特許第6491748号(P6491748)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491748
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】有機化合物におけるまたは関連する改善
(51)【国際特許分類】
   C07C 47/232 20060101AFI20190318BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20190318BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20190318BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20190318BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   C07C47/232CSP
   C11D3/50
   C11D3/386
   A61K8/33
   A61Q13/00 101
【請求項の数】5
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-525074(P2017-525074)
(86)(22)【出願日】2014年11月10日
(65)【公表番号】特表2017-534650(P2017-534650A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】EP2014074185
(87)【国際公開番号】WO2016074698
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2017年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】フラックスマン,フェリックス
【審査官】 奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0239736(US,A1)
【文献】 英国特許出願公告第01057360(GB,A)
【文献】 特開昭54−081237(JP,A)
【文献】 特表平08−502520(JP,A)
【文献】 特表2002−512609(JP,A)
【文献】 Tetrahedron,2007年,Vol.63,pp.2840-2850
【文献】 HELVETICA CHIMICA ACTA,1976年,Vol.59,pp.2261-2267
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 47/232
A61K 8/33
A61Q 13/00
C11D 3/386
C11D 3/50
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
式中、Rは−(CHR−(CHR−(CHR−CHOであり、R、R、Rは独立して、HまたはMeから選択され、m、n、oは独立して、0および1から選択され;
はMeであり;および
は、C〜C分岐、直鎖または環状アルカ−2−エニル残基である;
により表される化合物。
【請求項2】
香料成分としての、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物を含む香料組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の、請求項1に記載の化合物、または請求項に記載の香料組成物を含む、パーソナルケアまたは家庭用ケア組成物。
【請求項5】
グリーンの匂い特性をファインフレグランスまたは消費者製品に付与する方法であって、求項1に記載の化合物をそれに添加するステップ、およびアルデヒド官能基を含有する置換基に対して環上のオルト位が非置換である、任意のアリール置換アルカナール化合物を前記ファインフレグランスまたは消費者製品から選択的に排除するステップを含み、前記添加または選択的排除は、ラットから単離された肝細胞とインキュベートした場合に、その安息香酸誘導体への酵素的に媒介される分解に対する前記異なる2種の化合物の感受性に基づいており、前記請求項1に記載の化合物は、それらがその安息香酸誘導体に分解しないことを基準として添加に好適である一方で、前記アルデヒド官能基を含有する置換基に対して環上のオルト位が非置換である、任意のアリール置換アルカナール化合物は、それらがその安息香酸誘導体に分解することを基準として排除される、前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料成分および香料成分を含有する香料調製物に関する。特に、本発明は、特別な匂い特性を示し、ミュゲ(スズラン)の匂い特性に寄与し得る前記香料成分または香料調製物に関する。さらにより具体的には、本発明は、Lilial(商標)を含有しないか、または実質的に含有しない、前記香料調製物に関する。さらに本発明は、前記香料成分および香料調製物を作製する方法、ならびに、前記香料成分および香料調製物の、ファインフレグランスならびにパーソナルケアおよび家庭用ケア製品などの消費者製品における使用に関する。本発明はまた、前記香料成分または香料調製物を含有する、前記ファインフレグランスおよび消費者製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ミュゲの匂い特性を有する化合物は、非常に人気が高い香料成分である。これらの化合物は、フローラルベースにおいて重要な成分であり、多くの様々な種類のフレグランス創生にわたるハーモナイザーとして機能することができる。この種類の化合物は、パーソナルケアおよび消費者ケア製品などの消費者製品、ならびに高級香料において広く使用されており、心地よい匂いを生じるかまたは不快な匂いをマスクする。
【0003】
ミュゲの匂いノートについて広く評価されている優れた香料成分は、Lilial(商標)である。Lilial(商標)は、アリール置換アルカナール、より具体的には、アリール置換プロパナールの例である。具体的には、その化学名は、3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール(CAS 80-54-6)である。この化合物は、高級香料ならびにパーソナルおよび家庭用ケア製品における広範囲の使用が見出されている。しかしながら、その使用は、これが雄性ラットおよびイヌの生殖器官に対して有害作用を示すという最近の知見の観点から、規制調査下に入っている。マウス、モルモットおよび霊長類での研究では影響は見出されなかったが、それでも、Global Harmonized System(GHS)分類システムにおいては、この化合物はCMR2物質として分類されている。CMRカテゴリー2の物質については、使用のために提案された量が消費者に無害であることを証明する必要がある。Lilial(商標)の規制事情を考慮して、それを他の香料成分で置き換える必要性が存在する。
【0004】
WO2010105873は、Lilial(商標)を置き換える問題に取り組む。提案された解決策は、Lilial(商標)のものと実質的に同様の匂い特性を再現するための、香料パレットに一般に見出される既知の成分の混合物の使用に帰する。
同じく、WO2009027957は、香料パレットからの、既知の香料成分の組み合わせの調合物に帰する解決策を提案する。
【0005】
WO2013045301はまた、他の第2の香料成分との組み合わせにおける、化合物Lilyflore(商標)とある種のインダニルプロパナール化合物とを含む成分の混合物の選択に帰する、Lilial(商標)の代替について解決策を提案する。
【0006】
出願人は、香料組成物および消費者製品において香料成分として採用することができる化合物を最近見出した。より具体的には、出願人は、興味深い匂い特性を保有する化合物を見出した。さらにより具体的には、出願人は、Lilial(商標)の香りの再構成のために用いられ得、Lilial(商標)の代替としての役割を果たすことができる化合物を見出した。さらに、化合物は、Lilial(商標)と比較して、同様の、またはさらに改良された香料性能を有し得る。最終的に、出願人は、Lilial(商標)に関連する規制問題を招かない化合物を見出した。
【0007】
特に、出願人は、Lilial(商標)に類似した構造的アナログであるものの、極めて重要なことに、アルデヒド官能基を有する基に対してオルト位に位置するアリール環上の置換基を含有する、および/またはアルデヒド官能基を有する基に対してパラ位に位置するアリール環上のアルケニル置換基を含有する、アリール置換アルカナール香料成分が、興味深い匂い特性を有するが、驚くべきことに、in vitroデータに示されるように、それらが、Lilial(商標)に関連するCMRに関する問題を伴わないか、またはその関連性が著しく低いことを見出した。
【0008】
したがって、第一の側面において、本発明は、式I
【化1】
式中、Rは−(CHR−(CHR−(CHR−CHOであり、R、R、Rは独立して、HまたはMeから選択され、m、n、oは独立して、0および1から選択され;
はHまたはMeであり;および
は、C〜C分岐、直鎖または環状アルケニル残基である;
により表される化合物を提供する。
【0009】
好ましくは、式I(式中、RおよびRは上記で定義されるとおりであり、Rは、C〜C分岐、直鎖または環状アルカ−2−エニル残基、特に好ましくはエキソ−メチレン基を有するC〜Cアルカ−2−エニル残基である)により表される化合物を提供する。
【0010】
本発明の別の側面において、式I(式中、RおよびRは上記で定義されるとおりであり、Rは、フェニル環に対してアルファ位にCH基を保持するC〜C分岐、直鎖または環状アルカ−2−エニル残基である)により表される化合物を提供する。
本発明の特定の側面において、式I(式中、RおよびRは上記で定義されるとおりであり、Rは、アリル、2−メチルアリル、2−メチレンブチル、3−メチルブタ−2−エン−1−イル、3−メチルブタ−3−エン−2−イルおよびブタ−2−エン−1−イルからなる群から選択される)により表される化合物を提供する。
本発明のさらなる側面において、式Iにより表される化合物の炭素原子の合計数は、16を超えない。
【0011】
本発明のさらにより特定の側面において、3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナール、3−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナール、3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)ブタナール、2−メチル−3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナール、3−(2−メチル−4−(2−メチレンブチル)フェニル)プロパナール、2−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)アセトアルデヒド、3−(4−(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)フェニル)プロパナール、3−(4−(2−メチレンブチル)フェニル)プロパナール、2−(4−(2−メチルアリル)フェニル)アセトアルデヒド、3−(4−(3−メチルブタ−3−エン−2−イル)フェニル)プロパナール、2−(4−(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)フェニル)アセトアルデヒド、2−(2−メチル−4−(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)フェニル)アセトアルデヒドおよび3−(4−(ブタ−2−エン−1−イル)フェニル)プロパナールからなる群から選択される化合物を提供する。
【0012】
本発明の化合物は、特別な匂い特性および優れた性能特性を保有し、前記化合物は、Lilial(商標)と同様の匂い特性に寄与し得る。
さらに、本発明の化合物は、特に、実質的で、長続きする匂い特性を生成することができ、それらは、特に、実質的で、長続きするミュゲの匂い特性に寄与することができる。
【0013】
本発明の化合物は、好適な香料成分である。
本発明の化合物は、特に影響力の強い香料成分であり得る。香料成分が及ぼす影響はその匂い値に関与する。匂い値は検出閾値濃度に対する蒸気圧の比率である。
【0014】
いくつかの化合物は、著しく高い匂い値を有し得る。例えば、アルデヒド官能基を有する基に対してオルト位に位置するアリール環上の置換基を有する構造に関連する化合物
【化2】
は、559’071の匂い値を有する。関連する香料成分は、比較すると影響力が強くない。例えばLilial(商標)は、わずか32’978の匂い値を有する一方で、シクラメンアルデヒドは、わずか21’986の匂い値を有する。
【0015】
例えば、3−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナールは、Lilial(商標)と比較した場合、高い匂い値を有する。
本発明のいくつかの化合物の高い匂い値は、持続可能性についての需要が存在し、影響力の強い香料成分の提供により、パーフューマーが、より低い濃度の物質で望ましいフレグランスを作り出すことを可能にする点で、顕著である。
【0016】
Lilial(商標)を取り巻く規制問題は、ラットおよびイヌにおいて、in vitroでグルコース合成および脂肪酸合成を阻害することが知られているtert−ブチル安息香酸(t−BBA)に酵素的に分解されるという事実から生じている(McCune et al, Arch Biochem Biophys (1982) 214 (1): 124-133)。
tert-ブチル安息香酸は、雄性ラットにおいて精巣に影響を引き起すことが知られている(Hunter et al. Food Cosmet. Toxicol. 1965, 3: 289-298; Cagen et al. J. Am. Coll. Toxicol. 1989, 8 (5): 1027-1038)。
【0017】
これに対し、本発明の化合物は、毒性問題を潜在的に回避する。
芳香族環が、プロパナール側鎖に対するp−位において代謝的に不活性なt−ブチル基で置換されている、Lilialとは対照的に、本発明の化合物は、直鎖または分岐のアルケニル置換基(一般式IのR)を保持する。このアルケニル置換基は、続くビシナルジオールへの加水分解を伴うヒドロキシル化またはエポキシ化などの脊椎動物におけるさらなる酸化的代謝分解をうけやすい。得られる代謝物は、したがって、p−t−ブチル安息香酸と比較して、異なる物理的性質、例えばより高い水溶性を有し、ならびにしたがって、雄性ラットおよびイヌに対してp−t−ブチル安息香酸の生殖毒性の影響を及ぼさないことが予測される。あるいは、アルケニル置換基は、例えば、アルケニル置換基に作用する記載された代謝ステップがプロパナール側鎖の酸化的分解よりも速く生じる場合に、置換された安息香酸に対するプロパナール側鎖の分解を予防または低減し得る。
【0018】
したがって、本発明は、その別の側面において、香料成分としての上記に定義される化合物の使用を提供する。
本発明は、その別の側面において、アルデヒド官能基を有する置換基に対してアリール環上のオルト位が非置換である、および/またはパラ位においてアルケニル置換基を有する、アリール置換プロパナール着臭剤、特にLilial(商標)の代替としての、香料組成物における上記に定義される化合物の使用を提供する。
【0019】
本発明の別の側面において、香料組成物にグリーンの匂い特性を付与する方法を提供し、前記方法は、上記で定義された化合物を前記香料組成物に組み込むステップを含む。
本発明のさらに別の側面において、上記で定義された化合物を含む香料組成物を提供する。
【0020】
本発明のさらに別の側面において、上記で定義された化合物を含むミュゲの匂い特性のグリーンの側面を保有する香料組成物を提供する。
本発明のさらに別の側面において、アルデヒド官能基を有する置換基に対してアリール環上のオルト位が非置換である、任意のアリール置換プロパナール着臭剤、特にLilial(商標)を減少した量で有する、または実質的に含まない、上記で定義された化合物を含む香料組成物を提供する。
【0021】
本発明による香料組成物は、一種以上の本発明の化合物により完全に作製することができる。しかしながら、香料組成物はまた、一種以上の本発明の化合物に加えて、一種以上の追加の香料成分を含有してもよい。
本発明の化合物は、パーフューマーが達成しようとする特定の嗅覚的効果に応じて任意の量で香料組成物中に存在してもよい。本発明の特定の態様においては、本発明の香料組成物は、前記組成物の0.1〜100重量%の量で上記に定義される化合物を含有してもよい。
【0022】
一種以上の追加の香料成分が採用される場合、それらは、当該技術分野において知られている香料成分から選択されてもよい。
好ましくは、香料組成物に採用されてもよい少なくとも一種の追加の香料成分は、3−(4−イソブチル−2−メチルフェニル)プロパナールのような、ミュゲの匂い特性を保有する。
【0023】
特に、本発明による香料組成物に採用され得る前記香料成分には、(E/Z)−9−ヒドロキシ−5,9−ジメチルデカ−4−エナール、6−メトキシ−2,6−ジメチルヘプタン−1−アール(メトキシメロナール)、5,9−ジメチル−4,8−デカジエナール(ゲラルデヒド(geraldehyde))、ベータ−メチル−3−(1−メチルエチル)ベンゼンプロパナール(Florhydral)、オクタヒドロ−8,8−ジメチルナフタレン−2−カルバルデヒド(Cyclomyral)、アルファ−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−5−プロピオンアルデヒド(helional)、5−メチル−2−(1−メチルブチル)−5−プロピル−1,3−ジオキサン(Troenan)、3−(o−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド(Floralozone)、ファルネソール、3,7,11−トリメチルドデカ−1,6,10−トリエン−3−オール、任意に異性体混合物として(ネロリドール)、2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール(ジメチルフェニルエチルカルビノール)、シス−4−(イソプロピル)シクロヘキサンメタノール(Mayol)、1−(1−ヒドロキシエチル)−4−(1−メチルエチル)シクロヘキサン(任意にジアステレオ異性体の混合物として)(mugetanol)、(4−メチル−3−ペンテニル)シクロヘキセンカルバルデヒド(Citrusal)、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸アミル、3−(p−(2−メチルプロピル)フェニル)−2−メチルプロピオンアルデヒド(Silvial)、3−p−クメニル−2−メチルプロピオンアルデヒド(シクラメンアルデヒド)、シス−テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチルピラン−4−オール;トランス−テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチルピラン−4−オール;(Florol)の混合物、クエン酸トリエチルおよびジプロピレングリコールが含まれる。
【0024】
前記香料成分はさらに、サリチル酸アミル(2050-08-0);Aurantiol(登録商標)(89-43-0);サリチル酸ベンジル(118-58-1);シス−3−ヘキセニルサリチレート(65405-77-8);シトロネリルオキシアセトアルデヒド(7492-67-3);Cyclemax(7775-00-0);サリチル酸シクロヘキシル(25485-88-5);Cyclomyral(登録商標)(68738-94-3);シトロネロール(106-22-9);ゲラニオール(106-24-1);シクロペントールHc 937165(84560-00-9);Cymal(103-95-7);Dupical(30168-23-1);エチルリナロール(10339-55-6);フローラルスーパー(Floral Super)(71077-31-1);Florhydral(登録商標)(125109-85-5);Florol(登録商標)(63500-71-0);Gyrane(24237-00-1);サリチル酸ヘキシル(6259-76-3);Helional(商標)(1205-17-0);ヒドロキシシトロネラール(107-75-5);Linalool(78-70-6);Lyral(登録商標)(31906-04-4);Majantol(登録商標)(103694-68-4);Mayol(登録商標)(13828-37-0);Melafleur(68991-97-9);メロナール(106-72-9);ミュゲタノール(Mugetanol)(63767-86-2);Muguesia(56836-93-2);ミュゲアルコール(13351-61-6);Verdantiol(91-51-0);Peonile(登録商標)(10461-98-0);Phenoxanol(登録商標)(55066-48-3);Rossitol(登録商標)(215231-33-7);
【0025】
Silvial(登録商標)(6658-48-6);Suzural(6658-48-6);Muguol(登録商標)(18479-57-7);テトラヒドロリナロール(78-69-3);Acalea(84697-09-6);ジヒドロイソジャスモン酸(37172-53-5);ヘキシル桂皮アルデヒド(101-86-0);Hedione(登録商標)(24851-98-7);アセトイン(513-86-0);Adoxal(141-13-9);Aldolone(登録商標)(207228-93-1);Ambrocenide(登録商標)(211299-54-6);アンブロキサン(3738-00-9);Azurone(登録商標)(362467-67-2);Bacdanol(登録商標)(28219-61-6);Calone 1951(登録商標)(28940-11-6);Cetalox(登録商標)(3738-00-9);桂皮アルコール(104-54-1);シトラール(5392-40-5);Cyclabute(67634-20-2);Cyclacet(商標)(5413-60-5);Cyclaprop(商標)(17511-60-3);シクロヘキサデカノリド(109-29-5);シクロヘキサデセノン(3100-36-5);シクロペンタデカノン(507-72-7);デルタダマスコン(57378-68-4);Ebanol(登録商標)(67801-20-1);Elintaal Forte(40910-49-4);エチルバニリン(121-32-4);
【0026】
エチレンブラシレート(105-95-3);Exaltenone 942008(14595-54-1);Exaltolide Total 935985(106-02-5);Floralozone(67634-14-4);Fructalate(72903-27-6);ガンマデカラクトン(706-14-9);ハバノリド(111879-80-2);Helvetolide(登録商標)(141773-73-1);ヘキサメチルインダノピラン(1222-05-5);Hydroxyambran(登録商標)(118562-73-5);Iso E Super(登録商標)(54464-57-2);イソヘキセニルシクロヘキセニルカルボキシアルデヒド(37677-14-8);ジャスマル(18871-14-2);Javanol(登録商標)(198404-98-7);ラウリンアルデヒド(112-54-9);Mefranal(55066-49-4);Muscenone(63314-79-4);Tonalid(登録商標)(1506-02-1);Nectaryl(登録商標)(95962-14-4);Norlim Banol(70788-30-6);パラヒドロキシフェニルブタノン(5471-51-2);ピノアセトアルデヒド(33885-51-7);Romandolide(登録商標)(236391-76-7);Sanjinol(28219-61-6);Silvanone(登録商標)Supra(109-29-5/507-72-7);テルピネオール(8000-41-7);バニリン(121-33-5);およびVelvione(登録商標)(37609-25-9);ここで、括弧内の数字はCAS番号である、を含んでもよい。
【0027】
香料組成物は、上に挙げた香料成分に限定される必要はない。香料において一般に用いられる他の香料成分を採用してもよく、例えば、“Perfume and Flavour Chemicals”, S. Arctander, Allured Publishing Corporation, 1994, IL, USA(これは参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている任意のそれらの成分を用いることができ、精油、植物抽出物、アブソリュート、レジノイド、天然産物から得た着臭剤などを含む。
【0028】
前記香料組成物中に含有される香料成分は上記に記載されているが、当然ながら香料組成物は、記載の成分に限定されるものではない。特に、香料混合物は、香料調合物に一般に採用される補助剤を含んでもよい。用語「補助剤」は、組成物の嗅覚的性能に関連する以外の理由で、または具体的に関連しない理由で、香料組成物に採用し得る成分を指す。例えば補助剤は、1種以上の香料成分もしくは前記成分を含有する組成物の加工を助ける働きをする成分であってもよく、またはそれは、香料成分もしくはこれを含有する組成物の取扱いまたは保存を改善し得る。それはまた、色または質感を付与するなどの付加的利益を提供する成分であってもよい。それはまた、香料成分もしくはこれを含有する組成物に含有される1種以上の成分に対して耐光性または化学的安定性を付与する成分であってもよい。香料混合物または香料組成物において一般に用いられる補助剤の性質および種類の詳細な説明は、網羅的にすることができないが、前記成分は、当業者によく知られていることに言及しなければならない。補助剤の例には、溶媒および共溶媒;界面活性剤および乳化剤;粘度およびレオロジー調整剤;増粘およびゲル化剤;保存材料;色素、染料および着色料;増量剤、充填剤および強化剤;熱および光の有害作用に対する安定化剤、嵩高剤、酸味料、緩衝剤および抗酸化剤が含まれる。
【0029】
さらに、本発明において採用される任意の1種以上の香料成分または補助剤は、所望の効果を提供することが望ましい場合、送達ビヒクル中に調合され得る。送達ビヒクルは、カプセル化を含んでもよい。代替的に、送達ビヒクルは、固体支持体、例えば、その上に1種以上の香料成分または補助剤が、化学的または物理的に結合し得るポリマー支持体材料の形態であってもよい。さらに、1種以上の香料成分または補助剤は、マトリックス材料中に溶解または分散させることができ、該マトリックス材料は、前記1種以上の成分がそこから発する速度を制御するように機能する。さらなる代替的態様においては、1種以上の成分または補助剤は、シクロデキストリンまたはゼオライトもしくは他の無機材料などの多孔質基材上に支持されていてもよい。さらなる態様において、1種以上の香料成分は、プロ香料の形態で提供されてもよく、これは好適な環境において反応し、香料成分を制御された様式で放出する。
【0030】
好ましくは、カルボニル官能基を有するさらなる香料成分の場合において、対応するプロ香料は、一級および/または二級アミン化合物と香料成分との反応生成物である。
【0031】
特に、フレグランス前駆体としても知られている、かかるプロ香料は、好適なアミノ化合物と式I
【化3】
式中、Rは−(CHR−(CHR−(CHR−CHOであり;R、R、Rは独立して、HまたはMeから選択され、m、n、oは独立して、0および1から選択され;
はHまたはMeであり;および
は、C〜C分岐、直鎖または環状アルケニル残基である;
により表される化合物との反応生成物であることが好ましい。
かかる反応により、様々な生成物、例えば対応するイミン、エナミン、ヘミ−アミナールまたはアミナールが得られ得る。
【0032】
上記で言及されるプロ香料の形成のために好適なアミノ化合物は、芳香族アミン、特に2−アミノ安息香酸メチル(アントラニル酸メチル)、2−アミノアセトフェノン、式II(式中、R=C−C12直鎖もしくは分岐アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアルキルアリール、およびR=H、Me、Etである)のオルト、メタまたはパラアミノベンゾアート;一級または二級脂肪族アミン、好ましくはC−C30直鎖もしくは分岐アルキルアミンまたはアルキルジアミン;エーテルアミン;エチレン−およびプロピレン−アミン;アミノ酸および誘導体;ポリアミン、特に一級および二級ポリエーテルアミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリアミドアミン、ポリアミノ酸、ポリビニルアミン、ポリ(エチレングリコール)ビス(アミン)、アミノ置換ポリビニルアルコール;N−(3−アミノプロピル)イミダゾール、ニペコタミド、スカトールならびにインドールからなる群から選択することができる。
【0033】
あるいは、式Iの化合物を放出するのに好適なプロ香料は、酸化的に切断可能なプロ香料またはアセタールもしくはヘミアセタールとして、クネーフェナーゲル縮合、アルドール形成の生成物として提供されてもよい。
【0034】
上記を考慮すれば、香料組成物は少なくとも部分的に、固体形態、ゲル形態、泡状形態および/または液体形態であり得ることが理解されるであろう。固体形態で存在する場合、これは顆粒、粉末または錠剤の形態をとることができる。
【0035】
本発明は、その別の側面において、
式I
【化4】
式中、Rは−(CHR−(CHR−(CHR−CHOであり;R、R、Rは独立して、HまたはMeから選択され、m、n、oは独立して、0および1から選択され;
はHまたはMeであり;および
は、C〜C分岐、直鎖または環状アルケニル残基である;
により表される化合物により香りづけられる、ファインフレグランスまたはパーソナルケアもしくは家庭用ケア組成物などの消費者製品を提供する。
【0036】
本発明の特定の態様において、本発明は、式I(式中、RおよびRは上記で定義されるとおりであり、Rは、C〜C分岐、直鎖または環状アルカ−2−エニル残基、特に好ましくはエキソ−メチレン基を有するC〜Cアルカ−2−エニル残基である)により表される化合物により香りづけられる、ファインフレグランスまたはパーソナルケアもしくは家庭用ケア組成物などの消費者製品を提供する。
【0037】
本発明の別の特定の態様において、本発明は、式I(式中、RおよびRは上記で定義されるとおりであり、Rは、フェニル環に対してアルファ位にCH基を保持するC〜C分岐、直鎖または環状アルカ−2−エニル残基である)により表される化合物により香りづけられる、ファインフレグランスまたはパーソナルケアもしくは家庭用ケア組成物などの消費者製品を提供する。
【0038】
本発明の別の特定の態様において、本発明は、式I(式中、RおよびRは上記で定義されるとおりであり、Rは、アリル、2−メチルアリル、2−メチレンブチル、3−メチルブタ−2−エン−1−イル、3−メチルブタ−3−エン−2−イルおよびブタ−2−エン−1−イルからなる群から選択される)により表される化合物により香りづけられる、ファインフレグランスまたはパーソナルケアもしくは家庭用ケア組成物などの消費者製品を提供する。
【0039】
本発明のさらにより具体的な態様において、本発明は、3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナール、3−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナール、3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)ブタナール、2−メチル−3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナール、3−(2−メチル−4−(2−メチレンブチル)フェニル)プロパナール、2−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)アセトアルデヒド、3−(4−(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)フェニル)プロパナール、3−(4−(2−メチレンブチル)フェニル)プロパナール、2−(4−(2−メチルアリル)フェニル)アセトアルデヒド、3−(4−(3−メチルブタ−3−エン−2−イル)フェニル)プロパナール、2−(4−(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)フェニル)アセトアルデヒド、2−(2−メチル−4−(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)フェニル)アセトアルデヒドおよび3−(4−(ブタ−2−エン−1−イル)フェニル)プロパナール、またはその対応するプロ香料からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物により香り付けられる、ファインフレグランスまたはパーソナルケアもしくは家庭用ケア組成物などの消費者製品を提供する。
【0040】
上記で定義される化合物は、ファインフレグランスまたはパーソナルケアもしくは家庭用ケア組成物などの消費者製品に添加される場合、前記組成物に特徴的な匂い、好ましくはグリーンの匂いを付与し得る。本発明の別の側面によれば、ファインフレグランスまたはパーソナルケアもしくは家庭用ケア組成物などの消費者製品に、特別な匂い特性、好ましくはグリーンの匂い特性を付与する方法であって、前記組成物に、上記で定義される化合物または前記化合物を含有する香料組成物を添加するステップを含む、前記方法を提供する。
【0041】
本発明のさらに別の側面において、ファインフレグランスまたはパーソナルケアもしくは家庭用ケア組成物などの消費者製品に、特別な匂い特性、特にグリーンの匂い特性を付与する方法であって、前記ファインフレグランスまたは消費者製品に、上記で定義されるアリール置換アルカナール化合物を添加するステップ、および前記ファインフレグランスまたは消費者製品から、アルデヒド官能基を有する置換基に対してアリール環上のオルト位が非置換であるか、またはアルデヒド官能基を含有する置換基に対して環上のパラ位においてアルケニル残基により置換されていない、任意のアリール置換アルカナール化合物を選択的に排除するステップを含む、前記方法を提供する。
【0042】
本発明のさらに別の側面において、ファインフレグランスまたはパーソナルケアおよび家庭用ケア組成物など消費者製品にグリーンの匂い特性を付与する方法であって、それに上記で定義されるアリール置換アルカナール化合物を添加するステップ、および前記ファインフレグランスまたは消費者製品から、アルデヒド官能基を有する置換基に対してアリール環上のオルト位が非置換であるか、またはアルデヒドを含有する置換基に対して環上のパラ位がアルケニル残基により置換されていない、任意のアリール置換アルカナール化合物を選択的に排除するステップを含み、前記選択的添加または排除が、ラットから単離された肝細胞とインキュベートした場合に、その安息香酸誘導体への酵素的に媒介される分解に対する前記化合物の感受性に基づいており、前記化合物は、試験条件下でそれらがその安息香酸誘導体に分解しないこと、またはそれらが非毒性の安息香酸誘導体に分解することを基準として添加に好適である一方で、前記化合物は、試験条件下でそれらがその安息香酸誘導体に分解することを基準として排除される、前記方法を提供する。
【0043】
本発明のさらに別の側面において、いずれのCMR2分類も含有しない標識と一緒に、好適な容器において、アルデヒド官能基を有する置換基に対してアリール環上のパラ位にアルケニル置換基を、および/またはアルデヒド官能基を有する基に対して環上のオルト位にメチル置換基を、有するアリール置換アルカナール化合物を含む香料組成物を提供する。
【0044】
パーソナルおよび家庭用ケア組成物などの消費者製品としては、限定はされないが、テキスタイル処理製品、アイロン補助品、ふきん、洗濯洗剤、洗浄製品、特に硬いおよび/または柔らかい表面用のもの、家庭用洗剤、ケア製品、洗浄ケア製品、洗濯ケア製品、部屋用芳香剤、およびエアフレッシュナー、コンディショナー、着色剤、衣類用コンディショナー、コンディショニング基剤、薬剤、作物保護製品、艶出し剤、食品、化粧品、肥料、建築材料、接着剤、漂白剤、脱灰剤、自動車ケア製品、床ケア製品、調理器具ケア製品、革ケア製品もしくは家具ケア製品、研磨剤、殺菌剤、芳香剤、かび取り剤、および/または前述製品の前駆体が含まれる。
【0045】
当業者は、香料成分および組成物の、ファインフレグランスならびにパーソナルおよび家庭用ケア組成物などの消費者製品への適用性を十分に認識しており、かかる組成物の極めて詳細な説明は、ここでは必要とされない。しかしながら、言及され得る具体的組成物としては、洗浄組成物;自動車ケア組成物;化粧品組成物;テキスタイル処理組成物;ならびにエアフレッシュナーおよび空気ケア組成物が含まれる。
【0046】
洗浄製品には以下が含まれる:
便器洗浄剤または化粧室洗浄剤、すなわち水洗便器および男性用小便器を洗浄するための製品であり、これらの製品は好ましくは、粉末、ブロック、錠剤または液体、好ましくはゲルの形態で供給される。界面活性剤などの他の典型的な成分に加えて、これらは一般に、有機酸(例えば、クエン酸および/または乳酸)あるいは、水あかもしくは尿スケール(urine scale)を除去するための硫酸水素ナトリウム、アミド硫酸またはリン酸を含む;
【0047】
パイプ洗浄製品または排水管洗浄剤。これらは、典型的には強アルカリ性製品であって、例えば毛髪、脂肪、食物残渣、石鹸堆積物などの有機材料を含むパイプの詰まりを除去するために、一般に役立つものである。Al粉末またはZn粉末の添加は、泡立ち効果を有するH2ガスを形成するために役立ち得る。可能性のある成分は、一般的にアルカリ、アルカリ塩、酸化剤、および中性塩である。粉末形態での供給形態は、好ましくはまた、硝酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムなどをも含む。液体形態でのパイプ洗浄製品は好ましくはまた、次亜塩素酸塩をも含み得る。また、酵素ベースの排水管洗浄剤もある。酸性の製品も同様に可能である;
【0048】
万能または多目的または汎用洗浄剤。これらは、濡れまたは湿りをしっかり拭くことができる、あらゆる硬表面に広く使用され得る家庭用および商業用の洗浄剤である。一般的に言えば、これらは、中性またはわずかにアルカリ性またはわずかに酸性の製品で、特に液体製品である。多目的または汎用洗浄剤は、一般に、界面活性剤、ビルダー、溶媒およびヒドロトロープ、染料、保存剤等を含む;
【0049】
特別な消毒剤特性を有する多目的洗浄剤。これらはさらに、活性な抗菌成分(例えば、アルデヒド、アルコール、第四級アンモニウム化合物、両性界面活性剤、トリクロサン)を含む;
【0050】
衛生洗浄剤。これらは、浴室および便器を洗浄するための製品である。アルカリ性衛生洗浄剤は、脂肪汚れを除去するために好ましく用いられ、一方で、酸性衛生洗浄剤は特に、水あかを除去するために使用される。衛生洗浄剤は、有利には、かなりの消毒作用をも有し、特に塩素を含む強アルカリ性衛生洗浄剤はそうである;
【0051】
ゲルまたは泡スプレーの形態で供給することができるオーブン洗浄剤またはグリル洗浄剤。これらは一般に、焦げたまたは炭化した食品残渣を除去するのに役立つ。オーブン洗浄剤は、好ましくは、例えば水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、2−アミノエタノールを使用した強アルカリ性調合物として提供される。さらに、これらは一般に、陰イオン性および/または非イオン性界面活性剤、水溶性溶剤を含有し、場合によっては、ポリカルボキシレートおよびカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤を含有する;
【0052】
金属艶出し剤。これらは、ステンレス鋼または銀などの特定種類の金属の洗浄剤である。ステンレス鋼洗浄剤は好ましくは、酸(好ましくは3重量%まで、例えばクエン酸、乳酸)、界面活性剤(特に5重量%まで、好ましくは非イオン性および/または陰イオン性界面活性剤)、および水の他に、脂肪汚れを除去するための溶媒(好ましくは15重量%まで)ならびに、さらに増粘剤および保存剤などの更なる化合物を含有する。好ましくはステンレス鋼の輝く表面用の製品には、非常に微細な研磨構造がさらに含まれる。銀艶出し剤も同様に、酸性の調合物で提供することができる。特に、硫化銀の黒色付着物を除去するために、それらは好ましくは、錯化剤(例えば、チオ尿素、チオ硫酸ナトリウム)を含有する。典型的な供給形態は、艶出し布、浸漬浴、ペースト、および液体である。暗変色(酸化物層)は、銅洗浄剤および非鉄金属洗浄剤(例えば、真鍮および青銅用)を使用して除去する。これらは一般に、弱アルカリ性の調合物を有し(好ましくはアンモニアを含む)、一般的に、艶出し剤と、また好ましくはアンモニウム石鹸および/または錯化剤をも含む;
【0053】
ガラス洗浄剤および窓用洗浄剤。これらの製品は好ましくは、ガラス表面から汚れ、特に油脂性の汚れを除去するのに役立つ。好ましくは、これらは以下を含む:化合物、例えばアニオン性および/または非イオン性界面活性剤(特に、5重量%まで)、アンモニアおよび/またはエタノールアミン(特に、1重量%まで)、エタノールおよび/または2−プロパノール、グリコールエーテル(特に、10〜30重量%)、水、保存剤、色素、抗ミスト剤など;
特殊目的のための洗浄製品、例は、ガラスセラミック製のホブ用のもの、ならびにまたカーペット洗浄剤およびシミ抜き剤である。
【0054】
自動車ケア製品は以下を含む:
塗料保存剤、塗料艶出し剤、塗料洗浄剤、洗浄保存剤、洗車用シャンプー、自動車洗浄およびワックス製品、トリム金属用艶出し剤、トリム金属用保護フィルム、プラスチック洗浄剤、タール除去剤、スクリーン洗浄剤、エンジン洗浄剤など。
【0055】
化粧品は以下を含む:
(a)化粧用スキンケア製品、特に風呂用製品、肌洗浄およびクレンジング製品、スキンケア製品、アイメイク、リップケア製品、ネイルケア製品、デリケートゾーンケア製品、フットケア製品;
(b)特定の効果を有する化粧品、特に日焼け止め剤、日焼け製品、脱色素製品、デオドラント、制汗剤、脱毛剤、シェービング製品、香水;
(c)化粧用デンタルケア製品、特にデンタルおよびオーラルケア製品、トゥースケア製品、義歯用洗浄剤、義歯用接着剤;ならびに
(d)化粧用ヘアケア製品、特にヘアシャンプー、ヘアケア製品、ヘアセッティング製品、整髪製品およびヘアカラー製品。
【0056】
テキスタイル処理製品は以下を含む:
例えば液体もしくは固体形態いずれかの、洗剤または繊維用仕上げ剤。
エアフレッシュナーおよび部屋用芳香剤は以下を含む:
好ましくは揮発性で通常心地よい香りの化合物を含有し、有利には非常に少量であっても、不快な臭いをマスクすることができる製品。居住エリアのエアフレッシュナーは、特に、天然および合成の精油、例えば松葉油、柑橘油、ユーカリ油、ラベンダー油などを、例えば50重量%までの量で含有する。エアロゾルとしては、それらは、かかる精油より少量の、一例として5重量%未満または2重量%未満を含有する傾向があるが、さらに、例えばアセトアルデヒド(特に、<0.5重量%)、イソプロピルアルコール(特に、<5重量%)、鉱油(特に、<5重量%)、および噴射剤などの化合物を含む。その他の提供形態としては、スティックおよびブロックが含まれる。それらは典型的には、精油を含むゲル濃縮物を用いて生産される。ホルムアルデヒド(保存用)およびクロロフィル(好ましくは<5重量%)、およびさらなる成分を添加することも可能である。しかし、エアフレッシュナーは居住空間に限定されず、自動車、食器棚、食器洗浄機、冷蔵庫または靴用に意図されてもよく、掃除機での使用も可能である。家庭においては(例えば食器棚において)、例えば、臭気改良剤に加えて殺菌剤も使用され、これらは、好ましくはリン酸カルシウム、タルク、ステアリン、および精油などの化合物を含有し、これらの製品は例えば小袋の形態をとる。
【0057】
本明細書上記で言及した消費者製品組成物、特に洗濯または洗浄用途で使用されるものは、1種以上の下記物質を含有していてもよい:
ビルダー物質、界面活性剤、酵素、好ましくは有機および/または無機の過酸素化合物、過酸素活性剤などの漂白剤、水混和性有機溶媒、金属イオン封鎖剤、電解質、pH調整剤、増粘剤、ならびに汚れ放出(soil release)活性物質、光学的増白剤、灰色化阻害剤、色移り防止剤、発泡調節剤、および染料などのさらなる補助剤。
【0058】
界面活性剤には、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびそれらの混合物が含まれるが、カチオン性界面活性剤もまた適切である。適切な非イオン性界面活性剤は、特に、それぞれが12〜18個の炭素原子をアルキル部分に有し、および3〜20個、好ましくは4〜10個のアルキルエーテル基を有する、アルキルグリコシドおよび/または直鎖もしくは分岐アルコールのエトキシル化および/またはプロポキシル化生成物である。さらに使用可能であるのは、アルキル部分に関して上記長鎖アルコール誘導体に対応するN−アルキルアミン、隣接ジオール、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミド、ならびに5〜12個の炭素原子をアルキル残基中に有するアルキルフェノールの、対応するエトキシル化および/またはプロポキシル化生成物である。
【0059】
好適な陰イオン性界面活性剤としては、石鹸、および、好ましくはアルカリイオンをカチオンとして有する硫酸エステルまたはスルホン酸塩基を含有するものが含まれる。石鹸には、12〜18個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸のアルカリ塩が含まれる。かかる脂肪酸はまた、不完全中和された形態でも使用することができる。硫酸エステル型の使用可能な界面活性剤に含まれるのは、12〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコールの硫酸半エステルの塩、およびエトキシル化度の低い前記の非イオン性界面活性剤の硫酸化生成物である。スルホン酸塩型の使用可能な界面活性剤に含まれるのは、9〜14個の炭素原子をアルキル部分に有する、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、12〜18個の炭素原子を有するアルカンスルホン酸塩、および対応するモノオレフィンの三酸化硫黄との反応の際に生成される、12〜18個の炭素原子を有するオレフィンスルホン酸塩、ならびに脂肪酸メチルまたはエチルエステルのスルホン化の際に生成される、アルファ−スルホ脂肪酸エステルである。
【0060】
カチオン性界面活性剤には、エステル第四級塩(esterquat)、および/または第四級アンモニウム化合物(QAC)が含まれる。QACは、第三級アミンの、塩化メチル、塩化ベンジル、硫酸ジメチル、臭化ドデシルなどのアルキル化剤との、また酸化エチレンとの反応によって製造することができる。長鎖アルキル残基および2個のメチル基を有する第三級アミンのアルキル化は、特に容易に起こり、2個の長い残基および1個のメチル基を有する第三級アミンの四級化もまた、温和な条件下で塩化メチルを用いて行うことができる。3個の長鎖アルキル残基またはヒドロキシ置換されたアルキル残基を有するアミンは、低い反応性を有し、例えば硫酸ジメチルを用いて四級化される。好適なQACは、例えば、塩化ベンザルコニウム(N−アルキル−N,N−ジメチルベンジルアンモニウムクロリド)、ベンザルコンB(m,p−ジクロロベンジルジメチル−C12−アルキルアンモニウムクロリド)、ベンズオキソニウムクロリド(ベンジルドデシル−ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド)、臭化セトリモニウム(N−ヘキサデシル−N,N−トリメチルアンモニウムブロミド)、塩化ベンゼトニウム(N,N−ジメチル−N−[2−[2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]エトキシ]エチル]ベンジルアンモニウムクロリド)、ジ−n−デシルジメチルアンモニウムクロリドなどのジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、1−セチルピリジニウムクロリド、およびヨウ化チアゾリン、ならびにそれらの混合物である。好ましいQACは、C〜C22アルキル残基を有する塩化ベンザルコニウム、特にC12〜C14アルキルベンジルジメチルアンモニムクロリドである。
【0061】
エステル第四級塩には、Stepan companyにより商標Stepantexのもとで販売されている、市販のメチルヒドロキシアルキルジアルキルオキシアルキルアンモニウムメトスルファート、またはCognis Deutschland GmbHの製品で商品名Dehyquat(商標)として知られているもの、またはGoldschmidt-Witcoの製品Rewoquat(商標)が含まれる。
界面活性剤は、本発明の消費者製品中に5重量%〜50重量%の量で使用することができる。
【0062】
ビルダーとしては、水溶性および/または水不溶性、有機および/または無機ビルダーが含まれる。特にそれらは、水溶性有機ビルダー物質を含み、これらはポリカルボン酸、より具体的にはクエン酸および糖酸、モノマーおよびポリマーアミノポリカルボン酸、特にメチルグリシン二酢酸、ニトリロ三酢酸、およびエチレンジアミン四酢酸、ならびにポリアスパラギン酸、ポリホスホン酸類、特にアミノトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、および1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、デキストリンなどのポリマーヒドロキシ化合物、ならびにポリマー(ポリ)カルボン酸、ポリマーアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、およびそれらの混合ポリマーであり、これらはまた、カルボン酸官能基を持たない少量の重合性物質を含むこともできる。
【0063】
それぞれの場合において遊離酸に基づき、不飽和カルボン酸のホモポリマーの相対分子量は、一般に5000〜200,000の間であり、コポリマーの相対分子量は、2000〜200,000の間である。このクラスの好適な化合物は、アクリル酸またはメタクリル酸と、ビニルメチルエーテルなどのビニルエーテル、ビニルエステル、エチレン、プロピレン、およびスチレンとのコポリマーであり、ここで酸の割合は、少なくとも50重量%に等しい。水溶性有機ビルダー物質として、2つの不飽和酸および/またはその塩をモノマーとして、および第3のモノマーとしてビニルアルコールおよび/またはビニルアルコール誘導体または炭水化物を含有する、ターポリマーを、使用することもできる。第1の酸モノマーまたはその塩は、エチレン性モノ不飽和C〜Cカルボン酸から誘導されてよい。第2の酸モノマーまたはその塩は、C〜Cジカルボン酸、例えばマレイン酸の誘導体であってよい。第3モノマー単位は、ビニルアルコールおよび/またはエステル化されたビニルアルコールで構成されている。
【0064】
ポリマーは、60重量%〜95重量%、特に70重量%〜90重量%の(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリレート、ならびに5重量%〜40重量%のビニルアルコールおよび/または酢酸ビニルを含有してよい。特定のポリマーは、マレイン酸またはマレイン酸塩に対する(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリレートのそれぞれの重量比が、1:1から4:1の間であるものである。量および重量比両方は、酸に基づく。第2の酸モノマーまたはその塩はまた、2位において、例えばC〜Cアルキル基などのアルキル基により置換された、またはベンゼンもしくはベンゼン誘導体から誘導することができる芳香族基により置換された、アリルスルホン酸の誘導体であることもできる。ターポリマーは、40重量%〜60重量%、特に45〜55重量%の(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリレート、特に好ましくはアクリル酸またはアクリレート、および10重量%〜30重量%、好ましくは15重量%〜25重量%のメタアリルスルホン酸またはメタアリルスルホナート、および第3のモノマーとして15重量%〜40重量%、好ましくは20重量%〜40重量%の炭水化物を含有することができる。この炭水化物は、例えば、モノ−、ジ−、オリゴ−またはポリ−サッカライド、例えばショ糖であることができる。ターポリマーは一般に、1000〜200,000の相対分子量を有する。さらに、コポリマーには、モノマーとしてアクロレインおよびアクリル酸/アクリル酸塩、または酢酸ビニルを含むものが包含される。特に、液体洗剤の製造のためには、有機ビルダー物質は、水溶液の形態で、例えば30〜50重量%水溶液で使用することができる。上記の酸はすべて、それらの水溶性塩の形態で、特にそれらのアルカリ塩の形態で、使用してよい。
【0065】
有機ビルダー物質は、40重量%までの量で使用することができる。
水溶性無機ビルダー材料には、アルカリケイ酸塩およびポリリン酸塩、例えば三リン酸ナトリウムが含まれる。結晶性または非晶質アルカリアルミノシリケート、例えば結晶性アルミノケイ酸ナトリウムもまた、水不溶性、水分散性無機ビルダー材料として、例えば50重量%までの量で、用いることができる。アルミノシリケートは典型的には、30μm未満の粒径を有する粒子を含む。
【0066】
結晶質アルカリケイ酸塩もまた、単独または非晶質ケイ酸塩と共にのいずれかで、使用することができる。本発明の消費者製品中で洗剤ビルダーとして使用可能なアルカリケイ酸塩は、アルカリ酸化物のSiOに対する0.95未満、特に1:1.1〜1:12のモル比を有することができ、非晶質または結晶質の様式で存在することができる。アルカリケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウム、特に非晶質ケイ酸ナトリウムであってよく、NaO:SiOのモル比として1:2〜1:2.8を有する。
ビルダー物質は、本発明の消費者製品組成物に、60重量%までのレベルで含有させてもよい。
【0067】
過酸素化合物としては、フタルイミド過カプロン酸(phthalimidopercapronic acid)、過安息香酸またはジ過ドデカン二酸(diperdodecanedioic acid)の塩などの有機過酸または有機酸の過酸塩、過酸化水素、ならびに過ホウ酸塩、過炭酸塩および/または過ケイ酸塩などの適用条件下で過酸化水素を放出する無機塩が含まれる。固体過酸素化合物が用いられる場合、それらは、原則として既知の方法で封入できる粉末または顆粒の形態で使用することができる。
【0068】
過酸素化合物は、50重量%までの量で使用してよい。少量の既知の漂白剤安定化剤、例えばホスホン酸塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩およびメタケイ酸塩、ならびに硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩の添加も、有用であり得る。
【0069】
過加水分解条件下では、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸および/または(任意に置換された)過安息香酸を生成する化合物は、漂白活性化剤として使用することができる。前記の数の炭素原子を有するO−および/またはN−アシル基および/または任意に置換されたベンゾイル基を有する物質が適している。複数アシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホナート、特にn−ノナノイルまたはイソノナノイルオキシベンゼンスルホナート(n−またはイソ−NOBS)、カルボン酸無水物、特にフタル酸無水物、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセタート、2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフラン、およびエノールエステル、ならびに、アセチル化ソルビトールおよびマンニトールならびにそれらの混合物(SORMAN)、アシル化糖誘導体、特にペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトース、ならびにアセチル化、任意にN−アルキル化グルタミンおよびグルコノラクトン、および/またはN−アシル化ラクタム、例えばN−ベンゾイルカプロラクタムを使用することができる。親水性置換酢酸アシルおよびアシルラクタムも、同様に用いることができる。従来の漂白活性化剤の組み合わせも使用することができる。かかる漂白活性化剤は通常の量の範囲で、好ましくは剤全体に基づき1重量%〜10重量%、特に2重量%〜8重量%の量で含有させることができる。
【0070】
前述の従来の漂白活性化剤に加えて、またはその代わりに、スルホンイミンおよび/または漂白増強遷移金属塩または遷移金属錯体も、漂白触媒として含有させることができる。適切な遷移金属化合物には、特に、マンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、またはモリブデンのサレン錯体、およびそれらの窒素類似体化合物、マンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、またはモリブデンのカルボニル錯体、窒素含有三脚リガンドを有するマンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタン、バナジウム、および銅の錯体、コバルト、鉄、銅、およびルテニウムのアミン錯体が含まれる。漂白活性化剤と遷移金属漂白触媒の組み合わせも、同様に使用することができる。漂白増強遷移金属錯体、特に中心原子であるMn、Fe、Co、Cu、Mo、V、Ti、および/またはRuを有するものは、消費者製品組成物の重量に基づき1重量%までの量などの、従来の量で使用することができる。
【0071】
組成物に用いることができる好適な酵素は、プロテアーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、プルラナーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、オキシダーゼ、およびペルオキシダーゼのクラスからのもの、ならびにそれらの混合物である。真菌または細菌、例えばBacillus subtilis、Bacillus licheniformis、Streptomyces griseus、Humicola lanuginosa、Humicola insolens、Pseudomonas pseudoalcaligenes、またはPseudomonas cepaciaから回収した酵素的に活性な物質も、好適である。適用可能として使用される酵素は、担体物質に吸着させ、および/または封入物質内に包埋して、早発の不活性化から保護することができる。これらは、本発明による洗浄製品に、典型的には5重量%未満の量で含有されてもよい。
【0072】
光学的増白剤には、ジアミノスチルベンジスルホン酸の誘導体またはそのアルカリ金属塩が含まれる。適切であるのは、例えば、4,4’−ビス(2−アニリノ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、または、モルホリノ基の代わりにジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基、もしくは2−メトキシエチルアミノ基を有する、類似構造の化合物である。置換ジフェニルスチリル型の増白剤も存在することができ、例えば4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ジフェニルのアルカリ塩、4,4’−ビス(4−クロロ−3−スルホスチリル)ジフェニルのアルカリ塩、または4−(4−クロロスチリル)−4’−(2−スルホスチリル)ジフェニルのアルカリ塩である。上記の光学的増白剤の混合物も使用することができる。
【0073】
発泡防止剤には、オルガノポリシロキサン、およびそれらの極微小の任意にシラン化されたケイ酸との混合物、ならびにパラフィンワックスおよびそれらのシラン化ケイ酸またはビス−脂肪酸アルキレンジアミドとの混合物が含まれる。異なる発泡防止剤の混合物、例えば、シリコーン、パラフィン、またはワックスから作られたものも使用することができる。発泡防止剤、特にシリコーンおよび/またはパラフィンを含有する発泡防止剤は、好ましくは、水に溶解性または分散性の粒状担体物質に結合している。パラフィンとビステアリルエチレンジアミドの混合物は、特に使用することができる。
【0074】
汚れ放出活性物質は、油脂がテキスタイルから洗い落とされる能力に対して積極的に影響を及ぼす化合物である。この効果は、汚れたテキスタイルが、既に以前にこの油脂放出成分を含有する本発明の洗浄剤で数回洗浄されたものであるときに、特に顕著となる。好ましい油脂放出成分には、例えば、非イオン性セルロースエーテル、例えばそれぞれの場合に非イオン性セルロースエーテルに基づき15〜30重量%の割合のメトキシ基および1〜15重量%の割合のヒドロキシプロポキシル基を有するメチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロース、ならびに、従来技術から知られている、モノマーおよび/またはポリマージオールを有するフタル酸および/またはテレフタル酸ならびにそれらの誘導体のポリマー、特にエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレングリコールテレフタレートのポリマーまたはそれらの陰イオン性および/または非イオン性修飾誘導体が含まれる。
【0075】
色移り防止剤には、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン−N−オキシドのポリマー、またはそれらのコポリマーが含まれる。また使用できるのは、15,000〜50,000の分子量を有するポリビニルピロリドン、および1,000,000を超える、特に1,500,000〜4,000,000の分子量を有するポリビニルピロリドンの両者であり、N−ビニルイミダゾール/N−ビニルピロリドンコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、ビニルモノマーおよびカルボン酸アミドに基づくコポリマー、ピロリドン基含有ポリエステルおよびポリアミド、グラフトされたポリアミドアミンおよびポリエチレンイミン、第二級アミンから作られたアミド基を有するポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、ポリビニルアルコール、およびアクリルアミドアルケニルスルホン酸に基づくコポリマーである。しかしながら、ペルオキシダーゼおよび過酸化水素または水中で過酸化水素を生成する物質を包含する酵素系を使用することも可能である。
【0076】
灰色化阻害剤は、テキスタイル繊維から分離された汚れを、洗浄媒体中に懸濁して保持する物質である。これには、通常はそのままで有機である水溶性コロイド、例えば、デンプン、サイズ、ゼラチン、デンプンもしくはセルロースのエーテルカルボン酸またはエーテルスルホン酸の塩、またはセルロースもしくはデンプンの硫酸エステルの塩が適している。酸基を含有する水溶性ポリアミドも、この目的に適している。上記のもの以外のデンプン誘導体、例えばアルデヒドデンプンも使用することができる。カルボキシメチルセルロース(ナトリウム塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテル、およびメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロースなどの混合エーテル、ならびにこれらの混合物を、消費者製品の重量に基づき、例えば0.1〜5重量%の量で、使用することができる。
【0077】
有機溶媒には、1〜4個の炭素原子を有するアルコール類、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール、およびtert−ブタノール、2〜4個の炭素原子を有するジオール類、特にエチレングリコールおよびプロピレングリコール、ならびにそれらの混合物、および上記化合物クラスから誘導可能なエーテル類が含まれる。この種類の水混和性溶媒は、本発明の洗浄製品中に、典型的には30重量%を超えない量で存在する。
【0078】
pH調整剤には、クエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸、および/またはアジピン酸が含まれ、また鉱酸、特に硫酸、あるいは塩基、特に水酸化アンモニウムまたは水酸化アルカリが含まれる。この種類のpH調整剤は、本発明の剤中に、好ましくは20重量%を超えない量で、特に1.2重量%〜17重量%の量で含有される。
【0079】
化合物は、上記で定義されたものなどの酵素を含有する家庭用製品、特に酵素を含有する、洗剤などのテキスタイル処理製品を香りづけするために、特に使用してもよい。
本発明をさらに例証するために役立つ一連の例が以下に続く。
【0080】
一般的に、本発明の化合物は、市販の1,4−ジハロベンゼン、例えば1,4−ジブロモベンゼンから、クロスカップリング反応、たとえばRZnClタイプの有機亜鉛化合物との根岸カップリング反応によりRを導入し、続く第二のクロスカップリング反応、たとえば(置換)アリルアルコールとのヘックカップリング反応により、鎖を有するアルデヒドを導入することにより調製されてもよい。あるいは、ヘックカップリング反応は、続いて水素化剤、例えば水素化リチウムアルミニウムで還元される、桂皮エステルをもたらすアクリル酸エステルで行い、その後標準的な方法によりアルデヒドに酸化されるジヒドロ桂皮アルコールを形成してもよい。あるいは、鎖を有するアルデヒドを、有機合成の分野において当業者に知られている鎖伸長反応により、パラ−R置換ベンズアルデヒドに付着させ、続いてRのオレフィン部分を還元しない方式において、ジヒドロ桂皮アルデヒドへの桂皮アルデヒドの選択的水素付加をしてもよい。
【0081】
=Meである本発明の化合物は、要求されるアリルハライド、すなわち、RClを用いたo−クレゾールのp−アルキル化、続いて、得られるフェノールの、上記のヘックカップリング反応をその後に受けるトリフラートへの変換により調製することができる。
【0082】
例1:3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナール
【化5】
2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1−フェニル−1H−インドール(0.21g、0.61mmol)およびビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(0.131g、0.227mmol)をジメチルホルムアミド(9ml)中に溶解し、溶液をアルゴン雰囲気下で20分間撹拌した。その後、N−シクロヘキシル−N−メチルシクロヘキサナミン(3.55g、18.2mmol)、1−ブロモ−4−(2−メチルアリル)ベンゼン(S. Yasuda, Materials 2009, 2(3), 978-991に記載される;3.20g、15.2mmol)、およびアリルアルコール(2.64g、45.5mmol)を添加し、得られた混合物を100℃で3時間加熱し、その後室温まで冷却した。混合物をメチルt−ブチルエーテルで希釈し、水、1N HCl水溶液およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、i.RVで濃縮した。残留物を、溶離液としてヘキサン/酢酸エチル(19:1)を用いたSiO上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色オイルとして3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナールを単離した(R=0.19、2.1g、73%)。
【0083】
【表1】
匂い:フローラル、グリーン、シクラメン、水っぽい
【0084】
例2:3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)ブタナール
【化6】
例1についての上記の手順を、アリルアルコールを(E)−ブタ−2−エン−1−オール(3.28g、45.6mmol、3等量)に置き換えたことを除き、同量の触媒、アミン、溶媒および1−ブロモ−4−(2−メチルアリル)ベンゼンを用いて繰り返し、SiO上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル 19:1で溶出)後、無色オイルとして3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)ブタナールを単離した(R=0.22、0.7g、23%)。
【0085】
【表2】
匂い:フローラル、グリーン、アルデヒド調、水っぽい、バター様
【0086】
例3:2−メチル−3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナール
【化7】
例1についての上記の手順を、アリルアルコールを2−メチルプロパ−2−エン−1−オール(1.0g、13.4mmol、3等量)に置き換えて、47%の量の触媒、アミン、溶媒および1−ブロモ−4−(2−メチルアリル)ベンゼンを用いて繰り返し、SiO上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル 19:1で溶出)後、無色オイルとして2−メチル−3−(4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナールを単離した(R=0.38、0.75g、80%)。
【0087】
【表3】
匂い:アルデヒド調、金属、水っぽい、脂っぽい
【0088】
例4:3−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナール
【化8】
3−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナールを以下に記載する3つのステップにおいて得た:
A)2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェノール
o−クレゾール(54.1g、0.5mol)を水に懸濁し、KOH(36.5g、0.65mol、1.3等量)を激しい撹拌下で添加した。温度を45℃まで上昇させ、灰黄色溶液を形成し、それをさらに20分間撹拌し、その後10℃まで冷却した。この温度において、3−クロロ−2−メチルプロパ−1−エン(58.9g、0.65mol、1.3等量)を15分間にわたり液滴添加した。得られた混合物を6日間激しく撹拌し、その後トルエン(300ml)で希釈した。有機層を2N NaOH水溶液(各500ml)で3回抽出した。合わされたアルカリ水層にトルエン(300ml)を添加し、氷浴冷却下で濃HCl水溶液(350ml)を添加した。層を分離させ、水層をトルエンでさらに抽出した。合わされた有機層をブラインで洗浄して中性にし、その後MgSO上で乾燥し、濃縮した。残留物を0.06mbar/76〜83℃において、Vigreuxカラム上で蒸留させ、無色オイルとして2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェノール(36.2g、45%、純度92%、残余物はo−アルキル化生成物であった)を単離した。
【0089】
【表4】
【0090】
B)エチル3−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)アクリラート
2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェノール(5.0g、30.8mmol)をジクロロメタン(60ml)に溶解し、ピリジン(4.63g、58.6mmol、1.9等量)を添加し、溶液を0℃まで冷却した。その後トリフルオロメタンスルホン酸無水物(ジクロロメタン中1M、32.4ml、32.4mmol、1.05等量)を、滴下漏斗を介して添加し、得られた溶液を3時間撹拌した。その後2N HCl水溶液(10ml)を液滴添加した。水層を分離し、有機層を希NaHCO水溶液およびブラインで洗浄し、その後MgSO上で乾燥させ、i.RVで濃縮し、淡黄色オイルとして2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニルトリフルオロメタンスルホナート(8.9g、98%)を得た。続くヘックカップリング反応のために、この生成物(30.2mmol)をジメチルホルムアミド(50ml)に溶解し、エチルアクリラート(5.75g、57.5mmol、1.9等量)に続いてトリエチルアミン(15.0g、148mmol、4.9等量)を添加した。得られた溶液をアルゴンで10分間パージし、その後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(1.06g、1.51mmol、5mol%)を添加し、混合物をアルゴン雰囲気下で80℃において6日間撹拌した。混合物をMTBEで希釈し、水およびブラインで洗浄し、その後MgSO上で乾燥させ、i.RVで濃縮した。残留物をSiO上でのFC(ヘキサン/酢酸エチル 19:1で溶出)により精製し、無色オイルとして(E)−エチル3−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)アクリラート(R=0.21、3.9g、53%)を得た。
【0091】
【表5】
【0092】
C)3−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)プロパナール
エチル3−(2−メチル−4−(2−メチルアリル)フェニル)アクリラート(2.0g、8.2mmol)を10℃において、EtO(40ml)中LiAlH(0.47g、12.2mmol、1.5等量)の懸濁液に液滴添加した。得られた混合物を、アルゴン雰囲気下で室温において、18時間撹拌した。その後、水(0.47g)を10℃において注意深く添加し、続いて15%NaOH水溶液(0.47ml)を、そして最後に再び水(0.9ml)を添加した。形成した懸濁液を1時間撹拌後、沈殿物を濾別し、濾液を濃縮して無色オイルを得た(1.7g)。このオイル(8.3mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、溶液を、ジクロロメタン(25ml)中デス−マーチンペルヨージナン(4.24g、10mmol、1.2等量)の溶液に添加した。混合物を2時間撹拌し、その後MTBEで希釈し、希NaHCO水溶液、水、およびブラインで洗浄した。MgSO上で乾燥および濃縮後に得られた残留物をSiO上でのFC(ヘキサン/酢酸エチル 19:1で溶出)により精製し、無色オイルとして表題化合物を得た(R=0.14、0.60g、36%)。
【0093】
【表6】
匂い:フローラル、アルデヒド調、グリーン、ワクシー、桂皮、ライラック