(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記軸方向における前記取付部の幅は、前記第1端部と前記第1コネクタの前記先端とが接し、かつ前記雄ねじと前記雌ねじを係合が維持される範囲内で最大限緩めた状態における前記第2部分と前記ロック部材の間の距離よりも大きい、請求項5に記載のセンサシステム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、血液浄化治療(より具体的には血液透析治療)を受ける患者の穿刺部位と針アセンブリの接続に関する異常を検知するためのセンサおよびセンサユニットを開示する。ただし、本実施形態にて開示する構成は、穿刺を伴う他種の治療における異常の検知に適用することもできる。
【0013】
図1は、本実施形態に係るセンサシステム(血液浄化システム)の概略的な構成を示す図である。この図の例においては、患者の腕に動脈側針アセンブリ1Aと静脈側針アセンブリ1Bとが穿刺されている。動脈側針アセンブリ1Aは、動脈側チューブ2A(動脈側血液回路)を介してダイアライザ3に接続されている。動脈側チューブ2Aには、例えばしごき型のチューブポンプPが設けられている。静脈側針アセンブリ1Bは、静脈側チューブ2B(静脈側血液回路)を介してドリップチャンバ4(エアトラップチャンバ)に接続されている。
【0014】
チューブポンプPを動作させると、患者の血液が動脈側針アセンブリ1Aおよび動脈側チューブ2Aを通ってダイアライザ3に供給される。ダイアライザ3にて浄化された血液は、ドリップチャンバ4にて気泡が除去された後、静脈側チューブ2Bおよび静脈側針アセンブリ1Bを介して患者に戻される。
【0015】
ダイアライザ3は、透析液の供給ライン5Aと、透析液の排出ライン5Bとを介して透析装置本体6に接続されている。例えば、ダイアライザ3の内部には、血液浄化膜を介して血液流路と透析液流路が形成されている。血液浄化膜は、例えば中空糸を含む。この中空糸には、外周面から内周面に貫通する微小孔が多数形成されており、血液中の不純物等が透析液内に透過し得るよう構成されている。その他にも、ダイアライザ3および透析装置本体6には、種々の周知技術を適用し得る。
【0016】
図1の例においては、静脈側針アセンブリ1Bに、患者の穿刺部位と静脈側針アセンブリ1Bとの接続に関する異常を検知するためのセンサ7が取り付けられている。センサ7は、ケーブル8を介して警報装置9と通信接続されている。センサ7と警報装置9は、無線により通信接続されてもよい。本実施形態において、センサ7および警報装置9は、センサシステムを構成する。センサシステムは、例えば静脈側針アセンブリ1Bなど
図1に示した他の要素を含むものとして定義されてもよい。
【0017】
図2は、本実施形態に係るセンサ7を上方から見た斜視図である。
図3は、本実施形態に係るセンサ7を下方から見た斜視図である。これらの図に示すように、センサ7は、センサ本体10と、センサ7を静脈側針アセンブリ1Bに取り付けるための取付部20とを備えている。
【0018】
センサ本体10は、取付部20により静脈側針アセンブリ1Bに取り付けられた状態で患者の皮膚に対向する第1面F1(
図3参照)と、第1面F1の反対側の第2面F2(
図2参照)と、取付部20が設けられた側面SF(
図3参照)とを有している。
図2および
図3の例において、第1面F1および第2面F2は平面であるが、曲面であってもよい。センサ本体10は、例えば直方体であるが、他の形状であってもよい。
【0019】
センサ本体10は、第1面F1に設けられた可動部材11と、第2面F2に設けられたランプ12と、一対の接続ポート13,14とをさらに備えている。可動部材11は、センサ本体10内部に配置された弾性体により付勢され、モーメンタリ動作するように構成されている。すなわち、可動部材11は、外力を受けていない自由状態においては第1面F1から突出し、患者の皮膚等に押される外力を受けて第1面F1からの突出長さが減少する方向へ移動し、外力が無くなると自由状態の位置に復帰する。可動部材11は、患者の皮膚への負担を低減すべく、弾力のある材料で形成されるか、あるいは柔らかい樹脂層で覆われることが好ましい。ランプ12としては、単一色(例えば緑色)で発光するLEDを用いることができる。ランプ12は、多色で発光可能であってもよい。
【0020】
接続ポート13,14は、取付部20が設けられる側面SFとは異なる一対の側面にそれぞれ配置されている。接続ポート13,14には、ケーブル8の端子を接続可能である。一対の接続ポート13,14を設けることで、ケーブル8を接続しやすい方向から無理なく差し込むことができる。これにより、特に長時間にわたる治療においてもケーブル8とセンサ本体10との接続不良が生じにくく、かつケーブル8に起因した静脈側針アセンブリ1Bへの負荷や患者への負担を抑制できる。
【0021】
センサ本体10は、可動部材11の位置に応じて異常を検知可能な検知回路15を内部に備えている。本実施形態において、検知回路15は、例えば可動部材11が自由状態にあるときにオフとなり、可動部材11が動作位置(例えば自由状態の位置から2mm)まで押し込まれたときにオンとなるa接点タイプの構成を有している。反対に、検知回路15は、可動部材11が自由状態の位置にあるときにオンとなり、可動部材11が動作位置まで押し込まれたときにオフとなるb接点タイプの構成を有してもよい。また、検知回路15は、c接点タイプなどの他種の構成を有してもよい。検知回路15の検知結果(電圧、信号)は、ケーブル8を介して出力される。
【0022】
図2に示すように、取付部20は、第2面F2側の第3面F3を有している。第3面F3は、第2面F2と連続面を構成することが好ましい。ここで、連続面とは、第2面F2と第3面F3の境界に段差が無いことを意味する。
図3に示すように、取付部20は、第1面F1側が開口したU字形状の凹部21を有している。凹部21に静脈側針アセンブリ1Bの一部を嵌めることにより、センサ7を当該針アセンブリに取り付けることができる。凹部21の開口側においては、患者の皮膚と第1面F1の間に隙間ができることを抑制すべく、取付部20が第1面F1から突出しないことが好ましい。
【0023】
図3の例において、取付部20は、センサ本体10に対して固定されたベース22と、ベース22によりスライド可能に支持された挟持部材23とを備えている。挟持部材23は、静脈側針アセンブリ1Bに取り付けられていない状態においては、センサ本体10から遠い側の凹部21の内面から少なくとも一部が突出している。静脈側針アセンブリ1Bに取り付けられた状態においては、挟持部材23の全体が凹部21の内面まで後退し、センサ本体10の方向に向けて弾性体により付勢される。これにより、凹部21において静脈側針アセンブリ1Bを挟持でき、センサ7が当該針アセンブリ1Bから外れにくくなる。
【0024】
静脈側針アセンブリ1Bは、フレキシブルなカテーテル31(外針)と、ハブ32と、クランピングチューブ33と、第1コネクタ40と、第2コネクタ50とを備えている。カテーテル31は、ハブ32に接続されている。クランピングチューブ33は、ハブ32と第1コネクタ40とを接続している。第2コネクタ50は、上述の静脈側チューブ2Bに接続されている。第1コネクタ40と第2コネクタ50は、互いに接続可能である。第2コネクタ50は、ロック部材60(ルアーキャップ)を備えている。ロック部材60は、接続されたコネクタ40,50が外れないように、これらコネクタ40,50の軸方向への相対移動を規制する。
【0025】
静脈側針アセンブリ1Bを患者の穿刺部位に穿刺する際には、カテーテル31の内部に挿通可能な金属製の内針を使用する。取付部20は、例えば第2コネクタ50に接続される。ただし、静脈側針アセンブリ1Bの構成や、取付部20を取り付ける位置は、
図2および
図3の例に限定されない。
【0026】
図4は、静脈側針アセンブリ1Bの概略的な断面図である。第1コネクタ40は、円筒形状であり、先端に雄ねじ41を有している。ロック部材60は、中空形状であり、内面に雄ねじ41と螺合可能な雌ねじ61を有している。第2コネクタ50は、第1部分51と、第2部分52と、第3部分53とを有している。これらの部分51〜53は、いずれも円筒形状である。
【0027】
第1部分51は、軸方向において第1端部51aおよび第2端部51bを有している。第2部分52は、第2端部51bに接続され、第1部分51よりも大きい外径を有している。第2部分52には、静脈側チューブ2Bが接続される。第3部分53は、第1端部51aに接続され、第1部分51よりも小さい外径を有している。第1部分51は、ロック部材60に通されている。第1端部51aには、突起54が設けられている。ロック部材60の内面の一部が突起54に当接することにより、ロック部材60が抜け止めされる。
【0028】
第1コネクタ40と第2コネクタ50は、第3部分53を第1コネクタ40内に挿入することにより接続される。さらに、ロック部材60を回転させて雌ねじ61に雄ねじ41をねじ込むことにより、第1コネクタ40と第2コネクタ50の軸方向(図中の左右方向)への相対移動が規制される。
【0029】
上述の取付部20は、第1部分51の外周面に取り付けられる。取付部20が第1部分51に取り付けられた状態においては、少なくとも雌ねじ61が第1端部51aから第1部分51の軸方向に突出する範囲内(雌ねじ61と雄ねじ41が係合可能な範囲内)に、ロック部材60の可動域が規制される。
【0030】
より具体的には、上記軸方向における取付部20の幅Wは、図中の距離L1より小さく、かつ距離L2よりも大きい。ここで、距離L1は、ロック部材60の内面が突起54に接し、かつ第1端部51aと第1コネクタ40の先端とが接するまで雄ねじ41を雌ねじ61にねじ込んだ状態における、第2部分52とロック部材60の間の距離に相当する。また、距離L2は、第1端部51aと第1コネクタ40の先端とが接し、かつ雄ねじ41と雌ねじ61を係合が維持される範囲内で最大限緩めた状態における、第2部分52とロック部材60の間の距離に相当する。このような構成においては、取付部20を第1部分51に取り付けることで、ロック部材60を回しても第1コネクタ40と第2コネクタ50の接続を解除できなくなる。
【0031】
図5は、センサ7の使用状態の一例を示す概略的な斜視図である。治療時には、先ず静脈側針アセンブリ1Bが患者の腕に穿刺される。その後に、取付部20を静脈側針アセンブリ1Bの上方から上述の第1部分51に嵌めることにより、センサ7が取り付けられる。
図3に示したように、可動部材11が取付部20の凹部21と同じ側に配置されているので、センサ7の取り付けとともに可動部材11が患者の皮膚により押される。
【0032】
センサ7が取り付けられた後、例えば透明または半透明のテープTPにより、センサ7を患者の腕に固定する。上述のようにセンサ本体10の第2面F2と取付部20の第3面F3とが連続面であると、テープTPが第2面F2および第3面F3の双方に密着し、センサ7を良好に固定することができる。また、上述のように取付部20が第1面F1から突出しなければ、取付部20によってセンサ本体10と皮膚との間に隙間ができにくく、可動部材11を良好に押し込むことができる。
【0033】
図6は、本実施形態における警報装置9の概略的な正面図である。警報装置9は、電源ボタン91と、消音ボタン92と、電源ランプ93と、電池交換ランプ94と、抜針ランプ95と、断線ランプ96と、警報ランプ97と、接続ポート98と、スピーカ99と、センサシステムの動作を制御するコントローラ100とを備えている。接続ポート98には、ケーブル8が接続される。
【0034】
電源ボタン91は、警報装置9の電源をオン・オフするためのボタンである。警報装置9の電源は、例えばバッテリ(電池)から供給される。センサ7には、ケーブル8を介して警報装置9から電源が供給される。消音ボタン92は、スピーカ99が発するアラーム音を止めるためのボタンである。各ランプ93〜97としては、単一色で発光するLEDを用いることができるが、多色で発光可能な構成であってもよい。一例として、ランプ93,94は緑色で発光し、ランプ95〜97は赤色で発光する。
【0035】
警報装置9は、取付具Rをさらに備えてもよい。
図6の例において、取付具Rは、警報装置9の上面(接続ポート98の反対側の面)に設けられたリングである。このリングを例えば透析装置本体6などに設けられたフックに通すことにより、警報装置9を操作しやすくかつ見えやすい位置に掛けることができる。
【0036】
図7は、本実施形態におけるセンサシステムの動作の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、当該フローチャートに示す動作を例えばコントローラ100が実行する。
【0037】
電源ボタン91が押されると、電源ランプ93が点灯するとともに、警報装置9が準備モード(第1モード)に移行する(ステップS1)。このとき、バッテリの残量が少ない場合、電池交換ランプ94も点灯する。準備モードは、
図5に示した状態に静脈側針アセンブリ1Bとセンサ7を配置するための準備期間を提供する。
【0038】
準備モードにおいては、静脈側針アセンブリ1Bと患者の穿刺部位との接続に関する異常(抜針異常)と、ケーブル8の接続に関する異常(断線異常)とが監視される(ステップS2)。例えばケーブル8と警報装置9の接続ポート98とが正常に接続されていない場合や、ケーブル8とセンサ7の接続ポート13,14の一方とが正常に接続されていない場合に、断線異常が検知される。
【0039】
また、コントローラ100は、ケーブル8を介してセンサ7から入力される電圧に基づいて、抜針異常を検知することができる。例えば、可動部材11が自由状態の位置にあるか、あるいはこの位置と動作位置の間にある場合、センサ7から警報装置9に入力される電圧は第1レベルとなる。一方。可動部材11が動作位置よりも押し込まれている場合、センサ7から警報装置9に入力される電圧は第2レベルとなる。コントローラ100は、第2レベルの電圧が所定期間(例えば100mm秒)以上継続して入力された場合に、抜針異常を検知する。
【0040】
ステップS2にて異常が検知されていない場合(ステップS2のNO)、抜針ランプ95および断線ランプ96が消灯する(ステップS3)。一方で異常が検知された場合(ステップS2のYES)、検知された異常が抜針異常なら抜針ランプ95が点灯し、検知された異常が断線異常なら断線ランプ96が点灯する。
【0041】
なお、センサ7のランプ12は、抜針異常が検知されていない間は連続点灯し、抜針異常が検知されている間は点滅する。ランプ12の点灯は、センサ7内の回路により制御されてもよいし、コントローラ100により制御されてもよい。準備モードにおいては、警報ランプ97は点灯しない。
【0042】
準備モードにおいては、準備終了操作(例えば消音ボタン92の操作)が受け付けられるとともに(ステップS5)、準備モード開始からの経過時間が予め定められた設定時間(例えば30秒)に達したかが監視される(ステップS6)。準備終了操作がなされておらず(ステップS5のNO)、かつ経過時間が設定時間に達していない場合(ステップS6のNO)、ステップS2の処理から再度実行される。
【0043】
一方、準備終了操作がなされた場合(ステップS5のYES)、あるいは経過時間が設定時間に達した場合(ステップS6のYES)、警報装置9が監視モード(第2モード)に移行する(ステップS7)。監視モードは、透析装置本体6やチューブポンプPを駆動して、透析を実行するための監視期間を提供する。
【0044】
監視モードにおいては、ステップS2と同じく抜針異常と断線異常が監視される(ステップS8)。いずれの異常も検知されない場合(ステップS8のNO)、抜針ランプ95、断線ランプ96および警報ランプ97が消灯する(ステップS9)。このとき、センサ7のランプ12は連続点灯する。
【0045】
一方で異常が検知された場合(ステップS8のYES)、検知された異常が抜針異常なら警報ランプ97と抜針ランプ95が点灯し、検知された異常が断線異常なら警報ランプ97と断線ランプ96が点灯する(ステップS10)。このとき、抜針異常の場合にはセンサ7のランプ12が点滅する。
【0046】
さらに、監視モードにおいて異常が検知された場合には、スピーカ99がアラーム音を発する(ステップS11)。そして、アラームの解除操作(例えば消音ボタン92の操作)が受け付けられる(ステップS12)。抜針ランプ95または断線ランプ96と警報ランプ97の点灯、および、アラーム音の出力は、解除操作が行われるまで継続される(ステップS12のNO)。解除操作がなされると(ステップS12のYES)、アラーム音の出力が停止される(ステップS13)。このとき、警報ランプ97も消灯される。また、異常が解消しているならば、後のステップS9にて抜針ランプ95および断線ランプ96が消灯し、センサ7のランプ12も連続点灯する。
【0047】
監視モードにおいては、当該モードの終了操作(例えば電源ボタン91の操作)が受け付けられている(ステップS14)。終了操作がなされていない場合(ステップS14のNO)、ステップS8の処理から再度実行される。終了操作がなされると(ステップS14のYES)、当該フローチャートに示す動作が終了する。
【0048】
なお、抜針ランプ95およびセンサ7のランプ12の少なくとも一方は、センサ7により検知される異常を視覚的に報知する表示手段を構成する。表示手段は、ランプ以外の装置、例えばメッセージ等の画像を表示可能なディスプレイを含んでもよい。表示手段を構成するランプやディスプレイは、透析装置本体6や携帯端末(スマートフォン等)が備えるものを利用してもよい。また、スピーカ99は、センサ7により検知される異常を聴覚的に報知する音声出力手段を構成する。音声出力手段についても、透析装置本体6や携帯端末が備えるスピーカを利用してもよい。
【0049】
以上の本実施形態におけるセンサ7は、取付部20により静脈側針アセンブリ1Bに取り付けることができ、可動部材11が患者の皮膚により押し込まれているかどうかで異常を検知する。このような構成であれば、静脈側針アセンブリ1Bが穿刺部位から抜けた場合だけでなく、穿刺部位に対する固定が弱くて皮膚から少なくとも一時的に離れた場合などにも異常を検知できる。したがって、抜針を未然に防ぐ効果が期待できる。仮に、抜針を上述の水分センサ等にて検知する場合、抜針を検知した際には既に血液が漏れていることになる。この場合、周囲が血液にて汚染されてしまう。これに対し、本実施形態の構成であれば、血液が漏れる前に血液回路の脱落や設置異常を検知でき、血液による汚染も生じにくい。
【0050】
また、取付部20は、センサ本体10の側方に設けられ、第1面F1側が開口した形状の凹部21に静脈側針アセンブリ1Bを嵌めることで当該針アセンブリに取り付けられる。このような構成であれば、例えば
図5に示すように静脈側針アセンブリ1Bを患者の穿刺部位に取り付けた後、当該針アセンブリを動かさなくてもその上方からセンサ7を取り付けることができる。静脈側針アセンブリ1Bと患者の皮膚の間にはセンサ7が入り込まないので、当該針アセンブリの患者の皮膚に対する角度を小さくでき、結果として当該針アセンブリを強固に固定できるとともに患者への負担を抑制できる。
【0051】
また、
図4に示した幅Wと距離L1,L2との関係が成立すれば、センサ7を第2コネクタ50の第1部分51に取り付けるだけで、第1コネクタ40と第2コネクタ50の離脱を抑制することができる。
【0052】
また、センサシステムの動作時には、先ず準備モードが実行され、その後に監視モードに移行する。監視モードにおいてセンサ7により異常が検知されるとアラームが鳴るので、医療関係者は当該異常を確実に知ることができる。一方で、準備モードにおいてはセンサ7により異常が検知されてもアラームが鳴らず、抜針ランプ95とセンサ7のランプ12の表示により医療関係者が当該異常を知ることができる。医療関係者は、これらランプの点灯が正常になるようにセンサ7や静脈側針アセンブリ1Bの姿勢を調整すればよい。
【0053】
しかも、センサシステムは、予め定められた設定時間が経過すると、自動的に準備モードから監視モードに移行する。これにより、監視モードへ移行するための操作負担が減るし、監視モードへの移行を忘れて異常が検知できない事態も生じない。
【0054】
以上の他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。また、本実施形態は、本発明の範囲を当該実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、本実施形態に開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
【0055】
例えば、本実施形態においては静脈側針アセンブリ1Bにセンサ7を取り付ける場合を例示したが、動脈側針アセンブリ1Aにセンサ7を取り付けてもよい。この場合において、動脈側針アセンブリ1Aに対し、本実施形態にて開示した静脈側針アセンブリ1Bと同様の構造を適用してもよい。
【0056】
また、本実施形態において警報装置9のコントローラ100が実行するとした処理の全てあるいは一部を、透析装置本体6や医療関係者が所持する携帯端末などに実行させてもよい。この場合においては、透析装置本体6や携帯端末が警報装置として機能する。例えば透析装置本体6や携帯端末などに処理を実行させる場合は、透析装置本体6とセンサ7を有線で通信接続してもよいし、無線で通信接続してもよい。
【解決手段】センサ7は、センサ本体10と、センサ本体を針アセンブリ1Bに取り付ける取付部20とを備えている。センサ本体は、取付部により針アセンブリに取り付けられた状態で患者の皮膚に対向する第1面と、第1面の反対側の第2面F2と、自由状態において第1面から突出し患者の皮膚に押されることにより第1面からの突出長さが減少する方向へ移動する可動部材11と、を備えている。可動部材がセンサ本体の動作位置まで押し込まれていないときに異常を検知する。