特許第6492130号(P6492130)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6492130
(24)【登録日】2019年3月8日
(45)【発行日】2019年3月27日
(54)【発明の名称】インバータ一体型BLDCモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/33 20160101AFI20190318BHJP
   H02K 5/173 20060101ALI20190318BHJP
【FI】
   H02K11/33
   H02K5/173 A
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-138317(P2017-138317)
(22)【出願日】2017年7月14日
(65)【公開番号】特開2018-27007(P2018-27007A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2017年7月14日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0102195
(32)【優先日】2016年8月11日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0051636
(32)【優先日】2017年4月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】任 縞 彬
(72)【発明者】
【氏名】金 相 勳
(72)【発明者】
【氏名】金 泰 完
(72)【発明者】
【氏名】朴 熙 權
(72)【発明者】
【氏名】鄭 敬 勳
(72)【発明者】
【氏名】趙 誠 國
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−106364(JP,A)
【文献】 特開2012−085474(JP,A)
【文献】 特開2014−117060(JP,A)
【文献】 特開2006−238627(JP,A)
【文献】 特開2007−107555(JP,A)
【文献】 特開2001−142023(JP,A)
【文献】 特開2010−245174(JP,A)
【文献】 特開2012−235675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33
H02K 5/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ(100)に一側が結合され、内部が中空形成されて他側が開放されて形成され、前記中空の内部にPCB基板(210)が設けられたインバータハウジング(200)と、
前記インバータハウジング(200)に取り付けられ、前記モータ(100)のロータ(110)の回転軸(120)が回転可能に結合された軸受(140)と、
前記軸受(140)が取り付けられた前記インバータハウジング(200)の軸受取付溝(221)に結合され、且つ前記インバータハウジング(200)の内側底面(201)側の前記軸受取付溝(221)の開放部(222)を閉塞するように形成された軸受カバー(230)と、を含み、
前記軸受カバー(230)の外側底面(231)は、前記インバータハウジング(200)の内側底面(201)に一致するように形成され、
前記PCB基板(210)に取り付けられたスイッチング素子(211)の中の一部は、前記軸受カバー(230)が位置した部分に対向する位置に配置され、
前記スイッチング素子(211)は、前記インバータハウジング(200)の内側底面(201)及び前記軸受カバー(230)の外側底面(231)に接触するように配置されていることを特徴とするインバータ一体型BLDCモータ。
【請求項2】
前記軸受カバー(230)の外側周縁面(232)は、前記インバータハウジング(200)に密着するように結合していることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型BLDCモータ。
【請求項3】
前記インバータハウジング(200)には、前記内側底面(201)で凹状であり、前記軸受取付溝(221)に連結され、且つ前記軸受取付溝(221)よりも内径が大きい載置溝(223)が形成されており、前記載置溝(223)に前記軸受カバー(230)が挿入されて載置されていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型BLDCモータ。
【請求項4】
前記インバータハウジング(200)には、前記内側底面(201)で凹状であり、前記載置溝(223)に連結され、且つ前記載置溝(223)よりも内径が大きいシール溝(224)が形成されており、前記シール溝(224)にシール部材(225)が充填されていることを特徴とする請求項に記載のインバータ一体型BLDCモータ。
【請求項5】
前記シール部材(225)は、前記軸受カバー(230)の外側底面(231)および前記インバータハウジング(200)の内側底面(201)から突出しないように形成されていることを特徴とする請求項に記載のインバータ一体型BLDCモータ。
【請求項6】
前記シール部材(225)は、熱伝導性材質で形成されていることを特徴とする請求項に記載のインバータ一体型BLDCモータ。
【請求項7】
前記インバータハウジング(200)の内側底面(201)と前記PCB基板(210)との間および前記軸受カバー(230)の外側底面(231)と前記PCB基板(210)との間には放熱グリス(240)が介在されていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型BLDCモータ。
【請求項8】
前記軸受(140)の外径よりも前記軸受カバー(230)の外径が大きく形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型BLDCモータ。
【請求項9】
前記軸受カバー(230)は、外側周縁面(232)に突起(233)が突出形成され、前記インバータハウジング(200)には、前記突起(233)に対応する結合溝(226)が形成されており、前記突起(233)が前記結合溝(226)に挿入され結合していることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型BLDCモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ一体型BLDCモータに係り、より詳細には、モータの制御のために設けられるインバータ部の放熱性能を向上させることができるインバータ一体型BLDCモータに関する。
【背景技術】
【0002】
BLDC(Brushless direct current)モータは、既存の直流モータが有する欠点である摩擦および摩耗を防止することができ、相対的に効率が高いことから、近年、ハイブリッド自動車において冷却ファン回転用モータとしてBLDCモータを適用する傾向にある。
【0003】
かかるBLDCモータは、DCモータからブラッシュと整流子を除去し、電子的な整流ツールを設置したモータである。
【0004】
また、従来のBLDCモータアセンブリは、モータ部とインバータ部とが一体型に構成され、インバータ一体型BLDCモータに形成される。この際、図1のように、モータ部10の一側にインバータ部20が結合し、インバータ部20は、インバータハウジング21にカバー22が結合して、インバータハウジング21とカバー22により形成された内部空間にPCB(Printed Circuit Board)基板が設けられることでインバータ部20が形成される。
【0005】
ここで、インバータハウジング21には、モータヘッド部12が延びて形成されており、モータヘッド部12には、モータ部10に設けられるロータ16の回転軸11が回転可能に結合され得るように軸受13が取り付けられ、この際、図面において左側に配置された軸受とモータヘッド部とのシールのためにOリングなどのシール部材が組み付けられ、Oリングを固定するためにOリングカバーが組み付けられ、また、Oリングカバーがインバータハウジングから離脱しないようにストップリング(スナップリング)などを使用する。
【0006】
これにより、組立の際にシール部材が押圧されて損傷し、インバータ部の内側に水分が浸透され得る問題点があり、多数個の部品を使用することから組立性が低下し製造コストが上昇することになる。また、インバータハウジングに軸受が挿入されて組み付けられる溝が形成されるが、この溝によってインバータハウジングの内側底面が平面をなすことができず、凹状に形成されることからこの溝部分を介して熱が伝達され、放熱が困難であり、インバータ部の内部に設けられるPCB基板に発熱量の多いスイッチング素子を溝部分に対向する位置に配置することができず、PCB基板の設計にも困難がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10‐1355253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述のような問題点を解決するために導き出されたものであり、本発明の目的は、インバータハウジングに軸受が挿入されて組み付けられ得るように形成される溝を軸受カバーで閉塞するように結合し、インバータハウジングと軸受カバーとの間にシール部を形成することで、軸受カバー部分を介して熱を伝達し放熱することができ、インバータ部の内部に設けられるPCB基板に発熱量の多いスイッチング素子を配置し、且つ軸受カバーが形成された位置にもスイッチング素子を配置することができ、インバータ部のシールが容易なインバータ一体型BLDCモータを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明のインバータ一体型BLDCモータ1000は、モータ100に一側が結合し、内部が中空形成されて他側が開放して形成され、中空の内部にPCB基板210が設けられたインバータハウジング200と、前記インバータハウジング200に取り付けられ、前記モータ100のロータ110の回転軸120が回転可能に結合した軸受140と、前記軸受140が取り付けられたインバータハウジング200の軸受取付溝221に結合し、且つ前記インバータハウジング200の内側底面201側の軸受取付溝221の開放部222を閉塞するように形成された軸受カバー230と、を含むことを特徴とする。
【0010】
上述のようなインバータ一体型BLDCモータにおいて、前記軸受カバー230の外側底面231は、前記インバータハウジング200の内側底面201と一致するように形成されていることが好ましく、また、前記PCB基板210に取り付けられたスイッチング素子211の一部は、前記軸受カバー230が位置した部分に対向する位置に配置されていることが好ましい。
【0011】
また、前記スイッチング素子211は、インバータハウジング200の内側底面201または軸受カバー230の外側底面231に接触するように配置されていることが好適である。
【0012】
また、前記軸受カバー230の外側周縁面232は、前記インバータハウジング200に密着するように結合していることが好ましい。
【0013】
また、前記インバータハウジング200には、内側底面201で凹状であり、軸受取付溝221に連結され、且つ軸受取付溝221よりも内径が大きい載置溝223が形成されており、前記載置溝223に軸受カバー230が挿入されて載置されていても良い。
【0014】
また、前記インバータハウジング200には、内側底面201で凹状であり、載置溝223に連結され、且つ載置溝223よりも内径が大きいシール溝224が形成されており、前記シール溝224にシール部材225が充填されていることが好ましい。
【0015】
また、前記シール部材225は、軸受カバー230の外側底面231およびインバータハウジング200の内側底面201から突出しないように形成されていることが好適である。
【0016】
また、前記シール部材225は、熱伝導性材質で形成されていることが好ましい。
【0017】
また、前記インバータハウジング200の内側底面201とPCB基板210との間および軸受カバー230の外側底面231とPCB基板210との間には放熱グリス240が介在されていることが好適である。
【0018】
また、前記軸受140の外径よりも前記軸受カバー230の外径が大きく形成されていることが好ましい。
【0019】
また、前記軸受カバー230は、外側周縁面232に突起233が突出形成され、前記インバータハウジング200には、前記突起233に対応する結合溝226が形成されており、前記突起233が結合溝226に挿入され結合していることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のインバータ一体型BLDCモータは、軸受カバー部分を介して熱を伝達して放熱することができ、インバータ部の内部に設けられるPCB基板に発熱量の多いスイッチング素子を配置し、且つ軸受カバーが形成された位置にもスイッチング素子を配置することができ、インバータ部のシールの容易な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来のインバータ一体型BLDCモータを示す断面図である。
図2】本発明のインバータ一体型BLDCモータを示す組立斜視図である。
図3】本発明のインバータ一体型BLDCモータを示す分解斜視図である。
図4】本発明のインバータ一体型BLDCモータを示す断面図である。
図5】本発明に係る軸受カバーが位置する部分にスイッチング素子が配置された実施例を示す部分断面図である。
図6】本発明に係る軸受カバーが位置する部分にスイッチング素子が配置された実施例を示す部分断面図である。
図7】本発明に係る放熱グリスがインバータハウジングとPCB基板との間および軸受カバーとPCB基板との間に介在された実施例を示す部分断面図である。
図8】本発明に係るインバータハウジングおよび軸受カバーの他の実施例を示す分解斜視図である。
図9】本発明に係るインバータハウジングおよび軸受カバーの他の実施例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のインバータ一体型BLDCモータの実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図2図4は本実施形態のインバータ一体型BLDCモータを示す組立斜視図、分解斜視図および断面図であり、図5図4の部分拡大図である。
【0024】
図示したように、本実施形態のインバータ一体型BLDCモータ1000は、モータ100に一側が結合し、内部が中空形成されて他側が開放して形成され、中空の内部にPCB基板210が設けられたインバータハウジング200と、インバータハウジング200に取り付けられ、モータ100のロータ110の回転軸120が回転可能に結合した軸受140と、軸受140が取り付けられたインバータハウジング200の軸受取付溝221に結合し、且つインバータハウジング200の内側底面201側の軸受取付溝221の開放部222を閉塞するように形成された軸受カバー230と、を含むことができる。
【0025】
まず、モータ100は、BLDCモータ(brushless direct current motor)であってもよい。この際、内側にロータが設けられ、外側にステータが配置されて、内側のロータが回転する内転型BLDCモータであってもよく、本実施形態では、内側に駆動コイルが巻かれたステータ150が設けられ、外側にケーシング状に覆われており、永久磁石130が結合したロータ110が配置されて、外側のロータ110が回転する方式の外転型BLDCモータを例として説明する。
【0026】
インバータハウジング200は、上側がモータ100に結合し、下側は、開放して形成され、内部が中空となるように形成され、中空の内部にモータ100の作動のためのPCB基板210が設けられてPCB基板210とモータ100が連結されてもよい。またPCB基板210は、電源線および通信線で外部と連結されてもよく、PCB基板210には、モータ100の制御のためのスイッチング素子211が取り付けられてもよい。また、カバー300は、インバータハウジング200と結合して内部に空間を形成し、内部に形成された空間にPCB基板210が設けられてもよい。また、カバー300は、インバータハウジング200の開放された下側に結合し、インバータハウジング200とカバー300が結合して接触する面がシールされるように形成されてもよい。また、インバータハウジング200は、中央部から上側に突出した軸受取付部220が形成されてもよく、軸受取付部220の上面とインバータハウジング200の内側底面201を上下に貫通するように貫通孔が形成され、貫通された内部に段差状に上下に軸受取付溝221が形成されてもよい。
【0027】
軸受140は、インバータハウジング200の軸受取付部220の内部の軸受取付溝221に挿入されて取り付けられ、モータ100のロータ110の回転軸120が軸受140に結合し回転するように構成されてもよい。ここで、軸受取付部220は、インバータハウジング200にPCB基板210が配置される内側の反対側である外側に突出して形成されてもよく、突出形成された軸受取付部220にモータ100のステータ150が嵌合されて固定されてもよい。また、軸受取付部220の内側には、上下を貫通する貫通孔が形成されて回転軸120が配置されてもよく、貫通孔とは段差をもって貫通孔の内径よりも大きく軸受取付溝221が凹状に形成され、軸受140が軸受取付溝221に載置されるように結合されてもよい。この際、図示したように、回転軸120を安定して支持できるように、一対に構成された軸受140が上下で離隔して配置されてもよく、この際、軸受取付溝221は、軸受140を挿入して取り付けることを容易にするために、一つは軸受取付部220の上側から凹状に形成され、他の一つはインバータハウジング200の内側底面201から凹状に形成されてもよい。
【0028】
軸受カバー230は、インバータハウジング200の内側底面201側に相対的に近く配置された軸受140側のインバータハウジング200に結合されてもよく、一例として、軸受カバー230は、軸受140と対向する側の面が凹状に形成されたキャップ状に形成され、軸受取付溝221に挿入されて結合されてもよい。また、軸受カバー230がインバータハウジング200の内側底面201側の軸受取付溝221により開放して形成された開放部222を閉塞するようにインバータハウジング200に結合されてもよい。ここで、開放部222は、図示したように、インバータハウジング200の内側底面201で軸受取付溝221が形成された開口部分であり、開口を閉塞するように軸受カバー230がインバータハウジング200に結合されてもよい。この際、軸受カバー230は、熱伝導率の高い材質で形成され、インバータハウジング200と熱伝導がスムーズに行われるようにすることが好ましく、軸受カバー230は、インバータハウジング200と熱伝導率が類似するかインバータハウジング200よりも熱伝導率が高い材質で形成されてもよい。
【0029】
このように本実施形態のインバータ一体型BLDCモータは、スイッチング素子が取り付けられたPCB基板から発生する熱が、軸受カバーを介してインバータハウジングに沿って外部に伝達されることで放熱することができ、インバータ部の内部に設けられるPCB基板に発熱量の多いスイッチング素子を配置し、且つ軸受カバーが形成された位置に対応する部分にもスイッチング素子を配置することができ、インバータ部のスイッチング素子を含むPCB基板を設計するに際し設計自由度が上昇し得る。
【0030】
また、軸受カバー230の外側底面231は、インバータハウジング200の内側底面201と一致するように形成されてもよい。
【0031】
すなわち、図示したように、軸受カバー230の外側底面231がインバータハウジング200の内側底面201と一致するように形成されることで、PCB基板210とインバータハウジング200の内側底面201との距離と、PCB基板210と軸受カバー230の外側底面231との距離が同様に形成され得る。これにより、スイッチング素子211が取り付けられたPCB基板210側から発生する熱が、インバータハウジング200および軸受カバー230側に均一に伝達されることで外部に放熱することができ、軸受カバー230が形成される位置に関係なくPCB基板210を自由に設計することができる。
【0032】
また、PCB基板210に取り付けられたスイッチング素子211の一部は、軸受カバー230が位置した部分に対向する位置に配置されてもよい。
【0033】
すなわち、図5のように、軸受カバー230に対応する位置のPCB基板210の部分にもスイッチング素子211を配置して、スイッチング素子211から発生する熱を容易に放熱することができることから、スイッチング素子211の配置を自由に設計することができる。
【0034】
また、スイッチング素子211は、インバータハウジング200の内側底面201または軸受カバー230の外側底面231に接触するように配置されていることが好ましい。
【0035】
ここで、PCB基板210は、電気的な絶縁のためにインバータハウジング200から離隔して配置されてもよく、これにより、インバータハウジング200の内側底面201とPCB基板210とが離れていることになる。この際、図6のように、PCB基板210にスイッチング素子211が取り付けられており、且つスイッチング素子211がインバータハウジング200の内側底面201とPCB基板210との間に配置され、スイッチング素子211は、インバータハウジング200の内側底面201または軸受カバー230の外側底面231に接触していてもよい。
【0036】
また、スイッチング素子から発生する熱が直接伝導されることで放熱が可能となり、放熱に有利な利点がある。
【0037】
また、軸受カバー230の外側周縁面232は、インバータハウジング200に密着するように結合されてもよい。
【0038】
すなわち、軸受カバー230の外周面である外側周縁面232がインバータハウジング200に密着するように結合することで、軸受カバーからインバータハウジングの方に熱伝逹がスムーズに行われることができる。この際、軸受カバー230の外側周縁面232とインバータハウジング200との接触界面で熱抵抗を低減するためのサーマルグリスなどを用いて接触面を密着させ、熱伝導率を向上させることもできる。
【0039】
また、インバータハウジング200には、内側底面201で凹状で、軸受取付溝221に連結され、且つ軸受取付溝221よりも内径が大きい載置溝223が形成されることで、載置溝223に軸受カバー230が挿入されて載置され得る。
【0040】
すなわち、軸受カバー230が挿入されて載置されるようにインバータハウジング200に凹状に載置溝223が形成されてもよい。この際、載置溝223は、軸受取付溝221に連結されるように、インバータハウジング200の内側底面201で凹状に形成されてもよく、載置溝223の内径が軸受取付溝221の内径よりも大きく形成されてもよい。
【0041】
そうすると、軸受140を軸受取付溝221に、より容易に挿入することができ、軸受カバー230が挿入される深さが制限され、インバータハウジング200の内側底面201と軸受カバー230の外側底面231の高さを容易に合わせることができる。
【0042】
また、インバータハウジング200には、内側底面201で凹状であり、載置溝223に連結され、且つ載置溝223よりも内径が大きいシール溝224が形成されており、前記シール溝224にシール部材225が充填され得る。
【0043】
すなわち、シール部材225が充填されて軸受カバー230の外側周縁面232とインバータハウジング200とがシールされるようにインバータハウジング200に凹状にシール溝224が形成され得る。この際、シール溝224は、軸受カバー230が載置される載置溝223に連結されるようにインバータハウジング200の内側底面201で凹状に形成されてもよく、シール溝224の内径が載置溝223の内径よりも大きく形成されてもよい。また、シール部材225は、一例として、シリコンなどで形成され、シール溝224に充填された後に硬化されてシール部材225に形成され得る。
【0044】
そうすると、軸受カバーとインバータハウジングとがより容易にシールされ得、シール部材を外観から確認することができ、シール性能が向上することができる。また、シール部材によって軸受カバーとインバータハウジングとがシールされ得、モータ側でPCB基板が配置されたインバータハウジングの内側に水分が浸透することを防止することができる。
【0045】
また、シール部材225は、軸受カバー230の外側底面231およびインバータハウジング200の内側底面201から突出しないように形成されてもよい。
【0046】
すなわち、PCB基板210に取り付けられたスイッチング素子211が軸受カバー230の外側底面231やインバータハウジング200の内側底面201に接触するか近接して配置され得ることから、シール部材225によってスイッチング素子211の配置に干渉が発生しないように、シール部材225が軸受カバー230の外側底面231およびインバータハウジング200の内側底面201と突出しないように形成され得る。
【0047】
また、シール部材225は、熱伝導性材質で形成され得る。
【0048】
すなわち、熱伝導率の向上のためにシール部材225も熱伝導性材質で形成され得、且つシール力に優れた材質で形成されることが好ましい。
【0049】
また、インバータハウジング200の内側底面201とPCB基板210との間および軸受カバー230の外側底面231とPCB基板210との間には、放熱グリス240が介在されてもよい。
【0050】
すなわち、図7のようにPCB基板210の上面と対向する面である軸受カバー230の外側底面231を含むことで、インバータハウジング200の内側底面201とPCB基板210との間にサーマルグリスのような放熱グリス240が介在され、放熱グリス240によってスイッチング素子211が取り付けられたPCB基板210側から発生する熱が軸受カバー230およびインバータハウジング200側にスムーズに伝達され放熱され得る。そうすると、スイッチング素子211の冷却が容易となる。
【0051】
また、軸受140の外径よりも軸受カバー230の外径が大きく形成されてもよい。
【0052】
すなわち、軸受カバー230の外径が軸受140の外径よりも大きく形成されることで、インバータハウジング200の軸受取付溝221の内径よりも大きい載置溝223を形成して、軸受カバー230を載置溝223に挿入し結合することができ、軸受カバー230がインバータハウジング200に挿入され結合される深さを制限することができる。また、軸受カバー230とインバータハウジング200との接触面積を拡大することができ、熱伝導率を高めることができる。
【0053】
また、軸受カバー230は、外側周縁面232に突起233が突出形成され、インバータハウジング200には、突起233に対応する結合溝226が形成され、突起233が結合溝226に挿入されて結合され得る。
【0054】
すなわち、図8および図9のように、軸受カバー230には外側周縁面232から半径方向に突起233が突出形成されてもよく、突起233が円周方向に沿って離隔して複数個が形成されてもよい。また、突起233に対応するように、インバータハウジング200には結合溝226が形成され、突起233が結合溝226に挿入されるように軸受カバー230がインバータハウジング200に結合されてもよい。また、インバータハウジング200に軸受取付溝221が形成された状態で、載置溝223がなくても突起233および結合溝226によって軸受カバー230がインバータハウジング200に挿入されて結合される深さを制限することができ、軸受カバー230とインバータハウジング200との接触面積を拡大して熱伝導率を高めることができる。
【0055】
本発明は、上述の実施形態に限定されず、適用範囲が様々であることは言うまでも無く、請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、当該本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変形実施が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0056】
1000 インバータ一体型BLDCモータ
100 モータ
110 ロータ
120 回転軸
130 永久磁石
140 軸受
150 ステータ
200 インバータハウジング
201 内側底面
210 PCB基板
211 スイッチング素子
220 軸受取付部
221 軸受取付溝
222 開放部
223 載置溝
224 シール溝
225 シール部材
226 結合溝
230 軸受カバー
231 外側底面
232 外側周縁面
233 突起
240 放熱グリス
300 カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9