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特許6491690トロリに収容されたトレイ内の製品の直列滅菌凍結乾燥を実現する方法、方法を実施するためのシステム、および方法の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491690
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】トロリに収容されたトレイ内の製品の直列滅菌凍結乾燥を実現する方法、方法を実施するためのシステム、および方法の使用
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/12 20060101AFI20190318BHJP
   F26B 5/06 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   C12M1/12
   F26B5/06
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-98105(P2017-98105)
(22)【出願日】2017年5月17日
(62)【分割の表示】特願2015-563089(P2015-563089)の分割
【原出願日】2013年5月29日
(65)【公開番号】特開2017-163996(P2017-163996A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2017年5月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】509270454
【氏名又は名称】ゲア・プロセス・エンジニアリング・アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】プレダーセン,モルテン・ウルドステド
(72)【発明者】
【氏名】グレンボルグ,クリスティアン
【審査官】 宮岡 真衣
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6173495(JP,B2)
【文献】 特開平08−238054(JP,A)
【文献】 特開2002−130941(JP,A)
【文献】 特許第4850289(JP,B2)
【文献】 Georg-Wilhelm Oetjen, Peter Haseley,2.5 Production Plants for food ,Freeze-Drying,2004年,WILEY-VCH Verlag GmbH&Co. ,p.264-267, Fig. 2.76,XP002719803, ISBN: 978-3-527-30620-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/12
F26B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台のトロリに収容された複数のトレイ内の固形物および水などの溶媒を含有する凍結した製品の直列滅菌凍結乾燥をシステムにて実現する方法であって、前記システムは、
入口端部(11)および出口端部(12)またはドッキングステーションを有する充填ステーション(1)と、
凍結貯蔵庫(2)と、
凍結乾燥機ユニット(3)と、
入口端部(41)および出口端部またはドッキングステーション(42)を有する取出しステーション(4)と、
複数のトレイ(8)と、
洗浄滅菌ユニット(5)と
を備え、
前記システムは、前記複数のトレイ(8)を収容するために複数のトロリ(9)を備え、
前記取出しステーション(4)の前記出口端部(42)と前記充填ステーション(1)の前記入口端部(11)との間に、前記トレイを含む前記トロリのための前記洗浄滅菌ユニット(5)が設けられ、
前記凍結乾燥機ユニット(3)は、CIP及び滅菌手順を受けることを特徴とし、
前記方法は、
i.充填ステーションにおいて前記複数のトレイに凍結した前記製品を充填するステップと、
ii.凍結貯蔵庫において前記製品および前記複数のトレイの温度を低下させるステップと、
iii.前記複数のトレイを前記凍結貯蔵庫から当該凍結貯蔵庫とは異なる凍結乾燥機ユニットへ移動させ、前記凍結乾燥機ユニットにおいて前記製品を前記溶媒の三重点よりも低い圧力および温度に至らせるステップと、
iv.前記凍結乾燥機ユニットにおいて前記圧力下を維持しそれにより蒸気として前記溶媒を除去することによって凍結乾燥した製品を提供するステップと、
v.前記凍結乾燥した製品を前記三重点よりも高い温度および圧力に至らせるステップと、
vi.前記複数のトレイから前記製品を取り出すステップと、
vii.前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリを滅菌するステップと、
viii.前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリを前記充填ステーションに運び込むステップと
を含み、
前記凍結乾燥機ユニットが、ステップiii.またはiv.の前に滅菌され
前記凍結乾燥が、0.5kg/m/h以上の平均昇華速度で行われる、方法。
【請求項2】
前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリが、ステップi.の前に冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリが、ステップi.の後で凍結貯蔵庫に運ばれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリが、ステップi.の前に前記凍結貯蔵庫において冷却される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリが、ステップi.の前に補足的な凍結貯蔵庫に運ばれる、請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記充填ステーションが、ステップi.の前に滅菌される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記凍結貯蔵庫および/または前記補足的な凍結貯蔵庫が、ステップi.の前に滅菌される、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
クリーンルーム内でステップi.からviii.を提供する追加的なステップを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記凍結乾燥が、0.1〜0.25mbarの圧力において行われる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記凍結乾燥が、0.1〜0.2mbarの圧力において行われる、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップvii.が、洗浄滅菌ユニットにおいて実施される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
プロバイオティクス細菌、乳酸菌、ホエー派生物、酵母菌、細菌培養物から選択された製品を凍結乾燥させるための、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1台のトロリに収容された複数のトレイ内の固形物および水などの溶媒を含有する製品の直列滅菌凍結乾燥を実現する方法に関し、この方法は、i.充填ステーションにおいて複数のトレイに製品を充填するステップと、ii.製品の温度を低下させるステップと、iii.凍結乾燥機ユニットにおいて製品を溶媒の三重点よりも低い圧力および温度に至らせるステップと、iv.凍結乾燥機ユニットにおいて圧力下を維持しそれにより溶媒を除去することによって凍結乾燥された製品を提供するステップと、v.凍結乾燥された製品を三重点よりも高い温度および圧力に至らせるステップと、vi.複数のトレイから製品を取り出すステップとを含む。本発明はさらに、方法を実施するためのシステムと、プロバイオティクス細菌、乳酸菌、ホエー派生物、酵母菌、細菌培養物から選択された製品を凍結乾燥させるための方法の使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
凍結乾燥とは、製品の固形物質とともに存在する溶媒すなわち基本的には水の三重点よりも低い真空において、前もって急速凍結された製品を乾燥させることである。真空により、氷は昇華プロセスにおいて、最初に液体段階を通過することなしに直接に蒸気に変化することが可能になる。このことにより、製品がその元の形状、色、味、および栄養素の大部分を保持することが保証される。
【0003】
基本的に、凍結乾燥処理には、4つの重要なステップが存在する。すなわち、製品を凍結させるステップ、凍結した製品を適切なトレイに装填する(またはその逆)ステップ、真空において製品を凍結乾燥させるステップ、および、その後で乾燥した製品を取り出すステップである。製品またはその特性のさらなる最適化のために、処理にステップを追加することが可能である。
【0004】
生産ラインにおいて製品を乾燥させる2つの基本的な方法が存在する。一方の方法はバッチ操作の形態であって、バッチ凍結乾燥を実施するための装置の一例は、GEA Niro RAY(商標)であり、もう一方の方法は連続操作の形態であり、GEA Niro CONRAD(商標)がその一例である。
【0005】
凍結乾燥処理を通して、製品を取り扱う必要がある。上記の知られた装置の例では、製品は、個々の操作ユニットとの間で出入りされるトレイに装填される。
【0006】
バイオ産業においては、制御された条件下で高品質の製品を提供することへの関心が高まっており、適切な品質の測定、分析、および制御を確立するために、近年の間に多数の指針および規定が定式化されてきた。
【0007】
現在のところ、非連続的システムは比較的遅い処理であり、個々の操作ユニットとの間の製品の装填および取出しにはかなりの時間を必要とする。トレイおよびトロリの取扱いは、部分的に手動での操作で行われる。さらに、運搬ステップ中に製品を解凍させる危険性がある。
【0008】
細菌培養物などのような製品を取り扱う際には、そのようなバイオグレードシステム(biograde system)の要求を満たすために、特別な必要条件が必須である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この背景を踏まえ、本発明の目的は、改善された操作条件を提供すること、および、幅広い種類の製品の取扱いを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、上記およびさらなる目的は、vii.複数のトレイを含む少なくとも1台のトロリを滅菌するステップ、およびviii.複数のトレイを含む少なくとも1台のトロリを充填ステーションに運び込むステップの追加のステップを含む、導入部で述べられた種類の方法によって満たされる。
【0011】
トレイを充填ステーションに運び込むステップの前のステップにおいて、トレイをトロリに入れ、そしてトレイを含む1つまたは複数のトロリを滅菌することにより、凍結乾燥ラインでの製品の半連続的な運搬および取扱いが、滅菌状態下で可能とされる。したがって、本方法は、個々の処理ユニットで処理されるバッチにおける連続操作として説明され得る。乾燥時間は、典型的に、既存の代替形態である典型的な医薬品凍結乾燥処理と比較して半分に短縮され得る。サイクル時間は、トレイを含むトロリ全体を凍結乾燥機ユニット内にすばやく移送するためにトレイ上に装填された凍結した製品をトロリに保存することにより、さらに短縮される。
【0012】
本方法は、バッチ凍結乾燥機ユニットでの乾燥に基づく。トロリとの間のトレイの装填および取出しは、自動的または半自動的に行われ得るので、製品の手動での取扱いを排除するか、少なくとも大幅に減らすことが可能である。トロリ内のトレイに製品が装填されると、それらは、架空レールシステムなどの適切な運搬手段により、自動的に凍結貯蔵庫へ運搬され、さらに、凍結乾燥機ユニット、取出しステーション、および洗浄滅菌ユニットへ運搬される。1つ1つのトレイおよびトロリの唯一の手動運搬は、取出しステーションにおけるものであるが、この操作も同様に自動的または半自動的にすることが考えられる。
【0013】
本文脈において、「滅菌」という用語は、製品の表面に存在するかもしくは製品の残りの部分に含有された様々な形態の微生物(細菌、ウイルス、胞子形態、など)を規則および規定によって必要とされる通りの滅菌水準で排除(除去)するかまたは殺す任意の洗浄処理を含むと見なされる。滅菌の手段は、乾燥(例えば、熱、火炎殺菌、焼却、電子ビーム、X線、ガンマ線、もしくは亜原子粒子、紫外線照射、反応性ガス(例えば、エチレンオキシドなどのアルキル化剤、および、過酸化水素やオゾンなどの酸化剤)、過酸化水素、銀イオン、および銀化合物)条件下であってもよく、または、湿潤(例えば、蒸気、熱、熱および圧力、濾過、エタノール、化学薬品、塩素系漂白剤、グルタルアルデヒド、およびホルムアルデヒド、オルソフタルアルデヒド、過酸化水素)条件下であってもよい。
【0014】
別の態様では、本方法を実施するためのシステムが考案され、この方法は、入口端部および出口端部またはドッキングステーションを有する充填ステーションと、凍結貯蔵庫と、凍結乾燥機ユニットと、入口端部および出口端部またはドッキングステーションを有する取出しステーションと、少なくとも1つのトロリに収容されるように構成された複数のトレイとを備え、前述のシステムは、取出しステーションの出口端部と充填ステーションの入口端部との間に洗浄滅菌ユニットが設けられることを特徴とする。
【0015】
処理ラインに洗浄滅菌ユニットを挿入することにより、空のトレイを含むトロリは、第1のゲートを通して導入されて洗浄および滅菌され、そして第2のゲートから出されて清潔な環境で製品を充填されることができる。したがって、洗浄滅菌ユニットは、堰戸またはロックとして機能し、また、充填ステーションが設置される部屋は、取出しステーショ
ンが設置される部屋とは事実上物理的に接触しない。
【0016】
本発明の利点は、全ての処理ステップを単一のシステムまたはプラントに統合する独特の設計である。このプラントでは、医薬品等級のプラントと比較して、大量の製品を滅菌条件下で凍結乾燥させることができる。
【0017】
本発明の第3の態様では、プロバイオティクス細菌、乳酸菌、ホエー派生物、酵母菌、細菌培養物から選択された製品を凍結乾燥させるための方法の使用が提供される。
【0018】
製品は、例えば、細菌培養物、酵母、酵素、プロバイオティクス、および他の生細胞培養物であり得る。製品の中でも特に適切なものは、衛生的な生産と各バッチ間での交差汚染の防止とが要求される場合の使用のためのものである。高水準の衛生状態は、主要な乳製品原料の生産者によって生産されかつ使用されるプロバイオティクスおよび乳酸菌ならびに様々なホエー派生物などの製品に対して要求される。
【0019】
本発明によるシステムに伴うさらなる利点は、定置洗浄(Clean−In−Place、CIP)が可能であることである。これは多くの用途における要件であって、例えば幼児食業界では、完全にCIP可能なプラントが必要とされる。
【0020】
従属請求項から、また、下記の本方法を実施するための好ましい実施形態および実例の詳細な説明から、さらなる詳細および利点が明らかになる。
本願発明の実施形態は、例えば以下の通りである。
[実施形態1] 少なくとも1台のトロリに収容された複数のトレイ内の固形物および水などの溶媒を含有する製品の直列滅菌凍結乾燥を実現する方法であって、
i.充填ステーションにおいて前記複数のトレイに前記製品を充填するステップと、
ii.前記製品の温度を低下させるステップと、
iii.凍結乾燥機ユニットにおいて前記製品を前記溶媒の三重点よりも低い圧力および温度に至らせるステップと、
iv.前記凍結乾燥機ユニットにおいて前記圧力下を維持しそれにより蒸気として前記溶媒を除去することによって凍結乾燥した製品を提供するステップと、
v.前記凍結乾燥した製品を前記三重点よりも高い温度および圧力に至らせるステップと、
vi.前記複数のトレイから前記製品を取り出すステップと、
vii.前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリを滅菌するステップと、
viii.前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリを前記充填ステーションに運び込むステップと
を含む方法。

[実施形態2] 前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリが、ステップi.の前に冷却される、実施形態1に記載の方法。

[実施形態3] 前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリが、ステップi.の後で凍結貯蔵庫に運ばれる、実施形態1または2に記載の方法。

[実施形態4] 前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリが、ステップi.の前に前記凍結貯蔵庫において冷却される、実施形態2または3に記載の方法。

[実施形態5] 前記複数のトレイを含む前記少なくとも1台のトロリが、ステップi.の前に補足的な凍結貯蔵庫に運ばれる、実施形態2または3に記載の方法。

[実施形態6] 前記充填ステーションが、ステップi.の前に滅菌される、実施形態1から5のいずれか一項に記載の方法。

[実施形態7] 前記凍結乾燥機ユニットが、ステップiii.またはiv.の前に滅菌される、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。

[実施形態8] 前記凍結貯蔵庫および/または前記補足的な凍結貯蔵庫が、ステップi.の前に滅菌される、実施形態4から7のいずれか一項に記載の方法。

[実施形態9] クリーンルーム内でステップi.からviii.を提供する追加的なステップを含む、実施形態1から8のいずれか一項に記載の方法。

[実施形態10] 前記凍結乾燥が、0.1〜0.25mbarの圧力において、好ましくは0.1〜0.2mbarの圧力において行われる、実施形態1から9のいずれか一項に記載の方法。

[実施形態11] 前記凍結乾燥が、0.5kg/m2/h以上の平均昇華速度で行われる、実施形態1から10のいずれか一項に記載の方法。

[実施形態12] ステップvii.が、洗浄滅菌ユニットにおいて実施される、実施形態1から11のいずれか一項に記載の方法。

[実施形態13] 実施形態1から12のいずれか一項に記載の方法を実施するためのシステムであって、
入口端部(11)および出口端部(12)またはドッキングステーションを有する充填ステーション(1)と、
凍結貯蔵庫(2)と、
凍結乾燥機ユニット(3)と、
入口端部(41)および出口端部またはドッキングステーション(42)を有する取出しステーション(4)と、
少なくとも1台のトロリ(9)に収容されるように構成された複数のトレイ(8)と
を備え、
前記取出しステーション(4)の前記出口端部(42)と前記充填ステーション(1)の前記入口端部(11)との間に洗浄滅菌ユニット(5)が設けられることを特徴とする、システム。

[実施形態14] 前記凍結乾燥機ユニット(3)が、入口端部(31)および出口端部(32)を有し、前記入口端部(31)が前記凍結貯蔵庫(2)の出口端部(22)に接続し、前記出口端部(32)が前記取出しステーション(4)の前記入口端部(41)に接続する、実施形態13に記載のシステム。

[実施形態15] 前記凍結貯蔵庫(2)の前記出口端部(22)が、前記充填ステーション(1)の前記入口端部に選択的に接続可能である、実施形態13または14に記載のシステム。

[実施形態16] 前記洗浄滅菌ユニット(5)と前記充填ステーション(1)との間に補足的な凍結貯蔵庫(6)が設けられる、実施形態13または14に記載のシステム。

[実施形態17] 前記取出しステーション(4)の前記出口端部(42)と前記洗浄滅菌ユニット(5)との間にトロリ貯蔵庫(7)が設けられる、実施形態13から16のいずれか一項に記載のシステム。

[実施形態18] 前記洗浄滅菌ユニット(5)が、入口端部(51)および出口端部(52)を有する、実施形態13から17のいずれか一項に記載のシステム。

[実施形態19] 前記洗浄滅菌ユニット(5)の前記入口端部(51)が、前記取出しステーション(4)の前記出口端部(42)に接続する、実施形態18または実施形態13から16のいずれか一項に記載のシステム。

[実施形態20] 前記洗浄滅菌ユニット(5)の前記入口端部(51)が、前記トロリ貯蔵庫(7)の前記出口端部に接続する、実施形態17または18に記載のシステム。

[実施形態21] 前記洗浄滅菌ユニット(5)の前記出口端部(52)が、前記充填ステーション(1)の前記入口端部(11)に接続する、実施形態18から20のいずれか一項に記載のシステム。

[実施形態22] 前記洗浄滅菌ユニット(5)の前記出口端部(52)が、前記補足的な凍結貯蔵庫(6)の前記入口端部に接続する、実施形態16または実施形態18から21のいずれか一項に記載のシステム。

[実施形態23] 前記洗浄滅菌ユニット(5)が、1台から6台のトロリ(9)、好ましくは2台から4台のトロリを収容するように構成される、実施形態13から22のいずれか一項に記載のシステム。

[実施形態24] 前記凍結乾燥機ユニット(3)が、1台から6台のトロリ(9)、好ましくは2台から4台のトロリを収容するように構成される、実施形態13から23のいずれか一項に記載のシステム。

[実施形態25] 前記凍結貯蔵庫(2)が、1台から6台のトロリ(9)、好ましくは2台から4台のトロリを収容するように構成される、実施形態13から24のいずれか一項に記載のシステム。

[実施形態26] 前記凍結乾燥機ユニット(3)および前記洗浄滅菌ユニット(5)の両側上に延在する第1の線(a)と第2の線(b)との間に通り抜け区間が画定され、前記第2の線(b)と第3の線(c)との間に充填区間が画定され、前記第1の線(a)と第4の線(d)との間に取出し区間が画定される、請求項13から25のいずれか一項に記載のシステム。

[実施形態27] 前記通り抜け区間、前記充填区間、および前記取出し区間が、クリーンルーム(10)内に配置される、実施形態26に記載のシステム。

[実施形態28] プロバイオティクス細菌、乳酸菌、ホエー派生物、酵母菌、細菌培養物から選択された製品を凍結乾燥させるための、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法の使用。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明によるシステムの一実施形態の概略図である。
図2】本発明によるシステムの別の実施形態の概略図である。
図3】本発明によるシステムの第3の実施形態の概略図である。
図4】本発明によるシステムの第4の実施形態の概略図である。
図5】本発明の一実施形態におけるシステムの一部を形成するトレイの斜視図である。
図6図6aは、本発明の一実施形態におけるシステムの一部を形成するトロリの側面図である。図6bは、本発明の一実施形態におけるシステムの一部を形成するトロリの正面図である。
図7】本発明の一実施形態におけるシステムの一部を形成する充填ステーションの斜視図である。
図8】本発明の一実施形態におけるシステムの一部を形成する凍結乾燥機ユニットの断面原理図である。
図9】本発明の一実施形態におけるシステムの一部を形成する凍結貯蔵庫の斜視図である。
図10】本発明の一実施形態におけるシステムの一部を形成する洗浄滅菌ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、製品の直列滅菌凍結乾燥を実施するためのシステムの一実施形態が概略的に示されている図1、および、システムの5つの主たる処理ユニットの実施形態を示す図5から10を参照すると、システムは、充填ステーション1、凍結貯蔵庫2、凍結乾燥機ユニット3、取出しステーション4、および洗浄滅菌ユニット5を備える。
【0023】
取出しステーション4は、入口端部41および出口端部42を有し、充填ステーション1も同様に、入口端部11および出口端部12を有する。取出しステーション4はまた、ドッキングステーションを含むように形成されてもよく、これは充填ステーションにも適
用される。そのような構成の適切な詳細設計は、当業者によって容易に考え出されるであろう。洗浄滅菌ユニット5は、取出しステーション4の出口端部42と充填ステーション1の入口端部11との間に直列に設けられる。
【0024】
個々のユニットの入口端部および出口端部をそれぞれ示す参照番号は、図1にのみ示される。他の図面のユニットも同様にそれぞれの入口端部および出口端部を有することは、明らかである。
【0025】
図3および4の概略的な流れ図においては、全ての要素が詳細には示されておらず、したがってこれらの図は、本発明の基本的な原理を示すものである。
【0026】
図1に示された実施形態では、凍結乾燥機ユニット3は、入口端部31および出口端部32を有し、入口端部31は、凍結貯蔵庫2の出口端部22に接続しており、出口端部32は、取出しステーション4の入口端部41に接続している。凍結乾燥機ユニット3は、示された実施形態では、市販のRAY(商標)60として形成される。
【0027】
さらに、凍結貯蔵庫2の出口端部22は、凍結貯蔵庫2内にあるトロリ内のトレイ8が凍結乾燥機ユニット3に案内されるのではなく充填ステーションに戻され得るように、充填ステーション1の入口端部に選択的に接続可能である。
【0028】
その代わりにまたはそれに加えて、図3および4の実施形態に示されるように、洗浄滅菌ユニット5と充填ステーション1との間に補足的な凍結貯蔵庫6が設けられてもよい。
【0029】
さらに、図4に示されるように、取出しステーション4の出口端部42と洗浄滅菌ユニット5との間にトロリ貯蔵庫7が設けられてもよい。
【0030】
図1から4に示された実施形態では、洗浄滅菌ユニット5は、入口端部51および出口端部52を有する。洗浄滅菌ユニット5の入口端部51は、取出しステーション4の出口端部42に接続している。図4の代替実施形態では、洗浄滅菌ユニット5の入口端部は、トロリ貯蔵庫7の出口端部に接続している。洗浄滅菌ユニット5の出口端部52は、充填ステーション1の入口端部11に接続している。
【0031】
あるいは、洗浄滅菌ユニット5の出口端部52は、図3および4の実施形態におけるように、補足的な凍結貯蔵庫6の入口端部に接続する。
【0032】
図1から4の実施形態の全てにおいて、凍結乾燥機ユニット3および洗浄滅菌ユニット5の両側上に延在する第1の線aと第2の線bとの間に通り抜け区間が画定され、第2の線bと第3の線cとの間に充填区間が画定され、第1の線aと第4の線dとの間に取出し区間が画定される。線a〜dは、区間を画定することを対象としたものであるので、例えば物理的な境界線と見なされるべきではない。
【0033】
通り抜け区間は、両端にロックゲートを含む堰戸またはロックとして機能し、したがって、一度に1つのロックゲートのみが開くように滅菌区間として設けられ得る。示された実施形態では、このことは凍結乾燥機ユニット3にも洗浄滅菌ユニット5にも当てはまる。滅菌の程度をさらに高めるため、また、さらなる保護を実現するために、通り抜け区間、充填区間、および取出し区間がクリーンルーム10内に配置される、図2に示されるような実施形態を提供することが考えられる。クリーンルーム10は、例えばISOクラス7のルームであり得る。
【0034】
本発明によれば、少なくとも1台のトロリに収容された複数のトレイ内の固形物および
水などの溶媒を含有する製品の直列滅菌凍結乾燥を実現する方法が考案され、この方法は、
i.充填ステーションにおいて複数のトレイに製品を充填するステップと、
ii.製品の温度を低下させるステップと、
iii.凍結乾燥機ユニットにおいて製品を溶媒の三重点よりも低い圧力および温度に至らせるステップと、
iv.凍結乾燥機ユニットにおいて圧力下を維持しそれにより蒸気として溶媒を除去することによって凍結乾燥した製品を提供するステップと、
v.凍結乾燥した製品を三重点よりも高い温度および圧力に至らせるステップと、
vi.複数のトレイから製品を取り出すステップと、
vii.複数のトレイを含む少なくとも1台のトロリを滅菌するステップと、
viii.複数のトレイを含む少なくとも1台のトロリを充填ステーションに運び込むステップと
を含む。
【0035】
図示されかつ上記で説明された実施形態のシステムでは、ステップiii.およびiv.は、凍結乾燥機ユニット3において行われる。ステップvii.は、示された実施形態では、洗浄滅菌ユニット5において行われる。
【0036】
複数のトレイを含む少なくとも1台のトロリは、図3、ならびに図1および2の選択的経路に示されるように、ステップi.の前に冷却されてもよい。この冷却は、トレイを含むトロリがトレイへの製品の充填なしで経路91を介して充填ステーション1を通過した場合には凍結貯蔵庫2で行われてもよく、トレイを含むトロリはその後で、経路92を介して凍結乾燥機ユニット3の入口端部31にではなく充填ステーション1の入口端部11に選択的に移されるが、この冷却はあるいは、補足的な凍結貯蔵庫6で行われてもよい。
【0037】
いずれにしても、ステップi.に続いて、トレイを含むトロリは、ステップi.の後に凍結貯蔵庫に運ばれる。図示されかつ説明されたシステムの実施形態では、凍結貯蔵庫は凍結貯蔵庫2である。
【0038】
衛生上の理由から、ステップi.の前に充填ステーションが適切な間隔で滅菌されることが有利である。これは、必ずしも毎回の通過後に行われる必要はないが、典型的には、予め定められた洗浄および滅菌計画に従って、または、ある製品から別の製品への処理の変更時に行われる。
【0039】
同様に、ステップiii.もしくはiv.の前に凍結乾燥機ユニット3を滅菌することが望ましくありえ、また、凍結貯蔵庫2および/または補足的な凍結貯蔵庫6も同様にステップi.の前に滅菌され得ることが望ましくあり得る。
【0040】
図2に示されたシステムの実施形態では、クリーンルーム内でステップi.からviii.を提供する追加のステップが存在する。
【0041】
凍結乾燥は任意の適切な圧力で行われてよく、典型的には0.1〜0.25mbarの区間、好ましくは0.1〜0.2mbarの区間内にある。
【0042】
処理速度は、製品および他の条件に依存する。典型的には、凍結乾燥は、0.5kg/m/h以上の平均昇華速度で行われる。
【0043】
個々の操作ユニットにおける製品の処理方法のより詳細な説明が以下に続く。
【0044】
処理の開始に先立ち、複数の凍結乾燥トレイ8が、それぞれのトロリ9内に位置決めされる。システムは典型的には、複数のそのようなトロリを含み、これらのトロリは、操作および運搬中に、それ自体知られた態様で架空レールシステム(図示せず)を走行する。各トレイ8は、平坦であるかまたは乾燥を促すためにフィン付きにされ得る主要部分83と、トレイ8の向かい合う2つの側に位置するトラック部分84とを有する。トレイ寸法のいくつかの典型的な例は、800×1100mm、または550×720mmであり、どちらも高さ40〜50mmである。トレイ8は、トロリ9内で枠93に固定された長手方向に延在するロッドまたはフィンガ94上に収容され、トロリ9はさらに、架空レールシステムところがり係合するためのローラ手段95を備える。
【0045】
図1および2に示された実施形態では、トロリ9内のトレイ8は、その後のトレイ8内への製品の装填中に製品が融解するのを避けるために、凍結貯蔵庫2内に収納されて−40℃未満まで冷却される。
【0046】
トレイ8が冷却されると、トレイ8は、トロリ9から引き出され、場合により充填ステーション1において開いた側を上に向けるためにおそらくは回転されて製品を充填され、図7に示される充填ステーション1においてトロリ9内に1つずつ移動される。この処理は、完全に自動的に行われ得る。
【0047】
トレイ8が所望の程度まで充填されると、トレイ8はトロリ9内に押し戻されて1段持ち上げられ、それにより次のトレイ8が充填されることが可能になる。全てのトレイ8が充填されると、トロリ9に収容されたトレイ8は、凍結貯蔵庫2内に押し戻されて、典型的には−40℃の適切な温度未満で貯蔵される。
【0048】
トロリ9内のトレイ8が凍結貯蔵庫2内にある間に、凍結乾燥機ユニット3は、次のバッチのために準備される。これは、CIPおよび滅菌手順を伴い、また最終的には凍結乾燥機ユニット3のキャビネットを乾燥させてほぼ室温まで冷却することを伴う。
【0049】
凍結乾燥機ユニット3が滅菌および冷却されると、凍結貯蔵庫2の出口端部22に位置する扉が開かれて、トロリ9上のトレイ8が、凍結貯蔵庫2から凍結乾燥機ユニット3の入口端部31に位置する入口ゲートまたは扉を通して凍結乾燥機ユニット3へと迅速に移動される。製品温度プローブが接続され、凍結乾燥機ユニット3の凍結乾燥チャンバが、典型的には約0.3mbarであるが0.1mbarのように低い場合もある凍結乾燥圧力まで空気抜きされる。この操作全体は、15分間未満で行われる。
【0050】
次いで、乾燥中の温度および圧力のために制御システムにおいて選択された処方に従って製品の凍結乾燥が行われ、また、データが記録される。凍結乾燥に由来する蒸気は、チャンバ内の蒸気トラップ上に集められ、蒸気トラップは、低真空を維持しかつエネルギー消費を少なくするために、処理の一部として凍結乾燥中に自動的に除氷される。
【0051】
乾燥サイクルが完了すると、プログラムは自動的に待機モードに進み、この待機モードでは、処理停止が選択されて滅菌フィルタを通して真空が(例えば、窒素または滅菌空気により)解消されるまで、真空が維持されかつ加熱プレートが冷却される。
【0052】
真空が解消されると、凍結乾燥機ユニット3の出口端部32に位置するロックまたは扉が開かれて、トロリ9内のトレイ8が扉を通して迅速に取り出される。扉は、滅菌サイクルが直ちに開始できるように、再び閉じられる。
【0053】
乾燥製品を含むトロリ9内のトレイ8は、1つずつトレイ取出しステーション4内へ移動される。
【0054】
トレイ8は、トロリ9から引き出されて、サイクロンを通じて製品をトレイから貯蔵容器へ吸引することによって空にされる。
【0055】
空にされると、トレイ8は、洗浄のために底面を上に向けるように回転される。
【0056】
トロリ9内の全てのトレイ8が空になると、トロリ9内のトレイ8は、自動滅菌のための洗浄滅菌ユニット5に押し込まれる。
【0057】
トレイ8が空にされている間、凍結乾燥機ユニット3の出口端部32に位置するキャビネット扉が閉じられて、キャビネット、加熱プレート、凝縮器、および除氷容器のCIP/滅菌が開始され得る。次いで、CIPの様々なステップが自動的に制御され、その後に121℃の蒸気による定置滅菌(Sterilization−In−Place、SIP)が続く。CIP/SIPが終了すると、凍結乾燥機ユニット3のキャビネットは、次のバッチが装填される前にキャビネットを乾燥および冷却するために、50mbarまで空気抜きされる。
【0058】
洗浄滅菌ユニット5内のトレイ8およびトロリ9は、同じCIP処理およびSIP処理を受け、ここで、各トレイ8は、キャビネットが滅菌のために加圧されかつ121℃まで加熱される前に、トレイの全ての部品、および摺動表面も完全に洗浄されることを確実にする複数の可動スプレーノズルによって洗浄される。乾燥処理が真空下で再度行われ、室温での短い調温時間の後、トレイおよびトロリは、トレイおよびトロリを冷却するための凍結貯蔵庫内へ装填される準備が整う。
【0059】
凍結貯蔵庫2、および任意の補足的な凍結貯蔵庫6は、冷媒を管状シェル内で循環させることによって低温に保たれ、また、特別な完全に溶接された滑らかな設計は、洗浄用流体が留まって再度凍結したときの膨張により損傷をもたらし得る箇所である割れ目が存在しないように、絶縁体の劣化なしで、各バッチ間に貯蔵庫を洗浄および/または滅菌することを可能にする。洗浄は、例えば引き込み可能なノズルを介して行われ得る。しかし、製品は貯蔵庫の内部には直接接触しないので、そのような洗浄および滅菌は、複数のバッチが通過した後でのみ行われてもよい。
【0060】
本システムの別の便益は、トレイ8が常にトロリ9内に支持されているかまたは取出しステーション4もしくは充填ステーション1内にあるので、トレイ8を手動で持ち上げることがないことである。この最小限で半自動的な取扱いは、肉体労働者の安全に関する欧州の基準や勧告に沿う。
【0061】
処理を通して、凍結乾燥トレイ8およびトロリ9は、これらのステップのそれぞれを経て、そして全サイクルを完了すると、バッチ間での一貫性および追跡可能性が完全になる。設備は、要求される洗浄および滅菌の仕様を満たすことが保証される。
【0062】
本システムの能力は、主要な処理ユニットのそれぞれにおけるモジュールの数、および、同時に処理され得るトロリの数に依存する。
【0063】
目下好ましい実施形態では、洗浄滅菌ユニット5は、1台から6台のトロリ9を収容するように構成され、好ましくは2台から4台のトロリを収容するように構成される。図1および2の実施形態では、2台のトロリが収容されることが示されている。
【0064】
凍結乾燥機ユニット3は、1台から6台のトロリ9を収容するように構成され、好ましくは2台から4台のトロリを収容するように構成される。
【0065】
凍結貯蔵庫2は、1台から6台のトロリ9を収容するように構成され、好ましくは2台から4台のトロリを収容するように構成される。ここでは4台のトロリである。
【0066】
本方法の使用は、基本的に任意の適切な製品に適用され得るが、プロバイオティクス細菌、乳酸菌、ホエー派生物、酵母菌、細菌培養物から選択された製品を凍結乾燥させるのに特に適用され得る。
【実施例】
【0067】
1つの実施例では、図1に示されたようなシステムにおいて本方法を使用することにより、好酸性乳酸桿菌を含む製品が、20%の乾燥物質含有量を有する1000kgのバッチサイズで、0.2mbarで凍結乾燥された。この発明性のある処理の実施例で使用されたトレイ面積は55mであったが、これは平均昇華速度が0.77kg/m/hであったことを意味する。従来技術のプロセスと比較した結果が、以下の表1に示される。
【0068】
【表1】
【0069】
本発明は、図示されかつ上記で説明された実施形態に限定されるものとして見なされるべきではない。添付の特許請求の範囲に記載の範囲内で幾つかの修正および組合せが考えられる。本発明は、速くかつ/または滅菌した製造が必要とされる場合はいつでも、乳製品産業、食品産業、化学製品産業、農業用化学製品産業、バイオ技術産業、製薬産業、および健康管理産業において有利に使用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10