特許第6492641号(P6492641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6492641
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20190325BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20190325BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20190325BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20190325BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   H05K3/28 B
   H05K1/11 H
   H05K1/03 630D
   H05K1/18 J
   H05K7/14 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-263125(P2014-263125)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-122787(P2016-122787A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2017年8月10日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000228833
【氏名又は名称】日本シイエムケイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】竹島 賢一
(72)【発明者】
【氏名】杵鞭 孝広
【審査官】 原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−236878(JP,A)
【文献】 特開平06−310819(JP,A)
【文献】 特開2012−199593(JP,A)
【文献】 特開2010−115797(JP,A)
【文献】 特開2004−158777(JP,A)
【文献】 特開平10−028363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/28
H05K 1/03
H05K 1/11
H05K 1/18
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ孔(54)を有する金属部材(44)に対して、前記ねじ孔に締結される柱部と該柱部の一端に連結された頭部とを有するねじ(60)により、固定されるとともに電気的に接続される基板であって、
前記ねじ孔に対応して形成され、前記柱部が挿通されるスルーホール(14)と、
前記スルーホールの壁面に形成された壁面部(18a)と、前記壁面部に連結されるとともに前記金属部材と対向する一面(10a)に形成された一面部(18b)と、前記壁面部に連結されるとともに前記一面と反対の裏面(10b)に形成され、前記頭部と接触する裏面部(18c)と、を有する第1ランド(18)と、
樹脂材料を用いて形成され、前記一面部を被覆する被覆部(26)と、を備え、
前記ねじによる固定状態において、前記裏面部が前記頭部に接触して前記ねじと電気的に接続され、前記被覆部が前記金属部材と接触し、前記一面に電子部品(30)が実装される基板であって、
コア層(12a)と、
前記コア層よりも柔軟性に優れており、前記コア層に積層されて前記一面をなす柔軟層(12b)と、
前記一面において前記一面部とは別に形成され、前記電子部品がはんだ接合される第2ランド(20)と、を備え、
前記柔軟層は、ピール強度が0.9N/mm以下、引張弾性率が10GPa以下の樹脂材料をガラスクロスに樹脂を含浸させてなることを特徴とする基板。
【請求項2】
前記一面に塗布されたソルダレジスト(24)をさらに備え、
前記ソルダレジストの一部は、前記被覆部をなしていることを特徴とする請求項に記載の基板。
【請求項3】
前記被覆部の少なくとも一部は、シルク印刷を用いて形成されていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の基板。
【請求項4】
前記被覆部は、前記一面部の上面と側面とを一体的に被覆していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部材に固定される基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載のように、ネジによりスペーサ部に固定されるとともに電気的に接続されたプリント基板が知られている。プリント基板は、ネジが挿通されたスルーホールと、ランド部と、を有している。ランド部は、スルーホールの壁面に形成された部分と、プリント基板の表面及び裏面に形成された部分と、を有している。スペーサ部は、導電性を有するとともに、プリント基板の表面側のランド部上に配置されている。スペーサ部は、内側ネジ溝が形成された貫通孔を有し、貫通孔がネジと螺合している。ネジの頭部が、プリント基板の裏面側に形成されたランド部に圧接されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−15508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成では、使用環境の温度変化により、プリント基板とスペーサ部との熱膨張係数の差に応じて、スペーサ部から表面側に形成されたランド部に対して、表面に沿う方向に摩擦力が作用する虞がある。摩擦力が作用すると、ランド部がプリント基板から剥がれる虞がある。
【0005】
これに対し、プリント基板の表面にランド部を形成しない構成が考えられる。しかしながら、この構成では、ランド部に対して、プリント基板の厚さ方向のうち表面から裏面へ向かう方向に応力が作用した場合に、ランド部が剥がれやすい。また、表面にランド部を形成しない構成では、プリント基板におけるランド部が形成される面積が小さいため、ランド部が剥がれ易い。
【0006】
以上により、使用環境の温度変化により、ランド部がプリント基板から剥がれる虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、使用環境の温度変化により第1ランドが剥がれることを抑制する基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として下記の実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
開示された発明のひとつは、ねじ孔(54)を有する金属部材(44)に対して、ねじ孔に締結される柱部と該柱部の一端に連結された頭部とを有するねじ(60)により、固定されるとともに電気的に接続される基板であって、ねじ孔に対応して形成され、柱部が挿通されるスルーホール(14)と、スルーホールの壁面に形成された壁面部(18a)と、壁面部に連結されるとともに金属部材と対向する一面(10a)に形成された一面部(18b)と、壁面部に連結されるとともに一面と反対の裏面(10b)に形成され、頭部と接触する裏面部(18c)と、を有する第1ランド(18)と、樹脂材料を用いて形成され、一面部を被覆する被覆部(26)と、を備え、ねじによる固定状態において、裏面部が頭部に接触してねじと電気的に接続され、被覆部が金属部材と接触し、一面に電子部品(30)が実装される基板であって、コア層(12a)と、コア層よりも柔軟性に優れており、コア層に積層されて一面をなす柔軟層(12b)と、一面において一面部とは別に形成され、電子部品がはんだ接合される第2ランド(20)と、を備え、柔軟層は、ピール強度が0.9N/mm以下、引張弾性率が10GPa以下の樹脂材料をガラスクロスに樹脂を含浸させてなることを特徴とする。
【0015】
上記構成では、第1ランドが一面に形成された一面部を有している。したがって、第1ランドに対して、基板の厚さ方向のうち一面から裏面へ向かう方向に作用する応力が作用した場合であっても、第1ランドが剥がれることを抑制することができる。また、上記構成では、第1ランドが一面部を有さない構成に較べて、基板における第1ランドが形成される面積を大きくすることができる。また、上記構成では、被覆部が、金属部材と接触している。すなわち、一面部が金属部材と接触していない。これによれば、一面部が金属部材と接触する従来構成に較べて、一面部に作用する応力を小さくすることができる。また、上記構成では、被覆部が、樹脂材料を用いて形成されている。一般的に、金属材料どうしの摩擦係数よりも、樹脂材料と金属材料との摩擦係数の方が小さい。すなわち、一面部と金属部材との摩擦係数よりも、被覆部と金属部材との摩擦係数の方が小さい。よって、金属部材から基板に作用する摩擦力を小さくし易く、一面部に作用する応力を小さくし易い。以上により、使用環境の温度変化により第1ランドが剥がれることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る電子装置の概略構成を示す断面図である。
図2図1の破線で示した領域の拡大断面図である。
図3】第2ケース部の詳細構造を示す平面図である。
図4】第2実施形態に係る電子装置における基板、第2ケース部、及びねじの詳細構造を示す拡大断面図である。
図5】第1変形例に係る電子装置における基板、第2ケース部、及びねじの詳細構造を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。また、基板の一面に直交する方向をZ方向、Z方向に直交する特定の方向をX方向、Z方向及びX方向に直交する方向をY方向と示す。X方向及びY方向により規定される平面をXY平面と示す。XY平面に沿う形状を平面形状と示す。
【0018】
(第1実施形態)
先ず、図1図3に基づき、電子装置100の概略構成、基板10、第2ケース部44、及びねじ60の詳細構造について説明する。
【0019】
電子装置100は、基板10と、電子部品30と、筐体40と、ねじ60と、を備えている。電子装置100としては、例えば、車両用のECUを採用することができる。
【0020】
基板10は、一面10aと、一面10aと反対の裏面10bと、を有している。一面10a及び裏面10bは、Z方向と直交する平面である。本実施形態では、基板10としてプリント基板を採用している。基板10は、下記の第2ケース部44に固定されている。
【0021】
基板10は、基材12、第1スルーホール14、第2スルーホール16、第1ランド18、第2ランド20、配線パターン22、ソルダレジスト24、被覆部26を有している。基材12は、基板10の電気絶縁層である。図2に示すように、基材12は、コア層12aと、コア層12aよりも柔軟性に優れた柔軟層12bと、を有している。柔軟層12bは、コア層12aよりも弾性率が低くされている。コア層12aと柔軟層12bとは、Z方向に積層されている。
【0022】
本実施形態において、コア層12aは、1層とされ、基材12における中心に配置されている。柔軟層12bは、2層とされ、コア層12aをZ方向の両側から挟むように配置されている。一方の柔軟層12bが一面10aをなし、他方の柔軟層12bが裏面10bをなしている。
【0023】
コア層12aとしては、例えば、ピール強度が0.9N/mmより大きい樹脂材料、引張弾性率が10GPaより大きい樹脂材料を採用することができる。柔軟層12bとしては、例えば、ピール強度が0.9N/mm以下の樹脂材料、引張弾性率が10GPa以下の樹脂材料を採用することができる。本実施形態において、コア層12a及び柔軟層12bは、ガラスクロスに樹脂を含浸させてなるプリプレグを用いて形成されている。ガラスクロスに含浸させる樹脂は、コア層12aと柔軟層12bとで異なる材料を用いている。
【0024】
第1スルーホール14は、基板10をZ方向に貫通している。本実施形態において、第1スルーホール14の平面形状は、略円形状とされている。第1スルーホールは、特許請求の範囲に記載のスルーホールに相当する。
【0025】
第2スルーホール16は、挿入実装型の電子部品30を基板10に実装するために形成されている。第2スルーホール16は、基板10をZ方向に貫通している。
【0026】
第1ランド18は、ねじ60と電気的に接続される基板10の電極であって、金属材料を用いて形成されている。第1ランド18は、壁面部18aと、一面部18bと、裏面部18cと、を有している。壁面部18aは、第1スルーホール14の壁面に形成されている。一面部18bは、壁面部18aと連結されるとともに、一面10aに形成されている。裏面部18cは、壁面部18aと連結されるとともに、裏面10bに形成されている。一面部18b及び裏面部18cの平面形状は、第1スルーホール14を囲む略円環形状とされている。
【0027】
第2ランド20は、電子部品30と電気的に接続される基板10の電極である。第2ランド20は、金属材料を用いて形成されている。本実施形態において、基板10は、複数の第2ランド20を有している。複数の第2ランド20のうち、少なくとも1つの第2ランド20が、一面10aにおいて一面部18bとは別に形成されている。一面10aに形成される第2ランド20としては、第2ランド20の全体が一面10aに形成されていてもよく、第2ランド20の一部が一面10aに形成されていてもよい。
【0028】
本実施形態において、基板10は、一面10aにのみ形成された第2ランド20と、裏面10bにのみ形成された第2ランド20と、第2スルーホール16に対応して形成された第2ランド20と、を有している。第2スルーホール16に対応して形成された第2ランド20では、第2スルーホール16の壁面に形成された部分、及び、両面10a,10bに形成された部分が一体に形成されている。
【0029】
配線パターン22は、基板10の配線である。配線パターン22は、金属材料を用いて形成されている。複数の配線パターン22が両面10a,10bに形成されている。複数の配線パターン22のうち一部は、第1ランド18又は第2ランド20と接続されている。
【0030】
ソルダレジスト24は、配線パターン22の電気絶縁性を確保するため及び基板10を保護するための部材である。ソルダレジスト24は、樹脂材料を用いて形成されている。ソルダレジスト24は、両面10a,10bにおいて、裏面部18c及び第2ランド20が形成されていない箇所に塗布されている。本実施形態において、ソルダレジスト24の一部は、一面部18b上にも形成され、被覆部26としても機能する。
【0031】
被覆部26は、一面部18bを被覆する部材である。被覆部26は、樹脂材料を用いて形成されている。本実施形態では、ソルダレジスト24における一面部18b上に塗布された部分が、被覆部26とされている。被覆部26は、一面部18b全体を被覆している。被覆部26の厚さはほぼ均一とされ、被覆部26における一面部18bと反対側の表面はXY平面に沿う平面とされている。本実施形態において、被覆部26の厚さは、20μm程度とされている。被覆部26を形成する樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂を採用することができる。
【0032】
被覆部26の形成方法、すなわちソルダレジスト24の形成方法は、基材12に対して第1ランド18、第2ランド20、及び配線パターン22を形成した後、ソルダレジスト24を両面10a,10bにおける全体に塗布する。そして、基板10において、裏面部18c及び第2ランド20が形成されている部分に塗布されたソルダレジスト24を除去する。これにより、一面部18b上に被覆部26を形成することができる。
【0033】
電子部品30は、基板10とともに電子回路を形成している。電子部品30としては、例えば、ダイオード、コイル、コンデンサ、抵抗、マイコン、ASICを採用することができる。電子部品30は、第2ランド20とはんだ接合されている。
【0034】
筐体40は、基板10と、電子部品30と、ねじ60と、を収容する。すなわち、筐体40は、電子装置100における他の部材を収容する。筐体40は、第1ケース部42と第2ケース部44とを有している。第1ケース部42及び第2ケース部44は、開口する箱状をなしている。第1ケース部42及び第2ケース部44の各開口が互いに閉塞され、他の部材を収容する内部空間46が形成されている。第1ケース部42及び第2ケース部44は、図示しない箇所でねじ締結等により互いに固定されている。第1ケース部42及び第2ケース部44は、アルミ等の金属材料を用いて形成されている。第2ケース部44は、特許請求の範囲に記載の金属部材に相当する。
【0035】
図1及び図3に示すように、第2ケース部44は、底部48と、側壁部50と、突出部52と、を有している。底部48は、厚さ方向がZ方向と平行な平板状をなし、一面10aとの対向面48aを有している。側壁部50は、底部48を取り囲むように底部48の外周端に形成され、底部48からZ方向のうち第1ケース部42に向かう方向に延設されている。本実施形態において、底部48の平面形状は矩形状とされている。また、側壁部50の平面形状は、内周端及び外周端が矩形とされた環状をなしている。
【0036】
突出部52は、対向面48aから突出している。本実施形態において、突出部52は、側壁部50と一体に形成されている。詳しくは、4つの突出部52が、側壁部50の内周端の各角部に形成されている。突出部52の平面形状は、矩形状とされている。なお、図3では、突出部52の平面形状を明確にするために、突出部52と側壁部50との境界を破線で示している。
【0037】
突出部52は、XY平面に沿う突出先端面52aを有している。突出先端面52aには、基板10が配置されている。これにより、Z方向における底部48と基板10との間に、空間が形成されている。この空間に、裏面10bに実装された電子部品30が配置されている。
【0038】
突出部52は、ねじ60と締結されるねじ孔54を有している。ねじ孔54は、突出先端面52aから所定深さを有して凹むように形成され、壁面がねじ切りされている。ねじ孔54は、ねじ60による固定状態において、第1スルーホール14と対応するように形成されている。言い換えると、ねじ孔54は、Z方向からの投影視において、少なくとも一部が第1スルーホール14と重なるように形成されている。本実施形態において、ねじ孔54の最大径は、第1スルーホール14の径よりも小さくされている。
【0039】
第2ケース部44は、ねじ60を介して、基板10と機械的に接続されるとともに電気的に接続される。本実施形態において、第2ケース部44は、基板10に対して基準電位を与えるグランドとされている。
【0040】
ねじ60は、基板10を第2ケース部44に固定しつつ、第1ランド18を第2ケース部44に電気的に接続するための部材である。ねじ60は、金属材料を用いて形成されている。ねじ60は、柱部62と、頭部64と、を有している。
【0041】
柱部62は、Z方向に延設された柱状の部材であって、第1スルーホール14に挿通されている。柱部62の平面形状は、略円形状とされている。柱部62の平面形状における径は、第1スルーホール14の径よりも小さくされている。柱部62の側面と壁面部18aとは、接触していない。
【0042】
柱部62のZ方向における一端は、頭部64と連結されている。柱部62における頭部64と反対の端部から所定距離までの部分は、ねじ孔54と締結可能に外周面がねじ切りされている。柱部62がねじ孔54と締結することで、ねじ60が第2ケース部44と機械的に接続されるとともに電気的に接続される。Z方向からの投影視において、柱部62の平面形状における中心は、頭部64の平面形状における中心と、ほぼ一致している。
【0043】
頭部64は、平面形状が第1スルーホール14の平面形状よりも大きくされ、裏面10b上に配置されている。頭部64は、Z方向において裏面10bとの対向面64aを有している。ねじ60による固定状態において、被覆部26は突出先端面52aと接触し、且つ、対向面64aは裏面部18cと接触している。これにより、ねじ60が基板10と電気的に接続され、ひいては基板10が第2ケース部44と電気的に接続される。
【0044】
次に、上記した電子装置100の効果について説明する。
【0045】
本実施形態では、第1ランド18が一面部18bを有している。したがって、第1ランド18に対して、Z方向のうち一面10aから裏面10bへ向かう方向に応力が作用した場合であっても、第1ランド18が剥がれることを抑制することができる。また、本実施形態では、第1ランド18が一面部18bを有さない構成に較べて、基板10における第1ランド18が形成される面積を大きくすることができる。
【0046】
また、本実施形態では、一面部18bが被覆部26により被覆され、被覆部26が第2ケース部44と接触している。すなわち、一面部18bが第2ケース部44と接触していない。これによれば、一面部18bが第2ケース部44と接触する従来構成に較べて、一面部18bに作用する応力を小さくすることができる。
【0047】
また、本実施形態では、被覆部26が、樹脂材料を用いて形成されている。一般的に、金属材料どうしの摩擦係数よりも、樹脂材料と金属材料との摩擦係数の方が小さい。すなわち、一面部18bと第2ケース部44との摩擦係数よりも、被覆部26と第2ケース部44との摩擦係数の方が小さい。よって、第2ケース部44から基板10に作用する摩擦力を小さくし易く、一面部18bに作用する応力を小さくし易い。
【0048】
以上により、使用環境の温度変化により第1ランド18が剥がれることを抑制することができる。
【0049】
本実施形態では、被覆部26がソルダレジスト24の一部とされている。すなわち、基板10のソルダレジスト24の一部が、被覆部26としても機能する。これによれば、被覆部26がソルダレジスト24と異なる部材とされた構成に較べて、コストを抑制することができる。
【0050】
ところで、電子部品30と第2ランド20とを接合するはんだには、使用環境の温度変化により、電子部品30と基板10との熱膨張係数の差に応じて応力が作用する。本実施形態では、電子部品30とはんだ接合された第2ランド20は、柔軟層12bに形成されている。柔軟層12bは、電子部品30の変形に応じて変形し易く、はんだに作用する応力を緩和することができる。したがって、はんだ寿命を長くすることができる。
【0051】
本実施形態では、柔軟層12bに第1ランド18の一面部18bが形成されているため、柔軟層12bが変形し易く、第1ランド18が基板10から剥がれ易い。これに対し、基板10は被覆部26を有しているため、第1ランド18が剥がれることを抑制することができる。
【0052】
以上により、はんだ寿命を長くしつつ、第1ランド18が剥がれることを抑制することができる。
【0053】
(第2実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示した電子装置100と共通する部分についての説明は割愛する。
【0054】
図4に示すように、ソルダレジスト24とは別に、一面部18b上に被覆部26が形成されている。被覆部26は、シルク印刷を用いて形成されている。本実施形態では、シルク印刷により、基板10にアドレス等を印字する。そのため、被覆部26を形成する工程と、基板10に印字する工程と、をシルク印刷により同時に実施する。これによれば、印字工程とは別に、被覆部26を形成する工程を設ける必要がない。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0056】
上記実施形態では、被覆部26全体がソルダレジスト24の一部とされた例、及び、被覆部26がシルク印刷のみを用いて形成された例を示したが、これに限定されるものではない。図5に示す第1変形例のように、被覆部26が、ソルダレジスト24の一部により構成された部分と、シルク印刷により形成された部分と、を有する例を採用することもできる。
【0057】
第1変形例では、基板10にソルダレジスト24を塗布した後、シルク印刷によりインクをソルダレジスト24に塗布する。これにより、より厚い被覆部26を形成することができる。被覆部26の厚さを厚くすることにより、第1ランド18が剥がれることを効果的に抑制することができる。
【0058】
上記実施形態では、第1ケース部42が金属材料を用いて形成された例を示したが、これに限定するものではない。第1ケース部42が樹脂材料を用いて形成された例を採用することもできる。
【0059】
上記実施形態では、基材12がコア層12aと柔軟層12bとを有する例を示したが、これに限定するものではない。基板10がフレキシブル基板である例を採用することもできる。これによれば、基材12がコア層12aと柔軟層12bとを有する構成と、同等の効果を奏することができる。
【0060】
上記実施形態では、電子装置100が筐体40を備え、第2ケース部44が筐体40の構成要素とされた例を示したが、これに限定するものではない。電子装置100は、基板10と、ねじ60と、基板10がねじ60により固定されるとともに電気的に接続される金属部材と、を備える構成であれば採用することができる。電子装置100において、第1ケース部42が設けられていない例を採用することもできる。
【0061】
上記実施形態では、頭部の64の対向面64aが裏面部18cと接触する例を示したが、これに限定するものではない。ねじ60がワッシャーを有し、ワッシャーを含む頭部64が裏面部18cと接触することで、ねじ60と基板10とが電気的に接続される例を採用することもできる。
【符号の説明】
【0062】
10…基板、10a…一面、10b…裏面、12…基材、12a…コア層、12b…柔軟層、14…第1スルーホール、16…第2スルーホール、18…第1ランド、18a…壁面部、18b…一面部、18c…裏面部、20…第2ランド、22…配線パターン、24…ソルダレジスト、26…被覆部、30…電子部品、40…筐体、42…第1ケース部、44…第2ケース部、46…内部空間、48…底部、50…側壁部、52…突出部、52a…突出先端面、54…ねじ孔、60…ねじ、62…柱部、64…頭部、64a…対向面、100…電子装置
図1
図2
図3
図4
図5