(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1周波数に設定された信号が入力される第1端子と前記信号を送信または受信する第2端子との間に設けられた第1スイッチ素子と、前記第2端子と前記信号を出力する第3端子との間に設けられた第2スイッチ素子と、を有する半導体スイッチと、
前記第1周波数のN倍(Nは1以上の自然数)の周波数で共振する複数の共振回路と、
一端が前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子と前記第2端子とに接続され、他端が前記複数の共振回路のうちの前記第1周波数で共振する第1共振回路に接続され、前記一端から前記他端までの線路長が前記第1周波数に対応する波長の1/4である伝送路と、を備え、
前記複数の共振回路は、前記第1共振回路に加えて、前記伝送路の前記他端に接続されて前記第1周波数の2倍の第2周波数で共振する第2共振数回路と、前記伝送路における前記一端からの線路長が前記波長の1/6となる箇所に接続されて前記第1周波数の3倍の第3周波数で共振する第3共振回路と、の少なくとも一方を有する、通信モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体スイッチの概略的な構成を示す回路図である。また、
図2は、
図1に示す半導体スイッチの概略的なレイアウト図である。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係る半導体スイッチ1は、スイッチ素子Q1〜Q4と、共振回路11〜13と、伝送線路20と、を備える。この半導体スイッチ1では、スイッチ素子Q1は第1スイッチ素子に相当し、スイッチ素子Q2は第2スイッチ素子に相当する。また、共振回路11は第1共振回路に相当し、共振回路12は第2共振回路に相当し、共振回路13は第3共振回路に相当する。なお、半導体スイッチ1は、共振回路12または共振回路13のいずれか一方を備える構成であってもよい。
【0010】
スイッチ素子Q1は、入力端子Txとアンテナ端子ANTとの間に設けられる。この入力端子Txは、送信回路(不図示)で周波数f0(第1周波数)に設定された高周波信号が入力される第1端子に相当する。また、アンテナ端子ANTは、入力端子Txに入力された高周波信号を送信するか、または外部から発信された高周波信号を受信する第2端子に相当する。周波数f0は、例えば700MHz以上の周波数とする。
【0011】
スイッチ素子Q2は、アンテナ端子ANTと出力端子Rxとの間に設けられる。この出力端子Rxは、アンテナ端子ANTで受信された高周波信号を受信回路(不図示)へ出力する第3端子に相当する。
【0012】
スイッチ素子Q3は、配線31でスイッチ素子Q1に接続されるとともに、グランドに接地される。スイッチ素子Q4は、配線32でスイッチ素子Q2に接続されるとともに、グランドに接地される。
【0013】
なお、半導体スイッチ1が、例えば携帯電話器等の移動通信機器に用いられる場合、入力端子Txには、インピーダンスZ1を有する素子が外付けされ、アンテナ端子ANTにも、インピーダンスZ2を有する素子が外付けされ、さらに、出力端子Rxにも、インピーダンスZ2を有する素子が外付けされる。インピーダンスZ1〜Z3は、後述する伝送路20のインピーダンスZ0とほぼ等しい。
【0014】
本実施形態では、スイッチ素子Q1〜スイッチ素子Q4は、NチャネルのMOS((Metal Oxide Semiconductor)MOS型のゲート構造を有する4つのN型MOSトランジスタで構成されたスイッチ回路を形成する。スイッチ素子Q1およびスイッチ素子Q4のゲートは、制御端子Vc1に接続され、スイッチ素子Q2およびスイッチ素子Q3のゲートは、制御端子Vc2に接続される。
【0015】
スイッチ素子Q1〜スイッチ素子Q4の動作は、制御端子Vc1および制御端子Vc2に入力される制御信号に応じて制御される。アンテナ端子ANTが高周波信号を送信するとき、スイッチ素子Q1およびスイッチ素子Q4はオンし、スイッチ素子Q2およびスイッチ素子Q3はオフする。一方、アンテナ端子ANTが高周波信号を受信するとき、スイッチ素子Q1およびスイッチ素子Q4はオフし、スイッチ素子Q2およびスイッチ素子Q3はオンする。
【0016】
共振回路11は、インダクタL1と、このインダクタL1に直列に接続されるとともにグランドに接地されたキャパシタC1と、を有する。インダクタL1のインダクタンス値およびキャパシタC1の容量値は、共振周波数が高周波信号の周波数f0と同じになるように設定される。
【0017】
共振回路12は、インダクタL2と、このインダクタL2に直列に接続されるとともにグランドに接地されたキャパシタC2と、を有する。インダクタL2のインダクタンス値およびキャパシタC2の容量値は、共振周波数が周波数f0の2倍の周波数2f0(第2周波数)になるように設定される。
【0018】
共振回路13は、インダクタL3と、このインダクタL3に直列に接続されるとともにグランドに接地されたキャパシタC3と、を有する。インダクタL3のインダクタンス値およびキャパシタC3の容量値は、共振回路13の共振周波数が周波数f0の3倍の周波数3f0(第3周波数)になるように設定される。
【0019】
伝送路20の一端20aは、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とアンテナ端子ANTとに接続される。本実施形態では、
図2に示すように、一端20aは、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とアンテナ端子ANTとで囲まれた領域内におけるアンテナ端子ANTとの境界部に相当する。
【0020】
一方、伝送路20の他端20bは、共振回路11および共振回路12に接続される。本実施形態では、
図2に示すように、他端20bは、共振回路11のインダクタL1および共振回路12のインダクタL2に共通に接する部分に相当する。
【0021】
伝送路20において、一端20aから他端20bまでの線路長は、周波数f0に対応する波長λ(λ=1/f0)の1/4である。ただし、この線路長は、λ/4だけでなく、例えば、λ/4の±20%の長さも含まれる。
【0022】
また、伝送路20における一端20aからの線路長が、λ/6となる箇所20cには、共振回路13が接続される。ただし、この線路長も、λ/6だけでなく、例えば、λ/6の±20%の長さも含まれる。なお、本実施形態では、伝送路20は、1本の配線(マイクロストリップライン)で形成されているが、複数の配線で形成されていてもよい。例えば、伝送路20は、上記一端20aと上記箇所20cとの間に設けられた第1配線と、上記箇所20cと上記他端20bとの間に設けられた第2配線との接続によって形成されていてもよい。
【0023】
本実施形態では、
図2に示すように、スイッチ素子Q1〜Q4と、共振回路11〜13と、伝送路20とは、1つの基板40内に設けられる。換言すると、これらは、1つの半導体チップ内に設けられる。基板40には、信号経路とグランドとの間における容量を削減するために、例えば、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いる。
【0024】
次に、本実施形態に係る半導体スイッチの動作について説明する。ここでは、アンテナ端子ANTから高周波信号を送信するときの動作を説明する。
【0025】
図3は、高周波信号の送信時における半導体スイッチ1の等価回路図である。
図3に示す等価回路図において、抵抗素子R1〜抵抗素子R4は、インピーダンスZ1〜Z4をそれぞれ有する素子に相当する。抵抗素子R11、R12は、オン状態のスイッチ素子Q1、Q4にそれぞれ相当する。キャパシタC11、C12は、オフ状態のスイッチ素子Q2、Q3にそれぞれ相当する。
【0026】
図4(A)は、共振回路11〜13および伝送路20が設けられていない半導体スイッチにおける、高周波信号の周波数成分の強度分布を示すグラフである。
図4(B)は、本実施形態の半導体スイッチにおける、高周波信号の周波数成分の強度分布を示すグラフである。
図4(A)および
図4(B)の縦軸は、高周波信号をフーリエ変換した周波数成分の電力(強度)を示す。
【0027】
図3に示すように、アンテナ端子ANTから周波数f0の高周波信号を送信するとき、この高周波信号は、入力端子Txからアンテナ端子ANTへ伝送される。このとき、スイッチ素子Q1、Q4はオンして抵抗素子R11、R12に相当し、スイッチQ2、Q3は、オフしてキャパシタC11、C12に相当する。仮に、共振回路11〜13および伝送路20が半導体スイッチ1に設けられていないと、
図4(A)に示すように、この高周波信号は、周波数f0の信号成分だけでなく、周波数が2f0の2次高調波成分、および周波数が3f0の次高調波成分も含んでしまう。
【0028】
一方、半導体スイッチ1のように共振回路11〜13および伝送路20が設けられると、
図4(B)に示すように、高周波信号に含まれる2次高調波成分および3次高調波成分が大幅に低減する。以下、その理由について説明する。
【0029】
共振回路11〜13を伝送路20に接続された負荷とみなすと、負荷側から見たインピーダンスZは、下記の式(1)で示される。式(1)において、Z0は、伝送路20のインピーダンス(特性インピーダンス)である。Zrは負荷インピーダンスである。lは、伝送路20の線路長である。βは、位相定数であり、β=2π/λの関係が成り立つ。
【数1】
【0030】
まず、周波数f0の信号成分の伝送動作について説明する。ここでは、共振回路11が周波数f0で共振するので、負荷インピーダンスZrは、ほぼ0Ωとなる。そこで、Zr=0を上式(1)に代入すると、インピーダンスZは、下記の式(2)で示される。
【数2】
【0031】
伝送路20の線路長lは、λ/4(λ=1/f0)であるため、l=λ/4を式(2)に代入すると、Z=j∞となる。すなわちインピーダンスZは無限大になるので、入力端子Txからアンテナ端子ANTまでの信号伝送路と、伝送路20とは電気的にオープンになる。その結果、周波数f0の信号成分は、除去されず、アンテナ端子ANTから送信される。
【0032】
次に、周波数2f0の2次高調波成分の伝送動作について説明する。ここでは、共振回路12が周波数2f0で共振するので、負荷インピーダンスZrは、ほぼ0Ωとなる。また、線路長lは、周波数f0に対応する波長λの1/4であるので、周波数2f0の2次高調波成分で換算すると、線路長lは、λ/2(2×λ/4)となる。l=λ/2を上式(2)に代入すると、インピーダンスZは、ほぼ0となる。そのため、2次高調波成分は、伝送路20を介してほとんど共振回路12へ伝送されるので、高周波信号に含まれる2次高調波成分を大幅に低減することができる。
【0033】
最後に、周波数3f0の3次高調波成分の伝送動作について説明する。ここでは、共振回路13が3f0で共振するので、負荷インピーダンスZrは、ほぼ0Ωとなる。また、共振回路13は、一端20aからの線路長が周波数f0に対応する波長λの1/6となる箇所20cに接続されているので、線路長lは、周波数3f0の3次高調波成分で換算するとλ/2(3×λ/6)となる。線路長l=λ/2を上式(2)に代入すると、インピーダンスZは、ほぼ0となる。そのため、3次高調波成分は、伝送路20を介してほとんど共振回路13へ伝送されるので、高周波信号に含まれる3次高調波成分を大幅に低減することができる。
【0034】
なお、アンテナ端子ANTで受信された高周波信号を出力端子Rxへ出力するときには、スイッチ素子Q1、Q4がオフし、スイッチ素子Q2、Q3がオンする。このときの等価回路は、
図3に示す等価回路に対して、抵抗素子R11、R12と、キャパシタC11、C12と、を入れ替えた回路図となる。
【0035】
上記のような等価回路においても、同様に、周波数f0の信号成分が伝送されるときには、インピーダンスZは無限大となり、周波数f0の信号成分は、アンテナ端子ANTから出力端子Rxへ伝送される。また、周波数2f0の2次高調波成分および周波数3f0の3次高調波成分が伝送されるときには、インピーダンスZは、ほぼ0となり、これらの高調波成分は、伝送路20を介して共振回路12または共振回路13へ伝送される。
【0036】
以上説明した本実施形態によれば、共振回路11〜13と伝送路20とで構成される回路のインピーダンスが、信号成分の場合には無限大となる一方で、2次高調波成分および3次高調波成分の場合にはほぼ0となる。これにより、信号成分の伝送に影響を及ぼすことなく、2次高調波成分および3次高調波成分を大幅に低減することができる。
【0037】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る半導体スイッチの概略的な構成を示す回路図である。なお、上述した第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0038】
図5に示すように、本実施形態に係る半導体スイッチ2は、第1実施形態の半導体スイッチ1の構成要素に加えて、スイッチ素子Q5〜Q8と、制御回路50と、を備える。
【0039】
スイッチ素子Q5〜Q8は、スイッチ素子Q1〜Q4と同様に、4つのN型MOSトランジスタで構成されたスイッチ回路を形成する。なお、これらのスイッチ回路の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
【0040】
本実施形態では、スイッチ素子Q1は、入力端子Tx1とアンテナ端子ANTとの間に設けられ、スイッチ素子Q2は、アンテナ端子ANTと出力端子Rx1との間に設けられる。スイッチ素子Q3、Q4は、第1実施形態と同様の接続形態であるので、説明を省略する。
【0041】
スイッチ素子Q5は、入力端子Tx2とアンテナ端子ANTとの間に設けられ、スイッチ素子Q6は、アンテナ端子ANTと出力端子Rx2との間に設けられる。スイッチ素子Q7は、スイッチ素子Q5に接続されるとともに接地される。スイッチ素子Q8は、スイッチ素子Q6に接続されるとともに接地される。
【0042】
本実施形態では、アンテナ端子ANTは、スイッチ素子Q1〜Q4からなるスイッチ回路と、スイッチ素子Q5〜Q8からなるスイッチ回路と、に共通に接続される。また、第1実施形態と同様に、入力端子Tx2にはインピーダンスZ1と等しいインピーダンスZ4を有する素子が外付けされ、出力端子Rx2にも、インピーダンスZ1と等しいインピーダンスZ5を有する素子が外付けされる。
【0043】
上述したスイッチ素子Q1〜Q8のゲートは、制御回路50に接続される。制御回路50は、制御端子Vc1、Vc2に入力される制御信号に基づいて、スイッチ素子Q1〜Q8を制御する。これにより、高周波信号の経路が、半導体スイッチ2内で切り替わる。
【0044】
入力端子Tx1からアンテナ端子ANTまで高周波信号を伝送する場合、制御回路50は、スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q4、スイッチ素子Q7、およびスイッチ素子Q8をオンさせる一方で、スイッチ素子Q2、スイッチ素子Q3、スイッチ素子Q5、スイッチ素子Q6をオフさせる。
【0045】
アンテナ端子ANTから出力端子Rx1まで高周波信号を伝送する場合、制御回路50は、スイッチ素子Q2、スイッチ素子Q3、スイッチ素子Q7、およびスイッチ素子Q8をオンさせる一方で、スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q4、スイッチ素子Q5、スイッチ素子Q6をオフさせる。
【0046】
入力端子Tx2からアンテナ端子ANTまで高周波信号を伝送する場合、制御回路50は、スイッチ素子Q5、スイッチ素子Q3、スイッチ素子Q4、およびスイッチ素子Q8をオンさせる一方で、スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2、スイッチ素子Q6、およびスイッチ素子Q7をオフさせる。
【0047】
アンテナ端子ANTから出力端子Rx2まで高周波信号を伝送する場合、制御回路50は、スイッチ素子Q6、スイッチ素子Q3、スイッチ素子Q4、およびスイッチ素子Q7をオンさせる一方で、スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2、スイッチ素子Q5、スイッチ素子Q8をオフさせる。
【0048】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、アンテナ端子ANTとグランドの間に伝送路20と共振回路11〜13とが設けられる。そのため、上記のように制御回路50がスイッチ素子Q1〜Q8を制御するとき、共振回路11〜13側から見たインピーダンスZは、第1実施形態と同様に、信号周波数f0の場合に無限大となり、2次高調波の周波数2f0および3次高調波の周波数3f0の場合にほぼ0となる。
【0049】
したがって、本実施形態においても、信号成分の伝送に悪影響を及ぼすことなく、2次高調波成分および3次高調波成分を大幅に低減することができる。
【0050】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る通信モジュールの概略的なレイアウト図である。
図6では、上述した第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0051】
図6に示すように、本実施形態に係る通信モジュール10は、半導体スイッチ1aと、共振回路11〜13と、伝送路20と、を備える。半導体スイッチ1aは、スイッチ素子Q1〜Q4と、を有する。すなわち、この通信モジュール10は、上述した第1実施形態に係る半導体装置1の構成要素のうち、共振回路11〜13および伝送路20が外付けされたモジュールである。
【0052】
共振回路11は、第1実施形態と同様に、インダクタL1およびキャパシタC1を有する。同様に、共振回路12は、インダクタL2およびキャパシタC2を有し、共振回路13は、インダクタL3およびキャパシタC3を有する。本実施形態では、インダクタL1〜L3およびキャパシタC1〜C3には、両端部に導電部を有するチップ型のインダクタおよびキャパシタが用いられる。
【0053】
伝送路20の一端20aは、アンテナ端子ANTを跨いで配線33に接続される。この配線33は、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを接続する配線である。
【0054】
伝送路20の他端20bには、第1実施形態と同様に、共振回路11および共振回路12が接続される。本実施形態では、共振回路11および共振回路12は、他端20bを挟んで互いに対向するように配置される。本実施形態においても、一端20aから他端20bまでの線路長は、周波数f0に対応する波長λの1/4である。
【0055】
さらに、伝送路20において、一端20aからの線路長が、周波数f0に対応する波長λの1/6となる箇所20cにも、第1実施形態と同様に、共振回路13が接続される。
【0056】
上記のように構成された通信モジュール10においても、第1実施形態と同様に、周波数f0の信号成分が伝送されるとき、共振回路11が共振することによって負荷インピーダンスZrがほぼ0Ωとなり、また、伝送路20の線路長lがλ/4になるので、インピーダンスZは無限大となる。その結果、信号成分は、共振回路11の影響を受けることなく伝送される。
【0057】
また、周波数2f0の2次高調波成分および周波数3f0の3次高調波成分が伝送されるときにも、第1実施形態と同様に、共振回路12または共振回路13が共振することによって負荷インピーダンスZrがほぼ0Ωとなり、また、伝送路20の線路長lがλ/2になるので、インピーダンスZはほぼ0Ωとなる。その結果、2次高調波成分および3次高調波成分の大部分は、伝送路20を介して共振回路12または共振回路13へ伝送される。
【0058】
したがって、信号成分の伝送に影響を及ぼすことなく、2次高調波成分および3次高調波成分を大幅に低減することができる。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。