【実施例】
【0021】
参考例A−CeO
2上のReの調製
酸化セリウム(IV)上のレニウムを、インシピエントウェットネス含浸によって調製した。三塩化レニウムを塩酸に溶解した。この溶液を、CeO
2に、ちょうど全体が湿潤するまで加えた。湿潤固体を、真空下に2時間置いた後、オーブン中で15時間、80℃で加熱した。試料(0.844g、セリア上のReCl
3、6.3%のRe)を、鋼管流通式反応器中に取り付けられた6mmO.D.の石英管に入れた。触媒を10sccmのH
2により、400℃で1.5時間、次いで500℃で30分間還元した。水素は、Brooks SLA5850マスフローコントローラを用い、反応器に送達した。熱は、Thermo Scientific Lindberg Blue Minimite2.5cm管状炉によって供給した。
【0022】
実施例1
次に、参考例Aの管を500℃で加熱した。メチルジクロロシラン(MeHSiCl
2)をスチールバブラーに入れ、10sccmの水素を、バブラーを通して流し、水素及びMeHSiCl
2蒸気を反応器中に運んだ。100μLの試料ループを備えたVici六方弁を用い、反応器の流出物を定期的に採取した(23分ごとに1回)。各試料を、熱伝導度検出器を備えたAgilent7890GC−MSに送り、分析した。反応器温度は500℃で75分間(4回のGC−MS注入)かけ、次いで注入試料を400℃、350℃、及び330℃で反応器から採取した。500℃では、シルセスキオキサンの生成が優先し、反応器流出物は、以下の選択性でケイ素生成物を含有していた。57モル%の(MeSiO
3/2)
6、9モル%の(MeHSiO)
3(MeSiO
3/2)
2、4モル%の(MeSiO
3/2)
8、15モル%の(MeHSiO)
4、10モル%(Me
2SiO)
2(MeHSiO)
4。350℃では、環状シロキサン化合物が、反応器流出物中の主要生成物であった。反応器流出物は以下を含有していた。58モル%の(MeHSiO)
3、25モル%の(MeHSiO)
4、8モル%の(MeHSiO)
5。MeHSiCl
2の変換率は、最終を除いて全ての注入について100%であった。最終の注入は、反応器が330℃の際のもので、変換率は69%に低下した。
【0023】
比較例2
MeHSiCl
2の反応は、実施例1に記載の手順に従って実施した。いかなる遷移金属も添加していない酸化セリウム(IV)を、触媒(c)の代わりに用いた。反応器の温度は200℃で開始し、各GC−MSの注入後に50℃ずつ上げた。200℃〜300℃では、ジシロキサンが、反応器流出物中の主要生成物であった。250℃では、反応器流出物は34モル%のClMeHSi−O−SiHMeCl、32モル%のClMeHSi−O−SiMeCl
2、及び28モル%のMeH
2SiClを含有していた。環状トリシロキサンは、いずれの温度の反応器流出物中でも検出されなかった。
【0024】
実施例3
実施例1に記載の手順を繰り返した。ただし、ジメチルジクロロシラン(Me
2SiCl
2)をオルガノジハロシラン(a)として、CeO
2上の2%のReを触媒(c)として用いた。400℃では、最初の20分間の反応器流出物は以下を含有していた。49モル%の(Me
2SiO)
3、21モル%のMe
3SiCl、14モル%の(Me
2SiO)
4、7モル%の直鎖状クロロシラン、4モル%の(Me
2SiO)
3(Me
2SiO
3/2)
2、及び3モル%の(Me
2SiO)
4−6(Me2SiO
3/2)
2。
【0025】
実施例4
実施例1に記載の手順を繰り返した。ただし、メチルビニルジクロロシラン(MeViSiCl
2)をオルガノジハロシラン(a)として、CeO
2上の6.3%のReを触媒(c)として用いた。反応器中の温度は200℃で開始し、各GC−MSの注入後に50℃ずつ、最高500℃まで上げた。モノマー、直鎖状シロキサン、環状シロキサン及びシルアルキレンの混合物が、温度に応じて様々な選択性で生成した。350℃では、反応器流出物は、39モル%の(MeViSiO)
3、32モル%のEtMeSiCl
2、12モル%の(MeViSiO)
4、8モル%のMeSiCl
3、4モル%の(MeViSiO)
5を含有していた。500℃では、選択性は、40モル%のEtMeSiCl
2、31%のClMeViSi−O−SiViMeCl、13モル%のMeSiCl
3、5モル%のCl(MeViSiO)
2SiMeViCl、4モル%の(MeViSiO)
3、3モル%の(MeViSiO)
4、及び3モル%のCl
2MeSi−(CH
2)
2−SiMeCl
2となった。
【0026】
実施例5
実施例1に記載の手順を繰り返した。ただし、MeViSiCl
2をオルガノジハロシラン(a)として、CeO
2上の1.1%のFeを触媒として用いた。モノマー、直鎖状シロキサン、環状シロキサン及びシルアルキレンの混合物が、温度に応じて様々な選択性で生成した。350℃では、選択性は、43%の(MeViSiO)
3、15%のEtMeSiCl
2、14%の(OSiMeVi)
3(O
3/2SiMe)
2、7%の(OSiMeVi)
4(OSiMeCl)となった。
【0027】
実施例6
実施例1に記載の手順を繰り返した。ただし、メチルフェニルジクロロシラン(MePhSiCl
2)をオルガノジハロシラン(a)として、酸化セリウム(IV)上の2%のReを触媒(c)として用いた。反応器中の温度は200℃で開始し、各GC−MSの注入後に50℃ずつ、最高500℃まで上げた。モノマー、直鎖状シロキサン、環状シロキサン及びシルセスキオキサンの混合物が、温度に応じて様々な選択性で生成した。250℃では、反応器流出物は、79%のPhSiCl
3及び21%の(MeSiO
3/2)
6を含有していた。350℃では、生成物は、100%のClMePhSi−O−SiPhMeClであった。450℃では、反応器流出物は、90%の環状(MePhSiO)
3及び10%のPhSiCl
3を含有していた。
【0028】
実施例7
ジメチルジクロロシラン(Me
2SiCl
2)と、酸化セリウム(IV)上の2重量%の銅との反応を実施した。Cu/CeO
2は、参考例Aと同一の手順で調製した。試料(0.600g、セリア上のCuCl
2、2.0重量%Cu)を、フルオロカーボンポリマー圧縮継手によりガス管に接続され、管状炉中に取り付けられた12.7mmO.D.の石英管の中央に入れた。触媒を、5sccmのH
2及び95sccmのArの気流下、500℃で30分間、次いで100sccmのH
2の気流下、同一の温度で更に2時間還元した。H
2及びArの両方とも、Brooks SLA5850マスフローコントローラを用い、反応器に送達した。還元工程の終了後、触媒温度を400℃に下げ、20sccmのH
2を、液体ジメチルジクロロシラン(Me
2SiCl
2)を充填したスチールバブラーを通して流動させ、蒸気を反応器に運ぶことによって、反応を開始した。反応中、Me
2SiCl
2を含むスチールバブラーと、触媒を含む反応器は、両方とも、それぞれ室温(23℃)及び400℃で定常に維持した。反応の流出物は、実施例1に記載のものと同様のVici六方弁−Agilent7890GC−MSオンライン試料分析システムを用い、10分ごとに採取した。反応時間は50分間(6回のGC−MS注入)であった。反応の経過中、Me
2SiCl
2の変換率は10分でピークの37.2モル%となった後、絶えず低下し、50分で4.6モル%となった。Me
2SiCl
2の変換率の最大時において、反応生成物の分布は以下のとおりとなった。53モル%の(Me
2SiO)
4、21モル%の(Me
2SiO)
3、11モル%の(Me
2SiO)
5、5モル%の(MeSiO
3/2)
4、3モル%のMe
3SiCl、2モル%のMeSiCl
3、2モル%の(Me
2SiO)
6、かつ残部(3モル%)は直鎖状メチルクロロシロキサン、主としてMe
2ClSiOSiMe
2Cl。
【0029】
実施例8
Me
2SiCl
2と、酸化セリウム(IV)上の2重量%のニッケルとの反応を、実施例7に概説した同一の手順によって実施した。実施例7と異なり、酸化セリウム(IV)上の2重量%のニッケルの触媒によるMe
2SiCl
2の変換率のピーク(95モル%)は、反応の開始時点(最初の試料採取)で確認され、このピーク活性における生成物の分布は以下のとおりとなった。36モル%の(Me
2SiO)
4、35モル%の(Me
2SiO)
3、11モル%の(Me
2SiO)
5、8モル%(MeSiO
3/2)
4、4モル%の(Me
2SiO)
6、2モル%の(MeSiO
3/2)
3、1モル%のMe
3SiCl、1モル%のMeSiCl
3、かつ残部(2モル%)は直鎖状メチルクロロシロキサン、主としてMe
2ClSiOSiMe
2Cl。反応の経過中の触媒活性の低下は、実施例7に記載の実験と比べ、それほど顕著ではなかった。反応時間50分におけるNi/CeO
2触媒によるMe
2SiCl
2の変換率は、54モル%であった。
【0030】
実施例9
Me
2SiCl
2と、酸化セリウム(IV)上の2重量%の鉄との反応を、実施例7及び8に概説した同一の手順によって実施した。実施例8と同様に、酸化セリウム(IV)上の2重量%の鉄の触媒によるMe
2SiCl
2の変換率のピーク(73モル%)は、反応の開始時点(最初の試料採取)で確認され、このピーク活性における生成物の分布は以下のとおりとなった。74モル%の(Me
2SiO)
3、12モル%の(Me
2SiO)
4、4モル%の(MeSiO
3/2)
4、2モル%の(MeSiO
3/2)
3、2モル%の(Me
2SiO)
5、2モル%のMe
3SiCl、2モル%のMeSiCl
3、1モル%の(Me
2SiO)
6、かつ残部(1モル%)は直鎖状メチルクロロシロキサン、主としてMe
2ClSiOSiMe
2Cl。
【0031】
実施例10
実施例1に記載の手順を繰り返した。ただし、(トリフルオロプロピル)メチルジクロロシラン[(F
3Pr)MeSiCl
2]をオルガノジハロシラン(a)として、酸化セリウム(IV)上の5重量%の銅を触媒(c)として用いた。反応器中の温度は150℃で開始し、各GC−MSの注入後に50℃ずつ、最高500℃まで上げた。モノマー、直鎖状シロキサン、環状シロキサン及びシルセスキオキサンの混合物が、温度に応じて様々な選択性で生成した。200℃では、反応器流出物は、TCD分析における面積比が57%の(F
3PrMeSiO)
n(式中、n=3〜6である。)の環状化合物、14%の(F
3Pr)MeSiF
2、及び6%の(F
3Pr)MeSiFClを含有していた。300℃では、反応器流出物は、67%の(F
3PrMeSiO)
nの環状化合物、及び18%のモノマー[例えば、(F
3Pr)MeSiF
2]を含有していた。
【0032】
比較例11
Me
2SiCl
2と、酸化チタン上の2重量%のレニウムとの反応を、実施例7に概説した同一の手順によって実施した。ただし、反応器温度は500℃であった。Me
2SiCl
2の変換率は、反応開始時においてのみ5モル%に達した後、低下した。環状シロキサン化合物は生成されず、最初の注入における生成物の分布は以下のとおりとなった。52モル%のMe
3SiCl、11モル%のMeSiCl
3、及び31モル%の直鎖状メチルクロロシロキサン。この比較例によると、酸化セリウムの代わりに別の担体を用いた場合、試験した条件下では、環状シロキサン化合物が生成しなかった。
【0033】
実施例12
実施例1に記載の手順を繰り返した。ただし、Me
2SiCl
2をオルガノジハロシラン(a)として、酸化セリウム(IV)上の1.1重量%鉄を触媒(c)として用い、水素の代わりにアルゴンをキャリアガスとして用いた。反応器中の温度は、反応中を通じて400℃に維持した。GC−MSへの5分における最初の注入では、Me
2SiCl
2の変換率は99%であった。生成物の選択性は以下のとおりとなった。51%の(Me
2SiO)
3、15%の(Me
2SiO)
4、4%の(Me
2SiO)
5、25%の分枝状T構造[例えば、(MeSiO
3/2)
2(Me
2SiO)
3]。この実施例は、環状トリシロキサンを含む環状シロキサンが、本明細書に記載の方法を用い、水素なしで生成できることを示している。
【0034】
参考例B
ReCl
3(Sigma Aldrich、99+%)0.1025gをイソプロピルアルコール8.8mLに溶解し、溶液を形成することにより、酸化セリウム(IV)上のレニウムを調製した。次にこの溶液を、インシピエントウェットネス法により、CeO
2粉末に加えた。この際、十分な溶液をCeO
2(Sigma Aldrich、99%)2.0679gに加え、それ以上の溶液が粉末によって吸収されないよう、粉末の全量きっかりに湿潤させた。次に湿潤粉末を80℃で4時間真空乾燥し、酸化セリウム(IV)粉末上に2重量%のレニウムを含む粉末を得た。
【0035】
形成後、(c)酸化セリウム(IV)上のレニウムの粉末0.60gを次いで石英ガラス管中に入れ、流通式反応器中に配置し、H
2でパージした。触媒の活性化は、100sccmのH
2(Omega FMA5500マスフローコントローラにより制御)により、500℃で〜2時間(Lindberg/Blue Minimite1”管状炉中で加熱)で実施した。
【0036】
比較例13
次に、オルガノジハロシラン(a)の代わりにメチルトリクロロシラン(MeSiCl
3)を含むステンレス鋼バブラーを通して、100sccmのH
2をバブリングすることにより、反応を開始した。バブラー中の温度は23℃であった。バブラーを出た気体及び蒸気は、参考例Bで用いた反応器中に通気された。バブラーは、十分な接触時間で設計されており、MeSiCl
3蒸気が、バブラーを出て行く気体と平衡となり、その結果、バブラーを出て行くMeSiCl
3の流速が、既知の熱力学的関係から求めることができた。反応器流出物は、GC/GC−MSにより60分間にわたって定期的に採取し、様々な反応生成物の量をモニターした。反応器の流出物は、100μLの一定量の注入ループを備えた作動六方弁(Vici)を通過した後、廃棄した。
【0037】
弁を作動させて試料を反応器流出物から採取し、100μLの試料は7890AAgilent GC−MSの注入口に直接通過し、注入口のスプリット比100:1で分析した。GCは2つの30mのSPB−Octylカラム(Supelco、内径250μm、膜厚0.25μm)を備え、これらは、試料が2つのカラムの間で均等に分割されるよう、並行して配置されていた。1つのカラムは熱伝導度検出器に連結して反応生成物を定量し、もう一方のカラムは質量分析計(Agilent7895CMSD)に連結し、微量生成物の高感度検出及び生成された任意の生成物の確実な同定を行った。GCオーブン中でカラムを加熱する代わりに、Agilent LTMモジュールを用い、カラムを加熱した。すなわち、カラムが正確かつ迅速に所望の温度まで昇温するよう、カラムを加熱素子及び熱電対で覆った。この低熱質量システムにより、試料注入間で迅速な分析(7−10分間)が可能となった。反応器流出物は、環状トリシロキサン化合物を含有していなかった。
【0038】
本出願の目的のため、「℃」は摂氏度を意味し、「cm」はセンチメートルを意味し、「GC」はガスクロマトグラフを意味し、「GC−MS」はガスクロマトグラフ−質量分析計を意味し、「m」はメートルを意味し、「Me」はメチルを意味し、「mm」はミリメートルを意味し、「O.D.」は外径を意味し、「sccm」は標準立方センチメートル毎秒を意味し、「μL」はマイクロリットルを意味し、「μm」はマイクロメートルを意味する。本明細書中に列挙した全ての量、比、及び百分率は、特に指示がない限り、重量によるものである。
【0039】
発明の概要及び要約書は、参照により本明細書に組み込まれる。全ての比、百分率、及びその他の量は、特に指示がない限り、重量による。冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ、明細書の文脈により特に指示がない限り、1つ以上を指す。
【0040】
範囲の開示は、その範囲自体及び範囲内に包含される任意のもの、並びに端点を含む。例えば、2.0〜4.0の範囲の開示は、2.0〜4.0の範囲だけでなく、2.1、2.3、3.4、3.5、及び4.0も個別に含み、並びに範囲内に包含される任意の他の数も含む。更に、例えば、2.0〜4.0の範囲の開示は、例えば、2.1〜3.5、2.3〜3.4、2.6〜3.7、及び3.8〜4.0の部分集合、並びにその範囲内に包含される任意の他の部分集合も含む。
【0041】
様々な実施形態の特定の特徴又は態様を記載するために本明細書が依拠するマーカッシュ群に関し、全ての他のマーカッシュ要素から独立したそれぞれのマーカッシュ群の各要素から、異なる、特別な、及び/又は予期しない結果が得られ得ることを理解されたい。マーカッシュ群の各要素は、個別に、かつ/又はマーカッシュ群の任意の他の1つ若しくは複数の要素と組み合わせて依拠されてもよく、各要素は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態に対し適切な根拠を提供する。例えば、マーカッシュ群、アルキル、アリール、及び炭素環の開示は、その要素である個々のアルキル、下位群であるアルキル及びアリール、並びに任意の他の個々の要素及びその中に包含される下位群を含む。
【0042】
また、本開示の様々な実施形態を記載する際に依拠する任意の範囲及び部分的な範囲が、添付の特許請求の範囲内に個別かつ集合的に含まれるものと理解し、また、範囲内の整数値及び/又は小数値を含む全ての範囲を、このような値が本明細書に明示的に記載されていない場合でも、記載及び企図するものと理解されたい。列挙された範囲及び部分的な範囲は本開示の種々の実施形態を十分に記載し、これらを可能とし、このような範囲及び部分的な範囲は関連した半分、3分の1、4分の1、5分の1等と更に表現できる。ほんの一例として、範囲「350〜500」は、下方の3分の1、すなわち、350〜400、中間の3分の1、すなわち、400〜450、及び上方の3分の1、すなわち、450〜500と更に表現でき、これらは、個別かつ集合的に添付の特許請求の範囲内であり、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別かつ/又は集合的に依拠する場合があり、適切な根拠を提供し得る。更に、「少なくとも」、「超」、「未満」、「以下」等の範囲を定義又は修飾する用語に関し、このような用語が部分的な範囲及び/又は上限若しくは下限を含むものと理解されたい。別の例として、「少なくとも0.1%」の範囲は、本質的に、0.1%〜35%の部分的な範囲、10%〜25%の部分的な範囲、23%〜30%の部分的な範囲等を含み、各部分的な範囲は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が個別かつ/又は集合的に依拠する場合があり、適切な根拠を提供し得る。最後に、開示された範囲内の個々の数は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が依拠する場合があり、適切な根拠を提供し得る。例えば、範囲「1〜9」は、様々な個々の整数、例えば、3、並びに小数点(又は分数)を含む個別の数、例えば、4.1を含み、これは添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態が依拠する場合があり、適切な根拠を提供し得る。
【0043】
独立請求項及び従属請求項(単一項従属及び多数項従属の両方とも)の全ての組み合わせの主題が明示的に企図されるが、簡潔化のため詳細には記載されていない。本開示は例示的に記載したものであり、用いられている用語は、限定ではなく、説明の言葉の性質を意図したものと理解されたい。
【0044】
本発明の実施形態
第1の実施形態は、環状シロキサン化合物を含む生成物の生成方法であって、方法は、
1)少なくとも200℃の温度で、
(a)式R
12SiX
2(式中、各R
1は、独立して、水素原子、ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヒドロカルビル基であり、かつ各Xは、独立してハロゲン原子である。)のオルガノジハロシランと、
(c)酸化セリウム(IV)上の遷移金属の触媒(ここで、遷移金属は、レニウム、鉄、ニッケル、及び銅から選択される。)と、を組み合わせることと、
それによって、環状シロキサン化合物を含む生成物を生成することと、を含む、方法である。
【0045】
第2の実施形態は、(c)酸化セリウム(IV)上の遷移金属の触媒を、水素により、工程1)の前に処理することを更に含む、第1の実施形態に記載の方法である。
【0046】
第3の実施形態は、(b)水素ガスを、工程1)の実施中に加えることを更に含む、第1の実施形態に記載の方法である。
【0047】
第4の方法は、環状シロキサン化合物が、式(R
12SiO)
n(下付き文字nは、3〜6である。)を有する、第1の実施形態に記載の方法である。
【0048】
第5の実施形態は、各R
1が、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、アルケニル、又はアリールであり、かつnが3又は4である、第1の実施形態に記載の方法である。
【0049】
第6の実施形態は、R
1の一方がメチルであり、かつR
1のもう一方が水素、トリフルオロプロピル、メチル、ビニル、又はフェニルであり、かつnが3である、第1の実施形態に記載の方法である。
【0050】
第7の実施形態は、温度が200℃〜500℃である、第1の実施形態に記載の方法である。
【0051】
第8の実施形態は、工程1)の終了後に触媒を再活性化することを更に含む、第1の実施形態に記載の方法である。
【0052】
第9の実施形態は、再活性化が、工程1)を実施するための反応器とは異なる反応器中で実施される、第8の実施形態に記載の方法である。
【0053】
第10の実施形態は、工程1)の後に、追加量の酸化セリウム(IV)上のレニウムを加えることを更に含む、第1の実施形態に記載の方法である。
【0054】
第11の実施形態は、工程1)が、流動層反応器中で連続的に実施される、第1の実施形態に記載の方法である。
【0055】
第12の実施形態は、反応器が、大気圧を上回る圧力において作動される、第11の実施形態に記載の方法である。
【0056】
第13の実施形態は、生成物を反応器から取り出すことを更に含む、第12の実施形態に記載の方法である。
【0057】
第14の実施形態は、環状シロキサン化合物を生成物から回収することを更に含む、第1の実施形態に記載の方法である。