(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記エージェントの相対的実績に比例する、前記エージェントに関する帯域幅を判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ハイブリダイゼーション関数は、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、複数のコンタクトタイプ毎に不均衡な帯域幅を判定することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
より上位に順序付けられたエージェントは、同様により上位に順序付けられたコンタクトへの後続割当のために利用可能なままである、または、より上位に順序付けられたコンタクトは、同様により上位に順序付けられたエージェントへの後続割当のために利用可能なままである、請求項1に記載の方法。
前記複数のコンタクトの各連続的により上位に順序付けられたコンタクトは、個別により下位に順序付けられたコンタクトよりも選択される可能性が高い、請求項1に記載の方法。
前記複数のコンタクトの各連続的により上位に順序付けられたコンタクトは、個別により下位に順序付けられたコンタクトよりも短い平均待機時間を備える、請求項1に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
コンタクトセンターシステムにおけるハイブリッド挙動ペアリングのための技法が、開示される。一特定の実施形態では、本技法は、エージェントを順序付けることと、複数のコンタクトを順序付けることと、少なくとも1つのプロセッサによって、ペアリングのための第1の方略をペアリングのための第2の方略に向けてバイアスするために、ハイブリダイゼーション関数を複数のコンタクトの順序付けに適用することと、少なくとも1つのプロセッサによって、ハイブリダイゼーション関数に基づいて、第1のペアにおけるエージェントと第1のコンタクトとの間の順序付けにおける第1の差分を、第2のペアにおけるエージェントと第1のコンタクトとは異なる第2のコンタクトとの間の順序付けにおける第2の差分と比較することと、少なくとも1つのプロセッサによって、比較することに基づいて、接続のために第1のペアまたは第2のペアを選択することとを含む、コンタクトセンターシステムにおけるハイブリッド挙動ペアリングのための方法として実現され得る。
【0008】
本特定の実施形態の他の側面によると、比較することに基づいて、第1のペアまたは第2のペアを選択することはさらに、少なくとも1つのプロセッサによって、対角線方略を順序付けに適用することを含み得る。
【0009】
本特定の実施形態の他の側面によると、エージェントの順序付けまたは複数のコンタクトの順序付けは、パーセンタイルとして表され得る。
【0010】
本特定の実施形態の他の側面によると、エージェントの順序付けまたは複数のコンタクトの順序付けは、パーセンタイル範囲として表され得る。
【0011】
本特定の実施形態の他の側面によると、複数のコンタクトはそれぞれ、各コンタクトの個別のパーセンタイル範囲内のパーセンタイルを割り当てられ得る。
【0012】
本特定の実施形態の他の側面によると、割り当てられるパーセンタイルは、パーセンタイル範囲の中間点であり得る。
【0013】
本特定の実施形態の他の側面によると、割り当てられるパーセンタイルは、パーセンタイル範囲のランダムパーセンタイルであり得る。
【0014】
本特定の実施形態の他の側面によると、本方法はさらに、少なくとも1つのプロセッサによって、エージェントの相対的実績に比例する、エージェントに関する帯域幅を判定することを含み得る。
【0015】
本特定の実施形態の他の側面によると、ハイブリダイゼーション関数は、少なくとも1つのプロセッサによって、不均衡なコンタクト利用を制御可能に標的とすることを可能にし得る。
【0016】
本特定の実施形態の他の側面によると、ハイブリダイゼーション関数を適用することはさらに、少なくとも1つのプロセッサによって、複数のコンタクトタイプ毎に不均衡な帯域幅を判定することを含み得る。
【0017】
本特定の実施形態の他の側面によると、選択されたペアの選択されたコンタクトまたはコンタクトタイプは、公平性メトリックにおいて遅滞が生じているコンタクトまたはコンタクトタイプ、値、優先順位、または実績メトリックにおいて最上位と評価されるコンタクトもしくはコンタクトタイプ、特定のエージェントに関して値、優先順位、または実績メトリックにおいて最上位と評価されるコンタクトもしくはコンタクトタイプ、選択されたペアのエージェントに以前に割り当てられたコンタクト、連続的に標識化されたコンタクトもしくはコンタクトタイプ、または無作為に選択されたコンタクトもしくはコンタクトタイプのいずれでもあり得ない。
【0018】
本特定の実施形態の他の側面によると、第1のペアおよび第2のペアの選択されたものは、第1のペアおよび第2のペアの他のものよりも悪い予期される即時成果を備え得る。
【0019】
本特定の実施形態の他の側面によると、より上位に順序付けられたエージェントは、同様により上位に順序付けられたコンタクトへの後続割当のために利用可能なままであり得る、またはより上位に順序付けられたコンタクトは、同様により上位に順序付けられたエージェントへの後続割当のために利用可能なままであり得る。
【0020】
本特定の実施形態の他の側面によると、第1の方略は、挙動ペアリング方略を含み得、第2の方略は、優先順位待ち行列方略を含み得る。
【0021】
本特定の実施形態の他の側面によると、複数のコンタクトの各連続的により上位に順序付けられたコンタクトは、個別により下位に順序付けられたコンタクトよりも選択される可能性が高くあり得る。
【0022】
本特定の実施形態の他の側面によると、複数のコンタクトの各連続的により上位に順序付けられたコンタクトは、個別により下位に順序付けられたコンタクトよりも短い平均待機時間を備え得る。
【0023】
別の特定の実施形態では、本技法は、少なくとも1つのプロセッサによって、エージェントを順序付けることと、少なくとも1つのプロセッサによって、ペアリングのための第1の方略に従って、複数のコンタクトの第1の順序付けを判定することと、少なくとも1つのプロセッサによって、ペアリングのための第2の方略に従って、複数のコンタクトの第2の順序付けを判定することと、少なくとも1つのプロセッサによって、第1の順序付けを第2の順序付けと組み合わせるために、ハイブリダイゼーション関数を適用することと、少なくとも1つのプロセッサによって、ハイブリダイゼーション関数に基づいて、第1のペアにおけるエージェントと第1のコンタクトとの間の順序付けにおける第1の差分を、第2のペアにおけるエージェントと第1のコンタクトとは異なる第2のコンタクトとの間の順序付けにおける第2の差分と比較することと、少なくとも1つのプロセッサによって、比較することに基づいて、接続のために第1のペアまたは第2のペアを選択することとを含む、コンタクトセンターシステムにおけるハイブリッド挙動ペアリングのための方法として実現され得る。
【0024】
別の特定の実施形態では、本技法は、少なくとも1つのプロセッサであって、エージェントを順序付けることと、複数のコンタクトを順序付けることと、ペアリングのための第1の方略をペアリングのための第2の方略に向けてバイアスするために、ハイブリダイゼーション関数を複数のコンタクトの順序付けに適用することと、ハイブリダイゼーション関数に基づいて、第1のペアにおけるエージェントと第1のコンタクトとの間の順序付けにおける第1の差分を、第2のペアにおけるエージェントと第1のコンタクトとは異なる第2のコンタクトとの間の順序付けにおける第2の差分と比較することと、比較に基づいて、接続のために第1のペアまたは第2のペアを選択することとを行うように構成される、少なくとも1つのプロセッサを備える、コンタクトセンターシステムにおけるハイブリッド挙動ペアリングのためのシステムとして実現され得る。
【0025】
本特定の実施形態の他の側面によると、少なくとも1つのプロセッサはさらに、ハイブリダイゼーション関数を使用して、不均衡なエージェント利用を制御可能に標的とするように構成され得る。
【0026】
本特定の実施形態の他の側面によると、少なくとも1つのプロセッサはさらに、複数のコンタクトタイプ毎に不均衡な帯域幅を判定するように構成され得る。
【0027】
本開示は、ここで、付随の図面に示されるようなその特定の実施形態を参照してより詳細に説明されるであろう。本開示は、特定の実施形態を参照して以下に説明されるが、本開示は、それに限定されないことを理解されたい。本明細書の教示を利用できる当業者は、付加的実装、修正、および実施形態、および他の使用分野を認識し、これらは、本明細書に説明されるように本開示の範囲内であり、それらに関して、本開示は、有意に有用であり得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
コンタクトセンターシステムにおけるハイブリッド挙動ペアリングのための方法であって、
エージェントを順序付けることと、
複数のコンタクトを順序付けることと、
少なくとも1つのプロセッサによって、ペアリングのための第1の方略をペアリングのための第2の方略に向けてバイアスするために、ハイブリダイゼーション関数を前記複数のコンタクトの順序付けに適用することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記ハイブリダイゼーション関数に基づいて、第1のペアにおける前記エージェントと第1のコンタクトとの間の順序付けにおける第1の差分と、第2のペアにおける前記エージェントと前記第1のコンタクトとは異なる第2のコンタクトとの間の順序付けにおける第2の差分とを比較することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記比較することに基づいて、接続のために前記第1のペアまたは前記第2のペアを選択することと
を含む、方法。
(項目2)
前記比較することに基づいて、第1のペアまたは第2のペアを選択することはさらに、前記少なくとも1つのプロセッサによって、対角線方略を前記順序付けに適用することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記エージェントの順序付けまたは前記複数のコンタクトの順序付けは、パーセンタイルとして表される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記エージェントの順序付けまたは前記複数のコンタクトの順序付けは、パーセンタイル範囲として表される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記複数のコンタクトはそれぞれ、各コンタクトの個別のパーセンタイル範囲内のパーセンタイルを割り当てられる、項目4に記載の方法。
(項目6)
割り当てられるパーセンタイルは、パーセンタイル範囲の中間点である、項目5に記載の方法。
(項目7)
割り当てられるパーセンタイルは、パーセンタイル範囲のランダムパーセンタイルである、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記エージェントの相対的実績に比例する、前記エージェントに関する帯域幅を判定することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記ハイブリダイゼーション関数は、前記少なくとも1つのプロセッサによって、不均衡なコンタクト利用を制御可能に標的とすることを可能にする、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記ハイブリダイゼーション関数を適用することはさらに、前記少なくとも1つのプロセッサによって、複数のコンタクトタイプ毎に不均衡な帯域幅を判定することを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記選択されたペアの選択されたコンタクトまたはコンタクトタイプは、
公平性メトリックにおいて遅滞が生じているコンタクトまたはコンタクトタイプ、
値、優先順位、または実績メトリックにおいて最上位と評価されるコンタクトもしくはコンタクトタイプ、
特定のエージェントに関して値、優先順位、または実績メトリックにおいて最上位と評価されるコンタクトもしくはコンタクトタイプ、
前記選択されたペアのエージェントに以前に割り当てられたコンタクト、
連続的に標識化されたコンタクトもしくはコンタクトタイプ、または、
無作為に選択されたコンタクトもしくはコンタクトタイプ
のいずれでもない、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記第1のペアおよび前記第2のペアの選択されたものは、前記第1のペアおよび前記第2のペアの他のものよりも悪い予期される即時成果を備える、項目1に記載の方法。
(項目13)
より上位に順序付けられたエージェントは、同様により上位に順序付けられたコンタクトへの後続割当のために利用可能なままである、またはより上位に順序付けられたコンタクトは、同様により上位に順序付けられたエージェントへの後続割当のために利用可能なままである、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記第1の方略は、挙動ペアリング方略を含み、前記第2の方略は、優先順位待ち行列方略を含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記複数のコンタクトの各連続的により上位に順序付けられたコンタクトは、個別により下位に順序付けられたコンタクトよりも選択される可能性が高い、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記複数のコンタクトの各連続的により上位に順序付けられたコンタクトは、個別により下位に順序付けられたコンタクトよりも短い平均待機時間を備える、項目1に記載の方法。
(項目17)
コンタクトセンターシステムにおけるハイブリッド挙動ペアリングのための方法であって、
少なくとも1つのプロセッサによって、エージェントを順序付けることと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、ペアリングのための第1の方略に従って、複数のコンタクトの第1の順序付けを判定することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、ペアリングのための第2の方略に従って、前記複数のコンタクトの第2の順序付けを判定することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記第1の順序付けを前記第2の順序付けと組み合わせるために、ハイブリダイゼーション関数を適用することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記ハイブリダイゼーション関数に基づいて、第1のペアにおける前記エージェントと第1のコンタクトとの間の順序付けにおける第1の差分と、第2のペアにおける前記エージェントと前記第1のコンタクトとは異なる第2のコンタクトとの間の順序付けにおける第2の差分とを比較することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記比較することに基づいて、接続のために前記第1のペアまたは前記第2のペアを選択することと
を含む、方法。
(項目18)
コンタクトセンターシステムにおけるハイブリッド挙動ペアリングのためのシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、
エージェントを順序付けることと、
複数のコンタクトを順序付けることと、
ペアリングのための第1の方略をペアリングのための第2の方略に向けてバイアスするために、ハイブリダイゼーション関数を前記複数のコンタクトの順序付けに適用することと、
前記ハイブリダイゼーション関数に基づいて、第1のペアにおける前記エージェントと第1のコンタクトとの間の順序付けにおける第1の差分と、第2のペアにおける前記エージェントと前記第1のコンタクトとは異なる第2のコンタクトとの間の順序付けにおける第2の差分とを比較することと、
前記比較に基づいて、接続のために前記第1のペアまたは前記第2のペアを選択することと
を行うように構成される、少なくとも1つのプロセッサ
を備える、システム。
(項目19)
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記ハイブリダイゼーション関数を使用して、不均衡なエージェント利用を制御可能に標的とするように構成される、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記複数のコンタクトタイプ毎に不均衡な帯域幅を判定するように構成される、項目19に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0030】
典型的なコンタクトセンターは、コンタクトセンターに着信するコンタクトを、それらのコンタクトを処理するために利用可能なエージェントにアルゴリズム的に割り当てる。ある時は、コンタクトセンターは、「L1状態」にあり、そして、利用可能であってインバウンドまたはアウトバウンドコンタクト(例えば、通話、インターネットチャットセッション、電子メール)への割当を待機するエージェントを有し得る。またある時は、コンタクトセンターは、「L2状態」にあり、エージェントが割当のために利用可能になるまで1つまたはそれを上回る待ち行列にコンタクトを待機させ得る。そのようなL2待ち行列は、インバウンド、アウトバウンド、または仮想待ち行列であり得る。コンタクトセンターシステムは、L1およびL2状態の両方においてコンタクトをエージェントに割り当てるための種々の方略を実装する。
【0031】
本開示は、概して、伝統的に「自動呼出分配」(「ACD」)システムと称される、コンタクトセンターシステムに関する。典型的には、そのようなACDプロセスは、コンタクトセンター内のスキル待ち行列間にコンタクトおよびエージェントを分配する役割を果たす、初期「スキルベースルーティング」(「SBR」)プロセスに続く。そのようなスキル待ち行列は、言語能力、顧客ニーズ、または特定のタスクセットにおけるエージェント熟練度に基づいてコンタクトおよびエージェントを区別し得る。
【0032】
待ち行列内の最も一般的な伝統的割当方法は、「先入れ先出し」または「FIFO」割当であり、最長待機コンタクトが、最長待機エージェントに割り当てられる。いくつかのコンタクトセンターは、「優先順位待ち行列」(「PQ」)を実装し、次の利用可能なエージェントが、最高優先順位のコンタクトに割り当てられる。両方のそのような割当方法の変形例が、一般的に、存在する。
【0033】
FIFOの変形例は、典型的には、それらが経時的にエージェントへのコンタクトの割当(「利用」)を均衡させるように設計されているため、「公平性」を標的とする。FIFOのPQ変形例は、エージェントへのコンタクトの分配が意図的に非対称になる異なるアプローチを採用し、より優先順位の高いコンタクトの利用を増加させ、より優先順位の低いコンタクトの利用を低減させる。PQは、より優先順位の低いコンタクトに対する潜在的悪影響にもかかわらず、そのように行い得る。
【0034】
本開示は、「挙動ペアリング」または「BP」方略等、伝統的割当方法を改良する、エージェントにコンタクトを割り当てるための最適化された方略を指す。挙動ペアリングは、待ち行列(例えば、スキル待ち行列)内のエージェントおよびコンタクトの両方の均衡した利用を標的とする一方、同時に、FIFOまたは類似する方法が実践において達成するであろうものを潜在的に超えて全体的コンタクトセンター実績を向上させる。これは、BPがFIFOと同一のコンタクトおよび同一のエージェントに作用し、FIFOが提供するようなコンタクトの利用をほぼ均衡させる一方、FIFOが実践において提供するものを超えて全体的コンタクトセンター実績を向上させるため、優れた成果である。
【0035】
BPは、全ての割当の利益が集約されると、それらがFIFOおよびPQ方略の利益を超え得るように、潜在的な後続エージェントおよびコンタクトペアの割当を考慮する方式でエージェントおよびコンタクトペアを割り当てることによって、実績を向上させる。いくつかの場合では、BPは、FIFOまたはPQが示すであろうものとは逆であり得る即時のコンタクトおよびエージェントペアリングをもたらす。例えば、即時の場合では、BPは、最短待機コンタクトまたは最低実績の利用可能なエージェントを選択し得る。BPは、「後継者」を尊重するため、そのような決定が経時的により良好なコンタクトセンター実績の確率を高める場合、本システムは、本質的に、その一時点において最高実績選択であり得るものを見合わせる方式でコンタクトをエージェントに分配する。
【0036】
以下に詳細に説明されるように、本開示の実施形態は、BPの方略を優先順位待ち行列の方略と、コンタクトセンター管理者が2つの間のバランスを調節し得る様式で組み合わせる、「ハイブリッド挙動ペアリング」(「HBP」)のための技法に関する。例えば、コンタクトセンター管理者は、BPをPQに向けたバイアスを伴う待ち行列内からのコンタクトを割り当てるための支配的な機構にすることを選定し得る。均衡したコンタクト利用を標的とする代わりに、HBPは、非対称のコンタクト利用を標的とし得る。いくつかの構成では、本バイアスまたは非対称は、わずかであり得、例えば、HBP方略は、待ち行列(例えば、スキル待ち行列)内の任意の1つのタイプのコンタクトが、待ち行列内の他のタイプのコンタクトの前に1つを上回るエージェントペアリングに割り当てられる機会の数を低減または限定するように較正され得る。
【0037】
図1は、本開示の実施形態による、コンタクトセンターシステム100のブロック図を示す。本明細書の説明は、1つまたはそれを上回るモジュールを含み得るコンタクトセンターシステムをシミュレートするためのシステムおよび方法のネットワーク要素、コンピュータ、および/またはコンポーネントを説明する。本明細で使用されるように、用語「モジュール」は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、および/またはそれらの種々の組み合わせを指すように理解され得る。しかしながら、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されないソフトウェア、または、プロセッサ可読記録可能記憶媒体上に記録されないソフトウェアとして解釈されるべきではない(すなわち、モジュールは、それ自体はソフトウェアではない)。モジュールは、例示的であることに留意されたい。モジュールは、種々の用途をサポートするために、組み合わせられる、統合される、分離される、および/または複製され得る。また、特定のモジュールにおいて実施されるように本明細書に説明される機能が、特定のモジュールにおいて実施される機能の代わりに、またはそれに加えて、1つまたはそれを上回る他のモジュールにおいて、および/または1つまたはそれを上回る他のデバイスによって実施され得る。さらに、モジュールは、相互に対してローカルまたは遠隔である複数のデバイスおよび/または他のコンポーネントを横断して実装され得る。加えて、モジュールは、1つのデバイスから移動され、別のデバイスに追加され得る、および/または両方のデバイス内に含まれ得る。
【0038】
図1に示されるように、コンタクトセンターシステムは、中央スイッチ110を含み得る。中央スイッチ110は、着信するコンタクト(例えば、発信者)を受信するか、または、ダイヤラ、遠隔通信ネットワーク、または他のモジュール(図示せず)を介してコンタクトへのアウトバウンド接続をサポートし得る。中央スイッチ110は、1つまたはそれを上回るコンタクトセンター間で、またはコンタクトセンター内の1つまたはそれを上回るPBX/ACDまたは他の待ち行列または切替コンポーネントにコンタクトをルーティングすることに役立てるためのコンタクトルーティングハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。
【0039】
コンタクトセンターが1つしか存在しない場合、またはPBX/ACDルーティングコンポーネントが1つしか存在しない場合、中央スイッチ110は、コンタクトセンターシステム100において必要ではない場合がある。1つを上回るコンタクトセンターがコンタクトセンターシステム100の一部である場合、各コンタクトセンターは、少なくとも1つのコンタクトセンタースイッチ(例えば、コンタクトセンタースイッチ120Aおよび120B)を含み得る。コンタクトセンタースイッチ120Aおよび120Bは、中央スイッチ110に通信可能に結合され得る。
【0040】
コンタクトセンター毎の各コンタクトセンタースイッチは、複数のエージェント(またはその「集団」)に通信可能に結合され得る。各コンタクトセンタースイッチは、ある数のエージェント(または「座席」)が1度にログインするようにサポートし得る。任意の所与の時点で、ログインしたエージェントは、利用可能であり、コンタクトに接続されることを待機し得る、またはログインしたエージェントは、別のコンタクトに接続されている、呼出についてのロギング情報等のある呼出後機能を実施している、または休憩している等のいくつかの理由のいずれかのために利用不可能であり得る。
【0041】
図1の実施例では、中央スイッチ110は、それぞれ、コンタクトセンタースイッチ120Aおよびコンタクトセンタースイッチ120Bを介して、2つのコンタクトセンターのうちの1つにコンタクトをルーティングする。コンタクトセンタースイッチ120Aおよび120Bはそれぞれ、各2人のエージェントとともに示される。エージェント130Aおよび130Bが、コンタクトセンタースイッチ120Aにログインし得、エージェント130Cおよび130Dが、コンタクトセンタースイッチ120Bにログインし得る。
【0042】
コンタクトセンターシステム100はまた、例えば、サードパーティベンダからの統合サービスに通信可能に結合され得る。
図1の実施例では、ハイブリッド挙動ペアリングモジュール140は、中央スイッチ110、コンタクトセンタースイッチ120A、またはコンタクトセンタースイッチ120B等、コンタクトセンターシステム100のスイッチシステムにおける1つまたはそれを上回るスイッチに通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、コンタクトセンターシステム100のスイッチは、複数のハイブリッド挙動ペアリングモジュールに通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、ハイブリッド挙動ペアリングモジュール140は、コンタクトセンターシステムのコンポーネント内に埋設され得る(例えば、スイッチ内に埋設される、または別様にそれと統合される)。
【0043】
ハイブリッド挙動ペアリングモジュール140は、スイッチにログインしたエージェント(例えば、エージェント130Aおよび130B)について、および別のスイッチ(例えば、中央スイッチ110)を介して、またはいくつかの実施形態では、ネットワーク(例えば、インターネットまたは遠隔通信ネットワーク)(図示せず)から着信するコンタクトについての情報を、スイッチ(例えば、コンタクトセンタースイッチ120A)から受信し得る。
【0044】
ハイブリッド挙動ペアリングモジュール140は、本情報を処理し、どのコンタクトがどのエージェントとペアリング(例えば、合致、割当、分配、ルーティング)されるべきかを判定し得る。例えば、複数のエージェントが、利用可能であり、コンタクトへの接続を待機しており(L1状態)、コンタクトが、ネットワークまたは中央スイッチを介してコンタクトセンターに着信する。以下に説明されるように、ハイブリッド挙動ペアリングモジュール140または類似する挙動ペアリングモジュールを伴わないと、コンタクトセンタースイッチは、典型的には、新しいコンタクトを、「公平」FIFO方略下では、最長時間量エージェントを待機しているいずれかの利用可能なエージェントに、または実績ベースルーティング(「PBR」)等の別の方略下では、最高実績のエージェントであると判定されたいずれかの利用可能なエージェントに自動的に分配するであろう。
【0045】
ハイブリッド挙動ペアリングモジュール140または類似する挙動ペアリングモジュールを伴うと、コンタクトおよびエージェントは、ペアリングモデルまたは他の人工知能データモデルに従って、スコア(例えば、パーセンタイルまたはパーセンタイル範囲/帯域幅)を与えられ得、したがって、コンタクトは、好ましいエージェントに合致させられ得るか、ペアリングされ得るか、または別様に接続され得る。いくつかの実施形態では、ハイブリッド挙動ペアリングモジュール140は、BPおよびPBR方略を混合し、均衡したエージェント利用ではなく、バイアスされたエージェント利用を標的とするHBP方略を用いて構成され得る。
【0046】
L2状態では、複数のコンタクトが、利用可能であり、エージェントへの接続を待機し、エージェントが、利用可能になる。これらのコンタクトは、PBXまたはACDデバイス(「PBX/ACD」)等のコンタクトセンタースイッチにおいて待機し得る。ハイブリッド挙動ペアリングモジュール140または類似する挙動ペアリングモジュールを伴わないと、コンタクトセンタースイッチは、典型的には、エージェント選択肢が利用可能ではないとき、新しく利用可能なエージェントを、「公平」FIFO方略またはPBR方略のように待ち行列において最長時間量にわたって保留状態で待機しているいずれかのコンタクトに接続するであろう。いくつかのコンタクトセンターでは、優先順位待ち行列もまた、組み込まれ得る。
【0047】
L2シナリオにおいてハイブリッド挙動ペアリングモジュール140または類似する挙動ペアリングモジュールを伴うと、上記に説明されるL1状態のように、コンタクトおよびエージェントは、例えば、他の人工知能モデル等のモデルに従って、パーセンタイル(またはパーセンタイル範囲/帯域幅等)を与えられ得、したがって、利用可能になるエージェントは、好ましいコンタクトに合致させられ得るか、ペアリングされ得るか、または別様に接続され得る。
【0048】
HBP方略下では、ハイブリダイゼーション係数または関数が、コンタクトセンターがL2状態にある(すなわち、複数のコンタクトが割当を待機している)ときの時間周期中、均衡した利用を標的とするBP方略と、高度に非対称の利用を標的とするPQ方略との間の所望のバランスを達成するために、エージェントの1つまたはそれを上回る順序付けに適用され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション関数は、2つ(またはそれを上回る)順序付けまたは他のタイプのランキングシステムをともに組み合わせ得る。例えば、コンタクトセンターが、4つの異なるタイプのコンタクト、すなわち、エージェントとのペアリングのために利用可能なコンタクトA、コンタクトB、コンタクトC、およびコンタクトD(「A」、「B」、「C」、および「D」)を有し得る。コンタクトは、複数の順序付けシステムに従って順序付けられ得る。例えば、典型的なFIFO方略下では、エージェントは、各コンタクトが他のコンタクトと比較して割当を待機している長さに従って順序付けられ得る。典型的な優先順位待ち行列方略下では、コンタクトは、各コンタクトが他のコンタクトと比較してあるメトリックに関して実績に良好に寄与している程度に従って順序付けられ得る。BP方略下では、エージェントは、各エージェントの他のエージェントと比較した「挙動フィット」の品質に従って順序付けられ得る。
【0050】
2つの順序付けを組み合わせるための1つの技法は、和を判定することである。例えば、PQ方略が、4つのコンタクトをA=1、B=2、C=3、およびD=4として順序付ける場合、PQ方略は、好ましくは、最高「実績」のコンタクトAを次のエージェントとペアリングするであろう。また、BP方略が、コンタクトをA=4、B=2、C=3、D=1として順序付ける場合、BP方略は、好ましくは、最良フィッティングのコンタクトDを次のエージェントとペアリングするであろう。HBP方略の本実施例では、2つの順序付けの和は、A=5、B=4、C=6、D=5であろう。本HBP方略は、好ましくは、元々の順序付けに従って2番目に高い実績かつ2番目に良好にフィッティングするエージェントである、次のエージェントとコンタクトBをペアリングするであろう。
【0051】
他の実施形態は、エージェントの複数の順序付けを組み合わせるための他の技法を使用し得る。例えば、HBP順序付けは、2つまたはそれを上回る順序付けを乗算することによって求められる積であり得る。別の実施例に関して、HBP順序付けは、スケール係数による順序付けのうちの1つまたはそれを上回るものをスケーリングすることによって求められる重み付け和または積であり得る。このように、HBPは、エージェントの相対的実績をエージェントの相対的挙動フィットよりも大きくまたは小さく重み付けるように構成され得る。
【0052】
図2は、BP方略210下で動作する、本開示の実施形態による、待ち行列200を示す。待ち行列200は、コンタクトセンターが所望のメトリック(例えば、売上)を最大限にすることを追求している環境において、4つのタイプのコンタクトが4人のエージェントのいずれかに割り当てられ得る、簡略化された仮説的事例を表す。4つの均一に分配されたコンタクトのタイプは、0.00〜0.25(「0〜25%コンタクト」)、0.25〜0.50(「25〜50%コンタクト」)、0.50〜0.75(「50〜75%コンタクト」)、および0.75〜1.00(75〜100%コンタクト)のパーセンタイル範囲(または「帯域幅」)を割り当てられる。4人のエージェントは、等しく離間されたパーセンタイル帯域幅を占有し、その個別の範囲の中間点におけるパーセンタイル、すなわち、0.00〜0.25(「0.125エージェント」)、0.25〜0.50(「0.375エージェント」)、0.50〜0.75(「0.625エージェント」)、および0.75〜1.00(「0.875エージェント」)を割り当てられる。4人のエージェントはまた、所望のメトリック(例えば、売上)による実績によって順序付けられ得、したがって、最低実績のエージェントは、最低パーセンタイル(0.125エージェント)を割り当てられ、最高実績のエージェントは、最高パーセンタイル(0.875エージェント)を割り当てられる。
【0053】
対角線方略を適用することによって、0〜25%コンタクトは、好ましくは、0.125エージェントに割り当てられ得、25〜50%コンタクトは、好ましくは、0.375エージェントに割り当てられ得、50〜75%コンタクトは、好ましくは、0.625エージェントに割り当てられ得、75〜100%コンタクトは、好ましくは、0.875エージェントに割り当てられ得る。BP方略210は、均衡した利用を標的とし、各エージェントは、経時的にほぼ同一の割合のコンタクトを受信する。故に、コンタクト利用が、最高実績の75〜100%コンタクトをより多く利用するように非対称になるであろう、PQ方略に向けたいかなるバイアスも存在しない。
【0054】
本開示の実施形態による、実績バイアス化コンタクトタイプパーセンタイルを生成するための1つのそのような技法は、ハイブリダイゼーション関数または係数によって、各コンタクトタイプの「初期」中間点パーセンタイル(「CP
initial」)を調節することであり、したがって、比較的に上位に順序付けられた(例えば、より高い実績の)コンタクトは、比較的に大きい帯域幅を占有し、その結果、より下位に順序付けられた(例えば、より低い実績の)コンタクトよりも比較的に多いコンタクトを受信する。例えば、ハイブリダイゼーション関数は、以下の方程式1のように、各コンタクトのパーセンタイルをある指数で累乗し得る。
CP
adjusted=CP
initialρ (方程式1)
指数パラメータ(例えば、方程式1のような「ρ」またはRhoパラメータ)は、PQに向けたバイアスの量を判定し、より高い値のRhoは、より多い量のバイアスを生成し得る。1.0のRhoパラメータは、いかなるバイアスも生成しないであろう(CP
adjusted=CP
initial)。したがって、Rhoに関する本「中立」値は、均衡したコンタクト利用を標的とすることをもたらす。実際には、BP方略210は、Rhoが1.0に等しいRhoベースのHBP方略に等しい。Rhoが増加するにつれて、PQに向けたバイアスが増加するため、コンタクト利用非対称の程度は、増加する。
【0055】
図3は、2.0のRho値を使用して本技法を適用する、待ち行列300を示す。待ち行列300は、待ち行列200と同一の4つのタイプのコンタクトおよび同一の4人のエージェントを表す。しかしながら、待ち行列300では、コンタクトタイプのパーセンタイル中間点は、2乗されている(CP
adjusted=CP
initial2.0)。
HBP方略310下で対角線方略を適用すると、最下位に順序付けられたコンタクトタイプ
【化1】
は、最小帯域幅を占有し、最も少ない頻度で選択され、最大帯域幅を占有し、最も多い頻度で選択されるであろう最上位に順序付けられたコンタクトタイプ
【化2】
に至るまで、以下同様であろう。
【0056】
いくつかの実施形態では、各コンタクトタイプの帯域幅は、各コンタクトタイプの調節されたパーセンタイル中間点が、各コンタクトタイプの新しい調節された帯域幅の中間点であるように判定され得る。例えば、最下位に順序付けられた0.016コンタクトタイプの帯域幅は、約0.000〜0.031であり得、他の実施形態では、各エージェントの帯域幅は、近傍の調節されたパーセンタイル中間点間の「距離」を等しく分配することによって判定され得る。例えば、最下位に順序付けられた0.016コンタクトタイプの帯域幅は、約0.000〜0.079であり得る。
【0057】
図3の待ち行列300に適用されるHBP技法の別の変形例は、以下の方程式2のように、各コンタクトタイプの初期中間点パーセンタイルではなく、各コンタクトタイプの初期パーセンタイル範囲を調節することである。
CP
adjusted_range=CP
initial_rangeρ (方程式2)
その効果は、同一であり、比較的に上位に順序付けられた(例えば、より高い値の)コンタクトタイプは、比較的に大きい帯域幅を占有し、その結果、より下位に順序付けられた(例えば、より低い値の)コンタクトタイプよりも比較的に多い頻度で選択される。
【0058】
図4は、2.0のRho値を使用して本技法を適用する、待ち行列400を示す。待ち行列400は、待ち行列300と同一の4つのコンタクトタイプおよび4人のエージェントを表す。しかしながら、待ち行列400では、その初期中間点パーセンタイルの代わりに、コンタクトタイプの初期パーセンタイル範囲が、2乗されている(CP
adjusted_range=CP
initial_range2.0)。HBP方略410下で対角線方略を適用すると、最下位に順序付けられたコンタクトタイプ(約0.03の中間点を伴う0.00〜約0.06の調節されたパーセンタイル範囲を占有する)は、最も少ない頻度で選択され、最も多い頻度で選択されるであろう最上位に順序付けられたコンタクトタイプ(約0.82の中間点を伴う約0.56〜1.00の調節されたパーセンタイル範囲を占有する)に至るまで、以下同様であろう。
【0059】
概念的に、標的非対称利用は、典型的には、上半分のエージェントのうちの1人が利用可能になると、最上位に順序付けられたコンタクトタイプが半分の時間よりもわずかに少なく選択されることをもたらし、典型的には、下半分のエージェントのうちの1人が利用可能になると、より下位に順序付けられたコンタクトタイプが半分の時間よりもわずかに多く選択されることをもたらすであろう。これらのハイブリダイゼーション関数または係数を可視化もしくは実装するための他の技法は、対角線方略の「フィッティング関数」を調節することを含む。
【0060】
図5は、待ち行列100(
図1)と同一のコンタクトタイプパーセンタイルおよび範囲を伴う待ち行列500を示し、それらは、調節されていない。BP方略110が45度の対角線(CP=AP)によって可視化され得る待ち行列100とは異なり、HBP方略510は、異なるハイブリダイズされたフィッティング関数(例えば、対角線を「屈曲」または「撓曲」させること)によって、可視化され得る。
図5の実施例では、フィッティング関数は、以下の方程式3のように、指数関数である。
AP=CP
ρ (方程式3)
概念的に、BP方略110のように、対角線のAP=CPに最も近接するペアを選択することによって好ましいペアリングを判定する代わりに、HBP方略510の好ましいペアリングは、Rhoが2.0に等しい待ち行列500のように、指数関数のAP=CP
2.0に最も近接するペアを選択することによって判定され得る。とりわけ、AP=CP
2.0にフィッティングする効果は、待ち行列400およびHBP方略410(
図4)のようにパーセンタイル範囲を拡大または縮小する(例えば、パーセンタイル範囲を2乗し、次いで、AP=CPにフィッティングさせる)不連続プロセスの連続的数学的類似物である。
【0061】
ハイブリダイゼーション関数の多くの変形例が、エージェントの実績または他の順序付けもしくはメトリックの関数として、エージェントの標的利用を変動するために使用され得る。例えば、ハイブリダイゼーション関数は、区分的関数であり得る。
【0062】
図6は、上半分のコンタクトタイプの利用とは異なるように下半分のコンタクトタイプの利用に影響を及ぼす、待ち行列600およびHBP方略610を示す。例えば、コンタクトセンターは、コンタクトの半分が、均衡した様式で平均を下回るエージェントに分配されるべきである(例えば、Rho=1.0)が、コンタクトの他の半分は、各コンタクトタイプの相対的順序付けに従って平均を上回るエージェントに分配されるべきである(例えば、Rho>1.0)と判定し得る。したがって、0%〜50%に及ぶコンタクトは、より低い実績のエージェント(0.125エージェントおよび0.375エージェント)に均一に分配され、0.00≦CP<0.50(または、例えば、0.00<CP≦0.50等)に関して、45度線AP=CPに沿ったフィットとして可視化され得る。50%〜100%に及ぶコンタクトは、コンタクトおよびエージェントの本部分にスケーリングされた指数関数等、そのコンタクトタイプの相対的順序付け(例えば、値)の関数として、より高い実績のエージェント(0.625エージェントおよび0.875エージェント)に分配され得る。HBP方略610は、Rho=2.0および0.50≦CP<1.00に関して、指数曲線AP=2(CP−0.5)
2.0+0.5に沿ったフィットとして可視化され得る。
【0063】
付随的に、そのような方略は、いくつかのより上位に順序付けられたコンタクトタイプ(ここでは0.50〜0.75コンタクトタイプ)がそのより下位に順序付けられた同等物よりも経時的に少ない頻度で選択されることをもたらすであろう。
図7は、また、区分的ハイブリダイゼーション関数を使用して、上半分のコンタクトの利用とは異なるように下半分のコンタクトの利用に影響を及ぼす、待ち行列700およびHBP方略710を示す。例えば、コンタクトセンターは、コンタクトのより大きい部分が、その相対的順序付けに従って平均を上回るエージェントに分配されるべきであり(例えば、Rho>1.0)、コンタクトの残りの部分が、均衡した様式で平均を下回るエージェントに分配されるべきである(例えば、Rho=1.0)と判定し得る。したがって、Rho=2.0およびCP≧0.50(またはCP>0.50)に関して、ペアリングは、指数曲線AP=CP
2.0に沿ったフィットであり得る。Rho=1.0およびCP<0.50に関して、ペアリングは、コンタクトおよびエージェントの本部分にスケーリングされる、線形関数に沿ったフィットであり、AP=0.5・CPであり得る。
【0064】
現実世界のコンタクトセンターでは、待ち行列内により多いまたは少ないエージェントが存在し、より多いまたは少ないコンタクトタイプが存在し得る。これらの実施例では、各コンタクトタイプは、パーセンタイルランクの合計範囲内に均一に分配されるが、しかしながら、いくつかのコンタクトセンターでは、範囲の分配は、例えば、他のタイプのコンタクトが着信する頻度に対する、特定のタイプのコンタクトがコンタクトセンターに着信する頻度に基づいて変動し得る。4人のエージェントおよび4つのコンタクトタイプを伴う上記に説明される簡略化された実施例は、Rhoパラメータおよび指数スケーリングまたは他のハイブリダイゼーション関数に基づくもの等、HBPの暗示的形態の効果を例証するために使用される。しかしながら、Rhoベースの技法を含むHBPはまた、より大きい、より複雑な現実世界のコンタクトセンターに適用され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、Rhoは、PQに向けたバイアス(またはコンタクト利用における非対称)を変動するために選択または調節され得る。例えば、2.0を下回るRho(例えば、1.0、1.01、1.1、1.2、1.5等)は、Rhoが2.0に等しい上記の実施例よりも比較的に少ないPQに向けたバイアスをもたらすであろう。例えば、コンタクトセンター管理者が、より上位に順序付けられたコンタクトタイプが複数回選択される一方、より下位に順序付けられたコンタクトタイプが選択されないままであることの発生を回避することを所望する場合、有意により低い値のRhoが、2.0よりも適切であり得る。逆に、2.0を上回るRho(例えば、2.01、2.1、2.5、200.0等)は、比較的に多いPQに向けたバイアスをもたらすであろう。
【0066】
重要なこととして、コンタクト利用に対する効果は、RhoベースのHBP方略下では、それらが、異なるように順序付けられたコンタクトタイプのコンタクトがエージェントへの接続を待機する程度に制御可能に影響を及ぼすため、わずかである。コンタクトパーセンタイルが累乗される指数を増加することによって、本発明は、制御可能に、より上位に順序付けられたコンタクトタイプに関する選択間の平均時間を減少させ、比較的により下位に順序付けられたコンタクトタイプに関する選択間の平均時間を増加させる。同様に、コンタクトパーセンタイルが累乗される指数を低減させることは、逆の効果を有する。中立BP方略(例えば、Rho=1.0)に関して、各エージェントは、ほぼ同一の予期されるコンタクト間の平均待機時間を有する。Rhoが増加するにつれて、相対的な予期される平均待機時間は、相対的なコンタクトタイプ順序付け(例えば、コンタクトタイプ値)が増加するため、漸次的に(例えば、指数関数的に)減少する。
【0067】
いくつかの実施形態では、HBP方略は、潜在的により漸進的な技法を使用する相対的コンタクト利用を標的とし得る。例えば、コンタクトタイプは、コンタクトタイプ順序付けに基づいて、相対的「利用調節」を割り当てられ得る。一実施例では、最上位に順序付けられたコンタクトタイプは、100%の相対的利用調節を割り当てられ得、2番目に上位のコンタクトタイプは、99%の相対的利用を割り当てられ得、3番目は、98%を割り当てられ得、以下同様である。本実施例では、2番目に上位に順序付けられたコンタクトタイプの標的利用は、最上位に順序付けられたコンタクトタイプの標的利用の99%であろう。相対的利用調節は、他の構成では、より積極的であり得る。例えば、最上位に順序付けられたコンタクトタイプは、100%の相対的利用を割り当てられ得、2番目に上位のコンタクトタイプは、90%を割り当てられ得、3番目は、80%を割り当てられ得、以下同様である。本実施例では、2番目に上位に順序付けられたコンタクトタイプの標的利用は、最上位に順序付けられたコンタクトタイプの標的利用の90%であろう。
【0068】
図8は、本開示の実施形態による、ハイブリッド挙動ペアリング方法800を示す。ブロック810において、ハイブリッド挙動ペアリング方法800が、開始され得る。
【0069】
ブロック810において、パーセンタイル(またはn数タイル、分位点、パーセンタイル範囲、帯域幅、または他のタイプの「スコア」またはスコア範囲等)が、利用可能なコンタクト毎に判定され得る。コンタクトが待ち行列内で保留状態で待機している状況に関して、パーセンタイルは、待ち行列内で保留状態で待機するコンタクト毎に判定され得る。コンタクトが待ち行列内で保留状態で待機していない状況に関して、パーセンタイルは、コンタクトセンターに着信する次のコンタクトに割り当てられ得る。パーセンタイルは、コンタクトについての情報に基づいて、コンタクトの特定のタイプまたはグループに関して定義されたパーセンタイルの範囲によって境界され得る。パーセンタイル境界または範囲は、コンタクトタイプに関する頻度分布または他のメトリックに基づき得る。パーセンタイルは、タイプのパーセンタイル範囲内に無作為に割り当てられ得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、パーセンタイルは、コンタクトセンターにおいて最適化されるべき特定のメトリックまたはメトリックの組み合わせに従って順序付けられ得、比較的に高いパーセンタイルを有するように判定されたコンタクトは、これらのコンタクトがコンタクトセンターにおいてより高い全体的実績に寄与する可能性がより高いため、コンタクトセンターに対して「より高い価値」のコンタクトであると見なされ得る。例えば、比較的に高いパーセンタイルのコンタクトは、比較的に高い購入可能性を有し得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、パーセンタイルは、コンタクトがコンタクトセンターに着信した時点でコンタクトに関して判定され得る。他の実施形態では、パーセンタイルは、コンタクトが特定のスキル待ち行列またはACDシステムに着信したとき、またはペアリングが要求されたとき等、後の時点でコンタクトに関して判定され得る。
【0072】
パーセンタイルがペアリングのために利用可能なコンタクト毎に判定された後、挙動ペアリング方法800は、ブロック820に進み得る。いくつかの実施形態では、ブロック820は、ブロック810に先立って、またはそれと同時に実施され得る。
【0073】
ブロック820において、パーセンタイルが、利用可能なエージェント毎に判定され得る。エージェントがアイドル状態であり、コンタクトの着信を待機している状況に関して、パーセンタイルは、アイドル状態のエージェント毎に判定され得る。待ち行列のエージェントが全てビジーである状況に関して、パーセンタイルは、次に利用可能になるエージェントに判定され得る。パーセンタイルは、待ち行列(例えば、スキル待ち行列)に割り当てられたエージェントの全てまたは特定の待ち行列に割り当てられた利用可能なエージェントのみに基づいて定義された、パーセンタイルの範囲(例えば、「帯域幅」)によって境界され得る。いくつかの実施形態では、パーセンタイルの境界または範囲は、所望のエージェント利用(例えば、公平性、効率、または実績)に基づき得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、エージェントパーセンタイルは、コンタクトセンターにおいて最適化されるべき特定のメトリックまたはメトリックの組み合わせに従って順序付けられ得、比較的に高いパーセンタイルを有するように判定されたエージェントは、コンタクトセンターに対してより実績の高いエージェントであると見なされ得る。例えば、比較的に高いパーセンタイルのエージェントは、比較的に高い売上可能性を有し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、エージェントのパーセンタイルは、エージェントがコンタクトセンター内で利用可能になった時点で判定され得る。他の実施形態では、パーセンタイルは、ペアリングが要求されたとき等、後の時点で判定され得る。
【0076】
パーセンタイルが利用可能なエージェントおよびコンタクト毎に判定された後、挙動ペアリング方法800は、ブロック830に進み得る。
【0077】
ブロック830において、ハイブリダイゼーション関数が、コンタクトタイプパーセンタイル(またはコンタクトタイプパーセンタイル範囲もしくは帯域幅)に適用され得る。例えば、Rho値が、指数ハイブリダイゼーション関数またはフィッティング曲線もしくは線に関して判定され得る。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション関数は、挙動フィットおよび実績情報の両方を暗示的に組み込む、単一の順序付けに作用し得る。他の実施形態では、ハイブリダイゼーション関数は、コンタクトタイプの複数の順序付けを組み合わせ得る(例えば、加算、乗算、または重み付けする)。ハイブリダイゼーション関数が適用または別様に判定もしくは構成された後、ハイブリッド挙動ペアリング方法800は、ブロック840に進み得る。
【0078】
ブロック840において、利用可能なコンタクトおよび利用可能なエージェントのペアが、ハイブリダイゼーション関数に基づいて、ブロック810において利用可能なコンタクト毎に、およびブロック820において利用可能なエージェント毎に判定されたパーセンタイル(またはパーセンタイル範囲)に基づいて判定され得る。いくつかの実施形態では、選択は、ブロック830において調節された待機コンタクトまたはコンタクトタイプ毎のパーセンタイルもしくはパーセンタイル範囲に基づいて判定され得る。いくつかの実施形態では、ペアは、対角線方略に従って判定され得、より類似するパーセンタイル(または最も類似するパーセンタイル)を伴うコンタクトおよびエージェントが、ペアリングのために選択され得る。例えば、ハイブリッド挙動ペアリングモジュールが、コンタクトのスコアとエージェントのスコアとの間の最小絶対差分を伴うコンタクト−エージェントペアリングを選択し得る。いくつかの実施形態では、対角線方略は、45度の対角線として可視化され得る。他の実施形態では、対角線方略は、ハイブリダイゼーション関数(例えば、指数関数または区分的関数)として可視化され得る。
【0079】
いくつかの状況では、複数のエージェントが、コンタクトが着信したときにアイドル状態にあり得る(L1状態)。HBP下では、新しく利用可能なコンタクトは、他の利用可能なエージェントよりもコンタクトの調節されたパーセンタイルと類似するパーセンタイルまたはパーセンタイル範囲を有する利用可能なエージェントの選択された1人とペアリングされ得る。他の状況では、複数のコンタクトが、待ち行列内でエージェントが利用可能になるときを待機し得る(L2状態)。HBP下では、新しく利用可能なエージェントは、待ち行列内で待機する他のコンタクトよりもエージェントのパーセンタイルまたはパーセンタイル範囲と類似する調節されたパーセンタイルを有する、待ち行列内で待機するコンタクトのうちの選択された1つとペアリングされ得る。
【0080】
いくつかの状況では、スコアの類似性に基づいてペアリングを選択することは、最高実績の即時のペアリングではあり得ず、むしろ、より良好な将来のペアリングの可能性を高める即時のペアリングを選択することをもたらし得る。
【0081】
ペアリングがブロック840において判定された後、ハイブリッド挙動ペアリング方法800は、ブロック850に進み得る。ブロック850において、コンタクトセンターシステム内のモジュールは、コンタクト−エージェントペアのコンタクトおよびエージェントを相互に接続させ得る。例えば、挙動ペアリングモジュールは、ACDシステムまたは他のルーティングデバイスが、特定のコンタクトを特定のエージェントに分配し得ることを示し得る。
【0082】
ブロック850においてコンタクトおよびエージェントを接続した後、挙動ペアリング方法800は、終了し得る。いくつかの実施形態では、挙動ペアリング方法800は、1つまたはそれを上回る付加的ペアリングを判定するために、ブロック840に戻り得る(図示せず)。他の実施形態では、挙動ペアリング方法800は、利用可能なコンタクトまたはエージェントに関するパーセンタイルまたはパーセンタイル範囲を判定(または再判定)するために、ブロック810またはブロック820に戻り(図示せず)、続けて、ブロック840においてハイブリダイゼーション関数を適用(または再適用)し得る。
【0083】
この時点で、上記に説明されるような本開示による、コンタクトセンターシステムにおけるハイブリッド挙動ペアリングは、入力データの処理および出力データの生成をある程度伴い得ることに留意されたい。本入力データ処理および出力データ生成は、ハードウェアまたはソフトウェアにおいて実装され得る。例えば、具体的電子コンポーネントが、上記に説明されるような本開示による、コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングと関連付けられる機能を実装するために、挙動ペアリングモジュールまたは類似または関連する回路において採用され得る。代替として、命令に従って動作する1つまたはそれを上回るプロセッサが、上記に説明されるような本開示による、コンタクトセンターシステムにおける挙動ペアリングと関連付けられる機能を実装し得る。そのような場合では、そのような命令は、1つまたはそれを上回る非一過性プロセッサ可読記憶媒体(例えば、磁気ディスクまたは他の記憶媒体)上に記憶されるか、または、1つまたはそれを上回る搬送波において具現化される1つまたはそれを上回る信号を介して1つまたはそれを上回るプロセッサに伝送され得ることが、本開示の範囲内である。
【0084】
本開示は、本明細書に説明される具体的実施形態によって範囲を限定されるべきではない。実際には、本明細書に説明されるものに加えて、本開示の他の種々の実施形態および修正が、前述の説明および付随の図面から当業者に明白となるであろう。したがって、そのような他の実施形態および修正は、本開示の範囲内に該当することが意図される。さらに、本開示は、少なくとも1つの特定の目的のための少なくとも1つの特定の環境における少なくとも1つの特定の実装の文脈において本明細書に説明されたが、当業者は、その有用性が、それに限定されず、本開示が、有益なこととして、任意の数の目的のために任意の数の環境において実装され得ることを認識するであろう。故に、以下に記載される請求項は、本明細書に説明されるような本開示の完全な範囲および精神に照らして解釈されるべきである。