(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のダンス装置1を右側X2から見た斜視図である。
図2は、第1実施形態のダンス装置1を上側Z2から見た図である。
なお、実施形態及び図面では、便宜上、プレイヤPが鏡部10に対向した状態を基準として、鉛直方向Z、前後方向Y、左右方向Xを定義する。
また、実施形態では、ダンスする人をプレイヤPといい、プレイヤPがダンスすることを適宜プレイという。さらに、実施形態では、スクリーン25に表示される人をダンサという。
【0010】
ダンス装置1は、プレイヤPが自分の姿と、スクリーン25に表示されるダンサDとを、鏡部10で見ながらダンスすることにより、ダンスユニットの一員としてダンスしているように体験できる装置である。ダンス装置1は、十分に大きな部屋に配置されている。実施形態では、鏡部10及びスクリーン25の間の長さが4mであり、プレイヤPのプレイ位置P1が鏡部10及びスクリーン25の中央部(つまり、鏡部10及びスクリーン25から2mの位置)である形態を説明する。なお、この形態は、一例であり、鏡部10及びスクリーン25の間の長さ、プレイヤPのプレイ位置P1等は、適宜変更できる。ダンス装置1は、例えば、フィットネスクラブ、学校、アミューズメント施設等に配置されている。
【0011】
図1に示すように、ダンス装置1は、操作部2、鏡部10、表示装置20、撮像部40、スピーカ45を備える。
操作部2は、プレイヤPがプレイ開始前、終了後に操作する入力装置である。操作部2は、複数のボタン等を備える。
鏡部10は、プレイヤPの前側Y1に配置されている。鏡部10は、プレイヤPがプレイヤPの全身、スクリーン25の動画を観察できる程度の大きさ(1辺が例えば2m以上)の長方形である。
鏡部10は、一枚の大型の鏡である。
鏡部10の中央の領域は、プレイヤPがダンスプレイする像であるプレイ像PAを、プレイヤPが観察する領域(プレイ像観察鏡部)である。
鏡部10の左右の領域(つまりプレイヤPがプレイ像PAを観察する左右の領域)は、プレイヤPが、複数のダンサがダンスする動画(以下、「ダンサ動画」という)を観察する領域(ダンサ動画観察部)である。
【0012】
表示装置20は、プロジェクタ21、スクリーン25を備える。
プロジェクタ21は、複数のダンサ動画を投影する投影装置である。プロジェクタ21は、液晶プロジェクタ等である。プロジェクタ21は、天井に配置されている。プロジェクタ21は、プレイヤPの真上付近に配置され、プレイヤPの後側Y2のスクリーン25に向けてダンサ動画を投影する。このため、スクリーン25には、プレイヤPの影が映らない。
スクリーン25は、ダンサ動画が投影される部材である。スクリーン25の色彩は、ダンサ動画が明確に投影されるように、白色系である。スクリーン25は、液晶プロジェクタ用の専用のものを用意してもよく、また、部屋の壁自体、ホワイトボート等を利用してもよい。
スクリーン25は、鏡部10に対向配置されている。スクリーン25は、プレイヤPの後側Y2に配置されている。スクリーン25は、複数のダンサを表示可能な大きさ(1辺が例えば2m以上)の長方形である。
後述するように、表示装置20のプロジェクタ21は、ダンサ動画のうちダンサの身体の一部を、床29にも映す。つまり、床29は、スクリーンの一部を構成する。このため、床29の色彩は、スクリーン25と同様に、白色系が好適である。
【0013】
撮像部40は、プレイヤPがプレイする動画(以下「プレイ動画」という)を撮影可能なカメラである。撮像部40は、壁、三脚等(図示せず)に固定されている。撮像部40は、鏡部10に映るプレイヤPを2方向から撮像するように、プレイヤPの左右にそれぞれ、合計2つ配置されている。撮像部40は、このように鏡部10に映るプレイヤPを撮像することにより、撮像部40からプレイヤP(被写体)までの距離(被写体距離)を長くできるので、歪みの少ないプレイ動画を撮影できる。
すなわち、プレイ位置P1から鏡部10の間の距離は2mである。このため、実施形態とは異なりプレイヤPを直接撮像する態様では、これらの間に撮像装置を配置し、また、広角レンズを用いる必要がある。広角レンズの動画は、歪みが大きくなってしまう。
【0014】
後述するように、この2つの撮像部40のプレイ動画が画像処理されて、正面動画が作成される。この画像処理は、2方向以上からのプレイ動画を処理することにより、プレイヤの正面(つまり前側Y1から)からの動画を作成するものである。このような処理は、公知の方法(例えば特開2005−65051号公報に記載の方法)を用いる。そのために、撮像部40の位置、数は、この画像処理に必要なものであればよく、例えば、プレイヤPの上下左右の少なくとも2箇所以上の位置から、鏡部10に映るプレイヤPを撮像できればよい。
スピーカ45は、ダンス音楽を出力する音出力装置である。スピーカ45は、プレイの邪魔にならないように、天井に設置されている。
【0015】
上記構成により、プレイヤPは、鏡部10及び表示装置20の間に位置することにより、プレイヤPと表示装置20のダンサとを、鏡部10で観察することができる。また、ダンス装置1は、プレイヤPと、鏡部10及びスクリーン25との間には、プレイヤPがダンスするため十分なスペース(プレイヤPと、鏡部10及びスクリーン25との間が2m)を確保できる。これにより、プレイヤPは、大きな振りでプレイできる。
また、ダンス装置1は、撮像部40をプレイヤPの前側Y1(正面)に配置しなくてもよい。このため、プレイヤPは、撮像部40を意識しないでプレイできる。
【0016】
図3は、第1実施形態のダンス装置1のブロック図である。
ダンス装置1は、記憶部50、制御部70を備える。
記憶部50は、ダンス装置1の動作に必要な情報、プログラム等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
記憶部50は、ダンスプログラム60、正面動画作成プログラム65、正面動画記憶部66を備える。
ダンスプログラム60は、このダンス装置1でダンスのプレイをするためのプログラムである。
ダンスプログラム60は、ダンス音楽、ダンサ動画の情報等を備える。ダンサ動画は、例えば、実在するダンスユニットを撮影した動画、コンピュータグラフィックを用いた動画、アニメーションの動画等を用いることができる。
ダンスプログラム60は、一列ダンスプログラム61、前ダンスプログラム62の2種類を有する。
一列ダンスプログラム61は、一列ダンスをプレイするためのプログラムである。一列ダンスは、プレイヤPが他のダンサと一緒に、左右方向Xに一列に並んでプレイする種類である。実施形態では、3人のダンサのダンスユニットの例を説明する。3人のダンサのダンサ動画61a〜61cは、個別の情報であり、1人ずつ個別にダンサ動画61a〜61cを出力することができる。
【0017】
前ダンスプログラム62は、前ダンスをプレイするためのプログラムである。前ダンスは、プレイヤPが他のダンサの前側Y1の中央の位置でプレイする種類である。すなわち、前ダンスは、2人のダンサと、プレイヤPとからなる3人のダンスユニットのものである。実施形態では、プレイヤPが、2人のダンサの前側Y1の1mの位置でプレイする例を説明する。
前ダンスのダンサ動画62aは、2人のダンサが含まれ、かつ、個別の情報ではない。このため、前ダンスのダンサ動画62aは、2人のダンサのうち一方を選択することはできず、2人同時にダンスしている態様でのみ投影できる。
【0018】
正面動画作成プログラム65は、撮像部40のプレイ動画に基づいて、正面動画を作成するプログラムである。正面動画作成プログラム65は、プレイ動画に基づいて、プレイヤPの正面からの正面動画を作成し、また、ダンサ動画を合成したりするものである。プレイ動画は、鏡部10に映るプレイヤPのものであるので、正面動画は、左右を反転して作成される。
正面動画記憶部66は、正面動画を記憶するための記憶領域である。
【0019】
制御部70は、ダンス装置1の動作に必要な演算処理をしたり、ダンス装置1を統括的に制御するための装置である。制御部70は、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。
制御部70は、記憶部50に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。制御部70は、例えば、音楽の音出力処理、ダンサ動画61a〜61c,62aの投影に関する処理、正面動画の作成処理等を行う。
制御部70の詳細な処理は、後述する。
【0020】
図4は、第1実施形態のダンス装置1の処理のフローチャートである。
図5は、第1実施形態の一列ダンスのプレイを説明する図である。
図6は、第1実施形態の前ダンスのプレイを説明する図である。
図5(A)、
図6(A)は、それぞれスクリーン25及びプレイヤPを前側Y1から見た図ある。
図5(B)、
図6(B)は、それぞれプレイヤPが鏡部10で観察される画像を説明する図である。
【0021】
最初にステップS(以下「S」という)1において、プレイヤPが操作部2を操作することにより、制御部70が一連の処理を開始する。
S2において、プレイヤPが操作部2を操作してダンスの種類を選択すると、制御部70は、この操作を受け付ける。
S3において、制御部70は、選択されたダンスが一列ダンスか、前ダンスかを判定する。制御部70は、一列ダンスであると判定した場合には(S3:YES)、S10に進んで一列ダンスの処理を行う。一方、制御部70は、一列ダンスではないと判定した場合(S3:NO)、つまり前ダンスであると判定した場合には、S21に進んで前ダンスの処理を行う。
【0022】
(一列ダンス)
図4、
図5を参照しながら、一列ダンスの処理について説明する。
S11において、制御部70は、プレイするダンサの選択を受け付ける。前ダンスのユニットは、3人のダンサからなる。プレイヤPは、操作部2を操作することにより、自分が担当したいダンサを選択できる。
プレイヤPは、操作部2を操作後には、プレイ位置P1(
図2参照)でプレイする。
以下、プレイヤPが、1列に並んだ3人のダンサのうち、中央のダンサを選択した例を説明する。
S11において、制御部70は、一列ダンスのプレイを開始する。
【0023】
S12において、制御部70は、ダンス音楽をスピーカ45から出力する。また、制御部70は、選択されたダンサに対応するダンサ動画61bを削除した映像であって、左側X1及び右側X2に位置する2人のダンサのダンサ動画61a,61cの映像を、スクリーン25に投影する。
【0024】
この場合、制御部70は、プレイヤPによる鏡部10での観察態様が、プレイヤP及びダンサ動画61a,61cのダンサが同じ大きさになるように、ダンサ動画61a,61cを投影する。また、制御部70は、左右方向Xにおいて、ダンサ動画61a,61cの間隔も拡大する。
すなわち、実施形態では、プレイヤPからスクリーン25までの距離は、2mである。このため、ダンサ動画61a,61cのダンサの大きさと、プレイヤPの大きさとを同じ程度にしてしまうと、プレイヤPによる鏡部10での観察態様は、この離れている分だけ、スクリーン25のダンサが小さく観察されてしまう。そのため、ダンサをプレイヤPと同じ程度の大きさにした場合には、プレイヤPによる鏡部10での観察態様は、プレイヤPよりもダンサが小さくなってしまうという問題がある。
制御部70は、この問題を解決するために、ダンサの大きさを拡大した映像を表示することにより、プレイヤPとダンサとが同じ大きさに観察でき、かつ、左右方向Xの位置も一致するようにしている。
【0025】
また、制御部70は、ダンサ動画61a,61cのダンサの下側Z1の映像を、床29に投影する。
図5(A)には、説明の便宜上、下半身(ダンサの腰から下側Z1の部分)の映像を床29に投影した例を説明する。この場合、ダンサの足(つま先)の映像を、プレイヤPの立ち位置に合わせ、下半身の映像を前後方向Yに引き伸ばして、床29に投影する。
前述したように、プレイヤPからスクリーン25までの距離は、2m程度である。このため、スクリーン25のみに動画を投影した場合には、ダンサの上半身しか投影できず、不自然な形態になってしまうという問題がある。
【0026】
この問題を解決するために、制御部70は、ダンサの下半身を床29に投影して、これを鏡部10で観察するようにしている。前後方向Yにおいて、制御部70は、下半身の映像を、2mに引き伸ばして投影し、鏡部10で観察した状態では、下半身及び上半身が一体で観察できるようにしている。なお、スクリーン25及び床29の境界29aは、プレイヤPによって、
図5(B)に示す境界29bにように、鏡部10で観察される。
これにより、プレイヤPは、プレイヤP及び複数のダンサが同じ大きさになるように観察できるので、複数のダンサと同列の位置でダンスしている感覚でプレイできる。
【0027】
S13において、制御部70は、正面動画作成処理を行う。
制御部70は、撮像部40からの2つのプレイ動画を画像処理して、プレイヤPの正面から画角の動画を作成し、また、これにダンサ動画61a,61bを追加した正面動画を作成する。なお、撮像部40が取得するプレイ動画に、スクリーン25のダンサの映像が含まれる場合には、制御部70は、画像処理することにより、このダンサの映像を削除する。
制御部70は、この場合、ダンサ動画のダンサの大きさを、プレイヤPの大きさと同じになるように補正する。
制御部70は、正面動画を正面動画記憶部66に記憶する。
【0028】
S14において、制御部70は、一列ダンスの全ての映像が終了し、プレイ終了したか否かを判定する。制御部70は、プレイ終了と判定した場合には(S14:YES)、S30に進み、一方、プレイ終了ではないと判定した場合には(S14:NO)、S10からの処理を繰り返す。
このように、一列ダンスでは、プレイヤPは、複数のダンサで構成されるダンスユニットのうち、自分が担当したいダンサを選択してプレイできる。
【0029】
(前ダンス)
図4、
図6を参照しながら、前ダンスの処理について説明する。
S21において、制御部70は、前ダンスのプレイを開始する。
【0030】
S22において、制御部70は、ダンス音楽をスピーカ45から出力し、また、2人のダンサ動画62aをスクリーン25に投影する。
制御部70は、プレイヤPの後側Y2の1mにダンサが位置するように、ダンサ動画62aのダンサの大きさを拡大したダンサ動画62aをスクリーン25に投影する。
つまり、前ダンスにおいても、一列ダンスと同様に、プレイヤPによる鏡部10での観察態様は、ダンサが小さく観察されるという問題がある。制御部70は、ダンサの大きさを拡大した映像を表示することにより、この問題を解決する。
なお、制御部70は、前ダンスのダンサ動画62aの拡大率を、一列ダンスのダンサ動画61a,61cよりも小さくする。その理由は、ダンサがプレイヤPと同列に位置する一列ダンスの場合と、ダンサがプレイヤPの後側Y2に位置する前ダンス場合とでは、プレイヤPには、後者のダンサ画像の方が小さく観察されるためである。
【0031】
これにより、ダンス装置1は、プレイヤPの背後であって、プレイヤP及びスクリーン25の間に、複数のダンサが位置するように、ダンサ動画62aに投影できる。このため、プレイヤPは、複数のダンサの前(いわゆるセンタ)で、ダンスしているような感覚でプレイできる。
なお、図示及び詳細な説明は、省略するが、制御部70は、前ダンスの場合にも、一列ダンスと同様に、床29にダンサの身体の一部を投影してもよい。制御部70は、この場合には、プレイヤPの後側Y2の1mに位置が、ダンサの足(つま先)の位置になるように投影すればよい。
【0032】
S23において、制御部70は、正面動画作成処理を行う。
制御部70は、上記S13と同様に、撮像部40からの2つの動画を画像処理して、プレイヤPの正面から動画を作成する。
また、制御部70は、スクリーン25のダンサの画像を削除して、記憶部50のダンサ動画62aを追加する。制御部70は、この場合、ダンサ動画62aを、プレイヤPの後側Y2の1mにダンサが位置する大きさに補正する。これにより、制御部70は、正面動画を、プレイヤP及び複数のダンサの配置を、鏡部10での観察態様に対応した配置にして作成できる。
制御部70は、正面動画を正面動画記憶部66に記憶する。
【0033】
S24において、制御部70は、前ダンスの全ての映像が終了し、プレイ終了したか否かを判定する。制御部70は、プレイ終了と判定した場合には(S24:YES)、S30に進み、一方、プレイ終了ではないと判定した場合には(S24:NO)、S22からの処理を繰り返す。
【0034】
S30において、制御部70は、一連の処理を終了する。
その後、制御部70は、操作部2の操作に応じて、正面動画記憶部66に記憶した正面動画をスクリーン25に投影したり、外部機器(携帯情報端末等)に出力したりする。これにより、プレイヤPは、プレイ後に、自分のダンスを確認したりすることができる。
【0035】
なお、ダンス装置1は、鏡部10に映るダンサ動画及びプレイヤPの大きさを検出する検出部(例えば撮像装置等)を設けた形態にしてもよい。この形態では、S12,S22において、制御部70は、検出部の出力に基づいて、スクリーン25のダンサ動画の大きさを制御できる。このため、この形態では、設置時において、鏡部10及びスクリーン25の間の長さに応じて、スクリーン25に投影されるダンサ動画の大きさの調整作業が不要なので、ダンス装置1を容易に設置できる。
この検出部等がない形態では、設置環境に応じて鏡部10及びスクリーン25の間の長さが変わるときには、設置時において、プロジェクタ21を調整することによりスクリーン25に投影されるダンサ動画の大きさを調整する必要がある。このため、この検出部等がない形態では、ダンス装置の設置作業が煩雑になる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態のダンス装置1は、鏡部10にプレイヤPと複数のダンサとが観察可能である。これにより、プレイヤPは、実在するダンスユニット等の一員となって、ダンスしているように体感することができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図7は、第2実施形態のダンス装置201を、右側X2から見た断面図である。
プレイヤP及びスクリーン225の間の床229cは、後側Y2に至る程、下側Z1に至るように傾斜している。
スクリーン225は、床229cに達するまで設けられている。
プロジェクタ221は、スクリーン225の下部領域225aまで、ダンサ動画(
図5のダンサ動画61a,61b参照)を投影する。この場合、プロジェクタ221は、ダンサの足をスクリーン225の下部領域225aに投影する。
【0038】
床229cが傾斜しているので、プレイヤPは、鏡部10で、スクリーン225の下部領域225aまで観察することができる(矢印A参照)。このため、プレイヤPによる鏡部10の観察態様は、鉛直方向Zにおいて、プレイヤPの足の位置と、ダンサ動画のダンサの足の位置とが一致する。
このため、プレイヤPは、プレイヤPと、ダンサ動画のダンサとが、左右方向Xに一列に並んでいるように、鏡部10で観察できる。
【0039】
これにより、ダンス装置201は、ダンサ動画を床229に投影しなくても、一列ダンスのプレイを実現できる。また、プレイヤPは、より自然な観察態様で、プレイすることができる。
なお、ダンス装置201は、前ダンスのみプレイする場合には、図中点線で示すように、傾斜した床229c−2を、より後側Y2に配置できる。この場合、プレイヤPは、床229c−2の傾斜を、気にすることなくプレイできる。
また、ダンス装置201は、傾斜した床229c,229c−2の代わりに、床を窪ませた段を備えていてもよい。
【0040】
さらに、ダンス装置201は、プレイヤPの後側Y2に、左右方向Xに細長い棒229dを備えていてもよい。棒229dは、床229に設けた支柱(図示せず)等に取り付ければよい。棒229dは、例えば、前後方向Yにおいて、床229と傾斜した床229c(又は傾斜した床229c−2)とが交差する位置に配置され、また、鉛直方向Zにおいて、プレイヤPの腰の高さ(例えば、1m)程度である。
【0041】
これにより、プレイヤPは、棒229dよりも後側Y2に行かないように抑制されるので、傾斜した床229c等を気にすることなくプレイできる。また、プレイヤPは、棒229dにつかまりながらの練習をすることができる。
【0042】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態のダンス装置301を右側X2から見た斜視図である。
図9は、第3実施形態のダンス装置301を上側Z2から見た図である。
ダンス装置301は、マジックミラー310、モニタ320(320L,320C,320R)(ダンサ動画表示部)、モニタ移動装置325、位置検出部330L,330C,330Rを備える。
マジックミラー310は、明るい側からは鏡に見えるが暗い側からは向こうが見える光学部材である。マジックミラー310の図中後側Y2である一方側には、プレイヤPが位置し、また、マジックミラー310の図中前側Y1である他方側(マジックミラー310のプレイヤP側とは反対の面側)には、モニタ320が配置されている。
マジックミラー310よりもプレイヤP側の空間は、十分に明るい。一方、マジックミラー310よりもモニタ320側の空間は、プレイヤP側の空間よりも暗い。このため、プレイヤPは、マジックミラー310に映るプレイ像PAを観察できる。また、モニタ320の表示は、十分な輝度を有しているため、プレイヤPは、モニタ320の動画を、マジックミラー310を通過して観察できる。
【0043】
マジックミラー310は、中央観察領域310C(プレイ像観察鏡部)、左観察領域310L(ダンサ動画観察部)、右観察領域310R(ダンサ動画観察部)を備える。
中央観察領域310Cは、マジックミラー310の中央の領域である。中央観察領域310Cは、プレイヤPがプレイ像PAを観察する領域である。中央観察領域310Cは、基準位置PCでプレイしているプレイヤPに対向する部分である。
中央観察領域310Cは、基準位置PCに位置するプレイヤPに対向配置されている。プレイヤPは、中央観察領域310Cにおいて、ダンスプレイする像であるプレイ像PAを観察する。
左観察領域310L、右観察領域310Rは、中央観察領域310Cのそれぞれ左側X1及び右側X2の領域である。プレイヤPは、左観察領域310Lにおいて、モニタ320Lのダンサ動画を観察でき、また、右観察領域310Rにおいて、モニタ320Rのダンサ動画を観察できる。
【0044】
モニタ320(320L,320C,320R)は、ダンサ動画を表示する表示装置である。モニタ320は、例えば液晶表示装置である。各モニタ320の表示画面は、等身大のダンサを表示できる程度の大きさである。
モニタ320Cは、基準位置PCに位置するプレイヤPに対向する領域のうち中央領域に設けられている。モニタ320L,320Rは、中央領域の左側X1及び右側X2の領域にそれぞれ設けられている。つまり、モニタ320L,320C,320Rは、それぞれ、マジックミラー310の左観察領域310L、中央観察領域310C、右観察領域310Rの図中前側Y1に、配置されている。
【0045】
図9(A)に示すように、上記構成により、プレイヤPは、基準位置PCにおいてプレイしている状態では、中央観察領域310Cに自分のプレイ像PAを観察でき、かつ、左観察領域310L、右観察領域310Rにモニタ320L,320Rのダンサ動画を観察できる。
一方、
図9(B)に示すように、プレイヤPは、基準位置PCの右側X2でプレイしている状態では、右観察領域310Rに自分のプレイ像PAを観察でき、また、右観察領域310Rから左側X1に順番に、モニタ320C,320Rのダンサ動画を観察できる。
【0046】
図8に示すように、モニタ移動装置325は、モニタ320を一体で前後方向Yに移動する装置である。モニタ移動装置325は、レール、車輪、モータ等を備える。モニタ320の移動範囲は、マジックミラー310から2〜3m程度である。
このため、モニタ320は、マジックミラー310に最も接近した位置P320aにおいて、マジックミラー310からの距離が2m程度であり、一方、マジックミラー310から最も離間した位置P320bにおいて、マジックミラー310からの距離が3m程度である。
【0047】
位置検出部330L,330C,330Rは、プレイヤPの位置を検出するセンサである。ダンスは、プレイヤPが基準位置PCから左右に移動する種類のものがある。位置検出部330L,330C,330Rは、プレイヤPの移動を検出するために設けられている。
位置検出部330L,330C,330Rは、例えばロードセル等である。
位置検出部330Lは、基準位置PCの左側X1の床面に配置されている。
位置検出部330Cは、基準位置PCの床面に配置されている。
位置検出部330Rは、基準位置PCの右側X2の床面に配置されている。
【0048】
図10は、第3実施形態のダンス装置301のブロック図である。
前ダンスプログラム362のダンサ動画362a,362bは、一列ダンスプログラム61のダンサ動画61a〜61cと同様に、個別の情報である。このため、ダンス装置301は、ダンサ動画362a,362bのダンサを個別に出力することができる。
【0049】
図11は、第3実施形態のダンス装置301の処理のフローチャートである。
(一列ダンス)
S11までの処理は、第1実施形態と同様である。
S311aにおいて、制御部370は、モニタ移動装置325を制御して、モニタ320を位置P320aに配置する。
S312において、制御部370は、第1実施形態のS12と同様に、ダンス音楽をスピーカ45から出力する。
また、制御部370は、左側X1及び右側X2に位置する2人のダンサのダンサ動画61a,61cを、モニタ320L,320Rに等身大で表示する。制御部370は、輝度が十分に小さく全画面が黒色の映像(以下「ブラック画面」という)を表示する。
このため、プレイヤPは、モニタ320L,320Rのダンサ動画61a,61cを、マジックミラー310を通過して観察でき、また、プレイ像PAをマジックミラー310で観察できる(
図9(A)参照)。
【0050】
これにより、プレイヤPは、プレイ像PAとダンサ動画61a,61cとを、同時に観察できる。このため、マジックミラー310を通過するダンサ動画61a,61cのダンサは、プレイヤPにとっては、鏡に映るダンサのように、錯覚して観察される効果を奏する。
また、プレイヤPは、マジックミラー310の後側Y2に2m程度に位置する。モニタ320は、マジックミラー310の前側Y1に2m程度に位置する。このため、プレイヤPには、中央観察領域310Cでのプレイ像PAと、右観察領域310Rのダンサ動画のダンサと、左観察領域310Lのダンサ動画のダンサとが、同じ大きさであるように観察される。これにより、プレイヤPは、プレイヤPと、ダンサとが同列に並んでいるような感覚でプレイできる。
【0051】
S312aにおいて、制御部370は、位置検出部330L,330C,330Rの出力に基づいて、プレイヤPが移動したか否かを判定する。制御部370は、プレイヤPが移動したと判定した場合には(S312a:YES)、S330に進み、一方、プレイヤPが移動していないと判定した場合には(S312a:NO)、S13に進む。
なお、S330に進む場合には、制御部370は、表示位置変更処理を行う。表示位置変更処理の詳細は、後述する。
【0052】
S314において、制御部370は、一列ダンスの全ての映像が終了し、プレイ終了したか否かを判定する。制御部370は、プレイ終了と判定した場合には(S314:YES)、S30に進み、一方、プレイ終了ではないと判定した場合には(S314:NO)、S312aからの処理を繰り返す。
【0053】
(前ダンス)
S21までの処理は、第1実施形態と同様である。
S321aにおいて、制御部370は、モニタ移動装置325を制御して、モニタ320を位置P320bに配置する。
S322において、制御部370は、第1実施形態のS22と同様に、ダンス音楽をスピーカ45から出力する。
また、制御部370は、左側X1及び右側X2に位置する2人のダンサ動画362a,362bのダンサを、モニタ320L,320Rに等身大で表示する。つまり、制御部370は、一列ダンス及び前ダンスの両方とも、ダンサを等身大で表示する。また、制御部370は、ブラック画面をモニタ320Cに表示する。
このため、
図9(A)に二点鎖線で示すように、上記S312と同様に、プレイヤPは、モニタ320L,320Rのダンサ動画362a,362bを、マジックミラー310を通過して観察でき、また、プレイ像PAをマジックミラー310で観察できる。
【0054】
また、プレイヤPは、マジックミラー310の後側Y2に2m程度に位置する。モニタ320L,320Rは、マジックミラー310の前側Y1に3m程度に位置する。このため、プレイヤPには、左観察領域310Lのダンサ動画362aのダンサ、及び右観察領域310Rのダンサ動画362bのダンサの方が、中央観察領域310Cでのプレイ像PAよりも小さいように観察される。これにより、プレイヤPは、プレイヤPの背後の1mに、ダンサがダンスしているような感覚でプレイできる。
【0055】
S322aにおいて、制御部370は、上記S312aと同様に、位置検出部330L,330C,330Rの出力に基づいて、プレイヤPが移動したか否かを判定する。制御部370は、プレイヤPが移動したと判定した場合には(S322a:YES)、S340に進み、一方、プレイヤPが移動していないと判定した場合には(S322a:NO)、S23に進む。
【0056】
S324において、制御部370は、一列ダンスの全ての映像が終了し、プレイ終了したか否かを判定する。制御部370は、プレイ終了と判定した場合には(S324:YES)、S30に進み、一方、プレイ終了ではないと判定した場合には(S324:NO)、S322aからの処理を繰り返す。
【0057】
表示位置変更処理(S330,S340)について説明する。
図12は、第3実施形態の表示位置変更処理(S330)のフローチャートである。
S331において、制御部370は、位置検出部330Rの出力に基づいて、プレイヤPが基準位置PCから右側X2に移動したか否かを判定する。制御部370は、右側X2に移動したと判定した場合には(S331:YES)、S331aに進み、一方、右側X2に移動していないと判定した場合には(S331:NO)、S332に進む。
S331aにおいて、
図9(B)に示すように、制御部370は、ダンサ動画61cを中央のモニタ320Cに表示し、また、ブラック画面を右側X2のモニタ320を表示する。
これにより、プレイヤPは、自分のプレイ像PAを右観察領域310Rで観察できる。また、プレイヤPは、右観察領域310Rの左側X1に、右側X2から順に、モニタ320Cのダンサ動画61c、モニタ320Lのダンサ動画61aを観察できる。このため、プレイヤPは、基準位置PCから右側X2に移動した状態であっても、2人のダンサとプレイヤPとの計3人で並んでいるような感覚で、プレイできる。
【0058】
S332において、制御部370は、位置検出部330Lの出力に基づいて、プレイヤPが基準位置PCから左側X1に移動したか否かを判定する。制御部370は、左側X1に移動したと判定した場合には(S332:YES)、S332aに進み、一方、左側X1に移動していないと判定した場合には(S332:NO)、S333に進む。
S332aにおいて、制御部370は、ダンサ動画61aを中央のモニタ320Cに表示し、また、左側X1のモニタ320Lにブラック画面を表示する(図示は省略する)。
これにより、上記S331aと同様に、プレイヤPは、自分のプレイ像PAを左観察領域310Lで観察でき、また、モニタ320C,320Rに表示されたダンサ動画61a,61bを観察できる。これにより、プレイヤPは、計3人で並んでいるような感覚で、プレイできる。
【0059】
S333において、制御部370は、位置検出部330Cの出力に基づいて、プレイヤPが基準位置PCに移動したか否かを判定する。なお、この処理は、「S331a又はS332aの処理→
図11の処理に戻った処理(S330)」を行い、再度、プレイヤPが基準位置PCに戻った場合のものである。
制御部370は、プレイヤPが基準位置PCに移動したと判定した場合には(S333:YES)、S333aに進み、一方、基準位置PCに移動していないと判定した場合には(S333:NO)、S334に進む。
S333aにおいて、制御部370は、ダンサ動画61a,61bを表示するモニタ310を初期状態、つまり、
図9(A)に示す状態に変更する。
S334において、制御部370は、
図11の処理のS13に進む。
なお、
図11に戻り、繰り返されるS312aからの処理では、制御部370は、ダンサ動画61a,61bを、表示位置変更処理によって変更されたモニタ320に継続して表示する。
【0060】
S340の処理は、S330の処理と同様である。
例えば、制御部370は、プレイヤPが右側X2に移動したと判定した場合には、ダンサ動画362bを中央のモニタ320Cに表示し、また、ブラック画面を右側X2のモニタ320Rに表示する。前述したように、本実施形態の前ダンスのダンサ動画362a,362bは、個別の情報であるため、各ダンサを個別に選択されたモニタ320に表示できる。
一方、制御部370は、プレイヤPが左側X1に移動した判定した場合には、ダンサ動画362aを中央のモニタ320Cに表示し、また、ブラック画面を左側X1のモニタ320Lを表示する。
【0061】
このように、ダンス装置301は、表示位置変更処理(S330、S340)において、プレイヤPが基準位置PCから移動した場合には、ダンサ動画を、モニタ320L又はモニタ320Rから中央のモニタ320Cに切り替えて表示する。このため、ダンス装置301が、プレイヤPが移動するようなプレイに対応できる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のダンス装置301は、マジックミラー310、モニタ320を用いることにより、プレイヤPは、プレイ像PAと、ダンサ動画とを観察できる。これにより、ダンス装置301は、第1実施形態と同様に、プレイヤPがダンサと一緒にダンスしているようなプレイを提供できる。
【0063】
なお、本実施形態の表示位置変更処理は、第1及び第2実施形態にも適用できる。この場合には、位置検出部330L,330C,330Rを第1及び第2実施形態に追加し、制御部が、スクリーンのダンサ動画の表示位置を、本実施形態と同様に変更すればよい。
【0064】
また、本実施形態のダンス装置301は、以下のように変形してもよい。
(1)モニタ320は、移動可能な例を説明したが、これに限定されない。モニタ320は、設置位置に固定された形態でもよい。この形態では、第1実施形態と同様に、ダンサ動画のダンサの大きさを変更することにより、一列ダンス、前ダンスの両方に対応できる。
【0065】
(2)モニタ320は、マジックミラー310から2〜3m程度離間して設置される例を説明したが、これに限定されない。モニタ320は、マジックミラー310から直近(例えば数十mm程度)の位置に設置された形態でもよい。この形態では、第1実施形態と同様に、ダンサ動画のダンサの大きさを変更することにより、一列ダンス、前ダンスの両方に対応できる。
【0066】
(3)ダンス装置301は、モニタ320を備える例を示したが、これに限定されない。ダンス装置301は、モニタ320の代わりに、スクリーンを設けてもよい。この形態でも、制御部370が、ダンサ動画をプロジェクタからスクリーンに投影することにより、上記効果を奏する。この形態でも、スクリーンを前後方向に移動することにより、又はダンサ動画のダンサの大きさを変更することにより、一列ダンス、前ダンスの両方に対応できる。
【0067】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態に加えて第3実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図13は、第4実施形態のダンス装置401を右側X2から見た斜視図である。
図14は、第4実施形態のダンス装置401を、右側X2から見た断面図である。
ダンス装置401は、鏡部10、表示装置420を備える。
表示装置420は、プロジェクタ421(投影部)、スクリーン425を備える。
スクリーン425は、鏡部10のプレイヤP側に配置されている。
スクリーン425は、横格子状に配置された複数の単位スクリーン426を備える。
単位スクリーン426は、左右方向Xに細長い部材である。複数の単位スクリーン426は、鉛直方向Zに並べられている。
単位スクリーン426のプレイヤP側(後側Y2)の面は、実際にダンサ動画が投影される投影面427である。投影面427の色彩は、プロジェクタ421から投影されるダンサ動画を明確に結像させるために、例えば白色系である。
【0068】
単位スクリーン426は、鉛直方向Zにおいて、隣合う投影面427の間に隙間428を有するように配置されている。
なお、図面では、単位スクリーン426の大きさ(鉛直方向Zの長さ等)は、形状を明確にするために、実際よりも大きく図示した。例えば、単位スクリーン426の大きさ、隙間428の大きさは、それぞれ、鉛直方向Zの長さが数mm〜十数mm程度である。
制御部(
図10に示す制御部370参照)は、ダンサ動画を、モニタに表示する代わりにスクリーン425に投影する。
【0069】
基準位置PCに位置するプレイヤPのプレイ像PAは、隙間428を通過して鏡部10の中央観察領域10C(プレイ像観察鏡部)に到達後、さらに、中央観察領域10Cで反斜して隙間428を通過する。これにより、プレイヤPは、プレイ像PAを、鏡部10の中央観察領域10Cで観察できる。
一方、単位スクリーン426の投影面427のうち中央観察領域10Cの左側X1及び右側X2の部分に投影されたダンサ動画は、その投影面427に結像する。これにより、プレイヤPは、ダンサ動画のダンサを観察することができる(矢印D参照)。
【0070】
ダンス装置401の動作について説明する。
図15は、第4実施形態の鏡部10で観察される画像を説明する図である。
図15(A)は、一列ダンスのプレイにおいて観察される画像である。
図15(B)は、前ダンスのプレイにおいて観察される画像である。
ダンス装置401は、制御部が、スクリーン425にダンサ動画を投影することにより、一列ダンス、前ダンスのプレイを行うことができる。
投影されるダンサ動画の内容は、以下説明するように、第3実施形態と同様である。
【0071】
図15(A)に示すように、制御部は、操作部2が操作されることにより、一列ダンスかつ中央のダンサが選択された場合には、ダンサ動画61a,61cを投影する。制御部は、ダンサ動画61a,61cを、プレイ像PAと同様な大きさであり、かつ、鉛直方向Zにおいてプレイ像PAの位置と同様な位置に観察されるように、投影する。
一方、
図15(B)に示すように、制御部は、操作部2が操作されることにより、前ダンスが選択された場合には、ダンサ動画362a,362bを投影する。制御部は、ダンサ動画362a,362bを、プレイ像PAよりも小さい大きさであり、かつ、鉛直方向Zにおいてプレイ像PAよりも上側Z2の位置に観察されるように、投影する。
【0072】
また、詳細な説明は省略するが、制御部は、第3実施形態と同様な表示位置変更処理(
図10のS330,S430、
図11参照)を行う。本実施形態の表示位置変更処理では、制御部は、位置検出部330L,330C,330Rの出力に応じて、左右方向Xにおいて、プレイヤPが移動した側に投影されていたダンサ動画を、スクリーン425の中央に表示する。これにより、ダンス装置401は、表示位置変更処理によって、第3実施形態と同様な効果を奏する。
さらに、正面動画作成処理(
図4のS13,S24)等の処理については、第1実施形態と同様である。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のダンス装置401は、鏡部10の手前側に、格子状のスクリーン425を備えるので、プレイヤPは、第1、第3実施形態と同様なダンスプレイをすることができる。
【0074】
図16は、第4実施形態のダンス装置401Bの断面図(
図14に相当する図)である。
ダンス装置401Bは、スクリーン425Bの形状を上記ダンス装置401から変更したものである。
スクリーン425Bの単位スクリーン426Bの投影面427Bは、鏡部10側に至る程上側Z2に至る傾斜面である。
投影面427Bは、傾斜面であることにより、プロジェクタ421の投影光(投影光421a,421b参照)とのなす角が、上記ダンス装置401の場合よりも直角に近くなる。このため、プロジェクタ421は、短焦点対応のものでなくても、歪みの少ないダンサ動画を投影できる。
また、投影面427Bは、下側Z1に配置される単位スクリーン426B程、水平面に近づく。このため、下側Z1に配置された単位スクリーン426Bであっても、投影面427B及びプロジェクタ421の投影光(投影光421b参照)のなす角が直角に近いので、歪みの少ないダンサ動画を投影することができる。
【0075】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態のダンス装置501(撮影装置)は、第1実施形態に対して、プレイヤPのプレイしている画像を生成する機能を追加したものである。
図17は、第5実施形態のダンス装置501を右側X2から見た斜視図である。
図18は、第5実施形態のダンス装置501を上側Z2から見た図である。
ダンス装置501は、カメラ画像535(視線導き部)、4つのスピーカ545(視線導き部、音出力部)を備える。
カメラ画像535は、スクリーン25(表示部)に表示されるカメラの形状の画像である。カメラ画像535は、プレイヤPの視線を導く目印である。カメラ画像535は、鏡部10で反射してプレイヤPに観察されることによって、プレイヤPの視線を導く。実施形態では、プレイヤPの視線を導く方向を、以下「視線導き方向535a」という。
【0076】
4つのスピーカ545は、プレイヤPの前側Y1の領域であって、上下左右の対角に配置されている。4つのスピーカ545は、各音量等が制御されることによって、プレイヤPが音の聞こえる方向を制御できるようになっている。
4つのスピーカ545は、ダンス音楽の他に、プレイヤPの視線を導くための合図音を出力する。合図音は、例えば、拍手等である。この合図音が聞こえる方向は、視線導き方向535aに一致する。なお、合図音は、声優等の人物の音声を録音したものを、出力してよい。
【0077】
図19は、第5実施形態のダンス装置501の処理のフローチャートである。
図20は、第5実施形態の視線画像作成処理S531のフローチャートである。
図21は、第5実施形態の視線画像作成処理で生成した画像531を説明する図である。
以下、一列ダンスにおける処理(S530,S531)の例を説明するが、前ダンスの処理(S540,S541)も同様である。
S530において、制御部(
図3に示す制御部70参照)は、プレイ時間中に、視線画像作成処理を行うか否かを判定する。つまり、制御部は、プレイ継続中(「S14:NO」によってS12からの処理が繰り返される過程)において、この判定を行う。
【0078】
視線画像作成処理は、プレイ時間のうち予め定められた時間に行うものでもよいし、又はプレイ時間のうち不規則な時間に行うものでもよい。制御部は、1回のプレイの間、視線導き方向535aを変えた数回の視線画像作成処理を行う。
制御部は、視線画像作成処理を行うと判定した場合には(S530:YES)、S531に進み、一方、行わないと判定した場合には(S530:NO)、S14に進む。
S531において、制御部は、視線画像作成処理を行う。
【0079】
図20を参照しながら、視線画像作成処理(S531)について説明する。
S532において、制御部は、視線導き処理を行う。
視線導き処理では、以下のように、カメラ画像535の投影、合図音の再生の2つの処理が行われる。
【0080】
・カメラ画像535の投影
図17、
図18に示すように、制御部は、プロジェクタ21を制御することにより、カメラ画像535をスクリーン25に投影する。
カメラ画像535は、鏡部10で反射してプレイヤPに観察される。これにより、プレイヤPは、現時点から数秒経過するまでに、視線導き方向535aからの画像を生成されることを確認できる。プレイヤPは、カメラに実際に撮影されるような感覚で、視線導き方向535aに顔を向けたりして、写真写りのよいポーズを決めたりすることができる。
【0081】
・合図音の再生
制御部は、音出力部を制御することにより撮像されることを示す合図の聞こえる方向を視線導き方向535aに一致させる。これにより、プレイヤPは、合図音が聞こえる方向に注意が向けられ、視線が自然に導かれる。また、上記カメラ画像535の投影と同様に、視線導き方向535aからの画像を生成されることを確認できる。
【0082】
このように、プレイヤPは、鏡部10に映る自分のプレイ像PAを確認しながら、鏡部10で観察されるカメラ画像535に視線を向けることができる。
【0083】
S533において、制御部は、現時点が撮像時点であるか否かを判定する。制御部は、この判定を、視線導き処理時間(視線導き時間)が、数秒間程度継続されたか否かを判定する。
制御部は、現時点が撮像時点であると判定した場合には(S533:YES)、S534に進み、一方、撮像時点ではないと判定した場合には(S533:NO)、S532からの処理を繰り返す。
【0084】
S534において、制御部は、撮像部40を制御することにより、2方向からのプレイヤPの撮像情報(画像)を取得する。また、制御部は、視線導き処理を終了する。
これにより、制御部は、プレイヤPの視線を視線導き方向535aに導いた状態で、プレイヤPを撮像できる。
【0085】
S535において、
図21に示すように、制御部は、視線導き方向535aからの視線画像536を生成する。この視線画像536は、正面動画作成処理(S13)と同様な画像処理によって、生成される。
図21に示すように、これにより、制御部は、視線導き方向535aからプレイヤPを撮影したような視線画像536を生成することができる。
このように、ダンス装置501は、2つの撮像部40の撮像情報を画像処理するので、視線導き方向535aに実際にカメラを配置しなくても、視線導き方向535aからの視線画像536を生成できる。また、ダンス装置501は、数回の各視線画像作成処理において、各視線導き方向535aを変える場合でも、撮像部40を固定した状態で、各視線導き方向535aの視線画像536を生成できる。
また、プレイヤPは、ダンスのプレイ時間(例えば数分〜十数分程度)における視線導き処理時間(例えば数秒程度)というごくわずかな時間に、カメラを向けられて撮影されるというような疑似体験をすることができる。
【0086】
制御部は、視線画像536の情報を、記憶部(
図3に示す記憶部50参照)に記憶する。
視線画像536の情報は、正面動画と同様に、スクリーン25に投影されたり、外部機器(携帯情報端末等)に出力される。これにより、プレイヤPは、プレイ後に、視線画像536を確認したりすることができる。
S536において、制御部は、
図19のS14に進む。
【0087】
以上説明したように、本実施形態のダンス装置501は、プレイ中のプレイヤPを、視線導き方向535aを向くように促して、視線導き方向535aからの画像を生成することができる。また、ダンス装置501は、黙々とプレイする中で、撮影という変化をつけるので、プレイが単調になったりすることを抑止できるため、面白さを向上できる。
【0088】
なお、本実施形態のダンス装置501は、視線導き部として、カメラ画像535、スピーカ545を備える例を示したが、これに限定されない。ダンス装置501は、視線導き部として、カメラ画像535、スピーカ545の一方のみを備えていてもよい。
【0089】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態に加えて第3、第5実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
ダンス装置601(撮影装置)は、第5実施形態と同様な視線画像を生成する機能を、第3実施形態のダンス装置301に対して追加したものである。
【0090】
図22は、第6実施形態のダンス装置601を右側X2から見た斜視図である。
ダンス装置601は、ランプ635(視線導き部,目印)、カメラ640(撮像部)を備える。
ランプ635は、マジックミラー310のプレイヤP側とは反対側(図中前側Y1)に配置されている。ランプ635は、カメラ640に固定されている。ランプ635とカメラ640のレンズとの距離は、十分に短く、例えば、数十mm程度である。
カメラ640は、プレイヤPを撮像する装置である。カメラ640は、ランプ635と同様に、マジックミラー310のプレイヤP側とは反対側に配置されている。カメラ640は、三脚等(図示せず)によって、設置されている。
【0091】
ダンス装置601の動作について説明する。
本実施形態の視線画像作成処理と、第5実施形態の視線画像作成処理(
図19に示すS532、
図20参照)とは、以下の点が異なる。
・制御部(
図3に示す制御部70参照)は、視線導き処理(
図20に示すS532参照)において、ランプ635を発光させる。ランプ635は、十分な輝度を有する。このため、プレイヤPは、マジックミラー310を通過して、ランプ635を視認できる。これにより、プレイヤPは、ランプ635が配置されている視線導き方向635aへと、視線が導かれる。なお、合図音の再生に関する処理は、第5実施形態と同様である。
【0092】
・制御部は、カメラ640を制御することにより、プレイヤPの撮像情報を取得する(
図20に示すS534参照)。つまり、制御部は、2つの撮像部40の撮像情報を取得するのではなく、1つのカメラ640が取得した撮像情報を取得する。この場合、カメラ640及びランプ635の間の距離が十分に短いので、カメラ640は、視線導き方向635aに向いたプレイヤPの画像を、直接撮像できる。
【0093】
・制御部は、カメラ640の撮像情報に基づいて、プレイヤPの画像を生成する(
図20に示すS535参照)。つまり、制御部は、2つの撮像部40の撮像情報を画像処理するのではなく、1つのカメラ640の撮像情報を画像処理することにより、プレイヤPの画像を生成する。カメラ640は、視線導き方向635aに向いたプレイヤPの画像を直接撮像できるので、制御部は、より自然な画像を生成できる。
【0094】
以上説明したように、本実施形態のダンス装置601は、マジックミラー310の一方側に位置するプレイヤPを、マジックミラー310の他方側から撮像することにより、より自然な画像を生成できる。
【0095】
なお、本実施形態のダンス装置601は、以下のように変形してもよい。
(1)視線導き方向635aに向いたプレイヤPの画像は、カメラ640の撮像情報に基づいて生成する例を説明したが、これに限定されない。例えば、この画像は、第5実施形態と同様に、2つの撮像部40の撮像情報に基づいて、生成してもよい。この場合には、装置の構成を簡単にできる。
【0096】
(2)ダンス装置601は、発光部としてランプを備える例を説明したが、これに限定されない。ダンス装置601は、例えば、発光部として、モニタ320(320L,320C,320R)に発光する物体を表示してもよい。この場合には、装置の構成を簡単にできる。
【0097】
(3)マジックミラーのプレイヤとは反対側には、1台のカメラ640が配置される例を説明したが、これに限定されない。マジックミラーのプレイヤとは反対側には、複数台のカメラ640を配置してもよい。この場合には、制御部は、2つの撮像部40と同様に、複数のカメラ640による複数の方向からの撮像情報に基づいて、視線導き方向635aに向いたプレイヤPの画像を生成すればよい。この場合には、第5実施形態と同様に、カメラ640を固定した状態で、複数の視線導き方向635aの画像を生成できる。
【0098】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図23は、第7実施形態のダンス装置701を右側X2から見た断面図である。
ダンス装置701(撮影装置)は、第2実施形態に、透明板729dを追加したものである。
【0099】
透明板729dは、ガラス、アクリル等の透明な板材である。透明板729dの表面は、鉛直面であるZX面と平行であるので、鏡10に対向している。
透明板729dは、プレイヤPの後側Y2に配置され、例えば、前後方向Yにおいて、床229と傾斜した床229c(又は傾斜した床229c−2)とが交差する位置に配置される。
【0100】
また、透明板729dの高さは、プレイヤPの身長よりも高く、かつ、スクリーン225に投影されるダンサの全身をプレイヤが観察可能な程度に大きい(矢印B参照)。つまり、透明板729dの上端は、プレイヤPがダンサを観察する視線の上側Z2に位置する。透明板729dの高さは、例えば、2m程度である。このため、プレイヤPは、スクリーン225に投影されるダンサの全身を、透明板729dを通して観察できる。
【0101】
これにより、プレイヤPは、透明板729dよりも後側Y2に行かないように抑制されるので、傾斜した床229c等を気にすることなくプレイできる。また、プレイヤPは、スクリーン225に投影されるダンサの全身を、歪み等が少ない態様で観察できる。
【0102】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。