特許第6491837号(P6491837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6491837二段作動式ディスク駆動装置ヘッドサスペンションのモータ極性試験
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6491837
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】二段作動式ディスク駆動装置ヘッドサスペンションのモータ極性試験
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20190318BHJP
【FI】
   G11B21/21 Z
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-178368(P2014-178368)
(22)【出願日】2014年9月2日
(65)【公開番号】特開2015-49929(P2015-49929A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2017年9月1日
(31)【優先権主張番号】61/873,192
(32)【優先日】2013年9月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508130890
【氏名又は名称】ハッチンソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HUTCHINSON TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スコット ジェイ.クレイ
(72)【発明者】
【氏名】ケリン ディ.ガイスラー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー イー.トムセン
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06639411(US,B1)
【文献】 特開2012−094237(JP,A)
【文献】 特開2012−113782(JP,A)
【文献】 実開昭49−121472(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 21/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのモータが取り付けられるディスク駆動装置サスペンション部品を試験するため方法であって、
少なくとも1つのモータが取り付けられたサスペンション部品の第1の部分を前記サスペンション部品の第2の部分に対して横方向に移動させること、
前記第1の部分と前記第2の部分との間の相対運動に応答して、前記少なくとも1つのモータにより生成される電気信号を測定すること、
前記電気信号の特性を特定すること、
前記電気信号の特性に基づき、前記少なくとも1つのモータのいずれかの配向が所定のモータ配向に対して反転されているかどうかを判定することを備える、方法。
【請求項2】
前記電気信号の特性は、前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記相対運動から生じる前記電気信号の偏向の極性である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのモータは、一対のモータを含み、
前記一対のモータの両方は、前記偏向が第1の方向である場合に前記サスペンション部品上に適切に取り付けられたと判定され、
前記一対のモータの両方は、前記偏向が前記第1の方向の反対の第2の方向である場合に前記所定のモータ配向に対して相互逆極性状態であると判定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのモータは、一対のモータを含み、
前記電気信号の前記特性は、前記一対のモータの両方により出力される合成信号である前記電気信号の偏向の極性であり、
前記一対のモータの一方の配向は、前記偏向の大きさが閾値未満である場合に前記所定のモータ配向に対して反転されていると判定される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の部分に対して前記第1の部分を横方向に移動させることは、前記相対運動を引き起こすために振動素子へ制御信号を送出することを含み、
前記電気信号の特性は、前記制御信号と前記電気信号との間の位相オフセットである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記位相オフセットと閾値とを比較することをさらに備える、請求項5に記
載の方法であって、
前記少なくとも1つのモータは一対のモータを含み、
前記一対のモータの配向は、前記位相オフセットが前記閾値未満である場合に前記所定のモータ配向と一致していると判定され、
前記一対のモータの一方の配向は、前記位相オフセットが閾値より大きい場合に前記所定のモータ配向に対して反転されていると判定される、方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのモータは、一対のモータを含み、
前記一対のモータは、前記位相オフセットが約180度である場合に前記所定のモータ配向に対して相互逆極性状態にあると判断される、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の部分と前記第2の部分は、それぞれ前記サスペンション部品の基板の一部であり、
前記少なくとも1つのモータは、前記基板上に取り付けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の部分と前記第2の部分は、それぞれ前記サスペンション部品のジンバルの一部であり、
前記少なくとも1つのモータは、前記ジンバル上に取り付けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのモータが取り付けられるディスク駆動装置のサスペンション部品を試験するためのシステムであって、
取り付け機構を含む基部であって、前記取り付け機構は、前記サスペンション部品の第2の部分は基部に固定されないが前記サスペンション部品の第1の部分を前記基部に固定するように構成される、前記基部と、
前記第1の部分は前記取り付け機構により前記基部に固定されるが、前記第2の部分を前記第1の部分に対して横方向に移動させるように構成された装置と、
前記第1の部分と前記第2の部分との間の相対運動に応答して、前記少なくとも1つのモータにより生成される電気信号を測定し、
前記電気信号の特性を特定し、
前記電気信号の前記特性に基づき、前記少なくとも1つのモータのいずれかの配向が所定のモータ配向に対して反転されているかどうかを判定し、
前記配向反転の判定に基づき、前記少なくとも1つのモータが適切に取り付
けられているかどうかを示す出力を生成するように構成された回路と
を備える、システム。
【請求項11】
前記電気信号の特性は、前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記相対運動から生じる前記電気信号の偏向の極性である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのモータは、一対のモータを含み、
前記回路は、前記偏向が第1の方向である場合に前記一対のモータの両方の配向が前記所定のモータ配向と一致していると判定するように構成され、
前記回路は、前記偏向が第1の方向の反対の第2の方向にある場合に前記一対のモータの両方が前記所定のモータ配向に対して相互逆極性状態であると判定するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのモータは、一対のモータを含み、
前記電気信号の特性は、前記一対のモータの両方により出力される合成信号である前記電気信号の偏向の極性であり、
前記回路は、前記偏向の大きさが閾値未満である場合に前記一対のモータの一方の配向が前記所定のモータ配向に対して反転されていると判定するように構成される、請求項10〜12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記装置は、前記第2の部分を前記第1の部分に対して移動させるために制御信号が送出される振動素子を含み、
前記電気信号の特性は、前記制御信号と前記電気信号との間の位相オフセットである、請求項10〜13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのモータは、一対のモータを含み、
前記回路は、前記位相オフセットと閾値とを比較するように構成され、
前記回路は、前記位相オフセットが閾値未満である場合に前記少なくとも1つのモータの配向が前記所定のモータ配向に対して適切であると判断するように構成され、
前記回路は、前記位相オフセットが前記閾値より大きい場合に前記一対のモータの一方の配向が前記所定のモータ配向に対して反転されていると判定するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのモータは、一対のモータを含み、
前記回路は、前記位相オフセットが約180度である場合に前記一対のモータが前記所定のモータ配向に対して相互逆極性状態にあると判定するように構成される、請求項14または15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、ディスク駆動装置のサスペンションに関する。特に、本発明は、二段作動式(DSA:dual stage actuated)サスペンションおよび関連部品の試験に関する。
【背景技術】
【0002】
微細作動式または第2段作動式サスペンションとしても知られる二段作動式(DSA)サスペンションは広く知られている。このようなヘッドサスペンションは通常、ヘッドサスペンションをディスク駆動装置アクチュエータへ取り付ける基板と、基板に取り付けられる取り付け領域と、取り付け領域に取り付けられるかまたはそれと一体のロードビームと、磁気読み取り/書き込みヘッドスライダを取り付けるロードビーム(loadbeam)により支持されるフレクシャ(flexure)とを含む。ヘッドスライダを磁気ディスク上の所望トラックの上に正確かつ迅速に位置決めするために1つまたは複数のマイクロアクチュエータが組み込まれる。これらのタイプのサスペンションは、例えばシャール(Schirle)の(特許文献1)、クランガラ(Kulangara)の(特許文献2)、劉(Liu)による(特許文献3)、大河原による(特許文献4)に開示されている。これらの特許文献をすべての目的のために全体として参照により本明細書に援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,621,653号明細書
【特許文献2】米国特許第7,595,965号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0228425号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2010/0067151号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態は、少なくとも1つのモータが取り付けられるディスク駆動装置サスペンション部品を試験する方法に関する。このような実施形態は、サスペンション部品の第1の部分をサスペンション部品の第2の部分に対して移動させること、第1の部分と第2の部分との間の相対運動に応答して、サスペンション上に取り付けられた少なくとも1つのモータにより生成される電気信号を測定すること、電気信号の特性を特定すること、電気信号の特性に基づき、少なくとも1つのモータのいずれかの配向が所定のモータ配向に対して反転されているかどうかを判定することを含むことができる。電気信号の特性は第1の部分と第2の部分との間の相対運動から生じる電気信号の偏向の極性であり得る。いくつかの方法は電気信号の偏向の特性と所定のモータ配向を示す所定パターンとを比較することを備えることができる。
【0005】
少なくとも1つのモータは一対のモータを含み得る。一対のモータに関するいくつかの方法では、両方のモータは偏向が第1の方向であればサスペンション部品上に適切に取り付けられたと判定されることができ、両方のモータは偏向が第1の方向の反対の第2の方向であれば所定のモータ配向に対して相互逆極性状態であると判定されることができ、一方のモータの配向は偏向の大きさが閾値未満であれば所定のモータ配向に対して反転されていると判定されることができる。いくつかの方法では、第1の部分を第2の部分に対して移動することは、相対運動を引き起こすために振動素子へ制御信号を送出することを含むことができ、一対のモータの配向は位相オフセットが閾値未満であれば所定のモータ配向と一致していると判定されることができ、一方のモータの配向は位相オフセットが閾値より大きければ所定のモータ配向に対して反転されていると判定されることができ、一対のモータは位相オフセットが約180度であれば所定のモータ配向に対して相互逆極性状態であると判定されることができる。
【0006】
様々な実施形態は、少なくとも1つのモータが取り付けられるディスク駆動装置サスペンション部品を試験するためのシステムに関する。このような実施形態は、サスペンション部品の第2の部分は基部に固定されないがサスペンション部品の第1の部分を基部に固定するように構成された取り付け機構を含む基部と、第1の部分が取り付け機構により基部に固定されるが第2の部分を第1の部分に対して移動させるように構成された装置と、回路とを含むことができる。本回路は、第1の部分と第2の部分との間の相対運動に応答して少なくとも1つのモータにより生成される電気信号を測定し、電気信号の特性を特定し、電気信号の特性に基づき、少なくとも1つのモータのいずれかの配向が所定のモータ配向に対して反転されているかどうかを判定し、配向反転の判定に基づき、少なくとも1つのモータが適切に取り付けられているかどうかを示す出力を生成するように構成することができる。本回路は、上記方法工程または本明細書において言及される他の工程の任意のものを実施するように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ディスク駆動装置の内部の俯瞰図である。
図2】サスペンションの両側を示す分離された斜視図である。
図3A】例示的な所定モータ配向構成を有するサスペンションの分離された斜視図である。
図3B図3Aのサスペンションに対応する回路図である。
図4A】特定のモータ配向構成を有するサスペンションの分離された斜視図である。
図4B図4Aのサスペンションに対応する回路図である。
図5A】別の特定のモータ配向構成を有するサスペンションの分離された斜視図である。
図5B図5Aのサスペンションに対応する回路図である。
図6A】別の特定のモータ配向構成を有するサスペンションの分離された斜視図である。
図6B図6Aのサスペンションに対応する回路図である。
図7】試験システムの斜視図である。
図8】モータ極性を試験するための回路に接続された測定システムの概略図である。
図9】モータ出力信号のプロットである。
図10】モータ出力信号のプロットである。
図11】モータ出力信号のプロットである。
図12】モータ出力信号のプロットである。
図13】振動制御信号とモータ出力信号を示すプロットである。
図14】振動制御信号とモータ出力信号を示すプロットである。
図15】振動制御信号とモータ出力信号を示すプロットである。
図16】振動制御信号とモータ出力信号を示すプロットである。
図17】コンピュータモデル化サスペンションの利得プロットである。
図18】サスペンションのジンバル部分の分離された俯瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
複数の実施形態が開示されるが、本開示のさらに他の実施形態が、本開示の例示的実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から当業者にとって明白となる。したがって添付図面と詳細説明は、本来例示的であり、限定的ではないとみなすべきである。
【0009】
本発明の主題は様々な修正形態および代替形態を受け入れることが可能であるが、添付図面では特定の実施形態が一例として示されており、以下に詳細に説明される。しかし、説明した特定の実施形態に本発明を限定することは意図していない。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲により定義される本開示の範囲に入るすべての変形形態、均等物、および代替形態を含むように意図されている。
【0010】
図1はディスク駆動装置1の俯瞰図である。ディスク駆動装置1はサスペンション10を含む。サスペンション10は、基板12、ロードビーム16、ジンバル17、ヘッドスライダ19を含む。ヘッドスライダ19は、ジンバル17上に取り付けられ、磁気的に、ディスク4へデータを書き込む、およびディスク4からデータを読み取るための回路を含む。
【0011】
サスペンション10は図2(a),(b)にさらに示される。サスペンション10は、ヒンジ14またはばね領域と、トレース20を有する一体型リードフレクシャ(integrated lead flexure)18とを含む。ヒンジ14は、基板12のヒンジ取り付け部に取り付けられ、基板12の先端部から延びる。ロードビーム16は、ヒンジ14の先端部に取り付けられる。フレクシャ18は、ロードビーム16に(通常はヒンジ14に取り付けられたロードビーム16側に)取り付けられる。これらの部品を結合するために溶接点(weld spot)22を利用することができる。基板12、ヒンジ14、ロードビーム16は、ステンレス鋼などの金属で形成することができる。これらの支持部品は個別素子として説明されるが、基板12、ヒンジ14およびロードビーム16の一部またはすべては、単一または複数の支持素子で形成することができる。フレクシャ18は、ステンレス鋼の基層を含むことができる。銅または銅合金トレース20が、フレクシャ18に沿って延び、ポリイミドまたは他の絶縁体の層によりステンレス鋼基層から分離され得る。
【0012】
当該技術領域で知られるように基板12に接続するヘッドサスペンション作動システムにより回転ディスク4(図1に示される)の上でヘッドスライダ19を走査するようにサスペンション10全体を移動させることができる。ヘッドサスペンション作動システムによるサスペンション10全体の運動はヘッドスライダ19の比較的粗い位置制御を実現するが、図示のサスペンション10の第2段作動機能は細かい揺動調整を制御するために基板12内に取り込まれる。モータ26および27を微細作動することにより生成されるサスペンション10に沿った微細作動は、本明細書においてさらに説明されるように、ヘッドスライダ19の比較的細かい位置決め調整を実現することができる。2つのモータ26および27が示されるが、その代わりに単一モータをサスペンション10上に設けることができる。示されるように基板12は、モータ受け入れ領域または開口24を有する。モータ26および27は、モータ受け入れ開口24内に収容される。モータ26および27は、基板12からモータ受け入れ開口24中に延びるタブ28へ取り付けられるが、他の取り付け選択肢も可能である。図示されたDSAサスペンション10では、タブ28はヒンジ14の一部である。他の実施形態(図示せず)では、モータ26および27が取り付けられるタブ28は、基板12に溶接された別個のモータプレートなどの他の部品であり得る。モータ26および27は基板12上に取り付けられて示されるが、モータ26および27はその代わりに、様々な他の実施形態ではジンバルアセンブリ(gimbal assembly)の一部としてロードビーム16またはフレクシャ18上に取り付けることができる。いくつかの他の実施形態では、モータ26および27をロードビーム16上に取り付けることができる。モータ26および27をタブ28または他の部品へ取り付けるためにエポキシまたは他の接着剤が通常使用される。
【0013】
モータ26は、長さ(例えば、長手軸に沿った)と幅を有するほぼ平坦な要素を含む。モータ26および27は、任意の好適なタイプのマイクロアクチュエータであり得る。例えば、モータ26および27はそれぞれ、チタン酸ジルコン酸鉛、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF:polyvinylidene fluoride)などのポリマー、または他の圧電または電歪(electrostrictive)タイプの材料の圧電層を含み得る圧電(PZT:piezoelectric)マイクロアクチュエータであり得る。理解されるように、各モータ26および27は、モータ26および27を電源へ電気的に結合するための極性端子(図示せず)を含む。
【0014】
本開示によるDSAサスペンションはさらに他の形式で具現することができる。例えば、他のDSAサスペンションは、今村への米国特許第5,764,444号明細書、大河原による米国特許出願公開第2010/0067151号明細書、シャム(Shum)による米国特許出願公開第2012/0002329号明細書、淵野による米国特許出願公開第2011/0242708号明細書に記載され、それぞれを全体としてかつすべての目的のために参照により本明細書に援用する。
【0015】
図3Aはサスペンション10の上部側の分離された斜視図を示し、図3Bはモータ26および27が接続される回路50の概略図を示す。モータ26および27のそれぞれは、モータの第1の主面上に陽極端子、第1の主面の反対のモータの第2の主面上に陰極端子を含む。モータ26および27は互いに反転される(flipped)。例えば、モータ26は図3Aのサスペンション10の上面図の上の方を向く陽極端子(「+」記号で標記)を有し、モータ27は図3Aのサスペンション10の上面図の上の方を向く陰極端子(「−」記号で標記)を有する。モータ26および27の極性端子は、本明細書に示されたものとは異なるモータの表面上(必ず主面上)に配置され得る。回路50の第1の部分(例えば、トレース抵抗51と接合抵抗52〜53を含むフレクシャ18のトレース20である第1の部分)はモータ26の陰極端子に電気的に接続することができ、回路50の第2の部分(例えば、基板12または他の導体などサスペンション10の基材であり、接合抵抗54〜55と基層抵抗56とを含む第2の部分)はモータ26の陽極端子に電気的に接続することができる。モータ26の陽極端子が回路50の第1の部分(例えば、モータ26の陰極端子が電気的に接続される回路50の同じ部分)に電気的に接続され、モータ27の陰極端子が回路の第2の部分(例えば、モータ26の陽極端子が電気的に接続される回路50の同じ部分)に電気的に接続されるように、モータ26および27は通常、所定のモータ配向に従い、並列かつ互いに極性が反転されて電気的に接続される。
【0016】
モータ26および27は電気的に活性化して、サスペンション10の先端部などの第2の部分をサスペンション10の基端部などの第1の部分に対して移動させる。先端部は、モータ26および27の先端であるサスペンション10の任意の部分であり、モータ26および27の活性化に基づき移動する。先端部は、ロードビーム16、フレクシャ18、ジンバル17、および/またはスライダ19のいずれかの一部またはすべてであり得る。基端部は、モータ26および27の基端であるサスペンション10の任意の部分であり、基板12とロードビーム16のいずれかの一部またはすべてであり得る。
【0017】
制御装置40は、モータ26および27の両端に正または負の電圧を選択的に印加するために回路50を介し送られた信号の極性を制御することができる。例えば、一方の極性の信号をモータ26の陰極端子とモータ27の陽極端子に印加することができ、他方の極性の信号をモータ27の陰極端子とモータ26の陽極端子に同時に印加することができる。制御装置40は、1つまたは複数のモータを選択的に活性化することによりサスペンションの先端部を関節動作させるように構成されたディスク駆動装置の任意の制御回路であり得る。モータ26および27は回路50と並列に電気的に接続され示されるが、直列に接続されるなど他の構成が考えられる。トレース抵抗(trace resistance)51(例えば、トレース20の)、(例えば、モータ26および27と回路50の導電体とを接続する)接合抵抗(bonding resistance)52〜55、(例えば、アースとして基板12の)基層抵抗(base layer resistance)56は回路50内に存在し得る。
【0018】
モータ26および27は、電気的に活性化されると、陽極端子と陰極端子の両端の電圧の極性に応じてモータ26および27の長手軸に沿って選択的に短縮または伸長する。モータ26および27の活性化により、サスペンション10の先端部を基端部に対して移動する。モータ26および27は電気的に並列に接続されその極性が反転されているので、同じ信号がモータ26および27へ同時に送出されるとモータ26および27の一方は膨張する(expand)と同時に他方は収縮し(contract)、これによりサスペンション10の先端部を揺動させて(sway)スライダ19を横方向に移動させる。サスペンション10の先端部を反対の横方向に移動させるために信号の極性を反転し、すなわちモータ26および27の両端の電位差を逆転することができる。(これによりモータ26および27の一方がサスペンション10内で押し他方が引く)このような作用は、電気回路内に反対極性配置で置かれるモータ26および27に依存し、さらに、(例えば、陽極端子が上に向き、電気回路の第1の部分に接続する)一方の極性配向を有する特定のモータ(例えば、右側のモータ26)と(例えば、陰極端子が上に向き、電気回路の第1の部分と接続して右側のモータ26の陽極端子と同じ信号を受信する)反対極性配向を有する他のモータ(例えば、左側のモータ27)とに依存する。モータ26および27の大量生産と小さなサイズは、一方のモータの陽極端子と陰極端子と共に特定の配向で置かれるべきモータが、極性が反転されるように時折誤って置かれ得る(例えば、前の例とは逆に陽極端子が下に向き陰極端子は上に向く)ことを意味する。さらに、このような置き違いがモータ26および27のいずれかまたは両方で発生し得る。本開示は、適切なストローク方向とフルストローク能力を保証するためにモータ26および27の機能の試験だけでなくモータ26および27の極性を試験するための方法とシステムに関する。
【0019】
図3Aおよび3Bの実施形態は、左側モータ取り付け位置のモータ26が上向き(例えば、フレクシャ18の反対方向)陽極端子と下向き(例えば、フレクシャ18の方向)陰極端子を有し、右側モータ取り付け位置のモータ27が上向き陰極端子と下向き陽極端子を有する場合、モータ26および27を所定のモータ配向で適切に配置したと考えられる。モータ26および27のこの所定のモータ配向は、モータ26および27を動作させる際のディスク駆動装置1の制御装置40によるプログラム走行の理解と一致し得るということに留意されたい。より具体的には、制御装置40がサスペンション10の先端部を左へ揺動する必要があれば、特定の極性を有する信号を回路50の両端に印加する。同様に、制御装置40がサスペンション10の先端部を右へ揺動する必要があれば、反対極性を有する別の信号を回路50の両端に印加する。モータ26および27のいずれかの極性が反転され、その結果モータ26および27の一方または両方が所定のモータ配向にならなければ、サスペンション10の先端部は所定の方向へおよび/または所定の程度に揺動しないであろう。このような条件の検出については本明細書でさらに説明される。
【0020】
図4Aはサスペンション10の上部側の分離された斜視図を示し、図4Bはモータ26および27が接続される回路50の概略図を示す。図4Aおよび4Bのモータ26および27の配置は、互いに逆のモータ極性配置の例である。具体的には、図4Aおよび4Bの例は、モータ26および27の両方をモータ取り付け位置に不適当に配置したと考えられる。左側モータ取り付け位置のモータ26は、(例えば、図3Aおよび3Bの配置と比較して)このモータ取り付け位置の所定の配向の逆である上向き陰極端子と、下向き陽極端子とを有する。また右側モータ取り付け位置のモータ27は、(例えば、図3Aおよび3Bの配置と比較して)このモータ取り付け位置の所定の配向の逆である上向き陽極端子と、下向き陰極端子とを有する。
【0021】
一方のモータが膨張し他方が収縮する配置は、サスペンション10の先端部を左または右へ揺動する適切な押し引き機能の基本的な所定の関係であるが、図4Aおよび4Bの実施形態のモータ26および27のそれぞれは意図するのとは逆の極性を有するように配向され、その結果、モータ26および27にサスペンション10の先端部を左へ偏向させなければならない電気信号が制御装置40によりモータ26および27の両端に印加されると、その代りにサスペンション10の先端部を右へ偏向させ、逆もまた同様である。このような配置は誤りと考えられ、誤動作するサスペンション10とディスク駆動装置1をもたらすだろう。したがって、図4Aおよび4Bの実施形態は、各モータの配向が所定のモータ配向から反転される(reversed)ので、相互逆極性状態と呼ばれる。逆極性状態を検知するための検査については本明細書でさらに説明する。
【0022】
図5Aはサスペンション10の上部側の分離された斜視図を示し、図5Bはモータ26および27が接続される回路50の概略図を示す。図5Aおよび5Bのモータ26および27の配置は同極性状態の例である。具体的には、図5Aおよび5Bの例は、モータ26および27の一方をモータ取り付け位置に不適当に配置しその結果両モータが回路50において同極性配置を有すると考えられる。左側モータ取り付け位置のモータ26は、(例えば、図3Aの配置と比較して)このモータ取り付け位置の所定の配向である上向き陽極端子と下向き陰極端子とを有する。しかし、右側モータ取り付け位置のモータ27は、(例えば、図3Aの配置と比較して)このモータ取り付け位置の所定の配向の逆である上向き陽極端子と、下向き陰極端子とを有する。モータ26および27は、両方のモータが同じ制御信号により電気的に励起されると同時に収縮するか膨張するかのいずれかとなるように配向される。サスペンション10の先端部は、この場合モータ26および27により生成される機械的力が互いに対向して相殺するので、偏向しないであろう。このような配置は誤りと考えられ、誤動作するサスペンション10とディスク駆動装置1をもたらすだろう。同極性状態を検知するための検査については本明細書でさらに説明する。
【0023】
図6Aはサスペンション10の上部側の分離された斜視図を示し、図6Bはモータ26および27が接続される回路50の概略図を示す。図6Aおよび6Bのモータ26および27の配置は同モータ極性配置の別の例である。具体的には、図6Aおよび6Bの実施形態は、モータ26および27の一方をモータ取り付け位置に不適当に配置しその結果両モータが回路50内で同極性配置を有すると考えられる。左側モータ取り付け位置のモータ26は、(例えば、図3Aの配置と比較して)このモータ取り付け位置の所定の配向の逆である上向き陰極端子と、下向き陽極端子とを有する。モータ26および27は、両方のモータが回路50において電気的に励起されると同時に収縮するかまたは膨張するかのいずれかとなるように配向される。サスペンション10の先端部はこの場合、モータ26および27により生成される機械的力が互いに対向して相殺するので、偏向しないであろう。
【0024】
適切なモータ配置の試験は、サスペンション10を機械的に偏向し、次にモータ26および27からの電気的出力を検知することにより行うことができる。先に述べたように、モータ26および27は電気的に活性化されると形状を変える。同様に、モータ26および27は機械的に歪められると固有に生成される電気信号を出力する。本開示による検査は、モータが機械的にストレスをかけられるとモータ26および27により固有に生成され出力される信号を測定すること、および信号を解析して、信号が、他にも可能性があるが、所定のモータ配向、相互逆極性状態、同極性状態、または低ストローク状態を示すパターンを示すかどうかを判断することに関する。
【0025】
図7は試験システム60の斜視図である。試験システム60は、サスペンション10上のモータ26および27の配向を試験する。試験システム60は様々な方法で構成することができる。試験システム60は、測定システム71を含むことができる。測定システム71は、コンピュータであり得る。
【0026】
図7の実施形態では、試験システム60は、サスペンション10の取り付け台として機能する取り付け装置61を含む。取り付け装置61は基部62を含む。基部62は、プレート、ボックス、またはその中またはその上にサスペンション10を取り付けることができる他の構造を含むことができる。基部62は例えば金属で作製することができる。基部62は、サスペンション10より実質的に重く、例えば一桁またはそれよりも重くなり得る。基部は、サスペンション10を配置することができるプラットフォーム64を含むことができる。プラットフォーム64は、サスペンション10の基板12の片面を置くことができる平坦面を含むことができる。プラットフォーム64は、基板12の特徴に対応することができる1つまたは複数の特徴(例えば、凹部、突部)を任意選択的に含むことができる。基板12は、基板12を安定させて基板12がプラットフォーム64上で移動するのを防止するためにプラットフォーム64の特徴と嵌合することができる。
【0027】
取り付け装置61は、基部62上に取り付けられたクランプ(clamp)63を含む。クランプ63は、基板12が配置される上側顎板(upper jaw)を含むことができる。クランプ63は、プラットフォーム64とクランプ63との間に基板12を挟み込むために下方に移動され得る。したがって、基板12が基部62に対して移動するのを防止するために基板12を基部62に一時的に固定することができる。
【0028】
図7に示すように、サスペンション10は、カンチレバー(cantilever)として、基部62の上でおよび/または基部62から延びる。このようにして、サスペンション10の基端部(例えば、基板12の一部またはすべて)は基部62に固定され、サスペンション10の先端部(例えば、ロードビーム16)は基部62に固定されず、したがって基部62および基端部に対して移動することができる。基端部(基部62に固定された)と先端部(基部62に固定されない)との間の相対運動は、モータ26および27が電気的に活性化されると引き起こす運動に対応することができる。
【0029】
試験システム60は、基部62に固定されたサスペンション10の基端部に対してサスペンション10の先端部を偏向させるための様々な装置を含むことができる。示されるように、衝撃子(impactor)65が取り付け装置61上に取り付けられる。衝撃子65は基部62上に取り付けられて示されているが、衝撃子65は、試験システム60の他の部分上に取り付けられ得る。衝撃子65は木槌(mallet)66と取り付け装置61に木槌66を押しつけるばね67とを含む。衝撃子65は、加えてまたはその代わりに空気圧式であり得る。衝撃子65は、取り付け装置61上、例えば直接基部62上にパルス力を与える。衝撃子65からの衝撃の振動が取り付け装置61を揺する。このような振動は(例えば揺動運動で)サスペンション10に沿って進み、片持ちサスペンション10の基端部に対して先端部を移動させる。
【0030】
衝撃子65の代替としてまたはそれに加えて、試験システム60は、ガスの放出によりロードビーム16に衝撃を与えることなどにより、サスペンション10の先端部にパルス力を穏やかに印加することができる加圧ガス(例えば、一吹きの空気)を放つ圧力ガス装置を含むことができる。圧力ガス装置は、加圧ガスの貯蔵槽と、貯蔵槽からのガスの放出を制御するためのバルブ(図示せず)とを取り付け装置61内に含むことができる。圧力ガス装置はさらに、サスペンション10などの標的上にガスの放出を導くための導管68を含むことができる。サスペンション10の先端部(例えば、ロードビーム16)上へのガスの放出は、サスペンション10の固定基端部に対して先端部を偏向させる。
【0031】
衝撃子65および/または圧力ガス装置の代替としてまたはそれに加えて、試験システム60は取り付け装置61へ接続される振動素子69を含むことができる。振動素子69は、(例えば、モータ26および27と同様な)圧電モータであり得る。振動素子69を振動させるために振動素子69に正弦波制御信号を印加することができる。測定システム71により制御信号を振動素子69へ供給することができる。振動素子69の振動は、サスペンション10の先端部が基端部に対して移動するように、基部62とサスペンション10を振動させるほど十分に強い。または、振動素子69をサスペンション10に接触して配置することができる。
【0032】
衝撃子65、圧力ガス装置、振動素子69、および/またはサスペンション10を関節動作させるための他の装置を測定システム71により制御することができる。例えば、衝撃子65の解放のタイミング、導管68からの空気の放出のタイミング、および/または振動素子69の振動のタイミングを測定システム71により自動的に制御することができる。パルス力がどの方向にサスペンション10の先端部を最初に偏向させるかは試験により知ることができるということに留意されたい。例えば、パルス力は常に、先端部をサスペンション10の基端部に対して右へ最初に揺動させ、次に左へ揺動させることができる。
【0033】
サスペンション10のトレース20はモータ26および27へ電気的に接続する。試験システム60では、トレース20をさらに測定システム71へ電気的に接続することができる。いくつかの実施形態では、モータ26および27の電気的試験は、モータ26および27の陽極および陰極端子と接続するかまたはモータ26および27の電気回路の他の部分と接触するプローブにより行うことができる。トレース20またはモータ26および27の電気回路の他の部分に取り付けられると、測定システム71は、基端部に対するサスペンション10の先端部の運動によりモータ26および27が歪められる際にモータ26および27により生成される信号を受信する。信号はモータ26および27の運動を示す。また、信号は、本明細書でさらに説明されるように、モータ26および27の相対的極性配向とモータ26および27が歪められた程度とを示す。モータ26および27のそれぞれは歪められるとそれぞれの信号を出力するが、本明細書で示されるようにモータ26および27は電気的に並列に接続されているのでこれらの信号は回路50において合成されるということが理解される。モータ26および27により出力される信号は測定(例えば電圧、特に信号の初期極性)のために測定システム71に供給される。
【0034】
図8に、モータ26および27が接続される回路50に接続された測定システム71の概略図を示す。測定システム71はモータ26および27からの信号を測定するために回路50と電気的に接続する。測定システム71は、インタフェース72(例えば、画面とキーボード、および/または他の入力)、プロセッサ73、データおよび/またはプロセッサ73より実行可能なプログラム命令を格納するように構成されたメモリ74、測定モジュール75を含む。測定モジュール75は、増幅器、および/またはモータ26および27により出力された信号を測定するための任意の他の回路部品を含むことができる。
【0035】
図9に、収集信号81のプロット80を示す。信号81は、図7および図8で示されたものと同様なセットアップにおける一定期間にわたってモータ26および27により出力された合成電圧を表す。より具体的には、信号81の電圧の変化は、サスペンション10が偏向されたときにモータ26および27により出力された合成信号の振動電圧を表す。サスペンションの偏向は、サスペンション10の先端部が一方向に偏向すると一対のモータ26および27の第1のモータを収縮させると同時に一対のモータ26および27の第2のモータを伸長させ、次に、サスペンション10の先端部が他方向に偏向すると第2のモータを収縮させ第1のモータを伸長させる。モータ26および27は反対の極性を有するように回路内に配置されていると仮定すると、図3Aおよび図4Aに示すように、モータ26および27により出力される信号の極性は同じになり信号の大きさは加算され合成信号を生成する。
【0036】
信号81は第1の偏向(first deflection)82、第2の偏向83、第3の偏向84を含む多くの偏向を含むということに留意されたい。モータ26および27の極性配向を検知するために偏向の方向、勾配、微分係数、および/または他の特性を利用することができる。基端部に対するサスペンション10の先端部の第1の偏向の横方向が知られているので(例えば、パルス力が観測されるか、またはそうでなければパルス力が先端部を基端部に対して左側へ揺動させることが知られている)、どちらのモータが収縮しなければならないかおよびどちらのモータが伸長しなければならないかが分かり、したがって、どちらのモータが信号81の初期の正または負の偏向を引き起こさなければならないかがさらに分かる。モータの極性配向が所定のモータ配向と一致すれば、第1の偏向82(または後続の第2および第3の偏向83および84)は予測(正または負)方向となる。モータの配置は、(例えば、所定のモータ配向を有することが知られたサスペンションの以前の試験と比較して)第1の偏向82(または別の偏向)が予測極性を有するかどうか、または、偏向が予測極性から逸脱するかどうかに基づき評価することができる。
【0037】
いくつかのケースでは、第1の試験は、所定のモータ配向と一致する既知の配置を有するサスペンションに対し行うことができる。例えば、正しいモータ極性配置を有するということが知られたサスペンションを試験して、第1、第2、第3などの偏向方向によりベースライン信号を判断することができる。次に、後続のサスペンションを試験して、信号の第1、第2、第3などの偏向がベースライン信号と同じ方向にあるかどうかを判断することができる。図9の信号81はこのような比較のためのベースラインまたは基準を表すことができる。
【0038】
図9のプロット80が図3Aおよび3Bのように所定のモータ配向を表すと仮定すると、図10のプロット85は図4Aおよび4Bのような相互逆極性モータ状態を表し得る。図4Aおよび4Bの例では、モータ26および27のそれぞれは所定のモータ配向とは逆の極性にされ、したがって図10の信号86の比較的高い振幅および振動パターンは適切に配向された配置を一見示し得る。しかし、第1の偏向87は負であり、したがって図9の信号81の第1の偏向82と反対方向である。同様に、第2の偏向88と第3の偏向89はそれぞれ図9の信号81の第2の偏向83と第3の偏向84と反対である。モータが反対極性配置であるかどうかを判断するために、第1の偏向、第2の偏向、第3の偏向などの1つまたは複数の偏向を利用することができる。本明細書において説明されたようにモータの配置を判断するために偏向の方向、偏向の勾配、偏向の微分係数、または偏向の任意の他の特性を例えばベースラインと比較することにより利用することができるということが理解される。したがって、振動信号86は作動するサスペンションを本来表すように見えるが、ベースラインに対する当該偏向(例えば、第1、第2、第3の偏向)間の不一致は、試験されたサスペンションが、モータ26および27が電気的に駆動される場合に意図されるのとは反対方向に揺動するだろうということを示す。
【0039】
図9のプロット80が図3Aのように所定のモータ配向を表すと仮定すると、図11のプロット90は図5A図6Bのように同極性状態を表す。図5A図6Bの実施形態では、モータ26および27のそれぞれは回路50の第1の部分に接続された陽極端子を有し、陰極端子は回路50の第2の部分に電気的に接続される。モータが同じ極性を有するように回路内に配置されれば、一方のモータの収縮と他方のモータの伸長の同時性は各モータにより出力される信号間での相殺効果を有するので合成信号は比較的平坦である。図11のプロット90は、同極性状態を示すこのような平坦信号を示す。
【0040】
いくつかの実施形態では、低振幅または平坦信号により特徴付けられる同極性状態と高振幅振動信号により特徴付けられる反対極性状態とを識別するために1つまたは複数の閾値を使用することができる。図11に第1の閾値92と第2の閾値93を示す。いくつかの実施形態では1つの閾値だけが使用され得るということに留意されたい。信号91が、正の閾値(例えば、第1の閾値92)未満のままである、負の閾値(例えば、第2の閾値93)を越えたままである、および/または、そうでなければ基端部に対するサスペンション10の先端部の運動に追随する閾値の間にあれば、エラー状態を確認することができる。エラー状態は同極性状態に起因し得る。サスペンションが関節動作しモータ26および27が伸長および収縮されるが、モータ26および27からのそれぞれの信号は反対極性であり、したがって相殺して合成平坦信号を生成する。エラー状態はそうでなければ、サスペンションが関節動作するのを妨げる機械的問題に起因し得る。例えば、機械的問題はサスペンションの先端部が基端部に対して移動するのを妨げ得る。このような状態は、モータ26および27が信号を出力しないかまたは信号が非常に低い振幅となるようにモータ26および27が所定の程度に伸長または収縮するのを妨げ得る。このような状態は、上述のように合成信号が閾値を越えるかどうかを判断することにより特定することができる。
【0041】
図12に、信号96が第1の閾値92と第2の閾値93のそれぞれを横切るプロット95を示す。信号96は図9の信号81と同様にして収集された。信号96が第1の閾値92と第2の閾値93の両方を横切るので、サスペンション10はモータ26および27を収縮および伸長させる際に適切なストロークを有するものと判断され得る。
【0042】
図13図17は、振動制御信号に対するモータ26および27から出力される信号の特性を測定することによりモータ極性を試験する例を示す。このような技術は図7および図8のセットアップを採用することができる。特に、振動素子69がサスペンション10を振動させるように制御信号を振動素子69に送出することができ、これにより、モータ26および27が伸張および収縮するので、モータ26および27に基端部に対するサスペンション10の先端部の運動に応答して出力信号を生成するようにさせる。制御信号は図13図17に示すような正弦波パターンまたは他のパターンを有し得る。
【0043】
図13に、時間に対する電圧のプロット100を示す。プロット100は、振動素子69に入力される制御信号102と、モータ26および27がサスペンション10の振動および揺動に応答して伸長および収縮することによりモータにより出力されるモータ信号101とを示す。制御信号102は12キロヘルツで繰り返されるということに留意されたい。示されるように、サスペンション10もまた振動素子69と同じ周波数で振動する。具体的には、モータ信号101は制御信号102とほぼ同じ周波数を示す。
【0044】
図13のプロット100は、データが生成されるとモータ26および27は所定のモータ配向(例えば、図3Aおよび3Bのもの)を有することがこのセットアップにおいて知られているのでベースラインである。後続の実施形態のモータ配向を評価するための後の比較のために、制御信号102とモータ信号101の特性が測定された。例えば、制御信号102とモータ信号101の正弦波パターンの位相オフセットが測定された。位相オフセットは、制御信号102とモータ信号101との間の、周期の時間差またはピークトゥピーク位相角を比較することにより測定することができる。
【0045】
図14のプロット103は、図13において試験されたサスペンション内のモータと同様な構成を有するサスペンション内のモータの試験を表すが、この場合モータは(例えば、図4Aおよび4Bに示すような)相互逆極性状態である。制御信号105はベースラインプロット100の制御信号102と同じ(例えば、同じ周波数と振幅)であり得る。モータ信号104は、モータ信号104と同様な方法で回路50から測定することができる。ベースラインプロット100と同様に、制御信号102とモータ信号101の特性がベースライン特性との後の比較のために測定された。具体的には、制御信号105とモータ信号104との間の位相オフセットが測定され、ベースラインプロット100の位相オフセットと比較された。ベースラインと試験実施形態の位相オフセットの比較は、モータ26および27が所定の配向構成または相互逆極性状態であるかどうかを示す。モータは、試験信号とベースライン信号との間の位相オフセットが同じであれば、または試験信号とベースライン信号との間の位相オフセットの差が閾値(例えば、20度)未満であれば、所定の配向構成である。図から分かるように、図13の制御信号102とベースラインのモータ信号101はほぼ同相であり、図14の制御信号105と試験のモータ信号104はほぼ逆相である。この差に基づき、図14のプロット103が相互逆極性状態を表すものと結論付けることができる。
【0046】
図15は、所定のモータ配向(例えば、図3Aおよび3Bに対応する配向)を有する実施形態のベースラインプロット120を示す。図16は、(例えば、図4Aおよび4Bのものに対応する)相互逆極性状態を有する例の試験プロット123を示す。図16に関連するモータ極性配置は、図13および図14に関連して述べられた技術を使用して検知することができる。但し、振動素子に入力される制御信号122および125は11キロヘルツの周波数を有する。図15および図16のプロット120および123に示されるように、サスペンションは入力制御信号に基づき11キロヘルツで振動する。様々な周波数が試験された。サスペンションは通常、モータが同じ周波数を有する信号を出力するように入力制御信号の周波数で振動するということ、およびモータ配向構成を評価するために位相オフセットを入出力信号間で測定できるということが分かった。
【0047】
図17に、サスペンションのコンピュータモデリングから生成された合成利得プロット130を示す。利得データ131の滑らかな部分は、サスペンションが入力周波数で振動するであろう周波数を表し、利得データ131の不規則な部分132および133はサスペンションが入力周波数で振動しないであろう周波数を表す。したがって、本明細書で説明した検査は利得データ141の滑らかな部分に対応する周波数で行われることが好ましい。
【0048】
測定システム71は、特定のサスペンションが適切に配置されたかまたは意図せぬモータ配向構成を有するかを示すための試験の結果に基づき出力を生成することができる。例えば、試験したサスペンションが所定のモータ配向、相互逆極性状態、または同極性状態を有すると確認されれば、状態の表示をインタフェース72上に生成することができる。サスペンションは、不適切なモータ配置の状態が検知されれば、組立工程から自動的に除去または排除されることができ、一方、適切なモータ配置と関節動作機能を有するサスペンションはこのような検査をパスすることができる。
【0049】
本明細書に記載の試験は、モータを電気的に活性化することなくモータを機械的に活性化することにより行うことができるということに留意されたい。すなわち、電位差が試験中にモータの端子の両端に印加されなくてもよい。むしろ、モータの電気的動作は、収縮または伸長させられることに応答してモータ自体により固有に生成される。したがって、試験中にモータを励起する必要はない。2つのモータの実施形態が本明細書で提示されたが、その代りに他の数のモータを有する実施形態が2つのモータについて本明細書に記載されるのと同様にして試験され得るということにも留意すべきである。例えば、1つのモータを有するサスペンションは、サスペンションの基端部に対して知られた方向のサスペンションの先端部の偏向がモータを収縮または伸長させてモータの両端で測定される信号を第1の(または第2、第3など)正または負の偏向にさせるかどうかを判断するために試験され得る。偏向の予想方向は、モータの実際の配向が所定のモータ配向と一致するかどうかまたはモータの配向が反転されるかどうかを判断するために偏向の実際の方向と比較することができる。
【0050】
本明細書で提示されたいくつかの実施形態はサスペンション10の基板12に取り付けられるモータ26および27を示すが、本開示の様々な実施形態はそのように限定されない。本明細書において説明されたように、モータ26および27は代案としてロードビーム16またはジンバル17上に配置することができる。ロードビームまたはジンバル上に取り付けられるモータの配向を評価するための試験装置および方法は、基板12上に取り付けられるモータ26および27の本明細書に提示されたものと同じであり得る。図18は、サスペンションのジンバル117の分離された俯瞰図である。例えば、サスペンションは図1図3Bのサスペンション10に対応し、ジンバル117は図1図3Bのジンバル17に対応し得る。一対のモータ126および127がジンバル117上に取り付けられる。(例えば、モータ126および127の膨張および収縮を引き起こす)モータ126および127の電気的活性化は、ジンバル117の先端部124をジンバル117の基端部121に対して移動させて、先端部124上に取り付けられたヘッドスライダ119をディスク媒体全体にわたって追跡することができる。所定のモータ配向は、図3Aに示されるものと同じであり、モータ126および127の配向が所定の配向と一致するかどうか、または、例えばモータ126および127の一方または両方の極性が相互逆極性状態、同極性状態、または本明細書に記載されるような他の状態における所定の配向から反転されているかどうかを判断するために、本明細書で提示された任意の方法で試験することができる。
【0051】
様々な変形と追加を、本発明の範囲から逸脱することなく、説明された例示的実施形態に対してなすことができる。例えば、上述の実施形態は特定の特徴について言及するが、本発明の範囲はまた、異なる組み合わせの特徴を有する実施形態および説明した特徴のすべてを含まない実施形態を含む。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲に入るようなこのような代替形態、修正形態、変形形態のすべてとそれらのすべての均等物とを包含するように意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18