(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カロテノイドa)が、α−カロテン、β−カロテン、8’−アポ−β−カロテン−8’−アール、8’−アポ−β−カロテン酸エステル、カンタキサンチン、アスタキサンチン、アスタキサンチン(ジ)エステル、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチンまたはクロセチン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明液体製剤。
前記水溶性酸化防止剤e)が、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明液体製剤。
前記水溶性酸化防止剤e)の全重量が、前記透明液体製剤の全重量に基づいて、0.1〜2.0重量%の範囲である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の透明液体製剤。
前記脂溶性酸化防止剤f)の全重量が、前記透明液体製剤の全重量に基づいて、0.01〜1.0重量%の範囲である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の透明液体製剤。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】3か月までの貯蔵時間の間の非低温殺菌ソフトドリンクの色差(DE
*)を示す。
【
図3】3か月までの貯蔵時間の間の低温殺菌ソフトドリンクの色差(DE
*)を示す。
【
図4】3か月までの貯蔵時間の間の非低温殺菌ソフトドリンクの濁度を示す。
【
図5】3か月までの貯蔵時間の間の低温殺菌ソフトドリンクの濁度を示す。
【
図6】3か月までの貯蔵時間の間の非低温殺菌ソフトドリンクの色差(DE
*)を示す。
【
図7】3か月までの貯蔵時間の間の低温殺菌ソフトドリンクの色差(DE
*)を示す。
【
図8】3か月までの貯蔵時間の間の非低温殺菌ソフトドリンクの濁度を示す。
【
図9】3か月までの貯蔵時間の間の低温殺菌ソフトドリンクの濁度を示す。
【0020】
[詳細な説明]
本発明に従う液体製剤はこれからより詳細に説明される。
【0021】
[化合物a)−カロテノイド]
「カロテノイド」という用語は、本明細書で使用される場合、α−カロテン、β−カロテン、8’−アポ−β−カロテナール(8’−アポ−β−カロテン−8’−アール)、8’−アポ−β−カロテンアルキル酸エステル、例えばエチルエステル(エチル−8’−アポ−β−カロテン−8’−オアート)など、カンタキサンチン、アスタキサンチン、アスタキサンチン(ジ)エステル、例えばアスタキサンチンジスクシナートなど、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチンまたはクロセチン、またはこれらの混合物などの、食品用の機能性健康成分または着色剤として使用可能な天然もしくは合成カロテンまたは構造的に関連するポリエン化合物を含む。好ましいカロテノイドは、β−カロテン、8’−アポ−β−カロテナールおよびこれらの混合物であり、特に、β−カロテンまたは8’−アポ−β−カロテナールだけであり、最も好ましくは8’−アポ−β−カロテナールである。
【0022】
従って、本発明の好ましい実施形態は、少なくとも1つのカロテノイドが、α−カロテン、β−カロテン、8’−アポ−β−カロテナール(8’−アポ−β−カロテン−8’−アール)、8’−アポ−β−カロテン酸エステル(8’−apo−β−carotenoic alkyl acid ester)、例えばエチルエステル(エチル―8’−アポ−β−カロテン−8’−オアート)など、カンタキサンチン、アスタキサンチン、アスタキサンチン(ジ)エステル、例えばアスタキサンチンジスクシナートなど、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチンおよびクロセチン、好ましくはβ−カロテンおよび8’−アポ−β−カロテナール、最も好ましくは8’−アポ−β−カロテナールからなる群から選択される、上記の液体製剤に関する。
【0023】
[化合物b)−「食品用加工デンプン」]
食品用加工デンプンは、親水性部分および親油性部分を提供する化学構造を有するように既知の方法によって化学的に修飾された食品用デンプンである。好ましくは、食品用加工デンプンはその構造の一部として長い炭化水素鎖(好ましくはC5〜C18)を有する。
【0024】
本発明の液体製剤を製造するために、好ましくは、少なくとも1つの食品用加工デンプンが使用されるが、1つの液体製剤中に2つ以上の異なる食品用加工デンプンの混合物を使用することも可能である。
【0025】
デンプンは親水性であり、従って、乳化力を有さない。しかしながら、食品用加工デンプン、既知の化学的方法によって疎水性部分で置換されたデンプンから作られる。例えば、デンプンは、炭化水素鎖で置換された無水コハク酸などの環状ジカルボン酸無水物によって処理され得る(O.B.Wurzburg(編),Modified Starches:Properties and Uses,CRC Press,Inc.Boca Raton,Florida,1986、および続版を参照)。本発明の特に好ましい食品用加工デンプンは、以下の式(I)
【化1】
を有し、式中、Stはデンプンであり、Rはアルキレンラジカルであり、R’は疎水性基である。好ましくは、Rは、ジメチレンまたはトリメチレンなどの低級アルキレンラジカルである。R’は、好ましくは5〜18個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり得る。式(I)の好ましい化合物は、「OSA−デンプン」(オクテニルコハク酸デンプンナトリウム)である。置換度、すなわち、遊離した非エステル化ヒドロキシル基の数に対するエステル化ヒドロキシル基の数は、通常、0.1%〜10%の範囲、好ましくは0.5%〜4%の範囲、より好ましくは3%〜4%の範囲で異なる。
【0026】
「OSA−デンプン」という用語は、オクテニルコハク酸無水物(OSA)で処理された任意のデンプン(コーン、ワクシーメイズ、ワクシーコーン、小麦、タピオカおよびジャガイモなどの任意の天然源からのもの、あるいは合成されたもの)を示す。置換度、すなわち、遊離した非エステル化ヒドロキシル基の数に対するOSAでエステル化されたヒドロキシル基の数は、通常、0.1%〜10%の範囲、好ましくは0.5%〜4%の範囲、より好ましくは3%〜4%の範囲で異なる。OSA−デンプンは、「食品用加工デンプン」という語句でも知られている。
【0027】
「OSA−デンプン」という用語は、例えば、商品名HiCap 100、Capsul(オクテニルブタン二酸アミロデキストリン)、Capsul HS、Purity Gum 2000、Clear Gum Co03、UNI−PURE、HYLON VIIでNational Starchから;それぞれ、National StarchおよびRoquette Freresから;商品名C
*EmCapでCereStarから、あるいはTate&Lyleから市販されているようなデンプンも包含する。
【0028】
本発明の好ましい実施形態では、例えば、HiCap 100(National Starchから)およびClearGum Co03(Roquette Freresから)などの市販の食品用加工デンプンが使用される。このようなデンプンまたはOSAデンプンは一般に、国際公開第2007/090614号パンフレットに開示される方法に従って、特に、国際公開第2007/090614号パンフレットの実施例28、35および/または36に記載される手順に従ってさらに改善される場合に特に有利である。
【0029】
従って、本発明のさらに改善された実施形態では、このような市販のデンプンは、使用前に、水溶液または懸濁液として遠心分離されている。遠心分離は、水溶液または懸濁液中の加工多糖の乾燥質量含量に応じて、1000〜20000gで実行され得る。水溶液または懸濁液中の加工多糖の乾燥質量含量が高ければ、適用される遠心分離力も高い。例えば、加工多糖の乾燥質量含量が30重量%である水溶液または懸濁液の場合、所望の分離を達成するために12000gの遠心分離力が適切であり得る。
【0030】
遠心分離は、2〜99℃の範囲、好ましくは10〜75℃の範囲、最も好ましくは40〜60℃の範囲の温度において、0.1〜60重量%の範囲、好ましくは10〜50重量%の範囲、最も好ましくは15〜40重量%の範囲の乾燥物質含量で実行され得る。
【0031】
[化合物c)−「糖類」]
本発明との関連での「糖類」という用語は、単糖、二糖、オリゴ糖および多糖、ならびにこれらの任意の混合物を包含する。
【0032】
単糖の例は、フルクトース、グルコース(=デキストロース)、マンノース、ガラクトース、ソルボース、およびこれらの任意の混合物である。
【0033】
好ましい単糖は、グルコースおよびフルクトース、ならびにこれらの任意の混合物である。
【0034】
本発明との関連での「グルコース」という用語は、純粋な物質だけでなく、DEが90以上であるグルコースシロップも意味する。これは、他の単糖にも当てはまる。
【0035】
「デキストロース当量」(DE)という用語は加水分解度を示し、乾燥重量に基づいてD−グルコースとして計算される還元糖の量の尺度であり、スケールは、DEが0に近い天然デンプンと、DEが100であるグルコースとを基準とする。
【0036】
二糖の例は、サッカロース、イソマルトース、ラクトース、マルトースおよびニゲロース、ならびにこれらの任意の混合物である。
【0037】
オリゴ糖の例はマルトデキストリンである。
【0038】
多糖の例はデキストリンである。
【0039】
単糖および二糖の混合物の例は転化糖(グルコース+フルクトース+サッカロース)である。
【0040】
単糖および多糖の混合物は、例えば、商品名Glucidex IT 47(Roquette Freresから)、Dextrose Monohydrate ST(Roquette Freresから)、Sirodex 331(Tate&Lyleから)およびGlucamyl F 452(Tate&Lyleから)で市販されている。
【0041】
本発明の実施形態では、糖類c)は、DEが95であるグルコースシロップと、DEが47であるグルコースシロップとの1:1の重量比の混合物である。
【0042】
グルコースシロップのこのような混合物は、糖類c)の好ましい例である。
【0043】
[化合物a)〜d)の量]
[化合物a)の量]
本発明に従う液体製剤は、液体製剤の全重量に基づいて、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5.0重量%、さらにより好ましくは0.5〜3.0重量%、最も好ましくは1.0〜3.0重量%の少なくとも1つのカロテノイドを含み、最も好ましいカロテノイドはβ−カロテンおよび8’−アポ−β−カロテナールである。
【0044】
[化合物b)の量]
本発明に従う液体製剤は、液体製剤の全重量に基づいて、好ましくは20〜60重量%、より好ましくは30〜50重量%の食品用加工デンプンを含み、好ましい食品用加工デンプンは、市販のOSA−デンプンである。市販のOSA−デンプンは、好ましくは、例えば国際公開第2007/090614号パンフレットに開示される(例えば、遠心分離および精密ろ過)ように、不溶性部分を分離することによってさらに改善される。2つ以上の食品用加工デンプンの混合物が存在する場合、その全量も上記の範囲内である。
【0045】
[化合物c)の量]
本発明に従う液体製剤は、液体製剤の全重量に基づいて、好ましくは0.5〜60重量%)、より好ましくは0.5〜30重量%、さらにより好ましくは0.5〜20重量%および0.5〜20重量%、最も好ましくは1.0〜10重量%の糖類を含む。
【0046】
糖類c)がグルコースと、DEが60以下であるグルコースシロップとの混合物である場合、グルコースの量は、液体製剤の全重量に基づいて、好ましくは0〜30重量%の範囲、より好ましくは0〜10重量%の範囲であり、かつ/あるいは(好ましくは、かつ)、DEが60以下であるグルコースシロップの量は、液体製剤の全重量に基づいて、好ましくは1〜30重量%の範囲、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
【0047】
[化合物d)の量]
本発明に従う液体製剤は、液体製剤の全重量に基づいて、好ましくは35〜75重量%、より好ましくは45〜65重量%の水を含む。
【0048】
本発明の最も好ましい実施形態では、各化合物a)〜d)の全ての好ましい量が実現される。
【0049】
しかしながら、例えば、以下に記載されるように化合物e)および/または化合物f)および/または化合物g)として付加的な化合物が存在する場合、水の量はそれに応じて低減される。
【0050】
本発明の液体製剤の好ましい実施形態では、化合物a)〜g)以外の化合物は存在せず、化合物e)、f)およびg)は互いに独立して任意選択される。それは、本発明の液体製剤の好ましい実施形態が次の通りであることを意味する:
− 化合物a)〜d)のみからなる液体製剤、
− 化合物a)〜e)のみからなる液体製剤、
− 化合物a)〜f)のみからなる液体製剤、
− 化合物a)〜g)のみからなる液体製剤。
【0051】
本発明の液体製剤のさらに好ましい実施形態では、以下の化合物はどれも存在しない:
− アラビアガム;アカシアガム;ガティガム;
− ゼラチン(魚、豚、牛)などの任意のタンパク質;
− 任意の植物タンパク質;
− 任意の乳タンパク質;
− リグニンスルホン酸塩;
− 例えば、国際公開第2011/039336号パンフレットに開示されるような植物ガムおよび食品用加工デンプンの結合体;
− 乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)なし。
【0052】
さらに、食品用加工デンプンb)が使用前に遠心分離された、本発明に従うこのような透明液体製剤が好ましい。
【0053】
有利に、透明液体製剤の内部相の粒径は、100〜250nmの範囲、好ましくは110〜210nmの範囲、より好ましくは130〜190nmの範囲である。
【0054】
[本発明に従う液体製剤の付加的な化合物]
適切に、本発明の液体製剤は、水溶性酸化防止剤(化合物e))、脂溶性酸化防止剤(化合物f))およびMCT(中鎖トリグリセリド)(化合物g))からなる群から選択される1つまたは複数の付加的な化合物を(さらに)含有する。
【0055】
[化合物e):水溶性酸化防止剤]
適切な水溶性酸化防止剤は当業者に知られている。好ましくは、食品および飲料におけるその適用が承認されている水溶性酸化防止剤が使用される。
【0056】
好ましい水溶性酸化防止剤は、クエン酸、クエン酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩(好ましくはアスコルビン酸ナトリウム)、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0057】
好ましい水溶性酸化防止剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムおよびクエン酸である。
【0058】
好ましくは、本発明に従う液体製剤中の水溶性酸化防止剤の全量は、液体製剤の全重量に基づいて、0.1〜4.0重量%の範囲であり、より好ましくは、0.1〜2.0重量%の範囲である。
【0059】
[化合物f):脂溶性酸化防止剤]
適切な脂溶性酸化防止剤は当業者に知られている。好ましくは、食品および飲料におけるその適用が承認されている脂溶性酸化防止剤が使用される。
【0060】
好ましい脂溶性酸化防止剤は、トコフェロール、例えば、dl−α−トコフェロール(すなわち、合成トコフェロール)、d−α−トコフェロール(すなわち、天然トコフェロール)、β−もしくはγ−トコフェロール、またはこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0061】
最も好ましい脂溶性酸化防止剤はdl−α−トコフェロールである。
【0062】
好ましくは、本発明に従う液体製剤中の脂溶性酸化防止剤の全量は、液体製剤の全重量に基づいて、0〜1.5重量%の範囲であり、より好ましくは0.01〜1.0重量%の範囲であり、最も好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲である。
【0063】
[化合物g)]
本発明に従う好ましい液体製剤は、液体製剤の全重量に基づいて、好ましくは0〜5.0重量%の範囲の量、より好ましくは0.01〜1.0重量%の範囲の量、最も好ましくは0.5〜1.0重量%の範囲の量のMCT(中鎖トリグリセリド)を含有する。
【0064】
本発明に従う別の好ましい液体製剤は、ほんの少量の油を含有する。本発明との関連での「油」という用語は、MCTを包含しない。
【0065】
好ましくは、本発明に従う液体製剤は、液体製剤の全重量に基づいて、最大でも3重量%の量の油、より好ましくは最大でも2重量%の量の油、さらにより好ましくは最大でも1重量%の量の油しか含有しない。本発明の最も好ましい実施形態では、液体製剤は、MCT以外の油を少しも含有しない。
【0066】
本発明との関連での「油」という用語は、コーン油、ヒマワリ油、大豆油、ベニバナ油、菜種油、ピーナッツ油、ヤシ油、パーム核油、綿実油、オリーブ油またはココナッツ油のような植物油または脂肪などのグリセロールおよび任意のトリグリセリドを包含する(「油」という用語がMCTを包含しないことを除く)。
【0067】
油は、任意の起源に由来し得る。油は、天然油、変性油または合成油であり得る。油が天然である場合、植物油または動物油であり得る。本発明との関連での「油」という用語は、従って、キャノーラ油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アーモンド油、カシュー油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、プラカキシ(pracaxi)油、ピーカン油、松の実油、ピスタチオ油、サチャインチ(sacha Inchi)(プルケネティア・ボルビリス(Plukenetia volubilis))油、くるみ油または多価不飽和脂肪酸(=「PUFA」)(例えば、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびγ−リノレン酸)、ならびにPUFAのトリグリセリドおよびPUFAのエステル(例えば、PUFAのエチルエステル)も包含する。
【0068】
本発明に従う透明液体製剤は、飲料の濃縮、強化および/または着色のために使用され、前記使用は本発明のさらなる態様である。さらに、本発明は、このような透明液体製剤を含有する飲料に関する。特に適切な飲料はソフトドリンクである。このようなソフトドリンクは、一般に、2.5〜5.0の範囲のpH、好ましくは3.0〜3.5の範囲のpHを有する。
【0069】
[本発明に従う組成物の製造方法]
本発明はさらに、以下のステップ:
i)カロテノイドa)の有機溶媒中の溶液を形成し、任意選択で、脂溶性酸化防止剤f)および/またはMCT(化合物g))を添加するステップと、
ii)食品用加工デンプンb)と、糖類c)と、任意選択で水溶性酸化防止剤e)とを水中に溶解させて、マトリックスを得るステップと、
iii)ステップi)で得られた溶液を、ステップii)で得られたマトリックス中に乳化させて、エマルションを得るステップと、
iv)ステップiii)で得られたエマルションから有機溶媒を除去するステップと
を含む、本発明に従う透明液体製剤の製造方法に関する。
【0070】
ステップは、以下でより詳細に説明される。
【0071】
[ステップi)]
油も添加することができるが、MCT以外は添加しないことが好ましい。しかしながら、添加する場合には、全てのステップを実施した後に得られる液体製剤中の油の最終量が上記の通りであるような量が選択される。
【0072】
他の化合物にも同じことが当てはまり、カロテノイドa)、脂溶性酸化防止剤f)およびMCTの量は、全てのステップを実施した後に得られる液体製剤中のこれらの化合物の最終量が上記の通りであるように選択される。
【0073】
溶媒の量および溶解温度は、カロテノイドa)、脂溶性酸化防止剤f)、MCT(存在する場合)、および油(存在する場合)を完全に溶解させるように選択される。通常、溶液を得るために、このステップにおいて存在する全ての化合物を混合する際に得られる懸濁液を加熱することが必要である。好ましくは、懸濁液が加熱される温度は、40〜90℃の範囲であり、より好ましくは、温度は40〜86℃の範囲である。溶液が得られたら、通常、加熱される前の温度で保持される。
【0074】
[ステップii)]
好ましくは、このステップは、50〜70℃の範囲の温度、より好ましくは55℃〜67℃の範囲の温度、さらにより好ましくはほぼ60℃の温度で実施される。
【0075】
ステップii)を実施した後に得られるマトリックスは、次に、好ましくは25〜65℃の範囲の温度、より好ましくは29℃〜66℃の範囲の温度、さらにより好ましくは29〜56℃の範囲の温度で保持される。ステップii)が実施された温度に応じて、マトリックスをこのような温度まで冷却するか、あるいはこのような温度まで加熱することが必要であり得る。ほとんどの場合、ステップii)が実施される温度およびマトリックスが保持される温度は、冷却ステップが必要であるように選択される。
【0076】
[ステップiii)]
好ましくは、このステップは、エマルションを得るために、25〜100℃の範囲の混合温度、より好ましくは30〜80℃の範囲の混合温度、さらにより好ましくは35℃〜75℃の範囲の混合温度で実施される。
【0077】
乳化は、ロータ−ステータ装置もしくは高圧ホモジナイザまたはその両方を用いることにより達成することができる。当業者に既知のその他の装置も使用され得る。
【0078】
ロータ−ステータ装置および/または高圧ホモジナイザが使用される場合、100〜1000バールの範囲、より好ましくは150〜300バールの範囲の圧力降下が適用されるのが好ましい。
【0079】
[ステップiv)]
有機溶媒は、例えば、薄膜蒸発器カスケードを用いることによって除去され得る(好ましい)。当業者に既知のその他の方法も適用可能である。
【0080】
ステップi)〜iv)を実施した後に得られる透明液体製剤は、それ自体が有利に使用される(好ましい選択肢)。しかしながら、これらは、当業者に知られている任意の方法によって、例えば、噴霧乾燥、噴霧乾燥と流動床顆粒化との組み合わせによって、あるいはパウダーキャッチ技術(噴霧されたエマルション滴がデンプンなどの吸収剤の床に捕捉され、続いて乾燥される)によって乾燥されることも可能である。これらの乾燥形態(粉末)は次に、飲料、特にソフトドリンクに添加することもできる。
【0081】
本発明の他の態様は、上記の液体製剤を含有する飲料である。
【0082】
本発明の液体製剤が着色剤または機能性成分として使用され得る飲料は、炭酸飲料、例えば、フレーバーセルツァ水、ソフトドリンクまたはミネラルドリンク、ならびに非炭酸飲料、例えば、フレーバー水、果実ジュース、果実パンチ、およびこれらの飲料の濃縮形態であり得る。これらは、天然果実もしくは野菜ジュースまたは人工フレーバーに基づいていてもよい。またアルコール飲料も含まれる。糖含有飲料の他に、ノンカロリーおよび人口甘味料を有するダイエット飲料も含まれる。特に好ましいのは、好ましくは2.5〜5.0の範囲のpH、より好ましくは3.0〜3.5の範囲のpHを有するソフトドリンクである。
【0083】
本発明の液体製剤によって飲料に添加されるカロテノイド、特にβ−カロテンおよび8’−アポ−β−カロテナールの最終濃度は、飲料の全重量に基づいて、そして着色または強化される特定の飲料と、意図される着色または強化の度合いとに応じて、0.1〜50ppm、特に1〜30ppm、より好ましくは3〜20ppmであり得る。
【0084】
飲料の着色または強化のために、本発明の液体製剤は、エマルションまたは懸濁液の用途のためにそれ自体知られている方法に従って使用することができる。
【0085】
有利に、本発明に従う液体製剤を含有する飲料も透明および/または色安定性であり、好ましくは、透明および色安定性である。本発明との関連での「色安定性」は、初期の色と、3か月の貯蔵時間後の色との間の色差DE
*が10よりも小さくなければならない(DE
*<10)ことを意味する。DE
*<10は、肉眼で、すなわち比色計などの装置を使用しないと、色差が見えないことを意味する。
【0086】
本発明は、液体、特に飲料(例えば、ソフトドリンクなど)において使用される場合に、(低温殺菌の後でも、そして低pHにおいても)透明な液体、すなわち透明飲料を得ることを可能にする、透明で安定性の液体カロテノイド製剤に関する。
【0087】
以下の非限定的な実施例によって本発明はさらに説明される。
【0088】
[実施例]
[実施例1〜16:本発明に従う透明液体製剤の製造]
以下の一般的手順に従い、表1−1および表1−2に詳細に示されるような化合物(カロテノイド、食品用加工デンプン、糖類、酸化防止剤、水)の量および処理パラメータを用いて実施例を実行した。溶媒として、炭酸ジメチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルtert−ブチルエーテルおよび塩化メチレンからなる群から選択される有機溶媒を使用した。溶媒の量および溶解温度は、カロテノイドおよび脂溶性酸化防止剤およびMCT(存在する場合)を完全に溶解させるように選択した。
【0089】
使用した食品用加工デンプンは、使用前に遠心分離した。
【0090】
[一般的手順]
表1−1または表1−2で与えられるような量のカロテノイドおよび脂溶性酸化防止剤を、表1−1または表1−2で与えられるような量の有機溶媒中にそれぞれ分散させる。表1−1/表1−2で与えられるような食品用加工デンプン(=OSAデンプン)、糖類および水溶性酸化防止剤からなるマトリックス相を、表1−1/表1−2で与えられるような量の水中に60℃で溶解させる。溶解の後、表1−1/表1−2で与えられるような温度までマトリックスを冷却する。
【0091】
懸濁液を表1−1/表1−2で与えられるような温度まで加熱し、カロテノイドの全量を溶解させる。次に、保持容器内でこの溶液を表1−1/表1−2で与えられるような温度に保持する。乳化プロセスは2段階からなり、圧力下で実行される。両方の相をロータ・ステータ装置に連続的に供給し、そこで溶液をマトリックス相内に乳化させる。回転速度は5000rpm(回転/分)であり、混合温度は表1−1/表1−2で与えられる通りである。次のステップは第2の微粉化ステップを伴い、サファイアオリフィスからなる。オリフィス直径は表1−1/表1−2で与えられる通りであり、オリフィスに関して適用される圧力降下は、表1−1/表1−2で与えられるような温度において、表1−1/表1−2で与えられる。このオリフィスに関して、理論的に10回の通過回数が適用される。
【0092】
次に、薄膜蒸発器カスケードを用いることにより、エマルションから有機溶媒を除去する。
【0093】
実施例の結果は以下に要約される。内部相の粒径は、Photo Colleration分光法(Beckman Coulter N4 Plus Submicron Particle Sizer)により測定した。
【0094】
[実施例1]
最終生成物は、2.8%の8’−アポ−β−カロテナール含量、E1/1=1625、内部相の粒径198nm、ならびに26.7NTU(8’−アポ−β−カロテナールの濃度が10ppmである水中で測定)および25.6NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0095】
[実施例2]
最終生成物は、1.9%の8’−アポ−β−カロテナール含量、E1/1=1460、内部相の粒径159nm、ならびに10.9NTU(8’−アポ−β−カロテナールの濃度が10ppmである水中で測定)11.0NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0096】
[実施例3]
最終生成物は、1.7%の8’−アポ−β−カロテナール含量、E1/1=1531、内部相の粒径155nm、ならびに7.6NTU(8’−アポ−β−カロテナールの濃度が10ppmである水中で測定)および8.4NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0097】
[実施例4]
最終生成物は、3.9%の8’−アポ−β−カロテナール含量、E1/1=1587、内部相の粒径158nm、ならびに10.9NTU(8’−アポ−β−カロテナールの濃度が10ppmである水中で測定)および12.8NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0098】
[実施例5]
最終生成物は、1.9%のβ−カロテン含量、E1/1=1513、内部相の粒径118nm、ならびに11.9NTU(β−カロテンの濃度が10ppmである水中で測定)および13.0NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0099】
[実施例6]
この実施例では、親油性の液体、すなわち18gのMCT(中鎖トリグリセリド)も添加した。
【0100】
最終生成物は、2.2%のβ−カロテン含量、E1/1=1473、内部相の粒径146nm、ならびに14.9NTU(β−カロテンの濃度が10ppmである水中で測定)および15.9NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0101】
[実施例7]
この実施例では、脂溶性酸化防止剤は使用しなかったが、補助剤として、4gのMCT(中鎖トリグリセリド)である親油性の液体を使用した。
【0102】
最終生成物は、1.9%のβ−カロテン含量、E1/1=1423、内部相の粒径136nm、ならびに22.7NTU(β−カロテンの濃度が10ppmである水中で測定)および23.9NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0103】
[実施例8]
最終生成物は、2.8%の8’−アポ−β−カロテナール含量、E1/1=1371、内部相の粒径183nm、ならびに12.1NTU(8’−アポ−β−カロテナールの濃度が10ppmである水中で測定)および13.4NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0104】
[実施例9]
最終生成物は、2.1%の8’−アポ−β−カロテナール含量、E1/1=1519、内部相の粒径160nm、ならびに9.9NTU(8’−アポ−β−カロテナールの濃度が10ppmである水中で測定)および7.5NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0105】
[実施例10]
最終生成物は、2.4%のβ−カロテン含量、E1/1=1470、内部相の粒径138nm、ならびに8.1NTU(β−カロテンの濃度が10ppmである水中で測定)および9.0NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0106】
[実施例11]
最終生成物は、2.5%のβ−カロテン含量、E1/1=1322、内部相の粒径207nm、ならびに19.4NTU(β−カロテンの濃度が10ppmである水中で測定)および18.8NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0107】
[実施例12]
最終生成物は、2.0%のβ−カロテン含量、E1/1=1288、内部相の粒径193nm、ならびに11.1NTU(β−カロテンの濃度が10ppmである水中で測定)および11.7NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0108】
[実施例13]
最終生成物は、2.1%のβ−カロテン含量、E1/1=1326、内部相の粒径184nm、ならびに10.3NTU(β−カロテンの濃度が10ppmである水中で測定)および10.5NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0109】
[実施例14]
最終生成物は、2.1%の8’−アポ−β−カロテナール含量、E1/1=1446、内部相の粒径183nm、ならびに15.1NTU(8’−アポ−β−カロテナールの濃度が10ppmである水中で測定)および17.7NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0110】
[実施例15]
この実施例では、脂溶性酸化防止剤は使用しなかったが、補助剤として、5gのMCT(中鎖トリグリセリド)である親油性の液体を使用した。
【0111】
最終生成物は、3.0%の8’−アポ−β−カロテナール含量、E1/1=1505、内部相の粒径157nm、ならびに16.4NTU(8’−アポ−β−カロテナールの濃度が10ppmである水中で測定)および10.4NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0112】
[実施例16]
最終生成物は、2.1%のβ−カロテン含量、E1/1=1314、内部相の粒径145nm、ならびに34.1NTU(β−カロテンの濃度が10ppmである水中で測定)および32.8NTU(以下の指示に従って調製されたソフトドリンク中で測定)の濁度を有する。
【0113】
[実施例1〜7に従う液体製剤を用いた適用試験]
実施例1〜7に従う液体製剤を、カロテノイド、すなわち8’−アポ−β−カロテナールまたはβ−カロテンの濃度が10ppmであるソフトドリンクに適用した。これらの試験の目的は、透明飲料におけるその適用のために、これらのサンプルの性能を評価することである。透明飲料の場合、液体製剤は、非常に低い(できる限り低い)濁度値を提供しなければならず、濁度は貯蔵時間を通して安定でなければならない。さらに、液体製剤は、良好な色安定性および良好な外観性能(リンギング(ringing)なし、表面の粒子の不在、および沈降物なし)を提供しなければならない。
【0114】
[実施例8〜16に従う液体製剤を用いた適用試験]
実施例8〜16に従う液体製剤も、カロテノイド、すなわち8’−アポ−β−カロテナールまたはβ−カロテンの濃度が10ppmであるソフトドリンクに適用した。しかしながらここでは、初期濁度のみを測定した。結果は上記の通りである。
【0115】
[ソフトドリンクの調製]
ソフトドリンクは以下の組成を有した。
【0116】
【表1】
【0117】
ソフトドリンクは、以下のように調製した:
ソルビン酸カリウム1)を水中に溶解し、混合物を穏やかに攪拌しながら、他の成分2)を順々に添加した。次に、得られたソフトドリンクシロップを、1000mlのソフトドリンクをもたらすような量の飲料水で希釈した。ソフトドリンクのpHは3.0〜3.5の範囲であった。
【0118】
次に、ソフトドリンクをガラスボトルに満たし、ボトルを金属キャップで密封した。これらのボトルの一部を低温殺菌し、一部をしなかった。ボトルを室温(18〜27℃の範囲の温度)および露光下で貯蔵した。飲料の調製(時間=0)後、ならびに2週間、30日間、60日間および90日間の貯蔵時間の後に、色および濁度の測定を直接実施した。
【0119】
[低温殺菌]
ソフトドリンクの低温殺菌を水浴中で実行した。低温殺菌の間に温度を管理するために、水および温度計を含有する参照ボトルを使用した。ボトル(ガラスボトル/200ml)を85℃の温度の温水浴に入れた。ボトル内の温度が80℃に達したら、ボトルをさらに1分間水浴中に入れたままにした。低温殺菌の後、ボトルを室温まで急速に冷却した(冷水を使用)。
【0120】
[色の測定]
食品における適用のための色の測定は、分光光度計以外にヒトの眼による色の精神物理的認知に従って色値を表すことができる比色計(Hunter Lab Ultra Scan Pro)を用いて実施される。色の測定は、CIEガイドライン(Commission International d’Eclairage)に従って実行される。値は平面座標L
*a
*b
*のいずれかで表すことができ、L
*は明度の測定値であり、a
*は赤−緑軸上の値であり、b
*は黄−青軸上の値である。
【0121】
[機器の設定:]
・カラースケール:CIE L
*a
*b
*/L
*C
*h
*
・光源定義:D65日光等価物(daylight equivalent)
・ジオメトリ:拡散/8°
・波長:5nmの光学的分解能における350〜1050nmの走査
・サンプル測定領域直径:19mm(大)
・較正モード:透過/白色タイル
【0122】
色差DE
*は、以下の式:
【数1】
(式中、L=明度、a=赤色値、およびb=黄色値
ΔL
*=L
x*−L
0*;0=初期値;x=測定時
Δa
*=a
x*−a
0*;0=初期値;x=測定時
Δb
*=b
x*−b
0*;0=初期値;x=測定時)
を用いて計算される。
【0123】
良好な色安定性のために、DE
*は10よりも小さくなければならない(DE
*<10)。これは、肉眼で、すなわち比色計などの装置を使用しないと、色差が見えないことを意味する。
【0124】
[濁度の測定]
懸濁された固体(または粒子)は、ジュースを含有する飲料の濁った外観の原因となる。この濁った外観は、濁度測定によって評価することができる。濁度はこのような粒子の光散乱特性、そのサイズ、その形状およびその屈折率に依存する。この研究では、濁度計(Hach 2100N IS(登録商標)、USA)を用いて濁度測定を実行し、濁度値は、NTU(nephelometric turbidity unit)で示した。比濁計(neophelometer)は、サンプルによって入射光路から90°散乱された光を測定する(
図1を参照)。
【0125】
図1は、比濁分析による濁度測定の原理を示す。機器設定:光源:860±10nmLED。
【0126】
[8’−アポ−β−カロテナールを含有するソフトドリンク(実施例1〜4に従う液体製剤)に関する結果]
[a)色差]
貯蔵の間の色差の測定に関する結果は
図2および3に示される。
【0127】
図2は、3か月までの貯蔵時間の間の非低温殺菌ソフトドリンクの色差(DE
*)を示す。
x軸:貯蔵時間(日数)、y軸:色差(DE
*)(無次元)。
1=実施例1に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
2=実施例2に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
3=実施例3に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
4=実施例4に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
【0128】
全てのサンプルは、非常に良好な色差(DE
*<10)および類似の色安定性を示した。
【0129】
図3は、3か月までの貯蔵時間の間の低温殺菌ソフトドリンクの色差(DE
*)を示す。
x軸:貯蔵時間(日数)、y軸:色差(DE
*)(無次元)。
1=実施例1に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
2=実施例2に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
3=実施例3に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
4=実施例4に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
【0130】
全てのサンプルは、非常に良好な色差(DE
*<10)および類似の色安定性を示した。
【0131】
[b)濁度]
貯蔵の間の濁度の測定に関する結果は、
図4および5に示される。
【0132】
図4は、3か月までの貯蔵時間の間の非低温殺菌ソフトドリンクの濁度を示す。
x軸:貯蔵時間(日数)、y軸:濁度(NTU)。
1=実施例1に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
2=実施例2に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
3=実施例3に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
4=実施例4に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
【0133】
濁度は時間と共にわずかに増大したが、透明飲料として受け入れられる範囲内であった。
【0134】
図5は、3か月までの貯蔵時間の間の低温殺菌ソフトドリンクの濁度を示す。
x軸:貯蔵時間(日数)、y軸:濁度(NTU)。
1=実施例1に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
2=実施例2に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
3=実施例3に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
4=実施例4に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
【0135】
濁度は時間と共にわずかに増大したが、透明飲料として受け入れられる範囲内であった。
【0136】
[c)物理的外観]
3か月の貯蔵の後、非低温殺菌ソフトドリンクおよび低温殺菌ソフトドリンクを、その物理的外観に関して視覚的に評価した。これにより、サンプルがボトルネックにリングを示すかどうか、表面に粒子を示すかどうか、そして白色沈降物を示すかどうかについて、サンプルを視覚的に検査した。以下の注釈の一覧を適用した。
【0137】
[ボトルネックのリング:]
6=リングなし
5=ほとんど目立たないリング
4=認識可能なリング
3=認識可能な明確で細いリング
2=認識可能な強固なリング
1=認識可能な幅広のリング
【0138】
[表面の粒子:]
6=粒子なし
5=1〜10個の粒子
4=10個よりも多い粒子
3=もはや数えられない
2=表面の半分を被覆
1=表面の半分よりも多くを被覆
【0139】
[白色沈降物:]
6=沈降物なし
5=わずかなマット状微小片
4=細かいマット状沈降物
3=マット状沈降物
2=強固なマット状沈降物
1=非常に強固なマット状沈降物
【0140】
良好な性能のためには、スコアは3以上でなければならない。
【0141】
表2は、非低温殺菌ソフトドリンクの外観評価について得られた結果を示す。
【0142】
【表2】
【0143】
全てのサンプルはその外観属性に関して非常に良好な性能を示した。
【0144】
表3は、低温殺菌ソフトドリンクの外観評価について得られた結果を示す。
【0145】
【表3】
【0146】
低温殺菌ドリンクにおいても、全てのサンプルはその外観属性に関して非常に良好な性能を示した。
【0147】
[β−カロテンを含有するソフトドリンク(実施例5〜7に従う液体製剤)に関する結果]
[a)色差]
貯蔵の間の色差の測定に関する結果は
図6および7に示される。
【0148】
図6は、3か月までの貯蔵時間の間の非低温殺菌ソフトドリンクの色差(DE
*)を示す。
x軸:貯蔵時間(日数)、y軸:色差(DE
*)(無次元)。
5=実施例5に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
6=実施例6に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
7=実施例7に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
【0149】
全てのサンプルは、非常に良好な色差(DE
*<10)および色安定性を示した。
【0150】
図7は、3か月までの貯蔵時間の間の低温殺菌ソフトドリンクの色差(DE
*)を示す。
x軸:貯蔵時間(日数)、y軸:色差(DE
*)(無次元)。
5=実施例5に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
6=実施例6に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
7=実施例7に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
【0151】
全てのサンプルは、非常に良好な色差(DE
*<10)および色安定性を示した。
【0152】
[b)濁度]
貯蔵の間の濁度の測定に関する結果は、
図8および9に示される。
【0153】
図8は、3か月までの貯蔵時間の間の非低温殺菌ソフトドリンクの濁度を示す。
x軸:貯蔵時間(日数)、y軸:濁度(NTU)。
5=実施例5に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
6=実施例6に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
7=実施例7に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
【0154】
濁度は時間と共にわずかに増大したが、透明飲料として受け入れられる範囲内であった。
【0155】
図9は、3か月までの貯蔵時間の間の低温殺菌ソフトドリンクの濁度を示す。
x軸:貯蔵時間(日数)、y軸:濁度(NTU)。
5=実施例5に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
6=実施例6に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
7=実施例7に従う液体製剤を含有するソフトドリンク。
【0156】
濁度は時間と共にわずかに増大したが、透明飲料として受け入れられる範囲内であった。
【0157】
[c)物理的外観]
3か月の貯蔵の後、非低温殺菌ソフトドリンクおよび低温殺菌ソフトドリンクを、その物理的外観に関して視覚的に評価した。これにより、サンプルがボトルネックにリングを示すかどうか、表面に粒子を示すかどうか、そして白色沈降物を示すかどうかについて、サンプルを視覚的に検査した。以下の注釈の一覧を適用した。
【0158】
[ボトルネックのリング:]
6=リングなし
5=ほとんど目立たないリング
4=認識可能なリング
3=認識可能な明確で細いリング
2=認識可能な強固なリング
1=認識可能な幅広のリング
【0159】
[表面の粒子:]
6=粒子なし
5=1〜10個の粒子
4=10個よりも多い粒子
3=もはや数えられない
2=表面の半分を被覆
1=表面の半分よりも多くを被覆
【0160】
[白色沈降物:]
6=沈降物なし
5=わずかなマット状微小片
4=細かいマット状沈降物
3=マット状沈降物
2=強固なマット状沈降物
1=非常に強固なマット状沈降物
【0161】
良好な性能のためには、スコアは3以上でなければならない。
【0162】
表4は、非低温殺菌ソフトドリンクの外観評価について得られた結果を示す。
【0163】
【表4】
【0164】
全てのサンプルはその外観属性に関して非常に良好な性能を示した。
【0165】
表5は、低温殺菌ソフトドリンクの外観評価について得られた結果を示す。
【0166】
【表5】
【0167】
全てのサンプルはその外観属性に関して非常に良好な性能を示した。
【0168】
【表6】
【0169】
【表7】
【0170】
【表8】
【0171】
【表9】
【0172】
【表10】
【0173】
【表11】
【0174】
【表12】