【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 研究集会名 第1回内見会 主催者名 株式会社テクト/株式会社丸高工業 開催日 平成27年10月27日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方向へ延びるシリンダーを有するボディーと、ピストンヘッドおよび前記ピストンヘッドから一方向前方へ延びるドライバを有して前記シリンダーの内部を一方向前方と一方向後方とへ進退するピストンユニットと、前記ボディーの後端部に設置されて給気路および排気路を開閉するヘッドバルブと、前記ボディーの前端部に着脱可能に連結されて複数のステープルを収容するマガジンユニットとを備え、前記ヘッドバルブによる給気路の開放によって圧縮空気が前記シリンダーの内部に流入し、その圧縮空気によって前記ピストンヘッドとともに前記ドライバが一方向前方へ前進しつつ、前記ステープルが前記ドライバによって一方向前方へ打ち出され、一方向前方へ前進した前記ピストンユニットが一方向後方へ後退するときに、前記ヘッドバルブによる排気路の開放によって前記シリンダーの内部の圧縮空気が該排気路から外部に排気されるエアータッカーにおいて、
前記シリンダーの前端部に前記ピストンヘッドが衝突したときの衝突音を低減する弾性変形可能な緩衝部材が、前記ボディーの前端部に対向する前記ピストンヘッドの対向端面に取り付けられており、
前記緩衝部材が、反発弾性率2.0〜7.0%の範囲の低反発ゴムから作られ、前記低反発ゴムの一方向の厚み寸法が、1〜3mmの範囲にあることを特徴とするエアータッカー。
前記低反発ゴムが、所定面積を有する環状に成形され、前記エアータッカーでは、同形同大の一対の前記低反発ゴムが一方向へ重なり合った状態で前記ピストンヘッドの対向端面に取り付けられている請求項1に記載のエアータッカー。
前記低反発ゴムが、所定面積を有する環状に成形されたベース部と、前記ベース部から一方向前方へ凸となる複数の凸部とを有し、前記凸部が、前記ベース部の中心を取り囲むように該ベース部の中心の周りに等間隔離間して並んでいる請求項1に記載のエアータッカー。
【発明を実施するための形態】
【0034】
一例として示すエアータッカー10の側面図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかるエアータッカーの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、
図2は、一例として示すピストンユニット18の側面図であり、
図3は、他の一例として示すピストンユニット18の側面図である。
図4は、他の一例として示す低反発ゴム19の斜視図であり、
図5は、一例として示すジョイント部材22の側面図である。
図6は、ジョイント部材22の正面図であり、
図7は、
図5のA−A線断面図である。
図8は、一例として示すハウジング54の側面図であり、
図9は、ハウジング54の正面図である。
図10は、
図8のB−B線断面図であり、
図11は、一例として示すサイレンサー55の側面図である。
図1では、エアータッカー10(マガジンユニット21を除く)を一方向へ切断した状態で示し、一方向を矢印Xで示し、径方向を矢印Yで示す。
【0035】
エアータッカー10(常圧、高圧を含む)は、低反発ゴム19(緩衝部材)、ジョイント部材22、消音ユニット23を除き、既存(公知)のそれが使用されている。エアータッカー10は、ステープル(金属針)を一方向前方へ強力に打ち出し、壁材(ラス網、防水・防湿紙、壁クロス、壁板等)と壁とにステープルを打ち込んで壁材を壁面に固定し、天井材(天井クロス、ムク材、合板、繊維板等)と天井とにステープルを打ち込んで天井材を天井面に固定するとともに、床材(木質フローリング、コルク、カーペット、クッションフロア等)と床とにステープルを打ち込んで床材を床面に固定する。
【0036】
エアータッカー10は、一方向へ延びるボディー11と、ボディー11の中央部12から後端部13に連結されたグリップ14と、ボディー11の後端部13に取り付けられたシリンダーキャップ15と、ボディー11の内部に設置されて一方向へ延びるシリンダー16と、シリンダー16の内部17に摺動可能に収容されたピストンユニット18と、ピストンユニット18に取り付けられた低反発ゴム19と、ボディー11の後端部13に設置されたヘッドバルブ20と、ステープルを送出するマガジンユニット21と、ボディー11の後端部13に取り付けられたジョイント部材22と、ボディー11の後端部13に取り付けられた消音ユニット23とを備えている。なお、エアータッカー10における各所のエアー漏れを防止するため、各種複数のリングやシールが取り付けられているが、それらリングやシールの図示は省略する。
【0037】
ボディー11の内部には、圧縮空気が流入する第1空気室24と、圧縮空気が流入する第2空気室25(戻り空気室)と、圧縮空気が流入する第3空気室26(ヘッドバルブ空気室)とが作られている。第1空気室24は、ボディー11の中央部12と後端部13との間において一方向へ延びている。第2空気室25(戻り空気室)は、ボディー11の前端部27と中央部12との間において一方向へ延びている。第3空気室26(バルブ空気室)は、ヘッドバルブ20の一方向後方であってボディー11の後端部13に位置している。第3空気室26には、一方向へ延びるコイルバネ28が設置されている。
【0038】
ボディー11の中央部12には、トリガー29(引き金)が設置されている。トリガー29は、バネ(図示せず)によって一方向前方へ付勢されている。グリップ14は、ボディー11の中央部12および後端部13から径方向へ延びている。グリップ14の内部は、圧縮空気が流入する空気室30(空洞)になっている。グリップ14の空気室30は、ボディー11の第1空気室24につながっている。グリップ14の下端部には、エアーホースを接続するカプラ31が取り付けられている。ピストンユニット18に対向するシリンダーキャップ15の対向面には、ピストンユニット18の後記するピストンストッパー41が係脱可能に係合する係合凹部67が作られている。
【0039】
グリップ14のトリガー29に対向する位置には、トリガーバルブ32が取り付けられている。トリガーバルブ32は、圧縮空気が流入・流出するバルブ室33と、トリガーバルブ室33に設置されて一方向前方と一方向後方とへ移動するプランジャ34と、トリガーバルブ室33に設置されて一方向前方と一方向後方とへ移動するプッシュレバー35とから形成されている。トリガーバルブ室33には、空気が通流するパイプ36が接続されている。パイプ36は、トリガーバルブ室33からボディー11の後端部13の第3空気室26(ヘッドバルブ空気室)につながっている。
【0040】
シリンダー16は、一方向へ長い円筒状に成形され、その前端部にバンパー37が取り付けられている。ピストンユニット18は、
図2,3に示すように、円盤状に成形されたピストンヘッド38と、棒状に成形されたドライバ39と、ステープルを一方向前方へ正確に押し出すためのドライバガイド40と、ピストンヘッド38の一方向後方への移動を停止させるピストンストッパー41とから形成されている。
【0041】
ピストンユニット18は、シリンダー16の内部17において一方向前方へ前進するとともに一方向後方へ後退する。ドライバ39は、シリンダー16のバンパー37(ボディー11の前端部27)に対向するピストンヘッド38の対向端面42から一方向前方へ延びている。ドライバガイド40は、ドライバ39の先端部に設置されている。ピストンストッパー41は、ピストンヘッド38よりも小さく、一方向後方へ凸となる略凸状に成形され、ボディー11の後端部13に対向するピストンヘッド38の反対端面43に設置されている。
【0042】
ピストンヘッド38の対向端面42には、弾性変形可能な低反発ゴム19(緩衝部材)が取り付けられている。
図2に示すピストンユニット18では、ピストンヘッド38の対向端面42に1つの低反発ゴム19が取り付けられている。
図3に示すピストンユニット18では、ピストンヘッド38の対向端面42に2つ(一対)の低反発ゴム19が取り付けられている。低反発ゴム19には、低反発ウレタンゴムを使用することが好ましい。
【0043】
低反発ゴム19は、所定面積および所定厚みを有する環状に成形され、その大きさや形状がピストンヘッド38の対向端面42と略同形同大である。
図3のピストンユニット18では、同形同大のそれら低反発ゴム19が一方向へ重なり合い、それら低反発ゴム19が接着剤を介して固着されている。低反発ゴム19は、ドライバ39に挿通された状態で接着剤を介してピストンヘッド38の対向端面42に固着されている。
【0044】
図4に示す低反発ゴム19は、所定面積を有する環状に成形されたベース部68と、ベース部68から一方向前方へ凸となる複数の凸部69とを有する。凸部69は、ベース部68の中心を取り囲むようにベース部68の中心の周りに等間隔離間して並んでいる。
図4では、4つの凸部69がベース部68の中心を取り囲んでいるが、5つ以上の凸部69がベース部68の中心を取り囲んでいてもよい。
【0045】
低反発ゴム19は、シリンダー16のバンパー37(シリンダー1
6の前端部27)にピストンヘッド38が衝突したときの衝撃を吸収し、その衝撃を軽減することで、バンパー37とピストンヘッド38との衝突音を低減する。低反発ゴム19は、その反発弾性率が2.0〜7.0%の範囲にある。低反発ゴム19は、一方向の厚み寸法が1〜3mmの範囲にある。なお、
図3の低反発ゴム19は、1つのそれの一方向の厚み寸法が0.5〜1.5mmの範囲にあり、2つ合わせた一方向の厚み寸法が1〜3mmの範囲にある。
図4の低反発ゴム19は、ベース部68と凸部69とを合わせた一方向の厚み寸法が1〜3mmの範囲にある。
【0046】
低反発ゴム19の反発弾性率が7.0%を超過すると、低反発ゴム19の衝撃吸収性が低下し、バンパー37とピストンヘッド38との衝突音を低減することができない。低反発ゴム19の一方向の厚み寸法が1mm未満では、低反発ゴム19の衝撃吸収性が低下し、バンパー37とピストンヘッド38との衝突音を低減することができないのみならず、バンパー37とピストンヘッド38との衝突によって低反発ゴム19が容易に破損し、長期間の使用に耐えることができない。低反発ゴム19の一方向の厚み寸法が3mmを超過すると、低反発ゴム19の存在によってドライバ39の一方向前方へのストロークが短くなり、ドライバ39(ドライバガイド40)によってステープルを一方向前方へ打ち出すことができない場合がある。
【0047】
低反発ゴム19は、その反発弾性率が前記範囲にあるから、バンパー37とピストンヘッド38とが衝突したときの衝撃を十分に吸収することができ、バンパー37とピストンヘッド38との衝突音を確実に低減することができる。低反発ゴム19は、その一方向の厚み寸法が前記範囲にあるから、バンパー37とピストンヘッド38との衝突音を低減することができるのみならず、低反発ゴム19の耐久性が向上し、長期間の使用に耐えることができる。また、低反発ゴム19の存在によってドライバ39の一方向前方へのストロークが短くなることはなく、ドライバ39によってステープルを一方向前方へ確実に打ち出すことができる。
【0048】
図4に示す低反発ゴム19は、凸部69のみがバンパー37(シリンダー16の前端部27)に衝突し、バンパー37に対する低反発ゴム19の衝突面積を小さくすることができるから、低反発ゴム19の全体(前面)がバンパー37に衝突する場合と比較し、バンパー37とピストンヘッド38との衝突音が小さくなる。
【0049】
ヘッドバルブ20は、ピストンユニット18とボディー11の後端部13との間に延びるスペース44に設置されている。ヘッドバルブ20は、第3空気室26に設置されたコイルバネ28によって一方向前方へ付勢されている。ヘッドバルブ20は、圧縮空気を給気する給気路45(
図12参照)を開閉するとともに、圧縮空気を排気する排気路46(
図14参照)を開閉する。マガジンユニット21は、既存(公知)のそれが使用され、ボディー11の前端部27とグリップ14の下端部とに着脱可能に連結されている。マガジンユニット21の内部には複数のステープルが装填(収容)され、バネの付勢力によってステープルをエアータッカー10の射出口47に送出する。
【0050】
ジョイント部材22は、ボディー11の後端部13と消音ユニット23の後記するハウジング54との間に介在し、ボディー11の後端部13と消音ユニット23(ハウジング54)とを間接的に連結する。ジョイント部材22は、円板状の端面壁48と、端面壁48の外周縁から一方向前方へ延びる筒状の周壁49と、周壁49の前端から径方向外方へ延びるフランジ50と、端面壁48の中央において一方向前方へ凸となる凸部51と、端面壁48を一方向へ貫通する円形の複数の排気貫通孔52とを有する。
【0051】
端面壁48は、その直径がハウジング54の後記する第1排気空間59の直径よりもわずかに小さく、ハウジング54の第1排気空間59に入り込んでいる。周壁49は、その直径がハウジング54の後記する第1周壁56の直径よりもわずかに小さく、ハウジング54の第1周壁56に摺動可能に嵌り込み、第1周壁56の内周面に密着している。フランジ50には、ハウジング54の第1周壁56の前端が密着している。
【0052】
ジョイント部材22の周壁49がハウジング54の第1周壁56に嵌り込み、ハウジング54の第1周壁56の前端がジョイント部材22のフランジ50に密着するから、ハウジング54とジョイント部材22との間に間隙が形成されることはなく、排気路46から排気された圧縮空気のすべてを消音ユニット23に流入させることができる。フランジ50の各角部には、固定ボルトを螺着するボルト螺着孔53(雌ネジ孔)が穿孔されている。凸部51は、シリンダーキャップ15の後端面に密着している。それら排気貫通孔52は、凸部
51を中心として凸部51の周りに穿孔され、排気路46とハウジング54の第1排気空間59につながっている。
【0053】
消音ユニット23は、排気路46から排気される圧縮空気の排気音を低減する。消音ユニット23は、ジョイント部材22を介してボディー11の後端部13に着脱可能に連結されたハウジング54と、ハウジング54に着脱可能に取り付けられたサイレンサー55とから形成されている。ハウジング54は、ボディー11の後端部13から一方向後方へ延びる筒状の第1周壁56と、第1周壁56の後端から径方向へ延びる環状の後端壁57と、第1周壁56の後端から一方向後方へ延びる筒状の第2周壁58と、排気路46につながる所定容積の第1排気空間59と、後端壁57を貫通して第1排気空間59につながる螺着貫通孔60と、螺着貫通孔6
0につながる所定容積の第2排気空間61と、第2排気空間61につながる第1排気開口62と、第2排気空間61につながる複数の第2排気開口63とから形成されている。
【0054】
第1周壁56の各角部には、固定ボルトを螺着するボルト螺着孔64(雌ネジ孔)が穿孔されている。第1排気空間59は、略円筒状のスペースであり、第1周壁56と後端壁57とに囲繞されて一方向へ延びている。第1排気空間56には、排気路46から排気されてジョイント部材22の排気貫通孔52を通過した圧縮空気が流入する。螺着貫通孔6
0は、後端壁57の中央に開口している。螺着貫通孔6
0には、雌ネジが作られている。第2排気空間61は、円筒状のスペースであり、第2周壁58に囲繞されて一方向へ延びている。第1排気開口62は、第2周壁58の後端に囲繞された円形の排気口である。それら第2排気開口63は、第2周壁58を径方向外方へ貫通して一方向へ延びている。
【0055】
サイレンサー55は、中空円筒状の螺着部65と、螺着部65につながって螺着部65から一方向後方へ延びる円柱状の消音部66とから形成されている。螺着部65には、雄ネジが作られている。螺着部65は、それに作られた雄ネジを螺着貫通孔60を囲繞する後端壁57に作られた雌ネジに螺着することで、後端壁57(ハウジング54)の中央に着脱可能に設置される。消音部66は、ボディー11の後端部13の排気路46から排気される圧縮空気を通流させる多数の細孔を有して柱状に成形された多孔質の合成樹脂から作られ、または、排気路46から排気される圧縮空気を通流させる多数の細孔を有して柱状に成形された金属(黄銅、銅系焼結)から作られている。消音部66は、第2排気空間61の中央に位置し、その周囲全体が第2周壁58に囲繞されている(取り囲まれている)。
【0056】
螺着貫通孔60の後端壁57にサイレンサー55の螺着部65を螺着してハウジング54にサイレンサー55を固定する。次に、ボディー11の後端部13に取り付けられた排気カバー(図示せず)を取り外し、ボディー11の後端部13に穿孔されたボルト螺着孔(雌ネジ孔)(図示せず)にジョイント部材22のフランジ50に穿孔されたボルト螺着孔53およびハウジング54の第1周壁56に穿孔されたボルト螺着孔64を合わせ、それらボルト螺着孔53,64に固定ボルトを螺着することで、ボディー11の後端部13にジョイント部材22とハウジング54(消音ユニット23)とを固定する。ボディー11の後端部13と消音ユニット23のハウジング54とは、ジョイント部材22を介して間接的に連結される。
【0057】
ハウジング54にサイレンサー55を固定すると、消音部66が第2排気空間61の中央に露出するとともに、消音部66の全体が第2周壁58に取り囲まれる。消音部66は、中空円筒状の螺着部65を介して第1排気空間59につながる。ジョイント部材22とハウジング54とをボディー11の後端部13に連結すると、ジョイント部材22の端面壁48がハウジング54の第1排気空間59に入り込み、ジョイント部材22の周壁49がハウジング54の第1周壁56に摺動可能に嵌り込み、ハウジング54の第1周壁56の前端がジョイント部材22のフランジ50に密着し、ジョイント部材22の排気貫通孔52が排気路46とハウジング54の第1排気空間59とにつながる。
【0058】
図12は、エアータッカー10の動作を説明する切断面図であり、
図13は、
図12から続くエアータッカー10の切断面図である。
図14は、
図13から続くエアータッカー10の切断面図であり、
図15は、
図14から続くエアータッカー10の切断面図である。
図16は、消音ユニット23における圧縮空気の流れを示す図である。
図16では、ジョイント部材22や消音ユニット23を断面図として示すとともに、エアータッカー10の図示を省略している。
図12では、一方向前方を矢印X1で示し、一方向後方を矢印X2で示す。なお、ピストンヘッド38の対向端面には、
図2の低反発ゴム19と
図3の低反発ゴム19と
図4の低反発ゴム19とのいずれかが取り付けられている。
【0059】
エアータッカー10を使用して壁材や天井材、床材を壁面や天井面、床面の所定箇所に固定する手順の一例は以下のとおりである。グリップ14の下端部から延出するカプラ31にエアーホースの一方の端部を接続する。エアーホースは、他方の端部がエアーコンプレッサー(図示せず)に接続されている。エアーコンプレッサーのスイッチONにすると、所定の空気圧の圧縮空気がエアーコンプレッサーからエアーホースに流入し、圧縮空気がエアーホースからグリップ14の内部の空気室30とボディー11の第1空気室24とに流入する。
【0060】
エアータッカー10では、
図12に示すように、圧縮空気がグリップ14の空気室30、ボディー11の第1空気室24および第3空気室26(バルブ空気室)に充満し、空気室30に充満した圧縮空気の空気圧によってプッシュレバー35が一方向前方へ移動し、空気室30とバルブ室33とが連通してバルブ室33に圧縮空気が充満し、バルブ室33に充満した圧縮空気の空気圧によってプランジャ34が一方向後方へ移動している。プランジャ34が一方向後方へ移動した状態では、空気室30とパイプ36とが連通して空気室30の圧縮空気がパイプ3
6を通ってボディー11の第3空気室26(バルブ空気室)に流入し、圧縮空気が第3空気室26に充満する。
【0061】
ボディー11の第3空気室26に充満する圧縮空気の空気圧とコイルバネ28の付勢力とによって、ヘッドバルブ20がシリンダー16の後端縁に密着し、給気路45が閉鎖されている。ピストンユニット18のピストンヘッド38がボディー11の後端部13に位置し、ピストンユニット18のピストンストッパー41がシリンダーキャップ15の係合凹部67に係合している。ピストンユニット18のドライバ39の先端部(ドライバガイド40)は、射出口47から一方向後方へ離間して位置している。ボディー11の前端部27の射出口47には、マガジンユニット21から送出されたステープル(図示せず)が位置している。
【0062】
図12の状態でエアータッカー10の射出口47を壁面や天井面、床面の所定箇所に向けた後、トリガー29を引く。トリガー29を引くと、トリガー29によってトリガーバルブ32のプッシュレバー35が一方向後方へ押されてプッシュレバー35が一方向後方へ移動する。プッシュレバー35が一方向後方へ移動すると、
図13矢印L1で示すように、バルブ室33に充填された圧縮空気がトリガーバルブ32の排気口から外部に排出(排気)され、それによってグリップ14の空気室30に充満する圧縮空気の空気圧によってプランジャ34が一方向前方へ移動する。
【0063】
プランジャ34が一方向前方へ移動すると、バルブ室33の通気路が開放される。通気路が開放されると、
図13に矢印L2で示すように、第3空気室26に充満する圧縮空気がパイプ36と通気路とを通ってグリップ14の排気口から外部に排出(排気)される。圧縮空気が第3空気室26から排出されると、グリップ14の空気室30とボディー11の第1空気室24とに充満する圧縮空気の空気圧によってヘッドバルブ20のリブが一方向後方に押圧され、ヘッドバルブ20がコイルバネ28の付勢力に抗して一方向後方に移動し、給気路45が開放される。
【0064】
給気路45が開放されると、
図13に矢印L3で示すように、グリップ14の空気室30とボディー11の第1空気室24とに充満する圧縮空気が給気路45を通ってシリンダー16の反対端面43からシリンダー16の内部17に一気に流入する。シリンダー16の対向端面42とバンパー37との間に存在する空気は、
図13に矢印L4で示すように、ボディー11の第2空気室25(戻り空気室)に流入する。
【0065】
圧縮空気がシリンダー16の内部17に流入すると、
図14に示すように、圧縮空気の空気圧によってピストンヘッド38が一方向前方へ瞬時に前進(移動)し、ピストンストッパー41がシリンダーキャップ15の係合凹部67から瞬時に抜け出すとともにドライバ39およびドライバガイド4
0が一方向前方へ瞬時に前進(移動)し、射出口47に位置するステープルがドライバ39(ドライバガイド4
0)に押圧されて射出口47から一方向前方へ打ち出される。シリンダー16の内部17の圧縮空気は、
図14に矢印L5で示すように、シリンダー16のバルブから第2空気室25(戻り空気室)に流入する。
【0066】
ピストンヘッド38が一方向前方へ前進した
図14の状態では、ピストンヘッド38がバンパー37に衝突することによってピストンユニット18の一方向前方への前進(移動)が停止する。ピストンヘッド38がバンパー37に衝突するときに、その衝撃がピストンヘッド38の対向端面42に取り付けられた低反発ゴム19によって吸収され、衝撃が軽減されることで、ピストンヘッド38とバンパー37との衝突音が大幅に低減される。
【0067】
エアータッカー10は、バンパー37(シリンダー16の前端部27)にピストンヘッド38が衝突したときの衝突音を軽減する弾性変形可能な低反発ゴム19がピストンヘッド38の対向端面42に取り付けられ、バンパー37にピストンヘッド38が衝突したときの衝撃が低反発ゴム19によって軽減されるから、ステープルを打ち出すときのバンパー37とピストンヘッド38との衝突音が低減され、大きな衝突音の発生を防ぐことができる。また、一対の低反発ゴム19が一方向へ重なり合った状態でピストンヘッド38の対向端面42に取り付けられている場合、それら低反発ゴム19が緩衝し合い、バンパー37(シリンダー16の前端部27)にピストンヘッド38が衝突したときの衝撃がそれら低反発ゴム19によって大幅に軽減されるから、ステープルを打ち出すときのバンパー37とピストンヘッド38との衝突音を確実に低減することができ、大きな衝突音の発生を確実に防ぐことができる。
【0068】
射出口47からステープルが打ち出された後、トリガー29を放すと、トリガー29がバネの付勢力によって一方向前方へ素早く移動する。トリガー29が一方向前方へ移動すると、グリップ14の空気室30に充満した圧縮空気の空気圧によってプッシュレバー35が一方向前方へ瞬時に移動し、空気室30とバルブ室33とが連通してバルブ室33に圧縮空気が充満し、バルブ室33に充満した圧縮空気の空気圧によってプランジャ34が一方向後方へ瞬時に移動する。プランジャ34が一方向後方へ移動すると、空気室30とパイプ36とが連通して空気室30の圧縮空気がパイプ36を通ってボディー11の第3空気室26(バルブ空気室)に流入し、圧縮空気が第3空気室26に充満する。
【0069】
第3空気室26に圧縮空気が充満すると、圧縮空気の空気圧とコイルバネ28の付勢力とによってヘッドバルブ20が一方向前方へ移動し、ヘッドバルブ20がシリンダー16の後端縁に密着して給気路45が閉鎖されるとともに、排気路46が開放される。排気路46が開放されると、シリンダー16の内部17の圧縮空気は、
図15に矢印L6で示すように、排気路46を通ってジョイント部材22および消音ユニット23に向かう。さらに、
図15に矢印L7で示すように、第2空気室25(戻り空気室)の空気がピストンヘッド38の対向端面42の側のシリンダー16の内部17に流入する。
【0070】
第2空気室25の空気がピストンヘッド38の対向端面42の側のシリンダー16の内部17に流入すると、その空気の空気圧によってピストンヘッド38が一方向後方へ瞬時に後退(移動)するとともに、ドライバ39およびドライバガイド40が一方向後方へ瞬時に後退(移動)し、ピストンストッパー41がシリンダーキャップ15の係合凹部67に係合し、
図12の状態に戻る。なお、
図12の状態に戻ったときに、図示はしていないが、マガジンユニット
21から次に打ち出されるステープルが射出口47に自動的にセットされる。
図12〜
図15の状態を繰り返すことで、エアータッカー10から複数のステープルを略連続して打ち出すことができる。
【0071】
排気路46から一方向後方に流出した圧縮空気は、
図16に矢印L8で示すように、排気路46からジョイント部材22の排気貫通孔52を通ってハウジング54の第1排気空間59に流入する。第1排気空間59に流入した圧縮空気は、第1排気空間59において乱流となり、その流速が低下する。排気路46から排気された圧縮空気がハウジング54の所定容積の第1排気空間59に流入することで、第1排気空間59において圧縮空気が乱流になって圧縮空気の流速が低下し、第1排気空間59において圧縮空気の排気音が低減する。
【0072】
第1排気空間59の圧縮空気は、サイレンサー55の中空の螺着部65に流入した後、螺着部65から多孔質の合成樹脂から作られた消音部66に向かう。消音部66に向かった圧縮空気は、消音部66のそれら細孔に流入し、圧縮空気がそれら細孔によって四方に分散されるとともに、細孔において圧縮空気の流速がさらに低下する。圧縮空気が消音部66の細孔を通過することで圧縮空気の流速が大幅に低下し、消音部66によって圧縮空気の排気音が大幅に低減する。
【0073】
圧縮空気は、消音部66の細孔からハウジング54の第2排気空間61の四方に排出(排気)される。第2排気空間61に排出された圧縮空気は、
図16に矢印L9で示すように、第1排気開口62と複数の第2排気開口63とから外部に放出(排気)される。消音部66の細孔から第2排気空間61の四方に排出された圧縮空気が複数の第2排気開口63から外部(径方向外方)に放出されることで、排気音が第2周壁58に囲繞された第2排気空間61において籠もることはなく、不快な籠もり音は発生しない。
【0074】
エアータッカー10は、所定容積の第1排気空間59において圧縮空気の流速が低下するとともに、圧縮空気がサイレンサー55の消音部66のそれら細孔によって四方に分散され、圧縮空気の流速が消音部66の細孔によって大幅に低下するから、ハウジング54の第1排気空間59とサイレンサー55の消音部66とによって圧縮空気の排気音を大幅に低減することができ、大きな排気音の発生を確実に防ぐことができる。また、第2排気空間61の圧縮空気が複数の第2排気開口63から外部に放出されるから、第2排気空間61において排気音が籠もることはなく、不快な籠もり音の発生を防ぐことができる。
【0075】
エアータッカー10では、ピストンユニット18の一方向前方への前進と一方向後方への後退との1サイクルにおいてエアータッカー10から発生する衝突音および排気音の音圧レベルが60〜75dBの範囲にある。エアータッカー10は、バンパー37(シリンダー16の前端部27)とピストンヘッド38との衝突音が低反発ゴム19によって低減され、ボディー11の後端部13から排気される圧縮空気の排気音が消音ユニット23(ハウジング54の第1排気空間59およびハウジング54に連結されたサイレンサー55の消音部66)によって確実に低減されるから、大きな衝突音および大きな排気音の発生を防ぐことができ、衝突音や排気音が不快な騒音になることはなく、不快な騒音の周囲への伝播を防ぐことができる。
【0076】
エアータッカー10は、低反発ゴム19によって大きな衝突音の発生を防ぐことができるとともに、消音ユニット23(第1排気空間59およびサイレンサー55)によって大きな排気音の発生を防ぐことができるから、周囲の静寂を保持することができ、静穏状態を保持しつつステープルの打ち込み作業を行うことができる。エアータッカー10は、サイレンサー55の消音部66が第1周壁56から一方向後方へ延びる筒状のハウジング54の第2周壁58に囲繞されているから、第2周壁58が防御壁となって消音部66の外物との衝突を防ぐことができ、消音部66の破損や損壊を防ぐことができる。
【0077】
エアータッカー10は、消音ユニット23のハウジング54がボディー11の後端部13に直接連結できない場合でも、公知のエアータッカーを構成する排気カバーの代わりとなるジョイント部材22をボディー11の後端部13とハウジング54とに連結することで、ジョイント部材22を介して消音ユニット23をボディー11の後端部13に間接的に連結することができる。
【0078】
なお、
図1のエアータッカー10では、ジョイント部材22を利用して消音ユニット23がボディー11の後端部13に取り付けられているが、消音ユニット23がボディー11の後端部13に直接取り付けられる場合は、ジョイント部材22を省くことができる。また、
図1のエアータッカー10のように、カプラ31にエアーホースが接続され、エアーコンプレッサーから圧縮空気が給気されるタイプの他に、ガスカートリッジが着脱可能に装着されるコードレスのエアータッカーにも低反発ゴム19やジョイント部材22、消音ユニット23を取り付けることができ、低反発ゴム19(緩衝部材)や消音ユニット23によって衝突音や排気音を低減することができる。
【0079】
図1のエアータッカー10では、ピストンヘッド38の対向端面42に低反発ゴム19(緩衝部材)が取り付けられ、消音ユニット23がボディー11の後端部13に取り付けられているが、消音ユニット23が取り付けられておらず、低反発ゴム19(緩衝部材)のみがピストンヘッド38に取り付けられている場合、または、低反発ゴム19(緩衝部材)が取り付けられておらず、消音ユニット23のみがボディー11の後端部13に取り付けられている場合がある。
【0080】
低反発ゴム19のみが取り付けられている場合は、バンパー37(シリンダー16の前端部27)にピストンヘッド38が衝突したときの衝撃が低反発ゴム19によって軽減され、バンパー37とピストンヘッド38との衝突音が低減されるから、大きな衝突音の発生を防ぐことができる。消音ユニット23のみが取り付けられている場合は、ボディー11の後端部13から排気される圧縮空気の排気音が消音ユニット23によって低減されるから、大きな排気音の発生を防ぐことができる。
【0081】
図17は、他の一例として示す消音ユニット70における圧縮空気の流れを示す図である。消音ユニット70が
図1の消音ユニット23と異なるところはハウジング54が
図1のそれと異なる点にあり、その他の構成は
図1の消音ユニット23と同一である。消音ユニット70のハウジング54は、ボディー11の後端部13から一方向後方へ延びる筒状の第1周壁56と、第1周壁56の後端から径方向へ延びる環状の後端壁57と、排気路46につながる所定容積の第1排気空間59と、後端壁57を貫通して第1排気空間59につながる螺着貫通孔60とから形成されている。消音ユニット70のハウジング54は、第2周壁58や第2排気空間61、第1排気開口62、第2排気開口63を備えていない。
【0082】
第1周壁56の各角部には、固定ボルトを螺着するボルト螺着孔64(雌ネジ孔)が穿孔されている(
図9参照)。第1排気空間59は、略円筒状のスペースであり、第1周壁56と後端壁57とに囲繞されて一方向へ延びている。第1排気空間56には、排気路46から排気されてジョイント部材22の排気貫通孔52を通過した圧縮空気が流入する。螺着貫通孔6
0は、後端壁57の中央に開口している。螺着貫通孔6
0には、雌ネジが作られている。
【0083】
排気路46から一方向後方に流出した圧縮空気は、
図17に矢印L8で示すように、排気路46からジョイント部材22の排気貫通孔52を通ってハウジング54の第1排気空間59に流入する。第1排気空間59に流入した圧縮空気は、第1排気空間59において乱流となり、その流速が低下する。排気路46から排気された圧縮空気がハウジング54の所定容積の第1排気空間59に流入することで、第1排気空間59において圧縮空気が乱流になって圧縮空気の流速が低下し、第1排気空間59において圧縮空気の排気音が低減する。
【0084】
第1排気空間59の圧縮空気は、サイレンサー55の中空の螺着部65に流入した後、螺着部65から多孔質の合成樹脂から作られた消音部66に向かう。消音部66に向かった圧縮空気は、消音部66のそれら細孔に流入し、圧縮空気がそれら細孔によって四方に分散されるとともに、細孔において圧縮空気の流速がさらに低下する。圧縮空気が消音部66の細孔を通過することで圧縮空気の流速が大幅に低下し、消音部66によって圧縮空気の排気音が大幅に低減する。圧縮空気は、消音部66の細孔から四方(外部)に排出(排気)される。