(54)【発明の名称】定量的レシピ情報作成支援サーバ、情報処理端末、定量的レシピ情報作成支援システム、定量的レシピ情報作成支援方法及び定量的レシピ情報作成支援プログラム
【文献】
          古本  健太,料理アドバイスを補完したレシピ提示方式,(第15回日本データベース学会年次大会)  [online],電子情報通信学会データ工学研究専門委員会  日本デー,2017年  2月27日,P.1-7,[2017年9月25日検索],インターネット,<URL:http://db-event.jpn.org/deim2017/papers/157.pdf>
        
        【文献】
          五藤  隆介(goryugo),理系の料理 第1章 「塩・胡椒:適量」ってどういうこと?,[online],2015年  9月  6日,[2017年9月25日検索],インターネット,<URL:http://goryugo.com/20150904/rikei_cooking/>
        
      
    (58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  前記編集入力受付部は、ユーザ端末からの操作により、前記編集入力を前記一のレシピ情報に紐づく前記定量的レシピ情報として受け付ける、請求項1に記載の定量的レシピ情報作成支援サーバ。
  前記定量的レシピ差分対応部は、前記ユーザ端末からの操作により、選定された前記他のレシピ情報に紐づく前記定量的レシピ情報と、前記差分とを対応付けて前記ユーザ端末へ表示させる、請求項2に記載の定量的レシピ情報作成支援サーバ。
  前記定量的レシピ差分対応部は、選定された前記他のレシピ情報に紐づく前記定量的レシピ情報を編集可能に前記ユーザ端末へ表示させる、請求項3に記載の定量的レシピ情報作成支援サーバ。
  前記定量的レシピ差分対応部は、選定された前記他のレシピ情報に紐づく前記定量的レシピ情報における、前記差分に対応付けられた箇所のみを編集可能に前記ユーザ端末へ表示させる、請求項4に記載の定量的レシピ情報作成支援サーバ。
  前記定量的レシピ差分対応部は、前記ユーザ端末へ、前記一のレシピ情報と、選定された前記他のレシピ情報に紐づく前記定量的レシピ情報とを並列に表示させる、請求項5に記載の定量的レシピ情報作成支援サーバ。
  前記類似レシピ選定部は、前記一のレシピ情報に含まれる文言が所定以上含まれる前記他のレシピ情報を、前記一のレシピ情報に類似する前記他のレシピ情報として選定する、請求項6に記載の定量的レシピ情報作成支援サーバ。
  ユーザからの前記編集入力を受け付けた箇所に対応する、前記定量的レシピ情報記憶部に記憶されている他の前記定量的レシピ情報を変更する編集反映部を備える、請求項8に記載の定量的レシピ情報作成支援サーバ。
  請求項1に記載の定量的レシピ情報作成支援サーバから、選定された前記他のレシピ情報に紐づく前記定量的レシピ情報と、前記差分とを受信し、前記定量的レシピ情報と前記差分とを対応付けて表示する定量的レシピ情報表示部と、
  前記編集入力を受け付けて定量的レシピ情報作成支援サーバへ送信する編集送信部と、を備える情報処理端末。
  レシピ情報に基づき、前記レシピ情報の定性的表現を定量的表現に変換して定量的レシピ情報を作成することを支援するサーバと、前記サーバに対する入力を行うユーザ端末と、を備える定量的レシピ情報作成支援システムであって、
  前記サーバは、
    前記レシピ情報を記憶するレシピ情報記憶部と、
    前記レシピ情報に基づく前記定量的レシピ情報を、前記レシピ情報に紐づけて記憶する定量的レシピ情報記憶部と、
    前記定量的レシピ情報が作成されていない一の前記レシピ情報に類似し、前記定量的レシピ情報が作成されている他の前記レシピ情報を選定する類似レシピ選定部と、
    前記一のレシピ情報と、選定された前記他のレシピ情報とを比較して差分を抽出する差分抽出部と、
    選定された前記他のレシピ情報に紐づく前記定量的レシピ情報と、前記差分とを対応付ける定量的レシピ差分対応部と、
    選定された前記他のレシピ情報に紐づく前記定量的レシピ情報に対する編集入力を、前記一のレシピ情報に紐づく前記定量的レシピ情報として受け付ける編集入力受付部と、を備え、
  前記ユーザ端末は、
    前記サーバから、選定された前記他のレシピ情報に紐づく前記定量的レシピ情報と、前記差分とを対応付けて表示する定量的レシピ情報表示部と、
    前記編集入力を受け付けて定量的レシピ情報作成支援サーバへ送信する編集送信部と、を備える、定量的レシピ情報作成支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
  以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
 
【0015】
  (実施形態1)
  <構成>
  
図1は、本開示の実施形態1に係る定量的レシピ情報作成支援システム1を示す機能ブロック構成図である。この定量的レシピ情報作成支援システム1は、例えば、調理レシピデータが公開されているレシピサイト等において、一般のユーザから投稿されたレシピ情報に基づいて、レシピ情報の定性的表現を定量的表現に変換して定量的レシピ情報を作成することを支援するシステムである。このような定量的表現に変換された定量的レシピ情報は、例えば、自動調理を行うスマート家電等により調理を行わせるために使用される。
 
【0016】
  定量的レシピ情報作成支援システム1は、定量的レシピ情報作成支援サーバ(サーバ)100と、ユーザ端末(情報処理端末)200と、ネットワークNWとを有している。定量的レシピ情報作成支援サーバ100と、ユーザ端末200とは、ネットワークNWを介して相互に接続される。ネットワークNWは、通信を行うための通信網であり、例えばインターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信網により構成されている。
 
【0017】
  定量的レシピ情報作成支援サーバ100は、レシピ情報の定性的表現を定量的表現に変換するため、定量的レシピ情報を作成しようとするレシピ情報に類似する、既に定量的レシピ情報が作成されているレシピ情報を選定して差分を抽出し、その差分と対応付けてユーザ端末200に表示させることにより、一般のユーザからの定量的レシピ情報への編集入力を受け付ける装置であり、例えば、各種Webサービスを提供するサーバ装置により構成されている。なお、サーバ装置は単体で動作するサーバ装置に限られず、ネットワークNWを介して通信を行うことで協調動作する分散型サーバシステムでも良く、いわゆるクラウドサーバでも良い。
 
【0018】
  ユーザ端末200は、定量的レシピ情報作成支援サーバ100に対して定量的レシピ情報への編集入力を行う装置であり、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置により構成されている。このユーザ端末200は、例えば、レシピサイト等にレシピ情報を投稿する一般のユーザが使用する端末である。
 
【0019】
  定量的レシピ情報作成支援サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
 
【0020】
  通信部110は、ネットワークNWを介してユーザ端末200と有線または無線で通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。また、通信部110では、レシピ情報を投稿する場合等、会員登録等により認証されているユーザ端末200との通信を行う場合、SSL(Secure Sockets Layer)やTLS(Transport Layer Security)等の暗号化方式により暗号化して通信を行う。
 
【0021】
  記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、レシピDB(レシピ情報記憶部)121、定量的レシピDB(定量的レシピ情報記憶部)122、ノードDB123、及びエッジDB124を記憶する。さらに、記憶部120は、ユーザ端末200と通信を行ったデータや、後述する各処理にて生成されたデータを一時的に記憶する。
 
【0022】
  レシピDB121には、ユーザによりユーザ端末200から入力されて投稿されたレシピ情報が格納されている。このレシピ情報は、ユーザがユーザ端末200で手入力したデータであるため、調理工程について定性的表現、すなわち調理工程の作業内容を抽象的な文言によって説明した表現、例えば「少々」や「適量」、「〇〇色になるまで」のような表現が含まれるものである。
 
【0023】
  定量的レシピDB122には、定量的レシピ情報作成支援サーバ100によって作成された定量的レシピ情報が、レシピDB121に格納されているレシピ情報に紐づけて格納されている。定量的レシピ情報とは、レシピDB121に格納されているレシピ情報の定性的表現を、定量的表現に変換したものである。定量的表現とは、具体的には「豚肉を200度に温めたオーブンで20分焼く」、「塩3g」、「じゃがいもを出力600ワットの電子レンジで5分温める」等の表現である。定量的レシピ情報は、例えば複数のノードと、ノードの間に設けられたエッジとから構成されるグラフで表現されるが、詳細については後述する。
 
【0024】
  ノードDB123には、定量的レシピ情報を構成するノードが格納されている。また、エッジDB124には、定量的レシピ情報を構成するエッジが格納されている。ノードDB123及びエッジDB124は、定量的レシピDB122にノード及びエッジを識別するID情報のみを格納し、実際のノード及びエッジの内容はノードDB123及びエッジDB124に格納することで、データの正規化を行い、全体的なデータの格納量を節約したものであるが、実際のノード及びエッジの内容を定量的レシピDB122に格納し、ノードDB123及びエッジDB124を設けない構成としても良い。ノード及びエッジの詳細については、後述する。
 
【0025】
  制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、定量的レシピ情報作成支援サーバ100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、類似レシピ選定部131と、差分抽出部132と、定量的レシピ差分対応部133と、編集入力受付部134とを備えている。この類似レシピ選定部131、差分抽出部132、定量的レシピ差分対応部133、及び編集入力受付部134は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されて定量的レシピ情報作成支援サーバ100にて実行される。
 
【0026】
  類似レシピ選定部131は、定量的レシピ情報が作成されていないレシピ情報、すなわち、これから定量的レシピ情報を作成しようとしているレシピ情報に類似し、既に定量的レシピ情報が作成されている他のレシピ情報を選定する。類似するレシピ情報について定量的レシピ情報が作成されている場合、その記載の一部を利用することで、効率的に定量的レシピ情報を作成することを可能にするためである。類似するレシピ情報を選定する基準は、例えば、それぞれのレシピ情報に含まれる文言が所定数または所定割合以上含まれる場合や、それぞれのレシピ情報に設けられたタイトルが一致する場合に、類似するレシピとして選定する。
 
【0027】
  差分抽出部132は、これから定量的レシピ情報を作成しようとしているレシピ情報と、類似レシピ選定部131にて選定した類似するレシピ情報とを比較して、差分を抽出する。具体的には、例えば、それぞれのレシピ情報について自然言語処理を行い、文構造を解析して名詞や動詞、形容詞等の品詞に分解し、品詞ごとに一致点及び相違点を判定し、差分を抽出する。このような自然言語処理として、例えば形態素解析、N−gram解析、または構文解析等の手法が用いられる。
 
【0028】
  定量的レシピ差分対応部133は、類似レシピ選定部131にて選定した類似する他のレシピ情報に紐づく、定量的レシピDB122に格納されている定量的レシピ情報と、差分抽出部132にて抽出した差分とを対応付ける。この対応付けについて、例えば、レシピを投稿したユーザのユーザ端末200に対して、ユーザの操作により、差分と定量的レシピ情報との対応関係が分かるように表示させる。そのため、差分と定量的レシピ情報とを表示させるように、通信部110を介してユーザ端末200へ送信する。このように表示させるのは、類似するレシピ情報について定量的レシピ情報が作成されているので、類似する定量的レシピ情報の差分箇所のみを編集可能にすることで、元のレシピ情報に紐づく定量的レシピ情報を作成することが可能だからである。
 
【0029】
  このときのユーザ端末200への表示は、例えば差分と定量的レシピ情報とを並列に表示して対応関係が分かるように表示したり、元のレシピ情報も並列に表示させたりすることで、対応関係が分かるように表示させる。また、ユーザ端末200に類似する定量的レシピ情報を表示する際、定量的レシピ情報を編集可能に表示する。このとき、差分に対応する箇所のみを編集可能に表示しても良い。
 
【0030】
  編集入力受付部134は、ユーザ端末200へ表示させた類似する定量的レシピ情報の差分箇所に対する編集入力を受け付ける。例えば、ユーザ端末200からレシピ情報を投稿したユーザは、ユーザ端末200にレシピ情報に類似する定量的レシピ情報が自己のレシピ情報との差分とともに表示されるので、ユーザ端末200から編集入力を行う。編集入力受付部134は、その編集入力がユーザ端末200から送信されるので、通信部110を介して受信して受け付ける。受け付けた編集入力が反映された定量的レシピ情報は、元のレシピ情報に紐づく定量的レシピ情報として、定量的レシピDB122に格納される。
 
【0031】
  図2は、
図1のユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。ユーザ端末200は、通信部210と、表示部220と、操作部230と、記憶部240と、制御部250とを備える。
 
【0032】
  通信部210は、ネットワークNWを介して定量的レシピ情報作成支援サーバ100と無線で通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
 
【0033】
  表示部220は、ユーザから入力された操作内容や、定量的レシピ情報作成支援サーバ100からの送信内容を表示するために用いられるユーザインタフェースであり、液晶ディスプレイ等から構成される。
 
【0034】
  操作部230は、ユーザが操作指示を入力するために用いられるユーザインタフェースであり、キーボードやマウス等から構成される。
 
【0035】
  記憶部240は、各種制御処理や制御部250内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM、ROM等から構成される。また、記憶部240は、定量的レシピ情報作成支援サーバ100と通信を行ったデータや、後述する各処理にて生成されたデータを一時的に記憶する。
 
【0036】
  制御部250は、記憶部240に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。制御部250の機能として、定量的レシピ情報表示部251と、編集送信部252とを備えている。この定量的レシピ情報表示部251及び編集送信部252は、記憶部240に記憶されているプログラムにより起動されてユーザ端末200にて実行される。
 
【0037】
  定量的レシピ情報表示部251は、定量的レシピ情報作成支援サーバ100の定量的レシピ差分対応部133からの指示により、差分と定量的レシピ情報とを対応付けて表示する。このとき、例えば定量的レシピ情報を編集可能に表示する。そのため、定量的レシピ情報作成支援サーバ100から差分と定量的レシピ情報とが送信されるので、通信部210を介して受信して受け付ける。
 
【0038】
  編集送信部252は、定量的レシピ情報表示部251によって表示された定量的レシピ情報に対してユーザが編集入力するので、その編集入力を受け付け、定量的レシピ情報作成支援サーバ100へ通信部210を介して送信する。
 
【0039】
  <定量的レシピ情報>
  次に、定量的レシピ情報の詳細について説明する。
図3は、
図1のレシピDB121の格納例を示す模式図である。
 
【0040】
  レシピDB121には、レシピ情報が格納されており、
図3に示すレシピIDに紐づいて、
図3に示すレシピDB121の列名に対応して、タイトル、材料、及びレシピが含まれる。
 
【0041】
  レシピIDは、レシピ情報を一意に特定する識別情報である。タイトルは、レシピの内容を端的に表現する情報であり、ユーザがレシピ情報を投稿する際に設定するものである。材料は、レシピ情報の料理を作るために必要な食材の一覧である。レシピは、レシピ情報の内容であり、調理工程順に記載されている。例として、
図3に示すようにレシピIDが「0001」の場合、タイトルとして「ポークカレー」が、材料として「豚肉:300g」、「人参:1本」等が、レシピとして「人参乱切り」、「玉ねぎスライス」等の情報がそれぞれ格納されている。
 
【0042】
  図3に示す例として、レシピとして「人参乱切り」、「玉ねぎスライス」、「玉ねぎを飴色になるまで炒める」等の記載があるが、このような表現は定性的表現であり、人間にとって理解出来るものであるが、抽象的な表現であり、スマート家電等により調理を行わせるためにはそのままでは使用できないものである。そのため、定量的表現により表現された、以下に説明するような定量的レシピ情報に変換する必要がある。
 
【0043】
  図4は、
図1の定量的レシピDB122に格納される定量的レシピ情報のデータ構造について説明するための例を示す模式図である。
図5は、
図4のノードの種類について説明するための例を示す模式図である。
図4に示すように、定量的レシピ情報は、複数のノード11,12,・・・,21,22,・・・と、ノード間のエッジ51,52,・・・とからなるグラフ(有向グラフ)により表現される。
図4において、ノード11,12,・・・,21,22,・・・を円で示し、エッジ51,52,・・・を矢印で示している。
 
【0044】
  複数のノード11,12,・・・,21,22,・・・は、各材料の状態遷移を定義するものであり、例えば「豚肉」、「玉ねぎ」等の材料や、「ソテー済豚肉」のような材料の中間状態、「ポークカレー」等の料理を示している。また、ノードは複数の種類に分類されるものであり、
図5に示すように、材料ノード、中間ノード、料理ノード、廃棄ノード、及び特殊ノードに分類される。
図4に示すグラフの例では、材料ノード11,12,・・・と、中間ノード21,22,23,24,・・・と、料理ノード31と、廃棄ノード41とが配置されている。
図5に示すように、材料ノードはグラフの始点であって料理の材料を表し、中間ノードはINとOUTとの2種類のエッジに接続されて材料の状態を表し、料理ノード及び廃棄ノードはグラフの終点であって料理を表す。
 
【0045】
  エッジ51,52,53,・・・は、ノード間の状態遷移に必要なアクションを定義するものであり、調理を構成する基本的な手順、例えば「切る」、「炒める」等の手順を示している。
図4に示すグラフの例では、材料ノード11に対するアクションとしてエッジ51が、中間ノード21に対するアクションとしてエッジ52が、中間ノード22に対するアクションとしてエッジ53が配置されている。
 
【0046】
  図6は、
図1の定量的レシピDB122の格納例を示す模式図である。定量的レシピDB122には、定量的レシピ情報が格納されており、
図6に示すレシピIDに紐づいて、
図6に示す定量的レシピDB122の列名に対応して、タイトル、ノードIDまたはアクションID、及びパラメータが含まれる。
 
【0047】
  レシピIDは、定量的レシピ情報を一意に特定する識別情報であり、レシピDB121に格納されているレシピIDと同一の識別情報が格納されている。このように同一のレシピIDを格納しているのは、レシピDB121に格納されているレシピ情報と、定量的レシピDB122に格納されている定量的レシピ情報とを一意に紐付けるためである。タイトルは、レシピの内容を端的に表現する情報であり、レシピDB121に格納されているタイトルと同一である。ノードIDまたはアクションIDは、定量的レシピ情報を構成するノード及びエッジを特定する識別情報であり、後述するノードDB123及びエッジDB124を参照してノード及びエッジの内容を取得するための情報である。パラメータは、ノード及びエッジの内容を補足するための情報であり、例えば、ノードが示す材料の質量や、エッジが示すアクションの実行時間、出力ワット数等である。
 
【0048】
  図7は、
図1のノードDB123の格納例を示す模式図である。ノードDB123には、定量的レシピ情報を構成するノードが格納されており、
図7に示すノードIDに紐づいて、
図7に示すノードDB123の列名に対応して、ノード種類、及び内容が含まれる。
 
【0049】
  ノードIDは、定量的レシピ情報を構成するノードを一意に特定する識別情報であり、定量的レシピDB122に格納されているノードIDに対応している。ノード種類は、
図5に示すノードの種類である。内容は、ノードの内容を示しており、例えば、
図7に示すようにノードIDが「FN01」の場合、材料ノードであり、内容として「豚肉」が格納されている。ノードIDが「MN01」の場合、中間ノードであり、内容として「ソテー済豚肉」が格納されている。また、ノードIDが「RN01」の場合、料理ノードであり、内容として「ポークカレー」が格納されている。
 
【0050】
  図8は、
図1のエッジDB124の格納例を示す模式図である。エッジDB124には、定量的レシピ情報を構成するエッジが格納されており、
図8に示すエッジIDに紐づいて、
図8に示すエッジDB124の列名に対応して内容が含まれる。
 
【0051】
  エッジIDは、定量的レシピ情報を構成するエッジを一意に特定する識別情報であり、定量的レシピDB122に格納されているエッジIDに対応している。内容は、エッジの内容を示しており、例えば、
図8に示すようにエッジIDが「E001」の場合、内容として「ソテー」が格納されている。
 
【0052】
  このように、定量的レシピ情報のデータ構造は、自然言語であるレシピの記載をそのままグラフとして表現するのではなく、各材料の状態遷移をグラフとして表現したものである。なお、エッジで示されるアクションを行うべき機器を必ずしも指定する必要がないため、将来的に登場する新たな機器を含む様々な機器に対応することも可能である。
 
【0053】
  <処理の流れ>
  
図9を参照しながら、定量的レシピ情報作成支援システム1の定量的レシピ情報作成支援サーバ100が実行する、定量的レシピ情報作成方法の一例の処理の流れについて説明する。
図9は、
図1の定量的レシピ情報作成支援サーバ100の動作を示すフローチャートである。
 
【0054】
  ステップS101の処理として、例えばユーザが、ユーザ端末200からレシピ情報を投稿すると、定量的レシピ情報作成支援サーバ100では、入力されたレシピ情報が選定され、このレシピ情報に対して定量的レシピ情報を作成するための処理が開始される。投稿されたレシピ情報は、レシピDB121に格納される。また、その他の例として、定量的レシピ情報作成支援サーバ100の類似レシピ選定部131で定量的レシピ情報を作成するための処理を開始するため、レシピDB121からレシピ情報が選定される。
 
【0055】
  ステップS102の処理として、類似レシピ選定部131では、ステップS101で選定されたレシピ情報に類似し、既に定量的レシピ情報が作成されている他のレシピ情報がレシピDB121に格納されているレシピ情報から選定される。類似するレシピ情報は、具体的には例えば、それぞれのレシピ情報に含まれる文言が所定数または所定割合以上含まれる場合や、それぞれのレシピ情報に設けられたタイトルが一致する場合に、類似するレシピとして選定される。
 
【0056】
  ステップS103の処理として、差分抽出部132では、定量的レシピ情報を作成しようとしているレシピ情報と、ステップS102で選定された類似するレシピ情報とが比較され、差分が抽出される。
 
【0057】
  図10は、
図1の差分抽出部132における差分抽出の例を示す模式図である。一例として、
図3に示すレシピIDが「0001」、タイトルが「ポークカレー」の定量的レシピ情報を作成するための処理が開始され、ステップS102で類似するレシピ情報として、
図3に示すレシピIDが「0002」、タイトルが「ビーフカレー」のレシピ情報が選定されたものとする。
図10に示すレシピ情報61は、タイトルが「ポークカレー」のレシピ情報であり、類似レシピ情報62は、タイトルが「ビーフカレー」のレシピ情報である。
 
【0058】
  ステップS103において、差分抽出部132の処理が開始されると、レシピ情報61と類似レシピ情報62との差分が抽出される。ここで、レシピ情報61と類似レシピ情報62との差分は、レシピ情報61の項番1である「人参乱切り」が類似レシピ情報62にはなく、レシピ情報61の項番3である「豚肉をソテー」が類似レシピ情報62の項番2では「牛肉をソテー」で異なる点である。そのため、
図10に示す差分63として、「人参乱切り」と「豚肉」が抽出される。
 
【0059】
  ステップS104の処理として、定量的レシピ差分対応部133では、ステップS102で選定された類似する他のレシピ情報に紐づく、定量的レシピDB122に格納されている定量的レシピ情報と、ステップS103で抽出された差分との対応付けが行われる。
 
【0060】
  ステップS105の処理として、定量的レシピ差分対応部133では、例えばレシピを投稿したユーザのユーザ端末200に対して、差分と定量的レシピ情報との対応関係が分かるように表示させるため、差分と定量的レシピ情報とが通信部110を介してユーザ端末200へ送信される。ユーザ端末200の定量的レシピ情報表示部251では、受け付けた差分と定量的レシピ情報が、対応関係が分かるように表示される。
 
【0061】
  図11は、
図2の表示部220に表示される定量的レシピ情報の表示例を示す模式図である。
図11に示すように、
図10に示す差分63が差分71に表示され、
図10に示す類似レシピ情報62に紐づく定量的レシピ情報が定量的レシピ情報72に表示される。このとき、差分71と定量的レシピ情報72とが対応付けられて、並列に表示される。
 
【0062】
  また、定量的レシピ情報72における差分71に対応する箇所は、編集項目73として編集可能に表示される。この実施形態では、編集項目73として、定量的レシピ情報72における差分71に対応する箇所のみを編集可能な項目として表示しているが、定量的レシピ情報72全体を編集項目73としても良い。例えば、定量的レシピ情報72における差分71が細かく何か所もあるような場合、まとめて編集可能な項目とした方が合理的だからである。
 
【0063】
  図12は、
図2の表示部220に表示される定量的レシピ情報の他の表示例を示す模式図である。
図12に示す例では、
図10に示す差分63が差分71に表示され、
図10に示す類似レシピ情報62に紐づく定量的レシピ情報が定量的レシピ情報72に表示されると共に、
図10に示すレシピ情報61がレシピ情報74に表示される。このとき、差分71、定量的レシピ情報72及びレシピ情報74が対応付けられて、並列に表示される。このように表示するのは、レシピ情報74も同時に表示されることにより、ユーザが編集しやすくするためである。
 
【0064】
  ステップS106の処理として、編集送信部252では、ステップS105で表示された編集項目73に対して、ユーザにより編集入力が行われるので、その編集入力が受け付けられる。また、編集送信部252では、編集入力が定量的レシピ情報作成支援サーバ100へ通信部210を介して送信される。
 
【0065】
  ステップS107の処理として、編集入力受付部134では、ステップS106で定量的レシピ情報作成支援サーバ100へ送信された編集入力が受け付けられる。受け付けられた編集入力が反映された定量的レシピ情報は、元のレシピ情報に紐づく定量的レシピ情報として、定量的レシピDB122に格納される。
 
【0066】
  <効果>
  以上のように、本実施形態に係る定量的レシピ情報作成支援サーバ、情報処理端末、定量的レシピ情報作成支援システム、及び定量的レシピ情報作成支援方法は、類似レシピ選定部により、定量的レシピ情報が作成されていないレシピ情報に類似する、既に定量的レシピ情報が作成されている他のレシピ情報が選定される。差分抽出部により、レシピ情報と他のレシピ情報との差分が抽出される。定量的レシピ差分対応部により、他のレシピ情報に紐づく定量的レシピ情報と、差分との対応付けが行われる。編集入力受付部により、ユーザからの定量的レシピ情報に対する編集入力が、元のレシピ情報に紐づく定量的レシピ情報として受け付けられ。これにより、ユーザの入力によりレシピ情報を定量的な記載に修正して定量的レシピ情報を作成することが出来るので、定量的レシピ情報を作成するのを効率的に行うことが可能になる。
 
【0067】
  また、編集入力受付部では、ユーザの操作によりユーザ端末からの定量的レシピ情報に対する編集入力が受け付けられるので、ユーザ自身の入力により定量的レシピ情報を作成することが出来る。これにより、レシピサイトを運営する管理者の手間を削減するとともに、より正確な定量的レシピ情報の作成が可能になる。
 
【0068】
  さらに、類似レシピ選定部により、それぞれのレシピ情報に含まれる文言が所定数または所定割合以上含まれる場合や、それぞれのレシピ情報に設けられたタイトルが一致する場合に、類似するレシピとして選定される。これにより、差分が少ないレシピ情報が選定されるので、定量的レシピ情報に対する編集入力の手間をできるだけ少なくすることが可能である。
 
【0069】
  (実施形態2)
  
図13は、本開示の実施形態2に係る定量的レシピ情報作成支援システム1Aを示す機能ブロック構成図である。この定量的レシピ情報作成支援システム1Aは、定量的レシピ情報作成支援サーバ(サーバ)100Aと、実施形態1と同様の構成であるユーザ端末(情報処理端末)200と、ネットワークNWとを有している。定量的レシピ情報作成支援サーバ100Aは、定量的レシピ情報を作成しようとするレシピ情報に類似するレシピ情報を選定して差分を抽出し、その差分と対応付けてユーザからの定量的レシピ情報への編集入力を受け付ける点において、実施形態1に係る定量的レシピ情報作成支援サーバ100と同様であるが、制御部130の機能として編集反映部135を備えている点において、実施形態1に係る定量的レシピ情報作成支援サーバ100と異なる。
 
【0070】
  編集反映部135は、編集入力受付部134にて受け付けた編集入力について、定量的レシピDB122に格納されている他の定量的レシピ情報に対して変更を行う。この機能は、過去に作成された定量的レシピ情報の編集内容が誤りである場合や、新たな調理機器に対するアクション設定を行う場合等、一括して変更することを可能にするものである。変更された定量的レシピ情報は、定量的レシピDB122に反映される。その他の構成及び処理の流れについては、実施形態1と同様である。
 
【0071】
  本実施形態によれば、上記実施形態1の効果に加え、編集反映部により、他の定量的レシピ情報に対して一括して変更することを可能にすることにより、ユーザの編集入力の手間を削減することが可能である。
 
【0072】
  (実施形態3(プログラム))
  
図14は、コンピュータ(電子計算機)300の構成の例を示す機能ブロック構成図である。コンピュータ300は、CPU301、主記憶装置302、補助記憶装置303、及びインタフェース304を備える。
 
【0073】
  ここで、実施形態1及び2に係る類似レシピ選定部131、差分抽出部132、定量的レシピ差分対応部133、編集入力受付部134、及び編集反映部135を構成する各機能を実現するための制御プログラムの詳細について説明する。これらの機能ブロックは、コンピュータ300に実装される。そして、これらの各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置303に記憶されている。CPU301は、プログラムを補助記憶装置303から読み出して主記憶装置302に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU301は、プログラムに従って、上述した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置302に確保する。
 
【0074】
  当該プログラムは、具体的には、コンピュータ300において、定量的レシピ情報が作成されていない一のレシピ情報に類似し、定量的レシピ情報が作成されている他のレシピ情報を、記憶されているレシピ情報から選定する類似レシピ選定ステップと、一のレシピ情報と、選定された他のレシピ情報とを比較して差分を抽出する差分抽出ステップと、選定された他のレシピ情報に紐づく定量的レシピ情報を記憶されている定量的レシピ情報から読み出し、差分と対応付ける定量的レシピ差分対応ステップと、選定された他のレシピ情報に紐づく定量的レシピ情報に対する編集入力を、一のレシピ情報に紐づく定量的レシピ情報として受け付ける編集入力受付ステップと、をコンピュータによって実現する制御プログラムである。
 
【0075】
  なお、補助記憶装置303は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース304を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ300に配信される場合、配信を受けたコンピュータ300が当該プログラムを主記憶装置302に展開し、上記処理を実行してもよい。
 
【0076】
  また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置303に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
 
【0077】
  以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
 
 
レシピ情報の定性的表現を定量的表現に変換する定量的レシピ情報作成支援サーバ、情報処理端末、システム、方法及びプログラム。定量的レシピ情報作成支援システム(1)の定量的レシピ情報作成支援サーバ(100)は、その機能として、定量的レシピ情報が作成されていないレシピ情報に類似し、既に定量的レシピ情報が作成されている他のレシピ情報を選定する類似レシピ選定部(131)と、レシピ情報と、類似するレシピ情報とを比較して差分を抽出する差分抽出部(132)と、類似する他のレシピ情報に紐づく定量的レシピ情報と、差分とを対応付ける定量的レシピ差分対応部(133)と、類似する定量的レシピ情報の差分箇所に対する編集入力を受け付ける編集入力受付部(134)と、を備える。