(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
【0011】
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
【0012】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
【0013】
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(
図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
【0014】
次に、
図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0015】
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
【0016】
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の左部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、
図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
【0017】
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(
図5参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(
図5参照)により検出される。
【0018】
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(
図5参照)により検出される。
【0019】
また、始動入賞口36の直下には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図5参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(
図5参照)により検出される。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
【0020】
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口36よりも右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(
図5参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(
図5参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
【0021】
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
【0022】
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
【0023】
一括表示装置50は、
図3及び
図4に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55,56とを備える。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
【0024】
特
図1表示器51と特
図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特
図1表示器51における特図変動表示ゲームにおいては、
図3(a)に示すように、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するよう構成されている。
そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0025】
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。
本実施形態の場合、
図4(a)に示すように、普図表示器53を構成するランプD8とランプD10とランプD18のうち、ゲームの結果がはずれのときはランプD8のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「1」のときはランプD10のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「2」のときはランプD18のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「3」のときはランプD10及びランプD18を点灯状態にするよう構成されている。
【0026】
また、普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
本実施形態の場合、
図3(c)に示すように、普図保留表示器56を構成するランプD15とランプD16のうち、保留数が「0」のときはランプD15及びランプD16の双方を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD15のみを点灯状態にし、保留数が「2」のときはランプD15及びランプD16の双方を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD15を点滅状態にしてランプD16を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD15及びランプD16の双方を点滅状態にするよう構成されている。
【0027】
特
図1保留表示器54は、特
図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
本実施形態の場合、
図3(b)に示すように、特
図1保留表示器54を構成するランプD11とランプD12のうち、保留数が「0」のときはランプD11及びランプD12の双方を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD11のみを点灯状態にし、保留数が「2」のときはランプD11及びランプD12の双方を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD11を点滅状態にしてランプD12を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD11及びランプD12の双方を点滅状態にするよう構成されている。点滅周期は、例えば128m秒に設定されている。
【0028】
特
図2保留表示器55は、特
図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
本実施形態の場合、
図3(b)に示すように、特
図2保留表示器55を構成するランプD13とランプD14のうち、保留数が「0」のときはランプD13及びランプD14の双方を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD13のみを点灯状態にし、保留数が「2」のときはランプD13及びランプD14の双方を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD13を点滅状態にしてランプD14を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD13及びランプD14の双方を点滅状態にするよう構成されている。点滅周期は、例えば128m秒に設定されている。
【0029】
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、LEDランプ等で構成され、例えば
図4(c)に示すように、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。
【0030】
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、LEDランプ等で構成され、例えば
図4(c)に示すように、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
【0031】
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、LEDランプ等で構成され、例えば
図4(c)に示すように、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
【0032】
ラウンド表示部60は、LEDランプ等で構成され、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。
本実施形態の場合、
図4(b)に示すように、ラウンド表示部60を構成するランプD6とランプD5とランプD4とランプD3のうち、選択されたラウンド数が「4」のときはランプD6及びランプD4を点灯状態にし、選択されたラウンド数が「16」のときはランプD5及びランプD3を点灯状態にするよう構成されている。
なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0033】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(
図5参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
【0034】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(
図5参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0035】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0036】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(
図5参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特
図1保留表示器54、特
図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0037】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特
図1表示器51(変動表示装置)又は特
図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特
図1表示器51若しくは特
図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図変動表示ゲームの結果として、特
図1表示器51若しくは特
図2表示器52の表示態様が小当り結果態様となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
【0038】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0039】
なお、特
図1表示器51、特
図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特
図1表示器51、特
図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。
【0040】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0041】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0042】
図5は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0043】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0044】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0045】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0046】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0047】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0048】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0049】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0050】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
【0051】
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0052】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0053】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル0リーチ(SP0リーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、スペシャル4リーチ(SP4リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル0リーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0054】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0055】
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0056】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0057】
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0058】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
【0059】
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
【0060】
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0061】
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0062】
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
【0063】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0064】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0065】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0066】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0067】
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0068】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
【0069】
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0070】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0071】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
【0072】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0073】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
【0074】
次に、
図6を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0075】
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
【0076】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
【0077】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
【0078】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
【0079】
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
【0080】
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
【0081】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0082】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
【0083】
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
【0084】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0085】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
【0086】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0087】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
【0088】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特
図1表示器51や特
図2表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
【0089】
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
【0090】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0091】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
【0092】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。
【0093】
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
【0094】
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
【0095】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
【0096】
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図7及び
図8に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる
図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0097】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図7及び
図8に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
【0098】
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0099】
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
【0100】
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0101】
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
【0102】
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
【0103】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
【0104】
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
【0105】
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
【0106】
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、
図8のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0107】
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、
図8のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
【0108】
図8のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
【0109】
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
【0110】
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0111】
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
【0112】
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0113】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
【0114】
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0115】
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0116】
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
【0117】
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0118】
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
【0119】
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
【0120】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
【0121】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
【0122】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図9に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、
図9のタイマ割込み処理が開始される。
【0123】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
【0124】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
【0125】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
【0126】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0127】
図10に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0128】
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
【0129】
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
【0130】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
【0131】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
【0132】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
【0133】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
【0134】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
【0135】
その後、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特
図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特
図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
【0136】
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
【0137】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。
図11に示すように、特図普段処理では、先ず、特
図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特
図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特
図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA306)。そして、特
図1保留数が「0」である(ステップA306;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA311)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA311;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA312)。
【0138】
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA313)、演出コマンド設定処理(ステップA314)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA311にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA311;Y)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。
【0139】
また、ステップA301にて、特
図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特
図2変動開始処理(ステップA302)を行い、特
図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA303)、演出コマンド設定処理(ステップA304)を行う。そして、特
図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA305)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA306にて、特
図1保留数が「0」でない場合(ステップA306;N)は、特
図1変動開始処理(ステップA307)を行い、特
図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA308)、演出コマンド設定処理(ステップA309)を行う。そして、特
図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。
【0140】
このように、特
図2保留数のチェックを特
図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特
図2保留数が「0」でない場合には特
図2変動開始処理(ステップA302)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
【0141】
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述の特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)、後述の特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)の詳細について説明する。
図12に示すように、特図普段処理移行設定処理1では、まず、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA321)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップA322)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA323)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA324)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
【0142】
〔特
図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図1変動開始処理(ステップA307)の詳細について説明する。特
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
図13に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図1)を示す特
図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA331)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA332)を行う。
【0143】
次に、特
図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理(ステップA333)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA334)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA335)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA336)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA337)を行って、特
図1変動開始処理を終了する。
【0144】
〔特
図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図2変動開始処理(ステップA302)の詳細について説明する。特
図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、
図13に示した特
図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
【0145】
図14に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図2)を示す特
図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
【0146】
次に、特
図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特
図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行って、特
図2変動開始処理を終了する。
【0147】
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特
図1変動開始処理及び特
図2変動開始処理における特図情報設定処理(A334、A344)の詳細について説明する。なお、特図保留情報判定処理においても始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンの判定のために行われる。本実施形態の場合、確率状態(低/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
【0148】
本実施形態の場合、当りを契機に演出モードを移行可能であり、当り図柄の種類(大当り図柄の種類又は小当り)に応じて当り終了後に移行する演出モードの移行先が異なる。本実施形態の大当りには、16R確変大当り、16R通常大当り及び4R確変大当りがあり、大当り図柄乱数によりいずれかが選択されるようになっている。
【0149】
16R確変大当りは、特別遊技状態で実行するラウンド数が16ラウンドであり、特別遊技状態の終了後から次回の大当りまで高確率状態かつ時短状態となる大当りである。また、16R通常大当りは、特別遊技状態で実行するラウンド数が16ラウンドであり、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となるとともに、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態となる大当りである。
【0150】
4R確変大当りは、特別遊技状態で実行するラウンド数が4ラウンドであり、特別遊技状態の終了後から次回の大当りまで高確率状態かつ時短状態となる大当りである。また、小当りは、4R確変大当りに基づく特別遊技状態での特別変動入賞装置38の動作態様と同じ動作態様で特別変動入賞装置38を動作する小当り遊技状態を発生する。この小当りの発生による確率状態や時短状態への影響はなく、はずれの場合と同様である。
【0151】
確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて決定される演出モードには、通常モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードがある。通常モードは通常確率状態及び時短状態でないことを明確に報知する演出モードであり、確変モードは高確率状態であることを明確に報知する演出モードである。時短モードは通常確率状態及び時短状態であることを明確に報知する演出モードであり、潜伏モードは確率状態を明確に報知しない演出モードである。さらに、同一の演出モード内に変動の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
【0152】
16R確変大当りに基づく特別遊技状態の終了後には確変モードとなり、次回の大当りまで継続される。また、16R通常大当りに基づく特別遊技状態の終了後には100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短モードとなり、その後通常モードに移行する。また、4R確変大当りに基づく特別遊技状態の終了後及び小当りに基づく小当り遊技状態の終了後には、確変モード、時短モード又は潜伏モードとなる。いずれの演出モードとなるかは4R確変大当り又は小当りが発生した際の演出モードによって決定される。
【0153】
確変モードで4R確変大当り又は小当りが発生した場合は、確変モードが継続して設定される。また、時短モードで4R確変大当りが発生した場合には確変モードとなり、次回の大当りまで継続される。通常モード又は潜伏モードで4R確変大当り又は小当りが発生した場合には潜伏モードとなり、所定回数の特図変動表示ゲームを実行すると確率状態に応じて確変モード又は通常モードに移行する。時短モードで小当りが発生した場合は時短モードが継続して設定される。ただし、時短モードの最終変動である100回目の特図変動表示ゲームで小当りが発生した場合には、次ゲームから時短状態でなくなるので通常モードへ移行する。これらの条件に従い演出モードは決定され、飾り特図コマンドとして演出制御装置300に送信される。
【0154】
図15に示すように特図情報設定処理では、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA451)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA452)。そして、時短モードの最終変動であるかを判定する(ステップA453)。
【0155】
時短モードの最終変動でない場合(ステップA453;N)は、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定する(ステップA453)。また、時短モードの最終変動である場合(ステップA453;Y)は、前半変動グループ選択ポインタを最終変動時用のポインタに変換し(ステップA454)、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定する(ステップA455)。
【0156】
次いで、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得し(ステップA456)、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA457)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステップA458)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、演出モード及び時短モードの最終変動であるか否かに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
【0157】
次いで、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA459)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA460)。そして、時短モードの最終変動であるかを判定する(ステップA461)。
【0158】
時短モードの最終変動でない場合(ステップA461;N)は、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定する(ステップA463)。また、時短モードの最終変動である場合(ステップA461;Y)は、後半変動グループ選択ポインタを最終変動時用のポインタに変換し(ステップA462)、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定する(ステップA463)。
【0159】
次いで、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得し(ステップA464)、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA465)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA466)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、演出モード及び時短モードの最終変動であるか否かに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
【0160】
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特
図1変動開始処理、及び特
図2変動開始における変動パターン設定処理(ステップA336、A346)の詳細について説明する。なお、特図保留情報判定処理においても始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンの判定のために行われる。変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
【0161】
図16に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
【0162】
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)を行って、ステップA477の処理に移行する。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)を行って、ステップA477の処理に移行する。
【0163】
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
【0164】
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA486)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。なお、
図15で示した特図情報設定処理においては、時短モードの最終変動である場合には最終変動時用の情報を設定しており、これにより、
図16の変動パターン設定処理において設定される変動パターンとして最終変動用の変動パターンが選択可能となる。
【0165】
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特
図1変動開始処理及び特
図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA337、A347)の詳細について説明する。
図17に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA491)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
【0166】
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA498)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA499)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA500)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(ステップA501)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA502)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA503)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA504)、変動開始情報設定処理を終了する。
【0167】
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの実行時間を決定する実行時間決定手段をなす。
【0168】
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
【0169】
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。
図18及び
図19に示すように、特図表示中処理では、まず、特
図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
【0170】
次いで、特
図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特
図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特
図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
【0171】
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特
図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
【0172】
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
【0173】
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特
図1又は特
図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。
【0174】
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
【0175】
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は500m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
【0176】
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。
【0177】
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。このステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行う。
【0178】
そして、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA728)、演出コマンド設定処理(ステップA729)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA730)、時短モードの最終変動であるかを判定する(ステップA731)。
【0179】
時短モードの最終変動でない場合(ステップA731;N)は、演出コマンド設定処理(ステップA733)を行う。また、時短モードの最終変動である場合(ステップA731;Y)は、小当りファンファーレコマンドを小当りファンファーレコマンド(最終回用)に差し替え(ステップA732)、演出コマンド設定処理(ステップA733)を行う。
【0180】
これにより、時短モードの最終変動で小当りとなった場合に、小当りの発生を遊技者に意識させないような演出の設定が可能となる。なお、特図の高確率中である場合には、ステップA728〜A733の処理を行わないようにするか、小当りファンファーレコマンド(高確率用)を設定し、時短モードの最終変動の場合と同様に、小当りの発生で大入賞口は開くが小当りの発生を遊技者に意識させないように表示装置41に表示される画面を変化させないような処理を可能としても良い。
【0181】
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA734)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA735)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームが小当り結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置38を開放する小当り遊技状態を発生させる小当り遊技発生手段をなす。
【0182】
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率変動回数更新処理(ステップA736)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA737)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA738)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA739)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
【0183】
ステップA739にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA739;N)には、特図普段処理移行設定処理1(ステップA742)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA739にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA739;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA740)、演出コマンド設定処理(ステップA741)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA742)を行い、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
【0184】
なお、高確率変動回数更新処理(ステップA726、A736)においては、高確率状態とするゲーム数の管理と、時短状態とするゲーム数の管理を行う。上述の処理における時短モードの最終変動であるかの判定(ステップA453、A461、A731)では、ここで管理されている情報を用いて時短モード(時短状態)の最終変動であるかを判定する。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後から、所定回数の変動表示ゲームを実行する期間にわたり、普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する期間を延長する特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
【0185】
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)の詳細について説明する。
図20に示すように、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA811)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA812)。
【0186】
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA813)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA814)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA815)。
【0187】
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA816)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA817)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA818)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA819)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
【0188】
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について説明する。
図21(a)に示すように、小当りファンファーレ中処理では、小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)を行う。
【0189】
〔小当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)の詳細について説明する。
図21(b)に示すように、小当り中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(ステップA1311)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1312)。
【0190】
次いで、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1313)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1314)。
次いで、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために、大入賞口ソレノイド38bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA1315)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1316)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(ステップA1317)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
【0191】
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について説明する。
図22に示すように、小当り中処理では、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(ステップA1401)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるかを判定する(ステップA1402)。
ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り中制御ポインタ領域の内容を+1更新し(ステップA1403)、小当り動作移行設定処理(ステップA1404)を行って、小当り中処理を終了する。
【0192】
一方、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1405)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1406)。これにより、特図高確率中での小当りかを判定する。なお、ここでは、時短状態中であるか否かは問わない。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(ステップA1406;Y)には、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1406;N)には、小当り終了画面のコマンドを準備し(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)を行って、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。
【0193】
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り動作移行設定処理(ステップA1404)の詳細について説明する。
図23に示すように、小当り動作移行設定処理では、制御ポインタ(小当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理(ステップA1411)を行う。
【0194】
ステップA1411にて、ステップ A1401でロードした制御ポインタが「0」,「2」,「4」の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(例えば1300m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1412)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1413)、小当り動作移行設定処理を終了する。
また、ステップA1411にて、制御ポインタが「1」,「3」,「5」の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(例えば200m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1414)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA1415)、小当り動作移行設定処理を終了する。
【0195】
ここで、本実施形態の場合、500m秒の小当りファンファーレ時間の後に、200m秒の開放と1300m秒の閉鎖とを交互に行い、開放の終了時及び閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタの値に基づいて次の動作が決定される。
具体的には、1回目の200m秒開放の終了時(すなわち、1回目の200m秒開放から1回目の1300m秒閉鎖への切り替わり時)は小当り中制御ポインタが「0」であり、1回目の1300m秒閉鎖の終了時(すなわち、1回目の1300m秒閉鎖から2回目の200m秒開放への切り替わり時)は小当り中制御ポインタが「1」であり、2回目の200m秒開放の終了時は小当り中制御ポインタが「2」であり、2回目の1300m秒閉鎖の終了時は小当り中制御ポインタが「3」であり、3回目の200m秒開放の終了時は小当り中制御ポインタが「4」であり、3回目の1300m秒閉鎖の終了時は小当り中制御ポインタが「5」である。そして、4回目の200m秒開放の終了時は小当り中制御ポインタが「6」であり、1200m秒の小当り残存球時間と、その後の2100m秒の小当りエンディング時間との経過後に、小当り状態が終了する。したがって、4回目の200m秒開放の後に、3300m秒間閉鎖されるので、見た目のエンディング時間は3300m秒となる。
【0196】
〔小当り残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)の詳細について説明する。
図24に示すように、小当り残存球処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定して(ステップA1421)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1422)。
次いで、小当り残存球処理時間(例えば1.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1423)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1424)、小当り残存球処理移行設定処理を終了する。
【0197】
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について説明する。
図25(a)に示すように、小当り残存球処理では、小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)を行う。
【0198】
〔小当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り残存球処理における小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)の詳細について説明する。
図25(b)に示すように、小当り終了処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(ステップA1511)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1512)。
【0199】
次いで、小当りエンディング時間(例えば2.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1513)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1514)。
次いで、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1515)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(ステップA1516)、小当り終了処理移行設定処理を終了する。
【0200】
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について説明する。
図26に示すように、小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1601)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1602)。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1602;N)は、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1603)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1604)。
【0201】
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1606)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1607)。その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1608)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA1609)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA1609;Y)は、ステップA1619の処理に移行する。
【0202】
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA1609;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1610)、演出コマンド設定処理(ステップA1611)を行う。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1612)、演出コマンド設定処理(ステップA1613)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA1614)、演出コマンド設定処理(ステップA1615)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA1616)、左打ちするモードでない場合(ステップA1616;N)には、ステップA1619の処理に移行する。また、左打ちするモードである場合(ステップA1616;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA1617)、演出コマンド設定処理(ステップA1618)を行った後に、ステップA1619の処理に移行する。
【0203】
そして、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1619)、ロードしたフラグが特図時短中(時短状態中)に関するフラグであるかを判定する(ステップA1620)。
ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグである場合(ステップA1620;Y)には、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行って、小当り終了処理を終了する。
また、ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグでない場合(ステップA1620;N)には、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1621)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1622)、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行い、小当り終了処理を終了する。
【0204】
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の小当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)の詳細について説明する。
図27に示すように、特図普段処理移行設定処理では、まず、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1631)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1632)。
【0205】
次いで、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1633)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1634)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1635)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(ステップA1636)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(ステップA1637)。
次いで、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1638)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
【0206】
図28には、時短モードにおけるはずれと小当りの場合における変動態様及び演出態様を示した。
図28(a)、(b)には時短モード中における特別図柄の変動態様と、表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様であって、最終変動以外(ここでは特別遊技状態の終了から100回目以外)の場合を示した。
図28(a)は結果がはずれとなる場合である。この場合は、特別図柄の変動表示を2.0秒行った後に、0.6秒間結果態様を停止表示して特図変動表示ゲームが終了する。
【0207】
図28(b)は結果が小当りとなる場合である。この場合は、特別図柄の変動表示を2.0秒間行った後、0.6秒間結果態様を停止表示して特図変動表示ゲームが終了し、8.5秒間の小当り遊技状態となる。この小当り遊技状態は、0.5秒間のファンファーレ期間の後、特別変動入賞装置を0.2秒開放する動作を1.3秒の閉鎖期間を挟んで4回行う開閉動作期間となり、3.3秒間のエンディング期間を行って終了する。小当り遊技状態における表示装置41での表示は、小当り遊技状態であることを認識可能な小当り中演出を表示するか、結果態様を停止した状態のままのどちらかとする。この場合遊技者は、小当り中演出により、又は結果態様が長時間表示されることから小当りが発生したことを認識可能である。
【0208】
図28(c)、(d)には時短モード中における特別図柄の変動態様と、表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様であって、最終変動(ここでは特別遊技状態の終了から100回目)の場合を示した。
図28(c)は結果がはずれとなる場合である。この場合は、特別図柄の変動表示を10.5秒行った後に、0.6秒間結果態様を停止表示して特図変動表示ゲームを終了する。
【0209】
10.5秒間の変動表示のうち初めの2.0秒間は、表示装置41の中央で識別情報を変動するような識別情報の変動表示を主体とした演出表示を行う。その後の8.5秒間は、時短モードが終了する旨を報知するモード終了演出を行う。モード終了演出における序盤の0.6秒間は、結果態様を停止表示する際と同じような演出を行い、あたかも特図変動表示ゲームが終了したかのように見せるようにする。ただし、実際には変動表示中であるので識別情報がわずかに揺れる仮停止表示とする。この仮停止表示の演出を行った後、識別情報は表示装置41の隅で小さな表示として仮停止表示するようにし、表示装置41の中央では時短モードが終了する旨の報知を主体とする演出を行う。そして、モード終了演出を行った後に0.6秒間結果態様を停止表示して特図変動表示ゲームを終了する。
【0210】
図28(d)は結果が小当りとなる場合である。この場合は、特別図柄の変動表示を2.0秒間行った後、0.6秒間結果態様を停止表示して特図変動表示ゲームが終了し、8.5秒間の小当り遊技状態となる。2.0秒間の変動表示における演出は、
図28(c)に示すはずれの場合における2.0秒間の変動表示における演出と同じである。また、0.6秒間の結果態様の停止表示における演出は、
図28(c)に示すはずれの場合におけるモード終了演出の序盤での0.6秒間の仮停止表示中における演出と同じである。
【0211】
小当り遊技状態は、0.5秒間のファンファーレ期間の後、特別変動入賞装置を0.2秒開放する動作を1.3秒の閉鎖期間を挟んで4回行う開閉動作期間となり、3.3秒間のエンディング期間を行って終了する。小当り遊技状態における表示装置41での表示は、時短モードが終了する旨を報知するモード終了演出を行う。このモード終了演出は、
図28(c)に示すはずれの場合におけるモード終了演出から序盤の0.6秒の仮停止表示の演出を除いた演出を行い、最後の0.6秒間に結果態様を停止表示する演出を行うものである。この最後の0.6秒間における結果態様を停止表示する演出は、
図28(c)に示すはずれの場合における最後の0.6秒間に亘る結果態様を停止表示する際の演出と同じである。
【0212】
なお、小当りの場合のモード終了演出は停止時間中に行うので、識別情報は表示装置41の隅で小さな表示として停止表示する。上述したはずれの場合は変動時間中であるので、仮停止として揺れるように表示するため、この点は異なっている。このため、表示装置41の隅で小さな表示として行うことで遊技者に気づかれにくくなるようにしている。
【0213】
すなわち、時短モードの最終変動では、はずれの場合での特図変動表示ゲームの開始から終了までの時間と、小当りの場合の特図変動表示ゲームの開始から終了までの時間に小当り遊技状態の時間を加算した時間と、が何れも11.1秒となるようにされている。さらに、演出の進行も同じようにされている。これにより時短モードの最終変動において、はずれの場合と小当りの場合とで区別がつきにくく、遊技者が小当りの発生を認識しにくくなるので、小当りであった場合の遊技者の落胆感を緩和することができる。
【0214】
つまり、時短モードの最終変動で小当りが発生しても小当り遊技状態の後に通常モードに移行するだけなので、遊技者にとってはせっかく小当りが発生したのに不利な状態に移行したと感じる格下げ感を受けてしまうため落胆感が大きい。しかし、はずれの場合と同じような演出とすれば、小当りが発生したことを意識させないようにすることができ、落胆感を緩和することができる。
【0215】
また、従来の遊技機のように小当り遊技状態の実行時間が十分に短ければ、はずれの場合の停止時間と同じ程度の時間に小当り遊技状態を収めることができる。しかし、遊技を多彩なものとするために特別遊技状態における特別変動入賞装置38の開放態様に様々なバリエーションを持たせ、この特別遊技状態における特別変動入賞装置38の開放動作と合わせるために、小当り遊技状態における特別変動入賞装置38の開放動作の回数が多くなると小当り遊技状態の実行時間は長くなり、はずれの場合の停止時間と同じ程度の時間に小当り遊技状態を収めることが難しくなる。そこで、本実施形態のように最終変動では、最終変動より前の変動における特図変動表示ゲームの実行時間よりも長い時間に亘り行うモード終了演出を行うようにし、はずれの場合も小当りの場合も同じ時間に収まるようにすることを可能としている。
【0216】
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を表示装置41で変動表示する変動表示ゲームを実行し、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態を発生する遊技機において、
前記始動口には、遊技球が入賞困難な閉状態と、該閉状態よりも遊技球が入賞容易な開状態とに状態変換可能な普通変動入賞装置37を備え、
前記特別遊技状態の終了後から、所定回数の変動表示ゲームを実行する期間にわたり、前記普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する期間を延長する特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生制御手段(遊技制御装置100)と、
前記変動表示ゲームが小当り結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴わずに前記特別変動入賞装置38を開放する小当り遊技状態を発生させる小当り遊技発生手段(遊技制御装置100)と、
前記表示装置41に表示する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態における最終回となる変動表示ゲームである最終ゲームにおいて結果がはずれとなる場合に、当該最終ゲームにおいて前記特定遊技状態の終了を報知する終了報知演出を行い、
前記最終ゲームにおいて結果が小当りとなる場合には、当該最終ゲーム及び前記小当り遊技状態に亘り前記終了報知演出を行うようにしたこととなる。
【0217】
また、前記変動表示ゲームの実行時間を決定する実行時間決定手段(遊技制御装置100)を備え、
前記実行時間決定手段は、
前記最終ゲームの結果がはずれとなる場合の当該最終ゲームの前記実行時間と、
前記最終ゲームの結果が小当りとなる場合の当該最終ゲームの実行時間に前記小当り遊技状態の実行時間を加えた時間と、が同一の時間となるように実行時間を決定するようにしたこととなる。
【0218】
なお、時短モードの最終変動で結果がはずれの場合に、変動時間を2.0秒、停止時間を9.1秒とし、停止時間の序盤の0.6秒間と終了前の0.6秒間では結果態様を停止表示する図柄表示を行い、残りの停止時間中にモード終了演出を行うようにしても良い。このようにすれば、はずれの場合でもモード終了演出中に識別情報を仮停止ではなく停止させることができ、小当りの場合と同じようにすることができるので、より小当りの発生を意識させないようにすることができる。モード終了演出中に識別情報を仮停止ではなく停止させるようにした場合は、表示装置41の中央で結果態様を表示するようにし、その後にモード終了演出を行うようにしてもよい。さらに、時短モードの最終変動で結果が小当りの場合には、飾り特図変動表示ゲームの停止結果態様をはずれ時の結果態様とするようにしても良い。
【0219】
すなわち、前記実行時間決定手段は、
前記識別情報を変動表示する変動時間を決定する変動時間決定手段(遊技制御装置100)と、
前記結果を表示する停止時間を決定する停止時間決定手段(遊技制御装置100)と、を備え、
前記停止時間決定手段は、
前記最終ゲームの結果がはずれとなる場合には当該最終ゲームの前記停止時間を、当該最終ゲーム以外における前記停止時間よりも延長し、
前記最終ゲームの結果がはずれとなる場合の当該最終ゲームの前記実行時間と、
前記最終ゲームの結果が小当りとなる場合の当該最終ゲームの実行時間に前記小当り遊技状態の実行時間を加えた時間と、が同一の時間となるようにするようにしても良い。
【0220】
次に、遊技球の発射方向の指示に関する制御について説明する。本実施形態の遊技機10の場合、始動入賞口36へは遊技球が流下する遊技領域32のうちセンターケース40の左方の領域である左側遊技領域へ遊技球を流下させるいわゆる左打ちでないと入賞しないように構成されている。また、普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38へは、遊技球が流下する遊技領域32のうちセンターケース40の右方の領域である右側遊技領域へ遊技球を流下させるいわゆる右打ちでないと入賞しないように構成されている。したがって、時短状態と16R大当りに基づく特別遊技状態中は、右打ちが遊技者にとって有利である。
【0221】
また、時短状態、特別遊技状態及び小当り遊技状態以外の状態では左打ちが遊技者にとって有利である。なお、4R大当りに基づく特別遊技状態や小当りに基づく小当り遊技状態については、右打ちが遊技者にとってわずかに有利ではあるが、遊技球の入賞がほとんど望めないためどちらに打っても差はほとんどないものである。
【0222】
このように状況によって遊技者にとって有利な打ち方が異なるため、例えば
図29(a)に示すように、左打ちが遊技者にとって有利な場合に普図始動ゲート34で遊技球が検出された場合、すなわち右打ちを検出した場合には、
図29(b)に示すように位置指定案内報知として表示装置41に左打ちを行うことを促す案内表示を行うようになっている。また逆に、右打ちが遊技者にとって有利な場合に始動入賞口36で遊技球が検出された場合、すなわち左打ちが検出された場合には、位置指定案内報知として表示装置41に右打ちを行うことを促す案内表示を行うようになっている。
【0223】
つまり位置指定案内報知は、遊技機10が遊技状態に応じて設定する遊技者にとって有利な発射方向と、実際の遊技球の検出結果と、が整合しないことに基づき行うようになっている。本実施形態の遊技機10では、始動入賞口36へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38へは右打ちでないと入賞しないように構成されているので、これらでの入賞の検出に基づき遊技者が左打ちしているか右打ちしているかを判別することができる。
【0224】
また、遊技機10が遊技状態に応じて設定する遊技者にとって有利な発射方向は、時短状態、16R大当りに基づく特別遊技状態、4R大当りに基づく特別遊技状態、小当り遊技状態及びこれらの何れでもない状態などの遊技状態から設定するようになっている。より具体的には、時短状態又は16R大当りに基づく特別遊技状態である場合は右打ちとする。また、時短状態、特別遊技状態及び小当り遊技状態の何れでもない場合は左打ちとする。さらに、4R大当りに基づく特別遊技状態又は小当り遊技状態である場合は、これらの終了後の遊技状態に基づき当該遊技状態中の発射方向を定める。
【0225】
また、遊技機10が遊技状態に応じて設定する遊技者にとって有利な発射方向は、発射位置指定信号として外部にも出力される。この発射位置指定信号は、試射試験信号であり、CPU111Aによってバッファ133及び中継基板70を介して試射試験装置に出力可能となっており、左打ちする遊技状態である場合にはLowレベルとされ、右打ちする遊技状態である場合にはHighレベルとされる。
【0226】
図30には、試射試験信号の変化を説明するタイミングチャートを示した。この例では、まず、時短状態でない状態(普電サポートなし)であり、発射位置指定信号は左打ちする遊技状態であることを示すLowレベルとなっている。この状態では遊技者は左打ちを行うため、始動入賞口36に遊技球が入賞し、特
図1変動表示ゲームが実行される。
【0227】
そして、特
図1変動表示ゲームの結果が小当りとなると、小当り遊技状態が開始される(T1)。小当り遊技状態では特別変動入賞装置38が開放されるが、遊技球の入賞がほとんど望めないため、発射位置指定信号は小当り遊技状態の終了後の遊技状態に応じた発射方向を示すLowレベルが維持される。
【0228】
その後、結果が16R大当りとなる特
図1変動表示ゲームが開始される(T2)。後述するようにこの特
図1変動表示ゲームでは、変動停止の所定時間前(ここでは5秒前)から右打ちを検出しても位置指定案内報知が行われないようにされる。この特
図1変動表示ゲームが終了して特別遊技状態が開始されると、発射位置指定信号は右打ちする遊技状態であることを示すHighレベルに変更される(T3)。この発射位置指定信号の設定は、特図表示中処理(
図18参照)において16R大当りに基づく特別遊技状態の開始の設定の際に併せて行われるようになっている。この特別遊技状態が終了すると時短状態(普電サポートあり)となるので、特別遊技状態の終了後も発射位置指定信号はHighレベルのまま維持される(T4)。
【0229】
ここでは左打ちの状態で特別遊技状態が発生していたので、特別遊技状態の終了時には特
図2始動記憶は未だ発生しておらず、特別遊技状態の終了に伴い特
図1変動表示ゲームが開始される。この特
図1変動表示ゲームは結果が小当りであり、これに伴い小当り遊技状態が開始される(T5)。この小当り遊技状態では、発射位置指定信号は小当り遊技状態の終了後の遊技状態に応じた発射方向を示すHighレベルが維持される。
【0230】
また、その後に特
図2変動表示ゲームで小当りとなり小当り遊技状態が開始されるが(T6)、ここでも発射位置指定信号は小当り遊技状態の終了後の遊技状態に応じた発射方向を示すHighレベルが維持される。さらに、特
図2変動表示ゲームで16R通常大当りが発生して特別遊技状態が開始されている(T7)。この特別遊技状態中及び特別遊技状態の終了後も右打ちする遊技状態となるので、発射位置指定信号はHighレベルのまま維持される。
【0231】
そして、大当りが発生せずに所定回数の特図変動表示ゲームを実行して時短状態(普電サポート)が終了すると、左打ちする遊技状態となるので発射位置指定信号がHighからLowに切り替えられる(T8)。この発射位置指定信号の設定は、特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(ステップA736、
図19参照)において、時短状態の終了の設定の際に併せて行われるようになっている。
【0232】
図31は、位置指定案内報知に関するコマンドの送信タイミングを説明するタイミングチャートである。発射位置指定信号がLowレベルである期間中、すなわち左打ちする遊技状態である場合は、遊技領域32の右側領域に配設されている普図始動ゲート34に遊技球が入賞してゲートスイッチ34aで当該遊技球が検出されると(タイミングT11、T12、T16)、遊技領域32の左側領域を狙って遊技球を発射する所謂左打ちを指示する左打ち指示報知コマンドが送信されるようになっている。この左打ち指示報知コマンドが送信されると、位置指定案内報知として例えばスピーカ19a,19bによって左打ちを指示する旨の音声が出力されたり、表示装置41の表示画面に左打ちを指示するがなされたりするようになっている。
【0233】
一方、発射位置指定信号がHighレベルに維持されている期間中、すなわち右打ちする遊技状態である場合は、始動入賞口36に遊技球が入賞して始動口1スイッチ36aで当該遊技球が検出されると(タイミングT14)、遊技領域32の右側領域を狙って遊技球を発射する右打ちを指示する右打ち指示報知コマンドが送信されるようになっている。
【0234】
この右打ち指示報知コマンドが送信されると、位置指定案内報知として例えばスピーカ19a,19bによって右打ちを指示する旨の音声が出力されたり、表示装置41の表示画面に右打ちを指示する案内表示がなされたりするようになっている。これにより、従来は有利な状態となる遊技球の流下領域を把握することができない遊技者は不利益を蒙る虞があったが、遊技状態に応じて適切な遊技球の流下領域を報知することで、遊技者が不利益を蒙ることを防止することができる。
【0235】
なお、位置指定案内報知を行う契機を普図始動ゲート34や始動入賞口36での遊技球の検出としたが、これ以外の契機であっても良い。すなわち、右打ちが遊技者にとって有利な場合に右打ちでは入賞し得ない入賞口への入賞を検出した場合や、左打ちが遊技者にとって有利な場合に左打ちでは入賞し得ない入賞口への入賞を検出した場合を契機とすればよく、例えば、所定の一般入賞口35への入賞を契機としても良い。
【0236】
以上に示した位置指定案内報知は、遊技者に有利な打ち方を報知するためのものであるが、報知するタイミングによっては遊技者が混乱する虞がある。例えば
図32に示すように、16R大当りとなる特図変動表示ゲームでは、所定時間に亘り識別情報を変動表示し(T21〜T22)、16R通常大当りの結果態様で仮停止して(T22)、少なくとも16R通常大当りであることを示す。さらに再変動を行って16R確変大当りであるか否かを報知する演出である再抽選演出を行うようになっている(T22〜T23)。また、この例では、左打ちする遊技状態において16R大当りが発生しており、特別遊技状態の開始に伴い発射位置指定信号がLowからHighに変化する(T24)。
【0237】
仮停止の時点で遊技者は16R大当りであることを認識し、後に右打ちを行う特別遊技状態に移行することを認識するため、この時点から特別変動入賞装置38を狙って右打ちを開始する場合がある。しかし、遊技機において遊技者にとって有利な打ち方が右打ちであると設定するのは特別遊技状態の開始時であるため、再抽選演出や結果態様を停止表示する図柄表示時間において普図始動ゲート34で遊技球が検出されると、通常は位置指定案内報知の実行対象となる。このタイミングで位置指定案内報知を行うとすると、右打ちをしていた遊技者が位置指定案内報知に従い左打ちに戻してもすぐに特別遊技状態となって右打ちをすることとなり、遊技者にとっては無駄な動きとなってしまう。
【0238】
そこで、16R大当りとなる特別遊技状態を発生させる特図変動表示ゲームにおいて、特図変動表示ゲームの終了の所定時間前となる仮停止の時点(T22)から当該特図変動表示ゲームの終了(T24)まで位置指定案内報知を規制するようにしている。これにより、仮停止から特図変動表示ゲームの終了までの間に普図始動ゲート34で遊技球が検出されても位置指定案内報知は行われない。
【0239】
なお、位置指定案内報知を規制する期間の開始は大当り結果態様の仮停止に限られるものではない。右打ちが有利となる状態に移行することを遊技者が知った時から位置指定案内報知を規制することが好ましいが、これより前でも後でも良い。また、演出の内容に関わらず、遊技者にとって有利な遊技球の発射位置が変更される時の所定時間前(例えば発射位置が変更されることとなる変動表示ゲームの開始時)からは位置指定案内報知を規制するようにしても良い。
【0240】
さらに、右打ちに移行する場合だけでなく、左打ちに移行する場合にも同様に移行の所定時間前から位置指定案内報知を規制するようにしても良い。例えば、時短状態終了前の所定時間や、時短状態が発生しない特別結果を設定した場合に当該特別結果に基づく特別遊技状態の終了前の所定時間、時短状態となるか否かを明確に報知せずに特別遊技状態となった場合に当該特別遊技状態の終了前の所定時間などが該当する。すなわち、遊技者にとって有利な遊技球の発射位置が変更される時の所定時間前からは位置指定案内報知を規制するようにすればよい。
【0241】
また、小当り遊技状態や4R大当りに基づく特別遊技状態では、特別変動入賞装置38への遊技球の入賞がほとんど望めないため、遊技者が右打ちと左打ちのどちらを選択しても良いので位置指定案内報知を規制するようにしても良い。
【0242】
次に、以上のような位置指定案内報知の実行や規制を行うための処理について説明する。
〔普図ゲーム処理〕
まず、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS110)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
【0243】
図33に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
【0244】
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
【0245】
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
【0246】
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
【0247】
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
【0248】
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
【0249】
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細について説明する。
図34に示すように、ゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるかを判定する(ステップB101)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(ステップB101;Y)は、右打ちする遊技状態であるかを判定する(ステップB102)。右打ちする遊技状態とは、例えば、16R大当りに基づく特別遊技状態中や時短状態中(普電サポート中)であり、発射位置指定信号の状態を設定する領域を参照してHighとする状態であれば右打ちする遊技状態であると判定することができる。なお、4R大当りに基づく特別遊技状態や小当りに基づく小当り遊技状態については、遊技球の入賞がほとんど望めないため、右打ちする遊技状態に含めなくても良いが、左打ちする遊技状態で発生した小当りの場合以外は後に時短状態となるので右打ちする遊技状態に含める方が好ましい。
【0250】
右打ちする遊技状態である場合(ステップB102;Y)は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば「4」)未満であるかを判定する(ステップB108)。また、右打ちする遊技状態でない場合(ステップB102;N)は、特図変動中であるか、すなわち特図変動表示ゲームが変動時間中であるかを判定する(ステップB103)。
【0251】
特図変動中でない場合(ステップB103;N)は、左打ち指示コマンドを準備し(ステップB106)、演出コマンド設定処理(ステップB107)を行った後に、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値未満(例えば「4」)であるかを判定する(ステップB108)。また、特図変動中である場合(ステップB103;Y)は、大当りとなる特図変動表示ゲームの変動中であるかを判定する(ステップB104)。
【0252】
大当りとなる特図変動表示ゲームの変動中でない場合(ステップB104;N)は、ステップB106に移行する。また、大当りとなる特図変動表示ゲームの変動中である場合(ステップB104;Y)は、残り変動時間が5秒以上であるかを判定する(ステップB105)。残り変動時間が5秒以上である場合(ステップB105;Y)は、ステップB106に移行する。また、残り変動時間が5秒以上でない場合(ステップB105;N)は、ステップB108に移行する。すなわち、残り変動時間が5秒以上でない場合は左打ちを指示する位置指定案内報知を行わない。
【0253】
そして、普図保留数が上限値未満である場合(ステップB108;Y)は、普図保留数を+1更新し(ステップB109)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(ステップB110)。そして、当り乱数を抽出し、RWMの当り乱数格納領域にセーブして(ステップB111)、当り図柄乱数を抽出し、RWMの当り図柄乱数格納領域にセーブして(ステップB112)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
【0254】
また、ステップB101にてゲートスイッチ34aに入力がないと判定した場合(ステップB101;N)や、ステップB108にて普図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップB108;N)は、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
【0255】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
図35に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、右打ちする遊技状態であるかを判定する(ステップA104)。
【0256】
ステップA104にて、右打ちする遊技状態でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA104にて、右打ちする遊技状態であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。
【0257】
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
【0258】
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
【0259】
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
【0260】
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0261】
なお、上述の始動口スイッチ監視処理においても、
図34に示したゲートスイッチ監視処理と同様に所定条件が成立した場合には右打ち指示報知コマンドを設定しないようにして、位置指定案内報知が行われないようにしても良い。すなわち、左打ちする遊技状態になる可能性があるタイミングの所定時間前(例えば5秒前)であれば右打ち指示報知コマンドを設定しないようにする。
【0262】
また、位置指定案内報知を規制する状態では、遊技制御装置100が送信する右打ち指示報知コマンドや左打ち指示報知コマンドを出力しないように構成することで位置指定案内報知を規制するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、遊技制御装置100はこれらのコマンドを規制されることなく出力するが、演出制御装置300においては位置指定案内報知を規制する状態である場合にはコマンドを破棄(無視)することにより位置指定案内報知を行わないように構成しても良い。
【0263】
以上のことから、遊技者が遊技領域32における遊技球の流下位置を変更することが可能な遊技機において、
遊技状態には、
前記遊技領域32の一側(左側)に遊技球を流下させた場合に遊技者に有利な第1遊技状態(左打ちする遊技状態)と、
前記遊技領域32の他側(右側)に遊技球を流下させた場合に遊技者に有利な第2遊技状態(右打ちする遊技状態)と、を含み、
前記遊技領域32の一側(左側)を流下する遊技球を検出可能な第1遊技球検出手段(始動入賞口36)と、
前記遊技領域32の他側(右側)を流下する遊技球を検出可能な第2遊技球検出手段(普図始動ゲート34)と、
前記第1遊技状態中に前記第2遊技球検出手段で遊技球が検出された場合に、前記遊技領域の一側に遊技球を流下させるように案内する一方で、前記第2遊技状態中に前記第1遊技球検出手段で遊技球が検出された場合に、前記遊技領域の他側に遊技球を流下させるように案内する案内手段(演出制御装置300)と、
を備えていることとなる。
【0264】
したがって、遊技者に遊技価値を付与可能な状態となる遊技球の発射位置を報知することができ、遊技者が不利益を蒙ることを防止することができる。
【0265】
また、遊技者に有利な遊技球の流下領域を特定する特定信号(発射位置指定信号)を当該遊技機の外部に出力する出力手段(遊技制御装置100)を備えていることとなる。
【0266】
したがって、遊技者に遊技価値を付与可能となる遊技球の発射位置を遊技機の外部で特定することが可能であるため、遊技機の検査を行う際に効率良く行うことができる。
【0267】
また、識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果態様が予め定めた結果態様となった場合に、遊技者が遊技領域32における遊技球の流下位置を変更することにより遊技者に遊技価値を付与可能な遊技機において、
遊技状態には、
前記遊技領域32の一側(左側)に遊技球を流下させることにより、前記変動表示ゲームの始動条件を成立可能な第1遊技状態(左打ちする遊技状態)と、
該変動表示ゲームの結果態様が予め定めた結果態様となった場合に、前記遊技領域32の他側に遊技球を流下させることにより、遊技価値を付与可能な第2遊技状態(右打ちする遊技状態)と、を含み、
前記遊技領域32の一側(左側)を流下する遊技球を検出可能な第1遊技球検出手段(始動入賞口36)と、
前記遊技領域の他側(右側)を流下する遊技球を検出可能な第2遊技球検出手段(普図始動ゲート34)と、
前記第1遊技状態中に前記第2遊技球検出手段で遊技球が検出された場合に、前記遊技領域の一側に遊技球を流下させるように案内する一方で、前記第2遊技状態中に前記第1遊技球検出手段で遊技球が検出された場合に、前記遊技領域の他側に遊技球を流下させるように案内する案内手段(演出制御装置300)と、
を備え、
変動表示ゲームの結果態様が予め定めた結果態様となる場合には、当該変動表示ゲームの実行中に前記第2遊技球検出手段により遊技球が検出されたとしても、前記案内手段による案内を行わないようにしたこととなる。
【0268】
したがって、大当り開始直前に右打ちをしてしまった場合に、左打ち指示がされた直後に大当りが開始されて右打ち指示が指示され、遊技者が困惑してしまうことにより興趣が低下してしまうことを防止することができる。
【0269】
また、従来、遊技機10の発射操作部(ハンドル)を固定部材によって固定し、金属片等のアース部材を操作部24におけるタッチスイッチに接続させることで、遊技者が操作部24に触れることなく遊技球を発射させて遊技を行う遊技者が存在した。そのため、一人の遊技者によって複数の遊技機が確保され、公正な遊技の実施が妨げられることがあった。そこで、一人の遊技者によって複数の遊技機を確保して遊技を行わせないような対策を行う必要があった。
【0270】
しかし本発明によれば、右打ち遊技状態中に遊技領域32の他側を流下する遊技球が遊技球検出手段で検出された場合には、位置指定案内報知が行われるため、上記のようにアース部材を操作部24におけるタッチスイッチに接続させて遊技を行っていると、右打ち遊技状態中に位置指定案内報知が頻繁に行われるため、遊技店の係員や周囲の遊技者に対して不公正な遊技が行われている遊技機を報知することができ、不公正な遊技を実施することを防止させることが可能となる。また、遊技者が有利な状態となる遊技球の流下方向を特定可能な位置指定信号を遊技機10の外部に出力するように構成することで、不公正遊技の対策が施された遊技機であるか否かを容易に検査することが可能となる。
【0271】
次に、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって実行される制御について説明する。主制御用マイコン311による制御処理は、主に
図36に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理とからなる。
【0272】
〔メイン処理〕
メイン処理においては、
図36に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。
【0273】
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では、演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
【0274】
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行い、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行う。
【0275】
次いで、演出の進行を制御するためのシナリオ設定処理(ステップC13)、モーション制御処理(ステップC14)を行い、描画コマンドの編集と送信(ステップC15)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC16)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
【0276】
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC17)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC17で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC17;N)には、ステップC17の処理を繰り返して行う。一方、ステップC17で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC17;Y)には、画面描画を指示する(ステップC18)。
【0277】
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC19)、盤装飾装置46、枠装飾装置18、進行報知装置600のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC20)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC21)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
【0278】
〔受信コマンドチェック処理〕
図37には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップC12)を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC31)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC32)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC32;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC32;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC33)。
【0279】
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC34)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC35)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC36)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
【0280】
ステップC36で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC36;N)には、ステップC34の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC36;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC37)、受信コマンド解析処理(ステップC38)を行う。
【0281】
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC39)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC40)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC40;N)には、ステップC37の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC40;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
【0282】
〔受信コマンド解析処理〕
図38には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(ステップC38)を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC51)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC52)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC52;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC53)。
【0283】
また、ステップC52で、MODE及びACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC52;N)、あるいは、ステップC53でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC53;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0284】
ステップC53で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC53;Y)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC54)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC54;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC55)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0285】
また、ステップC54で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC54;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC56)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC56;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC57)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0286】
また、ステップC56で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC56;N)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC58)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC58;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC59)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0287】
また、ステップC58で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC58;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC60)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC60;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC61)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0288】
また、ステップC60で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC60;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC62)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC62;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC62)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0289】
また、ステップC62で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC62;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC64)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC64;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC65)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0290】
また、ステップC64で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC64;N)には、MODEはテストモード系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC66)。テストモード系コマンドは、テストモード時の動作を指令するコマンド(テストモードへの移行を指令するコマンドを含む)である。テストモードとは、市場での遊技には一切関係ないが、遊技機出荷前に各種デバイス(演出制御装置が制御する、表示器、音声、LED、モータ、ソレノイド他)が正常に動作するかなどをチェックできるようにする演出制御装置のモードの1つであり、通常遊技状態とは異なるモードである。
【0291】
そして、MODEはテストモード系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC66;Y)には、テストモード系コマンド処理(ステップC67)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC66で、MODEはテストモード系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC66;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0292】
なお、単発系コマンド処理(ステップC55)には、特
図1保留(第1始動記憶)に対応する飾り特図保留数コマンドを受信した場合に、発生した特
図1保留に関する処理を行う特
図1保留情報設定処理や、特
図2保留(第2始動記憶)に対応する飾り特図保留数コマンドを受信した場合に、発生した特
図2保留に関する処理を行う特
図2保留情報設定処理が含まれる。これらの特
図1保留情報設定処理及び特
図2保留情報設定処理では、発生した保留に対応する飾り特図始動記憶表示を表示装置41に表示する処理などを行う。すなわち、演出制御装置300が、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶報知手段をなす。
【0293】
また、先読み演出(先読み予告、或いは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(或いはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド、及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
【0294】
〔図柄系コマンド処理〕
図39には、上述の受信コマンド解析処理における図柄系コマンド処理(ステップC57)を示した。この図柄系コマンド処理では、まず、MODEに対応する特図種別(特
図1か特
図2の何れか)を設定し(ステップC71)、MODEとACTの組み合わせに対応する図柄種別を設定してセーブし(ステップC72)、図柄系コマンド処理を終了する。
【0295】
図柄種別とは、はずれ図柄、16R確変大当り図柄、16R通常大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄等の図柄のカテゴリであり、ACTのデータと対応付けられている。特
図1と特
図2で図柄の割合が変わるので(確変割合は同じ)、MODE毎にこの図柄種別設定テーブルを分けて設けており、複数ある図柄種別設定テーブルからMODEのデータに対応するものを選択し、さらに当該テーブルを参照してACTに対応する図柄種別を設定する。
【0296】
〔変動系コマンド処理〕
図40には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC59)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC81)。特図種別とは、特図の種別が特
図1か特
図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC71で設定される情報である。
【0297】
この特図種別が未確定である場合(ステップC81;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC81;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC82)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC83)。
【0298】
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC83;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC83;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC84)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R確変大当り図柄、16R通常大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
【0299】
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC84)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC85)。
【0300】
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC86)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC87)、変動系コマンド処理を終了する。
【0301】
〔変動演出設定処理〕
図41、
図42には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC85)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC91)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC91;Y)は、その時点で設定されている機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC92)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モード(本実施形態では遊技制御装置100からも遊技モードのコマンドが送られてくる)に相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
【0302】
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC93)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC96)。
【0303】
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC91;N)は、その時点で設定されている機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC94)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC95)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC96)。
【0304】
次に、ステップC97からステップC99により後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
【0305】
まず、その時点で設定されている機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC97)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC98)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC99)。
【0306】
その後、演出モードに対応する基本BGM番号(基本BGMの曲番号)や装飾番号(装飾ランプ等による演出の種類を示す番号)を設定する。演出モード毎に通常変動中のBGMや装飾が異なるため、まずは各演出モードでのデフォルトを設定しておくようにしている。予告などで特殊なBGMや装飾が行われる場合には、演出の流れを管理するシナリオテーブルで変更を行う。
【0307】
次に、ステップC96により抽選された前半変動種別に応じた予告振り分けを行う。なおここでは、前半変動種別が擬似連3変動の場合の予告振り分けの一部のみを示している。前半変動種別とは、同一のMODE(例えば擬似連3変動)の中で、演出制御装置側で振り分けている変動予告種類のことである。また、擬似連3変動とは、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行ういわゆる擬似連変動表示態様であって、再変動表示を二回行うものである。つまり、二回の仮停止と最終的な結果態様の表示とにより、疑似的に3回の特図変動表示ゲームが行われたように見せる演出である。
【0308】
前半変動種別が擬似連3であるかの判定(ステップC101)において、擬似連3でない場合(ステップC101;N)は、他の前半変動種別の場合の予告振り分けを行い、ステップC106に移行する。また、擬似連3である場合(ステップC101;Y)は、予告種別が選択擬似連であるかを判定する(ステップC102)。選択擬似連とは、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29の操作により、擬似連を含む演出と他の演出とを選択可能な演出態様である。なお、大当り、はずれのいずれの場合でも、前半変動種別が擬似連3となり予告種別が選択擬似連となり得る。
【0309】
予告種別が選択擬似連でない場合(ステップC102;N)は、他の予告種別についての処理を行い、ステップC106に移行する。また、予告種別が選択擬似連である場合(ステップC102;Y)は、シナリオレイヤー番号6を準備し(ステップC103)、選択擬似連用PB演出のシナリオテーブルを準備する(ステップC104)。さらに、シナリオデータ設定処理を行い(ステップC105)、ステップC106に移行する。この処理により、遊技者に演出ボタン25やタッチパネル29の操作によって演出内容を選択させるための演出が設定される。
【0310】
ステップC106では、特図種別が特
図2変動であるかを判定する。特
図2変動である場合(ステップC106;Y)は、特
図2保留数に対応する特
図2保留シナリオテーブル情報を設定する(ステップC107)。これにより、特
図2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示が減少するアニメーションのシナリオが設定される。次に第4図柄(特
図2変動)シナリオテーブル情報を設定する(ステップC108)。第4図柄は、表示装置41において、第1から第3図柄による飾り特図変動表示ゲームとは別に飾り特図変動表示ゲームを表示するための図柄であり、この処理により第4図柄による飾り特図変動表示ゲームの変動に関する情報が設定される。
【0311】
また、ステップC106において特
図2変動でない場合(ステップC106;N)は、特
図1保留数に対応する特
図1保留シナリオテーブル情報を設定して(ステップC109)、特
図1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示が減少するアニメーションのシナリオを設定する。次に第4図柄(特
図1変動)シナリオテーブル情報を設定して(ステップC110)、第4図柄による飾り特図変動表示ゲームの変動に関する情報を設定する。
【0312】
その後、MODEのデータ(前半変動パターンのデータ)が擬似連3変動であるかを判定する(ステップC111)。MODEが擬似連3変動でない場合(ステップC111;N)は、ここでは省略する他の前半変動パターンに対応する処理を行い、変動演出設定処理を終了する。また、MODEが擬似連3変動である場合(ステップC111;Y)は、ACTのデータ(後半変動パターンのデータ)がSP4はずれであるかを判定する(ステップC112)。
【0313】
SP4はずれとは、結果がはずれとなるスペシャル4リーチが実行される変動パターンである。ACTのデータがSP4はずれである場合(ステップC112;Y)は、SP4はずれ設定処理を行い(ステップC113)、変動演出設定処理を終了する。また、ACTのデータがSP4はずれでない場合(ステップC112;N)は、ACTのデータがSP3はずれであるかを判定する(ステップC114)。
【0314】
そして、ACTのデータがSP3はずれである場合(ステップC114;Y)は、SP3はずれ設定処理を行い(ステップC115)、変動演出設定処理を終了する。また、ACTのデータがSP3はずれでない場合(ステップC114;N)は、ここでは省略する他の変動パターンについての処理を行い、変動演出設定処理を終了する。
【0315】
MODEが擬似連3変動である場合(ステップC111;Y)に行われる変動パターンに応じた設定処理(例えばステップC113やC115)では、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することで選択可能である演出態様の全てについて予め設定するようになっており、このうちから遊技者の操作に応じた演出態様を選択して実行するようになっている。例えば、SP4はずれ設定処理では、擬似連を経由してSP4リーチとなる場合と擬似連を経由せずにSP4リーチとなる場合の二つのパターンを設定しておき、遊技者の演出ボタン25やタッチパネル29の操作の有無に応じて実行するパターンを選択するようになっている。
【0316】
〔シナリオデータ設定処理〕
図43(a)には、上述の変動演出設定処理におけるシナリオデータ設定処理(ステップC105)を示した。なお、このシナリオデータ設定処理は各種の演出に対して共通化されており、このシナリオデータ設定処理が実行されるステップは、他のルーチン(例えば、後述するSP4はずれ設定処理等)にも多数存在する。「シナリオデータ設定処理」と記載されているステップは、全てこの
図43に示す処理を行うものである。
【0317】
このシナリオデータ設定処理では、演出用のシナリオ制御データを設定する処理を行う。本実施形態では演出制御装置300のRAMに
図43(b)に示すように、「シナリオ管理登録アドレス領域」と「シナリオ管理領域」というシナリオ管理用の記憶領域が設けられる構成となっている。このうち、シナリオ管理領域は、シナリオ用タイマの値を記憶するシナリオ用タイマ領域と、PB用タイマ(プッシュボタン用タイマ)の値を記憶するPB用タイマ領域と、PB検知フラグ(プッシュボタン検知フラグ)の値を記憶するPB検知フラグ領域と、シナリオ用データテーブルのアドレスを記憶するシナリオ用データテーブル領域とを含む構造である。
【0318】
また、同一構造のシナリオ管理領域が各シナリオレイヤーに対応してシナリオレイヤー分存在し、ここではシナリオレイヤーが8個あるので、このシナリオ管理領域も8個(シナリオ管理領域0〜7)存在する。例えば上記したステップC103のシナリオレイヤー番号6を準備する処理では、このように複数あるシナリオ管理領域のうちの一つを特定するために、準備されたシナリオレイヤー番号に対応するシナリオ管理領域(以下、対応シナリオ管理領域という)の先頭アドレスを設定している。
【0319】
なお、シナリオ管理登録アドレス領域とは、シナリオレイヤー毎にシナリオ管理領域の先頭アドレスを格納する領域であり、本例ではシナリオレイヤーが8個あるので、これに対応した8個の先頭アドレス(シナリオレイヤー0用アドレス〜シナリオレイヤー7用アドレス)をそれぞれ格納する8個の領域からなる。
【0320】
図43(a)に示すように、シナリオデータ設定処理では、まず、準備されたシナリオテーブルのアドレス(例えばステップC104等で準備されたもの)がNULLかを判定する(ステップC121)。準備されたシナリオテーブルのアドレスがNULLである場合(ステップC121;Y)は、シナリオレイヤーに対応するシナリオ管理登録アドレスの領域にNULLを書き込み(ステップC127)、シナリオデータ設定処理を終了する。これにより、当該シナリオレイヤーによる制御が解除されることとなる。
【0321】
一方、準備されたシナリオテーブルのアドレスがNULLでない場合(ステップC121;N)は、準備されたシナリオレイヤー番号に対応するシナリオ管理領域の先頭アドレスを設定する(ステップC122)。次に、準備されたシナリオレイヤー番号に対応するシナリオ管理登録アドレス領域に、直前のステップC122で設定されたシナリオ管理領域の先頭アドレスを格納する(即ち、書き込む)。
【0322】
その後、対応シナリオ管理領域のシナリオ用タイマの値を0クリアし(ステップC124)、対応シナリオ管理領域のPB用タイマの値を0クリアする(ステップC125)。なお、対応シナリオ管理領域のPB検知フラグについても値をクリアしてもよいが、必要なとき(PB検知を開始するとき)にクリアすればよいので、ここではPB検知フラグの値の設定は行わない。次に、対応シナリオ管理領域のシナリオ用データテーブル領域に、準備されたシナリオ用データテーブル(例えばステップC104で準備されたもの)のアドレスをセーブして(ステップC126)、シナリオデータ設定処理を終了する。
【0323】
以上のシナリオデータ設定処理によれば、準備されたシナリオレイヤー番号に対応するシナリオ管理登録アドレス領域及びシナリオ管理領域に、これから実行しようとする演出用のシナリオ制御データが設定される。例えば、ステップC103からC105では、シナリオ管理登録アドレス領域におけるシナリオレイヤー6用アドレスとしてシナリオ管理領域6の先頭アドレスが設定され、シナリオ管理領域6のシナリオ用データテーブル領域には選択擬似連用PB演出のシナリオテーブルのアドレスが設定される。
【0324】
〔SP4はずれ設定処理〕
図44には、上述の変動演出設定処理におけるSP4はずれ設定処理(ステップC113)を示した。このSP4はずれ設定処理では、まず、リーチ+1はずれの図柄生成フラグを準備し(ステップC131)、停止図柄設定処理を行う(ステップC132)。これにより、停止順序が左、右、中の順である場合に、結果態様が例えば「232」や「787」やのように、リーチを形成した図柄(左、右図柄)に対して最後に停止する図柄(中図柄)が変動順で一つ先の図柄となる結果態様に設定される。
【0325】
次に、ACT、変動前半種別及び先読み情報に対応するシナリオテーブルのアドレス(シナリオテーブルの名称)を図柄変動シナリオテーブル領域にセーブする(ステップC133)。図柄変動シナリオテーブル領域とは、これから使用する図柄変動のシナリオテーブルのアドレスを一時的に格納しておく演出制御装置300のRAMの記憶領域であり、左図柄用領域、右図柄用領域、中図柄用領域に分かれ、さらに各図柄用領域は1st(序盤)用、2nd(前半)用、3rd(後半)用に分かれていて、一つのシナリオテーブルのアドレスを格納する領域が合計9個(=3×3個)ある。
【0326】
一方、演出制御装置300のPROM321には、遊技制御装置100から受信したコマンドと前記前半変動種別に応じて図柄変動用のシナリオテーブルを選択するためのテーブル(以下、図柄変動リストテーブルという)が先読み情報及びコマンド毎(ACTのデータ毎)に登録されている。ここでは、まず先読み情報及び前記ACTに対応する図柄変動リストテーブルを選択し、次に選択した図柄変動リストテーブルにある複数の設定パターンの中から前記変動前半種別に対応する設定パターンを選択し、選択した設定パターンのシナリオテーブルのアドレスを図柄変動シナリオテーブル領域にセーブする。
【0327】
なお本実施形態では、前半変動時間内の図柄の動きだしの期間を「序盤」(1st)、前半変動時間内の残りの期間を「前半」(2nd)としている。同一の前半変動時間でも図柄の動きだしが、そのまま下にスクロールする場合や一旦上にホッピングしたりする場合(予告の一種)もあるので、動きが一通りにならないよう「序盤+前半=前半変動」という構成になっている。そして、後半変動時間を「後半」(3rd)としている。また本実施形態では、このように、特図変動時の演出を時間的に複数に分割した各期間について演出内容をそれぞれ設定し、各期間の演出内容の組合せとして特図変動時の演出全体を構成する組合せ式となっている。これにより、制御データ記憶用の不揮発性メモリ(本例ではPROM321)に格納しなければならない総データ量が減るというメリットがある。即ち、例えば、少しでも動きが違う演出内容毎にテーブルを全て用意するとデータ量が膨大になってしまうが、この組合せ式であればそのような問題が改善される。
【0328】
次に、シナリオレイヤー番号0を準備し(ステップC134)、現在の遊技モード、先読み情報に対応する背景シナリオテーブルのアドレスを準備して(ステップC135)、これらのデータに基づいてシナリオデータ設定処理を行う(ステップC136)。さらに、シナリオレイヤー番号2を準備し(ステップC137)、前述した図柄変動シナリオテーブル領域から、左図柄シナリオテーブルアドレスをロードして準備して(ステップC138)、これらのデータに基づいてシナリオデータ設定処理を行う(ステップC139)。
【0329】
その後、シナリオレイヤー番号3を準備し(ステップC140)、前述した図柄変動シナリオテーブル領域から、右図柄シナリオテーブルアドレスをロードして準備して(ステップC141)、これらのデータに基づいてシナリオデータ設定処理を行う(ステップC142)。次に、シナリオレイヤー番号4を準備し(ステップC143)、前述した図柄変動シナリオテーブル領域から、中図柄シナリオテーブルアドレスをロードして準備して(ステップC144)、これらのデータに基づいてシナリオデータ設定処理を行う(ステップC145)。
【0330】
そして、シナリオレイヤー番号7を準備し(ステップC146)、第4図柄シナリオテーブルを準備する(ステップC147)。このとき準備する第4図柄シナリオテーブルは、ステップC108、C110で設定された情報に基づき選択する。その後、これらのデータに基づいてシナリオデータ設定処理を行い(ステップC148)、SP4はずれ設定処理を終了する。
【0331】
以上のSP4リーチはずれ設定処理によれば、SP4はずれ変動の場合のシナリオ制御データの設定が必要なシナリオレイヤー(この場合、シナリオレイヤー0,2,3,7)について行われる。なお、SP4はずれ設定処理で設定されるシナリオテーブルには、擬似連を経由してSP4リーチとなるパターンである擬似連予告発生ルートと、擬似連を経由せずにSP4リーチとなるパターンであるSP0系リーチ発展ルートの二つのパターンが定義されており、遊技者の演出ボタン25やタッチパネル29の操作の有無に応じて何れかのパターンを実行するようにされている。
【0332】
〔シナリオ設定処理〕
図45には、上述のメイン処理におけるシナリオ設定処理(ステップC13)を示した。このシナリオ設定処理では、まず、シナリオ管理領域0(シナリオレイヤー番号0)に対応するシナリオ管理登録アドレス領域であるシナリオ管理登録アドレス領域0のアドレスを準備し(ステップC151)、シナリオ解析処理を行う(ステップC152)。ここで、「アドレス領域を準備し」とは、後の処理で当該アドレス領域に設定されているデータを読み取るために、当該アドレス領域自体のアドレスを準備することを意味する。
【0333】
以下同様に、シナリオ管理領域1〜7(シナリオレイヤー番号1〜7)のそれぞれについて、シナリオ管理領域(シナリオレイヤー番号)に対応するシナリオ管理登録アドレス領域であるシナリオ管理登録アドレス領域のアドレスを準備し、シナリオ解析処理を行い(ステップC153〜C166)、シナリオ設定処理を終了する。
【0334】
なお本実施形態の場合、シナリオレイヤーは前述したように8個あり、シナリオレイヤー番号は0〜7まである。そして、これら8個のシナリオレイヤーのうち、基本的に、シナリオレイヤー0は背景用であり、シナリオレイヤー1はカットイン予告キャラ用であり、シナリオレイヤー2は左図柄用であり、シナリオレイヤー3は右図柄用であり、シナリオレイヤー4は中図柄用であり、シナリオレイヤー5は保留用であり、シナリオレイヤー6は予告キャラ用であり、シナリオレイヤー7は第4図柄用である。
【0335】
但し、この態様に限られない。例えば、本実施形態ではシナリオレイヤーが8個のフローチャートにしているが、このシナリオレイヤーの数はこれに限られない。特に背景や予告に使用するレイヤーは機種仕様により増減し、本実施形態ではなるべく少数に限定して説明している。また、各シナリオレイヤーの制御対象も本実施形態のものに限られず、各種割り振りが有り得る。例えば、シナリオレイヤー0は背景用であり、シナリオレイヤー1は左図柄用であり、シナリオレイヤー2は右図柄用であり、シナリオレイヤー3は中図柄用であり、シナリオレイヤー4は予告1用であり、シナリオレイヤー5は予告2用であり、シナリオレイヤー6は保留用であり、シナリオレイヤー7は第4図柄用であるという態様でもよい。
【0336】
また、シナリオ管理登録アドレス領域は、既述したようにシナリオレイヤー毎に設けられており、制御するものがある場合には、対応するシナリオ管理登録アドレス領域X(X=0〜7の何れか)にシナリオ管理領域のアドレスが保存されており、制御するものがない場合には、対応するシナリオ管理登録アドレス領域Xの中はNULLに設定されている。例えば、客待ちのムービー中には保留の表示を行わないので、背景の領域(シナリオ管理領域0に対応するシナリオ管理登録アドレス領域)にはアドレス(シナリオ管理領域0のアドレス)が設定されているが、保留の領域(シナリオ管理領域5に対応するシナリオ管理登録アドレス領域)にはNULLが設定されている。
【0337】
〔シナリオ解析処理〕
図46、
図47には、上述のシナリオ設定処理におけるシナリオ解析処理(ステップC152、C154、C156,C158,C160,C162,C164,C166)を示した。このシナリオ解析処理では、まず、ループ終了フラグbrkを0クリアし(ステップC171)、準備されているシナリオ管理登録アドレス領域X(Xは0〜7の何れか)に設定されているデータ(シナリオ管理領域Xのアドレス、或いはNULL)をロードする(ステップC172)。
【0338】
ここで、「準備されているシナリオ管理登録アドレス領域X」とは、例えば、本ルーチンが前述のステップC152で実行されている場合には、その直前のステップC151で準備されたアドレス領域(シナリオ管理登録アドレス領域0)であり、本ルーチンが前述のステップC154で実行されている場合には、その直前のステップC153で準備されたアドレス領域(シナリオ管理登録アドレス領域1)であり、他のケースも同様に直前のステップで準備されたものである。
【0339】
次に、ロードしたアドレスのデータがNULLであるかを判定し(ステップC173)、NULLである場合(ステップC173;Y)は、制御不要なのでシナリオ解析処理を終了する。また、NULLでない場合(ステップC173;N)は、ステップC172でロードしたアドレスのシナリオ管理領域におけるシナリオ用タイマ値が0でなければ−1更新し(ステップC174)、シナリオ用タイマ値が0より大きいかを判定する(ステップC175)。
【0340】
シナリオ用タイマ値が0より大きい場合(ステップC175;Y)は、未だタイムアップしていないのでシナリオ解析処理を終了する。また、シナリオ用タイマ値が0以下である場合(ステップC175;N)は、PB用タイマ値が0であるかを判定する(ステップC176)。これらステップC174、C175によってウェイト用のタイマ管理が行われる。即ち、対象のシナリオ管理領域(ステップC172でロードしたアドレスのシナリオ管理領域)におけるシナリオ用タイマ領域に設定されたシナリオ用タイマの値に対応する時間だけ、対象のシナリオテーブル(対象のシナリオ管理領域におけるシナリオ用データテーブル領域に設定されたアドレスのシナリオテーブル)の制御進行を遅らせる動作が実現される。
【0341】
ここで、「シナリオテーブルの制御進行を遅らせる動作」とは、シナリオテーブルの進行にウェイトを掛ける(シナリオテーブルの次の行に進まずにそこで待つ。その時の演出をし続ける。)ことを意味する。例えば、
図62の11行目(//10)では、定数ウェイトコードが設定されてウェイト時間値が(150)であるため、150フレームに相当する時間(1フレームは1/30秒)この行にとどまり、当該時間経過後に次の行に進行するが、この動作が「シナリオテーブルの制御進行を遅らせる動作」に相当する。
【0342】
そして、PB(プッシュボタン)用タイマ値(ステップC172でロードしたアドレスのシナリオ管理領域におけるPB用タイマ領域の値)が0である場合(ステップC176;Y)は、タイムアップしているのでステップC183(
図47参照)に移行する。また、PB用タイマ値が0でない場合(ステップC176;N)は、PB操作検出があるかを判定する(ステップC177)。
【0343】
PB操作検出があるか否かは、PB操作フラグの有無により判定する。PB操作フラグは、メイン処理における演出ボタン入力処理(ステップC9)において、演出ボタン25やタッチパネル29の操作のうち、演出において要求した操作に対応する操作が検出されるとセットされるフラグである。このPB操作検出がある場合(ステップC177;Y)は、対象のPB用タイマのこの時点での値(即ち、PBが押された時点におけるPB有効時間の残り時間)をPB演出残り時間領域に保存する(ステップC178)。これにより、PB有効時間の残り時間だけシナリオテーブルの制御進行を遅らせることができ、操作タイミングによってその後の演出の進行が早まることがないようにされる。
【0344】
その後、PB用タイマを0クリアし(ステップC179)、PB検知フラグをセットして(ステップC180)、PB用タイマ値が0より大きいかを判定する(ステップC182)。また、PB操作検出がない場合(ステップC177;N)は、PB用タイマを−1更新し(ステップC181)、PB用タイマ値が0より大きいかを判定する(ステップC182)。
【0345】
PB用タイマ値が0より大きい場合(ステップC182;Y)は、PB操作が検出されずタイムアップもしていないのでシナリオ解析処理を終了する。また、PB用タイマ値が0より大きくない場合(ステップC182;N)は、PB操作が検出されたかタイムアップしたのでステップC183(
図47参照)に移行する。
【0346】
上記ステップC176からC182の処理によれば、PB有効時間のためのタイマ管理が行われる。即ち、対象のシナリオ管理領域(ステップC172でロードしたアドレスのシナリオ管理領域)におけるPB用タイマ領域に0より大きなPB用タイマの値が設定されている場合には、このPB用タイマの値に対応する時間だけ、対象のシナリオテーブル(対象のシナリオ管理領域におけるシナリオ用データテーブル領域に設定されたアドレスのシナリオテーブル)の制御進行を遅らせてPB有効時間を設ける動作が実現される。ここで、「シナリオテーブルの制御進行を遅らせてPB有効時間を設ける動作」とは、対象のPB用タイマの値が0になる(即ちPB用タイマがタイムアップする)か、或いはPBが押下操作されるまで、シナリオテーブルの進行にウェイトを掛ける(シナリオテーブルの次の行に進まずにそこで待つ。その時の演出をし続ける。)ことを意味する。
【0347】
例えば、
図62の3行目(//2)では、PB待ちコードが設定されて有効時間値が(150)であるため、この有効時間値(150)がPB用タイマに設定され、PB操作が無ければ最大150フレームに相当する有効時間この行にとどまり、この有効時間内にPB操作があれば即座に次の行に進行するが、このようにPB用タイマに設定される有効時間(PB有効時間)だけPBの操作を待つ動作が「シナリオテーブルの制御進行を遅らせてPB有効時間を設ける動作」に相当する。但し、前記PB用タイマ領域に設定されたPB用タイマの値が当初から0の場合には、ステップC176からステップC183に進んで即座に制御が進行する(この場合のPB有効時間は0(無し)となる)。なお、PB有効時間は予告演出等の場合において設けられるため、それ以外の場合にはPB用タイマ領域の値は0に設定されていてPB有効時間は設けられない。
【0348】
図47に示すステップC183以降の処理では、対象のシナリオテーブルの制御処理が実行される。まず、対象のシナリオ管理領域におけるシナリオ用データテーブル領域からシナリオテーブルのアドレスをロードする(ステップC183)。例えば、選択擬似連が設定されている場合に予告のシナリオレイヤー番号6について処理を行う場合には、
図62に示すシナリオテーブルのアドレスがロードされる。
【0349】
次に、ロードしたアドレスによって指定されるシナリオテーブルの特定の行(指定行)のオペコード、オペランドを取得する。なお既述したように、シナリオテーブルはオペコードとオペランドのデータ(シナリオデータ)が各行に設定されたものである。例えば
図62の場合、対象がシナリオ管理領域6(シナリオレイヤー番号6)であり指定行が1行目であると、シナリオレイヤー6の1行目からオペコードとして「モーション8登録コード」、オペランドとして「モーションインデックスNo.(64)」を取得する。
【0350】
そして、取得したオペコードに応じた処理を行う。まず、オペコードがモーション登録系(モーション登録コード)であるかを判定する(ステップC185)。オペコードがモーション登録系である場合(ステップC185;Y)は、モーション登録処理を行い(ステップC186)、ステップC203に移行する。また、オペコードがモーション登録系でない場合(ステップC185;N)は、オペコードがモーション削除系(モーション削除コード)であるかを判定する(ステップC187)。
【0351】
オペコードがモーション削除系である場合(ステップC187;Y)は、モーション削除処理を行い(ステップC188)、ステップC203に移行する。また、オペコードがモーション削除系でない場合(ステップC187;N)は、オペコードが定数ウェイト(定数ウェイトコード)であるかを判定する(ステップC189)。
【0352】
オペコードが定数ウェイトである場合(ステップC189;Y)は、定数ウェイト処理を行い(ステップC190)、ループ終了フラグbrkを1に設定して(ステップC191)、ステップC203に移行する。また、オペコードが定数ウェイトでない場合(ステップC189;N)は、オペコードが可変ウェイト(可変ウェイトコード)であるかを判定する(ステップC192)。
【0353】
オペコードが可変ウェイトである場合(ステップC192;Y)は、可変ウェイト処理を行い(ステップC193)、ループ終了フラグbrkを1に設定して(ステップC194)、ステップC203に移行する。また、オペコードが可変ウェイトでない場合(ステップC192;N)は、オペコードがPB待ち(PB待ちコード)であるかを判定する(ステップC195)。
【0354】
オペコードがPB待ちである場合(ステップC195;Y)は、PB待ち処理を行い(ステップC196)、ループ終了フラグbrkを1に設定して(ステップC197)、ステップC203に移行する。また、オペコードがPB待ちでない場合(ステップC195;N)は、オペコードがPB判定分岐(PB判定分岐コード)であるかを判定する(ステップC198)。
【0355】
オペコードがPB判定分岐である場合(ステップC198;Y)は、PB判定分岐処理を行い(ステップC199)、ステップC203に移行する。また、オペコードがPB判定分岐でない場合(ステップC198;N)は、オペコードが終了(終了コード)であるかを判定する(ステップC200)。
【0356】
オペコードが終了である場合(ステップC200;Y)は、今回のシナリオ管理登録アドレス領域にNULLを設定し(ステップC201)、ループ終了フラグbrkを1に設定して(ステップC202)、ステップC203に移行する。これにより、対象のシナリオ管理領域の設定が無くなりシナリオ終了となる。また、オペコードが終了でない場合(ステップC200;N)は、ここでは省略する他のオペコードの種類に対応した処理を行い、ステップC203に移行する。なお、オペコードが分類の何れにも該当しなかった場合にはシナリオ解析処理を終了する。
【0357】
ステップC203では、ループ終了フラグbrkの値が1であるかを判定し、1である場合(ステップC203;Y)は、シナリオ解析処理を終了する。また、1でない場合(ステップC203;N)は、ステップC183に戻る。このため、上記ステップC186からC202の何れかの処理において、brkの値が1に設定されるか、或いは、対象のシナリオレイヤー番号に対応するシナリオ管理登録アドレス領域にNULLが設定されると、ステップC183とC203をループ端とするループ処理が終了することになる。そして、このようにして当該ループ処理を終了するまでは、シナリオ管理領域におけるシナリオ用データテーブル領域のアドレス(シナリオテーブルとその行を指定するアドレス)が適宜変更されて上記ループ処理が繰り返されて一連の演出の制御が実行される。なお、上記のサブルーチン群(ステップC186からC202)は一例であり、機種の仕様次第で変わる。
【0358】
〔モーション登録処理〕
図48には、上述のシナリオ解析処理におけるモーション登録処理(ステップC186)を示した。このモーション登録処理では、まず、対象のシナリオ管理領域のシナリオ用データテーブル領域内のテーブルアドレスを次レコード(テーブルの次の行を指定するアドレス)に更新してセーブする(ステップC211)。これは、前述のステップC183が次回実行されるときの指定行を次の行に進めておくための更新処理であり、この更新処理が行われることによって対象のシナリオテーブルの指定行が次の行に切り替えられて前述のループ処理(ステップC183〜C203)が繰り返されることになる。
【0359】
次に、オペコードに対応するモーション管理登録アドレス領域からモーション管理領域のアドレスをロードして準備し(ステップC212)、モーション管理領域の内容を初期化する(ステップC213)。
【0360】
ここで、本実施形態では演出制御装置300のRAMには
図49に示すように、「モーション管理登録アドレス領域」と「モーション管理領域」というモーション管理用の記憶領域が設けられる構成となっている。このうち、モーション管理領域は、表示制御する(画面上に表示しているとは限らない)オブジェクトの数(最大数)である表示数(例えば左図柄の場合、次図柄、現図柄、前図柄の3個)を記憶する領域(表示数の領域)と、何フレームまで処理が進んだかを示すフレーム番号を記憶する領域(フレーム番号の領域)と、モーションテーブルの何行目まで処理が進んだかを示すコマンド位置を記憶する領域(コマンド位置の領域)と、複数あるモーション用リストテーブルの中でどのテーブルを使用するかを示すアドレスのデータ(モーションインデックスに対応)を記憶する領域(モーション用リストテーブル領域)と、表示数分の表示情報領域とを含む構造である。
【0361】
また、同一構造のモーション管理領域がモーションのレイヤー(本例では、モーション0〜13まである)に対応してこのモーションのレイヤー分存在し、ここではモーションのレイヤーが14個あるので、このモーション管理領域も14個(モーション管理領域0〜13)存在する。さらに、このモーション管理領域に対応して、モーション管理登録アドレス領域も14個(モーションレイヤー0用アドレス〜モーションレイヤー13用アドレス)ある。
【0362】
すなわち、一つのシナリオで複数のモーションを独立に制御可能であり、一つのモーションで複数のキャラクタを制御可能である。例えば、通常の図柄変動のシナリオにおいては、左図柄のモーション、中図柄のモーション、右図柄のモーション、第4図柄のモーションがあり、各々独立に制御される。さらに、例えば左図柄については1画面に次図柄、現図柄、前図柄の3個の図柄が表示され得るので、左図柄のモーションには3つの図柄に対応した情報が含まれる。
【0363】
そして、上記ステップC212では、このように複数あるモーション管理領域のうちの一つを特定するために、オペコードが指定するモーションのレイヤー番号に対応するモーション管理領域(以下、対応モーション管理領域という)の先頭アドレスを、対応するモーション管理登録アドレス領域から読み出して準備する。なお本願では、モーションのレイヤー番号(本例では、0〜13)を、モーション番号と簡略化して表記したり、モーション管理領域X(Xはモーション番号に対応する番号)というように使用したりする場合がある。
【0364】
また、モーション管理領域内の表示情報領域は、表示数(オブジェクトの数)分だけ複数あり、各表示情報領域がそれぞれ、表示種別、エフェクトタイプ、エフェクトパラメータ、表示左上点のx座標、表示左上点のy座標、表示右上点のx座標、表示右上点のy座標、表示左下点のx座標、表示左下点のy座標、画像インデックス、バックグラウンドカラー、フォアグラウンドカラー、IPicture(Iピクチャ)のみの動画時のフレームカウント、及びビヘイビアインデックスの各データを記憶する領域を含んでいる。
【0365】
ここで、表示種別は、当該オブジェクトの種別(静止画か動画(ムービー)かを示す情報の他、ムービーの種類(Iピクチャか否かなど)を示す情報を含む)である。エフェクトタイプは、画像に加えるエフェクト(透過性を持たせるなどの加工処理)の種類を示す情報である。エフェクトパラメータは、前記エフェクトのパラメータ(透過性を持たせる場合の透過度など)である。x座標及びy座標は、画像の表示位置を特定するデータであり、ここではポリゴン表示機能(立体を多面体として表示する機能)のために、表示左上点、表示右上点、表示左下点の3点の座標がある。画像インデックスは、静止画又はムービーを特定する番号である。IPictureのみの動画時のフレームカウントとは、何フレーム目のデータがIPicture(即ちIフレーム)かを示すデータである。ビヘイビアインデックスは、ビヘイビア(図柄差替え)のためのインデックスである。なお、ビヘイビア(図柄差替え)とは、同じ大きさ同じ表示位置でキャラクタ(静止画或いは動画)のみを差し替えるもので、カットインキャラ差替えなどとは異なる。カットインキャラ差替えは、キャラクタを表示する大きさや表示位置も差替えにより変化し得る。
【0366】
そして、今回準備したモーション管理領域のアドレスを対応するモーション管理登録アドレス領域にセーブし(ステップC214)、オペランドの値に対応するモーションテーブルアドレスを準備する(ステップC215)。さらに、モーション用リストテーブル領域に準備したテーブルアドレスをセーブして(ステップC216)、モーション登録処理を終了する。
【0367】
例えば、
図62に示したシナリオテーブルの1行目(//0)では、オペコードがモーション8登録コードであり、オペランドがモーションインデックスNo.(64)である。この場合、ステップC212ではモーションレイヤー8に対応するモーション管理領域のアドレスを準備し、ステップC213でこのモーション管理領域を初期化する。次に、ステップC214において、モーションレイヤー8に対応するモーション管理領域のアドレスを、モーションレイヤー8用モーション管理領域の先頭アドレスとしてモーション管理登録アドレス領域にセーブする。
【0368】
モーションレイヤー8用モーション管理領域の先頭アドレス領域にアドレスをセーブすることで、後述するモーション制御処理(
図55参照)においてモーションレイヤー8について実行する処理があることを特定可能となる。なお、モーションレイヤー8について実行する処理がない場合は、モーションレイヤー8用モーション管理領域の先頭アドレス領域にNULLをセーブする。
【0369】
その後、ステップC216において、モーションレイヤー8に対応するモーション管理領域におけるモーション用リストテーブル領域に、オペランドに対応するモーションインデックスNo.(64)のモーションテーブルのアドレスをセーブする。なお、モーションインデックスNo.(64)のモーションテーブルは、選択擬似連演出における演出ボタン25の操作に関する演出を行うためのモーションテーブルであり、このテーブルのアドレスをセーブすることにより、選択擬似連に関する演出が実行可能となる。
【0370】
〔モーション削除処理〕
図50には、上述のシナリオ解析処理におけるモーション削除処理(ステップC188)を示した。このモーション削除処理では、まず、対象のシナリオ管理領域のシナリオ用データテーブル領域内のテーブルアドレスを次レコード(テーブルの次の行を指定するアドレス)に更新してセーブする(ステップC221)。次に、オペコードに対応するモーション管理登録アドレス領域からモーション管理領域のアドレスをロードして準備し(ステップC222)、モーション管理領域の内容を初期化する(ステップC223)。そして、対応するモーション管理登録アドレス領域にNULLを設定して(ステップC224)、モーション削除処理を終了する。
【0371】
このモーション削除処理は、キャラクタ等の制御を終了する時に実行されるものであり、これにより、モーション情報(モーション管理登録アドレス領域のデータや、使用中モーションインデックス領域のデータ)が削除される。例えば、
図62に示すシナリオテーブルおける5行目(//4)の場合、オペコードがモーション8削除コードであるので、モーションレイヤー8により実行されていた演出が終了することとなる。
【0372】
〔定数ウェイト処理〕
図51には、上述のシナリオ解析処理における定数ウェイト処理(ステップC190)を示した。この定数ウェイト処理では、まず、対象のシナリオ管理領域のシナリオ用データテーブル領域内のテーブルアドレスを次レコード(テーブルの次の行を指定するアドレス)に更新してセーブする(ステップC231)。次に、対象のシナリオ管理領域のシナリオ用タイマ領域に、オペランドの値を設定し(ステップC232)、定数ウェイト処理を終了する。
【0373】
この処理によれば、指定された固定時間だけ待つ場合の時間値等が設定される。例えば、
図62に示すシナリオテーブルおける11行目(//10)の場合、オペコードが定数ウェイトコードであるためこの処理が実行され、オペランドのウェイト時間が(150)であるため、シナリオ用タイマ領域の値として150(5秒=150フレーム×1/30秒)が設定される。
【0374】
〔可変ウェイト処理〕
図52には、上述のシナリオ解析処理における可変ウェイト処理(ステップC193)を示した。この可変ウェイト処理では、まず、対象のシナリオ管理領域のシナリオ用データテーブル領域内のテーブルアドレスを次レコード(テーブルの次の行を指定するアドレス)に更新してセーブする(ステップC241)。次に、対象のシナリオ管理領域のシナリオ用タイマ領域に、オペランドの示す領域にある値(例えばRAMのタイマ領域の値)を設定し(ステップC242)、可変ウェイト処理を終了する。
【0375】
この処理によれは、遊技者の演出ボタン25の操作(PB操作)により演出時間が変化する場合に可変時間ウェイトするための時間値等を設定する。例えば、
図62に示すシナリオテーブルおける10行目(//9)の場合、オペコードが可変ウェイトコードであるためこの処理が実行され、オペランドがタイマ参照領域No.(5)であるのでPB演出残り時間領域の値を参照し、この値がシナリオ用タイマ領域の値として設定される。これにより、PB有効時間の残り時間だけシナリオテーブルの制御進行を遅らせることができ、操作タイミングによってその後の演出の進行が早まることがないようにされる。また、ボタン指示があってから早く押す程その後行われる演出が長くなり、有効時間ギリギリで押すと短時間しか演出が行われないという動作も実現可能である。
【0376】
〔PB待ち処理〕
図53には、上述のシナリオ解析処理におけるPB待ち処理(ステップC196)を示した。このPB待ち処理では、まず、対象のシナリオ管理領域のシナリオ用データテーブル領域内のテーブルアドレスを次レコード(テーブルの次の行を指定するアドレス)に更新してセーブする(ステップC251)。次に、対象のシナリオ管理領域のPB用タイマ領域に、オペランドの値を設定し(ステップC252)、PB検知フラグをクリアして(ステップC253)、PB待ち処理を終了する。
【0377】
この処理では、PB(プッシュボタン)演出を開始する時の設定が行われる。例えば、
図62に示すシナリオテーブルの場合、3行目(//2)のオペコードがPB待ちコードであるためこの処理が実行され、オペランドの有効時間値が(150)であるため、タイマ領域の値として150が設定され、5秒(=150フレーム×1/30秒)のPB演出が開始される。なお、PB演出を開始するため、PBが操作されたことを示すPB検知フラグの値をオフ(フラグが立っていない状態)に初期設定している。
【0378】
〔PB判定分岐処理〕
図54には、上述のシナリオ解析処理におけるPB判定分岐処理(ステップC199)を示した。このPB判定分岐処理では、まず、対象のシナリオ管理領域におけるPB検知フラグ領域のPB検知フラグがセットされているか(即ち、PB検知フラグが立てられているか)を判定する(ステップC261)。
【0379】
PB検知フラグがセットされていない場合(ステップC261;N)は、対象のシナリオ管理領域のシナリオ用データテーブル領域内のテーブルアドレスを次レコード(テーブルの次の行を指定するアドレス)に更新してセーブし(ステップC262)、PB判定分岐処理を終了する。また、PB検知フラグがセットされている場合(ステップC261;Y)は、対象のシナリオ管理領域のシナリオ用データテーブル領域内のテーブルアドレスをオペランド分先のレコードに更新してセーブし(ステップC263)、PB判定分岐処理を終了する。
【0380】
この処理は、前述のPB演出において演出ボタン25が押されないまま有効時間を計時するPB用タイマがタイムアップしたか、有効時間内に演出ボタン25が押されてタイマが強制的に0になった時に実行される処理である。そして、PBが押されないままタイムアップした場合には、シナリオテーブルの指定行を1行分だけ次に進める。また、有効時間内にPBが押された場合には、オペランドで指定された分だけシナリオテーブルの指定行をジャンプする。
【0381】
例えば、
図62に示すシナリオテーブルの場合、前述したように3行目までの制御が終了すると、次の4行目(//3)のオペコードがPB判定分岐コードであるためこの処理が実行される。ここではオペランドのテーブル飛び数が(4)であるため、PBが有効時間内に押されていれば、シナリオテーブルにおいて次の指定行は8行目(//7)に飛ぶことになる。そして、8行目に飛ぶと、8行目以降の演出が開始される。この演出は擬似連を含む演出である。一方、演出ボタン25が有効時間内に押されていなければ、次の指定行は5行目(//4)になり、この5行目以降の演出が開始される。
【0382】
〔モーション制御処理〕
図55には、上述のメイン処理におけるモーション制御処理(ステップC14)を示した。このモーション制御処理では、対象のモーション管理領域の番号Xを0から増やしつつステップC271乃至C284のループ処理を繰り返し実行し、全てのモーション管理領域0〜13に対する制御を順次行う。以下、対象のモーション管理領域の番号がX(0〜13のうちの何れか)であるとして説明する。
【0383】
まず、この処理で使用する初期化フラグをクリアし(ステップC271)、モーション管理登録アドレス領域からモーション管理領域Xのアドレスをロードして(ステップC272)、ロードしたアドレスがNULLであるかを判定する(ステップC273)。
【0384】
ロードしたアドレスがNULLである場合(ステップC273;Y)は、当該モーションレイヤーX(当該モーション管理領域Xに対応するモーションのレイヤー)については制御不要なのでステップC283に移行する。また、ロードしたアドレスがNULLでない場合(ステップC273;N)は、今回制御するモーション用リストテーブルとその行を指定するデータ(すなわち、ロードしたアドレスのモーション管理領域Xにおけるモーション用リストテーブル領域のデータ)をロードして準備する(ステップC274)。
【0385】
次に、モーション管理領域Xにおけるフレーム番号の値が最終フレーム数以上に到達したかを判定する(ステップC275)。すなわち、各モーションテーブルはフレーム数が設定されており、実行済みのフレーム番号(0から始まる)が最終フレーム数に到達し、対象のモーションテーブルの制御が最終フレームまで終了したかを判定する。フレーム番号の値が最終フレーム数以上に到達した場合(ステップC275;Y)は、対象のモーションテーブルの制御が最終フレームまで終了したので、初期化フラグをセットし(ステップC276)、ステップC277に移行する。また、最終フレーム数以上に到達していない場合(ステップC275;N)は、対象のモーションテーブルの制御が最終フレームまで終了していないので、ステップC277に移行する。
【0386】
次に、初期化フラグがセットされているかを判定する(ステップC277)。初期化フラグがセットされている場合(ステップC277;Y)は、対象のモーションテーブルを最初から実行するための処理として、フレーム番号領域、表示数領域及びコマンド位置領域を0クリアし(ステップC278、C279,C280)、モーションコマンド実行処理を行う(ステップC282)。また、初期化フラグがセットされていない場合(ステップC277;N)は、対象のモーションテーブルを実行途中であるので、モーション管理領域Xにおけるフレーム番号の値を+1更新する処理を行い(ステップC281)、モーションコマンド実行処理を行う(ステップC282)。
【0387】
なお、表示数の値(制御中のオブジェクトの数を示す値)は、後述するモーションコマンド実行処理の中でオブジェクトが追加又は削除される場合に更新(+1又は−1)される。また、コマンド位置の値(モーションテーブルの何行目かを指す値)も、後述するモーションコマンド実行処理の中で更新される。なお、コマンド位置の値が0であることは、モーションテーブルにおける指定行が1行目であることを示す。また、表示数の値は、制御中のオブジェクトの数であり、画面上に実際に同時に表示されているオブジェクト(図柄や予告用キャラクタなど)の数ではない。
【0388】
対象のモーションテーブルの制御を実行するためのモーションコマンド実行処理(ステップC282)を行った後、モーション管理登録アドレス領域を次の領域のアドレスに更新する(ステップC283)。すなわち、モーション管理領域の番号Xの値を1だけ増やす更新を実行する。これにより、対象のモーション管理領域や対象のモーションのレイヤーが次に切り替わる。例えば、このステップC283の実行前にモーション管理領域1(モーションレイヤー1)が制御対象であったならば、実行後にはモーション管理領域2(モーションレイヤー2)が制御対象となる。
【0389】
そして、全てのモーション管理領域に対する制御が終了したかを判定する(ステップC284)。ここでは、モーション管理領域0から順に制御を行うようにしているので、モーション管理領域13についての制御を終了したことにより全てのモーション管理領域に対する制御が終了したと判定する。全てのモーション管理領域に対する制御が終了した場合(ステップC284;Y)は、モーション制御処理を終了する。また、全てのモーション管理領域に対する制御が終了していない場合(ステップC284;N)は、ステップC271に戻る。
【0390】
〔モーションコマンド実行処理〕
図56には、上述のモーション制御処理におけるモーションコマンド実行処理(ステップC282)を示した。このモーションコマンド実行処理では、まず、モーション管理領域X(対象のモーション管理領域)におけるモーション用リストテーブル領域の内容に対応するモーションテーブルのアドレスを設定する(ステップC291)。
【0391】
例えば、
図62に示すシナリオテーブルの2行目(//1)によりモーション管理領域9(モーションレイヤー9)にモーションインデックスNo.(70)が登録されている場合は、モーション管理領域9におけるモーション用リストテーブル領域から、モーションインデックスNo.(70)のモーションテーブルのアドレスがロードされる。
【0392】
モーションテーブルとは、ブロック化された各表示演出を実行するための制御テーブルである。
図57(a)にはモーションインデックスNo.(70)のモーションテーブルを示した。モーションテーブルの各行には、先頭にコマンドのコードが設定され、それに続いてコマンドに対応するパラメータが設定されている。但し、パラメータは無い場合もある。また、コマンドが終了コードとなるまでの区切りが1フレーム分のデータとなっており、例えば1行目から3行目までが最初の1フレーム分のデータである。
【0393】
例えば、
図57(a)の1行目には、「追加コード」というコマンドと「キャラクタNo.(白ボタン)」というパラメータが設定されている。オブジェクトインデックスは、各オブジェクトを区別するためにオブジェクトに付けられる番号であり、追加コードで登録される順番に自動的に設定される。そして、このオブジェクトインデックスの値が小さい程、表示レイヤーの前後関係として画面奥に表示されることになる。つまり、表示位置が重なった場合、オブジェクトインデックスの値が大きいオブジェクトが優先的に画面に表示されることになる。また、同時に使用する他カテゴリ(予告とか)の全てのキャラクタ数合計が128個となるように管理するようにしている。つまり、本例のVDP312では同時に128個のキャラクタを表示制御できる。なお、画面外にもキャラクタを配置できるので画面内に128個とは限らない。また、座標データやサイズデータ等の数値は、本実施形態の意味となる値を記載しているだけで、小数点以下の情報を含んだデータでもよい。実際は、16bit符号付固定小数(符号ビット、整数部13ビット、小数部2ビットの2の補数)のデータとなっている。また、前フレームと同じ状態を継続する場合は、終了コードだけを定義すればよい。
【0394】
また、本実施形態におけるモーションテーブルのコマンドの種類と意味は、下記のとおりである。
・「追加コード」;オブジェクトを追加するコマンド。追加するオブジェクトの種類(ビットマップ、動画、単色矩形)に応じて、それぞれ追加1コード、追加2コード、追加3コードとしても良い。
・「挿入コード」;オブジェクトを特定のオブジェクトインデックスとして挿入するコマンド。挿入するオブジェクトの種類(同上)によって、挿入1コード、挿入2コード、挿入3コードとしても良い。この挿入コードの実行により、既に登録されているオブジェクトのオブジェクトインデックスの値はずれる。
・「移動コード」;オブジェクトの表示位置及び表示の大きさを指定するコマンド。指定方式(1点指定、3点指定)により、移動1コード、移動2コードとしても良い。
・「エフェクトコード」…画像に透過性等の加工を施すエフェクトを指令するコマンド。エフェクトタイプを指定するエフェクト1コード、エフェクトパラメータ(例えば、透過度の値(%))を指定するエフェクト2コード、エフェクト色を指定するエフェクト3コードとしても良い。
・「削除コード」;オブジェクトの削除を指令するコマンド。
・「変更コード」;オブジェクトのキャラクタ(図柄や登場人物など)を動きの途中で動きを継続しまたまま差し替える変更を指令するコマンド。
・「デコードコード」;動画データのデコード(復号化)を指令するコマンド。
・「入替コード」;オブジェクトの入替(例えば、オブジェクトインデックス0とオブジェクトインデックス1のキャラクタを入れ替える制御)を指令するコマンド。
・「ビヘイビアコード」;オブジェクトのキャラクタの差替えを指令するコマンド。
・「終了コード」;1フレーム分のデータの終了を示すコマンド。
なお、モーションテーブルのコマンドは、以上説明したものに限定されず、上記以外のコマンドがさらに含まれた態様でもよいし、上記のコマンドのうちの何れかが削除された態様もあり得る。
【0395】
次に、ステップC292以降の処理について説明する。この処理では、ステップC292とステップC300をループ端とするループ処理を終了条件(コマンド=終了)が成立するまで繰り返し実行する。すなわち、モーション登録直後等においては、対象のモーション管理領域Xのコマンド位置kは0(モーションテーブルの1行目を指定する値)に設定されているが(k=0)、ステップC292とステップC300のループ処理を繰り返す度に、モーション管理領域Xのコマンド位置kの値を1だけ増やし(k=k+1)、上記の終了条件(コマンド位置kのコマンドが終了コマンドである)が成立するまで繰り返しループ処理を行う。以下、対象のモーション管理領域Xのコマンド位置の値がkであるとして説明する。
【0396】
まず、コマンド位置に対応するコマンドを取得する(ステップC292)。すなわち、対象のモーションテーブルにおけるコマンド位置kに対応する行(例えば、k=0ならば1行目、k=1ならば2行目、…)のコマンドを取得する。次に、コマンドが追加コードであるかを判定する(ステップC293)。
【0397】
コマンドが追加コードである場合(ステップC293;Y)は、オブジェクト追加処理を行い(ステップC294)、コマンド位置を+1更新して(ステップC299)、ステップC300に移行する。また、コマンドが追加コードでない場合(ステップC293;N)は、コマンドが移動コードであるかを判定する(ステップC295)。
【0398】
コマンドが移動コードである場合(ステップC295;Y)は、オブジェクト移動処理を行い(ステップC296)、コマンド位置を+1更新して(ステップC299)、ステップC300に移行する。また、コマンドが移動コードでない場合(ステップC295;N)は、コマンドが削除コードであるかを判定する(ステップC297)。
【0399】
コマンドが削除コードである場合(ステップC297;Y)は、オブジェクト削除処理を行い(ステップC298)、コマンド位置を+1更新して(ステップC299)、ステップC300に移行する。また、コマンドが削除コードでない場合(ステップC297;N)は、ここでは省略する他のコマンドに対応する処理を行い、ステップC300に移行する。なお、ここで省略する他のコマンドに対応する処理を行った場合も、ステップC299においてコマンド位置が+1更新されるようになっている。
【0400】
ステップC300ではコマンドが終了コードであるかを判定し、終了コードでない場合(ステップC300;N)は、ステップC299に移行する。また、終了コードである場合(ステップC300;Y)は、コマンド位置を+1更新して(ステップC301)、モーションコマンド実行処理を終了する。
【0401】
図57(a)のモーションテーブルの場合、1行目(コマンド位置k=0)には、「追加コード」のコマンドと「キャラクタNo.(白ボタン)」のパラメータが設定されており、これにより画像ROM325に白ボタンとして登録されている画像がオブジェクトとして追加される。なお、他のオブジェクトがないのでオブジェクトインデックス(0)が割り当てられる。2行目(コマンド位置k=1)には、「移動コード」のコマンドと「オブジェクトインデックス(0)」、「X座標(338)」、「Y座標(230)」、「幅(123)」、「高さ(74)」のパラメータが設定されており、これにより指定の位置に白ボタンのオブジェクトが配される。
【0402】
3行目(コマンド位置k=2)には「終了コード」のコマンドが設定されており、この1〜3行目が1フレーム(1F)となる。このフレームにより、
図57(b)に示すように白ボタンが表示される。4〜11行目は「終了コード」のコマンドのみが設定されている。「終了コード」のコマンドのみが設定されている場合は、直前のフレームの状態を継続するので、9フレーム(300ms)に亘って白ボタンが表示される。
【0403】
そして、12行目(コマンド位置k=11)には、「削除コード」のコマンドと「オブジェクトインデックス(0)」のパラメータが設定されており、これにより白ボタンのオブジェクトが削除される。さらに、13行目(コマンド位置k=12)には、「追加コード」のコマンドと「キャラクタNo.(黒ボタン)」のパラメータが設定されており、これにより画像ROM325に黒ボタンとして登録されている画像がオブジェクトとして追加される。なお、白ボタンのオブジェクトは削除され、他のオブジェクトがないのでオブジェクトインデックス(0)が割り当てられる。
【0404】
また、14行目(コマンド位置k=13)には、「移動コード」のコマンドと「オブジェクトインデックス(0)」、「X座標(338)」、「Y座標(230)」、「幅(123)」、「高さ(74)」のパラメータが設定されており、これにより指定の位置に黒ボタンのオブジェクトが配される。15行目(コマンド位置k=14)には「終了コード」のコマンドが設定されており、この12〜15行目が1フレーム(1F)となる。このフレームにより、
図57(c)に示すように黒ボタンが表示される。16〜23行目は「終了コード」のコマンドのみが設定されている。「終了コード」のコマンドのみが設定されている場合は、直前のフレームの状態を継続するので、9フレーム(300ms)に亘って黒ボタンが表示される。その後、1行目に戻り繰り返し処理が行われる。このとき初期化されるため、黒ボタンのオブジェクトは削除される。
【0405】
これにより、
図57(b)に示す白ボタンの表示と
図57(c)に示す黒ボタンの表示とが繰り返し行われる。白ボタンのキャラクタは、ボタンが押されていない状態で白く光っているキャラクタであり、黒ボタンのキャラクタは、ボタンが押されている状態で消灯しているキャラクタであって、交互に表示することで、ボタンが出たりへこんだりしているアニメーション表示が実現される。
【0406】
〔オブジェクト追加処理〕
図58には、上述のモーションコマンド実行処理におけるオブジェクト追加処理(ステップC294)を示した。このオブジェクト追加処理では、まず、モーション管理領域Xにおけるモーション用リストテーブル領域の内容に対応するモーションリストテーブルのアドレス(即ち、今回制御するモーション用リストテーブルとその行を指定するデータ)を設定する(ステップC321)。
【0407】
次に、モーション管理領域Xにおける表示数の値が最大表示要素数以上になっているかを判定する(ステップC322)。ここで、最大表示要素数は、VDP312のハード的限界やVRAM326の容量(動画を展開する領域等)などを考慮し、一つのモーションで扱える表示数(制御するオブジェクトの数)の限界値であり、例えば18(静止画16+動画2)に設定されている。但し、18は一例にすぎず、これに限定されない。
【0408】
そして、最大表示要素数以上ならばオブジェクトの追加ができないのでオブジェクト追加処理を終了する。また、最大表示要素数未満である場合(ステップC322;N)は、表示数に対応する表示情報領域のアドレスを設定する(ステップC323)。例えば、オブジェクトの追加が初めて行われる場合には、表示数は1であるため、モーション管理領域Xにおける表示数1に対応する表示情報領域のアドレスを設定する。
【0409】
さらに、ステップC323で設定したアドレスで特定される一つの表示情報領域(以下、対象の表示情報領域という)を初期化する。なお、ここで初期化するのは、表示数に対応する1つの表示情報領域のみである。次に、ステップC321で取得されたアドレスで特定される対象のモーションテーブルから、コマンド位置kに対応するキャラクタNo.を取得してセーブし(ステップC325)、モーション管理領域Xにおける表示数の値を+1更新して(ステップC326)、オブジェクト追加処理を終了する。以上の処理により、キャラクタが表示オブジェクトとして追加される。
【0410】
〔オブジェクト移動処理〕
図59には、上述のモーションコマンド実行処理におけるオブジェクト移動処理(ステップC296)を示した。このオブジェクト移動処理では、まず、モーション管理領域Xにおけるモーション用リストテーブル領域の内容に対応するモーションリストテーブルのアドレス(即ち、今回制御するモーション用リストテーブルとその行を指定するデータ)を設定する(ステップC331)。
【0411】
次に、ステップC331で取得されたアドレスで特定される対象のモーションテーブルから、コマンド位置kに対応するオブジェクトインデックスを取得する(ステップC332)。さらに、ステップC332で取得したオブジェクトインデックスに対応する表示情報領域(モーション管理領域X内の表示情報領域)のアドレスを設定し(ステップC333)、コマンド位置kに対応するX座標データを取得するとともに(ステップC334)、幅データ、高さデータを取得する(ステップC335)。
【0412】
そして、取得したデータから表示座標の左上、右上、左下座標を算出し(ステップC336)、算出結果を表示情報領域の対応する領域にセーブして(ステップC337)、オブジェクト移動処理を終了する。オブジェクトはキャラクタやプッシュボタンの画像のような複雑な形状のものであっても、周囲に透明部分を設けることですべて四角形となるようにされており、左上の基準点座標とオブジェクトの高さ、幅データがあれば、右上点、左下点の座標が求められる。モーション管理領域における表示情報領域には、こうして定まる3点の各座標値を入れる領域があり、ここに入れられた座標にオブジェクトが配設されることとなる。
【0413】
〔オブジェクト削除処理〕
図60には、上述のモーションコマンド実行処理におけるオブジェクト削除処理(ステップC298)を示した。このオブジェクト削除処理では、まず、モーション管理領域Xにおけるモーション用リストテーブル領域の内容に対応するモーションリストテーブルのアドレス(即ち、今回制御するモーション用リストテーブルとその行を指定するデータ)を設定する(ステップC341)。
【0414】
次に、ステップC341で取得されたアドレスで特定される対象のモーションテーブルから、コマンド位置kに対応するオブジェクトインデックスを取得する(ステップC342)。さらに、ステップC342で取得したオブジェクトインデックスに対応する表示情報領域(モーション管理領域X内の表示情報領域)を0クリアし(ステップC343)、取得したオブジェクトインデックスより後の表示情報領域の情報を前にシフト(移動)する(ステップC344)。その後、モーション管理領域Xにおける表示数の値を−1更新して(ステップC345)、オブジェクト削除処理を終了する。以上の処理によりオブジェクトが削除される。
【0415】
図61には、選択擬似連演出の一例を示した。予告種別として選択擬似連が設定された特図変動表示ゲームが開始されると仮停止が行われる前に、選択擬似連であることを報知する演出と、
図61(a)に示すような演出ボタン25の操作を促す操作促進表示81が行われる。そして、遊技者が演出ボタン25を操作すると、
図61(b)に示すように擬似連予告発生ルートで演出が進行し、
図61(d)に示すようにSP4リーチに発展する。一方、遊技者が演出ボタン25を操作しなければ、
図61(c)に示すようにSP0リーチから発展するSP0系リーチ発展ルートで演出が進行し、
図61(d)に示すようにSP4リーチに発展する。
【0416】
図61(e)、(f)には前半変動種別が擬似連3であり予告種別が選択擬似連である場合の演出の実行態様を示した。
図61(e)は擬似連予告発生ルートとなる場合の演出の実行態様であり、
図61(f)はSP0系リーチ発展ルートとなる場合の演出の実行態様である。演出ボタン25の操作によりルートを選択可能な期間は、特図変動表示ゲームの開始(T41)から1回目の仮停止が予定されているタイミング(T42)までとなっており、このルートを選択可能な期間に演出ボタン25が操作されれば擬似連予告発生ルートとなって予定通り仮停止が行われる。これに対し、ルートを選択可能な期間に演出ボタン25が操作されなければSP0系リーチ発展ルートとなって予定されていた仮停止は行われない。
【0417】
擬似連予告発生ルートとなる場合は
図61(e)に示すように、予定されていた1回目の仮停止タイミング(T42)で仮停止し、その後1回目の再変動表示が行われて(T43)ノーマルリーチとなる。そして、はずれの結果態様で2回目の仮停止(T44)となり、2回目の再変動表示が開始される(T45)。2回目の再変動表示では、ノーマルリーチとなった後にSP4リーチに発展して(T46)、結果態様が導出されて特図変動表示ゲームが終了する(T47)。すなわち、再変動表示を二回行う擬似連3演出が行われることとなる。
【0418】
SP0系リーチ発展ルートとなる場合は
図61(f)に示すように、予定されていた1回目の仮停止タイミング(T42)で仮停止せず、予定されていた1回目の仮停止の期間は、全ての識別情報が変動表示する通常変動となる(T42〜T43)。また、予定されていた2回目の仮停止の期間(T44〜T45)は、ノーマルリーチの演出を行い、その後SP0リーチに発展する(T45)。さらにSP4リーチに発展して(T46)、結果態様が導出されて特図変動表示ゲームが終了する(T47)。すなわち、仮停止が行われることなく特図変動表示ゲームが進行する演出が行われることとなる。なお、
図61(e)、(f)に示すように、何れのルートであっても特図変動表示ゲーム全体の変動時間は同じである。
【0419】
以上のように、遊技者の演出ボタン25の操作に基づき演出態様が変化するようにしたことで、遊技者の演出ボタン25を操作する意欲を高め、遊技の興趣を高めることができる。また、一つの遊技機を遊技した場合でも、遊技者毎又は遊技をする毎に異なる印象を与えることができるため遊技者が飽きることがなく、遊技の興趣を高めることができる。
【0420】
特に、演出ボタン25の操作の有無により選択される各ルートの演出は、上述したような選択演出ではない変動パターンとして設定可能な演出である。つまり、擬似連予告発生ルートの演出は、選択擬似連演出ではない変動パターンとして、
図61(e)に示す擬似連3演出のみを実行するものとして設定可能である。また、SP0系リーチ発展ルートの演出は、選択擬似連演出ではない変動パターンとして、
図61(f)に示すSP演出のみを実行するものとして設定可能である。このため、選択演出は、従来のように演出ボタン25を操作することによりキャラクタが登場する程度の演出とは全く異なるものであって、遊技者に変動パターン自体の選択権利を与えるようなものであり、遊技の興趣を非常に高めることができる。
【0421】
なお、上述した以外の演出態様としても良く、例えば、演出ボタン25を操作した場合は
図61(e)の演出態様とし、演出ボタン25を操作しなかった場合は
図61(g)に示すように、2回目の仮停止中にダイジェスト演出を行うようにしても良い。ダイジェスト演出とは、各種リーチや各種キャラクタについて短い時間でまとめて紹介する映像である。このダイジェスト演出の実行時間を可変とすれば、特図変動表示ゲームの変動時間が異なる他の様々な変動パターンについても擬似連選択演出として用いることが可能となる。例えば、遊技者が演出ボタン25の操作により、複数のリーチ演出から所望のリーチ演出を選択できるようにし、遊技者が選択したリーチ演出の実行時間と擬似連演出との差分の時間だけダイジェスト演出を設定するようにする。もちろん、
図61(f)と(g)とを演出ボタン25の操作により選択可能な構成としても良い。また、仮停止する場合にはずれの結果態様を表示するようにしたが、擬似連演出が実行される場合にのみ表示される専用図柄を表示するようにしてもよく、大当りとなる結果態様でないことが望ましい。
【0422】
図62には、前半変動種別が擬似連3であり予告種別が選択擬似連である場合に使用するシナリオテーブルであって、予告の制御に関するシナリオレイヤー6についてのシナリオテーブルを示した。このシナリオテーブルにおいて、1〜4行目(テーブル右側に図示したインデックス番号が0〜3)は共通部であり、5〜7行目(インデックス番号が4〜6)は演出ボタン25が押されなかった場合の動作部であってSP0系リーチ発展ルートとなる場合の動作部である。また、8〜16行目(インデックス番号が7〜15)は演出ボタン25が押された場合の動作部であって、擬似連予告発生ルートとなる場合の動作部である。
【0423】
このシナリオテーブルによれば、まず特図変動表示ゲームの開始に伴い1行目(//0)で選択擬似連演出モーションが登録されて選択擬似連であることを報知する演出が開始される。次に、2行目でPBモーションが登録され、
図57に示したような演出ボタン25の操作を促す操作促進表示81が開始される。
【0424】
3行目では演出ボタンの操作が可能な有効時間として150フレーム(5秒)が設定され、有効時間内に演出ボタン25が操作されなければ4行目の処理により5行目に移行し、SP0系リーチ発展ルートとなる場合の動作を行う。SP0系リーチ発展ルートとなる場合の動作は、5、6行目で選択擬似連演出モーションとPBモーションを削除することでこれらの演出を終了し、7行目でこのシナリオテーブルによる制御を終了する。
【0425】
一方、有効時間内に演出ボタン25が操作されると4行目の処理により8行目に移行し、擬似連予告発生ルートとなる場合の動作を行う。擬似連予告発生ルートとなる場合の動作は、8行目でPBモーションを削除することでこの演出を終了し、9行目でボタンの操作音を出力するように設定する。さらに、10行目でPB有効時間の残り時間だけウェイト時間が設定された後、11行目で150フレーム(5秒)のウェイト時間を設定する。これらのウェイト時間は1変動目の仮停止時間の終了まで演出の進行を待機させるものであり、このウェイト時間の経過後に12行目で2変動目擬似連演出モーションが登録され、擬似連の2変動目開始時に「NEXT」の表示をする演出が行われる。
【0426】
その後、13行目で3変動目の開始までの150フレーム(5秒)のウェイト時間を設定し、ウェイト時間の経過後に14行目で3変動目擬似連演出モーションが登録され、擬似連の3変動目開始時に「NEXT」の表示をする演出が行われる。そして、15行目で90フレーム(3秒)のウェイト時間を設定し、ウェイト時間の経過後に16行目で3変動目擬似連演出モーションが削除されて演出が終了し、17行目でこのシナリオテーブルによる制御を終了する。
【0427】
このように、予告に関する一連の演出がシナリオテーブルに定義されており、これに従って演出が行われるようになっている。なお、この他にも背景や図柄変動に関するシナリオテーブルなどもあり、これらのテーブルについてもSP0系リーチ発展ルートと擬似連予告発生ルートのそれぞれの内容が定義され、演出ボタン25の操作の有無により対応する内容を実行するようにされている。
【0428】
以上のことから、始動条件の成立に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、変動表示ゲームの演出を制御する演出制御装置300と、遊技者による入力を受け付ける入力部(演出ボタン25、タッチパネル29)を備え、演出制御装置300は、入力部への入力の有無に基づき実行する演出を設定するようにしていることとなる。
【0429】
また、変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定手段(遊技制御装置100)を備え、
演出制御装置300は、
遊技者による入力部への入力に基づき選択される演出を設定することにより、前記変動時間に対して演出の実行時間が不足する場合には、当該不足する時間の追加演出を設定するようにしたこととなる。
【0430】
なお、擬似連選択演出として擬似連を含む変動パターンの場合に遊技者による演出態様の選択を可能としたが、擬似連を含む変動パターンでなくとも遊技者による演出の選択を可能としても良い。また、演出ボタン25による入力に限られず、レバーや赤外線センサなどその他の入力方法であってもよい。すなわち、遊技者が遊技機に対して入力操作を行うことで演出の内容を選択可能とするものであれば良い。
【0431】
また、選択可能な演出態様は2つに限られず、3つ以上の演出態様から選択できるようにしても良い。また、いずれのルートを選択しても最終的にはSP4リーチとなるようにしたが、ルートによって最終的なリーチ演出も異なるようにしても良い。また、本発明はスロットマシンにも適用可能である。
【0432】
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、所定条件の成立に基づき、演出の選択態様が変化するようになっている。
【0433】
本変形例の遊技機で変化させるのは、予告の選択態様とリーチ演出の選択態様である。
図63には予告の選択態様を示した。予告の選択態様である予告タイプには、(1)〜(5)の5種類がある。(1)バランス型はもっとも一般的な選択態様である。他の選択態様はバランス型と比較して下記に示すようにそれぞれ特徴を有する選択態様となっている。
【0434】
(2)プレミアム予告特化型は結果が大当りとなる場合に、大当りであることを確定的に報知する予告であるプレミアム予告系への振り分け率が高くなっている。(3)群予告特化型は、キャラクタの群が登場する予告である群予告系への振り分け率が高くなっている。(4)役物予告特化型は、役物を動作する予告である役物予告系への振り分け率が高くなっている。(5)保留予告特化型は、飾り特図始動記憶表示による予告である保留予告系への振り分け率が高くなっている。
【0435】
図64にはリーチ演出の選択態様であるリーチタイプを示した。リーチ種類にはノーマル、SP0〜4の5種類があり、各種類には複数種類のリーチ演出が含まれている。このリーチ演出の選択態様にはリーチタイプ(A)〜(C)の3種類がある。
【0436】
(A)バランス型1は、もっとも一般的な選択態様である。このバランス型1では、SP0,1,3リーチ系のそれぞれについては、各系統に含まれる複数のリーチ演出の振り分け率を同じとすることで、各リーチ演出の出現率を均等にして連続して同じリーチ演出が出現しにくくなるようにされている。よって、これらのリーチ系においては各系統に含まれる複数のリーチ演出の間に信頼度の差はない。
【0437】
また、SP2,4リーチ系については、各系統に含まれる複数のリーチ演出の振り分け率を変化させている。ここでは、キャラAリーチが最も信頼度(大当りとなる可能性)が高く、キャラBリーチ、キャラCリーチの順に信頼度が低くなるように振り分け率が設定されている。すなわち、結果が大当りである場合にはキャラAリーチが選択されやすく、結果がはずれである場合にはキャラCリーチが選択されやすい。なお、ノーマルリーチについてはリーチタイプ(A)〜(C)でリーチ演出の振り分け率を異ならせることはせず、何れの選択態様でも共通した振り分け率とされている。
【0438】
(B)信頼度重視型では、SP0〜4リーチ系において、各系統に含まれる複数のリーチ演出の信頼度がそれぞれ異なるように振り分け率が設定されている。(C)バランス型2では、SP0〜4リーチ系において、各系統に含まれる複数のリーチ演出の振り分け率を同じとして信頼度の差がないようにしている。
【0439】
次に、このように複数種類ある選択態様の設定について説明する。
〔メイン処理〕
本変形例では、
図36に示した演出制御装置300でのメイン処理に替えて
図65に示すメイン処理を行う。このメイン処理では、遊技タイプ切替処理(ステップC400)を行う。
【0440】
〔遊技タイプ切替処理〕
図66には、
図65に示したメイン処理における遊技タイプ切替処理(ステップC400)を示した。この遊技タイプ切替処理では、まず、遊技タイプ切替フラグがセットされているかを判定する(ステップC401)。遊技タイプ切替フラグは、遊技タイプの切り替え条件が成立した場合にセットされるフラグであり、ここでは客待ち状態が所定時間継続した場合やRAMの初期化が行われた場合にセットされるようになっている。
【0441】
この遊技タイプ切替フラグがセットされている場合(ステップC401;Y)は、予告タイプを乱数に基づいて抽選し(ステップC402)、抽選結果を新たな予告タイプとしてセーブする(ステップC403)。これにより、
図63に示した予告タイプの何れかが設定される。
【0442】
次に、リーチタイプを乱数に基づいて抽選し(ステップC404)、抽選結果を新たなリーチタイプとしてセーブする(ステップC405)。これにより、
図64に示したリーチタイプの何れかが設定される。その後、遊技タイプ切替フラグをクリアし(ステップC406)、遊技タイプ切替タイマに0を設定して(ステップC407)、遊技タイプ切替処理を終了する。
【0443】
一方、遊技タイプ切替フラグがセットされていない場合(ステップC401;N)は、遊技タイプ切替タイマが0であるかを判定する(ステップC408)。遊技タイプ切替タイマが0である場合(ステップC408;Y)は、遊技タイプ切替処理を終了する。また、遊技タイプ切替タイマが0でない場合(ステップC408;N)は、遊技タイプ切替タイマを−1更新し(ステップC409)、遊技タイプ切替タイマが0になったかを判定する(ステップC410)
【0444】
遊技タイプ切替タイマが0になっていない場合(ステップC410;N)は、遊技タイプ切替処理を終了する。また、遊技タイプ切替タイマが0になった場合(ステップC410;Y)は、遊技タイプ切替フラグをセットし(ステップC411)、遊技タイプ切替処理を終了する。
【0445】
〔単発系コマンド処理〕
図67には、
図65に示したメイン処理における受信コマンド解析処理(ステップC12)において行われる単発系コマンド処理(ステップC55、
図38参照)を示した。この単発系コマンド処理では、まず、MODEは遊技制御装置100に設定された機種に関する情報を含む機種指定コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC421)。そして、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC421;Y)は、内部情報をコマンドに対応する機種情報に書き換え(ステップC422)、単発系コマンド処理を終了する。
【0446】
また、ステップC421で、MODEは機種指定コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC421;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行ったことを示すRAM初期化コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC423)。そして、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC423;Y)には、初期化の必要な領域を初期化し(ステップC424)、RAM初期化画面情報を設定する(ステップC425)。さらに、RAM初期化が行われた際の演出を行うためにRAM初期化用シナリオデータを設定し(ステップC426)、遊技タイプ切替フラグをセットして(ステップC427)、単発系コマンド処理を終了する。
【0447】
なお、RAM初期化画面情報の設定により、特
図1と特
図2の何れを対象としているかの情報である特図種別や、結果に対応する図柄のカテゴリの情報である図柄種別がクリアされ、飾り特図始動記憶表示に関する特
図1保留数と特
図2保留数の情報に0が設定される。また、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄として、左図柄に7、中図柄に5、右図柄に3が設定される。
【0448】
また、ステップC423で、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC423;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行わずに停電から復旧したことを示す停電復旧コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC428)。そして、MODEは停電復旧コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC428;Y)には、初期化の必要な領域を初期化し(ステップC429)、復旧画面情報を設定する(ステップC430)。さらに、停電復旧の際の演出を行うために停電復旧用シナリオデータを設定して(ステップC431)、単発系コマンド処理を終了する。
【0449】
また、ステップC428で、MODEは停電復旧コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC428;N)は、MODEは客待ちデモの開始を示す客待ちデモコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC432)。そして、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC432;N)には、ここでは省略する他のMODEに対応する処理を行い、単発系コマンド処理を終了する。
【0450】
また、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC432;Y)には、P機(パチンコ機)状態がすでに客待ちデモ中に設定されているかを判定する(ステップC433)。P機状態が客待ちデモ中に設定されている場合(ステップC433;Y)は、単発系コマンド処理を終了する。また、P機状態が客待ちデモ中に設定されていない場合(ステップC433;N)は、客待ち演出を行うために客待ち用シナリオデータを設定する(ステップC434)。なお、この際にP機状態が客待ちデモ中に設定される。
【0451】
そして、遊技タイプ切替タイマに初期値をセーブして(ステップC435)、単発系コマンド処理を終了する。遊技タイプ切替タイマに設定される初期値は、例えば2時間に相当する値であり、これにより、客待ち状態が2時間経過することに基づき遊技タイプ切替フラグが設定されて、予告タイプやリーチタイプが変更されるようになる。
【0452】
遊技タイプ切替タイマの初期値を2時間に相当する値としたのは、遊技者が入れ替わったことをほぼ確実に認識できるようにするためであり、新たな遊技者に対して予告タイプやリーチタイプを設定し直すようにし、一つの遊技機であっても遊技者毎に異なる印象を与えて遊技の興趣を向上させるためである。また、遊技者が短時間席をはずしたことで予告タイプやリーチタイプが変わってしまうことを防止することもできる。同一の機種であっても遊技者ごとに受ける印象が異なれば、遊技者どうしで遊技した結果や演出過程が話題となり、当該遊技機についての興味が高まる。
【0453】
なお、遊技タイプ切替タイマに設定する時間は2時間に相当する値に限られるものではなく、これより長くても短くても良い。また、会員カードの挿抜の情報や挿入された会員カードの情報、座席や遊技機などに設けたセンサからの情報など他の方法により遊技者の入れ替わりを検出できるようにし、これに基づき予告タイプやリーチタイプを設定し直すようにしても良い。また、予告タイプやリーチタイプを設定し直すことを遊技者が入れ替わったとみなされることを条件とせずに他の条件を設定するようにしても良い。同一の遊技者が遊技している間に予告タイプやリーチタイプを変更しても遊技者に与える印象を変えて遊技の興趣を向上させることができる。例えば、前回の予告タイプやリーチタイプを設定してから所定時間経過することで予告タイプやリーチタイプを設定し直すようにしても良い。
【0454】
また、どの予告タイプやリーチタイプが設定されているかを遊技者が確認できるようにしても良い。例えば、客待ち画面に表示される文字の色を予告タイプやリーチタイプの種類に応じて変更するようにして判別できるようにしたり、遊技者が各種設定を行う遊技者設定モードにおいて現在の予告タイプやリーチタイプを表示するようにしたりしても良い。
【0455】
〔変動演出設定処理〕
また、
図41に示した変動演出処理の前半の処理に替えて
図68に示す処理を行う。この処理では、設定されている予告タイプに対応するテーブルを使用するように調整する処理を行い(ステップC441)、前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC96)。また、設定されているリーチタイプに対応するテーブルを使用するように調整する処理を行い(ステップC442)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC99)。これにより、設定された予告タイプやリーチタイプの振り分け率に応じた抽選が行われることとなる。すなわち、演出制御装置300が、複数の演出のうちから実行する演出を選択する演出選択手段をなす。
【0456】
以上のことから、始動条件の成立に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、変動表示ゲームの演出を制御する演出制御装置300を備え、演出制御装置300は、複数の演出のうちから実行する演出を選択する演出選択手段を備え、演出選択手段は、所定条件の成立に基づき、演出の選択態様を変更するようにしたこととなる。
【0457】
また、所定条件は、遊技が行われていない状態が所定時間継続したことにより成立するようにしたこととなる。
また、演出選択手段は、予告の選択態様を変更するようにしたこととなる。
また、演出選択手段は、リーチ演出の選択態様を変更するようにしたこととなる。
また、リーチ演出には複数の系統に分類され、各系統には複数のリーチ演出が含まれており、演出選択手段は、系統毎に当該系統に含まれる複数のリーチ演出の選択態様を変更するようにしたこととなる。
なお、遊技者の選択により予告やリーチ演出の選択態様を変更できるようにしても良い。また、本発明はスロットマシンにも適用可能である。
【0458】
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、対象となる特図変動表示ゲームについて、当該特図変動表示ゲームの結果態様の導出までの期間において複数段階でポイントを付与し、そのポイントの累計値により当該特図変動表示ゲームの信頼度(特別結果となる可能性の高さ)を報知するポイント加算予告を行うようにしている。
【0459】
図69には、ポイント加算予告の一例を示した。このポイント加算予告は、対象となる特図変動表示ゲームにおいて複数回の予告を行うようにし、各予告に対して設定されたポイントの累計値により信頼度を報知するものである。また、このポイント加算予告が行われる場合は、予告の発生タイミングと当該予告のポイントを示す信頼度報知83を行うようにしている。
【0460】
図69(a)に示すようにこの信頼度報知83は、表示装置41の表示領域における上部に表示されるようになっている。
図69(b)に示すように信頼度報知83は横軸が時間を示しており、ここでは、左端が特図変動表示ゲームの変動開始を示し、右端が変動停止を示している。また、縦軸がポイントの高さを示しており、上に向かってポイントが高いことを示すようになっている。予告の発生タイミングとポイントに応じた位置にポイント表示83aが表示されるとともに隣接するポイント表示83aを結ぶ直線が表示され、予告の発生タイミングとポイントの推移が折れ線グラフにより表示される。
【0461】
図69(c)から(g)には信頼度報知83の表示過程の一例を示した。ポイント加算予告が行われる場合には、特図変動表示ゲームの開始後に信頼度報知83が表示装置41に表示される。そして、1回目の予告が行われると
図69(c)に示すように当該予告の発生タイミングとポイントに応じた位置にポイント表示83aが表示される。次に、2回目の予告が行われると、
図69(d)に示すように当該予告の発生タイミングとポイントに応じた位置にポイント表示83aが表示されるとともに、1回目の予告に対応するポイント表示83aと結ぶ直線が表示される。
【0462】
その後、
図69(e)、(f)に示すように、順次予告の発生に伴いポイント表示83aの表示と直線の表示が追加されることで、予告の発生タイミングとポイントの推移がわかりやすく表示される。そして、このポイントの累計値が信頼度となる。グラフが高い位置で推移すれば累計値が高く信頼度が高いことがわかり、グラフが低い位置で推移すれば累計値が低く信頼度が低いことがわかる。
【0463】
また、1回も予告が出現しなかった場合には
図69(g)に示すように直線の表示のみを行い、その旨を報知するようにしても良い。このようにポイント加算予告が行われているにもかかわらず予告が行われなかった場合や、予告の全てが0ポイントであった場合を、いわゆる法則崩れとして信頼度が非常に高いことを示すものとしても良い。
【0464】
図69(g)のパターンを含むようにする場合には、予告が出現する可能性がある時期を予め示しておき(例えば3か所)、この時期で予告が出現するか否かによって信頼度を報知するものとすることもできる。例えば、最初の出現時期で予告が出現した場合には、以降の出現時期では信頼度の高い予告の出現を期待させるようにすることができ、最初及び2番目の出現時期で予告が出現しなかった場合では、最後の出現時期で予告が出現しないことを期待するようにさせることができる。すなわち、予告が出現してもしなくても最後の出現時期まで遊技者の期待感をひきつけ、遊技の興趣を高めることができる。
【0465】
なお、信頼度報知83が示す期間はポイント加算予告の期間に対応するものとする。ポイント加算予告の期間は、一の特図変動表示ゲームの変動開始から変動停止まで期間に限られず、例えば、リーチ状態となるまでの前半変動時間の期間としたり、リーチ状態発生後の後半変動時間の期間としたりしても良い。また、複数の特図変動表示ゲームに亘る期間としても良い。複数の特図変動表示ゲームに亘る期間とした場合には、一の予告に対して一のポイント表示83aを表示するようにしても良いし、各特図変動表示ゲームにおいてポイントを小計し、この値をポイント表示83aとして表示しても良い。
【0466】
また、信頼度報知83の表示態様は
図69に示したような折れ線グラフの表示に限られるものではなく、予告の発生タイミングとポイントを時系列に沿って示すことができればどのようなものでも良い。また、ポイント加算予告でなくても信頼度報知83を行うようにしても良い。この場合は、縦軸を信頼度の高さとして複数回の予告の各回についての信頼度を示し、予告の信頼度の推移を視認可能とする。
【0467】
また、ポイント表示は既に実行された予告について行うとしたが、未だ発生していない予告について、発生が予定されているタイミングと信頼度を報知するようにしても良いし、変動表示ゲームの進行に合わせて折れ線グラフ上を矢印(
図69(h)参照)を移動させるように表示し、現在どのタイミングであるか特定できるようにしても良い。その際に矢印がポイント表示83aを通過した時点で予告が出現した場合にポイント表示83aの表示態様を変更(例えば吹き出しを表示して予告の種類を表示するなど)するようにしても良い。予告の発生タイミングと信頼度は特図変動表示ゲームの開始時には決定されているので、この情報に基づき変動表示ゲームの開始時に報知するようにしてもよいし、変動表示ゲームがリーチ状態となったことに対応して報知するようにしてもよい。この報知の契機として遊技者による演出ボタン25の操作等の条件を設定しても良い。また、予告が発生する場合に信頼度報知83を変動表示ゲームの開始と同時に表示されるようにしたが、変動開始又はリーチ状態から所定期間中に演出ボタン25又はタッチパネル29により表示するか否かを選択させるようにしても良い。予告が発生しない場合にも信頼度報知83を表示するようにしても良い。
【0468】
図70には、ポイント加算予告の別例を示した。このポイント加算予告は、擬似連変動において仮停止した際の識別情報の値によりポイントを報知するものである。
図70(a)に示すように、1回目の仮停止の前までにポイント加算予告を行うことを報知する表示として、「特殊ゾーン突入!!」の表示を行うとともに、
図70(b)に示すように累計ポイントをメーターにより示すためのメーター表示84を行う。
【0469】
そして、
図70(c)に示すように1回目の仮停止が行われると、
図70(d)に示すように仮停止した識別情報の値の合計値、すなわちポイントがメーター表示84に加算される。ここでは、「342」で仮停止しており、3+4+2=9であるので9がメーター表示84に加算される。さらに、1回目の仮停止が終了して2回目の変動表示が行われ、2回目の仮停止が行われると、
図70(e)に示すように仮停止した識別情報の値の合計値がメーター表示84に加算される。ここでは、「625」で仮停止しており、6+2+5=13であるので13がメーター表示84に加算され、メーターの値は22となる。
【0470】
このように仮停止ごとに識別情報の値の合計値(ポイント)が加算されていき、
図70(g)に示すようにリーチ状態となると、仮停止による値の加算は終了する。さらにその後、演出ボタン25の操作を促す操作促進表示81がなされ、遊技者がこれに従い演出ボタン25を押下する毎にメーターに値を加算可能とする追加演出が行われ、この追加演出が終了した際のメーターの値(ポイントの累計値)が当該特図変動表示ゲームについての信頼度となる。
【0471】
以上のように、仮停止した識別情報の値を演出に用いることで、擬似連変動による興趣を高めることができる。すなわち、従来の遊技機では仮停止の回数のみが信頼度の高さを表現するものとされていたが、本変形例の遊技機では仮停止の回数だけでなく仮停止の識別情報の値も信頼度の高さを表現するものとして用いることができる。これにより、仮停止の回数が少なくても信頼度が高い場合や、仮停止の回数が多くても信頼度の低い場合など、擬似連変動の内容が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上することができる。
【0472】
なお、追加演出は他の態様の演出であっても良い。また、追加演出は行わないようにしても良い。また、
図70の例ではリーチ態様の形成以降は仮停止しない構成であるので、リーチ態様の形成により仮停止による識別情報の値の加算は終了するとしたが、リーチはずれ態様(例えば「767」)で仮停止した後に再変動する場合は、リーチ態様の形成以降も仮停止による識別情報の値の加算を行う。すなわち、リーチの有無にかかわらず仮停止した識別情報の値を加算する。
【0473】
また、ポイント加算予告の期間を一の特図変動表示ゲームの期間としたが、複数の特図変動表示ゲームを実行する期間としても良い。この場合、信頼度の報知対象となる特図変動表示ゲームまでの特図変動表示ゲームに擬似連変動を含む場合は仮停止時の識別情報の値及び停止結果態様の識別情報の値を加算する。なお、擬似連変動を含まない特図変動表示ゲームについては停止結果態様の識別情報の値のみを加算する。また、信頼度の報知対象となる特図変動表示ゲームまでの特図変動表示ゲームにおいて追加演出を行うようにしても良い。また、
図69に示したポイント加算予告においてもメーター表示84のようなポイントの累積値の表示を行うようにしても良い。
【0474】
また、仮停止の前から仮停止時の識別情報を報知するようにしても良い。ポイント加算予告が複数の特図変動表示ゲームに亘る場合はポイント加算の対象となる結果態様を報知するようにしても良い。また、ポイントの加算は識別情報の値だけでなく、特定の演出表示や役物の動作によっても加算するようにしても良く、この場合にはこれらの演出に対してもポイントを割り振るようにする。また、ポイントが特定の値(例えば77ポイント)となった場合には特別結果となることを確定的に報知するものとしても良い。また、特別結果となる可能性の高さである信頼度を報知するとしたが、特別結果となった際の特別結果態様の種類を推測する情報を提供するものとしても良い。例えばポイントが高いほど遊技者にとって有利な特別結果態様(ラウンド数が多い、確変となるなど)となるようにしても良い。
【0475】
また、累計ポイントによりリーチ状態となった際に発展する可能性の高さを報知するようにしても良い。例えば、発展せずにノーマルリーチで終了する場合には累計ポイントが50ポイント未満となるようにし、SPリーチに発展する場合には50ポイント以上となるようにする。さらに、累計ポイントが高いほど期待度の高いSPリーチに発展するようにポイントを設定するようにしても良い。
【0476】
また、仮停止する場合にはずれの結果態様を表示するようにしたが、擬似連演出が実行される場合にのみ表示される専用図柄を表示するようにしてもよく、大当りとなる結果態様でないことが望ましい。この場合、専用図柄に特定の値(例えば15)を割り振り、これをポイントとして加算するようにしても良いし、専用図柄に任意の値(正の値だけでなく負の値でも良い)を割り当てることができるようにしても良い。
【0477】
〔変動演出設定処理〕
以上のような演出を行うために、
図42に示した変動演出設定処理の後半の処理に替えて、
図71に示す処理を行う。この処理では、ポイント加算予告設定処理(ステップC450)を行う。なお、
図71では省略したが変動演出設定処理では、
図69や
図70に示したようなポイント加算予告を行うためのシナリオデータの設定も行うようになっている。
【0478】
〔ポイント加算予告設定処理〕
図72に示すようにポイント加算予告設定処理では、まず、ポイント加算予告があるかを判定する(ステップC451)。ポイント加算予告とは、
図69や
図70に示したような信頼度を報知する予告であり、変動演出設定処理における抽選(ステップC96、
図41参照)により実行の有無が決定される。
【0479】
ポイント加算予告がない場合(ステップC451;N)は、ポイント加算予告設定処理を終了する。また、ポイント加算予告がある場合(ステップC451;Y)は、ポイント加算予告抽選テーブルを設定する(ステップC452)。保留数によっても予告演出の数が変わるので、ポイント加算予告抽選テーブルの設定の際には保留数や特図の種類も考慮して設定を行う。
【0480】
その後、設定したテーブルを用いてポイント加算演出態様を抽選する(ステップC453)。これにより、何回の特図変動表示ゲームに亘ってポイント加算予告を行うのかや、予告の回数である演出段階の数、キャラクタの出現の有無、役物の動作の有無、
図69と
図70の何れか又は別の演出態様の何れかとするかなどの抽選が行われる。そして、決定された演出態様、演出段階の結果をセーブする(ステップC454)。
【0481】
次に、乱数を用いて加算するポイントのトータル値を決定し(ステップC455)、ポイント値のトータル値を演出の各段階へ振り分ける抽選を行う(ステップC456)。さらに、振り分けたポイント値を演出段階に対応する領域にセーブし(ステップC457)、全段階に振り分け完了したかを判定する(ステップC458)。全段階に振り分け完了していない場合(ステップC458;N)は、ステップC457に戻り、全段階に振り分けが完了するまで繰り返す。
【0482】
すなわち、ポイントのトータル値はポイント加算予告で報知する信頼度の高さであり、結果が特別結果となる場合の方が、結果がはずれとなる場合よりも高いトータル値が選択されやすいようにされている。そして、このトータル値を各段階に振り分ける。例えば、
図69に示したようなポイント加算予告であれば、一の予告が一の段階に対応するので、この予告それぞれにポイントを振り分ける。また、
図70に示したようなポイント加算予告であれば、一の仮停止の他、複数の特図変動表示ゲームに亘りポイント加算予告を行う場合には結果態様の停止表示が一の段階となるので、これらにポイントを振り分ける。
【0483】
すなわち、演出制御装置300が、対象となる変動表示ゲームについて、遊技者に対して報知する当該変動表示ゲームが特別結果となる可能性の高さである信頼度を決定する信頼度決定手段をなす。また、演出制御装置300が、所定期間に実行する複数の演出にポイントを振り分け、ポイントの累計値が対象の変動表示ゲームの信頼度を示すようにするポイント振分手段をなす。
【0484】
その後、停止図柄差し替えを行うかを判定する(ステップC459)。停止図柄の差し替えは、
図70に示したようなポイント加算予告を行う場合に必要であり、ここでは
図70に示したようなポイント加算予告であるかを判定している。停止図柄差し替えを行わない場合(ステップC459;N)、すなわち、
図70に示すようなポイント加算予告でない場合は、ポイント加算予告設定処理を終了する。また、停止図柄差し替えを行う場合(ステップC459;Y)、すなわち、
図70に示すようなポイント加算予告である場合は、振り分けたポイント値に合わせ、擬似連中の各停止図柄を決定し(ステップC460)、ポイント加算予告設定処理を終了する。
【0485】
ステップC460では、振り分けられたポイントが3つの識別情報の和となるように仮停止図柄を決定する。なお、複数の特図変動表示ゲームに亘りポイント加算予告を行う場合には、特図変動表示ゲームの停止図柄(結果態様)についても振り分けられたポイントに合うように停止図柄を差し替える。また、ステップC456では、ポイントの振り分けの際に識別情報の組み合わせで表現できる範囲のポイントを振り分けるようにする。例えば、識別情報が1〜10であり3つの識別情報で結果態様を表示するのであれば、特別結果態様となる組み合わせを除いた組み合わせで表現できる範囲として4〜29の範囲となる。
【0486】
このように設定された情報に基づき、
図69や
図70に示したようなポイント加算予告が実行される。ポイント加算予告を行う場合には、変動演出設定処理でポイント加算予告を行うためのシナリオデータが設定されるので、このシナリオデータに沿って演出が進行する。すなわち、演出制御装置300が、所定期間において発生した演出の発生タイミング及び当該演出に振り分けられたポイントを時系列に沿って表示する信頼度報知83を行う信頼度報知手段をなす。
【0487】
以上のようなポイント加算予告を行うことで、初めて遊技した遊技者であっても信頼度を容易に把握することができ、各予告についての信頼度の高さがわからずに興趣が低下してしまうことを防止できる。また、擬似連変動の仮停止図柄や停止結果態様に意味を持たせることができ、従来にない興趣をもたらすことができる。
【0488】
以上のことから、対象となる変動表示ゲームについて、遊技者に対して報知する当該変動表示ゲームが特別結果となる可能性の高さである信頼度を決定する信頼度決定手段(演出制御装置300)と、
所定期間に実行する複数の演出にポイントを振り分けるポイント振分手段(演出制御装置300)と、を備え、
ポイント振分手段は、所定期間に実行する複数の演出に振り分けたポイントの累計値が、対象の変動表示ゲームの信頼度を示すように振り分けることとなる。
ここで、演出には、予告や識別情報の仮停止、結果態様の表示などが含まれる。識別情報の仮停止や結果態様の場合は、ポイントと識別情報とが対応するようにしても良い。
【0489】
また、所定期間において発生した演出の発生タイミング及び当該演出に振り分けられたポイントを時系列に沿って表示する信頼度報知83を行う信頼度報知手段(演出制御装置300)を備えることとなる。
ここで、信頼度報知手段は、予告についての信頼度を表示するものとしても良い。
【0490】
なお、信頼度報知83は、遊技者の選択により表示させるか否かを選択できるようにしても良い。また、信頼度報知83によりポイントではなく各予告の信頼度を示すようにした場合は、ポイント加算予告が行われる特図変動表示ゲームだけでなくすべての特図変動表示ゲームにおいて信頼度報知83を常に表示するようにしても良い。なお、本発明はスロットマシンにも適用可能である。ただし、遊技者のストップボタンの操作タイミングにより変動表示ゲームの実行時間は変化するものであるので、信頼度報知83の時間軸はストップボタンの操作を基準とした時間軸とすることが好ましい。
【0491】
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、演出ボタン25やタッチパネル29の操作を自動的に行うことを選択可能としている。
【0492】
遊技球を発射するための操作部24は、右利きの遊技者が多いため遊技者が右手で操作しやすい位置に設けられている。しかし、演出ボタン25やタッチパネル29の操作を利き手の右手で行いたい遊技者は、操作のたびに操作部24から手を離すこととなるが、これにより、遊技店にとっては遊技機の稼働時間が減少することとなってしまう。そこで、遊技者が操作をしなくても演出ボタン25やタッチパネル29の操作が自動的に行われたものとするおまかせモードを設定可能とし、遊技機の稼働時間が減少することを防止するようにしている。
【0493】
客待ち状態で演出ボタン25やタッチパネル29を所定操作することでボタン自動化選択モードとなるようにされている。このボタン自動化選択モードでは、
図73(a)に示すように演出ボタン25やタッチパネル29の操作により、ボタン入力タイプとしてマニュアルモードとおまかせモードとを選択可能となっている。マニュアルモードは、演出ボタン25やタッチパネル29の操作タイミングにおいて遊技者が自ら演出ボタンを操作するモードである。また、おまかせモードは、演出ボタン25やタッチパネル29の操作タイミングにおいて遊技者が自ら操作をしなくとも操作が行われたものとして扱うモードである。
【0494】
図73(a)においておまかせモードを選択すると、
図73(b)に示すように押しキャラ選択モードとなり、演出ボタン25やタッチパネル29の操作によりキャラクタを選択することができる。押しキャラとは、おまかせモードにおいてどのように演出ボタン25やタッチパネル29が操作されたと扱うかが異なるキャラクタである。
図73(c)に示すように押しキャラには、演出ボタン25やタッチパネル29の操作タイミングの開始に伴いすぐに操作したと扱う早押しするキャラクタや、演出ボタン25やタッチパネル29の操作タイミングにおいて高速に連打したと扱う高速連打するキャラクタ、熱いシーンでは押したものとして扱わない弱いシーンだけ押すキャラクタなど、様々なキャラクタが設定されている。このうちから遊技者が希望するキャラクタを選択して設定することができ、選択されたキャラクタに応じた操作が行われるようになる。
【0495】
図73(d)、(e)にはおまかせモードを設定した際の演出態様の一例を示した。遊技者の操作の有無によりその後の演出内容が異なる分岐演出において演出ボタン25やタッチパネル29の操作タイミングとなると、
図73(d)に示すように演出ボタン25やタッチパネル29の操作を促す操作促進表示81が表示されるとともにキャラクタ85が表示される。そして、キャラクタ85が操作促進表示81の演出ボタンの画像を押す演出が表示され、演出ボタン25やタッチパネル29が操作されたものとして扱われる。
【0496】
また、演出ボタン25やタッチパネル29を操作した結果が遊技者にとって期待感の持てないものであった場合は、
図73(e)に示すようにキャラクタ85が怒るような演出が行われるなど、結果に応じて遊技者の心情に合わせた喜怒哀楽をキャラクタ85が表現するようになっている。なお、マニュアルモードである場合は、演出ボタン25やタッチパネル29の操作タイミングとなると演出ボタン25やタッチパネル29の操作を促す操作促進表示81のみが表示され、キャラクタ85は表示されない。
【0497】
〔ホール・遊技者設定モード処理〕
以上のような制御を行うため、メイン処理におけるホール・遊技者設定モード処理(ステップC10、
図36参照)において、
図74に示す処理を行う。このホール・遊技者設定モード処理では、まず、遊技店側で情報の設定を行う状態であるホール設定モード中であるかを判定する(ステップC471)。なお、ホール設定モード中である場合はホール設定モード中フラグがセットされており、このフラグの有無によりホール設定モード中であるかが判定可能である。ホール設定モード中である場合(ステップC471;Y)は、ステップC476に移行する。また、ホール設定モード中でない場合(ステップC471;N)は、遊技者が情報を設定する状態である遊技者設定モード中であるかを判定する(ステップC472)。
【0498】
遊技者設定モード中である場合は遊技者設定モード中フラグがセットされており、このフラグの有無により遊技者設定モード中であるかが判定可能である。この遊技者設定モード中である場合(ステップC472;Y)は、ステップC489に移行する。また、遊技者設定モード中でない場合(ステップC472;N)は、ホール設定モードの開始条件が成立したかを判定する(ステップC473)。ここでのホール設定モードの開始条件とは、例えば、客待ち状態中かつ前面枠12が開放された状態にて演出ボタン25が2回押下されることである。このホール設定モードの開始条件が成立した場合(ステップC473;Y)は、ホール設定モードの画面描画開始を設定し(ステップC474)、ホール設定モード中フラグをセットする(ステップC475)。
【0499】
その後、音量の変更可能範囲の設定を操作入力に基づき行うホール音量調整処理(ステップC476)、LED輝度の変更可能範囲の設定を操作入力に基づき行うホールLED輝度調整処理(ステップC477)を行う。これらの処理では上限値と下限値の両方を設定するようにしても良いし、一方のみ設定するようにしても良い。ここで設定した範囲内で遊技者が音量やLEDの輝度を調整可能となる。さらに、液晶輝度の設定を操作入力に基づき行う液晶輝度調整処理(ステップC478)、遊技が所定時間行われていない場合に移行する省電力状態の設定を操作入力に基づき行う省電力設定処理(ステップC479)を行う。この省電力設定処理(ステップC479)では、遊技が所定時間行われていない場合に省電力設定を有効にするか否かの設定と、省電力設定時の音量、LED輝度、液晶輝度をホール毎に設定できるようになっている。また、上記の設定の他に、省電力中に可動役物を動作させるか否かの設定を可能としてもよい。そして、これらの処理で設定した情報を確定する設定確定操作入力があったかを判定する(ステップC480)。
【0500】
設定確定操作入力がない場合(ステップC480;N)は、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。また、設定確定操作入力があった場合(ステップC480;Y)は、工場出荷時設定での確定操作入力であったかを判定する(ステップC481)。確定操作入力には、ステップC476からC479までの処理で設定した情報を確定する確定操作入力と、工場出荷時設定に戻すための確定操作入力とがあり、何れが行われたかを判定する。
【0501】
工場出荷時設定での確定操作入力でない場合(ステップC481;N)、すなわち、ステップC476からC479までの処理で設定した情報を確定する確定操作入力であった場合は、ステップC476からC479までの処理で設定した情報を決定された情報として、決定されたホール設定データをバックアップRAM(FeRAM323)に書き込む(ステップC483)。また、工場出荷時設定での確定操作入力である場合(ステップC481;Y)は、工場出荷時設定処理(ステップC482)を行い、ステップC476からC479までの処理で設定した情報を破棄して工場出荷時の初期値を決定された情報とし、決定されたホール設定データをバックアップRAMに書き込む(ステップC483)。これにより、PROM321に記憶されている初期設定値(音量、LED輝度、液晶輝度の設定値)がFeRAM323に記憶される。その後、ホール設定モードの画面描画の終了を設定し(ステップC484)、ホール設定モード中フラグをクリアして(ステップC485)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。
【0502】
一方、ホール設定モードの開始条件が成立していない場合(ステップC473;N)は、遊技者設定モードの開始条件が成立したかを判定する(ステップC486)。ここでの遊技者設定モードの開始条件とは、例えば、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームが実行されていない客待ち状態中に、演出ボタン25が1回押下されることである。この遊技者設定モードの開始条件が成立していない場合(ステップC486;N)は、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。また、遊技者設定モードの開始条件が成立した場合(ステップC486;Y)は、遊技者設定モードの画面描画開始を設定し(ステップC487)、遊技者設定モード中フラグをセットする(ステップC488)。
【0503】
そして、演出ボタン25やタッチパネル29の操作を自動的に行うか否かを設定するボタン自動化設定処理(ステップC489)を行い、ホール音量調整処理(ステップC476)で設定された変更可能範囲内で操作入力に基づき音量を変更する遊技者音量調整処理(ステップC490)、ホールLED調整処理(ステップC477)で設定された変更可能範囲内で操作入力に基づきLEDの輝度を変更する遊技者LED輝度調整処理(ステップC491)を行う。その後、設定確定操作入力があるかを判定し(ステップC492)、設定確定操作入力がない場合(ステップC492;N)は、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。
【0504】
また、設定確定操作入力があった場合(ステップC492;Y)は、ステップC489からC491で設定された情報を遊技者設定データとしてRAM322に記憶した後、遊技者設定モードの画面描画の終了を設定し(ステップC493)、遊技者設定モード中フラグをクリアして(ステップC494)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。これにより遊技者が設定したLEDの輝度や音量に変更されることとなる。
【0505】
なお、ホール設定モード又は遊技者設定モードに入った後の操作入力に伴う描画更新設定は演出ボタン入力処理(ステップC9)にて行う。また、遊技者設定データをRAM322に記憶するとしたがFeRAM323に記憶するようにしても良い。さらに、電源遮断時にRTC338から時刻を取得してFeRAM322に記憶しておき、電源投入時にRTC338から取得した時刻から電源遮断時間を算出し、この電源遮断時間に応じてFeRAM323に記憶した遊技者設定データにホール設定値データを記憶する否かを決定するようにしても良い。例えば、電源遮断時間が所定時間以内である場合には遊技者設定データにホール設定値データを記憶しないで元のまま維持するようにし、短時間の停電やエラーを復旧するための電源の遮断などでは遊技者設定データがリセットされないようにすることができる。
【0506】
〔ボタン自動化選択処理〕
図75には、上記のホール・遊技者設定モード処理におけるボタン自動化選択処理(ステップC489)を示した。このボタン自動化選択処理では、まず、演出ボタン25の操作を自動的に行うか否かの選択を行う状態(
図73(a)参照)であるボタン自動化選択モード中であるかを判定する(ステップC501)。なお、ボタン自動化選択モード中である場合はボタン自動化選択モード中フラグがセットされており、このフラグの有無によりボタン自動化選択モード中であるかが判定可能である。
【0507】
ボタン自動化選択モード中である場合(ステップC501;Y)は、ステップC505に移行する。また、ボタン自動化選択モード中でない場合(ステップC501;N)は、押しキャラの選択を行う状態(
図73(b)参照)である押しキャラ選択モード中であるかを判定する(ステップC502)。なお、押しキャラ選択モード中である場合は押しキャラ選択モード中フラグがセットされており、このフラグの有無により押しキャラ選択モード中であるかが判定可能である。
【0508】
押しキャラ選択モード中である場合(ステップC502;Y)は、ステップC515に移行する。また、押しキャラ選択モード中でない場合(ステップC502;N)は、ボタン自動化選択モード開始条件が成立したかを判定する(ステップC503)。ボタン自動化選択モードの開始条件とは、例えば、遊技者設定モード中において演出ボタン25やタッチパネル29により所定の操作がなされたことである。このボタン自動化選択モード開始条件が成立していない場合(ステップC503;N)は、ボタン自動化選択処理を終了する。また、ボタン自動化選択モード開始条件が成立した場合(ステップC503;Y)は、ボタン自動化選択モード中フラグをセットし(ステップC504)、ボタン自動化選択メニュー画面の表示設定を行う(ステップC505)。
【0509】
そして、選択のカーソル操作があるかを判定し(ステップC506)、カーソル操作があれば(ステップC506;Y)、カーソル操作に応じてボタン自動化選択メニュー画面の表示情報を更新し(ステップC507)、決定の操作があるかを判定する(ステップC508)。決定の操作がなければ(ステップC508;N)、ボタン自動化選択処理を終了する。また、決定の操作があれば(ステップC508;Y)、現在の選択対象のボタン自動化設定情報を設定する(ステップC509)。
【0510】
これにより、例えば、
図73(a)において、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29によりカーソル操作(例えば演出ボタン25上面のタッチパネル29の左右何れかに触れる操作)をすることで矢印状のカーソルがマニュアルモードを指す状態と、おまかせモードを指す状態と、を変更できる。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29により決定を入力する操作(例えば演出ボタン25の中央を押下する操作)をすることで、カーソルが指す事項が設定される。
【0511】
その後、ボタン自動化選択モード中フラグをクリアし(ステップC510)、決定したのは自動押し設定(おまかせモード)であるかを判定する(ステップC511)。決定したのは自動押し設定である場合(ステップC511;Y)は、押しキャラ選択モード中フラグをセットし(ステップC512)、ボタン自動化選択処理を終了する。これにより、
図73(b)に示したような押しキャラ選択モードに移行する。また、決定したのは自動押し設定でない場合(ステップC511;N)は、押しキャラ選択モード中フラグをクリアし(ステップC513)、おまかせモード中フラグをクリアして(ステップC514)、ボタン自動化選択処理を終了する。
【0512】
ステップC502において押しキャラ選択モード中である場合(ステップC502;Y)、すなわち押しキャラ選択モード中フラグがセットされている場合は、押しキャラ選択メニュー画面の表示設定を行い(ステップC515)、選択のカーソル操作があるかを判定する(ステップC516)。選択のカーソル操作がない場合(ステップC516;N)は、ステップC518に移行する。選択のカーソル操作がある場合(ステップC516;Y)は、押しキャラ選択メニュー画面表示情報を更新し(ステップC517)、決定の操作があるかを判定する(ステップC518)。
【0513】
決定の操作がない場合(ステップC518;N)は、ボタン自動化選択処理を終了する。また、決定の操作がある場合(ステップC518;Y)は、現在選択対象の押しキャラ情報を設定する(ステップC519)。押しキャラ情報とは、
図73(c)に示したような早押し、高速連打、弱いシーンだけ押すなどのようなキャラクタの性格情報であり、現在選択対象となっていたキャラクタの性格情報が設定される。これにより、例えば、
図73(b)において、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29によりカーソル操作(例えば演出ボタン25上面のタッチパネル29の左右何れかに触れる操作)をすることで押しキャラが順次変更される。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29により決定を入力する操作(例えば演出ボタン25の中央を押下する操作)をすることで、表示されている押しキャラに設定される。
【0514】
その後、決定時の表示情報を設定し(ステップC520)、押しキャラ選択モード中フラグをクリアする(ステップC521)。これにより、押しキャラ選択モードが終了し、遊技者設定モードに移行する。そして、おまかせモード中フラグをセットして(ステップC522)、ボタン自動化選択処理を終了する。
【0515】
このように、おまかせモードを設定することで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作タイミングにおいて演出ボタン25やタッチパネル29が操作されたものとして扱われるようになる。すなわち、演出制御装置300が、分岐演出において、遊技者が操作手段を操作しなくとも操作手段を操作したものとして扱うことを可能とする操作自動化手段をなす。また、押しキャラの選択により、どのように演出ボタン25やタッチパネル29が操作されたものとみなすかを選択できる。すなわち、演出制御装置300が、遊技者の選択により、分岐演出における操作手段の操作態様を選択可能とする操作態様選択手段をなす。
【0516】
このように、おまかせモードを設定可能としたことで、演出ボタン25やタッチパネル29を操作することが面倒な遊技者に対して、演出ボタン25やタッチパネル29の操作が前提となる演出を見せることができ、遊技の興趣を高めることができる。なお、マニュアルモードとして遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作した場合には、おまかせモードでは見られない演出を実行可能とし、遊技者が自ら演出ボタン25やタッチパネル29を操作して遊技に参加した特典を与えるようにしても良い。
【0517】
以上のことから演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、
遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25、タッチパネル29)と、を備え、
演出には操作手段の操作の有無によりその後の演出内容が異なる分岐演出が含まれ、
演出制御手段は、
前記分岐演出において、遊技者が操作手段を操作しなくとも操作手段を操作したものとして扱うことを可能とする操作自動化手段(演出制御装置300)を備えることとなる。
【0518】
また、操作自動化手段は、
分岐演出における操作手段の操作態様を複数備え、何れか一つの操作態様により操作されたものとして扱うように構成され、
遊技者の選択により、分岐演出における操作手段の操作態様を選択可能とする操作態様選択手段(演出制御装置300)を備えることとなる。
【0519】
〔第4変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第3変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技球の発射中のみ演出ボタン25やタッチパネル29の操作を自動的に行うようにしている。
【0520】
上述したようにおまかせモードでは自動的に操作が行われるようにしたが、遊技者によっては特別結果となるか否かの分岐点など重要なシーンは自ら操作をしたいと思う遊技者も存在する。このような場合に操作を行おうとする遊技者は利き手の右手で操作をしようとする場合が多いので、操作部24から手を離すこととなる。そこで、操作部24に手を触れることで遊技球の発射操作をしている場合のみ演出ボタン25やタッチパネル29の操作を自動的に行うようにし、遊技者の意思により自動的な操作を行うか否かを容易に選択できるようにしている。
【0521】
〔演出ボタン入力処理〕
本変形例の遊技機では、
図36に示したメイン処理における演出ボタン入力処理(ステップC9)において、
図76に示す処理を行う。この演出ボタン入力処理では、まず、今回の演出ボタン状態領域の値を前回の演出ボタン状態領域にコピーして(ステップC521)、演出操作部(演出ボタン25やタッチパネル29)のポート状態データを今回の演出ボタン状態領域にコピーする(ステップC522)。そして、前回の演出ボタン状態領域の値や今回の演出ボタン状態領域の値などに基づいて演出操作部(演出ボタン25やタッチパネル29)の状態変化データを生成し、演出ボタン立上りエッジ領域にセーブする(ステップC523)。ここで、演出操作部からの入力の読み込みは、例えば1m秒周期のタイマ割込み処理内で行い、チャタリング除去等を行って、状態を確定しておく。そして、例えば約33.3m秒周期の演出ボタン入力処理では、演出操作部からの入力の状態を確認して入力内容を確定し、その結果に応じて演出を切り替える処理等を行う。
【0522】
次いで、タッチセンサ29aの有効期間中であるかを判定する(ステップC524)。ステップC524で、タッチセンサ29aの有効期間中でないと判定した場合(ステップC524;N)は、ステップC534の処理に移行する。一方、ステップC524で、タッチセンサ29aの有効期間中であると判定した場合(ステップC524;Y)は、何れかのタッチセンサに入力があるかを判定する(ステップC525)。ここで、タッチセンサ29aの検出感度が「通常感度」に設定されている場合には、演出操作部に対する接触操作が検出可能であり、当該接触操作が検出された際に、何れかのタッチセンサに入力があると判定される。また、タッチセンサ29aの検出感度が「高感度」に設定されている場合には、演出操作部に対する手かざし操作や接触操作が検出可能であり、当該手かざし操作や接触操作が検出された際に、何れかのタッチセンサに入力があると判定される。
【0523】
ステップC525で、何れのタッチセンサにも入力がないと判定した場合(ステップC525;N)は、ステップC534の処理に移行する。一方、ステップC525で、何れかのタッチセンサに入力があると判定した場合(ステップC525;Y)は、空間タッチ演出中であるかを判定する(ステップC526)。
【0524】
ここで、本実施形態(各変形例を含む)の遊技機10は、演出操作部を使用する演出(PB(プッシュボタン)演出)の一種であるタッチ演出として、空間タッチ演出(空中タッチ演出)と、ボタンタッチ演出とを実行可能に構成されている。空間タッチ演出中は、演出操作部に対する手かざし操作が検出された際に、表示装置41の表示による演出を切り替える等して演出を変化させるよう構成されている。空間タッチ演出中は、タッチセンサ29aの検出感度が「高感度」に設定されている。また、ボタンタッチ演出中は、演出操作部に対する接触操作が検出された際に、表示装置41の表示による演出を切り替える等して演出を変化させるよう構成されている。ボタンタッチ演出中は、タッチセンサ29aの検出感度が「通常感度」に設定されている。
【0525】
ステップC526で、空間タッチ演出中でないと判定した場合(ステップC526;N)、すなわちボタンタッチ演出中であり、演出操作部に対する接触操作を検出した場合は、タッチセンサ制御処理(ステップC528)を行う。そして、タッチセンサ制御処理(ステップC528)の結果、タッチセンサ29aの入力内容が確定したかを判定する(ステップC529)。具体的には、演出制御装置300は、例えば、演出操作部に対する接触移動操作を促す画像等を表示装置41に表示して、フリック操作や丸くなぞる操作などの複数回の入力を監視しなければ確定できない操作を要求した場合には、複数回の入力結果に基づいて要求した操作がなされたと確定できた際に、入力内容が確定したと判定する。
【0526】
ここで、複数回の入力結果とは、例えば、予め定められた入力内容確定期間内で実行された複数回の演出ボタン入力処理の各ステップC523にて生成された演出操作部の状態変化データのことである。また、演出ボタン入力処理が約33.3m秒周期で行われるので、例えば入力内容確定期間を333m秒間に定めた場合には、入力内容確定期間内で10回の演出ボタン入力処理が実行されて10個の状態変化データが生成される。また、演出制御装置300は、例えば、演出操作部に対する接触操作を促す画像等を表示装置41に表示して、触る操作等の1回の入力を監視するだけで確定できる操作を要求した場合には、今回の入力結果に基づいて要求した操作がなされたと確定できた際に、入力内容が確定したと判定する。
【0527】
ステップC529で、タッチセンサ29aの入力内容が確定していないと判定した場合(ステップC529;N)は、ステップC534の処理に移行する。一方、ステップC529で、タッチセンサ29aの入力内容が確定したと判定した場合(ステップC529;Y)は、タッチセンサ制御処理(ステップC528)の結果、タッチセンサ29aの有効確率を突破したかを判定する(ステップC530)。
【0528】
具体的には、演出制御装置300は、例えば、演出操作部に対する複数回の接触操作(連打(連続タッチ)操作等)や複数回の接触移動操作(こする操作等)を促す画像等を表示装置41に表示した場合には、当該表示の開始以降に実行した演出ボタン入力処理の回数に対する、当該表示の開始以降にステップC529にて入力内容が確定したと判定した回数の割合が、予め定められた所定割合に達した際や、当該表示の開始以降にステップC529にて入力内容が確定したと判定した回数が、予め定められた所定回数に達した際に、有効確率を突破したと判定する。また、演出制御装置300は、例えば、演出操作部に対する1回の接触操作(ワンタッチ操作等)を促す画像等を表示装置41に表示した場合や、演出操作部に対する1回の接触移動操作(フリック操作等)を促す画像等を表示装置41に表示した場合には、ステップC529にて入力内容が確定したと判定したので、無条件で有効確率を突破したと判定する。
【0529】
ステップC530で、タッチセンサ29aの有効確率を突破していないと判定した場合(ステップC530;N)は、ステップC534の処理に移行する。一方、ステップC530で、タッチセンサ29aの有効確率を突破したと判定した場合(ステップC530;Y)は、タッチセンサ29aの入力結果情報を保存して(ステップC531)、タッチセンサ29aを無効に設定する(ステップC532)。そして、タッチセンサ29aの検出感度が「高感度」に設定されていたら「通常感度」に設定して(ステップC533)、ステップC534の処理に移行する。
【0530】
ステップC534では、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の有効期間中であるかを判定する(ステップC534)。ステップC534で、PUSHセンサの有効期間中でないと判定した場合(ステップC534;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。一方、ステップC534で、PUSHセンサの有効期間中であると判定した場合(ステップC534;Y)は、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)に入力があるか、すなわち演出操作部に対する押圧操作が検出されたかを判定する(ステップC535)。
【0531】
ステップC535で、PUSHセンサに入力がないと判定した場合(ステップC535;N)は、ステップC541に移行する。一方、ステップC535で、PUSHセンサに入力があると判定した場合(ステップC535;Y)、すなわち演出操作部に対する押圧操作が検出された場合は、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の有効確率を突破したかを判定する(ステップC536)。
【0532】
具体的には、演出制御装置300は、例えば、演出操作部に対する1回の押圧操作(ワンPUSH操作等)を促す画像等を表示装置41に表示した場合には、ステップC535にて入力があると判定したので、無条件で有効確率を突破したと判定する。また、例えば、演出操作部に対する複数回の押圧操作(連打(連続PUSH)操作等)を促す画像等を表示装置41に表示した場合には、当該表示の開始以降に実行した演出ボタン入力処理の回数に対する、当該表示の開始以降にステップC535にて入力があると判定した回数の割合が、予め定められた所定割合に達した際や、当該表示の開始以降にステップC535にて入力があると判定した回数が、予め定められた所定回数に達した際に、有効確率を突破したと判定する。また、操作される毎に乱数で抽選し、当選した場合に有効確率を突破したと判定するようにしても良い。さらに、操作回数が多いほど当選確率を高くするなど、操作された回数に応じて当選確率を変更するようにしても良い。なお、このPUSHセンサの有効確率を突破したかの判定(ステップC536)での具体的な処理内容は、上述のタッチセンサ29aの有効確率を突破したかの判定(ステップC530)においても同様に適用される。
【0533】
ステップC536で、PUSHセンサの有効確率を突破していないと判定した場合(ステップC536;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。一方、ステップC536で、PUSHセンサの有効確率を突破したと判定した場合(ステップC536;Y)は、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の入力結果情報を保存し(ステップC537)、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)を無効に設定して(ステップC538)、演出ボタン入力処理を終了する。
【0534】
また、ステップC526で、空間タッチ演出中であると判定した場合(ステップC526;Y)は、当該空間タッチ演出がPUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)として扱う演出であるかを判定する(ステップC527)。ここで、空間タッチ演出には、PUSHセンサとして扱う演出と、PUSHセンサとして扱わない演出とがある。PUSHセンサとして扱う演出において、演出制御装置300は、演出操作部に対する手かざし操作が検出された場合に、PUSH操作(押圧操作)に相当する操作が行われたものとして認識して、押圧操作に対応する制御を行うよう構成されている。また、PUSHセンサとして扱わない演出において、演出制御装置300は、演出操作部に対する手かざし操作が検出された場合に、タッチ操作(接触操作)に相当する操作が行われたものとして認識して、接触操作に対応する制御を行うよう構成されている。
【0535】
ステップC527で、PUSHセンサとして扱う演出でないと判定した場合(ステップC527;N)、すなわち演出操作部に対する手かざし操作を演出操作部に対する接触操作とみなす場合には、ステップC528の処理に移行する。この場合、例えば、演出操作部の上方(具体的には、演出操作部の上方のうちのタッチセンサ29aの検出範囲内)で指等がスライド移動した場合に、演出操作部に対するフリック操作がなされたとみなすことができる。また、例えば、演出操作部の上方で指等が複数回上下移動した場合(具体的には、指等がタッチセンサ29aの検出範囲内と検出範囲外とを往復移動した場合)に、演出操作部に対する複数回の接触操作がなされたとみなすことができる。
【0536】
一方、ステップC527で、PUSHセンサとして扱う演出であると判定した場合(ステップC527;Y)、すなわち演出操作部に対する手かざし操作を演出操作部に対する押圧操作とみなす場合は、タッチセンサ29aを無効に設定し(ステップC539)、タッチセンサ29aの検出感度を「通常感度」に設定して(ステップC540)、ステップC537の処理に移行する。このように、本実施形態では、PUSHセンサとして扱う演出であると判定した場合には、入力内容が確定したか否かや、有効確率を突破したか否かの判定を行わずに、直ちに入力を確定して、タッチ入力であるがPUSH入力として扱うよう構成されている。
【0537】
一方、ステップ535において、PUSHセンサに入力がないと判定された場合(ステップC535;N)は、PUSHボタンのおまかせモード中であるかを判定する(ステップC541)。PUSHボタンのおまかせモード中でない場合(ステップC541;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。また、PUSHボタンのおまかせモード中である場合(ステップC541;Y)は、遊技球の発射中であるかを判定する(ステップC542)。
【0538】
遊技球の発射中であるか否かは、後述するように遊技球の発射中にのみ遊技球発射中フラグがセットされることにより判別する。遊技球の発射中でない場合(ステップC542;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。また、遊技球の発射中である場合(ステップC542;Y)は、演出内容、押しキャラのタイプに対応し、ボタンを押したことにするか否かを決定する(ステップC543)。そして、押したことにする場合(ステップC544;Y)は、ステップC537に移行する。また、押したことにしない場合(ステップC544;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。
【0539】
なお、ステップC543では、基本的には押したこととするが、例えば熱いシーンでは押したものとして扱わない弱いシーンだけ押すキャラクタが設定されている場合に、熱いシーンであった場合には押したことにしない。また、上述した第3変形例の場合は、演出ボタン入力処理としてステップC542以外の処理を行う。
【0540】
〔受信コマンド解析処理〕
また、本変形例の遊技機では、
図38に示した受信コマンド解析処理に替えて
図77に示す処理を行う。この受信コマンド解析処理では、MODEは発射系コマンドの範囲であるかを判定し(ステップC551)、発射系コマンドの範囲である場合(ステップC551;Y)は、発射系コマンド処理を行い(ステップC552)、受信コマンド解析処理を終了する。
【0541】
遊技制御装置100から演出制御装置300には、操作部24に設けられたタッチスイッチの状態が変化した際に発射系コマンドが送信されるようになっている。この発射系コマンドとしては、タッチスイッチの状態がタッチしていない状態からタッチされた状態に変化した際に送信される発射中コマンドと、タッチされた状態からタッチしていない状態に変化した際に送信される発射停止中コマンドがあり、これらを受信した場合に発射系コマンド処理(ステップC552)を行う。
【0542】
〔発射系コマンド処理〕
図78には、上述の発射系コマンド処理(ステップC552)を示した。この発射系コマンド処理では、まず、受信したコマンドが発射中を示すコマンド(発射中コマンド)であるかを判定する(ステップC561)。そして、発射中コマンドである場合(ステップC561;Y)は、遊技球発射中フラグをセットし(ステップC562)、発射系コマンド処理を終了する。また、発射中コマンドでない場合(ステップC561;N)、すなわち発射停止中コマンドである場合は、遊技球発射中フラグをクリアし(ステップC563)、発射系コマンド処理を終了する。なお、遊技機10の電源投入時には初期値として発射中フラグがクリアされた状態とされる。
【0543】
これにより、遊技者が操作部24に触れている場合には遊技球を発射しているものとして発射中フラグがセットされた状態となり、この発射中フラグの有無に基づき
図76に示した演出ボタン入力処理のステップC542では、遊技球の発射中であるか否かを判定するようにしている。
【0544】
以上のことから、遊技者による発射操作の有無を判定する発射操作判定手段(演出制御装置300)を備え、
操作自動化手段は、
発射操作判定手段により遊技球の発射操作が行われていると判定された場合にのみ遊技者が操作手段を操作しなくとも操作手段を操作したものとして扱うことが可能であることとなる。
【0545】
なお、上記の第3及び第4変形例において、おまかせモードであっても遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作した場合には当該操作を有効として扱うようにしても良い。また、演出ボタン25やタッチパネル29を操作したこととみなすタイミングで
図73(d)に示すような押しキャラが操作するような動作の演出を行うようにし、どのタイミングで操作されたかを遊技者がわかるようにしても良い。この場合に押しキャラが操作するような動作の演出より前に遊技者が自ら操作を行った場合には、当該操作をもって操作されたものとし、操作されたとみなす処理は行わなくても良い。また、特別結果となるか否かの分岐点など重要なシーンにおいては、おまかせモードを設定している遊技者であっても自ら操作をしたいと思うことが多いと考えられるので、おまかせモードであっても自動的に操作を行わないようにしても良い。また、本発明はスロットマシンにも適用可能である。
【0546】
〔第5変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、演出の分岐点までの残り時間を表示可能である、
【0547】
図79には、演出の分岐点までの残り時間の表示例を示した。この例は、
図79(e)に示すように、特図変動表示ゲームの実行中(変動0)に4つ目の始動記憶である保留4が発生し、当該保留4に基づく特図変動表示ゲームが特別結果となる場合であって、当該保留4に基づく特図変動表示ゲームにおいて特別結果となることが明確となる時である当落分岐地点までの残り時間を表示する例である。
【0548】
まず、変動0が開始され(T51)、当該変動0において保留4が発生している(T52)。この保留4について先読み処理を行った結果、当該保留4に基づく特図変動表示ゲームにおける当落分岐地点(T62)までの残り時間を報知することが可能な演出である当落分岐タイマ先読み予告の実行が決定されている。これに基づき、
図79(a)に示すように演出ボタン25やタッチパネル29の操作を促す操作促進表示81が行われる。ここで遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作すると(T53)、
図79(b)に示すように当落分岐地点までの残り時間の表示である残時間表示86が行われる。ここでは、残り時間(T53〜T62)として2分24秒80の残り時間が示され、この後、時間の経過とともに表示される残り時間が減少するカウントダウン表示がなされる。
【0549】
その後、
図79(c)に示すように演出が進行する。この演出では自キャラクタが敵キャラクタと戦い、自キャラクタが勝つことにより特別結果であることが明確に報知される演出となっている。この演出の進行中も残時間表示86は表示される。そして、対象となる特図変動表示ゲームにおいて、
図70(d)に示すように自キャラクタが勝って特別結果となることが明確に報知されるタイミングが当落分岐地点であり、この報知と同時に残時間表示86がちょうど0となるようにされている。この当落分岐地点では未だ変動中であり、この後に最終的な結果態様が表示される(T63)。なお、
図79(a)において遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作しなければ残時間表示86は行われないが、演出自体は演出ボタン25やタッチパネル29の操作の有無に関わらず同じように進行する。
【0550】
このように残時間表示86を行うことで、演出の分岐点までの時間から演出内容や特別結果となる可能性の高さを予測でき、変動表示に対する期待感を持たせることができて遊技の興趣を高めることができる。すなわち、残時間表示86が長ければこの後に期待度の高い演出(長いリーチなど)が行われることが期待でき、特別結果となる可能性が高いことが予測できる。さらに、カウントダウン表示により遊技者の期待感を徐々に高め、当落分岐地点までの興趣を向上することができる。
【0551】
〔シナリオ解析処理〕
本変形例の遊技機では、
図47に示したシナリオ設定処理の後半の処理に替えて
図80に示す処理を行う。この処理では、オペコードが予告時間算出系(予告時間算出コード)であるかを判定する(ステップC571)。オペコードが予告時間算出系である場合(ステップC571;Y)は、予告時間算出処理を行い(ステップC572)、ステップC203に移行する。例えば、
図82の10行目(//9)では、予告時間算出コードが設定されているため、予告時間算出処理が行われることとなる。
【0552】
〔予告時間算出処理〕
図81には、上述の予告時間算出処理(ステップC572)を示した。この予告時間算出処理では、まず、当落分岐タイマ先読み予告を実行するかを判定し(ステップC581)、実行しない場合(ステップC581;N)は、予告時間算出処理を終了する。また、実行する場合(ステップC581;Y)は、現在実行中の変動の残り時間と、先読み対象保留以外の各保留の変動予告時間を加算する(ステップC582)。
【0553】
そして、先読み対象保留の当落分岐ポイントまでの予定時間を加算結果に加算し(ステップC583)、最終の加算結果に対応する時間値を表示用領域にセーブして(ステップC584)、予告時間算出処理を終了する。なお、この時間値は可変ウェイト時間にも設定される。
【0554】
図79の例においては、変動0のボタン押下タイミングから変動0の停止表示時間の終了まで(T53〜T54)が現在実行中の変動の残り時間である。また、変動1〜3のそれぞれについての開始から停止表示時間の終了までの時間(T55〜T57、T57〜T59、T59〜T61)が先読み対象保留以外の各保留の変動予定時間である。ステップC582ではこれらの時間を加算する。また、保留4が先読み対象保留であり、ステップC584では当該保留4の開始から当落分岐地点までの時間(T61〜T62)を加算し、この時間値を表示用領域にセーブする。
【0555】
図79の例においては、変動0は変動時間(T51〜T54)が12.0秒であり、変動開始から3.0秒後に演出ボタン25が押下されているため(T53)、変動の残り時間(T53〜T54)は9.0秒である。また、遊技制御装置100では、当落分岐タイマ先読み予告の実行が決定された際に変動1〜4のそれぞれの変動時間を決定する。ここでは、変動1の変動時間(T55〜T56)は3.2秒、変動2の変動時間(T57〜T58)は7.2秒、変動3の変動時間(T59〜T60)は12.0秒、変動4の変動時間(T61〜T63)は125.0秒と設定されている。
【0556】
さらに、変動0〜3の停止表示時間(T54〜T55、T56〜T57、T58〜T59、T60〜T61)はそれぞれ0.6秒に設定されている。さらに、当落分岐地点(T62)は保留4における変動終了(T63)の14.0秒前に設定されている。よって、9.0+0.6+3.2+0.6+7.2+0.6+12.0+0.6+125.0−14.0=144.8秒となり、残時間表示86では「02:24:80」の表示がなされることとなる。
【0557】
すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームの演出における所定時までの残り時間を算出する算出手段をなすとともに、算出手段による算出結果を残時間表示86として表示する残時間表示手段をなす。また、遊技制御装置100が、次回以降の変動表示ゲームにおける演出を設定可能な演出設定手段をなす。
【0558】
図82には、当落分岐タイマ先読み予告の実行が決定された場合(例えば
図79(e)のT52)に設定されて実行されるシナリオテーブルであって、予告の制御に関するシナリオレイヤー6についてのシナリオテーブルを示した。このシナリオテーブルにおいて、1〜4行目(テーブル右側に図示したインデックス番号が0〜3)は共通部であり、5〜7行目(インデックス番号が4〜6)は演出ボタン25が押されなかった場合の動作部であって残時間表示86がなされない場合の動作部である。また、8〜14行目(インデックス番号が7〜13)は演出ボタン25が押された場合の動作部であって、残時間表示86がなされる場合の動作部である。
【0559】
このシナリオテーブルによれば、まず当落分岐タイマ先読み予告の実行が決定されることに伴い1行目(//0)で当落分岐タイマ演出モーションが登録されて当落分岐タイマ先読み予告であることを報知する演出が開始される。次に、2行目でPBモーションが登録され、
図79(a)に示したような演出ボタン25の操作を促す操作促進表示81が開始される。
【0560】
3行目では演出ボタン25の操作が可能な有効時間として150フレーム(5秒)が設定され、有効時間内に演出ボタン25が操作されなければ4行目の処理により5行目に移行し、残時間表示86がなされない場合の動作を行う。残時間表示86がなされない場合の動作は、5、6行目で当落分岐タイマ演出モーションとPBモーションを削除することでこれらの演出を終了し、7行目でこのシナリオテーブルによる制御を終了する。
【0561】
一方、有効時間内に演出ボタン25が操作されると4行目の処理により8行目に移行し、残時間表示86がなされる場合の動作を行う。この場合の動作は、8行目でPBモーションを削除することでこの演出を終了し、9行目でボタンの操作音を出力するように設定する。さらに、10行目で予告時間算出処理が行われるようになり、11行目で時間値表示モーションが登録されて
図79(b)に示すように残時間表示86が開始される。また、12行目で上記の時間値が可変ウェイトタイマに設定され、上記の時間値が経過するまで(残時間が0となるまで)
図79(c)に示すように残時間表示86の表示が継続される。そして、
図79(d)に示すように時間値が0となり可変ウェイト時間が経過すると、13行目で時間値表示モーションが削除されて残時間表示86が終了し、14行目でこのシナリオテーブルによる制御を終了する。
【0562】
なお、残時間表示86は一の特図変動表示ゲームのみで行うようにしても良い。すなわち、
図79(a)の表示が行われる特図変動表示ゲームと、
図79(d)の表示が行われる特図変動表示ゲームは同じ特図変動表示ゲームでも良い。このようにする場合には、ステップC582、C583において、現在の変動の残り時間のみを算出し、これを表示するようにする。また、当落の分岐点までの時間値を表示するようにしたが、これに限られるものではなく、任意の地点までの時間値を表示するようにしても良い。例えば、結果態様が表示されるまでの時間値や、リーチ状態となるまでの時間値、リーチが発展するまでの時間値などが挙げられる。
【0563】
また、当落分岐タイマ先読み予告の実行が決定された際に、変動1〜4についてそれぞれの変動時間も決定されるとしたが、この時点では設定され得る変動時間のうち最も短い変動時間を予定時間とし、これを加算して可変ウェイト時間や残時間表示86に用いるようにしても良い。この場合、各変動の開始時に実際に決定された変動時間との差分を可変ウェイト時間に加算するとともに残時間表示86に加算する演出を行うようにする。また、設定される変動時間に関係なく大まかな時間を可変ウェイト時間や残時間表示86にとして設定しておき、変動開始時に実際に決定された変動時間を考慮して可変ウェイト時間や残時間表示86に加算又は減算する演出を行うようにして良い。すなわち、演出制御装置300に、残時間表示86に表示される残り時間と実際の残り時間とが異なる場合に、両者の差分を算出して残時間表示86を更新する時間調整手段を備えても良い。
【0564】
以上のことから、
演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、
演出制御手段は、
変動表示ゲームの演出における所定時までの残り時間を算出する算出手段(演出制御装置300)と、
算出手段による算出結果を残時間表示86として表示する残時間表示手段(演出制御装置300)と、を備えることとなる。
【0565】
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25、タッチパネル29)を備え、
算出手段は、操作手段の操作に基づき、当該操作の時点から所定時までの時間を算出するようにしたこととなる。
また、所定時は、遊技者が特別結果となるか否かを認識可能な時であることとなる。
【0566】
また、次回以降の変動表示ゲームにおける演出を設定可能な演出設定手段(遊技制御装置100)を備え、
算出手段は、演出設定手段による設定に基づき次回以降の変動表示ゲームの演出における所定時までの残り時間を算出するようにしたこととなる。
また、残時間表示86に表示される残り時間と実際の残り時間とが異なる場合に、両者の差分を算出して残時間表示86を更新する時間調整手段(演出制御装置300)を備えることとなる。
【0567】
また、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで乱数値とともに記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、
始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、
演出設定手段(遊技制御装置100)は、事前判定手段の判定結果に基づき次回以降の変動表示ゲームにおける演出を設定するように構成されていることとなる。
なお、演出設定手段は、始動記憶が発生する前から特定の変動表示ゲームについての演出及び実行時間や当落分岐地点を設定するようにしても良い。例えば、特図変動表示ゲームの終了から所定回目の変動表示ゲームについては必ず特定のSP4リーチとするとして、実行時間や当落分岐地点を予め設定しておくようにしても良い。
【0568】
〔第6変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技の進行に伴い演出の実行態様を変化可能であり、変化させるか否かを遊技者が選択可能となっている。
【0569】
本変形例の遊技機では、演出の実行態様が異なる複数種類の演出態様モードを備えており、初期状態では選択できない演出態様モードが含まれている。そして、遊技の進行に伴い所定条件が成立すると、遊技レベルがアップするとともに選択できなかった演出態様モードが開放されて当該演出態様モードを選択可能となるように構成されている。
【0570】
なお、遊技レベルがアップする所定条件は様々な条件が考えられるが、例えば所定回数の特図変動表示ゲームを実行したことや、所定の演出が実行されたこと、遊技者による演出ボタン25の操作があったこと、途切れることなく所定回数の特図変動表示ゲームを実行したことなどが挙げられる。また、遊技レベルアップがあった場合に必ず演出態様モードの開放が行われないようにしても良く、所定の遊技レベルに達した場合のみ開放を行うようにしても良い。
【0571】
この演出態様モードの設定について、演出態様モードの開放に伴い開放された演出態様モードを自動的に適用する自動設定モードと、遊技者が適用する演出態様モードを手動で選択するマニュアルモードが用意されている。自動設定モードとマニュアルモードの選択は、客待ち状態において行うことができるようになっている。客待ち状態で演出ボタン25やタッチパネル29を所定操作することで、演出を遊技者の好みに合わせて変更することができる演出カスタマイズモードとなり、
図83(a)に示す表示がなされる。この演出カスタマイズモードでは、演出ボタン25やタッチパネル29の操作により星形のカーソルを移動させるとともに決定操作を行うことで、カスタマイズする項目を選択可能である。
【0572】
そして、
図83(a)に示すように開放演出の反映方法選択にカーソルを合わせて決定操作を行うとカスタマイズ自動設定選択モードとなり、
図83(b)に示す表示がなされる。このカスタマイズ自動設定選択モードでは、演出ボタン25やタッチパネル29の操作により矢印状のカーソルを移動させるとともに決定操作を行うことで、自動設定モードとマニュアルモードを選択可能である。
【0573】
マニュアルモードである場合は新たに演出態様モードが開放された際に当該演出態様モードを設定する場合には、始動記憶をすべて消化して特図変動表示ゲームを終了し、客待ち状態としてから遊技者設定モードに移行させ、設定を行う必要がある。これに対して自動設定モードでは、基本的に新たに開放された演出態様モードを次の特図変動表示ゲームから自動的に適用するようにしている。これにより、わざわざ客待ち状態にする必要がなく、遊技を継続することができる。しかし、新たに開放された演出態様モードが現在設定されている演出態様モードと競合する内容である場合には、遊技者による変更の許可を待って変更を行うこととしている。
【0574】
例えば、自動設定モードが設定されている状態で、
図83(c)に示すように演出の実行頻度が低い演出頻度低モード中において所定条件が成立して遊技レベルがレベル9からレベル10にアップしており、これに伴い新たに演出の実行頻度が高い演出頻度高モードが開放されている。演出頻度低モードと演出頻度高モードは、演出の実行頻度について相反するものであり、これらは競合する演出態様モードである。よって、新たに開放された演出態様モードを適用せず、
図83(d)に示すように遊技者に新たに開放された演出態様モードを適用するかを選択させる選択表示を行う。この選択表示では、演出ボタン25やタッチパネル29の操作により矢印状のカーソルを移動させるとともに決定操作を行うことで、変更するか否かを選択可能である。そして、遊技者の選択に応じて演出態様モードが設定される。
【0575】
なお、競合しない演出態様モードである場合には自動的に適用するが、
図83(d)に示すように遊技者の変更の許可を待って変更を行うようにしてもよい。競合しない演出モードに変更される場合とは、例えばリーチ演出1〜3を実行可能な演出態様モードである場合にリーチ演出1〜5を実行可能な演出態様モードが開放された場合のように、これまでの演出態様モードの内容については変更後も同じように実行可能であるような場合である。また、選択表示は
図83(d)に示すようにメインの表示装置41の隅に表示するほか、メインの表示装置41とは別のサブ表示装置を備える場合には当該サブ表示装置で行うようにしても良い。
【0576】
〔メイン処理〕
以上のような制御を行うため、
図36に示した演出制御装置300でのメイン処理に替えて
図84に示すメイン処理を行う。このメイン処理では、演出態様モードの開放を管理するカスタマイズ開放処理(ステップC591)を行うようになっている。
【0577】
〔ホール・遊技者設定モード処理〕
図85には、
図84に示したメイン処理におけるホール・遊技者設定モード処理(ステップC10)を示した。なお、このホール・遊技者設定モード処理は、
図74に示したホール・遊技者設定モード処理において、ボタン自動化設定処理(ステップC489)に替えて演出カスタマイズ処理(ステップC561)を行うようにしたものであり、これ以外の処理は同じである。
【0578】
〔演出カスタマイズ処理〕
図86には、
図85に示したホール・遊技者設定モード処理における演出カスタマイズ処理(ステップC561)を示した。この演出カスタマイズ処理では、まず、新規開放項目情報があるかを判定する(ステップC571)。新規開放項目情報は、遊技において所定の条件が成立して新たな演出態様モードが選択可能となったことを示す情報である。
【0579】
この新規開放項目情報がない場合(ステップC571;N)は、カスタマイズメニュー表示処理に移行する(ステップC573)。また、新規開放項目情報がある場合(ステップC571;Y)は、新規開放された項目を有効にし(ステップC572)、カスタマイズメニュー表示処理を行う(ステップC573)。新規開放された項目を有効にすることで、マニュアルモードにおける演出態様モードの選択において新たな演出態様モードの選択が可能となる。
【0580】
カスタマイズメニュー表示処理(ステップC573)では、
図83(a)に示すような演出カスタマイズの項目を選択する画面の表示や、遊技者による項目の選択を可能とする処理を行う。そして、カスタマイズ自動設定選択処理(ステップC574)、遊技者カスタマイズ処理(ステップC575)、モバイル連動処理(ステップC576)を行い、演出カスタマイズ処理を終了する。カスタマイズ自動設定処理(ステップC574)は、
図83(a)において開放演出の反映方法選択の項目を選択した場合に対応する処理を行うもので、
図83(b)に示すような画面を表示し、遊技者の選択に応じて自動設定モードとマニュアルモードのいずれかを設定する処理である。
【0581】
また、遊技者カスタマイズ処理(ステップC575)は、
図83(a)において音楽カスタマイズ、図柄カスタマイズ又はゲーム性カスタマイズの何れかを選択した場合に対応する処理を行うもので、遊技者が操作入力を行うことで様々なカスタマイズを可能とするものである。モバイル連動処理(ステップC576)は、遊技に関する情報などを携帯電話などのモバイル機器等と連動させるために、二次元コードの表示や、パスワードの入力受け付け、照合などを行う処理である。
【0582】
〔カスタマイズ自動設定選択処理〕
図87には、
図86に示した演出カスタマイズ処理におけるカスタマイズ自動設定選択処理(ステップC574)を示した。このカスタマイズ自動設定選択処理では、まず、カスタマイズ自動設定選択モード中であるかを判定する(ステップC581)。なお、カスタマイズ自動設定選択モード中である場合はカスタマイズ自動設定選択モード中フラグがセットされており、このフラグの有無によりカスタマイズ自動設定選択モード中であるかが判定可能である。
【0583】
カスタマイズ自動設定選択モード中である場合(ステップC581;Y)は、ステップC584に移行する。また、カスタマイズ自動設定選択モード中でない場合(ステップC581;N)は、カスタマイズ自動設定選択モード開始条件が成立したかを判定する(ステップC582)。カスタマイズ自動設定選択モード開始条件の成立とは、
図83(a)の画面において開放演出の反映方法選択の項目を選択して決定操作を行うことである。
【0584】
カスタマイズ自動設定選択モード開始条件が成立していない場合(ステップC582;N)は、カスタマイズ自動設定選択処理を終了する。また、カスタマイズ自動設定選択モード開始条件が成立した場合(ステップC582;Y)は、カスタマイズ自動設定選択モード中フラグをセットし(ステップC583)、カスタマイズ自動設定選択メニュー画面の表示設定を行う(ステップC584)。これにより
図83(b)に示す画面が表示される。
【0585】
次に、選択のカーソル操作があるかを判定し(ステップC585)、カーソル操作があれば(ステップC585;Y)、カーソル操作に応じてカスタマイズ自動設定選択メニュー画面の表示情報を更新し(ステップC586)、決定の操作があるかを判定する(ステップC587)。決定の操作がなければ(ステップC587;N)、カスタマイズ自動設定選択処理を終了する。また、決定の操作があれば(ステップC587;Y)、現在の選択対象は自動設定モードであるかを判定する(ステップC588)。
【0586】
これにより、例えば、
図83(b)において、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29によりカーソル操作(例えば演出ボタン25上面のタッチパネル29の左右何れかに触れる操作)をすることで矢印状のカーソルが自動設定モードを指す状態と、マニュアルモードを指す状態と、を変更できる。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29により決定を入力する操作(例えば演出ボタン25の中央を押下する操作)をすることで、カーソルが指す事項が設定される。
【0587】
現在の選択対象は自動設定モードである場合(ステップC588;Y)は、カスタマイズ自動設定フラグを設定し(ステップC589)、決定時の表示情報を設定する(ステップC591)。これにより自動設定モードが設定され、その旨が表示される。また、現在の選択対象は自動設定モードでない場合(ステップC588;N)は、カスタマイズ自動設定フラグをクリアし(ステップC590)、決定時の表示情報を設定する(ステップC591)。これによりマニュアルモードが設定され、その旨が表示される。そして、カスタマイズ自動設定選択モード中フラグをクリアして(ステップC592)、カスタマイズ自動設定選択処理を終了する。
【0588】
〔単発系コマンド処理〕
図88には、
図84に示したメイン処理における受信コマンド解析処理(ステップC12)において行われる単発系コマンド処理(ステップC55、
図38参照)を示した。なお、この単発系コマンド処理は、
図67に示した単発系コマンド処理とほぼ同様の処理を行うものであり、同じ処理については説明を省略する。
【0589】
この単発系コマンド処理では、MODEが図柄停止コマンドに対応するものである場合(ステップC601;Y)に、図柄停止用シナリオデータを設定し(ステップC602)、遊技レベルアップがあるかを判定する(ステップC603)。そして、遊技レベルアップがない場合(ステップC603;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、遊技レベルアップがある場合(ステップC603;Y)は、遊技レベルアップフラグをセットし(ステップC604)、単発系コマンド処理を終了する。
【0590】
なお、遊技レベルアップするか否かは変動開始時などの抽選結果で初めから分かっているが、変動開始時や変動中のレベルアップ演出時に、新規に開放された演出態様モードが即反映されることを防止するために停止時に判定するようにしている。よって、遊技レベルアップがあるかの判定(ステップC603)では、変動開始時などに行われた抽選結果を参照して判定するようにしている。また、遊技レベルアップフラグの設定は図柄停止コマンドを受信した際に行うようにしたが、変動タイマがタイムアップしたとき(変動時間が終了したとき)に行うようにしても良い。また、図柄停止コマンドの受信と変動タイマのタイムアップとの何れか早い方で処理を行うようにしても良い。
【0591】
〔カスタマイズ開放処理〕
図89には、
図84に示したメイン処理におけるカスタマイズ開放処理(ステップC591)を示した。このカスタマイズ開放処理では、まず、遊技レベルアップフラグがセットされているかを判定する(ステップC611)。遊技レベルは、遊技の進行に伴い所定条件が成立することでアップするように構成され、レベルアップがあった場合には遊技レベルアップフラグがセットされる。よって、この遊技レベルアップフラグの有無により遊技レベルアップがあったかを判定することができる。
【0592】
遊技レベルアップフラグがセットされている場合(ステップC611;Y)は、遊技レベルアップフラグをクリアし(ステップC612)、新規開放項目情報があるかを判定する(ステップC613)。新規開放項目情報は、遊技レベルのアップに伴い新たに選択可能となった演出態様モードがある場合に設定される情報である。この新規開放項目情報がない場合(ステップC613;N)は、カスタマイズ開放処理を終了する。また、新規開放項目情報がある場合(ステップC613;Y)は、カスタマイズ自動設定選択モード中であるかを判定する(ステップC614)。
【0593】
カスタマイズ自動設定選択モード中でない場合(ステップC614;N)、すなわち、マニュアルモードである場合は、カスタマイズ開放処理を終了する。また、カスタマイズ自動設定選択モード中である場合(ステップC614;Y)は、新規開放された項目は現在のカスタマイズ状況と競合しないかを確認する(ステップC615)。
【0594】
そして、競合する場合(ステップC616;Y)は、カスタマイズ待ちフラグをセットして(ステップC620)、カスタマイズ開放処理を終了する。この場合は新たに選択可能となった演出態様モードは設定せず、現在の演出態様モードが継続される。また、競合しない場合(ステップC616;N)は、新規開放された項目を反映するように設定し(ステップC617)、新規開放項目情報をクリアする(ステップC618)。これにより新たに選択可能となった演出態様モードが自動的に設定されることとなる。その後新規開放された項目反映の報知を設定し(ステップC619)、カスタマイズ開放処理を終了する。
【0595】
上述したように、遊技レベルアップフラグは遊技レベルアップがあった特図変動表示ゲームの変動停止時に設定されるので、ステップC612〜C620の処理は特図変動表示ゲームの変動停止時に実行可能である。すなわち、遊技レベルアップがあった場合に次ゲームからの演出態様モードの設定を行う処理となっている。
【0596】
一方、遊技レベルアップフラグがセットされていなかった場合(ステップC611;N)は、カスタマイズ自動設定選択モード中であるかを判定する(ステップC621)。カスタマイズ自動設定選択モード中でない場合(ステップC621;N)は、カスタマイズ待ちフラグをクリアし(ステップC628)、カスタマイズ開放処理を終了する。この場合はマニュアルモードが設定されており、遊技者が自ら設定する演出態様モードを選択できるため、競合に基づく反映の待機は必要ない。
【0597】
また、カスタマイズ自動設定選択モード中である場合(ステップC621;Y)は、カスタマイズ待ちフラグがあるかを判定する(ステップC622)。カスタマイズ待ちフラグがない場合(ステップC622;N)、すなわち競合に基づく反映の待機がない場合は、カスタマイズ開放処理を終了する。また、カスタマイズ待ちフラグがある場合(ステップC622;Y)は、カスタマイズ待ち状態の表示設定を行い(ステップC623)、選択操作があったかを判定する(ステップC624)。これにより、
図83(d)に示すように遊技者に選択を促す選択表示がなされる。すなわち、演出制御装置300が、自動設定モードである場合に、内容が競合するために自動的に設定しなかった新たに選択可能となった演出態様モードについて、設定するか否かを遊技者の選択により決定可能とする選択手段をなす。
【0598】
そして、選択操作がない場合(ステップC624;N)は、カスタマイズ開放処理を終了する。また、選択操作があった場合(ステップC624;Y)、すなわち、
図83(d)の選択表示において「はい」か「いいえ」のいずれかを選択して決定する操作があった場合は、選択された項目を反映するように設定する(ステップC625)。その後、新規開放項目情報をクリアして(ステップC626)、選択された項目反映の報知を設定し(ステップC627)、カスタマイズ待ちフラグをクリアして(ステップC628)、カスタマイズ開放処理を終了する。これにより遊技者の選択に応じて新たな演出態様モードへの変更又は現在の演出態様モードの継続が設定される。なお、選択された項目反映の報知は新たな演出モードへの変更が選択された場合にのみ行うようにしても良い。
【0599】
以上のように、自動設定モードでは新たに選択可能となった演出態様モードが自動的に設定されるので、遊技を中断して設定を行う必要がなく、遊技の中断による興趣の低下を防止できる。また、競合する場合は遊技者の選択を待つようにすることで遊技者の嗜好を尊重でき、遊技の興趣の低下を防止できる。なお、スロットマシンに対しても適用可能である。
【0600】
以上のことから、
演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、
演出制御手段は、
演出の実行態様が異なる複数種類の演出態様モードから一の演出態様モードを選択可能であり、
初期状態では一部の演出態様モードのみが選択可能であり、所定の開放条件が成立する毎に新たな演出態様モードを選択可能とするように構成され、
演出態様モードが新たに選択可能となることに基づき当該新たに選択可能となった演出態様モードを自動的に設定する自動設定モードと、当該新たに選択可能となった演出態様モードを自動的に設定せずに、遊技者が設定可能な演出態様モードのうちから一の演出態様モードを任意に選択して設定するマニュアルモードと、の何れかを遊技者の選択に基づき設定するモード選択手段(演出制御装置300)を備えることとなる。
【0601】
また、演出制御手段は、自動設定モードである場合に、新たに選択可能となった演出態様モードが、現在設定されている演出態様モードの内容と競合する場合には、新たに選択可能となった演出態様モードを自動的に設定しないようにしたこととなる。
【0602】
また、演出制御手段は、自動設定モードである場合に、内容が競合するために自動的に設定しなかった新たに選択可能となった演出態様モードについて、設定するか否かを遊技者の選択により決定可能とする選択手段(演出制御装置300)を備えることとなる。
【0603】
〔第7変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、前面枠12の枠装飾装置18に内蔵されたLEDの発光色の設定である枠カラー設定を変更可能であり、表示装置41に遊技機の一部を表示して行う報知において、当該報知における遊技機の枠装飾装置18に対応する部分18aの色彩を、枠カラー設定に応じた色彩とするようにしている。
【0604】
枠カラー設定は、
図90(a)に示すように各種設定のうちの一つとして設定できるようになっており、ここで設定した色が枠装飾装置18のLEDの発光色となる。この枠カラー設定を変更することにより、
図90(b)〜(d)に示すように枠装飾装置18の発光色を変更することができる。なお、枠装飾装置18を利用する演出の実行時にはここで設定した色以外の発光色となることもある。
【0605】
また、表示装置41では遊技者にとって有利な発射位置を案内する位置指定案内報知として、遊技状態に応じて表示装置41に右打ち又は左打ちを行うことを促す案内表示が表示される。例えば
図91に示すように右打ちを行うことを促す案内表示では、遊技機10の正面から見た遊技盤30の右側部分の近傍を示す画像を表示するとともに、「右打ちして下さい」の文字表示と遊技球の流下方向を示す矢印を表示し、視覚的に遊技盤30の右側領域へ遊技球を発射する必要があることを示すようになっている。この画像においては遊技盤30の右側に位置する枠装飾装置18も一部が表示されるが、この画像における枠装飾装置18に対応する部分18aの色彩を枠カラー設定に応じた色彩とするようにしている。これにより、画像と実際の遊技機とで色彩が異なり遊技者に違和感を与えることを防止でき、違和感により遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
【0606】
〔ホール・遊技者設定モード処理〕
以上のような制御を行うため、
図92に示すホール・遊技者設定モード処理を行う。このホール・遊技者設定モード処理では、枠カラー設定に関する処理を行う枠色選択処理(ステップC631)を行う。なお、これ以外の処理は、
図74に示したホール・遊技者設定モード処理において示したものであり、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0607】
〔枠色選択処理〕
図93には、上述の枠色選択処理を示した。この枠色選択処理では、まず、枠色選択モード中であるかを判定する(ステップC641)。なお、枠色選択モード中である場合は枠色選択モード中フラグがセットされており、このフラグの有無により枠色選択モード中であるかが判定可能である。枠色選択モード中である場合(ステップC641;Y)は、ステップC645に移行する。また、枠色選択モード中でない場合(ステップC641;N)は、枠色選択モード開始条件が成立したかを判定する(ステップC642)。枠色選択モード開始条件の成立とは、
図90(a)の画面において、枠カラー設定の項目を選択することである。
【0608】
枠色選択モード開始条件が成立していない場合(ステップC642;N)は、枠色選択処理を終了する。また、枠色選択モード開始条件が成立した場合(ステップC642;Y)は、枠色選択モード中フラグをセットし(ステップC643)、RAM322の表示用枠色No.領域に、FeRAM323の枠色No.領域に記憶されている現在の枠色No.を設定して(ステップC644)、枠色選択メニュー画面の表示設定を行う(ステップC645)。
【0609】
RAM322の表示用枠色No.領域は、
図90(a)に示す設定画面における枠色選択メニュー画面(「枠カラー設定」の項目名と色名の部分)において選択中の表示とする枠色を表示するための情報を記憶するためのものである。
図90(a)の例では表示用枠色No.領域には青に対応する表示用枠色No.が記憶され、枠色選択メニュー画面では青が選択された状態となっている。また、FeRAM323の現在の枠色No.領域は、枠装飾装置18の制御を行う際に参照する枠色No.の情報を記憶する領域であり、枠装飾装置18の発光色は、ここに記憶された枠色No.に応じた発光色となる。
【0610】
その後、選択のカーソル操作があるかを判定し(ステップC646)、カーソル操作があれば(ステップC646;Y)、カーソル操作に基づいて表示用枠色No.更新し(ステップC647)、表示用枠色No.に基づいた枠色項目の強調表示設定を行う(ステップC648)。
図90(a)の例では青が強調表示された状態(枠で囲まれた状態)であり、例えばカーソルを左へ移動させる操作があれば、表示用枠色No.に緑に対応する情報が記憶されるとともに、枠色選択メニュー画面で緑が強調表示されるようになる。
【0611】
その後、枠色選択モード抜けの操作があるかを判定する(ステップC649)。ここではカーソルを上下に動かすことで他の選択モードに移行させる操作である。この操作がない場合(ステップC649;N)は、枠色選択処理を終了する。また、操作があれば(ステップC649;Y)、決定時の表示情報を設定し(ステップC650)、枠色選択モード中フラグをクリアして(ステップC651)、枠色選択処理を終了する。決定時の表示情報の設定により、枠色選択メニュー画面において選択された色に対応する文字が所定時間点滅するようになり、設定内容がわかりやすくなるようにしている。
【0612】
なお、ここで設定した枠色は、
図92に示したホール・遊技者設定モード処理における決定されたホール設定データをバックアップRAMに書き込む処理(ステップC483)において表示用枠色No.領域の情報が現在の枠色No.領域に書き込まれることで設定される。そして、現在の枠色No.領域の情報に基づき、
図90(b)〜(d)に示したように枠装飾装置18の表示色の制御が行われる。また、
図91に示した位置指定案内報知を行う際には、現在の枠色No.領域の情報を参照し、位置指定案内報知における枠装飾装置18に対応する部分18aの色彩が設定される。
【0613】
なお、現在の枠色No.に応じた色彩を適用するのは位置指定案内報知に限られず、他の画像において枠装飾装置18が当該画像に含まれる場合にも同様に現在の枠色No.に応じた色彩を設定するようにしても良い。また、画像と遊技機における実際の状態とを合わせるのは枠装飾装置18に限られず、他の発光装置や表示装置41、動作により演出を行う役物装置についても画像に含まれる場合には遊技機における実際の状態と合わせるようにしても良い。
【0614】
また、画像に含まれる部分について、対応する遊技機の部分の基本設定(例えば現在の枠色No.)に合わせるだけでなく、実行中の演出に応じた変化に合わせた表示とするようにしても良い。例えば、現在の枠色No.が青色に対応するものである場合であっても、演出によって赤色に制御されている場合には画像においては赤色となるように制御する。また、役物の動作状態も同様にリアルタイムの動作状況に合わせて画像に表示するように制御する。
【0615】
以上のことから、
装飾態様を変更可能な装飾装置と、
画像を表示する表示装置41と、
装飾装置及び表示装置41を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、
演出制御手段は、
表示装置41に遊技機の一部又は全部が含まれる画像を表示可能であり、
当該画像における遊技機に含まれる装飾装置の装飾態様と、装飾装置における実際の装飾態様と、が一致するように画像を制御することとなる。
なお、装飾装置には、ランプやLEDを備えて発光により装飾を行う発光装飾装置や、動作により装飾を行う役物装置、表示装置41などが含まれ、これらが複合したものも含まれる。また、装飾態様には、発光装飾装置では発光の状態(点灯、消灯、点滅など)や発光色が含まれ、役物装置では動作状態が含まれ、表示装置41では表示される画像が含まれる。また、スロットマシンに対しても本発明を適用可能である。
【0616】
また、装飾装置は発光色を変化可能な発光装飾装置であり、
演出制御装置は、発光装飾装置での発光色と、
表示装置41に表示する遊技機の一部又は全部が含まれる画像に含まれる発光装飾装置の発光色と、発光装飾装置における実際の発光色と、が一致するように画像を制御することとなる。
【0617】
〔第8変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第8変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、前面枠12の枠装飾装置18に内蔵されたLEDの発光色の設定である枠カラー設定を遊技機のスペックに応じて設定可能であるようにしている。
【0618】
〔単発系コマンド処理〕
図94には、
図36に示したメイン処理における受信コマンド解析処理(ステップC12)において行われる単発系コマンド処理(ステップC55、
図38参照)を示した。なお、この単発系コマンド処理は、
図67に示した単発系コマンド処理とほぼ同様の処理を行うものであり、同じ処理については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。この単発系コマンド処理では、MODEが機種指定コマンドに対応するものである場合(ステップC421;Y)に、機種コードに対応する枠色No.を現在の枠色No.として保存する処理を行う(ステップC671)。
【0619】
機種指定コマンドは、遊技機10の電源投入時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドであり、遊技制御装置100による遊技の制御の設定である制御設定に応じた機種コードが含まれている。同一機種のシリーズとして確率や演出の実行態様などの制御設定(スペック)が異なるものがあり、遊技制御装置100では複数の制御設定のうちの一つを用いて遊技を制御する。複数の制御設定のそれぞれには異なる機種コードが割り当てられており、遊技制御装置100は自身の制御設定に応じた機種コードを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300では受信した機種コードに応じた演出制御を行う。
【0620】
この機種コードに対応した枠色No.を設定することで、電源の投入に伴い枠装飾装置18が機種コードに対応した発光色で発光するようになり、一目で制御設定を判別することが可能となる。なお、停電復旧の場合には、FeRAM323にバックアップされていた枠色No.を別の領域に一旦退避したうえで機種コードに応じた枠色No.を設定して枠装飾装置18を所定期間にわたり機種コードに応じた発光色で発光させ、その後退避していた枠色No.に戻すようにしても良い。このようにすれば枠色選択メニュー画面での設定が維持されるようになる。もちろん機種コードに応じて設定した枠色No.をそのまま継続して設定するようにしても良い。
【0621】
また、機種コードに応じて装飾態様を設定するのは枠装飾装置18に限られず、他の装飾装置であっても良い。他の装飾装置には、ランプやLEDを備えて発光により装飾を行う発光装飾装置や、動作により装飾を行う役物装置、表示装置41などが含まれ、これらが複合したものも含まれる。また、装飾態様には、発光装飾装置では発光の状態(点灯、消灯、点滅など)や発光色が含まれ、役物装置では動作状態が含まれ、表示装置41では表示される画像が含まれ、これらを機種コードに応じた装飾態様とすれば良い。また、機種コードに応じて固定的に装飾態様が決定される装飾装置については、遊技の演出において表示装置41に表示する遊技機の一部又は全部が含まれる画像に含まれる当該装飾装置に対応した部分の表示を設定する際に、機種コードを参照して設定するようにしても良い。
【0622】
以上のことから、
装飾態様を変更可能な装飾装置と、
遊技を統括的に制御する遊技制御装置100と、
遊技制御装置100の制御の下で装飾装置による演出を含む演出の制御する演出制御装置300と、を備え、
遊技制御装置100による遊技の制御の設定である制御設定には複数種類あり、
遊技制御装置100は、複数種類の制御設定のうち一の制御設定を用いて遊技を制御するように構成され、電源の投入時に自身が用いる制御設定に応じた機種コードを演出制御装置300に送信し、
演出制御装置300は、受信した機種コードに応じて演出の実行態様を設定するように構成され、機種コード毎に異なる装飾態様で装飾装置を制御するようにしたこととなる。
【0623】
なお、スロットマシンにおいて、設定値に応じて装飾態様を設定するようにしても良い。ただし、営業中の停電復旧や不正に電源の再投入を行うことで設定値を知ろうとする不正行為が行われる虞もあるため、設定値に応じた装飾態様を行うか否かを遊技店で設定できるようにしたり、RTCの情報から営業時間中でないことを判断した場合などの特定の場合のみ設定値に応じた装飾態様を行うようにしたりすることが好ましい。
【0624】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
【0625】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。