特許第6491589号(P6491589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491589
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】通行量管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20190318BHJP
【FI】
   G08G1/09 R
   G08G1/09 V
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-219965(P2015-219965)
(22)【出願日】2015年11月9日
(65)【公開番号】特開2017-91184(P2017-91184A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508327582
【氏名又は名称】株式会社TTES
(74)【代理人】
【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭
(74)【代理人】
【識別番号】100076129
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑
(74)【代理人】
【識別番号】100089015
【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 剛博
(74)【代理人】
【識別番号】100144299
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100150223
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 修三
(72)【発明者】
【氏名】天野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山口 以昌
(72)【発明者】
【氏名】吉川 峻
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 久忠
(72)【発明者】
【氏名】勝山 真規
【審査官】 久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−287044(JP,A)
【文献】 特開2007−155504(JP,A)
【文献】 特開2013−140448(JP,A)
【文献】 特開2011−242293(JP,A)
【文献】 特開2010−211304(JP,A)
【文献】 特開2017−27468(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103177581(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、前記レーンに加わった荷重によるエネルギー量と正の相関を持つダメージ推定パラメータの値および該ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度を前記レーンごとに計測する計測手段と、
前記ダメージ推定パラメータの値および前記ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度を前記レーンごとに記録する記録手段と、
前記ダメージ推定パラメータの値および前記ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度から前記レーンごとにダメージを推定する推定手段と、
通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導する誘導手段と、
を備え、
前記推定手段が前記レーンごとに推定したダメージに基づき、前記レーンごとのダメージが均一となるように、通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導することを特徴とする通行量管理システム。
【請求項2】
通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、前記レーンに加わった荷重によるエネルギー量と正の相関を持つダメージ推定パラメータの値および該ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度を前記レーンごとに計測する計測手段と、
前記ダメージ推定パラメータの値および前記ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度を前記レーンごとに記録する記録手段と、
前記ダメージ推定パラメータの値および前記ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度から前記レーンごとにダメージを推定する推定手段と、
通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導する誘導手段と、
を備え、
前記推定手段が前記レーンごとに推定したダメージに基づき、前記複数のレーンのうちからダメージの少ないレーンを選定し、選定したレーンに、通行する前記移動体を誘導することを特徴とする通行量管理システム。
【請求項3】
通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、前記レーンに加わった荷重によるエネルギー量と正の相関を持つダメージ推定パラメータの値を前記レーンごとに計測開始時点から全て計測する計測手段と、
前記ダメージ推定パラメータの値を前記レーンごとに計測開始時点から全て記録する記録手段と、
計測開始時点からの全ての前記ダメージ推定パラメータの値から前記レーンごとにダメージを推定する推定手段と、
通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導する誘導手段と、
を備え、
前記推定手段が前記レーンごとに推定したダメージに基づき、前記レーンごとのダメージが均一となるように、通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導することを特徴とする通行量管理システム。
【請求項4】
通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、前記レーンに加わった荷重によるエネルギー量と正の相関を持つダメージ推定パラメータの値を前記レーンごとに計測開始時点から全て計測する計測手段と、
前記ダメージ推定パラメータの値を前記レーンごとに計測開始時点から全て記録する記録手段と、
計測開始時点からの全ての前記ダメージ推定パラメータの値から前記レーンごとにダメージを推定する推定手段と、
通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導する誘導手段と、
を備え、
前記推定手段が前記レーンごとに推定したダメージに基づき、前記複数のレーンのうちからダメージの少ないレーンを選定し、選定したレーンに、通行する前記移動体を誘導することを特徴とする通行量管理システム。
【請求項5】
前記計測手段は、計測した前記ダメージ推定パラメータの値の総和を前記レーンごとに算出し、
前記推定手段は、前記計測手段が算出した前記総和に基づいて前記レーンごとにダメージを推定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の通行量管理システム。
【請求項6】
前記計測手段は、計測した前記ダメージ推定パラメータの値に応じた重み係数を該ダメージ推定パラメータの値に乗じて得られた値の総和を前記レーンごとに算出し、
前記推定手段は、前記計測手段が算出した前記総和に基づいて前記レーンごとにダメージを推定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の通行量管理システム。
【請求項7】
前記計測手段は、歪みゲージを用いた計測手段であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の通行量管理システム。
【請求項8】
前記誘導手段は、前記レーンのうちの特定のレーンを通行する移動体の重量を制限することができることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の通行量管理システム。
【請求項9】
前記誘導手段は、前記レーンのうちの特定のレーンを通行禁止にすることができることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の通行量管理システム。
【請求項10】
通行する前記移動体は車両であり、前記誘導手段は、前記車両に搭載されたカーナビを通して、前記車両の運転者に通行するレーンについての情報を伝達することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の通行量管理システム。
【請求項11】
前記ダメージ推定パラメータは、前記レーンに加わったピーク荷重であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の通行量管理システム。
【請求項12】
通行する前記移動体は車両であり、前記ピーク荷重は前記車両の軸重に対応する値であることを特徴とする請求項11に記載の通行量管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通行量管理システムに関し、詳細には、通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、当該構造物全体としての維持管理費用を低減することが可能な通行量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
わが国には社会資本が多く蓄積され、多くの人がその便益を享受している。しかしながら、わが国の社会資本は高度成長期に整備されたものが多く、それらは更新時期を迎えつつあり、社会資本の維持管理が重要な課題となってきている。
【0003】
社会資本には橋梁等の構造物が数多く存在するが、その維持管理を適切に行うためには、橋梁等の構造物に加わる荷重をできるだけ正確に把握する必要がある。一方、橋梁等の構造物に加わる荷重を測定するシステムにおいては、継続的な測定が可能で、かつ、通行する車両等への影響が極力少ないことが求められる。
【0004】
このような要請に対応可能と考えられる技術としては、例えば特許文献1および2に記載された技術がある。
【0005】
特許文献1には、橋梁の床版上を走行する車両の重量を測定する方法であって、前記床版の裏面に棒状の補助桁を取り付けるとともに、該補助桁の下面に歪みゲージを取り付け、該歪みゲージによって前記床版の変形を歪みとして検出することで、該床版上を走行する車両の軸重を計測し、該計測値に基づいて前記車両の重量を測定することを特徴とする車両重量測定方法が記載されている。
【0006】
また、例えば特許文献2には、構造物に配置されており、該構造物の上を移動物体が走行することによる該構造物の特性の変化を検出する少なくとも1個のセンサを含む現場側システムと、前記センサの出力を前記構造物から離れた所望の地点で受信して処理する観測地側システムとを備え、前記観測地側システムにより前記センサの出力を自動的に処理して、前記構造物の特性の変化を検出するようにしたことを特徴とする構造物の特性変化検出システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−270029号公報
【特許文献2】特開2006−84404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2に記載の技術を用いて、橋梁等の構造物が受ける荷重を継続的に測定することにより、橋梁等の構造物が車両等の移動体の通行によって受けるダメージを推定することは可能と思われる。
【0009】
しかしながら、橋梁等の構造物が受ける荷重を測定した結果を、橋梁等の構造物の維持管理コストを軽減する方策に結び付けることについては、特許文献1および2には何ら記載されていない。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、当該構造物全体としての維持管理費用を低減することが可能な通行量管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以下の通行量管理システムにより、前記課題を解決したものである。
【0012】
即ち、本発明に係る通行量管理システムの第1の態様は、通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、前記レーンに加わった荷重によるエネルギー量と正の相関を持つダメージ推定パラメータの値および該ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度を前記レーンごとに計測する計測手段と、前記ダメージ推定パラメータの値および前記ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度を前記レーンごとに記録する記録手段と、前記ダメージ推定パラメータの値および前記ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度から前記レーンごとにダメージを推定する推定手段と、通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導する誘導手段と、を備え、前記推定手段が前記レーンごとに推定したダメージに基づき、前記レーンごとのダメージが均一となるように、通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導することを特徴とする通行量管理システムである。
【0013】
ここで、レーンとは、通行する移動体を下方から支持してその上面を移動体が通行する支持部材または支持構造物の一部または全部のことであり、移動体はレーンの上をレーンの延びる方向に沿って通行する。また、例えば、1つの床版上に複数の車線がある場合のように、1つの支持部材または支持構造物が並行する複数のレーンを有している場合もあり得る。ここで記載したレーンについての記載内容は、本願の他の箇所においても同様である。
【0014】
また、ダメージ推定パラメータとは、レーンに加わった荷重によるエネルギー量と正の相関を持つパラメータのことである。レーンに加わった荷重によるエネルギー量は、レーンに加わった荷重によってそのレーンが受けたダメージの度合いと正の相関があるので、ダメージ推定パラメータの値をレーンごとに計測することにより、レーンごとのダメージを推定することができる。ここで記載したダメージ推定パラメータについての記載内容は、本願の他の箇所においても同様である。
【0015】
また、ここで言う「並行」とは、複数のレーンが並んだ状態で同一の方向に延びている場合だけでなく、複数のレーンが並んだ状態でなくても、同一の目的地に達する方向に延びていれば、その場合も含む概念である。この記載内容は、本願の他の箇所においても同様である。
【0016】
また、誘導手段が誘導する特定のレーンの数は、単数に限られるわけでなく複数の場合も含む。この記載内容は、本願の他の箇所においても同様である。
【0017】
また、ダメージとは、実際に目視で確認できる損傷等の悪影響だけでなく、目視で確認できない悪影響も含む概念であり、支持部材または支持構造物に加わった悪影響の度合いを概念的に定めた指標である。この記載内容は、本願の他の箇所においても同様である。
【0018】
本発明に係る通行量管理システムの第2の態様は、通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、前記レーンに加わった荷重によるエネルギー量と正の相関を持つダメージ推定パラメータの値および該ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度を前記レーンごとに計測する計測手段と、前記ダメージ推定パラメータの値および前記ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度を前記レーンごとに記録する記録手段と、前記ダメージ推定パラメータの値および前記ダメージ推定パラメータの値ごとの頻度から前記レーンごとにダメージを推定する推定手段と、通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導する誘導手段と、を備え、前記推定手段が前記レーンごとに推定したダメージに基づき、前記複数のレーンのうちからダメージの少ないレーンを選定し、選定したレーンに、通行する前記移動体を誘導することを特徴とする通行量管理システムである。
【0019】
本発明に係る通行量管理システムの第3の態様は、通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、前記レーンに加わった荷重によるエネルギー量と正の相関を持つダメージ推定パラメータの値を前記レーンごとに計測開始時点から全て計測する計測手段と、前記ダメージ推定パラメータの値を前記レーンごとに計測開始時点から全て記録する記録手段と、計測開始時点からの全ての前記ダメージ推定パラメータの値から前記レーンごとにダメージを推定する推定手段と、通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導する誘導手段と、を備え、前記推定手段が前記レーンごとに推定したダメージに基づき、前記レーンごとのダメージが均一となるように、通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導することを特徴とする通行量管理システムである。
【0020】
本発明に係る通行量管理システムの第4の態様は、通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、前記レーンに加わった荷重によるエネルギー量と正の相関を持つダメージ推定パラメータの値を前記レーンごとに計測開始時点から全て計測する計測手段と、前記ダメージ推定パラメータの値を前記レーンごとに計測開始時点から全て記録する記録手段と、計測開始時点からの全ての前記ダメージ推定パラメータの値から前記レーンごとにダメージを推定する推定手段と、通行する前記移動体を前記複数のレーンのうちの特定のレーンに誘導する誘導手段と、を備え、前記推定手段が前記レーンごとに推定したダメージに基づき、前記複数のレーンのうちからダメージの少ないレーンを選定し、選定したレーンに、通行する前記移動体を誘導することを特徴とする通行量管理システムである。
【0021】
本発明に係る通行量管理システムの第1〜第4の態様において、前記計測手段が、計測した前記ダメージ推定パラメータの値の総和を前記レーンごとに算出し、前記推定手段が、前記計測手段が算出した前記総和に基づいて前記レーンごとにダメージを推定するように構成してもよい。
【0022】
また、本発明に係る通行量管理システムの第1〜第4の態様において、前記計測手段が、計測した前記ダメージ推定パラメータの値に応じた重み係数を該ダメージ推定パラメータの値に乗じて得られた値の総和を前記レーンごとに算出し、前記推定手段が、前記計測手段が算出した前記総和に基づいて前記レーンごとにダメージを推定するように構成してもよい。
【0023】
前記計測手段は、例えば、歪みゲージを用いた計測手段としてもよい。
【0024】
前記誘導手段が、前記レーンのうちの特定のレーンを通行する移動体の重量を制限することができるように構成してもよい。
【0025】
また、前記誘導手段が、前記レーンのうちの特定のレーンを通行禁止にすることができるように構成してもよい。
【0026】
通行する前記移動体は例えば車両であり、この場合、前記誘導手段は、前記車両に搭載されたカーナビを通して、前記車両の運転者に通行するレーンについての情報を伝達するように構成してもよい。
【0027】
前記ダメージ推定パラメータを、前記レーンに加わったピーク荷重としてもよい。
【0028】
ここで、レーンに加わったピーク荷重とは、移動体の通行によってレーンの所定の地点に加わった1つの荷重(1つの荷重として認識することができる荷重)における最大値のことを意味する。この記載内容は、本願の他の箇所においても同様である。
【0029】
通行する前記移動体は例えば車両であり、この場合、前記ピーク荷重は前記車両の軸重に対応する値である。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る通行量管理システムによれば、通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物において、当該構造物全体としての維持管理費用を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態に係る通行量管理システムのブロック図
図2】本発明の実施形態に係る通行量管理システムにおいて用いるセンサ14の出力例のグラフ
図3】本発明の実施形態に係る通行量管理システムにおいて、車線A、B、Cがそれぞれ受けたピーク荷重の総和(Σピーク荷重)の一例を示すグラフ
図4】本発明の実施形態に係る通行量管理システムにおいて、車両の誘導状況を模式的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、ダメージ推定パラメータとしてピーク荷重を取り上げる。レーンに加わったピーク荷重が大きくなれば、レーンに加わった荷重によるエネルギー量も大きくなるので、レーンに加わったピーク荷重はダメージ推定パラメータである。ただし、本発明においてダメージ推定パラメータがピーク荷重に限定されるわけではない。
【0033】
図1は、本発明の実施形態に係る通行量管理システム10のブロック図である。
【0034】
図1に示すように、本実施形態に係る通行量管理システム10は、計測装置12と、データ記録装置18と、制御装置20と、車両誘導装置22と、を備えてなり、道路橋の床版100の各車線を通行する車両102の車線ごとの通行量を管理するシステムである。
【0035】
本実施形態に係る通行量管理システム10の適用対象として取り上げる道路橋は、図4に模式的に示すような片側3車線の道路橋であり、上り線および下り線のそれぞれに、車線A、車線B、および車線Cの3つの車線を備えている。車線A、車線B、および車線Cをそれぞれ上方に備える床版100の部位が、車線A、車線B、および車線Cにそれぞれ対応するレーン100A、レーン100B、およびレーン100Cである。図4は、道路橋の上り線および下り線のうちのいずれか一方を模式的に示す平面図であり、上方からの視点で模式的に描いたものである。
【0036】
計測装置12は、複数のセンサ14と、データ処理装置16とを有してなり、車両102の通行によって床版100(レーン100A、レーン100B、およびレーン100C)に加わったピーク荷重の値および加わったピーク荷重の値ごとの頻度を計測する計測装置である。ここで、車両102の通行によってレーン100Aに加わったピーク荷重の値とは、車両102の通行によってレーン100Aに加わった1つの荷重における最大値のことである。車両102の通行によってレーン100Bに加わったピーク荷重の値とは、車両102の通行によってレーン100Bに加わった1つの荷重における最大値のことである。車両102の通行によってレーン100Cに加わったピーク荷重の値とは、車両102の通行によってレーン100Cに加わった1つの荷重における最大値のことである。
【0037】
このように、本願においてレーンに加わったピーク荷重の値とは、移動体の通行によってレーンに加わった1つの荷重における最大値のことを意味する(詳しくは図2を用いて後述する。)。センサ14は、車線A、車線B、車線Cにそれぞれ対応する箇所の床版100の下面(レーン100A、100B、100Cの下面)にそれぞれ取り付けられており、車両102の通行によってレーン100A、100B、100Cにそれぞれ加わったピーク荷重の値および加わったピーク荷重の値ごとの頻度を計測することができるようになっている。加わったピーク荷重の値ごとの頻度とは、ある値のピーク荷重が何回加わったかということである。
【0038】
計測装置12において用いるセンサ14の種類は特に限定されず、車両102の通行によって床版100に加わったピーク荷重の値および加わったピーク荷重の値ごとの頻度を計測することができるセンサであればよい。具体的には、センサ14として、例えば、変位計、加速度計や軸重計を用いることができ、また、例えば、歪みゲージを用いたセンサを用いることができる。これらのセンサは単独で用いても、複数を併用して用いてもよく、また、2種以上を併用して用いてもよい。複数のセンサを併用して用いる場合、複数のセンサのそれぞれの計測結果を平均した結果を用いてもよい。2種以上のセンサを併用して用いる場合、2種以上のセンサのそれぞれの計測結果を平均した結果を用いてもよい。以下では、センサ14が歪みゲージを用いたセンサである場合について説明する。
【0039】
床版100の上を車両102が通行すると、車両102から受ける荷重により床版100は変形する。その変形がセンサ14の歪みゲージに伝わって歪みゲージが伸縮をすると、センサ14の歪みゲージはその伸縮量に応じて抵抗値が変化する。センサ14は、自身が備える歪みゲージの抵抗値の変化を電圧として出力するような電気回路を備えている。そのため、センサ14を床版100の下面に取り付けておくことにより、車両102の通行によって床版100に加えられた荷重に対応する電圧がセンサ14から出力される。図2は、センサ14が歪みゲージを用いたセンサである場合についての出力例である。図2の縦軸はセンサ14の出力電圧であり、横軸は時間である。図2に示す3つの波形は、それぞれ1つの荷重として認識することができるので、図2に示す測定結果は3つの荷重を示している。
【0040】
本実施形態に係る通行量管理システム10においては、センサ14が、車線A、車線B、車線Cに対応する部位の床版100の下面(レーン100A、100B、100Cの下面)にそれぞれ取り付けられており、車両102の通行によってレーン100A、100B、100Cにそれぞれ加わった荷重を車線(レーン)ごとに継続的に計測して、車線A、車線B、車線Cの車線ごと(レーン100A、100B、100Cごと)に図2に示すような計測結果が得られるようになっている。車両は複数の車軸を通常有するので、1台の車両がセンサ14の上方を通行すると、通常、上に凸の波形が複数得られる。この場合、床版100(レーン100A、100B、100C)に加わる荷重として検出される荷重は、車軸にかかる重さである軸重に基づく荷重であり、検出された複数の上に凸の波形のそれぞれの最大値(ピーク荷重)は軸重に対応する値である。
【0041】
計測装置12のデータ処理装置16は、センサ14が出力した計測結果(センサ14の出力電圧)から、床版100(レーン100A、100B、100C)が受けた鉛直方向下向きのピーク荷重の値を算出して、データ記録装置18および制御装置20に出力する。また、床版100(レーン100A、100B、100C)が受けた鉛直方向下向きのピーク荷重の値ごとの頻度についてもデータ記録装置18および制御装置20に出力する。
【0042】
データ処理装置16の機能について具体的に説明する。データ処理装置16には、センサ14が出力した計測結果(センサ14の出力電圧)についての電気信号が入力される。データ処理装置16は、入力された電気信号を、床版100および床版100を支持する桁等の諸元に基づいて荷重についての電気信号データに変換し、入力された電気信号のピーク値(センサ14の出力電圧のピーク値)に対応するピーク荷重の値を算出する。センサ14の出力電圧のピーク値は、センサ14の出力電圧の各波形(横軸に時間、縦軸にセンサ14の出力電圧をとったグラフにおける上に凸の波形)における最大値のことであり、例えば図2においては、ピーク1、ピーク2およびピーク3として矢印で示した部位に対応する出力電圧である。センサ14の出力電圧の各波形におけるピーク1、ピーク2およびピーク3の出力電圧に対応する荷重の値がピーク荷重の値である。
【0043】
上記のようにして、データ処理装置16は、センサ14の出力電圧の各波形における最大値からそれぞれピーク荷重の値を算出する。また、データ処理装置16は、算出したピーク荷重の値ごとの頻度も算出する。
【0044】
さらに、データ処理装置16は、算出したピーク荷重および算出したピーク荷重の値ごとの頻度に基づき、計測開始からのピーク荷重の値の総和(以下、Σピーク荷重と記すことがある。)を車線(レーン)ごとに算出する。車線(レーン)ごとに算出されたピーク荷重の値の総和(Σピーク荷重)を棒グラフで示したグラフの一例を図3に示す。データ処理装置16は、車線(レーン)ごとに算出されたピーク荷重の値の総和(Σピーク荷重)に対応する電気信号データを制御装置20に出力する。
【0045】
本実施形態に係る通行量管理システム10のデータ処理装置16では、算出したピーク荷重の値ごとの頻度を算出しているので、通行する車両102の重量についての状況を把握しやすくなるとともに、通行する車両102の重量と床版100へ与えるダメージとの関係を調べるためのデータ解析も容易になる。
【0046】
ピーク荷重の値が大きくなるほど指数関数的に床版100に与えるダメージの大きさが大きくなる可能性もあるので、ピーク荷重の値に応じた重み係数をピーク荷重に乗じ、重み係数を乗じて得られた値の総和を車線(レーン)ごとに算出して、Σピーク荷重としてもよい。この場合には、データ処理装置16は、このようにして車線(レーン)ごとに算出されたΣピーク荷重に対応する電気信号データを制御装置20に出力する。
【0047】
また、データ処理装置16は、入力された電気信号(センサ14の出力電圧)を変換して車線(レーン)ごとに得られたピーク荷重についての電気信号データ(ピーク荷重の値およびピーク荷重の値ごとの頻度についての電気信号データ)、および車線(レーン)ごとに算出されたピーク荷重の値の総和(Σピーク荷重)に対応する電気信号データをデータ記録装置18に出力する。
【0048】
データ記録装置18は、データ処理装置16から入力された電気信号データを記録するとともに、記録した電気信号データを、制御装置20からの指令に基づき制御装置20に出力する。
【0049】
制御装置20は、データ処理装置16および/またはデータ記録装置18から入力された電気信号データに基づき、床版100の車線(レーン)ごとのダメージを推定し、その推定結果に基づいて車両誘導装置22に指示を行う。したがって、制御装置20は、推定手段でもある。
【0050】
制御装置20が、床版100の車線(レーン)ごとのダメージを推定する手法について具体的に説明する。データ処理装置16によって車線(レーン)ごとに算出されたΣピーク荷重は、ピーク荷重の値を車線(レーン)ごとに全て加算して算出した数値(総和)であるか、あるいは、ピーク荷重の値に応じた重み係数をピーク荷重の値に乗じ、重み係数を乗じて得られた値を車線(レーン)ごとに全て加算して算出した数値であり、どちらの数値もピーク荷重の値およびピーク荷重の値ごとの頻度を反映させた数値であるので、制御装置20は、車線(レーン)ごとに算出されたΣピーク荷重に基づいて、通行する車両102の荷重によって受けた車線(レーン)ごとのダメージを推定することができる。制御装置20は、Σピーク荷重が大きいほど、その車線(レーン)のダメージは大きいと推定する。
【0051】
そしてその推定結果に基づき、制御装置20は、車線(レーン)ごとのダメージが均一となるようにするべく、ダメージの大きい車線(レーン)の通行量を減じ、ダメージの小さい車線(レーン)の通行量を増やすように車両102を誘導するための電気信号を、車両誘導装置22に発する。床版100の車線(レーン)ごとのΣピーク荷重が、例えば図3に示すようになっている場合、Σピーク荷重は、車線A(レーン100A)が最も大きく、車線B(レーン100B)が次に大きく、車線C(レーン100C)が最も小さくなっているので、通行する車両102から受けたダメージは、車線A(レーン100A)が最も大きく、車線B(レーン100B)が次に大きく、車線C(レーン100C)が最も小さくなっていると制御装置20は推定する。その推定に基づき、制御装置20は、車線A(レーン100A)の車両102を車線B(レーン100B)に誘導し、車線B(レーン100B)の車両102を車線C(レーン100C)に誘導するように、車両誘導装置22に電気信号による指令を発する。
【0052】
車両誘導装置22は、制御装置20からの指令に基づき、通行すべき車線(レーン)についての情報を各車両102の運転者に伝達する。具体的には、例えば、カーナビや道路に備えられた電光表示板等を通じて、通行すべき車線(レーン)を各車両102の運転者に伝達する。床版100の車線(レーン)ごとのΣピーク荷重が、例えば図3に示すようになっている場合、車両誘導装置22は、カーナビや道路に備えられた電光表示板等を通じて、車線A(レーン100A)を通行している車両には車線B(レーン100B)を通行するように伝達し、車線B(レーン100B)を通行している車両には車線C(レーン100C)を通行するように伝達する。その結果、車線A(レーン100A)の通行量が最も少なくなり、車線B(レーン100B)の通行量が次に少なくなり、車線C(レーン100C)の通行量が最も多くなる。即ち、車両102の通行によって受けたダメージが大きい車線(レーン)ほど車両102の通行量が少なくなるように通行量を調整する。このときの車両102の誘導状況を図4に模式的に示す。図4において矢印30の指し示す方向が、通行する車両102を誘導する方向である。
【0053】
通行する車両102をこのように誘導することにより、車線(レーン)ごとのダメージが均一になるようにすることができる。車線(レーン)ごとのダメージが均一になるようにすることにより、特定の車線(レーン)のみにおいて大きくダメージが累積していく場合よりも、メンテナンス補修のサイクルを短くすることができる。また、車両102が通行する道路橋の寿命を延ばすことができる。その結果、当該道路橋全体としての維持管理費用を低減することができる。
【0054】
また、特定の車線(レーン)のダメージが特に少ないと判断した時には、ダメージが特に少ないと判断した車線(レーン)に車両102を誘導する旨の指令(電気信号)を出力するように制御装置20を構成してもよい。具体的に言えば、床版100の車線(レーン)ごとのΣピーク荷重が、例えば図3に示すようになっている場合、車線C(レーン100C)のΣピーク荷重が最も小さくなっているので、車線C(レーン100C)をダメージが特に少ない車線(レーン)として選定し、車線A(レーン100A)を通行している車両102および車線B(レーン100B)を通行している車両102のどちらにも、車線C(レーン100C)を通行するように指示をする構成を制御装置20に設けてもよい。
【0055】
また、床版100の車線(レーン)ごとのダメージを判断した結果、重量が所定の水準より大きい車両を通行させると車線(レーン)に与えるダメージが過大になると判断した車線(レーン)が存在する場合については、当該車線(レーン)について通行する車両の重量を制限する旨の指令(電気信号)を出力するように制御装置20を構成してもよい。制御装置20から、通行する車両の重量を制限する車線(レーン)についての指令(電気信号)を受けた車両誘導装置22は、例えば、カーナビや道路に備えられた電光表示板等によって、通行する車両の重量を制限する車線(レーン)についての情報を車両102の運転者に伝達する。また、当該道路を管理する管理者にも通行する車両の重量を制限する車線(レーン)についての情報を伝達するように、制御装置20を構成しておいてもよい。道路管理者にも通行する車両の重量を制限する車線(レーン)についての情報を伝達することにより、当該車線(レーン)の重量制限をより徹底することができる。
【0056】
また、床版100の車線(レーン)ごとのダメージを判断した結果、これ以上車両を通行させると危険があると判断した車線(レーン)が存在する場合については、当該車線(レーン)について車両の通行を禁止する旨の指令(電気信号)を出力するように制御装置20を構成してもよい。制御装置20から、車両の通行を禁止する車線(レーン)についての指令(電気信号)を受けた車両誘導装置22は、例えば、カーナビや道路に備えられた電光表示板等によって、車両の通行を禁止する車線(レーン)についての情報を車両102の運転者に伝達する。また、当該道路を管理する管理者にも車両の通行を禁止する車線(レーン)についての情報を伝達するように、制御装置20を構成しておいてもよい。道路管理者にも車両の通行を禁止する車線(レーン)についての情報を伝達することにより、当該車線(レーン)の通行禁止をより徹底することができる。
【0057】
以上説明した本実施形態に係る通行量管理システム10において用いている計測装置12は、車両102の通行によって床版100(レーン100A、100B、100C)に加わったピーク荷重の値および加わったピーク荷重の値ごとの頻度を計測する計測装置であるが、計測装置12を、床版100に加わったピーク荷重の値ごとの頻度については計測しない一方、車両102の通行によって床版100に加わったピーク荷重の値を計測開始時点から全て計測することができる計測装置にしてもよい(本実施形態の変形例)。車両102の通行によって床版100に加わったピーク荷重の値を計測開始時点から全て計測することができれば、加わったピーク荷重の値ごとの頻度を計測しなくても、加わったピーク荷重の総和を車線(レーン)ごとに算出し、算出したピーク荷重の総和(Σピーク荷重)に基づいて車線(レーン)ごとにダメージを推定することができる。
【0058】
なお、「床版100に加わったピーク荷重の値ごとの頻度については計測しない」とは、センサ14が出力した計測結果(センサ14の出力電圧)を荷重についての電気信号データに変換し、入力された電気信号のピーク値(センサ14の出力電圧のピーク値)に対応するピーク荷重の値は算出するが、算出したピーク荷重の値ごとの頻度は算出しないということである。
【0059】
また、以上説明した本実施形態に係る通行量管理システム10においては、適用対象として道路橋を取り上げたが、本発明に係る通行量管理システムの適用対象は道路橋に限定されるわけではなく、通行する移動体を下方から支持してその上面を該移動体が通行し、その延びる方向に沿って前記移動体が通行するレーンを並行に複数備えた構造物であれば適用対象となり得、例えば鉄道橋や滑走路等も適用対象となり得る。また、通行する移動体として車両を取り上げたが、車両には自動車だけでなく例えば鉄道車両等も含まれる。また、通行する移動体は車両に限定されるわけではなく、例えば航空機等であってもよい。また、通行する移動体は人間が乗車していない無人の移動体であってもよく、例えば荷物搬送用の移動体であってもよい。
【0060】
最後に、ピーク荷重以外のダメージ推定パラメータについて言及しておく。
【0061】
前述したように、ダメージ推定パラメータは、レーンに加わった荷重によるエネルギー量と正の相関を持つパラメータであり、当該レーンが受けた荷重によるダメージの度合いを推定する際に活用することができるパラメータである。
【0062】
例えば、歪みゲージを用いたセンサや、変位計、加速度計、軸重計等をレーンに取り付けて計測したデータに基づいて、レーンに加わる荷重を推定することができるので、それらのセンサの出力に基づくパラメータをダメージ推定パラメータとして用いることが可能である。また、それらのセンサの出力のピーク値だけでなく、例えば、得られたデータの所定の範囲について積分を行って得られた積分値をダメージ推定パラメータとして用いることも可能である。
【0063】
また、レーンに前記センサを複数取り付け、取り付けた複数のセンサから得られるデータから定められるパラメータをダメージ推定パラメータとして用いることも可能である。複数のセンサを用いる場合、例えば、複数のセンサのそれぞれの計測結果を平均して得られる値をダメージ推定パラメータとして用いることも可能である。また、レーンに取り付ける複数のセンサは異なる種類のセンサを用いることも可能である。
【0064】
また、レーンに前記センサを複数取り付ける場合、各センサに異なる役割を担わせてもよく、例えば、荷重計測用のセンサの前後にそれぞれ車両の通過を検出するセンサを設け、荷重計測用のセンサが計測したデータが車両の通行によって得られたデータであることの確度を向上させるように構成してもよい。
【0065】
また、例えば、レーンを通行する移動体を撮影して画像処理を行い、レーンを通行する移動体の重量を推定して、その推定した移動体の重量をダメージ推定パラメータとして用いることも可能である。
【0066】
また、例えば、移動体が車両であり、かつ、レーンが有料道路の車線である場合、所定の地点にETCの情報を読み取る装置を設けておき、得られたETCの情報に基づいて当該有料道路の各車線を通行する各車両の車種を特定して、当該有料道路の各車線を通行する車両の重量を推定し、その推定した車両の重量をダメージ推定パラメータとして用いることも可能である。
【符号の説明】
【0067】
10…通行量管理システム
12…計測装置
14…センサ
16…データ処理装置
18…データ記録装置
20…制御装置
22…車両誘導装置
30…矢印
100…床版
100A、100B、100C…レーン
102…車両
A、B、C…車線
図1
図2
図3
図4