【実施例1】
【0033】
以下、本発明の実施例1に係るコネクタC1について
図1A〜
図5Bを参照しつつ説明する。コネクタC1は、シールドケース100と、ボディ200と、端子300と、ケース400とを備えている。以下、コネクタC1の各構成要素について詳しく説明する。なお、
図1A〜
図2A及び
図2E〜
図3Bに示されるY−Y’方向は、シールドケース100の後述する接続部110aの長手方向に相当し且つ特許請求の範囲の第1方向に相当する。Y−Y’方向のうちY方向が第1方向の一方側に相当し、Y’方向が第1方向の他方側に相当する。
図1A〜
図2A、
図2D及び
図3A〜
図3Bに示されるZ−Z’方向は、シールドケース100の接続部110aの半径方向の一つに相当し且つ特許請求の範囲の第2方向に相当する。Z−Z’方向のうちZ方向が第2方向の一方側に相当し、Z’方向が第2方向の他方側に相当する。Z−Z’方向がY−Y’方向に直交している。
図1A〜
図1B及び
図2B〜
図3Bに示されるX−X’方向は、シールドケース100の接続部110aの半径方向の別の一つに相当し且つ且つ特許請求の範囲の第3方向に相当する。X−X’方向のうちX方向が第3方向の一方側に相当し、X’方向が第3方向の他方側に相当する。X−X’方向がY−Y’方向及びZ−Z’方向に直交している。
【0034】
ボディ200は、絶縁樹脂で構成されている。ボディ200は、
図3A及び
図3Bに最も良く示されているように、接続部210と、基部220と、中間部230とを有している。接続部210はY−Y’方向に延びたブロックである。接続部210は、Y方向の前部と、Y’方向の後部と、接続孔211と、ロック孔212とを有している。接続孔211は、接続部210の前部に設けられ且つY−Y’方向に延びた孔であって、Y方向に開口している。ロック孔212は、接続部210の後部の中心部に設けられ且つY−Y’方向に延びた孔であって、Y方向に開口している(
図2A参照)。接続孔211とロック孔212は連通している。実施例1では、接続部210は、円柱状のブロックであり、接続孔211は円柱状の孔である。
【0035】
基部220はZ−Z’方向に延びたブロックである。基部220は、上部221と、下部222と、溝223とを有している。上部221は、基部220のZ方向の部分である。下部222は、上部221に連接された基部220のZ’方向の部分である。下部222のX−X’方向の寸法は、上部221のX−X’方向の寸法と同じ又は相違させることができる。実施例1では、下部222のX−X’方向の寸法は、上部221のX−X’方向の寸法よりも大きい。溝223は、基部220をZ−Z’方向に貫通するように延びており且つY’方向に開放されている。
【0036】
中間部230は接続部210と基部220の上部221とを接続している。実施例1では、中間部230は下半円柱である。中間部230は接続部210のロック孔212よりもZ’方向側に位置している。
【0037】
端子300は、
図3A及び
図3Bに最も良く示されているように、略L字状の金属板で構成されている。端子300は、第1部310と、第2部320と、折り曲げ部330と、テール340とを有している。第1部310はY−Y’方向に延びた板である。第1部310は、Y方向側の先端部と、Y’方向側の後端部と、中間部とを有する。第1部310の先端部は、
図2Aに最も良く示されているように、ボディ200の接続部210の接続孔211内に配置されている。実施例1では、第1部310の先端部は、接続孔211内に当該接続孔211の中心軸に沿って延びるように配置されている。この先端部が相手側コネクタの端子に接触可能な接点部である。第1部310の後端部は、ボディ200の中間部230上に配置されている。第1部310の中間部は、先端部と後端部との間の部分であって、接続部210のロック孔212に挿入され、保持されている。
【0038】
折り曲げ部330は、第1部310と第2部320とを繋ぐ略L字状の板である。折り曲げ部330は溝223に挿入されている。第2部320は折り曲げ部330からZ−Z’方向に延びた板又は斜め方向に延びた板である。斜め方向は、Y−Y’方向とZ−Z’方向の成分を含む斜め方向である。例えば、斜め方向は、折り曲げ部330からY’方向に傾斜しつつZ−Z’方向に延びた方向とすることが可能である。実施例1では、第2部320はZ−Z’方向に延びている。第2部320はボディ200の基部220の溝223に挿入されている。テール340は、第2部320からZ’方向に延びており且つ溝223からZ’方向に突出している。テール340は、図示しない基板のスルーホール電極に接続可能である。なお、テール340は、第2部320からY’方向に延びており、基板上の電極に接続可能になっていても良い。
【0039】
シールドケース100は、
図2A〜
図4Cに示されるように、端子300及びボディ200を収容している。シールドケース100は、第1シェル100aと、第2シェル100bとを備えている。第1シェル100aは導電性を有している。第1シェル100aは、プレス成形された金属板又は鋳造法で作成された金属板である。実施例1では、第1シェル100aは、前者で構成されている。第1シェル100aは、接続部110aと、カバー120aとを有している。
【0040】
接続部110aは、Y−Y’方向に延びた筒である。接続部110aが、相手側コネクタのシェルの接続孔内に嵌合可能な部位である。接続部110a内に端子300の第1部310、ボディ200の接続部210及びボディ200の中間部230が収容されている(
図2A参照)。ボディ200の接続部210は接続部110a内に嵌合していても良いし、間隙を有して配置されていても良い。実施例1では、接続部210は接続部110a内に嵌合し、端子300の第1部310を保持している。この接続部210に保持された端子300の第1部310は、接続部110a内に当該接続部110aの中心軸に沿って延びるように配置されている。
【0041】
接続部110aは、第1部111aと、第2部112aとを有している。第1部111aは、接続部110aのZ方向側の部分である。第1部111aのZ−Z’方向の断面形状は、例えば、上半円状、円弧状、上下逆略U字状又は上下逆略V字状とすることが可能である。第2部112aは、接続部110aのZ’方向側の部分である。第2部112aは、接続部110aの第1部111aを除いた残り部分であっても良いし、第1部111aと第2部112aとの間に接続部110aの別の部位が設けられていても良い。第2部112aのZ−Z’方向の断面形状は、例えば、下半円状、円弧状、略U字状又は略V字状とすることが可能である。
【0042】
実施例1では、接続部110aは、
図3A及び
図3Bに最も良く示されているように、Y−Y’方向に延びた円筒である。第1部111aは、接続部110aのZ方向側の半円筒である。第2部112aは、接続部110aのZ’方向側の半円筒である。換言すると、第1部111aのZ−Z’方向の断面形状は上半円状であり、第2部112aのZ−Z’方向の断面形状は下半円状である。
【0043】
なお、本発明における上半円状は、上半楕円状を含むものとする。本発明における下半円状は、下半楕円状を含むものとする。本発明における上下逆略U字状は、台形の上底と一対の脚とを有する形状、及び、正方形又は長方形の上辺とこの上辺に対して直角な一対の側辺とを有する形状(すなわち、上下逆凹字状)を含むものとする。本発明における略U字状は、上下逆の台形の上底と一対の脚とを有する形状、及び、正方形又は長方形の下辺とこの下辺に対して直角な一対の側辺とを有する形状(すなわち、凹字状)を含むものとする。
【0044】
カバー120aは、接続部110aの第1部111aに連接され且つY−Y’方向に延びている。カバー120aは、連結部121aと、一対の壁122a(カバーの第1壁及び第2壁)を有している。カバー120aの一対の壁122a及び第2シェル100bが、複合筒を構成している。複合筒は、Z−Z’方向又は上記斜め方向に延びた筒(例えば、円筒又は多角筒)である。実施例1では、複合筒は、Z−Z’方向に延びた角筒である。複合筒は、X方向側の壁と、X’方向側の壁と、Y方向側の壁と、Y’方向側の壁とを有している。
【0045】
連結部121aは、第1部111aからY’方向に延びている。連結部121aは、ボディ200の基部220及び端子300の折り曲げ部330のZ方向側に配置されている。連結部121aのZ−Z’方向の断面形状は、接続部110aの第1部111aのZ−Z’方向の断面形状と同様の形状とすることができる。実施例1では、連結部121aのZ−Z’方向の断面形状は、上半円状である。換言すると、連結部121aは、半円筒である。連結部121aの頂部には、係合孔121a1が設けられている。係合孔121a1は連結部121aをZ−Z’方向に貫通している。連結部121aは、X
方向の端部(連結部の第1端部)と、X’方向の端部(連結部の第2端部)とを更に有している。
【0046】
一対の壁122aは、連結部121aのX方向の端部及びX’方向の端部からZ’方向に延びている。一対の壁122aは、一方の壁122aと、他方の壁122aとを含む。一方の壁122aは、複合筒のX方向側の壁の一部又は全部である。他方の壁122aは、複合筒のX’方向側の壁の一部又は全部である。壁122aは、上壁122a1と、下壁122a2と、折り曲げ部122a3とを有している。上壁122a1は壁122aのZ方向側の矩形状の板である。上壁122a1は、ボディ200の基部220の上部221のX方向の側面及びX’方向の側面に当接していても良いし、間隙を有して対向配置されていても良い。実施例1では、上壁122a1は、ボディ200の基部220の上部221のX方向の側面及びX’方向の側面に当接している。
【0047】
一対の壁122aの上壁122a1は、接続部110aの第2部112aに間隙Sを有して対向している(
図3A及び
図4Cを併せて参照)。第1シェル100aがプレス成形によって作成される場合、間隙Sが生じる理由は以下の通りである。プレス成形時に、接続部110aが筒状にされる一方で、上壁122a1が連結部121aからZ’方向に延びるため、接続部110aの第2部112aと上壁122a1とを切り離す必要がある。第2部112aと上壁122a1とがカットされるときに、第2部112aと上壁122a1との間に間隙Sが生じる。特に、接続部110aの第2部112aのZ−Z’方向の断面形状が、下半円状、円弧状、略U字状(上記凹字状を除く。)又は略V字状である場合に、間隙Sが生じ易い。間隙Sは端面f1、一対の端面f2、及び一対の端面f3によって区画されている。端面f1は、第2部112aのY’方向の端面(対向面)である。一対の端面f2は、一対の上壁122a1のY方向の端面(対向面)である。端面f1と一対の端面f2とがY−Y’方向において互いに対向している。一対の端面f3は、カバー120aの連結部121aのX方向の端部及びX’方向の端部の端面の間隙Sの
Z方向側に位置する部分である。なお、ボディ200は、突部240を更に有していても良い。突部240は、間隙Sの間に配置されるようにボディ200
に設けることができる。
【0048】
一対の壁122aの下壁122a2は、壁122aのZ’方向側の矩形状の板である。下壁122a2は上記基板上に載置可能である。下壁122a2のY−Y’方向の寸法は、上壁122a1のY−Y’方向の寸法と相違していても良いし、同じであっても良い。実施例1では、下壁122a2のY−Y’方向の寸法は、上壁122a1のY−Y’方向の寸法よりも大きい。下壁122a2は上壁122a1よりも外側に位置している。換言すると、下壁122a2のX−X’方向の間隔が上壁122a1のX−X’方向の間隔よりも大きい。折り曲げ部122a3は、上壁122a1と下壁122a2とを連結している。折り曲げ部122a3は、下壁122a2が上壁122a1よりも外側に位置するように折り曲げられている。なお、折り曲げ部122a3が省略され、上壁122a1及び下壁122a2が、Z−Z’方向に延びるように連結されていても良い。
【0049】
第1シェル100aは、一対のアーム123aを更に有していても良い。アーム123aは壁122aの下壁122a2からY方向に延びている。第1シェル100aは、一対の第1脚124a及び/又は一対の第2脚125aを更に有していても良い。第1脚124aは、壁122aの下壁122a2のY方向の端からZ’方向に延びている。第2脚125aは、壁122aの下壁122a2のY’方向の端からZ’方向に延びている。第1脚124a及び/又は第2脚125aが上記基板のグランド用のスルーホール電極に接続可能である。又は、第1脚124a及び/又は第2脚125aは、X−X’方向に延びており、基板の表面電極に接続されていても良い。
【0050】
第2シェル100bは導電性を有している。第2シェル100bは、第1シェル100aと別体である。第2シェル100bは、プレス成形された金属板又は鋳造法で作成された金属板である。実施例1では、第2シェル100bは、前者で構成されている。
【0051】
第2シェル100bは、第1閉塞部110bと、第2閉塞部120bとを有している。第1閉塞部110bは、
図2C、
図5A及び
図5Bに最も良く示されているように、Z−Z’方向及びX−X’方向に延びた金属板である。第1閉塞部110bは、壁122a間を塞ぐように壁122aの空間のY方向側に配置されている。第1閉塞部110bは、複合筒のY方向側の壁である。第1閉塞部110bは、先端部111bと、基部112bとを有している。先端部111bは、略U字状の板である。先端部111bのY−Y’方向の寸法は、上記間隙SのY−Y’方向の寸法と略同じ又は若干大きい。先端部111bのX−X’方向の寸法は、接続部110aのX−X’方向の寸法及び一対の壁122aの上壁122a1の外面の
X−X’方向の距離よりも大きい(
図4B参照)。先端部111bは凹面を有している。凹面のZ−Z’方向の断面形状は、接続部110aの第2部112aのZ−Z’方向の断面形状に対応した形状とすることができる。先端部111bは、第2部112aの端面f1、壁122aの上壁122a1の端面f2及び連結部121aの端面f3(当接面)に当接し、第2部112aと上壁122a1との間に嵌合している。このように先端部111bが間隙Sを略完全に塞いでいる。
【0052】
先端部111bの凹面には、一対の爪111b1が設けられている。爪111b1のX−X’方向の距離は、ボディ200の突部240のX−X’方向の
寸法よりも若干小さい。爪111b1が突部240に係合し、先端部111bが突部240を挟持している。これにより、第1閉塞部110bがボディ200に固定されている。
【0053】
基部112bのX−X’方向の寸法は、壁122aの下壁122a2の内面間のX−X’方向の距離と略同じである。基部112bが下壁122a2の内面に当接している。
【0054】
第2閉塞部120bは、
図2Dに最も良く示されているように、Z−Z’方向及びX−X’方向に延びた金属板である。第2閉塞部120bは、本体部121bと、係合片122bとを有している。本体部121bのZ−Z’方向の断面形状は、カバー120aのZ−Z’方向の断面形状に対応している。本体部121bは、壁122a間を塞ぐように壁122aの間の空間のY’方向側に配置されている。本体部121bは、複合筒のY’方向側の壁である。本体部121bは、壁122aの上壁122a1の内面及び下壁122a2の内面に当接している。係合片122bは、本体部121bからZ方向に延びた板である。係合片122bには、Y’方向に凸の突起が設けられている。係合片122bのX−X’方向の寸法は、カバー120aの係合孔121a1のX−X’方向の寸法よりも小さい。係合片122bのY−Y’方向の寸法(突起を含むY−Y’方向の寸法)は、係合孔121a1のY−Y’方向の寸法よりも若干大きい。係合片122bが係合孔121a1に
Z’方向側から係合されている。本体部121bが係合孔121a1を
Z’方向側から塞いでいる。
【0055】
第2シェル100bは、一対の壁130b(第2シェルの第1壁及び第2壁)を更に有しても良い。壁130bは、
図2B及び
図2Eに最も良く示されているように、第1閉塞部110bと第2閉塞部120bとを連結しており且つ第1シェル100aの壁122aの下壁122a2の内側(下壁122a2とボディ200の基部220の下部222との間)に配置されている。壁130bは、壁122aの下壁122a2に面接触していても良いし、非接触でも良い。実施例1では、壁130bは、壁122aの下壁122a2に面接触している。この場合、壁130bのZ−Z’方向の寸法は、壁122aの下壁122a2のZ−Z’方向の寸法と略同じ又は若干小さい。一対の壁130bは、一方の壁130bと、他方の壁130bを含む。一方の壁130bは、一方の壁122aと共に複合筒のX方向側の壁を構成する。他方の壁130bは他方の壁122aと共に複合筒のX’方向側の壁を構成する。なお、壁130bが省略される場合、一方の壁122aが複合筒のX方向側の壁となり、他方の壁122aが複合筒のX’方向側の壁となる。
【0056】
上記複合筒内にボディ200の基部220、端子300の折り曲げ部330及び端子300の第2部320が配置されている。第1閉塞部110bと第2閉塞部120bとの間のY−Y’方向の距離は、ボディ200の基部220の下部222のY−Y’方向の寸法と略同じとすることができる。壁130b間のX−X’方向の距離は基部220の下部222のX−X’方向の寸法と略同じとすることができる。すなわち、基部220の下部222が第1閉塞部110b、第2閉塞部120b及び壁130bに区画される空間に嵌合する構成とすることが可能である。
【0057】
少なくとも距離L1〜L4又は距離L5〜L8が、端子300の第1部310と第2部320とのインピーダンスがマッチングされるような距離に設定されている。距離L1〜L8が、端子300の第1部310と第2部320とのインピーダンスがマッチングされるような距離に設定されていても良い。実施例1では、L1〜L6、L71、L72、L81及びL82が端子300の第1部310と第2部320とのインピーダンスがマッチングされるような距離に設定されている。L1(
図2A参照)は、端子300の第1部310から接続部110aまでのZ方向の距離である。L2(
図2A参照)は、端子300の第1部310から接続部110aまでのZ’方向の距離である。L3(
図2A参照)は、端子300の第2部320から複合筒(実施例1では、第1閉塞部110b)までのY方向の距離である。L4(
図2A参照)は、端子300の第2部320から複合筒(実施例1では、第2閉塞部120b)までのY’方向の距離である。L5(
図2C参照)は、端子300の第1部310から接続部110aまでのX方向の距離である。L6(
図2C参照)は、端子300の第1部310から接続部110aまでのX’方向の距離である。L7(図示なし)は、端子300の第2部320から複合筒までのX方向の距離である(例えば、L71又はL72)。L8(図示なし)は、端子300の第2部320から複合筒までのX’方向の距離である(例えば、L81又はL82)。L71(
図2B参照)は、端子300の第2部320から複合筒の一方の上壁122a1までのX方向の距離である。L72(
図2B参照)は、端子300の第2部320から複合筒の一方の壁130bまでのX方向の距離である。L81(
図2B参照)は、端子300の第2部320から複合筒の他方の上壁122a1までのX’方向の距離である。L82(
図2B参照)は、端子300の第2部320から複合筒の他方の壁130bまでのX’方向の距離である。
【0058】
壁130bは、少なくとも一つの係合部131b(第2シェルの第2係合部)を更に有していても良い。壁122aは、少なくとも一つの係合部122a4(カバーの第1係合部)を更に有していても良い。係合部131b及び係合部122a4の何れか一方が係合突部であり、他方が係合凹部又は係合孔である。係合突部が係合凹部又は係合孔に係合されている。実施例1では、
図2Eに最も良く示されているように、係合部122a4が内側(壁130b側)に凸の係合突部であり、係合部131bが内側に凹んだ係合凹部である。実施例1では、複数の係合部122a4が壁122aの下壁122a2に設けられ、複数の係合部131bが壁130bに設けられている。
【0059】
ケース400は絶縁樹脂で構成されている。ケース400内に、端子300、ボディ200及びシールドケース100が収容されている。ケース400は、
図1A〜
図3Bに示されるように、筒410と、ブロック420と、プレート430と、プレート440とを有している。筒410はプレート430からY方向に延びている。筒410内には、接続孔450が設けられている。接続孔450内に相手側コネクタの接続部が挿入可能である。ブロック420はプレート430とプレート440との間に設けられた直方体である。
【0060】
プレート440及びブロック420内には、収容凹部460が設けられている。収容凹部460の形はシールドケース100のカバー120aの外形に対応している。カバー120aが収容凹部460内に嵌合している。収容凹部460はY’方向及びZ’方向に開口している。ブロック420の収容凹部460のZ方向側の部分には、係合孔480が設けられている。係合孔480は収容凹部460に連通し且つ収容凹部460内のカバー120aの係合孔121a1に連通している。係合孔480は第2シェル100bの係合片122bを係合している。ケース400の接続孔450と収容凹部460との間の部分には、接続孔450と収容凹部460とに連通する連通孔470が設けられている。連通孔470の形は、第1シェル100aの接続部110aの外形に対応している。連通孔470に接続部110aが部分的に嵌合し、接続部110aの先端部が、ボディ200の接続部210の先端部及び端子300の第1部310の先端部が接続孔450内に配置されている。ケース400の連通孔470のZ’方向側の部分には、一対の係合孔490が設けられている。
図2Eに最も良く示されているように、係合孔490に第1シェル100aの一対のアーム123aが係合されている。
【0061】
以下、上記した実施例1のコネクタC1の組み立て手順について詳しく説明する。まず、端子300及びボディ200を用意する。端子300の第1部310をボディ200のロック孔212内にY’方向側から圧入させると共に、端子300の折り曲げ部330及び第2部320をボディ200の溝223内にY’方向側から挿入させる。すると、端子300の第1部310の中間部がロック孔212に部分的に保持され、第1部310の先端部がボディ200の接続孔211内に配置され、且つ第1部310の後端部がボディ200の中間部230上に配置される。端子300の折り曲げ部330及び第2部320をボディ200の溝223内に収容される。このようにして端子300がボディ200に保持される。
【0062】
その後、第1シェル100aを用意する。第1シェル100a内にボディ200を組み込む。この組み込み時に次の1)〜4)の通りとなる。1)ボディ200の接続部210が第1シェル100aの接続部110a内にY’方向側から嵌合する。2)端子300の第1部310が第1シェル100aの接続部110a内に同軸配置される。3)ボディ200の基部220、端子300の折り曲げ部330及び端子300の第2部320が第1シェル100aのカバー120a内に配置される。4)ボディ200の基部220の上部221がカバー120aの上壁122a1の内面に面接触し且つ係合される。
【0063】
その後、ケース400を用意する。第1シェル100aの接続部110aをY’方向側からケース400の収容凹部460、連通孔470及び接続孔450内に挿入する。この挿入時に次の1)〜3)の通りとなる。1)接続部110aが連通孔470に部分的に保持され、接続部110aの先端部が接続孔450内に配置される。2)第1シェル100aのアーム123aがケース400の係合孔490に各々係合される。3)第1シェル100aのカバー120aがケース400の収容凹部460に収容され、カバー120aの係合孔121a1がケース400の係合孔480に連通する。このようにしてケース400内に、第1シェル100a、端子300及びボディ200が収容される。
【0064】
その後、第2シェル100bを用意する。第2シェル100bを第1シェル100aにZ’方向側から取り付ける。この取り付け時に次の1)〜9)通りになる。1)第2シェル100bの第1閉塞部110bの先端部111bが第1シェル100aの接続部110aの第2部112aと壁122aとの間に嵌合し、第1閉塞部110bが、第2部112aの端面f1、壁122aの上壁122a1の端面f2及び連結部121aの端面f3に当接し、端面f1と端面f2の間の間隙Sを塞ぐ。2)ボディ200の突部240が第2シェル100bの第1閉塞部110bの先端部111b内に嵌合し、突部240が先端部111bに挟持される。3)第2シェル100bの第1閉塞部110bがボディ200の基部220のY方向側で第1シェル100aの壁122a間を塞ぐ。4)第2閉塞部120bの係合片122bがZ’方向側から第1シェル100aの係合孔121a1及びケース400の係合孔480に係合される。第2閉塞部120bがZ’方向側から第1シェル100aの係合孔121a1を塞ぐ。5)第2閉塞部120bがボディ200の基部220のY’方向側で第1シェル100aの壁122a間を塞ぐ。6)壁130bが壁122aの内側に配置され、壁122aに面接触する。7)壁130bの係合部131bが壁122aの係合部122a4に係合される。8)ボディ200の基部220が第2シェル100bに嵌合し、端子300の第2部320が第2シェル100b内に部分的に配置される。9)カバー120aの一対の壁122a、第2シェル100bの第1閉塞部110b、第2シェル100bの第2閉塞部120b、及び第2シェル100bの一対の壁130bが上記複合筒を構成する。
【0065】
以上のようなコネクタC1は、以下の技術的特徴を有している。第1に、コネクタC1は設計の自由度が高い。なぜなら、第2シェル100bが、第1シェル100aと別体であるため、第2シェル100bの形状を第1シェル100aの接続部110aの形状に続くように作成する必要がないからである。
【0066】
第2に、端子300の第1部310のインピーダンスと第2部320のインピーダンスとをマッチングさせることが可能になる。その理由は以下の通りである。上記の通り、第2シェル100bは第1シェル100aの接続部110aと別に作成できるので、端子300の第1部310及び第2部320のインピーダンスがマッチングされるように、第2シェル100bの形状を作成し易くなる。この結果、第2シェル100b及び第1シェル100aの一対の壁122aで構成される複合筒の形状も、第1部310及び第2部320のインピーダンスがマッチングされるように、作成し易くなる。具体的には、距離L1〜L4及び/又は距離L5〜L8が、第1部310のインピーダンスと第2部320のインピーダンスとがマッチングされるような距離に設定されるように、複合筒を容易に作成することが可能になる。
【0067】
第3に、コネクタC1は、端子300の第1部310及び第2部320のインピーダンスマッチングを図るのに適した構成となっている。その理由は以下の通りである。第2シェル100bを第1シェル100aの連結部121aに取り付けるために、連結部121aに係合孔121a1が設けられていることが、第1部310及び第2部320のインピーダンスマッチングに悪影響を及ぼす可能性を低減することができる。第1シェル100aの係合孔121a1に第2シェル100bの係合片122bが係合され、係合孔121a1が第2シェル100bの本体部121bに閉塞されているからである。更に、第1シェル100aの接続部110aの第2部112aと一対の壁122aの間に間隙Sが生じていることが、第1部310及び第2部320のインピーダンスマッチングに悪影響を及ぼす可能性を低減することができる。間隙Sは第2シェル100bの第1閉塞部110bによって閉塞されているからである。更に、シールドケース100をケース400に取り付けることが、第1部310及び第2部320のインピーダンスマッチングに悪影響を及ぼす可能性を低減することができる。一般的に、シールドケースをケースに固定するときには、シールドケースの一部を切り欠いて係合片が形成される。この場合、シールドケースの切り欠かれた部分に開口が形成される。この開口の存在が端子の第1部及び第2部のインピーダンスマッチングに悪影響を及ぼす。しかし、コネクタC1は、第2シェル100bの係合片122bが、第1シェル100aの係合孔121a1及びケース400の係合孔480に係合されている。係合孔121a1は上記の通り第2シェル100bの本体部121bに閉塞されている。このため、シールドケース100をケース400に固定するために、第1シェル100a及び第2シェル100bに開口が形成されない。
【0068】
第4に、コネクタC1のVSWRを良好にする。第2シェル100bの係合片122bが第1シェル100aの係合孔121a1に係合され且つ第2シェル100bの壁130bが第1シェル100aの壁122aに面接触することによって、第1シェル100aと第2シェル100bとが電気的に接続されている。これにより、第1シェル100aと第2シェル100bとが同電位となるので、第1シェル100aが浮遊GNDとならない。しかも、第2シェル100bの壁130bが第1シェル100aの壁122aに面接触することによって、第1シェル100aと第2シェル100bとが第1脚124a及び/又は第2脚125aの近くで電気的に接続される。第1脚124a及び/又は第2脚125aは、グランドに接続されているので、第1シェル100aと第2シェル100bとはグランド近くで電気的に接続される。これが、コネクタC1のVSWRを良好にする。
【0069】
第5に、第2シェル100bが第1シェル100aから脱落するのを抑制することができる。その理由は以下の通りである。第2シェル100bの係合片122bが、第1シェル100aの係合孔121a1に係合されている。第1閉塞部110bの先端部111bが第1シェル100aの接続部110aの第2部112aと壁122aとの間に嵌合している。ボディ200の突部240が第1閉塞部110bの先端部111bに挟持されている。第1シェル100aの係合部122a4と第2シェル100bの係合部131bとが互いに係合している。
【0070】
第6に、コネクタC1のX−X’方向のコジリ強度を向上させることができる。その理由は以下の通りである。第2シェル100bの壁130bが第1シェル100aの壁122aの内側から壁122aに面接触している。すなわち、壁130bが、第1脚124a及び/又は第2脚125aが設けられた壁122aを内側から補強している。よって、コネクタC1に相手側コネクタが接続され、X−X’方向
にコジられたとしても、壁122aにかかる負荷が分散される。
【実施例2】
【0071】
以下、本発明の実施例2に係るコネクタC2について
図6A及び
図6Bを参照しつつ説明する。コネクタC2は、シールドケース100’の構成が実施例1のシールドケース100の構成と相違している以外、コネクタC1と略同じ構成である。以下、その相違点について詳しく説明し、実施例1と重複する説明は省略する。
【0072】
シールドケース100’は、第1シェル100a’と、第2シェル100b’とを有している。第1シェル100a’は、カバー120a’が、連結部121aのみを有している点で、実施例1の第1シェル100aと相違している。
【0073】
第2シェル100b’は、Z−Z’方向又は上記傾斜方向に延びた筒である。実施例2では、第2シェル100b’は、Z−Z’方向に延びた角筒である。第2シェル100b’は、筒状の本体部110b’と、係合片120b’とを有している。
【0074】
本体部110b’内にボディ200の基部220、端子300の折り曲げ部330及び第2部320が収容されている。本体部110b’は、Y方向の壁111b’と、Y’方向の壁112b’と、X方向の壁113b’と、X’方向の壁114b’とを有している。少なくとも距離L1、L2、L3’及び
L4’、又は距離L5、L6、L7’及びL8’が、端子300の第1部310と第2部320とのインピーダンスがマッチングされるような距離に設定されている。距離L1〜L8が、端子300の第1部310と第2部320とのインピーダンスがマッチングされるような距離に設定されていても良い。実施例2では、後者が採用されている。実施例2のL1、L2、L5及びL6は、実施例1のL1、L2、L5及びL6と同じである。L3’(図示なし)は、端子300の第2部320から第2シェル100b’(実施例2では、壁111b’)までのY方向の距離である。L4’(図示なし)は、端子300の第2部320から第2シェル100b’(実施例2では、壁112b’)までのY’方向の距離である。L7’(図示なし)は、端子300の第2部320から第2シェル100b’(実施例2では、壁113b’)までのX方向の距離である。L8’(図示なし)は、端子300の第2部320から第2シェル100b’(実施例2では、壁114b’)までのX’方向の距離である。
【0075】
壁111b’の
Z方向の端部には、凹面が設けられている。この壁111b’の凹面は、実施例1の第1閉塞部110bの凹面と同様の構成とすることが可能である。壁111b’の凹面には、一対の爪111b1’が設けられている。爪111b1’のX−X’方向の距離は、ボディ200の突部240のX−X’方向の
寸法よりも若干小さい。爪111b1’が突部240に係合し、壁111b’が突部240を挟持している。これにより、本体部110b’がボディ200に固定されている。
【0076】
壁112b’のZ方向の端には、Z方向に凸の突起112b1’が設けられている。係合片120b’は、壁112b’の突起112b1’からZ方向に延びている。これ以外は、係合片120b’は、実施例1の係合片122bと同様の構成である。係合片120b’が第1シェル100a’の係合孔121a1にZ’方向側から係合され、突起112b1’が係合孔121a1をZ’方向側から閉塞している。
【0077】
第2シェル100b’は、第1脚130b’及び/第2脚140b’を更に有していても良い。第1脚130b’及び/第2脚140b’は、本体部110b’からZ’方向に延びている又はX−X’方向に延びている。Z’方向に延びた第1脚130b’及び/第2脚140b’は、上記基板のグランド用のスルーホール電極に接続可能である。X−X’方向に延びた第1脚130b’及び/第2脚140b’は、基板の表面電極に接続可能である。
【0078】
以下、上記した実施例2のコネクタC2の組み立て手順について詳しく説明する。まず、実施例1と同様にボディ200に端子300を保持させる。その後、第1シェル100a’を用意する。第1シェル100a’内にボディ200を組み込む。この組み込み時に次の1)〜
3)の通りとなる。1)ボディ200の接続部210が第1シェル100a’の接続部110a内にY’方向側から嵌合する。2)端子300の第1部310が第1シェル100a’の接続部110a内に同軸配置される。3)ボディ200の基部220、端子300の折り曲げ部330及び端子300の第2部320が第1シェル100a’のカバー120a’のZ’方向側に配置される。
【0079】
その後、ケース400を用意する。第1シェル100a’の接続部110aをY’方向側からケース400の収容凹部460、連通孔470及び接続孔450内に挿入する。この挿入時に次の1)〜2)の通りとなる。1)接続部110aが連通孔470に部分的に保持され、接続部110aの先端部が接続孔450内に配置される。2)カバー120a’がケース400の収容凹部460に収容され、カバー120a’の係合孔121a1がケース400の係合孔480に連通する。このようにしてケース400内に、第1シェル100a’、端子300及びボディ200が収容される。
【0080】
その後、第2シェル100b’を用意する。第2シェル100b’を第1シェル100a’にZ’方向側から取り付ける。この取り付け時に次の1)〜4)通りになる。1)第2シェル100b’の本体部110b’内にボディ200の基部220が嵌合し、且つ本体部110b’内に端子300の折り曲げ部330及び第2部320が収容される。2)ボディ200の突部240が第2シェル100b’の壁111b’の凹面内に嵌合し、突部240が壁111b’に挟持される。3)係合片120b’がZ’方向側から第1シェル100a’の係合孔121a1及びケース400の係合孔480に係合される。4)壁112b’の突起112b1’が第1シェル100a’の係合孔121a1をZ’方向側から塞ぐ。
【0081】
以上のようなコネクタC2は、以下の技術的特徴を有している。第1に、コネクタC2は設計の自由度が高い。なぜなら、第2シェル100b’が、第1シェル100a’と別体であるため、第2シェル100b’の形状を第1シェル100a’の接続部110aの形状に続くように作成する必要がないからである。
【0082】
第2に、端子300の第1部310のインピーダンスと第2部320のインピーダンスとをマッチングさせることが可能になる。その理由は以下の通りである。上記の通り、第2シェル100b’は第1シェル100a’の接続部110aと別に作成できるので、端子300の第1部310及び第2部320のインピーダンスがマッチングされるように、第2シェル100b’の形状を作成し易くなる。具体的には、距離L1、L2、L3’及びL4
’、及び/又は距離L5、L6、L7’及びL8’が、第1部310のインピーダンスと第2部320のインピーダンスとがマッチングされるような距離に設定されるように、第2シェル100b’の本体部110b’の形状を容易に作成することが可能になる。
【0083】
第3に、コネクタC2は、端子300の第1部310及び第2部320のインピーダンスマッチングを図るのに適した構成となっている。その理由は以下の通りである。第2シェル100b’を第1シェル100a’の連結部121aに取り付けるために、連結部121aに係合孔121a1が設けられていることが、第1部310及び第2部320のインピーダンスマッチングに悪影響を及ぼす可能性を低減することができる。第1シェル100a’の係合孔121a1に第2シェル100b’の係合片120b’が係合され、係合孔121a1が第2シェル100b’の本体部110b’に閉塞されているからである。更に、シールドケース100’をケース400に取り付けることが、第1部310及び第2部320のインピーダンスマッチングに悪影響を及ぼす可能性を低減することができる。一般的に、シールドケースをケースに固定するときには、シールドケースの一部を切り欠いて係合片が形成される。この場合、シールドケースの切り欠かれた部分に開口が形成される。この開口の存在が端子の第1部及び第2部のインピーダンスマッチングに悪影響を及ぼす。しかし、コネクタC2は、第2シェル100b’の係合片120b’が、第1シェル100a’の係合孔121a1及びケース400の係合孔480に係合されている。係合孔121a1は上記の通り第2シェル100b’の本体部110b’に閉塞されている。このため、シールドケース100’をケース400に固定するために、第1シェル100a’及び第2シェル100b’に開口が形成されない。
【0084】
第4に、コネクタC2のVSWRを良好にする。その理由は以下の通りである。第2シェル100b’の係合片120b’が第1シェル100a’の係合孔121a1に係合されていることによって、第1シェル100a’と第2シェル100b’とが電気的に接続されている。これにより、第1シェル100a’と第2シェル100b’とが同電位となるので、第1シェル100a’が浮遊GNDとならない。
【0085】
第5に、第2シェル100b’が第1シェル100a’から脱落するのを抑制することができる。なぜなら、第2シェル100b’の係合片120b’が、第1シェル100a’の係合孔121a1に係合されているからである。
【0086】
なお、上述したコネクタは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0087】
本発明の端子は、第1方向に延びる第1部と、第2方向又は斜め方向に延びる第2部とを有する限り任意に設計変更することが可能である。第2方向は、第1方向に直交する方向である。斜め方向は、第1方向及び第2方向の成分を含む方向に延びた方向である。本発明の端子は複数であっても良い。
【0088】
本発明のボディは、絶縁性を有し且つ上記した何れかの態様の端子を保持し得るものである限り任意に設計変更することが可能である。
【0089】
本発明のシールドケースは、以下の構成を有する限り任意に設計変更することが可能である。1)シールドケースが、上記した何れかの態様の端子及びボディを収容可能である。2)シールドケースが、上記した何れかの態様の第1シェル及び第2シェル、又は、後述する第1シェル及び第2シェルを備えている。
【0090】
本発明の第1シェルは、以下の構成を有する限り任意に設計変更することが可能である。1)第1シェルは導電性を有している。2)第1シェルは、第1方向に延びた筒である接続部と、カバー又は連結部とを有している。3)接続部内に端子の第1部が配置されている。4)第1シェルのカバー又は連結部は、接続部に連接され且つ第1方向に延びている。
【0091】
本発明の
第1シェルの接続部は、当該接続部の第2方向の一方側の第1部と、当該接続部の第2方向の他方側の第2部とを有する構成とすることが可能である。第1シェルの接続部の第1部及び第2部の形状を、実施例1に記載した通り、任意に設計変更することが可能である。
【0092】
本発明の第2シェルは、以下の構成を有する限り任意に設計変更することが可能である。1)第2シェルは、上記した何れかの態様の第1シェルと別体である。2)第2シェルが、上記した何れかの態様の第1シェルのカバーに取り付けられ、当該カバーと共に複合筒を構成しており、複合筒が、第2方向又は斜め方向に延びている。又は、第2シェルが上記した何れかの態様の第1シェルの連結部に取り付けられた筒であって、第2方向又は斜め方向に延びている。3)複合筒又は筒である第2シェル内に端子の第2部が配置されている。
【0093】
本発明の複合筒は、上記実施例1に限定されない。複合筒は以下の態様とすることが可能である。ある一態様の複合筒は、当該複合筒のX方向の壁を構成する第1シェルのカバーの第1壁と、当該複合筒のX’方向の壁を構成する第1シェルのカバーの第2壁と、当該複合筒のY方向側の壁を構成する第2シェルの第1閉塞部と、当該複合筒のY’方向側の壁を構成する第2シェルの第2閉塞部とを有する構成とすることが可能である。第1壁及び第2壁は、カバーの連結部のX−X’方向の両端部に連接又は取り付けられていると良い。
【0094】
別の態様の複合筒は、当該複合筒のY方向の壁を構成する第1シェルのカバーの第1壁と、当該複合筒のY’方向の壁を構成する第1シェルのカバーの第2壁と、当該複合筒のX方向側の壁を構成する第2シェルの第1閉塞部と、当該複合筒のX’方向側の壁を構成する第2シェルの第2閉塞部とを有する構成とすることが可能である。この場合、カバーの第1壁は、第1シェルの接続部の第2部に連接又は取り付けられていると良い。カバーの第2壁は、当該カバーの連結部に連接又は取り付けられていると良い。
【0095】
更に別の態様の複合筒は、当該複合筒のX方向の壁を構成する第1シェルのカバーの第1壁と、当該複合筒のX’方向の壁を構成する第1シェルのカバーの第2壁と、当該複合筒のY方向側の壁及びY’方向側の壁の何れか一方を構成する第1シェルのカバーの第3壁と、当該複合筒のY方向側の壁及びY’方向側の壁の他方を構成する第2シェルの第1閉塞部とを有する構成とすることが可能である。この場合、カバーの第1壁及び第2壁は、カバーの連結部のX−X’方向の両端部に連接又は取り付けられていると良い。カバーの第3壁は、第1シェルの接続部の第2部及びカバーの連結部の何れか一方に連接又は取り付けられていると良い。
【0096】
更に別の態様の複合筒は、当該複合筒のX方向側の壁を構成する第2シェルの第1閉塞部と、当該複合筒のX’方向側の壁を構成する第2シェルの第2閉塞部と、当該複合筒のY方向側の壁及びY’方向側の壁の何れか一方を構成する第2シェルの第3閉塞部と、当該複合筒のY方向側の壁及びY’方向側の壁の他方を構成する第1シェルのカバーの第1壁とを有する構成とすることが可能である。この場合、カバーの第1壁は、第1シェルの接続部の第2部及びカバーの連結部の何れか一方に連接又は取り付けられていると良い。
【0097】
更に別の態様の複合筒は、当該複合筒のY方向の壁を構成する第1シェルのカバーの第1壁と、当該複合筒のY’方向の壁を構成する第1シェルのカバーの第2壁と、当該複合筒のX方向側の壁及びX’方向側の壁の何れか一方を構成する第1シェルのカバーの第3壁と、当該複合筒のX方向側の壁及びX’方向側の壁の他方を構成する第2シェルの第1閉塞部とを有する構成とすることが可能である。この場合、カバーの第1壁は、第1シェルの接続部の第2部に連接又は取り付けられていると良い。カバーの第2壁は、当該カバーの連結部に連接又は取り付けられていると良い。カバーの第3壁は、第1シェルのカバーの連結部のX方向側の端部及びX’方向側の端部の何れか一方に連接又は取り付けられていると良い。
【0098】
更に別の態様の複合筒は、当該複合筒のY方向側の壁を構成する第2シェルの第1閉塞部と、当該複合筒のY’方向側の壁を構成する第2シェルの第2閉塞部と、当該複合筒のX方向側の壁及びX’方向側の壁の何れか一方を構成する第2シェルの第3閉塞部と、当該複合筒のX方向側の壁及びX’方向側の壁の他方を構成する第1シェルのカバーの第1壁とを有する構成とすることが可能である。この場合、カバーの第1壁は、第1シェルのカバーの連結部のX’方向側の端部及びX方向側の端部の何れか一方に連接又は取り付けられていると良い。なお、上記何れかの態様の複合筒の壁は、上記第2方向又は上記斜め方向に延びていると良い。
【0099】
上記何れかの態様の複合筒の場合も、距離L1〜L4及び/又は距離L5〜L8を、端子の第1部と第2部とのインピーダンスがマッチングされるような距離に設定することが可能である。距離L1〜L8は上記実施例1と同様である。上記何れかの態様の複合筒のX方向側の壁及びX’方向側の壁は上記した何れかの態様の第1シェルの接続部の第2部に接触していても良い。すなわち、複合筒のX方向側の壁及びX’方向側の壁と第1シェルの接続部の第2部との間に間隙が生じていなくても良い。
【0100】
本発明の第2シェルは、当該第2シェルの第1壁及び第2壁を有していない構成とすることが可能である。本発明の第2シェルは、当該第2シェルの第1壁及び第2壁の少なくとも一方を有する構成とすることが可能である。本発明の第2シェルの第1壁は、上記した何れかの態様の第1閉塞部及び第2閉塞部を連結し、且つ上記した何れかの態様のカバーの第1壁の内側又は外側に配置されている限り任意に設計変更することが可能である。本発明の第2シェルの第2壁は、上記した何れかの態様の第1閉塞部及び第2閉塞部を連結し、且つ上記した何れかの態様のカバーの第2壁の内側又は外側に配置されている限り任意に設計変更することが可能である。上記した何れかの態様のカバーの第1壁及び第2シェルの第1壁が互いに接触したり係合したりしていても良い。上記した何れかの態様のカバーの第2壁及び第2シェルの第2壁が互いに接触したり係合したりしていても良い。上記した何れかの態様のカバーの第1壁及び第2シェルの第1壁は、互いに非接触であっても良い。上記した何れかの態様のカバーの第2壁及び第2シェルの第2壁は互いに非接触であっても良い。上記した何れかの態様のカバーの第1壁及び第2シェルの第1壁が、上記した何れかの態様の複合筒の複数の壁のうちの一つを構成していても良い。上記した何れかの態様のカバーの第2壁及び第2シェルの第2壁が、上記した何れかの態様の複合筒の複数の壁のうちの一つを構成していても良い。
【0101】
本発明の第2シェルの第1閉塞部は、上記した何れかの態様の接続部の第2部と、上記した何れかの態様のカバーの第1、第2壁との間の間隙を塞ぐ構成であっても良いし、塞がない構成であっても良い。第1閉塞部が前記間隙を塞ぐ態様は任意に設計変更可能である。例えば、第1閉塞部は、上記した何れかの態様の接続部の第2部と、カバーの第1、第2壁との間に嵌合し、第2部の対向面とカバーの第1、第2壁の対向面に当接する構成とすることが可能である。すなわち、第1閉塞部は、連結部に当接していなくても良い。また、第1閉塞部は、接続部の第2部とカバーの第1、第2壁との間に嵌合するのではなく、第2部の外面とカバーの第1、第2壁の対向面に当接し、間隙を塞ぐ構成とすることが可能である。この場合、第1閉塞部の先端部の凹面の形は、第2部の外面に対応していると良い。すなわち、第1閉塞部の先端部の凹面が第2部の外面に面接触し且つ第1閉塞部の先端部のカバーの壁側の端面がカバーの第1、第2壁に面接触し、間隙を完全に塞ぐ。本発明の第2シェルの第1閉塞部は、上記間隙に嵌合し、
第1シェルに固定される構成であっても良いし、上記間隙に嵌合しない構成であっても良い。本発明の第2シェルの第1閉塞部は、ボディに固定されていても良いし、固定されていなくても良い。本発明のボディは、突部に代えて、少なくとも一つのスリットを有する構成とすることが可能である。スリットは、上記した何れかの態様の間隙に連通するように設けられた構成とすることが可能である。上記した何れかの態様の第1閉塞部がスリットに係合される構成とすることが可能である。
【0102】
本発明の第2シェルの係合片及び第1シェルの係合孔は省略可能である。本発明の第2シェルの係合片及び第1シェルの係合孔は、係合片が係合孔に係合され得る限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第2シェルの係合片が上記した何れかの態様の第1閉塞部、第2閉塞部及び第3閉塞部の何れかからZ方向に延びていても良い。第2シェルの係合片が上記した筒である第2シェルの本体部の複数の壁の何れかからZ方向に延びていても良い。第2シェルの係合片は、ケースの係合孔に係合されない構成とすることが可能である。本発明の第1シェルの係合孔は、連結部の係合片の位置に対応する部分に設けられていると良い。本発明の第2シェルは、上記した何れかの態様の第1シェルの係合孔を塞ぐ構成であっても良いし、塞がない構成であっても良い。例えば、上記した何れかの態様の第1閉塞部、第2閉塞部及び第3閉塞部の何れかが第1シェルの係合孔を塞ぐ構成とすることが可能である。上記した筒である第2シェルの本体部が第1シェルの係合孔を塞ぐ構成とすることが可能である。
【0103】
本発明のケースは省略可能である。本発明のケースは、上記した何れかの態様の端子、ボディ及びシールドケースを収容し得るものである限り任意に設計変更可能である。
【0104】
なお、上記実施例及び設計変形例におけるコネクタの各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上述した実施例及び設計変更例は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能である。本発明の第1方向は、本発明の第1シェルの接続部の長手方向に相当する限り任意に設定することができる。本発明の第2方向は、第1方向に交差する限り任意に設定することができる。本発明の第3方向は、第1方向及び第2方向に交差する限り任意に設定することができる。