特許第6493373号(P6493373)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6493373-溶射ランス 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6493373
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】溶射ランス
(51)【国際特許分類】
   F27D 1/16 20060101AFI20190325BHJP
   B05B 7/20 20060101ALI20190325BHJP
   C23C 4/12 20160101ALI20190325BHJP
   C10B 29/06 20060101ALN20190325BHJP
【FI】
   F27D1/16 B
   B05B7/20
   C23C4/12
   !C10B29/06
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-238321(P2016-238321)
(22)【出願日】2016年12月8日
(65)【公開番号】特開2018-96550(P2018-96550A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2017年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001971
【氏名又は名称】品川リフラクトリーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】福浦 雄生
(72)【発明者】
【氏名】笹井 洋一
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−036703(JP,U)
【文献】 実開昭63−159200(JP,U)
【文献】 特開平03−177689(JP,A)
【文献】 特開2008−180249(JP,A)
【文献】 特開2017−145286(JP,A)
【文献】 特開2012−012535(JP,A)
【文献】 特開2013−053238(JP,A)
【文献】 特開2009−041604(JP,A)
【文献】 特開平06−159948(JP,A)
【文献】 特開昭62−004927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27D 1/16
C21C 5/44
C10B 29/06
B05B 7/20
F16L 37/20
F16J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手元側ランスと、
先端側ランスと、
筒状の引張管と
を備え、
前記引張管の内部で前記手元側ランスと前記先端側ランスとが取り外し可能に接続され
前記引張管の内部で前記手元側ランス及び前記先端側ランスのそれぞれの外周面の一方又は両外周面にまたがるようにして該外周面から突出するフィン、若しくは、前記引張管の内周面から突出するフィンが設けられ、
前記引張管内で前記手元側ランスと前記先端側ランスとが接続された状態で、前記フィンは、対向する前記内周面又は前記外周面に当接し、
前記引張管には、前記フィンよりも先端側に、前記先端側ランスの外周面に接して該先端側ランスを支持する支持部が設けられている、溶射ランス。
【請求項2】
前記フィンが対向する前記内周面又は前記外周面には、該内周面又は該外周面から突出するフィン受け部が設けられ、前記引張管内で前記手元側ランスと前記先端側ランスとが接続された状態で、前記フィンは前記フィン受け部に当接する、請求項に記載の溶射ランス。
【請求項3】
前記手元側ランス及び前記先端側ランスのそれぞれは、溶射材料が流通する第1の管を有し、
前記手元側ランス及び前記先端側ランスのいずれか一方の第1の管がその接続側の端部から突出するように延びて突出部が構成されており、
前記手元側ランス及び前記先端側ランスのいずれか他方の第1の管のその接続側の端部から他方の端部に向かって、前記突出部が挿入可能な内径を有するように挿入部が構成されており、
前記挿入部に前記突出部が挿入されて、前記手元側ランス及び前記先端側ランスのそれぞれの第1の管同士が接続されている、請求項またはに記載の溶射ランス。
【請求項4】
前記手元側ランスと前記先端側ランスのそれぞれは、前記第1の管を取り囲むように形成された第2の管を備える二重管構造を有し、
前記手元側ランスと前記先端側ランスのそれぞれには、それぞれの第2の管と前記引張管の内部とを連通する孔が形成されている、請求項に記載の溶射ランス。
【請求項5】
前記手元側ランス及び前記先端側ランスそれぞれの第2の管には冷却ガスが流れる、請求項に記載の溶射ランス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、溶射ランスに係り、特に、コークス炉の補修に際して溶射材料を炉壁に吹き付ける溶射ランスに関する。
【背景技術】
【0002】
石炭を乾溜してコークスを得るためのコークス炉は、炭化室と加熱室とが相互に重なり合った構造を有している。1基のコークス炉は通常、約100門の炭化室を有している。各炭化室は例えば、約15mの長さと、約5mの高さと、約45〜50cmの幅とを有する薄い箱状となっており、その両端は炉蓋で開閉可能となっており、天井には石炭が投入可能な投入口が設けられている。
【0003】
このコークス炉において石炭の乾溜が完了すると、炭化室の両端の炉蓋が開放され、片側の端部から押し出し機によってコークスを押し出して、他方の端部からコークスが排出される。コークスの排出が完了したら、炭化室の両端の炉蓋は閉じられ、投入口から石炭を投入し、再び石炭の乾溜が行われる。通常はこのようなサイクルが1日約1回行われる。
【0004】
コークス炉は、石炭の乾溜時とコークスの排出時との温度変化を1日1回受けるので、その使用に伴ってこの温度変化により、炉壁を構成する煉瓦中に亀裂が発生し剥離が生じることがある。また、炉壁は、石炭及びコークスによる摩擦によって機械的な損傷が生じることもある。炭化室の炉壁にこのような損傷が生じると、コークスを押し出す際に損傷部にコークス粒が引っかかり、押し出し抵抗が大きくなりすぎて押し出せなくなることがある。また、この際、炉壁が炭化室から加熱室側へ押されることになるので、煉瓦壁面の膨れの原因ともなる。さらに、煉瓦の目地部の損傷が大きくなると、目地を通じて乾溜ガス(タールやピッチ等を含む)が加熱室に流れ込んで、燃焼不良により煤塵や黒鉛等が発生し、環境に悪影響を与える。このため、このような損傷は適宜補修される。
【0005】
このような補修の方法としては、例えば、プラズマ溶射、レーザ溶射、火炎溶射等があるが、これらを行うためには大掛かりな装置が必要であることから、近年は、比較的簡易な装置で実現可能な、金属の酸化発熱反応を利用した溶射法が利用されている。この溶射法では、金属粉末(燃焼剤)と耐火性粉末との混合物(溶射材料)を酸素で運搬し、この溶射材料を高温の補修面に吹き付ける。吹き付けられた溶射材料は、補修面からの受熱により起こる金属粉末の酸化発熱反応により耐火性組成物を形成するとともに溶融して、補修面に付着する。
【0006】
このような溶射法によるコークス炉の炉壁の補修において溶射材料を炉壁に吹き付けるために、溶射ランスが用いられる。例えば特許文献1に記載されるように、溶射ランスは金属管を有している。炉壁の補修では、コークスの排出後、炭化室の炉蓋を開けて溶射ランスを差し込み、必要箇所に溶射材料を吹き付ける。炉蓋近くでは金属管の長さが短い溶射ランスを用いればよいが、炭化室の中央部の補修を行うためには、金属管の長さが5〜10mといった長い溶射ランスを使用する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5660815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような長い溶射ランスは、操作スペースが狭いと操作性が悪く、また、金属管の弾性変形により先端が垂れるので、操作が難しいといった問題点があった。さらに、金属管が炭化室内の温度によって加熱されると、金属管の温度が上昇し、その弾性率が低下して、先端の垂れ下がり変形が大きくなる。その結果、溶射ランスの操作がさらに難しくなる。
【0009】
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、操作性を改良した溶射ランスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る溶射ランスは、手元側ランスと、先端側ランスと、筒状の引張管とを備え、引張管の内部で手元側ランスと先端側ランスとが取り外し可能に接続され引張管の内部で手元側ランス及び先端側ランスのそれぞれの外周面の一方又は両外周面にまたがるようにして外周面から突出するフィン、若しくは、引張管の内周面から突出するフィンが設けられ、引張管内で手元側ランスと先端側ランスとが接続された状態で、フィンは、対向する内周面又は外周面に当接し、引張管には、フィンよりも先端側に、先端側ランスの外周面に接して先端側ランスを支持する支持部が設けられてい
フィンが対向する内周面又は外周面には、内周面又は外周面から突出するフィン受け部が設けられ、引張管内で手元側ランスと先端側ランスとが接続された状態で、フィンはフィン受け部に当接してもよい。
手元側ランス及び先端側ランスのそれぞれは、溶射材料が流通する第1の管を有し、手元側ランス及び先端側ランスのいずれか一方の第1の管がその接続側の端部から突出するように延びて突出部が構成されており、手元側ランス及び先端側ランスのいずれか他方の第1の管のその接続側の端部から他方の端部に向かって、突出部が挿入可能な内径を有するように挿入部が構成されており、挿入部に突出部が挿入されて、手元側ランス及び先端側ランスのそれぞれの第1の管同士が接続されてもよい。
手元側ランスと先端側ランスのそれぞれは、第1の管を取り囲むように形成された第2の管を備える二重管構造を有し、手元側ランスと先端側ランスのそれぞれには、それぞれの第2の管と引張管の内部とを連通する孔が形成されてもよい。
手元側ランス及び先端側ランスそれぞれの第2の管には冷却ガスが流れてもよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、手元側ランスと先端側ランスとを接続して溶射ランスを構成できるので、作業スペースが狭くても操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の実施の形態に係る溶射ランスの断面図である。
図2図2のII−II線に沿った断面図である。
図3】この実施の形態に係る溶射ランスの組み立て手順を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、溶射ランス1は、手元側ランス2と、先端側ランス3と、一端が完全に開口するとともに他端に円環形状の端縁部4aが設けられた円筒形状の引張管4と、先端側ランス3の先端部に取り付けられた先端ノズル5とを備えている。手元側ランス2及び先端側ランス3のそれぞれの一部が引張管4に挿入されて、引張管4の内部で手元側ランス2と先端側ランス3とが接続されている。端縁部4aの内縁部4bによって画定された円形状の開口の内径は先端側ランス3の外径と同じであるので、内縁部4bが先端側ランス3の外周面に接することにより、端縁部4aは先端側ランス3を支持している。ここで、端縁部4aは、先端側ランス3を支持する支持部を構成する。手元側ランス2の外周面上にはクランプ6が設けられるとともに引張管4の外周面上には引掛け部7が設けられており、クランプ6が引掛け部7に係合することにより、引張管4が手元側ランス2に対して固定されている。溶射ランス1を操作するときに作業者が握るための略L字状のハンドル8が、手元側ランス2の外周面から延びるように2つ設けられている。
【0014】
引張管4の内部において、先端側ランス3の外周面には、外周面から突出するように複数のフィン21が設けられている。引張管4の内周面には、内周面から突出するとともにフィン21に当接するフィン受け部22が設けられている。引張管4の内部において、手元側ランス2の外周面には、その周方向に沿ってOリング収容部24が設けられ、Oリング収容部24にはOリング25が収容されている。また、引張管4の内部において、先端側ランス3の外周面には、その周方向に沿ってOリング押さえ部26が設けられ、Oリング押さえ部26に隣接するようにOリング27が設けられている。Oリング25が引張管4の内周面に当接されるとともにOリング27が引張管4の端縁部4aに当接されることにより、引張管4の内部が外部に対して密封されている。図2に示されるように、複数のフィン21は、先端側ランス3の外周面の周方向に等間隔に設けられ、円周方向に隣り合うフィン21間には間隙23が形成されている。
【0015】
図1に示されるように、手元側ランス2は、第1の管である内管11と、第2の管である外管12とからなる二重管構造を有している。先端側ランス3も、第1の管である内管13と、第2の管である外管14とからなる二重管構造を有している。内管11及び13のそれぞれの両端は開口している。外管12は、両端が閉じている。外管14は、先端側ランス3の先端側の端部において開口し、他方の端部は閉じている。手元側ランス2の手元側の端部には、流通路16を有するカプラ15が接続され、図示しない溶射材料の供給源と内管11とが流通路16を介して連通可能となっている。引張管4の内部で内管11と内管13とが連通しており、これにより、流通路16と、内管11と、内管13とを順次介して、溶射材料の供給源から先端ノズル5までが連通し、溶射材料の供給源から供給される溶射材料は、これらを順次流通して先端ノズル5から噴出されるようになっている。
【0016】
引張管4の内部において、手元側ランス2の外周面には孔17が設けられ、孔17を介して外管12と引張管4の内部とが連通している。また、先端側ランス3の外周面には孔18が設けられ、孔18を介して外管14と引張管4の内部とが連通している。複数のフィン21のそれぞれの間には間隙23が形成されているので(図2参照)、孔17と、間隙23と、孔18とを順次介して、外管12と外管14とが連通している。引張管4の外部において手元側ランス2の外周面には、図示しない冷却ガス(例えば、冷却エアー)の供給源と外管12とを連通するための注入口19が設けられている。これにより、供給源から供給される冷却ガスは、外管12と、孔17と、間隙23と、孔18と、外管14とを順次流通して、先端側ランス3の先端側の端部から排出されるようになっている。
【0017】
溶射ランス1の使用の際、作業者は、2つのハンドル8をそれぞれの手で握って溶射ランス1を持ち上げる。溶射ランス1が手元側ランス2と先端側ランス3とを組み合わせたものではなく、1本の金属管からなるものであれば、2つのハンドル8が手元側ランス2の外周面に接続された部分を支点として、その支点と先端ノズル5までの部分が、先端ノズル5にかかる下側に向かう力によって垂れ下がってしまう。しかしながら、溶射ランス1では、引張管4の端縁部4aの内縁部4bと先端側ランス3の外周面との接触位置を支点とするとともに、フィン21とフィン受け部22との接触部分を作用点として、それらの両者で先端ノズル5にかかる下側に向かう力を支える構造となっており、当該力が適切に分散されるので、溶射ランス1の垂れ下がりが生じにくくなる。また、溶射ランス1の使用時に、外管12及び14に冷却ガスを流通させることにより手元側ランス2及び先端側ランス3を冷却してそれらの弾性率の低下を抑えることができるので、溶射ランス1が垂れ下がりにくくなる。この結果、溶射ランス1全体の垂れ下がりを抑制することができ、作業者が溶射ランス1を操作しやすくなる。
【0018】
次に、手元側ランス2と、先端側ランス3と、引張管4と、先端ノズル5とから、溶射ランス1を組み立てる手順を図3に基づいて説明する。
端縁部4aが設けられていない側の引張管4の端部から、先端側ランス3の先端側の端部を引張管4に挿入し、端縁部4aの内縁部4bによって画定された円形状の開口から先端側ランス3の先端側の端部を引張管4の外部に取り出し、先端側ランス3をさらに引っ張ってOリング27を端縁部4aに当接させる。この状態で、フィン21がフィン受け部22に当接するように、両者を設ける位置を調整しておく。
【0019】
次に、端縁部4aが設けられていない側の引張管4の端部から、先端側ランス3と接続する側の手元側ランス2の端部(以下、「手元側ランス2の接続側の端部」という)を引張管4に挿入する。手元側ランス2では、内管11が手元側ランスの接続側の端部から突出して、突出部31が構成されている。突出部31にはOリング33が設けられている。一方、先端側ランス3の内管13には、手元側ランス2と接続する側の先端側ランス3の端部(以下、「先端側ランス3の接続側の端部」という)から先端側の端部に向かって、突出部31を挿入可能な内径を有する部分である挿入部32が形成されている。突出部31を挿入部32に挿入することにより、内管11と内管13との接続部分がOリング33によってシールされた状態で両者が接続されて、手元側ランス2と先端側ランス3とが接続される。
【0020】
この状態でクランプ6を引掛け部7に係合させることにより、引張管4を手元側ランス2に対して固定する。最後に、先端側ランス3の先端部に先端ノズル5を取り付けるとともに手元側ランス2の手元側の端部にカプラ15を取り付けて、溶射ランス1が組み立てられる。
【0021】
このように、手元側ランス2と先端側ランス3とを接続して溶射ランス1を構成できるので、作業スペースが狭くても溶射ランス1の操作性を向上させることができる。
また、引張管4の内部で先端側ランス3の外周面から突出するように設けられたフィン21と、引張管4の内周面から突出するように設けられたフィン受け部22とが当接することと、引張管4の端部に設けられた端縁部4aが先端側ランス3を支持することとにより、先端ノズル5にかかる下側に向かう力を支えてこの力を適切に分散するので、溶射ランス1全体の垂れ下がりを抑制し、溶射ランス1の操作性を向上することもできる。
【0022】
この実施の形態では、フィン21は先端側ランス3に設けられていたが、この形態に限定するものではない。手元側ランス2に設けられてもよいし、手元側ランス2及び先端側ランス3それぞれの接続側の端部付近の外周面に別個に設けて、手元側ランス2と先端側ランス3を接続したときにそれらの外周面にまたがるようにしてフィン21が構成されるようにしてもよい。また、手元側ランス2又は先端側ランス3の外周面から突出するようにフィン21が設けられるとともに引張管4の内周面から突出するようにフィン受け部22が設けられていたが、引張管4の内周面から突出するようにフィン21が設けられるとともに手元側ランス2又は先端側ランス3の外周面から突出するようにフィン受け部22が設けられていてもよい。さらに、フィン受け部22が設けられていない形態、すなわち、手元側ランス2又は先端側ランス3の外周面から突出するようにフィン21が設けられるとともにフィン21が引張管4の内周面に当接する形態、又は、引張管4の内周面から突出するようにフィン21が設けられるとともにフィン21が手元側ランス2又は先端側ランス3の外周面に当接する形態でもよい。
【0023】
この実施の形態では、先端側ランス3を支持する支持部は、引張管4の端部に設けられた円環形状の端縁部4aであったが、この形態に限定するものではない。フィン受け部22よりも溶射ランス1の先端側であれば、引張管4の端部に設けられていなくともよい。
【0024】
この実施の形態では、内管11の突出部31を内管13の挿入部32に挿入することにより、内管11と内管13とを接続した状態で手元側ランス2と先端側ランス3とが接続されているが、この形態に限定するものではない。内管13に突出部31を形成し、内管11に挿入部32を形成してもよい。また、内管11及び13の一方を他方に挿入する形態意外に、両者の接続部分をシールして両者を接続できれば、突出部及び挿入部を形成せずに溶射ランスの外部から手元側ランス2と先端側ランス3との接続部分を固定する等、任意の公知の方法で両者を接続してもよい。
【0025】
この実施の形態では、溶射ランス1は二重管構造を有しているが、内管11及び13のみを有する一重管構造であってもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 溶射ランス、2 手元側ランス、3 先端側ランス、4 引張管、4a 端縁部(支持部)、11 (手元側ランスの)内管(第1の管)、12 (手元側ランスの)外管(第2の管)、13 (先端側ランスの)内管(第1の管)、14 (先端側ランスの)外管(第2の管)、21 フィン、22 フィン受け部、31 突出部、32 挿入部。
図1
図2
図3