【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年5月16日に、ウェブサイトのアドレス http://www.ritsumei.ac.jp/se/makikawa/kaken%20B.htmlにて公開 平成26年8月26日に、2014 36th Annual International Conference of the IEEEの予稿集、3751頁−3754頁にて公開 平成26年9月9日に、SICE Annual Conference 2014の予稿集、1460頁−1465頁にて公開 平成26年9月26日に、生体医工学シンポジウム 2014の予稿集、100頁にて公開 平成26年10月9日に、9th Asian−Pacific Conference on Medical and Biological Engineering(APCMBE 2014)にて公開
【文献】
Yusuke SAKAUE et al.,Electroencephalograph with Switching Voltage Divider and its Application to Measurement of Event-Related Potentials,Advanced Biomedical Engineering,Japanese Society for Medical and Biological Engineering,2014年 7月31日,vol.3,pp.94-100
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の電圧と前記第2の電圧との電圧比の測定を1サイクルとして、繰り返し行い、各サイクルにおける電圧比の時系列な測定データから、生体内の信号源の位置の移動軌跡を検出する、請求項1〜3の何れかに記載の生体内信号源位置検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。なお、以下の説明において、特に断らない限り、「電極」は、生体表面に取り付ける部材をいい、「電位」は、電気的レベルをいい、「電圧」は、測定された電気的レベルをいう。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における生体内信号源位置検出方法を説明する電気回路網を示した図である。
【0015】
図1に示すように、生体10の表面に、3つの電極21、22、23を配置する。また、各電極21、22、23とグランド電位との間に、相互に切り替え可能な第1の外部抵抗及び第2の外部抵抗を並列接続する。本実施形態では、第1の外部抵抗の抵抗値を無限大とし、第2の外部抵抗の抵抗値をRgとしている。これにより、各電極21、22、23とグランド電位との間は、切り替え手段SWによって、外部抵抗が接続されていない場合と、外部抵抗Rgが接続されている場合とに切り替えられる。なお、本実施形態では、生体10の表面に、グランド電極20を配置し、これをグランド電位にしているが、必ずしも、生体10の表面に、グランド電極20を配置する必要はない。
【0016】
なお、本実施形態では、生体10の表面に、グランド電極20を配置し、このグランド電極20と生体内信号源測定装置を接続することでグランド電位にしている。
【0017】
生体10の表面に配置した各電極21、22、23には、生体10内の信号源Vsからの電圧が発生し、その電圧をアンプ30で増幅して、出力電圧Voutが出力される。各電極21、22、23とアンプ30との間には、スイッチS
1、S
2、S
3がそれぞれ配置され、各スイッチS
1、S
2、S
3を順次、導通させることにより、各電極21、22、23に生じた電圧が、アンプ30の出力電圧Voutとして測定される。
【0018】
本実施形態では、
図2に示すように、切り替え手段SW、及びスイッチS
1、S
2、S
3を、それぞれ切り替える(ステップ1〜ステップ6)。これにより、各電極21、22、23とグランド電位との間に、外部抵抗が接続されていないときに各電極21、22、23に生じる第1の電圧V
1、V
2、V
3、及び各電極21、22、23とグランド電位との間に、外部抵抗Rgが接続されているときに各電極21、22、23に生じる第2の電圧V’
1、V’
2、V’
3が測定される。なお、
図2では、各電極21、22、23を、それぞれ、チャネルch
1、ch
2、ch
3と表示している。
【0019】
ここで、ステップ1において、電極21(ch
1)で生じる第1の電圧(外部抵抗が接続されていない場合)V
1は、式(1)で与えられる。
【0021】
一方、ステップ4において、電極21(ch
1)で生じる第2の電圧(外部抵抗Rgが接続されている場合)V’
1は、アンプ30の入力抵抗R
inが非常に大きいとき、式(2)で与えられる。ここで、R
b1は、生体10内の信号源Vsと電極21(ch
1)の間の内部抵抗の抵抗値を表し、R
b0は、信号源Vsとグランド電極20との間の内部抵抗の抵抗値を表す。
【0023】
式(1)及び式(2)から、電極21(ch
1)において、外部抵抗が接続されていない場合の第1の電圧V
1と、外部抵抗Rgが接続されている場合の第2の電圧V’
1との比V’
1/V
1(減衰比)は、式(3)で与えられる。
【0025】
同様に、電極22(ch
2)において、外部抵抗が接続されていない場合の第1の電圧V
2と、外部抵抗Rgが接続されている場合の第2の電圧V’
2との比V’
2/V
2(減衰比)、及び、電極23(ch
3)において、外部抵抗が接続されていない場合の第1の電圧V
3と、外部抵抗Rgが接続されている場合の第2の電圧V’
3との比V’
3/V
3(減衰比)は、それぞれ、式(4)、式(5)で与えられる。
【0028】
ここで、R
b2は、生体10内の信号源Vsと電極22(ch
2)との間の内部抵抗の抵抗値を表し、R
b3は、生体10内の信号源Vsと電極23(ch
3)との間の内部抵抗の抵抗値を表す。
【0029】
ところで、生体10内の導電率が一様であると仮定すると、内部抵抗の抵抗値R
b1、R
b2、R
b3は、それぞれ、生体10内の信号源Vsと、各電極21、22、23との距離に比例すると考えられる。従って、式(3)、(4)、(5)から、生体10内の信号源Vsと、各電極21、22、23との距離L
1、L
2、L
3は、それぞれ、式(6)、(7)、(8)で表される。
【0033】
ここで、βは、生体10の導電率等で定まる定数である。
【0034】
式(6)、(7)、(8)に示すように、距離L
1、L
2、L
3は、それぞれ、減衰比(V’
1/V
1、V’
2/V
2、V’
3/V
3)の逆数の関数として表される。そして、
図3(a)、(b)に示すように、信号源Vsは、各電極21、22、23を中心とする半径L
1、L
2、L
3の球体Q
1、Q
2、Q
3の交点に存在すると考えられる。従って、信号源Vsの3次元的な位置座標(x、y、z)は、3つの球体Q
1、Q
2、Q
3の式(9)、(10)、(11)を解くことによって求めることができる。ここで、各電極21、22、23の位置座標を、(a
1、b
1、c
1)、(a
2、b
2、c
2)、(a
3、b
3、c
3)としている。
【0038】
なお、式(9)、(10)、(11)を解くに当たり、定数β、R
b0は、例えば、信号源Vsを含む生体10のX線透視画像などから推定して決定することができる。
【0039】
本実施形態によれば、生体10の表面に配置した3つの電極21、22、23と、グランド電位との間に外部抵抗を並列接続し、その接続状態を切り替えて、各電極21、22、23に生じる電圧の比(減衰比)を測定することによって、生体10内の信号源Vsの3次元位置を容易に検出することができる。これにより、少ない数の電極を用いて、生体内の信号源Vsの3次元位置を精度よく検出することができる。
【0040】
なお、本実施形態において、生体10内の信号源Vsは1つと仮定して説明したが、実際には、複数の信号源が同時に発生する場合もある。このような場合でも、本実施形態によれば、これら信号源の電気信号の最も支配的な1点を信号源として求めることができる。
【0041】
また、本実施形態において、定数β、R
b0の推定値によっては、3式(9)、(10)、(11)から、必ずしも1つの交点の位置が求まらない場合もある。しかしながら、この場合でも、3式(9)、(10)、(11)から、交点の位置を、ある一定の範囲内に絞り込むことができるため、その範囲における例えば中心点を、信号源Vsの位置として検出することができる。
【0042】
また、本実施形態において、生体10内の導電率が一様であると仮定したが、実際には、骨や脂肪などの異なる組織が介在するため、必ずしも導電率は一様でない。しかしながら、この場合でも、電極21、22、22を、他の組織が介在しないような位置に配置する等の工夫をすることによって、生体10内の導電率の変化の影響を低減することにより、信号源Vsの位置を的確に検出することができる。
【0043】
また、本実施形態では、
図2に示したように、切り替え手段SW、及びスイッチS1、S2、S3を切り替えて、各電極21、22、23における第1の電圧V
1、V
2、V
3、及び第2の電圧V’
1、V’
2、V’
3を順次測定している。従って、これらの切り替え時間内に、信号
源Vsの電位が変化すると、信号源Vsの位置測定に誤差が生じるおそれがある。そのため、各電極及び外部抵抗の切り替えは、できるだけ高速で行うことが好ましい。例えば、1μs以下、望ましくは0.1μs以下で切り替えることが好ましい。
【0044】
なお、本実施形態において、第1の外部抵抗の抵抗値を無限大(非導通)とし、第2の外部抵抗の抵抗値をRgとしたが、第1の外部抵抗を、第2の外部抵抗と異なる大きさの抵抗値にしてもよい。
【0045】
この場合、本実施形態における生体内信号源位置検出方法は、生体10の表面に3つの電極21、22、23を配置するとともに、各電極21、22、23とグランド電位との間に、相互に切り替え可能な第1の外部抵抗及び第2の外部抵抗を並列接続する。そして、各電極21、22、23とグランド電位との間に、第1の外部抵抗を並列接続したときに各電極21、22、23に生じる第1の電圧V
i(i=1,2,3)、及び各電極21、22、23とグランド電位との間に、第2の外部抵抗を並列接続したときに各電極21、22、23に生じる第2の電圧V’
i(i=1,2,3)を測定する。そして、第1の電圧V
i及び第2の電圧V’
iから比V
i/V’
i(i=1,2,3)を算出し、これら3つの比V
i/V’
i(i=1,2,3)に基づいて、生体内の信号源Vsの位置を検出すればよい。
【0046】
上述したように、本実施形態における生体内信号源位置検出方法は、ステップ1〜6において、各電極21、22、23における第1の電圧V
i(i=1,2,3)と第2の電圧V’
i(i=1,2,3)との比V
i/V’
i(i=1,2,3)を算出し、これら3つの比V
i/V’
i(i=1,2,3)に基づいて、生体内の信号源Vsの3次元位置を検出するものである。従って、ステップ1〜6での電圧比V
i/V’
i(i=1,2,3)の測定を1サイクルとして、繰り返し行うことにより、各サイクルにおける電圧比の時系列な測定データから、生体内の信号源Vsの3次元位置の移動軌跡をリアルタイムに検出することができる。
【0047】
図4(a)、(b)は、本実施形態における生体内信号源位置検出方法を用いて、心臓の電位を測定した結果のイメージ図である。
図4(a)は、各電極で測定された信号源の電圧波形(心電図)を示す。また、
図4(b)は、各電極での電圧比V
i/V’
i(i=1,2,3)に基づいて算出された信号源の3次元位置の移動軌跡を破線で示したものである。
図4(b)の破線で示した移動軌跡において、ポイントP
1、P
2、P
3、R、S、Tは、それぞれ、
図4(a)に示した電圧波形のP
1、P
2、P
3、R、
S、Tに対応する信号源の3次元位置を示している。
図4(b)に示すように、心臓の電気活動における信号源が、心房から心室へと移動している様子をリアルタイムに検出することができる。
【0048】
もし、電圧波形(心電図)において、不整脈などの異常波形が生じた場合、その異常波形の信号源が、心臓内のどの位置で発生したかが分かるため、不整脈などの疾患診断に有効となる。
【0049】
図1は、また、本実施形態における生体内信号源位置検出装置の構成を示す。
【0050】
図1に示すように、本実施形態における生体内信号源位置検出装置は、生体10の表面に配置する少なくとも3つの電極21、22、23と、各電極21、22、23とグランド電位との間に、第1の外部抵抗及び第2の外部抵抗を、相互に切り替えて並列接続する切り替え手段SWとを備えている。また、各電極21、22、23を生体10の表面に配置した状態で、切り替え手段SWにより、各電極21、22、23とグランド電位との間に、第1の外部抵抗を並列接続に切り替えたときに各電極に生じる第1の電圧V
i(i=1,2,3)、及び各電極21、22、23とグランド電位との間に、第2の外部抵抗を並列接続に切り替えたときに各電極に生じる第2の電圧V’
i(i=1,2,3)を測定するアンプ(測定手段)30、及びスイッチ群S
1、S
2、S
3を備えている。さらに、第1の電圧V
i及び第2の電圧V’
iから比V
i/V’
i(i=1,2,3)を算出し、これら3つの比V
i/V’
i(i=1,2,3)を基づいて、生体内の信号源の位置を検出する検出手段(不図示)を備えている。なお、検出手段は、アンプ30からの測定データを演算処理するCPU等で構成することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態における生体内信号源位置検出方法を説明する電気回路網を示した図である。
【0052】
図5に示すように、生体10の表面に、3つの電極21、22、23を配置する。また、第1の電極21と第2の電極22との間、第2の電極22と第3の電極23との間、及び第3の電極23と第1の電極21との間に、それぞれ、相互に切り替え可能な第1の外部抵抗及び第2の外部抵抗を並列接続する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、第1の外部抵抗の抵抗値を無限大とし、第2の外部抵抗の抵抗値をRgとする。また、本実施形態では、生体10の表面に、グランド電極20を配置し、これをグランド電位にしている。
【0053】
図5に示すように、各電極21、22、23と差動アンプ30との間に、スイッチS
1、S
2、S
3、及びSS
1、SS
2、SS
3が配置されている。そして、各スイッチS
1、S
2、S
3、及びSS
1、SS
2、SS
3を、
図6に示すように、順次、導通させることによって、第1の電極21と第2の電極22との間、第2の電極22と第3の電極23との間、及び第3の電極23と第1の電極21との間に生じた電圧が、差動アンプ30の出力電圧Voutとして測定される。また、各電極間は、切り替え手段SWによって、外部抵抗が接続されていない場合と、外部抵抗Rgが接続されている場合とに切り替えられる。これにより、
図6に示すように、切り替え手段SW、及び各スイッチS
1、S
2、S
3、SS
1、SS
2、SS
3を、それぞれ切り替えることによって(ステップ1〜ステップ6)、各電極間に外部抵抗が接続されていないときに各電極間に生じる第1の電圧V
12、V
23、V
31、及び各電極間に外部抵抗Rgが接続されているときに各電極間に生じる第2の電圧V’
12、V’
23、V’
31)が測定される。例えば、外部抵抗が接続されていないときに電極21と電極22との間で生じる第1の電圧V
12は、スイッチS
1とSS
2とを導通させ、切り替え手段SWをA側に切り替えることによって測定することができる。なお、
図5には、各電極21、22、23を、それぞれ、チャネルch
1、ch
2、ch
3と表示している。
【0054】
本実施形態において、電極21と電極22との間(チャネルch
1とch
2との間)で生じる第1の電圧V
12と第2の電圧V’
12の比V’
12/V
12(減衰比)は、式(12)で与えられる。
【0056】
ここで、R
b1及びR
b2は、それぞれ、生体10内の信号源Vsと電極21(ch
1)の間の内部抵抗の抵抗値、及び信号源Vsと電極22(ch
2)の間の内部抵抗の抵抗値を表す。
【0057】
同様に、電極22と電極23との間(チャネルch
2とch
3との間)で生じる第1の電圧V
23と第2の電圧V’
23の比V’
23/V
23(減衰比)、及び、電極23と電極21との間(チャネルch
3とch
1との間)で生じる第1の電圧V
31と第2の電圧V’
31の比V’
31/V
31(減衰比)は、それぞれ、式(13)、(14)で与えられる。
【0060】
ここで、R
b3は、生体10内の信号源Vsと電極23(ch
3)の間の内部抵抗の抵抗値を表す。
【0061】
式(12)、(13)、(14)で注目すべき点は、式(3)、(4)、(5)とは異なり、信号源Vsとグランド電極20との間の内部抵抗R
b0が式中に入っていないことである。
【0062】
各電極間に生じる電圧の測定において、生体10内の内部抵抗は、各電極と信号源との間の内部抵抗の和で表される。例えば、電極21と電極22との間(チャネルch
1とch
2との間)で生じる第1の電圧V
12及び第2の電圧V’
12の測定において、生体10内の内部抵抗は、R
b1+R
b2で表される。
【0063】
ここで、生体10内の導電率が一様であると仮定すると、
図7(b)に示すように、内部抵抗の和(R
b1+R
b2)は、電極21と信号源Vsとの距離D
1と、電極22と信号源Vsとの距離D
2との和(D
1+D
2)に比例すると考えられる。従って、式(12)、(13)、(14)から、各電極と信号源Vsとの距離の和(D
1+D
2)、(D
2+D
3)、(D
3+D
1)は、それぞれ、式(15)、(16)、(17)で表される。
【0067】
ここで、αは、生体10の導電率等で定まる定数である。
【0068】
式(15)、(16)、(17)に示すように、各電極と信号源Vsとの距離の和(D
1+D
2)、(D
2+D
3)、(D
3+D
1)は、それぞれ、減衰比(V’
12/V
12)、(V’
23/V
23)、(V’
31/V
31)の逆数の関数として表される。そして、
図7(a)、(b)に示すように、信号源Vsは、電極21、22(チャネルch
1とch
2)を焦点とする楕円体E
1、電極22、23(チャネルch
2とch
3)を焦点とする楕円体E
2、及び電極23、21(チャネルch
3とch
1)を焦点とする楕円体E
3の交点に存在すると考えられる。従って、信号源Vsの3次元的な位置座標(x、y、z)は、3つの楕円体E
1、E
2、E
3の式(18)、(19)、(20)を解くことによって求めることができる。ここで、各電極21、22、23の位置座標を、(a
1、b
1、c
1)、(a
2、b
2、c
2)、(a
3、b
3、c
3)としている。
【0072】
なお、式(18)、(19)、(20)を解くに当たり、定数αは、予め、信号源Vsを含む生体10のX線透視画像から推定して決定することができる。
【0073】
本実施形態によれば、第1の実施形態で示した式(9)、(10)、(11)とは異なり、式(18)、(19)、(20)には、信号源Vsとグランド電極20との間の内部抵抗R
b0が式中に入っていないため、信号源Vsの3次元位置を、より正確に求めることができる。
【0074】
図5は、また、本実施形態における生体内信号源位置検出装置の構成を示す。
【0075】
図5に示すように、本実施形態における生体内信号源位置検出装置は、生体10の表面に配置する少なくとも3つの電極21、22、23と、各電極21、22、2
3間に、第1の外部抵抗及び第2の外部抵抗を、相互に切り替えて並列接続する切り替え手段SWとを備えている。また、各電極21、22、23を生体10の表面に配置した状態で、切り替え手段SWにより、各電極21、22、2
3間に、第1の外部抵抗を並列接続に切り替えたときに各電極に生じる第1の電圧V
i(i=1,2,3)、及び各電極21、22、2
3間に、第2の外部抵抗を並列接続に切り替えたときに各電極に生じる第2の電圧V’
i(i=1,2,3)を測定する差動アンプ(測定手段)30、及びスイッチ群S
1、S
2、S
3、SS
1、SS
2、SS
3を備えている。さらに、第1の電圧V
i及び第2の電圧V’
iから比V
i/V’
i(i=1,2,3)を算出し、これら3つの比V
i/V’
i(i=1,2,3)を基づいて、生体内の信号源Vsの位置を検出する検出手段(不図示)を備えている。なお、検出手段は、差動アンプ30からの測定データを演算処理するCPU等で構成することができる。
【0076】
(第3の実施形態)
図8(a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態における生体内信号源位置検出方法を説明する電気回路網を示した図である。
【0077】
本実施形態における生体内信号源位置検出方法は、第1の実施形態において、各電極21、22、23に生じた第1の電圧V
i(i=1,2,3)、及び第2の電圧V’
i(i=1,2,3)を測定する際、他の2つの電極のうち少なくも一方を、グランド電位に接続するものである。
【0078】
例えば、
図8(a)に示すように、電極22(チャネルch
2)に生じた第1の電圧V
2、及び第2の電圧V’
2を測定する際に、電極21(チャネルch
1)をグランド電位に接続する。また、
図8(b)に示すように、電極23(チャネルch
3)に生じた第1の電圧V
3、及び第2の電圧V’
3を測定する際に、電極22(チャネルch
2)をグランド電位に接続する。また、
図8(c)に示すように、電極21(チャネルch
1)に生じた第1の電圧V
1、及び第2の電圧V’
1を測定する際に、電極23(チャネルch
3)をグランド電位に接続する。
【0079】
なお、
図8(a)〜(c)では、グランド電位に接続した電極21、22、23と、信号源Vsとの間の内部抵抗を、それぞれ、R’
b1、R’
b2、R’
b3と表示している。これは、以下のような理由による。
【0080】
すなわち、本発明では、生体を信号源と無数の抵抗から構成される電気回路網と考えている。そして、信号源Vsから各電極21、22、23及びグランド電極までの抵抗値は、信号源Vs−各電極間の回路網の合成抵抗、及び信号源Vs−グランド電極間の合成抵抗として取得される。そのため、グランド電位に接続する電極と、電圧を測定する電極の組み合わせが異なると、信号源Vsから電極までの回路網が異なるため、同じ電極でも得られる抵抗値は異なる。すなわち、
図8(a)〜(c)において、R
b1とR’
b1、R
b2とR’
b2、R
b3とR’
b3は、それぞれ信号源Vsから電極21、電極22、電極23までの抵抗値であるが、R
b1=R’
b1、R
b2=R’
b2、R
b3=R’
b3ではない。ここで、ΔR
b1=R
b1−R’
b1、ΔR
b2=R
b2−R’
b2、ΔR
b3=Rb3−R’
b3が十分に小さいと仮定すると、R
b1=R’
b1、R
b2=R’
b2、R
b3=R’
b3として、信号源Vsの位置を検出することが可能である。
【0081】
本実施形態において、電極21(グランド電位)と電極22との間(チャネルch
1とch
2との間)で生じる第1の電圧V
12と第2の電圧V’
12の比V’
12/V
12(減衰比)は、式(21)で与えられる。ここで、第1の電圧V
12、及び第2の電圧V
12は、それぞれ、電極21と電極22との間に外部抵抗が接続されていないときに電極21と電極22との間に生じる電圧、及び電極21と電極22との間に外部抵抗Rgが接続されているときに電極21と電極22との間に生じる電圧である。
【0083】
ここで、R
b1及びR
b2は、それぞれ、生体10内の信号源Vsと電極21(ch
1)の間の内部抵抗の抵抗値、及び信号源Vsと電極22(ch
2)の間の内部抵抗の抵抗値を表す。なお、R’
b1=R
b1としている。
【0084】
同様に、電極22(グランド電位)と電極23との間(チャネルch
2とch
3との間)で生じる第1の電圧V
23と第2の電圧V’
23の比V’
23/V
23(減衰比)、及び、電極23(グランド電位)と電極21との間(チャネルch
3とch
1との間)で生じる第1の電圧V
31と第2の電圧V’
31の比V’
31/V
31(減衰比)は、それぞれ、式(22)、(23)で与えられる。
【0087】
ここで、R
b3は、生体10内の信号源Vsと電極23(ch
3)の間の内部抵抗の抵抗値を表す。なお、R’
b2=R
b2、R’
b3=R
b3としている。
【0088】
上記の式(21)、(22)、(23)は、第2の実施形態で示した式(12)、(13)、(14)と、結果的に同じになる。従って、第2の実施形態で説明したのと同様に、各電極21、22、23と信号源Vsとの距離の和(D
1+D
2)、(D
2+D
3)、(D
3+D
1)は、それぞれ、先に示した式(15)、(16)、(17)と同じ式で表される。これにより、信号源Vsの3次元的な位置座標(x、y、z)は、先に示した3つの楕円体E
1、E
2、E
3の式(18)、(19)、(20)を解くことによって、求めることができる。ここで、楕円体E
1、E
2、E
3は、それぞれ、電極21、22(チャネルch
1とch
2)を焦点とする楕円体、電極22、23(チャネルch
2とch
3)を焦点とする楕円体、及び電極23、21(チャネルch
3とch
1)を焦点とする楕円体である。
【0089】
本実施形態によれば、生体10の表面にグランド電極を配置する必要がないため、より簡単な構成で、生体内の信号源Vsの3次元位置を精度よく検出することができる。
【0090】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では、信号源Vsの位置を検出したが、信号源Vsの電位及び位置を同時に検出することも勿論可能である。
【0091】
また、上記第1の実施形態では、信号源Vsの3次元的な位置座標(x、y、z)を、3つの球体Q
1、Q
2、Q
3の式(9)、(10)、(11)を解くことによって求めたが、信号源Vsとグランド電極20との間の内部抵抗の抵抗値R
b0を未知数とした場合には、第2の実施形態で説明した3つの楕円体E
1、E
2、E
3の式(18)、(19)、(20)を解くことによって求めることができる。この場合、楕円体E
1、E
2、E
3は、それぞれ、電極21(チャネルch
1)とグランド電極20を焦点とする楕円体、電極22(チャネルch
2)とグランド電極20を焦点とする楕円体、及び電極23(チャネルch
3)とグランド電極20を焦点とする楕円体である。
【0092】
また、上記第2の実施形態では、信号源Vsの3次元的な位置座標(x、y、z)を、3つの楕円体E
1、E
2、E
3の式(18)、(19)、(20)を解くことによって求めたが、式(18)、(19)、(20)を、3つの未知数R
b1、R
b2、R
b3毎の式に変形することによって、3つ球体の式を解くことによって求めることができる。
【0093】
また、上記実施形態では、生体10の表面に3つの電極21、22、23を配置したが、信号源Vsの位置検出の精度をより上げるために、3つ以上の電極を配置してもよい。また、上記実施形態では1つのグランド電極を配置したが、複数配置してもよい。
【0094】
また、上記実施形態において、各電極21、22、23とグランド電極20との間に、第1の外部抵抗及び第2の外部抵抗を、切り替え手段SWにより、相互に切り替えて並列接続したが、必ずしも、切り替え手段SWを用いなくてもよい。
【0095】
すなわち、各電極21、22、23は、隣接した電極21a、21bと、電極22a、22bと、電極23a、23bとで構成されており、一方側の電極21a、22a、23aに、第1の外部抵抗Rg1を接続することによって、1つの回路を形成し、他方側の電極21b、22b、23bに、第2の外部抵抗Rg2を接続することによって、別の回路を形成する。これにより、各電極21,22,23に生じる第1及び第2の電圧を測定し、生体内の信号源Vsの位置を検出することができる。
【0096】
ここで、
図9は、切り替え手段SWを用いない場合の電気回路網の一例を示した図である。なお、図中において、信号源Vs、並びに信号源Vsと各電極21(21a、21b)、22(22a、22b)、23(23a、23b)及びグランド電極20との間の内部抵抗R
b1、R
b2、R
b3、R
b0は、省略している。
図9に例示した電気回路網では、生体10の表面に配置された3つの電極21(21a、21b)、22(22a、22b)、23(23a、23b)と、グランド電極20との間に、第1の外部抵抗Rg1及び第2の外部抵抗Rg2が、それぞれ並列接続されている。そして、電極21aとグランド電極20との間に、第1の外部抵抗Rg1を並列接続したときに生じる第1の電圧V
1、及び電極21bとグランド電極20との間に、第2の外部抵抗Rg2を並列接続したときに生じる第2の電圧V’
1が、それぞれアンプ30A
1、30B
1で増幅されて測定される。同様に、電極22aとグランド電極20との間に、第1の外部抵抗Rg1を並列接続したときに生じる第1の電圧V
2、及び電極22bとグランド電極20との間に、第2の外部抵抗Rg2を並列接続したときに生じる第2の電圧V’
2が、それぞれアンプ30A
2、30B
2で増幅されて測定され、電極23aとグランド電極20との間に、第1の外部抵抗Rg1を並列接続したときに生じる第1の電圧V
3、及び電極23bとグランド電極20との間に、第2の外部抵抗Rg2を並列接続したときに生じる第2の電圧V’
3が、それぞれアンプ30A
3、30B
3で増幅されて測定される。なお、この場合、各電極21(21a、21b)、22(22a、22b)、23(23a、23b)とグランド電極20との間に、第1の外部抵抗Rg1及び第2の外部抵抗Rg2を、それぞれ並列接続する接続手段としては、配線等により行うことができる。