特許第6493587号(P6493587)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6493587撮影装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6493587
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】撮影装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20190325BHJP
   G03B 17/53 20060101ALI20190325BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20190325BHJP
   G07F 17/26 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   H04N5/232 290
   G03B17/53
   H04N5/222 500
   G07F17/26
【請求項の数】3
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-51822(P2018-51822)
(22)【出願日】2018年3月19日
(62)【分割の表示】特願2018-15978(P2018-15978)の分割
【原出願日】2018年1月31日
【審査請求日】2018年3月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597047392
【氏名又は名称】辰巳電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 建
(72)【発明者】
【氏名】米田 宗弘
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 聡
【審査官】 渡邉 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−212568(JP,A)
【文献】 特開2012−199743(JP,A)
【文献】 特開2016−058937(JP,A)
【文献】 特開2008−079273(JP,A)
【文献】 特開2004−131159(JP,A)
【文献】 特開2004−145547(JP,A)
【文献】 特開2016−184873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/00 −15/035
G03B 15/06 −15/16
G03B 17/48 −17/55
H04N 5/222− 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を含む撮影画像を取得する撮影部と、
下部に所定の前景を有する第1合成用画像、及び前記第1合成用画像とは異なり、前記第1合成用画像の前記前景を含まない第2合成用画像を含む複数種類の合成用画像を記憶する記憶部と、
前記撮影画像から、その一部である第1取得画像または第2取得画像を抽出し、前記合成用画像と合成して合成画像を生成する画像生成部と、
を備え、
前記第1取得画像及び第2取得画像は、前記被写体を含み、
前記画像生成部は、
前記合成用画像が前記第1合成用画像である場合、前記第1合成用画像用に設定された範囲を前記撮影画像から抽出して前記第1取得画像を生成するとともに、当該第1取得画像と前記第1合成用画像とを合成し、
前記合成用画像が前記第2合成用画像である場合、前記第2合成用画像用に設定された範囲を前記撮影画像から抽出して前記第2取得画像を生成するとともに、当該第2取得画像と前記第2合成用画像とを合成し、
前記第1取得画像には、前記前景と対応するように、前記撮影画像における前記第2取得画像よりも下方の範囲が含まれている、撮影装置。
【請求項2】
被写体を含む撮影画像を取得するステップと、
下部に所定の前景を有する第1合成用画像、及び前記第1合成用画像とは異なり、前記第1合成用画像の前記前景を含まない第2合成用画像を含む複数種類の合成用画像のいずれかの選択を受け付けるステップと、
前記合成用画像として前記第1合成用画像が選択された場合、前記第1合成用画像用に設定された範囲を前記撮影画像から抽出して前記被写体を含む前記第1取得画像を生成するとともに、当該第1取得画像と前記第1合成用画像とを合成するステップと、
前記合成用画像として前記第2合成用画像が選択された場合、前記第2合成用画像用に設定された範囲を前記撮影画像から抽出して前記被写体を含む前記第2取得画像を生成するとともに、当該第2取得画像と前記第2合成用画像とを合成するステップと、
を備え、
前記第1取得画像には、前記前景と対応するように、前記撮影画像における前記第2取得画像よりも下方の範囲が含まれている、画像処理方法。
【請求項3】
コンピュータに、
被写体を含む撮影画像を取得するステップと、
下部に所定の前景を有する第1合成用画像、及び前記第1合成用画像とは異なり、前記第1合成用画像の前記前景を含まない第2合成用画像を含む複数種類の合成用画像のいずれかの選択を受け付けるステップと、
前記合成用画像として前記第1合成用画像が選択された場合、前記第1合成用画像用に設定された範囲を前記撮影画像から抽出して前記被写体を含む前記第1取得画像を生成するとともに、当該第1取得画像と前記第1合成用画像とを合成するステップと、
前記合成用画像として前記第2合成用画像が選択された場合、前記第2合成用画像用に設定された範囲を前記撮影画像から抽出して前記被写体を含む前記第2取得画像を生成するとともに、当該第2取得画像と前記第2合成用画像とを合成するステップと、
を備え、
前記第1取得画像には、前記前景と対応するように、前記撮影画像における前記第2取得画像よりも下方の範囲が含まれている、画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者をカメラで撮影することで得られた撮影画像を写真印刷シートとして出力したり、ネットワークを介して外部の装置に送信したりすることができる遊戯用撮影装置が知られている。このような遊戯用撮影装置では、写真の見栄えを良くするために、種々の編集作業が行えるようになっている。例えば、特許文献1には、目の大きさの変更、明るさの変更、落書きの追加等の編集が可能な遊戯用撮影装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−038344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような装置で撮影を行う場合には、カメラによる撮影範囲に依存して生成される画像の範囲が予め決まっているため、ユーザは、その撮影範囲内に入って撮影を行う必要がある。しかしながら、撮影に適した範囲は、被写体の数、身長などによるため、一意的に決めることはできない。そのため、従来の遊戯用撮影装置では、予め決められた撮影範囲にしたがうように、ユーザが立ち位置やポーズを変える必要があった。なお、このような問題は、遊戯用撮影装置に限られず、例えば、証明写真機を含む撮影装置全般に生じ得る問題である。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、生成される画像の範囲をユーザに合わせることができる、撮影装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1の撮影装置は、被写体を撮影する撮影部と、表示部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記撮影部で取得された原画像から、画像範囲の異なる複数の撮影範囲候補画像を生成する画像生成部と、前記原画像から被写体に関する被写体情報を算出し、当該被写体情報に基づいて前記複数の撮影範囲候補画像の中から、一の撮影範囲候補画像を、初期候補画像として選択する選択部と、を備えている。
【0007】
本発明に係る第2の撮影装置は、被写体を撮影する撮影部と、表示部と、制御部と、入力部と、を備え、前記制御部は、前記撮影部で取得された原画像から、所定の画像範囲を有する、ユーザ取得画像を生成する画像生成部と、前記ユーザ取得画像に合成する候補となる複数の合成用画像を、前記表示部に表示する表示制御部と、を備え、前記入力部は、前記表示部に表示された複数の合成用画像から、一の合成用画像の選択を受け付け、前記画像生成部は、選択された合成用画像に基づいて、前記画像範囲を決定し、当該決定された画像範囲に基づいて、前記原画像から前記ユーザ取得画像を生成する。
【0008】
本発明に係る第1の画像処理方法は、被写体を含む原画像を取得するステップと、前記原画像から、画像範囲の異なる複数の撮影範囲候補画像を生成するステップと、前記原画像から被写体に関する被写体情報を算出し、当該被写体情報に基づいて前記複数の撮影範囲候補画像の中から、一の撮影範囲候補画像を、初期候補画像として選択するステップと、を備えている。
【0009】
本発明に係る第2の画像処理方法は、被写体を含む原画像を取得するステップと、前記原画像から、所定の画像範囲を有する、ユーザ取得画像を生成するステップと、前記ユーザ取得画像に合成する候補となる複数の合成用画像を、表示するステップと、表示された前記複数の合成用画像から、一の合成用画像の選択を受け付けるステップと、選択された前記合成用画像に基づいて、画像範囲を決定し、当該決定された画像範囲に基づいて、前記原画像から前記ユーザ取得画像を生成するステップと、を備えている。
【0010】
本発明に係る第1の画像処理プログラムは、コンピュータに、被写体を含む原画像を取得するステップと、前記原画像から、画像範囲の異なる複数の撮影範囲候補画像を生成するステップと、前記原画像から被写体に関する被写体情報を算出し、当該被写体情報に基づいて前記複数の撮影範囲候補画像の中から、一の撮影範囲候補画像を、初期候補画像として選択するステップと、を実行させる。
【0011】
本発明に係る第2の画像処理プログラムは、コンピュータに、被写体を含む原画像を取得するステップと、前記原画像から、所定の画像範囲を有する、ユーザ取得画像を生成するステップと、前記ユーザ取得画像に合成する候補となる複数の合成用画像を、表示するステップと、表示された前記複数の合成用画像から、一の合成用画像の選択を受け付けるステップと、選択された前記合成用画像に基づいて、画像範囲を決定し、当該決定された画像範囲に基づいて、前記原画像から前記ユーザ取得画像を生成するステップと、を実行させる。
【0012】
また、本発明に係る他の撮影装置は、被写体を撮影する撮影部と、
前記撮影部で取得された原画像の第1の範囲の画像である第1被写体画像及び、前記原画像の、前記第1の範囲とは異なる第2の範囲の画像である第2被写体画像の少なくともいずれかを生成する画像生成部と、
前記撮影部で取得された原画像から被写体に関する被写体情報を算出し、前記被写体情報に基づいて前記第1の範囲及び前記第2の範囲のうちのいずれが適当かを判定する判定部と、を備える。
【0013】
この撮影装置では、第1の範囲と第2の範囲に係る画像を生成できるが、これ以上の数の範囲を設定することもできる。また、ここでいう第1の範囲、第2の範囲は、例えば、3以上の範囲を設定した場合、生成の順序などに関わらず、そのうちのいずれか2つの範囲を意味するものである。したがって、3以上の範囲のうちの、いずれか2つの範囲について、上述した判定部によりいずれが適当であるかが判定されるように構成されていればよい。
【0014】
また、本発明に係る他の撮影装置は、撮影部で取得した原画像における所定範囲の画像である被写体画像を生成する画像生成部と、
複数の合成用画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示された複数の合成用画像の中から、前記撮影部によって得られる被写体画像と合成する合成用画像を決定する制御部と、を備え、
前記画像生成部は、前記制御部により決定された合成用画像に基づいて、前記所定範囲を決定する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、生成される画像の範囲をユーザに合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本発明の一実施形態に係る撮影装置(カーテンなし)の外観を示す斜視図である。
図1B図1Aの撮影装置(カーテンあり)の外観を示す斜視図である。
図2図1の撮影装置の撮影ユニットの一例を例示する。
図3図1の撮影装置のハードウェア構成の一例を例示する。
図4図1の撮影装置のソフトウェア構成の一例を例示する。
図5】撮影の依頼を受け付けるための処理手順の一例を例示する。
図6】ユーザの撮影する処理手順の一例を例示する。
図7】全身撮影におけるユーザ取得画像の画像範囲を説明する図である。
図8】全身撮影を行う画面である。
図9】アップ撮影のために、全身撮影に基づくユーザ取得画像の画像範囲を説明する図である。
図10】アップ撮影におけるユーザ取得画像の画像範囲を説明する図である。
図11】アップ撮影におけるユーザ取得画像の画像範囲の設定画面である。
図12】アップ撮影を行う画面である。
図13】大きくする画像を選択する画面である。
図14】アップ撮影におけるユーザ取得画像の画像範囲の設定を説明する図である。
図15】アップ撮影におけるユーザ取得画像の画像範囲の設定画面である。
図16】合成用画像の例を示す図である。
図17】ユーザ取得画像と合成用画像とを合成した画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<1.撮影装置の概要>
以下、本実施形態に係る撮影装置について説明する。図1Aは、本実施形態に係る撮影装置100からカーテン13を取り除いた状態を示す斜視図、図1Bは、図1Aにおいてカーテン13を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0018】
図1A及び図1Bに示されるとおり、撮影装置100は、直方体状の筐体1を備えており、この筐体1の側面には、内部の撮影空間10に通じる出入口11が形成されている。この出入口11の上縁にはカーテンレール12が取り付けられており、このカーテンレール12には、カーテン13が取り付けられている。これにより、利用者が撮影を行う際には、カーテン13を閉じることで、撮影空間10を外部から見えないようにすると共に、外部から余計な光が撮影空間10に入らないようにすることができる。筐体1の内装において、後述するカメラ32が配置される面とは反対側の面(背面)等の撮影範囲には、クロマキー合成処理のための単一の色(例えば、青色、緑色等)が付される。単一の色が付される範囲は、撮影範囲の一部であってもよいし、全体であってもよい。
【0019】
筐体1の外壁の出入口11付近には、受付ユニット2が設けられている。受付ユニット2は、撮影装置100による写真撮影の依頼を受け付けるように構成される。一方、筐体1の内部(撮影空間10)において、撮影時に利用者が存在すべき位置の前方には、撮影ユニット3が設けられている。撮影ユニット3は、撮影空間10内の利用者を撮影し、得られた画像の編集を受け付け、編集された画像をプリントするように構成される。各ユニット(2、3)の構成の詳細は後述する。
【0020】
<2.撮影装置のハードウェア構成>
次に、図2及び図3を更に用いて、本実施形態に係る撮影装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係る撮影装置100の撮影ユニット3を例示する。図3は、撮影装置100のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。
【0021】
図3に示すように、本実施形態に係る撮影装置100は、受付ユニット2、撮影ユニット3、制御部5、記憶部6、通信インタフェース7、及びドライブ8が電気的に接続されたコンピュータである。なお、図3では、通信インタフェースを「通信I/F」と記載している。
【0022】
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。記憶部6は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置であり、制御部5で実行されるプログラム61等の各種データを記憶する。
【0023】
プログラム61は、写真撮影の依頼の受け付け、受け付けた依頼に応じた写真撮影、印刷を行うための処理を撮影装置100に実行させるためのプログラムである。この他、記憶部6には、各処理過程で利用される画面データ等が記憶される。詳細は後述する。
【0024】
通信インタフェース7は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、ネットワークを介した有線又は無線通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース7の種類は、撮影装置100の設置場所等に応じて適宜選択されてよい。撮影装置100は、通信インタフェース7を介して、外部サーバ等とデータ通信を行うことができる。
【0025】
ドライブ8は、例えば、CD(Compact Disk)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ等であり、記憶媒体(不図示)に記憶されたプログラムを読み込みための装置である。ドライブ8の種類は、記憶媒体の種類に応じて適宜選択されてよい。プログラム61は、記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0026】
記憶媒体は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、このプログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。この記憶媒体の一例として、例えば、CD、DVD、フラッシュメモリ等を挙げることができる。
【0027】
(受付ユニット)
受付ユニット2は、タッチパネルディスプレイ21、現金処理部22、カードリーダ23、及びスピーカ24を備えている。タッチパネルディスプレイ21は、筐体1の外側において、写真撮影を所望する利用者の目線範囲に入るように受付ユニット2本体のやや上方に配置される。タッチパネルディスプレイ21は、制御部5により制御されて、画面表示及び選択操作の受け付けを適宜行うことで、利用者からの撮影依頼に関する操作を受け付ける。このタッチパネルディスプレイ21の種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、タッチパネルディスプレイ21には、感圧式、赤外線式等のタイプを利用可能である。
【0028】
現金処理部22は、紙幣検証器(Bill Validator)220、現金投入口221及び現金排出口222を備えており、各種センサにより紙幣検証器220又は現金投入口221に対する紙幣又は現金(コイン)の投入を検知する。図1A及び図1Bに示すように、現金投入口221は、タッチパネルディスプレイ21の下方近傍に配置されており、現金排出口222は、現金投入口221よりも下方に配置されている。
【0029】
現金処理部22は、撮影に要する金額以上の現金が投入されたことを検出した場合に、当該検知を表わす起動信号を制御部5に出力する。また、現金処理部22は、撮影のキャンセル及び撮影に要する金額分より多い金額分の現金が投入された際に、該当金額分の現金を現金排出口222に排出する。
【0030】
カードリーダ23は、ICカード、クレジットカード等のカードの情報を読取可能に構成される。このカードリーダ23には、各種カードの情報を読取可能な公知のリーダが用いられてよい。本実施形態では、カードリーダ23は、現金投入口221の近傍に配置されている。カードリーダ23は、電子マネー、クレジットカード等による料金の支払いを受け付け、当該料金の支払いを受け付けた際には、そのことを表わす起動信号を制御部5に出力する。
【0031】
(撮影ユニット)
図1A図1B、及び図3に示すとおり、撮影ユニット3は、タッチパネルディスプレイ31、カメラ32、照明ユニット33、スピーカ34、及びプリンタ35を備えている。タッチパネルディスプレイ31は、本発明の「表示部」の一例であり、カメラ32は、本発明の「撮影部」の一例である。
【0032】
タッチパネルディスプレイ31は、撮影ユニット3本体の前面パネルの中央に配置されており、タッチパネルディスプレイ31の上方には、写真撮影に利用されるカメラ32が配置されている。制御部5は、カメラ32による撮影を制御する。また、制御部5は、タッチパネルディスプレイ31の表示及びタッチパネルディスプレイ31に対する入力を制御する。タッチパネルディスプレイ31及びカメラ32の種類は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0033】
具体的には、カメラ32は、制御部5による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像をRAM又は記憶部6に記憶する。本実施形態では、撮影時に利用者の位置が概ね決まっているため、撮影時の利用者とカメラ32との距離が概ね決まっている。そのため、本実施形態に係るカメラ32の焦点距離は一定である。しかしながら、カメラ32の構成は、このような例に限られなくてもよく、ズームレンズを備えるカメラ32の場合は、カメラ32の焦点距離は、必要に応じて制御部5によって適切になるように制御されてもよい。なお、焦点距離の調整は、ズームレンズの外筒をカメラ32の外部から力を加えて回す機構が必要となる。制御部5は、この機構を制御することによりズームレンズの外筒を回す量を調整する。
【0034】
タッチパネルディスプレイ31には、カメラ32により撮影された画像が表示される。制御部5は、所定のタイミングで、カメラ32により被写体(利用者)の静止画像を撮影する。また、カメラ32は、リアルタイムに画像を取り込んで、当該画像を表わすライブ映像用の画像信号を出力する。カメラ32から出力された画像信号は、制御部5のRAMに一時的に記憶されると共にタッチパネルディスプレイ31に送信される。これにより、タッチパネルディスプレイ31では、カメラ32により撮影された静止画像、当該画像信号に基づくライブ映像が表示される。
【0035】
更に、タッチパネルディスプレイ31には、上記プログラム61に基づいて、撮影の案内を示す案内画面等が表示される。各画面では、選択操作等の操作入力が受け付けられる。制御部5は、各画面に対する操作入力を検知し、検知された操作入力に応じた処理を行う。
【0036】
本実施形態では、タッチパネルディスプレイ31の両側には、各画面に対する操作入力を行うための操作デバイスとして、一対の電子ペン40が配置されている。各電子ペン40は、例えば、デジタイザを構成するペンである。これに応じて、タッチパネルディスプレイ31には、デジタイザを構成する公知のタッチパネルが積層されたディスプレイが用いられてよい。これにより、制御部5は、各電子ペン40を識別した上で、各電子ペン40による入力を検知することができる。
【0037】
なお、各電子ペン40は、ケーブル41を介して、撮影ユニット3本体に連結されている。各ケーブル41の長さは、タッチパネルディスプレイ31の画面に各電子ペン40を接触可能に適宜決定されてよい。利用者は、各電子ペン40を利用することで、タッチパネルディスプレイ31に表示された各画面の操作を行うことができる。
【0038】
照明ユニット33は、上部ストロボボックス331及び下部ストロボボックス332を備えている。図2に示すように、上部ストロボボックス331は、利用者側に向く曲面のカバー有しており、所定の取り付け部材を用いて、正面パネル(不図示)などに固定される。上部ストロボボックス331は内部に蛍光灯およびストロボ発光管を有し、正面上方から、利用者の顔付近にストロボ光を照射する。また、下部ストロボボックス332は、タッチパネルディスプレイ31の下側、写真プリントの取出口36の周囲に配置されている。下部ストロボボックス332の正面は垂直面を形成する板状部材により構成され、上面は急な斜面を形成する板状部材により構成される。板状部材は、乳白色のアクリル板などの透光性を有する板状部材である。下部ストロボボックス332もまた、内部に蛍光灯およびストロボ発光管を有する。また、各ストロボボックス(331、332)の蛍光灯は、制御部5により制御されて、電灯の発光量を調節することで、利用者の撮影処理の段階に応じて撮影空間10内の明るさを調節する。
【0039】
スピーカ34及びプリンタ35は、撮影ユニット3本体に内蔵されている。スピーカ34は、制御部5による制御に従って、写真撮影の案内等の音声出力を行う。また、プリンタ35は、制御部5による制御に従って、撮影された画像又は編集済みの画像をプリントし、プリントした画像を取出口36に排出する。
【0040】
(その他)
なお、撮影装置100の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部5は、複数のプロセッサを含んでもよい。また、撮影装置100は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のPC(Personal Computer)等であってもよい。
【0041】
<3.撮影装置のソフトウェア構成>
次に、図4を用いて、本実施形態に係る撮影装置100のソフトウェア構成の一例を説明する。図4は、本実施形態に係る撮影装置100のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
【0042】
撮影装置100の制御部5は、記憶部6に記憶されたプログラム61をRAMに展開する。そして、制御部5は、RAMに展開されたプログラム61をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これによって、図4に示すように、本実施形態に係る撮影装置100の制御部5等は、ソフトウェアモジュールとして、受付部51、撮影処理部52、及び出力処理部55を備えるように構成される。
【0043】
受付部51は、撮影の依頼に関する操作画面を受付ユニット2のタッチパネルディスプレイ21に表示すると共に、当該タッチパネルディスプレイ21に対するタッチ操作による利用者の入力を受け付けて、その入力に応じた処理を実行する。これにより、受付部51は、利用者からの撮影の依頼、撮影、印刷に関する設定等を受け付ける。
【0044】
撮影処理部52は、撮影の案内を示す案内画面等をタッチパネルディスプレイ31に表示させると共に、カメラ32による撮影処理を実施する。これにより、撮影処理部52は、利用者(被写体)の写る画像を取得する。また、この撮影処理部52の中に、本発明の画像生成部や選択部(判定部)が含まれている。画像生成部は、後述する種々の画像範囲のユーザ取得画像を生成し、選択部は、撮影に適した画像範囲を有するユーザ取得画像を選択する。出力処理部55は、最終的に得られた画像を紙媒体に印刷し、印刷した画像を取出口36から出力する。また、出力処理部55は、生成された画像と共に外部サーバに送信する。
【0045】
撮影装置100の各ソフトウェアモジュールに関しては後述する動作例で詳細に説明する。なお、本実施形態では、撮影装置100の各ソフトウェアモジュールがいずれも汎用のCPUにより実現される例について説明している。しかしながら、以上のソフトウェアモジュールの一部又は全部が、1又は複数の専用のハードウェアプロセッサにより実現されてもよい。また、撮影装置100のソフトウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、機能の省略、置換及び追加が行われてもよい。
【0046】
<4.撮影装置の動作例>
<4−1.撮影依頼の受け付けの処理手順>
次に、図5を用いて、本実施形態に係る撮影装置100による撮影依頼受付の処理手順について説明する。図5は、本実施形態に係る撮影装置100による撮影依頼受付の処理手順の一例を例示する。
【0047】
撮影装置100の制御部5は、受付部51として動作し、図5に示す処理手順に従って、撮影依頼の受付処理を行う。例えば、制御部5は、受付処理を開始するまでの間、受付ユニット2のタッチパネルディスプレイ21に広告等のデモ画面を表示し、タッチパネルディスプレイ21に対してタッチ操作されたことに応じて、以下の受付処理を開始する。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0048】
(ステップS100)
ステップS100では、制御部5は、使用言語の種類を選択させる画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。例えば、制御部5は、日本語、英語、中国語、韓国語等の各言語に対応するボタンをタッチパネルディスプレイ21に表示し、いずれかのボタンを利用者にタッチさせる。これにより、制御部5は、使用言語の選択を受け付ける。記憶部6には、各使用言語に応じた画面データが記憶されており、制御部5は、本ステップ100及び次のステップS102以降の処理において、選択された使用言語に応じた画面を表示するとともに、選択言語に対応する音声をスピーカ24から出力する。使用言語の選択が完了すると、制御部5は、次のステップS102に処理を進める。
【0049】
(ステップS102)
ステップS102では、制御部5は、印刷枚数を選択させる画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。例えば、制御部5は、1枚、2枚等の印刷枚数に対応するボタンをタッチパネルディスプレイ21に表示し、いずれかのボタンを利用者にタッチさせる。これにより、制御部5は、印刷枚数の選択を受け付ける。印刷枚数の選択が完了すると、制御部5は、次のステップS104に処理を進める。
【0050】
(ステップS104)
ステップS104では、制御部5は、ステップS102の選択結果に基づく金額とともに、決済方法を選択させる画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。例えば、制御部5は、クレジットカード、ICカード、現金等の各決済方法に対応するボタンをタッチパネルディスプレイ21に表示し、いずれかのボタンを利用者にタッチさせる。これにより、制御部5は、決済方法の選択を受け付ける。決済方法の選択が完了すると、制御部5は、次のステップS106に処理を進める。
【0051】
(ステップS106)
ステップS106では、制御部5は、ステップS104で選択された決済方法に対応する決済画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。これにより、制御部5は、ステップS104で選択された決済方法による決済を受け付ける。
【0052】
現金での決済を選択した場合、利用者は、決済画面に指定された料金を現金投入口221に投入する。指定の料金(ステップS104の選択結果に基づく料金)分の現金又はそれ以上の現金が投入されると、現金処理部22は、上記起動信号を制御部5に出力する。他方、クレジットカード又はICカードでの決済を選択した場合、利用者は、対応するカードをカードリーダ23に読み込ませる。対応するカードを読み取ると、カードリーダ23は、上記起動信号を制御部5に出力する。制御部5は、これらの起動信号を受信した後、次のステップS108に処理を進める。
【0053】
(ステップS108)
ステップS108では、制御部5は、印刷するシールのデザインのテンプレート画像を選択させる画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。各デザインは、記憶部6に記憶されていてもよいし、ネットワークを介してNAS(Network Attached Storage)等の他の情報処理装置からダウンロードされてもよい。各デザインは、撮影された複数の画像が配置されるレイアウトが相違したり、シールに描かれている色、イラストなどが相違する。
【0054】
制御部5は、例えば、各デザインのサムネイルをタッチパネルディスプレイ21に表示し、いずれかのサムネイルを利用者にタッチさせる。これにより、制御部5は、印刷するシールのデザインの選択を受け付ける。デザインの選択が完了すると、制御部5は、次のステップS110に処理を進める。
【0055】
(ステップS110)
ステップS110では、制御部5は、撮影された画像に合成される背景や前景のデザインを選択させる画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。各デザインは、記憶部6に記憶されていてもよいし、ネットワークを介してNAS(Network Attached Storage)等の他の情報処理装置からダウンロードされてもよい。各デザインは、クロマキー合成処理により被写体に係る画像の背景及び前景の少なくとも一方が含まれている。以下では、これを合成用画像と称することとする。
【0056】
制御部5は、例えば、各合成用画像のサムネイルをタッチパネルディスプレイ21に表示し、いずれかのサムネイルを利用者にタッチさせる。これにより、制御部5は、合成用画像の選択を受け付ける。合成用画像の選択が完了すると、制御部5は、次のステップS112に処理を進める。
【0057】
(ステップS112及びS114)
ステップS112では、制御部5は、撮影ユニット3が利用可能となるまでの間、撮影ユニット3による撮影の案内、広告等のデモ画面をタッチパネルディスプレイ21に表示する。
【0058】
本動作例に係る受付処理により撮影の依頼を行っている対象の利用者よりも前に、撮影装置100を利用する利用者が存在する場合、対象の利用者が本ステップS112に到達した時点で、前の利用者が未だ撮影ユニット3による撮影処理を行っている可能性がある。制御部5は、この前の利用者が撮影ユニット3を占有している間、対象の利用者を筐体1の外側で待機させるために、本ステップS112によりデモ画面を表示する。なお、前の利用者が存在せず、又は前の利用者の撮影が完了しており、撮影ユニット3が直ちに利用可能な場合には、制御部5は、本ステップS112の処理を省略してもよい。
【0059】
次のステップS114では、制御部5は、撮影空間10への移動案内をタッチパネルディスプレイ21に表示し、撮影の依頼を行っていた利用者に対して撮影空間10内に移動するように促す。これにより、制御部5は、本動作例に係る受付処理を終了する。
【0060】
なお、各ステップで表示される画面には、一つ前のステップに戻ったり、最初のステップS100に戻ったりするためのボタンが設けられてもよい。これにより、利用者は、受付処理を所望のステップに戻したり、撮影の依頼をキャンセルしたりすることができる。
【0061】
<4−2.撮影の処理手順>
次に、図6を用いて、本実施形態に係る撮影装置100による撮影の処理手順について説明する。図6は、本実施形態に係る撮影装置100による撮影の処理手順の一例を例示する。
【0062】
撮影装置100の制御部5は、上記受付処理が完了したことに応じて、撮影処理部52として動作し、図6に示す撮影処理を開始する。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0063】
(ステップS200)
ステップS200では、制御部5は、撮影を開始するための画面をタッチパネルディスプレイ31に表示する。例えば、制御部5は、撮影プレイの開始を利用者に容認させるためのスタートボタンを含む画面をタッチパネルディスプレイ31に表示し、利用者に対して、一対の電子ペン40のいずれかにより当該スタートボタンをタッチさせる。これにより、制御部5は、撮影の開始を受け付けて、次のステップS202に処理を進める。なお、以下の処理では特に断りのない限り、いずれかの電子ペン40により、タッチパネルディスプレイ31をタッチすることで、撮影処理を進めることとする。したがって、以下では、「タッチ」との文言は、電子ペン40によるタッチを意味する。
【0064】
(ステップS202)
ステップS202において、制御部5は、全身撮影を行うことの案内をタッチパネルディスプレイ31に表示した後、撮影を行う。例えば、カメラ32で全身の撮影を行うと、図7に示すような撮影画像(原画像)が生成される。しかしながら、撮影画像の周縁部は光学的に歪みが生じるおそれがあるため、周縁部を切り取り、ユーザが取得する画像の画像範囲を決定する。以下、この画像範囲に基づいて、ユーザが取得する画像を「ユーザ取得画像」と称することとする。例えば、図7の例では、点線がユーザ取得画像の輪郭となる。
【0065】
そして、図8に示すように、ライブ映像が表示された画面がタッチパネルディスプレイ31に表示される。このライブ画像は、ユーザ取得画像をクロマキー処理して抽出された被写体画像(あるいは撮影画像をクロマキー処理した後、ユーザ取得画像と対応するように周縁部を切り取った画像でもよい)と、ステップS110で選択された合成用画像とが合成された画像であり、以下、ユーザ取得合成画像と称することとする。ユーザは、ライブ映像を見ながら、適宜ポーズを取る。そして、カウントダウン72が行われた後、カメラ32により全身撮影が行われる。すなわち、ユーザ取得合成画像としての静止画が生成される。生成される静止画は、ライブ映像の表示範囲と同一の範囲の画像としてもよいし、当該ライブ映像の表示範囲に近似する範囲の画像としてもよい。ここでは、カウントダウンとともに、2回の撮影が行われる。生成された全身撮影に係る2枚のユーザ取得合成画像は、制御部5により、記憶部6に記憶される。なお、撮影回数は特には限定されず、2回以外でもよい。この点は、後述するアップ撮影でも同じである。
【0066】
こうして全身撮影が行われると、これに続いて、顔付近が大きく写るように撮影を行うアップ撮影が行われるのであるが、本実施形態においては、アップ撮影におけるユーザ取得画像の画像範囲の初期設定を、全身撮影で取得された撮影画像(または、ユーザ取得画像)を用いて行う。以下、この設定方法について説明する。
【0067】
本実施形態では、アップ撮影でのユーザ取得画像用に、3種類の画像範囲、つまり第1〜第3範囲の設定がなされている。図9に示すように、第1範囲は、大人を対象とした矩形状の画像範囲であり、撮影画像の上部に配置される。すなわち、この画像範囲には、主
として、大人の顔が含まれるように設定されている。第2範囲は、例えば、子供も含めるように設定された矩形状の画像範囲であり、身長が低い者も含むことができるように、第1範囲と大きさおよび縦横比は同じであるが、第1範囲よりも下側に配置されている。第3範囲は、子供と大人を含む多人数を含むことができるようにした画像範囲である。第3範囲の上下方向の位置は、上辺が第1範囲の上辺とほぼ一致し、下辺が第2範囲の下辺とほぼ一致する。第3範囲の縦横比は、第1範囲及び第2範囲の縦横比と同じとなっている。そのため、第3範囲の大きさは、第1範囲及び第2範囲の大きさよりも広くなっている。このような第1〜第3範囲により生成される画像が、本発明の撮影範囲候補画像に相当する。また、第1〜第3範囲により生成される画像のうちの、いずれか2つが、本発明の第1被写体画像及び第2被写体画像に相当する。
【0068】
以上の3つの画像範囲は、次に説明するアップ撮影時にユーザが選択可能ではあるが、制御部5は、初期候補として、いずれかの画像範囲を予め設定しておく。この初期候補の決定方法は以下の通りである。
【0069】
まず、制御部5は、撮影画像から公知の顔認識技術で、撮影画像に含まれる被写体の顔を検出する。例えば、図9に示す全身撮影の撮影画像から、被写体の顔が認識されたとき、以下の基準で、初期候補の設定を行う。ここでの撮影画像とは、2回の全身撮影で取得された2枚の撮影画像及び2枚のユーザ取得画像のいずれか1枚の画像のことを指す。
(1) 認識された被写体画像の数が所定値N未満であり、認識された被写体の顔が、撮影画像内で基準線Lよりも上にしか存在しない場合には、第1範囲を初期候補とする。
(2) 認識された被写体画像の数が所定値N未満であり、認識された被写体の顔のうちの一つでも、撮影画像内で基準線Lよりも下に存在する場合には、第2範囲を初期候補とする。
(3) 認識された被写体の顔の数が、所定値N以上であれば、被写体の顔の位置にかかわらず、第3範囲を初期候補とする。
【0070】
基準線Lは、種々の設定が可能であるが、例えば、撮影ブースの所定位置に立った場合の身長が135cmの人物(子供)を基準としたものとすることができる。すなわち、基準線Lよりも下に被写体の顔がある場合には、身長が135cm以下の人物が含まれていると判断することができる。第3範囲に係る被写体の顔の数は、例えば、N=5とすることができる。すなわち、5人以上の顔が検出された場合には、第3範囲を初期候補に設定することができる。そして、被写体の顔の数Nが5未満である場合には、上記(1)(2)の基準が優先される。なお、被写体の顔の数Nが0の場合は、一般的な範囲である第1範囲を初期候補とすることができる。
【0071】
なお、初期候補として第3範囲を採用しない場合は、以下の基準で、初期候補の設定を行う。
(4) 認識された被写体の顔が、撮影画像内で基準線Lよりも上にしか存在しない場合、あるいは、顔の検出が失敗した場合には、第1範囲を初期候補とする。
(5) 認識された被写体の顔のうちの一つでも、撮影画像内で基準線Lよりも下に存在する場合には、第2範囲を初期候補とする。
【0072】
こうして、制御部5は、撮影画像から、アップ撮影におけるユーザ取得画像用の画像範囲の初期候補を決定し、記憶部6に記憶する。例えば、上記図9の例では、第2範囲が初期候補として設定され、次に説明するアップ撮影時の画像範囲となる。この処理は、上述したアップ撮影に係る処理と並行して行われる。なお、初期候補の決定を、1回目の全身撮影で取得された画像を用いて行う場合は、1回目の全身撮影で静止画像が取得された後に行うことができる。2回目の全身撮影で取得された画像を用いて行う場合は、2回目の全身撮影で静止画像が取得された後に行うことができる。1回目の全身撮影で得られた画像と、2回目の全身撮影で得られた画像のうち条件が良い方の画像(例えば、顔検出の成功率が高い方の画像)を用いて行う場合は、2回目の全身撮影で静止画像が取得された後に行うことができる。
【0073】
(ステップS204及びS206)
次に、制御部5は、アップ撮影の処理を行う。すなわち、アップ撮影を行うことの案内をタッチパネルディスプレイ31に表示した後、画像範囲の設定を行う。すなわち、図10に示すように、アップ撮影の撮影画像(原画像)において、上述したように第2範囲が設定される。そして、第2範囲の画像が切り取られ、図11に示すような画面が、タッチパネルディスプレイ31に表示される。なお、図11に示す画面で示される画像は、上述した全身撮影時と同じく、ユーザ取得合成画像である。
【0074】
図11に示す画面には、ユーザ取得合成画像に対応するライブ映像78と、このライブ映像78が表示される領域の下方に第1〜第3範囲を選択するための3つの選択表示75と、が表示されている。3つの選択表示75は、第1〜第3範囲に対応する表示であり、第1範囲、第2範囲、及び第3範囲を、それぞれ示す表示として「立って撮影する」、「しゃがんで撮影する」、「グループで撮影する」と表示されている。
【0075】
そして、図11に示す画面に遷移したときには、これら3つの画像範囲のうち、ステップ202で決定された初期候補に対応するユーザ取得合成画像(初期候補画像)がライブ映像78として表示され、それに対応する選択表示75が強調されて表示される。強調とは、例えば、選択された選択表示の色やデザインを変えたり、枠を表示させるなどがある。図11の例では、初期候補として、第2範囲(しゃがんで撮影する)に対応するユーザ取得合成画像が表示されている。なお、図10の画面に先立って、3つの画像範囲を説明する画面を表示することもできる。
【0076】
そして、ユーザがいずれかの選択表示75をタッチすると、タッチされた選択表示75に対応するユーザ取得画像が、ライブ映像78として切り替え表示される。そして、選択を確定する場合には、OKボタン71をタッチする。したがって、OKボタン71がタッチされるまでは、いずれの画像範囲も選択することができる。また、所定時間内にOKボタン71がタッチされない場合には、その時点で選択されている画像範囲が、アップ撮影用の画像範囲として設定される。
【0077】
こうして、アップ撮影用のユーザ取得合成画像の範囲が決定されると、図12に示すように、選択された範囲に対応するライブ映像が表示された画面がタッチパネルディスプレイ31に表示される。そして、カウントダウン72が行われた後、カメラ32によりアップ撮影が行われる。すなわち、ユーザ取得合成画像としての静止画が生成される。なお、ここで生成する静止画像よりもライブ映像を低画質の画像とすることも可能であり、ライブ映像の表示に関する処理速度を向上させることができる。生成される静止画は、図12の画面にて表示されたライブ映像の表示範囲と同一の範囲の画像としてもよいし、当該ライブ映像の表示範囲に近似する範囲の画像としてもよい。ここでは、カウントダウンとともに、2回の撮影が行われる。生成されたアップ撮影に係る2枚のユーザ取得合成画像は、制御部5により、記憶部6に記憶される。
【0078】
(ステップS208及びS210)
続いて、制御部5は、印刷されるシートの中で大きくする画像の選択を、ユーザに行わせる。すなわち、タッチパネルディスプレイ31には、図13に示すように、既に撮影した既に撮影したすべてのユーザ取得合成画像が表示され、この中から、シールの中で大きくする画像を選択する。そして、ユーザがいずれかの画像をタッチすると、タッチされた画像に選択枠79が表示される。そして、選択を確定する場合には、OKボタン71をタッチする。したがって、OKボタン71がタッチされるまでは、いずれの画像も選択することができる。これに続いて、制御部5は、ステップS108で選択されたテンプレート画像上に各ユーザ取得合成画像を配置してシート画像を生成する。テンプレート画像上のユーザ取得合成画像の配置位置は、ステップS212での選択結果に応じて決定される。次に、制御部5は、出力処理部55として動作し、プリンタ35を利用して決定されたシート画像を印刷シートに印刷する印刷処理を開始する。
【0079】
(ステップS212及びS214)
続いて、制御部5は、印刷処理と並行してボーナス撮影の処理を行う。ステップS102の選択結果によって、印刷処理が完了するまでに必要な時間が異なる。1枚のシート画像を印刷するのに約90秒、2枚では約180秒の時間が必要となる。この時間を利用して、ボーナス撮影が行われる。ボーナス撮影の内容としては、上述のアップ撮影や全身撮影で取得可能な静止画や動画撮影等どのような撮影でもよい。
【0080】
制御部5は、n(nは1以上の整数)回目のボーナス撮影が終了したことを検知すると、印刷処理の残り時間が所定時間以上か否かを判定する(ステップS214)。所定時間以上の場合は(ステップS214のYES)、n+1回目のボーナス撮影を行う(ステップS212)。所定時間未満の場合は(ステップS214のNO)、n+1回目のボーナス撮影は行わない。なお、ボーナス撮影が行われているときには、シート画像の印刷は既に始まっているため、ボーナス撮影で生成された画像は印刷されず、後述するようにサーバにアップロードして事後的にユーザが取得できるようにする。
【0081】
(ステップS216)
制御部5は、ステップS210で開始した印刷処理が完了したことに応じて、プリント処理が完了したことを示す案内をタッチパネルディスプレイ31に表示する。そして、制御部5は、シールを取出口36から排出する。ところで、シートを取出口36から取り忘れてしまう利用者がしばしば存在する。これを防止するための方法について以下に説明する。取出口36には、蓋が設けられているものと、蓋が設けられておらず、単に開口しているものがある。まずは、蓋が設けられているものについて説明する。この態様においては、蓋の開閉を検出する検出センサを設ける。そして、制御部5は、印刷処理完了後の所定時間内に蓋が開けられたか否かを検出する。蓋が開けられていない場合は、タッチパネルディスプレイ31およびスピーカ34を用いて、シートが排出されていることをユーザに通知するための画面表示および音声出力を行う。
【0082】
次のような方法でも同様の効果を得ることができる。まず、制御部5は、印刷終了後に、ディスプレイ31およびスピーカ34を用いて、シートが排出されていることをユーザに通知するための画面表示および音声出力を行う。続いて、取出口36の蓋の開閉を検出する。蓋が開いていることを検知すると、画面表示および音声出力を停止する。
【0083】
一方、蓋が設けられていないものの場合は、蓋の開閉を検知する代わりに、取出口36に手が入れられたか否かを検出するセンサを設け、それにより上記処理を行うようにしてもよい。
【0084】
このとき、制御部5は、ステップS102で選択された枚数分のシールを印刷する。各画像を印刷したシールを取出口36から排出した後、制御部5は、利用者に対して、シールを取り出し、撮影空間10の外へ出るように促す案内をタッチパネルディスプレイ31に表示する。利用者は、当該案内に従って、プリントされたシールを取出口36から取り出し、撮影空間10から退出する。これにより、制御部5は、本動作例に係る撮影処理を
終了する。
【0085】
<5.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、アップ撮影において、ユーザの好みの画像範囲を設定することができる。例えば、被写体に子供が含まれる場合には、画像範囲を下方にずらしたユーザ取得画像を選択することができ、被写体が多人数である場合には、横方向に広いユーザ取得画像を選択することで、すべての被写体を含めることができる。したがって、ユーザの人数、身長等に合わせた画像を生成することができる。
【0086】
また、ユーザ取得画像の画像範囲は、アップ撮影前に初期候補があらかじめ設定されている。この初期候補は、撮影画像から検出された被写体の顔の位置、顔の数から、撮影に最も適したものと制御部が判断したものである。したがって、例えば、アップ撮影時に、画像範囲の選択をユーザが忘れた場合であっても、適切な画像範囲によりアップ撮影を行うことができる。
【0087】
<6.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0088】
<6.1>
上記実施形態で示したユーザ取得画像の画像範囲は、一例であり、種々の大きさ、形状に設定することができる。また、画像範囲の候補として、2または4以上準備することもできる。さらに、上記実施形態では、アップ撮影時に画像範囲の選択が可能であったが、全身撮影時に同様の画像範囲の選択を行うようにすることもできる。
【0089】
<6.2>
また、上記実施形態のように、ユーザ取得画像の画像範囲を予め設定しておくほか、ユーザが設定できるようにすることもできる。例えば、アップ撮影において、ユーザ取得画像の画像範囲を設定する場合、図14に示すように、撮影画像の中にユーザ取得画像の基準画像範囲を設定しておく。そして、この基準画像範囲に基づいて、図15に示す画面において、ユーザが、ユーザ取得画像の画像範囲を設定できるようにする。すなわち、図14の上ボタン73、または下ボタン74をタッチすると、図14の撮影画像の中で基準画像範囲が上下に移動し、この範囲内のライブ映像が図15の画面に表示されるようになっている。一方、ズームアップボタン75、またはズームアウトボタン76をタッチすると、基準画像範囲が、図14に示す中心点を基準に拡大または縮小し、その範囲内のライブ映像77が図15の画面に表示されるようになっている。このとき、ズームアップ等のボタン73〜76をタッチしても、ライブ映像77の表示サイズは変更されない。なお、図14及び図15では、アップ撮影時の例を示したが、全身撮影に適用することもできる。また、中心点の位置は特には限定されず、適宜変更することができる。
【0090】
<6.3>
画像範囲の選択の初期候補の設定は、全身撮影時に撮影画像を用いて行っているが、このような全身が写った撮影画像を用いることができるのであれば、初期候補の決定は、画像範囲の選択を行う前であれば、いつでも行うことができる。例えば、アップ撮影を先に行い、全身撮影をその後に行うように設定した場合、アップ撮影前に全身が映った撮影画像を取得し、初期候補を決定することができる。本実施形態に係る撮影装置では、全身撮影もアップ撮影も、カメラの撮影条件(焦点距離、画角など)を変えずに撮影を行っているため、いずれの撮影から取得されるユーザ取得画像も、全身が写った撮影画像からトリミングを行って生成される。したがって、上記のようにアップ撮影を先に行う場合でも、初期候補の設定は可能である。
【0091】
しかしながら、全身撮影とアップ撮影でカメラの撮影条件が変る場合には、アップ撮影時に全身が写った撮影画像を取得することができない。したがって、この場合には、全身撮影を先に行って、その際に、全身が写った撮影画像から初期候補を決定する。あるいは、アップ撮影前に、初期候補を決定するための全身の撮影を別途行うこともでき、こうして取得した全身の画像から初期候補を決定することもできる。
【0092】
<6.4>
画像範囲の初期候補を決定するための条件は適宜設定することができる。上記実施形態では全身が写る撮影画像から、被写体の顔の位置、被写体の顔の数を本発明に係る被写体情報とし、これに基づいて、初期候補を決定しているが、被写体情報は、これ以外でもよい。例えば、被写体の人種から概ねの身長を特定し、画像範囲を決定してもよい。
【0093】
また、ライブ映像から初期候補を決定することもできる。この場合、撮影を行う前のライブ映像から初期候補を決定することができる。例えば、4回の撮影が行われる場合、4回、初期候補をユーザの状態(被写体の顔の位置や顔の数等)に応じて自動的に変更することができる。
【0094】
また、上記実施形態では、初期候補が決定された後に、図11に示すように、ユーザが任意に画像範囲を決定することができるが、この処理を省略することもできるすなわち、装置が決定した初期候補の画像範囲によりアップ撮影に係るユーザ取得画像(及びユーザ取得合成画像)を生成することもできる。
【0095】
<6.5>
画像範囲を、合成用画像に基づいて決定することもできる。この点について、説明する。合成用画像は、被写体画像の前景及び背景の少なくとも一方を有するものであるが、例えば、図16(a)は被写体画像の背景を有する合成用画像を示している。一方、図16(b)は、被写体画像の前景を有する合成用画像を示している。すなわち、この合成用画像は、画像範囲の下辺に沿った波形のデザインを有している。しかしながら、この前景画像を合成用画像とした場合、被写体画像の位置によっては、図17(a)に示すように、被写体画像の一部が前景画像によって隠れてしまうおそれがある。特に身長の低い子供の場合は、この問題が生じる可能性がある。そこで、前景画像が含まれる合成用画像を選択した場合には、前景画像の位置によって、画像範囲を変更するように設定することができる。
【0096】
すなわち、上記実施形態では、アップ撮影時に3つの画像範囲を準備しているが、選択された合成用画像によって、予め決められている画像範囲を変更することができる。図17(a)は、一例として、第2範囲によるユーザ取得画像と合成用画像とを合成した画像を示しているが、例えば、図16(b)の合成用画像が選択された場合には、予め設定された第2範囲を、下方にずらすことができる。これにより、図17(b)に示すように、前景画像により被写体の一部が隠れるのを防止することができる。
【0097】
このように、第1〜第3範囲は、例えば、図9に示すような予め設定されている初期範囲以外に、選択された合成用画像に対応するように初期範囲からずらした調整画像範囲を準備することができる。なお、ずらす方向は上記のように、下方のみならず、上方、左右など、合成用画像に合わせて適宜設定することができる。例えば、合成用画像の上辺付近に前景が含まれる場合は、第2範囲を上方にずらし、合成用画像の右辺付近に前景が含まれる場合は、第2範囲を右方にずらす。ずらす量は、合成用画像を構成する該当の前景の縦幅あるいは横幅に応じて変更することもできる。上下にずらす場合は、前景の縦幅に応じてずらす量を決定し、左右にずらす場合は、前景の横幅に応じてずらす量を決定する。前景の横幅あるいは縦幅が長いほどずらす量を多くすることが好ましい。また、調整画像範囲は、単に初期範囲からずらしたものではなく、画像範囲の大きさや形状を合成用画像(前景および/または背景)に応じて変更してもよい。
【0098】
また、第1〜第3範囲のすべての画像範囲に対して、調整画像範囲を準備する必要はなく、例えば、調整が必要となる可能性が高い(身長の低い子供が写る可能性のある)第2範囲及び第3範囲のみ、調整画像範囲を準備しておくこともできる。また、図14に示すように、調整画像範囲をさらに調整することもできる。
【0099】
<6.6>
上記実施形態では、ユーザ取得画像の画像範囲を選択させる画面(図11)において、ライブ映像を表示しているが、静止画を表示し、ここから画像範囲を選択させることもできる。静止画は、同じタイミングで画角の異なる複数の静止画像とすることもできるし、異なるタイミングで画角の異なる複数の静止画像とすることもできる。前者の場合は、一回の撮影で取得される原画から複数の異なる範囲の画像を抽出して複数の静止画像を得る。後者の場合は、複数回異なるトリミング範囲の撮影を行い複数の静止画像を得る。その後、撮影画面(図12)においては、選択した画像範囲に対応するライブ映像を表示した
上で、撮影を行うこともできる。
【0100】
<6.7>
上記実施形態では、電子ペンにより、タッチパネルディスプレイ31をタッチすることで、入力を行っているが、指でタッチすることで入力を行ってよく、あるいは物理的なボタン等の入力部を設けて入力を行うこともできる。また、入力は、音声により行うこともできる。すなわち、ユーザが、操作指示を声を発することで行い、これを受信することで、制御部5が操作を行うこともできる。
【0101】
<6.8>
上記実施形態では、撮影画像からユーザ取得画像のトリミングを行い、トリミング後の画像を選択画面(図11)に表示しているが、ユーザ取得画像の表示の態様はこれに限定されない。例えば、上記のようなトリミングを行うことなく、撮影画像の周囲をマスクし、ユーザ取得画像のみが表示されるように、撮影画像自体(またはその一部)を選択画面に表示することもできる。要するに、ユーザ取得画像で規定される画像範囲が画面に表示されればよい。なお、選択対象となるライブ映像としてユーザに見えている複数の画像の大きさは、すべて同じまたは略同一とすることができる。
【0102】
<6.9>
また、撮影画像から、トリミングやマスクによりユーザ取得画像を生成する以外に、例えば、物理的なカメラの向きの変更、あるいは光学的なズームアップ及びズームアウトにより、ユーザ取得画像の画像範囲を決めてもよい。すなわち、カメラによる撮影画像をユーザ取得画像とすることもできる。さらには、カメラの向きの変更、ズームアップ及びズームアウトと、トリミング及びマスクと、を混在してユーザ取得画像の画像範囲を設定することもできる。
【0103】
<6.10>
上記実施形態では、全身撮影とアップ撮影の2種類を行っているが、アップ撮影だけでもよい。
【0104】
<6.11>
上記実施形態に係る撮影装置では、出力処理部55が、シートの印刷を行うことで、ユーザ取得画像の出力を行っているが、シートや、ユーザ取得画像のデータを出力することもできる。この場合、電子データは、ユーザの携帯端末に直接送信したり、あるいは外部サーバに送信後、当該サーバからユーザがインターネットを介して取得することもできる。
【0105】
<6.12>
上記実施形態に係る撮影装置においては、画像の編集を行うこともできる。すなわち、ユーザ取得画像やシートに対して、画像の編集作業を行うことができるようにしてもよい。
【0106】
<6.13>
合成用画像が選択されなかった場合には、装置が自動で合成用画像を選択し、これを被写体画像に合成したユーザ取得合成画像を生成することもできる。
【0107】
<6.14>
上記実施形態では、ユーザ取得画像と合成用画像とを合成したユーザ取得合成画像をライブ映像または静止画として画面に表示しているが、合成用画像との合成前のユーザ取得画像を画面に表示することもできる。また、上記実施形態では、例えば、図11に示すように、複数の撮影範囲候補画像のうちの一つだけをライブ映像または静止画として画面に表示しているが、すべての撮影範囲候補画像を画面に表示して、その中から一つを選択させるようにしてもよい。
【0108】
<6.15>
上記実施形態では、初期候補に加え、他の画像範囲に係る画像も生成しているが、初期候補だけを生成することもできる。例えば、制御部が、第1〜第3範囲の中で、第2範囲が被写体に適した範囲であると制御部5が判断した場合、撮影画像(原画像)から抽出された第2範囲の画像に基づいてライブ映像または静止画(ユーザ取得合成画像)が生成される。このとき、第1範囲及び第3範囲に係るライブ映像または静止画は生成されない。
【符号の説明】
【0109】
31…タッチパネルディスプレイ(入力部、表示部)
32…カメラ(撮影部)、
40…電子ペン(入力部)、
5…制御部、
61…プログラム
【要約】
【課題】生成される画像の範囲をユーザに合わせることができる、撮影装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る第1の撮影装置は、被写体を撮影する撮影部と、表示部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記撮影部で取得された原画像から、画像範囲の異なる複数の撮影範囲候補画像を生成する画像生成部と、前記原画像から被写体に関する被写体情報を算出し、当該被写体情報に基づいて前記複数の撮影範囲候補画像の中から、一の撮影範囲候補画像を、初期候補画像として選択する選択部と、を備えている。
【選択図】図9
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17