【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、高電圧発生部(31)と、該高電圧発生部(31)から電位差が付与される第1電極(32)及び第2電極(33)と、水槽(20)と、該水槽(20)を、第1電極(32)が浸水する第1室(27)と第2電極(33)が浸水する第2室(28)とに区画するとともに、
上記第1室(27)と上記第2室(28)とを連通させる微細な孔(46)が形成される絶縁性の仕切部(40)とを備え、高電圧発生部(31)から第1電極(32)及び第2電極(33)に電位差を付与することで、孔(46)から気泡を発生させ、気泡中で放電を行うように構成された放電ユニットを対象とし、仕切部(40)は、上記水槽(20)に固定され、該仕切部(40)の上端から上記水槽(20)の底面(22a)に向かって凹んだ取付凹部(51)が形成される固定仕切板(50)と、上記取付凹部(51)の内縁部(52)に沿って形成され、上記取付凹部(51)に挿入される着脱仕切板(60)と、上記取付凹部(51)の内縁部(52)と上記着脱仕切板(60)との隙間をシールするシール部(90)とを有し、該シール部(90)は、上記着脱仕切板(60)の外縁に沿って延びて形成され、該シール部(90)の延伸方向の直角断面が略円弧状の膨出部(91a,92a)を有する少なくとも1つの第1部材(91,92)と、上記第1部材(91,92)に沿って延び、上記膨出部(91a,92a)が密着するとともに、上記第1部材(91,92)よりも弾性率の小さい第2部材(93)とを有していることを特徴とする。
【0009】
第1の発明では、高電圧発生部(31)から第1電極(32)と第2電極(33)とに電位差が付与されることで、固定仕切板(50)の孔(46)内の電流密度が上昇し、孔(46)内のジュール熱により水が気化して気泡が発生する。この気泡により、第1室(27)と第2室(28)とが分断され、気泡内で放電が行われる。
【0010】
固定仕切板(50)には、水槽(20)に固定され且つ上辺から水槽(20)の底面に向かって凹んだ取付凹部(51)が形成される。孔(46)が形成される着脱仕切板(60)は、取付凹部(51)の内縁部(52)に挿入され、固定仕切板(50)に対して着脱可能となる。固定仕切板(50)の取付凹部(51)の内縁部(52)と着脱仕切板(60)の間には、シール部(90)が形成される。このシール部(90)により、第1室(27)と第2室(28)との間の水の漏洩が防止されるとともに、第1室(27)と第2室(28)との間の絶縁が図られる。
【0011】
具体的に、本発明のシール部(90)は、着脱仕切板(60)の外縁に沿って延びるとともに延伸方向の直角断面が略円弧状の膨出部(91a,92a)を有する第1部材(91,92)を備える。ここで、「略円弧状」は、真円弧状だけでなく、例えば楕円弧状も含む意味である。また、シール部(90)は、第1部材(91,92)に沿って延び、第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)が密着する第2部材(93)を備える。
【0012】
仮に、第2部材(93)の弾性率が第1部材(91,92)の弾性率よりも大きい場合、第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)が第2部材(93)と密着しても、第2部材(93)はほぼ変形しない。従って、第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)と第2部材(93)とは線接触する。このように両者の部材(91,92,93)が線接触したとしても、この線接触部を挟んだ両側の水(第1室(27)と第2室(28)の各水)の漏洩は防止できる。第1部材と第2部材とが線接触部において密に接触し、水が通過する隙間を塞ぐことができるからである。
【0013】
しかし、両者の部材(91,92,93)が線接触したとしても、この線接触部を挟んだ両側の水(第1室(27)と第2室(28)の各水)の間の絶縁効果は極めて小さい。なぜなら、両者の部材(91,92,93)の線接触部を挟んだ両側まで各室(27,28)の水が至っている状態では、各水の距離(沿面距離)が極めて短くなるからである。従って、シール部(90)では、線接触部を挟んだ両者の水の間での漏れ電流が大きくなる。
【0014】
これに対し、本発明では、第2部材(93)の弾性率が第1部材(91,92)の弾性率よりも小さいので、第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)が第2部材(93)と密着すると、第2部材(93)が第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)に沿うように変形する。従って、第1部材(91,92)と第2部材(93)とが面接触する。このように各部材(91,92,93)が面接触すると、この面接触部を挟んだ両側の水の漏洩を防止できる。加えて、この面接触部を挟んだ両側まで各室(27,28)の水が至っている状態では、各水の距離(沿面距離)が面接触部を介することで長くなる。従って、本発明のシール部(90)では、絶縁効果が高くなり、面接触部を挟んだ両者の水の間での漏れ電流が小さくなる。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、上記第1部材は、上記着脱仕切板(60)の外縁に外嵌するOリング(91,92)で構成され、上記第2部材は、上記Oリング(91,92)の膨出部(91a,92a)に沿うように該Oリング(91,92)と上記取付凹部(51)との間に配置されることを特徴とする。
【0016】
第2の発明では、第1部材(91,92)がOリング(91,92)で構成され、着脱仕切板(60)の外縁に外嵌される。これにより、着脱仕切板(60)の外縁に第2部材(93)に密着する膨出部(91a,92a)を容易に形成できる。第2部材(93)は、取付凹部(51)とOリング(91,92)との間に介設され、膨出部(91a,92a)と密着することで変形する。これにより、Oリング(91,92)と第2部材(93)とが面接触し、絶縁シールを確保できる。
【0017】
第3の発明は、第2の発明において、上記取付凹部(51)は、該取付凹部(51)の内縁部(52)のうち水平に対向する一対の側縁部(54,55)の間隔が下方にむかうにつれて短くなる楔形状に形成され、上記着脱仕切板(60)は、上記取付凹部(51)に対応する楔形状に形成されることを特徴とする。
【0018】
第3の発明では、取付凹部(51)が楔形状に形成され、一対の側縁部(54,55)の間隔が下方に向かうにつれて短くなる。着脱仕切板(60)も取付凹部(51)に対応するように楔形状に形成される。着脱仕切板(60)と取付凹部(51)との間には、第1部材(91,92)と第2部材(93)とが介設される。このため、着脱仕切板(60)を取付凹部(51)に挿入する際には、摺動抵抗が大きくなることがある。しかし、本発明では、取付凹部(51)及び着脱仕切板(60)が楔形状に形成されるので、取付凹部(51)の内部に着脱仕切板(60)を容易に挿入でき、且つ容易に取り外すことができる。着脱仕切板(60)を取付凹部(51)に挿入した状態では、第1部材(91,92)と第2部材(93)とが密に接触するため、シール部(90)の水シール及び絶縁シールを十分確保できるとともに、着脱仕切板(60)が取付凹部(51)から外れてしまうことも防止できる。
【0019】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記第2部材(93)には、上記第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)が嵌合する少なくとも1つの嵌合溝(101,102)が形成されていることを特徴とする。
【0020】
第4の発明では、第2部材(93)に第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)が嵌合する嵌合溝(101,102)が形成される。これにより、第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)と第2部材(93)の嵌合溝(101,102)との間に確実に面接触部(面シール)を形成できる。この結果、シール部(90)の水シール及び絶縁シールを十分確保できる。
【0021】
第5の発明は、第4の発明において、上記シール部(90)は、上記着脱仕切板(60)の厚さ方向に互いに間隔を置いて配置される2つの上記第1部材(91,92)を有し、上記着脱仕切板(60)には、上記2つの第1部材(91,92)の間に平坦状の第1平坦部(69)が形成され、上記第2部材(93)には、上記2つの第1部材(91,92)がそれぞれ1つずつ嵌合する2つの上記嵌合溝(101,102)と、上記2つの嵌合溝(101,102)の間に形成され、上記第1平坦部(69)に面接触する平坦状の2平坦部(103)が形成されることを特徴とする。
【0022】
第5の発明の着脱仕切板(60)には、2つの第1部材(91,92)が設けられ、これらの第1部材(91,92)の間に第1平坦部(69)が形成される。一方、第2部材(93)には、各第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)が嵌合する嵌合溝(101,102)が形成され、これらの嵌合溝(101,102)の間に第2平坦部(103)が形成される。第1部材(91,92)と第2部材(93)とが密着する状態では、2つの第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)がそれぞれの嵌合溝(101,102)に嵌まり込み、且つ第1平坦部(69)と第2平坦部(103)とが密に面接触する。これにより、シール部(90)では、第1室(27)側の水と第2室(28)側の水がシール部(90)まで至ったとしても、面接触部の幅が長くなり、沿面距離を十分に確保できる。つまり、第2部材(93)を基準とした場合、面接触部は、一方の嵌合溝(101)、第2平坦部(103)、及び他方の嵌合溝(102)が連続して形成される。この結果、シール部(90)の水シール及び絶縁シールを更に確実に確保できる。
【0023】
第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明において、上記着脱仕切板(60)の外縁には、一対の側縁部(54,55)と下縁部(53)とに、該着脱仕切板(60)の外縁に沿って延びる凹部(85,86,87)が形成され、上記第1部材(91,92)は、上記着脱仕切板(60)の凹部(85,86,87)の底面(85a,86a,87a)に固定され、上記第2部材(93)は、上記凹部(85,86,87)の内部に配置されるとともに、上記取付凹部(51)の内縁部(52)が嵌合する溝部(97,98,99)を有することを特徴とする。
【0024】
第6の発明では、着脱仕切板(60)の外縁における一対の側縁部(54,55)と下縁部(53)とにそれぞれ凹部(85,86,87)が形成され、これらの凹部(85,86,87)の底面(85a,86a,87a)に第1部材(91,92)が固定される。第2部材(93)は、凹部(85,86,87)の内部に配置される。取付凹部(51)に着脱仕切板(60)が挿入されると、取付凹部(51)の内縁部(52)が第2部材(93)の溝部(97,98,99)に嵌合する。これにより、取付凹部(51)と着脱仕切板(60)の間に第1部材(91,92)と第2部材(93)とが密に保持される。この結果、シール部(90)の水シールの性能が向上する。
【0025】
第7の発明は、第6の発明において、上記取付凹部(51)の内縁部(52)は、基部(53a,54a,55a)と、該基部(53a,54a,55a)に対して段差面(S1〜S6)を形成するように着脱仕切板(60)側に向かって突出する凸部(53b,54b,55b)とを有し、上記第2部材(93)の溝部(97,98,99)は、上記基部(53a,54a,55a)が嵌合する外溝(97a,98a,99a)と、該外溝(97a,98a,99a)よりも奥側に凹み上記凸部(53b,54b,55b)が嵌合する内溝(97b,98b,99b)とを有することを特徴とする。
【0026】
第7の発明では、第2部材(93)の溝部(97,98,99)が、外溝(97a,98a,99a)と、該外溝(97a,98a,99a)より奥側に凹む内溝(97b,98b,99b)とを有する。第2部材(93)は、取付凹部(51)の内縁部(52)の基部(53a,54a,55a)が外溝(97a,98a,99a)に嵌合し、該内縁部(52)の凸部(53b,54b,55b)が内溝(97b,98b,99b)に嵌合することで、取付凹部(51)に保持される。
【0027】
第8の発明は、第7の発明において、上記第2部材(93)のうち上記凹部(85,86,87)の側方内壁(85b,86b,87b)と対向する面(104,105)には、第2部材(93)の延伸方向に延びる少なくとも1つの隙間形成溝(106,107)が形成されることを特徴とする。
【0028】
第8の発明では、第2部材(93)のうち凹部(85,86,87)の側方内壁(85b,86b,87b)と対向する面(104,105)(以下、対向面(104,105)ともいう)に隙間形成溝(106,107)が形成される。これにより、凹部(85,86,87)に第2部材(93)が嵌合した状態では、凹部(85,86,87)の側方内壁(85b,86b,87b)と第2部材(93)の対向面(104,105)との間に隙間が形成される。この隙間が狭すぎると、凹部(85,86,87)の開放面側の水が毛細管現象により、凹部(85,86,87)の側方内壁(85b,86b,87b)と第2部材(93)との間に侵入し易くなる。これに対し、このように隙間を形成することで、毛細管現象により水が流入してしまうことを防止できる。
【0029】
また、第2部材(93)に隙間形成溝(106,107)を形成すると、凹部(85,86,87)の側方内壁(85b,86b,87b)と第2部材(93)の対向面(104,105)との間の摺動抵抗が小さくなる。これにより、第2部材(93)を凹部(85,86,87)の内部に挿入し易くなる。
【0030】
第9の発明は、第8の発明において、上記第2部材(93)のうち上記凹部(85,86,87)の側方内壁(85b,86b,87b)と対向する面(104,105)には、少なくとも2つの上記隙間形成溝(106,107)と、該2つの隙間形成溝(106,107)の間に形成される凸条(108)とを有することを特徴とする。
【0031】
第9の発明では、第2部材(93)の対向面(104,105)に2つの隙間形成溝(106,107)が形成される。これにより、毛細管現象に起因する水の浸入を一層確実に防止できる。また、2つの隙間形成溝(106,107)を形成することで、凹部(85,86,87)の側方内壁(85b,86b,87b)と第2部材(93)の対向面(104,105)との間の摺動抵抗が更に小さくなる。2つの隙間形成溝(106,107)の間には、凸条(108)が形成される。この凸条(108)が対向面(104,105)に密に接触することで、水のシール性も向上できる。
【0032】
第10の発明は、第9の発明において、上記凸条(108)の少なくとも一部は、上記取付凹部(51)の上記基部(53a,54a,55a)の上記段差面(S1〜S6)に沿った仮想平面P1と、上記着脱仕切板(60)の凹部(85,86,87)の底面(85a,86a,87a)に沿った仮想平面P2の間に位置していることを特徴とする。
【0033】
第10の発明では、上記取付凹部(51)の内縁部(52)と着脱仕切板(60)の凹部(85,86,87)の内部に第2部材(93)が挟持されると、第2部材(93)における基部(53a,54a,55a)の段差面(S1〜S6)と凹部(85,86,87)の底面(85a,86a,87a)との間の部分が凹部(85,86,87)の側方内壁(85b,86b,87b)に沿った方向に圧縮される。すると、この圧縮された部分は、側方内壁(85b,86b,87b)側に向かって膨出する。ここで、第2部材(93)の凸条(108)は、段差面(S1〜S6)に沿った仮想平面P1と凹部(85,86,87)の底面(85a,86a,87a)に沿った仮想平面P2の間に位置するため、側方内壁(85b,86b,87b)側に向かった膨出部分に位置することになる。これにより、凸条(108)が側方内壁(85b,86b,87b)と密に接触し、側方内壁(85b,86b,87b)と凸条(108)との間の水のシール性が更に向上する。
【0034】
第11の発明は、第6乃至第10のいずれか1つの発明において、上記第2部材(93)は、上記着脱仕切板(60)の上記側縁部(54,55)の上記凹部(86,87)の内部に配置されるとともに、上記溝部(98,99)を有する側方部材(95,96)を有し、上記第2部材(93)の側方部材(95,96)のうち上記凹部(86,87)の側方内壁(86b,87b)と対向する面(104,105)には、上記凹部(86,87)の開放面に隣接する部分に平坦状の第3平坦部(109)が形成されていることを特徴とする。
【0035】
第11の発明では、着脱仕切板(60)の側縁部(54,55)の凹部(86,87)に第2部材(93)の側方部材(95,96)が配置される。側方部材(95,96)のうち凹部(86,87)の側方内壁(86b,87b)と対向する面(104,105)には、凹部(86,87)の開放面に隣接する部分に平坦状の第3平坦部(109)が形成される。これにより、取付凹部(51)の内縁部(52)と着脱仕切板(60)との間に第2部材(93)が挟持される状態において、第2部材(93)の側方部材(95,96)の端部が凹部(86,87)の開放面より外側に多少突出したとしても、側方内壁(86b,87b)と第3平坦部(109)とが密に接触した状態を維持できる。この結果、凹部(86,87)の開放面において、第2部材(93)の側方部材(95,96)と側方内壁(86b,87b)との間の隙間より水が浸入してしまうことを第3平坦部(109)によって防止できる。
【0036】
第12の発明は、第6乃至第11のいずれか1つの発明において、上記第2部材(93)は、上記着脱仕切板(60)の上記下縁部(53)の上記凹部(85)の内部に配置されるとともに、上記溝部(97)を有する下側部材(94)を有し、上記第2部材(93)の下側部材(94)は、該下側部材(94)の下端(110)が上記水槽(20)の底面と密着するように構成されていることを特徴とする。
【0037】
第12の発明では、着脱仕切板(60)の下縁部(53)の凹部(85)に第2部材(93)の下側部材(94)が配置される。取付凹部(51)の内縁部(52)と着脱仕切板(60)との間に第2部材(93)が挟持される状態では、第2部材(93)の下側部材(94)の下端が水槽(20)の底面(22a)と密着する。下側部材(94)の下端(110)と水槽(20)の底面(22a)との間の隙間への水の浸入を防止できる。
【発明の効果】
【0038】
第1の発明によれば、固定仕切板(50)に対して着脱仕切板(60)を取り外すことができるので、孔(46)や、その周辺部分のメンテナンスを容易に行うことができる。また、着脱仕切板(60)の交換が容易となり、例えば放電対象の液体に応じた最適なサイズの孔(46)を有する着脱仕切板(60)に取り替えることもできる。
【0039】
第1の発明によれば、第1部材(91,92)と第2部材(93)とが面接触するため、面接触部を挟んで両側に水が侵入したとしても、これらの水の沿面距離を長くすることができる。従って、単に水のシール性を向上できるだけでなく、絶縁シールの性能も向上できる。この結果、第1室(27)と第2室(28)との間での絶縁性が損なわれることを回避でき、孔(46)内で発生した気泡中で所望とする放電を安定して行うことができる。また、このように両室(27,28)の絶縁性を確保することで、高電圧発生部(31)の出力電圧を低減しつつ、放電を生起することができる。
【0040】
第2の発明によれば、第1部材としてOリング(91,92)を用いることで、部品の簡素化、低コスト化を図ることができる。
【0041】
第3の発明によれば、取付凹部(51)に対する着脱仕切板(60)の取り付け・取り外しが容易となり、着脱仕切板(60)のメンテナンスや交換も容易となる。また、取付凹部(51)に着脱仕切板(60)を取り付けた状態では、第1部材(91,92)と第2部材(93)とが密に接触するため、水シールや絶縁シールの性能を向上できるとともに、着脱仕切板(60)が簡単に外れてしまうことも防止できる。従って、例えば着脱仕切板(60)と取付凹部(51)とを接着等せずとも両者の部材を固定できる。あるいは、着脱仕切板(60)と取付凹部(51)の接着剤の使用量を減らせる。
【0042】
第4の発明では、第1部材(91,92)の膨出部(91a,92a)を嵌合溝(101,102)に嵌合させることで、第1部材(91,92)と第2部材(93)とを確実に面接触でき、沿面距離を確実に長く確保できる。特に、第5の発明では、2つの嵌合溝(101,102)と、この間の第2平坦部(103)とに亘って面シールを形成できるので、沿面距離が更に長くなり、絶縁シールの性能を一層向上できる。
【0043】
第6の発明では、着脱仕切板(60)の凹部(85,86,87)の内部に第1部材(91,92)と第2部材(93)とを配置することで、これらの部材(91,92,93)を密に接触させることができ、水シールの性能を向上できる。
【0044】
第7の発明では、取付凹部(51)の基部(53a,54a,55a)及び凸部(53b,54b,55b)に、第2部材(93)の外溝(97a,98a,99a)及び内溝(93b,94b,95b)をそれぞれ嵌め込むことで、取付凹部(51)の内部に第2部材(93)を確実に保持できる。
【0045】
第8の発明では、第2部材(93)の対向面(104,105)に隙間形成溝(106,107)を形成したため、毛細管現象に起因する水の浸入を防止できる。また、対向面(104,105)と側方内壁(85b,86b,87b)の摺動抵抗が小さくなり、凹部(85,86,87)の内部に第2部材(93)を嵌め込み易くなる。特に、第9の発明では、対向面(104,105)に2つの隙間形成溝(106,107)を形成したので、第8の発明の効果が顕著となる。また、第9の発明では、2つの隙間形成溝(106,107)の間に凸条(108)を形成することで、この凸条(108)と側方内壁(85b,86b,87b)とを接触させて水のシール性能を向上できる。
【0046】
第10の発明によれば、第2部材(93)が圧縮されることにより、凸条(108)が側方内壁(85b,86b,87b)に膨出するため、凸条(108)と側方内壁(85b,86b,87b)とを密に接触させることができ、この部位のシール性能を更に向上できる。
【0047】
第11の発明によれば、凹部(86,87)の開放面近傍から、側方内壁(86b,87b)と第2部材(93)との間に水が浸入してしまうことを第3平坦部(109)により防止できる。
【0048】
第12の発明によれば、第2部材(93)の下端部を水槽(20)の底面(22a)に密着させることで、この部分の水のシール性能を向上できる。