1308と通信する。マスター錠剤ディスペンサー1310は1つ又は2つ以上の従属錠剤ディスペンサー1312の容器と通信することができる。例えば、モバイルデバイス1308は供給の指示を伝達することができ、これらの指示は適宜の従属錠剤ディスペンサー1310へ中継することができる。マスター錠剤ディスペンサー1310と従属錠剤ディスペンサーとの通信は、本質的に任意の通信プロトコル、例えばOne-Wire、I2C、又はSPIで行うことができる。電力はバスを介して(又はOne-Wireの場合には、バスの一部として)通信と一緒に渡されてよい。
図37Cが示す別のシナリオの場合、マスター錠剤ディスペンサー1310はBTLEを介してモバイルデバイス1308と通信する。ちょうど前のシナリオと同様に、マスター錠剤ディスペンサーは従属錠剤ディスペンサー1312と通信し、供給のコマンドが受信されるとこれを伝える。しかしながら、この実施態様の場合、電力及び通信はマスター錠剤ディスペンサー1310から無線で伝達することができる。コマンドは帯域内通信スキームを介して各ディスペンサーへ送信することができる。
図37Dが示す別のシナリオの場合、マスター錠剤ディスペンサーはBLTEを介してモバイルデバイス1308と通信することができる。この実施態様では、マスター錠剤ディスペンサー1310は、目標従属錠剤ディスペンサーのマッチングされた共鳴周波数で磁界を共鳴させることにより、従属錠剤ディスペンサー1312を選択的にターンオンすることができる。従属錠剤ディスペンサー1312におけるこの共鳴素子1314は、直列又は並列であってよく、それぞれの従属錠剤ディスペンサー1312のための共鳴素子の値は異なっていてよい。こうして、複数の従属錠剤ディスペンサー1312は磁界内にあり、従属錠剤ディスペンサー1312におけるロジックなしに選択的に選ぶことができる。従属錠剤ディスペンサーとマスター錠剤ディスペンサーとが共通の供給管を共有する場合、マスターは光学及び/又は近接センサー(例えば赤外)を使用して、錠剤が供給されたときにこれを感知し、そして錠剤が供給された後、磁界をターンオフすることができる。現行の実施態様では、従属ディスペンサーをより低廉にすることができる。なぜならば、含まれる電気構成部分がコイル、整流器、及びモーターだけだからである。
【0101】
図38Aが示す別の通信シナリオの場合、マスター錠剤ディスペンサー1310はBTLEによってモバイルデバイス1308と通信することができる。マスター1310は、目標従属錠剤ディスペンサーのマッチングされた共鳴周波数で磁界を共鳴させることにより、従属錠剤ディスペンサー1312を選択的にターンオンすることができる。容器内の共鳴素子1314は、直列又は並列であってよい。従属錠剤ディスペンサー1312は、錠剤が供給されたときにそれをモニタリングし、そしてスイッチ1316を閉じることによって磁界を変調して回路内のインピーダンス素子1318を一時的に含むことができる。マスター1310は、錠剤が供給されたことを示すインピーダンスの変化によって引き起こされる信号の変化に関して磁界をモニタリングすることができ、次いで従属錠剤ディスペンサー1312へ電力を提供する磁界を無効化することができる。この実施態様では、従属錠剤ディスペンサーのコストを低く保つことができる。なぜならば、電気的構成部分の量が本質的にコイル/キャップ、整流器、モーター、スイッチ、インピーダンス素子、及びトリップ時にインピーダンスを駆動する光学センサー又はその他のセンサーに低減されるからである。
【0102】
図38Bは、上記錠剤キャップディスペンサーの本質的にいずれかと一緒に使用するための制御システムを示している。図示の実施態様では、錠剤キャップは一度に1つの錠剤を供給し、錠剤が供給された時に、これを追跡して通信することができる電子構成部分を含む。具体的には、スマート錠剤供給トラッカー(tracker)構成部分は、近接センサー1402、BLTEモジュール1404、及びバッテリー1406を含んでよい。スマート錠剤供給トラッカーは、使い捨て錠剤容器1410に取り付けるように構成された種々異なる錠剤キャップディスペンサーにおいて実現することができる。取り換え蓋又は錠剤キャップディスペンサーは種々異なる錠剤のタイプ間で取り換え可能である。BTLEモジュール1406は、錠剤がいくつ供給されたか、錠剤がいくつ残されているか、そして中でも利用パターンをユーザーが追跡するのを可能にする。近接センサー1402は、加速度計、赤外検出器、プッシュボタン、又は錠剤が供給された時、又はスマート錠剤供給トラッカーと関連づけられた運動があった時にこれを検出することができる容量センサーであってよい。
【0104】
本発明の種々の態様は種々の形状、サイズ、及びタイプの錠剤を供給することができる。錠剤ディスペンサー制御システムは、種々のファクターに基づいて錠剤を供給することができる。例えば、錠剤ディスペンサー制御システムは、特定のユーザーに合わせて調整された複数の錠剤ディスペンサーから錠剤を供給することができる。1つの実施態様では、錠剤ディスペンサー制御システムは、複数の異なるタイプの錠剤、及び特定の錠剤ディスペンサー内のこれらの配置を特定し、あるいはこの特定によってプログラミングされる。
【0105】
図29を参照すると、特定は自動、半自動、又は手動で行うことができる。
図29は、錠剤ディスペンサーの異なる容器内にどの錠剤があるかを特定するいくつかのプロセスを示している。手動特定プロセスは、それぞれの錠剤のタイプに関する情報、及びその錠剤がどの錠剤ディスペンサー内に位置しているかに関する情報をユーザーが入力することを意味する。半自動特定は、何らかの情報が提供されるが、しかし制御システムは特定を支援するプロセスを意味する。自動特定プロセスは、ユーザーからの入力を全く伴わずに、又は錠剤がシステム内で使用開始される初回にユーザーからの入力を伴って実施されてよい。自動特定プロセスを用いることにより、ユーザーは錠剤を錠剤ディスペンサー内に注ぎ入れるか、又は錠剤容器を錠剤ディスペンサー内へ設置すると、錠剤ディスペンサーシステムは自動的に錠剤を特定する。
【0106】
自動的な錠剤の特定は、種々異なるセンサーを使用して数多くの異なる方法で実施することができる。一般に、既知の錠剤の固有の識別子を得、未知の錠剤との比較及び自動特定のためにメモリ内に保存することができる。固有の識別子は、錠剤供給システム内に予めプログラミングすることができる。代わりに、又は加えて、錠剤供給システムは、
図40に示されているように、認識されていない錠剤に対する新しい固有の識別子を形成する能力を有していてよい。錠剤供給システムが初めて見る錠剤の場合、加速度計、ラマン分光法、デジタル画像の特徴(例えば画素数、強度など)、又は本質的に任意の他の識別方法を用いて錠剤の識別子を記録するために、初期化プロセスを実施することができる。次いで、ユーザーから得られた錠剤のアイデンティティとともにルックアップテーブル内に識別子を保存することができる。将来において、未知の錠剤をその識別子と比較することができ、マッチング識別子をこの初期化プロセス中に特定された錠剤タイプとして特定することができる。
【0107】
図40は、ラマン分光法を使用して得られた、記憶された識別子及び試験識別子を示している。ラマン分光法は光の周波数スペクトルを記録することを伴う。錠剤の特徴に基づいて、錠剤中の特定の分子は光によって励起され、特定の波長の応答を発する。これは錠剤の構成に依存し、識別子内のピークを特定することによって固有の応答を錠剤と関連づけることができる。デバイス内の小型カメラを使用して錠剤を特定することもできる。これらが錠剤容器又はホッパ内へ移動するのに伴って写真を撮影することができる。RGB平面を分解することができ、画像強度を分析して、その錠剤が何に見えるかに関する情報を提供する。この情報は錠剤を特定することができ、あるいは別の方法を伴う場合には、錠剤のタイプを特定するのを助けることができる。
【0108】
自動特定の1つの実施態様は、加速度計、圧力センサー、又は力センサーを利用する。例えば、タンブラー型錠剤ディスペンサー又はコンベア型錠剤ディスペンサーにおいて、センサーは、ディスペンサーが回転するのに伴ってセンサーに衝突する錠剤の力の識別子を見極めることができる。この識別子は、種々異なる錠剤タイプの中で固有であるか、又は統計的に信頼性高く異なるので、未知の錠剤の力の識別子を、記憶された力の識別子のテーブルと比較することにより、錠剤タイプを見極めることができる。ユーザー支援プロセスを介して錠剤ディスペンサーシステムによって識別子を学習することができる。このプロセスによって、ユーザーはシステムによって知られていない錠剤を提供し、システムは力の識別子を収集し、錠剤を特定するようにユーザーを促す。その後、錠剤ディスペンサー制御システムがその力の識別子を検出すると、初期化中にユーザーが最初に特定した錠剤として正しくこれらを特定することができる。力センサーの代わりに、カメラ又は画像形成システムを使用してもよい。カメラ又は画像形成システムは錠剤の写真を撮影し、画像の特徴を計算し、そしてその情報をルックアップテーブル内に記憶する。これらの特徴は、未知の錠剤がシステムに提供されたときに新しい画像と比較することができる。マッチング特徴を使用して錠剤タイプを見極めることができる。自動特定のさらに別の実施態様はラマン分光法の利用を含んでよい。センサーは錠剤のスペクトル分析を行い、ラマン分光識別子を生成することができる。この識別子はルックアップテーブル内に記憶することができる。未知の錠剤のスペクトル分析を行うことができ、結果として生じた識別子を既知のラマン分光識別子と比較することにより錠剤タイプを特定することができる。
【0109】
半自動特定の1つの実施態様はカメラ付き携帯電話機を含む。この場合、ユーザーは錠剤の写真を撮影し、どの錠剤ディスペンサー内に錠剤が配置されるかを定義することができる。例えば制御システムは、錠剤がローディングされるディスペンサーを選択し、ローディングされる錠剤の写真を撮影するようにユーザーを促し、次いでその写真からユーザーのデバイスが、錠剤の画像に基づいてデータベース内の情報を検索することによって、錠剤タイプ、服用するべき頻度、投与量などを特定することができる。
【0110】
半自動特定の別の実施態様において、RFIDタグが種々異なる錠剤容器と関連づけられる。容器が錠剤ディスペンサーを充填するのに伴って、RFIDタグは錠剤ディスペンサー制御システムと通信することによって、錠剤タイプを特定するので、制御システムはその錠剤ディスペンサーの内容物を記憶することができる。
【0111】
手動特定プロセスの1つの実施態様は所定の錠剤ディスペンサーを含む。錠剤ディスペンサーシステムは複数の錠剤ディスペンサーを含む。これらの錠剤ディスペンサーのそれぞれは所定のラベル、例えばマルチビタミン、鎮痛剤、ビタミンCのラベルを有する。ユーザーは異なるタイプの錠剤を適宜の所定の錠剤ディスペンサー内にローディングする。
【0112】
別の手動特定プロセスは、錠剤タイプ、及び錠剤ディスペンサーのローディングの場所を、錠剤ディスペンサー制御システムへその情報を伝達するパーソナルデバイス上で特定することを含む。例えば、ユーザーのスマートフォン上のアプリケーションが錠剤ディスペンサーシステムの設置状況の写真を有し、ここでユーザーはドロップダウンボックスから錠剤ディスペンサーを選択し、そして錠剤タイプを選択することができる。次いでこれを錠剤ディスペンサーシステムへ伝達し、これにより錠剤ディスペンサーシステムはシステム内のこれらの錠剤の場所を知る。
【0113】
錠剤それ自体の代わりに、錠剤容器の特定に基づいて錠剤特定を行うことができる。例えば錠剤容器はRFIDタグ、バーコード、物理的選択キー、又は別の識別子を含んでよい。
図43Aが示す1つの実施態様の場合、錠剤ボトル底部識別コードが錠剤ディスペンサーシステムとインターフェイス接続している。錠剤ボトル底部は物理的パターン又は選択キーと一緒に成形されているので、錠剤ディスペンサー内に設置されると、一連のアクチュエータが作動させられ、プッシュボタンが選択キーパターンに従って起動される。
図43Cは、撓んでプッシュボタンのうちの1つを作動させることができるヒンジ/ばね又は作動中の(living)ばねアクチュエータの斜視図を示している。
図43Bは作動中のヒンジアクチュエータの上面図を示している。図示の実施態様では、作動させることができる6つのアクチュエータがある。アクチュエータのうちの3つが起動されている。なぜならば錠剤ボトルの底部が順番にアクチュエータと接続するからである。アクチュエータのうちの3つは起動されない。なぜならば、錠剤ボトルの底部が、成形された凹部を含み、これらのアクチュエータを収容するからである。その結果、プッシュボタンのうちの3つが押され、101001というボトルIDが、錠剤ディスペンサー制御システムに提供される。錠剤ディスペンサー制御システムは、そのボトルIDにおける錠剤のアイデンティティを検索し得るルックアップテーブルを含んでいてよい。そのボトルIDが未知の場合、システムは、そのボトル内の錠剤に関する情報を提供するようにユーザーを促し、これによりルックアップテーブルにこの情報を加えることができる。
【0114】
1実施態様において、錠剤ボトルが特定されたら、特定に基づいて情報をアプリケーション、ルックアップテーブルから、又はインターネットから検索することができる。例えば製品IDを使用して、製品数、製品タイプ、パッケージのサイズ、情報と一緒に用いられる、そして情報と一緒に用いられない使用制限及び推奨、及び生活情報を得ることができ、そしてこれらを用いて錠剤を知的に供給することができる。例えば2つの錠剤を一緒に服用してはならない場合、錠剤供給システムは許可されない時間中に錠剤が両方とも供給されることがないように、これらの供給を調和することができる。ディスペンサーはディスペンサーIDを有していてよく、ディスペンサーIDは利用スケジュール、手元の在庫、再注文トリガ、ユーザー記録及び利用、ディスペンサーのシリアルナンバー、使用される製品、及び診断情報と関連づけられる。ユーザーデバイスはユーザーIDを有していてよく、ユーザーIDはユーザー識別設定値、アクセス・セキュリティ設定値、在庫管理、再注文、スケジューリング、推奨、製品・利用促進、健康フィードバック及び示唆、アプリケーション及びディスペンサーのソフトウェア又はファームウェアの更新、通知、診断、保証、及びサービス情報、及び製品・トレーニング情報を含む。
【0115】
1つの実施態様の場合、複数の特定法を組み合わせることにより付加的な特定の問題を付加的に解決することができる。加速度計及び圧力センサーは錠剤を正確に特定できないことがあるが、デバイスが回転し錠剤が落下するのに伴って、錠剤は加速度上に落下することができる。記録されたピークは錠剤のサイズ及び形状とともに変化する。これは、これらを所定のカテゴリ、例えば大型又は小型、丸形又は方形のカテゴリに分類することにより最初の錠剤特定レベルを提供することができ、次いで、カメラ又は分光法を使用して錠剤を正確に特定することができる。あるいは、ユーザーは、可能な錠剤タイプのリストを備えてよく、これらは特定を完成することができる。
【0117】
錠剤ディスペンサー制御システムはユーザーのパーソナルデバイスと相互作用することによって、種々のスケジューリング機能を容易にすることができる。例えば、
図28A〜Dは、錠剤供給制御システムと通信することができるスマートフォンアプリケーションからのいくつかのスクリーンショットを示す。
図28Aは、ユーザーが錠剤を服用し損なった日をマークすることができるユーザーのカレンダーとインターフェイス接続しているアプリケーションを示している。アプリケーションは錠剤の服用頻度を示す遵守率パーセントを追跡してユーザーに提供する。現行の実施態様では、全体的な遵守値が全ての錠剤遵守に対して提供されるが、しかし遵守値は個別の錠剤に対して、又は錠剤グループに対して提供することもできる。
図28Bは、カレンダーに基づいて旅行が近づいていることをユーザーに通知し、トラベル用錠剤ケースを充填することによって計画を立てることをユーザーに思い出させる。
図28Cは、アプリケーションにおけるユーザーのための錠剤プロフィールを示している。これはこのユーザーが錠剤を服用する頻度、いつ錠剤を服用するべきか、そして錠剤が入れられているディスペンサー位置を示している。こうして、スマートフォンは錠剤供給システムと知的に通信することにより供給を制御することができる。
図28Dは、アプリケーションの再注文能力を示す。パーソナルデバイスは錠剤レベルを追跡し、錠剤量が閾値を過ぎて低下すると錠剤を自動的に再注文することができる。
【0118】
D. ユーザー識別の及びセキュリティ
【0119】
いくつかの実施態様において、錠剤ディスペンサー制御システムは、ユーザーが錠剤ディスペンサーシステムの近くにいることを特定するようにプログラミングされてよい。例えば、錠剤ディスペンサー制御システムは、通信システム、又はユーザーのパーソナルデバイスを検出できる近接検出システムを含んでいてよい。ディスペンサーは、ユーザーのパーソナルデバイス、例えばスマートフォン又は体重管理デバイスと、インターフェイス接続することによって、ユーザーの錠剤ディスペンサー経験を調整することができる。
【0120】
ユーザーのデバイスは具体的には、ユーザーIDを錠剤ディスペンサーシステムへ伝達することができる。あるいは、ユーザーのデバイスは、ユーザーを識別するために錠剤ディスペンサーシステムが使用し得る識別情報を通信してもよい。例えば、ユーザーの体重管理デバイス(例えばリストバンド)は種々のバイオメトリクス又は個人に関するその他の識別情報を通信することができる。ユーザーのデバイスはユーザーに関する情報、例えば心拍数、脈拍、活動レベル、位置データ、処方、又はその他のバイオメトリクス情報又は個人情報を記憶し、又はこのような情報にアクセスすることができる。これらのバイオメトリクスは、錠剤ディスペンサーシステムがユーザーを識別するのを可能にする。個人が錠剤ディスペンサーの近くに来ると、パーソナルデバイスはディスペンサーシステムと通信することができるので、ユーザーを識別することができる。ユーザーが識別されたら、錠剤ディスペンサーシステムはユーザーの錠剤プロフィールに基づいて作動することによって、適宜の錠剤を供給することができる。このような識別は、錠剤ディスペンサーをロックし、権限を与えられたユーザーと関連づけられた錠剤へのアクセスだけを可能にすることによって、セキュリティを提供することもできる。
【0121】
本発明の種々の態様は、錠剤供給のためのセキュリティを実現する錠剤ディスペンサー制御システムを含んでよい。例えば、
図39はロッキング特性を示している。大まかに言えば、この実施態様では人がディスペンサーに接近すると、その人が服用を許された錠剤だけを供給することができ、他の全ての錠剤ディスペンサーはロックされる。ロックは、錠剤に手動でアクセスすることができないように、そしてまた権限を与えられていないディスペンサーからの錠剤供給をユーザーが遠隔で指示できないように、ユーザーを閉め出すことができる。錠剤供給システムは、権限を与えられたユーザーが、錠剤供給システムと、近接のインターフェイス接続をされていない限り、ロック状態へ戻すことができる。
【0122】
記述内容のほとんどが錠剤及び錠剤ディスペンサーという文脈において書かれているが、錠剤以外の物品をディスペンサーから供給することもできる。例えば、
図39において、小児が供給システムと、インターフェイス接続している。この供給システムは、複数のビタミン及びサプリメントを含むがしかし、キャンティが入った容器をも含んでいる。親は、小児が1週間に10個のキャンティを得るのを許すことにより、小児が責任とよい習慣とを学ぶように供給システムをプログラミングしている。しかし小児はディスペンサー内の成人用薬剤、例えば心臓薬、又は避妊薬にアクセスすることはできない。ディスペンサーは小型の錠剤を取り扱うことができるので、一日、一週、又は他の時間を通して小児が許されるキャンディの量を制限するために、このディスペンサーをキャンディのために使用してもよい。親は制限値を設定することができ、次いでこれに達した後、小児は閉め出されることになる。このことはよい習慣を教え、そして親自身が管理する必要なしに一日間又は一週間のキャンディ割り当て分をどのように分配するかを教えることができる。親は彼らの個人パラメータをパーソナルデバイス、例えばスマートフォンから設定できるだけでなく、親は小児のパラメータを設定して、例えばインセンティブ手段としてより多い又はより少ないキャンディを許すこともできる。ディスペンサーは、ユーザーがフィットネストラッカ又は他のパーソナルデバイスと一緒に接近したときに、これから他の情報を読み取ることもできる。供給システムは他のファクターに基づいて同様に供給するようにプログラミングすることもできる。供給システムは、体重、年齢、活動、他のファクター、又はこれらの組み合わせに基づいて供給を行うことができる。例えば過体重の人々は、その日に5000歩超を記録するまではキャンディを制限されてよい。このことは、キャンディ又はおやつを望むならば成人に用いることもでき、充分な歩数を歩いた場合にのみこれを獲得することができる。
【0124】
錠剤ディスペンサー制御システムは、種々の事象をユーザーに知らせるための通知システムを含んでよい。例えば、錠剤ディスペンサー制御システムは、照明又はスピーカーを含んでいてよい。照明又はスピーカーは、錠剤を服用するべき時間であることをユーザーに知らせるために起動することができる。加えて、錠剤ディスペンサー制御システムは、投与し損なったことを、見極めることができる。例えば、制御システムが所定の動作を含む場合、時間の閾値を感知するセンサーの活性の不足が、通知をトリガすることができるからである。同様に、加速度計は錠剤がいくつ供給されたかをカウントし、LEDを閃光又はターンオンすることにより、錠剤を再注文するべきであることをユーザーに知らせることができる。
【0125】
2012年4月25日付けで出願された「PILL DISPENSER」と題する特許文献1が、全体的に参照することにより本明細書中に援用される。
【0126】
方向を表す用語、例えば「鉛直」、「水平」、「上」、「底」、「上側」、「下側」、「内側」、「内方へ」、「外側」、及び「外方へ」という用語は、図示された実施態様の配向に基づいて本発明を説明する上で役立つように使用される。方向を表す用語の使用は、本発明を具体的な配向に限定するように解釈されるべきではない。
【0127】
上記説明は、本発明の現在の実施態様のものである。添付の請求項に記載された本発明の思想及びより広い特徴を逸脱することなしに種々の改変及び変更を加えることができる。請求項は均等論を含む特許法の原則に従って解釈されるべきである。この開示は例示を目的として提供されたものであり、本発明の全ての実施態様の包括的な説明として解釈されるべきではなく、あるいは、これらの実施態様との関連において示された又は記載された特定のエレメントに請求の範囲を限定するものと解釈されるべきでもない。例えば、そして制限なしに、記載の発明のいかなる個々のエレメントも、実質的に同様の機能を提供するか又は適切な動作を提供する代替エレメントによって置き換えられてよい。これは例えば、現在既知の代替エレメント、例えば当業者に現在知られているかもしれない代替エレメント、及び将来において開発され得る代替エレメント、例えば開発時に当業者が代替物と認識するかもしれない代替エレメントを含む。さらに、開示された実施態様は、互いに呼応して記載された複数の特徴、及び協働して効果を集めたものを提供し得る複数の特徴を含む。本発明は、発表された請求項に明示的に示される場合以外は、これらの特徴の全てを含む実施態様、又は記載の利点の全てを提供する実施態様だけに限定されることはない。例えば冠詞「a」、「an」、「the」、又は「said」を使用して、請求項の単数形のエレメントに言及するときはいつでも、そのエレメントを単数形に限定するものと解釈されるべきではない。
排他的な所有権又は特権が主張される本発明の実施態様は下記の通り定義される。