特許第6492563号(P6492563)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6492563
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】ファンコンベクタ
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0007 20190101AFI20190325BHJP
   F24D 19/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   F24F1/00 331
   F24D19/00 D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-230704(P2014-230704)
(22)【出願日】2014年11月13日
(65)【公開番号】特開2016-95069(P2016-95069A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2017年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 和馬
(72)【発明者】
【氏名】橋本 幸和
(72)【発明者】
【氏名】西田 和弘
【審査官】 安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−032946(JP,A)
【文献】 特開昭59−210229(JP,A)
【文献】 特開昭59−210230(JP,A)
【文献】 特開昭61−225522(JP,A)
【文献】 特開平05−340606(JP,A)
【文献】 実開昭55−162015(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
F24D 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部に配置された熱交換器と、前記熱交換器により熱交換された温風を前記筐体の外部へ送出する送風ファンとを含むファンコンベクタであって、
前記筐体は、前記筐体の内部と外部とを繋ぐ室温検知用開口を有し、
前記筐体の内部に配置され、かつ前記室温検知用開口に向かい合うように配置された温度検知部と、
前記筐体の内部において前記熱交換器に接続され、かつ温水を前記筐体の外部から前記熱交換器に循環させる温水配管と、
前記温度検知部と前記温水配管との間に配置された遮熱壁と、
前記遮熱壁の上端に接続され、かつ前記温度検知部の真上に配置された開口を有する天板と
前記筐体の内部に配置され、かつ前記温度検知部に電気的に接続された制御部とを備え、
前記制御部、前記温度検知部および前記遮熱壁は、前記熱交換器の一方側に配置されている、ファンコンベクタ。
【請求項2】
前記筐体は、前面部を含み、
前記前面部は、前記室温検知用開口と、前記送風ファンに前記筐体の外部から空気を供給する前面給気口とを有し、
前記前面給気口は、前記温度検知部よりも上方に配置されている、請求項1に記載のファンコンベクタ。
【請求項3】
前記温度検知部は、前記熱交換器よりも下方に配置されている、請求項1または2に記載のファンコンベクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンコンベクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファンコンベクタは、たとえば、特開平10−267330号公報(特許文献1)に記載されているように、筐体と、筐体の内部に配置された熱交換器と、熱交換器により熱交換された温風を筐体の外部へ送出する送風ファンとを有している。上記公報に記載されたファンコンベクタにおいては、熱交換器は温水流入口と温水流出口との間に内部配管(温水配管)により接続されている。また、筐体内に室温を検知するための温度検出器(温度検知部)が設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−267330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公報に記載されたファンコンベクタでは、温度検出器は、温水が流通する内部配管の近傍に配置されている。このため、温度検出器は室温を検知する際に内部配管からの熱の影響を受ける。つまり、温度検出器は、内部配管からの熱のため室温より高い温度を検出する。したがって、温度検出器により室温を精度良く検知することは困難である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度検知部により室温を精度良く検知することができるファンコンベクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のファンコンベクタは、筐体の内部に配置された熱交換器と、熱交換器により熱交換された温風を筐体の外部へ送出する送風ファンとを含むものである。筐体は、筐体の内部と外部とを繋ぐ室温検知用開口を有している。ファンコンベクタは、温度検知部と、温水配管と、遮熱壁と、天板とを備えている。温度検知部は、筐体の内部に配置され、かつ室温検知用開口に向かい合うように配置されている。温水配管は、筐体の内部において熱交換器に接続され、かつ温水を筐体の外部から熱交換器に循環させる。遮熱壁は、温度検知部と温水配管との間に配置されている。天板は、遮熱壁の上端に接続され、かつ温度検知部の真上に配置された開口を有する。
【0007】
本発明のファンコンベクタによれば、遮熱壁が温度検知部と温水配管との間に配置されているため、遮熱壁によって温水配管を流れる温水の熱が温度検知部に伝わることを抑制できる。さらに、天板は温度検知部の真上に配置された開口を有するため、温度検知部の周囲の空気が温められると、温められた空気が開口を通って上昇する。これにより、温度検知部の周囲に熱が篭らないようにすることができる。よって、温度検知部により室温を精度良く検知することができる。
【0008】
上記のファンコンベクタは、筐体の内部に配置され、かつ温度検知部に電気的に接続された制御部をさらに備えている。制御部、温度検知部および遮熱壁は、熱交換器の一方側に配置されている。このため、制御部、温度検知部および遮熱壁を熱交換器の一方側に集めることができる。したがって、熱交換器の他方側には制御部、温度検知部および遮熱壁を配置する領域が不要となる。これにより、制御部、温度検知部および遮熱壁が熱交換器の一方側および他方側の両方に配置される場合に比べて、ファンコンベクタの大きさを小型化することができる。
【0009】
上記のファンコンベクタにおいて、筐体は、前面部を含んでいる。前面部は、室温検知用開口と、送風ファンに筐体の外部から空気を供給する前面給気口とを有している。前面給気口は、温度検知部よりも上方に配置されている。このため、温度検知部の周囲の温められた空気が前面給気口側に上昇する。したがって、この空気を前面給気口から吸い込まれた空気とスムーズに合流させることができる。よって、空気をスムーズに送風ファンに送ることができる。
【0010】
上記のファンコンベクタにおいて、温度検知部は、熱交換器よりも下方に配置されている。これにより、熱交換器を流れる温水により温められた空気は上昇するため、熱交換を流れる温水の熱を温度検知部に伝わり難くすることができる。よって、温度検知部が熱交換器を流れる温水の熱によって影響を受けることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、温度検知部により室温を精度良く検知できるファンコンベクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態におけるファンコンベクタの構成を概略的に示す斜視図である。
図2図1のII−II線に沿う断面図である。
図3図1のP部を拡大して示す拡大図である。
図4図1のP部の筐体の内部の構造を拡大して示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
まず、本発明の一実施の形態におけるファンコンベクタの構成について説明する。ファンコンベクタは温水を熱源とする暖房装置である。以下では各方向はファンコンベクタを床面に設置した状態を基準としている。なお、本実施の形態のファンコンベクタは、壁に固定されるものであってもよく、また壁に固定されずに移動可能なものであってもよい。
【0014】
図1および図2を参照して、本実施の形態のファンコンベクタ10は、筐体1と、熱交換器2と、送風ファン3と、モータ3aと、制御部4と、温水配管5と、風向板6と、温度検知部7と、遮熱壁8と、天板9とを主に有している。筐体1の内部に、熱交換器2と、送風ファン3と、制御部4と、温水配管5と、風向板6と、温度検知部7と、遮熱壁8と、天板9とが配置されている。
【0015】
筐体1は、前面部11と、上面部12と、側面部13と、背面部14と、底面部15とを有している。筐体1は、前面部11と、上面部12と、側面部13と、背面部14と、底面部15とによって取り囲まれた内部空間を有している。
【0016】
前面部11は筐体1の正面に配置されている。前面部11は前面給気口11aを有している。前面給気口11aは送風ファン3に筐体1の外部から空気を供給するように構成されている。前面給気口11aは前面部11の上下方向の中央よりも下方に配置されている。前面給気口11aは前面部11を前後方向に貫通している。前面給気口11aは前面部11の左右方向の略全長に渡って設けられている。本実施の形態では、前面給気口11aはガラリ(ルーバ)の貫通孔である。また、前面部11に吹出口11bが設けられている。吹出口11bは前面給気口11aの下方に配置されている。また、前面部11は、複数の羽板11cを有している。羽板11cは前面給気口11aに沿って左右方向に延在するように形成されている。前面給気口11aおよび複数の羽板11cは、ガラリを構成している。
【0017】
上面部12は、前面部11の上方側に配置されている。上面部12は、前面部11の上端に接続されている。上面部12に上面給気口12aが設けられている。上面給気口12aは上面部12の前後方向の中央よりも前方に配置されている。上面給気口12aは前面部11の近傍に配置されている。上面給気口12aは上面部12を上下方向に貫通している。上面給気口12aは上面部12の左右方向の略全長に渡って設けられている。
【0018】
側面部13は、前面部11の側方側に配置されている。側面部13は互いに対向する第1の側面部13fと第2の側面部13sとを有している。第1の側面部13fおよび第2の側面部13sの各々は、前面部11、上面部12、背面部14および底面部15にそれぞれ接続されている。側面部13に側面給気口13aが設けられている。側面給気口13aは、第1の側面部13fおよび第2の側面部13sにそれぞれ設けられている。側面給気口13aは側面部13の前後方向の中央よりも前方に配置されている。側面給気口13aは、前面部11の近傍に配置されている。側面給気口13aは、側面部13を左右方向に貫通している。側面給気口13aは、側面部13の上端近傍から前面給気口11aの下端に渡って設けられている。
【0019】
背面部14は筐体1の背面に配置されている。背面部14は前面部11に対向するように配置されている。底面部15は前面部11の下方側に配置されている。底面部15は前面部11の下端に接続されている。
【0020】
筐体1は、筐体1の内部と外部とを繋ぐ室温検知用開口1aを有している。本実施の形態では、室温検知用開口1aは前面部11に設けられている。室温検知用開口1aは前面部11を前後方向に貫通している。室温検知用開口1aは前面給気口11aの下方に配置されている。室温検知用開口1aは吹出口11bの横に配置されている。具体的には室温検知用開口1aは左右方向において吹出口11bと第1の側面部13fとの間に配置されている。本実施の形態では室温検知用開口1aはガラリ(ルーバ)の貫通孔である。なお、室温検知用開口1aの位置は前面部11に限定されず、室温検知用開口1aは、上面部12、側面部13、背面部14および底面部15のいずれかに形成されていてもよい。
【0021】
熱交換器2は筐体1の内部に配置されている。熱交換器2は、熱交換器2の内部を循環する湯水と、熱交換器2の周囲の空気との間で熱交換を行うためのものである。熱交換器2は前面給気口11aと向かい合う部分を有している。熱交換器2は送風ファン3の前方に配置されている。
【0022】
送風ファン3は、熱交換器2により熱交換された温風を筐体1の外部へ送出するよう構成されている。送風ファン3は、たとえばクロスフローファンである。送風ファン3にはモータ3aが接続されている。送風ファン3はモータ3aの駆動力によって回転することにより送風可能に構成されている。送風ファン3は、熱交換器2を挟んで前面給気口11aと向かい合うように配置されている。送風ファン3は吹出口11bの上方に配置されている。
【0023】
制御部4は筐体1の内部に配置されている。本実施の形態では、制御部4は、左右方向において熱交換器2と第1の側面部13fとの間に配置されている。
【0024】
制御部4は、ファンコンベクタ10を制御するマイコン(図示せず)を備えた制御基板を有しており、ファンコンベクタ10の各部の動作を制御可能に構成されている。制御部4は温度検知部7に電気的に接続されている。具体的には、制御部4は、ファンコンベクタ10の温度検知部7などからの信号を取得可能であり、ファンコンベクタ10が設置されている室内の温度などを取得可能に構成されている。そして、制御部4は、取得した情報に基づいてファンコンベクタ10の各部を制御可能に構成されている。
【0025】
温水配管5は、筐体1の内部において熱交換器2に接続されている。本実施の形態では、温水配管5は、左右方向において熱交換器2と第1の側面部13fとの間に配置されている。温水配管5は温水を筐体1の外部から熱交換器2に循環させるように構成されている。温水配管5は室温検知用開口1aから温度検知部7よりも離れた位置に配置されている。
【0026】
温水配管5は筐体1の底面部15に設置されている。温水配管5は底面部15から図示しない熱源機に接続される。温水配管5は図示しない熱源機から供給された温水を熱交換器2に流し、熱交換器2で熱交換された温水を熱源機に流すように構成されている。具体的には、温水配管5は、第1の温水配管5aと、第2の温水配管5bとを有している。第1の温水配管5aは図示しない熱源機から供給された温水を熱交換器2に流すように構成されており、第2の温水配管5bは熱交換器2から温水を熱源機に流すように構成されている。
【0027】
風向板6は吹出口11bから吹出される風の向きを変えるためのものである。風向板6は送風ファン3と吹出口11bとの間に配置されている。風向板6は吹出口11bから露出している。
【0028】
図2および図3を参照して、温度検知部7は筐体1の内部に配置されている。温度検知部7は、ファンコンベクタ10が設置された室内の温度を測定するためのものである。温度検知部7は室温検知用開口1aに向かい合うように配置されている。温度検知部7は室温検知用開口1aの近傍に配置されている。温度検知部7は、室温検知用開口1aから室内の空気を取り込んで温度を測定することにより室内の温度を測定する。
【0029】
温度検知部7は前面給気口11aの下方に配置されている。つまり、前面給気口11aは、温度検知部7よりも上方に配置されている。温度検知部7は吹出口11bの横に配置されている。具体的には温度検知部7は左右方向において吹出口11bと第1の側面部13fとの間に配置されている。温度検知部7はたとえばサーミスタである。
【0030】
図2および図4を参照して、遮熱壁8は温水配管5を流れる温水の熱が温度検知部7に伝わることを抑制するためのものである。遮熱壁8は温水配管5を流れる温水の熱を遮熱することが可能に構成されている。遮熱壁8は温度検知部7と温水配管5との間に配置されている。つまり、遮熱壁8は、温度検知部7と温水配管5とをつなぐ直線上に配置されている。本実施の形態では、遮熱壁8は左右方向において熱交換器2と第1の側面部13fとの間に配置されている。
【0031】
本実施の形態では、制御部4、温度検知部7および遮熱壁8は、熱交換器2の一方側に配置されている。具体的には、制御部4、温度検知部7および遮熱壁8は、左右方向において熱交換器2と第1の側面部13fとの間に配置されている。
【0032】
遮熱壁8は、温度検知部7と、第1の温水配管5aおよび第2の温水配管5bの少なくともいずれかとの間に配置されている。遮熱壁8は、温度検知部7と第1の温水配管5aおよび第2の温水配管5bの両方との間に配置されていることが好ましい。
【0033】
遮熱壁8は熱伝導率の低い材料で構成されていることが好ましい。遮熱壁8はたとえばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂で形成されている。遮熱壁8の厚みはたとえば2mm以上3mm以下である。また、遮熱壁8に断熱材が取り付けられていてもよい。この断熱材にはたとえば発泡体を用いることができる。
【0034】
天板9には熱交換器2が載置されている。天板9は、遮熱壁8の上端に接続されている。天板9は温度検知部7の真上に配置された開口OPを有している。温度検知部7は、天板9の上方から見て開口OPから露出している。本実施の形態では、開口OPは、前方に向かって開放された切欠きを有している。開口OPの形状はこれに限定されず、開口OPは天板9を上下方向に貫通する貫通孔であってもよい。本実施の形態では、開口OPの左右方向の幅の寸法は、室温検知用開口1aの左右方向の幅の寸法よりも大きい。また、開口OPの前後方向の奥行の寸法は、温度検知部7の前後方向の奥行の寸法よりも大きい。
【0035】
天板9は支持部9aを有している。支持部9aは、開口OPの縁の一部に接続されている。支持部9aは天板9の上面から下方に延在している。支持部9aに前方側に温度検知部7が取り付けられている。温度検知部7は上下方向に延在するように配置されている。
【0036】
温度検知部7は、熱交換器2よりも下方に配置されている。天板9は遮熱壁8と一体的に形成されていてもよい。この場合、遮熱壁8および天板9はたとえばABS樹脂で一体的に形成されていてもよい。
【0037】
次に、本実施の形態のファンコンベクタの動作について説明する。
再び図1を参照して、本実施の形態のファンコンベクタ10は設置された室内の温度を昇温および維持するための暖房運転を行うことができる。具体的には、図示しない熱源機から第1の温水配管5aに温水が供給される。第1の温水配管5aに供給された温水は第1の温水配管5aを通って熱交換器2に流れる。なお、熱交換器2で熱交換された温水は第2の温水配管5bを通って図示しない熱源機に送られる。
【0038】
モータ3aの駆動力によって送風ファン3が回転する。これにより、前面給気口11aから空気が筐体1の内部に吸い込まれる。また、上面給気口12aおよび側面給気口13aからも空気が筐体1の内部に吸い込まれる。これらの筐体1の内部に吸い込まれた空気は熱交換器2の周囲に流れる。そして、熱交換器2の内部を循環する湯水と、熱交換器2の周囲の空気との間で熱交換が行われる。これにより、熱交換器2の周囲の空気は温められる。この温められた空気が送風されることにより温風が生じる。
【0039】
この温風は、送風ファン3を経由して筐体1の内部の流路を通って吹出口11bに送られる。そして、この温風は、吹出口11bから室内に吹出される。制御部4は、温度検知部7が室内の温度を検知した信号に基づいて、熱交換器2を流れる温水の温度および送風ファン3の回転数を制御することにより、温風の温度を制御することができる。このため、本実施の形態のファンコンベクタ10では室内の温度を所定の温度に昇温および維持することができる。このようにして、本実施の形態のファンコンベクタ10では、暖房運転が行われる。
【0040】
次に、本実施の形態のファンコンベクタの作用効果について説明する。
図4に示すように、本実施の形態のファンコンベクタ10によれば、遮熱壁8が温度検知部7と温水配管5との間に配置されているため、遮熱壁8によって温水配管5を流れる温水の熱が温度検知部7に伝わることを抑制できる。さらに、天板9は温度検知部7の真上に配置された開口OPを有するため、温度検知部7の周囲の空気が温められると、温められた空気が開口OPを通って図4中矢印A1で示すように上昇する。これにより、温度検知部7の周囲に熱が篭らないようにすることができる。よって、温度検知部7により室温を精度良く検知することができる。
【0041】
また、温度検知部7は筐体1の内部に配置されているため、ファンコンベクタ10の運搬時などに温度検知部7が人などに接触することによって温度検知部7が破損することを抑制できる。
【0042】
図2に示すように、本実施の形態のファンコンベクタ10においては、制御部4、温度検知部7および遮熱壁8は、熱交換器2の一方側に配置されている。このため、制御部4、温度検知部7および遮熱壁8を熱交換器2の一方側に集めることができる。したがって、熱交換器2の他方側には制御部4、温度検知部7および遮熱壁8を配置する領域が不要となる。これにより、制御部4、温度検知部7および遮熱壁8が熱交換器2の一方側および他方側の両方に配置される場合に比べて、ファンコンベクタ10の大きさを小型化することができる。
【0043】
図3に示すように、本実施の形態のファンコンベクタ10においては、前面給気口11aは、温度検知部7よりも上方に配置されている。このため、温度検知部7の周囲の温められた空気が前面給気口11a側に上昇する。したがって、この空気を前面給気口11aから吸い込まれた空気とスムーズに合流させることができる。よって、空気をスムーズに送風ファンに送ることができる。
【0044】
図4に示すように、本実施の形態のファンコンベクタ10においては、温度検知部7は、熱交換器2よりも下方に配置されている。これにより、熱交換器2を流れる温水により温められた空気は上昇するため、熱交換器2を流れる温水の熱を温度検知部7に伝わり難くすることができる。よって、温度検知部7が熱交換器2を流れる温水の熱によって影響を受けることを抑制することができる。
【0045】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0046】
1 筐体、1a 室温検知用開口、2 熱交換器、3 送風ファン、3a モータ、4 制御部、5 温水配管、5a 第1の温水配管、5b 第2の温水配管、6 風向板、7 温度検知部、8 遮熱壁、9 天板、9a 支持部、10 ファンコンベクタ、11 前面部、11a 前面給気口、11b 吹出口、11c 羽板、12 上面部、12a 上面給気口、13 側面部、13a 側面給気口、13f 第1の側面部、13s 第2の側面部、14 背面部、15 底面部、OP 開口。
図1
図2
図3
図4