特許第6492268号(P6492268)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6492268
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20190325BHJP
【FI】
   A63F7/02 326Z
   A63F7/02 315A
   A63F7/02 320
【請求項の数】3
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2015-135103(P2015-135103)
(22)【出願日】2015年7月6日
(65)【公開番号】特開2017-12649(P2017-12649A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】安藤 繁光
【審査官】 堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−126469(JP,A)
【文献】 特開2008−136657(JP,A)
【文献】 特開2006−223750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への遊技球の入球に起因して抽出された数値データに基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を報知するための図柄を決定する図柄決定手段と、
前記当否判定の結果が当選であると特別遊技を実行する特別遊技手段とを備え、
前記特別遊技は、大入賞口を開放させるラウンド遊技を複数行うことにより構成され、
前記特別遊技が開始されると特別遊技用の演出表示を行う演出表示手段と、
前記特別遊技における前記大入賞口の開放及び閉鎖を制御する開放制御手段とを備え、
該開放制御手段は、
前記ラウンド遊技の終了条件として、前記大入賞口が開放してから所定時間経過、又は前記大入賞口に遊技球が所定数入球の何れかを満たすことを条件とする第1終了条件と、前記大入賞口に遊技球が所定数入球することのみを条件とする第2終了条件とを備え、
前記終了条件は、前記図柄決定手段にて決定した図柄に基づいて決定されることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記特別遊技として、前記ラウンド遊技の回数と前記大入賞口の一度の開放時間は同一だが、一ラウンド遊技での前記大入賞口の開閉回数は異なると共に、
前記ラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始するまでの時間と、
前記開閉回数が複数の場合に、前記大入賞口の開放を終了して閉鎖した後に、再び開放を開始するまでの時間を同一とする複数の特殊特別遊技を備え、
該複数の特殊特別遊技は、前記第1終了条件が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記演出表示手段は、
前記第2終了条件で行われる前記ラウンド遊技にて、特定期間遊技が行われていないと判断された場合、前記特別遊技演出用の演出表示からラウンド遊技中の待機表示であるラウンド遊技中待機演出表示に切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に設置されるパチンコ機(以下、弾球遊技機ともいう)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機では、遊技盤に大入賞口を備え、発射した遊技球が始動口に入球すると、乱数値を取得し、該取得した乱数値が予め定められた値であるか否かに応じて、前記大入賞口を開放させる大当り遊技を発生させるか否かを決定するものがある(特許文献1を参照)。
【0003】
一般的な大当り遊技は、複数のラウンド遊技からなる構成であり、一回のラウンド遊技での大入賞口の閉鎖条件は、一回のラウンドにおける遊技球の入球したカウント数、ラウンド遊技での大入賞口の開放時間のいずれかを満たすことを条件としている。
【0004】
上述した条件を備えることで、遊技球の過剰な入球を制限しつつ、たとえ大入賞口への遊技球の入球が無くてもラウンド遊技での大入賞口の開放時間が経過することで次回のラウンド遊技に移行させることができる。
【0005】
また、一回のラウンド遊技における大入賞口の開放回数を設定する開放パターンを複数備えることで、大入賞口の開放回数だけでラウンド遊技が何回継続したのか判別することを困難にさせたり、同じラウンド遊技数でも大入賞口の開放回数の違いにより獲得可能な賞球数を異ならせる弾球遊技機が存在する(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−325879号公報
【特許文献2】特開2006−026326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年の弾球遊技機には、当選確率を高確率に変更する確率変動機能や普通電動役物の開放時間を長時間に変更する開放延長機能を備え、該機能が一旦作動すると高い確率で作動状態を維持するものがある。
特に、上記した2つの機能を備え、普通電動役物に特別図柄に対応する始動口を設けているような場合、開放延長機能が作動状態となれば、上記した始動口への遊技球の入球が容易となり、特別図柄の保留記憶も発生し易く、且つ確率変動機能の作動状態であれば当選し易くなり、途中で遊技を中断して休憩を取ることが非常に困難である。
【0008】
仮に、保留記憶が記憶されている状態で遊技を中断すると(例えば、席を外すといった状況)、該保留記憶が消化されて大当りが発生するリスクがあり、大当りが発生して大当り遊技が開始されると、遊技者がいない状態でも開放時間によりラウンド遊技が終了してしまう事態が起こり得るため、全ての抽選が終了するまで待つ必要があった。なお、開放延長機能の作動時に遊技を中断すると、普通電動役物による当り遊技を複数回無駄にするリスクが生じることから、遊技を中断し、全ての抽選が終了するのを待つのは遊技者には抵抗があった。
無論、大当り遊技中に遊技を中断すると、その間のラウンド遊技は賞球が得られないまま終わってしまうため、遊技者は大当り遊技中に遊技を中断することは極めて困難であった。
【0009】
そこで、本発明は、そのような課題を鑑みてなされたものであり、従来の大当り遊技の多様性を備えつつ、大当り遊技中であっても遊技の中断が可能な弾球遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた本発明の請求項1の弾球遊技機は、始動口への遊技球の入球に起因して抽出された数値データに基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、前記当否判定の結果を報知するための図柄を決定する図柄決定手段と、前記当否判定の結果が当選であると特別遊技を実行する特別遊技手段とを備え、前記特別遊技は、大入賞口を開放させるラウンド遊技を複数行うことにより構成され、前記特別遊技が開始されると特別遊技用の演出表示を行う演出表示手段と、前記特別遊技における前記大入賞口の開放及び閉鎖を制御する開放制御手段とを備え、該開放制御手段は、前記ラウンド遊技の終了条件として、前記大入賞口が開放してから所定時間経過、又は前記大入賞口に遊技球が所定数入球の何れかを満たすことを条件とする第1終了条件と、前記大入賞口に遊技球が所定数入球することのみを条件とする第2終了条件とを備え、前記終了条件は、前記図柄決定手段にて決定した図柄に基づいて決定されることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載されている「始動口への遊技球の入球に起因して抽出された数値データ」には、当否判定手段が特別遊技を生起させるか否かを抽選するための当否(大当り)判定用乱数と、図柄決定手段が当否判定手段の判定結果に応じた図柄の種類を決定するための図柄決定用乱数とが考えられる。その他にも、当否判定結果、決定された図柄を参照した上で当該図柄の可変表示時間とを決定するために用いる変動パターン決定用乱数などが考えられる。
また、図柄決定用乱数は、例えば大当り、小当り、ハズレ用に各々の図柄決定用乱数を備えてもよいし、1つの乱数で大当り、小当り、ハズレで用いてもよい。変動パターンを決定する際に、リーチ変動を行うか否かを決定するのに用いるリーチ決定用乱数を備える構成でも考えらえる。変動パターン決定用乱数などが考えられる。また、これら乱数は、当否判定の結果に応じて使用する乱数と使用しない乱数とがある構成としてもよい。
【0012】
特別遊技は、図柄が確定表示されることにより条件装置、役物連続作動装置が作動して開始する構成が考えられるが、図柄が確定表示されることにより条件装置が作動し、該作動状態で特別遊技のラウンド遊技数を決定するための役物連続作動回数決定装置でラウンド遊技数が決定すると役物連続作動装置が作動して特別遊技が開始される構成でも良い。その場合、図柄確定表示時も遊技を中断することが可能となる。
【0013】
また、特別遊技に用いられる大入賞口は、1つの構成でも2つ用いる構成でも良い。2つ用いる場合は、ラウンド遊技毎に交互に大入賞口を開放させる構成や、所定のラウンド遊技の時だけ用いられる大入賞口を備える構成が考えられる。また、一方の大入賞口だけに特別遊技が終了した後に確率変動機能を作動させるための確変口を備えたり、入賞することで次回のラウンド遊技に移行が可能となる継続口を備えさせることも考えられる。無論、1つの大入賞口の構成でも確変口、継続口を備えてもよい。
【0014】
演出表示手段は、特別遊技用の演出表示の他に、当否判定の判定結果を、図柄と対応する演出図柄で報知する変動演出や、確率変動機能や開放延長機能が作動していることを報知する状態演出なども行う事が考えらえる。
図柄決定手段は、決定した図柄により、閉鎖条件の開放時間を異ならせたり、カウント数を異ならせたりすることも考えられる。特別遊技終了後に確率変動機能を作動させるか否か、開放延長機能を作動させるか否かも図柄を決定することにより決まる構成が考えられる。
【0015】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の弾球遊技機において、前記特別遊技として、前記ラウンド遊技の回数と前記大入賞口の一度の開放時間は同一だが、一ラウンド遊技での前記大入賞口の開閉回数は異なると共に、前記ラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始するまでの時間と、前記開閉回数が複数の場合に、前記大入賞口の開放を終了して閉鎖した後に、再び開放を開始するまでの時間を同一とする複数の特殊特別遊技を備え、該複数の特殊特別遊技は、前記第1終了条件が設定されていることを特徴とする
【0016】
例えば、ともに12ラウンド遊技で特別遊技が構成されるが、一ラウンド遊技で大入賞口が1度開放する特殊遊技Aと、一ラウンド3度開放する特殊遊技Bがあれば、特殊遊技Aならば大入賞口が12回開放すれば特別遊技は終了するが、特殊遊技Bでは36回開放すれば特別遊技が終了する。その差は3倍になり、それだけ見込める賞球数も変わってくる。これら特殊特別遊技を両方備えることにより、遊技者は、見た目では一回の大入賞口の開閉態様が同じであることから特殊遊技AとBの見分けが付かず、大入賞口の開放が10回に達した時に、11回目の開放がくるかに強い期待を持ちながら遊技することができるようになる。また、いずれの特殊特別遊技でも大入賞口の開閉態様を同一とするためにラウンド遊技の終了条件は開放時間の条件のある第1終了条件とするが、カウント数の条件は開閉態様に影響を与えないように開放時間に対して入賞可能なカウント数よりも多いカウント数を設定しておくことが考えられる。
このような特徴があるため、所定の開放回数に達した時に、演出表示手段は、前記特別遊技が継続するか否かを示唆する演出内容を決定し、決定した演出内容に応じた示唆演出を行う構成が好適である。
なお、開放制御手段は、特別遊技中に大入賞口を閉鎖する制御を行う毎に演出表示手段に閉鎖コマンドを送信する構成とし、送信された閉鎖コマンドが予め定められた回数に達したことで、大入賞口の閉鎖回数が予めされた回数に達したと判定される構成であってもよい。
【0017】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の弾球遊技機において、前記演出表示手段は、前記第2終了条件で行われる前記ラウンド遊技にて、特定期間遊技が行われていないと判断された場合、前記特別遊技演出用の演出表示からラウンド遊技中の待機表示であるラウンド遊技中待機演出表示に切り替えることを特徴とする。
【0018】
請求項3の演出表示手段は、ラウンド遊技中待機演出表示に切り替えた後に遊技が行われたと判断された場合には、表示中のラウンド遊技中待機演出表示から特別遊技演出用の演出表示へ切り替える構成が好適である。
【0019】
請求項3に記載の弾球遊技機は、遊技の進行を司る主制御装置と、主制御装置から送信されたコマンドに基づいて、演出表示手段により行われる演出表示の内容を選択するサブ制御装置を備えた構成とする。なお、主制御装置は、当否判定手段と、図柄決定手段と、特別遊技手段とを備えた構成となっている。
また、主制御装置は、特別遊技における大入賞口の開放状態中に当該大入賞口に入球した遊技球を検出する検出手段を備え、該検出手段により遊技球が検出されるとサブ制御装置に遊技球を検出した旨の検出コマンドを送信して報せる構成が考えられる。
請求項3では「遊技が行われていないと判断された」と記載しているが、これは、サブ制御装置がラウンド遊技にて、前記検出コマンドを受信していないことで遊技が行われていないと判断する構成が考えられる。
【0020】
また、主制御装置が、大入賞口への遊技球の入球の間隔を計測し、前回の遊技球の入球を検知してから所定期間経過しても新たな遊技球の入球が検知されていない時に遊技が行われていないことを判断し、特別遊技中待機コマンドをサブ制御装置に送信してラウンド遊技中待機演出表示を行う構成も考えられる。この場合、待機上チアを解除させるコマンドを送信してもよいし、前記検出コマンドなどの遊技を再開することにより発生するコマンドを受信したことをもって、サブ制御装置は判断し、ラウンド遊技中待機演出表示を終了させてもよい。
大入賞口への入球以外にも、遊技球の発射がなされているか、遊技球を発射させるための発射ハンドルが握られているか、大入賞口以外の入賞口や遊技球の通過可能なゲートでの検知状況、会員カードや持ち球データを管理するカードがカードユニットから抜かれた事などを基準とすることも考えられる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の弾球遊技機によれば、図柄決定手段にて決定した図柄に基づいて、ラウンド遊技の終了条件を第1終了条件と決定されれば、大入賞口が開放してから所定時間までに、大入賞口に遊技球を所定数入球させることができるかという遊技性を奏し、ラウンド遊技の終了条件を第2終了条件と決定されれば、大入賞口の開放時間に制限がないため、確実に大入賞口に遊技球を所定数入球させることができるという遊技性を奏する。
さらに、ラウンド遊技の終了条件を第2終了条件と決定された場合、大入賞口の開放時間に制限がないため、ラウンド遊技中でも遊技を中断することができる。そのため、保留記憶が全て消化されるまで待ったり、特別遊技が終了するまで待ってから遊技を中断する必要がない。
【0022】
請求項2に記載の弾球遊技機によれば、ラウンド遊技の終了条件を第1終了条件とする複数の特殊特別遊技を備えたことで、遊技者に現在のラウンド数を判別させることを難しくすることで、どこまで特別遊技が継続するか分からないようにして楽しませることができる。その上で、第2終了条件が決定された場合には確実に賞球が獲得でき、また中断することもできる。
【0023】
請求項3に記載の弾球遊技機によれば、特別遊技中の演出表示からラウンド遊技中待機演出表示へ切り替えて第三者にラウンド遊技中の待機であることを報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明のパチンコ機50の正面図。
図2】パチンコ機50の遊技盤1の正面図。
図3】パチンコ機50の背面図。
図4】パチンコ機50の電気構成図。
図5】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート。
図6】主制御装置80が実行する始動入賞確認処理のフローチャート。
図7】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理のフローチャート1。
図8】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理のフローチャート2。
図9】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理のフローチャート3。
図10】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理のフローチャート4。
図11】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート1。
図12】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート2。
図13】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3。
図14】主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート1。
図15】主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート2。
図16】第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り図柄の種類、特別遊技の内容、ラウンド遊技の終了条件及び大当り終了後の遊技状態を示すテーブル。
図17】サブ統合制御装置83が実行する待機表示切替処理のフローチャート。
図18】演出図柄表示装置6の画面に表示されるラウンド遊技における待機表示の演出態様の一例。
図19】(a)〜(c)は、大入賞口14の開放及び閉鎖の実行態様を示すタイミングチャート。
図20】実施例3のパチンコ機50の遊技盤1の正面図。
図21】実施例3のパチンコ機50の電気構成図。
図22】実施例3の主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート1。
図23】実施例3の主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート2。
図24】実施例3の主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3。
図25】実施例3の主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート4。
図26】実施例3のその他の構成からなる主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
【0026】
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0027】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0028】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。演出ボタン67は、遊技者が有効期間中に操作することで、後述する演出図柄表示装置6に表示される演出内容を変化させ、スピーカにより出力される遊技音が変化させるものとなっている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっており、ジョグダイヤル68を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。技者が押し操作可能なボタンを備える構成にしてもよい。
また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0029】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4には多数の遊技釘3が打ち付けられている。
【0030】
遊技領域4のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えている。
【0031】
遊技領域4の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
【0032】
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が設けられている。
なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。なお、大入賞口14の下方には、アウト口が設けられている。
【0033】
パチンコ機の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0034】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0035】
このパチンコ機の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0036】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。なお、図4のブロック図では、スイッチをSWと省略している。
【0037】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0038】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0039】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0040】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0041】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0042】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0043】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域4に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0044】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
【0045】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
【0046】
以下では、本実施形態のパチンコ機50の動作について、詳しく説明する。
まず、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0047】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0048】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0049】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0050】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0051】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「101」の102個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0052】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態(以下、確変状態ともいう)では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0053】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0054】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0055】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0056】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0057】
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3右入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0058】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0059】
S50の入賞確認処理は図6に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0060】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。なお、S110では、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ、第1保留記憶に記憶された保留個数を示す保留個数コマンドが送信される。そして、サブ統合制御装置83が該保留個数コマンドを受信し、演出図柄表示装置6で第1保留記憶に対応する保留図柄を表示する。その後、S115に移行する。なお、既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)、保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS115へ移行する。
【0061】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS115に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S115:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S120)。
【0062】
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させ(S125)リターンとなる。なお、S125では、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ、第2保留記憶に記憶された保留個数を示す保留個数コマンドが送信される。そして、サブ統合制御装置83が該保留個数コマンドを受信し、演出図柄表示装置6で第2保留記憶に対応する保留図柄を表示する。既に4個の第2保留記憶があれば(S120:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)も、本処理を終了する。
【0063】
図7図10に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判定する(S150)。S150の判定が否定判定で(S150:no)、特別図柄が変動中でなく(S155:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S160:no)、図8のS200に移行し、第2保留記憶(上記、図6のS125による保留記憶)があるか否かを判断する(S200)。
【0064】
この保留記憶があれば(S200:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S205)、S220に進む。第2保留記憶がなければ(S200:no)、第1保留記憶(上記、図6のS110による保留記憶)があるか否かを判断する(S210)。第1保留記憶があれば(S210:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S215)、S220に進む。また、第1保留記憶がなければ(S210:no)、特別遊技処理へ移行する。
【0065】
第2保留記憶(但し第2保留が存在する場合は、第1保留の方が古い場合でも第2保留を優先)を読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する(S220)。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S220:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S225)。否定判断であれば(S220:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S230)。なお、本実施例においては、大当り確率は通常時は1/400、高確率状態(確変)は1/40となっている。そして大当り後に高確率状態になる割合は約83%と設定されている。
【0066】
S225またはS230の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S235)、大当りであれば(S235:yes)、大当り図柄決定用乱数によって大当り図柄を決定する(S240)。
その後、変動パターン決定処理(S245)に移行する。変動パターン決定処理では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行う(S250)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄が、図16に示す大当り図柄のいずれかによって、大当り後の遊技状態(確変状態の有無、確変状態が継続する回数、開放延長の有無(開放延長機能の作動、未作動)や開放延長機能の作動が継続する回数等)や大当り遊技(以下、特別遊技ともいう)にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数、ラウンド遊技の終了条件等)を取得する処理である。本実施例では、図16に示す大当り図柄Aから大当り図柄Dである場合には、大当り遊技の終了後に高確率遊技状態(確変回数10000回)及び開放延長状態(時短回数10000回)に設定され、大当り図柄Eである場合には、大当り遊技の終了後に高確率遊技状態(確変回数10000回)に設定されることになる。
なお、大当り設定処理では、大当り判定時に確変回数、時短回数が設定されていたかを判定し、設定されていた場合には確変回数、時短回数をクリアし、確変回数、時短回数を0とする。
【0067】
ここで、本実施例の第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り図柄について、図16を用いて説明する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り図柄は、図16に示す図柄Aから図柄Fの6種類となっている。なお、大当り図柄決定用乱数によって図柄Aから図柄Fの6種類の図柄から1つの大当り図柄が決定される確率は1/6である。図16には、各大当り図柄の種類に基づいて設定される大当り遊技の内容、ラウンド遊技の終了状態の種類と大当り遊技の終了後の遊技状態が表示されている。
ここで、ラウンド遊技の終了条件の種類として、第1終了条件と第2終了条件が記載されているが、第1終了条件とは、大入賞口14が開放してから所定時間経過又は大入賞口14に遊技球が所定数(10個)の入球を満たすことである。また、第2終了条件とは、大入賞口14に遊技球が所定数(10個)の入球のみ満たすことである。
【0068】
図16に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り図柄が図柄Aに決定された場合に設定される大当り遊技は、大入賞口14を開放するラウンド遊技を16回行うものとなっている。図柄Aに基づいて設定された大当り遊技の1回目のラウンド遊技から16回目のラウンド遊技の終了条件は第2終了条件となっている。大入賞口14に遊技球が所定数(10個)の入球を満たすと1回のラウンド遊技が終了となる。また、図柄Aに基づいて設定された大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、確変状態及び開放延長状態(開放延長機能の作動)である。図柄Aに基づいて設定される確変状態での特別図柄の変動回数(以下、確変回数ともいう)は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。また、図柄Aに基づいて設定される開放延長機能の作動での特別図柄の変動回数(以下、時短回数ともいう)は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの開放延長機能の継続を保証する。
【0069】
図16に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り図柄が図柄Bに決定された場合に設定される大当り遊技は、大入賞口14を開放するラウンド遊技を10回行うものとなっている。図柄Bに基づいて設定された大当り遊技の1回目のラウンド遊技から5回目のラウンド遊技の終了条件は第2終了条件となっている。大入賞口14に遊技球が所定数(10個)の入球したことで終了となる。
また、6回目のラウンド遊技から10回目のラウンド遊技までの各ラウンド遊技の終了条件は、第1終了条件である。各大入賞口の開放時間は最大28秒に設定されており、大入賞口14が開放してから28秒経過又は大入賞口14に遊技球が所定数(10個)の入球を満たすと1回のラウンド遊技が終了となる。
図柄Bに基づいて設定された大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、確変状態及び開放延長状態(開放延長機能の作動)である。図柄Bに基づいて設定される確変状態での特別図柄の変動回数(以下、確変回数ともいう)は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。また、図柄Bに基づいて設定される開放延長機能の作動での特別図柄の変動回数(以下、時短回数ともいう)は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの開放延長機能の継続を保証する。
【0070】
図16に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り図柄が図柄Cに決定された場合に設定される大当り遊技は、大入賞口14を最大4秒で開放するラウンド遊技を10回行う。図柄Cに基づいて設定された大当り遊技の1Rから10Rまでの各ラウンド遊技の終了条件は、第1終了条件である。各大入賞口の開放時間は最大4秒に設定されており、大入賞口14が開放してから4秒経過又は大入賞口14に遊技球が所定数(10個)の入球を満たすと1回のラウンド遊技が終了となる。図柄Cに基づいて設定される大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、確変状態及び開放延長状態である。図柄Cに基づいて設定される確変状態での特別図柄の変動回数(以下、確変回数ともいう)は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。また、図柄Cに基づいて設定される開放延長機能の作動での特別図柄の変動回数(以下、時短回数ともいう)は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの開放延長機能の継続を保証する。
【0071】
図16に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り図柄が図柄Dに決定された場合に設定される大当り遊技は、大入賞口14を開放するラウンド遊技を10回行う。図柄Dに基づいて設定された大当り遊技の1Rから10Rまでの各ラウンド遊技の終了条件は、第2終了条件である。そのため、各ラウンド遊技では、大入賞口14に遊技球を10個入球させると1ラウンドが終了することになる。図柄Dに基づいて設定される大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、確変状態及び開放延長状態である。図柄Dに基づいて設定される確変状態での特別図柄の変動回数(以下、確変回数ともいう)は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。また、図柄Dに基づいて設定される開放延長機能の作動での特別図柄の変動回数回数(以下、時短回数ともいう)は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの開放延長機能の継続を保証する。
【0072】
図16に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の当り図柄が、図柄Eに決定された場合に設定される大当り遊技は、大入賞口14を最大0.8秒で開放するラウンド遊技を2回行う。図柄Eに基づいて設定される大当り遊技の1Rから2Rまでの各ラウンド遊技の終了条件は、第1終了条件である。図柄Eに基づいて設定される大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、確変状態及び非開放延長状態(開放延長機能の未作動)である。なお、本実施例の図柄Eに応じて実行される大当り遊技は、小当り遊技と同様の大入賞口14の開放パターンとなっている。本実施例では、図柄Eに応じて実行される大当り遊技を突確大当り遊技と称する。図柄Eに基づいて設定される確変状態での特別図柄の変動回数(以下、確変回数ともいう)は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。
【0073】
図16に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の当り図柄が図柄Fに決定された場合に設定される大当り遊技は、大入賞口14を開放するラウンド遊技を6回行うものとなっている。図柄Fに基づいて設定された各ラウンド遊技の終了条件は、第2終了条件である。大入賞口14に遊技球が所定数(10個)の入球したことで終了となる。図柄Fに基づいて設定される大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、通常確率状態及び非開放延長状態である。
【0074】
図8に戻る。S235において大当りではないと判定された場合は(S235:no)、S255に移行し小当りか否かを判定する(S255)。これは、抽出された大当り決定用乱数値と予め決定された小当り値が記憶されたテーブルを比較する。小当りであると判定された場合(S255:yes)、大当り図柄決定用乱数によって小当り図柄を決定する(S260)。その後、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S265)、小当り図柄に応じて小当り設定処理を行う(S266)。小当り設定処理とは、小当り遊技に係る情報(小当り遊技の開始インターバル、大入賞口14の開放パターン、小当り遊技の終了インターバル)を取得し、確変回数、時短回数が設定されているか否かを判定する。その後、確変回数、時短回数が設定されている場合には、確変回数、時短回数デクリメント(−1)する。なお、本実施例の小当り遊技における大入賞口14は、2回開放で、各開放最大0.8秒となっている。
S266の処理を行った後に、S280に合流する。また、ハズレであると判定であれば(S255:no)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S270)、ハズレ設定処理(S275)を行い、S280に合流する。S275のハズレ設定処理では、確変回数、時短回数が設定されているか否かを判定する。その後、確変回数、時短回数が設定されている場合には、確変回数、時短回数デクリメント(−1)する。
【0075】
S250、S266又はS275に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S280)、特別遊技処理を行なう。なお、S280の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0076】
図7のS155において特別図柄が変動中と判定された場合には(S155:yes)、図9のS300に移行し、図柄変動時間(S245、S265又はS270の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判定の場合には(S300:no)、そのまま特別遊技処理に移行する。肯定判定の場合には(S300:yes)、確定図柄表示処理(S305)を行なってから特別遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0077】
図7のS160において確定図柄を表示中と判定された場合には(S160:yes)、図10のS350に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S350:no)、そのまま特別遊技処理に移行する。肯定判定の場合は(S350:yes)、確定図柄の表示を終了し(S355)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S360)。確定表示された特別図柄が大当りになる図柄である場合(S360:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S365)。確変フラグが1であれば(S365:yes)、S370にて確変フラグを0にし、S375に移行する。確変フラグが1でなければ(S365:no)、そのままS375に移行する。S375では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S375:yes)、S380にて時短フラグを0にし、S385に移行する。時短フラグが1でなければ(S375:no)、そのままS385に移行する。
【0078】
S385では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS390にて役物連続作動装置を作動させ、S395にて大当り遊技開始処理を行なう。大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数、各ラウンド遊技の終了条件等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
【0079】
S360で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は(S360:no)、確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S400:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S405)。確変回数が0であれば(S405:yes)、S410にて確変フラグを0にしてS415に進む。確変フラグが1でないとき(S400:no)又は確変回数が0ではないとき(S405:no)はそのままS415に移行する。
S415では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S415:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S420)。時短回数が0であれば(S420:yes)、S425にて時短フラグを0にしてS430に進む。時短フラグが1でないとき(S415:no)又は時短回数が0ではないとき(S420:no)はそのままS430に移行する。
【0080】
S430では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、S435に移行する。
なお、本実施例の場合、当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
【0081】
S435では小当りになる図柄であるか否かを判定する。確定表示された特別図柄が小当りになる表示でないと判定された場合には(S435:no)、そのまま特別遊技処理に移行する。また、確定表示された特別図柄が小当りになる図柄であると判定された場合には(S435:yes)、特別電動役物作動開始処理を行い(S440)、小当り開始演出処理を行う(S445)。小当り遊技開始処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、開放パターン、小当りのエンディング時間)をサブ統合制御装置83に送信する。小当り遊技開始処理が終了すると、特別遊技処理へと移行する。
【0082】
次に、図11から図13に示す特別遊技処理では、先ず主制御装置80が、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S450)。役物連続作動装置が作動中でない場合(S450:no)は、後述する図14から図15に示す小当り遊技処理へと移行する。役物連続作動装置が作動中なら(S450:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S455)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S455:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S460)。インターバル中でもない場合は(S460:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S465)。これも否定判断の場合は(S465:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S470)。大当り開始演出時間が経過した場合には(S470:yes)、大入賞口開放処理(S475)を行なって本処理を終了する。なお、本実施例では大当り遊技中に大入賞口14を開放させる毎に、サブ統合制御装置83に大入賞口14の開放回数コマンドとして開放コマンドを送信している。なお、本実施例では各ラウンド遊技で大入賞口14が開放されて、大入賞口14への遊技球の入球をカウントスイッチによって検出される毎に、主制御装置80からサブ統合制御装置83に対して遊技球が検出された旨の示すカウントコマンド送信される。
また、大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過していない場合には(S470:no)、そのまま特別遊技処理を終了する。
【0083】
S455で大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S455:yes)、図12のS500に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する(S500)。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合には(S500:yes)、大入賞口閉鎖処理(S510)を行う。その後、大当りインターバル処理(S515)を行なって、特別遊技処理を終了する。なお、S510において、主制御装置80は大当り遊技中に大入賞口14が閉鎖させる毎にサブ統合制御装置83に大入賞口14の閉鎖回数コマンドとして閉鎖コマンドを送信している。
【0084】
また、大入賞口14に10個入賞していない場合には(S500:no)、現在の実行されている大当り遊技のラウンド遊技の終了条件が、第1終了条件であるか否かを判定する(S501)。
なお、第1終了条件は、賞球を獲得させることを主目的とした特別遊技よりも、いわゆる突確などと呼ばれ、ほぼ大入賞口14へ遊技球を入球させることができない短時間開放を繰り返すような特別遊技で設定されるのが好適である(図16を参照)。所謂突確の特別遊技は、小当りと判定されて実行される小当り遊技における大入賞口14の開放態様を合わせており、第2終了条件のカウント数だけで行うと入球状況で開放時間が変わってくるため小当り遊技と異なる開放態様となってしまい、遊技者に直ぐに判別されてしまうためである。
このように、特別遊技で賞球を付与することを主目的とする時のラウンド遊技の終了条件を第2終了条件にすることで、確実に規定数となるまで遊技球を入球させる時間を確保すると共に、状況によってはその時に遊技を中断することを可能とし、賞球を付与することを主目的としない特別遊技は第1終了条件にして、大入賞口14への遊技球の入球が有無にかかわらず、同じ開放パターンに基づいて動作させることを可能とさせることが考えられる。
第2終了条件である場合には(S501:no)、そのまま特別遊技処理を終了(リターン)させる。また、肯定判定の場合には(S501:yes)、図16に示す図柄B、図柄C又は図柄Eの何れかに応じて設定したラウンド遊技の大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する(S505)。また、2ラウンドでの大当りの場合には、各ラウンドの最大開放時間は0.8秒に設定されている。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合には(S505:yes)、S510に合流し、終了していない場合には(S505:no)、特別遊技処理を終了する。
【0085】
図11のS460でインターバル中であると判定された場合は(S460:yes)、図12のS520に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合には(S520:yes)、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S525)。最終ラウンドであれば(S525:yes)、大当り終了演出処理を行い(S530)、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S525:no)、再び大入賞口14を開放する処理を行い(S535)、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合には(S520:no)、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にもコマンドを送信する。大入賞口開放処理(S535)では、主制御装置80は大当り遊技中に大入賞口14が開放させる毎にサブ統合制御装置83に大入賞口14の開放回数コマンドとして開放コマンドを送信している。
サブ統合制御装置83は、そのコマンドに基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0086】
図11のS465で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S465:yes)、図13のS550に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S550:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S555)、条件装置の作動を停止する(S560)。そして、S250で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S565)。確変に移行する場合(S565:yes)は、確変回数を設定し(S570)、確変フラグを1に設定し(S575)、S580に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合は(S565:no)、そのままS580に移行する。なお、確変回数は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。
【0087】
S580では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合は(S580:yes)、時短回数を設定し(S585)、時短フラグを1に設定し(S590)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行い(S595)、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S597)、特別遊技処理を終了する。
S585で設定する時短回数は、通常大当りでは100回であるが、確変大当りにおいては10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの時短の継続を保証する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットする。時短に移行しない場合は(S580:no)、S595に直行する。
【0088】
図11で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S450:no)には、図14から図15に示す小当り遊技処理へと移行する。本処理が起動すると、S600にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S600:yes)、大入賞口14が開放中か判断する(S605)。否定判断の場合は(S605:no)、小当り遊技間のインターバル中であるか判断する(S610)。小当り遊技間のインターバルではなく(S610:no)、小当り遊技の終了演出中でもない場合は(S615:no)、小当り遊技の開始演出に要する時間が経過するのを待ち(S620:yes)、大入賞口14を開放させ(S625)、本処理を終了する。なお、特別電動役物が作動していない場合(S600:no)、又は小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S620:no)には、そのまま本処理を終了する。
【0089】
図14において、大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S605:yes)、図15のS650に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。大入賞口14に10個入賞していないと判定された場合には(S650:no)、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する(S655)。本実施例では、小当りの場合は各開放の最長時間は0.8秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S655:yes)には、S660にて大入賞口閉鎖処理を行う。そして小当りインターバル処理を行なって(S665)、小当り遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞した場合(S650:yes)にはS660に直行し、また大入賞口14の開放時間が終了していない場合(S655:no)は小当り遊技処理を終了する。
【0090】
図14のS610で小当りインターバル中であると判定された場合は(S610:yes)、図15のS670に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合には(S670:yes)、S675にて大入賞口14が規定回数(ここでは2回)開放済みか又は10個入賞済みか否かを判定する。肯定判定の場合には(S675:yes)、小当り終了演出処理を行なって(S680)、小当り遊技処理を終了する。否定判定の場合(S675:no)は、大入賞口開放処理により(S685)、大入賞口14を0.8秒間、2回開放し、小当り遊技処理を終了する。
【0091】
図14のS615で小当り終了演出中であると判定された場合は(S615:yes)、図15のS690に進み、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。小当り終了演出時間が経過したと判定された場合(S690:yes)は、S695にて特別電動役物の作動を停止させ、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S697)、小当り遊技終了となる。なお、小当り終了演出時間が経過していないと判定された場合には(S690:no)、そのまま小当り遊技処理を終了する。
【0092】
ラウンド遊技の終了条件が第2終了条件からなるラウンド遊技中に、大入賞口14に所定期間入球を検出されなかった場合、本実施例のサブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6の画面にラウンド遊技中の待機表示を表示する構成となっている。図17を用いて、上述した構成について説明する。
【0093】
S700において、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信された大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報に基づいて、大当り遊技演出を行っているか否かを判定する(S700)。否定判定の場合には(S700:no)、そのまま本処理を終了(リターン)させる。また、肯定判定の場合には(S700:yes)、終了条件が第2終了条件からなるラウンド遊技中であるか否かを判定する(S705)。否定判定の場合には(S705:no)、そのままリターンとなる。また、肯定判定の場合には(S705:yes)、終了条件が第2終了条件からなるラウンド遊技中に、大入賞口14へのカウントスイッチ14aの検出されたことで、主制御装置80から送信されたカウントコマンドを受信したか否かを判定する(S710)。肯定判定の場合には(S710:yes)、そのままリターンとなる。また、否定判定の場合には(S710:no)、上述したカウントコマンドを受信せず、所定期間(例えば、30秒)経過したか否かを判定する(S715)。否定判定の場合には(S715:no)、そのままリターンとなる。また、肯定判定の場合には(S715:yes)、待機表示切替処理(S720)に移行し、リターンとなる。
S720において、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6の画面に表示されているラウンド遊技中の演出表示(図18(c)を参照)からラウンド遊技中の待機演出表示(図18(d)を参照)へと切り替える。
【0094】
なお、本実施例では、第2終了条件からなるラウンド遊技中に、大入賞口14のカウントスイッチ14aにより遊技球を所定期間検出されなかったので、演出図柄表示装置6の画面にラウンド遊技中の待機演出表示へと切り替えられると、大入賞口14を一時的に閉鎖する構成となっている。なぜなら、仮に第2終了条件からなるラウンド遊技中に、大入賞口14のカウントスイッチ14aにより遊技球が検出されるまで、大入賞口ソレノイド14aを制御して大入賞口14を開放した状態のままとすると、余計な電力を消費してしまうことになるためである。この場合は、主制御装置80が待機状態にするか否か決定する構成となっている。待機状態にすると決定した場合に、サブ統合制御装置83にラウンド遊技中の待機状態にする指示コマンドを送信すると共に、大入賞口14を閉鎖させる処理を行うことになる。無論、主制御装置80とサブ統合制御装置83が共に遊技が行われているか否かを判定し、遊技が行わられていないと判定した場合、主制御装置80は大入賞口14の閉鎖処理を行い、サブ統合制御装置83は演出図柄表示装置6の画面に待機演出表示を行う構成でもよい。
【0095】
その後、発射ハンドル64の操作により発射装置から遊技球が発射されると閉鎖状態となっている大入賞口14は開放状態となり、演出図柄表示装置6の画面に表示された待機演出表示はラウンド遊技中の演出表示へと切り替わる構成となっている。なお、待機状態の解除は遊技球の発射検知だけでなく、入賞口への入賞や、アウト口での検出、発射ハンドル64での接触検知、演出ボタン67の操作なども考えられる。演出ボタン67を構成であれば、サブ統合制御装置83だけで待機演出表示を行うものが想定される。入賞口への入賞を起因に行う場合は、特別の信号などを用意しなくても、主制御装置80は入賞口への入賞を検出するとサブ統合制御装置83に入賞した旨の信号を送信するため、サブ統合制御装置83は上記した信号を受信したか否かによって判断することが可能となる。アウト口での検出は、専用の検出装置を備える必要があるものの、上述した入賞口での検出と合わせて用いれば、確実に遊技球を検出することができ、待機状態を解除させることができる。
また、発射ハンドル64での接触検知ならば、実際に遊技球が発射される前から待機状態を解除させることができるので、最初の発射球の時から解除した状態で遊技ができるようになる。
【0096】
図18を用いて、演出図柄表示装置6の画面に表示されるラウンド遊技中の待機表示態様について説明する。
【0097】
主制御装置80が大当りとなる特別図柄の変動表示を実行すると、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6の画面にて演出図柄1000を変動表示させ、図18(a)に示すリーチ表示態様を介して、図18(b)に示すように、大当り図柄に対応した演出図柄1000として「555」で確定表示させ、遊技者に大当りとなったことを報知する。なお、図18に示す表示例は、図16に示す図柄Dに基づく大当り遊技のラウンド遊技の説明となっている。
【0098】
S395において、主制御装置80がサブ統合制御装置83に対して大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報を送信し、サブ統合制御装置83は、受信した上記のコマンド及び情報に基づいて、演出図柄表示装置6の画面にて大当り遊技にて行われる大当り遊技用の演出表示が実行される。
そして、図柄Dに基づく大当り遊技の4回目のラウンド遊技が開始され、図18(c)に示すように、表示例1002が表示される。表示例1002には、「4ラウンド目!!アタッカーへ10個入球させろ!」と表示されている。表示例1002を表示することで、4ラウンド中であること及び4ラウンドでの大入賞口14の開放が終了する条件が、第2終了条件(大入賞口14に10個の遊技球を入球させること)であることを報知している。
【0099】
その後、遊技者が大入賞口14へ遊技球を入球させずに、所定期間(例えば、30秒)を経過すると、図18(c)に示す演出表示から図18(d)に示す演出表示へと切り替わる。図18(d)に示すように、演出図柄表示装置6の画面にはキャラクタ1004の熊の達吉が表示されている。表示例1003には、「4ラウンドにて待機中!」と表示されている。
【0100】
図18(d)に示す待機表示が演出図柄表示装置6の画面に表示されている場合に、遊技者が発射ハンドル64を操作して、発射装置から遊技球を発射させると、大入賞口14が閉鎖状態から開放状態となる。そして、図18(d)に示すラウンド遊技中の待機表示から図18(e)に示す演出表示へと切り替わり、図18(d)にて表示されていたキャラクタ1004が演出表示装置6の画面から消えて、キャラクタ1001が表示される。また、表示例1003が消えて、表示例1005が表示されることになる。表示例1005には、「アタッカーが開放されたよ!入球させろ!」と表示されている。その後、4ラウンドにて遊技球を10個入球させると、大入賞口14は閉鎖され、5ラウンドへと移行する。
【0101】
以上の弾球遊技機によれば、S240において決定された大当り図柄に基づいて、S250において大当り遊技のラウンド遊技の終了条件を第1終了条件に設定されれば、大入賞口14が開放してから大入賞口14の開放時間が経過するまでに、大入賞口14に遊技球を規定数(10個)入球させることができるかという遊技性を奏し、ラウンド遊技の終了条件を第2終了条件に設定されれば、大入賞口14の開放時間に制限がないため、確実に大入賞口14に遊技球を規定数(10個)入球させることができるという遊技性を奏する。
さらに、ラウンド遊技の終了条件を第2終了条件に設定された場合、大入賞口の開放時間に制限がないため、ラウンド遊技が開始されても休憩を取ることができ、席を外すことが可能で、連続して大当りとなった場合でも容易に休憩を取ることが可能となる。なお、第2終了条件を設定された特別遊技時は、演出図柄表示装置6の画面上で予め遊技を中断してもラウンド遊技が進行しないことを報知することが考えられる。このようにすれば、第1終了条件で間違えて遊技を中断して不利益を被ることや、どちらの終了条件であるか否か判別できずに遊技の中断を躊躇するようなことを防ぐことができる。
また、その際には、あと何秒で待機演出に切り替わるか秒数を報知することも考えられる。このようにすれば、あと何秒間待てば待機演出になるか把握することができ、上記した報知により第2終了条件であるか否かを判別することができるメリットがある。
【0102】
図18(c)に示す大当り遊技中の演出表示から、図18(d)に示すラウンド遊技中待機演出表示に切り替えて第三者にラウンド遊技中の待機である旨を報知することで、他の遊技者に席を奪われてしまうといったことなく、遊技を中断させることが可能となる。
また、従来の弾球遊技機にて遊技を中断する場合、保留記憶を全て消化させた後や、特別遊技を終了させた後の期間に限定され、例えば第1特別図柄、第2特別図柄を備え、第2特別図柄を優先して変動させる構成の場合、比較して第2特別図柄のほうが特別遊技や特別遊技終了後に高確率遊技状態への移行する確率などが有利になっているため、保留記憶を消化させようと思うと、高確率遊技状態、開放延長状態の状況下で第1特別図柄の保留記憶の消化も行われていなければならず、第2特別図柄に対応する特別遊技と比較して不利な内容の特別遊技が発生するリスクがあった。
また、特別遊技が終了させて遊技を中断させる場合、ラウンド遊技数によっては長時間かかり、特別遊技中に保留記憶が記憶される場合もあり、すくには中断できなかった。
しかし、上記した弾球遊技機であれば、ラウンド遊技中に発射を止めれば、ラウンド遊技も進行しないし、保留記憶が消化させて図柄が変動を開始し始めるといった状況も起きないため、迅速に中断することができるようになる。
【0103】
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の「始動口」が、第1始動口11、第2始動口12に相当し、「当否判定手段」が、当否判定処理(S50)に相当し、「図柄決定手段」がS240及びS260に相当し、「特別遊技手段」が、図11から図15に示す特別遊技処理に相当し、「演出表示手段」が、演出図柄制御装置82に相当し、「開放制御手段」が、大入賞口ソレノイド14aに相当し、「第1終了条件」が第1終了条件に相当し、「第2終了条件」が第2終了条件に相当する。
[実施例2]
【0104】
本発明の実施例2について図19を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明していく。
実施例1では、1回のラウンド遊技にて大入賞口14を1回開放し、大入賞口14の開放時間を4秒とする12ラウンドの大当り遊技が備えられていた(図16を参照)。なお、当該大当り遊技を構成するラウンド遊技は、ラウンド遊技の終了条件を第1終了条件とするものであった。
実施例2では、各ラウンド遊技の終了条件を第1終了条件とし、1回の大入賞口14の開放時間を4秒とする12ラウンドの大当り遊技を3種類備えた構成となっている。
【0105】
一つは、1回のラウンド遊技にて大入賞口14を1回開放し、12回のラウンド遊技中に大入賞口14を12回開放する大当り遊技Aである。また、1回のラウンド遊技にて大入賞口14を2回開放し、12回のラウンド遊技中に大入賞口4を24回開放する大当り遊技Bがある。最後に、1回のラウンド遊技にて大入賞口14を3回開放し、12回のラウンド遊技中に大入賞口14を36回開放する大当り遊技Cが存在する。なお、図19(a)から図19(c)に示す、大当り遊技Aから大当り遊技Cの各ラウンド遊技の1回の大入賞口14の開放時間(4秒)だけでなく、ラウンド遊技内のインターバル時間(1秒)、ラウンド遊技間のインターバル時間(1秒)、オープニング時間(7秒)、エンディング時間(7秒)も同一の時間に設定されている。
【0106】
先ず、1回のラウンド遊技にて大入賞口14を1回開放し、12回のラウンド遊技中に大入賞口14を12回開放する大当り遊技Aの実行態様について、図19(a)を用いて説明する。
【0107】
図19(a)に示すように、大当り遊技Aでは、最初にオープニング時間(図19(a)に示すOP)を開始し、7秒を経過すると、1回のラウンド遊技(図では、1R、2Rと示していく)が開始される。各ラウンド遊技は、最大4秒の大入賞口14の開放時間からなる。1回のラウンド遊技が開始され、当該ラウンド遊技が終了すると、終了後はラウンド遊技間のインターバル時間(1秒)となる。インターバル時間を経過すると次のラウンド遊技が開始される。大当り遊技Aの1回のラウンド遊技に係る時間は、4秒となっている。
そして、大当り遊技Aが開始されてから12回目のラウンド遊技を終了すると、エンディング時間(図では、EDと示す)となる。エンディング時間を経過すると、大当り遊技Aは終了となる。
【0108】
次に、1回のラウンド遊技にて大入賞口14を2回開放し、12回のラウンド遊技中に大入賞口14を24回開放する大当り遊技Bの実行態様について、図19(b)を用いて説明する。
【0109】
図19(b)に示すように、大当り遊技Bでは、最初にオープニング時間(図19(b)に示すOP)を開始し、7秒を経過すると、1回のラウンド遊技(図では、1R、2Rと示していく)が開始される。各ラウンド遊技は、最大4秒の大入賞口14の開放時間からなる開放が2回行われる。1回のラウンド遊技で大入賞口14の1回目の開放が行われ(4秒)、大入賞口14が閉鎖すると、ラウンド遊技内のインターバル時間(1秒)の経過後に、大入賞口14の2回目の開放が行われる(4秒)。そして、大入賞口14の2回目の閉鎖が行われると、1回分のラウンド遊技が終了となる。大当り遊技Bの1回のラウンド遊技に係る時間は、1回目の開放時間(4秒)、ラウンド遊技内のインターバル時間(1秒)及び2回目の開放時間(4秒)を合計した9秒となっている。
そして、ラウンド遊技間のインターバル時間(1秒)を経過すると、次のラウンド遊技が行われることになる。
そして、大当り遊技Bが開始してから、大入賞口14の24回の開放からなる12回目のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間(図19(b)に示すED(7秒))となる。エンディング時間を経過すると、大当り遊技Bは終了となる。
【0110】
図19(c)に示すように、大当り遊技Cでは、最初にオープニング時間(図19(c)に示すOP)を開始し、7秒を経過すると、1回のラウンド遊技(図では、1R、2Rと示していく)が開始される。各ラウンド遊技は、最大4秒の大入賞口14の開放時間からなる開放が3回行われる。1回のラウンド遊技で大入賞口14の1回目の開放が行われ(4秒)、大入賞口14が閉鎖すると、ラウンド遊技内のインターバル時間(1秒)の経過後に、大入賞口14の2回目の開放が行われる(4秒)。大当り遊技Cの1回のラウンド遊技に係る時間は、1回目の開放時間(4秒)、ラウンド遊技内のインターバル時間(1秒)、2回目の開放時間(4秒)、ラウンド遊技内のインターバル時間(1秒)及び3回目の開放時間(4秒)を合計した14秒となっている。
そして、2回目の大入賞口14の閉鎖が行われると、ラウンド遊技内のインターバル時間(1秒)の経過後に、大入賞口14の3回目の開放が行われる(4秒)。3回目の大入賞口14の閉鎖が行われると、1回分のラウンド遊技が終了となる。そして、ラウンド遊技間のインターバル時間(1秒)を経過すると、次のラウンド遊技が行われることになる。
そして、大当り遊技Cが開始されてから、大入賞口14の36回の開放からなる12回分のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間(図19(c)に示すED(7秒))となる。エンディング時間を経過すると、大当り遊技Cは終了となる。
【0111】
上述した3種類の大当り遊技Aから大当り遊技Cを備えた構成とすると、演出図柄表示装置6の画面にて大入賞口14の開放が継続するか否かを報知する特別な演出(所謂、ランクアップ式ボーナス演出)を行うことができる。S395において主制御装置80から送信された大当り遊技を開始するコマンド、大当り遊技に係る情報及び主制御装置80から送信された開放コマンド、閉鎖コマンドに基づいて、サブ統合制御装置83はランクアップ式ボーナス演出の内容を決定し、演出図柄制御装置82を制御して演出図柄表示装置6の画面にて上述したランクアップ式ボーナス演出を実行する。
【0112】
大当り遊技Aが実行される場合、大当り遊技Aが開始されてから12回目の大入賞口14の開放、つまり12回目のラウンド遊技が終了すると(図19(a)を参照)、エンディング時間(7秒)にてラウンド遊技を継続させるか否かを報知するランクアップ式ボーナス演出が実行される。しかし、大当り遊技Aは最終ラウンド(12ラウンド)であり、それ以上大入賞口14は開放されないため、ランクアップ式ボーナス演出にて「継続しない」を示す旨の報知が演出図柄表示装置6の画面にて行われ、当該演出が終了すると、エンディング演出が実行され、大当り遊技Aは終了することになる。
一方、大当り遊技Bが実行される場合、大当り遊技Bが開始されてから12回目の大入賞口14の開放、つまり6回目のラウンド遊技が終了すると、ラウンド遊技間のインターバル時間(1秒)にて大入賞口14の開放を継続させるか否かを報知するランクアップ式ボーナス演出が実行される。現在、6回目のラウンド遊技であり、残り6回のラウンド遊技が可能であるため(大入賞口14が残り12回開放が可能)、演出図柄表示装置6の画面で表示されるランクアップ式ボーナス演出にて「継続」を示す旨の報知を行い、7回目のラウンド遊技へ移行することになる。
また、大当り遊技Cが実行される場合、大当り遊技Cが開始されてから12回目の大入賞口14の開放、つまり4回目のラウンド遊技が終了すると、ラウンド遊技間のインターバル時間(1秒)にてラウンド遊技を継続させるか否かを報知するランクアップ式ボーナス演出が実行される。現在、4回目のラウンド遊技であり、残り8回のラウンド遊技が可能であるため(大入賞口14が残り24回開放が可能)、演出図柄表示装置6の画面で表示されるランクアップ式ボーナス演出にて「継続」を示す旨の報知を行い、5回目のラウンド遊技へ移行することになる。
【0113】
さらに、大当り遊技B及び大当り遊技Cの場合、24回目の大入賞口の開放された後にランクアップ式ボーナス演出が行われる構成となっている。
大当り遊技Bが実行される場合、大当り遊技Bが開始されてから24回目の大入賞口14の開放、つまり12回目のラウンド遊技が終了すると(図19(b)を参照)、エンディング時間(7秒)にてラウンド遊技を継続させるか否かを報知するランクアップ式ボーナス演出が実行される。しかし、大当り遊技Bは最終ラウンド(12ラウンド)であり、それ以上大入賞口14は開放されないため、ランクアップ式ボーナス演出にて「継続しない」を示す旨の報知が演出図柄表示装置6の画面にて行われ、当該演出が終了すると、エンディング演出が実行され、大当り遊技Bは終了することになる。なお、上記のように「継続する」「継続しない」を演出するラウンド遊技間や、開放間の時間を予め他の特別遊技のエンディング時間(7秒)と同じにしておけば、全く同じ演出で行えるため、効果を増すことができる。
一方、大当り遊技Cが実行される場合、大当り遊技Cが開始されてから24回目の大入賞口14の開放、つまり8回目のラウンド遊技が終了すると、ラウンド遊技間のインターバル時間(1秒)にて大入賞口14の開放を継続させるか否かを報知するランクアップ式ボーナス演出が実行される。現在、8回目のラウンド遊技であり、残り4回のラウンド遊技が可能であるため(大入賞口14が残り12回開放が可能)、演出図柄表示装置6の画面で表示されるランクアップ式ボーナス演出にて「継続」を示す旨の報知を行い、9回目のラウンド遊技へ移行することになる。
【0114】
実施例2で説明した弾球遊技機によれば、図19(a)から図19(c)に示す3種類の大当り遊技Aから大当り遊技Cは、各ラウンド遊技にて大入賞口14の1回の開放時間、ラウンド遊技内のインターバル時間、ラウンド遊技間のインターバル時間、オープニング時間、エンディング時間は同一の時間に設定されているが、各ラウンド遊技での大入賞口14の開放回が異なるように設定されているため、遊技者は実行中の大当り遊技のラウンド数を判別することは難しく、上述したランクアップ式ボーナス演出が行われるため、大当り遊技がどこまで継続するか分からないようにして楽しませることができる。また、図19に示した3種類の大当り遊技を備えて、各大当り遊技の1回のラウンド遊技に係る時間が異ならせることで、大当り遊技の種類に応じて遊技者が獲得可能な賞球数に差を持たせることが可能となる。
実施例2では、上述した大当り遊技Aから大当り遊技Cが存在するが、各ラウンド遊技の終了条件を第2終了条件とする大当り遊技も実行される場合もある。仮に、第2終了条件とする大当り遊技も実行されたときには、大入賞口14の開放時間に制限がないため、確実に大入賞口14に遊技球を入球させて賞球を獲得でき、休憩を取ることができる。
【0115】
ここで実施例2の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の「特殊特別遊技」が、大当り遊技A、大当り遊技B、大当り遊技Cに相当する。
[実施例3]
【0116】
本発明の実施例3について図20から図25を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明していく。
【0117】
実施例3のパチンコ機50は、実施例1のパチンコ機50とは異なり、第1大入賞口14と第2大入賞口91とを備えた構成となっている。なお、第2大入賞口91内には、入球口92が設けられている。当該入球口92は、確変口である。実施例3では確変口を備えた大入賞口と、確変口を備えていない大入賞口の二つの大入賞口を備えているが、特に限定されることではない。確変口を備えた一つの大入賞口でもよい。
【0118】
実施例3の大当り遊技は、第1大入賞口14と第2大入賞口91を用いたラウンド遊技を複数回行うことにより構成されている。所定数のラウンド遊技(例えば、16ラウンド)からなる大当り遊技を実行し、所定のラウンド遊技(例えば、4ラウンド)にて、第2大入賞口を開放させる。第2大入賞口91内に進入した遊技球が入球口92に入球すると、大当り遊技の終了後に高確率遊技状態に移行することになる。なお、所定のラウンド遊技以外のラウンド遊技は、第1大入賞口14を開放させる。
【0119】
実施例3は、実施例1と同様に大入賞口を用いたラウンド遊技の終了条件として、大入賞口が開放してから所定時間経過及び大入賞口に遊技球が所定数入球したかの何れかを満たすことを条件とする第1終了条件と、大入賞口に遊技球が所定数入球したかを条件とする第2終了条件とを備えている。
本実施例では、第1大入賞口14を開放させるラウンド遊技の終了条件は、第1終了条件又は第2終了条件とし、第2大入賞口91を開放させるラウンド遊技の終了条件は、第2終了条件とする。
実施例3では、当否判定の結果、大当りと判定された場合には、決定された特別図柄の大当り図柄に基づいて、第1大入賞口14を開放させるラウンド遊技を第1終了条件又は第2終了条件に設定し、第2大入賞口91を開放させるラウンド遊技を第2終了条件に設定する構成となっている。
【0120】
下記では、実施例3の全体の構成について説明していく。
まず、図20は、実施例3のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。図20に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。
【0121】
遊技領域4のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えている。
【0122】
第2始動口12の右方には、アタッカー式の第1大入賞口14と第2大入賞口91が配置されている。第2大入賞口91には、入球口92(実施例3では、確変口とする)が設けられている。なお、本実施例では、入球口92への進入を妨げるシャッターといったものは搭載されていない。また、第2大入賞口91へ入球した遊技球は必ず入球口92に入球するようになっている。なお、特に限定されるものではないため、上述したシャッターなどを搭載する構成であってもよい。
【0123】
このパチンコ機の電気的構成は、図21のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。
【0124】
実施例3の主制御装置80には、実施例1の主制御装置80とは異なり、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a、第2大入賞口91に入球した遊技球を計数するための第2カウントスイッチ91a、入球口92に進入した遊技球を検出する入球口スイッチ92aの検出信号が入力される。
【0125】
次に、図22から図25に示す実施例3の特別遊技処理では、先ず主制御装置80が、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S750)。役物連続作動装置が作動中でない場合(S750:no)は、そのまま本処理を終了(リターン)させる。役物連続作動装置が作動中なら(S750:yes)、第1大入賞口14が開放中か否かを判定する(S755)。第1大入賞口14が開放中ではない場合は(S755:no)、第2大入賞口91が開放中か否かを判定する(S760)。第2大入賞口91が開放中ではない場合には(S760:no)、ラウンド間のインターバル中により第1大入賞口14又は第2大入賞口91が閉鎖しているのか判定する(S765)。インターバル中でもない場合は(S765:no)、大当り終了演出中であるか判定する(S770)。これも否定判定の場合は(S770:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S775)。大当り開始演出時間が経過した場合には(S775:yes)、第1大入賞口開放処理(S780)を行なって本処理を終了する。なお、大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過していない場合には(S775:no)、そのまま特別遊技処理が終了となる。
【0126】
S755で第1大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S755:yes)、図23のS800に進み、第1大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する(S800)。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。第1大入賞口14に10個入賞した場合には(S800:yes)、第1大入賞口閉鎖処理(S810)を行う。そして大当りインターバル処理(S815)を行なって、特別遊技処理を終了する。また、第1大入賞口14に10個入賞していない場合には(S800:no)、現在のラウンドの終了条件が、第1終了条件であるか否かを判定する(S801)。否定判定の場合には(S801:no)、そのまま特別遊技処理を終了させる。また、肯定判定の場合には(S801:yes)、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する(S805)。第1大入賞口14の開放時間が終了した場合には(S805:yes)、S810に合流し、終了していない場合には(S805:no)、特別遊技処理を終了する。
【0127】
S760で第2大入賞口91が開放中であると判定された場合は(S760:yes)、図23のS820に進み、第2大入賞口91に10個入賞したか否かを判定する(S820)。なお、本実施例では10個だが、7、8又は9個であってもよく、特に限定するものではない。第2大入賞口91に10個入賞した場合には(S820:yes)、第2大入賞口閉鎖処理(S825)を行う。そして、入球口92に遊技球が入球したか否かを判定する(S830)。否定判定の場合には(S830:no)、S835へ移行する。また、肯定判定の場合には(S830:yes)、確変有効フラグを「1」にセットし(S832)、大当りインターバル処理(S835)を行なって、特別遊技処理を終了する。また、第2大入賞口91に10個入賞していない場合には(S820:no)、そのまま特別遊技処理を終了させる。
【0128】
図22のS765でインターバル中であると判定された場合は(S765:yes)、図24のS850に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。否定判定の場合には(S850:no)、特別遊技処理を終了させる。また、インターバル時間が経過している場合には(S850:yes)、直前に第1大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S855)。最終ラウンドであれば(S855:yes)、大当り終了演出処理を行い(S860)、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S855:no)、第1大入賞口14を開放させるラウンドであるか否かを判定する(S865)。第2大入賞口91を開放させるラウンドの場合には(S865:no)、第2大入賞口91を開放する処理を行い(S875)、特別遊技処理を終了する。また、第1大入賞口14を開放させるラウンドである場合には(S865:yes)、第1大入賞口14を開放する処理を行い(S870)、そのまま特別遊技処理を終了させる。
【0129】
図22のS770で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S770:yes)、図25のS900に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S900:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S905)、条件装置の作動を停止する(S910)。そして、第2大入賞口91に入球した遊技球が入球口92(実施例3では、確変口)に進入し、確変有効フラグが「1」にセットされているか否かを判定する(S915)。確変有効フラグが「1」にセットされている場合(S915:yes)は、確変回数を設定し(S920)、確変フラグを1に設定し(S925)、S930に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変有効フラグが「0」である場合は(S915:no)、そのままS930に移行する。なお、確変回数は100回が設定されている。なお、実施例3においては、大当り確率は通常時は1/240、高確率状態(確変)は1/190となっている。
【0130】
S930では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合は(S930:yes)、時短回数を設定し(S935)、時短フラグを1に設定し(S940)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行い(S945)、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S947)、特別遊技処理を終了する。
S935で設定する時短回数は100回が設定さている。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットする。時短に移行しない場合は(S930:no)、S945に直行する。
【0131】
実施例3で説明した弾球遊技機によれば、決定された特別図柄の大当り図柄に基づいて、第1大入賞口14を開放させるラウンド遊技の終了条件を、第1終了条件又は第2終了条件の何れかに設定されるため、第1大入賞口14が開放されるラウンド遊技が開始されてから休憩を取る機会が得ることができる場合がある。また、第2大入賞口91が開放されるラウンド遊技の終了条件を第2終了条件としているため、第2大入賞口91の開放時間に制限がなく、ラウンド遊技が開始されても休憩を取ることができ、且つ確実に入球口92(実施例3では、確変口)に入球させることが可能となる。
従来は、確変口への入球が可能となるラウンド遊技時に玉詰まりなどで遊技球が遊技領域に発射できないため確変口に入球させることができず、特別遊技終了後に高確率遊技状態へ移行させることができないケースなどがあり、後から遊技店の店員に事情を説明しても証明することが難しいため、何らかの補償してもらうことが難しかった。しかし、本実施例の弾球遊技機であれば、規定数の遊技球が入球するまで、大入賞口14の開放は継続されるため、玉詰まりなどが発生しても確変口への入球を逃すことはなく、安心して遊技することが可能となる。
【0132】
実施例3では、第2大入賞口14を開放させるラウンド遊技の終了条件は、第2終了条件としていたが、これに限定されることはなく、実施例3のその他の構成として、第2大入賞口を開放させるラウンド遊技の終了条件を第1終了条件とする構成について説明していく。
【0133】
実施例3のその他の構成について、図26に示すフローチャートを用いて説明する。
実施例3のその他の構成において、主制御装置80は、図22の第1大入賞口14が開放中である場合には(S755:yes)、第1大入賞口14に所定数(10個)の遊技球が入賞したか否かを判定する(S950)。肯定判定の場合には(S950:yes)、S965へ移行する。また、否定判定の場合には(S950:no)、S955へ移行する。S955において、現在のラウンド遊技の終了条件が第1終了条件であるか否かを判定する(S955)。否定判定の場合には(S955:no)、そのままリターンとなる。また、肯定判定の場合には(S955:yes)、第1大入賞口14の開放時間が終了となったか否かを判定する(S960)。否定判定の場合には(S960:no)、そのままリターンとなる。また、肯定判定の場合には(S960:yes)、第1大入賞口閉鎖処理を行い(S965)、大当りインターバル処理(S967)を行い、リターンとなる。
【0134】
図22の第1大入賞口14が開放中である場合には(S755:yes)、主制御装置80は、第2大入賞口14に所定数(10個)の遊技球が入賞したか否かを判定する(S970)。肯定判定の場合には(S970:yes)、S980へ移行する。また、否定判定の場合には(S970:no)、S975へ移行する。第1大入賞口14の開放時間が終了となったか否かを判定する(S975)。否定判定の場合には(S975:no)、そのままリターンとなる。また、肯定判定の場合には(S975:yes)、第2大入賞口閉鎖処理を行い(S980)、入球口92に遊技球が入球したか否かを判定する(S985)。否定判定の場合には(S985:no)、大当りインターバル処理(S995)を行い、リターンとなる。肯定判定の場合には(S985:yes)、確変有効フラグを「1」にセットし(S990)、S995へ合流する。なお、実施例3のその他の構成における第2大入賞口91の開放・閉鎖を行う処理では、S240において決定した大当り図柄に基づいて、第2大入賞口91内に入球し易い開放パターン(第2大入賞口91の開放時間を10秒)又は入球し難い開放パターン(第2大入賞口91の開放時間を0.1秒)の何れかを設定する構成となっている。
【0135】
実施例3のその他の構成からなる弾球遊技機は、第2大入賞口91が開放されるラウンド遊技の終了条件を第1終了条件とし、第2大入賞口91の開放時間を10秒又は0.1秒と異なるように設定することで、第2大入賞口91への遊技球の入球が困難な状態と容易な状態とを作り出すことできる。これにより、大当り遊技の終了後に高確率遊技に移行できるか否か変化させることができ、実施例3で説明した遊技性とは異なる遊技性とすることができる。
【0136】
なお、実施例3にて第1大入賞口14が開放されるラウンド遊技は第1終了条件、第2大入賞口91が開放されるラウンド遊技は第2終了条件の構成、実施例3のその他の構成では、第1大入賞口14、第2大入賞口91全てのラウンド遊技を第1終了条件とする構成を示したが、全てのラウンド遊技を第2終了条件にする構成も考えられる。この構成ならば、確変口へ入球可能なラウンド遊技以外も確実に規定入賞数まで入賞できるとともに、全てのラウンドで遊技を中断することができるようになる。
【0137】
なお、同じ開放態様の特別遊技でも、大当り図柄によって第1終了条件、第2終了条件のいずれかが設定される構成も考えられる。これならば、同じ開放態様でも確実に規定入賞数まで入賞できる第2終了条件が設定されれば、第1終了条件が設定された場合よりも有利な状態とすることができ、多様な有利度の特別遊技を備える事が可能となる。また、大当り図柄によって、全てのラウンド遊技が第2終了条件になる構成、特定のラウンド遊技のみ第2終了条件になる構成を設けて、より多様な遊技性を持たせることも可能となる。
実施例3と実施例3のその他の実施例は、2つの大入賞口を用いた構成で説明したが、入球口92を備えた大入賞口1つで実施してもよい。その場合も入球口92が有効になるラウンド遊技とそれ以外のラウンド遊技で終了条件を異ならせたり、大当り図柄により終了条件を異ならせたり、同様のことを行う事が考えられる。大入賞口を1つにすることにより、特別遊技で使用する遊技領域をコンパクトにすることができ、また、遊技者も1つの大入賞口だけを見ていれば入賞状況を把握することができる。
[その他の実施例]
【0138】
実施例3では、第2大入賞口91内に設けた入球口92を確変口とする構成で説明したが、特に確変口に限定するものではない。例えば、第2大入賞口91内に設けた入球口92を継続口とし、所定のラウンド遊技(例えば、6ラウンド)中に入球口92に入球することを起因として、最終ラウンド数(例えば、10ラウンド)に達していない場合は次のラウンド遊技(7ラウンド)に移行し、入球口92に入球しなかったときには、最終ラウンドに達していない場合でも特別遊技を終了する構成としてもよい。
なお、1ラウンドから5ラウンドまでは第1大入賞口14を用いたラウンド遊技とし、6ラウンド以降は第2大入賞口91を用いたラウンド遊技とする遊技構成が考えられる。第2大入賞口91に切り替わるラウンド遊技数は特に限定するものではなく、初回の1ラウンド目だけを第1大入賞口14を用い、後のラウンド遊技は第2大入賞口91で行なっても良い。これも大当り図柄によって切り替わるラウンド遊技を異ならせる事が考えられる。このようにすれば、どの図柄で大当りするかにも興味を持つことができる。初回のラウンド遊技のみ第1大入賞口14の構成ならば、最低2ラウンド遊技は確保した状態で、以降のラウンド遊技は運次第で継続していく遊技性とすることができる。この場合も、第1終了条件ならば規定入賞数に達していなくても開放時間が終了したらラウンド遊技が終わってしまうため、遊技者は大入賞口へ入賞するか否かにも注視して遊技をすることになり、緊張感の高い遊技を行うことができる。ラウンド遊技を継続していくのに複数の困難があるため、最終ラウンドまで継続した時の達成感は極めて高い遊技性とすることができる。
一方、第2終了条件ならば、規定入賞数までは確実に入賞させることができるので、例えば大入賞口内に複雑な振分装置を設け、ゆっくり時間をかけて入球口92に至るか否かを演出することが可能となる。従来のように開放時間との関係を考慮する必要がないため、従来にない機構で振分することも可能になる。
【0139】
なお、第1大入賞口14を開放させるラウンド遊技の終了条件を第1終了条件とし、第2大入賞口91を開放させるラウンド遊技の終了条件を第1終了条件と第2終了条件の何れか一方とする構成であってもよい。その他の実施例では、S240で決定した大当り図柄に基づいて、第2大入賞口91を開放させるラウンド遊技の終了条件を第1終了条件とするか、第2終了条件とするか設定される構成となっている。
また、1つの特別遊技中にラウンド遊技によって第1終了条件、第2終了条件に切り替わっていく構成も考えられる。この場合も大当り図柄に基づいて決められておれば、遊技者はいずれの大当り図柄で確定表示されるかに強い興味を持って遊技を行うことができる。
また、他の遊技構成にて実施してもよく、いわゆる混合機(第1特別図柄では当否抽選にて大当り(図柄当り)を目指し、第2特別図柄では当否抽選にて大当りを目指すと共に小当りが発生した場合は特定領域が備えられた大入賞口を開放し、該特定領域に入賞すると大当り(役物当り)が発生する遊技構成)ならば、図柄当りは第1終了条件、役物当りは第2終了条件とすれば、第1終了条件の開放時間の設定を、規定入賞数に至り難い時間に設定などすれば、役物当りの特別遊技の方が有利な構成とした遊技性としたり、小当りによる小当り遊技時を第1終了条件、図柄当り、役物当りは第2終了条件の構成にすれば、小当り遊技で、まず大入賞口に入賞させることができるかに高い緊張感のある遊技性としたりすることができる。
【0140】
他にも第1特別図柄での当選による特別遊技は第1終了条件、第2特別図柄での当選による特別遊技は第2終了条件(あるいはその逆)の構成とすれば、第1特別図柄と第2特別図柄が交互に変動するように構成された遊技ならば、どちらで当選するかに興味を与えることができるし、第2特別図柄に対応する始動口を普通電動役物に設け、普通電動役物の開放延長機能が作動した場合は右打ち遊技領域で遊技する構成し、第2特別図柄での当選では第2終了条件とすれば、開放延長機能作動中は有利な第2特別図柄をメインに当否抽選させることができ、且つ、特別遊技も有利にすることができる。
【0141】
また、大当り図柄によって終了条件を設定する他にも、特別図柄の変動回数によってならば、例えば特別遊技を得るのに要した変動回数が所定回数以上の場合は第2終了条件を設定するなど、救済の意図で用いる事ができる。
また、計時装置を備え、電源投入されてからの経過時間や、経過日数などによって終了条件を変更していく事も考えられる。所定時間の間をサービスタイムとして第2終了条件を設定したり、所定の曜日や月だけ第2終了条件を設定したり、異なる遊技性で遊技を行わせることが可能となる。
また、同じ第1終了条件、第2終了条件でも開放時間やカウント数が異なる終了条件を複数備えることも考えられる。同じ第2終了条件でも有利不利があり、より多様な遊技性を与えることができる。
また、終了条件として、開放時間のみが条件設定された第3の終了条件を備えることも考えられる。開放時間の設定次第では、最も有利な終了条件とすることもできるし、最も不利な終了条件とすることもできる。なお、上述したいわゆる突確での特別遊技時に第3終了条件を設定することが考えられる。極短時間開放であるため、カウント数を設定する必要性が希薄であるためである。
【符号の説明】
【0142】
6:演出図柄表示装置
14:大入賞口
14a:カウントスイッチ
14b:大入賞口ソレノイド
50:パチンコ機
80:主制御装置
83:サブ統合制御装置
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