特許第6493034号(P6493034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6493034ガスクロマトグラフ及びこれに用いられる冷媒導入方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6493034
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】ガスクロマトグラフ及びこれに用いられる冷媒導入方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/54 20060101AFI20190325BHJP
【FI】
   G01N30/54 D
   G01N30/54 Z
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-135181(P2015-135181)
(22)【出願日】2015年7月6日
(65)【公開番号】特開2017-15649(P2017-15649A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100141852
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 力
(74)【代理人】
【識別番号】100152571
【弁理士】
【氏名又は名称】新宅 将人
(72)【発明者】
【氏名】小森 優輝
(72)【発明者】
【氏名】増田 真吾
【審査官】 高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−060556(JP,A)
【文献】 特開2002−139483(JP,A)
【文献】 特開平09−189692(JP,A)
【文献】 特開平10−048191(JP,A)
【文献】 特開2001−013126(JP,A)
【文献】 実開平05−055064(JP,U)
【文献】 米国特許第05807426(US,A)
【文献】 米国特許第05979221(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00−30/93
G01N 1/00− 1/44
G01N 35/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラムと、
前記カラムを収容するカラムオーブンと、
前記カラムオーブン内を加熱するヒータと、
前記カラムオーブン内に冷媒を導入する冷媒導入部と、
前記カラムオーブンに形成された開口部を開閉する開閉蓋と、
前記冷媒導入部から前記カラムオーブン内に冷媒を導入する際に、前記開閉蓋を開放する開閉制御部と
前記開閉蓋の開放量の設定を受け付ける設定受付部とを備え、
前記開閉制御部は、前記設定受付部により設定を受け付けた開放量で前記開閉蓋を開放することを特徴とするガスクロマトグラフ。
【請求項2】
カラムと、
前記カラムを収容するカラムオーブンと、
前記カラムオーブン内を加熱するヒータと、
前記カラムオーブン内に冷媒を導入する冷媒導入部と、
前記カラムオーブンに形成された開口部を開閉する開閉蓋と、
前記冷媒導入部から前記カラムオーブン内への冷媒の導入開始時から導入終了時まで、前記開閉蓋を開放する開閉制御部とを備えたことを特徴とするガスクロマトグラフ。
【請求項3】
前記開閉蓋の開放量は、前記カラムオーブン内に導入する冷媒の量に応じて設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項4】
前記開閉蓋の開放量は、前記カラムオーブン内に導入する冷媒の量が多いほど大きく設定され、前記カラムオーブン内に導入する冷媒の量が少ないほど小さく設定されることを特徴とする請求項3に記載のガスクロマトグラフ。
【請求項5】
カラムを収容するカラムオーブン内に冷媒を導入する冷媒導入ステップと、
前記カラムオーブンに形成された開口部を開閉する開閉蓋の開放量の設定を受け付ける設定受付ステップと、
前記冷媒導入ステップの際に、前記設定受付ステップにより設定を受け付けた開放量で前記開閉蓋を開放することにより、前記カラムオーブン内に導入された冷媒を前記開口部から導出させる冷媒導出ステップとを含むことを特徴とする冷媒導入方法。
【請求項6】
カラムを収容するカラムオーブン内に冷媒を導入する冷媒導入ステップと、
前記冷媒導入ステップの際に、前記カラムオーブン内への冷媒の導入開始時から導入終了時まで、前記カラムオーブンに形成された開口部を開閉する開閉蓋を開放することにより、前記カラムオーブン内に導入された冷媒を前記開口部から導出させる冷媒導出ステップとを含むことを特徴とする冷媒導入方法。
【請求項7】
前記冷媒導出ステップでは、前記カラムオーブン内に導入する冷媒の量に応じて設定された開放量で、前記開閉蓋を開放することを特徴とする請求項5又は6に記載の冷媒導入方法。
【請求項8】
前記冷媒導出ステップでは、前記カラムオーブン内に導入する冷媒の量が多いほど大きく設定され、前記カラムオーブン内に導入する冷媒の量が少ないほど小さく設定された開放量で、前記開閉蓋を開放することを特徴とする請求項7に記載の冷媒導入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラムオーブン内に冷媒を導入可能なガスクロマトグラフ及びこれに用いられる冷媒導入方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスクロマトグラフは、カラムオーブン内でヒータにより加熱されるカラムを備えている。分析時には、試料導入部から試料がキャリアガスとともにカラム内に供給され、当該カラム内をキャリアガスが通過する過程で、各試料成分が分離されるようになっている。分離された各試料成分は、検出器によって順次検出され、当該検出器からの検出信号に基づいてガスクロマトグラムが得られる。
【0003】
分析対象となる試料の沸点が低いときには、カラムの温度を室温未満に冷却しなければならない場合がある。このような場合に、低温付加装置(CRG)を用いてカラムオーブン内に冷媒を導入することにより、その冷媒の気化熱を利用してカラムオーブン内の温度を室温未満とする技術が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
カラムオーブンには、当該カラムオーブン内に外部から空気を供給するための吸気口や、カラムオーブン内の空気を外部に排出するための排気口など、各種開口部が形成されており、これらの開口部を開閉蓋により開閉することができるようになっている。CRGを用いてカラムオーブン内に冷媒を導入する際には、これらの開閉蓋を全て閉塞した上で冷媒が導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2015/011954号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、カラムオーブン内に冷媒を導入する際に、上記のような態様で開閉蓋を全て閉塞した場合であっても、カラムオーブンにはネジ孔などの小さな隙間が存在するため、カラムオーブン内を完全に気密状態とすることはできない。そのため、これらの小さな隙間から冷媒が漏れ出す場合がある。
【0007】
カラムオーブンの天板には、例えば試料導入部や検出器が設置されている。そのため、カラムオーブンの天板に存在する小さな隙間から予期せず冷媒が漏れ出した場合には、漏れ出した冷媒自体や、その冷媒に含まれる不純物、あるいは冷媒が気化する際の気流によって運ばれる大気中の不純物などが、試料導入部又は検出器などの各種部材に入り込み、分析に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、カラムオーブン内に導入した冷媒が分析に悪影響を及ぼすことを防止できるガスクロマトグラフ及びこれに用いられる冷媒導入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係るガスクロマトグラフは、カラムと、カラムオーブンと、ヒータと、冷媒導入部と、開閉蓋と、開閉制御部とを備える。前記カラムオーブンは、前記カラムを収容する。前記ヒータは、前記カラムオーブン内を加熱する。前記冷媒導入部は、前記カラムオーブン内に冷媒を導入する。前記開閉蓋は、前記カラムオーブンに形成された開口部を開閉する。前記開閉制御部は、前記冷媒導入部から前記カラムオーブン内に冷媒を導入する際に、前記開閉蓋を開放する。
【0010】
このような構成によれば、冷媒導入部からカラムオーブン内に冷媒を導入する際に、開閉蓋が開放されるため、カラムオーブン内に導入された冷媒を当該カラムオーブンに形成された開口部から導出させることができる。このとき、カラムオーブンに存在するネジ孔などの小さな隙間と比べて、開閉蓋により開閉される開口部の方が大きく、抵抗も小さいため、冷媒導入部からカラムオーブン内に導入される冷媒の大部分が、カラムオーブン内を通過した後、開口部から導出される。これにより、上記のような小さな隙間から冷媒が漏れ出すことを防止できるため、カラムオーブン内に導入した冷媒が分析に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0011】
(2)前記ガスクロマトグラフは、前記開放蓋の開放量の設定を受け付ける設定受付部をさらに備えていてもよい。この場合、前記開閉制御部は、前記設定受付部により設定を受け付けた開放量で前記開閉蓋を開放してもよい。
【0012】
このような構成によれば、冷媒導入部からカラムオーブン内に冷媒を導入する際の開閉蓋の開放量を、導入する冷媒の量などに応じて適切な開放量に設定することができる。これにより、開閉蓋の開放量が小さすぎて、カラムオーブンに存在する小さな隙間から冷媒が漏れ出したり、開閉蓋の開放量が大きすぎて、冷媒による冷却能力が低下したりすることを防止できる。
【0013】
(3)本発明に係る冷媒導入方法は、冷媒導入ステップと、冷媒導出ステップとを含む。前記冷媒導入ステップでは、カラムを収容するカラムオーブン内に冷媒を導入する。前記冷媒導出ステップでは、前記冷媒導入ステップの際に、前記カラムオーブンに形成された開口部を開閉する開閉蓋を開放することにより、前記カラムオーブン内に導入された冷媒を前記開口部から導出させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カラムオーブンに存在するネジ孔などの小さな隙間から冷媒が漏れ出すことを防止できるため、カラムオーブン内に導入した冷媒が分析に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフの構成例を示した概略図である。
図2図1のガスクロマトグラフの電気的構成の一例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.ガスクロマトグラフの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係るガスクロマトグラフの構成例を示した概略図である。
【0017】
ガスクロマトグラフは、試料をキャリアガスとともにカラム1内に導入することにより分析を行う。このガスクロマトグラフには、上記カラム1以外に、カラムオーブン2、試料導入部3、検出器4、ヒータ5、攪拌冷却ファン6、キャリアガス供給部7、冷媒導入部8、バルブ9及びボンベ10などが備えられている。
【0018】
カラム1は、例えばキャピラリカラムからなり、カラムオーブン2内に収容されている。カラムオーブン2内には、カラム1以外に、ヒータ5及び攪拌冷却ファン6などが備えられている。
【0019】
ヒータ5を用いてカラムオーブン2内を加熱し、攪拌冷却ファン6を回転させれば、カラムオーブン2内のカラム1を均一に加熱することができ、また、一定温度に安定させることもできる。また、後述する吸気フラップ24及び排気フラップ25を開き、攪拌冷却ファン6を回転させてカラムオーブン2内の空気を換気することにより、カラムオーブン2内を冷却すれば、カラムオーブン2内のカラム1を冷却することができる。
【0020】
キャリアガスとしては、例えばHeガスなどの不活性ガスが用いられる。キャリアガスは、キャリアガス供給部7から試料導入部3に供給され、試料導入部3内の試料気化室(図示せず)で気化された試料とともに、試料導入部3からカラム1内に導入される。カラム1内に導入された試料は、カラム1を通過する過程で各試料成分に分離され、分離された各試料成分が検出器4により検出される。検出器4は、例えば水素炎イオン化検出器(FID)により構成することができるが、これに限られるものではない。
【0021】
カラムオーブン2は、内部にカラム1、ヒータ5及び攪拌冷却ファン6などが収容された中空状の本体21を備えている。本体21には、吸気口22及び排気口23が形成されている。これにより、吸気口22を介して本体21の外部から空気を供給することができるとともに、排気口23を介して本体21内の空気を外部に排出することができるようになっている。また、カラムオーブン2には、吸気口22を開閉する吸気フラップ24、及び、排気口23を開閉する排気フラップ25が備えられている。
【0022】
カラム1を冷却する際には、吸気フラップ24及び排気フラップ25が閉状態から開状態とされることにより、吸気口22及び排気口23が開放される。この状態で、吸気口22の近傍に設けられた攪拌冷却ファン6が回転することにより、本体21の外部から本体21内に空気を供給して、カラム1を冷却することができる。
【0023】
冷媒導入部8は、カラムオーブン2内に冷媒を導入する。ヒータ5の動作を停止させた状態で吸気フラップ24及び排気フラップ25を開き、攪拌冷却ファン6を回転させれば、カラム1の温度を室温まで低下させることができる。しかし、このような構成だけでは、カラムオーブン2内を室温未満に冷却することはできない。そこで、冷媒導入部8からカラムオーブン2内に室温未満の冷媒を導入することにより、カラム1の温度を室温未満にまで冷却することができる。
【0024】
冷媒としては、例えば液化窒素(LN)又は液化二酸化炭素(LCO)などを例示することができるが、これらに限られるものではない。冷媒は、冷媒導入部8に連通するボンベ10内に収容されており、当該ボンベ10と冷媒導入部8との間の流路に介在するバルブ9を開くことにより、冷媒導入部8からカラムオーブン2内に冷媒を導入することができる。
【0025】
例えば分析対象となる試料の沸点が低い場合などに、冷媒導入部8からカラムオーブン2内に冷媒を導入し、その冷媒の気化熱を利用してカラムオーブン2内の温度を室温未満とすることができる。このとき、冷媒導入部8、バルブ9及びボンベ10は、低温付加装置(CRG)として機能することとなる。
【0026】
ただし、CRGは、冷媒導入部8からカラムオーブン2内に冷媒を導入することができるような構成であればよい。したがって、CRGは、バルブ9及びボンベ10を備えた構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。
【0027】
2.ガスクロマトグラフの電気的構成
図2は、図1のガスクロマトグラフの電気的構成の一例を示したブロック図である。
【0028】
このガスクロマトグラフの動作は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む制御部30によって制御される。制御部30には、上述したヒータ5、攪拌冷却ファン6、キャリアガス供給部7及びバルブ9の他、フラップ開閉機構20及び操作部40などが電気的に接続されている。
【0029】
フラップ開閉機構20は、例えばモータ(図示せず)などを含む構成であり、吸気フラップ24及び排気フラップ25をそれぞれ閉状態又は開状態に切り替えるための機構である。操作部40は、例えば操作キーを含む構成であり、作業者が操作することにより各種設定を行うことができる。
【0030】
制御部30は、CPUがプログラムを実行することにより、開閉制御部31及び設定受付部32などとして機能する。開閉制御部31は、フラップ開閉機構20を制御することにより、吸気フラップ24及び排気フラップ25の開閉状態を切り替える処理を行う。設定受付部32は、操作部40を用いて設定操作が行われた場合に、その設定を受け付ける処理を行う。
【0031】
本実施形態では、設定受付部32で受け付けられた設定に基づいて、開閉制御部31がフラップ開閉機構20を制御する。ただし、このような構成に限らず、設定受付部32で受け付けられた設定が記憶部(図示せず)に記憶され、その記憶部に記憶されている設定に基づいて、開閉制御部31がフラップ開閉機構20を制御するような構成であってもよい。
【0032】
3.冷媒導入時の動作
本実施形態では、沸点が室温よりも低い試料が試料導入部3からカラム1内に導入される際などに、制御部30がバルブ9を開くことによりカラムオーブン2内に冷媒を導入させる(冷媒導入ステップ)。
【0033】
このとき、開閉制御部31が排気フラップ25を開放する処理を行う。排気フラップ25は、カラムオーブン2に形成された排気口(開口部)23を開閉する開閉蓋を構成しており、当該排気フラップ25を開放することにより、カラムオーブン2内に導入された冷媒が排気口23から導出される(冷媒導出ステップ)。排気フラップ25を開放させるタイミングは、カラムオーブン2内に冷媒が導入されるタイミングと同じであってもよいし、若干前後してもよい。
【0034】
上記のようにして開閉制御部31が排気フラップ25を開放する際、排気フラップ25の開放量に応じて、排気口23から導出される冷媒の量が変化する。この排気フラップ25の開放量は、作業者が操作部40を操作することにより設定することができ、冷媒導入量に応じて作業者が排気フラップ25の開放量を変更することができる。このとき、排気フラップ25の開放量の設定が設定受付部32により受け付けられ、開閉制御部31が、設定受付部32により設定を受け付けた開放量で排気フラップ25を開放することとなる。冷媒導入後は、開閉制御部31が排気フラップ25を閉じることにより、カラムオーブン2内の温度が徐々に上昇する。
【0035】
4.作用効果
(1)本実施形態では、冷媒導入部8からカラムオーブン2内に冷媒を導入する際に、排気フラップ25が開放されるため、カラムオーブン2内に導入された冷媒を当該カラムオーブン2に形成された排気口23から導出させることができる。このとき、カラムオーブン2に存在するネジ孔などの小さな隙間と比べて、排気フラップ25により開閉される排気口23の方が大きく、抵抗も小さいため、冷媒導入部8からカラムオーブン2内に導入される冷媒の大部分が、カラムオーブン2内を通過した後、排気口23から導出される。これにより、上記のような小さな隙間から冷媒が漏れ出すことを防止できるため、カラムオーブン2内に導入した冷媒が分析に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0036】
(2)特に、本実施形態では、操作部40を操作することによって、冷媒導入部8からカラムオーブン2内に冷媒を導入する際の排気フラップ25の開放量を、導入する冷媒の量などに応じて適切な開放量に設定することができる。例えば、カラムオーブン2内に導入する冷媒の量が多いほど、排気フラップ25の開放量を大きくし、カラムオーブン2内に導入する冷媒の量が少ないほど、排気フラップ25の開放量を小さくすることができる。これにより、排気フラップ25の開放量が小さすぎて、カラムオーブン2に存在する小さな隙間から冷媒が漏れ出したり、排気フラップ25の開放量が大きすぎて、冷媒による冷却能力が低下したりすることを防止できる。
【0037】
5.変形例
以上の実施形態では、カラムオーブン2内に冷媒を導入する際の排気フラップ25の開放量が、操作部40の操作によって設定されるような構成について説明した。しかし、このような構成に限らず、冷媒導入時における排気フラップ25の開放量が、例えば予め定められた一定量であってもよい。
【0038】
カラムオーブン2内に冷媒を導入する際に開放される開閉蓋は、排気フラップ25に限られるものではない。例えば、カラムオーブン2に備えられた他の開口部を開閉するための開閉蓋が、冷媒導入時に開放されるような構成であってもよい。また、カラムオーブン2内に導入される冷媒を導出させるための専用の開口部をカラムオーブン2に形成し、当該開口部を開閉蓋で開閉するような構成などであってもよい。
【0039】
以上の実施形態では、カラムオーブン2内に冷媒を導入する際に、制御部30が自動でフラップ開閉機構20を制御し、排気フラップ25を開放するような構成について説明した。しかし、このような構成に限らず、冷媒導入ステップ及び冷媒導出ステップの少なくとも一方を作業者が手動で行うような構成であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 カラム
2 カラムオーブン
3 試料導入部
4 検出器
5 ヒータ
6 攪拌冷却ファン
7 キャリアガス供給部
8 冷媒導入部
9 バルブ
10 ボンベ
20 フラップ開閉機構
21 本体
22 吸気口
23 排気口
24 吸気フラップ
25 排気フラップ
30 制御部
31 開閉制御部
32 設定受付部
40 操作部
図1
図2