(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6492401
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】報知装置
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20190325BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20190325BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M11/04
G08B25/04 H
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-17377(P2014-17377)
(22)【出願日】2014年1月31日
(65)【公開番号】特開2015-144388(P2015-144388A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2017年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】江口 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】今▲吉▼ ちづる
(72)【発明者】
【氏名】篠田 健吾
【審査官】
石田 紀之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−278045(JP,A)
【文献】
特開2010−097496(JP,A)
【文献】
特開2008−271474(JP,A)
【文献】
特開2009−032087(JP,A)
【文献】
特開2004−173185(JP,A)
【文献】
特開2004−334763(JP,A)
【文献】
特開2004−056370(JP,A)
【文献】
特開2002−064881(JP,A)
【文献】
特開2001−052881(JP,A)
【文献】
特開平06−052481(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0151638(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
G08B 25/04
H04M 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる複数の報知情報が入力される入力インターフェースと、
複数の電気機器と接続した出力インターフェースと、
人のいる可能性が予め定めた基準よりも高い場所の情報を取得する場所情報取得手段と、
前記複数の電気機器のうち前記場所情報取得手段で取得した前記人がいる可能性の高い場所の周辺に設けられた電気機器に対して優先的に前記報知情報を報知するための報知信号を出力する演算部と、
を備え、
前記複数の報知情報は、屋外で発せられた報知情報を含み、
前記複数の電気機器は、複数の照明器具を含み、
前記演算部は、前記複数の照明器具の使用状況に基づいて選択した一部の照明器具に対して優先的に前記報知信号を出力することで、前記複数の照明器具のうち前記一部の照明器具のみを点滅または明滅点灯させるように構築された報知装置。
【請求項2】
互いに異なる複数の報知情報が入力される入力インターフェースと、
複数の電気機器と接続した出力インターフェースと、
人のいる可能性が予め定めた基準よりも高い場所の情報を取得する場所情報取得手段と、
前記複数の電気機器のうち前記場所情報取得手段で取得した前記人がいる可能性の高い場所の周辺に設けられた電気機器に対して優先的に前記報知情報を報知するための報知信号を出力する演算部と、
を備え、
前記複数の報知情報は、屋外で発せられた報知情報を含み、
前記演算部は、人がいる可能性が前記基準よりも高い場所と前記基準よりも低い場所とで前記複数の電気機器の報知動作の強度に差をつけるように構築された報知装置。
【請求項3】
互いに異なる複数の報知情報が入力される入力インターフェースと、
複数の電気機器と接続した出力インターフェースと、
人のいる可能性が予め定めた基準よりも高い場所の情報を取得する場所情報取得手段と、
前記複数の電気機器のうち前記場所情報取得手段で取得した前記人がいる可能性の高い場所の周辺に設けられた電気機器に対して優先的に前記報知情報を報知するための報知信号を出力する演算部と、
を備え、
前記複数の報知情報は、屋外で発せられた報知情報を含み、
前記演算部は、人がいる可能性が第一の高さである第一の場所と人がいる可能性が前記第一の高さよりも高い第二の高さである第二の場所とがあった場合に、前記第一の場所にある電気機器の作動量よりも前記第二の場所にある電気機器の作動量を大きくするように前記報知信号を出力する報知装置。
【請求項4】
互いに異なる複数の報知情報が入力される入力インターフェースと、
複数の電気機器と接続した出力インターフェースと、
前記複数の報知情報を複数のグループに区別して互いに異なる優先順位をつけて登録可能な優先レベル別登録リストを記憶した記憶部と、
前記入力インターフェースに前記複数の報知情報が入力されると、前記優先レベル別登録リストに従って、入力された前記報知情報に応じた報知信号を前記複数の電気機器の少なくとも一つに出力する演算部と、
を備え、
前記演算部は、前記入力インターフェースに入力された前記複数の報知情報が前記優先レベル別登録リストのいずれのグループに該当するかに応じて前記複数の電気機器の間で報知先を異ならしめるように構築された報知装置。
【請求項5】
互いに異なる複数の報知情報が入力される入力インターフェースと、
電気機器と接続した出力インターフェースと、
前記複数の報知情報を複数のグループに区別して互いに異なる優先順位をつけて登録可能な優先レベル別登録リストを記憶した記憶部と、
前記入力インターフェースに前記複数の報知情報が入力されると、前記優先レベル別登録リストに従って、入力された前記報知情報に応じた信号を前記電気機器に出力する演算部と、
を備え、
前記電気機器は、照明器具を含み、
前記演算部は、前記照明器具の消灯中に前記入力インターフェースに報知情報が入力されると、第一優先順位が付けられたグループに前記報知情報が属するものであるときには前記照明器具を自動的に点灯させ、前記第一優先順位よりも低い第二優先順位が付けられたグループに前記報知情報が属するものであるときには前記照明器具を点灯させない報知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献に記載されているように、火災、自然災害、不在時の来客など様々な場面でユーザへの報知を行う報知装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−8658号公報
【特許文献2】特許第5001468号公報
【特許文献3】国際公開2012/176329号公報
【特許文献4】特開2012−48632号公報
【特許文献5】特開2008−204393号公報
【特許文献6】特開2001−52881号公報
【特許文献7】特開2003−309662号公報
【特許文献8】特許第5242935号公報
【特許文献9】特開2013−69081号公報
【特許文献10】特開2013−47942号公報
【特許文献11】特開2013−47941号公報
【特許文献12】特開2013−47939号公報
【特許文献13】特開2013−29944号公報
【特許文献14】特許第4854179号公報
【特許文献15】特許第5130092号公報
【特許文献16】特許第4988265号公報
【特許文献17】特許第4639534号公報
【特許文献18】特開2002−300295号公報
【特許文献19】特開平10−79787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年ではユーザに対して報知すべき報知情報の数が増加傾向にあり、またその種類も様々である。従来、ユーザ
に対してこれらの報知情報を確実に伝達したいというニーズがあった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので
、ユーザ
に対して報知情報をより確実に伝達できるように改良された報知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる報知装置は、
互いに異なる複数の報知情報が入力される入力インターフェースと、
複数の電気機器と接続した出力インターフェースと、
人のいる可能性が予め定めた基準よりも高い場所の情報を取得する場所情報取得手段と、
前記複数の電気機器のうち前記場所情報取得手段で取得した前記人がいる可能性の高い場所の周辺に設けられた電気機器に対して優先的に前記報知情報を報知するための報知信号を出力する演算部と、
を備え、
前記複数の報知情報は、屋外で発せられた報知情報を含み、
前記複数の電気機器は、複数の照明器具を含み、
前記演算部は、前記複数の照明器具の使用状況に基づいて選択した一部の照明器具に対して優先的に前記報知信号を出力することで、前記複数の照明器具のうち前記一部の照明器具のみを点滅または明滅点灯させるように構築されたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、
人がいる可能性の高い場所の電気機器を優先的に用いて報知を行うことで、ユーザに対して報知情報を確実に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる報知装置を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態にかかる表示装置に表示される画像を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態にかかる報知装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の実施の形態にかかる報知装置を示すブロック図である。実施の形態にかかる報知装置は、コントローラ20の一機能として提供される。コントローラ20は、さまざまな家電機器に搭載されうるものであり、具体的は照明器具内に搭載されてもよい。コントローラ20は、入力インターフェースとして用いられる入出力ポートI/O01〜I/O09と、RAMおよびROMからなる記憶部24と、CPU22と、出力インターフェースとして用いられる入出力ポートI/O10〜I/O16およびモニタ出力ポートを備えている。また、コントローラ20は、LAN通信を行うためのETHERNET(登録商標)25の入力/出力ポートも備えている。後述するように、入出力ポートI/O01〜I/O16およびETHERNET25の入力/出力ポートには様々な電気機器が接続される。この接続は、有線接続であっても無線接続であってもよい。
【0010】
入出力ポートI/O01〜I/O09には、複数の報知情報が入力される。報知情報とは、何らかの情報を知らせるために発信される情報であり、災害および安全などに関する警報、荷物の配達などに関するお知らせ、電話、天気に関する情報、HEMS(home energy management system)あるいは建物内のエネルギー管理システムの持つ電力情報、その他の人間の活動に関する様々な情報が含まれる。具体的には、コントローラ20のETHERNET25の入力ポートには、LAN46を介してHEMSコントローラ31からの情報が入力される。HEMSコントローラ31は、家屋に設けられた家庭用電気機器のそれぞれの電力消費量を個別に検知するプログラムを内蔵している。家庭用電気機器として、典型的には、照明器具、掃除機、給湯器、調理器、人の存在を感知可能な人感センサ、冷暖房機器、保温便座がある。
【0011】
なお、本発明は一般家庭の家屋のみを対象とするものではなく、集合住宅に対しても適用されても良く、商業施設、工業施設、公共施設、その他の各種施設に対して適用されても良い。
【0012】
コントローラ20のETHERNET25の入力ポートには、LAN46からさらにインターネット45を介して緊急地震速報32、配達のお知らせを通知するサーバ33、および災害警報を発令するサーバ34からの電子メールおよびWeb上の各種電子情報が入力される。サーバ34は、複数のサーバをまとめて表示しており、火災、地震、台風、大雨、大雪その他の各種の天災および人災を通報する各省庁または情報機関の運営するサーバが含まれる。また、入出力ポートI/O01〜I/O09には、ガス感知器35、火災報知機36、進入警報機37、呼出用ボタン38、インターホン39、介護機器40、雨感知器41、携帯電話42、漏電警報機(又はブレーカ)44とそれぞれ接続している。固定電話43は、モデム47を介してLAN46に接続しており、固定電話43からの着信はETHERNET25の入力ポートへと伝達されるようになっている。
【0013】
記憶部24は、入出力ポートI/O01〜I/O09と接続した電気機器を登録した入力機器リスト、入出力ポートI/O10〜I/O16と接続しておりコントローラ20からの出力信号を伝達すべき出力機器リスト、設定内容ファイル、内部情報を出力機器リスト上の電気機器に伝達するための出力信号を生成する出力シーケンス、連絡先リスト(典型的には送受信メールアドレスおよび自動発信電話番号など)、自動応答音声データ、HEMS通信ソフトなどの各種プログラムおよびデータを記憶している。
【0014】
ETHERNET25の出力ポートは、LAN46と接続している。LAN46は、インターネット45と接続するとともに、HEMSコントローラ31とも接続している。入出力ポートI/O10〜I/O16には、テレビ68、照明器具69、オーディオ70、スピーカ71、警報機72、スプリンクラー73、およびインターホン39に接続しており、これらに報知信号を供給する。報知信号を受けると、テレビ68が画面に警告マークを表示したり、照明器具69が所定の点滅モードで点滅したり、オーディオ70、スピーカ71、警報機72が所定の警報音を発したり、スプリンクラー73およびインターホン39が作動したりする。
【0015】
上述したように、記憶部24は、入力機器リストおよび出力機器リストを記憶しており、これらは複数の電気機器を登録可能である書換可能な機器登録リストである。CPU22は、出力機器リストおよび出力シーケンスを用いて、入力された報知情報に応じた報知を出力機器リストの電気機器(インターホン39、テレビ68〜スプリンクラー73)に行わせるための信号を生成し、入出力ポートI/O10〜I/O16から出力する。
【0016】
また、コントローラ20がETHERNET25の出力ポートから出力した信号は、LAN46およびインターネット45を介して、携帯電話61、自動車あるいはバイクである移動体62が備える電気機器に伝達されるように設定されている。また、モデム63を介して、警備会社、警察、消防その他の各種サーバ64への通報が可能となっている。モデム63を介して、記憶部24内の自動発信電話番号にリスト化された指定電話番号に対応する指定電話機65に発信することもできる。携帯電話61、移動体62、各種サーバ64、指定電話機65も、出力機器リストに登録されている。CPU22は、出力機器リストおよび出力シーケンスを用いて、入力された報知情報に応じた報知を出力機器リストの電気機器に行わせるための信号を生成し、ETHERNET25の出力ポートから出力する。なお、これらの電気機器とコントローラ20との間の通信が確立された場合に、コントローラ20は、記憶部24内の自動応答音声データのうち入力された報知情報と予め対応付けられた通報用メッセージを出力してもよい。
【0017】
(報知情報の一覧表示)
図2は、本発明の実施の形態にかかる表示装置26に表示される画像を示す図である。表示装置26は、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット型パソコン、および携帯端末などのモニタあるいはテレビであり、コントローラ20は無線式又は有線式のモニタ出力ポートを介して表示装置26と接続している。記憶部24は、受け取った報知情報を表示装置26で一覧表示するための対応テーブルを記憶している。この対応テーブルは、表示装置26の表示画面上における互いに異なる複数の表示位置と入出力ポートI/O01〜I/O09にそれぞれ入力された情報との間の対応関係を定めたものである。CPU22は、入出力ポートI/O01〜I/O09およびETHERNET25のポートを介して入出される複数の報知情報を記憶部24内の対応テーブルに対して入力し、対応テーブル内に入力された複数の報知情報をあてはめた画像情報を算出する。コントローラ20は、この算出した画像情報を表示させるための信号を表示装置26に対して出力する。
図2に示すように、互いに異なる報知情報をまとめて一覧表示することができる。
図2では、一例として火災報知機36からの火災報知信号があった場合の画像が図示されており、火災報知機に関する欄のみが黒丸で表示されて目立つようになっている。
図2では便宜上入力機器リストに登録された電気機器のうち一部についてのみの報知情報を列挙しているが、好ましくは、全ての報知情報をまとめて一覧表示できるようにしても良い。
【0018】
互いに異なる複数の報知情報を、同じ表示装置にまとめて一覧表示することで、個々の電気機器が報知のためのユーザーインターフェースを持つ必要がなくなり、ユーザーインターフェースを1つにまとめることができる。報知に関する処理をコントローラ20に集約しているので、非常時の電源管理およびデータバックアップはコントローラ20のみに対して行えばよく、バックアップシステムが簡素化される。1つのコントローラ20で入出力情報をまとめて管理し、HEMSコントローラ31〜スプリンクラー73の動作を制御するので、システムそのものが簡素化される。
【0019】
(報知先および報知動作の指定)
コントローラ20の記憶部24に記憶した設定ファイルには、互いに異なる複数の報知情報の報知先を複数の電気機器にそれぞれ指定するための情報を書き込むことができる。さらに、本実施の形態では、報知先の指定に加えて、報知時に利用する電気機器がどのように作動するかについても設定できるようになっている。
図2に示すように表示装置26には縦方向に列挙した複数の報知情報に対して横方向に報知先および報知動作がそれぞれ列挙して表示されており、ユーザは表示装置26の画面を見ながら図示しないユーザインターフェースを用いてこれらの設定を変更できる。
図2に示すように、例えば「火災報知機」からの報知情報をコントローラ20が受信したときには、照明器具69が点灯中および消灯中に点滅し、警報機72が作動し、LAN46、インターネット45、モデム63を経由して警備会社のサーバ64への連絡が行われ、スピーカ71は警告音を発し、携帯電話61に向けて通話発信およびメール送信がなされ、HEMSコントローラ31に火災報知信号が伝達される。これにより、互いに異なる複数の報知情報を、指定した電気機器を通じて、指定した報知動作で、ユーザに伝達することができる。これにより、高齢者など情報機器の操作に不慣れなユーザでも、希望とする報知動作を自由に指定および使用することができる。
【0020】
(人のいる場所への選択的報知)
記憶部24には場所情報取得プログラムが記憶されており、コントローラ20はこのプログラムを実行することで人がいる場所を推定する。具体的には、この場所情報取得プログラムは、HEMSコントローラ31から電気機器それぞれの使用状況(たとえば消費電力量)を受信し、その使用状況に基づいて人がいる場所を推定する。典型的には、掃除機の作動中には通常は家人がその掃除機を持って掃除中である可能性が高く、調理器の作動中には通常は家人がその調理器の周辺で料理中である可能性が高い。その一方で、例えば洗濯機の作動中であっても家人は洗濯機の近くにはいない可能性が高い。このように、使用されている電気機器の種類に基づいて人の場所を推定することができる。なお、使用状況に電力消費量を含めてもよく、典型的には冷暖房機器や照明器具の電力消費量が多いほどそれらが取り付けられた部屋に人がいる可能性が高いと判断しても良い。使用者がその電気機器の近くにいる状態でオンオフや電力消費量が異なる電気機器として、典型的には、本実施の形態でHEMSコントローラ31と接続している照明器具、掃除機、給湯器、調理器、冷暖房機器、保温便座がある。これにより電力マネジメントコントローラの情報を利用して人がいる可能性を判断することができる。例えば複数の部屋に照明器具69が設けられている場合に、部屋ごとの照明器具69の使用状況に基づいて人がいる可能性を判断しても良く、部屋ごとの照明器具69の電力消費量の合計値が高いほどその部屋に人がいる可能性が高いと推定してもよい。
【0021】
本実施の形態では、人の存在を感知可能な人感センサが家屋に設けられており、この人感センサの出力信号もコントローラ20に入力される。場所情報取得プログラムは、人感センサが人を感知したときは、その人感センサ取り付け場所に人がいると推定する。
【0022】
CPU22は、出力機器リスト内の電気機器のうち、場所情報取得プログラムで取得した「人がいる可能性の高い場所」の周辺に設けられた電気機器に対して、ETHERNET25の出力ポートおよび入出力ポートI/O01〜I/O16を介して報知信号を出力する。報知信号を受けたそれぞれの電気機器は、設定ファイルにおいて予め設定された報知動作を行う。これにより、人がいる可能性の高い場所の電気機器を優先的に用いて報知を行うことができる。なお、「優先的」とは、例えば、人がいる可能性が一定以上高い場所の電気機器のみを選択して報知動作を行わせてもよく、例えば複数の部屋に照明器具69が設けられている場合には人がいる可能性が一定以上高い場所の照明器具69のみを点滅或いは明減点灯させてもよい。或いは、人がいる可能性が高い場所と低い場所とで電気機器の報知動作の強度に差をつけてもよく、具体的には人がいる可能性が高いほど照明器具69の点滅強度あるいはオーディオ70の音量などの電気機器の作動量を大きくしてもよい。
【0023】
(優先順位に基づく報知)
記憶部24の設定ファイルには、複数の報知情報を複数のグループに区別して互いに異なる優先順位をつけて登録可能な優先レベル別登録リストが含まれている。CPU22は、入出力ポートI/O01〜I/O09を経由して複数の報知情報が入力されると、優先順位ごとに互いに異なる報知信号を出力する。これにより異なる報知情報に優先順位をつけて、緊急性の高低に応じて異なる報知を行うことができる。具体的には、実施の形態では、インターネット45を経由してサーバ34から取得される警報のうち、特に緊急性の高い特別警報とそれ以外の警報とで、報知先および報知動作を相違させる。例えば、
図2に示した設定では、特別警報の場合には照明器具69が消灯中でも自動的に点灯させて明減点灯を開始し、それ以外の警報の場合には消灯中であれば報知動作を行わない。これにより特別警報があったときには就寝中などで照明器具69を消灯しているときでも報知を行うことができる。なお、優先順位は実施の形態のように2種類に限られず、3段階以上の複数の優先順位で分けても良い。実施の形態では警報のみに優先順位をつけたが、本発明はこれに限られない。HEMSコントローラ31〜漏電警報機44からそれぞれ入力される互いに異なる報知情報それぞれに優先順位を設定してもよい。なお、優先順位の高い報知情報は「割込報知」を行ってもよい。割込報知とは、電気機器の使用状況にかかわらずその電気機器で報知をするという動作であり、典型的には携帯電話61が通話中であってもその通話に割り込んで緊急性の高い災害警報を流すなどの動作である。
【0024】
(介護等の場面での呼出報知)
コントローラ20は、介護機器40の呼出操作または呼出用ボタン38が押されたときには、その操作を示す信号が報知情報としてコントローラ20に入力される。記憶部24は、自動応答音声データを記憶し、かつ連絡先を登録する連絡先登録リストを記憶している。記憶部24が記憶する伝言情報は、音声、テキスト、静止画または動画であってもよい。連絡先登録リストは、例えば、送受信メールアドレス、自動発信電話番号、IP電話の連絡先IDなどである。CPU22は、上記の操作を示す信号がコントローラ20に入力されたら、連絡先登録リストの連絡先に上記の伝言情報を送信する。これにより、連絡が必要なとき、登録連絡先に自動的に伝言を送ることができる。緊急時の呼び出しが必要なとき、呼出者が通話やメール文章入力を行うことが困難な状況におかれていても、速やかに登録連絡先に伝言を送ることができる。
【0025】
(防犯用報知)
複数の報知情報は、電話回線またはインターネットを介して伝達される帰宅情報を含んでいる。「帰宅情報」は、携帯電話、固定電話またはPHSを介して帰宅を連絡するいわゆる「帰るコール」であってもよい。留守中に、予め設定した帰宅通知用連絡先に連絡があったときにこの連絡を帰宅情報として取り扱ってもよい。CPU22は、留守中にユーザから自宅の固定電話43への着信があったら、ETHERNET25の出力ポートおよび入出力ポートI/O10〜I/O16を介して、HEMSコントローラ31〜スプリンクラー73に対して動作開始命令を発する。これにより、空き巣に狙われることを防いだり、いわゆる出くわし強盗に遭遇する危険性を減らしたりすることができる。典型的には、コントローラ20は、帰宅情報を受信したら照明器具69をオンして点灯させるようにしてもよい。
【0026】
(自動車などとの通信)
コントローラ20において、CPU22は、ユーザの自家用車である移動体62とインターネット45を介して無線通信が可能とされていてもよい。典型的には、移動体62のカーナビゲーション装置内の制御装置などが含まれる。移動体62の車載ネットワークであるいわゆるCAN(Controller Area Network)とアクセスすることにより、カーナビゲーション装置あるいはカーオーディオ装置などにドライバへの報知を行わせるようにしてもよい。これらのコントローラが有する無線通信機能に対して、インターネット45を含む無線通信ネットワークを介してアクセスすればよい。自動車やバイクなどの移動体の運転中には、報知情報を連絡することが必要であっても、携帯電話などの着信ができない。そこで、移動体のコントローラに対して報知情報を送るようにすることで、携帯電話に出られないときであっても報知が可能となる。
【0027】
CPU22は、外部から点検信号が入力されたら、複数の報知情報が入力されていないときであっても擬似的に報知情報の入力があったときの処理を実行する。点検信号は、例えばLAN46を通じて入力可能とされた所定の信号である。これにより防災訓練に合わせたシステム点検などを行うことができる。予め定めた日時が到来したら内部で自動的に点検信号を発するプログラムを備えて、防災訓練の日程に合わせてスケジュールを設定してもよい。
【0028】
図3は、本発明の実施の形態の変形例にかかる報知装置を示すブロック図である。変形例にかかるコントローラ120は、リモコン160と無線接続するUSBインターフェース27と、スピーカ71およびインターホン39と接続する音声出力端子を備えている点を除き、コントローラ20と同じである。リモコン160は、テレビ68、照明器具69、およびオーディオ70を操作可能である。USBインターフェース27により汎用性を高めることができ、音声出力用の専用端子を設けることで利便性を高めることができる。
【符号の説明】
【0029】
31 コントローラ、I/O01〜I/O16 入出力ポート、20 コントローラ、22 CPU、24 記憶部、25 ETHERNET、26 表示装置、27 USBインターフェース、31 HEMSコントローラ、32 緊急地震速報、33 サーバ、34 サーバ、35 ガス感知器、36 火災報知機、37 侵入警報機、38 呼出用ボタン、39 インターホン、40 介護機器、41 雨感知器、42 携帯電話、43 固定電話、44 漏電警報機、45 インターネット、46 LAN、47 モデム、61 携帯電話、62 移動体、63 モデム、64 サーバ、65 指定電話機、68 テレビ、69 照明器具、70 オーディオ、71 スピーカ、72 警報機、73 スプリンクラー、120 HEMSコントローラ、160 リモコン