【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のプロセスでは、金属製容器に印刷される平版画像の画像品質および精細度を顕著に向上させるために、装飾機のブランケット胴に装着されるフレキシブル補助刷版を使用する。本発明の一態様では、フォトポリマ材料で構成されるフレキシブル補助刷版を提供する。本発明の他の態様では、フレキシブル補助刷版は、ポリメチレン型飽和鎖を少なくとも部分的に含む化合物で構成される。一実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、Mクラスゴムである。他の実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンジエンモノマである。本発明のさらに別の態様では、金属製容器の外面に高精細画像を形成するために少なくとも1種の特殊インクを使用する装飾機を提供する。本発明のさらに別の態様では、毎分少なくとも2,200個の金属製容器を装飾するように機能する装飾機で使用するためのフレキシブル補助刷版を提供する。
【0012】
より具体的には、本発明の一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、フォトポリマ材料で構成される。フォトポリマ材料を露光することによって、フレキシブル・フォトポリマ刷版の表面に画像を転写または形成する。ダイレクト刷版(Computerto plate:コンピュータトゥプレート)工程または通常の刷版露光工程を用いて、画像を転写することができる。この結果、インクを受容しないレリーフ領域と、インクを受容して金属製容器の外面にインクを転写する高精度・高精細の画像領域をなす硬化領域と、を有するフレキシブル補助刷版が得られる。
【0013】
本発明の他の実施形態では、フレキシブル補助刷版は、ポリメチレン型飽和鎖の化合物、または類似の物理的性質を有する他の関連材料で、少なくとも部分的に構成される。あるいは、同じ目的で、ある種の可撓性プラスチック材料を使用してよい。直接レーザ彫刻、または当技術分野で周知の他の方法によって、画像をフレキシブル補助刷版に形成する。第1の画像を形成するために、インクローラーによって、様々に異なり得る種類および色のインクを印刷版の異なる1つ以上の部分に塗布する。次に、印刷版を、フレキシブル補助刷版に回転接触させて、様々な種類および色のインクをフレキシブル補助刷版に転写する。次に、容器本体をフレキシブル補助刷版に回転接触させるように動かして、インクを容器本体の外面に転写する。また、このプロセスのいくつかの実施形態では、フレキシブル補助刷版は、その上に画像が形成される前、その最中、またはその後に、インクを受容しない1つ以上の凹部を形成するために、その表面をエッチングまたは彫刻されてもよい。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版によって、または別のニス引きユニットによって、容器本体の外面の1つ以上の部分にニスを塗布してもよい。これらおよび他の効果は、本明細書に記載の発明の開示から明らかになるであろう。
【0014】
本発明の他の態様は、金属製容器のドライオフセット印刷で使用するための装置、方法、およびフレキシブル補助刷版である。一実施形態では、物理的レリーフを有する印刷版で、複数の色または複数種類のインクを、ブランケット胴に装着されたフレキシブル補助刷版に転写する。印刷版の物理的レリーフは、フレキシブル補助刷版に転写されるインク領域および非インク領域を印刷版の表面に形成する。次いで、フレキシブル補助刷版は、高速装飾プロセスにおいてインクを金属製容器の外面に転写する。一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、ポリメチレン型飽和鎖を含む材料で構成される。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版は、フォトポリマ材料で構成される。任意選択的に、フレキシブル補助刷版の少なくとも1つは画像を含む。その画像は、印刷版の1つ以上から少なくとも一部のインクを受容し、金属製容器の外面とフレキシブル補助刷版との接触によって金属製容器に転写される。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版の各々は画像を含む。一実施形態では、それらのフレキシブル補助刷版における画像は同一のものである。他の実施形態では、それらのフレキシブル補助刷版における画像はそれぞれ異なるものである。
【0015】
当業者であれば理解できるように、ドライオフセット印刷では、印刷版を水で湿らせない。印刷版に形成された画像は、インクローラーからインクを受容する。次に、印刷版は、そのインク画像をフレキシブル補助刷版に転写し、次いで、フレキシブル補助刷版は、そのインクを金属製容器に転写する。一方、ウェットオフセット平版プロセスでは、印刷版は、インクを受容するが水を反撥する画像領域を形成するように化学処理される。次に、水およびインクを印刷版に塗布する。印刷版が化学処理されていることで、インクのみが画像に付着し、水は反撥される。また、インクは、印刷版の非画像領域には付着しない。
【0016】
本発明の一態様により、金属製容器の外面を装飾するために、平版印刷プロセスにおいてフレキシブル補助刷版を使用する新規の方法を提供する。これには、概して、(1)フレキシブル補助刷版の上面または表面部の所定部分に第1の画像を形成すること、(2)第1の画像を有するフレキシブル補助刷版を装飾機のブランケット胴に取り外し可能に装着すること、(3)複数の印刷版を装飾機の版胴に装着すること、(4)インクローラーからのインクを複数の印刷版の少なくとも1つに塗布すること、(5)複数の印刷版のその少なくとも1つからのインクの少なくとも一部をフレキシブル補助刷版の少なくとも一部分に転写すること、(6)フレキシブル補助刷版からのインクを金属製容器の外面に転写することであって、金属製容器が装飾される、金属製容器の外面に転写すること、を含む方法、が含まれるが、ただし、これに限定されない。フレキシブル補助刷版は、ポリメチレン型飽和鎖の化合物、フォトポリマ材料、および可撓性プラスチック材料のうちの1つで構成される。一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、単一均質材料で形成される。すなわち、フレキシブル補助刷版は、異なる材料の層で構成されていない。
【0017】
一実施形態では、フレキシブル補助刷版に第1の画像を形成することは、直接レーザ彫刻工程でフレキシブル補助刷版の表面部の材料の少なくとも一部を除去することを含む。他の実施形態では、直接レーザ彫刻工程、機械的もしくは化学的エッチングもしくは彫刻工程、撥インク処理工程、加圧成形工程のうちの1つ以上で、または1つ以上の工程の組み合わせによって、第1の画像を形成するためにフレキシブル補助刷版の表面部の材料の少なくとも一部を除去する。一実施形態では、フレキシブル補助刷版に形成される第1の画像は、約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)の深さを有する。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版の表面部より上に約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)の高さで突出した第1の画像を形成するために、表面部の材料の少なくとも一部を除去する。
【0018】
フレキシブル補助刷版は、任意の形状またはサイズであってよい。一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、約0.04インチ(1.016mm)〜約0.1インチ(2.54mm)の厚さである。任意選択的に、フレキシブル補助刷版は、非積層材料で形成される。従って、一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、クロス層または布層、および繊維を含む中間層を有していない。
【0019】
一実施形態では、インクは、特殊インクを含む。特殊インクは、サーモクロミックインク、フォトクロミックインク、香り付きサーモクロミックインク、蛍光インク、UVインク、ブラックライトインク、赤外線インク、燐光インク、感圧インク、触感インク、熱触感インク、ロイコ染料、およびマットインク、のうちの1つ以上を含み得る。
【0020】
一実施形態では、フレキシブル補助刷版のポリメチレン型飽和鎖は、Mクラスゴムを含む。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM:Ethylene Propylene Diene Monomer)化合物を含む。さらに別の実施形態では、フレキシブル補助刷版のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンモノマ(EPM:Ethylene Propylene Monomer)化合物を含む。
【0021】
ブランケット胴は、任意の数のフレキシブル補助刷版を有し得る。一実施形態では、8〜12枚のフレキシブル補助刷版を、ブランケット胴に取り外し可能に装着する。他の実施形態では、6〜24枚のフレキシブル補助刷版を、ブランケット胴に取り外し可能に装着する。任意選択的に、本方法は、さらに、約4〜約24枚のフレキシブル補助刷版をブランケット胴に取り外し可能に装着することを含み得る。約4〜約24枚のフレキシブル補助刷版のそれぞれは、異なる画像を有し得る。約4〜約24枚のフレキシブル補助刷版から転写されるインクによって、様々に異なる画像で装飾された4〜24個の金属製容器を生産する。さらに別の実施形態では、フレキシブル補助刷版は、装飾機において毎分約2,200個までの金属製容器を装飾するように機能する。
【0022】
一実施形態では、本方法は、任意選択的に、さらに、複数の第2の印刷版を装飾機の第2の版胴に取り外し可能に装着することを含み得る。第2のインクローラーからの第2のインクを、複数の第2の印刷版のうちの少なくとも1つに塗布する。第2のインクは、インクローラーで塗布される第1のインクとは異なる種類または異なる色のインクである。複数の第2の印刷版のうちの少なくとも1つから、第2のインクの少なくとも一部をフレキシブル補助刷版の少なくとも一部分に転写する。任意選択的に、複数の第2の印刷版のうちの少なくとも1つから、第2のインクの少なくとも一部を第1の画像の少なくとも一部分に転写する。他の実施形態では、第2のインクを第1の画像には全く転写しない。例えば、第2の印刷版は、任意選択的に、フレキシブル補助刷版の第1の画像に整合されるレリーフ領域を有し得る。それらのレリーフ領域は、インクローラーからのインクを受容しない。次に、フレキシブル補助刷版から第1のインクおよび第2のインクを金属製容器の外面に転写する。従って、金属製容器は、第1のインクの少なくとも一部および第2のインクの少なくとも一部で装飾される。
【0023】
一実施形態では、装飾機は、印刷板が装着される4〜18個の版胴を備え得る。他の実施形態では、装飾機は、約8個の版胴を備える。それらの版胴のそれぞれは、異なる種類または異なる色のインクを、ブランケット胴に装着されたフレキシブル補助刷版に転写するように機能する。一実施形態では、1〜8個のそれぞれの版胴の印刷版は、任意選択的に、独自の画像をフレキシブル補助刷版に転写し得る。
【0024】
本発明の他の態様により、金属製容器の外面に高精細平版画像を形成するための装置について開示し、この装置は、単一セットの印刷版から複数の平版画像を生成するように機能する。装置は、概して、(1)インクローラーを有する少なくとも1つの版胴と、(2)ブランケット胴と、(3)支持胴と、を備える。一実施形態では、装置は、毎分少なくとも2,200個の金属製容器を装飾するように機能する。
【0025】
インクローラーは、その少なくとも1つの版胴の周囲に装着される1つ以上の印刷版の所定部分にインクを転移させるように機能する。一実施形態では、それらの印刷版の1つ以上は、ポリメチレン型飽和鎖を含む化合物、フォトポリマ材料、および可撓性プラスチック材料のうちの少なくとも1つで構成される。
【0026】
1つ以上のフレキシブル補助刷版を、ブランケット胴の周囲に取り外し可能に装着する。1つ以上のフレキシブル補助刷版の各々は、ポリメチレン型飽和鎖を少なくとも部分的に含む化合物、フォトポリマ材料、および可撓性プラスチック材料のうちの1つで構成される。一実施形態では、それらのフレキシブル補助刷版の少なくとも1つは、その上に形成された画像を有する。ブランケット胴は、フレキシブル補助刷版を動かして、少なくとも1つの版胴に装着された1つ以上の印刷版に回転接触させるように機能する。フレキシブル補助刷版が印刷版に接触すると、その1つ以上の印刷版の所定部分からフレキシブル補助刷版の少なくとも一部分にインクが転写される。任意選択的に、フレキシブル補助刷版は、単一均質材料で形成される。フレキシブル補助刷版は、ブランケット胴に接着剤で装着されてよい。一実施形態では、その接着剤は、剥離基材を含む。一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、クロス層または布層を含まない。
【0027】
支持胴は、金属製容器を受容するように構成された複数のステーションを有する。各ステーションは、コンベアから金属製容器を受け取り、その金属製容器を動かして、ブランケット胴に装着されたフレキシブル補助刷版に接触させるように機能する。このとき、インクが、フレキシブル補助刷版から金属製容器に転写されることで、金属製容器の外面に高精細平版画像を形成する。
【0028】
一実施形態では、その少なくとも1つの版胴は、約4〜約18個の版胴を含む。版胴のそれぞれは、異なる色のインクまたは異なる種類の特殊インクを、版胴の各々に装着された1つ以上の印刷版の所定部分に転写するように機能するインクローラーを有する。一実施形態では、特殊インクは、サーモクロミックインク、フォトクロミックインク、香り付きサーモクロミックインク、蛍光インク、UVインク、ブラックライトインク、赤外線インク、燐光インク、感圧インク、触感インク、熱触感インク、ロイコ染料、およびマットインク、のうちの1つ以上を含む。他の実施形態では、それらの版胴のうちの第1の版胴に装着された印刷版は、他の版胴に装着された印刷版で転写される画像とは異なる第1の画像を、フレキシブル補助刷版に転写する。
【0029】
一実施形態では、フレキシブル補助刷版のポリメチレン型飽和鎖は、Mクラスゴムコンパウンドである。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンジエンモノマ化合物である。さらに別の実施形態では、フレキシブル補助刷版のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンモノマ化合物である。
【0030】
一実施形態では、ブランケット胴に装着された1つ以上のフレキシブル補助刷版のそれぞれは、その上に形成された独自の画像を有する。それらの画像は、直接レーザ彫刻工程、機械的もしくは化学的エッチングもしくは彫刻工程、撥インク処理工程、加圧成形工程のうちの1つ以上で、または1つ以上の工程の組み合わせによって、フレキシブル補助刷版の表面部に形成される。一実施形態では、フレキシブル補助刷版がフォトポリマ材料で少なくとも部分的に構成される場合には、ダイレクト刷版(CTP:ComputerTo Plate)工程、通常の刷版露光工程、または他の任意の適切な方法を用いて、画像を形成してもよい。フレキシブル補助刷版に形成される画像は、約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)の深さを有し得る。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版に形成される画像は、フレキシブル補助刷版の表面部より上に約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)の高さを有し得る。
【0031】
本発明の他の態様では、印刷プロセスにおいて金属製容器の外面に高精細平版画像を形成するように構成されたフレキシブル補助刷版を提供する。フレキシブル補助刷版は、概して、所定サイズの刷版本体を備える。刷版本体は、表面部と裏面部とを有する。裏面部は、装飾機のブランケット胴に取り外し可能に装着されるように構成されている。一実施形態では、フレキシブル補助刷版の少なくとも表面部は、ポリメチレン型飽和鎖で少なくとも部分的に構成された化合物、フォトポリマ材料、および可撓性プラスチック材料を含む。一実施形態では、刷版本体は、約0.04インチ(1.016mm)〜約0.1インチ(2.54mm)の厚さである。他の実施形態では、刷版本体は、単一均質層で形成される。従って、フレキシブル補助刷版は、非積層材料で形成される。一実施形態では、刷版本体は、ポリメチレン型飽和鎖を含む化合物で少なくとも部分的に構成される。他の実施形態では、刷版本体は、フォトポリマ材料の単一均質層で形成される。
【0032】
一実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、Mクラスゴムである。他の実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンジエンモノマ化合物である。さらに別の実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンモノマ化合物である。
【0033】
一実施形態では、フレキシブル補助刷版の表面部に画像を形成する。画像は、直接レーザ彫刻工程、機械的エッチングもしくは彫刻工程、撥インク処理工程、および加圧成形工程のうちの少なくとも1つで形成してよい。直接レーザ彫刻工程により、フレキシブル補助刷版の表面部から少なくとも一部の材料を、アブレートまたはその他除去してよい。フレキシブル補助刷版がフォトポリマ材料で少なくとも部分的に構成される場合には、ダイレクト刷版工程、通常の刷版露光工程、または他の任意の適切な方法を用いて、画像を形成してもよい。画像は、表面部によって形成される平面より下に約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)の深さを有し得る。他の実施形態では、画像は、表面部によって形成される平面より上に0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)の高さを有し得る。
【0034】
本発明のさらに別の態様は、金属製容器の外面に印刷するように構成された画像を形成するために、フレキシブル転写版をレーザで彫刻する新規の方法である。この方法は、概して、(1)ポリメチレン型飽和鎖で構成されたフレキシブル転写版を準備すること、(2)フレキシブル転写版の表面部をレーザで彫刻して画像を形成するために表面部の少なくとも一部を除去すること、を含むが、ただし、これらに限定されない。フレキシブル転写版の裏面部は、装飾機のブランケット胴に装着されるように構成されている。従って、装飾機の版胴に印刷版が装着されると、その印刷版によって、画像にインクが転写される。次に、金属製容器の外面をフレキシブル転写版の表面部に接触させる。このようにして、そのインクの少なくとも一部を、金属製容器の外面に転写する。一実施形態では、フレキシブル転写版のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンゴム、Mクラスゴム、およびエチレンプロピレンジエンモノマのうちの1つである。
【0035】
本発明の一態様により、金属製容器の外面を装飾するために、平版印刷プロセスにおいてフレキシブル補助刷版を使用する新規の方法を提供する。これには、概して、(1)金属製容器の外面に印刷されるべき第1の画像を形成すること、(2)フォトポリマ材料、ポリメチレン型飽和鎖を含む化合物、および可撓性プラスチック材料のうちの1つで構成されるフレキシブル補助刷版の表面部の所定部分に第1の画像を転写すること、(3)第1の画像を有するフレキシブル補助刷版を装飾機のブランケット胴に取り外し可能に装着すること、(4)複数の印刷版を装飾機の少なくとも1つの版胴に装着すること、(5)インクローラーからのインクを複数の印刷版の少なくとも1つに塗布すること、(6)複数の印刷版のその少なくとも1つからのインクの少なくとも一部をフレキシブル補助刷版の少なくとも一部分に転写すること、(7)フレキシブル補助刷版からのインクを金属製容器の外面に転写することであって、金属製容器が装飾される、金属製容器の外面に転写すること、を含む方法、が含まれるが、ただし、これに限定されない。
【0036】
追加的または代替的に、本方法は、さらに、約4〜約24枚のフレキシブル補助刷版をブランケット胴に取り外し可能に装着することを含み得る。約4〜約24枚のフレキシブル補助刷版は、それぞれ異なる画像を有し得る。約4〜約24枚のフレキシブル補助刷版から転写されるインクによって、約4〜約24個の金属製容器上に4〜24通りの異なる画像を形成する。
【0037】
一実施形態では、1つ以上の凹部を形成するために、フレキシブル補助刷版の表面部をエッチングまたは彫刻してよい。他の実施形態では、金属製容器の外面に印刷されるべき第2の画像を、印刷版に形成する。次に、第1の画像および第2の画像で、金属製容器を装飾する。
【0038】
フレキシブル補助刷版がフォトポリマ材料を含む場合の一実施形態では、フレキシブル補助刷版の表面部の所定部分に第1の画像を転写することは、概して、(1)第1の画像のネガフィルムを作製すること、(2)フレキシブル補助刷版の表面部の所定部分にネガフィルムを配置すること、(3)フレキシブル補助刷版およびネガフィルムを光源で露光することであって、光がネガフィルムを透過する所定位置ではフレキシブル補助刷版のフォトポリマ材料を硬化し、光がネガフィルムで遮断される所定位置では補助刷版のフォトポリマ材料を未露光かつ軟質のままに維持する、光源で露光すること、(4)フレキシブル補助刷版からネガフィルムを除去すること、(5)フレキシブル補助刷版を洗浄ステーション内に配置し、フレキシブル補助刷版の未露光の軟質フォトポリマ材料を除去するためにフレキシブル補助刷版を洗浄して転写された第1の画像を露わにすること、を含む。
【0039】
追加的または代替的に、フレキシブル補助刷版の表面部の所定部分に第1の画像を転写することは、概して、(1)第1の画像を作成すること、(2)第1の画像のネガを形成するために、フレキシブル補助刷版の表面部の不透明マスクコーティングのいくつかの部分をアブレートすること、(3)フレキシブル補助刷版を光源で露光することであって、マスクコーティングがアブレートされた所定位置ではフレキシブル補助刷版のポリマ材料を硬化し、光がマスクコーティングで遮断される所定位置ではフレキシブル補助刷版のポリマ材料を未露光かつ軟質のままに維持する、光源で露光すること、(4)転写された第1の画像を露わにするために、フレキシブル補助刷版の未露光の軟質ポリマ材料を除去すること、を含み得る。
【0040】
一実施形態では、光源は、紫外線光源である。他の実施形態では、約0.01分〜約10分間、フレキシブル補助刷版およびネガフィルムを光源で露光する。一実施形態では、洗浄ステーションは、フレキシブル補助刷版の洗浄のために溶剤を使用する。他の実施形態では、洗浄ステーションは、フレキシブル補助刷版の洗浄のために水を使用する。
【0041】
フォトポリマ材料で構成されるフレキシブル補助刷版は、紫外線または可視光で露光した後に硬化する材料または異なるテクスチャを形成する材料の任意の混合物で形成してよい。一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、光触媒による光重合工程を用いて硬化させるエラストマ、トリメチロールプロパントリアクリレート架橋クロロプレン、およびポリアクリレートを添加したスチレン−イソプレンゴムのうちの1つで構成される。一実施形態では、第1の画像がフレキシブル補助刷版に転写される前に、フレキシブル補助刷版は、約40〜約110のショアAデュロメータ硬度を有する。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版の硬度は、約67〜約90のショアAデュロメータ硬度である。さらに別の実施形態では、フレキシブル補助刷版は、第1の画像がフレキシブル補助刷版に転写される前に、約69〜約81のショアAデュロメータ硬度を有する。さらに別の実施形態では、フレキシブル補助刷版は、第1の画像がフレキシブル補助刷版に転写される前に、約65〜約73のショアAデュロメータ硬度を有する。さらに別の実施形態では、フォトポリマのフレキシブル補助刷版は、約25〜55のショアAデュロメータ硬度を有する。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版の少なくとも1つは、約76〜約82のショアAデュロメータ硬度を有し得る。さらに別の実施形態では、フレキシブル補助刷版の少なくとも1つは、約68〜約74のショアAデュロメータ硬度を有し得る。さらに別の実施形態では、フレキシブル補助刷版の少なくとも1つは、任意選択的に、約62〜約68のショアAデュロメータ硬度を有する。
【0042】
一実施形態では、フレキシブル補助刷版のポリメチレン型飽和鎖は、Mクラスゴムである。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンジエンモノマ化合物である。さらに別の実施形態では、フレキシブル補助刷版のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンモノマ化合物である。
【0043】
一実施形態では、直接レーザ彫刻工程、機械的もしくは化学的エッチングもしくは彫刻工程、撥インク処理工程、加圧成形工程のうちの1つ以上で、または1つ以上の工程の組み合わせによって、第1の画像を形成するためにフレキシブル補助刷版の表面部の材料の少なくとも一部を除去する。一実施形態では、フレキシブル補助刷版に形成される第1の画像は、表面部によって形成される平面と比較して、約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)の深さを有する。他の実施形態では、第1の画像は、表面部によって形成される平面より上に約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)の高さを有する。
【0044】
一実施形態では、インクは、特殊インクを含む。特殊インクは、サーモクロミックインク、フォトクロミックインク、香り付きサーモクロミックインク、蛍光インク、UVインク、ブラックライトインク、赤外線インク、燐光インク、感圧インク、触感インク、熱触感インク、ロイコ染料、およびマットインク、のうちの1つ以上を含み得る。
【0045】
一実施形態では、異なる画像のそれぞれは、各々のフレキシブル補助刷版の同じ位置に形成される。他の実施形態では、少なくとも1つの版胴のうちの第1の版胴に装着された印刷版のみが、各々のフレキシブル補助刷版に形成された異なる画像にインクを転写する。少なくとも1つの版胴のうちの第2の版胴に装着された印刷版は、各々のフレキシブル補助刷版に形成された異なる画像にインクを転写しない。代わりに、少なくとも1つの版胴のうちの第2の版胴に装着された印刷版は、各々のフレキシブル補助刷版の他の所定部分にインクを転写する。
【0046】
一実施形態では、金属製容器は略円筒形状である。第1の画像は、金属製容器の湾曲した外面に転写される。他の実施形態では、金属製容器は略円筒形状であり、第1の画像は、金属製容器の略平坦な外面に転写される。さらに別の実施形態では、金属製容器は円筒形状ではなく、第1の画像は、金属製容器の平坦な外面に転写される。
【0047】
本発明の他の態様により、金属製容器の外面に高精細平版画像を形成するための装置について開示し、この装置は、単一セットの印刷版から複数の平版画像を生成するように機能する。装置は、概して、(1)少なくとも1つの版胴であって、この少なくとも1つの版胴の周囲に装着される1つ以上の印刷版の所定部分にインクを転移させるためのインクローラーを有する少なくとも1つの版胴と、(2)ブランケット胴であって、このブランケット胴の周囲に装着される1つ以上のフレキシブル補助刷版を有し、それらのフレキシブル補助刷版を動かして、少なくとも1つの版胴に装着された印刷版に回転接触させるように機能し、の印刷版の所定部分からフレキシブル補助刷版の少なくとも一部分にインクが転写され、それらのフレキシブル補助刷版の各々は、任意選択的に、その上に形成された画像を有する、ブランケット胴と、(3)金属製容器を受容するように構成された複数のステーションを有する支持胴であって、それらの金属製容器をコンベアから受け取り、その金属製容器を動かして、ブランケット胴に装着されたフレキシブル補助刷版に接触させるように機能し、インクが、フレキシブル補助刷版から金属製容器に転写されることで、金属製容器の外面に高精細平版画像が形成される、支持胴と、を備える。
【0048】
一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、ポリメチレン型飽和鎖を少なくとも部分的に含む化合物で構成される。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版は、フォトポリマ材料で構成される。さらに別の実施形態では、フレキシブル補助刷版は、可撓性プラスチック材料で少なくとも部分的に構成される。他の実施形態では、印刷版の1つ以上は、ポリメチレン型飽和鎖の化合物、フォトポリマ材料、および可撓性プラスチック材料のうちの1つで構成される。さらに、フレキシブル補助刷版は、任意選択的に、中間布層を有することなく単一材料層で形成されてよい。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版は、異なる材料の層を有することなく形成される。
【0049】
一実施形態では、その少なくとも1つの版胴および支持胴は、第1の方向に回転し、ブランケット胴は、反対の第2の方向に回転する。他の実施形態では、約4〜約24枚のフレキシブル補助刷版をブランケット胴の周囲に装着する。
【0050】
一実施形態では、フレキシブル補助刷版のそれぞれは、その上に形成された異なる画像を有する。一実施形態では、異なる画像のそれぞれは、各々のフレキシブル補助刷版の同じ位置に形成される。他の実施形態では、少なくとも1つの版胴のうちの第1の版胴に装着された第1の印刷版のみが、各々のフレキシブル補助刷版に形成された異なる画像にインクを転写する。少なくとも1つの版胴のうちの第2の版胴に装着された第2の印刷版は、それらのフレキシブル補助刷版に形成された画像にインクを転写しない。第2の印刷版は、任意選択的に、各々のフレキシブル補助刷版の他の所定部分にインクを転写し得る。
【0051】
一実施形態では、第2の画像を印刷版に形成する。インクを、第2の画像からフレキシブル補助刷版に転写し、次に金属製容器の外面に転写する。他の実施形態では、印刷版に画像は形成されないが、印刷版はフレキシブル補助刷版にインクを伝達する。例えば、一実施形態では、印刷版の表面部は、連続的なインクコーティングを受ける。この連続的インクコーティングを、印刷版の表面部に接触するフレキシブル補助刷版の表面部の各部分に転写する。
【0052】
一実施形態では、金属製容器は略円筒形状である。さらに別の実施形態では、金属製容器は円筒形状ではない。一実施形態では、インクは、フレキシブル補助刷版から、金属製容器の略円筒状の外面および非円筒状の外面のうちの1つ以上に転写される。
【0053】
一実施形態では、フレキシブル補助刷版がフォトポリマ材料で構成される場合に、画像は、概して、(1)各々の異なる画像のネガフィルムを作製すること、(2)フレキシブル補助刷版の所定部分にネガフィルムを配置すること、(3)フレキシブル補助刷版およびネガフィルムを光源で露光すること、(4)フレキシブル補助刷版からネガフィルムを除去すること、(5)フレキシブル補助刷版の未露光の軟質フォトポリマ材料を除去するためにフレキシブル補助刷版を洗浄し、それらの異なる画像を露わにすること、によって、フレキシブル補助刷版に形成される。他の実施形態では、概して、直接レーザ彫刻工程、機械的もしくは化学的エッチングもしくは彫刻工程、撥インク処理工程、加圧成形工程、および1つ以上の工程の組み合わせ、のうちの少なくとも1つで、フレキシブル補助刷版に画像を形成する。
【0054】
一実施形態では、インクは、特殊インクを含む。特殊インクは、サーモクロミックインク、フォトクロミックインク、香り付きサーモクロミックインク、蛍光インク、UVインク、ブラックライトインク、赤外線インク、燐光インク、感圧インク、触感インク、熱触感インク、ロイコ染料、およびマットインク、のうちの1つ以上であり得る。
【0055】
他の実施形態では、その少なくとも1つの版胴は、約4〜約18個の版胴を含む。他の実施形態では、装置は、約8個の版胴を備える。4〜18個の版胴のそれぞれに対して、所定の位置合わせでインクローラーが関連付けられる。さらに別の実施形態では、4〜18個の版胴のうちの第1の版胴に装着された第1の印刷版は、フレキシブル補助刷版のそれぞれの異なる画像に位置合わせるインク受容領域を有し、これは、それらの異なる画像にインクを転写するように機能する。4〜18個の版胴のうちの他の版胴に装着された第2の印刷版のそれぞれは、フレキシブル補助刷版のそれぞれの異なる画像に位置合わせるレリーフ領域を有する。それらのレリーフ領域は、フレキシブル補助刷版の異なる画像にインクを転写しない。4〜18個の版胴のうちの第1の版胴に装着された第1の印刷版のインク受容領域と、4〜18個の版胴のうちの他の版胴に装着された第2の印刷版のレリーフ領域とは、それらの印刷版のすべてにおいて対応する位置に配置されるとともに、同じ全体的サイズおよび形状を有する。一実施形態では、それらのインク受容領域およびレリーフ領域は、平行四辺形、方形、矩形、円形、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択された形状を有する。より好ましい一実施形態では、インク受容領域およびレリーフ領域は、略矩形形状を有する。さらに別の実施形態では、インク受容領域およびレリーフ領域は、それらのフレキシブル補助刷版の異なる画像よりも少なくとも若干大きい。これにより、ブランケット胴におけるフレキシブル補助刷版の位置は、第1の印刷版のインク受容領域および第2の印刷版のレリーフ領域との所定の見当を維持するための所定位置から軸方向および径方向に所定量で変化してよい。
【0056】
本発明の他の態様では、印刷プロセスにおいて金属製容器の外面に高精細平版画像を形成するように構成されたフレキシブル補助刷版を提供する。一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、概して、所定のサイズおよび硬度のフォトポリマ材料で構成された刷版本体を備え、刷版本体は、表面部と裏面部とを有し、裏面部は、装飾機のブランケット胴に装着されるように構成されている。他の実施形態では、フレキシブル補助刷版は、ポリメチレン型飽和鎖を含む化合物で少なくとも部分的に構成される。一実施形態では、刷版本体は、約0.04インチ(1.016mm)〜約0.1インチ(2.54mm)の厚さである。任意選択的に、フレキシブル補助刷版は、単一材料で形成してよい。従って、一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、繊維および/または異なる材料の中間層を有していない。一実施形態では、金属製容器は、略円筒形状の本体を有する。
【0057】
任意選択的に、画像を、その画像のネガフィルムを作製することによってフレキシブル補助刷版の表面部に形成してよい。ネガフィルムを、表面部の所定部分に配置する。表面部およびネガフィルムを、光源で露光する。ネガフィルムを表面部から除去し、続いて、未露光の軟質材料を表面部から除去するためにフレキシブル補助刷版を洗浄する。一実施形態では、画像が表面部に形成される前に、フレキシブル補助刷版は、約40〜約110のショアAデュロメータ硬度を有する。さらに、直接レーザ彫刻工程、機械的もしくは化学的エッチングもしくは彫刻工程、撥インク処理工程、加圧成形工程のうちの1つ以上で、または1つ以上の工程の組み合わせによって、フレキシブル補助刷版の表面部に画像を形成してよい。
【0058】
本発明の他の態様により、複数の金属製容器の外面を異なる画像で装飾するために、印刷プロセスにおいて装飾機を使用する方法を提供する。この方法は、概して、(1)装飾機の第1の版胴上に位置決めされる第1の印刷版であって、第1のインク受容領域と、インクを受容しないレリーフ領域と、を有する第1の印刷版を準備すること、(2)装飾機の第2の版胴上に位置決めされる第2の印刷版であって、第1の印刷版のレリーフ領域と整合させる第2のインク受容領域を有する第2の印刷版を準備すること、(3)装飾機のブランケット胴上に位置決めされる第1のフレキシブル転写版であって、第1のフレキシブル転写版の表面部は第1の平面を規定し、表面部の第1の所定部分に第1の画像を含む、第1のフレキシブル転写版を準備すること、(4)ブランケット胴上に位置決めされる第2のフレキシブル転写版であって、第2のフレキシブル転写版の表面部は第2の平面を規定し、表面部の第2の所定部分に第2の画像を含む、第2のフレキシブル転写版を準備すること、(5)第1の印刷版の第1のインク受容領域に第1のインクを塗布すること、(6)第1の印刷版からの第1のインクを第1および第2のフレキシブル転写版のそれぞれの表面部の他の所定部分に転写すること、(7)第2の印刷版の第2のインク受容領域に第2のインクを塗布すること、(8)第2の印刷版の第2のインク受容領域からの第2のインクを第1フレキシブル転写版の第1の画像および第2のフレキシブル転写版の第2画像に転写すること、(9)第1のフレキシブル転写版からの第1および第2のインクを第1の金属製容器の外面に転写することであって、第1の金属製容器を第1のインクで装飾するとともに、第2のインクで形成された第1の画像で装飾すること、(10)第2のフレキシブル転写版からの第1および第2のインクを第2の金属製容器の外面に転写することであって、第2の金属製容器を第1のインクで装飾するとともに、第2のインクで形成された第2の画像で装飾すること、を含む。一実施形態では、第1および第2のフレキシブル転写版は、ポリメチレン型飽和鎖を少なくとも部分的に含む化合物、フォトポリマ材料、および可撓性プラスチック材料のうちの1つで構成される。任意選択的に、第1および第2のフレキシブル転写版は、他の材料の中間層を有することなく単体材料層で形成される。一実施形態では、転写版をブランケット胴に装着するために、第1および第2のフレキシブル転写版の裏面部に接着剤転写テープを使用する。
【0059】
一実施形態では、第1の画像の少なくとも一部は、第1の平面よりも低い深さを有し、第1の画像の部分はいずれも、第1の平面より上に突出していない。他の実施形態では、第2の画像の少なくとも一部は、第2の平面よりも低い深さを有し、第2の画像の部分はいずれも、第2の平面より上に突出していない。さらに別の実施形態では、第1と第2の画像のうち一方の少なくとも一部は、第1および第2の平面より上に突出している。
【0060】
任意選択的に、他の実施形態では、第1および第2の印刷版から第1および第2のフレキシブル転写版にインクを転写する際に、第1のフレキシブル転写版の第1の所定部分、および第2のフレキシブル転写版の第2の所定部分は、それぞれ、第1の印刷版のレリーフ領域、および第2の印刷版の第2のインク受容領域と整合させる。さらに別の実施形態では、第1のフレキシブル転写版の第1の画像は、第1および第2の印刷版からのインクを受容しないレリーフ領域で取り囲まれている。これにより、第1の金属製容器に形成される第1の画像は、非インク領域で取り囲まれる。他の実施形態では、第2のフレキシブル転写版の第2の画像は、第2の印刷版からのインクを受容しないレリーフ領域と、第2の印刷版からのインクを受容する凸領域と、を有する。従って、第2の金属製容器に形成される第2の画像は、非インク部分とインク部分とを含む。
【0061】
任意選択的に、第2の印刷版の第2のインク受容領域は、非インク領域で取り囲まれている。さらに、第1の印刷版のレリーフ領域は、任意選択的に、第2の印刷版の第2のインク受容領域の形状と整合させる形状を有し得る。他の実施形態では、第1のフレキシブル転写版の第1の画像および第2のフレキシブル転写版の第2の画像のうち少なくとも一方の深さは、約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)である。さらに別の実施形態では、第1のフレキシブル転写版の第1の画像および第2のフレキシブル転写版の第2の画像のうち少なくとも一方の高さは、フレキシブル転写版のインク受容面で規定される平面より上に約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)である。
【0062】
一実施形態では、第1および第2のフレキシブル転写版は、光触媒による光重合工程を用いて硬化させるエラストマ、トリメチロールプロパントリアクリレート架橋クロロプレン、およびポリアクリレートを添加したスチレン−イソプレンゴムのうちの少なくとも1つで構成される。他の実施形態では、第1および第2のフレキシブル転写版のポリメチレン型飽和鎖は、Mクラスゴムである。他の実施形態では、第1および第2のフレキシブル転写版のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンジエンモノマ化合物である。さらに別の実施形態では、第1および第2のフレキシブル転写版のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンモノマ化合物である。
【0063】
一実施形態では、第1のインクは、第2のインクとは異なる種類または異なる色のインクである。他の実施形態では、第1のインクおよび第2のインクの少なくとも一方は、特殊インクを含む。特殊インクは、サーモクロミックインク、フォトクロミックインク、香り付きサーモクロミックインク、蛍光インク、UVインク、ブラックライトインク、赤外線インク、燐光インク、感圧インク、触感インク、熱触感インク、ロイコ染料、およびマットインク、のうちの1つ以上を含み得る。
【0064】
本発明のさらに別の態様は、略円筒状の容器の外面を装飾するために、印刷プロセスにおいてフレキシブル補助刷版を使用する方法である。この方法は、(1)その上に第1の画像が形成された第1のフレキシブル補助刷版であって、第1の画像の少なくとも一部は、第1のフレキシブル補助刷版の表面部で規定される第1の平面よりも低い深さを有し、第1の画像の部分はいずれも、第1の平面より上に突出していない、第1のフレキシブル補助刷版を準備すること、(2)第1の画像を有する第1のフレキシブル補助刷版を装飾機のブランケット胴に装着すること、(3)装飾機の第1の版胴に相互連結された第1の印刷版からの第1のインクを第1のフレキシブル補助刷版の少なくとも一部分に転写すること、(4)第1の容器に第1の画像を形成するために、第1のフレキシブル補助刷版からの第1のインクを第1の容器の外面に転写すること、を含むが、ただし、これに限定されない。従って、第1の容器の第1の画像は、第1のインクによるものである。一実施形態では、第1のフレキシブル補助刷版に形成された第1の画像は、3次元であり、いくつかの異なる深さを有する所定部分を含む。
【0065】
任意選択的に、他の実施形態では、本方法は、さらに、装飾機の第2の版胴に相互連結された第2の印刷版上の第2の画像からの第2のインクを、第1のフレキシブル補助刷版の少なくとも一部分に転写し、第2の印刷版は、第2のインクを第1の画像には転写しないこと、を含み得る。次に、第1および第2の画像を第1の容器に形成するために、第1のフレキシブル補助刷版からの第1および第2のインクを第1の容器の外面に転写する。従って、第1の容器の第1の画像は、第1のインクによるものであり、第1の容器の第2の画像は、第2のインクによるものである。一実施形態では、第1のフレキシブル補助刷版に形成された第1の画像は、3次元であり、いくつかの異なる深さを有する所定部分を含む。
【0066】
一実施形態では、第1のフレキシブル補助刷版の第1の画像は、第1の印刷版からのインクを受容しない(または、極めて少量のインクしか受容しない)レリーフ領域を含むネガである。他の実施形態では、第1の容器に形成される第1の画像は、非インク領域を含む。
【0067】
他の実施形態では、第1のフレキシブル補助刷版の第1の画像は、第1の印刷版からのインクを受容しないレリーフ領域と、第1の印刷版からのインクを受容する凸領域との組み合わせを含む。他の実施形態では、第1の容器に形成される第1の画像は、非インク領域とインク領域とを含む。
【0068】
任意選択的に、本方法は、さらに、(a)その上に第3の画像が形成された第2のフレキシブル補助刷版を準備すること、(b)第2のフレキシブル補助刷版をブランケット胴に装着すること、(c)第1の印刷版からの第1のインクを第2のフレキシブル補助刷版の少なくとも一部分に転写すること、(d)第2の印刷版の第2の画像からの第2のインクを第2のフレキシブル補助刷版に転写し、第2の印刷版は、第2のインクを第3の画像には転写しないこと、(e)第2および第3の画像を第2の容器に形成するために、第2のフレキシブル補助刷版からの第1および第2のインクを第2の容器の外面に転写すること、を含み得る。従って、第2の容器の第3の画像は、第1のインクで少なくとも部分的に構成されており、第2の容器の第2の画像は、第2のインクで少なくとも部分的に構成されている。
【0069】
一実施形態では、第1および第2のフレキシブル補助刷版は、ポリメチレン型飽和鎖を少なくとも部分的に含む組成物、フォトポリマ材料、および可撓性プラスチック材料のうちの1つで構成される。他の実施形態では、第1および第2のフレキシブル補助刷版は、光触媒による光重合工程を用いて硬化させるエラストマ、トリメチロールプロパントリアクリレート架橋クロロプレン、およびポリアクリレートを添加したスチレン−イソプレンゴムのうちの少なくとも1つで構成される。他の実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、Mクラスゴムである。他の実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンジエンモノマ化合物である。さらに別の実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンモノマ化合物である。さらに、第1および第2のフレキシブル補助刷版は、均質材料層で形成してよい。他の実施形態では、第1および第2のフレキシブル補助刷版の内側部分は、繊維または布を有していない。
【0070】
一実施形態では、第1のインクは、第2のインクとは異なる種類または異なる色のインクである。他の実施形態では、第1のインクおよび第2のインクの少なくとも一方は、特殊インクを含む。特殊インクは、サーモクロミックインク、フォトクロミックインク、香り付きサーモクロミックインク、蛍光インク、UVインク、ブラックライトインク、赤外線インク、燐光インク、感圧インク、触感インク、熱触感インク、ロイコ染料、およびマットインク、のうちの1つ以上を含み得る。
【0071】
本発明の他の態様は、連続的装飾プロセスにおいて複数の円筒状金属製容器の外面を装飾する方法である。この方法は、(1)複数のフレキシブル補助刷版を装飾機のブランケット胴に装着すること、(2)複数のフレキシブル補助刷版の各々の所定部分と整合させる第1のインク受容領域を有する第1の印刷版を、装飾機の第1の版胴に装着すること、(3)複数のフレキシブル補助刷版の各々の所定部分と整合させるレリーフ領域を有するとともに第2のインク受容領域を有する第2の印刷版を、装飾機の第2の版胴に装着すること、(4)第1の印刷版の第1のインク受容領域に第1のインクを塗布すること、(5)第2の印刷版の第2のインク受容領域に第2のインクを塗布すること、(6)第1および第2の印刷版からの第1のインクおよび第2のインクの少なくとも一部を複数のフレキシブル補助刷版の各々の少なくとも一部分に転写すること、(7)複数のフレキシブル補助刷版からの第1のインクおよび第2のインクを複数の円筒状金属製容器の各々の外面に転写し、複数の円筒状金属製容器の各々を第1のインクおよび第2のインクで装飾すること、を含む。
【0072】
任意選択的な一実施形態では、フレキシブル補助刷版のそれぞれは、異なる画像が、それら複数のフレキシブル補助刷版の各々の所定部分の少なくとも一部の範囲内に形成されている。一実施形態では、それらのフレキシブル補助刷版に形成された異なる画像のそれぞれの少なくとも一部は、各々のフレキシブル補助刷版の表面部で規定される平面よりも低い深さを有する。他の実施形態では、それらのフレキシブル補助刷版に形成された各々の異なる画像の部分はいずれも、各々のフレキシブル補助刷版の表面部の平面より上に突出していない。
【0073】
一実施形態では、第2の印刷版は、第2のインクによる画像を、複数のフレキシブル補助刷版の各々に転写する。次に、その画像を、それらのフレキシブル補助刷版から複数の円筒状金属製容器の各々に転写する。このようにして、第2の印刷版からの第2のインクの画像、およびフレキシブル補助刷版の第1のインクの異なる画像のうちの1つで、複数の円筒状金属製容器の各々を装飾する。
【0074】
一実施形態では、フレキシブル補助刷版は、均質層で構成される。均質層は、ポリメチレン型飽和鎖を少なくとも部分的に含む組成物、フォトポリマ材料、および可撓性プラスチック材料のうちの1つであり得る。一実施形態では、フレキシブル補助刷版の少なくとも1つは、光触媒による光重合工程を用いて硬化させるエラストマ、トリメチロールプロパントリアクリレート架橋クロロプレン、およびポリアクリレートを添加したスチレン−イソプレンゴムのうちの少なくとも1つで構成される。他の実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、Mクラスゴムである。他の実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンジエンモノマ化合物である。さらに別の実施形態では、ポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンモノマ化合物である。さらに別の実施形態では、フレキシブル補助刷版は、繊維を有していない。
【0075】
他の実施形態では、第1のインクローラーで、第1のインクを第1の印刷版に塗布し、第2のインクローラーで、第2のインクを第2の印刷版に塗布する。一実施形態では、第1のインクは、第2のインクとは異なる種類または異なる色のインクである。他の実施形態では、第1のインクおよび第2のインクの少なくとも一方は、特殊インクを含む。特殊インクは、サーモクロミックインク、フォトクロミックインク、香り付きサーモクロミックインク、蛍光インク、UVインク、ブラックライトインク、赤外線インク、燐光インク、感圧インク、触感インク、熱触感インク、ロイコ染料、およびマットインク、のうちの1つ以上を含み得る。
【0076】
さらに別の実施形態では、装飾機は、追加の版胴に装着される追加の印刷版を備える。一実施形態では、追加の版胴は、4〜18個の版胴を含む。4〜18個の版胴の各々は、ブランケット胴に装着された複数のフレキシブル補助刷版に追加の色または追加の種類のインクを塗布するように機能する。
【0077】
本発明の一態様は、複数の金属製容器の外面を異なる画像で装飾するための装飾機である。この装飾機は、(1)第1のインク受容領域を有する第1の印刷版を含む第1の版胴と、(2)第1の版胴に対して所定位置に配置された第1のインクローラーであって、第1の印刷版の第1のインク受容領域に第1のインクを塗布するための第1のインクローラーと、(3)第2のインク受容領域を有する第2の印刷版を含む第2の版胴と、(4)第2の版胴に対して所定位置に配置された第2のインクローラーであって、第2の印刷版の第2のインク受容領域に第2のインクを塗布するための第2のインクローラーと、(5)ポリメチレン型飽和鎖を含む化合物で少なくとも部分的に構成された第1のフレキシブル転写版を有するブランケット胴であって、第1の印刷版からの第1のインクを第1のフレキシブル転写版が受容するとともに、第2の印刷版からの第2のインクを第1のフレキシブル転写版が受容するように、第1および第2の版胴に対して所定位置で位置合わせたブランケット胴と、(6)ブランケット胴に対して所定位置で位置合わせた支持胴であって、金属製容器を受容するとともにブランケット胴の第1の転写版に対して所定位置で金属製容器を保持するための複数のステーションを有し、第1のフレキシブル転写版からの第1および第2のインクを金属製容器に転写するために金属製容器を第1のフレキシブル転写版に接触させるように動かすように機能する支持胴と、を備えるが、ただし、これに限定されない。一実施形態では、第1のフレキシブル転写版は、均質材である。他の実施形態では、第1のフレキシブル転写版は、布層を有していない。さらに別の実施形態では、第1のフレキシブル転写版は、繊維を有していない。
【0078】
一実施形態では、第1のフレキシブル転写版は、さらに、第1の平面を規定する表面部を有する。表面部の第1の所定部分に第1の画像を形成する。第1の画像の少なくとも一部は、第1の平面よりも低い深さを有する。一実施形態では、第1の画像の部分はいずれも、第1の平面より上に突出していない。任意選択的に、他の実施形態では、第1のフレキシブル転写版は、単一材料層で形成される。
【0079】
他の実施形態では、ブランケット胴は、さらに、ポリメチレン型飽和鎖を含む化合物で少なくとも部分的に構成された第2のフレキシブル転写版を有する。一実施形態では、第2のフレキシブル転写版は、さらに、第2の平面を規定する表面部を有する。任意選択的に、表面部の第2の所定部分に第2の画像を形成する。任意選択的な第2の画像の少なくとも一部は、第2の平面よりも低い深さを有する。一実施形態では、第2の画像の部分はいずれも、第2の平面より上に突出していない。一実施形態では、第1のフレキシブル転写版の第1の画像および第2のフレキシブル転写版の第2の画像のそれぞれは、第1および第2の平面より下に約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)の深さを有する。あるいは、第1のフレキシブル転写版の第1の画像および第2のフレキシブル転写版の第2の画像のうちの少なくとも一方は、第1および第2の平面より上に約0.0009インチ(0.02286mm)〜約0.089インチ(2.2606mm)の高さを有し得る。
【0080】
他の実施形態では、第1の印刷版は、さらに、第1のインクローラーからの第1のインクを受容しないレリーフ領域を有する。レリーフ領域は、第1のフレキシブル転写版の第1の画像および第2のフレキシブル転写版の第2の画像と整合させる。さらに、第2の印刷版の第2のインク受容領域も、第1および第2のフレキシブル転写版の第1および第2の画像と整合させる。任意選択的に、第2の印刷版の第2のインク受容領域は、非インク領域で取り囲まれてよい。一実施形態では、第1のフレキシブル転写版の第1の所定部分、および第2のフレキシブル転写版の第2の所定部分は、それぞれ、第1の印刷版のレリーフ領域、および第2の印刷版の第2のインク受容領域と整合させる。これにより、第1および第2の印刷版から第1および第2のフレキシブル転写版にインクを転写する際に、第1のインクは、第1および第2のフレキシブル転写版に形成された第1および第2の画像には転写されない。
【0081】
一実施形態では、第1および第2の転写版をブランケット胴に装着するために、第1および第2のフレキシブル転写版の裏面部に接着剤転写テープを使用する。
他の実施形態では、第1のフレキシブル転写版の第1の画像は、第1および第2の印刷版からのインクを受容しないレリーフ領域で取り囲まれている。従って、金属製容器に形成される第1の画像は、非インク領域で取り囲まれる。
【0082】
任意選択的に、他の実施形態では、第2のフレキシブル転写版の第2の画像は、第2の印刷版からの第2のインクを受容しないレリーフ領域と、第2の印刷版からの第2のインクを受容する凸領域と、を有する。従って、金属製容器に形成される第2の画像は、非インク部分とインク部分とを含む。
【0083】
一実施形態では、第1および第2のフレキシブル転写版の少なくとも一方のポリメチレン型飽和鎖は、Mクラスゴムである。他の実施形態では、第1および第2のフレキシブル転写版の少なくとも一方のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンジエンモノマ化合物である。さらに別の実施形態では、第1および第2のフレキシブル転写版の少なくとも一方のポリメチレン型飽和鎖は、エチレンプロピレンモノマ化合物である。
【0084】
一実施形態では、第1のインクは、第2のインクとは異なる種類または異なる色のインクである。他の実施形態では、第1のインクおよび第2のインクの少なくとも一方は、特殊インクを含む。特殊インクは、サーモクロミックインク、フォトクロミックインク、香り付きサーモクロミックインク、蛍光インク、UVインク、ブラックライトインク、赤外線インク、燐光インク、感圧インク、触感インク、熱触感インク、ロイコ染料、およびマットインク、のうちの1つ以上を含み得る。
【0085】
発明の概要は、本発明の完全な全範囲を表すものではなく、また、そのようなものと解釈されるべきでもない。さらに、本明細書における「本発明」またはその態様という表現は、本発明の何らかの実施形態を意味するものと理解されるべきであり、必ずしもすべての実施形態を特定の記載に限定するものと解釈されるべきではない。発明の概要ならびに添付の図面および発明の詳細な説明において、本発明について様々な詳細度で記載しており、発明の本概要において、要素、コンポーネントなどを含むこと、または含まないことのいずれによっても、本発明の範囲は限定されるものではない。本発明のさらなる態様は、特に図面を併用することで、詳細な説明から、より容易に明らかとなるであろう。
【0086】
これらおよび他の効果は、本明細書に記載の発明の開示から明らかになるであろう。上記の実施形態、目的、および構成は、完全なものでも網羅的なものでもない。理解されるように、上記または下記の特徴の1つ以上を、単独または組み合わせで用いて、本発明の他の実施形態が可能である。なお、発明の概要は、本発明の完全な全範囲を表すものではなく、また、そのようなものと解釈されるべきでもない。発明の概要ならびに添付の図面および発明の詳細な説明において、本発明について様々な詳細度で記載しており、発明の本概要において、要素、コンポーネントなどを含むこと、または含まないことのいずれにも、本発明の範囲は限定されるものではない。本発明のさらなる態様は、特に図面を併用することで、詳細な説明から、より容易に明らかとなるであろう。
【0087】
本明細書では、概して、「金属缶」、「金属製容器」、および/または「円筒状金属製容器」と表現しているものの、本プロセスは、金属製であるか他の材料で構成されているかに関わらず、略円筒状表面および(平坦な被印刷体を含む)非円筒状表面を含む、任意の種類もしくは形状の容器または他の製造品を装飾するために用いてよいことは理解されなければならない。
【0088】
本明細書で使用する場合の「特殊インク」という表現は、1つ以上の色または種類のサーモクロミックインク、フォトクロミックインク、香り付きサーモクロミックインク、蛍光インク、UVインク、ブラックライトインク、赤外線インク、燐光インク、感圧インク、触感インク、熱触感インク、ロイコ染料、マットインク、ならびに、温度変化または露光または圧力を受けると外見、色、相、および/またはテクスチャが変化する他の任意の種類のインク、染料、またはニス、を含み得るが、ただし、これらに限定されない。
【0089】
本明細書で使用する場合の「サーモクロミックインク」は、第1の所定の色の任意のインクであって、温度変化に応じて第2および/または第3の所定の色への可逆変化または不可逆変化を起こす可能性のあるインクを含み得るが、ただし、これに限定されない。
【0090】
本出願で使用する場合の「フォトクロミックインク」は、第1の所定の色の任意のインクであって、様々な波長の光による露光を受けて第2および/または第3の所定の色への可逆変化または不可逆変化を起こす可能性のあるインクを含み得るが、ただし、これに限定されない。
【0091】
「香り付きサーモクロミックインク」は、単なる例として、温度変化に応じて所定の香りを発する任意の色の任意のインクを含むが、ただし、これに限定されない。
本出願で使用する場合の「蛍光インク」は、様々な波長の紫外線エネルギー(光)を吸収し、それに応じて、可視スペクトルのより長波長を伝送して、所定の色で光(または「グロー(glow)」)を発する任意のインクを含み得るが、ただし、これに限定されない。蛍光インクは、ブラックライトの下で蛍光を発するとともに、「昼光グロー(day glow)」を提供する。
【0092】
本明細書で使用する場合の「燐光インク」は、様々な波長の光を吸収し、それに応じて、所定の色の光を発する任意のインクを含むが、ただし、これに限定されない。燐光インクは、蛍光インクと同様にして発光するが、ただし、燐光インクは、光源によって一度励起されれば、光源が取り除かれても光または「グロー」の発光を継続する。また、燐光インクは、「グローインザダーク(glow in the dark ink)」として知られている場合もある。
【0093】
本明細書で使用する場合の「ブラックライトインク」は、紫外線エネルギーを吸収し、それに応じて可視光を発する蛍光体を含む任意のインクを含むが、ただし、これに限定されない。
【0094】
本出願で使用する場合の「感圧インク」は、第1の所定の色の任意のインクであって、所定量の圧力を受けて第2および/または第3の所定の色に変化する可能性のあるインクを含み得るが、ただし、これに限定されない。感圧インクは、様々に異なる色のインクが入ったカプセルを含み得る。感圧インクに所定量の圧力が付与されると、それらのカプセルが破裂し、カプセルから放たれる様々に異なる色が混合して、感圧インクの色が変化する。
【0095】
本出願で使用する場合の「マットインク」は、被印刷体に塗布されたときに、より多くの光を平行光線として反射する艶消しではない他のインク(または「光沢」インク)よりも、多くの光線を散乱させる仕上がりを有する(または「光沢」がより少ない)任意の所定の色の任意のインクを含み得るが、ただし、これに限定されない。
【0096】
本明細書における「平版印刷」またはその態様という表現は、必ずしも、特定の方法または方式の印刷に本発明を限定するものと解釈されるべきではない。オフセット印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、およびインクジェット印刷など、他の印刷プロセスで本発明を用いてよいことは、当業者であれば理解できるであろう。
【0097】
本明細書で使用する場合のフレキシブル補助刷版は、フォトポリマ材料、ポリメチレン型飽和鎖を少なくとも部分的に含む組成物、様々な形態の可撓性プラスチック材料、または類似の物理的性質を有する他の任意の関連材料で構成されてよい。フレキシブル補助刷版は、任意のサイズまたは形状であってよく、ブランケット胴の周囲にフィットするように構成された円形またはスリーブであってよい。
【0098】
「フォトポリマ刷版」、「フレキシブル・フォトポリマ刷版」、「フレキシブル・フォトポリマ材」、および「フレキシブル・フォトポリマブランケット」という表現は、区別なく使用されることがあり、概して、フォトポリマ材料を含む刷版またはブランケットを意味し得る。従って、フレキシブル・フォトポリマ刷版は、デジタル刷版、従来のアナログ刷版、またはフォトポリマでコーティングされた胴であるフォトポリマ印刷版であり得る。
【0099】
本明細書で使用する場合の「a」または「an」エンティティという表現は、そのエンティティの1つ以上を指す。従って、本明細書では、「a」(または「an」)、「1つ以上」、「少なくとも1つ」は、区別なく使用することができる。
【0100】
本明細書において、「含んでいる(including)」、「備えている(comprising)」、または「有している(having)」、およびその変化形を使用することは、その後に列挙されたアイテムおよびその均等物、ならびに追加のアイテムを包含することを意味する。従って、本明細書では、「含んでいる(including)」、「備えている(comprising)」、または「有している(having)」という用語、およびその変化形は、区別なく使用することができる。
【0101】
本明細書で使用する場合の「手段」という用語は、米国特許法(35 U.S.C.)第112条(f)項に従って、可能な最も広い解釈を与えられるものと理解される。従って、「手段」という用語を組み込んでいる請求項は、本明細書に記載のあらゆる構造、材料、または動作、およびその均等物のすべてを網羅するものとする。さらに、それらの構造、材料、または動作、およびその均等物は、発明の概要、図面の簡単な説明、詳細な説明、要約、および請求項自体に記載されているものをすべて含むものとする。
【0102】
本明細書に組み込まれてその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を例示するものであり、上記の発明の概要および下記の図面の詳細な説明と共に、それらの実施形態の原理を説明するためのものである。場合によっては、本開示の理解に必要ではない詳細、またはその他の詳細の理解を難しくする詳細は、省略していることがある。当然のことながら、本発明は必ずしも本明細書で例示する具体的な実施形態に限定されないことは理解されなければならない。また、図面は必ずしも縮尺通りではないということも理解されるべきである。