特許第6492858号(P6492858)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6492858
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】高圧縁線固定具
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/00 20060101AFI20190325BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20190325BHJP
   H02G 7/20 20060101ALI20190325BHJP
   H02G 7/08 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   H02G7/00
   H02G1/02
   H02G7/20
   H02G7/08
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-63446(P2015-63446)
(22)【出願日】2015年3月25日
(65)【公開番号】特開2016-185001(P2016-185001A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2018年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】石川 貴文
(72)【発明者】
【氏名】松田 泰範
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭48−005284(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 7/00−7/22
H02G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線と分岐線の分岐点近傍に着脱可能に取設されて前記電力線と前記分岐線を平行に配しながら挟持する一対の挟持プレートと、一対の前記挟持プレートの空隙の広狭を調整する空隙調整部と、この空隙調整部を作動させる動力を外部から取り込むための動力受け部と、一対の前記挟持プレートに設けられ前記空隙に収容される前記電力線及び前記分岐線が前記空隙の外に出るのを妨げる係止部材と、を有し、
前記動力受け部は1つであり、
前記係止部材は、L字状又は湾曲してなるフック体であり、一対の前記挟持プレートのいずれか一方の長手方向端部に固設されることを特徴とする高圧縁線固定具。
【請求項2】
前記空隙調整部は、一対の前記挟持プレートを貫通して設けられる2本のネジ棒と、前記動力受け部に伝達される前記動力を2本の前記ネジ棒に伝達する動力伝達機構と、を備えることを特徴とする請求項1記載の高圧縁線固定具。
【請求項3】
前記動力伝達機構は、笠歯車を用いることを特徴とする請求項に記載の高圧縁線固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧線(電力線)とそれから分岐する分岐線を所望期間固定しておくことができ、操作性が良好で、構造がシンプルであり、しかも、繰り返し使用が可能な高圧縁線固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
はじめに、従来技術について図9を参照しながら説明する。図9は従来技術に係るバインド線により電力線とその分岐線を固定した状態を示す側面図である。
図9に示すように、従来、電力線7上の分岐点9から分岐された分岐線8は、例えば、アルミ製で直径が2mm程度のバインド線10を巻回して電力線7に緊縛固定していた。
この場合、高圧架線である電力線7にバインド線10を巻回して緊縛する作業を、間接活線工具である絶縁ヤットコを用いて行うことは極めて作業性が悪く、多大な時間を要していた。このため、電力線7に分岐線8を容易に固定でき、その着脱が容易な固定具が必要とされていた。
【0003】
上述のような課題に対処可能な先行技術としては、例えば、特開2012−253872号公報(特許文献1)、特開平9−284972号公報(特許文献2)、特開平5−146045号公報(特許文献3)、及び、特開2013−69477号公報(特許文献4)が知られている。
特許文献1乃至3には、先の図9に示す電力線7の分岐点9とその近傍に配される電力線7及び分岐線8を収納可能なカバーが開示されている。
また、特許文献4には、分岐クランプが開示されており、このような分岐クランプによれば、電力線7と分岐線8とを平行に保持しながら挟持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−253872号公報
【特許文献2】特開平9−284972号公報
【特許文献3】特開平5−146045号公報
【特許文献4】特開2013−69477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1乃至3に開示される発明の場合は、電力線7及び分岐線8を平行に配した状態で、しっかりと挟持して固定するという技術内容を有するものではなかった。
また、特許文献4に開示される発明の場合は、電力線7及び分岐線8を平行に配した状態で、しっかりと挟持して固定できるものの、複数あるボルトを1つずつ固定してやる必要があるため、取付け及び取外し作業が煩雑な上、各ボルトの締め付け具合を均一化することが難しいので、特許文献4に開示される分岐クランプによる電力線7及び分岐線8の挟持力を均一化することも難しかった。
【0006】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、電力線の分岐点近傍において、電力線と分岐線とを平行に保ちながらしっかりと挟持して固定することができ、電力線及び分岐線への着脱が容易で、かつ、その操作も容易であり、しかも、構造がシンプルで繰り返し使用できる高圧縁線固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため第1の発明である高圧縁線固定具は、電力線と分岐線の分岐点近傍に着脱可能に取設されて電力線と分岐線を平行に配しながら挟持する一対の挟持プレートと、この一対の挟持プレートの空隙の広狭を調整する空隙調整部と、この空隙調整部を作動させる動力を外部から取り込むための動力受け部とを有し、動力受け部は1つであることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において、一対の挟持プレートは、電力線及び分岐線を平行にした状態でしっかりと挟持して固定するという作用を有する。また、空隙調整部は、一対の挟持プレートの間に形成される空隙の広狭を調整可能にするという作用を有する。そして、動力受け部は、空隙調整部を作動させるための動力を外部から取り入れる受け口となる。
よって、このような第1の発明によれば、外部から供給される動力により、空隙調整部が作動し、これにより一対の挟持プレートの空隙の広狭が調整されて電力線及び分岐線の固定又はその開放が行われる。
また、第1の発明では、動力受け部が1つであることで、この動力受け部に1つの間接活線工具を接続するだけで、一対の挟持プレートの空隙の広狭を調整可能である。
【0008】
第2の発明である高圧縁線固定具は、第1の発明であって、一対の挟持プレートは、その空隙に収容される電力線及び分岐線が、空隙の外に出るのを妨げる係止部材を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第2の発明は、第1の発明と同じ作用に加えて、挟持プレートが係止部材を備えていることで、特に、一対の挟持プレートの空隙を広げた状態で、電力線及び分岐線を一対の挟持プレートの間に保持する際に、挟持プレートの間に収容された電力線及び分岐線が、挟持プレートの間から外れてしまうのを抑制するという作用を有する。
これにより、一対の挟持プレートにより電力線及び分岐線を挟持するのに先立って、一対の挟持プレートの間に電力線と分岐線を平行にしながら保持することが容易になる。
【0009】
第3の発明である高圧縁線固定具は、第2の発明であって、係止部材は、L字状又は湾曲してなるフック体であり、このフック体は、一対の挟持プレートのいずれか一方の長手方向端部に固設されることを特徴とするものである。
上記構成の第3の発明は、第2の発明と同じ作用に加えて、係止部材をL字状又は湾曲してなるフック体とすることで、一対の挟持プレートの間に収容された電力線又は分岐線の挟持プレートの平面方向への移動のみならず、挟持プレートの厚み方向への移動も規制するという作用を有する。
これにより、一対の挟持プレートを大きく開いた状態での電力線及び分岐線の保持性が高められる。
さらに、フック体を一対の挟持プレートのうちのいずれか一方の長手方向端部に固設することで、上記機能を発揮させながら、一対の挟持プレートの間に形成される空隙における電力線及び分岐線の出し入れを妨げないようにするという作用も有する。
【0010】
第4の発明である高圧縁線固定具は、第1乃至第3の発明のいずれかであって、空隙調整部は、一対の挟持プレートを貫通して設けられる2本のネジ棒と、動力受け部に伝達される動力をこの2本のネジ棒に伝達する動力伝達機構と、を備えることを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、第1乃至第3のそれぞれの発明と同じ作用に加えて、2本のネジ棒は、一対の挟持プレートを、所望の幅の空隙を維持しながら平行に保持するという作用を有する。また、動力伝達機構は、外部から動力受け部に伝達された動力を、2本のネジ棒に伝達するという作用を有する。
この結果、外部から1つの動力受け部に伝達された動力により2本のネジ棒のそれぞれが、その中心軸を基軸に回動されることで、一対の挟持プレートの空隙の広狭が調整される。これと同時に、一対の挟持プレートによる電力線及び分岐線の挟持力の強弱は、2本のネジ棒の回転量に応じて調整される。
この場合、ネジ棒を1本のみ備えて、一対の挟持プレートの空隙の広狭を調整する場合に比べて、電力線及び分岐線に対して一対の挟持プレートにより作用する挟持力を均一化するという作用を有する。
これにより、電力線及び分岐線の局所に過剰な挟持力が作用するのが抑制される。
【0011】
第5の発明である高圧縁線固定具は、第4の発明であって、動力伝達機構は、笠歯車を用いることを特徴とするものである。
上記構成の第5の発明は、第4の発明と同じ作用に加えて、動力伝達機構として笠歯車を用いることで、1つの動力受け部に伝達された動力を効率良く2本のネジ棒に伝達するとともに、第5の発明の構造をシンプルにするという作用を有する。
【発明の効果】
【0012】
上述のような第1の発明によれば、電力線及び分岐線を平行な状態で一対の挟持プレートによりしっかりと挟持して固定しておくことができる。また、その着脱作業が容易で、かつ、繰り返し使用することができる耐用品としての高圧縁線固定具を提供できる。
さらに、第1の発明に係る高圧縁線固定具では、一対の挟持プレートが、電力線又は分岐線の伸長方向に沿って長い場合でも、1箇所の動力受け部に動力を供給するだけで、一対の挟持プレートの間に形成される隙間の広狭を所望に調整できる。これにより、第1の発明に係る高圧縁線固定具の操作に必要な間接活線工具の数を少なくできる。よって、電力線及び分岐線に対して第1の発明の着脱作業を行う際の作業性を向上できる。
【0013】
第2の発明は、上述の第1の発明と同じ効果に加えて、挟持プレートが係止部材を備えることで、挟持プレートの空隙を広げてその間に電力線及び分岐線を収容する際に、一旦空隙に収容された電力線及び分岐線が、空隙の外に出て外れてしまうのを抑制できる。
これにより、電力線及び分岐線への第2の発明の取付け作業が一層容易になるので、その作業性を向上できる。
【0014】
第3の発明は、上述の第2の発明と同じ効果に加えて、係止部材の形状を、L字状又は湾曲してなるフック体とし、その取付け位置を一対の挟持プレートのいずれか一方の長手方向端部に特定することで、一対の挟持プレートの空隙に電力線及び分岐線を収容する際に、係止部材が電力線及び分岐線の移動の妨げになるのを抑制できる。
この結果、一対の挟持プレートの間に形成される空隙に、電力線及び分岐線をスムーズに誘導できるので、電力線及び分岐線への第2の発明の取付け作業が一層容易になり、その作業性を向上できる。
【0015】
第4の発明は、上述の第1乃至第3のいずれかの発明と同じ効果に加えて、一対の挟持プレートの空隙の広狭の調節に2本のネジ棒を用いることで、一対の挟持プレートの間に挟持される電力線及び分岐線に作用する押圧力を均一化できる。
この結果、一対の挟持プレートの間に挟持される電力線及び分岐線の局所に大きな負荷がかかるのを防止できる。これにより、電力線及び分岐線の固定時に、その一部が断線するなどして損傷するのを防止できる。
また、第4の発明によれば、一対の挟持プレートの全体において十分な挟持力が発揮されるため、第4の発明による電力線及び分岐線の固定時に、第4の発明が外れてしまう心配がない。よって、より信頼性の高い高圧縁線固定具を提供することができる。
【0016】
第5の発明は、上述の第4の発明と同じ効果に加えて、動力伝達機構に笠歯車を用いることで、1つの動力受け部に供給される動力を、2本のネジ棒に効率良く伝達できる。また、この場合、第4の発明の構造をシンプルにできるというメリットも有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具の概念図である。
図2】本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具における一対の挟持プレートを離間させた状態を示す概念図である。
図3】本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具の一対の挟持プレートの間の空隙に電力線及び分岐線を収容する際の手順を示す側面図である。
図4】(a)本発明の実施の形態に係る一対の挟持プレートにより電力線及び分岐線を挟持する前の状態を挟持プレートの端面方向から見た図であり、(b)本発明の実施の形態に係る一対の挟持プレートにより電力線及び分岐線を挟持している状態を挟持プレートの端面方向から見た図である。
図5】本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具により電力線及び分岐線を固定した状態を示す概念図である。
図6】本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具における空隙調整部及び動力伝達機構の一例を模式的に示す概念図である。
図7】本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具における空隙調整部及び動力伝達機構の他の例を模式的に示す概念図である。
図8】本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具における動力受け部の一例を示す概念図である。
図9】従来技術に係るバインド線により電力線とその分岐線を固定した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具について図1乃至図8を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
はじめに、図1を参照しながら本実施の形態に係る高圧縁線固定具の概要について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具の概念図である。なお、図9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図1に示すように、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1は、先の図9に示す分岐点9近傍に配される電力線7及び分岐線8を平行に配しながら挟持するための下挟持プレート2a及び上挟持プレート2bからなる一対の挟持プレート2と、この一対の挟持プレート2の間に形成される空隙3の広狭を調整するための空隙調整部4と、この空隙調整部4を作動させる動力を外部から取り込むための動力受け部5とにより構成されるものである。また、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、動力受け部5を1つのみ備えている。
このような本実施の形態に係る高圧縁線固定具1によれば、動力受け部5に、間接活線工具である、例えば、共用操作棒の頭部を接続して、共用操作棒の中心軸を基軸に所望方向に回転させて動力を発生させ、この動力により空隙調整部4を作動させて、一対の挟持プレート2の間に形成される空隙3の広狭を調整できる。
つまり、一対の挟持プレート2の間に形成される空隙3に、先の図9に示す電力線7及び分岐線8を平行に配した状態で、下挟持プレート2a及び上挟持プレート2bの間隔を狭めることで、一対の挟持プレート2により電力線7及び分岐線8を挟持して固定することができる。
なお、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1において、空隙調整部4により一対の挟持プレート2の間の空隙3の広狭を調整する仕組みについては、後段において詳細に説明する。
【0020】
このような本実施の形態に係る高圧縁線固定具1によれば、電力線7と分岐線8を平行な状態に維持したまま所望期間固定しておくことができる着脱式の固定具を提供することができる。
また、このような本実施の形態に係る高圧縁線固定具1によれば、間接活線工具を高圧縁線固定具1の動力受け部5に接続して、その中心軸を基軸に回転させるだけで、高圧縁線固定具1の着脱を行うことができる。しかも、その際に必要な間接活線工具は一つのみであるため、作業性が極めて良好である。
従って、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1によれば、効率的かつ確実に電力線7に分岐線8を固定することができる。
【0021】
さらに、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、上述のような構成に加えて、例えば、図1に示すように、上挟持プレート2bの長手方向端面の角部で、かつ、挟持プレート2を平面視した場合に、それぞれが対角に位置するように配置される係止部材6a,6bを1つずつ備えていてもよい。
この係止部材6a,6bを備えることで、一対の挟持プレート2の間に形成される空隙3に電力線7及び分岐線8を収容した際に、空隙3から電力線7及び分岐線8が移動して外れてしまうのを防止できる。
この点について図2を参照しながらより詳細に説明する。
図2は本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具における一対の挟持プレートを離間させた状態を示す概念図である。なお、図1,9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係る高圧縁線固定具1における一対の挟持プレート2の間に電力線7及び分岐線8を保持しておくには、はじめに、空隙調整部4を作動させて、図2に示すように、下挟持プレート2aと上挟持プレート2bの間の空隙3を広げておく。
そして、イメージとしてはこの状態で一対の挟持プレート2の間に電力線7及び分岐線8を単に移動させればよいのであるが、この作業は実際には容易ではない。
【0022】
通常、電力線7等に対する作業を行う場合、作業員は、電力線7等に直接触れると危険なので、単に電力線7や分岐線8を動かすだけでも必ず間接活線工具を使用する。また、間接活線工具(例えば、ヤットコ、共用操作棒等)の操作は、通常、両手により行うので、一度に一人で操作できる間接活線工具は1つである。
さらに、電力線7等に対する作業は、通常、二人で行う場合が多く、電力線7と分岐線8をそれぞれ別々の間接活線工具で個別に保持しつつ、これらとは別の間接活線工具を用いて高圧縁線固定具1の操作を行うことは現実的ではなかった。つまり、2人の人員で3つの間接活線工具を操作することは困難である。
このような事情に鑑み、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、一対の挟持プレート2の間に電力線7及び分岐線8を収容した場合に、その状態を維持できるように補助具を備えていることが望ましく、このような補助具として機能するものが、図1,2に示す上挟持プレート2bの長手方向端部に一体に固設される係止部材6a,6bである。
【0023】
なお、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、係止部材6a,6bを、L字形のフック体により構成し、これらを上挟持プレート2bに固設している。この場合、係止部材6a,6bの軸部Pは、下挟持プレート2aが配される側に突設され、かつ、その先端の鉤部Qは、上挟持プレート2bの長手方向中心軸側を向くように屈曲している。
このように、上挟持プレート2bが係止部材6a及び係止部材6bを備えることで、一対の挟持プレート2の間の空隙3に収容された電力線7を係止部材6aにより、分岐線8を係止部材6bによりそれぞれ係止して保持しておくことができる。
つまり、一対の挟持プレート2の間の空隙3に電力線7及び分岐線8を保持しておくために、その都度間接活線工具を使用して電力線7及び分岐線8を保持しておく必要がなくなる。
この結果、電力線7の分岐点9近傍における電力線7及び分岐線8に本実施の形態に係る高圧縁線固定具1を取り付ける作業を、より少ない数の間接活線工具(より具体的には、2つの間接活線工具)を用いて行うことができる。よって、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1の取付け作業を簡素化できる。
なお、図1,2では、係止部材6a,6bとして平面形状がL字形であるフック体を用いる場合を例に挙げて説明しているが、このフック体の平面形状は、湾曲状であってもよい。
【0024】
なお、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、上挟持プレート2bにおいて対角に位置する一組の角部に係止部材6a及び係止部材6bを個別に備えている。
この場合、一対の挟持プレート2の間に形成される空隙3に、例えば、分岐線8を収容しようとする場合は、図2に示すように、挟持プレート2の長手方向を分岐線8の伸長方向に沿うように配してから、分岐線8を係止部材6bの鉤部Qの下をくぐらせるようにして上挟持プレート2bの真下に移動させ、この後、分岐線8を上挟持プレート2bの中心軸側から係止部材6aの軸部Pの横に移動させればよい。
また、挟持プレート2の他の側縁側に配される電力線7(図示せず)についても同様の手順により係止部材6aに係止させることができる。
【0025】
なお、図1,2に示す本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、上挟持プレート2bの角部の全てに係止部材6a又は係止部材6bを設けおいてもよいが、この場合は、係止部材6a,6bによる電力線7及び分岐線8の保持効果が向上する一方で、挟持プレート2の間に形成される空隙3への電力線7及び分岐線8の出し入れがやや困難になるというデメリットが生じることが予想される。
また、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、上挟持プレート2bに係止部材6a,6bを固設する場合を例に挙げて説明しているが、係止部材6a,6bは下挟持プレート2aに設けてもよい。
【0026】
さらに、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、下挟持プレート2aと上挟持プレート2bを近接させた場合に、上挟持プレート2bに固設される係止部材6a,6bが、下挟持プレート2aに干渉することがないよう配慮する必要がある。
このため、例えば、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、上挟持プレート2bの長手方向の長さを、下挟持プレート2aよりもわずかに長くしておき、下挟持プレート2aに上挟持プレート2bを重ね合せた際に、それぞれの角部が完全に重なり合わないようにしている。
なお、上述以外の方法としては、例えば、下挟持プレート2aと上挟持プレート2bを同じ大きさにしておき、係止部材6a,6bを、係止部材6a,6bを固設しない側の挟持プレート2と干渉しないように、挟持プレート2の長手方向端面に突設してもよい。
なお、下挟持プレート2aと上挟持プレート2bを近接させた際に、係止部材6a,6bが、それが固設されない他の挟持プレート2に干渉しないように取付けられるのであれば、その取付け方法は問題としない。
【0027】
ここで、図3を参照しながら電力線7の分岐点9の近傍に本実施の形態に係る高圧縁線固定具1を取り付ける際の具体的な手順について説明する。
図3は本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具の一対の挟持プレートの間の空隙に電力線及び分岐線を収容する際の手順を示す側面図である。なお、図1,2,9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係る高圧縁線固定具1の一対の挟持プレート2の間の空隙3に電力線7及び分岐線8を収容するには、図3に示すように、分岐点9から離れた位置から分岐点9に近づけるように高圧縁線固定具1を移動させつつ、その過程でまず、係止部材6bに分岐線8を係止させて分岐線8を一対の挟持プレート2の間に保持し、この後、さらに高圧縁線固定具1を分岐点9に近づけながら、今度は電力線7を係止部材6aに係止させて、電力線7を一対の挟持プレート2の間に保持して、この状態で所望量だけ高圧縁線固定具1を分岐点9に近づければよい。
【0028】
なお、この時、空隙調整部4を、電力線7及び分岐線8の間に侵入させることで、空隙調整部4を電力線7と分岐線8のスペーサーとして利用できる。これにより、一対の挟持プレート2の間において電力線7及び分岐線8を平行に保持することができる。
他方、一対の挟持プレート2の間に配設される電力線7と分岐線8が平行でない場合は、電力線7又は分岐線8の局所に大きな押圧力が作用して、断線等の不具合が生じる恐れがあり、好ましくない。
また、この作業は、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1を所望の位置に保持しておくための間接活線工具と、必要に応じて分岐線8や電力線7を係止部材6bや係止部材6aに係止させるための間接活線工具の、合計2つの間接活線工具を用いて行うことができるので、二人の人員で支障なく作業を完了できる。
【0029】
そして、図3において一対の挟持プレート2の間に電力線7及び分岐線8を平行に配しながら収容した状態を、図3中の符号Aで示す方向から見た状態を示したものが図4である。
また、先の図3では、電力線7と分岐線8とが鉛直方向に並設され、かつ、挟持プレート2の平面方向を鉛直方向に向けて作業する場合を例に挙げて説明しているが、電力線7及び分岐線8はともに可撓性を有しているので、電力線7と分岐線8を水平方向に平行に配し、かつ、挟持プレート2の平面方向を水平方向に向けた状態で高圧縁線固定具1の着脱作業を行ってもよい。
特に、この場合、動力受け部5に間接活線工具を嵌設して本実施の形態に係る高圧縁線固定具1を下から支えるようにして支持することができるので、高圧縁線固定具1の着脱作業時の作業性が一層向上する。
なお、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1において、動力受け部5は、一対の挟持プレート2を保持しておくための間接活線工具を装着するための装着部としても機能する。つまり、この動力受け部5に、例えば、共用操作棒の頭部を接続することで、共用操作棒により高圧縁線固定具1を支えながら、保持しておくことができる。
【0030】
次に、図4を参照しながら、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1の挟持プレート2により電力線7及び分岐線8を挟持して固定する手順について詳細に説明する。
図4(a)は本発明の実施の形態に係る一対の挟持プレートにより電力線及び分岐線を挟持する前の状態を挟持プレートの端面方向から見た図であり、(b)は本発明の実施の形態に係る一対の挟持プレートにより電力線及び分岐線を挟持している状態を挟持プレートの端面方向から見た図である。なお、図1乃至図3,9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
先の図3においても説明したように、一対の挟持プレート2の間に形成される空隙3に電力線7と分岐線8を収容した後、一対の挟持プレート2の空隙3を狭めることで、一対の挟持プレート2を固定することができる。
より具体的には、図4(a)に示すように、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1の動力受け部5に形成される係止溝(後段において説明する図8の係止溝19を参照)に、例えば、共用操作棒11の頭部に突設される突起11aを掛着して、共用操作棒11をその中心軸を基軸に所望方向に回転させることで、空隙調整部4が作動して下挟持プレート2aと上挟持プレート2bの間の空隙3が狭まり、最終的には、図4(b)で示すように、一対の挟持プレート2により電力線7及び分岐線8を固定することができる。
なお、この状態を斜視図で示したものが図5である。
また、動力受け部5を操作するものとしては、共用操作棒11以外の間接活線工具を用いることができる。この場合、動力受け部5の形態を、その操作に用いようとする間接活線工具を接続できるよう構成しておく必要がある。
【0031】
図5は本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具により電力線及び分岐線を固定した状態を示す概念図である。また、図1乃至図4,9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図5に示すように、一対の挟持プレート2の間に電力線7及び分岐線8が挟持される場合、挟持プレート2の中央に配置される空隙調整部4は、電力線7及び分岐線8を分離するスペーサーとして機能する。
【0032】
続いて、図6を参照しながら本実施の形態に係る高圧縁線固定具1の空隙調整部及びそれを作動させる動力伝達機構について詳細に説明する。
図6は本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具における空隙調整部及び動力伝達機構の一例を模式的に示す概念図である。なお、図1乃至図5,9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係る高圧縁線固定具1の空隙調整部4は、図6に示すように、例えば、下挟持プレート2aを貫通して挿設され、上挟持プレート2bに螺設される2本のネジ棒12a,12bと、このネジ棒12a,12bをその中心軸を基軸に正逆回動させる動力伝達機構13Aとにより構成されるものである。
より具体的には、動力伝達機構13Aは、例えば、図6に示すように、動力受け部5の頂部に一体に固設される笠歯車15aを備えた動力伝達軸14aと、笠歯車15b,15dを備えた動力伝達軸14bと、笠歯車15c,15eを備えた動力伝達軸14cとにより構成されている。
また、動力伝達機構13Aから供給される動力を受け入れるために、2本のネジ棒12a,12bの上挟持プレート2bに螺設されない側の端部は、それぞれ笠歯車15f,15gを備えている。
【0033】
そして、図6に示す本実施の形態に係る高圧縁線固定具1においては、共用操作棒11の中心軸を基軸とする正逆方向の回転トルクが、動力伝達軸14a及び笠歯車15aを介して、動力伝達軸14b,14cに伝達され、さらに、動力伝達軸14bに伝達された回転トルクが、笠歯車15d,15fを介してネジ棒12aに、動力伝達軸14cに伝達された回転力は笠歯車15e,15gを介してネジ棒12bに、それぞれ伝達される。
この結果、ネジ棒12a及びネジ棒12bがその中心軸を基軸に回動することで、ネジ棒12a,12b上を上挟持プレート2bが、下挟持プレート2aに近接するように、あるいは、下挟持プレート2aから離間するようにスライドする。
従って、上述のような一連の動作により、一対の挟持プレート2による電力線7及び分岐線8の固定、並びに、電力線7及び分岐線8から一対の挟持プレート2の取り外しが可能になる。
このように、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1によれば、電力線7及び分岐線8に対する着脱が容易で、かつ、繰り返し使用することができる耐用品としての高圧縁線固定具を提供できる。
【0034】
なお、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、2本のネジ棒12a,12bにより上挟持プレート2bをスライドさせる場合を例に挙げて説明しているが、一対の挟持プレート2にネジ棒を2本以上設けてもよい。この場合、上挟持プレート2bの作動機構がやや複雑化するものの、挟持プレート2から電力線7及び分岐線8に対して作用する挟持力が均一化するので、高圧縁線固定具1により電力線7及び分岐線8を固定する場合に、電力線7や分岐線8の局所に負荷が集中するのを抑制できる。この場合、電力線7及び分岐線8に断線等の不具合が起こるリスクを小さくできる。
なお、一対の挟持プレート2の間に介設されるネジ棒が1本のみである場合は、空隙調整部4及び動力伝達機構13Aの構造を極めてシンプルにできるというメリットを有する。この反面、空隙調整部4のみでは下挟持プレート2aと上挟持プレート2bを所望の空隙3を保ったまま平行に保持しておくことが難しいので、そのための構成を別途設ける必要がある。
このように、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1の実用性と製造容易性の両者を考慮すると、2本のネジ棒12a,12bにより上挟持プレート2bを作動させるのが最良であると考えられる。
【0035】
また、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、上挟持プレート2bを作動させるネジ棒(例えば、ネジ棒12a,12b)を2本以上備える場合でも、1つの動力受け部5を操作するだけで全てのネジ棒(例えば、ネジ棒12a,12b)を同時に操作することができるので、操作性に優れた高圧縁線固定具を提供できる。よって、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1の利便性を高めることができる。
なお、図6に示す高圧縁線固定具1では、ネジ棒12a,12bの下端部に取設される笠歯車15f,15g、及び、動力伝達機構13Aは、ケーシング18内に収容されており、このケーシング18の底面に、動力伝達軸14aに連結される動力受け部5が突設されている。
【0036】
さらに、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1の動力伝達機構13Aの他の形態について図7を参照しながら説明する。
図7は本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具における空隙調整部及び動力伝達機構の他の例を模式的に示す概念図である。なお、図1乃至図6,9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、先の図6に示すような動力伝達機構13Aに代えて、図7に示すような動力伝達機構13Bを備えていてもよい。
より具体的には、笠歯車15aを備える動力伝達軸14aや、笠歯車15b〜15eを備える動力伝達軸14b,14c、及び、笠歯車15f,15gに代えて、プーリ16a,16bを備えた動力伝達軸14d及び動力伝達ベルト17a,17bからなる動力伝達機構13Bを備えることで、ネジ棒12a,12bをそれぞれの中心軸を基軸に回動させることができるよう構成してもよい。
この場合は、ネジ棒12a,12bのそれぞれの上挟持プレート2bに螺設されない側の端部にもプーリ16c,16dを設けておく必要がある。
【0037】
図7に示すような動力伝達機構13Bを備える場合も、先の図6に示す場合と同様に、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1における2本のネジ棒12a,12bを、それぞれの中心軸を基軸に同時に回動させることができる。
より具体的には、図7に示す本実施の形態に係る高圧縁線固定具1では、共用操作棒11の中心軸を基軸とする正逆方向の回転力が、動力伝達軸14d及び動力伝達ベルト17a,17bに伝達され、この後、動力伝達ベルト17a,17bからプーリ16c,16dに動力が伝達され、最終的に、ネジ棒12a,12bに動力が伝達される。
この結果、先の図6に示す高圧縁線固定具1の場合と同様に、図7に示す高圧縁線固定具1においても、一対の挟持プレート2による電力線7及び分岐線8の固定、並びに、電力線7及び分岐線8から高圧縁線固定具1の取外し、を容易に行うことができる。
なお、図7に示す動力伝達機構13Bを備える場合は、空隙調整部4としてネジ棒(例えば、ネジ棒12a,12b)を2本以上備える場合でも、1つの動力受け部5の操作により容易に全てのネジ棒(例えば、ネジ棒12a,12b)をその中心軸を基軸に回動操作することができる。この場合、一対の挟持プレート2の長手方向の長さが大きい高圧縁線固定具1を製造して提供できるというメリットがある。
なお、図7に示す高圧縁線固定具1では、ネジ棒12a,12bの下端部に取設されるプーリ16c,16d、及び、動力伝達機構13Bはともに、ケーシング18内に収容されており、このケーシング18の底面に動力伝達軸14dに連結される動力受け部5が突設されている。
【0038】
最後に、図8を参照しながら本実施の形態に係る高圧縁線固定具1の動力受け部5について説明を加える。
図8は本発明の実施の形態に係る高圧縁線固定具における動力受け部の一例を示す概念図である。なお、図1乃至図7,9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図8に示すように、動力受け部5は、鉛直下側に共用操作棒11の頭部を挿脱可能な開口を有する容器状のソケット部5aに、このソケット部5aの側面の互いに対向する位置にT字形に切り欠かれてなる一対の係止溝19(図8では一方のみ記載)を備えるものである。また、このような動力受け部5の頂部には、動力伝達軸14a又は動力伝達軸14dが一体に固設されている。
このような動力受け部5では、係止溝19に共用操作棒11の頭部に突設される突起11a(図4を参照)を係合させることで、動力受け部5をその中心軸を基軸に回動操作することができる。
そして、この場合、動力伝達軸14a又は動力伝達軸14dから上述の図6,7に示す動力伝達機構13A,13Bに動力が伝達される。
本実施の形態に係る高圧縁線固定具1は、図8に示すような動力受け部5を備えることで、従来公知の間接活線工具である共用操作棒11を1つ用いるだけで、一対の挟持プレート2の間に介設される複数本のネジ棒(例えば、ネジ棒12a,12b)を同時にそれぞれの中心軸を基軸に回動させて、空隙3の広狭を調整することができる。
そして、この動作により、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1を用いて電力線7に分岐線8を固定する、あるいは、電力線7及び分岐線8から高圧縁線固定具1を取り外す、ことが可能になる。
【0039】
なお、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1を構成する各パーツは、絶縁材、例えば、硬質プラスチック等により構成されている。また、本実施の形態に係る高圧縁線固定具1は屋外において雨曝しの状態で使用されるため、その中でも耐候性に優れた材質を用いるのが良い。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上説明したように本発明は、構造がシンプルで、かつ、従来公知の間接活線工具である共用操作棒を1つ用いて操作することができ、しかも、繰り返し使用できる耐用品としての高圧縁線固定具に関するものであり、電力供給設備に及び通信設備に関する技術分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1…高圧縁線固定具 2…挟持プレート 2a…下挟持プレート 2b…上挟持プレート 3…空隙 4…空隙調整部 5…動力受け部 5a…ソケット部 6a,6b…係止部材 7…電力線 8…分岐線 9…分岐点 10…バインド線 11…共用操作棒(間接活線工具) 11a…突起 12a,12a…ネジ棒 13A,13B…動力伝達機構 14a〜14d…動力伝達軸 15a〜15g…笠歯車 16a〜16d…プーリ 17a,17b…動力伝達ベルト 18…ケーシング 19…係止溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9