特許第6491350号(P6491350)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6491350光トランシーバの遠隔デジタル診断モニタリング情報の向上した送信及び受信
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491350
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】光トランシーバの遠隔デジタル診断モニタリング情報の向上した送信及び受信
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/516 20130101AFI20190318BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20190318BHJP
   H04B 10/07 20130101ALI20190318BHJP
【FI】
   H04B10/516
   H04L1/00 B
   H04B10/07
【請求項の数】14
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-549289(P2017-549289)
(86)(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公表番号】特表2018-514982(P2018-514982A)
(43)【公表日】2018年6月7日
(86)【国際出願番号】US2016023148
(87)【国際公開番号】WO2016154004
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2018年3月14日
(31)【優先権主張番号】62/136,268
(32)【優先日】2015年3月20日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513299535
【氏名又は名称】オーイー・ソリューションズ・アメリカ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジョンホ
(72)【発明者】
【氏名】ソ, ワンソク
(72)【発明者】
【氏名】パク, ムーンスー
(72)【発明者】
【氏名】ホン, スンウォン
【審査官】 鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0241727(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0232643(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0053062(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/516
H04B 10/07
H04L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光トランシーバであって、
メモリに接続された処理デバイス(processing device)と、
前記処理デバイスに結合され、光リンクを介して遠隔光トランシーバに送信するための高速ユーザデータを運ぶ第1信号を受信および変調するように構成される光サブアセンブリ(optical subassembly)と、
前記処理デバイスに結合されたプログラミング可能デバイスと
を含み、前記プログラミング可能デバイスは、
前記光トランシーバのデジタル診断モニタリング情報(digital diagnostic monitoring information:DDMI)に関するデータを前記処理デバイスから受信し、
前記DDMIに関するデータに順方向エラー訂正(forward error correction:FEC)エンコーディングを行って遠隔デジタル診断モニタリング(remote digital diagnostic monitoring:RDDM)信号を生成し、
変調のために前記RDDM信号を第2信号として前記光サブアセンブリに送信するように構成され、
前記光サブアセンブリは、前記第2信号を前記第1信号に電流変調して前記光リンクを介して前記遠隔光トランシーバに送信される二重変調された光信号を生成するようにさらに構成され、
前記第2信号は、前記第2信号を前記第1信号に電流変調して変調度を有する前記二重変調された光信号を生成するために用いられるレーザダイオード(laser diode:LD)バイアス電流を含み、
前記光サブアセンブリは、4%ないし6%の範囲の前記変調度を有する二重変調された光信号を生成するように構成される、光トランシーバ。
【請求項2】
前記光トランシーバは、スモールフォームファクタプラガブル(small form factor pluggable:SFP)又は10ギガビットスモールフォームファクタプラガブル(XFP)を含むことを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項3】
前記プログラミング可能デバイスは、前記DDMIに関するデータに巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check:CRC)を行うようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項4】
前記プログラミング可能デバイスは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array FPGA)を含むことを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項5】
前記プログラミング可能デバイスは、
第3信号を前記光サブアセンブリから受信し、前記第3信号は前記光リンクを介して前記遠隔光トランシーバからのRDDM信号を含み、
前記第3信号にFECデコーディング動作を行い、
前記遠隔光トランシーバに関するDDMIデータを復旧するようにさらに構成される、請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項6】
前記変調度は、前記第1信号の電流値に対する前記第2信号の電流値の比率であることを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項7】
前記DDMIに関するデータは前記光トランシーバの多様なコンポーネントの動作及び管理に関するパラメータを含むことを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項8】
前記FECエンコーディングは、少なくともBCH(31,16)コード又はリードソロモン(Reed-Solomon)コードを用いることを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項9】
フィールドプログラマブルデバイスを含む第1光トランシーバにおいて光通信を行う方法であって、
前記フィールドプログラマブルデバイスにおいて、
前記第1光トランシーバのデジタル診断モニタリング情報(DDMI)に関するデータを受信する段階と、
ここで、前記第1光トランシーバは、前記第1光トランシーバの光サブアセンブリ介して高速ユーザデータを運ぶ第1信号を変調するように構成され、
遠隔デジタル診断モニタリング(RDDM)信号を生成するために前記DDMIに関するデータに順方向エラー訂正(FEC)エンコーディングを行う段階と、
第2信号を前記第1信号に電流変調して光リンクを介して遠隔第2光トランシーバに送信するための二重変調された光信号を生成するために、前記RDDM信号を前記第2信号として前記第1光トランシーバの前記光サブアセンブリに送信する段階と
を含み、
前記第2信号は、前記第2信号を前記第1信号に電流変調して変調度を有する前記二重変調された光信号を生成するために用いられるレーザダイオード(laser diode:LD)バイアス電流を含み、
前記光サブアセンブリは、4%ないし6%の範囲の前記変調度を有する二重変調された光信号を生成するように構成される、光通信方法。
【請求項10】
前記RDDM信号を前記光サブアセンブリに送信する段階は、レーザダイオード(LD)バイアス電流を前記第1光トランシーバの前記光サブアセンブリに送信する段階を含む、請求項9に記載の光通信方法。
【請求項11】
前記変調度は、前記第1信号のLDバイアス電流に対する前記第2信号のLDバイアス電流の比率である、請求項9に記載の光通信方法。
【請求項12】
前記第1光トランシーバの前記光サブアセンブリは、電気信号を前記光リンクに結合された光信号に変換し、前記光リンクから光信号を受信して前記光信号を電気信号に変換するように構成される、請求項9に記載の光通信方法。
【請求項13】
前記DDMIに関するデータに順方向エラー訂正(FEC)エンコーディングを行う段階は、前記データに巡回冗長検査(CRC)を行う段階をさらに含む、請求項9に記載の光通信方法。
【請求項14】
記二重変調された光信号が、前記第1信号と前記RDDM信号をベースバンドにおいて含請求項1に記載の光トランシーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年3月20日に出願された米国仮特許出願62/136,268号明細書(発明の名称:Optical Transceivers with Remote Digital Diagnostic Monitoring Functions)に基づき、この優先権の利益を主張する。この仮特許出願の全体の内容は本発明に併合されている。
【0002】
(技術分野)
本発明は、光通信に関し、より詳しくは、進歩したエラー訂正技術を有する光トランシーバ(optical transceiver)の遠隔デジタル診断モニタリング情報を光学的に通信することに関する。
【背景技術】
【0003】
最近、高速データ通信は、光トランシーバが光ファイバチャネルを介して遠距離で互いに通信を行う光通信により達成されることが多い。光トランシーバは、ネットワークのユーザにより生成された電気データ信号を高いデータ速度(data rate)(又は、データ送信速度)で変調された光信号に変換し、その逆に光信号を電気データ信号に変換する。光トランシーバは、ホストデバイスから電気信号を受信し、この電気信号を光ネットワークを介して送信される光信号に変換するように構成される光送信機と、光信号を受信し、この光信号をホストデバイスにより受信される電気信号に変換するように構成される光受信機とを全て含む光電コンポーネント(optoelectronic component)又はデバイスを含む。光トランシーバ内の光送信機及び光受信機は、共通回路及び同一のハウジングを共有することができる。光送信機は、送信機光サブアセンブリ(transmitter optical subassembly:TOSA)を含むことができ、光受信機は、受信機光サブアセンブリ(receiver optical subassembly:ROSA)を含むことができる。TOSAは、電気信号を受信し、この電気信号を多様な光ファイバリンクを介して送信される光信号に変換するように構成され、ROSAは、光信号を受信し、この光信号の処理のために電気信号に変換するように構成される。
【0004】
技術の進歩により、光トランシーバは、光チャネルを介して他の遠隔デバイスと遠隔デジタル診断モニタリング情報及び制御情報又はメッセージを交換することに関する機能を含むことができる。しかしながら、光チャネルは、無線通信システムにおいてと同様に、一部雑音チャネル特性により影響を受けるか、一部雑音チャネル特性を体験することがあるため、遠隔デジタル診断モニタリング情報及び制御情報又はメッセージの送信時にエラーが発生する可能性がある。
【0005】
従って、多様な光ネットワークを介して光トランシーバ間で遠隔デジタル診断モニタリング情報及び制御情報又はメッセージを通信する、より改善してより効率的な方法及びシステムの必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この「発明の概要」は、請求された主題の核心的な特徴又は必須の特徴を識別するためのものでなく、請求された主題の範囲を制限するためのものでもない。本明細書に説明されている例示的な実施形態は、互いに遠隔に位置する光トランシーバ間にデジタル診断モニタリング情報、メッセージ又は他のデータをより高い信頼性で送信する方法及びシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例として、本発明の一態様による光通信のための光トランシーバが提供される。前記光トランシーバは、メモリに結合された処理デバイス(processing device)、光サブアセンブリ(optical subassembly)、及びプログラミング可能デバイスを含む。前記処理デバイスは、1つ以上のプロセッサを含むことができる。前記光サブアセンブリは、高速ユーザデータを運ぶ第1信号を光リンクを介して遠隔光トランシーバに送信するために受信して変調するように構成される。前記プログラミング可能デバイスは、前記処理デバイスに結合され、前記処理デバイスから前記光トランシーバのデジタル診断モニタリング情報(digital diagnostic monitoring information:DDMI)に関するデータを受信し、前記DDMIに関するデータに順方向エラー訂正エンコーディング(forward error correction encoding)を行って遠隔デジタル診断モニタリング(remote digital diagnostic monitoring:RDDM)信号を生成し、前記RDDM信号を、送信のために前記第1信号に変調するために第2信号として前記光サブアセンブリに送信するように構成される。前記光サブアセンブリは、前記第2信号を前記第1信号に電流変調して送信される二重変調された光信号を生成するように構成される。二重変調された光信号は以後前記光リンクを介して前記遠隔光トランシーバに送信される。
【0008】
本発明の一態様において、前記光トランシーバは、スモールフォームファクタプラガブル(small form factor pluggable:SFP)モジュール又は10ギガビットスモールフォームファクタプラガブル(XFP)モジュールを含んでもよい。
【0009】
本発明の一態様において、前記プログラミング可能デバイスは、前記DDMIに関するデータに巡回冗長検査(cyclic redundancy check:CRC)を行うようにさらに構成されてもよい。
【0010】
本発明の一態様において、前記プログラミング可能デバイスは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array:FPGA)を含んでもよい。
【0011】
本発明の一態様において、前記プログラミング可能デバイスは、前記光リンクを介して前記遠隔光トランシーバからおRDDM信号を含む第3信号を前記光サブアセンブリから受信し、前記第3信号にFECデコーディング動作を行い、前記遠隔光トランシーバに関するDDMIデータを復旧するようにさらに構成されてもよい。
【0012】
本発明の一態様において、前記第2信号は、前記第2信号を前記第1信号に電流変調して変調度(modulation depth)を有する二重変調された光信号の生成に用いられるレーザダイオード(laser diode:LD)バイアス電流(bias current)を含んでもよい。
【0013】
本発明の一態様において、前記光サブアセンブリは、約4%ないし約6%の範囲の前記変調度を有する二重変調された光信号を生成するように構成されてもよい。
【0014】
本発明の一態様において、前記変調度は、前記第1信号の電流値に対する前記第2信号の電流値の比率である。
【0015】
本発明の一態様において、前記DDMIに関するデータは、前記光トランシーバの多様なコンポーネントの動作及び管理に関するパラメータを含んでもよい。
【0016】
本発明の一態様において、前記FECエンコーディングは、少なくともBCH(31,16)コード又はリードソロモン(Reed-Solomon)コードを使用してもよい。
【0017】
本発明の一態様において、光トランシーバで光通信を行う方法が提供される。前記光トランシーバ内のフィールドプログラマブルデバイスにおいて、前記光トランシーバのデジタル診断モニタリング情報(DDMI)に関するデータが受信される。前記光トランシーバは、前記光トランシーバの光サブアセンブリを介して高速ユーザデータを運ぶ第1信号を変調し、さらにDDMIデータを運ぶ第2信号を前記第1信号に電流変調して、光リンクを介して遠隔光トランシーバに送信される二重変調された光信号を生成するように構成されてもよい。順方向エラー訂正(FEC)エンコーディング及び/又はCRCが前記DDMIに関するデータに行われて前記遠隔デジタル診断モニタリング(RDDM)信号が生成され、このRDDM信号は、光リンクを介して前記遠隔光トランシーバに送信される二重変調された光信号を生成するために、前記第2信号として前記光トランシーバの前記光サブアセンブリに送信される。また、前記光トランシーバは、二重変調された光信号を受信し、前記RDDM信号を復調するように構成されてもよい。前記RDDM信号にFECデコーディング及び/又はCRCが行われて、前記DDMIに関するデータが追加処理のために復旧されてもよい。
【0018】
本発明のこれら及び他の特徴は以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下の添付図面に関連して以下の説明からより詳しく理解することができるであろう。
【0020】
図1】本発明の一態様による光トランシーバの一例を示す図である。
図2】本発明の一態様による双方向光トランシーバの他の例を示す図である。
図3A】本発明の一態様による本技術の一実施形態の実施例を示すブロック図である。
図3B】本発明の一態様による本技術の一実施形態の実施例を示すブロック図である。
図4】本発明の一態様による光トランシーバの一例を示す図である。
図5A】本発明の一態様による例示的な具現例を示す図である。
図5B】本発明の一態様による例示的な具現例を示す図である。
図5C】本発明の一態様による例示的な具現例を示す図である。
図6A】本発明の一態様による例示的な具現例及びそれに関するタイミング図を示す図である。
図6B】本発明の一態様による例示的な具現例及びそれに関するタイミング図を示す図である。
図7A】本発明の一態様によるフレーム構造の一例を示す図である。
図7B】本発明の一態様によるフレーム構造の一例を示す図である。
図8A】本発明の一態様によるアイダイアグラム(eye diagram)の例を示す図である。
図8B】本発明の一態様によるアイダイアグラム(eye diagram)の例を示す図である。
図8C】本発明の一態様によるアイダイアグラム(eye diagram)の例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態による本技術の性能特性の例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態による本技術の性能特性の例を示す図である。
図11】本発明の一態様による例示的な具現例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、多様な図に関連して例示的な実施例について詳細に説明する。以下の説明は例示的なものであり、請求した発明の範囲を制限するものではない。以下の説明は、可能な具現例の詳細な実施例を提供し、本明細書に説明されている概念を実施できる唯一の構成を示すものではない。従って、詳細な説明は多様な概念を徹底に理解するために特定詳細を含むが、このような特定詳細がなくてもこのような概念を実施できると理解される。一部の場合、周知の構造とコンポーネントはこのような概念を曖昧にしないためにブロック図として示す。図において、同一符号は同一要素及び特徴を示すために用いられると理解される。
【0022】
簡略化のために、本方法は、本明細書において、一連の段階又は動作として説明されているが、一部の段階又は動作は本明細書に図示及び説明されているものと異なる順序で発生することができる、及び/又は他の動作と同時に使用される可能性あるので、請求した主題は段階又は動作の順序により限定されるものではないと理解されるべきである。また、本明細書に開示されている本技術による多様な方法を具現するために全ての例示段階又は動作が要求されることではない。
【0023】
また、本発明の実施例は、光トランシーバ又は光電デバイス(optoelectronic device)の脈絡で論議されるが、この技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の原理が2つの遠隔に位置する電子デバイス間に遠隔デジタル診断モニタリング情報、制御情報又は他のデータを通信するために実現することができ、光学的及び/又は電気的に通信することに関連していると認識できるであろう。本明細書における「光電デバイス」とは、光学的コンポーネント及び電気的コンポーネントを全て有するデバイスを含み、光電デバイスの例はトランシーバ、送信機、受信機及び/又はトランスポンダを含むことができる。
【0024】
図1は、本発明の一態様により光ファイバ通信に用いられる多様なコンポーネントを含む光トランシーバの一例を示す単純化したブロック図である。光トランシーバは、光リンクの多様な帯域幅、例えば、1Gb/s、2Gb/s、4Gb/s、8Gb/s、10Gb/s、40Gb/s、50Gb/s、100Gb/s以上の帯域幅に利用でき、スモールフォームファクタプラガブル(SFP)、10ギガビットスモールフォームファクタプラガブル(XFP)などを含むが、これらに限定されない任意のフォームファクタの多様な光電デバイスにおいて実現できる。
【0025】
図1に示すように、例として、光トランシーバ100(又は100’)は、メイン光信号処理コンポーネント110、Tx変調コンポーネント120、Rx復調コンポーネント130、フレーミング/デフレーミングである(framing/deframing)FECエラー検出及び訂正コンポーネント140、及び処理システム又はプロセッサコンポーネント150を含む多様なコンポーネントを含むように構成される。
【0026】
ここで、本明細書における「処理システム」又は「プロセッサコンポーネント」とは、本明細書において説明されている多様な機能またはアルゴリズムを行うか実行することができる任意のハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを意味する。処理システム(又はプロセッサコンポーネント)は、プロセッサ、中央処理ユニット(central processing unit:CPU)、マイクロコントローラ、コントローラ、集積回路、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)、ハードウェアロジック、ゲート、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラミング可能論理回路などを含む1つ以上の処理システムを含むが、これらに限定されるものではない。「ソフトウェア」とは、高いレベルのプログラミング言語であるか又は機械可読言語であるか、これらの任意の変形語であるかに関係なく、本発明の態様による多様な機能を実行するように構成される任意の機械可読及び/又は実行可能コード、命令などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0027】
この例において、送信経路上で、光トランシーバ100(又は100’)は、超高速(例えば、10ギガビット/秒(Gb/s)速度以上のデータ送信速度)でユーザトラヒックを運ぶ電気信号155を受信し、この電気信号155を光ファイバリンクを介して遠隔デバイスに送信するためにユーザトラヒック(又はペイロード)を運ぶ光信号に変換するように構成される。また、本発明の一態様において、光トランシーバ100は、Tx変調コンポーネント120を介して、デジタル診断モニタリング情報(DDMI)のような、光トランシーバ100の健康状態又は動作状態に関するパラメータのような、「RDDM信号」、「DDMIデータ信号」又は「第2信号」と呼ばれる、他の情報又はデータを運ぶ低速送信信号を高速ユーザトラヒックを運ぶ光信号に変調して二重変調された光信号157を生成するように構成される。ここで、「二重変調された光信号」とは、メインユーザトラヒック(又はデータ)に対する第1電流変調及びデジタル診断モニタリング情報データのような他のデータに対する第2電流変調を有する光信号を示す。二重変調された光信号を生成する1つの技術は、全体内容が本明細書に併合された、アロンソン(Aronson)などの米国特許登録第7,630,631B2号明細書に開示されている、トランシーバ間のデジタル診断又は他のデータの帯域外(out-of-band)データ通信方法を含む。また、DDMIデータは、光トランシーバ及び多様なコンポーネントの診断データ、識別情報、障害検出及びモニタリング情報、光トランシーバのコンポーネントに対するモニタリングリング及び制御に関するデータなどを含む。
【0028】
この実施例において、Tx変調コンポーネントは、直接変調レーザ(direct modulation laser:DML)、外部変調レーザ(external modulation laser:EML)などの多様な変調をサポートするレーザダイオード(LD)ドライバーを含む。電気信号のLDドライバー出力は、以後高速ユーザデータを運ぶメイン光信号を生成するために変調コンポーネントを駆動する。受信側において、Rx復調コンポーネント130から出力された電気信号はフレーミング/デフレーミングFECエラー検出及び訂正コンポーネント140だけではなく、メイン光信号処理コンポーネント110に提供される。Rx復調コンポーネント130は、また、追加処理のために受信した電気信号を増幅する後置増幅器(post amplifier)を含むことができる。
【0029】
本明細書に開示されているように、光トランシーバ100は、フレーミング/デフレーミングFECエラー検出及び訂正コンポーネント140を介して、順方向エラー訂正(FEC)及び/又は巡回冗長検査(CRC)動作などのフレーミング及びエラー検出及び訂正動作をDDMIに行ってDDMIデータを運ぶRDDM信号を生成するように構成できる。RDDM信号は、以後、高速ユーザトラヒックを運ぶ光信号を変調して光リンクを介して送信される二重変調された光信号157を生成するためにTx変調コンポーネント120に提供される。
【0030】
受信経路上において、光トランシーバ100は、遠隔光トランシーバから入力光信号159(これは二重変調された光信号である)を受信し、入力光信号159を高速ユーザトラヒックを運搬する電気信号155に変換するように構成される。また、光トランシーバ100は、受信した入力光信号159からRx復調コンポーネント130を介してRDDM信号を復調及び抽出し、このRDDM信号をフレーミング/デフレーミングFECエラー検出及び訂正コンポーネント140に出力し、このFECエラー検出及び訂正コンポーネントから受信されたRDDM信号にデフレーミング及びFECデコーディング及び/又はCRC動作を行った後、DDMIデータを抽出又は復旧するように構成される。抽出されたDDMIデータは、以後、遠隔光トランシーバに関する前記抽出されたDDMIデータを追加処理するためにプロセッサコンポーネント150に出力される。
【0031】
この例において、前述したように、Tx変調コンポーネント120は、光リンクを介して送信される光信号に高速ユーザデータを変調するためにレーザダイオード及びレーザドライバー回路を含む。Rx復調コンポーネント130は、光トランシーバ設計においてのように、光−電気(optical-to-electrical)信号変換コンポーネントであり、アバランシェフォトダイオード(avalanche photo diode:APD)又はPINダイオードのような光受信要素を含むことができる。Rx復調コンポーネント130は、低雑音トランスインピーダンス前置増幅器(transimpedance preamplifier)(TIA)及び高利得後置増幅器(図1に図示せず)などの信号増幅器を含むことができる。TIAは、小さいフォトダイオード電流(例えば、非常に低い交流電流(AC))を受信し、この交流電流を低雑音を有する差動電圧信号に変換し、例えば、デジタル信号処理のような後続デジタル回路に使用されるために増幅するためにこの差動電圧信号を高利得後置増幅器に出力するように構成できる。
【0032】
処理システム150は、光トランシーバ100の多様なコンポーネントの制御及び管理を含む多様な機能を実行するように構成される。また、処理システム150は、フレーミング/デフレーミングFECエラー検出及び訂正コンポーネント140に結合され、フレーミング/デフレーミングFECエラー検出及び訂正コンポーネント140の動作及び管理を制御する。本発明の一態様において、処理システム150は、1つ以上の処理システム又は回路、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor:DSP)、制御ロジック、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などで実現されるか、これらを含むことができる。また、処理システム150は、1つ以上のメモリユニット161に結合され、メイン光処理機能及びRDDM機能を含む全ての処理機能を制御及び管理するように構成できる。1つ以上のメモリユニット161は、光トランシーバ100の健康状態及び動作状態などに関するパラメータを含む多様なパラメータを保存するように構成される。
【0033】
本発明の一態様において、処理システム150は、処理システム150に結合されたI2Cインタフェースのような外部インタフェース又は内部バス又は1つ以上のデータインタフェースを介してローカルDDMIデータを含む多様なデータを収集し、収集したローカルDDMIデータを他のデバイスに送信するようにさらに構成される。また、処理システム150は、1つ以上のメモリ161に保存されるか、又は光ファイバリンクを介して遠隔サイトに位置する他の光トランシーバから受信されたDDMIデータに基づいて光トランシーバ100の多様なコンポーネントを制御するように構成される。I2Cインタフェースは、多様なタイプのデータを交換するために処理システム150とホストデバイス間にデータインタフェースプロトコルを含むことができる。
【0034】
例として、処理システム150は、レーザダイオードのバイアス、熱電冷却器(thermoelectric cooler:TEC)の温度、電力、多様なコンポーネントの状態などに関する動作状態(これは、本発明において、デジタル診断モニタリング情報(DDMI)又はデータと呼ばれることもある)をモニタリングリング及び/又は制御することができる。通常、従来の光トランシーバは、自身のDDMIデータをモニタリングリングして制御することができるが、光リンクで遠隔サイトに位置する他の光トランシーバのDDMIデータをモニタリングリング及び制御できない場合がよく発生する。本発明の一態様において、本明細書に説明されている本技術は、信頼性が高くて効率的な方式で他の光トランシーバのDDMIデータをモニタリングリング及び/又は制御することを可能にする。
【0035】
図2は、本発明の一態様による光トランシーバ(例えば、双方向光トランシーバ)の高いレベルの他の具現例を示す図である。図2において、双方向光トランシーバ201は、他のコンポーネントのうち、I2Cインタフェース204に結合されたメインプロセッサ203(例えば、MCU)、光サブアセンブリ(例えば、OSA)205、送信ドライバー(例えば、Txドライバー)207、受信後置増幅器(例えば、Rx後置増幅器)209、フィールドプログラマブルゲートアレイ(例えば、FPGA)211、遠隔デジタル診断モニタリングリンクインタフェース(例えば、RDDMリンクインタフェース)213、及びクロック回路215を含む。
【0036】
この例において、光トランシーバ201のメインプロセッサ203は、高速ユーザデータだけではなく、外部デバイスからの制御及び/又は管理信号を含む多様な信号を受信するように構成される。また、メインプロセッサ203は、図1に示すように光トランシーバ201の多様なコンポーネントをモニタリングリング及び/又は制御することができる。図2において、メインプロセッサ203は、マイクロコントローラユニット(microcontroller unit:MCU)として示されているが、このメインプロセッサ203は、これに限定されるものではなく、従って、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、ハードウェアロジック、プログラミング可能ゲートアレイ又はロジック、ハードウェアとソフトウェアコンポーネントの多様な組み合わせなどで実現することができる。メインプロセッサ203は、また、RAM(random access memory)又は非揮発性メモリなどの内部メモリ(図示せず)を含んでもよく、または、メインプロセッサ203の外部のメモリに結合されてもよい。また、この例において、メインプロセッサ203は、多様な信号交換によりFPGA211とインタフェースするか、又はそのFPGAと通信するように構成される1つ以上の遠隔デジタル診断モニタリング(RDDM)レジスタを含むと図示される。メインプロセッサ203は、割り込みライン(ら)(IRQ)及び1つ以上の直列経路(例えば、直列経路)を介して多様なコマンド信号(例えば、CMD)をFPGA211に送信してこのFPGAと通信するように構成され、これにより、RDDMに関する情報又はデータが送信及び/又は受信処理のためにFPGA211に送信されるか、及び/又はそのFPGA211により受信される。
【0037】
送信側上において、FPGA211は、メインプロセッサ203からRDDMデータを受信するように構成される。本発明の多様な様態によると、FPGA211は、メインプロセッサ203から受信されたRDDM(又はDDMI)データにRDDMフレーミング及び順方向エラー訂正(Forward Error Correction:FEC)エンコーディング機能を実行するように構成される。また、FPGA211は、このFPGA211とOSA205間に配置されたRDDMリンクインタフェース213に結合される。
【0038】
RDDMリンクインタフェース213は、光サブアセンブリのレーザダイオード及び光検出器に対してRDDM信号の送信機及び受信機インタフェースとして動作し、RDDM信号を生成するように構成されているRDDM Tx及びRxインタフェース回路のようなインタフェース回路を含むことができる。すなわち、RDDMリンクインタフェース213は、FPGAからRDDMデータ信号(例えば、RDDM Tx)を受信して対応するレーザダイオードバイアス電流を生成するように構成されてもよく、このバイアス電流は、遠隔デバイスに送信される高速ユーザデータを運ぶメイン光信号225にRDDM信号を変調して光リンクで送信される二重変調された光信号227を生成するためにOSA205に提供される。本発明において、「二重変調」又は「二重変調された光信号」とは、2つの変調が存在するということ、すなわち、光サブアセンブリ内の同じレーザダイオードで、メインユーザトラヒック又はデータ信号に対する1つの電流変調、及びRDDM信号に対する他の追加的な電流変調が存在することを意味する。また、本技術の一態様において、二重変調は、(メインユーザトラヒック及びRDDMデータを共に有する)結合された電気信号をレーザダイオードの電流により変調する方式であり、メインユーザトラヒックの振幅変調を用いる従来の二重変調とは異なる。
【0039】
受信経路上において、OSA205は、光リンクで高速ユーザデータを運ぶ二重変調された光信号227を受信し、メインプロセッサ203により高速ユーザデータを処理するために二重変調された光信号を受信後置増幅器209に送信するように構成される。また、OSA205は、二重変調された光信号227からRDDM信号を抽出し、RDDM信号に関するフォトダイオード電流をRDDMリンクインタフェース213に出力するようにさらに構成できる。復旧または復調されたRDDM信号は、RDDMリンクインタフェース213によりRDDM Rxデータの形態でFPGA211に送信される。FPGA211は、本発明の多様な様態により、RDDM Rxを受信してRDDMデフレーミング及びFECデコーディング機能を実行するように構成される。RDDMデータは抽出された後、追加処理のためにFPGA211により直列経路を介してメインプロセッサ203に送信される。
【0040】
この例において、RDDM Tx及びRxインタフェース回路はRDDM信号及びバイアス電流及び変調電流設定のための追加的な電流変調器を含むRDDM送信機回路を含んでもよく、フォトダイオード電流検出及び増幅器回路、ローパスフィルタ、及び2進決定(例えば、論理「0」又は「1」)の決定回路(ら)を含むRDDM受信機回路を含むことができる。
【0041】
本発明の一態様によると、図3Aは、RDDM Tx及びRxインタフェース回路の送信機インタフェース部分の例示的な具現例を示し、図3Bは、RDDM Tx及びRxインタフェース回路の受信機インタフェース部分の例示的な具現例を示す。図3Aにおいて、FPGA211からのRDDM Tx信号は、例えば、変調増幅器(Mod Amp)により変調及び増幅された後、トランジスタを介してメインレーザダイオードドライバー(例えば、DMLドライバー)のバイアス電流(例えば、Iバイアス)と共に電流変調される。図3Bにおいて、TIA出力、フォト電流又はミラー電流出力はローパスフィルタリングされる。RDDM信号は超低周波数であり、ユーザデータを運ぶメイン光信号は超高周波数である。このように、メイン光信号を含む高周波成分は、例えば、ローパスフィルタ及び増幅器(LPF & Amp)によりフィルタリング及び増幅することができる。フィルタリング及び増幅された信号は、以後少なくとも部分的に比較器によりRDDM Rx信号に変換され、このRDDM Rx信号は処理のためにFPGA211に入力される。
【0042】
この例において、RDDM(又はDDMI)データは、光トランシーバの障害及びアラーム、光トランシーバの性能モニタリングリング、光トランシーバのデータの遠隔インベントリ、RDDMリンク状態などに関するパラメータを含むことができる。障害及びアラームパラメータは、光信号損失(loss of optical signal:LOS)のような即時の措置(immediate action)を遠隔サイトで要求する動作パラメータを含むことができる。性能モニタリングパラメータは、Tx及びRx電力、バイアス電圧/電流、温度などに関するパラメータ又はデータを含むことができる。光トランシーバの遠隔インベントリデータに関するパラメータは、光トランシーバのモジュールタイプ、製品番号(P/N)、シーケンス番号(S/N)などに関する情報又はデータを含むことができる。RDDMリンク状態は、リンク故障に関する、又はLOS、フレーム外(our of frame:OOF)、巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check:CRC)エラーなどに関連するパラメータまたはデータをさらに含むことができる。
【0043】
本発明の一態様において、OSA205は、電気信号を光ファイバに結合された光信号に変換する送信機光サブアセンブリ(TOSA)、及び光ファイバから光信号を受信して光信号を電気信号に変換する受信機光サブアセンブリ(ROSA)をさらに含むことができる。
【0044】
また、本発明の一態様において、OSA205は、光ファイバチャネルを介して光信号を送信及び受信するように構成される、レーザダイオード(LD)モジュール及びフォトダイオード(PD)モジュールを含む、双方向光サブアセンブリ(Bidirectional Optical Subassembly:BOSA)、すなわち冷却された単一チャネル(cooled single channel:CSC)BOSAとして実現することができる。CSC BOSAは、高速データ信号を光ファイバチャネルを介して送信できる信号に変換するようにLDモジュールのパワー出力を変調する変調器を含む高速データ制御回路をさらに含むか、この高速データ制御回路に接続または結合される。まず、前述したように、OSA205は、高速ユーザデータを運ぶメイン光信号を受信及び変調し、RDDMリンクインタフェース213から追加的な入力信号を受信し、この追加的な入力信号に基づいてさらに変調して二重変調された光信号227を生成するように構成される。より具体的には、OSA205は、RDDMリンクインタフェース213からLDバイアス電流を受信し、高速ユーザデータを運ぶメイン光信号にRDDM信号を変調する方式でOSA205のLDモジュールをさらに変調し、高速ユーザデータ及びRDDMデータを全て運搬する二重変調された光信号227を生成するように構成される。
【0045】
本発明の一態様において、代案的に、OSA205は、OSA205の一部として送信ドライバー207及び/又は受信後置増幅器209をさらに含むことができる。
【0046】
また、前述したように、OSA205は、光ファイバチャネルを介して遠隔デバイスから二重変調された光信号227を受信するように構成される。OSA205は、高速ユーザデータを復調、復旧してから、この高速ユーザデータを増幅のために受信後置増幅器209に送信し、RDDM信号をPD電流の形態にRDDMリンクインタフェース213に送信するように構成される。RDDMリンクインタフェース213は、PD電流からRDDMデータ(例えば、RDDM Rx)を受信及び抽出し、抽出されたRDDMデータを、追加処理のために、すなわち、DDMIデータを復旧するためのデフレーミング及びFECデコーディング機能のために、FPGA211に送信する。前述したように、FPGA211は、RDDMデータにデフレーミング及びFECデコーディング動作を行ってDDMIデータを取得し、後続処理のためにDDMIデータをメインプロセッサ203に伝達するように構成される。この例において、FPGA211は、クロック215などの外部クロックソース又は回路により駆動することができる。代案的に、FPGA211は、内部クロックにより駆動することもできる。
【0047】
本発明の一態様において、前述したように、光リンクで2つの光トランシーバ間に通信を行うことに関しては、光トランシーバ201などの第1光トランシーバは、高速ユーザデータを運ぶ超高速メイン光信号と共に、高速メイン光信号に変調された個別低速送信信号(例えば、RDDM信号)を、二重変調された光信号として、第2光トランシーバなどの遠隔デバイスに送信するように構成できる。この例において、個別低速送信信号は第1光トランシーバからのコマンド又は問合せ(inquiry)メッセージ、又は第2光トランシーバからの問合せメッセージまたはコマンドに応答するメッセージなどの多様なメッセージ又はデータを含むことができる。
【0048】
第1光トランシーバから送信された個別低速送信信号に応答して、第1光トランシーバは、第2光トランシーバからDDMIデータを受信することができる。すなわち、第2光トランシーバのプロセッサ150は、個別低速送信信号を受信した後、第2光トランシーバの要求されたDDMIデータを収集し、収集したDDMIデータを、第1光トランシーバに送信される二重変調された光信号の一部として、(収集したDDMIデータを含む)他の個別低速送信信号により、第1光トランシーバに送信する。
【0049】
前述したように、コマンド又は応答である低速送信信号(又は、RDDM信号)は、送信のために高速ユーザデータを運ぶメイン光信号に非常に小さい信号レベルで変調される。すなわち、RDDM信号がメイン光信号で送信されるとき、メイン光信号に対するRDDM信号変調の信号レベルがメイン変調に比べて非常に小さいため、メイン光信号に対するRDDM信号の影響を低減することができる。さらに、メイン光信号はRDDM信号を妨害しない。
【0050】
しかしながら、このような非常に低い信号レベルがRDDM信号の送信に用いられるとき、受信光トランシーバは、最適範囲未満の低い光パワーレベル、メイン光信号とRDDM信号のクロストーク影響(ら)などの多様な送信エラーにより、間違っているまたは損傷したデータを受信すること可能性がある。その結果、RDDM信号の再送信が必要となり、これにより、2つの光トランシーバ間の通信遅延が増加する可能性がある。従って、本発明の一態様によると、順方向エラー訂正(forward error correction:FEC)コード及び/又は巡回冗長検査(cyclic redundancy check:CRC)の使用がRDDM信号の送信時に限られた数のエラーを検出及び訂正することができ、これにより、所望していない送信エラーに対する通信システムの弾力性を増加させることができるので、RDDM信号の送信エラーを減らすために、順方向エラー訂正(FEC)及び/又は巡回冗長検査(CRC)などのエラー訂正コード又は技術の使用がRDDM信号に実現することができる。
【0051】
図4は、本発明の一態様によるFEC及び/又はCRCの例示的な具現例を示すブロック図である。特に、図4は、本発明の一態様によりFPGA211内のFEC及び/又はCRCの例示的な具現例を示す。図示されているように、送信経路上において、FPGA211は、インタフェース303、送信バッファ305(DDMI Txバッファ)、フレーマ(framer)307(例えば、RDDMフレーマ)、順方向エラー訂正(FEC)エンコーディングコンポーネント309(例えば、FECエンコーダ)、ラインコーダ(line coder)311(例えば、ラインコーダ)などの多様なコンポーネントを含むことができる。FPGA211は、クロック生成コンポーネント324をさらに含む。受信経路上において、FPGA211は、クロック復旧コンポーネント325、ラインデコーダ313(例えば、ラインデコーダ)、FECデコーディングコンポーネント315(例えば、FECデコーダ)、デフレーマ(deframer)317(例えば、RDDMデフレーマ)、及びインタフェース303に結合された受信バッファ318(例えば、DDMI Rxバッファ)を含むことができる。図2に示すように、RDDM受信データ(例えば、RDDM Rx)がFPGA211に出力されると、クロック復旧コンポーネント325は、RDDM受信データ(例えば、RDDM Rx)を受信し、このRDDM受信データを追加処理のためにラインデコーダ313に出力する。その後、RDDM受信データは、本発明の多様な様態によりFECデコーディング及びデフレーミングされ、その後、追加処理のためにメインプロセッサ203に伝達するためにDDMI受信バッファ318に配置される。インタフェース303は、DDMI受信バッファ318内のRDDMデータ(例えば、DDMIデータ)をメインプロセッサ203(例えば、MCU)に伝達するように構成される。
【0052】
送信経路上において、RDDMデータ(例えば、DDMIデータ)は、インタフェース303を介してメインプロセッサ203(例えば、MCU)から受信され、DDMI送信バッファ305に配置される。その後、RDDMフレーマ307とFECエンコーダ309は、RDDMデータにフレーミング及びFECエンコーディング及び/又はCRCを行うことができる。
【0053】
光トランシーバ201のRDDMフレーマ307及びFECエンコーダ309は、集合的に「送信エンコーディングブロック」と呼ばれ、送信データにフレーミング機能と順方向エラー訂正エンコーディングを行うように構成される。すなわち、送信エンコーディングブロックは、FECパリティビットのようなエラー訂正ビットが追加されたデジタル診断メッセージ又はデータを含む送信データからフレームを生成するように構成される。同様に、受信経路上において、FECデコーダ315及びRDDMデフレーマ317は、集合的に「受信デコーディングブロック」と呼ばれ、受信したデータにFECデコーディング及びデフレーミング機能を行うように構成される。
【0054】
順方向エラー検出及び訂正(又は、「チャネルエンコーディング/デコーディング」とも知られている)は、雑音が多い通信チャネルを介したデータ送信時のエラーを制御するか、又は最小化するために無線通信において知られている技術である。一般に、FECは、送信された情報に特定方法を用いて冗長(redundancy)を追加し、この冗長に基づいて前記情報の再送信要求を送信する必要なく受信機がエラーを訂正できるようにする。通常、送信時のバーストエラーを含む特定数のビット(又は、欠落または損傷したビット)は、FECコードを適切に設計することにより訂正できる。従って、異なるFECコードが利用でき、異なる応用及び状態に対して利用できる。
【0055】
本発明の一態様によると、本発明に開示されている例において、BCHコードが選択されてフレーミング及びFECエンコーディング技術に用いられる。また、この例において、BCH(31,16)コードは、10Kb/sでフレーミング/デフレーミング及びFECエンコーディング/デコーディングのために用いられる。さらに、1B2B(マンチェスターコーディング(Manchester coding)とも知られている)は、ラインコーダ311又はラインデコーダ313でラインコーディングのために20Kb/sで用いられる。BCH(31,16)コードは、2進ブロックコード(組織的巡回ブロックコード(systematic cyclic block codes)とも知られている)の一例であり、リードソロモンコードなどの他のコードも代わりに利用できると理解される。
【0056】
FECコーディング/デコーディング及び/又はCRC技術は、多様な方式でFPGAのようなハードウェアゲートアレイを含む1つ以上のプログラミング可能デバイスで実現でき、多様な文献において知られて文書化されている。従って、実施形態の一部様態についての詳細な説明は本明細書において省略される。しかしながら、請求された主題をより明確に理解及び認識するために、FEC及び/又はCRCの一部様態に関する説明が本技術の様態により本明細書に提供される。一般に、2進BCH(n,k)コードにおいて、k−ビットメッセージはn−ビットコードワード(codeword)にエンコーディングされる。これは、k−ビットメッセージ及びn−kパリティビットから構成される。上位レベルにおいて、BCHコードは一般に以下のように構成される:メッセージ多項式(message polynomial)が取得され、このメッセージ多項式は生成器多項式(generator polynomial)により分割され、残りはメッセージ多項式に追加されてコードワード多項式が形成される。生成器多項式は根(root)に対応する全ての最小多項式の最小公倍数を取ることにより形成される。また、受信端において、BCHデコーディングは受信した多項式に基づいてシンドロームベクトル(syndrome vector)S=(S, S, S2t)を先に発見することにより行われる。エラー位置多項式(error location polynomial)はこのシンドロームから決定される。エラー位置多項式の根を用いて、複数のエラー位置指定子(error locator)が決定される。その結果、検出されたエラーの位置に基づいて、tまでのエラーの数が受信した多項式で訂正できる。BCH(31,16)コードを含むBCHコードは、信頼できない通信チャネルでデータを送信する間に発生するエラーの訂正に用いられる効率的なエラー訂正コードの1つである。
【0057】
代案的に、2進BCHコードの代わりに、リードソロモンコードなどの他のFECコードを利用することもできる。リードソロモンコードは非常に強力でありデータ送信時のバーストエラーを訂正することができる。
【0058】
また、BCHコードは畳み込み符号(convolution code)に連結(concatenated)されるか、又は低密度パリティ検査(low density parity check:LDPC)コードなどの他のブロックコードに連結(concatenated)される。
【0059】
また、 巡回冗長検査(CRC)は2進BCH又はリードソロモンコードと共に用いられる。CRCはデータ送信時の偶発的な変化を検出するハッシュ関数基盤のエラー検出体系である。CRCにおいて、第1検査値は送信されるデータブロックに基づいて計算され、この第1検査値はデータの送信前にデータに添付される。第1検査値は固定された長さである。受信端においては、受信したデータのブロックに基づいて、第2検査値が計算され、受信した第1検査値と比較される。第1検査値と第2検査値が一致しない場合、受信したデータのブロックはデータエラーを含み、従って、例えばデータブロックの再送信要求などの修正措置が取られる。そうではなく、第1検査値と第2検査値が一致する場合、データブロックにはエラーがないと仮定することができる。検査値がn−ビットである場合、この値はn−ビットCRCと呼ばれる。
【0060】
本発明の一態様によると、BCH(31,16)の生成器多項式は、以下のようである:
g(x)=x15+x11+x10+x+x+x+x+x+x+x+1
また、その対応するBCHエンコーダは、図5Aに示すような1つ以上の分配器回路(divider circuit)を用いて実現することができる。図5Aに示すように、参照番号350のボックスはD−フリップフロップを示し、
は排他的ORゲートを示す。図5Aに示す例示的な分配器回路は、k−ビットメッセージを受信する間にパリティビットを計算するように構成される。例示的な分配器回路がパリティビットを計算するとき、ゲート信号352(例えば、ゲート)は0であるが、これは入力k−メッセージが“出力”に行くことを意味する。計算されたパリティビットは、ゲート信号を「1」に設定することにより最後のメッセージビットを受信した直後に“出力”に移動する。図5Bは、対応するBCHデコーダ構造の一例を示す。まず、シンドローム生成器(syndrome generator)362はシンドロームを計算し、キー方程式ソルバー(key equation solver)364はこのシンドロームに基づいてエラー位置多項式の係数を決定する。その後、チェンサーチコンポーネント(Chien search)366は、エラー位置多項式に基づいてエラー位置を決定する。エラーがある場合、チェンサーチの出力は、ハイ、すなわち論理値「1」であり、エラーがない場合、チェンサーチの出力は、ロー、すなわち論理値「0」である。エラー訂正は、チェンサーチコンポーネント366の出力がハイであるとき、ビットを反転させることによりエラー訂正コンポーネント370で実行できる。また、遅延コンポーネント368は、シンドローム生成器362からチェンサーチコンポーネント366までの処理遅延の補償に用いられる。
【0061】
また、本発明の一態様によると、CRCは多様な方式で分配器回路により実現できる。また、全体内容が本明細書に併合されたITU−T X.25により、CRC−16エンコーダが具現され、図5Cに示すように本技術に用いられる。
【0062】
また、図4に示す例において、クロックは、FPGA211内のクロック生成コンポーネント324により内部で生成されて供給されるが、このクロックはプロセッサ203のような外部ソースにより外部で生成されて供給されることもできる。
【0063】
本発明の一態様によると、クロック又はデータ復旧は位相ロックループ(phase locked loop:PLL)回路又はブロックを使用せずに複数のサンプリング技術を用いることにより行われる。一般に、受信デバイスにおけるクロック復旧は適切な動作のために一部基準クロックを必要とする。しかしながら、自己クロックコード(self-clocking code)などの一部のインコード(line code)はこのような基準クロックを必要としない可能性がある。また、ビット速度(bit rate)がデータ信号を数回サンプリングできるほど比較的に低い場合、独立した高速クロックを用いて、データのエッジ(edge)(ら)を検出することによりクロックデータ復旧(clock data recovery:CDR)機能が行われる。
【0064】
図6Aは、クロック復旧ロジックの一例を示し、図6Bは、本発明の態様によりマンチェスターラインコードに対する機能動作タイミングの一例を示す。マンチェスターエンコーダはNRZ(Non-Return-to-Zero)「0」を「01」にエンコーディングし、NRZ「1」を「10」にエンコーディングする。本明細書において用いられている「NRZ」とは、特定及び一定の直流電圧により2進ロー及びハイ状態を送信する、デジタルデータ送信の一形態を示す。図6Bに示すように、高速クロックは入力データをサンプリングする。この例において、高速クロックはデータ(例えば、NRZデータ)より16倍速い。前記高速クロックを用いると、データのエッジ(ら)を容易に検出することができる。例えば、サンプリング点(sampling point)はエッジカウンタ(edge counter)を用いて決定される。一態様において、高速クロックで実行されるカウンタは「0」にリセットされ、全ての高速クロックで値に増加する。入力データは信号A又は信号B位置でサンプリングされ、例えば、カウンタ値が3であるときは信号Aが1であり、カウンタ値が12であるときは信号Bが1である。従って、サンプリング点を決定するためにエッジカウンタが用いられる。エッジカウンタはサンプリング点で0に行き、データエッジで1だけ増加する。次に、サンプリング点は以下のように決定される:(i)エッジカウンタが2である場合、信号Bはサンプリング点であると決定され、(ii)エッジカウンタが1である場合、信号Aはサンプリング点であると決定される。従って、伝統的な複雑な位相ロックループ(PLL)回路又はブロックを使用しなくてもデータエッジ(ら)を用いることにより、クロック及びデータを復旧することができ(例えば、CDR機能)、これは複雑な位相ロックループ回路又はブロックを必要とする任意の従来の技術よりコンポーネント、サイズ及びハードウェア空間などを減少できるなどのさらなる利点又は改善を提供する。
【0065】
代案的に、クロック復旧又はデータ復旧は、FPGA211内の内部PLL回路又はブロックを用いることにより行われる。また、クロック又はデータ復旧はFPGA211の外部のデバイスにより実行できる。
【0066】
本発明の一態様によると、フレーミング及び/又はデフレーミング動作のために、小さい寸法、低速、低コスト、低電力回路がFPGA211内部で用いられる。特に、RDDMデータのフレーミングは、FECエンコーディング動作が後続する10Kbps情報を含むことができる。代案的に、フレーミング及び/又はデフレーミング動作が外部のデバイスにより行われた後、FPGA211に供給されることができる。
【0067】
また、図4に示す例において、メイン光データ信号の低周波数遮断より低いラインコード速度(line code rate)、例えば、マンチェスターラインコードによる20Kbpsが用いられるが、共通共用無線インタフェース(Common Public Radio Interface:CPRI)、ギガビットイーサネット(Gigabit Ethernet:GbE)、ファイバチャネル(Fiber Channel:FC)などのための他の速度を用いると、エラーのない送信及び受信システムの維持にさらなる利点又は改善を提供することができる。ラインコーダ311のようなラインコーダは、「1」又は「0」などの2進データを光ファイバリンク上に表現する方式を決定するラインコーディング動作を行うように構成される。ラインデコーダ313のようなラインデコーダは、ラインコーディング動作に対応するラインデコーディング動作を行うように構成される。
【0068】
図7Aは、本発明の一態様によるフレーミング/デフレーミングを構造の一例を示す。例として、図7Aは、本発明の一態様において、DDMIデータのフレーミング及び/又はデフレーミング処理の一例を示す。例えば、1つ以上のDDMIデータは光チャネルを介して送信されるデータフレームに準備されるか、フレーミングされる(S403−S409)。
【0069】
S403において、予め決定されている数のビット(例えば、16ビット)を含むDDMIデータ又はメッセージ413(例えば、DDMI#1)は、図4に示すDDMI Txバッファ305を介してRDDMフレーマ307で受信される。ここで、DDMIデータ413はDDMIデータブロックと呼ばれる。FECエンコーダ309は、FECエンコーディング技術、例えば、BCH(31,16)を用いて受信されたDDMIデータ413にFECエンコーディング処理を行う。
【0070】
S405において、送信されたDDMIデータ413上のエラーを受信デバイスで検出及び/又は訂正するためにDDMIデータブロック413(例えば、DDMI#1)に15ビットのFECパリティ検査ビット(例えば、FECパリティ415)を追加することによりBCH(31,16)コードワードが準備される。すなわち、DDMIデータブロック413及びFECパリティ検査ビット415は、BCH(31,16)コードワード417(例えば、コードワード#1)を構成する。
【0071】
S407において、前述した方式と同様に、例えば、DDMI#1、DDMI#2、…、及びDDMI#144のそれぞれに基づいて、トータル144個のBCH(31,16)コードワード、コードワード#1、コードワード#2、…、及びコードワード#144が図7Aに示すように形成される。図7Aに示す例においては、各コードワードは、本発明の一態様により、RDDMデータを送信するためのフレームフォーマットの一部であり、短い形態で各コード、例えば、コード#1、…、コード#144に対応することができる。すなわち、S409において、RDDMデータを送信するためのフレームフォーマットはオーバーヘッド部分、例えば、496ビットのOH419及びトータル144個のコード、例えば、コード#1、コード#2、…、及びコード#144を含むコード部分を含み、ここで、各コードはBCH(31,16)コードワード417を含む。すなわち、DDMI#1、DDMI#2、…、DDMI#144などの各DDMIブロックは、BCHエンコーディングされたコードワード、コード#1、コード#2、…、コード#144にマッピングされ、これにより、オーバーヘッドセグメント419(例えば、496ビットのOH)を追加した後、予め決定されている長さのRDDM送信フレームフォーマットを形成することができる。
【0072】
また、図7Aに示すように、送信されるRDDMデータ423の1つのフレーム(又は、RDDM送信フレーム)は、送信フレームに496ビットのオーバーヘッド部分419を含んでトータル4,960ビットの長さを含むように構成できる。また、オーバーヘッド部分419はRDDMデータのフレームの処理に関する多様な情報を含むことができる。
【0073】
例として、受信デバイスにおいて、受信されたRDDMデータのデフレーミングは図7Aに示すRDDM送信フレーム構造によって逆順に行われる。受信デバイスで1つ以上のRDDM送信フレームが受信及び処理される。S409で受信されたRDDM送信フレームは、S407で144個のコードワードにアンパッキング(unpacked)(又は、分離)される。その後、FECデコーディングがエラー検出及び/又は訂正と共にFECデコーダ315により各コードワード(例えば、BCH(31,16)コードワード)に行われ、各DDMIデータはRDDMデフレーマ317により復旧または取得でき、その後、データは追加処理のために1つ以上のプロセッサに送信されるためにDDMIバッファRx318に配置される。前述したように、BCH(31,16)において、コードワードの長さが31ビットであるため、FECデコーディングは受信されたBCHコードにおいて31より少ない特定個数の損傷したビットの分だけエラーの任意の組み合わせを訂正することができ、優秀なエラー検出及び訂正能力を供給する。また、後述するように、BCHコードワードは、光ファイバチャネルを介してRDDMデータを送信及び受信するために向上したエラー検出及び訂正能力を提供することにより受信機の感度をより改善するためにCRCと結合される。
【0074】
図7Bは、本発明の一態様によるフレーム構造の例示的な具現例を示す。図7Bに示す例において、RDDMフレーム500の一例は複数のデータセグメント、例えば、セグメント0、セグメント1、セグメント2、…、及びセグメント9などの10個のデータセグメント505を含むことができる。セグメント0はオーバーヘッド部分(例えば、フレーム整列信号(FAS)オーバーヘッド(OH))、巡回冗長検査部分(例えば、CRC)及び予備ブロック(例えば、予備)などの3つのデータブロックを含むことができる。FAS OHはRDDMフレームの開始を示すビットを含み、CRCは送信されるRDDMフレーム全体に対するCRC検査の値を含む。予備ブロックは予備された使用及び/又はスペーシングのためのダミービット(dummy bit)を含むことができる。セグメント1〜9はデータセグメントに対応する。各セグメントはBCHエンコーディングされたコードワードのそれぞれに対応する16個のデータブロックを含むことができる。
【0075】
送信側において、図2及び図4を参照して、前述したように、DDMIデータが準備されて、RDDMフレーマ307及びFECエンコーダ309により、図7Bに示すフレーム構造に従って、RDDMフレームとしてFECエンコーディングされるが、例えば、フレーミング、BCHエンコーディング、及びCRCが行われ、光信号を変調して光ファイバチャネルを介して遠隔デバイスに送信するためにLDバイアス電流の形態でOSA205内の変調ユニットに送信される(図2に示す)。受信側において、遠隔デバイスはRDDMフレームに変調された光信号を受信する。その後、RDDMデータ(例えば、RDDM Rx)はOSA205から受信されたPD電流から取得される(図2に示す)。RDDMデフレーマは受信されたRDDMデータにCRC検査を行ってエラーを検出し、受信されたRDDMデータにBCHデコーディング又はエラー訂正を行ってDDMIデータを生成することができる。データブロック(データ#0、データ#1、…、データ#144)から遠隔光トランシーバのDDMI情報又はデータが取得されて1つ以上の処理システム(例えば、マイクロコントローラ203、プロセッサ150など)に送信されるか、又は、追加処理のために他のデバイスに送信される。すなわち、2つの遠隔に位置する光トランシーバ又はデバイス間で交換される前記受信されたDDMI情報に基づいて、これらは互いに通信を行い、光トランシーバ又はデバイスの相互動作をモニタリングリング及び制御することができる。
【0076】
本技術の具現様態を議論して、性能テスト結果の一部実施例が本技術の利益及び改善をより深く理解するために説明される。本発明の一態様において、本明細書に説明されている本技術の一部様態はアイダイアグラムを参照して理解することもできる。このアイダイアグラムは複数のビットのデータを重畳させることにより、送信及び/又は受信システムの性能の特性化に用いられる。一般に、前記アイがもっと開放されば開放されるほど、送信システム内の受信機が論理「0」ビットを論理「1」ビットとして取り違えるか、又はその逆に論理「1」ビットを論理「0」ビットとして取り違える可能性が低下する。すなわち、このアイダイアグラムに基づいて、信号品質及び/又は信号完全性が決定される。
【0077】
図8Aないし図8Cは、RDDM信号の変調度による送信アイ形状(eye shape)の例に基づいた信号品質のグラフィック表示を示す。図8Aないし図8Cに示すように、0%の変調度(図8A)、5%の変調度(図8B)、及び10%の変調度(図8C)を有するRDDMチャネル変調を有する送信(Tx)波形の例示的なアイダイアグラムが示される。具体的には、図8Aは、RDDM信号の任意の変調のない(すなわち、変調度が0%である)メインユーザデータ又はトラヒックのTxアイ形状を示す。図8Bは、5%のRDDM変調度がレーザダイオードに適用されるときのTxアイ形状をに示す。図8Cは、10%のRDDM変調度がレーザダイオードに適用されるときのTxアイ形状を示す。図8Cにおいて、約10%のより大きい変調度によりTxアイ形状が悪化したことが明白である。前述したように、10%の変調度を有するアイダイアグラムは、RDDM電流変調を全く行っていないためメイン光データ信号のみを送受信する、0%の変調度を有するアイダイアグラムよりアイにもっと多いジッターと歪み(例えば、振幅及び/又は位相エラー)があることを示す。(RDDM信号にFEC及び/又はCRCを有する)この例において、5%の変調度はRDDM信号の受信を全く中断せずにレーザダイオード電流変調に適用されるため、Txアイに相対的に少ない有害な影響を及ぼすと理解される。
【0078】
図9は、本発明の一態様により改善された性能特性のまた他の例を示す。図9は、メイントラヒック信号変調に対するRDDM変調度の例を示す。図9に示すグラフにおいて、ダイヤモンド形状はRDDM変調度を示し、正方形状はRDDMチャネル送信の電流ピーク対ピーク変調値を示し、これらは変調度(%単位)対(versus)デジタル−アナログ(digital-to-analog:DAC)数、及び変調電流ピーク対ピーク値(mA単位)を示す。また、点線ボックスはこの例に対するRDDM変調の最適化領域を示す。本明細書の説明において、本発明における「DAC数」とは、所望のRDDM変調振幅、例えば、RDDM Tx回路の定電流ソースのRDDM信号振幅を決定するための制御値を示す。
【0079】
図9に示すように、DAC数の増加に従って変調度も増加し、その結果、最終の光波形が悪化し、図10は、これに対応してマスクマージン値が減少することを示す。すなわち、本発明の一態様において、図9において、RDDMチャネルの変調度の増加に従って、(例えば、OC−48 SONETマスクを用いるとき)マスクマージンは悪化し、線形方式でアイマージンの値を低くする。複数のシミュレーション及びテストに基づいて、最適な変調度は、メイン光信号及びRDDM信号に任意の悪影響を及ぼさずにメイン光信号に比べて4%〜6%の範囲の変調度に決定される。すなわち、光学的結果のために、RDDM信号に対するLDバイアス電流は約4%ないし約6%の変調度に対応するLDバイアス電流の値を有するように決定される。
【0080】
また、図10に示すように、RDDM信号に対する変調度が、例えば、約4.5%から約9%に増加すると、OC−48の場合、メインチャネルのマスクマージン(Tx光アイダイアグラムのマージン)は、例えば、約23.3%から約18.3%に悪化する。これは、RDDM信号変調が用いられない場合に比べて、5%及び10%の変調度に対してマスクマージンの約5%及び10%のペナルティがそれぞれ存在することを意味する。また、Tx光波形をより良い形状に維持するためにはRDDM通信に要求される性能を維持しながら低い変調度を必要とする。
【0081】
本明細書に説明されているように、本技術の多様な実施形態は、光リンクを介して遠隔に位置する光トランシーバ又はデバイス間にデジタル診断情報又は他のデータを非常に高い信頼性で通信するために改善した方法及びシステムを提供する。
【0082】
本発明の一態様において、前述したように、RDDMフレーマ/デフレーマ、FECエンコーダ/デコーダ、ラインコーダ/デコーダなどの多様なブロック、コンポーネントまたはユニットは、それぞれハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせで実現できる。
【0083】
本発明の多様な様態は、1つ以上の処理システムにより実現することもできる。例えば、図1及び図2に示す光トランシーバ100(又は、201)又はその多様なコンポーネントは、図11に示すように、バス及び任意の適切な数の相互接続バス及びブリッジを含むバス構造として実現することができる。
【0084】
図11は、処理システムの一例を示す図である。図11に示すように、バスは1つ以上の処理システム(又は、プロセッサ)、1つ以上のメモリ、1つ以上の通信インタフェース、及び/又は1つ以上の入力/出力デバイスを含む多様な回路を共にリンクすることができる。1つ以上の処理システムは、非一時的なコンピュータ可読媒体上に保存されているソフトウェアを実行することを含んでバスの管理及び一般の処理を行うことができる。また、1つ以上の処理システムは命令を解析して実行するマイクロプロセッサのような1つ以上のプロセッサを含むことができる。他の具現例において、1つ以上の処理システムは1つ以上の特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブル論理アレイなどで実現されるか、これらを含むことができる。ソフトウェアは、1つ以上の処理システムにより実行されるとき、1つ以上の処理システムが任意の特定装置のために本明細書に説明されている多様な機能を実行させることができる。また、非一時的なコンピュータ可読媒体はソフトウェアを実行するとき、1つ以上の処理システムにより操作されるデータの保存に用いられる。1つ以上のメモリはランダムアクセスメモリ及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)、及び/又は他のタイプの磁気記録媒体又は光記録媒体を含む多様なタイプのメモリ、及び情報及び/又は命令を保存するか、及び/又はこれを検索するための対応するデバイスを含むことができる。1つ以上の通信インタフェースは、また、光トランシーバ(例えば、TOSA及び/又はROSA)を含む他のデバイス及び/又はシステムと通信を可能にする任意のトランシーバ型メカニズムを含むことができる。1つ以上の入力/出力デバイスは、情報を入力して及び/又は情報を運用者に出力できるデバイスを含むことができる。
【0085】
本明細書における「スモールフォームファクタ(SFP)」又は「SFPモジュール」とは、スモールフォームファクタコネクタと共に用いるように設計され、ホットスワップ可能な(hot-swappable)デバイスである光モジュール型トランシーバに対する仕様を示す。SFPモジュールは、MSA(multi-source agreement)に準拠し、電気信号を光信号に変換するか、その逆に光信号を電気信号に変換する光学的及び/又は電気的インタフェースを許し、銅媒体、光ファイバ(例えば、多重モード光ファイバ又は単一モード光ファイバ)などの多様な媒体と共に用いるときに使用できる。一般に、既存のSFPモジュールは、ネットワークスイッチのポートにプラギングし、他の位置にあるファイバチャネル及びギガビットイーサネット(GbE)光ファイバケーブルに接続するときに用いられる。従って、既存のSFPモジュールは、ネットワークスイッチ上の同一の電気ポートが多重モード又は単一モード光ファイバを含んで他のタイプの光ファイバに接続できるようにする。
【0086】
特徴の特定組み合わせが本明細書に開示される、及び/又は請求の範囲に言及されているが、これらの組み合わせは本技術の範囲を制限するものではない。また、本明細書に開示されている本技術のための方法又は方法論は、ソフトウェア、ハードウェア、ソフトウェアとハードウェアの任意の組み合わせで実現されるか、制御装置、プロセッサ、コンピュータ、又は1つ以上のプロセッサを含む処理システムにより実行されるコンピュータ可読媒体に含まれるコンピュータプログラムもしくはファームウェアとして実現することができる。プロセッサの例は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、離散ハードウェア回路、ゲートロジック、状態マシン、プログラミング可能ロジックデバイス(programmable logic device:PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び本明細書に説明されている多様な機能を実行するように構成されている他の適切なハードウェアを含む。本明細書に用いられた「ソフトウェア」とは、ファームウェア、マイクロコード、ミドルウェア、ソフトウェア、ハードウェア技術言語などを含む、任意の命令、命令セット、プログラム、サブプログラム、コード、プログラムコード、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、目的プログラム、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味すると広く解析しなければならない。
【0087】
また、本明細書における「ソフトウェア」とは、命令、コード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、実行可能ファイル、手順、機能などを含む多様なタイプの機械命令を含む。ソフトウェアは、一般のソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア技術言語などを示すこともできる。前述したように、ソフトウェアはコンピュータ可読媒体に保存される。
【0088】
コンピュータ可読媒体の例としては、例えば、光ディスク、磁気記憶装置、デジタル多用途ディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、レジスタ、プログラミング可能ROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、除去可能ディスク、フラッシュメモリデバイス、及びプロセッサ又は処理システムによりアクセス及び読み取りできるソフトウェアを保存するための任意の他の適切な媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。また、この技術分野における通常の知識を有する者であれば設計制約内で特定アプリケーションによって既存のネットワーク要素に新しいシステム機能を追加することに関して説明された機能の最適の実現方法を認識できると理解される。
【0089】
本明細書における「ユニット」または「コンポーネント」とは、ソフトウェア、ハードウェア又はそれらの任意の組み合わせを意味する。ユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ロジック、ロジックアレイ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなど、またはこれらの任意の組み合わせを含む、ソフトウェアコンポーネント、ハードウェアコンポーネント、又はこれらの組み合わせで実現することができる。従って、このユニットは、ソフトウェアコンポーネント、タスクコンポーネント、プロセス、手順、機能、プログラムコード、ファームウェア、マイクロ−コード、回路、データ構造、テーブル、アレイ及び変数を含むことができる。
【0090】
簡略化のために、本方法論は、本明細書において、一連の段階又は動作として説明されているが、一部段階又は動作は本明細書における図示及び説明とは異なる順序で発生するか、他の動作と同時に発生する可能性があるので、請求された主題は段階又は動作の順序により限定されるものではないと理解されるべきである。また、本明細書に開示されている本技術による多様な方法論の実現に全ての例示された段階又は動作が要求されるわけではない。さらに、本明細書に及び本明細書の全般にわたって開示されている方法論は、この方法論を1つの以上の処理システムに運搬及び伝達することを容易にするために製造品に保存できる。「製造品」とは、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリヤ又は媒体からアクセス可能コンピュータプログラムを含むように意図される。文脈で明確に反対する意味のない場合、単数型は複数型を含むことができる。また、本明細書に使用されている通り、単数型物品は少なくとも1つの物品を含むことと意図される。さらに、本明細書において用いられている任意の要素、動作、段階又は命令は、本明細書において、そのようなものであると明示的に説明されない限り、本発明に決定的であるか、または、必須のものであると理解されてはいけない。本明細書に使用されている通り、明確に言及されない限り、「含む」という用語及び「含む、」、「含んで、」及び「含まれた」などの用語の変更語は、他の追加物、コンポーネント、完全体又は段階を排除しようと意図されたものではない。本明細書における「第1」、「第2」などの用語は多様なコンポーネントに関する説明に用いられるが、これらコンポーネントは前記用語により限定されるものではない。前記用語は、本発明の範囲を逸脱しないで他のコンポーネントから1つのコンポーネントを区別するためだけに用いられる。また、本明細書における「及び/又は」とは、複数の関連する項目又は複数の関連する項目のうち任意の項目の組み合わせを含む。さらに、1つの要素が他のる要素と「結合」又は「接続」されていると説明されるとき、この要素は他の要素と直接結合又は直接接続されるか、又はその要素は第3要素を介して他の要素と結合又は接続されるものと理解される。文脈で明確に反対する意味のない場合、単数型は複数型を含むことができる。本明細書における「備える」又は「有する」とは、本明細書に説明されている特徴、動作、コンポーネント、段階、数、部分、又はそれらの任意の組み合わせが存在することを示す。また、「備える」又は「有する」とは、1つ以上の他の特徴、動作、コンポーネント、段階、数、部分又は組み合わせが存在するか、追加される可能性を排除しない。さらに、本明細書において用いられている単数型項目は少なくとも1つの項目を含むと意図される。さらに、本明細書において用いられている任意の要素、動作、段階又は命令は、本発明において、そのようなものであると明確に説明されていない限り、本発明に決定的であるか、必須のものであると理解されてはならない。
【0091】
本技術は例示的な実施形態を説明する目的として本明細書に説明されている特定例で例示されたが、この技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく図示及び説明されている特定例を代替して多様な代案及び/又は等価物を実現することができると理解される。また、本発明は、本発明の思想及び技術的範囲を逸脱しないで本発明に図示及び説明されている実施例及び/又は実施形態の任意の改造又は変形を含むように意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11