(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記従来の蓄電素子において、容器の内部が過熱した場合でも、隣接する蓄電素子への影響を小さく抑える必要がある。このため、容器から熱が放出されて隣接する蓄電素子に影響を及ぼさないように、容器に形成する絶縁被膜として熱伝導度の低い部材を用いることが考えられる。しかし、容器に熱伝導度の低い絶縁被膜を形成した場合、容器の内部に熱がこもってしまう。
【0006】
このように、上記従来の蓄電素子では、容器の内部が過熱した場合に、隣接する蓄電素子への影響を小さく抑えようとすれば、容器の内部に熱がこもってしまい、容器の内部の過熱を低減することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、容器の内部が過熱した場合でも、隣接する蓄電素子への影響を小さく抑えるとともに、容器の内部の過熱を低減することができる蓄電素子及び蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、容器を備える蓄電素子であって、前記容器は、容器本体と、前記容器本体の外面の異なる位置に形成された第一絶縁層と第二絶縁層とを有し、前記第一絶縁層は、前記第二絶縁層よりも熱伝導度が高い。
【0009】
これによれば、蓄電素子において、容器本体の外面の異なる位置に、第一絶縁層と第二絶縁層とが形成されており、第一絶縁層は、第二絶縁層よりも熱伝導度が高い。つまり、蓄電素子の内部が過熱して容器から熱が放出される場合に、第二絶縁層が形成されている位置からは熱の伝達を抑制し、第一絶縁層が形成されている位置からは熱を放出させるように、選択的に容器から熱を放出させることができる。このため、当該蓄電素子において、容器の内部が過熱した場合でも、隣接する蓄電素子に対しては熱を放出しないように選択的に容器から熱を放出させることで、隣接する蓄電素子への影響を小さく抑えるとともに、容器の内部の過熱を低減することができる。
【0010】
また、前記第一絶縁層は、前記容器本体の外面のうち、前記容器から放出される熱を冷却する冷却手段と対向する位置に形成されていることにしてもよい。
【0011】
これによれば、蓄電素子において、熱伝導度が高い第一絶縁層を冷却手段と対向する位置に形成することで、蓄電素子の内部から当該第一絶縁層を介して放出される熱を冷却手段で冷却することができる。このため、蓄電素子を外部から効率良く冷却して、容器の内部の過熱を低減することができる。
【0012】
また、前記第二絶縁層は、前記容器本体の外面のうち、隣接する蓄電素子と対向する位置に形成されていることにしてもよい。
【0013】
これによれば、蓄電素子において、熱伝導度が低い第二絶縁層を、隣接する蓄電素子と対向する位置に形成することで、当該第二絶縁層を介して当該隣接する蓄電素子に熱が伝達されるのを抑制し、当該熱による当該隣接する蓄電素子への影響を小さく抑えることができる。
【0014】
また、前記第二絶縁層は、熱伝導度が低い低熱伝導度絶縁層を少なくとも有しており、前記第一絶縁層は、前記低熱伝導度絶縁層を有することなく、前記低熱伝導度絶縁層よりも熱伝導度が高い高熱伝導度絶縁層を有していることにしてもよい。
【0015】
これによれば、第二絶縁層は、低熱伝導度絶縁層を少なくとも有し、第一絶縁層は、低熱伝導度絶縁層を有することなく高熱伝導度絶縁層を有するように形成することで、第一絶縁層を、第二絶縁層よりも熱伝導度が高く構成することができる。
【0016】
また、前記第一絶縁層は、前記高熱伝導度絶縁層であり、前記第二絶縁層は、前記低熱伝導度絶縁層であることにしてもよい。
【0017】
これによれば、第一絶縁層は高熱伝導度絶縁層であり、第二絶縁層は低熱伝導度絶縁層であるため、絶縁層を重ねると絶縁層の厚みが厚くなるが、第一絶縁層と第二絶縁層とを絶縁層を重ねない1層構造とすることで、厚みの薄い絶縁層を構成することができる。また、絶縁層を重ねないことで、絶縁材料の使用量を低減し、コストを低減することができる。
【0018】
また、前記容器本体は、前記容器本体の外面のうちの第一面と第二面とを覆うように、前記高熱伝導度絶縁層が形成されており、前記第二面に形成された前記高熱伝導度絶縁層上には、さらに前記低熱伝導度絶縁層が形成されており、前記第一絶縁層は、前記第一面に形成された前記高熱伝導度絶縁層であり、前記第二絶縁層は、前記第二面に形成された前記高熱伝導度絶縁層及び前記低熱伝導度絶縁層であることにしてもよい。
【0019】
これによれば、容器本体の第一面には第一絶縁層として高熱伝導度絶縁層が形成され、第二面には第二絶縁層として高熱伝導度絶縁層及び低熱伝導度絶縁層が形成されている。ここで、第一面と第二面とのいずれか一方に絶縁層を塗布などによって形成する場合には、第一面または第二面にマスキングを行う必要があるが、第一面と第二面との両方に絶縁層を形成する場合には、当該マスキングは不要である。このため、第一面と第二面との両方に高熱伝導度絶縁層を形成してから、第二面に低熱伝導度絶縁層を形成することで、マスキングの回数を低減させて、第一絶縁層と第二絶縁層とを形成することができる。
【0020】
また、前記第一絶縁層は、前記容器本体の底面に形成されており、前記第二絶縁層は、前記容器本体の側面に形成されていることにしてもよい。
【0021】
これによれば、第一絶縁層は、容器本体の底面に形成され、第二絶縁層は、容器本体の側面に形成されている。つまり、蓄電素子と隣接する側面には熱伝導度が低い第二絶縁層を配置し、冷却手段と接する底面には熱伝導度が高い第一絶縁層を配置することで、隣接する蓄電素子に熱が伝達されるのを抑制しつつ、底面から選択的に熱を放出させることができる。
【0022】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電モジュールは、上記のいずれかの第一絶縁層と第二絶縁層とが形成された容器を有する蓄電素子を複数備え、前記複数の蓄電素子は、前記第二絶縁層同士が対向するように配置されるとともに、前記第一絶縁層が冷却手段と対向する位置に配置されている。
【0023】
これによれば、蓄電モジュールにおいて、隣り合う蓄電素子に熱が伝達されるのを抑制しつつ、蓄電素子の内部から放出される熱を冷却手段で冷却することができる。これにより、一の蓄電素子の容器の内部が過熱した場合でも、隣接する他の蓄電素子への影響を小さく抑えるとともに、当該一の蓄電素子の容器の内部の過熱を低減することができる。
【0024】
なお、本発明は、このような蓄電素子または蓄電モジュールとして実現することができるだけでなく、当該蓄電素子に備えられる容器として実現することもできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明における蓄電素子によれば、容器の内部が過熱した場合でも、隣接する蓄電素子への影響を小さく抑えるとともに、容器の内部の過熱を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電素子、及び当該蓄電素子を備える蓄電モジュールについて説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0028】
(実施の形態)
まず、蓄電モジュール10の構成について、説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール10の外観を示す斜視図である。なお、同図は、外装体200を透視して外装体200内方を示した図となっている。
【0030】
また、同図では、Z軸方向を上下方向(設置状態での重力の作用する方向)として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。以下の図においても、同様である。
【0031】
なお、以下において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示しており、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向やZ軸方向についても同様である。
【0032】
蓄電モジュール10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる蓄電装置(電池モジュール)である。これらの図に示すように、蓄電モジュール10は、複数の蓄電素子100(本実施の形態では、5つの蓄電素子100)と、当該複数の蓄電素子100を収容する外装体200と、当該複数の蓄電素子100を冷却する冷却手段300とを備えている。
【0033】
なお、蓄電モジュール10は、隣り合う蓄電素子100同士を電気的に接続するバスバーや、複数の蓄電素子100の充電状態や放電状態を監視するための制御基板なども有しているが、これらの図示は省略し、詳細な説明も省略する。
【0034】
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。本実施の形態では、5個の矩形状の蓄電素子100が直列に配置されている。
【0035】
なお、蓄電素子100の個数は5個に限定されず、他の複数個数または1個であってもよい。また、蓄電素子100の形状も特に限定されない。また、蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。この蓄電素子100の構成の詳細な説明については、後述する。
【0036】
外装体200は、蓄電モジュール10の外装体を構成する矩形状の部材である。外装体200は、複数の蓄電素子100を所定の位置に配置し、複数の蓄電素子100を衝撃などから保護する。
【0037】
具体的には、外装体200は、複数の蓄電素子100を載置する載置部材と、複数の蓄電素子100の両側方に配置され当該複数の蓄電素子100を締結するための2つの締結部材と、当該2つの締結部材を接続する接続部材とを有している。これにより、外装体200内に複数の蓄電素子100が収容される。
【0038】
なお、外装体200は、上記の構成には限定されず、箱型の本体部分と蓋部分とを有しており、複数の蓄電素子100が収容される構成であってもかまわない。また、外装体200には、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電するための外部電極端子が設けられているが、図示及び詳細な説明は省略する。
【0039】
冷却手段300は、複数の蓄電素子100を冷却する部材であり、外装体200の底面部分に配置されている。つまり、冷却手段300は、複数の蓄電素子100の容器の底面に当接することで、当該複数の蓄電素子100のそれぞれの容器から放出される熱を冷却する。冷却手段300は、例えば、内方に冷却水や冷却用空気が配置される高熱伝導度の金属製の冷却板であり、蓄電素子100を水冷却または空気冷却する。
【0040】
なお、冷却手段300は、中実の金属製の冷却板であってもよいし、形状は板状でなくともよく、シート状や棒状などでもかまわない。また、冷却手段300は、固体でなくともよく、外装体200の底面部分に、冷却手段300としての冷却用空気(気体)または冷却水(液体)が流れる構成であってもよい。
【0041】
次に、蓄電素子100について、詳細に説明する。
【0042】
図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100の外観を示す斜視図である。また、
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100の容器110の容器本体111を分離して蓄電素子100が備える各構成要素を示す斜視図である。なお、同図では、蓄電素子100の容器110の第一絶縁層140及び第二絶縁層150は省略して図示している。
【0043】
これらの図に示すように、蓄電素子100は、容器110と、正極端子120と、負極端子130とを備えている。また、容器110は、容器本体111と、蓋体112と、第一絶縁層140と、第二絶縁層150とを有しており、容器110内方には、電極体113と、正極集電部材114と、負極集電部材115とが配置されている。
【0044】
なお、容器110の内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。また、蓋体112などには容器110内方の圧力を開放する安全弁が配置されていてもよい。
【0045】
容器110は、金属からなる矩形筒状で底を備え開口部111aが形成された容器本体111と、容器本体111の開口部111aを閉塞する金属製の蓋体112とを有している。また、容器110は、電極体113等を内部に収容後、蓋体112と容器本体111とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。また、容器110の外面には、第一絶縁層140及び第二絶縁層150が形成されている。この第一絶縁層140及び第二絶縁層150の構成の詳細な説明については、後述する。
【0046】
電極体113は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体113は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを全体が長円形状となるように巻回されて形成された巻回型の電極体である。なお、電極体113の形状は円形状または楕円形状でもよい。
【0047】
正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に、正極活物質層が形成された電極板である。なお、正極活物質層に用いられる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。例えば、正極活物質として、LiMPO
4、LiMSiO
4、LiMBO
3(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種又は2種以上の遷移金属元素)等のポリアニオン化合物、チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム等のスピネル化合物、LiMO
2(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種又は2種以上の遷移金属元素)等のリチウム遷移金属酸化物等を用いることができる。
【0048】
負極は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に、負極活物質層が形成された電極板である。なお、負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。例えば、負極活物質として、リチウム金属、リチウム合金(リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−錫、リチウム−アルミニウム−錫、リチウム−ガリウム、及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)、金属酸化物、リチウム金属酸化物(Li
4Ti
5O
12等)、ポリリン酸化合物などが挙げられる。
【0049】
正極端子120は、正極集電部材114を介して、電極体113の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子130は、負極集電部材115を介して、電極体113の負極に電気的に接続された電極端子である。
【0050】
つまり、正極端子120及び負極端子130は、電極体113に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体113に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。また、正極端子120及び負極端子130は、電極体113の上方に配置された蓋体112に取り付けられている。
【0051】
正極集電部材114は、電極体113の正極と容器110の側壁との間に配置され、正極端子120と電極体113の正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電部材114は、当該正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などを主成分とする金属で形成されている。
【0052】
負極集電部材115は、電極体113の負極と容器110の側壁との間に配置され、負極端子130と電極体113の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電部材115は、当該負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などを主成分とする金属で形成されている。
【0053】
次に、容器110が有する第一絶縁層140及び第二絶縁層150について、詳細に説明する。
【0054】
図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100を上下方向に切断した場合の容器110の構成を示す断面図である。具体的には、同図は、蓄電素子100をYZ平面で切断した場合の容器110が有する第一絶縁層140及び第二絶縁層150の構成を示す断面図であり、電極体113などの容器110の内部の構成要素は省略して図示している。
【0055】
図2及び
図4に示すように、第一絶縁層140及び第二絶縁層150は、容器110の容器本体111の外面の異なる位置に形成された絶縁性を有する絶縁層である。
【0056】
具体的には、第一絶縁層140は、容器本体111の底面に形成されている。つまり、第一絶縁層140は、容器本体111の底面に絶縁塗装が施されて形成された絶縁コート層である。さらに具体的には、第一絶縁層140は、容器本体111の底面を覆うように、当該底面に絶縁塗料を静電塗装することで形成された絶縁層である。
【0057】
第二絶縁層150は、容器本体111の側面に形成されている。つまり、第二絶縁層150は、容器本体111の4側面に絶縁塗装が施されて形成された絶縁コート層である。さらに具体的には、第二絶縁層150は、容器本体111の4側面を覆うように、当該4側面に絶縁塗料を静電塗装することで形成された絶縁層である。
【0058】
また、第二絶縁層150は、熱伝導度が低い低熱伝導度絶縁層170を少なくとも有している。本実施の形態では、第二絶縁層150は、低熱伝導度絶縁層170である。なお、熱伝導度が低いとは、熱伝導率が小さく、熱を伝え難い性質をいう。
【0059】
ここで、低熱伝導度絶縁層170(本実施の形態では、第二絶縁層150)の材質は、蓄電素子100に必要な絶縁性を確保できる低熱伝導度のものであれば特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂からなる粒子を塗装することによって低熱伝導度絶縁層170を形成することができる。なお、低熱伝導度絶縁層170に用いられる材質としては、エポキシ樹脂の他に、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、カプトン、テフロン(登録商標)、シリコン、ポリイソプレン、及びポリ塩化ビニルなどの絶縁性のポリマーを例示することができる。
【0060】
また、第二絶縁層150は、高硬度であることなどから絶縁塗装によって形成するのが好ましいが、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などの樹脂によって形成された絶縁テープを容器本体111の4側面に貼り付けることにより形成することにしてもよい。
【0061】
また、本実施の形態では、第二絶縁層150は、蓋体112の上面部(Z軸方向プラス側の面)にも配置されているが、第二絶縁層150は、蓋体112の上面部には配置されないような構成でもかまわない。
【0062】
また、第一絶縁層140は、第二絶縁層150よりも熱伝導度が高い絶縁層である。つまり、第一絶縁層140は、低熱伝導度絶縁層170を有することなく、低熱伝導度絶縁層170よりも熱伝導度が高い高熱伝導度絶縁層160を有している。本実施の形態では、第一絶縁層140は、高熱伝導度絶縁層160である。なお、熱伝導度が高いとは、熱伝導率が大きく、熱を伝え易い性質をいう。
【0063】
ここで、高熱伝導度絶縁層160(本実施の形態では、第一絶縁層140)の材質は、蓄電素子100に必要な絶縁性を確保できる高熱伝導度のものであれば特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂にアルミナとカーボンとからなるフィラー粒子を混ぜ込んだものを塗装することによって高熱伝導度絶縁層160を形成することができる。なお、エポキシ樹脂に代えて、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、カプトン、テフロン(登録商標)、シリコン、ポリイソプレン、及びポリ塩化ビニルなどの絶縁性のポリマーを用いることにしてもよい。
【0064】
また、第一絶縁層140は、第二絶縁層150と同様に、絶縁塗装によって形成するのが好ましいが、絶縁テープを容器本体111の底面に貼り付けることにより形成することにしてもよい。
【0065】
また、第一絶縁層140及び第二絶縁層150の厚みは、蓄電素子100に必要な絶縁性を確保できるのであれば特に限定されず、また、厚みのばらつきも均一な厚みとなっていなくともかまわないが、均一な厚みとなるのが好ましい。
【0066】
次に、蓄電素子100を製造する工程のうち、容器本体111及び蓋体112に、第一絶縁層140及び第二絶縁層150を配置する工程について、説明する。
【0067】
図5は、本発明の実施の形態に係る容器本体111に蓋体112を取り付ける工程を示す斜視図である。また、
図6は、本発明の実施の形態に係る蓋体112が取り付けられた容器本体111に第一絶縁層140及び第二絶縁層150を配置する工程を示す斜視図である。
【0068】
まず、
図5に示すように、容器本体111の開口部111aから、容器本体111の内方に、電極体113等を収容して、容器本体111の上に蓋体112を配置する。そして、容器本体111と蓋体112との境界部分にレーザ光線を照射して、レーザ溶接により、容器本体111に蓋体112を固定する。
【0069】
そして、
図6の(a)に示すように、容器本体111の4側面に絶縁塗料を静電塗布し熱硬化させることで、容器本体111の4側面に第二絶縁層150を形成する。なお、この際、容器本体111の底面には絶縁塗料を塗布しないように、当該底面にマスキングを行う。
【0070】
そして、
図6の(b)に示すように、容器本体111の底面に絶縁塗料を静電塗布し熱硬化させることで、容器本体111の底面に第一絶縁層140を形成する。なお、この際、容器本体111の4側面面には絶縁塗料を塗布しないように、当該4側面にマスキングを行う。
【0071】
これにより、容器110の上面以外が第一絶縁層140及び第二絶縁層150によって覆われ、絶縁性部材で覆われた蓄電素子100が製造される。
【0072】
なお、上記では、容器本体111に蓋体112を取り付けた後に、容器本体111に絶縁層(第一絶縁層140及び第二絶縁層150)を塗装することとしたが、容器本体111に絶縁層を塗装した後に、容器本体111に蓋体112を取り付けることにしてもよい。例えば、塗装工程で高温にさらす必要がある場合には、セルの劣化を防ぐために、容器本体111に絶縁層を塗装した後に、容器本体111に蓋体112を取り付けるのが好ましい。
【0073】
また、容器本体111への絶縁層の塗装は、上記の粉体塗料による塗装には限定されず、例えば液体塗料による塗装を施すことにしてもかまわない。
【0074】
次に、蓄電モジュール10内における複数の蓄電素子100が有する第一絶縁層140及び第二絶縁層150の配置位置について、説明する。
【0075】
図7は、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール10内に複数の蓄電素子100が配置されている状態を示す断面図である。具体的には、同図は、蓄電モジュール10をYZ平面で切断した場合の複数の蓄電素子100が有する第一絶縁層140及び第二絶縁層150の配置位置を示す断面図であり、電極体113などの容器110の内部の構成要素は省略して図示している。
【0076】
同図に示すように、複数の蓄電素子100の容器110が有する第一絶縁層140は、容器本体111の外面のうち、容器110から放出される熱を冷却する冷却手段300と対向する位置に形成されている。つまり、複数の蓄電素子100は、冷却手段300上に載置されているため、容器110の底面に形成された第一絶縁層140は、冷却手段300に当接して配置されている。
【0077】
なお、第一絶縁層140の全面が冷却手段300に当接していなくともよい。つまり、蓄電素子100は、第一絶縁層140の一部または全面において第一絶縁層140と冷却手段300との間に僅かな隙間を空けて、冷却手段300上に配置されていることにしてもよい。
【0078】
また、複数の蓄電素子100の容器110が有する第二絶縁層150は、容器本体111の外面のうち、隣接する蓄電素子100と対向する位置に形成されている。つまり、複数の蓄電素子100は、隣り合う蓄電素子100の第二絶縁層150同士が当接して配置されている。
【0079】
なお、第二絶縁層150の全面同士が当接していなくともよい。つまり、蓄電素子100は、第二絶縁層150の一部または全面において、第二絶縁層150同士が僅かな隙間を空けて配置されていることにしてもよい。
【0080】
このように、複数の蓄電素子100は、第二絶縁層150同士が対向するように配置されるとともに、第一絶縁層140が冷却手段300と対向する位置に配置されている。
【0081】
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100によれば、容器本体111の外面の異なる位置に、第一絶縁層140と第二絶縁層150とが形成されており、第一絶縁層140は、第二絶縁層150よりも熱伝導度が高い。つまり、蓄電素子100の内部が過熱して容器110から熱が放出される場合に、第二絶縁層150が形成されている位置からは熱の伝達を抑制し、第一絶縁層140が形成されている位置からは熱を放出させるように、選択的に容器110から熱を放出させることができる。このため、蓄電素子100において、容器110の内部が過熱した場合でも、隣接する蓄電素子100に対しては熱を放出しないように選択的に容器110から熱を放出させることで、隣接する蓄電素子100への影響を小さく抑えるとともに、容器110の内部の過熱を低減することができる。
【0082】
また、蓄電素子100において、熱伝導度が高い第一絶縁層140を冷却手段300と対向する位置に形成することで、蓄電素子100の内部から第一絶縁層140を介して放出される熱を冷却手段300で冷却することができる。このため、蓄電素子100を外部から効率良く冷却して、容器110の内部の過熱を低減することができる。
【0083】
また、蓄電素子100において、熱伝導度が低い第二絶縁層150を、隣接する蓄電素子100と対向する位置に形成することで、第二絶縁層150を介して当該隣接する蓄電素子100に熱が伝達されるのを抑制し、当該熱による当該隣接する蓄電素子100への影響を小さく抑えることができる。
【0084】
また、第二絶縁層150は、低熱伝導度絶縁層170を少なくとも有し、第一絶縁層140は、低熱伝導度絶縁層170を有することなく高熱伝導度絶縁層160を有するように形成することで、第一絶縁層140を、第二絶縁層150よりも熱伝導度が高く構成することができる。
【0085】
また、第一絶縁層140は高熱伝導度絶縁層160であり、第二絶縁層150は低熱伝導度絶縁層170であるため、絶縁層を重ねると絶縁層の厚みが厚くなるが、第一絶縁層140と第二絶縁層150とを絶縁層を重ねない1層構造とすることで、厚みの薄い絶縁層を構成することができる。また、絶縁層を重ねないことで、絶縁材料の使用量を低減し、コストを低減することができる。
【0086】
また、第一絶縁層140は、容器本体111の底面に形成され、第二絶縁層150は、容器本体111の側面に形成されている。つまり、蓄電素子100と隣接する側面には熱伝導度が低い第二絶縁層150を配置し、冷却手段300と接する底面には熱伝導度が高い第一絶縁層140を配置することで、隣接する蓄電素子100に熱が伝達されるのを抑制しつつ、底面から選択的に熱を放出させることができる。
【0087】
また、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール10によれば、隣り合う蓄電素子100に熱が伝達されるのを抑制しつつ、蓄電素子100の内部から放出される熱を冷却手段300で冷却することができる。これにより、一の蓄電素子100の容器110の内部が過熱した場合でも、隣接する他の蓄電素子100への影響を小さく抑えるとともに、当該一の蓄電素子100の容器110の内部の過熱を低減することができる。
【0088】
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。上記実施の形態では、第一絶縁層140として、高熱伝導度絶縁層160が容器本体111の底面の全面に形成され、第二絶縁層150として、低熱伝導度絶縁層170が容器本体111の4側面の全面に形成されていることとした。しかし、本変形例では、高熱伝導度絶縁層及び低熱伝導度絶縁層の形成される位置は、それぞれ容器本体111の底面の全面及び4側面の全面ではなく、例えば、容器本体111の底面の一部には、高熱伝導度絶縁層ではなく低熱伝導度絶縁層が形成される。
【0089】
図8は、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電素子101が有する第一絶縁層141及び第二絶縁層151の詳細な構成を示す断面図である。具体的には、同図は、蓄電素子101をYZ平面で切断した場合の第一絶縁層141及び第二絶縁層151の構成を示す断面図であり、電極体113などの容器110の内部の構成要素は省略して図示している。
【0090】
同図に示すように、蓄電素子101は、第一絶縁層141として高熱伝導度絶縁層161を有しており、第二絶縁層151として低熱伝導度絶縁層171aを有している。第一絶縁層141は、容器本体111の底面の中央部分に形成されている。
【0091】
また、蓄電素子101は、容器本体111の底面の第一絶縁層141の周りを囲うように形成された低熱伝導度絶縁層171bを有している。つまり、低熱伝導度絶縁層171bが、容器本体111の底面に形成されている。
【0092】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電素子101によれば、上記実施の形態における高熱伝導度絶縁層160及び低熱伝導度絶縁層170とは異なる範囲の高熱伝導度絶縁層161及び低熱伝導度絶縁層171a、171bを有するが、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0093】
なお、第二絶縁層としての低熱伝導度絶縁層が、容器本体111の側面の全体ではなく、当該側面の一部にのみ形成されている構成でもよく、また、当該側面に複数に分かれて形成されている構成でもかまわない。また、第二絶縁層としての低熱伝導度絶縁層は、容器本体111の4側面のうちのいずれかの側面にのみ形成されている構成でもかまわない。また、第一絶縁層としての高熱伝導度絶縁層は、容器本体111の底面に複数に分かれて形成されている構成でもかまわない。
【0094】
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。上記実施の形態では、第一絶縁層140として、高熱伝導度絶縁層160が容器本体111の底面に形成され、第二絶縁層150として、低熱伝導度絶縁層170が容器本体111の4側面に形成されていることとした。しかし、本変形例では、第二絶縁層として、高熱伝導度絶縁層が容器本体111の4側面に形成され、かつ、高熱伝導度絶縁層上に低熱伝導度絶縁層が形成される。
【0095】
図9は、本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電素子102が有する第一絶縁層142及び第二絶縁層152の詳細な構成を示す断面図である。具体的には、同図は、蓄電素子102をYZ平面で切断した場合の第一絶縁層142及び第二絶縁層152の構成を示す断面図であり、電極体113などの容器110の内部の構成要素は省略して図示している。
【0096】
同図に示すように、蓄電素子102は、第一絶縁層142として高熱伝導度絶縁層162aを有しており、第二絶縁層152として低熱伝導度絶縁層172及び高熱伝導度絶縁層162bを有している。つまり、容器本体111の4側面及び底面に、高熱伝導度絶縁層162a、162bが形成され、高熱伝導度絶縁層162b上に低熱伝導度絶縁層172が形成されている。
【0097】
このように、容器本体111には、容器本体111の外面のうちの第一面(底面)と第二面(側面)とを覆うように、高熱伝導度絶縁層162a、162bが形成されており、第二面(側面)に形成された高熱伝導度絶縁層162b上には、さらに低熱伝導度絶縁層172が形成されている。ここで、第一絶縁層142は、第一面(底面)に形成された高熱伝導度絶縁層162aであり、第二絶縁層152は、第二面(側面)に形成された高熱伝導度絶縁層162b及び低熱伝導度絶縁層172である。
【0098】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電素子102によれば、第一絶縁層142は、第二絶縁層152よりも熱伝導度が高いため、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0099】
また、本変形例によれば、容器本体111の第一面(底面)には第一絶縁層142として高熱伝導度絶縁層162aが形成され、第二面(側面)には第二絶縁層152として高熱伝導度絶縁層162b及び低熱伝導度絶縁層172が形成されている。ここで、第一面と第二面とのいずれか一方に絶縁層を塗布などによって形成する場合には、第一面または第二面にマスキングを行う必要があるが、第一面と第二面との両方に絶縁層を形成する場合には、当該マスキングは不要である。このため、第一面と第二面との両方に高熱伝導度絶縁層を形成してから、第二面に低熱伝導度絶縁層172を形成することで、マスキングの回数を低減させて、第一絶縁層142と第二絶縁層152とを形成することができる。
【0100】
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。上記変形例2では、第二絶縁層152として、高熱伝導度絶縁層162bが容器本体111の4側面に形成され、かつ、高熱伝導度絶縁層162b上に低熱伝導度絶縁層172が形成されることとした。しかし、本変形例では、第二絶縁層として、低熱伝導度絶縁層が容器本体111の4側面に形成され、かつ、高熱伝導度絶縁層上に高熱伝導度絶縁層が形成される。
【0101】
図10は、本発明の実施の形態の変形例3に係る蓄電素子103が有する第一絶縁層143及び第二絶縁層153の詳細な構成を示す断面図である。具体的には、同図は、蓄電素子103をYZ平面で切断した場合の第一絶縁層143及び第二絶縁層153の構成を示す断面図であり、電極体113などの容器110の内部の構成要素は省略して図示している。
【0102】
同図に示すように、蓄電素子103は、第一絶縁層143として高熱伝導度絶縁層163aを有しており、第二絶縁層153として低熱伝導度絶縁層173及び高熱伝導度絶縁層163bを有している。つまり、容器本体111の4側面に、低熱伝導度絶縁層173が形成され、低熱伝導度絶縁層173上及び容器本体111の底面に高熱伝導度絶縁層163a、163bが形成されている。
【0103】
このように、容器本体111には、容器本体111の外面のうちの第二面(側面)を覆うように、低熱伝導度絶縁層173が形成されており、低熱伝導度絶縁層173上及び容器本体111の第一面(底面)には、さらに高熱伝導度絶縁層163a、163bが形成されている。ここで、第一絶縁層143は、第一面(底面)に形成された高熱伝導度絶縁層163aであり、第二絶縁層153は、第二面(側面)に形成された高熱伝導度絶縁層163b及び低熱伝導度絶縁層173である。
【0104】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例3に係る蓄電素子103によれば、第一絶縁層143は第二絶縁層153よりも熱伝導度が高いため、上記実施の形態と同様の効果を奏することができ、また、上記の変形例2と同様の効果も奏することができる。つまり、第二面(側面)に低熱伝導度絶縁層173を形成してから、第一面(底面)及び第二面に高熱伝導度絶縁層163a、163bを形成することで、マスキングの回数を低減させて、第一絶縁層143と第二絶縁層153とを形成することができる。
【0105】
(変形例4)
次に、上記実施の形態の変形例4について、説明する。上記実施の形態では、蓄電素子100の底面が冷却手段300と対向する位置に配置されることとした。しかし、本変形例では、蓄電素子の側面が冷却手段300と対向する位置に配置される。
【0106】
図11は、本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電モジュール11の外観を示す斜視図である。なお、同図は、外装体200を透視して外装体200内方を示した図となっている。
【0107】
同図に示すように、蓄電モジュール11は、外装体200の側方に、冷却手段300を備えている。つまり、冷却手段300は、複数の蓄電素子104の容器の側面(短側面)に当接することで、当該複数の蓄電素子104のそれぞれの容器から放出される熱を冷却する。
【0108】
ここで、蓄電素子104の容器の側面のうち、冷却手段300と対向する面(一方の短側面)には、第一絶縁層144が形成されている。また、蓄電素子104の容器の第一絶縁層144が形成されていない面(長側面、他方の短側面及び底面)には、第二絶縁層154が形成されている。
【0109】
つまり、複数の蓄電素子104の容器が有する第一絶縁層144は、容器本体の外面のうち、容器から放出される熱を冷却する冷却手段300と対向する位置に形成されている。また、複数の蓄電素子104の容器が有する第二絶縁層154は、容器本体の外面のうち、隣接する蓄電素子104と対向する位置に形成されている。このように、複数の蓄電素子104は、第二絶縁層154同士が対向するように配置されるとともに、第一絶縁層144が冷却手段300と対向する位置に配置されている。
【0110】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電モジュール11によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0111】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電素子及び蓄電モジュールについて説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0112】
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電モジュールは、それぞれの蓄電素子の第一絶縁層と対向する位置に冷却手段を有していることとしたが、当該冷却手段を有していなくともよい。この場合でも、高熱伝導度の第一絶縁層からの放熱により、蓄電素子の内部の過熱を低減することができる。
【0113】
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一絶縁層は、低熱伝導度絶縁層を有することなく、高熱伝導度絶縁層を有していることとしたが、第一絶縁層は、高熱伝導度絶縁層と低熱伝導度絶縁層とを有する構成も考えられる。しかし、第一絶縁層に低熱伝導度絶縁層が含まれることで第一絶縁層の熱伝導度が低下するため、第一絶縁層は、低熱伝導度絶縁層を有していない構成の方が好ましい。
【0114】
また、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上記実施の形態の変形例4に、上記実施の形態の変形例1〜3を適用した構成などでもかまわない。
【0115】
なお、本発明は、このような蓄電素子または蓄電モジュールとして実現することができるだけでなく、当該蓄電素子に備えられる容器として実現することもできる。