(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電池を予熱するときに、予熱領域の環境温度値を取得するステップは、電池を予熱するときに、前記予熱領域における所定の各特徴的位置の環境温度値を取得するステップを含み、
前記予熱領域の環境温度値が所定の温度条件を満たしていない場合、現在の予熱領域の温度を調整するステップは、環境温度値が所定の温度条件を満たしていない特徴的位置が存在する場合、前記所定の温度条件を満たしていない特徴的位置の温度を調整するステップを含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
前記処理モジュールは、電池予熱に対するトリガ事象が検出された場合、前記加熱モジュールによる予熱領域の加熱を制御することにさらに用いられることを特徴とする請求項8に記載の装置。
前記処理モジュールは、予熱領域が所在する予熱チャンバに予熱待ちの電池が入れられているか否かを検出することに用いられ、入れられている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在し、または、予熱回路において電流が生成されているか否かを検出することに用いられ、生成されている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在し、または、予熱領域の環境温度が上昇しているか否かを検出することに用いられ、上昇している場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在することを特徴とする請求項9に記載の装置。
前記処理モジュールは、前記電池が検出した電池の内部温度情報を受信し、受信した電池の内部温度情報が所定の温度閾値に達しているか否かを判断することに用いられることを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載の装置。
前記処理モジュールは、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも低い場合、前記加熱モジュールにより前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御し、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも高い場合、前記加熱モジュールによる前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御することに用いられることを特徴とする請求項8乃至11の何れか1項に記載の装置。
前記処理モジュールは、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最低保温温度閾値よりも低い場合、前記加熱モジュールによる前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御し、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最大保温温度閾値よりも高い場合、前記加熱モジュールによる前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御することに用いられることを特徴とする請求項8乃至11の何れか1項に記載の装置。
前記処理モジュールは、電池を予熱するときに、前記予熱領域における所定の各特徴的位置の環境温度値を取得し、環境温度値が所定の温度条件を満たしていない特徴的位置が存在する場合、前記所定の温度条件を満たしていない特徴的位置の温度を調整することに用いられることを特徴とする請求項8乃至13の何れか1項に記載の装置。
前記処理モジュールは、前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する充電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する充電制御をオンにし、前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する放電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する放電制御をオンにすることにさらに用いられることを特徴とする請求項8乃至14の何れか1項に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、充放電前に電池を有効に予熱保護できる、電池予熱方法、装置および機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本発明の実施形態は、
電池を予熱するときに、予熱領域の環境温度値を取得するステップと、
予熱領域の環境温度値が所定の温度条件を満たしていない場合、再度検出された予熱領域の環境温度値が前記温度条件に適合するまで、現在の予熱領域の温度を調整するステップと、
を含む電池予熱方法を提供する。
【0007】
さらに任意に、前記電池を予熱するときに、予熱環境の温度値を取得する前に、電池予熱に対するトリガ事象が検出された場合、予熱領域に対する加熱を制御するステップをさらに含む。
【0008】
さらに任意に、電池予熱に対するトリガ事象が存在するか否かを検出するステップは、
予熱領域において、予熱待ちの電池が入れられているか否かを検出し、入れられている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在するステップ、または、
予熱回路において、電流が生成されているか否かを検出し、生成されている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在するステップ、または、
予熱領域の環境温度が上昇しているか否かを検出し、上昇している場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在するステップのいずれかを含む。
【0009】
さらに任意に、前記現在の予熱領域の温度を調整するステップの前に、
前記電池の予熱が完了しているか否かを判断し、
完了している場合は、予熱を停止し、完了していない場合は、前記現在の予熱領域の温度を調整するステップをさらに含む。
【0010】
さらに任意に、前記電池の予熱が完了しているか否かを判断するステップは、
記録済の予熱時間長が所定の時間長閾値に達しているか否かを判断し、達している場合、前記電池の予熱が完了していると判断するステップを含む。
【0011】
さらに任意に、前記電池の予熱が完了しているか否かを判断するステップは、
取得した前記電池の内部温度値が所定の温度閾値に達しているか否かを判断し、達している場合、前記電池の予熱が完了していると判断するステップを含む。
【0012】
さらに任意に、前記電池は、内部温度をインテリジェント検出するインテリジェント電池を含み、前記取得した前記電池の内部温度値が所定の温度閾値に達しているか否かを判断するステップは、
前記電池が検出した電池の内部温度情報を受信するステップと、
受信した電池の内部温度情報が所定の温度閾値に達してるか否かを判断するステップと、
を含む。
【0013】
さらに任意に、前記現在の予熱領域の温度を調整するステップは、
取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも低い場合、前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御するステップと、
取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも高い場合、前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御するステップと、
を含む。
【0014】
さらに任意に、前記現在の予熱領域の温度を調整するステップは、
取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最低保温温度閾値よりも低い場合、前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御するステップと、
取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最大保温温度閾値よりも高い場合、前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御するステップと、
を含む。
【0015】
さらに任意に、前記電池を予熱するときに、予熱領域の環境温度値を取得するステップは、電池を予熱するときに、前記予熱領域における所定の各特徴的位置の環境温度値を取得するステップを含み、
前記予熱領域の環境温度値が所定の温度条件を満たしていない場合、現在の予熱領域の温度を調整するステップは、環境温度値が所定の温度条件を満たしていない特徴的位置が存在する場合、前記所定の温度条件を満たしていない特徴的位置の温度を調整するステップを含む。
【0016】
さらに任意に、
前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する充電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する充電制御をオンにするステップと、
前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する放電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する放電制御をオンにするステップと、
をさらに含む。
【0017】
別の態様において、本発明の実施形態は、
予熱領域を加熱するための加熱モジュールと、
電池を予熱するときに、予熱領域の環境温度値を取得するための取得モジュールと、
前記加熱モジュールに接続され、予熱領域の環境温度値が所定の温度条件を満たしていないときに、再度検出された予熱領域の環境温度値が前記温度条件に適合するまで、現在の予熱領域の温度を調整する処理モジュールと、
を含む電池予熱装置をさらに提供する。
【0018】
さらに任意に、前記処理モジュールは、電池予熱に対するトリガ事象が検出された場合、前記加熱モジュールによる予熱領域の加熱を制御することにさらに用いられる。
【0019】
さらに任意に、前記処理モジュールは、予熱領域が所在する予熱チャンバに予熱待ちの電池が入れられているか否かを検出することに用いられ、入れられている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在し、または、予熱回路において電流が生成されているか否かを検出することに用いられ、生成されている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在し、または、予熱領域の環境温度が上昇しているか否かを検出することに用いられ、上昇している場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在する。
【0020】
さらに任意に、前記処理モジュールは、前記電池の予熱が完了しているか否かを判断することにさらに用いられ、完了している場合は、予熱を停止し、完了していない場合は、前記現在の予熱領域の温度を調整する。
【0021】
さらに任意に、前記処理モジュールは、記録済の予熱時間長が所定の時間長閾値に達しているか否かを判断することに用いられ、達している場合、前記電池の予熱が完了している。
【0022】
さらに任意に、前記処理モジュールは、取得した前記電池の内部温度値が所定の温度閾値に達しているか否かを判断することに用いられ、達している場合、前記電池の予熱が完了している。
【0023】
さらに任意に、前記処理モジュールは、前記電池が検出した電池の内部温度情報を受信し、受信した電池の内部温度情報が所定の温度閾値に達しているか否かを判断することに用いられる。
【0024】
さらに任意に、前記処理モジュールは、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも低い場合、前記加熱モジュールにより前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御し、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも高い場合、前記加熱モジュールによる前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御することに用いられる。
【0025】
さらに任意に、前記処理モジュールは、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最低保温温度閾値よりも低い場合、前記加熱モジュールによる前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御し、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最大保温温度閾値よりも高い場合、前記加熱モジュールによる前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御することに用いられる。
【0026】
さらに任意に、前記処理モジュールは、電池を予熱するときに、前記予熱領域における所定の各特徴的位置の環境温度値を取得し、環境温度値が所定の温度条件を満たしていない特徴的位置が存在する場合、前記所定の温度条件を満たしていない特徴的位置の温度を調整することに用いられる。
【0027】
さらに任意に、前記処理モジュールは、前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する充電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する充電制御をオンにし、前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する放電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する放電制御をオンにすることにさらに用いられる。
【0028】
さらなる態様において、本発明の実施形態は、
予熱待ちの電池を収納するための収納スペースが設けられた支持部材と、
前記支持部材上に設けられ、通電後に熱を生成することができる加熱部材と、
前記加熱部材に接続され、前記加熱部材による熱の生成を制御するためのプロセッサと、
を含む電池予熱機器であって、
前記加熱部材が生成する熱を前記収納スペース内に伝導することができる電池予熱機器をさらに提供する。
【0029】
さらに任意に、前記支持部材は、熱伝導部材である。
【0030】
さらに任意に、前記加熱部材は、前記熱伝導部材の表面に設けられるか、または前記熱伝導部材の内部に嵌め込まれる。
【0031】
さらに任意に、前記支持部材は、断熱部材である。
【0032】
さらに任意に、前記加熱部材は、前記支持部材の内面に設けられる。
【0033】
または、前記加熱部材は、前記支持部材の外面に設けられ、前記支持部材の外面には、前記収納スペースに連通した熱伝導孔が設けられる。
【0034】
さらに任意に、前記加熱部材は、加熱膜を含み、かつ前記支持部材の表面に貼られる。
【0035】
さらに任意に、前記加熱部材は、加熱線を含み、かつ前記支持部材に巻き付けられる。
【0036】
さらに任意に、前記支持部材は、一つの開口部を有する筐体であり、電池を前記開口部から前記収納スペース内に収容することができる。
【0037】
さらに任意に、前記電池予熱機器は、保護ケースをさらに含み、前記支持部材は、前記保護ケース内に取り付けられる。
【0038】
さらに任意に、前記電池予熱機器は、保護カバーをさらに含み、前記保護ケースには、取付口が設けられ、前記支持部材は、前記取付口から前記保護ケース内に収容され、前記保護カバーは、着脱可能に前記取付口に固定される。
【0039】
さらに任意に、前記保護カバーは、接続テープによって前記保護ケースと可撓接続されるか、または、前記保護カバーは、前記保護ケースに回動可能に接続されるか、または、前記保護カバーは、前記保護ケースとの間で係合接続される。
【0040】
さらに任意に、前記保護ケースの内面には、支承部が設けられ、前記支持部材の開口部の周縁に接続部が設けられ、前記接続部は前記支承部に直接固接されるか、または締結部材を介して固接される。
【0041】
さらに任意に、前記電池予熱機器は、前記支持部材の開口部の周縁に固定されたインターフェース部材をさらに含む。
【0042】
さらに任意に、前記インターフェース部材は、電池の電気インターフェースと挿入接続するための電源インターフェースを含み、前記電源インターフェースは、前記加熱部材に電気的に接続される。
【0043】
さらに任意に、前記インターフェース部材は、電池との通信接続に用いられる通信インターフェースを含む。
【0044】
さらに任意に、前記電池予熱機器は、電源アセンブリをさらに含み、前記電源アセンブリは、前記加熱部材に電気的に接続され、前記加熱部材への給電に用いられ、および/または、前記電源アセンブリは、前記電源インターフェースに電気的に接続され、電池の充電に用いられる。
【0045】
さらに任意に、前記電源アセンブリは、電源線を介して外部給電電源に接続され、電源を供給する。
【0046】
さらに任意に、前記電源アセンブリは、電気エネルギーを貯蔵するための組電池を含む。
【0047】
さらに任意に、前記電池予熱機器は、
前記プロセッサに接続され、予熱待ちの電池の予熱温度を検知するための温度センサをさらに含んでもよく、前記温度センサは、一つまたは複数含まれる。
【0048】
本発明の実施形態は、必要に応じて、電池を予熱することができ、予熱が終了するまで、予熱環境の検出を続けることができ、電池予熱に対する有効性を実現することができるだけでなく、予熱領域の温度に基づき調整を行うことができ、予熱が保証された状況の下で、電気エネルギーを節約し、電池予熱の自動化、インテリジェント化の要求を満たすこともできる。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態における図面と合わせ、本発明の実施形態における技術手法について、明確かつ完全に記述するが、記述する実施形態は、本発明の一部の実施形態に過ぎず、すべての実施形態ではないことは明らかである。本発明における実施形態に基づき、当業者が進歩性を有する作業を行わない前提の下で得たその他すべての実施形態は、いずれも本発明の保護する範囲に属す。
【0051】
本発明の実施形態は、電池の充電または放電(負荷への給電)の前に、前記電池を収納でき加熱保温が可能な電池ボックスの中に電池を置き、前記電池ボックスの中で、充電または放電される電池を予熱し、予熱のプロセスにおいて、インテリジェントに温度調節を行い、最終的に電池の温度が安全な充放電に適したものとなるようにすることができる。
【0052】
図1は、本発明の実施形態の電池予熱方法のフロー概略図であり、本発明の実施形態の前記方法は、温度制御を行うことが可能なコントローラにより実現することができ、具体的には、本発明の実施形態の前記方法は、次のことを含む。
【0053】
S101:電池を予熱するときに、予熱領域の環境温度値を取得する。
【0054】
前記予熱領域とは、予熱待ちの電池を収納でき、加熱保温が可能な機器内部のチャンバで囲まれた領域としてもよく、この領域は、電池を挿入した後、予熱温度を保持する密封領域とすることができる。この領域は、具体的には
図9を参照することができる。
【0055】
電池予熱のプロセスにおいて、前記予熱領域に置かれた温度センサによって、リアルタイムモニタリングを行い予熱領域の温度を取得し、モニタリングされた温度に基づき加熱アセンブリを制御することができる。
【0056】
具体的には、前記S101の前に、予熱が必要か否かの判断ステップをさらに含んでもよく、温度センサによって、またはインターネットで天気温度などを検索することによって、現在位置の環境温度を取得し、環境温度が所定の閾値(例えば0度)よりも低い場合、前記S101を実行する。
【0057】
S102:予熱領域の環境温度値が所定の温度条件を満たしていない場合、再度検出された予熱領域の環境温度値が前記温度条件に適合するまで、現在の予熱領域の温度を調整する。
【0058】
所定の温度条件を満たしていない状況は、予熱領域の環境温度値が前記温度条件で指示された温度範囲内にない、すなわち前記環境温度値が前記温度条件で指示された最小値よりも低い、または前記温度条件で指示された最大値よりも高いことを含む。
【0059】
現在の予熱領域の温度調整は、前記環境温度値が最小値よりも低いときに、加熱温度を上昇させ、前記環境温度値が前記温度条件で指示された最大値よりも高いときに、加熱温度を低下させることを含み、加熱温度の低下は、一般に、加熱電源を切る方式を用いて、温度を徐々に低下させる。
【0060】
具体的には、最小値よりも低いときに、加熱アセンブリをオンにして、加熱アセンブリに動作を開始させ、予熱領域の温度を上昇させるように制御し、最大値よりも高いときに、加熱アセンブリをオフにし(電源を切り)、加熱アセンブリに動作を停止させ、予熱領域の温度が再び上昇しないように制御する。前記予熱領域に対応する電池ボックス材料は、保温材料を用いて、熱の発散速度を遅くし、電気エネルギーを節約してもよい。
【0061】
予熱待ちの電池を給電電源とし、前記予熱領域が所在する電池ボックスの加熱アセンブリに給電してもよい。電源線を介して外部電源に接続し、前記予熱領域が所在する電池ボックスの加熱アセンブリに給電してもよい。また、前記予熱領域が所在する電池ボックス自体に電池アセンブリを含んでもよく、前記電池アセンブリは、予熱のために電源を提供することができるだけでなく、予備電源として予熱待ちの電池の予熱の完了後、必要に応じて前記電池に充電することができる。
【0062】
予熱領域の温度が温度条件で指示された温度範囲内に達した後、加熱を停止してもよい。または予熱領域の温度が温度条件で指示された温度閾値に達した後、加熱を停止し、前記温度閾値は、具体的には、所定の温度範囲内にあり、かつ温度範囲における最大値に近い、または等しい温度閾値とすることができる。
【0063】
また、前記予熱領域は、さらに航空機、インテリジェントロボットなどの電池ボックス内部のチャンバで囲まれた領域としてもよく、電池を挿入して航空機、インテリジェントロボットなどに電源を供給(電池放電)する前に、予熱操作を実行し、すなわち前記S101およびS102を実行する。予熱領域の温度のモニタリングおよび調整は、航空機、インテリジェントロボットなどの機器に配置されたセンサ、コントローラ(飛行コントローラ、移動コントローラ)などによって実行してもよい。
【0064】
本発明の実施形態は、必要に応じて、電池を予熱することができ、予熱が終了するまで、予熱環境の検出を続けることができ、電池予熱に対する有効性を実現することができるだけでなく、予熱領域の温度に基づき調整を行うことができ、予熱が保証された状況の下で、電気エネルギーを節約し、電池予熱の自動化、インテリジェント化の要求を満たすこともできる。
【0065】
さらに、
図2は、本発明の実施形態の電池予熱方法のフロー概略図であり、本発明の実施形態の前記方法は、温度制御を行うことが可能なコントローラにより実現することができ、具体的には、本発明の実施形態の前記方法は、次のことを含む。
【0066】
S201:電池予熱に対するトリガ事象が検出された場合、予熱領域の加熱を制御する。
【0067】
具体的には、ユーザが予熱機能をオンにした操作事象が検出されたときに、例えば、対応する物理的ボタンをオンにしたときに、電池予熱に対するトリガ事象が生成されたことを確定することができる。
【0068】
電池予熱に対するトリガ事象が存在するか否かの検出は、自動的に実現してもよく、具体的には、予熱領域に予熱待ちの電池が入れられているか否かを検出し、入れられている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在し、重力感知または距離感知によって予熱領域に電池が含まれているか否かを確定し、下記の環境温度検出および調整などの操作を開始することができることを含んでもよい。
【0069】
または、予熱回路において、電流が生成されているか否かを検出し、生成されている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在することを含んでもよい。予熱待ちの電池を予熱領域に挿入した後、前記電池は加熱モジュールにおける予熱回路に給電し、予熱回路において、電流が生成されていることが検出されると、電池予熱に対するトリガ事象が存在することを確定し、下記の環境温度検出および調整などの操作を開始することができる。
【0070】
または、予熱領域の環境温度が上昇しているか否かを検出し、上昇している場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在することを含んでもよい。予熱待ちの電池を予熱領域に挿入した後、前記電池は加熱モジュールに給電し、熱の生成を開始し、このとき、温度が上昇していることを検出し、電池予熱に対するトリガ事象が存在することを確定し、下記の環境温度検出および調整などの操作を開始することができる。
【0071】
S202:電池を予熱するときに、予熱領域の環境温度値を取得する。
【0072】
予熱領域に設けられた一つまたは複数の温度センサに基づき、予熱領域の環境温度値を検出して取得する。
【0073】
S203:前記電池の予熱が完了しているか否かを判断する。
【0074】
前記S203は、具体的には、記録済の予熱時間長が所定の時間長閾値に達しているか否かを判断し、達している場合、前記電池の予熱が完了していることを含んでもよい。
【0075】
時間長閾値は、大量の対応するタイプ、体積の電池の安全な予熱温度環境で予熱が実際に完了した時間データについて統計を行った後に確定することができ、本発明の実施形態において、予熱時間長閾値は、10〜20分以内とすることができる。
【0076】
または、前記S203は、取得した前記電池の内部温度値が所定の温度閾値に達しているか否かを判断し、達している場合、前記電池の予熱が完了していることを含んでもよい。
【0077】
前記電池の内部温度値に基づき予熱が完了しているか否かを判断する具体的なステップは、前記電池が検出した電池の内部温度情報を受信し、受信した電池の内部温度情報が所定の温度閾値に達しているか否かを判断することを含む。前記電池自体は、セルの温度、具体的には電池内部の中心位置の温度を検出可能なインテリジェント電池としてもよく、5度などの温度値以上の温度に達すると、またはそれを超えると、電池の予熱は必要なく、予熱が完了したことを確定できる。
【0078】
判断の結果、予熱がすでに完了している場合、下記のS204を実行するか、または直接下記のS207およびS208を実行する。完了していない場合、下記のS205を実行する。
【0079】
S204:予熱を停止する。予熱電源を切って予熱を停止し、さらに音声、発光などの方式で予熱の完了をユーザに示してもよく、後続の電池充放電操作を行うことができる。
【0080】
S205:予熱領域の環境温度値が所定の温度条件を満たしているか否かを検出する。
【0081】
温度条件を満たしている場合、S202に戻り、温度検出ステップを再度実行し、満たしていない場合、下記のS206を実行する。
【0082】
S206:予熱領域の環境温度値が所定の温度条件を満たしていない場合、再度検出された予熱領域の環境温度値が前記温度条件に適合するまで、現在の予熱領域の温度を調整する。
【0083】
温度条件を満たすまで調整した後、S202に戻り、温度検出ステップを再度実行する。
【0084】
加熱のプロセスにおいて、予熱領域内の環境温度値をリアルタイムに検出し、温度条件に適合しているか否かをリアルタイムに判断し、遅延なく加熱を停止できるようにし、節電および電池保護の目的を達成する。
【0085】
予熱の終了後、音声表示、発光表示、振動表示などにより電池の予熱が完了したことをユーザに示してもよく、ユーザは、予熱が完了した電池を予熱領域から取り出し、充放電を再び行って使用することができる。予熱領域に対応する電池ボックス自体が充電器または放電器として配置されている場合、充放電の自動化、インテリジェント化に対するユーザの要求を満たすため、次のステップをさらに実行してもよい。本発明の実施形態において、任意に、予熱の完了後、下記のS207およびS208をさらに実行してもよい。
【0086】
S207:前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する充電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する充電制御をオンにする。
【0087】
予熱が完了した電池の充電操作は、具体的には、予熱機器に配置された大容量電源または外付け電源によって、予熱が完了した電池に対して充電を行ってもよい。
【0088】
S208:前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する放電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する放電制御をオンにする。
【0089】
放電トリガ事象は、航空機、遠隔操作ロボットなどの機器が移動信号などの制御信号を受信したときに生成される制御事象を含む。実際に操作する際に、移動信号などの制御信号を受信したとき、先ず、予熱が完了しているか否かを判断し、完了している場合、前記S208を実行して放電を行う。
【0090】
放電トリガ事象は、さらに、ユーザがボタンを押してトリガした、予熱が完了した電池を自動放電保護するときのトリガ事象としてもよい。電池の電気量が比較的大きいとき、特に、満充電の状態のときに、電池の化学的活性が比較的高く、長時間使用しないと、膨張、液漏れなどの問題が発生しやすくなるが、電池を長時間安全に貯蔵するために、ユーザの必要に応じて電池を放電してもよく、このときに、前記S208を実行してもよい。
【0091】
具体的には、前記S206における予熱領域の温度を調整することは、
取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも低い場合、前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御することと、
取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも高い場合、前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御することと、
を具体的に含んでもよい。
【0092】
または、前記S206は、
取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最低保温温度閾値よりも低い場合、前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御することと、
取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最大保温温度閾値よりも高い場合、前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御することと、
を具体的に含んでもよい。
【0093】
さらに、予熱領域内の温度が均等であることを保証するため、予熱領域内の指定位置に温度センサを配置して、異なる位置の環境温度値を取得するとともに、加熱アセンブリに複数の加熱ブロックを含ませ、各指定位置が所在する領域に、単独で加熱可能な加熱ブロックを配置してもよい。具体的には、前記S202において予熱領域の環境温度値を取得することは、電池の予熱時に、前記予熱領域における所定の各特徴的位置の環境温度値を取得することを含み、これに対応して、前記S206において現在の予熱領域の温度を調整することは、環境温度値が所定の温度条件を満たしていない特徴的位置が存在する場合、前記所定の温度条件を満たしていない特徴的位置の温度を調整することを含む。
【0094】
本発明の実施形態は、必要に応じて、電池を予熱することができ、予熱が終了するまで、予熱環境の検出を続けることができ、電池予熱に対する有効性を実現することができるだけでなく、予熱領域の温度に基づき調整を行うことができ、予熱が保証された状況の下で、電気エネルギーを節約し、電池予熱の自動化、インテリジェント化の要求を満たすこともできる。
【0095】
次に、本発明の実施形態の電池予熱装置および機器について詳細に説明する。
【0096】
図3は、本発明の実施形態の電池予熱装置の構造概略図であり、本発明の実施形態の前記電池予熱装置は、単独の予熱装置としても、無人機、遠隔操作ロボットなどの移動機器に内蔵した、本発明の実施形態に関連する電池予熱機能を有する電池ボックス、または電池ボックスおよびコントローラの組み合わせとしてもよい。具体的には、前記電池予熱装置は、
予熱領域を加熱するための加熱モジュール1と、
電池を予熱するときに、予熱領域の環境温度値を取得するための取得モジュール2と、
前記加熱モジュール1に接続され、予熱領域の環境温度値が所定の温度条件を満たしていないときに、再度検出された予熱領域の環境温度値が前記温度条件に適合するまで、現在の予熱領域の温度を調整する処理モジュール3と、
を含む。
【0097】
前記加熱モジュール1は、加熱回路からなり、抵抗体、電熱線などによって予熱領域を加熱する。
【0098】
前記取得モジュール2で検出される前記予熱領域とは、予熱待ちの電池を収納でき、加熱保温が可能な機器内部のチャンバで囲まれた領域としてもよく、この領域は、電池を挿入した後、予熱温度を保持する密封領域とすることができる。前記領域は、具体的には
図5から7に示すものを参照することができる。
【0099】
電池予熱のプロセスにおいて、前記取得モジュール2は、前記予熱領域に置かれた温度センサによって、リアルタイムモニタリングを行い予熱領域の温度を取得し、モニタリングされた温度に基づき加熱アセンブリを制御することができる。
【0100】
前記処理モジュール3が所定の温度条件を満たしていない状況は、予熱領域の環境温度値が前記温度条件で指示された温度範囲内にない、すなわち前記環境温度値が前記温度条件で指示された最小値よりも低い、または前記温度条件で指示された最大値よりも高いことを含む。
【0101】
前記処理モジュール3による現在の予熱領域の温度調整は、前記環境温度値が最小値よりも低いときに、前記加熱モジュール1が加熱温度を上昇させ、前記環境温度値が前記温度条件で指示された最大値よりも高いときに、加熱温度を低下させることを含み、加熱温度の低下は、一般に、前記加熱モジュール1の電源を切る方式を用いて加熱を停止し、温度を徐々に低下させる。
【0102】
具体的には、最小値よりも低いときに、前記処理モジュール3は、前記加熱モジュール1をオンにして、加熱モジュール1に動作を開始させ、予熱領域の温度を上昇させるように制御し、最大値よりも高いときに、前記処理モジュール3は、加熱モジュール1をオフにし(電源を切り)、加熱モジュール1に動作を停止させ、予熱領域の温度が再び上昇しないように制御する。前記予熱領域に対応する電池ボックス材料は、保温材料を用いて、熱の発散速度を遅くし、電気エネルギーを節約してもよい。
【0103】
予熱待ちの電池を給電電源とし、前記予熱領域が所在する電池ボックスの加熱アセンブリに給電してもよい。電源線を介して外部電源に接続し、前記加熱モジュール1に給電してもよい。また、前記予熱領域が所在する電池ボックス自体に電池アセンブリを含んでもよく、前記電池アセンブリは、予熱のために電源を提供することができるだけでなく、予備電源として予熱待ちの電池の予熱の完了後、必要に応じて前記電池に充電することができる。
【0104】
予熱領域の温度が温度条件で指示された温度範囲内に達した後、前記処理モジュール3が前記加熱モジュール1による加熱を停止してもよい。または予熱領域の温度が温度条件で指示された温度閾値に達した後、前記加熱モジュール1による加熱を停止し、前記温度閾値は、具体的には、所定の温度範囲内にあり、かつ温度範囲における最大値に近い、または等しい温度閾値とすることができる。
【0105】
また、前記予熱領域は、さらに、航空機、インテリジェントロボットなどの電池ボックス内部のチャンバで囲まれた領域としてもよく、電池を挿入して航空機、インテリジェントロボットなどの機器に給電(電池放電)する前に、航空機、インテリジェントロボットなどの機器の関連機能アセンブリ(コントローラ、加熱体など)が電池ボックス内の電池の予熱操作を実行する。
【0106】
さらに任意に、前記処理モジュール3は、電池予熱に対するトリガ事象が検出された場合、前記加熱モジュール1による予熱領域の加熱を制御するためにさらに用いられる。すなわち、電池の予熱機能をオンにする必要があるか否かを自動検出する。
【0107】
さらに具体的には、電池に対する予熱トリガ事象が存在するか否かを判断するときに、前記処理モジュール3は、予熱領域が所在する予熱チャンバに予熱待ちの電池が入れられているか否かを検出することに具体的に用いられ、入れられている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在し、または、予熱回路において電流が生成されているか否かを検出することに具体的に用いられ、生成されている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在し、または、予熱領域の環境温度が上昇しているか否かを検出することに具体的に用いられ、上昇している場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在する。
【0108】
さらに任意に、前記処理モジュール3は、前記電池の予熱が完了しているか否かを判断することにさらに用いられ、完了している場合は、予熱を停止し、完了していない場合は、前記現在の予熱領域の温度を調整する。完了している場合、前記加熱モジュール1に対する給電を切るように制御し、完了していない場合、前記加熱モジュール1が提供する熱を制御することにより、現在の予熱領域の温度を調整する。
【0109】
さらに具体的には、予熱が完了しているか否かを判断するときに、前記処理モジュール3は、記録済の予熱時間長が所定の時間長閾値に達しているか否かを判断することに具体的に用いられ、達している場合、前記電池の予熱が完了している。
【0110】
または、さらに具体的には、予熱が完了しているか否かを判断するときに、前記処理モジュール3は、取得した前記電池の内部温度値が所定の温度閾値に達しているか否かを判断することに具体的に用いられ、達している場合、前記電池の予熱が完了している。
【0111】
予熱が完了しているか否かを判断するときに、前記処理モジュール3は、具体的に、予熱時間および電池の内部温度を同時に判断してもよく、予熱時間長が予熱閾値を満たしている場合、または電池内容温度が所定の温度閾値に達している場合、いずれも電池の予熱が完了していると確定することができる。
【0112】
具体的には、電池の内部温度を検査するときに、通信インターフェースによって受信されるインテリジェント電池が検出した内部温度としてもよく、前記処理モジュール3は、前記電池が検出した電池の内部温度情報を受信し、受信した電池の内部温度情報が所定の温度閾値に達しているか否かを判断することに具体的に用いられる。
【0113】
さらに任意に、予熱領域の温度を調整するときに、前記処理モジュール3は、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも低い場合、前記加熱モジュール1により前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御し、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも高い場合、前記加熱モジュール1による前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御することに具体的に用いられる。
【0114】
または、さらに任意に、予熱領域の温度を調整するときに、前記処理モジュール3は、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最低保温温度閾値よりも低い場合、前記加熱モジュール1による前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御し、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最大保温温度閾値よりも高い場合、前記加熱モジュール1による前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御することに具体的に用いられる。
【0115】
具体的な調整の際に、前記処理モジュール3は、電池を予熱するときに、前記予熱領域における所定の各特徴的位置の環境温度値を取得し、環境温度値が所定の温度条件を満たしていない特徴的位置が存在する場合、前記所定の温度条件を満たしていない特徴的位置の温度を調整することに具体的に用いられる。
【0116】
さらに任意に、予熱の完了後、前記処理モジュール3は、前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する充電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する充電制御をオンにし、前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する放電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する放電制御をオンにすることにさらに用いられる。
【0117】
具体的には、前記加熱モジュール1、取得モジュール2および処理モジュール3の具体的な実現は、
図1および
図2の方法の実施形態における関連するステップの記載を参考にすることができ、ここでは詳しくは記載しない。
【0118】
本発明の実施形態は、必要に応じて、電池を予熱することができ、予熱が終了するまで、予熱環境の検出を続けることができ、電池予熱に対する有効性を実現することができるだけでなく、予熱領域の温度に基づき調整を行うことができ、予熱が保証された状況の下で、電気エネルギーを節約し、電池予熱の自動化、インテリジェント化の要求を満たすこともできる。
【0119】
次に、
図4〜
図10と合わせ、本発明の実施形態の電池予熱機器について詳細に説明する。
【0120】
図4は、本発明の実施形態の電池予熱機器の構造概略図であり、前記電池予熱機器は、支持部材10と、加熱部材20と、プロセッサ00とを含み、前記支持部材10には、予熱待ちの電池を収納するための収納スペースが設けられ、前記加熱部材20は、前記支持部材10上に設けられ、通電後に熱を生成することができ、前記加熱部材20が生成する熱を前記収納スペース内に伝導することができ、前記収納スペースは、前記電池を予熱する予熱領域を構成する。
【0121】
具体的には、メモリをさらに含んでもよく、前記メモリにはプログラムが記憶されており、前記プロセッサ00は、前記メモリに記憶された予熱プログラムを用いて、電池の予熱時に、予熱領域の環境温度値を取得するために用いられ、予熱領域の環境温度値が所定の温度条件を満たしていない場合、再度検出された予熱領域の環境温度値が前記温度条件に適合するまで、前記加熱部材20が現在の予熱領域の温度を調整するように制御する。
【0122】
さらに任意に、前記プロセッサ00は、電池予熱に対するトリガ事象が検出された場合、予熱領域の加熱を制御するためにさらに用いられる。
【0123】
さらに任意に、前記プロセッサ00は、電池予熱に対するトリガ事象が存在するか否かを検出するときに、予熱領域に予熱待ちの電池が入れられているか否かを検出することに具体的に用いられ、入れられている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在し、または、予熱回路において電流が生成されているか否かを検出することに具体的に用いられ、生成されている場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在し、または、予熱領域の環境温度が上昇しているか否かを検出することに具体的に用いられ、上昇している場合、電池予熱に対するトリガ事象が存在する。
【0124】
さらに任意に、前記プロセッサ00は、現在の予熱領域の温度を調整するために用いられる前に、前記電池の予熱が完了しているか否かを判断することにさらに用いられ、完了している場合は、予熱を停止し、完了していない場合は、前記現在の予熱領域の温度を調整する。
【0125】
さらに任意に、前記プロセッサ00は、前記電池の予熱が完了しているか否かを判断するために用いられるときに、記録済の予熱時間が所定の時間閾値に達しているか否かを判断することに具体的に用いられ、達している場合、前記電池の予熱が完了している。
【0126】
または、前記プロセッサ00は、前記電池の予熱が完了しているか否かを判断するために用いられるときに、取得した前記電池の内部温度値が所定の温度閾値に達しているか否かを判断することに具体的に用いられ、達している場合、前記電池の予熱が完了している。
【0127】
または、前記電池は、内部温度をインテリジェント検出することを含むインテリジェント電池であり、前記プロセッサ00は、取得した前記電池の内部温度値が所定の温度閾値に達しているか否かを判断するときに、前記電池が検出した電池の内部温度情報を受信し、受信した電池の内部温度情報が所定の温度閾値に達しているか否かを判断することに具体的に用いられる。
【0128】
さらに任意に、前記プロセッサ00は、現在の予熱領域の温度を調整するために用いられるときに、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも低い場合、前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御し、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された保温温度閾値よりも高い場合、前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記保温温度閾値に達するように制御することに具体的に用いられる。
【0129】
または、前記プロセッサ00は、現在の予熱領域の温度を調整するために用いられ、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最低保温温度閾値よりも低い場合、前記予熱領域の加熱をオンにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御し、取得した予熱領域の環境温度値が前記温度条件において指示された最大保温温度閾値よりも高い場合、前記予熱領域の加熱をオフにし、前記予熱領域の温度が前記温度条件で指示された保温温度範囲に達するように制御することに具体的に用いられる。
【0130】
または、前記プロセッサ00は、電池を予熱するときに、前記予熱領域における所定の各特徴的位置の環境温度値を取得し、環境温度値が所定の温度条件を満たしていない特徴的位置が存在する場合、前記所定の温度条件を満たしていない特徴的位置の温度を調整することに具体的に用いられる。
【0131】
本発明の実施形態の前記電池予熱機器は、複数の温度センサ01をさらに含んでもよく、前記プロセッサ00は、各位置に設けられた温度センサ01に接続され、これらのセンサが検出した予熱領域の環境温度値を取得することにより、前記温度の調節を実現する。
【0132】
さらに任意に、前記プロセッサ00は、前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する充電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する充電制御をオンにし、前記電池の予熱完了後に、前記電池に対する放電トリガ事象が検出された場合、前記電池に対する放電制御をオンにすることにさらに用いられる。
【0133】
具体的には、前記プロセッサ00の具体的な実現は、前記方法の実施形態における各関連ステップの具体的な実現を参照することができる。
【0134】
さらに具体的には、
図5は、本発明の実施形態の電池予熱機器の具体的な構造概略図であり、
図6は、
図5に示す電池予熱機器の上面図であり、
図7は、
図6におけるA−A線に沿った断面図であり、
図8は、
図5に示す電池予熱機器の分解図であり、
図9は、保護カバーを開いた形状概略図であり、
図10は、保護カバーを開いた状態での電池予熱機器内部構造概略図である。
【0135】
本発明の実施形態の電池予熱機器は、電池予熱機能を有する単独の機器であり、具体的には、予熱待ちの電池を収納するための収納スペース101が設けられた支持部材10と、前記支持部材10上に設けられ、通電後に熱を生成することができる加熱部材20と、を含み、前記加熱部材20が生成する熱を前記収納スペース101内に伝導することができる。前記収納スペース101内に伝えられた熱は、前記収納スペース101に挿入された電池の予熱に用いられる。
【0136】
具体的には、任意に、前記支持部材10は、熱伝導部材としてもよく、熱伝導が可能な各種金属により構成することができる。前記加熱部材20を電源に接続し発熱を開始するときに、熱が前記熱伝導部材によって収納スペース101内に伝導される。前記加熱部材20は、前記熱伝導部材の表面に設けられるか、または前記熱伝導部材の内部に嵌め込まれる。
【0137】
または、任意に、前記支持部材10は、断熱部材としてもよい。この場合、前記加熱部材20は、前記支持部材10の内面に設けられるか、または、前記加熱部材20は、前記支持部材10の外面に設けられ、前記支持部材10の外面には、前記収納スペース101に連通した熱伝導孔102が設けられる。具体的には、
図7および
図8に示すように、前記支持部材10は、複数の熱伝導孔102(通し穴)が表面に設けられたプラスチック材としてもよく、前記加熱部材20を電源に接続し発熱を開始するときに、熱が各熱伝導孔102によって収納スペース101内に伝導される。電池の予熱は、一般に、その内部温度を5度(この温度値は、ユーザの必要に応じて設定する)以上高める、またはやや高い温度に高めるだけでよく、大きな熱の上昇が可能な加熱部材20は必要とせず、プラスチック材などの支持部材10としての物体を破損することも、過度の電気量を消費することもないことが理解され得る。
【0138】
具体的には、任意に、前記加熱部材20は、加熱膜を含み、かつ前記支持部材10の表面に貼られる。前記加熱膜は、対応する加熱回路、電源インターフェース501を介して、前記収納スペース101における予熱待ちの電池または外付けの電源に電気的に接続することにより、電気加熱を実現する。加熱膜以外に、前記加熱部材20は、さらに加熱線としてもよく、かつ前記支持部材10に巻き付けられる。前記加熱部材20は、異なる位置に設けて予熱の熱をそれぞれ生成するために、加熱膜と加熱線とを同時に含んでもよい。
【0139】
さらに任意に、前記支持部材10は、開口部を有する筐体であり、電池を前記開口部から前記収納スペース101内に収容することができる。
【0140】
さらに任意に、前記電池予熱機器は、保護ケース30をさらに含み、前記支持部材10は、前記保護ケース30内に取り付けられる。前記保護ケース30は、金属またはプラスチック材のケースとしてもよく、前記保護ケース30と支持部材10(または加熱部材20)との間に、前記加熱部材20が生成する温度を最大限に保つ保温層を設けてもよい。
【0141】
さらに任意に、前記電池予熱機器は、保護カバー40をさらに含み、前記保護ケース30には、取付口が設けられ、前記支持部材10は、前記取付口から前記保護ケース30内に収容され、前記保護カバー40は、着脱可能に前記取付口に固定される。
【0142】
さらに任意に、前記保護カバー40は、接続テープによって前記保護ケース30と可撓接続されるか、または、前記保護カバー40は、前記保護ケース30との間で係合接続されるか、または、前記保護カバー40は、前記保護ケース30に回動可能に接続される。
図5および
図8は、保護カバー40と保護ケース30との間の回動接続を実現可能な構造60を示しており、回動接続を実現するための構造60は、回転軸601と、保護カバー40に設けられたボス602と、保護ケース30に設けられた軸筒603を含み、前記回転軸601は、前記ボス602および軸筒603を貫通し、保護カバー40と保護ケース30との間の回動接続を実現する。
【0143】
さらに任意に、前記保護ケース30の内面には、支承部が設けられ、前記支持部材10の開口部の周縁に接続部が設けられ、前記接続部は前記支承部に直接固接されるか、または締結部材を介して固接される。
【0144】
さらに任意に、前記電池予熱機器は、前記支持部材10の開口部の周縁に固定されたインターフェース部材50をさらに含んでもよい。前記インターフェース部材50は、電池の電気インターフェースと挿入接続するための電源インターフェース501を具体的に含んでもよく、前記電源インターフェース501は、前記加熱部材20に電気的に接続される。前記インターフェース部材50は、電池との通信接続に用いられる通信インターフェース502を具体的にさらに含んでもよい。
図8に示すように、電源インターフェース501を前記支持部材10の開口部により良好に固定するため、前記電源インターフェース501上に保護ハウジング503を配置してもよい。
【0145】
さらに具体的には、前記電池予熱機器は、電源アセンブリ03をさらに含んでもよいだけでなく、前記電源アセンブリ03は、前記加熱部材20に電気的に接続され、前記加熱部材20への給電に用いられ、および/または、前記電源アセンブリ03は、前記電源インターフェース501に電気的に接続され、電池の充電に用いられる。
【0146】
さらに、前記電源アセンブリ03は、電源線を介して外部給電電源に接続され、電源を供給する。
【0147】
前記電源アセンブリ03は、電気エネルギーを貯蔵するための組電池とし、充電回路、給電回路、各種保護回路などの対応する回路を含んでもよい。
【0148】
本発明の実施形態は、必要に応じて、電池を予熱することができ、予熱が終了するまで、予熱環境の検出を続けることができ、電池予熱に対する有効性を実現することができるだけでなく、予熱領域の温度に基づき調整を行うことができ、予熱が保証された状況の下で、電気エネルギーを節約し、電池予熱の自動化、インテリジェント化の要求を満たすこともできる。
【0149】
本発明で提供するいくつかの実施形態において、開示されている関連装置および方法は、その他の方式によって実現してもよいことを理解すべきである。例えば、上述した装置の実施形態は、概略的なものに過ぎず、例えば、前記モジュールまたはユニットの区分は、論理的な機能の区分に過ぎず、実際の実現の際には、別の区分方式を有してもよく、例えば、複数のユニットまたはアセンブリを結合するか、または別のシステムに集積してもよく、または一部の特徴を省略しても、実行しなくてもよい。さらに、これまで示されたまたは考察された互いの間の接続または直接接続または通信接続は、いくつかのインターフェース、装置またはユニットの間接接続または通信接続としてもよく、電気的、機械またはその他の形式とすることができる。
【0150】
前記分離部材として説明したユニットは、物理的に分けられたものであっても、または分けられていないものであってもよく、ユニットとして示された部材は、物理的なユニットであっても、またはそうでなくてもよく、すなわち、一つの場所に位置していても、または複数のネットワークユニットに分布していてもよい。実際の必要に応じて、一部または全部のユニットを選択し、本実施形態の手法の目的を実現してもよい。
【0151】
また、本発明の各実施形態における各機能ユニットは、一つの処理ユニットの中に集積しても、各ユニットが単独で物理的に存在しても、複数のユニットを一つのユニットの中に集積してもよい。前記集積されたユニットは、ハードウェアの形式で実現しても、ソフトウェアの機能ユニットの形式で実現してもよい。
【0152】
前記集積されたユニットをソフトウェアの機能ユニットの形式で実現し、独立した製品として販売または使用する場合、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶してもよい。こうした理解に基づき、本発明の技術手法は、実質的に、あるいは従来技術に対して寄与する部分またはこの技術手法の全部もしくは一部に対して、ソフトウェア製品の形式で実現し、コンピュータプロセッサ(processor)に本発明の各実施形態の前記方法の全部または一部のステップを実行させる複数のコマンドを含むこのコンピュータソフトウェア製品を、記憶媒体に記憶してもよい。前記記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、ポータブルハードディスクドライブ、リードオンリーメモリ(ROM,Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM,Random Access Memory)、フロッピーディスクまたは光ディスクなどのプログラムコードを記憶可能な各種媒体を含む。
【0153】
上述したものは、本発明の実施形態に過ぎず、これによって本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、本発明の明細書および図面の内容を用いて行われたすべての同等の構造もしくは同等のフローの変更、またはその他の関連する技術分野に直接もしくは間接的に用いたものは、本発明の特許保護範囲内にいずれも含まれる。