(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0025】
(給湯空調システム)
図1は、実施形態による給湯空調システム(10)の構成例を示している。この給湯空調システム(10)は、室内の空調(暖房と冷房)と給湯(温水の供給)とを行うものであり、冷媒回路(20)と、水通路(30)と、冷媒/水熱交換器(40)と、気液分離器(50)と、流量調節弁(51)と、コントローラ(60)とを備えている。また、この給湯空調システム(10)には、冷媒吐出温度センサ(61)と、室内空気温度センサ(62)と、液側冷媒温度センサ(63)と、室外空気温度センサ(64)とが設けられている。
【0026】
〔冷媒回路〕
冷媒回路(20)は、冷媒を循環させる閉回路であり、圧縮機(21)と、室内熱交換器(22)と、膨張弁(23)と、室外熱交換器(24)と、四方切換弁(25)とを備えている。また、室内熱交換器(22)の近傍には、室内熱交換器(22)へ室内空気を搬送する室内ファン(26)が設けられ、室外熱交換器(24)の近傍の近傍には、室外熱交換器(24)へ室外空気を搬送する室外ファン(27)が設けられている。例えば、室内ファン(26)は、クロスフローファンによって構成され、室外ファン(27)は、プロペラファンによって構成されている。
【0027】
圧縮機(21)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出するものであり、その回転数(容積)を調節可能に構成されている。例えば、圧縮機(21)は、圧縮機構と電動機とが一つのケーシングに収容された全密閉型圧縮機によって構成されている。
【0028】
室内熱交換器(22)は、室内ファン(26)によって搬送された室内空気と冷媒とを熱交換させる。例えば、室内熱交換器(22)は、クロスフィン型の熱交換器によって構成されている。
【0029】
膨張弁(23)は、冷媒を膨張させて減圧させる膨張機構であり、その開度を調節可能に構成されている。例えば、膨張弁(23)は、電子弁によって構成されている。
【0030】
室外熱交換器(24)は、室外ファン(27)によって搬送された室外空気と冷媒とを熱交換させる。例えば、室外熱交換器(24)は、クロスフィン型の熱交換器によって構成されている。
【0031】
四方切換弁(25)は、第1〜第4ポートを有する。また、四方切換弁(25)は、第1ポートと第3ポートとを連通させて第2ポートと第4ポートとを連通させる第1状態(
図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートとを連通させて第2ポートと第3ポートとを連通させる第2状態(
図1の破線で示す状態)とに設定可能に構成されている。
【0032】
冷媒回路(20)では、四方切換弁(25)の第1ポートに圧縮機(21)の吐出端が接続され、四方切換弁(25)の第2ポートに圧縮機(21)の吸入端が接続され、四方切換弁(25)の第3ポートから第4ポートへ向けて室内熱交換器(22)と膨張弁(23)と室外熱交換器(24)とが順に接続されている。
【0033】
膨張弁(23)は、室内熱交換器(22)の液端と室外熱交換器(24)の液端とを接続する液冷媒通路(PR1)に設けられている。具体的には、液冷媒通路(PR1)は、室内熱交換器(22)の液端と膨張弁(23)とを接続する第1通路部(PR11)と、膨張弁(23)と室外熱交換器(24)の液端とを接続する第2通路部(PR12)とによって構成されている。液冷媒通路(PR1)の第1通路部(PR11)および第2通路部(PR12)は、例えば、冷媒を流通可能な冷媒管によって構成されている。
【0034】
〔水通路〕
水通路(30)は、水を流通させる通路であり、給水管(PWa)と出水管(PWb)と第1水管(PW1)と第2水管(PW2)とを備えている。また、水通路(30)には、第1開閉弁(31)と第2開閉弁(32)と補助加熱器(33)とが設けられている。
【0035】
給水管(PWa)は、外部から水が供給される水管であり、その流入端が外部(例えば、水道栓などの給水源、図示を省略)に接続されている。出水管(PWb)は、外部へ水を供給するための水管であり、その流出端が出水ノズル(図示を省略)に接続されている。
【0036】
第1水管(PW1)および第2水管(PW2)は、給水管(PWa)の流出端と出水管(PWb)の流入端との間に並列に接続されている。第1開閉弁(31)および第2開閉弁(32)は、第1水管(PW1)および第2水管(PW2)にそれぞれ設けられる。例えば、第1開閉弁(31)および第2開閉弁(32)は、電磁弁によって構成されている。補助加熱器(33)は、出水管(PWb)に設けられ、出水管(PWb)を通過する水を加熱する。例えば、補助加熱器(33)は、燃焼バーナによって構成されている。
【0037】
〔冷媒/水熱交換器〕
冷媒/水熱交換器(40)は、冷媒回路(20)において圧縮機(21)の吐出側に接続されるとともに水通路(30)に接続され、圧縮機(21)から吐出された冷媒と水通路(30)を流れる水とを熱交換させるように構成されている。この例では、冷媒/水熱交換器(40)は、冷媒回路(20)の圧縮機(21)の吐出端と四方切換弁(25)の第1ポートとの間の冷媒通路に組み込まれる冷媒通路部(40a)と、水通路(30)の第1水管(PW1)に組み込まれる水通路部(40b)とを有し、冷媒通路部(40a)を流れる冷媒と水通路部(40b)を流れる水とを熱交換させる。例えば、冷媒/水熱交換器(40)は、プレート式の熱交換器によって構成されている。
【0038】
〔気液分離器〕
気液分離器(50)は、冷媒回路(20)において室内熱交換器(22)のガス側に接続される。そして、気液分離器(50)は、暖房運転(室内熱交換器(22)が凝縮器となり室外熱交換器(24)が蒸発器となる運転)において、冷媒/水熱交換器(40)を通過した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離し、ガス冷媒を室内熱交換器(22)のガス側へ供給し、液冷媒を液冷媒通路(PR1)へ供給することができるように構成されている。なお、暖房運転については、後で詳しく説明する。
【0039】
この例では、気液分離器(50)は、両端が閉塞された円筒状に形成されて起立した状態で設置され、その胴部(または上部)に第1ガス端(50a)と第2ガス端(50b)とが設けられ、その底部に液流出端(50c)が設けられている。そして、気液分離器(50)は、第1ガス端(50a)および第2ガス端(50b)のいずれか一方から流入した冷媒(二相冷媒)を重力によりガス冷媒と液冷媒とに分離し、液冷媒を第1ガス端(50a)および第2ガス端(50b)のいずれか他方から流出するとともに、液冷媒を液流出端(50c)から流出するように構成されている。
【0040】
また、この例では、気液分離器(50)は、液冷媒を液冷媒通路(PR1)の第1通路部(PR11)に供給することができるように構成されている。すなわち、気液分離器(50)は、液冷媒通路(PR1)の第1通路部(PR11)および第2通路部(PR12)のうち暖房運転において高圧側となる通路部に液冷媒を供給することができるように構成されている。具体的には、気液分離器(50)は、その第1ガス端(50a)が四方切換弁(25)の第3ポートに接続され、その第2ガス端(50b)が室内熱交換器(22)のガス端に接続され、その液流出端(50c)が液冷媒通路(PR1)の第1通路部(PR11)に接続されている。
【0041】
〔流量調節弁〕
流量調節弁(51)は、気液分離器(50)から液冷媒通路(PR1)へ供給される液冷媒の流量を調節可能に構成されている。例えば、流量調節弁(51)は、電動弁によって構成されている。この例では、流量調節弁(51)は、気液分離器(50)の液流出端(50c)と液冷媒通路(PR1)の第1通路部(PR11)とを接続する冷媒通路(冷媒管)に組み込まれ、気液分離器(50)から液冷媒通路(PR1)の第1通路部(PR11)へ供給される液冷媒の流量を調節可能に構成されている。
【0042】
〔各種センサ〕
冷媒吐出温度センサ(61)は、圧縮機(21)の冷媒吐出温度(すなわち、圧縮機(21)から吐出される冷媒の温度)を検知する。例えば、冷媒吐出温度センサ(61)は、圧縮機(21)の吐出端の近傍に設置され、設置場所の冷媒温度を圧縮機(21)の冷媒吐出温度として検知する。
【0043】
室内空気温度センサ(62)は、室内熱交換器(22)の吸込空気温度(すなわち、室内熱交換器(22)に吸い込まれる室内空気の温度)を検知する。例えば、室内空気温度センサ(62)は、室内熱交換器(22)の空気の流れ方向の上流側に設置され、設置場所の空気温度を室内熱交換器(22)の吸込空気温度として検知する。
【0044】
液側冷媒温度センサ(63)は、室外熱交換器(24)の液側冷媒温度(すなわち、室外熱交換器(24)の液側における冷媒温度)を検知する。例えば、液側冷媒温度センサ(63)は、室外熱交換器(24)の液端の近傍に設置され、設置場所の冷媒温度を室外熱交換器(24)の液側冷媒温度として検知する。
【0045】
室外空気温度センサ(64)は、室外熱交換器(24)の吸込空気温度(すなわち、室外熱交換器(24)に吸い込まれる室外空気の温度)を検知する。例えば、室外空気温度センサ(64)は、室外熱交換器(24)の空気の流れ方向の上流側に設置され、設置場所の空気温度を室外熱交換器(24)の吸込空気温度として検知する。
【0046】
〔コントローラ〕
コントローラ(60)は、給湯空調システム(10)の各部を制御して給湯空調システム(10)の運転動作を制御する。例えば、コントローラ(60)は、マイクロコンピュータや、マイクロコンピュータを動作させるためのプログラムを格納するメモリなどによって構成されている。この給湯空調システム(10)では、2種類の暖房運転(給湯暖房運転と単純暖房運転)と、2種類の冷房運転(給湯冷房運転と単純冷房運転)とが行われる。
【0047】
〔給湯暖房運転〕
給湯暖房運転では、室内の暖房と給湯(具体的には、冷媒/水熱交換器(40)において加熱された水の供給)の両方が行われる。給湯暖房運転では、コントローラ(60)は、給湯暖房制御を行う。給湯暖房制御では、コントローラ(60)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。これにより、給湯暖房運転において、圧縮機(21)の吐出端が冷媒/水熱交換器(40)と気液分離器(50)とを介して室内熱交換器(22)のガス端に接続され、圧縮機(21)の吸入端が室外熱交換器(24)のガス端に接続される。
【0048】
また、給湯暖房制御では、コントローラ(60)は、流量調節弁(51)の開度を開状態(液冷媒のみを通過させることが可能な開度)に設定し、圧縮機(21)と室外ファン(27)と室内ファン(26)とを駆動状態に設定し、室内熱交換器(22)が凝縮器となり室外熱交換器(24)が蒸発器となるように膨張弁(23)の開度を調節する。また、コントローラ(60)は、第1開閉弁(31)を開状態に設定し、第2開閉弁(32)を閉状態に設定する。これにより、水通路(30)では、給水管(PWa)から流出した水が第1水管(PW1)を通過して出水管(PWb)に流入する。
【0049】
冷媒回路(20)では、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、冷媒/水熱交換器(40)の冷媒通路部(40a)において冷媒/水熱交換器(40)の水通路部(40b)を流れる水に放熱して凝縮する。冷媒/水熱交換器(40)の冷媒通路部(40a)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、気液分離器(50)においてガス冷媒と液冷媒とに分離される。気液分離器(50)から流出したガス冷媒(または、ガス冷媒を主に含む気液二相冷媒)は、室内熱交換器(22)において室内空気に放熱して凝縮する。これにより、室内空気が加熱され、室内が暖房される。室内熱交換器(22)を通過した冷媒は、気液分離器(50)から流出して流量調節弁(51)を通過した液冷媒と合流した後に、膨張弁(23)において減圧される。膨張弁(23)を通過した冷媒は、室外熱交換器(24)において室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(24)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。
【0050】
水通路(30)では、給水管(PWa)に供給された水は、第1水管(PW1)に組み込まれた冷媒/水熱交換器(40)の水通路部(40b)において冷媒/水熱交換器(40)の冷媒通路部(40a)を流れる冷媒から熱を付与される。これにより、冷媒/水熱交換器(40)の水通路部(40b)を流れる水が加熱され、温水が生成される。冷媒/水熱交換器(40)の水通路部(40b)を通過した水は、出水管(PWb)を通過して外部へ供給される。このようにして、温水が供給される。
【0051】
以上のように、給湯暖房制御により、冷媒/水熱交換器(40)において冷媒が水に放熱して水が加熱され、室内熱交換器(22)において冷媒が室内空気に放熱して室内空気が加熱されるので、室内の暖房と給湯(温水の供給)の両方を行うことができる。
【0052】
〈膨張弁の開度調節〉
なお、給湯暖房制御では、コントローラ(60)は、冷媒吐出温度センサ(61)によって検知される圧縮機(21)の冷媒吐出温度を監視し、圧縮機(21)の冷媒吐出温度が予め設定された目標吐出温度となるように膨張弁(23)の開度を調節する。
【0053】
例えば、圧縮機(21)の冷媒吐出温度が目標吐出温度よりも高い場合、コントローラ(60)は、膨張弁(23)の開度を増加させる。これにより、室外熱交換器(24)を通過する冷媒の流量が増加して圧縮機(21)に吸入される冷媒の過熱度が小さくなる。その結果、圧縮機(21)の吐出冷媒温度が低下して目標吐出温度に近づく。一方、圧縮機(21)の冷媒吐出温度が目標吐出温度よりも低い場合、コントローラ(60)は、膨張弁(23)の開度を減少させる。
【0054】
これにより、冷媒回路(20)では、室内熱交換器(22)が凝縮器となり室外熱交換器(24)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。また、圧縮機(21)の冷媒吐出温度を管理することにより、圧縮機(21)の高温異常の発生を防止することができる。
【0055】
〈圧縮機の容量制御〉
また、給湯暖房制御では、コントローラ(60)は、室内空気温度センサ(62)によって検知される室内熱交換器(22)の吸込空気温度を監視し、室内熱交換器(22)の吸込空気温度が予め設定された目標暖房温度(例えば、ユーザによって設定された暖房設定温度)となるように圧縮機(21)の回転数を制御する。
【0056】
例えば、室内熱交換器(22)の吸込空気温度が目標暖房温度よりも低い場合、コントローラ(60)は、圧縮機(21)の回転数を増加させる。これにより、冷媒回路(20)における冷媒の循環量が増加して室内熱交換器(22)の加熱能力(冷媒の単位時間当たりの放熱量)が増加する。その結果、室内空気の温度が上昇して室内熱交換器(22)の吸込空気温度が目標暖房温度に近づく。そして、室内熱交換器(22)の吸込空気温度が目標暖房温度よりも高くなると、コントローラ(60)は、圧縮機(21)を停止させる。
【0057】
〔単純暖房運転〕
単純暖房運転では、室内の暖房が行われるが、給湯(具体的には、冷媒/水熱交換器(40)において加熱された水の供給)は行われない。単純暖房運転では、コントローラ(60)は、単純暖房制御を行う。単純暖房制御では、コントローラ(60)は、給湯暖房制御と同様に、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。これにより、単純暖房運転において、圧縮機(21)の吐出端が冷媒/水熱交換器(40)と気液分離器(50)とを介して室内熱交換器(22)のガス端に接続され、圧縮機(21)の吸入端が室外熱交換器(24)のガス端に接続される。
【0058】
また、単純暖房制御では、コントローラ(60)は、流量調節弁(51)の開度を閉状態に設定し、圧縮機(21)と室外ファン(27)と室内ファン(26)とを駆動状態に設定し、室内熱交換器(22)が凝縮器となり室外熱交換器(24)が蒸発器となるように膨張弁(23)の開度を調節する。また、コントローラ(60)は、第2開閉弁(32)を開状態に設定し、第1開閉弁(31)を閉状態に設定する。これにより、水通路(30)では、給水管(PWa)から流出した水が第2水管(PW2)を通過して出水管(PWb)に流入する。すなわち、第1水管(PW1)に組み込まれた冷媒/水熱交換器(40)の水通路部(40b)には、水が流れない。
【0059】
冷媒回路(20)では、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、冷媒/水熱交換器(40)と四方切換弁(25)と気液分離器(50)とを順に通過した後に、室内熱交換器(22)において室内空気に放熱して凝縮する。これにより、室内空気が加熱され、室内が暖房される。室内熱交換器(22)を通過した冷媒は、膨張弁(23)において減圧される。膨張弁(23)を通過した冷媒は、室外熱交換器(24)において室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(24)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。
【0060】
以上のように、単純暖房制御により、室内熱交換器(22)において冷媒が室内空気に放熱して室内空気が加熱されるので、室内の暖房を行うことができる。
【0061】
〈膨張弁の開度調節〉
なお、単純暖房制御では、コントローラ(60)は、給湯暖房制御と同様に、圧縮機(21)の冷媒吐出温度が予め設定された目標吐出温度となるように膨張弁(23)の開度を調節する。これにより、冷媒回路(20)では、室内熱交換器(22)が凝縮器となり室外熱交換器(24)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
【0062】
〈圧縮機の容量制御〉
また、単純暖房制御では、コントローラ(60)は、給湯暖房制御と同様に、室内熱交換器(22)の吸込空気温度が予め設定された目標暖房温度となるように圧縮機(21)の回転数を制御する。
【0063】
〔給湯冷房運転〕
給湯冷房運転では、室内の冷房と給湯(具体的には、冷媒/水熱交換器(40)において加熱された水の供給)の両方が行われる。給湯冷房運転では、コントローラ(60)は、給湯冷房制御を行う。給湯冷房制御では、コントローラ(60)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。これにより、給湯冷房運転において、圧縮機(21)の吐出端が室外熱交換器(24)のガス端に接続され、圧縮機(21)の吸入端が冷媒/水熱交換器(40)と気液分離器(50)とを介して室内熱交換器(22)のガス端に接続される。
【0064】
また、給湯冷房制御では、コントローラ(60)は、流量調節弁(51)の開度を閉状態に設定し、圧縮機(21)と室外ファン(27)と室内ファン(26)とを駆動状態に設定し、室外熱交換器(24)が凝縮器となり室内熱交換器(22)が蒸発器となるように膨張弁(23)の開度を調節する。また、コントローラ(60)は、第1開閉弁(31)を開状態に設定し、第2開閉弁(32)を閉状態に設定する。これにより、水通路(30)では、給水管(PWa)から流出した水が第1水管(PW1)を通過して出水管(PWb)に流入する。
【0065】
冷媒回路(20)では、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、冷媒/水熱交換器(40)の冷媒通路部(40a)において冷媒/水熱交換器(40)の水通路部(40b)を流れる水に放熱して凝縮する。冷媒/水熱交換器(40)の冷媒通路部(40a)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、室外熱交換器(24)において室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(24)を通過した冷媒は、膨張弁(23)において減圧された後に、室内熱交換器(22)において室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内空気が冷却され、室内が冷房される。室内熱交換器(22)を通過した冷媒は、気液分離器(50)と四方切換弁(25)とを順に通過した後に、圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。
【0066】
水通路(30)では、給水管(PWa)に供給された水は、第1水管(PW1)に組み込まれた冷媒/水熱交換器(40)の水通路部(40b)において冷媒/水熱交換器(40)の冷媒通路部(40a)を流れる冷媒から熱を付与される。これにより、冷媒/水熱交換器(40)の水通路部(40b)を流れる水が加熱され、温水が生成される。冷媒/水熱交換器(40)の水通路部(40b)を通過した水は、出水管(PWb)を通過して外部へ供給される。このようにして、温水が供給される。
【0067】
以上のように、給湯冷房制御により、冷媒/水熱交換器(40)において冷媒が水に放熱して水が加熱され、室内熱交換器(22)において冷媒が室内空気から吸熱して室内空気が冷却されるので、室内の冷房と給湯(温水の供給)の両方を行うことができる。
【0068】
〈膨張弁の開度調節〉
なお、給湯冷房制御では、コントローラ(60)は、給湯暖房制御と同様に、圧縮機(21)の冷媒吐出温度が予め設定された目標吐出温度となるように膨張弁(23)の開度を調節する。これにより、冷媒回路(20)では、室外熱交換器(24)が凝縮器となり室内熱交換器(22)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
【0069】
〈圧縮機の容量制御〉
また、給湯冷房制御では、コントローラ(60)は、室内空気温度センサ(62)によって検知される室内熱交換器(22)の吸込空気温度を監視し、室内熱交換器(22)の吸込空気温度が予め設定された目標冷房温度(例えば、ユーザによって設定された冷房設定温度)となるように圧縮機(21)の回転数を制御する。
【0070】
例えば、室内熱交換器(22)の吸込空気温度が目標暖冷房温度よりも高い場合、コントローラ(60)は、圧縮機(21)の回転数を増加させる。これにより、冷媒回路(20)における冷媒の循環量が増加して室内熱交換器(22)の冷却能力(冷媒の単位時間当たりの吸熱量)が増加する。その結果、室内空気の温度が低下して室内熱交換器(22)の吸込空気温度が目標冷房温度に近づく。そして、室内熱交換器(22)の吸込空気温度が目標冷房温度よりも低くなると、コントローラ(60)は、圧縮機(21)を停止させる。
【0071】
〔単純冷房運転〕
単純冷房運転では、室内の冷房が行われるが、給湯(具体的には、冷媒/水熱交換器(40)において加熱された水の供給)は行われない。単純冷房運転では、コントローラ(60)は、単純冷房制御を行う。単純冷房制御では、コントローラ(60)は、給湯冷房制御と同様に、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。これにより、単純冷房運転において、圧縮機(21)の吐出端が室外熱交換器(24)のガス端に接続され、圧縮機(21)の吸入端が冷媒/水熱交換器(40)と気液分離器(50)とを介して室内熱交換器(22)のガス端に接続される。
【0072】
また、単純冷房制御では、コントローラ(60)は、給湯冷房制御と同様に、流量調節弁(51)の開度を閉状態に設定し、圧縮機(21)と室外ファン(27)と室内ファン(26)とを駆動状態に設定し、室外熱交換器(24)が凝縮器となり室内熱交換器(22)が蒸発器となるように膨張弁(23)の開度を調節する。また、コントローラ(60)は、第2開閉弁(32)を開状態に設定し、第1開閉弁(31)を閉状態に設定する。これにより、水通路(30)では、給水管(PWa)から流出した水が第2水管(PW2)を通過して出水管(PWb)に流入する。すなわち、第1水管(PW1)に組み込まれた冷媒/水熱交換器(40)の水通路部(40b)には、水が流れない。
【0073】
冷媒回路(20)では、給湯冷房制御と同様に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、冷媒/水熱交換器(40)と四方切換弁(25)とを順に通過した後に、室外熱交換器(24)において室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(24)を通過した冷媒は、膨張弁(23)において減圧された後に、室内熱交換器(22)において室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内空気が冷却され、室内が冷房される。室内熱交換器(22)を通過した冷媒は、気液分離器(50)と四方切換弁(25)とを順に通過した後に、圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。
【0074】
以上のように、単純冷房制御により、室内熱交換器(22)において冷媒が室内空気から吸熱して室内空気が冷却されるので、室内の冷房を行うことができる。
【0075】
〈膨張弁の開度調節〉
なお、単純冷房制御では、コントローラ(60)は、給湯冷房制御と同様に、圧縮機(21)の冷媒吐出温度が予め設定された目標吐出温度となるように膨張弁(23)の開度を調節する。これにより、冷媒回路(20)では、室外熱交換器(24)が凝縮器となり室内熱交換器(22)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
【0076】
〈圧縮機の容量制御〉
また、単純冷房制御では、コントローラ(60)は、給湯冷房制御と同様に、室内熱交換器(22)の吸込空気温度が予め設定された目標冷房温度となるように圧縮機(21)の回転数を制御する。
【0077】
〔給湯暖房運転における第1液排出促進動作〕
なお、給湯暖房運転では、気液分離器(50)に液冷媒が過剰に溜まり込んで気液分離器(50)から室内熱交換器(22)へ液冷媒が溢れ出す(すなわち、気液分離器(50)から室内熱交換器(22)へ向かう冷媒に含まれる液冷媒の割合が高くなる)と、室内熱交換器(22)に液冷媒が溜まり込んで(すなわち、室内熱交換器(22)における液冷媒の割合が高くなるとともにガス冷媒の割合が低くなり)室内熱交換器(22)の加熱能力が低下してしまう。
【0078】
また、気液分離器(50)に液冷媒が過剰に溜まり込むことにより、冷媒回路(20)における冷媒循環量が減少してしまう。そのため、室内熱交換器(22)の加熱能力を増加させるために圧縮機(21)の回転数を増加させて、室外熱交換器(24)における蒸発圧力を室外熱交換器(24)の吸込空気温度(すなわち、室外空気温度)に対して最適な圧力に設定したとしても、圧縮機(21)に吸入される冷媒量を確保することができない。その結果、圧縮機(21)の吸込容積と冷媒の体積流量とが釣り合うようになるまで、室外熱交換器(24)における蒸発圧力が低下することになるので、室外熱交換器(24)の液側冷媒温度が室外熱交換器(24)の吸込空気温度よりも低くなり過ぎる場合がある。
【0079】
そこで、コントローラ(60)は、給湯暖房運転において第1液排出促進動作を行うように構成されていてもよい。第1液排出促進動作では、コントローラ(60)は、液側冷媒温度センサ(63)および室外空気温度センサ(64)によってそれぞれ検知される室内熱交換器(22)の液側冷媒温度および吸込空気温度を監視し、室外熱交換器(24)の液側冷媒温度が室外熱交換器(24)の吸込空気温度よりも低く、且つ、室外熱交換器(24)の液側冷媒温度と室外熱交換器(24)の吸込空気温度との差が予め設定された温度差閾値を大きくなっている場合に、流量調節弁(51)の開度を増加させる。なお、この温度差閾値(室外熱交換器(24)の液冷媒温度と吸込空気温度との温度差に関する閾値)は、気液分離器(50)から室内熱交換器(22)へ液冷媒が溢れ出すと推定されるときの室外熱交換器(24)の液冷媒温度と吸込空気温度との差に設定されていてもよい。
【0080】
具体的には、コントローラ(60)は、室外熱交換器(24)の液側冷媒温度が室外熱交換器(24)の吸込空気温度よりも低く、且つ、室外熱交換器(24)の液側冷媒温度と室外熱交換器(24)の吸込空気温度との差が温度差閾値を大きくなっている状態となるまで、流量調節弁(51)の開度を第1開度(液冷媒のみを通過させることが可能な開度)に維持する。そして、コントローラ(60)は、室外熱交換器(24)の液側冷媒温度が室外熱交換器(24)の吸込空気温度よりも低く、且つ、室外熱交換器(24)の液側冷媒温度と室外熱交換器(24)の吸込空気温度との差が温度差閾値を大きくなっている状態となると、流量調節弁(51)の開度を第1開度から第2開度(第1開度よりも大きい開度)に変更する。その後、コントローラ(60)は、流量調節弁(51)の開度を第1開度から第2開度に変更した時点から予め設定された液排出促進時間(例えば、気液分離器(50)における過剰な液冷媒の溜まり込みを解消するために要する時間)が経過するまで、流量調節弁(51)の開度を第2開度のまま維持する。そして、コントローラ(60)は、流量調節弁(51)の開度を第1開度から第2開度に変更した時点から液排出促進時間が経過すると、流量調節弁(51)の開度を第2開度から第1開度に変更する。
【0081】
〔実施形態による効果〕
以上のように、気液分離器(50)を設けることにより、給湯暖房運転において室内熱交換器(22)へ向かう液冷媒の流量を低減することができる。これにより、室内熱交換器(22)における液溜まり(液冷媒の溜まり込み)の発生を抑制することができるので、暖房運転において室内熱交換器(22)の液溜まりに起因する室内熱交換器(22)の加熱能力の低下を抑制することができる。したがって、給湯暖房運転において室内の暖房を正常に行うことができる。
【0082】
また、液冷媒通路(PR1)の第1通路部(PR11)と気液分離器(50)との間の圧力差が、液冷媒通路(PR1)の第2通路部(PR12)と気液分離器(50)との間の圧力差よりも小さくなっているので、気液分離器(50)から液冷媒通路(PR1)へ供給される冷媒の流量の変動を抑制することができる。
【0083】
また、流量調節弁(51)を設けることにより、気液分離器(50)に溜まり込む液冷媒の量を調節することができる。これにより、冷媒回路(20)における冷媒の循環量を調節することができるので、給湯暖房運転において室内熱交換器(22)の加熱能力を適切に調節することができる。
【0084】
また、給湯暖房運転において第1液排出促進動作を行うことにより、気液分離器(50)に液冷媒が過剰に溜まり込んでいる場合に、流量調節弁(51)の開度を増加させて気液分離器(50)から液冷媒通路(PR1)への液冷媒の排出を促進させることができる。これにより、気液分離器(50)における過剰な液溜まりを抑制することができるので、気液分離器(50)における過剰な液溜まりに起因する室内熱交換器(22)の加熱能力の低下を抑制することができる。
【0085】
(給湯空調システムの変形例1)
図2に示すように、給湯空調システム(10)は、
図1に示した構成に加えて、補助熱交換器(70)と第1冷媒温度センサ(65)と第2冷媒温度センサ(66)とを備えていてもよい。
【0086】
〔補助熱交換器〕
補助熱交換器(70)は、冷媒回路(20)において圧縮機(21)と冷媒/水熱交換器(40)との間に接続されるとともに、冷媒回路(20)において気液分離器(50)と室内熱交換器(22)との間に接続される。そして、補助熱交換器(70)は、圧縮機(21)と冷媒/水熱交換器(40)との間を流れる冷媒と気液分離器(50)と室内熱交換器(22)との間を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。この例では、補助熱交換器(70)は、冷媒回路(20)において圧縮機(21)の吐出端と冷媒/水熱交換器(40)の冷媒通路部(40a)の入口端とを接続する冷媒通路(冷媒管)に組み込まれる第1冷媒通路部(70a)と、冷媒回路(20)において気液分離器(50)の第2ガス端(50b)と室内熱交換器(22)のガス端とを接続する冷媒通路(冷媒管)に組み込まれる第2冷媒通路部(70b)とを有し、第1冷媒通路部(70a)を流れる冷媒と第2冷媒通路部(70b)を流れる冷媒とを熱交換させる。
【0087】
〔第1冷媒温度センサ〕
第1冷媒温度センサ(65)は、気液分離器(50)と補助熱交換器(70)との間を流れる冷媒の温度(以下、「第1冷媒温度」と表記)を検知する。例えば、第1冷媒温度センサ(65)は、補助熱交換器(70)の第2冷媒通路部(70b)の一端(すなわち、気液分離器(50)側の端部)の近傍に設置され、設置場所の冷媒温度を第1冷媒温度として検知する。
【0088】
〔第2冷媒温度センサ〕
第2冷媒温度センサ(66)は、補助熱交換器(70)と室内熱交換器(22)との間を流れる冷媒の温度(以下、「第2冷媒温度」と表記)を検知する。例えば、第2冷媒温度センサ(66)は、補助熱交換器(70)の第2冷媒通路部(70b)の他端(すなわち、室内熱交換器(22)側の端部)の近傍に設置され、設置場所の冷媒温度を第2冷媒温度として検知する。
【0089】
〔補助熱交換器における暖房運転時の熱交換〕
暖房運転(給湯暖房運転,単純暖房運転)では、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、補助熱交換器(70)の第1冷媒通路部(70a)において補助熱交換器(70)の第2冷媒通路部(70b)を流れる冷媒(すなわち、気液分離器(50)から室内熱交換器(22)へと向かう冷媒)に放熱する。これにより、補助熱交換器(70)の第2冷媒通路部(70b)を流れる冷媒が加熱されるので、第2冷媒温度センサ(66)によって検知される第2冷媒温度は、第1冷媒温度センサ(65)によって検知される第1冷媒温度よりも高くなる。
【0090】
〔給湯暖房運転における第2液排出促進動作〕
なお、給湯暖房運転では、気液分離器(50)に液冷媒が過剰に溜まり込んで気液分離器(50)から補助熱交換器(70)の第2冷媒通路部(70b)を通過して室内熱交換器(22)へ液冷媒が溢れ出すと、室内熱交換器(22)に液冷媒が溜まり込んで室内熱交換器(22)の加熱能力が低下してしまう。
【0091】
また、気液分離器(50)に液冷媒が過剰に溜まり込んで気液分離器(50)から補助熱交換器(70)の第2冷媒通路部(70b)を通過して室内熱交換器(22)へ液冷媒が溢れ出している場合、補助熱交換器(70)の第2冷媒通路部(70b)を流れる冷媒の乾き度(ガス冷媒の割合)が低くなっている。そのため、補助熱交換器(70)の第2冷媒通路部(70b)を流れる冷媒を加熱しても冷媒の温度が上昇しにくく、第1冷媒温度と第2冷媒温度との差(すなわち、気液分離器(50)と補助熱交換器(70)との間を流れる冷媒の温度と補助熱交換器(70)と室内熱交換器(22)との間を流れる冷媒の温度との差)が小さくなりやすい傾向にある。
【0092】
そこで、コントローラ(60)は、給湯暖房制御において第2液排出促進動作を行うように構成されていてもよい。第2液排出促進動作では、コントローラ(60)は、第1冷媒温度センサ(65)および第2冷媒温度センサ(66)によってそれぞれ検知される第1冷媒温度および第2冷媒温度を監視し、第1冷媒温度と第2冷媒温度との差(詳しくは、第2冷媒温度から第1冷媒温度を減算して得られる温度差)が予め設定された温度差閾値よりも小さくなっている場合に、流量調節弁(51)の開度を増加させる。なお、この温度差閾値(第1冷媒温度と第2冷媒温度との差に関する閾値)は、気液分離器(50)から室内熱交換器(22)へ液冷媒が溢れ出すと推定されるときの第1冷媒温度と第2冷媒温度との差(例えば、3℃〜5℃程度)に設定されていてもよい。
【0093】
具体的には、コントローラ(60)は、第1冷媒温度と第2冷媒温度との差が温度差閾値よりも小さくなっている状態となるまで、流量調節弁(51)の開度を第1開度(液冷媒を通過させることが可能な開度)に維持する。そして、コントローラ(60)は、第1冷媒温度と第2冷媒温度との差が温度差閾値よりも小さくなっている状態となると、流量調節弁(51)の開度を第1開度から第2開度(第1開度よりも大きい開度)に変更する。その後、コントローラ(60)は、流量調節弁(51)の開度を第1開度から第2開度に変更した時点から予め設定された液排出促進時間が経過するまで、流量調節弁(51)の開度を第2開度のまま維持する。そして、コントローラ(60)は、流量調節弁(51)の開度を第1開度から第2開度に変更した時点から液排出促進時間が経過すると、流量調節弁(51)の開度を第2開度から第1開度に変更する。
【0094】
〔給湯空調システムの変形例1による効果〕
以上のように、給湯暖房運転において第2液排出促進動作を行うことにより、気液分離器(50)に液冷媒が過剰に溜まり込んでいる場合に、流量調節弁(51)の開度を増加させて気液分離器(50)から液冷媒通路(PR1)への液冷媒の排出を促進させることができる。これにより、気液分離器(50)における過剰な液溜まりを抑制することができ、気液分離器(50)における過剰な液溜まりに起因する室内熱交換器(22)の加熱能力の低下を抑制することができる。
【0095】
(給湯空調システムの変形例2)
図3に示すように、給湯空調システム(10)では、気液分離器(50)は、液冷媒通路(PR1)の第2通路部(PR12)に液冷媒を供給することができるように構成されていてもよい。すなわち、気液分離器(50)は、液冷媒通路(PR1)の第1通路部(PR11)および第2通路部(PR12)のうち暖房運転において低圧側となる通路部に液冷媒を供給することができるように構成されていてもよい。この例では、気液分離器(50)は、その第1ガス端(50a)が四方切換弁(25)の第3ポートに接続され、その第2ガス端(50b)が室内熱交換器(22)のガス端に接続され、その液流出端(50c)が液冷媒通路(PR1)の第2通路部(PR12)に接続されている。また、この例では、流量調節弁(51)は、気液分離器(50)の液流出端(50c)と液冷媒通路(PR1)の第2通路部(PR12)とを接続する冷媒通路(冷媒管)に組み込まれ、気液分離器(50)から液冷媒通路(PR1)の第2通路部(PR12)へ供給される液冷媒の流量を調節可能に構成されている。その他の構成は、
図1に示した構成と同様となっている。
【0096】
以上のように構成した場合も、気液分離器(50)を設けることにより、給湯暖房運転において室内熱交換器(22)の液溜まりに起因する室内熱交換器(22)の加熱能力の低下を抑制することができる。
【0097】
また、液冷媒通路(PR1)の第2通路部(PR12)と気液分離器(50)との間の圧力差が、液冷媒通路(PR1)の第1通路部(PR11)と気液分離器(50)との間の圧力差よりも大きくなっているので、気液分離器(50)から液冷媒通路(PR1)への冷媒の供給を促進させることができる。
【0098】
なお、
図3に示した給湯空調システム(10)は、
図2に示した補助熱交換器(70)と第1冷媒温度センサ(65)と第2冷媒温度センサ(66)とを備えていてもよい。このように構成することにより、コントローラ(60)は、給湯暖房制御において第2液排出促進動作を行うことができる。
【0099】
(その他の実施形態)
以上の説明では、気液分離器(50)が冷媒回路(20)において四方切換弁(25)の第3ポートと室内熱交換器(22)のガス端との間に設けられている場合を例に挙げたが、気液分離器(50)は、冷媒回路(20)において冷媒/水熱交換器(40)と四方切換弁(25)の第1ポートとの間に設けられていてもよい。例えば、気液分離器(50)は、その第1ガス端(50a)が冷媒/水熱交換器(40)の冷媒通路部(40a)の出口端に接続され、その第2ガス端(50b)が四方切換弁(25)の第1ポートに接続され、その液流出端(50c)が液冷媒通路(PR1)に接続されていてもよい。このように構成した場合も、気液分離器(50)は、給湯暖房運転において、冷媒/水熱交換器(40)を通過した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離し、ガス冷媒を室内熱交換器(22)のガス側へ供給し、液冷媒を液冷媒通路(PR1)へ供給することが可能である。
【0100】
また、冷媒回路(20)が四方切換弁(25)を備えている場合を例に挙げたが、冷媒回路(20)は、四方切換弁(25)を備えていなくてもよい。すなわち、給湯空調システム(10)は、圧縮機(21)の吐出側および吸入側と室内熱交換器(22)のガス側および室外熱交換器(24)のガス側との接続状態を切り換えることにより暖房運転(例えば、給湯暖房運転,単純暖房運転)と冷房運転(例えば、給湯冷房運転,単純冷房運転)とを選択的に行うように構成されていてもよいし、圧縮機(21)の吐出端が冷媒/水熱交換器(40)と気液分離器(50)とを介して室内熱交換器(22)のガス端に接続され圧縮機(21)の吸入端が室外熱交換器(24)のガス端に接続されて暖房運転のみを行うように構成されていてもよい。
【0101】
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。