(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記(B)直鎖の飽和高級アルコールと前記(C)アミドアミンとの配合比率(前記(B)直鎖の飽和高級アルコールの配合量/前記(C)アミドアミンの配合量)が、0.5より大きく8.0以下である、
請求項1から4のいずれか1項に記載のエアゾール型毛髪処理組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上述の特許文献1のエアゾール製品は、脂肪族アルコールを配合させてはいるものの、処理された後の毛髪の感触(仕上がりの滑らかさ)が不十分であり、改善の余地があった。ここで、毛髪の感触を高めるために、脂肪族アルコールの配合量をさらに高めることも考えられるが、不特定の脂肪族アルコールの配合量を高めると、原液の粘度が増大してしまい、容器の噴出流路が詰まりやすくなり、容器からの円滑な流出が困難になってしまう。
【0007】
また、上述の特許文献2のエアゾール製品は、界面活性剤として、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩を用いているため、4級アンモニウム塩に存在する塩化物イオンが、原液中に含まれやすい。この塩化物イオンは、金属に対する腐食性が高く、金属製の耐圧容器に腐食を生じさせてしまう。これに対して、耐圧容器内面に樹脂コーティングを施したり、耐圧容器の内側に原液を入れる内袋を設けることも考えられるが、それでもなお、樹脂コーティングが不十分な部分で腐食が生じたり、内袋が破損した場合には腐食が生じたりするおそれがある。
【0008】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、毛髪の感触が良好であり且つ噴射剤と共に容器から円滑に流出させることも可能なエアゾール型毛髪処理組成物およびエアゾール製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等が、毛髪の感触を良好にしつつ噴射剤と共に容器からの円滑な流出も可能とするべく鋭意検討を行った結果、直鎖の飽和高級アルコールとアミドアミン及び/又はその塩に対してさらに特定の分岐アルコールまたはエタノールを配合させることが有意であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明に係るエアゾール型毛髪処理組成物は、
(A)下記の式(1)で表される分岐アルコールまたはエタノールから選ばれる少なくとも1種、
(式(1)中、R
1は炭素数6以上14以下の飽和の炭化水素を表し、R
2は炭素数4以上12以下の飽和の炭化水素を表す。)
(B)直鎖の飽和高級アルコール、及び
(C)アミドアミン
が配合された原液を含み、
(D)噴射剤が配合された状態で用いられる。
【0011】
また、(B)直鎖の飽和高級アルコールは、炭素数16以上22以下であることが好ましい。
また、(B)直鎖の飽和高級アルコールと(C)アミドアミンとの配合比率((B)直鎖の飽和高級アルコールの配合量/(C)アミドアミンの配合量)が、0.5より大きく8.0以下であることが好ましい。
また、原液における(B)直鎖の飽和高級アルコールの配合量が5質量%より多く、原液における(C)アミドアミンの配合量が3質量%より多いことが好ましい。
【0012】
また、(B)直鎖の飽和高級アルコールと(A)分岐アルコールまたはエタノールとの配合比率((B)直鎖の飽和高級アルコールの配合量/(A)分岐アルコールまたはエタノールの配合量)が、0.5以上5以下であることが好ましい。
また、原液における(A)分岐アルコールまたはエタノールの配合量が、3質量%以上であることが好ましい。
また、ポリグリセリン−4ラウリルエーテルがさらに配合されていることが好ましい。
また、エアゾール型毛髪処理組成物は、ヘアケア剤として用いられることが好ましい。
また、エアゾール型毛髪処理組成物は、(D)噴射剤と共に容器に充填されたエアゾール製品として用いられることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のエアゾール型毛髪処理組成物またはエアゾール製品によれば、毛髪の感触を良好にしつつ噴射剤と共に容器から円滑に流出させることも可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、エアゾール型毛髪処理組成物およびエアゾール製品について、例を挙げつつ具体的に説明するが、これらの記載は発明を限定するものではない。
【0015】
本発明のエアゾール型毛髪処理組成物は、(D成分)としての噴射剤が配合されて用いられるものであって、(A成分)として特定の分岐アルコールまたはエタノールから選ばれる少なくとも1種、(B成分)として直鎖の飽和高級アルコール、及び、(C成分)としてアミドアミンが配合されている。
なお、(A成分)と(B成分)と(C成分)を含み、(D成分)を含まない対象を「原液」と称することがある。
以下、各成分について、詳細に説明する。
【0016】
(A成分)
A成分は、下記の式(1)で表される分岐アルコールまたはエタノールから選ばれる少なくとも1種である。
(式(1)中、R
1は炭素数6以上14以下の飽和の炭化水素を表し、R
2は炭素数4以上12以下の飽和の炭化水素を表す。)
上記特定の分岐アルコールは、エタノールと共に配合されていてもよい。
上記の式(1)中のR
1およびR
2は、いずれも直鎖であることが好ましい。
上記の式(1)中のR
1とR
2とは、炭素数に違いがあることが好ましく、その違いは1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。
上記の式(1)中のR
1の炭素数とR
2の炭素数との合計は、14以上26以下が好ましい。
【0017】
このような特定の分岐アルコールとしては、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、ドデシルヘキサデカノールが挙げられる。これらの特定の分岐アルコールは、1種のみ配合させてもよいし、複数種類を配合させてもよい。
また、原液に対しては、流動性を良好にするために、上記A成分の条件を満たさない分岐アルコール及び/又は不飽和の分岐アルコールを配合させないことが好ましく、配合させたとしても原液に対して1.0質量%以下とすることが好ましい。例えば、イソステアリルアルコール等の分岐アルコールやオレイルアルコール等の不飽和アルコールを配合させないことが好ましい。
【0018】
原液におけるA成分の配合量は、原液の流動性を良好にする観点から、3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。
【0019】
このように、A成分を配合させることで、B成分やC成分を多く配合させて毛髪の感触を向上させた場合であっても、原液の粘度を低減させて流動性を確保しやすくできる。このように原液の流動性が確保されることで、噴射剤と共に容器に充填して用いられる場合において、継続使用して時間が経過したとしても、噴射剤が優先的に流出してしまい主として原液が残存するような状態を避けることが可能になる。
【0020】
(B成分)
B成分は、直鎖の飽和高級アルコールであり、一種又は二種以上が用いられる。
B成分は、毛髪に付与する感触の観点および皮膚への刺激の抑制の観点から、その炭素数が16以上22以下であることが好ましい。
そのようなB成分の例としては、例えば、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールなどの直鎖状飽和アルコー
ルが挙げられる。
【0021】
原液におけるB成分の配合量は、通常0.5質量%以上配合されるが、O/Wエマルションを形成して毛髪の感触を良好にするために、5質量%より多く配合させることが好ましく、6質量%以上配合させることがより好ましく、7質量%以上配合させることがさらに好ましい。なお、(B)直鎖の飽和高級アルコールの配合量の上限は、特に限定されるものではないが、例えば、原液の流動性の悪化を防ぐ観点から、15質量%であってよく、10質量%であることが好ましく、8質量%であることがさらに好ましい。
なお、(B)直鎖の飽和高級アルコールと(A)分岐アルコールまたはエタノールとの配合比率((B)直鎖の飽和高級アルコールの配合量/(A)分岐アルコールまたはエタノールの配合量)が、0.5以上5以下であることが好ましく、0.8以上4以下であることがより好ましく、1以上3以下であることがさらに好ましい。ここで、(A成分)として分岐アルコールとエタノールとの両方が配合されている場合はこれらを合算した値を用いることとする。
【0022】
(C成分)
C成分は、アミドアミンであり、一種又は二種以上が用いられる。
アミドアミンとしては、下記式(2)で表される脂肪酸アミドアミンを配合するとよい。
R
3−CO−NH−(CH)
n−NR
4R
5・・・(2)
(上記式(2)において、R
3、n、R
4、及びR
5は、以下の通りである。R
3は、炭素数11以上25以下(炭素数15以上21以下でもよい。)の炭化水素基又はヒドロキシ炭化水素基を表す。このR
3は、飽和又は不飽和のものであり、また、直鎖状又は分岐鎖状のものである。nは、1以上4以下(2以上3以下でもよい。)の整数を表す。R
4は、炭素数3以下(炭素数2以下でもよい。)のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。このR
4は、直鎖状又は分岐鎖状のものである。R
5は、炭素数3以下(炭素数2以下でも良い。)のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。このR
5は、直鎖状又は分岐鎖状のものである。
【0023】
脂肪酸アミドアミンとしては、例えば、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド(ベヘナミドプロピルジメチルアミン)、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド、イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、リノール酸ジメチルアミノプロピルアミド、リシノレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ヒドロキシステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸N,N−ジヒドロキシメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、オレイン酸ジエチルアミノエチルアミド、リノール酸ジエチルアミノエチルアミド、リシノレイン酸ジエチルアミノエチルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヒドロキシステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸N,N−ジヒドロキシエチルアミノエチルアミド、ラウリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジエチルアミノプロピルアミド、リノール酸ジエチルアミノプロピルアミド、リシノレイン酸ジエチルアミノプロピルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ヒドロキシステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸N,N−ジヒドロキシエチルアミノプロピルアミドが挙げられる。
【0024】
原液における(C)アミドアミンの配合量は、(B)直鎖の飽和高級アルコールとの間でO/Wエマルションを良好に形成させて毛髪の感触を高める観点から、3質量%より多く配合させることが好ましく、4質量%以上配合させることがより好ましく、5質量%以上配合させることがさらに好ましい。なお、(C)アミドアミンの配合量の上限は、特に限定されるものではないが、例えば、10質量%であってよく、8質量%であることが好ましい。
なお、(B)直鎖の飽和高級アルコールと(C)アミドアミンとの配合比率((B)直鎖の飽和高級アルコール/(C)アミドアミン)は、0.5より大きく8.0以下であることが好ましく、1.0以上5.0以下であることがより好ましく、1.4以上1.6以下であることがさらに好ましい。
【0025】
O/Wエマルションを形成させるために、B成分に対して4級アンモニウム塩等を実質的に用いることなくC成分を用いることで、原液中にカウンターイオンとしての塩化物イオンが残存しにくいようにすることができ、容器の腐食を抑制することが可能になる。
【0026】
(D成分)
D成分は、噴射剤である。噴射剤としては、一種又は二種以上が用いられる。
D成分の噴霧剤としては、液化石油ガス(LPG)、二酸化炭素、イソペンタン、ジメチルエーテル、窒素およびこれらの混合物が挙げられる。
液化石油ガスは、特に限定されないが、例えば、プロパンとn-ブタン(ノルマルブタン)、プロパンとi−ブタン(イソブタン)、又は、プロパンとn−ブタンとi−ブタンであるとよい。液化石油ガスは、その高い揮発性から初期発泡性に寄与すると推察されている。
二酸化炭素を配合させた場合は、頭皮の血行を促進させることが可能になる。
イソペンタンは、容器から取り出された際の泡の持続性に寄与すると推察されている。
【0027】
D成分は、液化石油ガスのみから構成されていてもよいし、二酸化炭素のみから構成されていてもよいが、血行促進効果を得つつガス抜けを抑制して内容物をできるだけ使い切ると共に容器を傾斜等しても使用できるという観点からは液化石油ガス及び二酸化炭素の両方を用いることが好ましい。
【0028】
D成分は、原液100質量部に対して、0.5質量部以上30質量部以下が好ましく、1質量部以上20質量部以下がより好ましく、2質量部以上15質量部以下がさらに好ましい。噴射剤の充填量を上記範囲とすることで、原液を効率良く噴射することができる。
D成分と原液との質量比(D成分/原液の質量比)は、3/97以上10/90以下である。上記質量比を上記範囲とすることで、発泡性に優れると共に良好な泡質を発現することができる。
【0029】
(水)
原液における水の配合量は、特に限定されないが、例えば50質量%以上である。
【0030】
(E成分(任意成分))
原料に配合される任意成分としてのE成分は、特に限定されないが、例えば、ポリグリセリン−4ラウリルエーテル、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、多価アルコール、糖類、エステル油、油脂、脂肪酸、炭化水素、ロウ、シリコーン、高分子化合物、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、無機化合物、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0031】
任意成分のポリグリセリン−4ラウリルエーテルが配合されることで、容器から取り出された際の泡の状態をより長期に渡って保持させることが可能になる。ポリグリセリン−4ラウリルエーテルを配合する場合には、原液において0.6質量%以上配合させることがよく、1.0質量%以上配合させることが好ましい。
【0032】
任意成分のカチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム等のモノ長鎖アルキル型4級アンモニウム塩;塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジオレイルジメチルアンモニウム等のジ長鎖アルキル型4級アンモニウム塩;塩化ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウム等の長鎖アルコキシアルキル型4級アンモニウム塩;塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等のベンザルコニウム型4級アンモニウム;塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。
【0033】
また、カチオン界面活性剤としての4級アンモニウム及び/又はその塩を配合する場合には、金属製耐圧容器の腐食を抑制させる観点から、原液における塩化物イオンの濃度が500質量ppm以下となるようにその上限を定めることが好ましい。
【0034】
(原液について)
上記A成分、B成分、C成分、必要によりE成分が配合され、上記D成分としての噴射剤が配合されていない、原液の性質について、以下に述べる。
【0035】
原液の粘度は、容器からの噴射のしやすさの観点から、5000mPa以下であることが好ましい。
ここで、粘度は、B型粘度計において粘度に応じて選定したロータを使用して、25℃で計測した60秒後の値を採用する。測定する際のロータ回転速度は、12rpmであるとよい。
【0036】
原液のpHは、その下限が、水素イオン濃度を低くして容器の腐食を抑制させる観点から、5であることが好ましい。また、原液のpHは、その上限が、C成分のアミドアミンを中和させて乳化力を生じさせトリートメント機能を確保させる観点から、7であることが好ましい。
【0037】
原液の塩化物イオン濃度は、容器の腐食を抑制させる観点から、500質量ppm以下であることが好ましい。
なお、塩化物イオン濃度は、イオンクロマトグラフによる分析値をいう(例えば、Dionex社製陰イオン交換カラム「IonPacAS18」を装備したDionex社製「ICS−2000」を用いることにより、塩化物イオン濃度の分析値が得られる。)。
【0038】
(容器)
本実施形態のエアゾール製品においてエアゾール型毛髪処理組成物および(D)噴射剤を充填するための容器は、公知の耐圧性容器であってよく、その材質は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ブリキ、鋼などの金属製のものであってよい。さらに、この金属製の容器は表面がメッキ加工されていてもよい。これらの容器は、内面に樹脂層が設けられているものであっても当該樹脂層が設けられていないものであってもよいし、内部にエアゾール型毛髪処理組成物および(D)噴射剤が充填される内袋を有するものであっても有しないものであってもよい。
【0039】
(用途および使用方法)
(D)噴射剤が配合されて用いられるエアゾール型毛髪処理組成物の用途は、特に限定されないが、ヘアケア剤として用いられることが好ましい。ヘアケア剤としては、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント(例えば、洗い流さないトリートメント、洗い流すトリートメント、整髪兼用トリートメント、多剤式トリートメントの一構成剤、パーマの前処理のためのトリートメント、パーマの後処理のためのトリートメント、カラーリングの前処理のためのトリートメント、カラーリングの後処理のためのトリートメント、脱色の前処理のためのトリートメント、脱色の後処理のためのトリートメント)が挙げられる。
なお、エアゾール型毛髪処理組成物は、上述の容器に充填された状態で使用される。容器から噴射された状態では、頭皮に行きわたりやすいことから、泡状のO/Wエマルションであることが好ましい。
【実施例】
【0040】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱することがない限り、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0041】
<実施例1〜5、比較例1〜7、及び、実験例1〜3>
実施例1〜5、比較例1〜7、及び、実験例1〜3のエアゾール型毛髪処理組成物および噴射剤を配合させたものを、表1、表2、表3、表4に示す組成で調製した。実施例1〜5、比較例1〜7及び実験例1〜3では、原液96質量部に対して噴射剤が4質量部となるように混合して、エアゾール製品を得た。ここで、25℃におけるゲージ圧が0.15MPaとなるまでLPGを充填し、その後、25℃におけるゲージ圧が0.55MPaとなるまで二酸化炭素を充填させた。
【0042】
<流動性の評価>
実施例及び比較例のエアゾール製品におけるエアゾール型毛髪処理組成物の粘度を測定するとともに、目視により流動性を評価した。
粘度は、上述のように、B型粘度計において粘度に応じて選定したロータを使用して、25℃で計測した60秒後の値を採用した。測定する際のロータ回転速度は、12rpmとした。なお、原液の粘度について、「−」は測定不能なほど粘度が高かったことを示している。
また、流動性は、実施例又は比較例の原液を収容した容器を傾け、各原液の流動性を目視にて確認することで評価した。評価基準は、以下の通りである。
基準:比較例1
◎:基準よりも明らかに流動性がある
○:基準よりも流動性がある
×:基準よりも流動性がない
××:基準よりも明らかに流動性がない
【0043】
<感触の評価>
実施例及び比較例のエアゾール製品を用い、専門のパネラー5名により、感触(仕上がりの滑らかさ)について、下記基準に従い官能評価した。
各エアゾール製品を用い、シャンプーしてすすいだ後の頭髪に対して、各耐圧容器から吐出した泡を頭髪に塗布し、洗い流し、頭髪を乾燥させた際の、頭髪の中間から毛先にかけての手触りや指通りから仕上がりの滑らかさを下記基準に従い評価した。
基準:比較例1(5名中5名が仕上がりの滑らかさが良いと回答)
◎:基準と仕上がりの滑らかさが同等。
○:基準よりも仕上がりの滑らかさがやや悪い。(5名中3〜4名が仕上がりの滑らかさが良いと回答)
△:基準よりも仕上がりの滑らかさが少し悪い。(5名中3〜4名が仕上がりの滑らかさが悪いと回答)
×:基準よりも仕上がりの滑らかさが悪い。(5名中5名が仕上がりの滑らかさが悪いと回答)
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
上記実施例1〜5と比較例1を比べると明らかなように、エアゾール型毛髪処理組成物にA成分を配合させることで、感触の良好性を維持したままで減益の流動性を良好にすることができていることが分かる。
また、上記実施例1〜5と比較例2〜5を比べると明らかなように、A成分の代わりにA成分の条件を満たさない分岐アルコールが配合された比較例2、3や、A成分の代わりにA成分の条件を満たさない不飽和アルコールが配合された比較例4、5では、このような分岐アルコールや不飽和アルコールが配合されていない比較例1よりもさらに原液の流動性が悪くなることが確認された。
【0047】
【表3】
【0048】
表3の比較例6、7に示すように、B成分とC成分の配合量を増大させることで、感触を向上させることができるものの、原液の流動性が悪化してしまうことが確認された。これに対して、実施例3に示すように、さらにA成分を配合させることで、感触だけでなく原液の流動性も良好にすることができることが確認された。
【0049】
【表4】
【0050】
表4に示すように、原液にポリグリセリン−4ラウリルエーテルを配合させることで容器から取り出された泡の状態を保持しやすくなることが確認された。当該泡の保持性については、ポリグリセリン−4ラウリルエーテルが原液において1.0質量%以上配合されている場合に特に良好になることが確認された。