特許第6493463号(P6493463)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6493463
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20190325BHJP
   H01G 11/08 20130101ALI20190325BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20190325BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20190325BHJP
   H01M 10/658 20140101ALI20190325BHJP
   H01M 10/48 20060101ALN20190325BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M2/10 S
   H01M2/10 M
   H01G11/08
   H01M2/20 A
   H01M2/30 C
   H01M10/658
   !H01M10/48 P
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-142552(P2017-142552)
(22)【出願日】2017年7月24日
(62)【分割の表示】特願2013-73746(P2013-73746)の分割
【原出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2017-224615(P2017-224615A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2017年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】牛嶌 修
(72)【発明者】
【氏名】▲つる▼田 彰吾
【審査官】 瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−175128(JP,A)
【文献】 特開2011−071097(JP,A)
【文献】 特開2012−039047(JP,A)
【文献】 特開2006−164655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10、2/20−2/34、10/52−10/667
H01G 11/00−11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、前記蓄電素子に接続される電気機器とを備える蓄電装置であって、
前記蓄電素子が収容される外装体本体と、前記外装体本体の開口部を密閉状態で塞ぐ内蓋部及び外蓋部を有する蓋体と、前記蓄電素子に接続されるバスバーとを備え、
前記電気機器は、前記内蓋部と前記外蓋部との間に配置され、
前記バスバーは、前記蓄電素子と前記内蓋部との間に配置されている
蓄電装置。
【請求項2】
蓄電素子と、前記蓄電素子に接続される電気機器とを備える蓄電装置であって、
前記蓄電素子が収容される外装体本体と、前記外装体本体の開口部を密閉状態で塞ぐ内蓋部及び外蓋部を有する蓋体とを備え、
前記電気機器は、前記蓄電装置が備える複数の前記蓄電素子に対して当該複数の前記蓄電素子のそれぞれに設けられた電極端子が配置されている側、かつ、前記内蓋部と前記外蓋部との間に配置されており、
前記内蓋部には、外部端子が取り付けられている
蓄電装置。
【請求項3】
前記外装体本体に収容され、前記外装体本体内での前記蓄電素子の位置を規制する規制部材をさらに備え、
前記電気機器は、前記内蓋部と前記外蓋部とに周囲を覆われて配置されており、
前記内蓋部と前記規制部材とは、前記電気機器と前記蓄電素子との間に配置され、
前記規制部材には、前記蓄電素子に接続されるバスバーが配置され、
前記内蓋部には、外部端子が取り付けられている
請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記電気機器は、前記外装体本体の開口部よりも外方に配置されている
請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記内蓋部は、前記電気機器と、前記蓄電素子が有する安全弁との間に、当該安全弁を覆うように配置されている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記内蓋部は、前記蓄電素子の安全弁が配置されている面に対向して、当該面を覆うように配置されている
請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記電気機器は、前記電気機器から前記蓄電素子の方向を見た場合に、前記蓄電装置が備える全ての前記蓄電素子が有する安全弁と異なる位置に配置されている
請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子と、当該蓄電素子に接続される電気機器とを備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充放電可能な蓄電素子に、当該蓄電素子の充電状態や放電状態などを監視するための制御基板などの電気機器が取り付けられた蓄電装置が知られている。例えば特許文献1には、複数の蓄電素子(単電池)を備え、当該複数の蓄電素子の直上に電気機器(特許文献1においては配線ボード)が配置された蓄電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−59663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の蓄電装置では、蓄電素子から発せられる熱により、電気機器が影響を受けるおそれがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、蓄電素子から発せられる熱による電気機器への影響を低減することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子に接続される電気機器とを備える蓄電装置であって、前記蓄電素子が収容される外装体本体と、前記外装体本体の開口部を密閉状態で塞ぐ内蓋部及び外蓋部を有する蓋体とを備え、前記電気機器は、前記内蓋部と前記外蓋部との間に配置されている。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子に接続される電気機器とを備える蓄電装置であって、前記蓄電素子は、電極体が収容される容器を有し、前記電気機器は、前記容器から離隔して配置されている。
【0008】
これによれば、蓄電装置において、電気機器は、蓄電素子の容器から離隔して配置されているため、蓄電素子から発せられる熱が電気機器に伝わるのを抑制することができる。したがって、当該蓄電装置によれば、蓄電素子から発せられる熱による電気機器への影響を低減することができる。
【0009】
また、前記蓄電素子は、さらに、電極端子を有し、前記電気機器は、前記電極端子よりも前記容器から離れた位置に配置されていることにしてもよい。
【0010】
これによれば、蓄電装置において、電気機器は、蓄電素子の電極端子よりも容器から離れた位置に配置されているため、当該電極端子周りに流れる大電流によって発生する磁場の影響を電気機器が受けるのを抑制することができる。
【0011】
また、前記蓄電装置は、内方に前記蓄電素子が収容される外装体本体の開口部を塞ぐ蓋体を備え、前記蓋体は、外側に配置される外蓋部と、前記外蓋部と前記蓄電素子との間に配置される内蓋部とを有し、前記電気機器は、前記内蓋部と前記外蓋部との間に配置されていることにしてもよい。
【0012】
これによれば、蓄電装置において、蓋体の内蓋部は外蓋部と蓄電素子との間に配置され、電気機器は当該内蓋部と外蓋部との間に配置されている。つまり、電気機器と蓄電素子との間に、内蓋部が配置されている。このため、蓄電素子から発せられる熱が内蓋部によって遮断される。したがって、当該蓄電装置によれば、蓄電素子から発せられる熱による電気機器への影響を低減することができる。
【0013】
また、前記電気機器は、内方に前記蓄電素子が収容される外装体本体の開口部よりも外方に配置されていることにしてもよい。
【0014】
これによれば、蓄電装置において、電気機器は、蓄電素子を収容している外装体本体の開口部よりも外方に配置されているため、蓄電素子から離れて配置されている。このため、当該蓄電装置によれば、蓄電素子から発せられる熱による電気機器への影響を低減することができる。
【0015】
また、前記内蓋部は、前記電気機器と、前記蓄電素子が有する安全弁との間に、当該安全弁を覆うように配置されていることにしてもよい。
【0016】
これによれば、内蓋部は、電気機器と蓄電素子の安全弁との間に、当該安全弁を覆うように配置されている。つまり、蓄電素子の電気機器側の面(例えば上面)に安全弁が設けられており、当該安全弁の電気機器側の方向(例えば上方)に内蓋部が配置されている。このため、蓄電素子の電気機器側の面に安全弁が設けられている場合でも、当該安全弁から発せられる熱が内蓋部によって遮断され、蓄電素子の安全弁からの熱による電気機器への影響を低減することができる。
【0017】
また、前記内蓋部は、前記蓄電素子の安全弁が配置されている面に対向して、当該面を覆うように配置されていることにしてもよい。
【0018】
これによれば、内蓋部は、蓄電素子の安全弁が配置されている面に対向して、当該面を覆うように配置されているため、当該安全弁から排出されたガスが内蓋部によって遮断され、蓄電素子の安全弁からのガスによる電気機器への影響を低減することができる。
【0019】
また、前記電気機器は、前記電気機器から前記蓄電素子の方向を見た場合に、前記蓄電素子が有する安全弁と異なる位置に配置されていることにしてもよい。
【0020】
これによれば、電気機器から蓄電素子の方向を見た場合(例えば上方から見た場合)に、電気機器と蓄電素子の安全弁とが異なる位置に配置されている。このため、当該安全弁からのガスによる電気機器への影響をさらに低減することができる。
【0021】
また、さらに、前記内蓋部と前記蓄電素子との間に配置され、内方に前記蓄電素子が収容される外装体本体内での前記蓄電素子の位置を規制する規制部材を備えることにしてもよい。
【0022】
これによれば、内蓋部と蓄電素子との間に規制部材を配置することで、電気機器と蓄電素子との間のスペースを確保することができるため、蓄電素子から発せられる熱による電気機器への影響をさらに低減することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明における蓄電装置によれば、蓄電素子から発せられる熱による電気機器への影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係る外装体本体内方に蓄電素子が配置された状態を示す斜視図である。
図5】本発明の実施の形態に係る外装体本体内方に蓄電素子と規制部材とが配置された状態を示す斜視図である。
図6】本発明の実施の形態に係る外装体本体内方に蓄電素子と規制部材とバスバーとが配置された状態を示す斜視図である。
図7】本発明の実施の形態に係る外装体本体に蓋体の内蓋部が配置された状態を示す斜視図である。
図8】本発明の実施の形態に係る蓋体の内蓋部に電気機器が配置された状態を示す斜視図である。
図9】本発明の実施の形態に係る蓋体の内蓋部に外蓋部が配置される状態を示す斜視図である。
図10】本発明の実施の形態の変形例に係る電気機器と蓄電素子の安全弁との位置関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0026】
(実施の形態)
まず、蓄電装置10の構成について、説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0028】
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。以下の図においても、同様である。
【0029】
蓄電装置10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。これらの図に示すように、蓄電装置10は、外装体100、及び、外装体100に収容される複数の蓄電素子400と規制部材500とバスバー600と電気機器700とを備えている。
【0030】
外装体100は、蓄電装置10の外装体を構成する矩形状(箱状)の部材である。外装体100は、複数の蓄電素子400や電気機器700などを所定の位置に配置し、複数の蓄電素子400や電気機器700などを衝撃などから保護する。また、外装体100は、例えば樹脂などの絶縁性の材料により構成されており、蓄電素子400や電気機器700などが外部の金属部材などに接触することを回避する。
【0031】
ここで、外装体100は、外装体本体200と蓋体300とを有している。外装体本体200は、外装体100の本体を構成する有底矩形筒状の部材である。蓋体300は、外装体100の蓋を構成する部材であり、外装体本体200の開口部210を塞ぐ扁平な矩形状の部材である。
【0032】
また、蓋体300は、外蓋部310と内蓋部320とを有しており、内蓋部320には、正極外部端子321と負極外部端子322とが設けられている。つまり、蓄電装置10は、正極外部端子321及び負極外部端子322を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。
【0033】
具体的には、外装体本体200内方に、複数の蓄電素子400、規制部材500、バスバー600の順に配置され、外装体本体200の開口部210が内蓋部320で閉止されている。このように、重量物である複数の蓄電素子400を最下部に配置することで、蓄電装置10の安定性が向上する。
【0034】
また、内蓋部320上に電気機器700が配置されて、外蓋部310が電気機器700を覆うように内蓋部320上に配置される。このように、上部に電装部品を一体化させることで、蓄電装置10の組立性及びメンテナンス性が向上する。以上の各構成要素の具体的な構成について、以下に詳細に説明する。
【0035】
まず、蓄電素子400について、詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子400の外観を示す斜視図である。
【0036】
蓄電素子400は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。なお、蓄電素子400は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。
【0037】
同図に示すように、蓄電素子400は、容器410と、正極端子420と、負極端子430とを備えている。なお、容器410の内方には、正極集電体、負極集電体、電極体(発電要素)、電解液などが収容されているが、これらは省略して図示してある。
【0038】
容器410は、矩形筒状で底を備える容器本体411と、容器本体411の開口を閉塞する板状部材である容器蓋部412とで構成されている。また、容器410は、電極体等を内部に収容後、容器蓋部412と容器本体411とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。なお、容器蓋部412及び容器本体411の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0039】
また、容器410の容器蓋部412には、円形状の安全弁413が設けられている。ここで、安全弁413は、容器410内方の圧力の上昇により容器410の密閉状態を開放することで、容器410内方の圧力を開放する安全弁である。なお、安全弁413の形状は円形状には限定されない。また、本実施の形態では、安全弁413は、容器蓋部412に設けられているが、安全弁413が容器本体411に設けられている構成でもかまわない。
【0040】
なお、容器410に収容される電極体は、負極と正極とセパレータとが巻き回されて形成された巻回型形状であってもよいし、平板状極板を積層した形状でもよい。また、電極体に用いられる正極活物質または負極活物質としては、蓄電素子400の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。また、容器410に封入される電解液(非水電解液)としても、蓄電素子400の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
【0041】
正極端子420は、電極体の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子430は、電極体の負極に電気的に接続された電極端子であり、いずれも容器蓋部412に取り付けられている。つまり、正極端子420及び負極端子430は、電極体に蓄えられている電気を蓄電素子400の外部空間に導出し、また、電極体に電気を蓄えるために蓄電素子400の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
【0042】
具体的には、蓄電装置10に備えられた複数の蓄電素子400のうち正極外部端子321側に配置された蓄電素子400の正極端子420が正極外部端子321と接続され、当該蓄電素子400の負極端子430は、隣接する蓄電素子400の正極端子420と接続される。また同様に、当該複数の蓄電素子400のうち負極外部端子322側に配置された蓄電素子400の負極端子430が負極外部端子322と接続され、当該蓄電素子400の正極端子420は、隣接する蓄電素子400の負極端子430と接続される。また、その他の蓄電素子400の正極端子420または負極端子430は、隣接する蓄電素子400の負極端子430または正極端子420と接続される。
【0043】
次に、外装体100の外装体本体200、規制部材500及びバスバー600について、詳細に説明する。
【0044】
図4は、本発明の実施の形態に係る外装体本体200内方に蓄電素子400が配置された状態を示す斜視図である。また、図5は、本発明の実施の形態に係る外装体本体200内方に蓄電素子400と規制部材500とが配置された状態を示す斜視図である。また、図6は、本発明の実施の形態に係る外装体本体200内方に蓄電素子400と規制部材500とバスバー600とが配置された状態を示す斜視図である。
【0045】
これらの図に示すように、外装体本体200は、外装体100の本体部分であり、複数の蓄電素子400と規制部材500とバスバー600とが内方に収容される。具体的には、外装体本体200は、長方形状の底面と底面の四方を覆う4側面とで構成され上部に開口部210が形成された有底矩形筒状の部材であり、この開口部210から、複数の蓄電素子400と規制部材500とバスバー600とが挿入され収容される。
【0046】
本実施の形態では、蓄電素子400は、容器蓋部412が上方に向くように、外装体本体200内に収容されている。つまり、蓄電素子400は、安全弁413が上方に向くように、外装体本体200内に収容されている。なお、本実施の形態では、4個の蓄電素子400が外装体本体200内に収容されているが、外装体本体200内に収容される蓄電素子400の個数は限定されない。
【0047】
また、図5に示すように、複数の蓄電素子400の上方に、規制部材500が配置される。つまり、規制部材500は、内蓋部320と複数の蓄電素子400との間に配置される扁平な矩形状の部材である。規制部材500は、例えば樹脂などの絶縁性の材料により構成されている。
【0048】
ここで、規制部材500は、外装体本体200内での複数の蓄電素子400の位置を規制する部材である。具体的には、規制部材500は、外装体本体200の内方に嵌め込まれ、複数の蓄電素子400を上方から押さえ込むことで、複数の蓄電素子400を外装体本体200に固定する。
【0049】
また、図6に示すように、規制部材500の上方に、バスバー600が配置される。つまり、バスバー600は、内蓋部320と複数の蓄電素子400との間に配置される部材である。バスバー600は、金属など導電性の部材であり、複数の蓄電素子400に含まれる蓄電素子400同士を電気的に接続する。具体的には、バスバー600は、隣接する蓄電素子400において、1の蓄電素子400の正極端子420または負極端子430と、他の蓄電素子400の負極端子430または正極端子420とを接続する。
【0050】
次に、外装体100の蓋体300の外蓋部310及び内蓋部320と、電気機器700について、詳細に説明する。
【0051】
図7は、本発明の実施の形態に係る外装体本体200に蓋体300の内蓋部320が配置された状態を示す斜視図である。また、図8は、本発明の実施の形態に係る蓋体300の内蓋部320に電気機器700が配置された状態を示す斜視図である。また、図9は、本発明の実施の形態に係る蓋体300の内蓋部320に外蓋部310が配置される状態を示す斜視図である。
【0052】
これらの図に示すように、内蓋部320は、外蓋部310と複数の蓄電素子400との間に配置される部材であり、電気機器700が載置される。つまり、内蓋部320は、電気機器700と複数の蓄電素子400との間に配置される。具体的には、内蓋部320は、外装体本体200内方に複数の蓄電素子400と規制部材500とバスバー600とが収容された状態で、外装体本体200の開口部210を塞ぐように配置される。そして、内蓋部320には、電気機器700が載置される。このように、内蓋部320は、外装体本体200の蓋として機能するとともに、電気機器700の載置台としても機能する。
【0053】
また、内蓋部320は、電気機器700と、複数の蓄電素子400が有する安全弁413のうち少なくとも1つの安全弁413との間に、当該安全弁413を覆うように配置されている。本実施の形態では、内蓋部320は、電気機器700と、複数の蓄電素子400が有する全ての安全弁413との間に、複数の蓄電素子400が有する全ての安全弁413を覆うように配置されている。
【0054】
具体的には、内蓋部320は、複数の蓄電素子400の安全弁413が配置されている面である容器蓋部412の上面に対向して、当該面を覆うように配置されている。つまり、内蓋部320は、全ての蓄電素子400の容器蓋部412の上面を覆うように配置されている。なお、内蓋部320は、全ての蓄電素子400の容器蓋部412の上面を覆うように配置されていることに限定されず、一部の蓄電素子400の容器蓋部412の上面を覆うように配置されていることにしてもかまわない。つまり、内蓋部320は、一部の安全弁413を覆うように配置されていることにしてもかまわない。
【0055】
また、電気機器700は、複数の蓄電素子400の状態を取得し、監視し、制御することのできる電子的、電気的な機器であり、複数の蓄電素子400に接続されている。具体的には、電気機器700は、複数の蓄電素子400の充電状態や放電状態(電圧、温度などの電池状態)などを監視するための制御基板である。当該制御基板には、例えば、当該監視を行ったり、リレーのオン、オフを制御したり、他の機器と通信を行ったりするための制御回路(図示せず)が設けられている。
【0056】
また、電気機器700は、外装体本体200の開口部210よりも外方に配置されている。つまり、電気機器700は、外装体本体200の開口面よりも上方に配置されている。具体的には、電気機器700は、内蓋部320と外蓋部310との間に配置されている。つまり、電気機器700は、内蓋部320と外蓋部310とで挟まれることで内蓋部320と外蓋部310とに周囲を覆われて、内蓋部320と外蓋部310とに保護されるように配置されている。
【0057】
また、容器蓋部412の上方に内蓋部320が配置され、内蓋部320の上方に電気機器700が配置されている。つまり、電気機器700は、蓄電素子400の容器410との間に隙間を設けるように、蓄電素子400の容器410から離隔して配置されている。また、電気機器700は、蓄電素子400の電極端子である正極端子420及び負極端子430よりも容器410から離れた位置に配置されている。つまり、電気機器700は、正極端子420及び負極端子430の上端よりも上方に配置されている。
【0058】
また、外蓋部310は、蓋体300の外側に配置される部材である。つまり、外蓋部310は、蓋体300の上部を構成する板状の部材であり、内蓋部320上に電気機器700が配置された状態で、電気機器700を覆うように内蓋部320に接続されることで、電気機器700を保護する。
【0059】
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10によれば、電気機器700は、蓄電素子400の容器410から離隔して配置されているため、蓄電素子400から発せられる熱が電気機器700に伝わるのを抑制することができる。したがって、蓄電装置10によれば、蓄電素子400から発せられる熱による電気機器700への影響を低減することができる。
【0060】
また、電気機器700は、蓄電素子400の電極端子である正極端子420及び負極端子430よりも容器410から離れた位置に配置されているため、当該電極端子周りに流れる大電流によって発生する磁場の影響を電気機器700が受けるのを抑制することができる。
【0061】
また、蓋体300の内蓋部320は外蓋部310と複数の蓄電素子400との間に配置され、電気機器700は内蓋部320と外蓋部310との間に配置されている。つまり、電気機器700と複数の蓄電素子400との間に、内蓋部320が配置されている。このため、蓄電素子400から発せられる熱が内蓋部320によって遮断される。したがって、蓄電装置10によれば、蓄電素子400から発せられる熱による電気機器700への影響を低減することができる。
【0062】
また、電気機器700は、蓄電素子400を収容している外装体本体200の開口部210よりも外方に配置されているため、蓄電素子400から離れて配置されている。このため、蓄電装置10によれば、蓄電素子400から発せられる熱による電気機器700への影響を低減することができる。
【0063】
また、内蓋部320は、電気機器700と蓄電素子400の安全弁413との間に、安全弁413を覆うように配置されている。つまり、蓄電素子400の電気機器700側の面(上面)に安全弁413が設けられており、安全弁413の電気機器700側の方向(上方)に内蓋部320が配置されている。このため、蓄電素子400の電気機器700側の面に安全弁413が設けられている場合でも、安全弁413から発せられる熱が内蓋部320によって遮断され、蓄電素子400の安全弁413からの熱による電気機器700への影響を低減することができる。
【0064】
また、内蓋部320は、蓄電素子400の安全弁413が配置されている容器蓋部412の面に対向して、容器蓋部412の面を覆うように配置されているため、安全弁413からの熱が内蓋部320によって遮断され、蓄電素子400の安全弁413からの熱による電気機器700への影響を低減することができる。
【0065】
また、内蓋部320と複数の蓄電素子400との間に規制部材500及びバスバー600を配置することで、電気機器700と蓄電素子400との間のスペース(電気機器700と安全弁413との間のスペース)を確保することができるため、蓄電素子400から発せられる熱(安全弁413から発せられる熱)による電気機器700への影響をさらに低減することができる。
【0066】
また、電気機器700である、複数の蓄電素子400の充電状態や放電状態などを監視するための制御基板への、蓄電素子400から発せられる熱(安全弁413から発せられる熱)による影響を低減することができる。
【0067】
(変形例)
次に、上記実施の形態の変形例について、説明する。図10は、本発明の実施の形態の変形例に係る電気機器700と蓄電素子400の安全弁413との位置関係を示す平面図である。具体的には、同図は、内蓋部320に電気機器700を配置した場合の電気機器700と蓄電素子400の安全弁413とを、上方から見た図である。
【0068】
上記実施の形態では、複数の蓄電素子400が有する安全弁413の中には、電気機器700の直下に配置された安全弁413があったが、本変形例では、同図に示すように、複数の蓄電素子400が有する安全弁413は、電気機器700の直下を避けるように、電気機器700から離れた位置に配置されている。つまり、電気機器700は、電気機器700から複数の蓄電素子400の方向を見た場合(上方から見た場合)に、複数の蓄電素子400が有する安全弁413と異なる位置に配置されている。
【0069】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例に係る蓄電装置によれば、電気機器700から蓄電素子400の方向を見た場合(上方から見た場合)に、電気機器700と蓄電素子400の安全弁413とが異なる位置に配置されている。このため、安全弁413からの熱による電気機器700への影響をさらに低減することができる。
【0070】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0071】
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置10は、複数の蓄電素子400を備えていることとしたが、蓄電装置10は、1つの蓄電素子400しか備えていないことにしてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態及びその変形例では、電気機器700は制御基板であることとしたが、電気機器700は、蓄電素子400への充電や蓄電素子400からの放電を遮断するリレーや、充電や放電状態を電流(電圧)で監視するためのシャント抵抗であることにしてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態及びその変形例では、外装体100内方に配置される全ての蓄電素子400が安全弁413を有していることにしたが、安全弁413を有していない蓄電素子400が含まれていてもよい。
【0074】
また、上記実施の形態及びその変形例では、規制部材500及びバスバー600は、内蓋部320と蓄電素子400との間に配置されることにしたが、規制部材500またはバスバー600の配置位置は、上記位置に限定されない。また、蓄電装置10は規制部材500を有することなく、外装体100に蓄電素子400を直接固定することにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子や電気機器を備えた蓄電装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0076】
10 蓄電装置
100 外装体
200 外装体本体
210 開口部
300 蓋体
310 外蓋部
320 内蓋部
321 正極外部端子
322 負極外部端子
400 蓄電素子
410 容器
411 容器本体
412 容器蓋部
413 安全弁
420 正極端子
430 負極端子
500 規制部材
600 バスバー
700 電気機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10