特許第6491737号(P6491737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6491737マルチ電極電気化学セル及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491737
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】マルチ電極電気化学セル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/42 20060101AFI20190318BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20190318BHJP
   H01M 4/46 20060101ALI20190318BHJP
   H01M 4/42 20060101ALI20190318BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20190318BHJP
   H01M 4/40 20060101ALI20190318BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20190318BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20190318BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20190318BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20190318BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   H01M10/42 P
   H01M10/04 Z
   H01M4/46
   H01M4/42
   H01M4/38 Z
   H01M4/40
   H01M10/052
   H01M10/058
   H01M4/587
   H01M2/10 E
   H01M10/48 P
【請求項の数】18
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2017-500067(P2017-500067)
(86)(22)【出願日】2015年7月2日
(65)【公表番号】特表2017-527072(P2017-527072A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(86)【国際出願番号】US2015039008
(87)【国際公開番号】WO2016004320
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2018年5月10日
(31)【優先権主張番号】62/020,337
(32)【優先日】2014年7月2日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512303079
【氏名又は名称】ペリオン テクノロジーズ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100180655
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジェイ イーグルシャム
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エリス ドエ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファ シー フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】クレーグ エム ドウニ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジェー トラハン
【審査官】 永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0009604(US,A1)
【文献】 特開2014−017074(JP,A)
【文献】 特開2013−089363(JP,A)
【文献】 特開2012−178331(JP,A)
【文献】 特開平04−162375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R31/36
H01M2/10
4/00−4/62
10/00−10/48
H02J7/00−7/12
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード電気端子を有し且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極を備える装置において、
前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電気端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極と、
前記装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された回路であって、前記少なくとも一つのゲート電極と前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つとの間の電圧を離電位と比較し、前記少なくとも一つのゲート電極をもはや前記離電位に維持することができないとき、あるセルヘルス事象が発生したと決定するように構成された前記回路と、
前記セルヘルス事象に応答するよう構成された回路と、
を備え、
動作パラメータを測定するように構成された前記回路及び前記セルヘルス事象に応答するよう構成された前記回路の少なくとも一つは、前記カソード電気端子、前記アノード電気端子及び前記ゲート電気端子のすべてと同時に電気通信する、装置。
【請求項2】
前記装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された前記回路は、前記少なくとも一つのゲート電極と前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つとの間の電流を測定し、前記電流が閾値を超えるとき、あるセルヘルス事象が発生したと決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
動作パラメータを測定するように構成された前記回路と前記セルヘルス事象に応答する前記回路は協調して動作するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つのゲート電極は厚さ寸法と厚さ寸法に直角の2次元エリアで規定される平面形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つのゲート電極は前記厚さ寸法に沿ってイオン伝導性であり、前記厚さ寸法に直角の方向に電気伝導性である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つのゲート電極の厚さ寸法に直角の二次元エリア上の任意の2点間で1ヘルツ未満の周波数で測定されるインピーダンスは1メガオーム未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記アノード電極は金属アノードである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記金属アノードはマグネシウム又はマグネシウム含有合金である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記金属アノードは、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、リチウム、ソディウム及び鉛からなる金属群から選ばれる金属又はその金属を含有する合金を含んでいる、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記アノード電極は、変換アノード、インターカレーションホスト、合金反応アノード及び不均化反応アノードからなるグループから選ばれるアノード電極である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記レドックス活性のイオン種はリチウムであり、前記アノードは結晶質炭素、非晶質炭素、Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Al,Si,GE,Sb,Pb,In,Zn,Sn及び2元Me−X化合物からなる材料の群から選ばれる材料を含み、ここでXは硫黄、リン、窒素及び酸素から成る群から選ばれ、MeはMg,Ca,Sr,Ti,Zr,V,NbTa,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Ag,Zn,cd,B,Al,Si,Sn,Ge,Sb,Bi及びその組み合わせから成る群から選ばれる金属を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記アノード電極は温度、電圧、充電速度又はその組み合わせに基づいてめっき状態の下で動作するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも一つのゲート電極は、自立型の伝導性材料及び多孔性及び蛇行性を有する絶縁基板上に堆積された伝導性フィルムから選択した一つを備え、専用のタブを介して外部電気回路に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも一つのゲート電極は、前記少なくとも一つの移動種に対して前記透過性の効率を最大にするのに十分な多孔性を有している、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つのゲート電極は、前記少なくとも一つのゲート電極を通って突出する不均一なモフォロジー特徴部が前記少なくとも一つのゲート電極に電気的に接触する確率を最大にするのに十分な蛇行性を有する多孔性である、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
カソード電気端子を有し且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極を有する二次電気化学セルにおいて、
前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電気端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である前記電解質内の少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極と、
装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された回路であって、前記少なくとも一つのゲート電極と前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つとの間の電圧を離電位と比較し、前記少なくとも一つのゲート電極をもはや前記離電位に維持することができないとき、あるセルヘルス事象が発生したと決定するように構成された前記回路と、
前記セルヘルス事象に応答するよう構成された回路と、
を備え、
動作パラメータを測定するように構成された前記回路及び前記セルヘルス事象に応答するよう構成された前記回路の少なくとも一つは、前記カソード電気端子、前記アノード電気端子及び前記ゲート電気端子のすべてと同時に電気通信する、二次電気化学セル。
【請求項17】
カソード電気端子を有するカソード電極を設けるステップと、
アノード電気端子を有するアノード電極を設けるステップと、
前記カソード電極及び前記アノード電極と電気化学連通する電解質を設けるステップと、
前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電気端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極を設けるステップと、
装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された回路であって、前記少なくとも一つのゲート電極と前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つとの間の電圧を離電位と比較し、前記少なくとも一つのゲート電極をもはや前記離電位に維持することができないとき、あるセルヘルス事象が発生したと決定するように構成された前記回路を設けるステップと、
前記セルヘルス事象に応答するよう構成された回路を設けるステップと、
を備え、
動作パラメータを測定するように構成された前記回路及び前記セルヘルス事象に応答するよう構成された前記回路の少なくとも一つは、前記カソード電気端子、前記アノード電気端子及び前記ゲート電気端子のすべてと同時に電気通信する電気化学装置の製造方法。
【請求項18】
カソード電気端子を有するカソード電極を設けるステップと、
アノード電気端子を有するアノード電極を設けるステップと、
前記カソード電極及び前記アノード電極と電気化学連通する電解質を設けるステップと、
前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電気端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極を設けるステップと、
装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された回路であって、前記少なくとも一つのゲート電極と前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つとの間の電圧を離電位と比較し、前記少なくとも一つのゲート電極をもはや前記離電位に維持することができないとき、あるセルヘルス事象が発生したと決定するように構成された前記回路を設けるステップと、
前記セルヘルス事象に応答するよう構成された回路を設けるステップと、
動作パラメータを測定するように構成された前記回路があるセルヘルス事象が発生したと決定するときに、前記セルヘルス事象に応答するよう構成された前記回路が前記装置を正常な動作状態に戻すように電気化学装置を動作させるステップと、
を備え、
前記装置の動作中に、動作パラメータを測定するように構成された前記回路及び前記セルヘルス事象に応答するよう構成された前記回路の少なくとも一つは、前記カソード電気端子、前記アノード電気端子及び前記ゲート電気端子のすべてと同時に電気通信する電気化学装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2014年7月2日に出願された米国同時継続仮特許出願第62/020,337号の優先権及び権利を主張するものであり、この仮特許出願は参照することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は一般に電気化学セルに関し、特に2以上の電極を有する電気化学セルに関する。
【背景技術】
【0003】
高容量で高信頼性の二次(再充電可能な)電気化学セル及び電池はモバイル電子機器の向上に極めて重要であり、輸送及びエネルギー貯蔵用途において大きな役割を演じるので、これらの分野で益々重要になってきている。現在の商用二次セル及びこれらのセルから構成される電池の重要なケミストリはLiイオン、鉛酸(Pb酸)、ニッケル金属水素化物(NIMH)及びZn空気を含む。
【0004】
Mgベースの二次セルは、金属ベースであろうと他の電極タイプであろうと、既存のセルタイプに対して重量及び体積測定エネルギー密度の増加という潜在的な改善をもたらすものとして出現している。MgセルはLiイオンの250Wh/Kgに対して500Wh/Kgに近づくことが期待されている。同様に、MgセルはLiイオンの800Wh/Lに対して1600Wh/Lに近づくことが期待されている。更に、マグネシウムは地球上で最も豊富な元素であり、リチウムよりはるかに希少でない。同時に、マグネシウムは取扱いが容易で安全であり、リチウムを用いるセルと同じ又は類似の製造技術を用いてセルに組み込むことができる。これらのセルのすべての開発における重要な問題は、電気化学的に活性な種が電気化学セルの至るところで再分布される充電−放電サイクル中に生じるセルモフォロジー及びポテンシャル分布の進行中の漸進的変化を制御し得ないことに起因する。特に、Mg,Pb,Li及びZn−空気セル等のアノードはアノードの電気化学サイクル中に不均一なモフォロジーの発生を被り得る。不均一なモフォロジーは、デンドライト(樹枝状結晶)、ウィスカー(ひげ状結晶)、アスペリティ(ぎざぎざ結晶)などと称され、それらが十分成長して電気化学セルの電極間に電気的接続を生成するとき破壊的で危険な内部短絡を直ちに生じ得る。この問題は特に金属アノードセルのサイクル寿命の悩みの種であり、金属電極の潜在的な利点にもかかわらず、業界はこれらの問題を解消するために多くの一般的に使用されているセルタイプの非金属電極を使用しているが、それでもこれらの問題が完全には解消されていない。不均一なモフォロジーは2つの関連プロセスによって長期的な容量減衰も生じる。第1に、電極と電解質の間の大きな表面積の界面が電解質との寄生の反応又は予期せぬ反応により多量の分解生成物(一般「固体電解質界面相」と称される」を形成する。Li金属アノードの場合には、電解質のこれらの副反応は「モッシー状Li堆積」を形成する。第2に、セルの剥離サイクルが細かく分割され電気的に絶縁された金属を残し得る(Li金属技術の開発において「デッドリチウム」問題として知られている)。更に、負電極の活性電極材料の量に対する正電極の活性電極材料の不平衡も好ましくない金属又は金属化合物の蓄積を増加し得る。従って、再充電可能な電池は不適切な電気的又は熱的状態を受けた場合に熱暴走、セル破壊、発火又は爆発などの不幸な事態に見舞われる。
【0005】
現在の主な方法の一つの方法は、インターカレーションホストとして動作する電極を構成すること、又は合金化、転換及び不均化反応によって、単に金属電極の使用を全く避けるものである。この技術はセルのエネルギー密度を犠牲にして直接金属表面を除去することを目的としている。それにもかかわらず、インターカレーションホストの使用、又は合金化、転換及び不均化反応は、依然として所定の動作状態の下で最終的に電極表面上に堆積される物質をセル内にもたらし得る。更に、金属アノードの使用を回避することは今ではLiイオン電池を超える最も期待できる次世代ケミストリの一つとして広く認知されているMgセルの実装を禁止する可能性が非常に高い。
【0006】
金属電極の劣化を防止する別の方法は、電解質と接触する電極の表面上にセラミック又はポリマ等のイオン的に伝導性であるが電気的に絶縁性のコーティングを設けるものである。しかしながら、コーティングに小さくても欠陥が存在すれば、電解質が電極と直接接触することができ、この方法は役に立たない。更に、この文献では所定のコーティングは表面堆積を防止すると主張されているが、以下に提示される実験室測定はこれらの主張は再現性がないことを示し、表面プレーティングは不均一なモフォロジーをコーティング上に生じ、その有用性を損なう。
【0007】
大部分の電気化学セルは2つの電極、カソードとアノード、を有するのみである。しかしながら、第3の受動「参照」電極が当該分野において周知であり、モニタリングのために研究室セルにも商用セルにも広く使用されている。これらの参照電極はセルの動作に何の影響も与えないように且つセルの性能維持に何の役割も果たさないように制御される。その役割は有意の電流を駆動するのではなく電気化学セルをモニタすることにあるため、この参照電極は一般に2つの「作用電極」よりはるかに小さく、セルの能動領域の小部分を覆うだけである。如何なる可能な影響又は作用電極との干渉を制限するために、参照電極は多くの場合カソード/セパレータ/アノードの積層体の外側に、電解質とのイオン接触を維持しながら置かれる。同様に、セル性能を作用電極との相互作用なしで精密に測定するために、参照電極を流れる電流は典型的には作用電極を流れる電流の1〜1000ppmの範囲内である。
【0008】
参照電極の使用に加えて、セル内の第3電極に対するいくつかの提案がなされており、それらのいくつかを以下で検討する。
【0009】
特許文献1が従来知られており、この文献には、プラチナ又はパラジウムの補助電極を鉛酸電池の電解質内に浸漬し、電池の負極板に接続するため、この電池はフロートサービスで使用されるとき、補助電極で水素を発生し、水素発生に等価な寄生電流が電池の正極板への電流を増加することが開示されている。
【0010】
特許文献2も従来知られており、この文献には、電池セルのアノード及びカソード区分などの電極区分が露出区分を有する電流コレクタを含むことを開示している。露出区分はタブを構成するスリットを含んでいる。これらのタブは電極区分間の接続部を形成するように一緒にスポット溶接することができる。
【0011】
特許文献3も従来知られており、この文献には、第1及び第2の電極と、それらの間に配置された個体ポリマ電解質とを備える電気化学セルが開示されている。それらの電極は同じ又は異なる材料とすることができ、ルテニウム、イリジウム、コバルト、タングステン、バナジウム、鉄、モリブデン、ハフニウム、ニッケル、銀、亜鉛、及びそれらの組み合わせで製造することができる。個体ポリマ電解質はアノード及びカソードの両方と密接に接触し、電解質活性種が分散されたポリマ支持構造からなる。ポリマ支持構造は好ましくは多層支持体であり、少なくとも第1の層はポリベンゾイミダゾールからなり、少なくとも第2の層は例えばポリビニルアルコールからなる。
【0012】
特許文献4も従来知られており、この文献には、セル充電電圧アダプタ回路と、セルの外部にこのような回路を含む電池及びセル積層アセンブリが開示されており、その充電回路は接続端子の一つと出力端子の一つとの間に接続された可変抵抗と、接続端子間に接続され、接続端子間の電圧と公称電圧との比較結果に応じて可変抵抗を制御する比較手段とを含む。
【0013】
特許文献5も従来知られており、この文献には、少なくとも一つのリチウムインターカレーティング炭素含有負電極と、非水性リチウムイオン伝導性電解質と、遷移金属のリチウム含有カルコゲン化合物を含む少なくとも一つのリチウムインターカレーティング正電極を備える二次リチウムイオンセルが開示されている。リチウム含有補助電極が二次リチウムイオンセルの不可逆容量損を補償するためにセル内に配置される。
【0014】
特許文献6も従来知られており、この文献には、ランタンニッケル化合物と少なくとも一つの金属混合物の層で被覆された支持構造を備える金属−空気トライセル用の第3電極が開示され、前記混合物は接着剤を用いずに支持構造に付着される。別の実施形態では、この発明は、空気電極、金属電極及び第3電極を備える金属空気セルに関し、第3電極はランタンニッケル化合物と少なくとも一つの金属混合物で被覆された支持構造を備え、前記化合物は接着剤を用いずに支持構造に付着される。更に、この発明は金属空気セル用の第3電極を形成する方法にも関し、該方法は(A)ランタンニッケル化合物と少なくとも一つの金属酸化物の混合物を支持構造に被着して被覆支持構造を生成するステップと、(B)被覆支持構造を加熱してそのランタンニッケル化合物/金属酸化物混合物内に存在する金属酸化物をその対応する金属に還元し、その混合物を支持構造に付着させ、接着剤フリーの第3電極を生成するステップを備える。
【0015】
特許文献7も従来知られており、この文献には、高速放電能力を向上させるために大きな電極界面表面積を有する電気化学電池セルが開示され、その電極の形状は大量生産に適した高速度で高品質且つ高信頼度のセルの製造を容易にする。個体電極の界面表面は界面表面積を増大する放射状に延びるローブを有する。ローブはとがった角を持たず、ローブ間に形成される凹面部は広く拡開し、セパレータの組み立て及びその凹面部への他の電極の挿入を容易にし、セパレータと電極との間に空隙を残すことはない。
【0016】
特許文献8も従来知られており、この文献には、燃料電池又はセル用の第3電極フレーム構造を提供することが開示されている。この第3電極フレーム構造は、第1電極と、第1電極の外周辺に置かれたセパレータと、セパレータに結合された第3フレーム電極を含み得る。セパレータは第1電極と第3フレーム電極との間の同一平面内に位置し得る。
【0017】
特許文献9も従来知られており、この文献にはリチウムイオン電池セルが開示され、この電池セルは各自活性物質、不活性物質、電解質及び電流コレクタを含む少なくとも2つの作用電極と、どの作用電極もセル内で電気的に接続されないように少なくとも2つの作用電極を分離するために少なくとも2つの作用電極の間に配置された第1セパレータ領域と、リチウム貯蔵部を含む補助電極と、どの作用電極もセル内で補助電極に電気的に接続されないように補助電極を作用電極から分離するために補助電極と少なくとも2つの作用電極との間に配置された第2セパレータ領域とを含む。
【0018】
特許文献10も従来知られており、この文献には二次電池が開示され、この電池は内部積層電極と、内部積層電極の少なくとも一端上に置かれた少なくとも一つの最外側電極を備える電極アセンブリと、電極アセンブリを収容するように構成されたケースとを備える。少なくとも一つの最外側電極は不活性物質を備える。
【0019】
セルケミストリをモニタするために追加の電極を使用する技術も従来知られている。例えば、特許文献11に、急速放電/充電時に温度上昇(熱の発生)を正確に測定できる二次電池及びこの二次電池を用いて低い抵抗値を実現しながら容易に構成できる電池が開示されている。フラット積層フィルム二次電池の正及び負電極端子とは別に、それに垂直に第3端子が固定される。この第3端子は二次電池(1)を構成する電力発生要素本体の電極電流収集部と接続され、正及び負電極端子のいずれか一つの電位に等しい電位が与えられる。二次電池の内部温度は第3端子の温度を測定することによって決定され、セル平衡回路などが第3端子と接続される。電池は正及び負電極端子を直接直列に接続することによって構成される。
【0020】
特許文献12も従来知られており、この文献には、電解質、カソード、アノード及び補助電極を備える3次元二次電池セルが開示されている。カソード、アノード及び補助電極は電解質と接触する表面を有する。アノード及びカソードは電解的に結合される。補助電極はアノード及びカソードの少なくとも一つに電解的にかつ電気的に結合される。特許文献12によれば、電気的に結合されるとはワイヤ、トレース又は他の接続要素により直接又は間接的に直列に接続することを意味する。補助電極の表面と結合されたカソード又はアノードの表面との間の平均距離は約1ミクロンから約10000ミクロンの間である。特許文献12によれば、この平均距離は結合されたカソード又はアノードのすべての点から補助電極へのイオン移動の最短距離の平均を意味する。
【0021】
特許文献13も従来知られており、この文献には、電気化学貯蔵及び変換などの様々な用途に有用な電気的、機械的及び化学的特性を提供する電気化学システム用のセパレータシステムが開示されている。様々な実施形態はデンドライト形成を管理し制御し、シリコンアノードベース電池、空気カソードベース電池、レドックスフロー電池、個体電解質ベースシステム、燃料セル、フロー電池及び半固体電池などの電気化学セルのサイクル寿命及び速度能力を改善するのに有用な構造的、物理的及び静電的属性を提供する。開示のセパレータは優れたイオン輸送特性を支持する多層の多孔性形状を含み、デンドライトにより生じる機械的故障、短絡又は熱暴走を防止し、また向上した電極伝導性及び電界の均一性をもたらす障壁を提供する。開示のセパレータは、固体電解質硬度及び安全性を提供する支持メッシュ又はファイバシステムを有する複合個体電解質を含み、支持メッシュ又はファイバはピンホールの生成又は任意選択のクラックの生成なしで薄い固体電解質に要求される強靭性及び長い寿命を有する。
【0022】
特許文献14も従来知られており、この文献には、金属異物の含有に起因する内部短絡を高い感度で早期に検出できるイオンリチウム電池を提供することが開示されている。また、その製造方法も開示されている。そのリチウムイオン電池は、正電極(16)、負電極(15)及び電解質を備え、更に正電極と負電極との間に電気伝導層(4)を有する電気絶縁層(3)を備える。正電極(16)と電気伝導層(4)との間に電圧を供給し、正電極(16)と電気伝導層(4)との間の電流及び電位差を測定することによって、正電極と電気伝導層との間の短絡が正電極と負電極との間の短絡より早く発生するために、リチウムイオン電池の内部短絡の発生の可能性を高い感度で早期に発見できる。
【0023】
特許文献15も従来知られており、この文献には、(1)正電極と、(2)負電極と、(3)少なくとも一つの機能層を含むセパレータと、(4)前記少なくとも一つの機能層に接続され、電池の内部状態をモニタするセンサを含む電池が開示されている。
【0024】
不均一なモフォロジー特徴部の存在及び形成が電気化学セルの最も深刻な問題の一つであり、特に携帯電話、グリッド通信システム、テレメトリーシステム、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、バックアップ電力システム、カメラ、空中ドローン、アラームシステム、火災検出システム、パーソナルフィットネスセンサ、電動工具、電子機器、楽器、飛行機、自動車、衛星及び同様の要件を有する多くの他の機器に使用される小型の電池においてそうであることは十分に認知されている。しかし残念ながら、このようなセルの不均一なモフォロジー特徴部の管理はほとんど進歩していない。実際上、インターカレート電極の採用の主な要因は不均一な形態学的特徴の形成を抑制することにあるが、このような電極の採用はエネルギー密度を犠牲にすることになる。
【0025】
更に、不均一なモフォロジー特徴部はインターカレート電極を利用するセルでも共通の故障モードであることは周知である。特に、Liイオンセルでは、アノード(黒鉛、ケイ素又は錫を含むアノードを含むがこれに限定されない)がLi金属めっき電位に近い電位でLiを組み込む場合、不均一なモフォロジー特徴部が低温サイクリング、過剰充電(高すぎる電位まで又は速すぎる充電)又はその組み合わせに起因して発生し得る(例えば、非特許文献1参照)。従って、不均一モフォルジー特徴のリスクは通常のインターカレーションアノードLiイオン電池の性能の最大の制限因子であり、特に充電プロファイル、充電速度及び動作温度範囲を制限することが知られている。
【0026】
金属又は他の物質の堆積の有害な影響のいくつかのより一般的な説明は、アノード又はカソード電極が電池に最初に与えられた電極の寸法から形が歪められ、変形され、例えば凹凸またはその他の変化が不均一なモフォロジー特徴部をもたらし、電池の望ましい動作に悪影響を与え得るというものである。
【0027】
電極のモフォロジー変化の望ましくない発生を制御し得るシステム及び方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】米国特許第4,349,614号(1982年9月14日に発行されたWerthの特許、1982年9月22日に欧州特許出願公開第EP00640642号としても公開されている)
【特許文献2】米国特許第5,585,206号(1996年12月17日に発行されたMorrisの特許)
【特許文献3】米国特許第5,688,614号(1997年11月18日に発行されたLi他の特許)
【特許文献4】米国特許第6,002,239号(1999年12月14日に発行されたMaloizelの特許)
【特許文献5】米国特許第6,335,115号(2002年1月1日に発行されたMessenerの特許)
【特許文献6】米国特許第6,383,675号(2002年5月7日に発行されたZhongの特許)
【特許文献7】米国特許第6,869,727号(2005年3月22日に発行されたSlezakの特許)
【特許文献8】米国特許出願公開第2007/0141432A1号(2010年12月7日に公開されたWang他の特許)
【特許文献9】米国特許第7,846,571号(2010年12月7日に発行されたChristensen他の特許)
【特許文献10】米国特許出願公開第2011/0217588A1号(2011年11月8日に公開されたRoh他の特許)
【特許文献11】米国特許第8,017,260号(2011年9月13日に発行された金田他の特許)
【特許文献12】米国特許第8,119,269号(2012年2月21日に発行されたRamasubramanian他の特許)
【特許文献13】米国特許出願公開第2013/224632A1号(2013年8月29日に公開されたRoumiの特許)
【特許文献14】韓国特許第101375422号(2014年3月17日に発行された野口の特許、日本国特許出願第2009/281122号の優先権を主張し、20011年6月16日にWO2011/070712A1として公開されている)
【特許文献15】米国特許出願公開第2014/0329130号(2014年11月6日に公開されたCui他の特許、同時にWO2014/179725A1として公開されている)
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】Adam Heller, The G. S. Yuasa-Boeing 787 Li-ion Battery: Test It at a Low Temperature and Keep It Warm in Flight, The Electrochemical Society Interface Summer 2013, page 35, Published online March 25, 2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
全体としてみると、本開示は念願の要求及び商業的に有益な目標、即ち小型二次電池に非金属又は金属作用電極(又は金属電位の近くで動作する電極)の何れかを使用し、不均一な電極モフォロジーの発生により損傷されることなく延長された充電−放電サイクル数に亘って動作し続けることを可能にする道を開くものである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
一つの態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有し且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極を備える装置において、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電気端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス(酸化還元)活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極と、前記装置の動作パラメータを能動的に制御するよう構成された制御回路を備える装置に関する。
【0032】
別の態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有し且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電極端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極を有する二次電気化学セルにおいて、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電気端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である前記電解質内の少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極と、前記装置の動作パラメータを能動的に制御するよう構成された制御回路を備える二次電気化学セルに関する。
【0033】
一態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有し且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極を備える装置において、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電極端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極と、前記装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された回路と、前記セルヘルス事象に応答するよう構成された回路を備える装置に関する。
【0034】
別の態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有し且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極を有する二次電気化学セルにおいて、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電極端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である前記電解質内の少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極と、前記装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された回路と、前記セルヘルス事象に応答するよう構成された回路を備える二次電気化学セルに関する。
【0035】
一実施形態において、前記制御回路は前記少なくとも一つのゲート電極の電圧を前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つに対して所定の電圧値に設定するよう構成されている。
【0036】
別の実施形態において、前記所定の電圧値は前記少なくとも一つの移動種に由来するめっき金属を剥離するのに十分である。
【0037】
更に別の実施形態において、前記所定の電圧値は不均一なモフォロジー特徴部の形成電位である。
【0038】
更に別の実施形態において、前記制御回路は前記少なくとも一つのゲート電極と前記アノード電極との間の電流を閾値電流未満に維持するように構成されている。
【0039】
別の実施形態において、前記制御回路は、前記装置を流れる電流を前記少なくとも一つのゲート電極と前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つとの間で測定される電圧、インピーダンス及び電流の少なくとも一つに基づいて制御するよう構成されている。
【0040】
一実施形態において、前記装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された前記回路は、前記少なくとも一つのゲート電極と前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つとの間の電流を測定し、前記電流が閾値を超えるとき、あるセルヘルス事象が発生したと決定するように構成されている。
【0041】
別の実施形態において、前記装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された前記回路は、前記少なくとも一つのゲート電極と前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つとの間の電圧を所定の電圧値と比較し、前記少なくとも一つのゲート電極をもはや前記所定の電圧値に維持することができないとき、あるセルヘルス事象が発生したと決定するように構成されている。
【0042】
更に別の実施形態において、動作パラメータを測定するように構成された前記回路と前記セルヘルス事象に応答する前記回路は協調して動作するように構成されている。
【0043】
一実施形態において、前記所定の電圧値は不均一なモフォロジー特徴部の形成電位である。
【0044】
他の実施形態において、前記装置は二次電気化学セルである。
【0045】
更に他の実施形態において、前記少なくとも一つのゲート電極は厚さ寸法と厚さ寸法に直角の2次元エリアで規定される平面形状である。
【0046】
追加の実施形態において、前記少なくとも一つのゲート電極は前記厚さ寸法に沿ってイオン伝導性であり、前記厚さ寸法に直角の方向に電気伝導性である。
【0047】
一以上の実施形態において、前記少なくとも一つのゲート電極の前記厚さ寸法に直角の二次元エリア上の任意の2点間で1ヘルツ未満の周波数で測定されるインピーダンスは1メガオーム未満である。
【0048】
更に他の実施形態において、前記アノード電極は金属アノードである。
【0049】
一実施形態において、前記金属アノードはマグネシウム又はマグネシウム含有合金である。
【0050】
別の実施形態において、前記金属アノードは、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、リチウム、ソディウム及び鉛からなる金属群から選ばれる金属又はその金属を含有する合金を含んでいる。
【0051】
更に別の実施形態において、前記金属アノードは、変換アノード、インターカレーションホスト、合金化反応アノード及び不均化反応アノードからなるグループから選ばれるアノード電極である。
【0052】
更に別の実施形態において、前記レドックス活性イオン種はリチウムであり、前記アノードは結晶質炭素、非晶質炭素、Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Al,Si,GE,Sb,Pb,In,Zn,Sn及び2元Me−X化合物からなる材料の群から選ばれる材料を含み、ここでXは硫黄、リン、窒素及び酸素から成る群から選ばれ、MeはMg,Ca,Sr,Ti,Zr,V,NbTa,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Ag,Zn,cd,B,Al,Si,Sn,Ge,Sb,Bi及びそれらの組み合わせから成る群から選ばれる金属を含んでいる。
【0053】
他の実施形態において、前記アノード電極は温度、電圧、充電速度又はその組み合わせに基づいてめっき状態の下で動作するように構成されている。
【0054】
更に他の実施形態において、前記少なくとも一つのゲート電極は、自立型の電気伝導性材料及び多孔性及び蛇行性を有する絶縁基板上に堆積された電気伝導性フィルムから選択した一つを備え、専用のタブを介して外部電気回路に接続されている。
【0055】
追加の実施形態において、前記少なくとも一つのゲート電極は、前記少なくとも一つの移動種に対して前記透過性の効率を最大にするのに十分な多孔性を有している。
【0056】
一以上の実施形態において、前記少なくとも一つのゲート電極は、前記少なくとも一つのゲート電極を通って突出する不均一なモフォロジー特徴部が前記少なくとも一つのゲート電極に電気的に接触する確率を最小にするのに十分な蛇行性を有する多孔性である。
【0057】
更に別の態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有するカソード電極を設けるステップと、アノード電気端子を有するアノード電極を設けるステップと、前記カソード電極及び前記アノード電極と電気化学連通する電解質を設けるステップと、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電気端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス(酸化還元)活性である前記アノード電極内の少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極を設けるステップと、前記装置の動作パラメータを能動的に制御するよう構成された制御回路を設けるステップと、を備える電気化学装置の製造方法に関する。
【0058】
更に別の態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有するカソード電極を設けるステップと、アノード電気端子を有するアノード電極を設けるステップと、前記カソード電極及び前記アノード電極と電気化学連通する電解質を設けるステップと、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電気端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極を設けるステップと、前記装置の動作パラメータを能動的に制御するよう構成された制御回路を設けるステップと、を備える二次電気化学セルの製造方法に関する。
【0059】
他の態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有するカソード電極を設けるステップと、アノード電気端子を有するアノード電極を設けるステップと、前記カソード電極及び前記アノード電極と電気化学連通する電解質を設けるステップと、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電極端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である前記アノード電極内の少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極を設けるステップと、前記装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された回路を設けるステップと、前記セルヘルス事象に応答するよう構成された回路を設けるステップと、を備える電気化学装置の製造方法に関する。
【0060】
他の態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有するカソード電極を設けるステップと、アノード電気端子を有するアノード電極を設けるステップと、
前記カソード電極及び前記アノード電極と電気化学連通する電解質を設けるステップと、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電極端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極を設けるステップと、前記装置の動作パラメータを測定し、あるセルヘルス事象が発生するときを決定するよう構成された回路を設けるステップと、前記セルヘルス事象に応答するよう構成された回路を設けるステップと、を備える電気化学装置の製造方法に関する。
【0061】
一態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有し且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極を備える装置において、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電気端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス(酸化還元)活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極と、前記カソード電極及び前記アノード電極に電気的に接続される不均一なモフォロジー特徴部を剥離するのに十分な電流を前記ゲート電極に供給するように構成された剥離回路と、を備えた装置を特徴とする。
【0062】
一実施形態において、前記ゲート電極は厚さ寸法と前記厚さ寸法に直角の二次元エリアで規定される平面形状である。
【0063】
別の実施形態において、前記アノードは金属アノードである。
【0064】
更に別の実施形態において、前記金属アノードはマグネシウム又はマグネシウム含有合金である。
【0065】
更に別の実施形態において、前記金属アノードは、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、リチウム、ソディウム及び鉛からなる金属群から選ばれる金属又はその金属を含有する合金を含んでいる。
【0066】
他の実施形態において、前記アノードは、不均一なモフォロジー特徴部形成電位の0.1V〜1.2Vの範囲内の反応電圧を有する。
【0067】
更に他の実施形態において、前記アノードは変換アノードである。
【0068】
追加の実施形態において、前記アノードはインター化レーションホストである。
【0069】
一以上の実施形態において、前記アノードは合金化反応アノードである。
【0070】
更に他の実施形態において、前記アノードは不均化反応アノードである。
【0071】
一実施形態において、前記レドックス活性イオン種はリチウムであり、前記アノードは結晶質炭素、非晶質炭素、Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Al,Si,GE,Sb,Pb,In,Zn,Sn及び2元Me−X化合物からなる材料の群から選ばれる材料を含み、ここでXは硫黄、リン、窒素及び酸素から成る群から選ばれ、MeはMg,Ca,Sr,Ti,Zr,V,NbTa,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Ag,Zn,cd,B,Al,Si,Sn,Ge,Sb,Bi及びそれらの組み合わせから成る群から選ばれる金属を含んでいる。
【0072】
別の実施形態において、前記アノードは温度、電圧、充電速度又はその組み合わせに基づいてめっき状態の下で動作する。
【0073】
更に別の実施形態において、前記少なくとも一つのゲート電極は前記厚さ寸法に沿ってイオン伝導性であり、前記厚さ寸法に直角の方向に電気伝導性である。
【0074】
更に別の実施形態において、前記少なくとも一つのゲート電極は、自立型の電気伝導性材料及び多孔性及び蛇行性を有する絶縁基板上に堆積された電気伝導性フィルムから選択した一つを備え、専用のタブを介して外部電気回路に接続されている。
【0075】
他の実施形態において、前記ゲート電極は、前記少なくとも一つの移動種に対して前記透過性の効率を最大にするのに十分な多孔性を有している。
【0076】
更に他の実施形態において、前記ゲート電極は、前記ゲート電極を通って突出する不均一なモフォロジー特徴部が前記ゲート電極に電気的に接触する確率を最小にするのに十分な蛇行性を有する多孔性である。
【0077】
追加の実施形態において、前記装置は更に、前記ゲート電極と前記アノード電極及び前記カソード電極のいずれか選択された電極との間の電気的短絡の状態を認知するように構成された応答回路と、前記電気的短絡を除去するために不均一なモフォロジー特徴部を剥離するのに十分な剥離電流を前記アノード電極に供給するように構成された剥離回路とを備え、前記応答回路及び前記剥離回路は協調して動作するように構成されている。
【0078】
一以上の実施形態において、前記応答回路及び前記剥離回路は協調して動作するように構成されている。
【0079】
更に他の実施形態において、前記剥離回路は、前記装置が充電又は放電状態で動作しているとき、前記金属アノード及びカソード電極の電流の0.01%〜10%の範囲で剥離電流を供給するように構成されている。
【0080】
一実施形態において、前記ゲート電極は、前記装置が充電又は放電状態で動作しているとき、前記金属アノード及びカソード電極の電流に対して正味の中性電流フローで動作するように構成されている。
【0081】
別の実施形態において、前記剥離電流はアノードとカソードの間に供給される。
【0082】
更に別の実施形態において、前記装置は更にセル充電回路を備える。
【0083】
更に別の実施形態において、前記充電回路は、不均一なモフォロジー特徴部が前記ゲート電極と前記カソード電極と前記アノード電極のいずれかとの間に低インピーダンス通路を生成する場合に充電から放電へ切り替わるように構成されている。
【0084】
他の実施形態において、前記放電事象は前記ゲート電極で検出された電圧に基づいて制御される電流及び持続時間を有する。
【0085】
更に他の実施形態において、前記装置は複数のゲート電極を有する。
【0086】
更に他の実施形態において、前記装置は、3つ以上のほぼ平行な電極を有し、少なくとも一つの内部電極がイオン透過電流コレクタを構成するマルチ電極電気化学セルに関する。
【0087】
更に別の態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有し且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極を備える電気化学セルにおいて、改良のために、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電極端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極を備える。
【0088】
更に別の態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有し且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極と、第3電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通し、前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である構造体とを備え、前記構造体は、前記カソード電極又は前記アノード電極から成長し、その成長を抑えることなく放置すると前記カソード電極と前記アノード電極の間に電気的短絡をもたらす電気伝導性の不均一なモフォロジー特徴部の存在を認知するように構成され、且つ前記カソード電極及び前記アノード電極のいずれかに電気的に接続される不均一なモフォロジー特徴部を剥離するのに十分な電流を前記第3電気端子で受け取るように構成されている電気化学セルに関する。
【0089】
他の態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有し且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極を備える電気化学セルにおいて、改良のために、第3電気端子を有し且つ前記電解質と電気化学連通し、前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である構造体とを備え、前記構造体は、前記カソード電極又は前記アノード電極から成長し、その成長を抑えることなく放置すると前記カソード電極と前記アノード電極の間に電気的短絡をもたらす電気伝導性の不均一なモフォロジー特徴部の存在を認知するように構成され、且つ前記カソード電極及び前記アノード電極のいずれかに電気的に接続される不均一なモフォロジー特徴部を剥離するのに十分な電流を前記第3電気端子で受け取るように構成されている。
【0090】
別の態様によれば、本発明は、カソード電気端子を有し、カソード形状、カ長さ、カソード幅及びカソード厚さを有し、且つ電解質と電気化学連通するカソード電極と、アノード電気端子を有し、アノード形状、アノード長さ、アノード幅及びアノード厚さを有し、且つ前記電解質と電気化学連通するアノード電極と、前記カソード電極と前記アノード電極との間にあって、ゲート電極端子を有し、前記電解質と電気化学連通し且つ前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一つにおいてレドックス活性である少なくとも一つの移動種に対して透過性である少なくとも一つのゲート電極と、前記カソード電極及び前記アノード電極の少なくとも一つと電気通信するとともに前記電解質と電気通信する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記カソード電極又は前記アノード電極から成長し、その成長を抑えることなく放置すると前記カソード電極と前記アノード電極の間に電気的短絡をもたらす電気伝導性の不均一なモフォロジー特徴部の存在を認知するように構成され、且つ前記カソード電極及び前記アノード電極のいずれかに電気的に接続される不均一なモフォロジー特徴部を剥離するのに十分な電流を前記ゲート電極電気端子に供給するように構成されている電気化学セルに関する。
【0091】
一実施形態において、前記制御回路は、前記カソード電極と前記アノード電極との間の電気短絡を防止するために前記不均一なモフォロジー特徴部の成長を抑える電気信号を供給するように構成されている。
【0092】
別の実施形態において、前記制御回路は前記不均一なモフォロジーの成長を逆転させる電気信号を供給するように構成されている。
【0093】
更に別の実施形態において、前記制御回路は、前記カソード形状、カソード長さ、カソード幅及びカソード厚さの少なくとも一つの変化を防止するために、前記不均一なモフォロジー特徴部の成長を抑えるように構成されている。
【0094】
更に別の実施形態において、前記制御回路は、前記アノード形状、アノード長さ、アノード幅及びアノード厚さの少なくとも一つの変化を防止するために、前記不均一なモフォロジー特徴部の成長を抑えるように構成されている。
【0095】
別の態様によれば、本発明は、アノード電極、カソード電極、ゲート電極、電解質及び前記カソード電極及びアノード電極の少なくとも一つと電気通信するとともに前記ゲート電極と電気通信する制御回路を有する電気化学セルを動作させる方法に関し、前記方法は、前記カソード電極、アノード電極及びゲート電極の少なくとも2つの電極対の間の電流及び電圧の選択した一つの値を測定するステップと、前記値から前記電気化学セルの動作状態を決定するステップと、前記電気化学セルの動作状態が通常状態であるとき、所定の時間長の間待ち、その後前記測定ステップを繰り返し、前記電気化学セルの動作状態が短絡の発生が予測されることを示すとき、成長する不均一なモフォロジー特徴部を分解するように構成された電気信号を供給するステップと、その後前記測定ステップを繰り返すステップとを備える。
【0096】
更に他の実施形態において、前記剥離回路はセルのレドックス活性種の金属めっき電位に対して0V〜1.2Vの範囲の電圧をアノードに供給する供給するように構成されている。いくつかの実施形態において、金属めっき電位の0V〜1.2Vの範囲の電圧は金属めっき電位から0.1V,0.2V,0.3V,0.4V,0.5V,0.6V,0.7V,0.8V,0.9V,1.0V又は1.1Vの電圧である。
【0097】
他の実施形態において、前記装置は更に、前記ゲート電極がもはやその目標電位に維持され得ない状態を認知するように構成された応答回路と、このような状態が検出されたとき前記カソード電極と前記アノード電極の間で放電電流をトリガするように構成された充電回路を備える。前記短絡を解消する規定の放電事象後に、充電を再開することができる。このような状態の検出時にトリガされる放電事象はその速度及び持続時間に関してセルの性能及び履歴と放電中にゲート電極で測定される電圧に基づいて最適化することができる。
【0098】
更に別の実施形態において、前記装置はセルを横切って徐々に成長する不均一なモフォロジー特徴部に応答するように構成された複数のゲート電極を備えてもよい。このような実施形態において、複数のゲート電極は複数の外部ゲート電極端子を有しても、代わりに単一の外部ゲート電極端子に接続してもよい。
【0099】
更に別の実施形態において、前記ゲート電極はセルの特定の領域においてのみ不均一なモフォロジー特徴部を防止するように構成され得る。いくつかの実施形態において、これらの領域はタブ又は電極の周辺領域である。
【0100】
一態様によれば、本発明は、カソードとアノードの間に一以上のゲート電極(即ち、第3以降の電極)が配置された電気化学セルを特徴とする。本発明は前述の基本的な問題を2つの作用電極の間に一以上の「制御」又は「ゲート」電極を挿入することによって解消するものである。この電極は電界効果トランジスタのゲート電極によく似ているので「ゲート」と呼ばれる。このゲート電極は、(a)目標化学ポテンシャルを規定のセルジオメトリの下で設定することによって、(b)適切な電位を印加することによりゲートから堆積物質を剥離させることによって、及び(c)もはやゲートを目標電位に維持できない点を検出することによって、金属めっき電位の近くで堆積する金属又は化合物のめっきジオメトリの制御を可能にする。これは金属電極セル又は他のセルの向上した動作を可能にするのみならず、金属めっき電位に近い電位を有するセルのサイクル動作をより高速にすることもでき、特にマルチ電解質セルに新規なセル設計範囲を可能にする。
【0101】
別の態様において、前記ゲート電極は電解質的に伝導性でもあり、電気的に伝導性でもある。いくつかの実施形態において、電界伝導性はゲート電極を多孔性にすることによって達成される。
【0102】
別の態様において、前記ゲート電極は、前記アノードとカソードとの間に、アノードからカソードに向って延びる不均一なモフォロジー特徴部が作用電極(アノード及びカソード電極)間に短絡を生成する前にその不均一なモフォロジー特徴部と接触する高い確率を保証するために十分に小さい特性多孔率を有する多孔性の機械的障壁を提供する。
【0103】
別の態様において、前記ゲート電極は、前記アノード又はカソードの少なくとも一つに幾何学的にほぼ平行に構成される。別の態様において、前記ゲート電極は前記目標電位からの偏差をほぼ100%の有効性で検出する回路と通信する。別の態様において、作用電極間の破壊的な短絡の前に、ゲート電極に短絡された不均一なモフォロジー特徴部を剥離するためにゲート電極に電流を供給し、セルを再調整し得る。
【0104】
別の態様において、モニタ回路がセル短絡に発展する初期障害を検出する。別の態様において、再調整回路が不均一なモフォロジー特徴部を剥離し、セルを継続的な安全使用のために再調整する。
【0105】
一実施形態において、前記電気化学セルは二次電池であり、前記作用電極は少なくとも一つのアノード及び少なくとも一つのカソードを含む。
【0106】
本発明の上述の及び他の目的、態様、特徴及び利点は以下の詳細な説明及び請求の範囲の記載からより明らかなになる。
【0107】
本発明の目的及び特徴は以下の図面及び請求の範囲を参照することによってよりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
図1】(先行技術)基本的な電気化学セルを示す。
図2】(先行技術)少なくとも2つの電気化学セルからなる電池を示す。
図3】(先行技術)問題発生セル、即ち不均一なモフォロジー特徴部形成及び分離された金属合成物の堆積を示す。
図4】(先行技術)Rohによる、不活性外部電極を有する電池を示す。
図5】(先行技術)図4の電池の内部構造を示す。
図6】(先行技術)Meissnerによる、第3電極を備えた液体電解質セルを示す。
図7】(先行技術)Zhongによる、第3電極を備えた空気−電解質セルを示す。
図8】(先行技術)Slezakによる、表面積を増加させるために第3電極を有するセルを示す。
図9】(先行技術)Morrisによる、電極の外部露出延長部を有するセルを示す。
図10】(先行技術)図9のセルを用いた電池の構造を示す。
図11】(先行技術)3電極セルを示し、その第3電極は図3の機構で消耗される金属イオンを補給するように構成された非参加型の金属貯蔵部である。
図12】(先行技術)Christensenによる、間欠的に接続されるリチウム貯蔵電極を備えたセルを示す。
図13】(先行技術)温度等の測定のためにセルへの不干渉アクセスを提供するためにセルの一つの電極を第3電極まで延長した又は第3電極に電気的に接続したセルを示す。
図14】(先行技術)金田による、検出のために電極を使用する電池を示す。
図15A】(先行技術)Ramasubramanianによる、アノード及びカソードの3次元構造に、リチウム貯蔵部を提供する第3補助電極を付加したセルを示す。
図15B】(先行技術)図15Aのセルと関連検出回路を示す。
図16A】(先行技術)野口(特許文献14)の図8のコピーであり、リチウムイオン二次電池の集荷後に使用されない電気伝導層(4)を示す。
図16B】(先行技術)Cui(特許文献15)の図1a及び図1bのコピーである。
図17】被覆された金属電極表面を示す。
図18】被覆のめっきをもたらす図17の電極の被覆故障を示す。
図19】ゲート電極が組み込まれた本発明によるセルを示す。
図20】高伝導性粗メッシュと伝導性微細メッシュの積層からなるゲート電極の構造を示す。
図21】薄い金属幕で処理された市販のセパレータを示す。
図22】厚い金属グリッドと結合された金属薄膜被覆セパレータを示す。
図23】アノード電極と、カソード電極と、ゲート構造がセパレータとともに組み込まれたゲート電極を有するセルの一実施形態を示す。
図24】セルの充電、放電及び剥離サイクルを示す。
図25図25Aは初期のセル短絡を検出し、このような検出ステップによる検出に応答する方法と、提案のゲート電極対影響される作用電極の抵抗要件を示す。図25Bは作用電極に対するゲートの動作電圧を示す。
図26】本発明に従って保護されたセルの動作方法を示すフローチャートである
図27】本発明に従って保護されたセルの代替動作方法を示すフローチャートである
図28】本発明によるマルチ電極電気化学セルを動作させるために使用し得る従来の制御回路の回路図である。
図29A】再充電可能なLi金属二次セル(N/P容量比≦1)に関する時間の関数としてのセル電圧(即ち、正及び負セル端子間で測定される電圧)のグラフである。
図29B】再充電可能なLi金属二次セル(N/P容量比≦1)に関する時間の関数としてのゲート電圧(即ち、ゲート及び負セル端子間で測定される電圧)のグラフである。
図30】ゲート付き再充電可能なLi金属二次セル(N/P容量比≦1)に関するサイクル数の関数としてのカソードエネルギー密度を示す。
図31】ゲート付き再充電可能なLi金属二次セル(N/P容量比≦1)に関するサイクル数の関数としての平均充電及び放電電圧を示す。
図32】ゲート付き再充電可能なLi金属二次セル(N/P容量比≦1)に関するサイクル数の関数としてのセル電圧及びゲート電圧の一部を示す。
図33】ゲート電極が組み込まれた本発明によるセルを動作させるテスト装置の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0109】
先行技術に関連する問題の検討
図1(先行技術)は「従来」の2電極二次電気化学セル110を示し、このセルはカソード120、電解質130及びアノード140を含む。このセルはカソード120とアノード140の電極電位の差に基づいて特性電圧を発生する。電解質130は電極間のセパレータとして機能し得る機械的特性を有し得る。電極は金属又は活性及び不活性物質の組み合わせとし得る。充電中に、電子がカソード120で発生され、アノード140で消費される。電子は外部回路を経て転送される。典型的な金属イオンベースセルの充電中に、アノード140で金属の付着が存在する。金属電極を有するセルでは、充電はアノード140のめっきを生じる。非金属電極を有するセルでは、充電は理想的には電極内へのイオンのインターカレーションを生じるが、インターカレーション電位が金属めっき電位に近すぎれば、その場合には金属がめっきされる。
【0110】
図2(先行技術)は、このようなセル110は典型的には特性電圧の多数倍の電圧を発生する電池210を形成するために積層されることを示している。一部の電気化学システムは薄い平面電極及び電解質に適しており、小さい体積で高い電圧を発生させるためにセルのコンパクトな平面積層体を構成するのに役立つ。
【0111】
図3(先行技術)は、二次電池において生じる2つの深刻な問題を示す。セル310は従来のカソード320、電解質330及びアノード340を含んでいる。充電/放電中に、作用電極の形状が変化してセルの損失をもたらし得る。
【0112】
特に、金属の不均一なモフォロジー特徴部350がアノード340の表面に形成され得る。不均一なモフォロジー特徴部350がカソード320に届く長さに十分成長すれば、セルは短絡する。この短絡はセルを動作不能にし、また有害な発熱反応を生じ、壊滅的な結果をもたらす。従来のセルと関連する別の問題は、電解質330の副反応がセルの内部容積内で過剰電解質界面相360の形成、所謂「苔状」堆積物を生じ、これはその後セルの動作に参加し得ない絶縁された金属堆積物を生成する。この不均一なモフォロジー特徴部及び苔状堆積物の問題は、ある程度までなら、充電及び放電の状態を制限することによって管理できるが、これはセルの容量及び有用性を制限する。電極材料の改良によって不均一なモフォロジー特徴部の形成を最小化し得ることも提案されているが、このような改良は、セルの壊滅的事態より前にそれを検出する手段及びセルを修復する手段がないので、セルは結果としての故障に脆弱なままとなる。このようなセルに対して通常動作中に初期故障を検出する非干渉的な方法は入手し得ないため、デンドライト短絡に起因するセル故障を決定する唯一の確実な方法は原因究明時のセルの破壊分解検査である。
【0113】
図4(先行技術)はRoh(特許文献10)による不活性物質からなる外部電極を備えた電池を示す。ここでは、セルの電極の一つはセルの活性面から延長され、電池アセンブリ内にセルを構成するための相互接続点を与えるために使用される。延長電極はセルのエネルギー抽出又は制御に参加しない。不活性電極は不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物と関連する問題に対処するために使用し得ない。
【0114】
図5(先行技術)は図4の電池の内部構造を示す。活性電極と異なる材料55は電流コレクタとして使用され、延長されてセル相互接続点を提供する。特許文献10により第3電極として特徴づけられているが、活性物質52、コレクタ51及び不活性物質55を有するアセンブリ50は単一電極に電気的に同等である。このアセンブリは、機械的利点をもたらすが、不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物などと関連する問題に対処するために使用し得ない。
【0115】
図6(先行技術)はMessiner(特許文献5)による液体電界質セルを示し、補助電極6が付加され変更されている。Christensen(特許文献9)と同様に、電解質22内に配置された補助電極は金属イオンをセルに追加するためのリチウム貯蔵所を提供する。補助電極16はセルの液体電解質と間欠的に接触するのみで、通常の充電及び放電サイクルに参加しない。セルは補助電極の電解質との接触を制御するために再設定されなければならない。補助電極は若干の検出機能を提供し得る。補助電極はいずれの作用電極よりはるかに小さい面積を有し、アノード及びカソード間の障壁を生成しない。これらの特性のために、Messiner(特許文献5)の補助電極は不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物などと関連する問題に対処するために使用し得ない。
【0116】
図7(先行技術)は、別のセルタイプの一例として、空気電極102及び金属電極106を有し、更に対向(第3)電極104を含むZhong(特許文献6)による金属空気トライセル100を示す。第3電極は所謂「トライセル」構成において空気カソードに対して広範囲に研究されている。これらのセルでは、酸素発生及び酸素消費相(充電及び放電)中に触媒に対して競合要件が存在する。トライセル構成は異なる触媒、例えば金属触媒及び酸化物触媒を備える2つのカソードを用いることによってこれらの異なる要件に対処している。これらの方法の目的は一つの電極から他の電極へ充電及び放電することにあるため、電極の一つの正味電流は常にゼロである。従って、対向(第3)電極104は検出又は再調整機能をなさず、よってこのタイプの電極を非空気タイプセルに付加しても不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物などと関連する問題を解決するために使用できない。
【0117】
図8(先行技術)は表面積を増加するために第3電極を有するSlezak(特許文献7)によるセルを示す。この電極は折り畳まれた形状を有し、内部電極に直接接続され、従って常に内部電極と同電位にある。この意味で、第3電極は独立でない。この表面積の増加はセルの性能を高めるが、如何なる能動制御又は測定能力ももたらさず、よって不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物などと関連する問題に対処するために使用できない。
【0118】
図9(先行技術)はMorris(特許文献2)による電極の外部露出延長部を有するセルを示す。Roh(特許文献10)と同様に、これらの延長電極は外部相互接続部を提供する。Morrisでは、これらの電極はセルの全面を覆わないため、均一な活性表面を提供し得ない。これらの延長電極は不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物などと関連する問題に対処するために使用できない。しかし、これらの延長電極は電池内へのセルのコンパクトな組立てを可能にする。
【0119】
図10(先行技術)は図9のセルを用いた電池の構造を示す。延長電極は電流コレクタとして使用され、個々のセルを接続し、セルスタックの高さを増加しない。Morrisの手法は機械的利点をもたらすが、延長電極は作用電極と電気的に同等で、不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物などと関連する問題に対処するために使用できない。
【0120】
図11(先行技術)はChristensen(特許文献9)によるセル1110を示し、充電及び放電中に失われる金属を交換するために電解質1130と連通している金属の貯蔵部1150を提供する第3電極を内蔵し、セル内の活性Liを「補給」する能力を提供する。通常動作中は貯蔵部はセルの動作から電気的に切断される。貯蔵部はセルの性能低下が検出されたとき活性化され、セルの動作をリバランスさせるために金属源として使用される。貯蔵部は通常のセル動作を妨害しないように設計されるため、作用電極(アノード1140及びカソード1120)の間に形成される平面からセルの側面へずらせて配置される。貯蔵電極はセルの主伝導路の外側に隣接して配置されるが、電解質と接触しない。貯蔵電極はスタックの残部と共面ではなく、Liイオンセルのサイクル動作中に失われるLiを補充するために、(Liメタルとは対照的に)バイアスのみが作用電極の一方又は両方に対して貯蔵電極に間欠的に供給される。この手法は作用イオンの実効損失に起因する「キャパシティ減衰」又は「パワー減衰」により識別される性能の低下に対処できるが、Christensenの貯蔵部はいくつかの理由のために不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物などと関連する問題に対処するために使用できない。第1に、貯蔵部は通常の充電及び放電サイクルに参加しないため、その状態をモニタし得ない。第2に、貯蔵部は作用電極の間に位置し完全なセパレータを形成しないため、セルは貯蔵部で与えられる機械的機能で完全に保護され得ない。Christensenは貯蔵電極を参照又は補助電極として用いてモニタリングすることも示している。セルのサイクル寿命の大部分の間、貯蔵電極は開回路に位置するか、検出/補助/参照電極として最小電流で動作する。充電及び放電中のみ貯蔵電極は追加のLiをサイクルに導入するためにアノード(充電)又はカソード(放電)に対してバイアスされる。動作のためには貯蔵電極はLiを作用電極に供給しなければならず、すなわち貯蔵電極と動作セルとの間の平均電流を正にしなければならず、同様に貯蔵電極の動作中の電圧も正にしなければならない。
【0121】
図12(先行技術)は図11のセルと、リチウムカチオンの量の補充又は減少が要求されるときにリチウム貯蔵電極との間欠的接続を可能にする制御回路を示す。リチウム貯蔵電極はセルの電解質と接触しているが、スイッチ613又は614の一つがノーマリオープン状態から閉成されない限り、リチウム貯蔵電極は電気的に分離されたままである。スイッチの一つが閉成され、適正電圧が印加されているとき、リチウムをセルの活性部分に追加する又はそれから除去することができる。このリチウム管理機能は不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物などと関連する問題に対処するために使用できない。
【0122】
図13(先行技術)は金田(特許文献11)によるセル1310を示し、アノード1340又はカソード1320の何れかが第3電極とみなせる電極材料1350の追加の質量に取り付けられる。このセルでは、追加の電極材料は作用電極の一つに機械的に直接接続されるが、作用電極の平面の外側に機械的に配置される。追加の電極は必ずしも電解質1330と直接接触させる必要はない。従って、追加の電極材料は、例えば温度などの測定点として容易にアクセス可能であるが、追加の電極材料が電気的に接続される作用電極と同じ電位で常に動作する。それゆえ、追加の電極材料は作用電極への連続接続を前提としない目的に使用し得ない。追加の電極材料は一方又は他方の作用電極に直接電気的に接続されるため、追加の電極は作用電極と電気的に独立にならず、不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物などと関連する問題に対処するために使用できない。
【0123】
図14(先行技術)は、各セルの平面から直接延びる電極を検出用に使用する、図13の金田による電池を示す。金田の構成は検出プローブを挿入する必要又はスタックを厚くする必要なしに検出を可能にする。しかし、検出電極は電池のエネルギー蓄積又はエネルギー放出ケミストリに参加せず、不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積などと関連する問題に対処するために使用できない。
【0124】
図15A(先行技術)はRamasubramanian(特許文献12)による3次元セル1510を示す。このセルは作用電極としてセルの容量を増加させるために大きな表面積をもたらす非平面形状を有するアノード1520及びカソード1530を有する。このセルの補助電極1550は作用電極の少なくとも一つに比較的均等に近接するが、作用電極の間に位置しないで、電解質(図示せず)と接触している。補助電極はセルのより均一な充電を支持するために十分な電流を搬送し得る。電極の3次元性のために、補助電極と関連する作用電極との距離が大きく変化し、補助電極の有用性は関連する作用電極の局部的な幾何学的変化と関係のない機能にのみ制限される。補助電極は作用電極間に位置しないため、補助電極は作用電極間で起こる局部的現象を管理するために使用できないとともに、不均一なモルフォロジー特徴と関連する現象を管理するために使用できない。むしろ、Ramasuburamanianは充電を最適化すること及び補助電極をリチウム貯蔵器として用いることに向けられている。Ramasuburamanianの3次元セルは不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積などの問題に対処するために使用できない。
【0125】
図15B(先行技術)は図15Aのセルと関連検出回路を示す。その検出及び制御装置27はセルの性能を向上させるために補助電極24の所望の電位を維持するために使用されるが、不均一なモフォロジー特徴部又は苔状堆積物などの問題に対処するために使用できない。
【0126】
野口の先行技術(特許文献14)
野口特許(特許文献14)は、(韓国特許庁提供の翻訳文に記載されているように)電気伝導層(4)は厚さ18μmのポリプロピレンシートの片面に厚さ約0.5μmのCu層をイオンビームスパッタリング堆積又はRF又はマグネトロンスパッタリングを用いて形成することによって作られることを開示している。機械的組み立て後に、その二次電池に電解質を加える。その後その電池を充電する。充電後、電気伝導層(4)とカソード(16)との間の電位差及び電流を測定することができる。
【0127】
野口特許(特許文献14)は、(韓国特許庁提供の翻訳文に記載されているように)発明の効果は金属異物に起因するリチウム二次電池の内部短絡を高感度で検出し得ることを開示している。
【0128】
記載の電気伝導層は受動装置であり、セルの動作中に何の電位も供給されない。実際にはこの電気伝導層の目的はセルの出荷前に製造欠陥を検出することにある。この文献は製造プロセス中に導入される金属粒子不純物の存在により生じる短絡の問題に対処することを明記している。従って、このセルの実際の動作では、バイアスは供給されず、また電流も検出されない。更に、この発明は全文を通して内部短絡を検出する手段として記載され、検出は本質的に受動的であり、欠陥セルの除去に関する決定を除いて装置の動作に影響を与えないことが記載されている。
【0129】
野口特許は、(韓国特許庁提供の翻訳文に記載されているように)更に電気伝導層(4)はリチウムイオン二次電池の集荷後に使用しないことを明記している。従って、電気伝導層に接続された端子(10)は検査後出荷前に部材で隠されるか、電気伝導層に接続された端子(10)及びリード線が除去される。
【0130】
野口特許は、動作中のLi二次電池から又は任意の二次電池からデンドライトを除去するために電気伝導層(4)をどのように使用するかについて何の記載もない。むしろ、野口特許は短絡し欠陥品である完成二次電池装置を検出する方法を教授しているのみである。
【0131】
図16A(先行技術)は野口(特許文献14)の図18のコピーであり、リチウムイオン二次電池の出荷後に使用されない電気伝導層(4)を示している。
【0132】
Cuiの先行技術(特許文献15)
図16B(先行技術)はCui(特許文献15)の図1a及び図1b(先行技術)のコピーである。
【0133】
特に、Cuiはその図1a及び図1bに二次Li電池内の様々な電極間電圧を測定するために電圧計を使用することを示している。電気的測定技術において周知のように、電圧計は測定中の回路に負荷をかけないように高い入力インピーダンスを有する必要がある。電気増幅器を有する計器(すべてのディジタルマルチメータ及び一部のアナログメータ)はほとんどの回路を妨害しない十分に高い固定の入力インピーダンスを有する。これは多くの場合1又は10メガΩであり、入力抵抗の標準化によって外部高抵抗プローブの使用が可能になり、プローブは入力抵抗と分圧器を構成して電圧範囲を数万ボルトまで広げることができる。ハイエンドマルチメータは一般に10V以下の範囲に亘って10ギガオームより大きい入力インピーダンスを提供する。いくつかのハイエンドマルチメータは10Vより大きい範囲に対して10ギガオームより大きいインピーダンスを提供する。このようなメータが、10ボルトより低い、多くの場合5ボルトより低い、動作電圧を有する電源で動作するものとすると、短絡を検出する(例えばゼロボルトの電圧を測定する)際に流れる電流は、10メガオーム入力インピーダンスを有するメータで10-7アンペア未満、10ギガオーム入力インピーダンスを有するメータで10-10アンペア未満になり、いずれも二次電池内のデンドライトに影響を与えるには不十分である。
【0134】
Cuiに記載の装置は受動装置である。この装置はセルの動作中に第3電極にバイアスを供給し得るように構成されていない。この電極に供給される電流又は電圧源の代わりに、この装置は電圧計のような電圧検出装置を含む。電圧検出装置の動作は本質的に受動的であり、電圧計のインピーダンスは検出中の回路の動作に対する検出装置の妨害を最小にするために高く、すべての電極の電圧は検出装置がない場合と同じ電位のままとなる。この装置は受動的であるため、Cuiの発明は野口の装置と同様に欠陥セルを除去するように作用するが、セルの動作にいかなる改善ももたらさない。
【0135】
要するに、電気化学セル内の3以上の電極を様々な用途に使用することが周知であるが、これらの使用法のどれも不均一なモフォロジーを剥離することはできず、また作用電極のヘルス状態を能動的に管理することができない。
【0136】
Roumiの公開
2014年11月18日に出願され、2015年6月18日に米国特許出願公開第2015/0171398A1号として公開されたRoumiの米国特許出願第14/546,953号及び2014年11月18日に出願され、2015年6月18日に米国特許出願公開第2015/018000A1号として公開されたRoumiの米国特許出願第14/546,472号は、ともに、2013年11月18日に出願された米国仮特許出願第61/905,678号、2014年2月12日に出願された米国仮特許出願第61/938,794号及び2014年4月28日に出願された米国仮特許出願第61/985,294号(まとめて「最先の3件のRoumi仮出願」という)の優先権の利益を主張し、これらは本出願が優先権主張の基礎とする2014年7月2日に出願された米国仮特許出願第62/020,337号より前の出願である。この2つのRoumiの出願は2014年7月14日に出願された米国仮特許出願第61/024,104号の優先権も主張している。
【0137】
先願主義制度の下では、米国仮特許出願第61/905,678号及び同61/985,204号のいずれにも存在しなかった米国特許出願第14/546,953号又は米国特許出願第14/546472号に開示されている追加の資料は、本願が優先権を主張する2014年7月2日に出願された米国特許出願第62/020,337号より前の技術を表すものではない。
【0138】
上述した仮特許出願において、Roumiはセルの動作中に第3電極にバイアスを印加する装置は何ら開示していない。
【0139】
2013年11月18日に出願された米国仮特許出願61/905,678号は、伝導性材料と絶縁材料の複合層からなる機械的に丈夫なセパレータ又は弾性電流コレクタを用いることによって物理的妨害又は熱拡散により短絡が検出され、軽減される可能性があることを記載している。しかしながら、この出願には、別個の第3電極を備えるセル、又は一対の電極間(すなわち、正電極と負電極の間、正電極とゲート電極の間、又は負電極とゲート電極の間)の3つの別個の電気信号を認知し、変更し、制御することができるセルについて何の記載もない。この出願は、「第2活性物質は前記電流コレクタに直接物理的に接続する必要はないこと、及び第2活性物質は前記第1活性物質と常に物理的に完全に接触させる必要はないことに留意すべきであると記載している。この出願は、セル内で、又は回路ボードで、又はその任意の組み合わせで3以上の電極を用いるセルの制御について何も記載していない。
【0140】
2014年2月12日に出願された米国仮特許出願第61/938,794号は、電気めっきされた材料の表面を制御する方法として伝導層を「対向電極間の空間内に導入する」と記載している。発明者は「伝導層は対向電極に電気的に接続しても、しなくてもよい。更に、伝導層は対向電極に物理的に接続しても、しなくてもよい。」ので、伝導層はセル内で絶縁されるか、正又は負電極上の追加の伝導層とされることを示唆している。伝導層のこの定義は、製造プロセス中に生じる有限数の欠陥セルに不注意に入り込む種々の伝導材料も含む。この出願は別個の第3電極を備えるセル、又は一対の電極間(すなわち、正電極と負電極の間、正電極とゲート電極の間、又は負電極とゲート電極の間)の3つの別個の電気信号を認知し、変更し、制御することができるセルについて記載していない。2014年4月28日に出願された米国仮特許出願第61/985,204号は、「・・・アノード、カソード、電解質、1以上のセパレータ層及び電気伝導層からなる電気化学セル」では物理的妨害又は熱拡散の使用により短絡が検出され、軽減される可能性があることが記載されている。発明者は、「電気伝導層は電極の一つと電気的に接続しない、又は電極のどれとも電気的に接続しない」と主張している。この出願は、別個の第3電極を備えるセル、又は一対の電極間(すなわち、正電極と負電極の間、正電極とゲート電極の間、又は負電極とゲート電極の間)の3つの別個の電気信号が認知し、変更し、制御することができるセルを記載していない。一つの形態では、2013年11月18日に出願された米国仮特許出願61/905,678号により特定されているように、伝導/絶縁層は単なるセパレータであり、別の形態では、2014年2月12日に出願された米国仮特許出願第61/938,794号で特定されているように、伝導層の定義は製造プロセス中に生じる有限数の欠陥セルに不注意に入り込む種々の伝導材料も含む。
【0141】
2014年7月14日に出願された米国仮特許出願第62/024,104号は、本発明に記載に記載されるように「低抵抗伝導層」を電気伝導性というよりはイオン伝導性と明確に定義している。例えば、米国仮特許出願第62/024,104号は、「電気化学セルのセパレータはアノード用のセパレータ袋体からなり、セパレータ自体は一以上の層からなり、例えばセパレータ袋体はアノード全面を覆う強い多孔性層又は有孔層(例えば有孔率40%のマイラーフィルム、孔サイズはナノメートル〜ミリメートル)とアノードとは反対側の外面上のセルの残部及びカソードに対面する低抵抗層(例えばポリオレフィン不織布)とで作ることができる。」と記載している。この出願は、別個の第3電極を備えるセル、又は一対の電極間(すなわち、正電極と負電極の間、正電極とゲート電極の間、又は負電極とゲート電極の間)の3つの別個の電気信号を認知し、変更し、制御することができるセルを記載していない。
【0142】
2014年11月18日に出願され、2015年6月18日に米国特許出願公開第2015/0171398A1号として公開されたRoumiの米国特許出願第14/546,953号は、(a)セルの内部電界を変化させることによって、(b)失われた活性物質を活性化することによって、(c)電極に補助電流コレクタを設けることによって、(d)システムの電気短絡の形成時にホットスポット及び/又は熱暴走を制限又は阻止することによって、セルの性能を変化させることができる複合セパレータを含む電気化学セルを開示している。模範的な複合セパレータは少なくとも一つの電子伝導性層及び少なくとも一つの電子絶縁性層を含む。別の模範的な複合セパレータは電子伝導性層と個体イオン導体を含む。電気化学セルの短絡の発生を検出し管理する方法及び電子セルを充電する方法も開示している。
【0143】
米国特許出願第14/546,953号は、第3電極を備えるセル、又は別個の電気信号を検出し得るセルを記載するが、このような記載はこの出願が優先権を主張する親出願のいずれにも存在しない。「伝導層」という記載は前述の複合セパレータというより第3電極に似ており、このRoumiの出願は2014年11月6日に公開されたCui他の特許出願公開第2014/0329120A1(同時にCui他のWO214/179725A1としても公開)と同様の記載を共有し、(1)アノード、(2)カソード、(3)アノードとカソードの間に配置され且つ少なくとも一つの機能層を含むセパレータ、及び(4)少なくとも一つの機能層に接続され、電池の内部状態をモニタするセンサを含む電池を開示している。
【0144】
それゆえ、米国特許出願第14/546,953号にのみ開示され、最先の3つのRoumiの仮出願のいずれにも開示されていない新資料は本願に対して先行技術ではない。また一方、完全のために言えば、その新資料は特許出願公開第2014/0329120A1と同じ理由で本明細書の開示内容から区別される。
【0145】
2015年6月25日に公開されたRoumiの米国特許出願公開第2015/028000A1は正又は負電極の少なくとも一部分を包むセパレータを含む電気化学セルを開示している。一実施形態では、そのセパレータは電極の少なくとも一部分への接触力又は圧力を発生し、セルの性能を向上し得る。この公開は電気化学セルを充電する方法も開示している。
【0146】
2014年11月18日に出願され、2015年6月25日に米国特許出願公開第2015/018000A1号として公開された米国特許出願第14/546,478号は「外部電圧を印加することによってセルの性能を変更する」ために活性第3電極を使用することも開示している。この出願は2つの使用法を開示している。第1に、段落0006において「電圧の印加は・・・セルを「清掃する」ために使用し得る」と記載されている。この電極への「例えば50サイクル」の電圧の印加によって除去し得る所定のケミストリにおける不純物及び副生成物の特定の例が挙げられている。更に、段落0076に、「電気伝導性層が活性イオン源をもたらし」、この活性イオン源は「イオン損失を補償するため又は非リチウム化電極を有するLIイオンセルを作製するため」に使用し得ることが記載されている。これはChristensenの「Li貯蔵部」に類似し、同じ理由から本発明と区別される。
【0147】
それゆえ、米国特許出願第14/546,472号にのみ開示され、最先の3つのRoumiの仮出願のいずれにも開示されていない新資料は本願に対して先行技術ではない。また一方、完全のために言えば、その新資料は特許出願公開第2014/0329120A1と同じ理由で本明細書の開示内容から区別される。
【0148】
本発明により得られる利点
複合又は金属作用電極の使用を可能にする技術は電池の容量を増加し得る。金属電極の使用を可能にする技術は、限定されないが、マグネシウムセルのみならずリチウム−金属、リチウム−空気及びZn−空気セルなどの多くの「次世代」ケミストリの性能を向上する可能性を提供する。更に、電気短絡状態をもたらし得る一電極又は両電極のモフォロジーの変化に起因する故障モードを軽減する技術は、限定されないが、黒鉛又は合金、変換及び不均化反応電極を含む従来のインターカレーションホスト電極を用いるセルの大幅な性能向上を可能にする。電池を初期故障状態から修復し得る技術は更に好ましく、所定の電池の寿命を延ばすことができる。本願はこれらの所望の改善のすべてに対処するシステムおよび方法を提供する。
【0149】
マルチ電極電気化学セルの説明
本発明に従って構成され動作されるセルは、ゲート電極の電圧又は電位の能動制御によって不均一なモフォロジー特徴部の形成を能動的に防止し得る。更に、そのゲート電極を用いて電流を供給し、不均一なモフォロジー特徴部を剥離してセルを通常動作に回復させ、セルの寿命を延ばすことができる。ゲート電極の目標電圧を維持するために必要とされる電圧はセルの健康状態をモニタする能力も与え、よってセルの充電及び放電を能動的に管理し、性能及び容量を最適化し、不均一なモフォロジー特徴部及び「苔状」堆積物の形成を最小化することができる。
【0150】
図19は本発明によるセル1910を示す。このセルはカソード1920とアノード1950との間に配置された電解質1930と接触した多孔性ゲート電極1940を含んでいる。ゲート電極1940、カソード1920、アノード1950はすべて各々が局所的規模で互いにほぼ平行になるよう配置される。すなわち、セル全体があたかも平面であるかのようにセルが動作するのに十分な程度にそれらの層が局所的に平行である限り、セル全体は複雑な局面を含んでもよい。ゲート電極1940は、アノード1950から成長する不均一なモフォロジー特徴部がきわめて高い確率でゲート電極1940に接触するようなアノード1950からの距離に位置する。一実施形態では、通常動作において、ゲート電極1940は、例えば制御回路によって、アノード1950に対して選ばれた正電圧に設定される。その電圧は、めっきされた金属、例えばアノード1950及びカソード1920の少なくとも一つにてレドックス活性である少なくとも一つの移動種から得られるめっきされた金属の剥離を開始するのに十分な局所的化学電位を設定するように選択される。このような剥離を開始するために必要とされる電圧(例えば、所定の剥離電位)は所定の電気化学システムに対して十分に確立されている。従って、通常動作中にゲートは「保証された金属フリー」領域を提供し、この領域ではセルの局所的化学電位が金属の存在を禁止する。アノード上の不均一なモフォロジー特徴部がゲート電極に接触する場合には、デンドライトの先端がゲート電位に短絡される。このとき金属はその剥離電位になるため、不均一なモフォロジー特徴部は剥離される。ゲートはこの結果を達成するために電流源に接続され、ゲートと不均一なモフォロジー特徴部が接触する短期間の間、ゲートに接続された電流源はこの剥離処理を実行するのに十分な大きさの電流を供給する必要がある。他の時間には電流源はゲート電圧を金属フリー電位に維持するのに十分な大きさの電流を供給する必要があるだけである。
【0151】
セル内の金属フリー領域の維持に加えて、ゲートはセルの短絡傾向の継続的測定をもたらす。ゲート電圧を維持するために必要とされる電流はゲートが起こらないようにしている初期事象の数及び大きさの尺度である。従って、ゲートを金属フリー電位に維持し、その電位を維持するために必要とされる電流を測定することによって、ゲートがアノード電位にシフトする短絡事象の可能性を評価することができる。ゲートがアノード電位にシフトする場合、もはやセル内には保証された金属フリー領域は存在せず、セルは短絡する恐れがある。従って、場合によっては、ゲートを目標電位に維持するために必要とされる電流が目標閾値を若干超える時点において、セルのその後のサイクル動作を停止させ、サービスから外すのが好ましい。この閾値はセルのサイズ、アノード及びゲートのインピーダンス、及び所定の用途におけるセル故障の不所望度に基づいて選択することができる。
【0152】
本発明の更に他の実施形態では、ゲート電流の変化に応答して使用し得る剥離回路を含み得る。モフォロジー特徴部がゲート電極1940に接触する場合には、ゲート電極1940を剥離電位に維持するために必要とされる電流が増加する。この電流の増加は観察し、認知し、記録することができる。このとき、制御回路はゲート電極1940とアノード1950に供給される電圧を適切な期間に亘り逆転させて、不均一なモフォロジー特徴部を剥離することができる。
【0153】
図20はゲート電極1940の一実施形態を示す。適切に機能するように、ゲートはその厚さ方向に電界伝導性で、その長さ方向に電気導体でなければならない。ゲート電極1940はセルの作用電極間に配置され、通常動作においてできるだけ透明であるべきであるために電解伝導性が必要とされる。電解伝導性を可能にする一つの方法は、セルで使用されるどのような電解質も自由に通す多孔性のゲートの構造を配置するものである。ゲート電極は、アイドルモードで局所電圧を測定するために使用でき、剥離モードで電流をアノードに供給するために使用できるように、その平面内で電気的に伝導性にしなければならない。ゲートの構造は、多孔性であるが、その構造を通過する不均一なモフォロジー特徴部が極めて高い確率で電気接触するように十分に微細な孔構造を有する必要がある。多孔性であるが依然として不均一なモフォロジー特徴部のゲート電極への侵入を許さないようにする一つの方法は、多孔通路をゲート電極の一側から他側へ通過するにつれて幾何学的に蛇行性もしくは非線形にするものである。非限定的例では、これらの目標は、適切な剥離用電流を供給し得る高伝導性の粗いメッシュ2030と不均一なモフォロジー特徴部が接触することなく通過するには小さすぎる孔を有する伝導性微細メッシュ2020を積層することによって達成することができる。この積層ゲートは好ましい機械的特性及び電気的特性を有するとともに、不均一なモフォロジー特徴部成長による初期故障を確実に防止する微細空間をもたらす。特に図24Bに示すように、不均一なモフォロジー成長を剥離することができるようにゲート抵抗Rgateは不均一なモフォロジー特徴部の抵抗Rnumfより小さくすべきである。
【0154】
図21は薄い金属膜で処理した市販セパレータを備えるゲート電極の可能な実装例を示す。市販セパレータは電気的に絶縁性のポリマベース層で、作用電極間で電解質の流れを許容する微孔を有する。これらの孔は十分に小さく、不均一なモフォロジー特徴部がその材料と物理的に接触することなくその網目を通過することは殆ど起こり得ない。多種多様のこのような材料が当技術分野で周知であり、ほとんどの市販セルで使用されている。市販セパレータはゲート電極の出発点であり、作用電極を完全に分離するように作用電極の間に作用電極に平行に追加配置される。しかしながら、供給される市販セパレータ材料は、そのインピーダンスが事実上無限大であるため、不均一なモフォロジー特徴部がこのようなゲートに接触した場合に局所的ゲート電位がめっき電位に転移し、不均一なモフォロジー特徴部が成長し続けるために、セルを前述の故障及び劣化モードから保護するのに有効でない。従って、薄い金属膜がメッシュにめっきされる。この処理後に、セパレータメッシュを電流供給回路に取り付け、不均一なモフォロジー特徴部の衝突を防止することができる。このように処理されたセパレータは満足であり得る。しかしながら、いくつかの非限定的実施形態では、この金属化メッシュは、メッシュが十分な伝導性でないため、本発明の目標を達成するには不十分な伝導性を有しない。
【0155】
図22は代替実施形態を示し、薄い金属被覆セパレータが強固な金属グリッドと結合されている。金属グリッドは高度に伝導性で、作用電極から望ましくない不均一なモフォロジー特徴部を剥離するために十分な電流搬送容量を有する。いくつかの非限定的実施形態では、グリッドのフィラメントが遠く離れすぎているため不均一なモフォロジー特徴部がグリッドを通過する間にグリッドと接触しないようにする。そのため、グリッド単独では本発明の目標を達成するには不十分であり得る。図21の金属化メッシュを厚い金属メッシュと積層することによって、優れた特性を有する複合構造が生成される。
【0156】
上述した実施形態のように均質構造であろうと複合構造であろうと、セルの所与の作用電極に対して、(1)イオン伝導性であり、(2)作用電極からセルの中心に向かって成長する不均一なモフォロジー特徴部との接触を確実にするために十分小さい気孔サイズを有し、(3)積層構造内でエネルギーが消費されないように高い伝導性であり、且つ(4)高い電流搬送容量を有する、任意の構造が、修復動作をサポートするのに十分とし得る。
【0157】
セルの動作
ゲート電極を備える装置の電池管理システムの一連の可能な動作モードについて記載する。様々な実施形態において、安全性及び電力消費に関して様々な要件を有する様々な電池用途のために、様々な動作モードが存在し得る。
【0158】
電池管理システム(BMS)は、電池が充電状態と放電状態の間で循環している間に電池電圧を制御する電子又はソフトウェア制御システムを備える。BMSは電圧及び電流を監視し、選択された電極間に適切な電位差を印加してシステムを所望の動作状態にする手動オペレータを備え得る。その最も簡単な実装例では、BMSは内部電子回路を含まず、電池に印加される電圧が十分に高いとき、電池を充電するために電流が流れ、電圧が低下する(即ち、負荷が与えられる)とき、電池は放電する。しかしながら、殆どの現在の市販の電池には何らかの追加の電子回路が存在する。この電子回路の目的は、例えば充電中にどのくらい速く電圧を増加させるか能動的に制御すること、待機又は開回路状態中のリークを制限することにある。小型の市販Liイオンセルの典型的なBMS制御回路の一部分は特許文献4に開示されているが、様々な同様の関連装置が使用可能である。特許文献4の「電圧比較器」モードの目的は過電圧状態における金属めっき、従って不均一なモフォロジー特徴部を回避することにある。携帯電話または他の携帯電子機器などのもっと複雑なシステムでは、BMSはコンピュータベース実装、例えば電流及び電圧検出コンポーネントを備えたソフトウェア制御(例えば、機械読み取り可能な媒体に記録された命令セット)の下で動作するPMIC(電力管理集積回路)を備えることができる。
【0159】
本発明による装置の動作モード
スイッチを用いる手動実現の一実施形態を記載し、電子制御又はソフトウェア制御を用いる自動動作への拡張を簡潔に概説する。
【0160】
不均一なモフォロジー特徴部に起因するセル短絡の危険性は充電中が最も高いため、ゲート電流が短絡に対して厳密にモニタされる。カソード及びアノード電極間の電流が所定の閾値を超える場合に、「セルヘルス」事象がトリガされ得る。他の実装例では、ゲート電圧が目標電位からのシフトに関してモニタされる。更に他の実装例では、ゲート電極とアノードの間の検出電圧信号に対する電圧応答が増加する(すなわち抵抗値が減少する)場合に、「セルヘルス」事象がトリガされ得る。トリガ電圧、電流又は抵抗はゲート電極の自然開回路電圧に基づいて決定し得る。開回路電圧は電解質の電気化学ポテンシャル及びゲート電極材料の関数である。更に、トリガ事象はアノードの充電電流及び充電状態と特定の電気化学材料系の典型的な不均一なモフォロジー特徴部の抵抗の関数であり得る。閾値電圧、電流又は抵抗の選択は不均一なモフォロジー特徴部挙動の理論的予測に基づくものとすることができ、また経験に基づくものとし得る。更に他の実装例では、「セルヘルス」事象に対応する「トリガ電流」は、ゲートを目標電位に維持するために必要とされる電流と、選択したセルの又は十分な数の同様のセル(その統計分析が十分に高い信頼性(即ち90%、95%、99%、99.9%又はそれ以上)をもたらす)の実際のセル故障との間の実証的研究に基づくものとし得る。更に他の実施形態では、「セルヘルス」はこのようなトリガ電流に対応するインピーダンス又は電圧測定に基づくものとし得る。
【0161】
「セルヘルス」事象が検出される場合には、オペレータはいくつかの可能な救済ステップの一つをトリガし得る。最も簡単な救済ステップはアラームをトリガし、セルの充電プロセスを終了させ、電池を廃棄することである。これは、一旦ゲートをその目標電位に維持するために必要とされる電流が閾値を超えると、即ち「セルヘルス」が許容し得ないレベルに劣化したとみなされると、電池が更に充電されるのを防止する。いくつかの実施形態では、人間のオペレータの代わりに、マシン可読媒体に記録された命令セットの下で動作する汎用プログラマブルコンピュータを備えるコントローラ又は専用の制御回路を使用してもよい。
【0162】
代わりに、セルヘルス事象の認知はいくつかの可能な「脱短絡」ステップの一つをトリガする。一つの操作は、ゲート電極を金属の剥離電位より高くする電位差をゲート電極とアノードとの間に印加することができる。この電位の印加のためには電位と持続時間の両方を調整してよい。別のオプションは充電を中止し、セルを放電モードに切り替えてよい。この放電ステップはセルエネルギーを消費するためにバラスト負荷装置を使用し得る。代わりに、この放電ステップは短絡したセルの放電を複数のセルを含む電池パック内の別のセルを充電するために利用してもよい。印加する脱短絡電圧又は電流は、最悪の不均一なモフォロジー特徴部の存在下でも、ゲート電極が所要の電圧になるように予め決定し得る。別の実施形態では、脱短絡プロシージャは、ゲート電極とアノード及びカソードの両方との間の目標(ほぼゼロ)電流を達成するために必要とされる電圧(又は電流又はパルス幅)を見つけ出すことによって決定してもよい。更に別の実装例では、脱短絡プロシージャは、ゲート電極とカソード又はアノードの何れかとの間の目標電圧(この目標電圧は他の電極に対するゲート電極材料の開回路電圧に近い)を達成するために必要とされるパルス幅(又は電圧又は電流)を識別することによって決定してもよい。更に他の実装例では、短絡の検出はサイクル電圧の変化をトリガするため、セルは変更された電圧ウィンドウでサイクル動作し続けることができる。一旦不均一なモフォロジー特徴部が剥離されると、ゲート電極を目標電圧に維持するために要求される電流はほぼゼロに低下するが、ゲート電極に金属をめっきする短絡事象後に、ゲート電極がその開回路電圧に達するまでゲート電極と作用電極との間に放電電圧を供給し続けるのが望ましいことが多い。複数のゲート電極を有する実施形態では、脱短絡プロシージャは短絡プロセス中にゲート電極の少なくとも一つをアノードとして用いて、剥離された金属が犠牲的にこのアノードに堆積されるようにしてもよい。
【0163】
開回路動作中、不均一なモフォロジー特徴部短絡のリスクは低いが、依然として、電圧維持のために必要とされる電流をモニタしている間ゲート電極の電圧を維持するのが有利である。この動作中に短絡が検出された場合の救済措置のオプションは一般に充電中の短絡の場合にとられる措置と同様である(けれども、外部電源に接続する必要があるため回路の実装が困難になる)。
【0164】
放電動作中も、短絡のリスクは充電中より低いが、電圧維持のために必要とされる電流によりセルヘルスをモニタしている間ゲート電極を目標電圧に維持するのが有利である。
【0165】
多数のセルを用いる電池パックに対してもゲートの動作はほぼ不変である。しかしながら、パック内の他のセルに対して電圧又は電流の測定によりセルヘルスをモニタする追加のオプションが可能である。例えば、あるゲート電極の電圧又は電流の何れかを同じストリング内又は並列に接続されたストリング内の隣接ゲート電極と比較することができる。この場合、セルヘルス事象は同等であるべき異なるゲート電極の間の不一致によりトリガすることができる。同様に、救済処置は、上述した単一セルの全救済処置に加えて、パック全体のアラーミング及び放電、マルチストリングパック内の単一ストリングのアラーミング及び絶縁分離、又はパック内の隣りのストリングの充電による単一ストリングの放電を含み得る。
【0166】
これらの動作モードの実施はここに記述する手動プロセスによって行うことができる。代わりに、同じ目的(回路内の電圧、負荷及び電流を切り替えることによって電圧、電流及び抵抗を比較し応答すること)を達成するために、人手の介入なしに、様々な回路要素を使用することもできる。このような実施と関連する回路要素は当技術分野で周知である。短絡事象のトリガ閾値(電流、電圧又は抵抗のいずれとして測定されようと)は、このような場合には、機械可読媒体に記録された物理的基準値のような適切な電圧、電流又は抵抗基準値に匹敵するものとして実施することができ、また電圧又は電圧差に応答して又はその組み合わせによって能動回路をトリガするものとして実施することができる。また、この動作モードは既存のBMS又はPMIC(それらの殆どはここに記載する応答又は制御機能を可能にするのに十分な物理層制御機器を予め含んでいる)上で動作する機械可読媒体に記録された命令セット(すなわちソフトウェア)によって実行することができる。短絡事象のトリガ閾値(電流、電圧又は抵抗のいずれとして測定されようと)は好ましい実施形態では半導体メモリ内のツックアップテーブルに格納し得る。
【0167】
図23は、アノード電極2340と、カソード電極2330と、ゲート電極2305とを有し、ゲート電極2305がセパレータ2360及び2370と電解質を内蔵しているセルの一実施形態を示す。
【0168】
ここで図23に示すセルの典型的な動作状態について説明する。具体的には、ゲート2305は通常動作において少しもめっき動作に参加しないように高電圧に維持される。セルの充電率は高性能を確保するため及びアノード2340の状態を維持するために制限される。メインテナンスモードにおいて、ゲート電極をアノード電圧より約0.1V高く保つことによってゲート電極から小静止トリクル充電が与えられ得る。放電中、ゲート電極が放電に参加しないようにゲート電極2305はアノードより約0.1V低く保たれる。
【0169】
図24は、ゲート電極を使ってどのようにセル状態を測定し、その後作用電極の壊滅的短絡が起こる前に不均一なモフォロジー特徴部の形成を修正するかを示す。具体的には、通常の充電フェーズ中、アノードは約−0.5Vで動作するが(曲線部2410参照)、ゲート電極はアイドル状態で約1.5Vに維持される(曲線部2420参照)。不均一なモフォロジー特徴部がゲート電極に接触する場合、アノードへの短絡はその電圧をアノード電圧に近い電圧に降下させる(曲線部2430参照)。(短絡されたゲート電極で測定される実際の電圧は不均一なモフォロジー特徴部の抵抗とゲート電極自体の抵抗に依存する)。しかしながら、この短絡はゲート電極のみで、セル全体でないため、不均一なモフォロジー特徴部を剥離するためにゲート電極に負電圧を供給する好機が存在する(曲線部2440参照)。一旦これが行われると、セルの通常充電が持続し得る(曲線部2450参照)。このプロセスは多数回反復され(曲線部2460参照)、セルの寿命を延長するとともにセルを安全に動作させることができる。
【0170】
図25Aは、初期のセル短絡を検出し、このような検出に修復ステップで応答する方法と、影響を受ける作用電極に対する提案のゲート電極の抵抗要件を示す。図25Aにはゲート電極2505を有する電気化学セル2500が示され、ゲート電極2505は電気的にも電子的にも伝導性であり、イオン伝導性の支持体2510とこの支持体上に設けられた電気伝導性層2520を備える。ゲート2505はセル外部からアクセス可能なゲート電極電気端子2507を有する。図25Aのセル2500はゲート電極2505により分離されたカソード2530及びアノード2540を有する。電解質2550’,2550”がカソード2530とアノード2540との間に設けられる。ゲート2505は電解質内に浸漬される。
【0171】
図25Bはゲート電極の抵抗Rgateと不均一なモフォロジー特徴部の抵抗Rnumfを概略的に示す。不均一なモフォロジー特徴部を効率的に剥離するために、ゲート電極の抵抗は不均一なモフォロジー特徴部の抵抗より低くすべきである。Iを電流,Vを電圧,Rを抵抗とすると、電力はIR又はV/Rで与えられる。共通の剥離電流がゲート電極と不均一なモフォロジー特徴部を経て流される。RnumfがRgateより大きい場合、不均一なモフォロジー特徴部を剥離するために必要な電力が不均一なモフォロジー特徴部で消費され、より少ない電力がゲート自体で消費される。好ましい実施形態では、Rgateは1kΩ未満である。
【0172】
図26は本発明に従って保護されるマルチ電極電気化学(MEE)セルの動作方法を示すフローチャートである。一般に、マルチ電極電気化学セルにN個の電極がある場合(ここでNは3以上の整数)、N個の電極間の電流及び電圧の関係を能動的に制御するためにN−1個の制御回路を使用し得る。プロセスはステップ2610で開始する。ステップ2612において、能動制御回路が、セルはアイドル状態(例えば、セルを電流源又は電圧源又はシンクとして使用し、時間とともに変化しない適切な電気パラメータを示す動作装置から切り離されている状態)かどうかを確かめる。セルがアイドル状態である場合、プロセスは待ちサイクル2614を実行し、ステップ2612に戻る。コントローラがセルはアイドル状態でない(すなわちセルは動作している、又はセルの電気パラメータが時間とともに変化している)と決定する場合、プロセスはステップ2620に進み、能動制御回路がN個の電流の間に存在するN−1の電流/電圧関係を測定する。
【0173】
ステップ2630において、N−1の測定電流/電圧関係はテーブル内の
登録データと比較される(又は配線電流又は電圧基準値と比較され、またこのような比較のいくつかの組み合わせが実行される)。
【0174】
ステップ2632において、能動制御回路がセル状態を決定し、その状態は通常充電動作(ボックス2640で示す)、通常放電動作(ボックス2650で示す)、及び不均一なモフォロジー特徴部の剥離が妥当である状態(ボックス2660で示す)の何れかである。
【0175】
ボックス2640において、コントローラはアノード及びカソード電極化合物半導体に電流を流すことによって、或いはアノード及びカソード電極間に電圧を印加してMEEセルを充電させる。
【0176】
ボックス2650において、コントローラはアノードとカソードとの間を流れる電流を制御(又は制限)することによって、又はアノードとカソードとの間の電圧を制御(又は制限)することによってMEEセルの放電を許可する。
【0177】
ボックス2660において、コントローラは不均一なモフォロジー特徴部を「剥離」する又は溶解するためにゲート電極とアノード及びカソードの一つとの間に電流又は電圧を供給する。
【0178】
ボックス2640,2650及び2660で表されるプロセスの各々は所定の期間に亘り維持することができ、この期間はMEEセルの状態に依存させてもよいし、所定量の電荷を特定の電極の端子に送るのに十分なデフォルト期間(例えば、パルス幅又は周期関数のサイクル数)にしてもよい。
【0179】
制御回路は時々パス2670を経てステップ2612へ戻り、マルチ電極電気化学セルの現在状態が再び評価される。このプロセスは必要に応じて何度も繰り返すことができ、またMEEセルが所望の状態に維持されるように繰り返すことができる。
【0180】
図26の方法は手動で実施しても、以下に記載するコントローラを使用するなどの他の周知の方法で実施してもよい。
【0181】
図29Aは、再充電可能なLi金属二次セル(N/P容量比≦1)に関するセル電圧(即ち正及び負セル端子間で測定される電圧)を時間の関数として示すグラフである。
【0182】
図29Bは、再充電可能なLi金属二次セル(N/P容量比≦1)に関するゲート電圧(即ちゲート端子と負セル端子との間で測定される電圧)を時間の関数として示すグラフである。ここに示すゲート付セルは能動制御下にあり、バイアスは約0.5Vに設定されていることに留意されたい。
【0183】
ゲート電圧の公称値からの偏差は電圧「スパイク」として示されている。この偏差は負電極からのLiの消耗に起因する放電終了時のアノード電位の増加に対応する。制御回路は、ゲート電位の応答を認知し、所望の動作状態及び対応するヘルス状態を維持するようにゲート電位を負電極に対して修正するために必要な酸化電流を駆動することによって応答する。
【0184】
能動制御回路の別の非限定的実施形態において、図30はゲート付き再充電可能Li金属二次セル(N/P容量比≦1)に関するサイクル数の関数としてのカソードエネルギー密度を示す。ここに示すゲート付セルは能動制御下にあり、ゲートバイアスは0.5V,2.5V又は3.5Vに設定されていることに留意されたい。この例ではゲート電位が負電極に対して制御されるため、ゲート電極は所望のゲート電位設定点を維持するために酸化又は還元電流を課す。このデータは、エネルギー密度及び容量減衰などのセルの重要な性能基準がゲートの能動制御の方法により直接影響されることを示す。
【0185】
図31は、図30に示すゲート付き再充電可能Li金属二次セル(N/P容量比≦1)に関するサイクル数の関数としての平均充電及び放電電圧を示す。ここに示すゲート付セルは能動制御下にあり、ゲートバイアスは0.5V,2.5V又は3.5Vに設定されていることに留意されたい。図31に示すデータは、ゲート電位の能動制御はセルの平均充電及び放電電位に直接影響を及ぼすことを示す。従って、図30及び図31に示すセルケミストリ及び設計では、ゲートの能動制御設定点を負電極に対して0.5Vに設定すると、ゲート電位を2.5V又は3.5ボルトに設定するときより多数のサイクルに亘って好ましい平均セル電位を維持することができる。
【0186】
能動制御の更に別の実施形態において、図32はゲート付き再充電可能Li金属二次セル(N/P容量比≦1)に関するサイクル数の関数としての充電及び放電電圧を示す。ここに示すゲート付セルは能動制御下にあり、負電極に対して−2.6Vに変化するゲート電位は負電極からの活性物質の最適な消耗を示すことに留意されたい。この事象の認知時に、制御回路はセル放電の終了をトリガする。その後セルは動作シーケンスの次のステップに進み、この場合には充電を開始する。本例ではゲート電位は負電極に対して制御される。
【0187】
図33は本発明によるセルを動作させるテスト装置3300の画像である。図33に示すように、セル3305は負端子3310を有する負電極、正端子3315を有する正電極、及び制限抵抗に接続されたゲート端子3320を有し、このゲート端子はテスト装置と電気的に通信し、このテスト装置はテスト充電器3325と、負電極及び正電極の一つに対してゲート電極の電圧を設定するために使用される外部電圧源3330を備える。ゲート自体は超音波溶接でタブに接続された多孔性ポリオレフィンセパレータ上にスパッタされた約100nmの金−パラジウム合金を備える。
【0188】
周期的デンドライト溶解方法
図27は本発明により保護されたセルをコントローラで動作させる代替動作方法を示すフローチャートである。図27に示すプロセスでは、セルはアノード電極又はカソード電極の一つから成長し始めたデンドライトを溶解するように計算された方法で周期的に動作され、初期短絡が検出される前でも適用し得る。いくつかの実施形態では、この方法は、例えば電池が特定の用途において使用の必要がないと予想される期間、例えばマシンが動作休止に予定されている時間(例えば自動車が夜間自宅のガレージに駐車している時間など)中に電池に適用することができる。
【0189】
プロセスはステップ2710で開始する。セルが最初に充電モードでターンオンされるとき、コントローラ内でタイマが起動され、充電の累積時間が測定される。コントローラはゲートを目標電位に維持するために必要とされる電流と一緒に最初のターンオンからの累積充電時間を記録する。
【0190】
所定のモデルの二次電池に対して、時間の経過とともに、当該モデルの個々の二次電池が危険なセルヘルス状態に達するのに要する充電期間を含むデータベースを確立し得る。時間の経過とともに、ある充電時間T後に起こる可能性が高い短絡事象を数値信頼レベルで決定することができる。
【0191】
例えば、Tの充電持続時間は二次電池の短絡を95%の信頼レベルで生じることを決定するかもしれない。その場合、持続時間T=0.9×Tを、起こる可能性の高い短絡状態を回避するために放電ステップ又は剥離ステップを合理的に開始し得る持続時間として設定することができる。原理上、短絡発生の結果がもっと重大な場合にはもっと短い持続時間を設定することができ、短絡発生の結果がそれほど重大で場合にはもっと長い持続時間を設定することができ、
【0192】
ステップ2712において、コントローラは最初のターンオンからの累積充電時間をTの記録値と比較し、持続時間Tを経過したかどうかを決定する。持続時間Tを経過していなければ、コントローラはステップ2714へ進む。持続時間Tを経過した場合には、コントローラは矢印2730を経てステップ2740に進む。
【0193】
ステップ2714において、コントローラはT1の値より短い時間間隔が好ましい待ち期間待った後に再び検査を行う。その後プロセスは矢印2716を経てステップ2712に戻る。
【0194】
ステップ2740において、コントローラは、モニタ中の二次電池を動作中止にしても問題ないことを確認後に剥離又は放電ステップを開始する。剥離又は放電ステップはデンドライトを溶解するために計算された持続時間に亘って動作させることができる。
【0195】
ステップ2740の終了後、コントローラは矢印2750を経てプロセスをステップ2760に移す。
【0196】
ステップ2760において、コントローラはTの記録値をゼロにリセットする。
【0197】
ステップ2760の終了後に、コントローラは矢印2770を経てプロセスをステップ2712に移す。
【0198】
このプロセスはその後当該二次電池に対して反復される。このプロセスはアレイ内の各二次電池に対して実行して、どの二次電池も不当に短絡状態になることがないようにし得る。このプロセスは統計的であり、短絡状態に関して二次電池の状態の測定を行う必要はない。
【0199】
同じセル管理原理を一以上のセルからなる電池に拡張することができる。
【0200】
コントローラの説明
特許文献4は、二次電池のカソード及びアノード間に供給される電圧を制御し得る回路のいくつかの実施形態を開示している。特許文献4は、カソード及びアノードに加えてゲート電極を有する電池は開示していない。特許文献4は、カソード及びアノードに加えてゲート電極を有する電池内のカソードとゲート電極の間の相対電圧又はアノードとゲート電極の間の相対電圧を制御する回路を開示していない。
【0201】
本発明では、電極の各対の間、例えばアノードとゲート電極の間、カソードとゲート電極の間、及びカソードとアノードの間、の電流−電圧関係を制御する回路を必要とする。いくつかの実施形態では、3つの電流−電圧関係のうちの2つの設定で十分であり、第3の関係はその2つの関係から決まる。
【0202】
図28は一つの従来の制御回路の回路図であり(特許文献4に図2として示され、詳細に説明されている)、本発明によるマルチ電極電気化学セルを動作させるために使用し得る。いくつかの実施形態では、図28に示す2つの制御回路を使用することができ、その場合には各回路の端子2をマルチ電極電気化学セルのアノード,カソード及びゲート電極から選ばれる一つの単一電極に接続し、一制御回路の端子3をマルチ電極電気化学セルのアノード,カソード及びゲート電極の別の一つに接続し、他の制御回路の端子3をマルチ電極電気化学セルのアノード,カソード及びゲート電極の残りの一つに接続すればよい。追加のゲート電極(即ち3つ以上のゲート電極)がマルチ電極電気化学セル内に設けられる場合には、各追加の電極は図28に示すような追加の制御回路により独立に制御することができる。他の実施形態では、特許文献4の図1及び図3に示される制御回路を使用することもできる。
【0203】
図28はハードワイヤード実装に基づく実施形態であるが、図28に示すような回路はオペレータにより手動操作可能に変更することができ、この場合にはステップ2620で決定された測定電流−電圧関係の一部又はすべてを示す情報をオペレータに提供するためにディスプレイ又はアナウンシエータが必要とされる。別の代替実施形態では、コントローラはマシン可読媒体に記録された命令の制御の下で動作する汎用プログラムマブルコンピュータを備えることができる。
【0204】
定義
本願明細書で使用される用語「セルヘルス」はセルの物理的状態の記述子と理解されるべきであり、例えば「通常セルヘルス」は通常動作パラメータを有するセルを記述すると理解されるべきである。
【0205】
本願明細書で使用される用語「セルヘルス事象」は本発明のセルが「通常セルヘルス」から外れた状態を示すものと理解されるべきである。その例としては、ゲート電極を所定の電位に維持するために必要とされる電流が通常より高い状態を示すセル、ゲート電極とアノード電極又はカソード電極の何れかとの間の電圧が閾値電圧より低い状態を示すセル、又はゲート電極とアノード電極又はカソード電極の何れかとの間の抵抗が閾値より低い状態を示すセルがある。
【0206】
本願明細書で使用される用語「不均一なモフォロジー」は、単数形であろうと複数形あろうと、ザラザラ状、樹枝状、髭状、表面のでこぼこ、表面の凹凸、突起形成物、表面のゆがみ、表面の隆起などの何れかを指すものと理解されたい。これらの例は限定を意図するものでなく、「不均一なモフォロジー」は電池が動作するにつれて又は電池が老化するにつれて起こり得る電極表面の形状の多種多様の不規則変化に関連するものと理解されたい。
【0207】
本願明細書で使用される用語「能動電極」は、製造後の通常動作において電源又はコントローラなどの外部装置により動作される電極であって、その電極は電源及び/又はコントローラにより与えられる電流及び/又は電圧状態をとらざるをえない電極と理解されたい。これに反し、用語「受動電極」は電気化学セルの製造後の通常動作の結果としての電流及び/又は電圧状態を時間の関数として呈する電極であって、その電流及び/又は電圧状態はこの電極に電源又はコントローラにより与えられない。更に、特定の電極をある時は「能動電極」とみし、他の時は「受動電極」とみなし得るが、製造後の通常動作中のいつでも「能動電極」と記載される又は理解される任意の電極は「能動電極」と分類される。つまり、「能動電極」は常に制御されるわけではないが、「受動電極」は製造後の通常動作において決して制御されない。
【0208】
本願明細書で使用される用語「Mgセル」は電解質内のレドックス活性種がイオン、塩、キレート及び化合物等の任意の形のマグネシウム(Mg)を含んでいる電気化学セルを指すと理解されたい。
【0209】
本願明細書中に特に明記されていない限り、電気信号又は電磁信号(又はそれらの透過物)は不揮発性電気信号又は不揮発性電磁信号を指すと理解されたい。
【0210】
動作又はデータ収集の結果の記録、例えば特定の周波数又は波長での結果の記録は、本願明細書においては、出力データを記憶素子、マシン可読記憶媒体又は記憶装置に非一時的に書き込むことを意味すると理解され、定義される。本発明で使用し得る非一時的マシン可読記憶媒体としては、電子、磁気及び/又は光記憶媒体、例えば磁気フロッピーディスク及びハードディスク、DVDドライブ,CDドライブ(いくつかの実施形態ではDVDディスク、任意のCD−ROMディスク(即ち、リードオンリ光記憶ディスク)、CD−Rディスク(即ちリードワンスリードメニー光記憶ディスク)、CD−RWディスク(書換可能な光記憶ディスク)、及び電子記憶媒体、例えばRAM,ROM,EPRPM、コンパクトフラッシュカード、PCMCIAカード、又はSD又はSDIOメモリがあり、記憶媒体を収容しそれにデータを読み書きし得る電子コンポーネントとしては、例えばフロッピーディスクドライブ、DVDドライブ、CD/CD−R/CD−RWドライブ、又はコンパクトフラッシュ/PCMCIA/SDアダプタがある。特に明記されていない限り、「記録」又は「記録する」は非一時的記録又は非一時的に記録することを意味すると理解されたい。
【0211】
マシン可読記憶媒体の分野の当業者に周知のように、データ記憶の新媒体及びフォーマットが発明され続けており、将来利用可能になり得る使いやすい市販の記憶媒体及び対応する読取/書込装置が、特により大きな記憶容量、より高いアクセス速度、より小サイズ、及びより低いコスト/ビットをもたらすならば、使用にふさわしいものとなる可能性が高い。周知の古いマシン可読媒体、例えばパンチペーパーテープ又はカード、磁気記録テープ又はワイヤ、印刷文字の光又は磁気読取(例えばOCR及び磁気符号化シンボル)又は一次元又は二次元バーコードのようなマシン可読シンボル、も所定の条件の下で使用可能である。後利用のための画像データの記録(例えば、メモリ又はディジタルメモリへのデータの記録)は記録した情報の出力としての利用、ユーザにディスプレイするためのデータとしての利用、又は後で利用するためのデータとしての利用を可能にするために実行することができる。このようなディジタルメモリ素子又はチップはスタンドアロンメモリ装置とすることができ、また興味のある装置に組み込むことができる。「出力データの書込み」又は「メモリへの画像の書込み」は、本明細書においては、変換されたデータをマイクロコンピュータ内のレジスタに書き込むことも含むと定義される。
【0212】
「マイクロコンピュータ」は、本明細書においては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、及びディジタル信号プロセッサ(「DSP」)と同義であると定義される。マイクロコンピュータにより使用されるメモリは、例えばファームウェアとして符号化されたデータ処理のための命令を含み、この命令はマイクロコンピュータチップの内部に物理的に存在するメモリ又はマイクロコンピュータの外部のメモリに又は内部メモリ及び外部メモリの両方に存在させることができると理解されたい。同様に、アナログ信号をスタンドアロン型アナログ−ディジタル変換器(ADC)又は一以上のADCでディジタル化することができ、また多重化ADCチャネルをマイクロコンピュータパッケージ内に存在させることができる。フィールドプログラマブルアレイ(FPGA)チップ又は特定用途向け集積回路(ASIC)チップはマイクロコンピュータ機能を実行することができ、その機能はハードウェア論理回路、マイクロコンピュータのソフトウェアエミュレーション又はその両者の組み合わせによって実行することもできる。本明細書に記載する本発明の特徴の一部を有する装置は一つのマイクロコンピュータ上で完全に動作し得るが、2以上のマイクロコンピュータを含んでもよい。
【0213】
本発明による機器の制御、信号の記録及び信号又はデータの分析に有用な汎用プログラマブルコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)、マイクロプロセッサベースのコンピュータ、ポータブルコンピュータ、又は他のタイプの処理装置のいずれかとし得る。汎用プログラマブルコンピュータは典型的には、中央処理装置、マシン可読記憶媒体を用いて情報及びプログラムを書き込み及び読み出し得る記憶装置又はメモリ装置、有線通信装置又は無線通信装置などの通信端末、ディスプレイ端末などの出力装置、及びキーボードなどの入力装置を備える。ディスプレイ端末はタッチスクリーンディスプレイとすることができ、その場合にはこのディスプレイ端末はディスプレイ装置と入力装置の両方として機能し得る。異なる又は追加の入力装置、例えばマウスまたはジョイスティックなどのポインタ装置を存在させることもでき、異なる又は追加の出力装置、例えばスピーカ、第2ディスプレイ又はプリンタなどのアンアンシエータを存在させることもできる。コンピュータは様々なオペレーティングシステムのいずれか一つ、例えばWindows、MacOS、UNIX、Linaxのいくつかのバージョンのいずれか一つで動作し得る。汎用コンピュータの動作で得られた演算結果は後利用のために記憶する、及び/又はユーザに提示することができる。少なくとも、各マイクロプロセッサベースの汎用コンピュータはマイクロプロセッサ内の各演算ステップの結果を記憶するレジスタを有し、その結果はその後一般に後利用のためにキャッシュメモリに記憶されるため、その結果を表示したり、不揮発性メモリに記録したり、更なるデータ処理又は分析に使用したりすることができる。
【0214】
電気及び電子装置の多くの機能は、ハードウェア(例えば、ハードワイヤドロジック)で、ソフトウェア(例えば、汎用プロセッサ上で動作するプログラムに符号化されたロジック)で、及びファームウェア(例えば必要に応じプロセッサ上の動作のための呼び出される不揮発性メモリに符号化されたロジック)で実装することができる。本発明は、ハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアの一つの実装をハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアの異なる一つを用いて同等の機能性の別の実装と置き換えることも意図している。実装を伝達関数で数学的に表現できる程度まで、即ち伝達関数を示す「ブラックボックス」の入力端子に供給された特定の入力に対して特定の応答が出力端子に発生する程度まで、伝達関数のいかなる実装、例えば伝達関数の種々の部分又は区分のハードウェア、ファームウェア及びソフトウェア実装の任意の組み合せも、その実装の少なくとも一部分がハードウェアで実行される限り、本明細書において意図されている。
【0215】
理論的考察
本明細書で与えられる理論的記述は正しいと考えられるが、本明細書に記載され、請求項に記載される動作は理論的記述の正確さ又は正当性に依存しない。即ち、考察結果を本明細書で提示する理論と異なる理論に基づいて説明し得るその後の理論展開は本明細書に記載する発明を損ねない。
【0216】
本明細書に規定される特許、特許出願、特許出願公開、学術論文、書籍、公表論文、その他の公開資料は参照することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる。参照することにより本明細書に組み込まれるが、本明細書に明記されている既存の定義、記述又は他の開示資料と抵触する資料又は部分は組み込まれる資料と本開示資料との間で抵触が生じない程度に組み込まれる。抵触する場合には、その抵触は本開示を好ましい開示として支持して解消されたい。
【0217】
本発明は図面に示された好ましい実施形態を参照して具体的に説明したが、当業者は請求項で特定される本発明の精神及び範囲から逸脱することなくその範囲内で細部に様々な変更を実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図30
図31
図32
図33