特許第6492846号(P6492846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6492846
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】貯湯給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20060101AFI20190325BHJP
   F16L 59/065 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   F24H9/00 E
   F16L59/065
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-60862(P2015-60862)
(22)【出願日】2015年3月24日
(65)【公開番号】特開2016-180537(P2016-180537A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2018年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】山根 将太
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−163258(JP,A)
【文献】 特開2007−155154(JP,A)
【文献】 実開昭57−061534(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/00
F16L 59/065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を貯留する為の貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水温度を検知する為の温度検知手段と、前記貯湯タンクの保温を行う為の真空断熱材とを備えた貯湯給湯装置において、
前記温度検知手段は、前記貯湯タンクの表面に固定された面状温度センサで構成され、
前記真空断熱材は、前記面状温度センサを覆うように前記貯湯タンクの外周面に設けられ、前記真空断熱材は、前記貯湯タンクの胴体部の外周面を覆う1又は複数の円筒状断熱材から構成され、
前記面状温度センサの接続線は、前記円筒状断熱材の周方向の端部同士を重ね合わせた部分の隙間から外部に導出されることを特徴とする貯湯給湯装置。
【請求項2】
前記温度検知手段は、前記貯湯タンクの高さ方向の複数個所の湯水温度を検知可能な複数の面状温度センサからなることを特徴とする請求項1に記載の貯湯給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貯湯給湯装置に関し、特に貯湯タンクの保温を行う為の真空断熱材を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大容量の湯水を貯留可能な貯湯タンクを備え、1又は複数の給湯先に湯水を供給する貯湯給湯装置が実用に供されている。この種の貯湯給湯装置は、貯湯タンク内の湯水を、例えば、夜間割引の安価な電力を利用して、ヒートポンプ回路を有する外部熱源機や貯湯タンクの内部に設置された加熱用ヒータを有する内部熱源機で加熱して、その加熱された湯水を貯湯タンクに貯留しておき、給湯栓や風呂等に給湯するものである。
【0003】
ところで、上記の貯湯給湯装置においては、貯湯タンク内の湯水温度を検知する為に、貯湯タンクの外周面の複数個所に複数の湯水温度センサが設けられている。この湯水温度センサは、例えば、伝熱性が良い金属製の円筒部材と、この円筒部材内に組み込まれたサーミスタと、このサーミスタから延びる1対のリード線等から構成されている。
【0004】
また、上記の貯湯タンクにおいては、一般的に、その周囲は貯留された湯水の放熱を防ぐ為に、断熱材によって覆われている。この種の断熱材の材料としては、通常の合成樹脂発泡体からなる断熱材(ポリウレタンやポリエチレン等の有機系断熱材)、繊維材料からなる断熱材(グラスウールやグラスファイバー等の無機系断熱材)、内部を真空に近い減圧状態にした真空断熱材等が一般に知られている。
【0005】
ここで、上記の断熱材として真空断熱材を使用する場合、真空断熱材を貯湯タンクの外周面に沿って配置しようとすると、真空断熱材の表面が貯湯タンクの外周面に固定された円筒形状の湯水温度センサのエッジ部に接触して損傷する虞がある。つまり、真空断熱材で湯水温度センサを直接覆うと、真空断熱材の真空性が損なわれて断熱効果を維持できなくなる可能性がある。
【0006】
そこで、上記の問題を解決する為に、例えば、特許文献1の給湯器には、真空断熱材の角部に切欠き部を形成し、この切欠き部を介して貯湯タンクの外周面に湯水温度センサを設けた構造が開示されている。また、特許文献2の貯湯給湯装置には、真空断熱材の周方向の端部間に真空断熱材とは異なる材料の断熱材を配置し、この断熱材に形成された取出部を介して貯湯タンクの外周面に湯水温度センサを設けた構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−96623号公報
【特許文献2】特許4211786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1の給湯器のように、真空断熱材の切欠き部を介して湯水温度センサが貯湯タンクに設けられる構造の場合、貯湯タンクの外周面のうち切欠き部に対応する部分が真空断熱材で覆われずに露出することになるので、貯湯タンクの断熱性が低下すると共に、湯水温度センサが外気に晒されてしまうので、貯湯タンクの湯水温度を正確に検知することができない虞がある。
【0009】
また、特許文献2の貯湯給湯装置にように、真空断熱材とは異なる材料の断熱材によって湯水温度センサが覆われる構造の場合、この異なる材料(例えば、合成樹脂発泡体)の断熱材は、真空断熱材と比較して断熱性能が低いので、貯湯タンクの外周面や湯水温度センサが外気により冷やされてしまう虞がある。即ち、上記の特許文献1,2のような構造では、真空断熱材の利点を最大限に活用できないという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、真空断熱材による貯湯タンクの断熱性の向上を図ると共に真空断熱材の耐久性の向上を図る貯湯給湯装置を提供すること、湯水温度センサによる湯水温度の検出精度の向上を図る貯湯給湯装置を提供すること、等である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の貯湯給湯装置は、湯水を貯留する為の貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水温度を検知する為の温度検知手段と、前記貯湯タンクの保温を行う為の真空断熱材とを備えた貯湯給湯装置において、前記温度検知手段は、前記貯湯タンクの表面に固定された面状温度センサで構成され、前記真空断熱材は、前記面状温度センサを覆うように前記貯湯タンクの外周面に設けられ、前記真空断熱材は、前記貯湯タンクの胴体部の外周面を覆う1又は複数の円筒状断熱材から構成され、前記面状温度センサの接続線は、前記円筒状断熱材の周方向の端部同士を重ね合わせた部分の隙間から外部に導出されることを特徴としている。
【0013】
請求項の貯湯給湯装置は、請求項の発明において、前記温度検知手段は、前記貯湯タンクの高さ方向の複数個所の湯水温度を検知可能な複数の面状温度センサからなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、温度検知手段は、貯湯タンクの表面に固定された面状温度センサで構成され、真空断熱材は、面状温度センサを覆うように貯湯タンクの外周面に設けられているので、温度検知手段として面状温度センサを利用することで、温度検知手段の形状による制約を受けずに、真空断熱材を貯湯タンクの外周面に沿って直接配置することができる。
【0015】
即ち、従来技術のように、真空断熱材の表面に温度検知手段が接触するのを防止する為に、真空断熱材に温度検知手段の為に切欠き部のような構造を設けたり、真空断熱材とは材料の異なる断熱材を利用して温度検知手段を覆う必要がないので、真空断熱材を有効に活用することができる。
【0016】
従って、通常の合成樹脂発泡体や繊維材料からなる断熱材と比較して断熱性能が高い真空断熱材で貯湯タンクを覆う被覆率を増加することができるので、貯湯タンクの断熱性が向上し、真空断熱材で温度検知手段を直接覆っても、温度検知手段による真空断熱材の損傷を防止することができるので、真空断熱材の耐久性が向上し、その上、真空断熱材によって温度検知手段が外気に晒されるのを防止することができるので、温度検知手段による貯湯タンクの湯水温度の検出精度が向上する。
【0017】
そして、真空断熱材は、貯湯タンクの胴体部の外周面を覆う1又は複数の円筒状断熱材から構成され、面状温度センサの接続線は、円筒状断熱材の周方向の端部同士を重ね合わせた部分の隙間から外部に導出されるので、面状温度センサの接続線を外部に取り出す為の専用の構造を設けずとも、貯湯タンクの胴体部の外周面を真空断熱材で覆った状態のまま、簡単な構造でもって且つ容易に温度検知手段の検知信号を外部に取り出すことができる。
【0018】
請求項の発明によれば、温度検知手段は、貯湯タンクの高さ方向の複数個所の湯水温度を検知可能な複数の面状温度センサからなるので、これら面状温度センサを介して、貯湯タンクの複数の貯留層の湯水温度を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例に係る貯湯給湯装置の概略正面図である。
図2】貯湯給湯装置の平面図である。
図3】貯湯給湯装置の部分拡大断面図である。
図4】真空断熱材と温度検知手段の部分斜視図である。
図5】部分変更形態に係る貯湯給湯装置の概略正面図である。
図6】部分変更形態に係る真空断熱材と温度検知手段の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0021】
最初に、貯湯給湯装置1の全体構造について簡単に説明する。
図1に示すように、貯湯給湯装置1は、湯水を貯留する為の貯湯タンク2と、この貯湯タンク2内の湯水温度を検知する為の温度検知手段3と、貯湯タンク2の保温を行う為の真空断熱材4等を備えている。尚、貯湯給湯装置1は、上記の器具以外にも給水配管や給湯配管等の各種配管類や混合弁や開閉弁等の各種弁類を備えているが、図示は省略する。
【0022】
この貯湯給湯装置1は、例えば、外部熱源機としてヒートポンプ回路を備えたヒートポンプ式熱源機と、このヒートポンプ式熱源機と貯湯給湯装置1との間に循環ポンプを介して湯水を循環させる為の湯水循環配管等と組み合わせることでヒートポンプ式給湯装置が構成されるが、貯湯給湯装置1以外の構成の詳細な説明は省略する。
【0023】
次に、貯湯タンク2について説明する。
図1に示すように、貯湯タンク2は、高温の湯水を貯留するタンクであり、耐腐食性に優れたステンレス板製の胴部材と、その上下両端を塞ぐ1対の鏡板とから構成されている。即ち、貯湯タンク2は、縦長筒状の外周面を有する胴体部2aと、上端部の曲面状の天部2bと、下端部の曲面状の底部2cとから一体的に構成されている。
【0024】
貯湯タンク2には、図示略の給水配管、湯水循環配管、給湯配管等が夫々接続され、給水配管を介して上水源からの上水を貯湯タンク2内に補充可能となっており、湯水循環配管を介して湯水が加熱され、給湯配管を介して貯湯タンク2内に貯留された高温の湯水(例えば、65〜90℃)を所望の給湯先に供給することができる。
【0025】
次に、温度検知手段3について説明する。
図1図3図4に示すように、温度検知手段3は、貯湯タンク2の高さ方向の複数個所の湯水温度を検知可能な複数(例えば、5個)の面状温度センサ10から構成されている。即ち、複数の面状温度センサ10は、貯湯タンク2の胴体部2aの表面に下側から上側に向かって等間隔に貼り付け固定され、これら面状温度センサ10によって、貯湯タンク2内の複数の貯留層の湯水温度が検知される。尚、複数の面状温度センサ10の各々は、同様の構造を有しているので、以下では1つの面状温度センサ10について説明する。
【0026】
面状温度センサ10は、フィルム状又はシート状に構成された公知の温度センサであり、湯水温度を検知可能な薄膜状の温度検知部10aと、この温度検知部10aから延びる1対のリード線10b,10c(接続線に相当する)等から構成されている。面状温度センサ10の温度検知部10aは、貯湯タンク2の胴体部2aの外周面の所定箇所に両面テープや接着剤等によって貼り付け固定されている。
【0027】
尚、面状温度センサ10の温度検知部10aは、図示は省略するが、例えば、湯水温度に応じて電気抵抗値が変化する抵抗体と、この抵抗体の両端部に設けられ且つ1対のリード線10b,10cが夫々接続された1対の電極部と、抵抗体と1対の電極部を挟むように設けられた1対の絶縁性フィルム等から構成されている。
【0028】
面状温度センサ10から延びる1対のリード線10b,10cは、真空断熱材4の外側で纏められて制御ユニット(図示略)に夫々接続されている。面状温度センサ10は、貯湯タンク2の湯水温度に応じて変化する抵抗体の電気抵抗値に基づく検知信号を制御ユニットに夫々供給する。
【0029】
次に、真空断熱材4について説明する。
図1図4に示すように、真空断熱材4は、円筒形状の貯湯タンク2の胴体部2aの外周面を覆って貯湯タンク2に貯留された湯水の放熱を防ぐ断熱機能を有するものであり、上下方向に積層された複数(例えば、5枚)の円筒状断熱材11から構成されている。尚、複数の円筒状断熱材11の各々は、同様の構造を有しているので、以下では1枚の円筒状断熱材11について説明する。
【0030】
円筒状断熱材11は、断熱性を有する芯材12(例えば、ガラス繊維体等)と、この芯材12を密閉状に覆い且つガスバリア性を有する外皮材13(例えば、プラスチックフィルムにアルミ等の金属をコーティングした機能フィルム等)とを備え、外皮材13の内部を真空排気して真空に近い減圧状態にすることで構成されている。円筒状断熱材11の外周部には、芯材12を密閉する為に芯材12の両面側の外皮材13の外周部同士を接着した接着部14が形成されている。
【0031】
円筒状断熱材11は、扁平形状の平板状態から貯湯タンク2の胴体部2aの外周面を覆うように円筒状に加工されて形成されている。円筒状断熱材11は、面状温度センサ10の温度検知部10aの表面を覆うように胴体部2aの外周面に沿うように両面テープや接着剤等によって貼り付け固定されている。
【0032】
円筒状断熱材11の周方向の端部同士が接触する繋ぎ目部分は、周方向一端部の接着部14が、周方向他端部の接着部14に重なり合うように構成されている。この円筒状断熱材11の繋ぎ目部分は、面状温度センサ10の温度検知部10aに重ならないように配置され、面状温度センサ10の1対のリード線10b,10cは、円筒状断熱材11の周方向の端部の接着部14同士を重ね合わせた部分の隙間から外部に導出されている。この1対のリード線10b,10cは、円筒状断熱材11の繋ぎ目部分に極力隙間が生じないように導出されている。
【0033】
尚、本実施例では、貯湯タンク2の胴体部2aの周方向において、1枚の円筒状断熱材11によって貯湯タンク2の胴体部2aの全周を覆っているが、特にこの構造に限定する必要はなく、2枚の部分円筒状断熱材を組み合わせることで、貯湯タンク2の胴体部2aの全周を覆うようにしても良いし、2以上の複数枚の部分円筒状断熱材を組み合わせることで、貯湯タンク2の胴体部2aの全周を覆うようにしても良い。
【0034】
図示は省略するが、貯湯タンク2の上端側部分(貯湯タンク2の天部2bと胴体部2aの上端部)を覆う上部断熱材や、貯湯タンク2の下端側部分(貯湯タンク2の底部2cと胴体部2aの下端部)を覆う下部断熱材等を設けても良い。これら上部断熱材及び下部断熱材は、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン等からなる合成樹脂発泡体製の成形材で形成されている。
【0035】
次に、本発明の貯湯給湯装置1の作用及び効果について説明する。
温度検知手段3は、貯湯タンク2の表面に貼り付け固定された面状温度センサ10で構成され、真空断熱材4は、面状温度センサ10の表面を覆うように貯湯タンク2の外周面に設けられているので、温度検知手段3として面状温度センサ10を利用することで、温度検知手段3の形状による制約を受けずに、真空断熱材4を貯湯タンク2の外周面に沿って直接配置することができる。
【0036】
即ち、従来技術のように、真空断熱材4の表面に温度検知手段3が接触するのを防止する為に、真空断熱材4に温度検知手段3の為に切欠き部のような構造を設けたり、真空断熱材4とは材料の異なる断熱材を利用して温度検知手段3を覆う必要がないので、真空断熱材4を有効に活用することができる。
【0037】
従って、通常の合成樹脂発泡体や繊維材料からなる断熱材と比較して断熱性能が高い真空断熱材4で貯湯タンク2を覆う被覆率を増加することができるので、貯湯タンク2の断熱性が向上し、真空断熱材4で温度検知手段3を直接覆っても、温度検知手段3による真空断熱材4の損傷を防止することができるので、真空断熱材4の耐久性が向上し、その上、真空断熱材4によって温度検知手段3が外気に晒されるのを防止することができるので、温度検知手段3による貯湯タンク2の湯水温度の検出精度が向上する。
【0038】
また、真空断熱材4は、貯湯タンク2の胴体部2aの外周面を覆う複数の円筒状断熱材11から構成され、面状温度センサ10の1対のリード線10b,10cは、円筒状断熱材11の周方向の端部同士を重ね合わせた部分の隙間から外部に導出されるので、面状温度センサ10の1対のリード線10b,10cを外部に取り出す為の専用の構造を設けずとも、貯湯タンク2の胴体部2aの外周面を真空断熱材4で覆った状態のまま、簡単な構造でもって且つ容易に温度検知手段3の検知信号を外部に取り出すことができる。
【0039】
さらに、温度検知手段3は、貯湯タンク2の高さ方向の複数個所の湯水温度を検知可能な複数の面状温度センサ10からなるので、これら面状温度センサ10を介して、貯湯タンク2の複数の貯留層の湯水温度を検知することができる。
【0040】
次に、前記実施例を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記実施例の温度検知手段3は、複数の面状温度センサ10から構成されているが、特にこの構造に限定する必要はなく、温度検知手段3を一体品で構成しても良い。即ち、図5図6に示すように、温度検知手段3Aは、上下方向に延びる1枚の帯状の面状温度センサ15から構成されても良い。
【0041】
図6に示すように、面状温度センサ15は、上下方向に延び且つ共通リード線19aが接続された帯状の共通電極16と、この共通電極16上に上下方向に等間隔に形成され且つ湯水温度に応じて電気抵抗値が変化する複数の半導体フィルム17と、複数の半導体フィルム17上に夫々形成され且つ複数のリード線19bが夫々接続された複数の電極18と、共通電極16と複数の電極18を挟むように形成された1対の絶縁性フィルム(図示略)等から構成されている。
【0042】
この構造によれば、1枚の面状温度センサ15を貯湯タンク2の胴体部2aの外周面に縦向きに貼り付け固定するだけで、貯湯タンク2の複数個所の湯水温度を検知可能になるので、温度検知手段3Aの取付け作業が簡単化する。
【0043】
[2]前記実施例の真空断熱材4の繋ぎ目部分において、円筒状断熱材11の周方向の端部の接着部14同士が重なり合うように構成されているが、特にこの構造に限定する必要はなく、面状温度センサ10の1対のリード線10b,10cが円筒状断熱材11の周方向の端部同士を重ね合わせた部分の隙間から外部に導出されるのであれば、円筒状断熱材11の芯材12の端部同士を重ね合うように構成しても良い。
【0044】
[3]前記実施例の面状温度センサ10及び部分変更形態の面状温度センサ15の構造は、ほんの一例を示したに過ぎず、特に限定する必要はなく、フィルム状又はシート状に構成された温度センサであれば、その構造は適宜変更可能である。
【0045】
[4]前記実施例の真空断熱材4は、上下方向に分割された複数の円筒状断熱材11から構成されているが、特にこの構造に限定する必要はなく、真空断熱材を貯湯タンク2の胴体部2aの外周面を全体的に覆う1枚の円筒状断熱材11から構成しても良い。
【0046】
[5]前記実施例において、真空断熱材4の周囲を覆うように、通常の合成樹脂発泡体からなる断熱材や繊維材料からなる断熱材等を配置しても良い。
【0047】
[6]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0048】
1 貯湯給湯装置
2 貯湯タンク
2a 胴体部
3,3A 温度検知手段
4 真空断熱材
10,15 面状温度センサ
10b,10c 1対のリード線(接続線)
11 円筒状断熱材
図1
図2
図3
図4
図5
図6