(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記充放電制御部が前記蓄電池に対して行う充放電及び前記充放電コネクタは、CHAdeMO協議会が規格化したCHAdeMO規格又は電動車両用電力供給システム協議会が規格化した電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠しており、
前記所定信号は、前記他の蓄電池に対する充電許可を示す信号であること
を特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電力制御装置。
車両に搭載された蓄電池に対し、所定の信号端子及び電力端子を有する充放電コネクタを介して充電又は放電を行う電力制御装置における前記電力端子を介して充放電されるべき他の蓄電池を備える蓄電装置において、
前記所定の信号端子に入力されるべき所定信号を発生させる信号発生部と、
前記充放電コネクタと嵌合可能なインレットと
を備え、
該インレットを介して前記電力制御装置と接続可能にしてあり、
前記所定信号は、前記電力制御装置に前記他の蓄電池に対する充電又は放電を開始させるための信号であり、
前記信号発生部は、前記インレットに前記充放電コネクタが嵌合することによって前記所定信号を発生させるようにしてあること
を特徴とする蓄電装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたエネルギマネジメントシステムでは、蓄電装置及び充電スタンドの両方に充放電装置が必要となる上に、蓄電装置及び充電スタンドから宅内の分電盤まで個別に電力線を配線する必要がある。また、特許文献2に記載された電力マネジメントシステムでは、パワーコンディショナに直流回路で接続された2つの蓄電池に充放電するための回路構成が複雑になるという問題がある。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両用の充電器と同一の接続インタフェースを用いて、車両以外の蓄電池に対する充放電を行うことが可能な電力制御装置、電力制御システム及び蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電力制御装置は、車両に搭載された蓄電池に対し、所定の信号端子、第2
の信号端子及び電力端子を内包する充放電コネクタを介して充電又は放電を行う電力制御装置において、前記所定の信号端子に入力された所定信号を検出する信号検出部と、前記第2
の信号端子から
所定の電圧信号を出力する信号出力部と、該信号検出部が前記所定信号を検出した場合、前記電力端子を介して他の蓄電池に対する充電又は放電を開始する充放電制御部とを備え、前記充放電制御部は、前記信号出力部が
所定の電圧信号を出力した後に前記信号検出部が所定信号を検出した場合、前記蓄電池に対する充電又は放電を開始し、前記信号出力部が
所定の電圧信号を出力する前に前記信号検出部が所定信号を検出した場合、前記他の蓄電池に対する充電又は放電を開始するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る電力制御装置は、充電又は放電を開始する操作を受け付ける受付部を備え、前記充放電制御部は、前記受付部が前記操作を受け付けた場合、充電又は放電を開始するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る電力制御装置は、前記電力端子に外部から印加された電圧を検出する電圧検出部を備え、前記充放電制御部は、前記電圧検出部が検出した電圧が所定の閾値範囲内にある場合、充電又は放電を開始するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る電力制御装置は、前記充放電制御部が前記蓄電池に対して行う充放電及び前記充放電コネクタは、CHAdeMO協議会が規格化したCHAdeMO規格又は電動車両用電力供給システム協議会が規格化した電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠しており、前記所定信号は、前記他の蓄電池に対する充電許可を示す信号であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る電力制御システムは、上述の電力制御装置と、前記所定の信号端子に入力される前記所定信号を発生させる信号発生部及び前記他の蓄電池を備える蓄電装置とを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る電力制御システムは、前記電力制御装置は、前記充放電コネクタが一端に取着された充放電ケーブルを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る電力制御システムは、前記蓄電装置は、前記充放電コネクタと嵌合するインレットを備え、該インレットを介して前記電力制御装置と接続されていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る電力制御システムは、前記電力制御装置は、前記充放電コネクタと嵌合するインレットを備え、前記蓄電装置は、前記インレットを介して前記電力制御装置と接続されていることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る電力制御システムは、前記蓄電装置は、前記電力端子に対応すべく前記インレットに内包された端子及び他の蓄電池間の接続をオン/オフする第1スイッチと、該第1スイッチをオンにする蓄電制御部とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る電力制御システムは、前記電力制御装置は、前記所定の信号端子に抵抗回路を介して所定電圧を印加してあり、前記信号発生部は抵抗器を含む電気回路であり、前記蓄電装置は、前記電気回路に発生した電圧又は前記電気回路に流れる電流を検出する電圧/電流検出部を備え、前記蓄電制御部は、前記電圧/電流検出部が電圧又は電流を検出した場合、前記第1スイッチをオンにするようにしてあることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る電力制御システムは、
前記信号出力部は、前記第2の信号端子に所定電圧を印加するための第2スイッチ
を含み、前記充放電制御部は、前記信号検出部が前記所定信号を検出した場合、前記第2スイッチをオンにするようにしてあり、前記蓄電制御部は、前記第2の信号端子に対応すべく前記インレットに内包された端子からの電圧が電源電圧として供給されることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る蓄電装置は、
前記信号出力部は、前記第2の信号端子に所定電圧を印加するための第2スイッチ
を含み、
前記電力制御装置は、前記充放電コネクタに内包された第3の信号端子を接地電位に接続するための第3スイッ
チを備え、前記充放電制御部は、前記信号検出部が前記所定信号を検出した場合、前記第2及び第3スイッチをオンにするようにしてあり、前記蓄電装置は、前記電力端子に対応すべく前記インレットに内包された端子及び他の蓄電池間に接続された常開型の第1リレー接点と、該第1リレー接点をオンにするリレーコイルに直列接続された第2リレー接点と、該第2リレー接点をオン又はオフにする蓄電制御部とを備え、前記リレーコイル及び第2リレー接点の直列回路を、前記第2及び第3の信号端子夫々に対応すべく前記インレットに内包された端子間に接続してあることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る電力制御システムは、前記第2リレー接点は常開型であり、前記蓄電制御部は、前記第2の信号端子に対応すべく前記インレットに内包された端子からの電圧が電源電圧として供給されており、前記第2リレー接点をオンにするようにしてあることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る電力制御システムは、前記第2リレー接点は常閉型であり、前記蓄電制御部は、前記第2の信号端子に対応すべく前記インレットに内包された端子からの電圧が電源電圧として供給されており、前記第2リレー接点をオフにするようにしてあることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る電力制御システムは、前記蓄電装置は、前記インレットを介して充放電に係る情報を送受信する第1通信部を備え、前記電力制御装置は、前記充放電コネクタを介して前記第1通信部と通信する第2通信部を備え、前記充放電制御部は、前記第2通信部が前記情報を送受信した場合、充電又は放電を開始するようにしてあることを特徴とする。
【0024】
本発明に係る電力制御システムは、前記蓄電装置は、前記充放電コネクタに内包された第4の信号端子に対応すべく前記インレットに内包された端子に第2の信号を印加するための第4スイッチ
と、該第4スイッチをオンにする蓄電制御部とを備え、前記蓄電制御部は、前記第4スイッチをオン又はオン/オフにして前記第2の信号を生成するようにしてあり、前記電力制御装置は、前記第4の信号端子に印加された第2の信号を検出する第2の信号検出部を備えることを特徴とする。
【0025】
本発明に係る蓄電装置は、車両に搭載された蓄電池に対し、所定の信号端子及び電力端子を有する充放電コネクタを介して充電又は放電を行う電力制御装置における前記電力端子を介して充放電されるべき他の蓄電池を備える蓄電装置において、前記所定の信号端子に入力されるべき所定信号を発生させる信号発生部
と、前記充放電コネクタと嵌合可能なインレットとを備え
、該インレットを介して前記電力制御装置と接続可能にしてあり、前記所定信号は、前記電力制御装置に前記他の蓄電池に対する充電又は放電を開始させるための信号であり、前記信号発生部は、前記インレットに前記充放電コネクタが嵌合することによって前記所定信号を発生させるようにしてあることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る蓄電装置は、前記電力端子に対応すべく前記インレットに内包された端子及び他の蓄電池間の接続をオン/オフする第1スイッチと、該第1スイッチをオンにする蓄電制御部とを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る蓄電装置は、前記信号発生部は抵抗器を含む電気回路であり、該電気回路に発生した電圧又は前記電気回路に流れる電流を検出する電圧/電流検出部を備え、前記蓄電制御部は、前記電圧/電流検出部が電圧又は電流を検出した場合、前記第1スイッチをオンにするようにしてあることを特徴とする。
【0029】
本発明に係る蓄電装置は、前記蓄電制御部は、前記充放電コネクタに内包された第2の信号端子に対応すべく前記インレットに内包された端子からの電圧が電源電圧として供給されることを特徴とする。
【0030】
本発明に係る蓄電装置は、前記電力端子に対応すべく前記インレットに内包された端子及び他の蓄電池間に接続された常開型の第1リレー接点と、該第1リレー接点をオンにするリレーコイルに直列接続された第2リレー接点と、該第2リレー接点をオン又はオフにする蓄電制御部とを備え、前記リレーコイル及び第2リレー接点の直列回路を、前記充放電コネクタに内包された第2及び第3の信号端子夫々に対応すべく前記インレットに内包された端子間に接続してあることを特徴とする。
【0031】
本発明に係る蓄電装置は、前記第2リレー接点は常開型であり、前記蓄電制御部は、前記第2の信号端子に対応すべく前記インレットに内包された端子からの電圧が電源電圧として供給されており、前記第2リレー接点をオンにするようにしてあることを特徴とする。
【0032】
本発明に係る蓄電装置は、前記第2リレー接点は常閉型であり、前記蓄電制御部は、前記第2の信号端子に対応すべく前記インレットに内包された端子からの電圧が電源電圧として供給されており、前記第2リレー接点をオフにするようにしてあることを特徴とする。
【0033】
本発明に係る蓄電装置は、前記インレットを介して充放電に係る情報を送受信する通信部を備えることを特徴とする。
【0034】
本発明に係る蓄電装置は、前記充放電コネクタに内包された第4の信号端子に対応すべく前記インレットに内包された端子に第2の信号を印加するための第4スイッチ
と、該第4スイッチをオンにする蓄電制御部とを備え、前記蓄電制御部は、前記第4スイッチをオン又はオン/オフにして前記第2の信号を生成するようにしてあることを特徴とする。
【0035】
本発明にあっては、蓄電装置の信号発生部が、電力制御装置が備える充放電コネクタの所定の信号端子に入力されるべき所定信号を発生させる。電力制御装置の信号検出部が、所定の信号端子に入力された所定信号を検出した場合、充放電制御部が充放電コネクタの電力端子を介して他の蓄電池に対する充電又は放電を開始する。
つまり、電力制御装置の充放電コネクタに入力された所定信号が検出されることによって所定信号の発生源との接続が確認された場合に、充放電コネクタを介して他の蓄電池に対する充放電が開始される。
【0036】
本発明にあっては、充放電制御部の受付部が充電又は放電を開始する操作を受け付けた場合、充放電制御部が他の蓄電池に対する充電又は放電を開始する。
これにより、所定信号の発生源との接続が確認され、且つ充放電の開始操作が行われた場合(順不同)に、他の蓄電池に対する充放電が開始される。
【0037】
本発明にあっては、充放電コネクタの電力端子に外部から印加された電圧が所定の閾値範囲内にある場合、充放電制御部が、外部にある他の蓄電池に対する充電又は放電を開始する。
これにより、所定信号の発生源との接続が確認され、且つ他の蓄電池の電圧が充放電に適する電圧であることが確認された場合に、他の蓄電池に対する充放電が開始される。
【0038】
本発明にあっては、充放電制御部が、車両の蓄電池に対してCHAdeMO規格又は電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠する充放電を行う機能を有しており、充放電コネクタが夫々の規格又はガイドラインに準拠している。その上で、他の蓄電池に対する充電許可を示す信号を所定信号とする。
これにより、CHAdeMO規格又は電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠する充放電機能を有する電力制御装置にて充電許可を示す信号が検出された場合に、他の蓄電池に対する充放電が開始される。
【0039】
本発明にあっては、充放電コネクタが充放電ケーブルの一端に取着されているため、充放電ケーブルが届く範囲内で、充放電コネクタと嵌号させるインレットが任意に選択される。
【0040】
本発明にあっては、充放電コネクタが、蓄電装置に配されたインレットと嵌合可能にしてあり、電力制御装置が蓄電装置のインレットを介して蓄電装置と接続可能である。
これにより、充放電コネクタが車両のインレットの代わりに蓄電装置のインレットに嵌合した場合に、他の蓄電池に対する充放電が可能となる。
【0041】
本発明にあっては、充放電コネクタが、電力制御装置に配されたインレットと嵌合するようにしてあり、電力制御装置が自身のインレットを介して蓄電装置と接続される。
これにより、充放電コネクタが車両のインレットの代わりに電力制御装置のインレットに嵌合した場合、他の蓄電池に対する充放電が可能となる。
【0042】
本発明にあっては、充放電コネクタがインレットに嵌合したときに電力端子に接続されるインレット内の端子と他の蓄電池との間に第1スイッチが介装されており、蓄電制御部が第1スイッチをオンにする。
これにより、蓄電制御部が第1スイッチをオンにしない限り、他の蓄電池の電圧が不用意にインレット内の端子に印加されることが防止される。
【0043】
本発明にあっては、抵抗器を含む電気回路である信号発生部に対し、充放電コネクタの所定の信号端子を介して電力制御装置側から所定電圧が印加されるため、電気回路に電流が流れて電圧が発生する。この電圧又は電流を電圧/電流検出部が検出した場合、蓄電制御部が第1スイッチをオンにする。
これにより、電力制御装置との接続が蓄電装置側で確認されたときに、インレット内の端子に他の蓄電池が接続されるため、他の蓄電池に接続される活電部の露出が防止される。
【0044】
本発明にあっては、所定の信号端子に入力された所定信号を信号検出部が検出した場合、充放電制御部が第2スイッチをオンにすることにより、充放電コネクタ内の第2の信号端子に所定電圧が印加され、この所定電圧がインレット内の端子を介して電源電圧として蓄電制御部に供給される。
これにより、蓄電装置側に蓄電制御部のための電源が不要となる。
【0045】
本発明にあっては、充放電コネクタがインレットに嵌合したときに電力端子に接続されるインレット内の端子と他の蓄電池との間に常開型の第1リレー接点が介装されており、第1リレー接点をオンにするリレーコイル及び第2リレー接点の直列回路を、充放電コネクタがインレットに嵌合したときに充放電コネクタ内の第2及び第3の信号端子夫々に接続されるインレット内の端子に接続してある。所定の信号端子に入力された所定信号を信号検出部が検出した場合、充放電制御部が第2及び第3スイッチをオンにすることにより、第2の信号端子に所定電圧が印加され、第3の信号端子が接地電位に接続される。この場合、蓄電制御部が第2リレー接点をオンにしている間は、インレットを介して上記リレーコイルに所定電圧が印加されるため、第1リレー接点がオンになって他の蓄電池が電力端子に接続される。
これに対し、充放電制御部が第2又は第3スイッチをオフにした場合は、インレットを介して上記リレーコイルに所定電圧が印加されなくなるため、第1リレー接点がオフになって他の蓄電池が電力端子から切り離される。
【0046】
本発明にあっては、蓄電制御部は、第2の信号端子に接続されるインレット内の端子から電源電圧が供給された場合、常開型の第2リレー接点をオンにする。
これにより、蓄電装置側で例えば充放電を受け入れる準備が整ったときに第1リレー接点がオンになり、他の蓄電池がインレットに内包された端子に接続される。また、蓄電装置側に蓄電制御部のための電源が不要となる。
【0047】
本発明にあっては、蓄電制御部は、第2の信号端子に接続されるインレット内の端子から電源電圧が供給された場合、常閉型の第2リレー接点をオフにする。
これにより、例えば何らかの異常があったときに第1リレー接点がオフになり、他の蓄電池がインレットに内包された端子から切り離される。また、蓄電装置側に蓄電制御部のための電源が不要となる。
【0048】
本発明にあっては、電力制御装置の第2通信部が充放電コネクタ及びインレットを介して蓄電装置の第1通信部と通信して充放電に係る情報を送受信した場合、電力制御装置が他の蓄電池に対する充電又は放電を開始する。
これにより、例えば充放電に要する情報が授受された場合に、他の蓄電池に対する充放電が可能となる。
【0049】
本発明にあっては、蓄電制御部が第4スイッチをオン又はオン/オフにして特定の信号(第2の信号)を生成することにより、充放電コネクタがインレットに嵌合したときに第4の信号端子に接続されるインレット内の端子に第2の信号が印加され、この第2の信号を第2の信号検出部が検出する。
これにより、例えば充放電開始前に第2の信号により、蓄電池に係る情報が電力制御装置に通知される。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、電力制御装置の充放電コネクタに入力された所定信号が検出されることによって蓄電装置間との接続が確認されたときに、充放電コネクタを介して他の蓄電池に対する充放電が開始される。
従って、車両用の充電器と同一の接続インタフェースを用いて、車両以外の蓄電池に対する充放電を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力制御システムの要部構成を示すブロック図である。図中1aはCHAdeMO協議会によるCHAdeMO規格に準拠する充電、及び電動車両用電力供給システム協議会による電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠する充放電を行う電力制御装置である。電力制御装置1aは、実線の枠で示される本体から延出する充放電ケーブル2の一端に取着された充放電コネクタ20が、蓄電装置4aに配されたインレット30に着脱自在に嵌合する。
【0053】
電力制御装置1aは、リレー10のリレー接点を介して交流電源の分電盤100に交流側の入出力端が接続されたAC/DC変換部11と、AC/DC変換部11による電圧変換を制御する充放電制御部12とを備える。充放電制御部12には、リレー10のリレーコイルと、AC/DC変換部11の直流側の入出力端に印加された電圧を検出する電圧検出部13と、ユーザによる操作を受け付けるためのボタン、タッチパネル及びLCDを含む操作表示部(受付部に相当)14と、充放電コネクタ20を介してCAN通信部46(後述する
図12参照)と通信するCAN通信部(第2通信部に相当)16とが接続されている。本実施の形態1では、CAN通信部16を用いない。
【0054】
電力制御装置1aは、また、リレー接点の一端が12Vの電源に接続されたリレー(第2スイッチに相当)d1と、リレー接点の一端がFG(Frame Ground:接地電位に相当)に接続されたリレー(第3スイッチに相当)d2と、一端がFGに接続された抵抗器R1と、フォトカプラ(信号検出部に相当)j1とを備える。リレーd1及びd2夫々のリレーコイルは、充放電制御部12に接続されている。本実施の形態1では、リレーd1,d2及び抵抗器R1を用いない。
なお、電力制御装置1aにおける電源の電圧は12Vに限定されない(後述する変形例及び実施の形態2から8夫々の
図3、4、6、8、10、12、15及び18における電力制御装置1b及び1aについても同様)。
【0055】
フォトカプラj1に含まれるLEDのアノード及びカソード夫々は、12V(所定電圧に相当)の電源及び抵抗器(抵抗回路に相当)R2の一端に接続されている。抵抗器R2は、他の抵抗器と組み合わされていてもよい。フォトカプラj1に含まれるトランジスタのエミッタ及びコレクタ夫々は、FG及び充放電制御部12に接続されている。この接続により、フォトカプラj1のオン信号が電力制御装置1aに取り込まれる。
【0056】
充放電コネクタ20は、AC/DC変換部11の直流側の入出力端に各別に接続された電力端子21,22と、リレーd1及びd2夫々のリレー接点の他端に接続された信号端子(夫々第2の信号端子及び第3の信号端子に相当)23,24と、抵抗器R1及びR2夫々の他端に接続された信号端子(夫々第4の信号端子及び所定の信号端子に相当)25,26と、FGに接続されたFG端子27と、CAN通信部16に接続された通信端子28とを内包している。通信端子28は、実際には2つの端子からなるが、ここでは説明のために1つの端子として説明する(以下同様)。
【0057】
インレット30は、電力端子21,22夫々に対応する電力端子31,32と、信号端子26に対応する信号端子36と、FG端子27に対応するFG端子37とを内包している。充放電コネクタ20及びインレット30夫々が内包する各端子は、充放電コネクタ20がインレット30に嵌合したときに、対応する端子同士が接続されるようになっている。
【0058】
電力端子31及び32は、蓄電装置4aが備える蓄電池(他の蓄電池に相当)40の両端に各別に接続されている。信号端子36及びFG端子37間には、抵抗器(信号発生部に相当)R4が接続されている。FG端子37は、蓄電装置4aのFGに接続されている。抵抗器R4は、他の電子部品等を含む電気回路であってもよい。本実施の形態1にあっては、抵抗器R4は導線であってもよい。電力端子31及び32と接続された蓄電池40が、実線の枠で示される蓄電装置4aの本体の外側に配置されていてもよい。
【0059】
充放電制御部12はCPU121を有し、CPU121の制御によってリレー10,d1,d2夫々のリレーコイルを励磁する。これにより、リレー10,d1,d2夫々のリレー接点がオンになる。リレー10のリレー接点がオンになった場合、AC/DC変換部11の交流側の入出力端が分電盤に接続される。また、リレーd1のリレー接点がオンになった場合、信号端子23に12Vの電源電圧が印加される。リレーd2のリレー接点がオンになった場合、信号端子24がFGに接続される。充放電制御部12は、蓄電池40に対する充放電を行う間だけ、リレー10のリレー接点をオンにする。
【0060】
上述の構成において、充放電コネクタ20が、例えば電力制御装置1aの本体に配されたホルダ部(不図示)から取り出されて蓄電装置4aのインレット30に嵌合した場合、電力端子21,22夫々が電力端子31,32に接続され、信号端子26及びFG端子27夫々が信号端子36及びFG端子37に接続される。つまり、電力制御装置1a及び蓄電装置4aが、充放電コネクタ20及びインレット30を介して接続される。
【0061】
電力制御装置1a及び蓄電装置4aが接続された場合、フォトカプラj1に含まれるLED及び抵抗器R2,R4を介して12Vの電源からFGに電流が流れてフォトカプラj1がオンになる。換言すれば、12Vの電源からの電流により抵抗器(電気回路)R4に電圧信号(所定信号及び充電許可を示す信号に相当)が発生し、発生した信号が信号端子(所定の信号端子)26に入力され、入力された信号がフォトカプラj1により検出される。検出結果は充放電制御部12のCPU121に取り込まれる。フォトカプラj1により、信号端子26に印加された電圧信号を検出した充放電制御部12は、蓄電池40に対する充放電を開始する。
【0062】
上述のフォトカプラj1のオン信号は、電力制御装置1aの接続先の装置が、例えばCHAdeMO規格に準拠するPHV又はEVであるか否かの判定に使用される。即ち、CHAdeMO規格では、フォトカプラj1のオン信号に相当する充電許可信号がオンになるのは、リレーd1がオンになり、且つCAN通信にて所定の通信手順が実行された後に限られる。これに対し、本実施の形態1に係る蓄電装置4aでは、充放電コネクタ20がインレット30に嵌合した時点でフォトカプラj1のオン信号が検出される。
【0063】
以下では、上述した充放電制御部12の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。以下に示す処理は、不図示のROMに予め格納されている制御プログラムに従って、充放電制御部12のCPU121により実行される。
図2は、本発明の実施の形態1に係る電力制御システムで充放電を開始するCPU121の処理手順を示すフローチャートである。
図2の処理は、充放電制御部12による充放電の準備が整ったときに起動される。なお
図2では、不図示の充放電コネクタのロック及びロック解除を行うステップを記載していないが、これらのステップを実行するようにしてもよい(後述する
図13及び14参照:後述する実施の形態2、3、4、5及び8夫々における
図5、7、9、11及び19についても同様)。
【0064】
図2の処理が起動された場合、CPU121は、フォトカプラj1により充電許可を示す信号(以下、充電許可信号という)を検出したか否かを判定し(S11)、検出しない場合(S11:NO)、検出するまで待機する。充電許可信号を検出しない場合に、CHAdeMO規格又は電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠する充放電を実行するようにしてもよい(後述する実施の形態2、3、4、5及び8夫々における
図5、7、9、11及び19についても同様)。
充電許可信号を検出した場合(S11:YES)、CPU121は、操作表示部14によりスタートボタンが押下されたか否かを判定し(S12)、押下されていない場合(S12:NO)、押下されるまで待機する。
【0065】
上述のステップS11及びS12は、実行順序を入れ替えてもよい。例えば、先にスタートボタンの押下を判定した後に、充電許可信号の検出を判定する場合、充電許可信号が検出されないときは、車両に対する通常の充放電を行うものとして、CHAdeMO規格又は電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠する充放電を開始するようにしてもよい。また、ステップS12におけるスタートボタンの押下の判定を行わないようにしてもよい(後述する実施の形態2、3、4、5及び8夫々における
図5、7、9、11及び19についても同様)。この場合、通常はスタートボタンの押下の前に行われる運転モードの設定が、予め行われているものとする。
【0066】
スタートボタンが押下された場合(S12:YES)、CPU121は、電圧検出部13により電力端子21,22に印加された電圧を検出し(S14)、検出した電圧が所定の閾値範囲内にあるか否かを判定する(S15)。ここでの所定の閾値範囲は、電力端子21,22に接続された蓄電池40が、例えば過充電及び過放電にならないことが担保される電圧の範囲である。
【0067】
検出した電圧が所定の閾値範囲内にない場合(S15:NO)、CPU121は、再度電力端子21,22の電圧を検出して判定するために、ステップS14に処理を移す。これは、この時点で電力端子21,22に印加された電圧が十分に上昇していない場合を想定したものである。このような場合を回避するため、ステップS12及びS14の間に適当な時間(例えば100ms)だけ待機する処理を実行するようにしてもよい。
【0068】
上記の待機処理を実行したのちにステップS14,S15の処理を実行する場合は、検出した電圧が所定の閾値範囲内にない(S15:NO)と判定されたときに、充放電が受け付けられない旨のメッセージを操作表示部14に表示して
図2の処理を終了するようにしてもよい。
【0069】
図2に戻って、検出した電圧が所定の閾値範囲内にある場合(S15:YES)、CPU121は、リレー10のリレー接点をオンにすると共に、AC/DC変換部11による蓄電池40に対する充放電を開始する(S16)。この場合、蓄電池40を充電するのか又は放電させるのかは、上述のスタートボタンが押下される前に、例えば操作表示部14から設定されているものとする。
【0070】
蓄電池40が放電した直流電圧が交流電圧に変換される場合は、変換された交流電圧が、分電盤に収容された不図示の電力負荷に供給される。蓄電池40の充放電中は、電圧検出部13により、蓄電池40の充放電電圧が時系列的に検出されるが、図示しない電流検出部により、充放電電流を時系列的に検出することによって蓄電池40の充放電容量(即ち充放電された容量)を算出するようにしてもよい。
【0071】
その後、CPU121は、蓄電池40について、充放電停止の条件が充足されるか否かを判定し(S17)、充足されない場合(S17:NO)、充電停止の条件が充足されるまで待機する。ここでの充放電停止の条件とは、例えば、蓄電池40が満充電の状態若しくは放電終止の状態となったこと、電力制御システムについて何らかの異常が発生したこと、又は操作表示部14における不図示のストップボタンが押下されたことが挙げられる(後述する実施の形態2から8夫々における
図5、7、9、11、14、17及び19についても同様)。充放電停止の条件が充足された場合(S17:YES)、CPU121は、リレー10のリレー接点をオフにすると共に、AC/DC変換部11による蓄電池40に対する充放電を停止して(S18)
図2の処理を終了する。
【0072】
以上のように本実施の形態1によれば、蓄電装置4aの抵抗器R4が、電力制御装置1aが備える充放電コネクタ20の信号端子(所定の信号端子)26に入力されるべき電圧信号(所定信号)を発生させる。電力制御装置1aのフォトカプラ(信号検出部)j1が、信号端子26に入力された電圧信号を検出した場合、充放電制御部12のCPU121が充放電コネクタ20の電力端子21,22を介して蓄電池(他の蓄電池)40に対する充電又は放電を開始する。
つまり、電力制御装置1aの充放電コネクタ20に入力された所定信号が検出されることによって所定信号の発生源との接続が確認された場合に、充放電コネクタ20を介して蓄電池40に対する充放電が開始される。
従って、車両用の充電器と同一の接続インタフェースを用いて、車両以外の蓄電池に対する充放電を行うことが可能となる。
【0073】
更に、実施の形態1によれば、電力制御装置1aの操作表示部(受付部)14が充電又は放電を開始する操作を受け付けた場合、充放電制御部12のCPU121が蓄電池(他の蓄電池)40に対する充電又は放電を開始する。
従って、所定信号の発生源との接続が確認され、且つ充放電の開始操作が行われた場合(順不同)に、他の蓄電池(蓄電池40)に対する充放電を開始することが可能となる。
【0074】
更にまた、実施の形態1によれば、充放電コネクタ20の電力端子21,22に外部から印加された電圧が所定の閾値範囲内にある場合、充放電制御部12のCPU121が、蓄電装置4aにある蓄電池40に対する充電又は放電を開始する。
従って、所定信号の発生源との接続が確認され、且つ他の蓄電池(蓄電池40)の電圧が充放電に適する電圧であることが確認された場合に、他の蓄電池に対する充放電を開始することが可能となる。
【0075】
また、実施の形態1によれば、充放電制御部12が、車両の蓄電池に対してCHAdeMO規格又は電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠する充放電を行う機能を有しており、充放電コネクタ20が夫々の規格又はガイドラインに準拠している。その上で、蓄電池(他の蓄電池)40に対する充電許可を示す信号(充電許可信号)を所定信号とする。
従って、CHAdeMO規格又は電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠する充放電機能を有する電力制御装置1aにて充電許可を示す信号が検出された場合に、他の蓄電池(蓄電池40)に対する充放電を開始することが可能となる。
【0076】
更にまた、実施の形態1によれば、充放電コネクタ20が、蓄電装置4aに配されたインレット30と嵌合可能にしてあり、電力制御装置1aが蓄電装置4aのインレット30を介して蓄電装置4aと接続可能である。
従って、充放電コネクタ20が車両のインレットの代わりに蓄電装置4aのインレット30に嵌合した場合に、他の蓄電池(蓄電池40)に対する充放電が可能となる。
【0077】
(変形例)
実施の形態1が、蓄電装置4aが充放電コネクタ20に嵌合するインレット30を備える形態であるのに対し、実施の形態1の変形例は、電力制御装置がインレット30を備えており、蓄電装置が電力制御装置に配されたインレット30と直接的に接続されている形態である。
【0078】
図3は、本発明の実施の形態1の変形例に係る電力制御システムの要部構成を示すブロック図である。図中1bはCHAdeMO協議会によるCHAdeMO規格に準拠する充電、及び電動車両用電力供給システム協議会による電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠する充放電を行う電力制御装置である。電力制御装置1bは、本体から延出する充放電ケーブル2の一端に取着された充放電コネクタ20が、本体に設けられた充放電コネクタ20のホルダ部(不図示)に配されたインレット30に着脱自在に嵌合する。
【0079】
インレット30が内包する電力端子31及び32は、蓄電装置4bが備える蓄電池(他の蓄電池に相当)40の両端に各別に接続されている。信号端子36及びFG端子37間には、蓄電装置4bが備える抵抗器(信号発生部に相当)R4が接続されている。FG端子37は、蓄電装置4bのFGに接続されている。
その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
【0080】
上述の構成において、充放電コネクタ20が、例えば電力制御装置1bの本体のホルダ部に収納されてインレット30に嵌合した場合、電力端子21,22夫々が電力端子31,32に接続され、信号端子26及びFG端子27夫々が信号端子36及びFG端子37に接続される。つまり、電力制御装置1b及び蓄電装置4bが、充放電コネクタ20及びインレット30を介して接続される。この場合、蓄電装置4bは、電力制御装置1bが備えるインレット30に直接的に接続されている。蓄電装置4bは、装置全体が電力制御装置1bの本体に内蔵されていてもよいし、例えば蓄電池40が蓄電装置4b及び電力制御装置1bの本体の外側に配置されていてもよい。
【0081】
フォトカプラj1により、信号端子26に印加された電圧信号を検出した充放電制御部12は、蓄電池40に対する充放電を開始する。蓄電装置4bに対する充放電を開始するCPU121の処理手順を示すフローチャートは、実施の形態1における
図2に示すものと同一であるため、図示及びその説明を省略する。
【0082】
以上のように本実施の形態1の変形例によれば、充放電コネクタ20が、電力制御装置1bに配されたインレット30と嵌合するようにしてあり、電力制御装置1bが自身のインレット30を介して蓄電装置4bと接続される。
従って、充放電コネクタ20が車両のインレットの代わりに電力制御装置1bのインレット30に嵌合した場合、他の蓄電池(蓄電池40)に対する充放電が可能となる。
【0083】
また、実施の形態1及びその変形例によれば、充放電コネクタ20が充放電ケーブル2の一端に取着されているため、充放電ケーブル2が届く範囲内で、充放電コネクタ20と嵌号させるインレット30を任意に選択することが可能となる。
【0084】
(実施の形態2)
実施の形態1が、蓄電装置4aの電力端子31,32に蓄電池40が直接的に接続されている形態であるのに対し、実施の形態2は、電力端子31,32にリレー接点を介して蓄電池40が接続されており、蓄電装置がリレー接点をオンにする蓄電制御部を備える形態である。
図4は、本発明の実施の形態2に係る電力制御システムの要部構成を示すブロック図である。電力制御装置1aは、本体から延出する充放電ケーブル2の一端に取着された充放電コネクタ20が、蓄電装置4cに配されたインレット30に着脱自在に嵌合する。
【0085】
蓄電装置4cは、蓄電池40と、インレット30に内包された電力端子31,32及び蓄電池40間を接続する第1リレー接点411,411を有する第1リレー(第1スイッチに相当)41と、第1リレー接点411,411をオンにする蓄電制御部42と、インレット30に内包された信号端子36及びFG端子37間に接続された抵抗器R4と、抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出する電圧/電流検出部43とを備える。電圧/電流検出部43及びFG間に描かれた波線は、抵抗器R4の電圧が検出される場合に必要となる配線を表している。
【0086】
蓄電制御部42には、例えば蓄電池40とは異なる補助電池から12Vの電源が供給されている。蓄電装置4cにおける電源の電圧は12Vに限定されず、補助電池以外の電源を用いるようにしてもよい(後述する実施の形態6及び8夫々の
図12及び18における蓄電装置4g及び4kについても同様)。第1リレー41のリレーコイル412は、蓄電制御部42に接続されている。第1リレー41は、電磁リレーに限定されず、電子スイッチ等の他のスイッチであってもよい。
その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
上述の構成において、充放電コネクタ20が、例えば電力制御装置1aの本体に設けられた充放電コネクタ20のホルダ部から取り出されて蓄電装置4cのインレット30に嵌合した場合、電力端子21,22夫々が電力端子31,32に接続され、信号端子26及びFG端子27夫々が信号端子36及びFG端子37に接続される。つまり、電力制御装置1a及び蓄電装置4cが、充放電コネクタ20及びインレット30を介して接続される。
【0088】
電力制御装置1a及び蓄電装置4cが接続された場合、12Vの電源からの電流が抵抗器(電気回路)R4に流れて電圧信号(所定信号)が発生し、発生した信号が信号端子(所定の信号端子)26に入力され、入力された信号がフォトカプラj1により検出される。検出結果は充放電制御部12のCPU121に取り込まれる。
【0089】
この状態にて蓄電装置4c側では、電圧/電流検出部43が抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出し、検出結果が蓄電制御部42に取り込まれる。抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出した蓄電制御部42は、リレーコイル412を励磁して第1リレー接点411,411をオンにする。これにより、蓄電池40が電力端子31,32に接続される。
【0090】
一方の電力制御装置1a側では、電圧検出部13が電力端子21,22に外部から印加される電圧を検出しており、第1リレー接点411,411がオンになった後に電圧検出部13が蓄電池40の電圧を検出することとなる。そして、充放電制御部12が蓄電池40に対する充放電を開始する。
【0091】
以下では、上述した充放電制御部12及び蓄電制御部42の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。
図5は、本発明の実施の形態2に係る電力制御システムで充放電を開始するCPU121の処理手順と、充放電を受け入れるCPU421の処理手順とを示すフローチャートである。
【0092】
図5における電力制御装置1a側の処理は、充放電制御部12による充放電の準備が整ったときに起動される。また、蓄電装置4c側の処理は、蓄電制御部42にて充放電を受け入れる準備が整ったときに起動される。電力制御装置1a側のステップS21からS28までの処理は、実施の形態1における
図2のステップS11からS18までの処理と同一であるため、その説明の大部分を省略する。
【0093】
電力制御装置1aでは、充放電制御部12のCPU121が、充電許可信号を検出した場合(S21:YES)、処理をステップS22に進める。この段階で、蓄電装置4cの抵抗器R4には、電力制御装置1aの12Vの電源からの電流が、フォトカプラj1、抵抗器R2及び信号端子26,36を介して流入している。
【0094】
一方の蓄電装置4cでは、蓄電制御部42のCPU421が、電圧/電流検出部43により抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出したか否かを判定し(S121)、検出しない場合(S121:NO)、検出するまで待機している。CPU421は、電力制御装置1a側で充電許可信号が検出された直後に、抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出し(S121:YES)、第1リレー接点411,411をオンにする(S123)。これにより、電力端子31,32及び21,22に蓄電池40の電圧が印加される。
【0095】
その後、CPU421は、電圧/電流検出部43により抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出したか否かを判定し(S124)、検出した場合(S124:YES)、検出しなくなるまで待機する。電圧の発生又は電流の流入を検出しない場合(S124:NO)、即ち、充放電コネクタ20がインレット30から取り外されて抵抗器R4に電流が流入しなくなった場合、CPU421は、第1リレー接点411,411をオフにして(S125)
図5の処理を終了する。CPU421が何らかの異常を検出した場合に、第1リレー接点411,411をオフにするようにしてもよい。
【0096】
他方の電力制御装置1aでは、CPU121は、スタートボタンの押下を検出した場合(S22:YES)、処理をステップS24に進めるが、蓄電装置4c側で第1リレー接点411,411がオンになる前はステップS24,S25の処理を繰り返している。蓄電装置4c側で第1リレー接点411,411がオンになった後に、電圧検出部13により電力端子21,22に印加された電圧を検出し(S24)、検出した電圧が所定の閾値範囲内にあると判定した場合(S25:YES)、CPU121は、ステップS26に処理を進める。ステップS26からS28までの処理については、説明を省略する。
【0097】
以上のように本実施の形態2によれば、充放電コネクタ20がインレット30に嵌合したときに電力端子21,22に接続されるインレット30内の電力端子31,32と蓄電池40との間に第1リレー接点(第1スイッチ)411,411が介装されており、蓄電制御部42のCPU421が第1リレー接点411,411をオンにする。
従って、蓄電制御部42が第1スイッチ(第1リレー接点411,411)をオンにしない限り、他の蓄電池(蓄電池40)の電圧が不用意にインレット30内の電力端子31,32に印加されるのを防止することが可能になる。
【0098】
また、実施の形態2によれば、抵抗器R4を含む電気回路である信号発生部に対し、充放電コネクタ20の信号端子(所定の信号端子)26を介して電力制御装置1a側から12Vの電圧(所定電圧)が印加されるため、抵抗器(電気回路)R4に電流が流れて電圧が発生する。この電圧又は電流を電圧/電流検出部43が検出した場合、蓄電制御部42のCPU421が第1リレー接点(第1スイッチ)411,411をオンにする。
従って、電力制御装置1aとの接続が蓄電装置4c側で確認されたときに、インレット30内の電力端子31,32に他の蓄電池(蓄電池40)が接続されるため、他の蓄電池に接続される活電部の露出を防止することが可能となる。
【0099】
(実施の形態3)
実施の形態2が、蓄電装置4cの蓄電制御部42に補助電源から12Vの電源が供給される形態であるのに対し、実施の形態3は、蓄電制御部42に対して電力制御装置1a側から充放電コネクタ20及びインレット30を介して12Vの電源が供給される形態である。
図6は、本発明の実施の形態3に係る電力制御システムの要部構成を示すブロック図である。電力制御装置1aは、本体から延出する充放電ケーブル2の一端に取着された充放電コネクタ20が、蓄電装置4dに配されたインレット30に着脱自在に嵌合する。
【0100】
蓄電装置4dは、信号端子23に対応する信号端子33をインレット30に内包しており、信号端子33からの電圧が電源電圧として蓄電制御部42に供給される。蓄電装置4dと、実施の形態2で用いた蓄電装置4cとの違いは、蓄電制御部42の電源電圧が信号端子33から供給されるか否か、及び電圧/電流検出部43を備えるか否かの差異のみである。
その他、実施の形態1及び2に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
【0101】
上述の構成において、充放電コネクタ20が、例えば電力制御装置1aの本体に設けられた充放電コネクタ20のホルダ部から取り出されて蓄電装置4dのインレット30に嵌合した場合、電力端子21,22夫々が電力端子31,32に接続され、信号端子23,26及びFG端子27夫々が信号端子33,36及びFG端子37に接続される。つまり、電力制御装置1a及び蓄電装置4dが、充放電コネクタ20及びインレット30を介して接続される。
【0102】
電力制御装置1a及び蓄電装置4dが接続された場合、12Vの電源からの電流が抵抗器(電気回路)R4に流れて電圧信号(所定信号)が発生し、発生した信号が信号端子(所定の信号端子)26に入力され、入力された信号がフォトカプラj1により検出される。検出結果は充放電制御部12のCPU121に取り込まれる。フォトカプラj1により電圧信号を検出したCPU121は、リレーd1のリレー接点をオンにする。これにより、蓄電制御部42には、信号端子23,33を介して12Vの電源が供給される。
【0103】
この状態にて蓄電装置4d側では、蓄電制御部42が動作を開始する。動作を開始した後蓄電制御部42は、充放電を受け入れる準備が整ったときにリレーコイル412を励磁して第1リレー接点411,411をオンにする。これにより、蓄電池40が電力端子31,32に接続される。
【0104】
一方の電力制御装置1a側では、電圧検出部13が電力端子21,22に外部から印加される電圧を検出しており、第1リレー接点411,411がオンになった後に電圧検出部13が蓄電池40の電圧を検出することとなる。そして、充放電制御部12が蓄電池40に対する充放電を開始する。
【0105】
以下では、上述した充放電制御部12及び蓄電制御部42の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。なお、本実施の形態3では、リレーd1のオンと、リレーd1のリレー接点のオンとを同じ意味で用いる(リレーd1,d2について、以下同様)。
図7は、本発明の実施の形態3に係る電力制御システムで充放電を開始するCPU121の処理手順と、充放電を受け入れるCPU421の処理手順とを示すフローチャートである。
【0106】
図7における電力制御装置1a側の処理は、充放電制御部12による充放電の準備が整ったときに起動される。また、蓄電装置4d側の処理は、蓄電制御部42に電源が供給された後に適時起動される。電力制御装置1a側のステップS31,32及びS34からS38までの処理は、実施の形態1における
図2のステップS11,12及びS14からS18までの処理(又は実施の形態2における
図5のステップS21,22及びS24からS28までの処理)と同一であるため、その説明の大部分を省略する。
【0107】
電力制御装置1aでは、充放電制御部12のCPU121が、スタートボタンの押下を検出した場合(S32:YES)、リレーd1をオンにする(S33)。これにより12Vの電源が供給された蓄電制御部42が動作を開始する。その後、CPU121は、処理をステップS34に進めるが、蓄電装置4d側で第1リレー接点411,411がオンになる前はステップS34,S35の処理を繰り返している。
【0108】
一方の蓄電装置4dでは、動作を開始した蓄電制御部42のCPU421が、充放電の受け入れ準備が整ったときに第1リレー接点411,411をオンにする(S131)。これにより、電力端子31,32及び21,22に蓄電池40の電圧が印加される。その後、CPU421は、何らかの異常を検出したか否かを判定し(S132)、検出しない場合(S132:NO)、異常を検出するまで待機する。異常を検出した場合(S132:YES)、CPU421は、第1リレー接点411,411をオフにして(S133)
図7の処理を終了する。
【0109】
他方の電力制御装置1aでは、蓄電装置4d側で第1リレー接点411,411がオンになった後に、CPU121が、電圧検出部13により電力端子21,22に印加された電圧を検出し(S34)、検出した電圧が所定の閾値範囲内にあると判定した場合(S35:YES)、ステップS36に処理を進める。
【0110】
ステップS36及びS37の処理については、説明を省略する。その後、充放電を停止した(S38)CPU121は、リレーd1をオフにして(S39)
図7の処理を終了する。これにより、蓄電制御部42に対する12Vの電源の供給が停止される。電源の供給が絶たれた蓄電制御部42のCPU421は、動作を停止する。
【0111】
以上のように本実施の形態3によれば、信号端子(所定の信号端子)26に入力された電圧信号(所定信号)をフォトカプラ(信号検出部)j1が検出した場合、充放電制御部12のCPU121がリレー(第2スイッチ)d1をオンにすることにより、充放電コネクタ20内の信号端子(第2の信号端子)23に12Vの電圧(所定電圧)が印加され、この12Vの電圧がインレット30内の信号端子33を介して電源電圧として蓄電制御部42に供給される。
従って、蓄電装置4d側に蓄電制御部42のための電源を不要とすることが可能になる。
【0112】
(実施の形態4)
実施の形態3が、電力端子31,32及び蓄電池40間に接続された第1リレー接点411,411が、蓄電制御部42からしかオン又はオフにできない形態であるのに対し、実施の形態4は、第1リレー接点411,411が、充放電制御部12からもオン又はオフにできる形態である。
図8は、本発明の実施の形態4に係る電力制御システムの要部構成を示すブロック図である。電力制御装置1aは、本体から延出する充放電ケーブル2の一端に取着された充放電コネクタ20が、蓄電装置4eに配されたインレット30に着脱自在に嵌合する。
【0113】
蓄電装置4eは、蓄電池40と、インレット30に内包された電力端子31,32及び蓄電池40間を接続する第1リレー接点411,411を有する第1リレー41と、第1リレー接点411,411をオンにするリレーコイル412,412に直列接続された常開型の第2リレー接点441を有する第2リレー44と、第2リレー接点441をオンにする蓄電制御部42と、インレット30に内包された信号端子36及びFG端子37間に接続された抵抗器R4とを備える。リレー接点411,411は常開型である。インレット30は、信号端子23,24に対応する信号端子33,34を更に内包している。
【0114】
蓄電制御部42には、信号端子33からの電圧が電源電圧として供給される。第1リレー41のリレーコイル412,412及び第2リレー接点441の直列回路は、信号端子33及び34間に接続されている。第2リレー44のリレーコイル442は、蓄電制御部42に接続されている。
その他、実施の形態1及び3に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
【0115】
上述の構成において、充放電コネクタ20が、例えば電力制御装置1aの本体に設けられた充放電コネクタ20のホルダ部から取り出されて蓄電装置4eのインレット30に嵌合した場合、電力端子21,22夫々が電力端子31,32に接続され、信号端子23,24,26及びFG端子27夫々が信号端子33,34,36及びFG端子37に接続される。つまり、電力制御装置1a及び蓄電装置4eが、充放電コネクタ20及びインレット30を介して接続される。
【0116】
電力制御装置1a及び蓄電装置4eが接続された場合、12Vの電源からの電流が抵抗器(電気回路)R4に流れて電圧信号(所定信号)が発生し、発生した信号が信号端子(所定の信号端子)26に入力され、入力された信号がフォトカプラj1により検出される。検出結果は充放電制御部12のCPU121に取り込まれる。フォトカプラj1により電圧信号を検出したCPU121は、リレーd1,d2夫々のリレー接点をオンにする。これにより、蓄電制御部42には、信号端子23,33を介して12Vの電源が供給されると共に、リレーコイル412,412及び第2リレー接点441の直列回路に信号端子23,33及び24,34を介して12Vの電源が供給される。
【0117】
この状態にて蓄電装置4e側では、蓄電制御部42が動作を開始する。動作を開始した蓄電制御部42は、充放電を受け入れる準備が整ったときにリレーコイル442を励磁して第2リレー接点441をオンにする。このため、リレーコイル412,412が励磁されて第1リレー接点411,411がオンになる。これにより、蓄電池40が電力端子31,32に接続される。
【0118】
一方の電力制御装置1a側では、電圧検出部13が電力端子21,22に外部から印加される電圧を検出しており、第1リレー接点411,411がオンになった後に電圧検出部13が蓄電池40の電圧を検出することとなる。そして、充放電制御部12が蓄電池40に対する充放電を開始する。
【0119】
以下では、上述した充放電制御部12及び蓄電制御部42の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。
図9は、本発明の実施の形態4に係る電力制御システムで充放電を開始するCPU121の処理手順と、充放電を受け入れるCPU421の処理手順とを示すフローチャートである。
【0120】
図9における電力制御装置1a側の処理は、充放電制御部12による充放電の準備が整ったときに起動される。また、蓄電装置4e側の処理は、蓄電制御部42に電源が供給された後に適時起動される。電力制御装置1a側のステップS41,42及びS44からS48までの処理は、実施の形態1における
図2のステップS11,12及びS14からS18までの処理(又は実施の形態3における
図7のステップS31,32及びS34からS38までの処理)と同一であるため、その説明の大部分を省略する。
【0121】
電力制御装置1aで、充放電制御部12のCPU121は、スタートボタンの押下を検出した場合(S42:YES)、リレーd1,d2をオンにする(S43)。これにより12Vの電源が供給された蓄電制御部42が動作を開始すると共に、リレーコイル412,412及び第2リレー接点441の直列回路に12Vの電源が供給される。なお、リレーd2は、充放電の準備が整ったときにオンにするようにしてもよい。その後、CPU121は、処理をステップS44に進めるが、蓄電装置4e側で第1リレー接点411,411がオンになる前はステップS44,S45の処理を繰り返している。
【0122】
一方の蓄電装置4eでは、動作を開始した蓄電制御部42のCPU421が、充放電の受け入れ準備が整ったときに第2リレー接点441をオンにする(S141)。これにより、第1リレー接点411,411がオンになり、電力端子31,32及び21,22に蓄電池40の電圧が印加される。その後、CPU421は、何らかの異常を検出したか否かを判定し(S142)、検出しない場合(S142:NO)、異常を検出するまで待機する。異常を検出した場合(S142:YES)、CPU421は、第2リレー接点441をオフにして(S143)
図9の処理を終了する。
【0123】
他方の電力制御装置1aでは、蓄電装置4e側で第1リレー接点411,411がオンになった後に、CPU121が、電圧検出部13により電力端子21,22に印加された電圧を検出し(S44)、検出した電圧が所定の閾値範囲内にあると判定した場合(S45:YES)、ステップS46に処理を進める。
【0124】
ステップS46及びS47の処理については、説明を省略する。その後、充放電を停止した(S48)CPU121は、リレーd1,d2をオフにして(S49)
図9の処理を終了する。これにより、蓄電制御部42に対する12Vの電源の供給が停止される。電源の供給が絶たれた蓄電制御部42のCPU421は、動作を停止する。
【0125】
以上のように本実施の形態4によれば、充放電コネクタ20がインレット30に嵌合したときに電力端子21,22に接続されるインレット30内の電力端子31,32と蓄電池(他の蓄電池)40との間に常開型の第1リレー接点411,411が介装されており、第1リレー接点411,411をオンにするリレーコイル412,412及び第2リレー接点441の直列回路を、充放電コネクタ20がインレット30に嵌合したときに充放電コネクタ20内の信号端子(第2及び第3の信号端子)23,24夫々に接続されるインレット30内の信号端子33,34に接続してある。信号端子(所定の信号端子)26に入力された電圧信号(所定信号)をフォトカプラ(信号検出部)j1が検出した場合、充放電制御部12のCPU121がリレー(第2及び第3スイッチ)d1,d2をオンにすることにより、信号端子23に12Vの電圧(所定電圧)が印加され、信号端子24がFG(接地電位)に接続される。この場合、蓄電制御部42のCPU421が第2リレー接点441をオンにしている間は、インレット30を介してリレーコイル412,412に12Vの電圧が印加されるため、第1リレー接点411,411がオンになって蓄電池40が電力端子31,32に接続される。
従って、充放電制御部12が第2又は第3スイッチをオフにすることにより、インレット30を介してリレーコイル412,412に所定電圧が印加されなくなり、第1リレー接点411,411がオフになるため、他の蓄電池(蓄電池40)を電力端子31,32から切り離すことが可能となる。
また、例えばステップS47で何らかの異常が検出されたときに、充放電制御部12が第2スイッチ(リレーd1)をオンに保持して第3スイッチ(リレーd2)をオフにした場合は、蓄電制御部42の動作を停止させることなく、他の蓄電池(蓄電池40)を電力端子31,32から切り離すことが可能となる。
【0126】
また、実施の形態4によれば、蓄電制御部42は、信号端子(第2の信号端子)23に接続されるインレット30内の信号端子33から12Vの電圧(電源電圧)が供給された場合、CPU421が常開型の第2リレー接点441をオンにする。
従って、蓄電装置4e側で例えば充放電を受け入れる準備が整ったときに第1リレー接点411,411をオンにして、他の蓄電池(蓄電池40)をインレット30内の電力端子31,32に接続することが可能となる。また、蓄電装置4e側に蓄電制御部42のための電源を不要とすることができる。
また、例えばステップS142で何らかの異常が検出されたときに、蓄電制御部42が第2リレー接点441をオフにした場合は、電力制御装置1a側からの制御に関わりなく、他の蓄電池(蓄電池40)を電力端子31,32から切り離すことが可能となる。
【0127】
(実施の形態5)
実施の形態4が、常開型の第2リレー接点441を用いる形態であるのに対し、実施の形態5は、常閉型の第2リレー接点を用いる形態である。
図10は、本発明の実施の形態5に係る電力制御システムの要部構成を示すブロック図である。電力制御装置1aは、本体から延出する充放電ケーブル2の一端に取着された充放電コネクタ20が、蓄電装置4fに配されたインレット30に着脱自在に嵌合する。
【0128】
蓄電装置4fは、第1リレー接点411,411をオンにするリレーコイル412,412に直列接続された常閉型の第2リレー接点451を有する第2リレー45を備える。第2リレー45のリレーコイル452は、蓄電制御部42に接続されている。蓄電装置4fと、実施の形態4で用いた蓄電装置4eとの違いは、リレーコイル412,412と直列接続されたリレー接点が、常閉型であるか常開型であるかの差異のみである。
その他、実施の形態1及び4に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。また、以下では、主に第2リレー接点451が常閉型であることによる実施の形態4との差異に着目した説明を行う。
【0129】
電力制御装置1a及び蓄電装置4fが、充放電コネクタ20及びインレット30を介して接続された場合、フォトカプラj1により充電許可信号を検出したCPU121は、リレーd1,d2のリレー接点をオンにする。これにより、蓄電制御部42には、信号端子23,33を介して12Vの電源が供給されると共に、リレーコイル412,412及び第2リレー接点451の直列回路に信号端子23,33及び24,34を介して12Vの電源が供給される。
【0130】
この状態にて蓄電装置4f側では、蓄電制御部42が動作を開始する。また、第2リレー接点451が既にオンになっているため、リレーコイル412,412が励磁されて第1リレー接点411,411がオンになる。これにより、蓄電池40が電力端子31,32に接続される。
【0131】
なお、CPU121は、リレーd1,d2のリレー接点を同時的にオンにするのではなく、以下の(a)〜(c)の処理順序でオンにしてもよい。
(a)リレー接点d1をオンにする。
これにより、蓄電制御部42に電源が供給される。
(b)例えば所定時間だけ待機して、蓄電制御部42の立ち上がりを待つ。
この間に動作を開始した蓄電制御部42のCPU421は、蓄電池40に対する充放電が禁止される状態であると判定した場合、リレーコイル452を励磁して第2リレー接点451をオフにすることができる。
(c)リレー接点d2をオンにする。
これにより、リレーコイル412,412が励磁されて、第1リレー接点411,411がオンになる。但し、上記(b)にて、第2リレー接点451がオフになった場合は、リレーコイル412,412が励磁されず、第1リレー接点411,411はオンにならない。
【0132】
一方の電力制御装置1a側では、電圧検出部13が電力端子21,22に外部から印加される電圧を検出しており、程なく電圧検出部13が蓄電池40の電圧を検出することとなる。そして、充放電制御部12が蓄電池40に対する充放電を開始する。
【0133】
以下では、上述した充放電制御部12及び蓄電制御部42の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。
図11は、本発明の実施の形態5に係る電力制御システムで充放電を開始するCPU121の処理手順と、充放電を受け入れるCPU421の処理手順とを示すフローチャートである。
【0134】
図11における電力制御装置1a側の処理は、充放電制御部12による充放電の準備が整ったときに起動される。また、蓄電装置4f側の処理は、蓄電制御部42に電源が供給された後に適時起動される。電力制御装置1a側のステップS51からS59までの処理は、実施の形態4における
図9のステップS41からS49までの処理と同一であるため、その説明の大部分を省略する。
【0135】
電力制御装置1aでは、充放電制御部12のCPU121が、スタートボタンの押下を検出した場合(S52:YES)、リレーd1,d2をオンにする(S53)。これにより、蓄電制御部42に12Vの電源が供給されると共に、リレーコイル412,412及び第2リレー接点451の直列回路に12Vの電源が供給されて第1リレー接点411,411がオンになり、電力端子31,32及び21,22に蓄電池40の電圧が印加される。なお、リレーd2は、充放電の準備が整ったときにオンにするようにしてもよい。その後、CPU121は、処理をステップS54に進め、程なく電圧検出部13により電力端子21,22に印加された電圧を検出し(S54)、検出した電圧が所定の閾値範囲内にあると判定した場合(S55:YES)、ステップS56に処理を進める。
【0136】
一方の蓄電装置4fでは、電源が供給されて動作を開始した蓄電制御部42のCPU421が、何らかの異常を検出したか否かを判定し(S152)、検出しない場合(S152:NO)、異常を検出するまで待機する。異常を検出した場合(S152:YES)、CPU421は、第2リレー接点451をオフにして(S153)
図11の処理を終了する。また、CPU421が異常を検出する前に、電力制御装置1a側でリレーd1,d2がオフになった(S59)場合は、その時点でCPU421が動作を停止する。
【0137】
以上のように本実施の形態5によれば、蓄電制御部42は、信号端子(第2の信号端子)23に接続されるインレット30内の信号端子33から12Vの電圧(電源電圧)が供給され、CPU421が常閉型の第2リレー接点451をオフにする。
従って、例えば何らかの異常があったときに第1リレー接点411,411をオフにして、他の蓄電池(蓄電池40)をインレット30内の電力端子31,32から切り離すことが可能となる。また、蓄電装置4f側に蓄電制御部42のための電源を不要にすることができる。
【0138】
(実施の形態6)
実施の形態2が、抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出したときに蓄電制御部42が第1リレー接点411,411をオンにする形態であるのに対し、実施の形態6は、CAN通信により充放電に係るパラメータを交換したときに蓄電制御部42が第1リレー接点411,411をオンにする形態である。
図12は、本発明の実施の形態6に係る電力制御システムの要部構成を示すブロック図である。電力制御装置1aは、本体から延出する充放電ケーブル2の一端に取着された充放電コネクタ20が、蓄電装置4gに配されたインレット30に着脱自在に嵌合する。
【0139】
蓄電装置4gは、インレット30を介して充放電に係る情報をCAN通信により送受信するCAN通信部(第1通信部及び通信部に相当)46を備える。CAN通信部46は蓄電制御部42に接続されている。蓄電装置4gと、実施の形態2で用いた蓄電装置4cとの違いは、CAN通信部46を備えるか否か、及び電圧/電流検出部43を備えるか否かの差異のみである。
その他、実施の形態1及び2に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
【0140】
上述の構成において、充放電コネクタ20が、例えば電力制御装置1aの本体に設けられた充放電コネクタ20のホルダ部から取り出されて蓄電装置4gのインレット30に嵌合した場合、電力端子21,22夫々が電力端子31,32に接続され、信号端子26、FG端子27及び通信端子28夫々が信号端子36、FG端子37及び通信端子38に接続される。つまり、電力制御装置1a及び蓄電装置4gが、充放電コネクタ20及びインレット30を介して接続される。
【0141】
電力制御装置1a及び蓄電装置4gが、充放電コネクタ20及びインレット30を介して接続された場合、12Vの電源からの電流が抵抗器(電気回路)R4に流れて電圧信号(所定信号)が発生し、発生した信号が信号端子(所定の信号端子)26に入力され、入力された信号がフォトカプラj1により検出される。検出結果は充放電制御部12のCPU121に取り込まれる。この時点でCAN通信部16及び46は、互いにCAN通信が可能である。
【0142】
フォトカプラj1により、信号端子26に印加された電圧信号を検出した充放電制御部12は、蓄電装置4gに対して、CAN通信によりCAN通信開始の指示を送信し、その応答を受信し、充放電に係る情報を送受信する。その後、蓄電制御部42は、充放電を受け入れる準備が整ったときに、第1リレー接点411,411をオンにすると共に、CAN通信により準備完了の通知を送信する。そして、準備完了の通知を受信した充放電制御部12が、蓄電池40に対する充放電を開始する。
【0143】
以下では、上述した充放電制御部12及び蓄電制御部42の動作を、それを示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
図13及び14は、本発明の実施の形態6に係る電力制御システムで充放電を開始するCPU121の処理手順と、充放電を受け入れるCPU421の処理手順とを示すフローチャートである。
図13における電力制御装置1a側の処理は、充放電制御部12による充放電の準備が整ったときに起動される。また、蓄電装置4g側の処理は、蓄電制御部42にて充放電を受け入れる準備が整ったときに起動される。
【0144】
電力制御装置1aでは、充放電制御部12のCPU121が、操作表示部14によりスタートボタンが押下されたか否かを判定し(S61)、押下されていない場合(S61:NO)、押下されるまで待機する。スタートボタンが押下された場合(S61:YES)、CPU121は、フォトカプラj1により充電許可信号を検出したか否かを判定する(S62)。
【0145】
充電許可信号を検出しない場合(S62:NO)、CPU121は、CHAdeMO規格又は電動自動車用充放電システムガイドラインに準拠する充放電を実行して(S63)
図13の処理を終了する。これに対し、充電許可信号を検出した場合(S62:YES)、CPU121は、CAN通信部16によりCAN通信開始の指示を送信する(S65)。
【0146】
一方の蓄電装置4gでは、蓄電制御部42のCPU421が、CAN通信部46によりCAN通信開始の指示を受信したか否かを判定し(S161)、受信しない場合(S161:NO)、受信するまで待機している。CAN通信開始の指示を受信した場合(S161:YES)、CPU421は、CAN通信開始の応答を送信する(S162)。
【0147】
他方の電力制御装置1aでは、CPU121が、CAN通信開始の応答を受信したか否かを判定し(S66)、受信しない場合(S66:NO)、受信するまで待機している。CAN通信開始の応答を受信した場合(S66:YES)、CPU121は、CAN通信により充放電に係る情報を送受信してCPU421との間でパラメータを交換した(S67)後に、不図示のロック機構により充放電コネクタ20をロックする(S68)。これにより、充放電中の充放電コネクタ20がインレット30から取り外されるのを防止する。
【0148】
一方の蓄電装置4gでは、パラメータの交換(S163)を終えたCPU121が、CAN通信にて準備完了の通知を送信した(S164)後に、第1リレー接点411,411をオンにする(S165)。これにより、電力端子31,32及び21,22に蓄電池40が接続される。
【0149】
他方の電力制御装置1aでは、CPU121が、CAN通信にて準備完了の通知を受信したか否かを判定し(S69)、受信しない場合(S69:NO)、受信するまで待機している。準備完了の通知を受信した場合(S69:YES)、CPU121は、AC/DC変換部11による蓄電池40に対する充放電を開始する(S70)。
【0150】
図14に移って、CPU121は、蓄電池40について、充放電停止の条件が充足されるか否かを判定し(S71)、充足されない場合(S71:NO)、充電停止の条件が充足されるまで待機する。充電停止の条件が充足された場合(S71:YES)、CPU121は、CAN通信にて充放電終了の指示を送信する(S72)。
【0151】
一方の蓄電装置4gでは、CPU421が、CAN通信にて充放電終了の指示を受信したか又は何らかの異常を検出したか否かを判定し(S171)、指示を受信せず且つ異常を検出しない場合(S171:NO)、充放電終了の指示を受信するか又は異常を検出するまで待機している。充放電終了の指示を受信したか又は異常を検出した場合(S171:YES)、CPU421は、第1リレー接点411,411をオフにした(S172)後に、CAN通信終了の要求を送信する(S173)。
【0152】
他方の電力制御装置1aでは、CPU121が、CAN通信終了の要求を受信したか否かを判定し(S73)、受信しない場合(S73:NO)、CAN通信終了の要求を受信するまで待機している。CAN通信終了の要求を受信した場合(S73:YES)、CPU121は、充放電コネクタ20のロックを解除し(S75)、CAN通信終了の指示を送信して(S76)
図13,14の処理を終了する。
【0153】
一方の蓄電装置4gでは、CPU421が、CAN通信終了の指示を受信したか否かを判定し(S174)、受信しない場合(S174:NO)、CAN通信終了の指示を受信するまで待機している。CAN通信終了の指示を受信した場合(S174:YES)、CPU421は、
図13,14の処理を終了する。
【0154】
以上のように本実施の形態6によれば、電力制御装置1aのCAN通信部(第2通信部)16が蓄電装置4gのCAN通信部(第1通信部)46との間で充放電コネクタ20及びインレット30を介して充放電に係る情報を送受信した場合、電力制御装置1aのCPU121が蓄電池(他の蓄電池)40に対する充電又は放電を開始する。
従って、例えば充放電に要する情報が授受された場合に、他の蓄電池(蓄電池40)に対する充放電が可能となる。
【0155】
(実施の形態7)
実施の形態6が、蓄電装置4gの蓄電制御部42に補助電源から12Vの電源が供給される形態であるのに対し、実施の形態7は、蓄電制御部42に対して電力制御装置1a側から充放電コネクタ20及びインレット30を介して12Vの電源が供給される形態である。
図15は、本発明の実施の形態7に係る電力制御システムの要部構成を示すブロック図である。電力制御装置1aは、本体から延出する充放電ケーブル2の一端に取着された充放電コネクタ20が、蓄電装置4hに配されたインレット30に着脱自在に嵌合する。
【0156】
蓄電装置4hと、実施の形態6で用いた蓄電装置4gとの違いは、蓄電制御部42の電源電圧が信号端子33から供給されるか否かの差異のみである。
その他、実施の形態1及び6に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。また、以下では、主に蓄電制御部42の電源電圧が信号端子33から供給されることによる実施の形態6との差異に着目した説明を行う。
【0157】
電力制御装置1a及び蓄電装置4hが、充放電コネクタ20及びインレット30を介して接続された場合、フォトカプラj1により充電許可信号を検出したCPU121は、リレーd1のリレー接点をオンにする。その結果、信号端子23,33を介して12Vの電源が蓄電制御部42に供給され、蓄電制御部42が動作を開始してCAN通信によりCAN通信開始の要求を送信する。
【0158】
一方、蓄電装置4hからCAN通信開始の要求を受信した充放電制御部12は、CAN通信開始の通知を送信し、この通知を受信した蓄電制御部42との間で充放電に係る情報を送受信する。その後、蓄電制御部42は、充放電を受け入れる準備が整ったときに、第1リレー接点411,411をオンにすると共に、CAN通信により準備完了の通知を送信する。そして、準備完了の通知を受信した充放電制御部12が、蓄電池40に対する充放電を開始する。
【0159】
以下では、上述した充放電制御部12及び蓄電制御部42の動作を、それを示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
図16及び17は、本発明の実施の形態7に係る電力制御システムで充放電を開始するCPU121の処理手順と、充放電を受け入れるCPU421の処理手順とを示すフローチャートである。
図16における電力制御装置1a側の処理は、充放電制御部12による充放電の準備が整ったときに起動される。また、蓄電装置4h側の処理は、蓄電制御部42に電源が供給された後に適時起動される。
図16では蓄電装置4h側からのCAN通信開始の要求によってCAN通信が始まるが、実施の形態6における
図13に示したように、電力制御装置1側からのCAN通信開始の指示によってCAN通信が始まるようにしてもよい。
【0160】
電力制御装置1a側のステップS84,S85,S86,S94を除くステップS81からS96までの処理は、実施の形態6の
図13,14におけるステップS65,S66を除くステップS61からS76までの処理と同一であるため、その説明の大部分を省略する。また、蓄電装置4h側のステップS183からS193までの処理は、実施の形態6の
図13,14におけるステップS163からS173までの処理と同一であるため、その説明の大部分を省略する。
【0161】
電力制御装置1aでは、充放電制御部12のCPU121が、充電許可信号を検出した場合(S82:YES)、リレーd1をオンにする(S84)。これにより、蓄電制御部42に12Vの電源が供給される。
【0162】
一方の蓄電装置4hでは、電源が供給されて動作を開始した蓄電制御部42のCPU421が、CAN通信部46によりCAN通信開始の要求を送信する(S181)。
【0163】
他方の電力制御装置1aでは、CPU121が、CAN通信部46によりCAN通信開始の要求を受信したか否かを判定し(S85)、受信しない場合(S85:NO)、受信するまで待機している。CAN通信開始の要求を受信した場合(S85:YES)、CPU121は、CAN通信開始の通知を送信し(S86)、CPU421との間でパラメータの交換を行うステップS87に処理を進める。以降のステップS88からS93までの処理及びステップS95,S96の処理については説明を省略する。
【0164】
一方の蓄電装置4hでは、CPU421が、CAN通信開始の通知を受信したか否かを判定し(S182)、受信しない場合(S182:NO)、受信するまで待機している。CAN通信開始の通知を受信した場合(S182:YES)、CPU421は、充放電に係る情報を送受信してCPU121との間でパラメータの交換を行うステップS183に処理を進める。以降のステップS184からS193までの処理については説明を省略する。
【0165】
その後、電力制御装置1aでは、CPU121が、CAN通信終了の要求を受信した場合(S93:YES)、リレーd1をオフにする(S94)。これにより、蓄電制御部42に対する12Vの電源の供給が停止される。電源の供給が絶たれた蓄電制御部42のCPU421は、動作を停止する。このため、ステップS96で送信されたCAN通信終了の指示が受信されることはない。但し、蓄電制御部42に電源が供給され続けている場合は、CAN通信終了の指示を受信する処理をステップS193の後に挿入しておくことにより、CPU421がCAN通信終了の指示を受信して
図16,17の処理を終了することができる。
【0166】
以上のように本実施の形態7によれば、電力制御装置1aのCAN通信部(第2通信部)16が蓄電装置4hのCAN通信部(第1通信部)46との間で充放電コネクタ20及びインレット30を介して充放電に係る情報を送受信した場合、電力制御装置1aのCPU121が蓄電池(他の蓄電池)40に対する充電又は放電を開始する。
従って、実施の形態6と同様、充放電に要する情報が授受された場合に、他の蓄電池(蓄電池40)に対する充放電が可能となる。
【0167】
(実施の形態8)
実施の形態2が、電圧/電流検出部43が抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出したときに、蓄電制御部42が第1リレー接点411,411をオンにする形態であるのに対し、実施の形態8は、更に蓄電制御部42が蓄電池40に係る情報を電力制御装置1aに送出した後に第1リレー接点411,411をオンにする形態である。
図18は、本発明の実施の形態8に係る電力制御システムの要部構成を示すブロック図である。電力制御装置1cは、実線の枠で示される本体から延出する充放電ケーブル2の一端に取着された充放電コネクタ20が、蓄電装置4kに配されたインレット30に着脱自在に嵌合する。
【0168】
電力制御装置1cは、実施の形態1及び2で用いた電力制御装置1aに対し、信号端子25に印加された特定の信号を検出するための通知信号検出部(第2の信号検出部に相当)15を更に備える。
【0169】
蓄電装置4kは、信号端子25に対応する信号端子35をインレット30に内包しており、信号端子35に特定の信号を印加するためのPNP型のトランジスタを含む半導体スイッチ(第4スイッチに相当)S1を備える。半導体スイッチS1に含まれるトランジスタは、エミッタが12Vの電源に接続されており、コレクタ及びベース夫々が抵抗器R3及びR5を介して信号端子35及び蓄電制御部42に接続されている。
【0170】
半導体スイッチS1は、電磁リレー等の他のスイッチであってもよい。蓄電装置4kと、実施の形態2で用いた蓄電装置4cとの違いは、半導体スイッチS1及び抵抗器R3,R5を備えるか否かの差異のみである。
その他、実施の形態1及び2に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
【0171】
上述の構成において、充放電コネクタ20が、例えば電力制御装置1cの本体に設けられた充放電コネクタ20のホルダ部から取り出されて蓄電装置4kのインレット30に嵌合した場合、電力端子21,22夫々が電力端子31,32に接続され、信号端子25,26及びFG端子27夫々が信号端子35,36及びFG端子37に接続される。つまり、電力制御装置1c及び蓄電装置4kが、充放電コネクタ20及びインレット30を介して接続される。
【0172】
電力制御装置1c及び蓄電装置4kが接続された場合、12Vの電源からの電流が抵抗器(電気回路)R4に流れて電圧信号(所定信号)が発生し、発生した信号が信号端子(所定の信号端子)26に入力され、入力された信号がフォトカプラj1により検出される。検出結果は充放電制御部12のCPU121に取り込まれる。
【0173】
この状態にて蓄電装置4k側では、電圧/電流検出部43が抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出し、検出結果が蓄電制御部42に取り込まれる。抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出した蓄電制御部42は、例えば蓄電池40に係る情報に対応する特定の周期で半導体スイッチS1をオン/オフに制御して特定の信号(第2の信号に相当)を生成し、生成した信号を信号端子35に印加し、更に第1リレー接点411,411をオンにする。ここでいう蓄電池40に係る情報には、例えば最大電圧、電池容量等の電池情報の他に電池温度、SOC(State Of Charge )等の電池状態が含まれる。
【0174】
一方の電力制御装置1c側では、通知信号検出部15が信号端子25に外部から印加される特定の信号を検出し、第1リレー接点411,411がオンになった後に電圧検出部13が蓄電池40の電圧を検出することとなる。そして、充放電制御部12が蓄電池40に対する充放電を開始する。
【0175】
以下では、上述した充放電制御部12及び蓄電制御部42の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。
図19は、本発明の実施の形態8に係る電力制御システムで充放電を開始するCPU121の処理手順と、充放電を受け入れるCPU421の処理手順とを示すフローチャートである。
図19における電力制御装置1c側の処理は、充放電制御部12による充放電の準備が整ったときに起動される。また、蓄電装置4k側の処理は、蓄電制御部42にて充放電を受け入れる準備が整ったときに起動される。
【0176】
電力制御装置1c側のステップS101,S102、及びステップS104からS108までの処理は、実施の形態2の
図5におけるステップS21,S22、及びステップS24からS28までの処理と対応するため、その説明の大部分を省略する。また、蓄電装置4k側のステップS201及びS203,S204,S205の処理は、実施の形態2の
図5におけるステップS121及びS123,S124,S125の処理と同一であるため、その説明の大部分を省略する。
【0177】
電力制御装置1cでは、充放電制御部12のCPU121が、充電許可信号を検出した場合(S101:YES)、処理をステップS102に進める。この段階で、蓄電装置4kの抵抗器R4には、電力制御装置1cの12Vの電源からの電流が、フォトカプラj1、抵抗器R2及び信号端子26,36を介して流入している。
【0178】
一方の蓄電装置4kでは、電力制御装置1c側で充電許可信号が検出された直後に、蓄電制御部42のCPU421が、抵抗器R4における電圧の発生又は電流の流入を検出して(S201:YES)、半導体スイッチS1を蓄電池40に係る情報に応じた特定の周期でオン/オフに制御する(S202)。ここでは、半導体スイッチS1が単にオフからオンに変化するようにしてもよい。CPU421は、更に、第1リレー接点411,411をオンにする(S203)。これにより、電力端子31,32及び21,22に蓄電池40の電圧が印加される。以降のステップS204,S205については説明を省略する。
【0179】
他方の電力制御装置1cでは、CPU121が、通知信号検出部15により特定の信号を検出したか否かを判定し(S102a)、検出しない場合(S102a:NO)、検出するまで待機している。特定の信号を検出した場合(S102a:YES)、CPU121は、検出した特定の信号に基づいて、蓄電池40に係る情報を特定し(S103)、ステップS104に処理を進める。
【0180】
蓄電装置4k側で第1リレー接点411,411がオンになった後における、ステップS104からステップS108の処理については、上述のとおりステップS24からS28までの処理に対応している。但し、ステップS107では、CPU121が、ステップS103で情報を特定した蓄電池40に応じた充放電を開始する。
【0181】
以上のように本実施の形態8によれば、蓄電制御部42のCPU421が半導体スイッチ(第4スイッチ)S1をオン又はオン/オフにして特定の信号(第2の信号)を生成することにより、充放電コネクタ20がインレット30に嵌合したときに、信号端子(第4の信号端子)25に接続されるインレット30内の信号端子35に特定の信号が印加され、この特定の信号を通知信号検出部15が検出する。
従って、例えば充放電開始前に第2の信号により、他の蓄電池(蓄電池40)に係る情報を電力制御装置1cに通知することが可能となる。
【0182】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。