特許第6492016号(P6492016)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6492016
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】創傷処置用被覆材
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20190318BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20190318BHJP
   A61F 13/02 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   A61M27/00
   A61M25/00 534
   A61F13/02 340
   A61F13/02 350
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-557192(P2015-557192)
(86)(22)【出願日】2014年2月11日
(65)【公表番号】特表2016-511029(P2016-511029A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】US2014015715
(87)【国際公開番号】WO2014126888
(87)【国際公開日】20140821
【審査請求日】2017年2月8日
(31)【優先権主張番号】61/763,872
(32)【優先日】2013年2月12日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511106536
【氏名又は名称】エレクトロケミカル オキシジェン コンセプツ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ニーデラウアー マーク キュー.
(72)【発明者】
【氏名】デーリー ジェイムズ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ニール アラン エス.
【審査官】 家辺 信太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−539966(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0216204(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0282028(US,A1)
【文献】 特開昭62−231676(JP,A)
【文献】 特表2011−505887(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0041238(US,A1)
【文献】 国際公開第02/043634(WO,A2)
【文献】 特表2011−514209(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/008167(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペーサー材料(120)に隣接する密封層(110)、
該密封層(110)と第1の層(130)との間に位置し、複数の分配経路(150)を含む、該スペーサー材料(120)、
該スペーサー材料(120)に隣接する該第1の層(130)、および
該複数の分配経路(150)と流体連通している第1の導管(140)
を含む、創傷処置用被覆材(100)であって、
該複数の分配経路(150)が、該スペーサー材料(120)の中心領域(151)から該スペーサー材料(120)の周縁に向かって延伸する8つの経路(152)〜(159)を含み、かつ
該第1の導管(140)が、複数の開口(170)を含む、
創傷処置用被覆材(100)。
【請求項2】
複数の分配経路(150)が、第1の導管(140)と流体連通している追加の導管(140)を含み、該追加の導管(140)がスペーサー材料(120)に隣接している、請求項1記載の被覆材(100)。
【請求項3】
密封層(110)が接着剤(115)を含み、該密封層(110)が、スペーサー材料(120)の近位に第1の表面、該スペーサー材料(120)の遠位に第2の表面、および該密封層(110)の周りに延在している周縁を含み、接着剤(115)が該第1の表面の周縁をひとまわりして延在している、請求項1記載の被覆材(100)。
【請求項4】
第1の層(130)が、スペーサー材料(120)の近位に第1の表面、および該スペーサー材料(120)の遠位に第2の表面を含み、該第2の表面が非粘着面である、請求項1記載の被覆材(100)。
【請求項5】
第1の層(130)が、
(i) 吸収層(190)であるか、または
(ii) スペーサー材料(120)の遠位に非粘着面を有する吸収層(190)であるか、または
(iii) 接触層であるか、または
(iv) シリコーン非粘着層として構成される、
請求項1記載の被覆材(100)。
【請求項6】
第1の導管(140)が、スペーサー材料(120)の近位にある第1の端部(141)、および該スペーサー材料(120)の遠位にある第2の端部(142)を含む、請求項1記載の被覆材(100)。
【請求項7】
複数の開口(170)が
(i) 第1の導管(140)の第1の端部(141)の近位にあるか、または
(ii) 第1の導管(140)の軸方向長さに沿って配置されており、該複数の開口(170)が、第1の導管(140)の第1の端部(141)に向かって増加する直径の順に配置されている、
請求項6記載の被覆材(100)。
【請求項8】
第1の導管(140)における第1の開口(171)および第2の開口(172)が第1の端部(141)の近位にあり、該第1の導管(140)における該第1の開口(171)と該第1の端部(141)との間の距離(D1)が、該第1の端部(141)と該第1の導管(140)における第2の開口(172)との間の距離(D2)未満であり、該第1の導管における該第1の開口(171)の直径が該第1の導管における第2の開口(172)の直径以上である、請求項6記載の被覆材(100)。
【請求項9】
第1の導管(140)が第1の開口(171)および第2の開口(172)および第3の開口(173)を含み、
該第1の開口(171)と該第1の導管(140)の第1の端部(141)との間の距離が該第1の導管(140)の該第1の端部(141)と該第2の開口(172)との間の距離未満であり、
該第1の開口(171)の直径が該第2の開口(172)の直径以上であり、かつ
該第3の開口(173)と第1の導管(140)の第1の端部(141)との間の距離が第2の開口(172)と該第1の導管(140)の該第1の端部(141)との間の距離を超えており、
該第2の開口(172)の直径が該第3の開口(173)の直径以上である、
請求項6記載の被覆材(100)。
【請求項10】
第1の導管(140)が第1の開口(171)、第2の開口(172)、および第3の開口(173)を含み、
該第1の開口(171)が該第1の導管(140)の第1の端部(141)からの第1の距離に位置し、
該第2の開口(172)が該第1の導管(140)の該第1の端部(141)からの第2の距離に位置し、
該第3の開口(173)が該第1の導管(140)の該第1の端部(141)からの第3の距離に位置し、
該第1の距離が該第2の距離未満であり、
該第2の距離が該第3の距離未満であり、
該第1の開口(171)の直径が該第2の開口(172)の直径以上であり、
該第2の開口(172)の直径が該第3の開口(173)の直径以上である、
請求項6記載の被覆材(100)。
【請求項11】
複数の分配経路(150)と流体連通している複数の導管(140)をさらに含む、請求項1記載の被覆材(100)。
【請求項12】
第1の導管(140)が、該第1の導管(140)を通る流体流を閉塞させることなく圧縮圧力200mmHgに耐えるように構成されている、請求項1記載の被覆材(100)。
【請求項13】
複数の分配経路(150)のうち少なくとも1つが少なくとも長さ25mmであるか、または
複数の分配経路(150)のうち少なくとも1つが少なくとも幅5mmである、
請求項1記載の被覆材(100)。
【請求項14】
スペーサー材料(120)がある長さおよび幅を有し、
各分配経路(150)がある長さを有し、
該分配経路(150)の合計長さが該スペーサー材料(120)の該長さを超えており、
該分配経路(150)の合計長さが該スペーサー材料(120)の該幅を超えている、
請求項1記載の被覆材(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
I. 発明の分野
本発明の態様は、一般に、損傷組織および治癒中の組織への治療用流体の局所送達の使用を包含する先進的創傷治療の分野に関し、特定の態様では、酸素治療システムの流動的連続拡散の使用に最適化された被覆材に関する。
【背景技術】
【0002】
II. 背景、および関連技術の説明
皮膚および軟部組織の創傷を含む損傷組織は、酸素の要求の増加を引き起こす。酸素は、線維芽細胞の遊走および複製を増加させ(Knightonら)、コラーゲン産生速度およびコラーゲン線維の引張強度を増加させ(Huntら)、血管新生を刺激し(Knightonら)、マクロファージ走化性を促進し(Boscoら)、食作用機能を含む白血球の抗菌活性を増強し(Hohnら)、これにより細胞片の除去を増加させ、生理的創傷デブリードマンを促進すると報告されている。
【0003】
損傷湿潤組織が酸素を得ることができる2つの方法が存在する:(1)肺を通じて酸素を吸い込み、心血管系/呼吸器系を通じて創傷部位に運搬することができ;あるいは、(2)周囲空気中の酸素(濃度約21%)との接触によって、またはこの目的で設計された外部酸素供給源および投与装置により送達される純酸素(100%)によって、酸素を創傷へ直接供給することができる。いずれの場合でも、酸素は、本開示の態様が対象とする皮膚および軟部組織の創傷に関連性のあるそのような損傷組織の細胞に、拡散によって到達する。
【0004】
多くの患者、例えば静脈うっ血潰瘍、糖尿病性足部潰瘍、いくつかの褥瘡、および他の創傷を有する患者では、心血管系/呼吸器系を介した酸素の正常な送達が損なわれている。血管分布が損なわれた患者では、皮膚組織および表皮組織の維持を含む正常な生理的過程を維持するために十分な局所区域への血液供給は存在し得るものの、たとえ真空補助閉鎖技術などの先進的創傷ケア様式を使用する場合であっても、局所区域に供給可能な酸素は、損傷組織の修復のための細胞過程を促進するために必要なずっと多い量の酸素を供給するには不十分であることが多い。このおよびいくつかの他の創傷閉鎖方法で使用される密封被覆材は、それが使用されなければ周囲空気から湿潤創傷中に拡散し得る酸素にこれら低酸素組織が触れることを制限し得、それにより、該組織へのおよび該組織からの十分な流動が回復不可能である臨床状況における創傷閉鎖の可能性を減少させる。
【0005】
局所高圧酸素療法(THOT)としても知られる局所酸素療法(TOT)などの先進的創傷ケア処置によって純酸素が創傷に送達されるが、これらのシステムが携帯式でないことから、それらの使用によって患者は身動きが取れなくなる。したがって、これらのシステムでの処置時間は通常1日当たり約90分に限定される。治癒中の創傷における細胞が酸素を連続的に必要とすることから、これらの様式で実際に可能である限定的な治療時間によってそれらの臨床的有用性が限定されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】U.S. 4,969,881
【特許文献2】U.S. 6,458,109
【特許文献3】U.S. 7,216,651
【特許文献4】U.S. 7,263,814
【特許文献5】U.S. 7,429,252
【特許文献6】U.S. 7,790,945
【特許文献7】U.S. 7,938,790
【特許文献8】U.S. 8,084,663
【特許文献9】U.S. 8,088,113
【特許文献10】U.S. 8,235,955
【特許文献11】U.S. 8,287,506
【特許文献12】U.S. Pat. Pub. 2012/0046603
【特許文献13】U.S. Pat. Pub. 2003/0212357
【特許文献14】U.S. Pat. Pub. 2001/0041188
【特許文献15】W.O. 2010/139926 A1
【特許文献16】W.O. 2005/094744 A1
【特許文献17】U.S. Pat. Pub. 2006/282028 A1
【特許文献18】W.O. 2011/112774 A1
【特許文献19】U.S. Pat. Pub. 2011/224631 A1
【特許文献20】U.S. Pat. Pub. 2012/330253 A1
【特許文献21】W.O. 2002/043634 A1
【特許文献22】U.S. Pat. Pub. 2009/227969 A1
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Knighton,D.R., Silver,I.A., and Hunt,T.K. Regulation of wound-healing angiogenesis-effect of oxygen gradients and inspired oxygen concentration. Surgery 90:262-270, 1981.
【非特許文献2】Hunt,T.K. and Pai,M.P. The effect of varying ambient oxygen tensions on wound metabolism and collagen synthesis. Surg Gynecol Obstet 135:561-567, 1972.
【非特許文献3】Bosco,M.C., Delfino,S., Ferlito,F., Puppo,M., Gregorio,A., Gambini,C., Gattorno,M., Martini,A., and Varesio,L. The hypoxic synovial environment regulates expression of vascular endothelial growth factor and osteopontin in juvenile idiopathic arthritis. J Rheumatol 36:1318-1329, 2009.
【非特許文献4】Hohn,D.C., MacKay,R.D., Halliday,B., and Hunt,T.K. Effect of O2 tension on microbicidal function of leukocytes in wounds and in vitro. Surg Forum 27:18-20, 1976.
【発明の概要】
【0008】
心血管系/呼吸器系を介した酸素の正常な送達が損なわれた、創傷を有する患者において、酸素治療の1つの目標は、湿潤創傷への外部供給酸素の不断のかつ連続的な供給を行うことである。正常組織中の酸素の正常な拡散に最も近似した様式であるが治癒中の組織で必要とされる増加した酸素要求量を供給するために十分な速度で、酸素を供給することが望ましい。この療法は連続酸素拡散療法として知られている。
【0009】
EO2 Conceptsから入手可能なTransCu O2(登録商標)装置は、酸素の連続拡散を通じた糖尿病性足部潰瘍、静脈性下腿潰瘍、褥瘡、および他の皮膚創傷などの慢性創傷の処置に使用されるように意図された、非侵襲的な電気化学的低用量組織酸素負荷システムである。TransCu O2(登録商標)装置は、連続酸素拡散(CDO)療法を供給することが知られている部類のいくつかの装置のうちの1つである。この部類の装置により最大治療効果を実現するには、湿潤創傷治癒環境を同時に維持しながら患者を外来通院のままとする一方で、純酸素の連続的かつ均衡した供給を受け取る酸素不足創傷の区域を最大化することが重要である。
【0010】
本来、TransCu O2(登録商標)装置は、湿潤創傷環境を維持可能である、比較的低コストの入手可能な創傷被覆材および/または処置を行う臨床医が使用を選択したあらゆる被覆材と共に使用されるように意図されていた。このやり方は所与の施設における標準的処置プロトコールと一致するという点で有利であるものの、このやり方は施設間の臨床成績の差の一因となることがある。
【0011】
流動酸素は最小抵抗流路を通ることから、創傷滲出液で満たされた創傷被覆材の区域は、創傷滲出液で満たされていない区域(但しこれはその他の点で通常である湿潤創傷を覆っている)が受け取るであろう濃度の酸素を受け取らないことがある。さらに、不均衡かつ/または不安定な酸素流によって、創傷に、創傷表面への不安定かつ「まだら」なレベルの酸素拡散がもたらされることがある。また、被覆創傷内に配置された酸素送達カニューレの遠位端が創傷からの流体および/または組織で目詰まりする可能性も存在し、このため、目詰まりがなければ連続的である治療用酸素の流動が中断することがある。
【0012】
本開示の特定の例示的態様は、被覆された創傷の実質的にすべての部分、例えば滲出液で満たされた部分が被覆された創傷の特定部分を覆っている部分への、より連続的かつ均衡した酸素流を可能にし得る、被覆材を含む。
【0013】
本開示の例示的態様は、密封層、スペーサー材料、複数の分配経路、該スペーサー材料が該密封層と第1の層との間に位置している、該第1の層、および該複数の分配経路と流体連通している第1の導管を含む、創傷処置用被覆材であって、該複数の分配経路は、該スペーサー材料の中心領域から該スペーサー材料の周縁に向かって延伸する経路、好ましくは8つの経路を含み得、かつ該第1の導管は、複数の開口を含む、創傷処置用被覆材を含む。
【0014】
特定の態様では、分配経路はスペーサー材料中に形成され得る。特定の態様では、複数の分配経路は、第1の導管と流体連通している追加の導管を含み得、該追加の導管はスペーサー材料に隣接している。特定の態様は、スペーサー材料と密封層との間に位置する第2の吸収層をさらに含み得る。
【0015】
特定の態様では、第2の吸収層はアルギネートを含み得、いくつかの態様では、密封層は接着剤を含み得る。特定の態様では、密封層は、スペーサー材料の近位に第1の表面、該スペーサー材料の遠位に第2の表面、および該密封層の周りに延在している周縁を含み得、接着剤は該第1の表面の周縁をひとまわりして延在している。いくつかの態様では、接着剤は親水コロイドを含み得る。
【0016】
特定の態様では、第1の層は、スペーサー材料の近位に第1の表面、および該スペーサー材料の遠位に第2の表面を含み得、該第2の表面は非粘着面であり得る。特定の態様は非粘着層をさらに含み得、第1の層は該非粘着層とスペーサー材料との間に位置している。特定の態様では、第1の層は吸収層であり得、いくつかの態様では、第1の層は接触層であり得る。特定の態様では、第1の層はシリコーン非粘着層として構成され得る。
【0017】
いくつかの態様では、第1の導管は、スペーサー材料の近位にある第1の端部、および該スペーサー材料の遠位にある第2の端部を含。特定の態様では、複数の開口は第1の導管の第1の端部の近位にあり得る。特定の態様では、複数の開口は第1の導管の軸方向長さに沿って配置され得る。特定の態様では、複数の開口は第1の導管の第1の端部に向かって増加する直径の順に配置され得る。
【0018】
特定の態様では、第1の開口は第1の端部の近位にあり得、第2の開口は該第1の端部の遠位にあり得、該第1の開口の直径は第2の開口の直径以上である。特定の態様では、該第1の開口と該第1の導管の第1の端部との間の距離は該第1の導管の該第1の端部と該第2の開口との間の距離未満であり、該第1の開口の直径は該第2の開口の直径以上である。特定の態様は第3の開口を含み得、該第3の開口と第1の導管の第1の端部との間の距離は第2の開口と該第1の導管の該第1の端部との間の距離を超えており、該第2の開口の直径は該第3の開口の直径以上である。
【0019】
特定の態様では、第1の導管は第1の開口、第2の開口、および第3の開口を含み、該第1の開口は該第1の導管の第1の端部からの第1の距離に位置し、該第2の開口は該第1の導管の該第1の端部からの第2の距離に位置し、該第3の開口は該第1の導管の該第1の端部からの第3の距離に位置し、該第1の距離は該第2の距離未満であり、該第2の距離は該第3の距離未満であり、該第1の開口の直径は該第2の開口の直径以上であり、該第2の開口の直径は該第3の開口の直径以上である。
【0020】
特定の態様は、複数の分配経路と流体連通している複数の導管をさらに含み得る。特定の態様では、第1の導管は第1の管腔および第2の管腔を含み得る。特定の態様では、使用の際に、第1の流体が第1の管腔を通って流れ、第2の流体が第2の管腔を通って流れる。特定の態様では、使用の際に、第1の管腔に陽圧が印加され、第2の管腔に陰圧が印加される。いくつかの態様では、第1の導管は、該導管を通る流体流を閉塞させることなく圧縮圧力200mmHgに耐えるように構成され得る。
【0021】
特定の態様は、第1の導管に連結された酸素送達装置をさらに含み得る。特定の態様は、第1の導管に連結された流体流供給源をさらに含み得る。特定の態様では、流体流供給源は流体の可変流量を与えるように構成され得、特定の態様では、流体流供給源は、センサからの出力に基づいて流体流量を改変するように構成され得る。特定の態様では、センサは温度、pH、または他の変数を測定するように構成され得る。
【0022】
くつかの態様では、複数の分配経路は螺旋状または同心円状のパターンで構成され得る。
【0023】
特定の態様では、スペーサー材料はある長さおよび幅を有し、各分配経路はある長さを有し、該分配経路の合計長さは該スペーサー材料の該長さを超えており、該分配経路の合計長さは該スペーサー材料の該幅を超えている。特定の態様では、複数の分配経路のうち少なくとも1つは少なくとも長さ25mmである。特定の態様では、複数の分配経路のうち少なくとも1つは少なくとも幅5mmである。
【0024】
特定の態様では、スペーサー材料はある長さ、幅、および厚さを有し、少なくとも1つの分配経路は、該スペーサー材料の該長さの少なくとも20パーセントである長さを有する。特定の態様では、少なくとも1つの分配経路は、スペーサー材料の該幅の少なくとも20パーセントである長さを有する。特定の態様では、少なくとも1つの分配経路は、スペーサー材料の該厚さの少なくとも500パーセントである長さを有する。特定の態様では、複数の開口は、第1の直径を有する第1の開口、および第2の直径を有する第2の開口を含み、該第1の直径は該第2の直径以上である。
【0025】
本明細書には、創傷処置用被覆材を使用して創傷に治療用流体を供給する方法が記載されるさらに、創傷に治療用流体を供給する方法は、創傷処置用被覆材を用意する段階;第1の層を創傷と接触させて配置する段階;および第1の導管を通じて複数の分配経路に治療用流体を送達する段階を含むことが記載される
【0026】
本明細書には、密封層、スペーサー材料、該スペーサー材料が該密封層と第1の層との間に位置している、該第1の層、および複数の開口を含む導管を含む創傷処置用被覆材を使用して創傷に治療用流体を供給する方法が記載されるさらに、本方法は、創傷処置用被覆材を用意する段階;第1の層を創傷と接触させて配置する段階;および複数の開口を含む導管を通じてスペーサー材料に治療用流体を送達する段階を含み得ることが記載される
【0027】
方法は、第1のパラメータを測定する段階;および第1の導管を通じた治療用流体の送達に関連する第2のパラメータを調整する段階をさらに含み得ることが記載される
【0028】
1のパラメータは温度読取値、圧力読取値、またはpH読取値であり得、第2のパラメータは流量または圧力であり得る。療用流体は純酸素であり得る。
【0029】
以下において、「連結された」という用語は、接続されたこととして定義されるが、必ずしも直接的ではなく、必ずしも機械的ではない。
【0030】
添付の特許請求の範囲および/または本明細書において「含む(comprising)」という用語との組み合わせで使用する場合の「ある(a)」または「1つの(an)」という単語の使用は、「1つ」を意味し得るが、「1つまたは複数」あるいは「少なくとも1つ」の意味とも一致している。一般に、「約」という用語は、記載された値プラスまたはマイナス5%を意味する。添付の特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、代替物のみを指すように明確に指示されない限り、またはその代替物が相互に排他的でない限り、「および/または」を意味するように使用されるが、本開示は代替物のみならびに「および/または」を意味する定義を支持する。「流体」という用語の使用は液体および気体の両方を含む。
【0031】
「含む(comprise)」(ならびにcompriseの任意の形態、例えば「comprises」および「comprising」)、「有する(have)」(ならびにhaveの任意の形態、例えば「has」および「having」)、「含む(include)」(ならびにincludeの任意の形態、例えば「includes」および「including」)、ならびに「含有する(contain)」(ならびにcontainの任意の形態、例えば「contains」および「containing」)という用語は開放的連結動詞である。結果として、1つまたは複数の段階または要素を「含む(comprises)」、「有する」、「含む(includes)」、または「含有する」方法または装置は、それら1つまたは複数の段階または要素を有するが、それら1つまたは複数の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つまたは複数の特徴を「含む(comprises)」、「有する」、「含む(includes)」、または「含有する」、方法の一段階または装置の一要素は、それら1つまたは複数の特徴を有するが、それら1つまたは複数の特徴のみを有することに限定されない。さらに、特定の様式で構成された装置または構造は、少なくともその様式で構成されているが、列挙されていない様式で構成されてもよい。
【0032】
[本発明1001]
密封層、
スペーサー材料、
複数の分配経路、
該スペーサー材料が該密封層と第1の層との間に位置している、該第1の層、および
該複数の分配経路と流体連通している第1の導管
を含む、創傷処置用被覆材。
[本発明1002]
分配経路がスペーサー材料中に形成されている、本発明1001の被覆材。
[本発明1003]
複数の分配経路が、第1の導管と流体連通している追加の導管を含み、該追加の導管がスペーサー材料に隣接している、本発明1001の被覆材。
[本発明1004]
スペーサー材料と密封層との間に位置する第2の吸収層をさらに含む、本発明1001の被覆材。
[本発明1005]
第2の吸収層がアルギネートを含む、本発明1004の被覆材。
[本発明1006]
密封層が接着剤を含む、本発明1001の被覆材。
[本発明1007]
密封層が、スペーサー材料の近位にある第1の表面、該スペーサー材料の遠位にある第2の表面、および該密封層の周りに延在している周縁を含み、接着剤が該第1の表面の周縁の周りに延在している、本発明1006の被覆材。
[本発明1008]
接着剤が親水コロイドを含む、本発明1006の被覆材。
[本発明1009]
第1の層が、スペーサー材料の近位にある第1の表面、および該スペーサー材料の遠位にある第2の表面を含み、該第2の表面が非接着面である、本発明1001の被覆材。
[本発明1010]
非接着層をさらに含み、第1の層が該非接着層とスペーサー材料との間に位置している、本発明1001の被覆材。
[本発明1011]
第1の層が吸収層である、本発明1001の被覆材。
[本発明1012]
第1の層が、スペーサー材料の遠位にある非接着面を有する吸収層である、本発明1001の被覆材。
[本発明1013]
第1の層が接触層である、本発明1001の被覆材。
[本発明1014]
第1の層がシリコーン非接着層として構成される、本発明1001の被覆材。
[本発明1015]
第1の導管が、スペーサー材料の近位にある第1の端部、および該スペーサー材料の遠位にある第2の端部を含む、本発明1001の被覆材。
[本発明1016]
第1の導管が複数の開口を含む、本発明1015の被覆材。
[本発明1017]
複数の開口が第1の導管の第1の端部の近位にある、本発明1016の被覆材。
[本発明1018]
複数の開口が第1の導管の軸方向長さに沿って配置されている、本発明1016の被覆材。
[本発明1019]
複数の開口が、第1の導管の第1の端部に向かって増加する直径の順に配置されている、本発明1018の被覆材。
[本発明1020]
第1の開口が第1の端部の近位にあり、第2の開口が該第1の端部の遠位にあり、該第1の開口の直径が第2の開口の直径以上である、本発明1016の被覆材。
[本発明1021]
導管が第1の開口および第2の開口を含み、
該第1の開口と該第1の導管の第1の端部との間の距離が該第1の導管の該第1の端部と該第2の開口との間の距離未満であり、
該第1の開口の直径が該第2の開口の直径以上である、
本発明1015の被覆材。
[本発明1022]
第3の開口をさらに含み、
該第3の開口と第1の導管の第1の端部との間の距離が第2の開口と該第1の導管の該第1の端部との間の距離を超えており、
該第2の開口の直径が該第3の開口の直径以上である、
本発明1021の被覆材。
[本発明1023]
第1の導管が第1の開口、第2の開口、および第3の開口を含み、
該第1の開口が該第1の導管の第1の端部からの第1の距離に位置し、
該第2の開口が該第1の導管の該第1の端部からの第2の距離に位置し、
該第3の開口が該第1の導管の該第1の端部からの第3の距離に位置し、
該第1の距離が該第2の距離未満であり、
該第2の距離が該第3の距離未満であり、
該第1の開口の直径が該第2の開口の直径以上であり、
該第2の開口の直径が該第3の開口の直径以上である、
本発明1015の被覆材。
[本発明1024]
複数の分配経路と流体連通している複数の導管をさらに含む、本発明1001の被覆材。
[本発明1025]
第1の導管が第1の管腔および第2の管腔を含む、本発明1001の被覆材。
[本発明1026]
使用の際に、第1の流体が第1の管腔を通って流れ、第2の流体が第2の管腔を通って流れる、本発明1025の被覆材。
[本発明1027]
使用の際に、第1の管腔に陽圧が印加され、第2の管腔に陰圧が印加される、本発明1025の被覆材。
[本発明1028]
第1の導管が、該導管を通る流体流を閉塞させることなく圧迫圧力200mmHgに耐えるように構成されている、本発明1001の被覆材。
[本発明1029]
第1の導管に連結された酸素送達装置をさらに含む、本発明1001の被覆材。
[本発明1030]
第1の導管に連結された流体流供給源をさらに含む、本発明1001の被覆材。
[本発明1031]
流体流供給源が流体の可変流量を与えるように構成されている、本発明1030の被覆材。
[本発明1032]
流体流供給源が、センサからの出力に基づいて流体流量を改変するように構成されている、本発明1030の被覆材。
[本発明1033]
センサが温度を測定するように構成されている、本発明1032の被覆材。
[本発明1034]
センサがpHを測定するように構成されている、本発明1032の被覆材。
[本発明1035]
複数の分配経路が、スペーサー材料の中心領域から該スペーサー材料の周縁に向かって延伸する経路を含む、本発明1001の被覆材。
[本発明1036]
複数の分配経路が、スペーサー材料の中心領域から該スペーサー材料の周縁に向かって延伸する8つの経路を含む、本発明1001の被覆材。
[本発明1037]
複数の分配経路が螺旋状のパターンで構成されている、本発明1001の被覆材。
[本発明1038]
スペーサー材料がある長さおよび幅を有し、
各分配経路がある長さを有し、
該分配経路の合計長さが該スペーサー材料の該長さを超えており、
該分配経路の合計長さが該スペーサー材料の該幅を超えている、
本発明1001の被覆材。
[本発明1039]
複数の分配経路のうち少なくとも1つが少なくとも長さ25mmである、本発明1001の被覆材。
[本発明1040]
複数の分配経路のうち少なくとも1つが少なくとも幅5mmである、本発明1001の被覆材。
[本発明1041]
密封層、
スペーサー材料、
該スペーサー材料が該密封層と第1の層との間に位置している、該第1の層、および
該スペーサー材料と流体連通しており複数の開口を含む、第1の導管
を含む、創傷処置用被覆材。
[本発明1042]
複数の分配経路をさらに含む、本発明1041の被覆材。
[本発明1043]
分配経路がスペーサー材料中に形成されている、本発明1042の被覆材。
[本発明1044]
複数の分配経路が、第1の導管と流体連通している追加の導管を含み、該追加の導管がスペーサー材料に隣接している、本発明1042の被覆材。
[本発明1045]
複数の分配経路が、スペーサー材料の中心領域から該スペーサー材料の周縁に向かって延伸する経路を含む、本発明1042の被覆材。
[本発明1046]
複数の分配経路が、スペーサー材料の中心領域から該スペーサー材料の周縁に向かって延伸する8つの経路を含む、本発明1042の被覆材。
[本発明1047]
複数の分配経路が同心円状のパターンで構成されている、本発明1042の被覆材。
[本発明1048]
スペーサー材料がある長さ、幅、および厚さを有し、
少なくとも1つの分配経路が、該スペーサー材料の該長さの少なくとも20パーセントである長さを有する、
本発明1042の被覆材。
[本発明1049]
スペーサー材料がある長さ、幅、および厚さを有し、
少なくとも1つの分配経路が、該スペーサー材料の該幅の少なくとも20パーセントである長さを有する、
本発明1042の被覆材。
[本発明1050]
スペーサー材料がある長さ、幅、および厚さを有し、
少なくとも1つの分配経路が、該スペーサー材料の該厚さの少なくとも500パーセントである長さを有する、
本発明1042の被覆材。
[本発明1051]
スペーサー材料と密封層との間に位置する第2の吸収層をさらに含む、本発明1041の被覆材。
[本発明1052]
第2の吸収層がアルギネートを含む、本発明1051の被覆材。
[本発明1053]
密封層が接着剤を含む、本発明1041の被覆材。
[本発明1054]
密封層が、スペーサー材料の近位にある第1の表面、該スペーサー材料の遠位にある第2の表面、および該密封層の周りに延在している周縁を含み、接着剤が該第1の表面の周縁の周りに延在している、本発明1053の被覆材。
[本発明1055]
接着剤が親水コロイドを含む、本発明1053の被覆材。
[本発明1056]
第1の層が、スペーサー材料の近位にある第1の表面、および該スペーサー材料の遠位にある第2の表面を含み、該第2の表面が非接着面である、本発明1041の被覆材。
[本発明1057]
非接着層をさらに含み、第1の層が該非接着層とスペーサー材料との間に位置している、本発明1041の被覆材。
[本発明1058]
第1の導管が、スペーサー材料の近位にある第1の端部、および該スペーサー材料の遠位にある第2の端部を含む、本発明1041の被覆材。
[本発明1059]
複数の開口が、第1の直径を有する第1の開口、および第2の直径を有する第2の開口を含み、該第1の直径が該第2の直径以上である、本発明1041の被覆材。
[本発明1060]
複数の開口が第1の導管の第1の端部の近位にある、本発明1059の被覆材。
[本発明1061]
複数の開口が第1の導管の軸方向長さに沿って配置されている、本発明1059の被覆材。
[本発明1062]
複数の開口が、第1の導管の第1の端部に向かって増加する直径の順に配置されている、本発明1061の被覆材。
[本発明1063]
第1の開口が第1の端部の近位にあり、第2の開口が該第1の端部の遠位にあり、該第1の開口の直径が第2の開口の直径以上である、本発明1058の被覆材。
[本発明1064]
導管が第1の開口および第2の開口を含み、
該第1の開口と該第1の導管の第1の端部との間の距離が該第1の導管の該第1の端部と該第2の開口との間の距離未満であり、
該第1の開口の直径が該第2の開口の直径以上である、
本発明1058の被覆材。
[本発明1065]
第3の開口をさらに含み、
該第3の開口と第1の導管の第1の端部との間の距離が第2の開口と該第1の導管の該第1の端部との間の距離を超えており、
該第2の開口の直径が該第3の開口の直径以上である、
本発明1064の被覆材。
[本発明1066]
導管が第1の開口、第2の開口、および第3の開口を含み、
該第1の開口が該第1の導管の第1の端部からの第1の距離に位置し、
該第2の開口が該第1の導管の該第1の端部からの第2の距離に位置し、
該第3の開口が該第1の導管の該第1の端部からの第3の距離に位置し、
該第1の距離が該第2の距離未満であり、
該第2の距離が該第3の距離未満であり、
該第1の開口の直径が該第2の開口の直径以上であり、
該第2の開口の直径が該第3の開口の直径以上である、
本発明1058の被覆材。
[本発明1067]
複数の分配経路と流体連通している複数の導管をさらに含む、本発明1042の被覆材。
[本発明1068]
第1の導管が第1の管腔および第2の管腔を含む、本発明1041の被覆材。
[本発明1069]
使用の際に、第1の流体が第1の管腔を通って流れ、第2の流体が第2の管腔を通って流れる、本発明1068の被覆材。
[本発明1070]
使用の際に、第1の管腔に陽圧が印加され、第2の管腔に陰圧が印加される、本発明1068の被覆材。
[本発明1071]
第1の導管が、該導管を通る流体流を閉塞させることなく圧迫圧力200mmHgに耐えるように構成されている、本発明1041の被覆材。
[本発明1072]
第1の導管に連結された酸素送達装置をさらに含む、本発明1041の被覆材。
[本発明1073]
第1の導管に連結された流体流供給源をさらに含む、本発明1041の被覆材。
[本発明1074]
流体流供給源が流体の可変流量を与えるように構成されている、本発明1073の被覆材。
[本発明1075]
流体流供給源が、センサからの出力に基づいて流体流量を改変するように構成されている、本発明1073の被覆材。
[本発明1076]
センサが温度を測定するように構成されている、本発明1075の被覆材。
[本発明1077]
センサがpHを測定するように構成されている、本発明1075の被覆材。
[本発明1078]
以下の段階を含む、創傷に治療用流体を供給する方法:
密封層、
スペーサー材料、
複数の分配経路、
該スペーサー材料が該密封層と第1の層との間に位置している、該第1の層、および
該複数の分配経路と流体連通している第1の導管
を含む、創傷処置用被覆材を用意する段階;
該第1の層を該創傷と接触させて配置する段階;ならびに
該第1の導管を通じて該複数の分配経路に治療用流体を送達する段階。
[本発明1079]
第1のパラメータを測定する段階;および
第1の導管を通じた治療用流体の送達に関連する第2のパラメータを調整する段階
をさらに含む、本発明1078の方法。
[本発明1080]
第1のパラメータが温度読取値である、本発明1079の方法。
[本発明1081]
第1のパラメータが圧力読取値である、本発明1079の方法。
[本発明1082]
第1のパラメータがpH読取値である、本発明1079の方法。
[本発明1083]
第2のパラメータが流量である、本発明1079の方法。
[本発明1084]
第2のパラメータが圧力である、本発明1079の方法。
[本発明1085]
治療用流体が純酸素である、本発明1078の方法。
[本発明1086]
以下の段階を含む、創傷に治療用流体を供給する方法:
密封層、
スペーサー材料、
該スペーサー材料が該密封層と第1の層との間に位置している、該第1の層、および
導管
を含む、創傷処置用被覆材を用意する段階;
該第1の層を該創傷と接触させて配置する段階;ならびに
複数の開口を含む該導管を通じて該スペーサー材料に治療用流体を送達する段階。
[本発明1087]
第1のパラメータを測定する段階;および
導管を通じた治療用流体の送達に関連する第2のパラメータを調整する段階
をさらに含む、本発明1086の方法。
[本発明1088]
第1のパラメータが温度読取値である、本発明1087の方法。
[本発明1089]
第1のパラメータが圧力読取値である、本発明1087の方法。
[本発明1090]
第1のパラメータがpH読取値である、本発明1087の方法。
[本発明1091]
第2のパラメータが流量である、本発明1087の方法。
[本発明1092]
第2のパラメータが圧力である、本発明1087の方法。
[本発明1093]
治療用流体が純酸素である、本発明1086の方法。
本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明より明らかになるであろう。しかし、開示の特定の態様を示す詳細な説明および具体例は例示のみを目的として示されると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本開示の一態様の創傷被覆材の分解斜視図である。
図2図1の態様の断面図である。
図3】追加の構成要素を伴う図1の態様の分解斜視図である。
図4図1の態様のスペーサー材料および導管の上面図である。
図5図1の態様の導管の上面図および詳細図である。
図6図1の態様に適合する構成要素の上面図である。
図7図1の態様に適合する構成要素の上面図である。
図8図1の態様に適合する構成要素の上面図である。
図9図1の態様に適合する構成要素の上面図である。
図10図1の態様に適合する構成要素の上面図である。
図11図3の態様および参照被覆材の試験中に使用される酸素センサ位置の模式図である。
図12図11に示す第1の位置での試験中に測定された酸素濃度のグラフである。
図13図11に示す第2の位置での試験中に測定された酸素濃度のグラフである。
図14図11に示す第3の位置での試験中に測定された酸素濃度のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで図1図2を参照すると、創傷処置用被覆材100の第1の例示的態様は、密封層110、スペーサー材料120、第1の層130、および導管140を含む。この態様では、スペーサー材料120は密封層110と第1の層130との間に位置し、スペーサー材料120は、導管140と流体連通している複数の分配経路150を含む。
【0035】
また、図示される態様では、導管140は、スペーサー材料120および分配経路150の近位にある第1の端部141を含む。また、導管140は、スペーサー材料120および分配経路150の遠位にある第2の端部142を含む。図示されるこの態様では、導管140は、導管の第1の端部141の近位にある複数の開口170を含む。他の態様では導管140が単一の開口を含み得ると理解されよう。また、導管140は、導管140の第2の端部142の近位にある連結機構160を含む。特定の態様では、連結機構160は、被覆材100に流れる流体の供給源に連結するように構成され得、特定の態様では、連結機構160は、被覆材100に与えられる酸素流の供給源に連結するように構成され得る。特定の態様では、連結機構160は、テキサス州サンアントニオに所在するEO2 Concepts Inc.から入手可能なTransCu O2(登録商標)装置に連結するように構成されたルアーロック装置であり得る。
【0036】
ここで図3を参照すると、被覆材100はまた、密封層110とスペーサー材料120との間の第2の吸収層190を含み得る。さらに、図3に示す態様ではまた、密封層110は、密封層110の表面の周縁をひとまわりして延在している接着剤115を含み得る。使用中、接着剤115は、患者の創傷周囲の皮膚に接着して創傷区域を封鎖するかまたは創傷区域を外部環境から隔離するために、使用され得る。被覆材100は、糖尿病による皮膚潰瘍形成、静脈うっ血、術後感染症、壊疽性病変、褥瘡、感染残存肢、皮膚移植片、熱傷、および凍傷を例えば含む様々な種類の創傷を処置するために使用することができる。
【0037】
以下でさらに詳細に説明するように、導管140は、耐ねじれ性のある単純な管、開口もしくは穿孔を有する管、多孔質管、分岐管、複数の管、1つもしくは複数の別々の管腔を有する単一の導管、または分配経路150へのもしくは分配経路150からの流体の流動を可能にする任意の他の構成であり得る。特定の例示的態様では、導管140中の開口170は同一のサイズでもよく、用途に応じてサイズが変動してもよい(例えば、孔は、スペーサー材料120の近位に位置決めされた導管140の第1の端部141に近づくに従って漸進的に大きくなってもよい)。
【0038】
特定の態様では、導管140は概して平坦で可撓性で酸素透過性のテープ部または膜部であることができ、これは円筒管の遠位端に取り付けられており、テープまたは膜の表面全体に沿って治療用流体を送達する。導管140は治療用流体供給源に(かつ/または、いくつかの態様では、連結機構160を通じて真空に)連結され得る。導管140は、治療用流体(例えば酸素)が被覆材100内の複数の地点に直接送達可能になるように、導管140の異なる部分をスペーサー材料120中の(またはスペーサー材料120に隣接する)異なる地点において終止させる、複数の枝路または接合部を有し得る。いくつかの状況では、治療用物質送達、流体除去などを例えば含む異なった機能を行うために、複数の導管を有するかまたは単一の導管中の複数の管腔を有する被覆材100を提供してもよい。
【0039】
密封層110は、創傷部位に隣接する導管140を通じて酸素または他の治療用流体を送達し続けることに役立つ非透過層または半透過層を実現するための、密封性または半密封性の膜または他の材料であり得る。
【0040】
例示的態様では、第1の層130およびスペーサー材料120は、流体を創傷部位から排出することおよび治療用流体の創傷部位への送達を可能にすることができる任意の発泡体、アルギネート、または他の被覆材料から作製され得る。特定の態様では、第1の層130は、液体を保持する(例えば流体保持ポリマーを介して)ための吸収層として構成され得る。他の態様では、第1の層130は、シリコーン非粘着層などの最小限の液体保持性を有する分離層または接触層として構成され得る。
【0041】
特定の態様では、スペーサー材料120は連続気泡発泡体として構成され得る。スペーサー材料120は、導管140を通じて治療用流体を創傷部位に送達するための流路が得られるように、第1の層130と密封層110(および特定の態様では第2の吸収層190)との間に位置する。使用中、第2の吸収層190は、比較的広範囲の滲出液レベルの下でスペーサー材料120中の分配経路150が開放したままであるように機能し得る。特定の態様では、被覆材100は、平均圧力1.0〜1.0263絶対気圧で1〜200ml/時の酸素流を与えるように構成され得る。
【0042】
特定の態様では、被覆材100は、約-200mmHg〜約200mmHgの範囲の圧力で十分に機能するように構成され得る。
【0043】
上記の層に加えてまたは上記の層の代わりに、親水コロイド、複合材、ヒドロゲル、コラーゲン、接触層、アルギネート、銀元素、抗生物質もしくは抗菌薬、薬学的治療薬、生物製剤、生合成物質、酵素的デブリードマン剤、創傷充填材、透明膜もしくは薄膜、ガーゼ、および/または他の創傷治療様式を被覆材100に組み込んでもよい。
【0044】
多くの修正および変形を被覆材100に加えることができる。例えば、一体型の導管140を備えた被覆材100を提供してもよく、あるいは、導管140は独立型であり得、次にスペーサー材料120内に挿入した後で被覆材100を創傷部位に適用してもよい。密封層110が接着剤115を含まない態様では、薄膜、ガーゼ、弾性包帯、または他の機構を介して被覆材100を患者に固定することができる。
【0045】
実施の際、被覆材100を、治療用流体を創傷部位に与えるために使用することができる。特定の態様では、被覆材100は、創傷部位の周りに酸素富化微小環境を設けることで治癒過程を最適化するために使用することができる。創傷部位上での実施の際、特定の例示的態様では、被覆材100は、創傷に係合する第1の層130と、第1の層130に隣接するスペーサー材料120と、スペーサー材料120中の分配経路150に治療用流体(例えば酸素)を供給できるようにスペーサー材料120に隣接する導管140とを含む。実施の際、第1の層130により治療用流体(例えば注入酸素)と創傷との間に障壁が提供され得る。
【0046】
また、被覆材100は、スペーサー材料120に隣接する第2の吸収層190と、創傷部位の周りの皮膚に係合して封止を提供する接着剤115を有する、第2の吸収層190に隣接する密封層110とを含み得る。そのような構成は、導管140が例えば連結機構160に連結された酸素拡散装置を介して酸素を与える際に、酸素富化微小環境を作り出すことができる。
【0047】
本開示の例示的態様では、スペーサー材料120中の開口170および分配経路150は、従来のシステムよりも均一に、被覆材100全体を通じて創傷部位の表面にわたって酸素を分配するように構成され得る。単一の酸素送達地点、および/または分配経路のない被覆材が提供される従来のシステムでは、創傷面にわたって不均一な酸素の分配が作り出されることがある。そのようなシステムでは、送達される酸素は最低圧力区域に向かって動き(例えば「最小抵抗流路をたどり」)、したがって、送達地点から離れた創傷区域(例えば、流体が導管140から流出する位置および/またはスペーサー材料120に係合する位置)には必ずしも到達しない。
【0048】
先行技術の被覆材のスペーサー材料および吸収層は流体流を可能にするように構成され得るが、そのような被覆材全体にわたる圧力低下は治療用流体の不均一な分配を作り出すことがある。被覆材料が液体(創傷滲出液を例えば含む)を含みかつ治療用流体が相対的に低い圧力で送達される気体である場合に、そのような圧力低下が悪化することがある。このことは、湿潤創傷面を維持することが望ましい酸素富化療法における特別な問題であり得る。
【0049】
他の要因も治療用流体の不均一な分配につながることがある。例えば、特定の患者は接着剤に対し感受性またはアレルギーを有し得、このことは、被覆材が創傷部位の周りで封止されることを妨げる可能性がある。これにより、被覆材料の周縁部が大気圧に曝露されたままとなり、送達地点から最も近い周縁部への治療用流体の移動が促進され、結果として治療用流体の不均一な分配が生じることがある。
【0050】
本開示の態様は、スペーサー材料中にまたはスペーサー材料に隣接して複数の開口および/または分配経路を設けることで複数の送達地点を実現する。流体送達地点から創傷の最も遠い領域までの距離を最小化することで、被覆材にわたる拡散距離を減少させること、およびその創傷領域に到達する治療用流体の量を増加させることができる。拡散距離を減少させることにより、創傷領域に到達する治療用流体の濃度が増加するだけでなく、治療用流体が創傷領域に送達される速度も増加する。これにより創傷治癒時間の短縮および患者成績の改善を実現することができる。
【0051】
また、導管140中での複数の開口170の実現、および/またはスペーサー材料120中での分配経路150の実現によって、使用の際に、治療用流体の流動が著しく制限されるかまたは停止する可能性が低下する。例えば、創傷滲出液が創傷被覆材に流入することから、流体流の遮断が特に懸念され得る。治療用流体が創傷被覆材に流入するための複数の流路によって、遮断により治療用流体の流動が制限されるという可能性が低くなる。
【0052】
ここで図4を参照すると、分配経路150の図示されるパターンは、治療用流体が開口170から分配経路150の中心領域151中に流出した後で、中心領域151から外向きに個々の経路152〜159中に(最小限の圧力低下で)移動することを可能にし得る。スペーサー材料120と個々の経路152〜159および中心領域151との境界面によって、スペーサー材料120全体にわたり治療用流体を分配するための広い表面積および複数の通路が実現される。また、分配経路150を通じて移動する流体の圧力低下は、流体がスペーサー120の周縁領域に到達するために全てスペーサー材料120を通じて移動しなければならない場合に経験するであろう圧力低下よりも小さいことから、スペーサー材料120全体にわたる圧力はより均一になる。
【0053】
例示的態様では、スペーサー材料120中の分配経路150は、スペーサー材料120から物質を取り除くことにより、多孔質管をスペーサー材料120に挿入することにより、かつ/または流体の分配もしくは抽出用の経路を作り出すための任意の他の方法を通じて、作り出すことができる。特定の態様では、分配経路150は、スペーサー材料120にパターンを打ち抜くかまたはスペーサー材料120から物質を切り抜くことで形成することができる。
【0054】
また、導管140は、創傷部位から流体を排出するための真空を提供するために使用することもできる。したがって、スペーサー材料120中の分配経路150(および導管140)は、噴霧液、抗生物質、薬学的治療薬、生物製剤、および/または他の治療用物質を含む流体を創傷部位に送達しかつ/または創傷部位から抽出するように構成される。特定の態様では、導管140は、第1の管腔を介して被覆材100に流体を送達しかつ第2の管腔を介して被覆材100から流体を排出する多管腔導管として構成され得る。
【0055】
図4は、スペーサー材料120および導管140の上面図を示す。図4に示す態様では、分配経路150は、スペーサー材料120の中心領域151から該スペーサー材料の周縁に向かって延伸する8つの個々の経路152〜159を含む。他の態様では、異なる数の個々の経路、または同心円状パターンを例えば含む他のパターンで配置される経路が存在し得ると理解されよう。
【0056】
特定の一態様では、スペーサー材料120は約100mmの長さL1および約80mmの幅W1を有し得る。特定の一態様では、各分配経路152〜159は約25mmの長さLおよび約5mmの幅Wを有し得る。特定の態様では、各分配経路の合計長さLはスペーサー材料の長さL1または幅W1を超える(例えば8x25mm = 200mmであり、これは100mmまたは80mmを超える)。上記で示す寸法が単に一態様の例示であること、および他の態様が異なった寸法を含み得ることが理解されよう。スペーサー材料120内のまたはスペーサー材料120に隣接する複数の経路150の使用によって、スペーサー材料120全体にわたって延伸する単一の経路を例えば含む他の構成よりも、スペーサー材料120全体にわたる圧力低下を少なくすることができる。
【0057】
図5に示すように、導管140の開口170は導管140の第1の端部141に向かって増加する直径の順に配置され得る。例えば、第1の端部141の近位にある第1の開口171は、第1の端部141の近位にある第2の開口172の直径以上の直径を有する。より具体的には、第1の開口171と第1の端部141との間の距離D1は、第1の端部141と第2の開口172との間の距離D2未満である。また、図示される態様では、第3の開口173と第1の端部141との間の距離D3は距離D2を超えており、開口172の直径は開口173の直径以上である。残りの開口174〜179も、該開口から第1の端部141までの距離が増加するにしたがって直径が一般に減少している。開口径のこの変動は、流体が導管を通じて移動する際に圧力低下によって各開口から流出する流体流の量を等しくすることができる。使用中、より大きな開口はより低い圧力に供される。したがって、開口のサイズを増加させることで、より低圧力の領域における開口から流出する液体を、より高圧力の領域における開口からの流体流量とより一致させることが可能になり得る。他の態様は、螺旋状のパターンを例えば含む、導管140の外周の周りに間隔を空けて置かれる開口を含む開口の異なる配置を有し得ると理解されよう。
【0058】
ここで図6を参照すると、別の例示的態様は、スペーサー材料120を、複数の分配経路150と流体連通している複数の導管140と共に含む。この例示的態様では、3つの別々の導管140が分配経路150の3つの別々の領域と流体連通している。そのような構成は、例えば、スペーサー材料120が、細長い形状の創傷を覆うように幅W1を超える長さL1を含む場合に特に有利であり得る。
【0059】
ここで図7を参照すると、別の例示的態様は、スペーサー材料120を、複数の分配経路150と流体連通しかつその中に延伸している複数の導管140と共に含む。この例示的態様では、導管140は、分配経路150の3つの別々の領域のうち1つにそれぞれ延伸する3つの一次枝路143を含む。導管140は、複数の分配経路150中の個々の分配経路中にそれぞれ延伸する二次枝路144も含む。そのような構成は、例えば、スペーサーが、使用中に(例えば静脈性潰瘍用の多層圧迫包帯と共に使用される際に)スペーサー材料120を圧迫しかつ分配経路150を圧潰することがある圧縮力に供され得る場合に、特に有利であり得る。二次枝路144がないと、スペーサー材料120の過度の圧迫および分配経路150の圧潰によって、創傷への治療用流体の流動が制限される可能性がある。
【0060】
ここで図8を参照すると、別の例示的態様は、スペーサー材料120中の分岐状の分配経路150の複数の領域と流体連通している一次分配経路156に沿って延伸する導管140に連結された、連結機構160を含む。そのような構成は、例えば、スペーサー材料が幅W1を超える長さL1を含んでおり、かつ単一の導管140のみが分配経路150に接触することが望ましい場合に特に有利であり得る。図5に示す態様と同様に、導管140は、各開口と連結機構160との間の距離が増加するに従って直径が増加する、複数の開口(明確さを目的として図示せず)を含み得る。
【0061】
ここで図9を参照すると、別の例示的態様は、スペーサー材料120の中心領域を横切って延伸する一次枝路145と、一次枝路145からスペーサー材料120の外周縁に向かって延伸する二次枝路146とを含む、導管140を含む。明快さを目的として図示しないが、二次枝路146(および場合によっては一次枝路145)は、スペーサー材料120の表面への酸素または他の治療用流体の送達を実現する複数の開口を含み得る。特定の態様では、開口が一次枝路145および/または連結機構160から先に進むに従って、開口の直径が増加し得る。特定の態様では、図9に示す導管140の構成は、スペーサー材料120中に形成される別々の分配経路(図示せず)内に位置し得る。図示される態様では、図9に示す導管140の構成は、スペーサー材料120中に形成される別々の分配経路内に位置し得るというよりもむしろスペーサー材料120の表面に隣接して位置し得る。そのような態様では、二次枝路146が分配経路として役立つ。
【0062】
ここで図10を参照すると、別の例示的態様は、スペーサー材料120の周縁からスペーサー材料120の中心に向かって延伸する概して螺旋状の形状を含む、導管140を含む。明快さを目的として図示しないが、導管140は、スペーサー材料120の表面への酸素または他の治療用流体の送達を実現する複数の開口を含み得る。特定の態様では、開口が連結機構160から第1の端部141に向かって先に進むに従って、開口の直径が増加し得る。特定の態様では、図10に示す導管140の構成は、スペーサー材料120中の1つの分配経路内に位置し得る。他の態様では、図10に示す導管の構成は、1つの分配経路内に位置し得るというよりもむしろスペーサー材料120の表面に隣接して位置し得る。
【0063】
開口170および分配経路150の様々な例が図1図10に示されているが、本開示の他の態様は開口および/または分配経路の異なるパターンまたは配置を含み得ると理解されよう。例えば、分配経路を同心円環もしくは多角形、「雪の結晶」パターン、または他の幾何学的形状で形成することができる。開口170および分配経路150の構成を用いて、創傷部位のより大きな表面積に対するより均一な分配での酸素治療を可能にすることができる。したがって、創傷に応じて分配経路150の任意の形状またはパターンを提供することができる。スペーサー材料120中の分配経路150はまた、創傷からの少量の滲出液に酸素を直接送達することが可能になるように設計することもできる。
【0064】
さらに、特定の態様はまた、縫合の長さに沿って延在している分配経路を含み得る。肥満患者における手術創は、組織への不十分な酸素分配を原因とする臨床上の問題を示す特殊な種類の急性創傷である。脂肪組織は、本質的に血管新生が不十分であり、したがって他の軟部組織よりも受け取る酸素が相対的に少ない。さらなる態様はカニューレを含むことができ、カニューレは、該カニューレの創傷内部分に沿った開口を有し、酸素または他の治療用流体を送達する。
【0065】
概して正方形の被覆材が本明細書に示されているが、被覆材100の形状およびサイズは、それが適用される創傷部位および身体の区域に基づいて選択することができる。
【0066】
また、特定の態様では、被覆材100は、被覆材の構造が何であるかを取付装置(例えば酸素送達システムコンピュータ)が検出することを可能にする識別子(例えば連結機構160上に位置する)や、創傷部位における酸素流量、圧力、および/または他の特性をセンサからの出力に基づいて調節することができるように創傷部位の特性のモニタリングを可能にするセンサ(例えば圧力センサ、温度センサなど)も有し得る。
【0067】
例示的態様はまた、創傷被覆材100を利用する処置方法を提供する。例えば、創傷被覆材100は、第1の層130が創傷と接触するように設置することができる。特定の方法では、治療用流体(例えば酸素)を導管140を通じて開口170および/または複数の分配経路150に送達することができる。特定の処置方法は、第1のパラメータを測定する段階;および導管を通じた治療用流体の送達に関連する第2のパラメータを調整する段階を含み得る。特定の態様では、読取パラメータは温度読取値、圧力読取値、またはpH読取値であり得、第2のパラメータは治療用流体の流量または圧力であり得る。
【実施例】
【0068】
実験結果
本明細書に開示される態様の拡散性能特性を実証するための実験データを得た。具体的には、以下「酸素拡散被覆材」(ODD)と呼ぶ、図3に図示および記載される被覆材100を使用して試験を行った。試験中に酸素濃度をODD全体の異なる位置において測定した。これらの測定値を、ODDと同様であるがスペーサー材料120を含まない参照被覆材において取得した酸素濃度測定値と比較した。さらに、参照被覆材は、被覆材の中心に位置する単一の流出開口を伴う導管を含んだ。対照的に、試験中のODDは、ODDの同じく中心にある複数の開口170を伴う導管140を含んだ。異なる測定地点の位置を図11に示し、酸素濃度測定の結果を図12図14に示す。
【0069】
図3の記載において既に説明したように、ODD(すなわち被覆材100)は密封層110、スペーサー材料120、第1の層130、および導管140を含む。スペーサー材料120は密封層110と第1の層130との間に位置し、スペーサー材料120は、導管140と流体連通している複数の分配経路150を含む。また、試験したODDは、密封層110とスペーサー材料120との間の第2の吸収層190を含んだ。試験中、第2の層190は、比較的広範囲の滲出液レベルの下でスペーサー材料120中の分配経路150が開放したままであるように機能し得る。
【0070】
試験中、両被覆材を脱イオン水で飽和させ、わずかな圧迫下に置いた。酸素プローブを使用して、図11の被覆材の下方の空間内の3つの位置(例えば創傷空間を代表する位置)における酸素濃度を測定した。酸素プローブは、試験の開始前に溶液を飽和させる標準大気(酸素約21%)による室温での100%飽和を読み取るように較正された。酸素を各被覆材に時点0で導入し、20時間モニタリングした。
【0071】
各位置についての得られた酸素濃度曲線を図12図14に示す。図11に示すように、両種類の被覆材の酸素送達地点は位置2を中心とした。図13からわかるように、(酸素が送達されている)被覆材の中心において、参照被覆材はODDよりも酸素濃度の上昇が速やかであり、最終的な最高酸素濃度が高い。しかし、それぞれ隅部および縁部の測定値の酸素曲線である図12および図14は、分配地点以外の位置における参照被覆材よりも速い移動速度(曲線の勾配)および高い最高酸素濃度をODDが有することを示している。すべてのこれらの曲線は、拡散距離の減少が酸素の送達速度および最大濃度の増加に寄与するという仮説を裏づけている。参照被覆材の酸素濃度は縁部および隅部における105〜115酸素%(完全飽和)から中心における260〜270酸素%まで変動する。ODDは被覆材の下方の空間全体にわたるはるかに均一な酸素分配を示し、縁部および隅部の両方において140〜155%、中心において175〜185%である。第1の層130の上方により均一な分配を作り出すための被覆材内での酸素経路形成によってODDが提供する分配システムは確かに、第1の層130の上方の酸素について、濃度を全体的に高め、濃度をより均一にし、濃度増加速度を全体的に高める。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14