【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明の主桁の転倒防止装置は、橋軸方向に対向し、橋軸方向に互いに相対変位自在に分離した主桁を下部構造上で支持し、橋軸方向に対向する支承体間に跨って設置され、前記いずれか一方の支承体が、それが支持する前記主桁と共に前記下部構造に対して橋軸方向の軸回りに転倒することを防止する主桁の転倒防止装置であり、
前記対向する支承体の底面と前記下部構造の上面との間に、前記主桁の幅方向に並列して橋軸方向に沿って架設され、前記支承体に直接、もしくは間接的に接続される複数本の回転防止材を備えることを構成要件とする。
【0009】
「対向する支承体の底面と下部構造の上面との間に」とは、
図1に示すように回転防止材2が同一の下部構造9上で橋軸方向に対向する支承体7、7に跨り、両支承体7、7の底面と下部構造9の上面(天端面)との間に配置されることを言う。対向する支承体7、7の内、一方の支承体7を構成する下沓71と上沓72は橋軸方向に相対移動可能に接続され(可動支承)、他方の支承体7を構成する下沓71と上沓72は主桁8の幅方向(橋軸直角方向)の水平軸回りに回転自在に連結される(固定支承)。
図1では右側の支承体7が可動支承を、左側の支承体7が固定支承を示している。ここでの可動支承と固定支承は後述の転倒しようとする一方の支承体7と、その支承体7の転倒を阻止しようとする他方の支承体7とは関係ない。下沓71と上沓72はそれぞれ下部構造9と主桁8に定着(固定)される。主桁8の幅方向は主に橋軸直角方向であるが、主桁8に支持される床版が長方形でない、例えば平行四辺形状の場合には床版の短辺方向を指す。
【0010】
いずれの支承体7においても下沓71は下部構造9の天端上に設置されるベースプレート11、敷きモルタル13等の支持部材上に載置され、支持部材と下沓71を貫通するアンカーボルト10で下部構造9に定着されることから、下沓71(支承体7)と下部構造9の天端との間には、支持部材の厚さ程度の空隙が生じている。回転防止材2はこの下沓71の底面と下部構造9の天端面との間に確保されている空隙を利用して両支承体7、7と下部構造9との間に差し込まれる。
【0011】
下部構造9は主に橋脚、または橋台を指す。一方の支承体7と他方の支承体7に区別はなく、以下では可動支承であるか固定支承であるかに関係なく、転倒しようとする支承体7を便宜的に一方の支承体7と言い、一方の支承体7の転倒に拘わらず、下部構造9に定着された状態を維持しようとする支承体7を他方の支承体7と言う。「回転防止材が橋軸方向に沿って架設される」とは、回転防止材2の軸方向が橋軸方向と平行であるか、平行に近い状態、例えば回転防止材2の軸線と橋軸方向とのなす角度が15度程度以下にあることを言う。回転防止材2の軸方向が水平に対してなす角度の大きさは既存の支承体7、7の下部構造9上での定着状態による。
【0012】
回転防止材2が両支承体7、7の底面と下部構造9との間に跨る理由は、一方の支承体7がその上の主桁8と共に橋軸方向の軸回りに転倒(回転)しようとするときに、その支承体7に接続され、浮き上がろうとする回転防止材2に生じる捩りモーメントに同じ回転防止材2が抵抗できる反力を他方の支承体7から得られるだけの、他方の支承体7との接触区間を確保するためである。
【0013】
一方の支承体7が転倒しようとするときには、その支承体7の回転中心から遠い側の回転防止材2が回転中心軸回りに捩りモーメントを受けながら、一方の支承体7に追従して下部構造9から浮き上がろうとする。そのとき、同じ回転防止材2の他方の支承体7に接続されている区間は他方の支承体7が下部構造9に定着された状態を維持する限り、他方の支承体7の底面から下向きに押さえ付けられる力を受ける。この回転防止材2の他方の支承体7から受ける下向きの力が捩りモーメントの反力になり、回転防止材2とそれに接続されている一方の支承体7の浮き上がりを阻止しようとする。
【0014】
一方の支承体7がその上の主桁8と共に転倒しようと(浮き上がろうと)することは、一方の支承体7を下部構造9に定着させているアンカーボルト10が軸方向引張力を受けて伸び変形し、降伏したとき、あるいは更に破断に至ったときに起こると想定される。本発明では一方の支承体7を下部構造9に定着させているアンカーボルト10が伸び変形等したときにも、他方の支承体7を定着させているアンカーボルト10は降伏、あるいは破断に至らず、弾性状態を維持することを前提にする。
【0015】
一方の支承体7が転倒しようとするときには、他方の支承体7を下部構造9に定着させている、降伏に至らないアンカーボルト10の付着力の働きにより他方の支承体7の下に配置されている回転防止材2に他方の支承体7の底面が下向きに係止し続けることで、同じ回転防止材2の一方の支承体7に接続されている区間の浮き上がりを阻止しようとする。結果として一方の支承体7に接続された区間の浮き上がりが防止され、一方の支承体7の転倒が防止される。
【0016】
回転防止材2は基本的には両支承体7、7の、対向する側の反対側の端部間に跨るが、他方の支承体7との十分な接触(接続)区間が確保されればよいため、必ずしも両支承体7、7の、対向する側の反対側の端部間に跨る必要はない。「十分な接触区間」は回転防止材2が他方の支承体7から、一方の支承体7の浮き上がりを阻止できる反力を受けられるだけの、他方の支承体7との接触面積を確保するための区間(橋軸方向の長さ)を意味する。
【0017】
回転防止材2が主桁8の幅方向に並列する理由は、一方の支承体7が主桁8の幅方向のいずれかの向きに転倒(回転)しようとするときに、その向きと反対側(回転中心から遠い側)に位置する(並列する)回転防止材2が上記のように他方の支承体7から、一方の支承体7の浮き上がりを阻止できる反力を受けるためである。一方の支承体7が転倒しようとするときの回転中心側に配置された回転防止材2の回転中心からの距離は小さいことから、その回転防止材2が受ける、一方の支承体7の転倒を阻止しようとする他方の支承体7からの反力が相対的に小さいため、一方の支承体7の転倒を阻止する役割は主に回転中心から遠い側に配置された回転防止材2が果たす。
【0018】
一方の支承体7がアンカーボルト10の伸び変形により、主桁8幅方向のいずれかの向きに回転しようとするときには、回転中心から遠い側に位置する回転防止材2の、一方の支承体7に接続された区間、あるいは一方の支承体7と重なる区間が一方の支承体7に引き摺られて浮き上がろうとする。
【0019】
しかしながら、他方の支承体7が健全なアンカーボルト10により下部構造9に固定された状態を維持することで、浮き上がろうとする回転防止材2の内、他方の支承体7に接続された、あるいは重なる区間が浮き上がりを阻止されるため、一方の支承体7に接続等された区間の浮き上がりも阻止されるか、浮き上がり量が低減される。結果として一方の支承体7の回転が防止され、主桁8の回転が防止される。同じ状況は一方の支承体7に反対側の向きに回転しようとするときにも生じ、他方の支承体7が回転しようとするときにも、一方の支承体7が下部構造9に固定された状態を維持する限り、同じ状況が生じる。
【0020】
回転防止材2の、主桁8の幅方向への並列数と幅方向の配置位置は問われない。一方の支承体7が幅方向に回転しようとするときには、支承体7の下面の回転側(幅方向)の端部を回転中心として回転しようとし、前記のようにその反対側の端部寄りに配置された回転防止材2が他方の支承体7から回転(浮き上がり)に抵抗する反力のモーメントを受けるため、理論上は、回転防止材2は支承体7の幅方向端部寄りに配置されることが合理的である。反力のモーメントは回転しようとする(回転中心)側の端部から回転防止材2の軸までの距離が大きい程、大きくなることによる。但し、既設の支承体7の形状から、回転防止材2を幅方向の端部寄りに配置できないこともあるため、回転防止材2は幅方向中央寄りに配置されることもある。
【0021】
「回転防止材が支承体に直接、もしくは間接的に接続される」の「接続」は支承体7に接合されることと、接合と同等程度に支承体7との一体性を確保した状態に支承体7に係合するか、支承体7を拘束する等、支承体7に連係することを言う。「直接」は回転防止材2が直接、支承体7のいずれかの部分にボルト等により接合等、接続されることを言い、「間接的」は回転防止材2と支承体7に跨る、例えば固定部材3を介して回転防止材2が間接的に支承体7に接続されること(請求項2)を言う。
【0022】
間接的に接続される場合の固定部材3は回転防止材2の少なくとも軸方向両端部において回転防止材2と共に支承体7の一部を高さ方向に挟み込み、回転防止材2にボルト21等により接合される(請求項2)。支承体7の損傷を避ける意味で、回転防止材2を直接、支承体7に接合することが好ましくない場合には、回転防止材2は接合以外の手段で支承体7に接続される。
【0023】
「回転防止材2が少なくとも回転防止材2の軸方向両端部に接合される」とは、
図1に示すように固定部材3が回転防止材2の軸方向の両端部以外に、軸方向の中間部に接合されることもある意味である。下部構造9上で対になる支承体7、7の内の一方は可動支承であることから、
図1に示すように一方の支承体7(上沓72)が橋軸方向に移動したときにも他方の支承体7に衝突しない程度に両支承体7、7は距離を置いて配置されるため、この対になる支承体7、7間の空間に固定部材3が配置され、各支承体7に接合されることもある。
【0024】
固定部材3は具体的には回転防止材2に重なってこれに接合される接合部3aと、支承体7の一部の上面に重なり、回転防止材2と共に支承体7の一部を高さ方向に挟み込む挟持部3bを持つ(請求項4)。回転防止材2は支承体7の底面と下部構造9の上面との間に配置される(差し込まれる)ことから、直接、回転防止材2を支承体7に接合等、接続することが難しいことが想定される。
【0025】
そこで、請求項2では
図5に示すように回転防止材2と共に支承体7を挟み込む固定部材3が回転防止材2に接合されることで、回転防止材2を間接的に支承体7に接続(接合)することになる。この場合、固定部材3は回転防止材2と共に支承体7を挟み込むため、支承体7を少なくとも高さ方向(鉛直方向)に挟み込みながら、回転防止材2に接合されることが可能になる。
【0026】
「少なくとも高さ方向」とは、固定部材3の形状によっては固定部材3と回転防止材2が支承体7を高さ方向に挟み込みながら、回転防止材2の軸方向(水平方向等)にも支承体7を挟み込み得ることを言う。例えば
図1に示すように回転防止材2の軸方向両端部において対になる固定部材3、3が支承体7に回転防止材2の軸方向に接触する形状をしていれば、対になる固定部材3、3が両支承体7、7を回転防止材2の軸方向にも挟み込みながら、回転防止材2に接合されることになる。
【0027】
回転防止材2と共に支承体7を少なくとも高さ方向に挟み込む固定部材3が回転防止材2にボルト21等により接合されることで、固定部材3と回転防止材2が支承体7を少なくとも高さ方向に挟持した状態を得ることができ、固定部材3と回転防止材2の支承体7への一体性が確保されるため、回転防止材2は支承体7に接続された状態になる。この場合、回転防止材2と固定部材3を直接、支承体7にボルト等により接合しなくても、回転防止材2と固定部材3を支承体7に一体化させた状態を得ることができるため、支承体7への損傷が回避される。
【0028】
請求項2では固定部材3が回転防止材2と共に支承体7の一部を少なくとも高さ方向に挟持した状態を得ることができることで、各回転防止材2と支承体7との一体性が強まるため、一方の支承体7が浮き上がりを生じようとするときに、下部構造9への定着状態を維持する他方の支承体7が回転防止材2を元の、両支承体7、7間に架設された状態を維持し易くなる。この結果、回転防止材2が、浮き上がろうとする一方の支承体7の浮き上がりを阻止するように働く効果が高まるため、一方の支承体7の浮き上がり(回転)が防止され易くなり、その一方の支承体7が支持する主桁8の回転の防止効果が向上する。
【0029】
また回転防止材2の軸方向両端部に接合され、主桁8の幅方向に並列する複数個の固定部材3、3が
図6等に示すように互いに連結され、一体化している場合(請求項3)には、各固定部材3が回転防止材2に接合されたときに、並列する回転防止材2、2を互いに連結しながら、隣接する回転防止材2、2間の間隔を一定に保持することができる。この場合、連結された固定部材3、3が並列する回転防止材2、2間の間隔が狭まることを阻止するため、地震動により各回転防止材2が主桁8の幅方向に移動するようなことが防止される。隣接する固定部材3、3は両者間に跨り、それぞれに接合される連結材3dによって互いに連結される。
【0030】
隣接する固定部材3、3が隣接する回転防止材2、2間の間隔を保持することで、一方の支承体7が転倒しようとするときに、支承体7の回転中心から遠い側の回転防止材2までの距離に変化が生じないため、その回転防止材2が他方の支承体7から受ける反力のモーメントが低減することがなくなる。この結果、一方の支承体7の転倒防止効果の低下が生じないため、支承体7の転倒に対する安定性が向上する。回転防止材2、2間の間隔が狭まることがあれば、転倒しようとする支承体7の底面の端部から回転防止材2までの距離が小さくなることがあり、この距離が小さくなれば、反力のモーメントが低減するが、回転防止材2、2間の間隔が保持されれば、反力のモーメントの低減が回避されることによる。
【0031】
固定部材3は前記のように回転防止材2に重なる接合部3aと、支承体7の一部の上面に重なる挟持部3bを持つが、
図6〜
図8に示すように挟持部3b上に、高さ方向に距離を置いて対向する(上部及び下部の)受け梁41、42と、上下に対向する受け梁41、42を回転防止材2の軸方向端部寄りにおいて連結する支圧板43を有する保持部材4が接合された上で、回転防止材2の軸方向両端部の保持部材4、4の支圧板43、43間につなぎ材5が架設される場合(請求項4)には、回転防止材2と固定部材3の、両支承体7、7への一体性を強化することが可能になる。
【0032】
保持部材4は上下に対向する受け梁41、42と両受け梁41、42に跨って接合され、両受け梁41、42を連結する支圧板43からなり、下部の受け梁41において固定部材3の挟持部3b上に載置され、ボルト45等により接合される。つなぎ材5は回転防止材2の軸方向両端部に配置された固定部材3、3に接合された保持部材4、4の支圧板43、43間に回転防止材2の軸方向に、またはそれに近い角度で架設され、軸方向引張力が導入された状態で支圧板43に定着させられることで、反力を受ける支圧板43を通じて上下の受け梁41、42を両支承体7、7につなぎ材5の軸方向に密着させる。
【0033】
支圧板43が受けた軸方向圧縮力は受け梁41、42に接合された固定部材3と回転防止材2を両支承体7、7に一体化させるように働く。結果的に回転防止材2と固定部材3の、両支承体7、7への一体性が強まるため、一方の支承体7が浮き上がりを生じようとするときの他方の支承体7と回転防止材2との一体性も強まり、他方の支承体7が一方の支承体7の浮き上がりを阻止する能力が向上する。つなぎ材5は実質的に回転防止材2の軸方向と平行に、もしくは平行に近い状態で架設され、回転防止材2と同様に軸方向が橋軸方向と平行であるか、平行に近い状態になる。
【0034】
前記のように一方の支承体7が転倒しようとするときには、その回転中心から遠い側に位置する回転防止材2が他方の支承体7に上向きに係合することにより他方の支承体7から転倒に抵抗する反力を受けることができる。この転倒に抵抗する反力は、固定部材3の上に保持部材4が接合される請求項4では、保持部材4を構成する受け梁41、42の長さ方向両側を支承体7に少なくとも主桁8の幅方向に係合させることで(請求項5)、受け梁41、42が他方の支承体7から水平方向に受けることもできる。「受け梁の長さ方向」は支承体7の幅方向であり、回転防止材2が並列する方向を指す。「少なくとも主桁8の幅方向」とは、受け梁41、42が主桁8の軸方向(橋軸方向)の、両支承体7、7が対向する向きにも係合することがある意味である。「両支承体7、7が対向する向き」は回転防止材2の軸方向両端部側から中心部側への向きを言う。
【0035】
受け梁41、42が支承体7の幅方向に係合することには、支承体7の幅方向外側から係合する場合と内側から係合する場合がある。いずれの場合も、受け梁41、42の長さ方向両側が支承体7の幅方向に係合することで、一方の支承体7が転倒しようとするときに、その転倒の向きと逆向きの水平方向の反力を受け梁41、42(保持部材4)が支承体7から受けることができる。この水平方向の反力は保持部材4と回転防止材2が接合された固定部材3を介して保持部材4から回転防止材2に伝達されることで、回転防止材2の浮き上がりの防止効果が増すため、一方の支承体7に接続された、回転中心から遠い側の回転防止材2による一方の支承体7の転倒防止効果が一層、向上することになる。
【0036】
支承体7は前記のように下部構造9に固定された下沓71と、主桁8に固定され、下沓71に橋軸直角方向の水平軸回りに回転自在に連結されるか、もしくは橋軸方向に相対移動自在に接続される上沓72から構成され、いずれの場合(可動支承と固定支承)も上沓72は下沓71に対して相対変位可能に連係する。
【0037】
ここで、請求項4、5における保持部材4の上下の受け梁41、42が下沓71と上沓72に跨って設置されるとすれば、受け梁41、42が下沓71と上沓72の相対変位を阻害する可能性がある。そこで、対向する上下の受け梁41、42を
図6に示すように支承体7を構成する下沓71にのみ、少なくとも主桁8の幅方向(橋軸直角方向)に係合させることで(請求項6)、平常時に下沓71と上沓72の相対変位を許容し、支承体7の可動支承と固定支承としての機能を維持させることができる。「少なくとも主桁8の幅方向」は受け梁41、42が主桁8の軸方向(橋軸方向)の、両支承体7、7が対向する向きにも係合することがあることを意味する。
【0038】
上下の受け梁41、42(保持部材4)が下沓71に、少なくとも主桁8の幅方向に係合することで、平常時には下沓71と上沓72の相対変位を許容しながらも、一方の支承体7の転倒時に保持部材4が下沓71から上記の水平方向の反力を受けることができる状態が得られる。
【0039】
また受け梁41、42が主桁8の軸方向(橋軸方向)に係合した場合には、回転防止材2の軸方向両端部の保持部材4、4間につなぎ材5が架設されることと併せ、転倒防止装置1全体が両支承体7、7に、両支承体7、7が対向する向きに係合しながら、主桁8の幅方向(水平方向)両側に係合した状態になり、両支承体7、7の一体性がより高められる。この結果、一方の主桁8に固定された一方の支承体7の上沓72が主桁8と共に転倒しようとするときに、一方の支承体7に接続された回転防止材2が他方の支承体7の下沓71からの反力を直ちに受けることが可能になり、一方の支承体7(上沓72)の転倒を早期に阻止することが可能になる。