特許第6492579号(P6492579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6492579
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】負圧破壊弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 24/06 20060101AFI20190325BHJP
   F16K 24/00 20060101ALI20190325BHJP
   F16K 15/04 20060101ALI20190325BHJP
   F16K 51/00 20060101ALN20190325BHJP
【FI】
   F16K24/06 A
   F16K24/00 L
   F16K15/04 C
   F16K15/04 D
   !F16K51/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-239679(P2014-239679)
(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公開番号】特開2016-102505(P2016-102505A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 元
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−019271(JP,U)
【文献】 特開2005−264469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 15/00−15/20
F16K 24/00−24/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通水流路に配置される負圧破壊弁であって、
ケーシングと、
前記ケーシングの内部に形成される弁室と、
前記ケーシングにおける前記弁室の下方に形成される流入口と、
前記弁室の側方に配置され、前記弁室を介して前記流入口に連通する流出口と、
前記ケーシングにおける前記弁室の上方に形成される吸気口と、
前記弁室と前記吸気口の間に配置される第1弁座と、
前記流入口側に配置され、1又は複数の切欠き部が形成される第2弁座と、
前記弁室に収容されるフロート式の弁体と、
を備え、
前記弁体は、通水時には前記第1弁座に接触して前記弁室と前記吸気口を隔てる位置に移動した状態で前記流出口の上端より上方に位置し、前記流入口側での負圧発生時には前記第2弁座に接触して前記弁室と前記流入口を隔てつつ前記切欠き部との間には前記弁室と前記流入口を連通する隙間を形成する負圧破壊弁。
【請求項2】
前記第1弁座と前記吸気口の間に配置されるフィルタを更に備え、
前記吸気口は、前記ケーシングの側面に形成される請求項1に記載の負圧破壊弁。
【請求項3】
前記弁室に前記弁体を囲むように複数配置され、前記弁体の上下方向の移動をガイドするガイドバーを更に備える請求項1又は2に記載の負圧破壊弁。
【請求項4】
前記弁体は、中空状に形成される請求項1から3までの何れかに記載の負圧破壊弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通水流路に配置される負圧破壊弁に関する。
【背景技術】
【0002】
通水流路に配置され、負圧が発生した場合には外部から空気を導入して負圧を破壊する負圧破壊弁において、フロート式の弁体を用いるものが従来から知られている。この種の負圧破壊弁を開示するものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、配管系の圧力が低下して真空状態となったときに開弁して外部空気を導入することにより真空状態を破壊する負圧破壊弁の構成が開示されている。また、特許文献2には、水等の流体が流入口から弁室内に急激に流入してきても外部に流体が噴出することを防止できる空気弁の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−138988号公報
【特許文献2】特開2011−21636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような通水流路に配置される負圧破壊弁において、通水時には吸気口を閉鎖する弁体を、負圧発生時には吸気口を開放するとともに一次側の経路を閉鎖する位置に移動させて水の逆流を防止する機能をもたせることがある。即ち、負圧発生時には弁体を逆止弁のように機能させることによって一次側で生じた負圧を原因とする水の逆流を弁体によって防止するのである。しかし、通水流路には流体だけではなく異物も存在しており、このような異物が弁体による逆流防止の障害となることがあった。例えば、通水流路の一次側を閉鎖する位置にある弁座と弁体の間に異物が存在することにより、弁体が弁座に対して全体的に浮き上がってしまい、逆流防止機能が大きく損なわれてしまうことがあった。
【0005】
本発明は、負圧発生時における異物を原因とする逆流防止機能の低下を抑制できる負圧破壊弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、通水流路に配置される負圧破壊弁であって、ケーシングと、前記ケーシングの内部に形成される弁室と、前記ケーシングにおける前記弁室の下方に形成される流入口と、前記弁室を介して前記流入口に連通する流出口と、前記ケーシングにおける前記弁室の上方に形成される吸気口と、前記弁室と前記吸気口の間に配置される第1弁座と、前記流入口側に配置され、1又は複数の切欠き部が形成される第2弁座と、前記弁室に収容されるフロート式の弁体と、を備え、前記弁体は、通水時には前記第1弁座に接触して前記弁室と前記吸気口を隔てる位置に移動し、前記流入口側での負圧発生時には前記第2弁座に接触して前記弁室と前記流入口を隔てつつ前記切欠き部との間には前記弁室と前記流入口を連通する隙間を形成する負圧破壊弁に関する。
【0007】
前記負圧破壊弁は、前記第1弁座と前記吸気口の間に配置されるフィルタを更に備え、前記吸気口は、前記ケーシングの側面に形成されることが好ましい。
【0008】
前記負圧破壊弁は、前記弁室に前記弁体を囲むように複数配置され、前記弁体の上下方向の移動をガイドするガイドバーを更に備えることが好ましい。
【0009】
前記弁体は、中空状に形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の負圧破壊弁によれば、負圧発生時における異物を原因とする逆流防止機能の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る負圧破壊弁が適用される通水流路を示す図である。
図2】本実施形態の負圧破壊弁の内部を示す断面斜視図である。
図3】通水時における負圧破壊弁の内部を示す断面図である。
図4】ガイドバーを示す斜視図である。
図5】第2弁座を示す平面図である。
図6】負圧発生時における負圧破壊弁の内部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の負圧破壊弁の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0013】
本実施形態の負圧破壊弁10は、軟水器2に原水W1を供給する原水ラインL1に適用されるものである。まず、図1を参照して負圧破壊弁10が適用される通水流路について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る負圧破壊弁10が適用される通水流路を示す図である。
【0014】
図1に示すように、水道水を原水W1として軟水器2に供給する通水流路としての原水ラインL1は、その上流側の端部が水道水の供給源に接続されるとともに、その下流側の端部が軟水器2に接続される。
【0015】
原水ラインL1には、通水流量計3、逆止弁付きボール止水栓4、ストレーナ5、減圧弁6、逃がし弁7、フロースイッチ8、負圧破壊弁10等が設けられる。通水流量計3は、原水W1の通水流量を計測する。逆止弁付きボール止水栓4は、原水W1の流れを一方向に規制して原水W1の逆流を防止する。ストレーナ5は、原水W1に含まれる微細粒子の流通を阻止する。減圧弁6は、原水W1を所定の水圧まで減圧する。逃がし弁7は、原水W1の水圧や装置二次側からの背圧が所定値以上になった場合に、過剰な圧力を系外に逃がす。フロースイッチ8は、所定流量の原水W1が流通したことを検知すると、検出信号を制御部(図示省略)に出力する。負圧破壊弁10は、一次側で負圧が発生した場合に、空気を吸引して負圧を破壊するとともに、原水W1の一次側への逆流を防止する。なお、負圧破壊弁10の詳細な構成については後述する。
【0016】
原水ラインL1を通じて軟水器2に供給された原水W1は、軟水器2で軟化処理される。軟水器2で軟化処理されることによって製造された処理水W2は、処理水ラインL2を通じて所定の供給先に供給される。
【0017】
次に、本実施形態の負圧破壊弁10について説明する。図2は、通水時における負圧破壊弁10の内部を示す断面斜視図である。図3は、通水時における負圧破壊弁10の内部を示す断面図である。図4は、ガイドバー35を示す斜視図である。図5は、第2弁座26を示す平面図である。
【0018】
図2及び図3に示すように、負圧破壊弁10は、ケーシング20と、弁室21と、第1弁座25と、第2弁座26と、ガイドバー35と、ガイドバー固定部36と、弁体30と、吸気口50と、フィルタ55と、を備える。
【0019】
ケーシング20は、負圧破壊弁10の外装である。このケーシング20の内部に弁室21が形成される。本実施形態のケーシング20は、その上部がキャップ部22となっており、必要に応じてキャップ部22を取り外すことができるようになっている。
【0020】
弁室21は、上下方向に細長の空間として形成されており、弁体30が収容される。弁室21の下方には流入口41が配置され、この流入口41を介して弁室21が原水ラインL1の上流側(一次側)に接続される。また、弁室21の側方には流出口42が配置され、この流出口42を介して弁室21が原水ラインL1の下流側(二次側)に接続される。このように、流入口41と流出口42は、弁室21を介して連通しており、原水ラインL1を流通する原水W1は、流入口41から弁室21を通って流入口41までを直角状の軌跡を描いて流れることになる。
【0021】
第1弁座25は、通水時における弁体30の受け部として機能するものであり、ケーシング20内の弁室21の上方に配置される。本実施形態の第1弁座25は、ケーシング20の内壁に固定される円環状の部材であり、その内側面にはOリング27が嵌入されている。
【0022】
本実施形態の第1弁座25に配置されるOリング27は、硬度40°のシリコンによって構成されており、一般的なOリング(例えば、硬度70°)に比べ、変形しやすいものが使用されている。これにより、弁体30との接触時における良好なシール性が実現されている。
【0023】
また、第1弁座25の下部の内側には、外側に傾斜する傾斜面が弁体30の形状に応じて形成されている。また、第1弁座25の下部の外側には、後述のガイドバー35を固定するガイドバー固定部36を配置するための隙間が形成されている。
【0024】
第2弁座26は、負圧発生時における弁体30の受け部として機能するものであり、ケーシング20内の弁室21の下方に配置され、第1弁座25に対向している。図4及び図5に示すように、第2弁座26は、ケーシング20の内壁に固定される円環状の部材であり、その上部の内側には、外側に傾斜する傾斜面が弁体30の形状に応じて形成されている。
【0025】
図5に示すように、第2弁座26の内側には、複数の切欠き部60が形成される。本実施形態では、4つの切欠き部60が同一円周上に等間隔に配置される。切欠き部60は、平面視において半円状になっており、第2弁座26の下面から上面まで達している。
【0026】
ガイドバー35は、その長手方向が上下方向を向くように弁室21に複数配置される。図4に示すように、4本のガイドバー35が第1弁座25及び第2弁座26を囲うように等間隔に配置されている。4本のガイドバー35の下端部は、第2弁座26の外周面に接触するように配置される。
【0027】
ガイドバー固定部36は、ガイドバー35の上端部を固定するためのものである。本実施形態のガイドバー固定部36は、円環状の部材であり、該ガイドバー固定部36の下部に4本のガイドバー35の上端部が固定される。また、ガイドバー固定部36は、第1弁座25の下部の外周面とケーシング20の内壁の間に形成される隙間に固定されており、その内側面が第1弁座25の外周面下部に対向している。ガイドバー固定部36の上面は、Oリング37によってシールされており、第1弁座25の外周側から上方(吸気口50側)への水の侵入を防止している。
【0028】
弁体30は、フロート式に構成されており、弁室21に収容される。本実施形態の弁体30は、中空の球状に形成されており、その表面が滑らかに処理されている。弁体30の表面が滑らかに処理されていることにより、後述のOリング27とのシール性が向上している。
【0029】
また、弁体30は、複数のガイドバー35によって囲まれており、弁室21内の上下方向の移動が許容される一方、水平方向への移動はガイドバー35によって規制されるようになっている。
【0030】
吸気口50は、ケーシング20の側面を開口することによって形成される。本実施形態の吸気口50は、ケーシング20の上部(キャップ部22)の側面に、横長の矩形状の開口として複数形成されており、その位置は第1弁座25の上方になっている。また、本実施形態の吸気口50は、負圧発生時において二次側に発生する負圧を小さくするため、流出口42の面積に対して総面積が十分に大きくなるようにその形状が調整されている。
【0031】
フィルタ55は、第1弁座25の上方であって吸気口50の下方に位置するように配置される。吸気口50を通じてケーシング20の内部に導入される空気は、このフィルタ55を通過して弁室21に導入されることになる。また、フィルタ55は、その下面が弁室21を向くとともに、その上面がケーシング20の天井面を向いている。即ち、フィルタ55の上面がケーシング20によって覆われた状態になっているので、埃等がフィルタ55に溜まり難くなっている。
【0032】
負圧破壊弁10の主要な構成は、以上の通りである。次に、通水時における弁体30の挙動について説明する。通水時は、流入口41から導入された水が弁室21を通って流出口42に流れる。水が弁室21に導入されることによってフロート式に構成される弁体30が浮き上がり、該弁体30上部が第1弁座25及びOリング27に接触する(図2及び図3に示す状態)。
【0033】
弁体30が水の流れによって流出口42側に移動しようとしても、上下方向に延びるガイドバー35によってその移動が規制されているので、弁体30は水平方向にぶれることなく第1弁座25に接触する位置まで直線的に移動する。また、弁体30は中空状に構成されているので、水が吸気口50に達する前に第1弁座25に接触する位置まで速やかに移動する。
【0034】
弁体30が第1弁座25及びOリング27に接触し、弁室21と吸気口50の間は、隔てられた状態になる。上述の通り、Oリング27は、変形し易い材料によって構成されているので、弁体30の形状に応じて変形し密着する。ガイドバー35は、隙間をあけて配置されているので、負圧破壊弁10によって流れを損なうことなく、軟水器2に原水W1を供給し続けることができる。
【0035】
次に、負圧発生時における弁体30の挙動について説明する。図6は、負圧発生時における負圧破壊弁10の内部を示す断面図である。
【0036】
図6に示すように、原水ラインL1の一次側に負圧が発生すると、弁室21内の水がなくなり、図3に示す状態から弁体30が下方に落下移動し、第2弁座26に接触する状態となる。この落下移動においても、ガイドバー35によって弁体30は水平方向にぶれることなくスムーズに第2弁座26に接触する位置に達する。これにより、弁室21と流入口41を接続する経路が閉鎖された状態となる。この状態では、弁体30と切欠き部60の間には隙間が形成される。
【0037】
弁体30と第2弁座26に形成される隙間には、負圧による吸引力が発生し、負圧破壊弁10の内部に異物等が入り込んだ場合でも、弁体30と第2弁座26に形成される隙間に捕捉される。従って、異物によって弁体30が第2弁座26に対して大きく浮き上がるような事態も防止される。なお、切欠き部60は、水が大きく逆流することがないようにその大きさが調整されているので、弁体30と第2弁座26の隙間から水が多量に侵入して逆流防止機能を損なうこともない。
【0038】
以上説明した本実施形態の負圧破壊弁10によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の負圧破壊弁10は、ケーシング20と、ケーシング20の内部に形成される弁室21と、ケーシング20における弁室21の下方に形成される流入口41と、弁室21を介して流入口41に連通する流出口42と、ケーシング20における弁室21の上方に形成される吸気口50と、弁室21と吸気口50の間に配置される第1弁座25と、流入口41側に配置され、複数の切欠き部60が形成される第2弁座26と、弁室21に収容されるフロート式の弁体30と、を備える。弁体30は、通水時には第1弁座25に接触して弁室21と吸気口50を隔てる位置に移動し、流入口41側での負圧発生時には第2弁座26に接触して弁室21と流入口41を隔てつつ切欠き部60との間には弁室21と流入口41を連通する隙間を形成する。
【0039】
これにより、負圧発生時には、吸気口50を開放するとともに、弁体30によって一次側の経路を閉じて水の逆流を防止できる。そして、負圧破壊弁10の内部に入り込んだゴミ等の異物が切欠き部60に入り込むことによって異物によって弁体30が第2弁座26に対して大きく浮き上がるような事態を効果的に防止できる。負圧発生時には、弁室21と流入口41を連通する隙間に生じる負圧によって、切欠き部60に吸引力が生じ、切欠き部60で効率的に異物を捕捉できる。一次側の流入口41は弁体30によって大きく塞がれており、切欠き部60に発生する吸引力は流出口42側の水を吸引する程ではないので、逆流防止機能も損なわれない。
【0040】
負圧破壊弁10は、第1弁座25と吸気口50の間に配置されるフィルタ55を更に備え、吸気口50は、ケーシング20の側面に形成される。これにより、フィルタ55の上方が覆われているので、フィルタ55の上面にごみ等が付着し難くなるので、フィルタ55の目詰まりを防止できるとともにメンテナンス性を向上させることができる。
【0041】
負圧破壊弁10は、弁室21に弁体30を囲むように複数配置され、弁体30の上下方向の移動をガイドするガイドバー35を更に備える。これにより、弁体30の水平方向の移動が規制されるので、弁体30がスムーズに上下方向に移動するようになり、通水時における吸気口50側の閉塞及び負圧発生時における一次側の閉鎖が速やかに行われることになる。
【0042】
弁体30は、中空状に形成される。これにより、通水時の水の流入に対する弁体30の応答性を効果的に向上させることができ、吸気口50側に水が漏出する事態を確実に防止できる。
【0043】
以上、本発明の負圧破壊弁10の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態では、第2弁座26には複数の切欠き部60が等間隔に配置されているが、切欠き部の間隔をランダムにしたり、切欠き部の形状を変更したりすることができる。また、第2弁座26に形成される切欠き部を1つにすることも可能である。
【0044】
上記実施形態では、弁体30の移動をガイドするガイドバー35を備える構成であるが、ガイドバー35を省略する構成とすることもできる。また、上記実施形態の弁体30は、中空の球形状に形成されているが、その形状や構成は適宜変更することができる。
【0045】
また、本発明の負圧破壊弁10において、流入口41及び/又は流出口42に、逆止弁(例えば、ディスク式逆止弁、ポペット式逆止弁、ボール式逆止弁など)を内蔵させることができる。流入口41及び/又は流出口42に逆止弁を内蔵させることで、負圧破壊弁10の一次側への逆流を更に抑制することができる。
【0046】
上記実施形態では、軟水器2に原水W1を供給する原水ラインL1に配置される負圧破壊弁10を例として説明したが、この構成に限定されるわけではなく、給湯器に水を供給する通水流路等、種々の通水流路に本発明の負圧破壊弁を適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 負圧破壊弁
20 ケーシング
21 弁室
25 第1弁座
26 第2弁座
30 弁体
35 ガイドバー
41 流入口
42 流出口
50 吸気口、
55 フィルタ
60 切欠き部
L1 原水ライン(通水流路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6