特許第6492306号(P6492306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6492306防草構造、セメントコンクリート縁石及び防草板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6492306
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】防草構造、セメントコンクリート縁石及び防草板
(51)【国際特許分類】
   E01H 11/00 20060101AFI20190325BHJP
   A01G 13/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   E01H11/00 A
   A01G13/00 301A
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-88707(P2015-88707)
(22)【出願日】2015年4月23日
(65)【公開番号】特開2016-205007(P2016-205007A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】591000506
【氏名又は名称】早川ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113181
【弁理士】
【氏名又は名称】中務 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180600
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤井 弘三
(72)【発明者】
【氏名】岡本 光弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 聖
(72)【発明者】
【氏名】高木 弘毅
【審査官】 苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−214406(JP,A)
【文献】 特開2012−200234(JP,A)
【文献】 特開平11−303040(JP,A)
【文献】 特開2001−159113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 1/00〜 15/00
A01G 11/00〜 15/00
E01C 1/00〜 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントコンクリート縁石と舗装材との間に防草板が介装されてなる防草構造であって;
前記防草板が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、
前記舗装材が、セメントコンクリート又はアスファルトコンクリートであり、
前記縁石の表面と前記防草板とが平行に配置され、
前記防草板に接する位置に、保水材又は保水空間が設けられ、かつ
前記防草板が、舗装面よりも下に位置するように介装されてなることを特徴とする防草構造。
【請求項2】
セメントコンクリート縁石と舗装材との間に防草板が介装されてなる防草構造であって;
前記防草板が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、
前記舗装材が、セメントコンクリート又はアスファルトコンクリートであり、
前記縁石の表面と前記防草板とが平行に配置され、
保水材又は保水空間が、前記縁石と前記防草板との間に設けられ、かつ
前記防草板が、舗装面よりも下に位置するように介装されてなることを特徴とする防草構造。
【請求項3】
セメントコンクリート縁石と舗装材との間に防草板が介装されてなる防草構造であって;
前記防草板が、亜鉛又はアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、前記金属板が亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属を主成分として含むものであり、かつ前記めっき層の一部が剥離して下地が露出しており、
前記舗装材が、セメントコンクリート又はアスファルトコンクリートであり、
前記縁石の表面と前記防草板とが平行に配置され、かつ
前記防草板が、舗装面よりも下に位置するように介装されてなることを特徴とする防草構造。
【請求項4】
幅が5〜100mmであるテープ状の防草板が、前記縁石の長手方向に沿って設けられてなる請求項1〜3のいずれかに記載の防草構造。
【請求項5】
防草板が貼設されたセメントコンクリート縁石であって;
前記防草板が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、
前記縁石の表面と前記防草板とが平行に配置され、
前記防草板に接する位置に、保水材又は保水空間が設けられ、かつ
前記防草板が、前記縁石の舗装面よりも下側で舗装材と接する位置に貼設されてなることを特徴とするセメントコンクリート縁石。
【請求項6】
防草板が貼設されたセメントコンクリート縁石であって;
前記防草板が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、
前記縁石の表面と前記防草板とが平行に配置され、
保水材又は保水空間が、前記縁石と前記防草板との間に設けられ、かつ
前記防草板が、前記縁石の舗装面よりも下側で舗装材と接する位置に貼設されてなることを特徴とするセメントコンクリート縁石。
【請求項7】
セメントコンクリート縁石と舗装材との間に介装される防草板であって;
前記防草板が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、
前記防草板の表面に保水材、又は保水空間を形成するためのスペーサーが設けられてなることを特徴とする防草板。
【請求項8】
セメントコンクリート縁石と舗装材との間に介装される防草板であって;
前記防草板が近接する2枚の金属板からなり、該金属板の少なくとも一方が亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなることを特徴とする防草板。
【請求項9】
セメントコンクリート縁石と舗装材との間に介装される防草板であって;
前記防草板が、亜鉛又はアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、前記金属板が亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属を主成分として含むものであり、かつ前記めっき層の一部が剥離して下地が露出していることを特徴とする防草板。
【請求項10】
セメントコンクリート縁石と舗装材との間に介装される防草板であって;
前記防草板が、複数の金属板が積層されてなるものであり、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板と、亜鉛若しくはアルミニウムよりも貴な金属を主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムよりも貴な金属を主成分とするめっき層が形成された金属板とが電気的に接触していることを特徴とする防草板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメントコンクリート縁石と舗装材との間に防草板が介装されてなる防草構造に関する。また、本発明は、防草板が貼設されたセメントコンクリート縁石に関する。さらに、本発明は、セメントコンクリート縁石と舗装材との間に介装される防草板に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の縁石と舗装材の隙間から生えた雑草は、景観を悪化させるのみならず、道路の幅員を狭めたり、運転者の視界を悪化させたりして交通の安全を損なうおそれがある。
【0003】
このような雑草を除去するため、人手による草刈りや除草剤の散布が一般的に行われている。しかしながら、縁石と舗装材の隙間から生えた雑草を草刈り機で刈り取ることは困難であり、このような部分の草刈りは重労働である。また、除草剤の散布については、その安全性等の問題から使用範囲が限られている。さらに、道路での草刈りや除草剤の散布作業には危険を伴う。
【0004】
除草の労力を軽減する方法として、道路の縁石と舗装材との間に防草構造を設けて雑草が生えるのを抑制する方法が知られている。特許文献1には、道路のコンクリートブロックと、アスファルトやコンクリートの舗装の目地において、カッターを用いて切込みを形成することによって屈光性と屈地性に逆らう誘導路を形成し、当該誘導路に、防草材を取付ける防草構造の形成方法が記載されている。当該防草構造は、植物の屈光性と屈地性とを利用したものであり、具体的には、コンクリートブロックと舗装材の間に設置された誘導路によって、雑草の茎や根が伸びる方向を所定の方向に誘導することにより、雑草の生長の抑制を図ったものである。しかしながら、このような防草構造を形成する作業は煩雑であり、コストが高かった。
【0005】
一方、特許文献2には、貫通孔が形成されたシートと、前記シートの表面側に設けられる留具頭部と地中に設けられる留具胴部とを有し、前記貫通孔に挿通されて当該シートを地表に固定する留具とを備えた防草構造体が記載されている。当該構造体はさらに前記貫通孔及び前記留具頭部の周囲に水を溜める水溜部と、前記水溜部に溜めた水に植物の成長を抑制する物質を添加して水溶液を生成する水溶液生成部とを備えていると記載されている。そして、前記留具として、亜鉛メッキ層を有するものや、アルミニウム製のものを用いた場合に、亜鉛やアルミニウムが前記水溜部の水に溶出して水溶液が生成し、当該水溶液が地中に浸透することにより、植物の成長が抑制されると記載されている。しかしながら、特許文献2に記載された防草構造体は、構造上、縁石と舗装材の間に設置することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−88674号公報
【特許文献2】特開2012−200234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、セメントコンクリート縁石と舗装材の隙間から雑草が生えるのを効率的に防止でき、なおかつ安価な防草構造を提供することを目的とするものである。また、このような防草構造に好適に用いられるセメントコンクリート縁石及び防草板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、セメントコンクリート縁石(以下、セメントコンクリート縁石を縁石と略記することがある)と舗装材との間に防草板が介装されてなる防草構造であって;前記防草板が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、前記舗装材が、セメントコンクリート又はアスファルトコンクリートであり、前記縁石の表面と前記防草板とが平行に配置され、かつ前記防草板が、舗装面よりも下に位置するように介装されてなる防草構造を提供することによって解決される。
【0009】
前記防草構造が、前記防草板に接する位置に、保水材又は保水空間が設けられてなるものであることが好適である。前記防草構造が、前記保水材又は前記保水空間が、前記縁石と前記防草板との間に設けられてなるものであることも好適である。前記防草構造が、幅が5〜100mmであるテープ状の防草板が、前記縁石の長手方向に沿って設けられてなるものであることも好適である。前記防草板が、亜鉛又はアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、前記金属板が亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属を主成分として含むものであり、かつ前記めっき層の一部が剥離して下地が露出していることが好適である。
【0010】
上記課題は、防草板が貼設された縁石であって;前記防草板が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、前記縁石の表面と前記防草板とが平行に配置され、かつ前記防草板が、前記縁石の舗装面よりも下側で舗装材と接する位置に貼設されてなる縁石を提供することによっても解決される。
【0011】
前記縁石が、前記防草板に接する位置に、保水材又は保水空間が設けられてなるものであることが好適である。前記縁石が、前記保水材又は前記保水空間が、前記縁石と前記防草板との間に設けられてなるものであることも好適である。
【0012】
上記課題は、縁石と舗装材との間に介装される防草板であって;前記防草板が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、前記防草板の表面に保水材又は、保水空間を形成するためのスペーサーが設けられてなる防草板を提供することによっても解決される。
【0013】
上記課題は、縁石と舗装材との間に介装される防草板であって;前記防草板が近接する2枚の金属板からなり、該金属板の少なくとも一方が亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなる防草板を提供することによっても解決される。
【0014】
上記課題は、縁石と舗装材との間に介装される防草板であって;前記防草板が、亜鉛又はアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、前記金属板が亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属を主成分として含むものであり、かつ前記めっき層の一部が剥離して下地が露出している防草板を提供することによっても解決される。
【0015】
上記課題は、セメントコンクリート縁石と舗装材との間に介装される防草板であって;前記防草板が、複数の金属板が積層されてなるものであり、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板と、亜鉛若しくはアルミニウムよりも貴な金属を主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムよりも貴な金属を主成分とするめっき層が形成された金属板とが電気的に接触している防草板を提供することによっても解決される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の防草構造は、セメントコンクリート縁石と舗装材の隙間から雑草が生えるのを効率的に防止でき、なおかつ安価である。また、本発明のセメントコンクリート縁石及び防草板はこのような防草構造に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の防草構造の一例の断面の模式図である。
図2】テープ状の防草板がセメントコンクリート縁石に貼設されてなる防草構造の断面の拡大模式図である。
図3】テープ状の防草板が貼設されてなるセメントコンクリート縁石の外観図である。
図4】近接する2枚の金属板からなる防草板がセメントコンクリート縁石に貼設されてなる防草構造の断面の拡大模式図である。
図5】1枚の金属板を折り曲げてなる防草板がセメントコンクリート縁石に貼設されてなる防草構造の断面の拡大模式図である。
図6】複数の金属板が積層されてなる防草板がセメントコンクリート縁石に貼設されてなる防草構造の断面の拡大模式図である。
図7】1枚の金属板を折り曲げて形成された2枚の金属板の間に、金属板が挟持されてなる防草板がセメントコンクリート縁石に貼設されてなる防草構造の断面の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の防草構造1の一例の断面の模式図である。本発明の防草構造1は、セメントコンクリート縁石2と舗装材3との間に防草板4が介装されてなる防草構造1であって;前記防草板4が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、前記舗装材3が、セメントコンクリート又はアスファルトコンクリートであり、前記縁石2の表面と前記防草板4とが平行に配置され、かつ前記防草板4が、舗装面5よりも下に位置するように介装されてなるものである。
【0019】
本発明の防草構造1は道路等に設置される。本発明の防草構造1において、セメントコンクリート縁石2は、舗装材3と接するセメントコンクリートからなる構造物であれば特に限定されず、例えば、車道と歩道の境界に設けられるセメントコンクリート縁石、車道と中央分離帯の境界に設けられるセメントコンクリート縁石、道路と道路外の境界に設けられるセメントコンクリート縁石、セメントコンクリートからなる側溝、桝等が挙げられる。本発明の防草構造1において、縁石2は、セメントコンクリートの二次製品を設置してなるものであってもよいし、防草構造1が設置される現場でセメントコンクリートを打設してなるものであってもよい。縁石2に用いられる二次製品としては、歩車道境界ブロック、マウントアップブロック、地先境界ブロック、L形側溝、U形側溝、桝等が挙げられる。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、縁石2が塗装されていても構わない。
【0020】
本発明の防草構造1において、舗装材3として、セメントコンクリート又はアスファルトコンクリートが用いられる。舗装材3の下に配置される層の構成は特に限定されず、通常、セメントコンクリート舗装やアスファルトコンクリート舗装において使用される層構成が採用される。セメントコンクリート又はアスファルトコンクリートからなる舗装材3の下には、通常、路盤6が形成される。
【0021】
本発明の防草構造1において、縁石2と舗装材3との間に防草板4が介装される。このとき、防草板4が、舗装面5(路面)よりも下に位置するように介装される必要がある。防草板4は外から見えない位置に配置され、防草板4全体が舗装面5よりも下に配置される必要がある。舗装面5から防草板4までの距離は、通常、5〜200mmである。防草板4の一部が、縁石2と、舗装材3の下の層(路盤6)との間に介装されていてもよい。すなわち、防草板4の一部が、舗装材3と、その下の層(路盤6)との境界7よりも下に配置されていてもよい。
【0022】
本発明の防草構造1において使用される防草板4は、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなるものである。亜鉛元素やアルミニウム元素には、植物の生長を抑制する作用があることが知られている。防草板4に水が接触すると、防草板4中の亜鉛元素又はアルミニウム元素が溶解した水溶液が生成する。当該水溶液が舗装材3や路盤6等に浸透して、亜鉛元素又はアルミニウム元素が含有されることにより防草効果が生じる。コスト面からは、防草板4が亜鉛を主成分として含む金属板及び亜鉛を主成分とするめっき層が形成された金属板であることが好適である。一方、植物の生長を抑制する作用がより優れる点からは、防草板4がアルミニウムを主成分として含む金属板及びアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板であることが好適である。
【0023】
本発明の防草構造1において、縁石2と防草板4とを近接させるため、縁石2の表面と防草板4とが平行に配置される必要がある。セメントコンクリート縁石2に水が接触すると、当該水にセメントコンクリート中の成分が溶解してアルカリ性の水溶液となる。アルカリ性の水溶液は、亜鉛元素及びアルミニウム元素を溶解させやすい。本発明の防草構造1において、縁石2に接触した水がアルカリ性となって、当該縁石2に近接する防草板4に接触することにより、防草板4から亜鉛元素及びアルミニウム元素が効率良く溶出されるため、優れた防草効果が奏される。縁石2の表面と、防草板4の表面の距離は、本発明の効果を阻害しない範囲であればよく、特に限定されない。
【0024】
亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなる前記防草板4の厚みは、通常、0.01〜10mmである。前記防草板4の厚みは、0.05mm以上が好適であり、0.1mm以上がより好適であり、0.2mm以上がさらに好適である。前記防草板4の形状や大きさは特に限定されないが、幅が5〜100mmであるテープ状のものであることが好適である。テープ状の金属板の長さは防草構造1の形状等に合わせて適宜調整すればよい。
【0025】
防草板4として用いられる、亜鉛又はアルミニウムを含む金属板は、亜鉛又はアルミニウムを主成分として含むものであれば特に限定されず、一般的な亜鉛板、亜鉛合金板、アルミニウム板、アルミニウム合金板が用いられる。前記金属板中の亜鉛又はアルミニウムの含有量は、50重量%以上であることが好適である。
【0026】
防草板4として用いられる、めっき層が形成された金属板は、亜鉛又はアルミニウムを主成分として含むめっき層が形成された金属板であれば特に限定されない。前記めっき層中の亜鉛又はアルミニウムの含有量は、50重量%以上であることが好適である。めっきが形成される金属板(基材)は特に限定されず、各種金属板が使用される。中でも鉄を主成分として含む金属板が好適であり、鉄を50重量%以上含む金属板がより好適である。金属板(基材)の厚みは、通常、0.05〜10mmである。金属板(基材)の厚みは、0.2mm以上が好適であり、0.4mm以上がより好適である。
【0027】
亜鉛又はアルミニウムを主成分とするめっき層の形成方法は特に限定されず、一般的な溶融めっき方法や電気めっき方法、溶射などによって形成することができる。亜鉛を主成分とするめっき層を溶融めっきにより形成する場合には、JIS H 8641「溶融亜鉛めっき」に規定されているめっき方法等が採用される。また、アルミニウムを主成分とするめっき層を溶融めっきにより形成する場合には、JIS H 8642「溶融アルミニウムめっき」に規定されているめっき方法等が採用される。また、亜鉛を主成分とするめっき層を電気めっきにより形成する場合には、JIS H 8610「電気亜鉛めっき」に規定されるめっき方法等が採用される。また、溶射によりめっき層を形成する場合には、JIS H 8300「亜鉛・アルミニウム及びそれら合金の溶射」に規定される方法等が採用される。
【0028】
前記めっき層の厚みは特に限定されないが、通常、2〜125μmである。亜鉛又はアルミニウムを主成分とする前記めっき層は、金属板表面の少なくとも片面に形成されていればよく、金属板の両面に形成されていることが好ましい。
【0029】
防草板4が、縁石2と舗装材3との間に介装される防草板4であって;亜鉛又はアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、前記金属板が亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属を主成分として含むものであり、かつ前記めっき層の一部が剥離して下地が露出しているものであることが好適である。ここで、前記めっき層が亜鉛を主成分とするものである場合、下地の金属板は、亜鉛よりも貴な金属を主成分とするものであり、前記めっき層がアルミニウムを主成分とするものである場合、下地の金属板は、アルミニウムよりも貴な金属を主成分とするものである。この場合、下地の金属板と、めっき層中の亜鉛又はアルミニウムとによる犠牲防食作用によって、亜鉛元素及びアルミニウム元素が水にさらに溶解し易くなり、防草効果がさらに向上すると考えられる。前記金属板に含有される、亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属としては、鉄が挙げられる。前記金属板における、亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属の含有量は、50重量%以上であることが好適である。前記めっき層を剥離する方法は特に限定されないが、機械的に剥離する方法や、化学処理により剥離する方法等が挙げられる。亜鉛元素及びアルミニウム元素が特に溶解し易くなる点からは、下地が露出した領域のパターンが、格子状、ストライプ状、ドット状であることが好適である。
【0030】
図2に、テープ状の防草板4がセメントコンクリート縁石2に貼設されてなる防草構造1の断面の拡大模式図を示す。図3に、当該防草構造1に用いられるテープ状の防草板4が貼設されてなるセメントコンクリート縁石8の外観図を示す。ただし、図3において、スペーサー9の図示を省略している。本発明の防草構造1において、テープ状の防草板4が、縁石2の長手方向に沿って設けられていることが好適である。これにより、縁石2と舗装材3の間のような狭く連続する場所においてさらに効率的に防草効果が奏される。防草板4を縁石2に対して設置する方法は特に限定されないが、縁石2の舗装面5よりも下の位置に防草板4を貼設することが好適である。
【0031】
防草板4を縁石2に貼設する方法は特に限定されず、例えば、クロロプレン系接着剤、天然ゴム系接着剤等の接着剤や、ブチルゴム系、アクリル系等の粘着剤を用いて、防草板4と縁石2とを接着させる方法が挙げられる。このとき、防草板4として、当該防草板4の表面に粘着剤層が形成されたものを用いても構わない。このような防草板4として、アルミニウム箔テープや亜鉛箔テープ等が挙げられる。
【0032】
また、防草板4を縁石2に貼設する方法として、防草板4と縁石2の間にゴムシートや樹脂シート等のシートを介装させる方法も挙げられる。前記ゴムシートに用いられるゴムとしては、クロロプレンゴム、天然ゴム等のジエン系ゴム;ブチルゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のオレフィン系ゴム等が挙げられる。前記樹脂シートに用いられる樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。また、防草板4と縁石2の間に介装させるシートとして、後述する保水材を用いてもよい。前記シートの厚みは特に限定されないが、通常、0.1〜10mmである。前記シートと、縁石2又は防草板4とを接着させる方法は特に限定されず、例えば、接着剤や粘着剤を用いる方法が挙げられる。このとき使用される接着剤や粘着剤として、防草板4と縁石2の接着に使用されるものとして上述したものが使用される。また、粘着性を有するシートを用いて、当該シートと、縁石2又は防草板4とを直接接着させる方法も挙げられる。
【0033】
防草板4が、縁石2と舗装材3との間に介装される防草板4であって;防草板4が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、防草板4の表面に保水材又は、保水空間10、11を形成するためのスペーサー9が設けられてなるものであることが好適である。
【0034】
スペーサー9が設けられてなる前記防草板4において、スペーサー9は、通常、防草板4の片面の一部に設けられる。スペーサー9と縁石2が接着されることにより、防草板4が縁石2に貼設される。防草板4と縁石2の間にスペーサー9が介装されることにより、防草板4と縁石2の間に保水空間10、11が形成される。本発明の防草構造1において、防草板4に接する位置に保水空間10、11が設けられていることが好適である。これにより、水と防草板4との接触時間が長くなるため、亜鉛元素及びアルミニウム元素の溶出量が増加して防草効果がさらに向上する。また、本発明の防草構造1において、保水空間10、11が、縁石2と防草板4との間に設けられていることも好適である。これにより、水と防草板4との接触時間が長くなるとともに、保水空間10、11中の水がアルカリ性となるため、亜鉛元素及びアルミニウム元素の溶出量が増加して防草効果がさらに向上する。
【0035】
スペーサー9の形状は特に限定されず、防草板4の形状や、保水空間10、11の形状に応じて適宜調整することができる。スペーサー9の厚みは特に限定されないが、通常、0.1〜10mmである。表面張力を利用して、防草板4と縁石2の間に水を移動させたり、保持させたりするためには、スペーサー9の厚みは0.1〜2mmが好適である。表面張力を利用することにより、水が保水空間10、11に保持され易くなるため、亜鉛元素及びアルミニウム元素の溶出量が増加して、防草効果がさらに向上する。保水空間10の上面が開口している場合、主として雨水等が保持される。保水空間11の下面が開口している場合であっても表面張力により水が保持される。保水空間10、11は、1面のみ開口していてもよいし、2面以上開口していてもよい。1面のみ開口した保水空間10、11は、凹状のスペーサー9を用いること等により形成することができる。
【0036】
防草板4に用いられるスペーサー9は特に限定されず、ゴムシートや樹脂シート等が挙げられる。当該ゴムシートや樹脂シートとして、防草板4と縁石2の間に介装されるシートとして上述したものが用いられる。また、後述する、保水材をスペーサー9として用いても構わない。
【0037】
保水材が設けられてなる前記防草板4において、保水材は防草板4の表面の一部のみに設けられていてもよいし、全面に設けられていてもよい。また、保水材は防草板4の片面に設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。本発明の防草構造1において、防草板4に接する位置に保水材が設けられていることが好適である。これにより、水と防草板4との接触時間が長くなるため、亜鉛元素及びアルミニウム元素の溶出量が増加して防草効果がさらに向上する。前記防草板4は、保水材と縁石2を接着することにより、縁石2に貼設される。本発明の防草構造1において、保水材が、縁石2と防草板4との間に設けられていることも好適である。これにより、水と防草板4との接触時間が長くなるとともに、保水材中の水がアルカリ性となるため、亜鉛元素及びアルミニウム元素の溶出量が増加して防草効果がさらに向上する。
【0038】
保水材の厚みは特に限定されないが、0.1〜10mmであることが好適である。保水材としては、高分子吸水剤等を配合した水膨張ゴムや水膨張ポリウレタン;クロロプレン、EPDM、ポリオレフィン、ウレタン等のスポンジ等が用いられる。前記スポンジは、特に連続気泡構造のものが好ましい。保水材と、縁石2又は防草板4とを接着する方法としては、防草板4と縁石2の間に介装されるシートの接着に用いられる方法として上述した方法が採用される。
【0039】
図4に、近接する2枚の金属板12、13からなる防草板4がセメントコンクリート縁石2に貼設されてなる防草構造1の断面の拡大模式図を示す。図4のように、前記防草板4が、縁石2と舗装材3との間に介装される防草板4であって;防草板4が近接する2枚の金属板12、13からなり、当該金属板12、13の少なくとも一方が亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなるものであることも好適である。2枚の金属板12、13の間には、スペーサー14が介装されていて、当該スペーサー14により、当該金属板12、13が固定されるとともに、2枚の金属板12、13の間に保水空間15、16が設けられる。これにより、水と防草板との接触時間が長くなるため、亜鉛元素及びアルミニウム元素の溶出量が増加して防草効果がさらに向上する。2枚の金属板12、13は平行であることが好適である。
【0040】
スペーサー14として、上述した、防草板4の表面に設けられるスペーサー9と同様のものが使用される。スペーサー14と金属板12、13との接着方法は、上述した、防草板4の表面に設けられるスペーサー9を接着させる方法と同様の方法が使用される。スペーサー14の厚みは特に限定されないが、通常、0.1〜10mmである。表面張力を利用して、2枚の金属板12、13の間に水を移動させたり、保持させたりするためには、スペーサー14の厚みは0.1〜2mmが好適である。防草板4の表面にはスペーサー9又は保水材が設けられていることが好適である。スペーサー9又は保水材と、縁石2とを接着することにより、防草板4が縁石2に貼設される。スペーサー9が表面に設けられた防草板4を縁石2に貼設する場合、防草板4と縁石2の間に保水空間10、11を設けることが好適である。亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板が縁石2と対向することが好適である。
【0041】
前記防草板4において、スペーサー14の代わりに保水材を金属板12、13の間に介装させることも好適である。保水材として、上述した、防草板4の表面に設けられる保水材と同様のものが使用される。保水材と金属板12、13との接着方法は、上述した、防草板4の表面に設けられる保水材を接着させる方法と同様の方法が使用される。保水材の厚みは特に限定されないが、0.1〜10mmであることが好適である。
【0042】
上記のように、2枚の金属板12、13の間に保水空間15、16や保水材を設けることにより、水と金属板12、13との接触時間が長くなるため、金属板12、13中の亜鉛元素及びアルミニウム元素の溶出量が増加して防草効果がさらに向上する。
【0043】
近接する2枚の金属板12、13からなる前記防草板4に用いられる亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板以外の金属板は特に限定されず、鉄、銅又はニッケルを主成分として含む金属板等が挙げられる。当該金属板中の鉄、銅又はニッケルの含有量は、50重量%以上であることが好適である。当該金属板の厚みは特に限定されないが、通常0.05〜10mmである。当該金属板の厚みは、0.1mm以上が好適であり、0.2mm以上がより好適である。
【0044】
近接する2枚の金属板12、13からなる前記防草板4において、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板とともに使用される金属板が、亜鉛若しくはアルミニウムよりも貴な金属を主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムよりも貴な金属を主成分とするめっき層が形成された金属板であることが好適である。ここで、亜鉛を主成分として含む金属板又は亜鉛を主成分とするめっき層が形成された金属板とともに使用される金属板は、亜鉛よりも貴な金属を主成分として含む金属板又は亜鉛よりも貴な金属を主成分とするめっき層が形成された金属板であり、アルミニウムを主成分として含む金属板又はアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板とともに使用される金属板は、アルミニウムよりも貴な金属を主成分として含む金属板又はアルミニウムよりも貴な金属を主成分とするめっき層が形成された金属板である。これにより、2枚の金属板12、13の間の保水空間15、16又は保水材に水が保持された際に、亜鉛及びアルミニウムが酸化されて溶出され易くなるため、防草効果がさらに向上する。亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属を主成分とする金属板としては、鉄、銅又はニッケルを主成分として含む金属板等が挙げられる。当該金属板中における、亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属の含有量は、50重量%以上であることが好適である。また、2枚の金属板12、13として、亜鉛を主成分として含む金属板又は亜鉛を主成分とするめっき層が形成された金属板と、アルミニウムを主成分として含む金属板又はアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板とを用いることも好適である。アルミニウムは亜鉛よりも卑であるため、アルミニウムの溶出量が増加して防草効果がさらに向上する。
【0045】
図5に、1枚の金属板を折り曲げてなる防草板4がセメントコンクリート縁石4に貼設されてなる防草構造1の断面の拡大模式図を示す。図5のように、近接する2枚の金属板12、13からなる前記防草板4は、1枚の金属板を折り曲げることにより形成されたものであってもよい。当該防草板4は安価に製造できるため好適である。亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板をU字型やコの字型に折り曲げて、近接する2枚の金属板12、13を形成することにより、当該金属板12、13の間に保水空間15が設けられる。保水空間15は下面が開口していてもよいし、上面が開口していてもよい。また、金属板12、13の間に保水材やスペーサーを介装させてもよい。
【0046】
図6に、複数の金属板12、13、17が積層されてなる防草板4がセメントコンクリート縁石2に貼設されてなる防草構造1の断面の拡大模式図を示す。前記防草板4が、縁石2と舗装材3との間に介装される防草板4であって;前記防草板が、複数の金属板12、13、17が積層されてなるものであり、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板と、亜鉛若しくはアルミニウムよりも貴な金属を主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムよりも貴な金属を主成分とするめっき層が形成された金属板とが電気的に接触しているものであることも好適である。ここで、亜鉛を主成分として含む金属板又は亜鉛を主成分とするめっき層が形成された金属板と電気的に接触する金属板は、亜鉛よりも貴な金属を主成分として含む金属板又は亜鉛よりも貴な金属を主成分とするめっき層が形成された金属板であり、アルミニウムを主成分として含む金属板又はアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板と電気的に接触する金属板は、アルミニウムよりも貴な金属を主成分として含む金属板又はアルミニウムよりも貴な金属を主成分とするめっき層が形成された金属板である。これにより、亜鉛及びアルミニウムが酸化されて溶出され易くなるため、防草効果がさらに向上する。亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属を主成分とする金属板としては、鉄、銅又はニッケルを主成分として含む金属板等が挙げられる。当該金属板中における、亜鉛又はアルミニウムよりも貴な金属の含有量は、50重量%以上であることが好適である。また、前記防草板4が、亜鉛を主成分として含む金属板又は亜鉛を主成分とするめっき層が形成された金属板と、アルミニウムを主成分として含む金属板又はアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板とが電気的に接触していることも好適である。アルミニウムは亜鉛よりも卑であるため、アルミニウムの溶出量が増加して防草効果がさらに向上する。亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板が縁石2と対向することも好適である。
【0047】
図6に示される防草板4は、3枚の金属板12、13、17が積層されてなるものである。当該防草板4は、2枚の金属板12、13の間に、金属板17が挟持されることにより形成される。保水空間15の代わりに、金属板17が設置されることと、当該金属板17に合わせて、2枚の金属板13、14の間のスペーサー14の厚みを調整すること以外は、当該防草板4は、上述した、2枚の金属板12、13からなる防草板4と同じである。2枚の金属板13、14の間のスペーサー14として、保水材を用いることが好適であり、上述した、防草板4の表面に設けられる保水材と同様のものが使用される。金属板同士を直接接触させることにより、金属板同士を電気的に接触させてもよいし、金属板の間に、導電性の接着剤層や導電性の粘着剤層が形成することにより、金属板同士を電気的に接触させてもよい。
【0048】
図7に、1枚の金属板を折り曲げて形成された2枚の金属板12、13の間に、金属板17が挟持されてなる防草板4がセメントコンクリート縁石4に貼設されてなる防草構造1の断面の拡大模式図を示す。図7のように、2枚の金属板12、13が、1枚の金属板を折り曲げることにより形成されたものであってもよい。当該防草板4は安価に製造できるため好適である。保水空間15の代わりに、金属板17が設置されることと、当該金属板17に合わせて、2枚の金属板12、13の距離を調整すること以外は、当該防草板4は、上述した、1枚の金属板を折り曲げてなる防草板4と同じである。
【0049】
本発明の防草構造1の形成方法は特に限定されないが、予め防草板4を縁石2に固定した後、舗装材3を敷設することにより、縁石2と舗装材3の間に防草板4を介装させる方法などが採用される。舗装材3の敷設方法は、一般的なアスファルトコンクリート舗装やセメントコンクリート舗装の施工方法が採用される。本発明の防草構造1は、道路等が建設される際に形成してもよいし、舗装材3の打換えの際に形成してもよい。
【0050】
本発明の防草構造1において、防草板4が貼設されたセメントコンクリート縁石8であって;防草板4が、亜鉛若しくはアルミニウムを主成分として含む金属板、又は亜鉛若しくはアルミニウムを主成分とするめっき層が形成された金属板からなり、縁石2の表面と防草板4とが平行に配置され、かつ防草板4が、縁石2の舗装面5よりも下側で舗装材3と接する位置に貼設されてなる縁石8が好適に用いられる。当該縁石8は、防草構造1が設置される現場において、縁石2に防草板4を貼設することにより形成されたものであってもよいし、防草板4が貼設されたセメントコンクリートの二次製品であってもよい。
【0051】
本発明の防草構造1によれば、縁石2と舗装材3の隙間から雑草が生えるのを効率的に防止でき、なおかつ安価である。したがって、道路等における、縁石2と舗装材3の隙間の防草に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 防草構造
2、8 縁石
3 舗装材
4 防草板
5 舗装面
6 路盤
7 境界
9、14 スペーサー
10、11、15、16 保水空間
12、13、17 金属板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7