特許第6493613号(P6493613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6493613
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】手指自動洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/00 20060101AFI20190325BHJP
【FI】
   A47K7/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-178223(P2018-178223)
(22)【出願日】2018年9月25日
【審査請求日】2018年10月11日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518189563
【氏名又は名称】有限会社クラウン商会
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】徐 民
(72)【発明者】
【氏名】徐 光宏
【審査官】 大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−137150(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/058374(WO,A1)
【文献】 実開昭60−104473(JP,U)
【文献】 特開2001−258944(JP,A)
【文献】 特開2007−115029(JP,A)
【文献】 実開平04−120687(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/00
E03C 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手指の表面を自動で洗浄するための洗浄装置であって、
上部に第1の開口を備え、かつ第1の中空部を備えるボウル状の排ミスト回収部と、
この排ミスト回収部の前記第1の中空部上に配され、洗浄対象である前記手指の上面側に洗浄液を噴霧する噴霧構造を備えている第1の洗浄液噴霧部と、
前記第1の開口の鉛直上方側でかつその周縁側に配され、洗浄対象である前記手指の周縁側に前記洗浄液を噴霧する前記噴霧構造を備えている第2の洗浄液噴霧部と、
前記排ミスト回収部の排出口の下流側に配されている吸引部と、
前記吸引部の下流側に配されて、前記排ミスト回収部から排出された流体から液体を分離するフィルタと、
このフィルタを通過した気体を除湿する除湿部と、
この除湿部から排出された除湿気体を前記排ミスト回収部の前記第1の開口側に導いて導出させる循環路と、を備えていることを特徴とする手指自動洗浄装置。
【請求項2】
前記手指自動洗浄装置はさらに、前記第1の開口側に導出された前記除湿気体を、前記排ミスト回収部の内側面上を前記排出口に向かって流動させる風向調整部を備えていることを特徴とする請求項に記載の手指自動洗浄装置。
【請求項3】
前記手指自動洗浄装置はさらに、使用者の顔を撮像する撮像部と、
前記撮像部において撮像された画像に基づいて前記使用者を特定する画像認証部と、
この画像認証部において特定された使用者情報に関連付けて予め登録されている前記第1の開口の鉛直方向高さデータに基づいて前記第1の開口及びそれに付随する設備の鉛直方向高さを変更する高さ調整部と、を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の手指自動洗浄装置。
【請求項4】
前記手指自動洗浄装置はさらに、洗浄水に洗剤を供給する洗剤供給部と、
前記洗浄水に前記洗剤を溶解させて前記洗浄液を調整する洗浄液調整部と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の手指自動洗浄装置。
【請求項5】
前記噴霧構造は、洗浄水を供給する洗浄水供給部と、前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、圧縮空気を供給する圧縮空気供給部と、を備え、
前記洗浄水と前記圧縮空気とからなる第1の混合霧体、前記洗浄液と前記圧縮空気とからなる第2の混合霧体、及び、前記圧縮空気、から選択されるいずれかを前記噴霧構造から噴射することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の手指自動洗浄装置。
【請求項6】
前記第1の開口は、アームレストを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の手指自動洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手が不自由な人の手指を自動で洗浄することができる手指自動洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手指は複雑な立体構造を有しており、健常者であってもきれいに洗浄することが難しい。このため、病気やケガ等により手指を自由に動かすことができない人の手指をきれいに洗浄することは一層困難であった。
このような事情に鑑み、手指を自由に動かすことができない人の手指をきれいに洗浄することができる手指の自動洗浄装置が必要とされていた。
本発明と関連する技術分野の先行技術としては以下に示すようなものが知られている。
【0003】
特許文献1には「個人認証つき手指洗浄システム」という名称で、生体情報の照合による個人を認証する機能を有する個人認証つき手指洗浄システムに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される個人認証つき手指洗浄システムは、任意の個人の生体情報を取得する機能を有する生体情報取得手段と、液噴射手段と上記液噴射手段に設けられた液噴射口から噴射される液の噴射方向近傍に手指が差し込まれたときに手指を検知するセンサを有する洗浄器と、上記生体情報取得手段で取得される上記個人の上記生体情報が上記個人に対応する上記ID番号に関連付けされた複数の認証比較情報と上記洗浄器の洗浄条件とが登録される事前情報記録手段、カウンタ、上記生体情報取得手段で上記任意の個人の生体情報が取得されたときに、複数の上記認証比較情報と照合することによって上記個人を認証し、上記センサによる手指の検知に連動して上記液噴射口からの液の噴射を制御すると同時に上記カウンタを制御し、上記カウンタからの情報を監視して上記洗浄条件に基づいて手指洗浄の遂行がなされたかを判断する制御手段および上記制御手段による手指洗浄の遂行がなされたかの判断の結果が、認証された上記個人に対応する上記ID番号に関連付けされて書き込まれる履歴記録手段、を有する制御装置本体部と、を備えてなるものである。
上記構成の特許文献1に開示される発明によれば、制御手段は、予め事前情報記録手段(第1のメモリ)に登録された複数の認証比較情報と生体情報取得手段で取得される任意の個人の生体情報とを照合し、合致する生体情報を検知することによって個人を認証することができる。また、制御手段は、カウンタ、センサの情報を監視することによって、認証された個人が洗浄器の洗浄条件に対して手指洗浄を完全に遂行したか否かの判断を行うことができるので、手指洗浄が完全に遂行されたのか不完全であったのかの履歴データを認証された個人のID番号に関連付けさせて、履歴記録手段(第2のメモリ)に保存させることができる。また、必要に応じて手指洗浄の遂行履歴データの確認を行うことができるという効果を有する。
【0004】
特許文献2には「手洗乾燥機」という名称で、手洗乾燥機、詳しくは人体を感知すると石けん液と水を吐出し、その後温風を送風する装置に関する。
特許文献2に開示される手洗乾燥機は、人体を感知して石けん液と水を吐出し温風を吹き出す手洗乾燥機において、石けん液を吐出する前に予備洗浄を設けたことを特徴とするものである。
上記構成の特許文献2に開示される発明によれば、石けん液の吐出前に水を吐出して手を濡らすことにより石けん液を付き易くし、石けん液の吐出後再度水を吐出して本洗浄するので、従来のもののように石けん液が手に付かず多量の石けん液が必要になるという無駄がなく、少量の石けん液でも確実に洗浄出来て石けん液の消費量を軽減することができるという効果を有する。
【0005】
特許文献3には「手洗浄乾燥装置」という名称で、洗剤及び水による前洗浄、電解機能水による手洗いと、その後の手指乾燥が自動的に行える手洗浄乾燥装置に関する。
特許文献3に開示される発明は、手を挿入することにより、電解機能水による手洗いとその後の手の乾燥を自動で行う手洗浄乾燥装置であって、上部が開口され底部に排水のための排水口を有する容器と、手の存在で洗浄動作を開始させる始動センサと、該始動センサの感応により、水を開通させる第1の弁と、該第1の弁で開通された水を電気分解して殺菌性能を有する電解機能水を生成する電解生成手段と、該電解生成手段で生成された電解機能水を吐出口において所定角度で吐出させる吐出手段と、該吐出手段による前記電解機能水の吐出量が所定吐出量値を超えたか否か又は該電解機能水の吐出時間が一定時間を経過したか否かを判断する電解機能水吐出時間等判断手段と、該電解機能水吐出時間等判断手段による判断で前記所定吐出量値を超えたか又は前記一定時間を経過したと判断されたとき、前記電解機能水の吐出を停止させる吐出停止手段と、前記容器の開口回りの所定位置に取り付けられた手感知センサと、該手感知センサで手の存在を感知しており、かつ前記吐出停止手段による前記電解機能水の吐出が停止された後に起動され、風を供給する送風手段と、該送風手段より供給された空気を所定角度で吐出させるため、前記容器の開口回りの所定位置に配設された送風口と、前記手感知センサで手を感知しなくなったとき前記送風手段を停止させる送風停止手段とを備えるものである。
上記構成の特許文献3に開示される発明によれば、電解機能水による手洗いと、その後の手の乾燥を自動で行うことが可能になる。また、特許文献3に開示される発明によれば、一貫した手洗いにより途中の細菌汚染を防ぐことが出来る。さらに、特許文献3に開示される発明によれば、手洗いから乾燥に移る際に、水滴を周囲の床等に落とすことも無くなるので衛生的であるという効果を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−115029公報
【特許文献2】特開昭62−106729号公報
【特許文献3】特開2001−137150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1乃至特許文献3に開示される発明はいずれも健常者の手を洗浄することを想定した技術である。
通常、健常者が手を洗浄する際には、手指をこすり合わせることで、複雑な立体形状を有する手指の表面を効率良くきれいに洗浄することができる。
その一方で、手を自由に動かすことができない人の場合は、洗浄時に手指をこすり合わせる動作を自ら行うことができない場合も想定される。この場合、手指の表面に石けん水をかける、あるいは手指に水をかけるだけでは手指の隅々まできれいに洗浄することができないため、介助者による手指の表面のこすり洗いなどの手助けが必要であった。
【0008】
本発明はかかる従来の課題に対処してなされたものでありその目的は、自動洗浄時に手指をこすり合わせる動作を行わなくとも手指の表面全体をきれいに洗浄することができ、かつ使用済の洗浄液が周囲に飛散することがない手指自動洗浄装置を提供することにある。
さらに、本発明は上記目的に加えて回収済の流体を装置の外に排出する際に周囲の環境をクリーンでかつ静かな状態にすることができる手指自動洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1の発明である手指自動洗浄装置は、手指の表面を自動で洗浄するための洗浄装置であって、上部に第1の開口を備え、かつ第1の中空部を備えるボウル状の排ミスト回収部と、この排ミスト回収部の第1の中空部上に配され、洗浄対象である手指の上面側に洗浄液を噴霧する噴霧構造を備えている第1の洗浄液噴霧部と、第1の開口の鉛直上方側でかつその周縁側に配され、洗浄対象である手指の周縁側に洗浄液を噴霧する噴霧構造を備えている第2の洗浄液噴霧部と、排ミスト回収部の排出口の下流側に配されている吸引部と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において、排ミスト回収部は、第1の洗浄液噴霧部及び第2の洗浄液噴霧部から噴霧されて手指の洗浄に用いられた使用済の排ミストを受け止めて回収するという作用を有する。また、第1の洗浄液噴霧部は、使用者の手指の上面側に洗浄液を噴霧することで、洗浄液自体の洗浄力と、手指の表面に吹き付けられる際のミストの圧力により、使用者の手指の上面側を洗浄するという作用を有する。また、第2の洗浄液噴霧部は、使用者の手指の周縁側に洗浄液を噴霧することで、洗浄液自体の洗浄力と、手指の表面に吹き付けられる際のミストの圧力により、使用者の手指の周縁側を洗浄するという作用を有する。さらに、排ミスト回収部の排出口の下流側に配されている吸引部は、排ミスト回収部2の第1の中空部、及び、カバーの第2の中空部内に負圧を生じさせて、排ミストを排出口から強制的に排出させるという作用を有する。
【0010】
第2の発明は、上述の第1の発明であって、手指自動洗浄装置はさらに、吸引部の下流側に配されて、排ミスト回収部から排出された流体から液体を分離するフィルタと、このフィルタを通過した気体を除湿する除湿部と、この除湿部から排出された除湿気体を排ミスト回収部の第1の開口側に導いて導出させる循環路と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用に加えて、フィルタは、排ミスト回収部から排出された排ミストを含む流体から液体を除去するという作用を有する。また、除湿部はフィルタを通過した気体を除湿するという作用を有する。さらに、第2の発明では、除湿部において除湿された除湿気体が循環路を経て排ミスト回収部の第1の開口側に導出される。このため、第2の発明の使用時に、排気が手指自動洗浄装置から排出されない。これにより、第2の発明の使用時に、第2の発明である手指自動洗浄装置の周囲の湿度の上昇を抑えるとともに、排気音を小さくするという作用を有する。
【0011】
第3の発明は、上述の第2の発明であって、手指自動洗浄装置はさらに、第1の開口側に導出された除湿気体を、排ミスト回収部の内側面上を排出口に向かって流動させる風向調整部を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第3の発明は、上述の第2の発明による作用と同じ作用に加えて、風向調整部は、排ミスト回収部の第1の開口側に導出された除湿気体を、排ミスト回収部の内側面上を排出口に向かって流動させるという作用を有する。
そして、第1の中空部内において、排ミスト回収部の内側面上を排出口に向かって流動する除湿気体は、排ミスト回収部の第1の開口の周辺の空気を第1の中空部内に引き込むという作用を有する。
よって、第3の発明によれば、第1及び第2の洗浄液噴霧部から噴霧されて手指の洗浄に用いられた排ミストを、排ミスト回収部内に引込んで回収することで、第1の開口周辺に飛散するのを防ぐという作用を有する。
【0012】
第4の発明は、上述の第1乃至第3のいずれかの発明であって、手指自動洗浄装置はさらに、使用者の顔を撮像する撮像部と、撮像部において撮像された画像に基づいて使用者を特定する画像認証部と、この画像認証部において特定された使用者情報に関連付けて予め登録されている第1の開口の鉛直方向高さデータに基づいて第1の開口及びそれに付随する設備の鉛直方向高さを変更する高さ調整部と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、上述の第1乃至第3のそれぞれの発明による作用と同じ作用に加えて、撮像部は第4の発明である手指自動洗浄装置の前にいる使用者の顔を撮像するという作用を有する。また、画像認証部は、撮像部において撮像した使用者の顔の画像から手指自動洗浄装置の前にいる使用者を特定するという作用を有する。さらに、第4の発明では、使用者毎に最適な第1の開口の鉛直方向高さデータが使用者データに関連付けられて登録されている。また、画像認証部において手指自動洗浄装置の前にいる使用者が特定された場合は、その使用者情報に関連付けて登録されている第1の開口の鉛直方向高さデータが高さ調整部に送信される。さらに、高さ調整部では、この送信された第1の開口の鉛直方向高さデータに基づいて第1の開口及びそれに付随する設備の鉛直方向高さを変更するという作用を有する。
なお、上述の第4の発明において、「第1の開口に付随する設備」とは、排ミスト回収部に直接又は間接的に固設されていて、排ミスト回収部の上下動時に排ミスト回収部から分離することができない設備の総称である。
【0013】
第5の発明は、上述の第1乃至第4のいずれかの発明であって、手指自動洗浄装置はさらに、洗浄水に洗剤を供給する洗剤供給部と、洗浄水に洗剤を溶解させて洗浄液を調整する洗浄液調整部と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第5の発明は、上述の第1乃至第4の発明による作用と同じ作用に加えて、洗剤供給部は洗浄水に洗剤を供給するという作用を有する。また、洗浄液調整部は、洗浄水に供給された洗剤を溶かして洗浄液を調整するという作用を有する。よって、第5の発明によれば、手指自動洗浄装置に対して洗剤を供給することで、手指自動洗浄装置内において自動で洗浄液を調整するという作用を有する。
【0014】
第6の発明は、上述のような第1乃至第5のいずれかの発明であって、噴霧構造は、洗浄水を供給する洗浄水供給部と、洗浄液を供給する洗浄液供給部と、圧縮空気を供給する圧縮空気供給部と、を備え、洗浄水と圧縮空気とからなる第1の混合霧体、洗浄液と圧縮空気とからなる第2の混合霧体、及び、圧縮空気、から選択されるいずれかを噴霧構造から噴射することを特徴とするものである。
上記構成の第6の発明は、上述の第1乃至第5のそれぞれの発明による作用と同じ作用に加えて、噴霧構造における洗浄水供給部は、洗浄水を供給するという作用を有する。また、噴霧構造における洗浄液供給部は洗浄液を供給するという作用を有する。さらに、噴霧構造における圧縮空気供給部は、圧縮空気を供給するという作用を有する。そして、噴霧構造が、洗浄水供給部、洗浄液供給部及び圧縮空気供給部を備えていることで、この噴霧構造から、洗浄水と圧縮空気とからなる第1の混合霧体、洗浄液と圧縮空気とからなる第2の混合霧体、および、圧縮空気の3種類の流体を所望に切り替えて噴射することを可能にするという作用を有する。
【0015】
第7の発明は、上述の第1乃至第6のいずれかの発明であって、第1の開口は、アームレストを備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第7の発明は、第1乃至第6のそれぞれの発明による作用と同じ作用に加えて、第1の開口に設けられるアームレストは、使用者が手指を洗浄する間、使用者の腕を支えて使用者の身体的な負担を軽減するという作用を有する。
【発明の効果】
【0016】
上述のような第1の発明によれば、使用者は、手指自動洗浄装置の第1の開口上に手指をかざしてそのままの状態を維持するだけで、第1の洗浄液噴霧部と第2の洗浄液噴霧部から噴霧されるミスト状の圧力流体により手指の表面全体をきれいに洗浄することができる。
また、第1の発明によれば、使用者の手指の全体をきれいに洗浄するために使用者は自らの手指をこすり合わせる動作を行う必要がない。このため、使用者は病気や怪我等により手指を自由に動かすことができない場合でも、自由に動かない手指を無理やり動かすことによる不快感や痛み、あるいは苦痛を伴うことなく手指をきれいに洗浄して衛生的な状態に保つことができる。
また、第1の発明によれば、病気や怪我等により手指を自由に動かすことができない使用者の手指を洗浄する際の介助者側の負担も大幅に軽減することができる。
さらに、第1の発明では、ミスト状の圧力流体を用いて使用者の手指を洗浄するため、使用済の洗浄液からなる排ミストが周囲に飛散する懸念がある。これに対して、第1の発明では、ボウル状の排ミスト回収部と、それに一体に固設されているカバーを備え、このカバー内において使用者の手指の洗浄を行うとともに、手指の洗浄中は、排ミスト回収部の排出口から排ミストを吸引して強制的に排気するため、手指自動洗浄装置の周囲への排ミストの飛散は起こらない。
よって、第1の発明によれば、使用者に対する身体的な負担を軽減しながらその手指の表面の全体をきれいに洗浄することができ、かつ、その際に排出される排ミストが周囲に飛散するおそれがない手指自動洗浄装置を提供することができる。
【0017】
第2の発明は、上述のような第1の発明による効果と同じ効果に加えて、排ミスト回収部における第1の中空部、及び、カバーにおける第2の中空部から強制的に排気された流体を、循環路を通じて排ミスト回収部の1の中空部内に還流することで、第2の発明の使用時の排気を無くすことができる。
よって、第2の発明によれば、第2の発明の周囲の湿度の上昇、並びに、排気による騒音の発生を好適に抑制することができる。
【0018】
第3の発明は、上述のような第2の発明による効果と同じ効果に加えて、風向調整部を備えていることで、排ミスト回収部の第1の開口の周囲の空気を第1の中空部内に引込むことができる。
この結果、第3の発明によれば、その使用時に、排ミスト回収部の第1の開口を囲むようにカバーを設けなくとも、第1及び第2の洗浄液噴霧部から噴射されたミストが周囲に飛散するのを好適に防ぐことができる。
よって、第3の発明によれば、手指自動洗浄装置の構造をシンプルにすることができるという効果を有する。
【0019】
第4の発明は、上述の第1乃至第3のそれぞれの発明による効果と同じ効果に加えて、手指自動洗浄装置における第1の開口及びそれに付随する設備の鉛直方向高さを、それぞれの使用者にとって最適な位置に配置することができる。
この場合、自らの手指を自由に動かすことができない使用者が、第4の発明を用いて手指を洗浄する際に、不自然な姿勢を強いられないので、手指の洗浄時の使用者の身体的な負担を大幅に軽減することができる。
【0020】
第5の発明は、上述のような第1乃至第4のそれぞれの発明による効果と同じ効果に加えて、手指自動洗浄装置において洗剤と洗浄水(例えば、水道水)とを用いて洗浄液を自動で調整することができる。
この場合、第5の発明ではそのメンテナンスの一環として装置に洗剤を供給することになる。この場合、洗剤に代えて洗浄液を第5の発明に供給する場合に比べて、装置全体をコンパクトにできる上、メンテナンスに要する手間や労力を削減することができる。
このような第5の発明によれば、第5の発明に水道水を導くための配管を接続した後は、必要に応じて第5の発明に対して洗剤を供給するだけでよいので、第5の発明を管理する側の負担を大幅に軽減することができる。
【0021】
第6の発明は、上述の第1乃至第5のそれぞれの発明による効果と同じ効果に加えて、第1及び第2の洗浄液噴霧部における噴霧構造から、洗浄水と圧縮空気とからなる第1の混合霧体、洗浄液と圧縮空気とからなる第2の混合霧体、及び、圧縮空気、の3種類の流体を所望に切り替えて噴射することができる。このような、第6の発明によれば、第2の混合霧体を用いて使用者の手指の洗浄を行った後に、第1の混合霧体を用いて使用者の手に付着した洗浄液を洗い流すことができる。そして、さらにその後に、噴霧構造から圧縮空気を噴射させることで使用者の手指の乾燥を行うことができる。
よって、第6の発明によれば、洗浄液による使用者の手指の洗浄を完了した後に、別途使用者の手に付着している洗浄液を洗い流す作業を行ったり、さらにその後に、使用者の手指を拭いて乾かす作業を行ったりする必要がなくなる。
この場合、使用者は、自由に動かない手指を無理やり動かされることによる不快感や痛み、あるいは苦痛を感じることがないので、快適に手指の洗浄を終えることができる。また、介助者は、使用者が第6の発明により手指を洗浄した後に、使用者の手を拭く等の作業を別途行う必要がないので、介助者側の負担も大幅に軽減することができる。
【0022】
第7の発明によれば、上述の第1乃至第6のそれぞれの発明による効果と同じ効果に加えて、使用者は第1の開口に設けられるアームレストに自身の手の荷重を預けた状態で手指の洗浄を行うことができる。このことは、第7の発明の使用時に、使用者が自力で自身の手及び腕を支えておく必要がないことを意味している。
この結果、使用者が第7の発明を用いて手指を洗浄する際の身体的な負担や苦痛を大幅に軽減することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る手指自動洗浄装置の一部を欠いて示すイメージ図である。
図2】本発明の実施形態に係る手指自動洗浄装置のシステム構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る第1の洗浄液噴霧部の使用状態を示す平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る第2の洗浄液噴霧部の使用状態を示す平面図である。
図5】本発明の実施形態に係る噴霧構造の断面概念図である。
図6】本発明の実施形態に係る洗剤調整部及びその周辺設備の概念図である。
図7】(a)本発明の実施形態に係る洗剤供給部の断面概念図であり、(b)は同洗剤供給部における第1の回転式弁のイメージ図であり、(c)は同洗剤供給部における第2の回転式弁のイメージ図である。
図8】(a)〜(c)いずれも洗剤収容ボトルから洗剤供給管に洗剤が供給される過程を示す断面概念図である。
図9】(a)本発明の実施形態に係る旋回流発生部を備えた排ミスト回収部の一部を切り欠いて示す側面図であり、(b)同排ミスト回収部のF−F線矢視断面図である。
図10】変形例に係る旋回流発生部を備えた排ミスト回収部の要部の鉛直方向部分断面図である。
図11】別の変形例に係る旋回流発生部を備えた排ミスト回収部の要部の鉛直方向部分断面図である。
図12】別の変形例に係る旋回流発生部を備えた排ミスト回収部の要部の水平方向部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態に係る手指自動洗浄装置について図1乃至図12を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
[手指自動洗浄装置の基本構成]
はじめに、図1及び図2を参照しながら本発明の実施形態に係る手指自動洗浄装置の基本構成について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る手指自動洗浄装置の一部を欠いて示すイメージ図であり、図2は同手指自動洗浄装置のシステム構成図である。
図1,2に示すように本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、手の表面を自動で洗浄することができる設置型の洗浄装置である。
このような本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、使用者50の手指51を洗浄液23で洗浄した際に生じる排ミストを受容して回収する第1の中空部2bを備えた排ミスト回収部2と、この排ミスト回収部2上に使用者50の手指51を配した際に、手指51の上面側に洗浄液23を噴霧する第1の洗浄液噴霧部3と、このとき手指51の側縁側に洗浄液23を噴霧する第2の洗浄液噴霧部5、及び、排ミスト回収部2の排出口2c(後段における図3,4を参照)の下流側に設けられ、排ミスト回収部2の第1の中空部2b内の排ミストを吸引するための負圧を生じさせる吸引部7を備えてなるものである。
【0026】
また、上述のような本実施形態に係る手指自動洗浄装置1における第1の洗浄液噴霧部3、第2の洗浄液噴霧部5はともに、図1に示すように、使用者50の手指51の上面側及び周縁側のそれぞれに洗浄液23を噴射するための噴霧構造4を備えている。なお、噴霧構造4の構造の詳細については後段において詳細に説明する。
加えて、図1に示すように、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、噴霧構造4を備えた第1の洗浄液噴霧部3及び第2の洗浄液噴霧部5の先端部分が、排ミスト回収部2の第1の開口2a上に配設されている。
【0027】
また、図1,2に示すように本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、必要に応じて、排ミスト回収部2の第1の開口2a上に覆設され、かつ手指51を洗浄している際に生じる排ミストの飛散を防止するためのカバー6を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1におけるカバー6は、図1に示すように、排ミスト回収部2の第1の開口2a上をすっぽりと覆うようにこの第1の開口2aに一体に設けることができる。また、このカバー6は、このカバー6の第2の中空部6a内に使用者50の手指51を出し入れするための第2の開口6bを備えている。
加えて、図1に示すように、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1がカバー6を備える場合は、噴霧構造4を備えた第1の洗浄液噴霧部3及び第2の洗浄液噴霧部5の先端部分が、カバー6の第2の中空部6a内に収容することができる。
なお、以下に示す本実施の形態では、排ミスト回収部2の第1の開口2aにカバー6を備えている場合を例に挙げて説明する。
また、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1が、カバー6を備えない場合は、排ミスト回収部2の第1の開口2aが、カバー6の第2の開口6bに相当する構成になる。
【0028】
上述のような本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、使用者50が自らの手指51をカバー6の第2の開口6bから差し入れて、排ミスト回収部2の第1の中空部2b上に配した際に、第1の洗浄液噴霧部3及び第2の洗浄液噴霧部5の噴霧構造4からミスト状の洗浄液23が適度な圧力で使用者50の手指51の表面に噴射される。
このとき、使用者50の手指51の上面側には第1の洗浄液噴霧部3から、また、同手指51の側縁側には第2の洗浄液噴霧部5から、それぞれミスト状の洗浄液23が噴射されることで、使用者50は自らの手指51を一切動かすことなく、つまり、使用者50が自らの手指51をこすり合わせる等の動作を何ら行うことなしに、その上面側(手の平側又は手の甲側)及びその周縁側をミスト状の洗浄液23によりきれいに洗浄することができる。なお、手指51の裏側(手の甲側又は手の平側)を洗浄するには、使用者50の手指51の上下面を反転させた状態で再度手指自動洗浄装置1により手指51を洗浄すればよい。
したがって、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1によれば、使用者50が病気や怪我等により自らの手指51を自由に動かすことができない場合でも、その手指51の表面全体をきれいに洗浄することができるという効果を有する。
【0029】
また、上述のような本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、使用者50の手指51に供給される洗浄液23がミスト状の圧力流体であるため、使用済の排ミストが周囲に飛散してしまう懸念がある。
これに対して本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、排ミスト回収部2の第1の開口2aに一体にカバー6を備えること、さらにこのカバー6の中空部内に噴霧構造4を備えた第1の洗浄液噴霧部3及び第2の洗浄液噴霧部5の先端部分を収容しておくこと、加えてカバー6おける第2の中空部6a及び排ミスト回収部2における第1の中空部2b内の排ミストを吸引して強制的に排出口2cから排出することにより、使用済の排ミストが手指自動洗浄装置1の周囲に拡散するのを防止することができる。
したがって、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1によれば、使用者50が手指51をほとんど動かすことができなくともその表面全体をきれいに洗浄することができる。しかも、その際に生じる洗浄液23の排ミストが周囲に飛散するのを確実に防止することができる。
また、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1がカバー6を備えない場合でも、第1の中空部2b内の空気が排出口2cから常時吸引される。このため、使用済の排ミストが手指自動洗浄装置1の周囲に拡散する心配はない。
【0030】
なお、本実施形態に係る1における吸引部7は、排ミスト回収部2の第1の中空部2b、及び、カバー6の第2の中空部6a内に負圧を生じさせることができるものであればどのようなものでも使用可能であるが、例えば、防水加工を施した電動ファン等を使用することができる。
【0031】
また、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、体が不自由な人が使用することを前提としている。このため、体が不自由な使用者50が、自由に動かすことのできない手指51を快適に洗浄することができるよう、カバー6の第2の開口6bの鉛直方向高さが、個々の使用者にとって身体的な苦痛が生じない高さに調整できることが望ましい。
このような事情に鑑み本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、図1に示すように、使用者50の顔を撮像する撮像部11と、この撮像部11において撮像された画像に基づいて手指自動洗浄装置1の前にいる使用者50を特定する画像認証部12と、この画像認証部12において特定された使用者情報に関連付けて予め登録されている第2の開口6bの鉛直方向高さデータに基づいて、第2の開口6b及びそれに付随する設備の鉛直方向高さ(図1中の符号Aで示す方向を参照)を変更する高さ調整部13とを備えていてもよい。なお、撮像部11、画像認証部12及び高さ調整部13はいずれも任意選択構成要素である。
【0032】
そして、図1に示すように、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1が図1に示すような撮像部11、画像認証部12及び高さ調整部13を備えている場合は、手指自動洗浄装置1の前に使用者50のうちのひとりが立った場合に、その使用者50の顔が撮像部11により撮像される。次に、撮像部11において撮像された使用者50の顔の画像の画像データが画像認証部12に送信される。そして、画像認証部12では、例えば、撮像部11から送られてきた使用者50の画像データと、予め画像認証部12に登録されている全使用者50の顔の画像データとを照合する等して、手指自動洗浄装置1の前にいる使用者50を特定できるよう構成されていてもよい。
また、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、個々の使用者50毎に最適な第2の開口6bの鉛直方向高さデータが、個々の使用者情報に関連付けられて登録されている。このため、画像認証部12において手指自動洗浄装置1の前にいる使用者50が特定された場合は、その使用者情報に関連付けられて予め登録(記憶)されている第2の開口6bの鉛直方向高さデータに基づいて、高さ調整部13が駆動されて、第2の開口6b及びそれに関連する設備(例えば、カバー6、排ミスト回収部2、第1の洗浄液噴霧部3及び第2の洗浄液噴霧部5等)の鉛直方向高さが変更される。
この結果、使用者50は自らの体に最も負担がかからない体勢で、手指自動洗浄装置1により手指51を洗浄することができる。
なお、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1が、例えば第2の開口6b側(装置の正面側)に座面の高さを調整することができる椅子等を別途備えるなどして、使用者50の手指51の鉛直方向高さを自在に変更できる場合は、上述のような撮像部11、画像認証部12及び高さ調整部13を備えていなくともよい。
【0033】
さらに、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、先にも述べた通り自身の手指51を自由に動かすことができない使用者50が使用することを想定している。したがって、このような使用者50にとっては手指51を洗浄している間、自身の手指51を所定の位置(高さ)に保持しておくことが困難な場合も想定される。
そこで、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、図1に示すように、洗浄対象である手指51を出し入れするための第2の開口6bにアームレスト14を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
そして、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1がアームレスト14を備えている場合は、使用者50が手指51を洗浄する間、自身の腕の荷重をアームレスト14に預けておくことができるので、より快適に手指51の洗浄を行うことができる。
【0034】
[本実施形態に係る手指自動洗浄装置の細部構造]
ここで、図3を参照しながら本実施形態に係る第1の洗浄液噴霧部3について詳細に説明する。
図3は本発明の実施形態に係る第1の洗浄液噴霧部の使用状態を示す平面図である。なお、図1,2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態に係る第1の洗浄液噴霧部3は、例えば、複数の噴霧構造4を水平方向に面状に配したものでもよい。
より具体的には、第1の洗浄液噴霧部3は、その内部に少なくとも圧縮空気及び洗浄液23を供給する管(図示せず)を収容した供給配管3aを、手の平の形を模した略U字状、又は、それに類する形状に成形してなるものに、複数の噴霧構造4を設けたものを用いることができる。
なお、図3には示していないが、第1の洗浄液噴霧部3において噴霧構造4を備えている先端部分は、カバー6の第2の中空部6a内に収容されている。
【0035】
そして、図3に示す第1の洗浄液噴霧部3では、個々の噴霧構造4から使用者50の手指51の上面側に、適度な圧力を有するミスト状の洗浄液23を少なくとも噴射することができる。この場合、使用者50の手指51の表面を、適度な圧力を有するミスト状の洗浄液23による摩擦と、洗浄液23自体の洗浄力(例えば、皮脂等の分解作用等)によりきれいに洗浄することができる。
また、本実施形態に係る第1の洗浄液噴霧部3は、図3に示すように、左右の手指51のそれぞれに対応するように第1の洗浄液噴霧部3を一対備えていてもよいし、特に図示しないが、第1の複数の噴霧構造4が面状に配される洗浄液噴霧部3を1つのみ備えていてもよい。特に後者の場合は、1つの第1の洗浄液噴霧部3を、手指51における親指側と小指側を行き来するように(図3中の符号Bで示す方向)にスライド可能に設けてもよい。
【0036】
さらに、本実施形態に係る第1の洗浄液噴霧部3は、図3に示すように、左右の手指51のそれぞれに対応するように一対の第1の洗浄液噴霧部3を備え、かつこの一対の第1の洗浄液噴霧部3を、手指51における親指側と小指側を行き来するように(図3中の符号Bで示す方向に)スライド可能に取設してもよい。
この場合、一対の第1の洗浄液噴霧部3が手指51における親指側と小指側を行き来することで、適度な圧力を有するミスト状の洗浄液23の噴射方向中心位置が、使用者50の手指51の上面側において、親指側と小指側を行き来するように移動することなる。この結果、第1の洗浄液噴霧部3により使用者50の手指51の上面側をくまなくかつ迅速に洗浄することができる。
【0037】
次に、図4を参照しながら本実施形態に係る第2の洗浄液噴霧部5について詳細に説明する。
図4は本発明の実施形態に係る第2の洗浄液噴霧部の使用状態を示す平面図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る第2の洗浄液噴霧部5は、例えば、2種類の親指側洗浄液噴霧部5a及び指先側洗浄液噴霧部5bにより構成されていてもよい。
より具体的には、第2の洗浄液噴霧部5は、図4に示すように、使用者50の左右の手指51におけるそれぞれの親指側に配され、かつ少なくとも1の噴霧構造4を備えてなる親指側洗浄液噴霧部5aと、使用者50の左右の手指51の指先側に配され、かつ少なくとも1の噴霧構造4を備えてなる指先側洗浄液噴霧部5bとにより構成されていてもよい。
なお、本実施形態に係る第2の洗浄液噴霧部5(親指側洗浄液噴霧部5a及び指先側洗浄液噴霧部5b)における噴霧構造4からは、先の第1の洗浄液噴霧部3の場合と同様に、適度な圧力を有するミスト状の洗浄液23を少なくとも噴射することができる。
この場合、使用者50の手指51の洗浄時に、手指51の上面側に加えて、手指51の周縁側(手指51の指先側、及び、親指側の側面)についてもきれいに洗浄することができる。
したがって、使用者50の手指51を第1の洗浄液噴霧部3のみを用いて洗浄する場合に比べて、手指51の洗浄効果を一層高めることができる。
【0038】
また、親指側洗浄液噴霧部5aの具体的態様として、例えば図4に示すように、少なくとも圧縮空気及び洗浄液23を供給するための管(図示せず)をその内部に収容してなる供給配管5cの先端に、水平方向への角度変更が可能な噴霧構造4を備えたものを使用することができる。
この場合、供給配管5cの先端に設けられている噴霧構造4の、供給配管5cの軸方向に対する取付け角度を自在に変更することが可能になる。これにより、噴霧構造4における噴射方向中心位置を、手指51における親指の指先側(図4中の符号Cで示す方向)から親指の付け根側(図4中の符号Dで示す方向)に自在に移動させることができる。この結果、図4中に示す使用者50の手指51の親指側の側縁をきれいに洗浄することができる。
【0039】
さらに、指先側洗浄液噴霧部5bの具体的態様として、例えば図4に示すような、少なくとも圧縮空気及び洗浄液23を供給するための管(図示せず)をその内部に収容してなる供給配管5cの周側面上で、かつ手指51の指先がある側に少なくとも1つの噴霧構造4を備えたものを使用することができる。
また、このような指先側洗浄液噴霧部5bは、供給配管5cの中心軸方向に指先側洗浄液噴霧部5b自体をスライド可能に構成されていてもよい。
そして、指先側洗浄液噴霧部5bが上述のように構成される場合は、この指先側洗浄液噴霧部5bのスライドに伴って、供給配管5cの周側面上に設けられている噴霧構造4の噴射方向中心位置を、手指51における親指側から小指側に、又は、その逆方向(図4中の符号Eで示す方向)に移動させることができる。
この結果、指先側洗浄液噴霧部5bにより手指51における指同士の間もきれいに洗浄することができる。
したがって、第2の洗浄液噴霧部5が親指側洗浄液噴霧部5a及び指先側洗浄液噴霧部5bを備えていることで、使用者50の手指51の周縁側についてもくまなくきれいに洗浄することができる。
【0040】
なお、本実施形態に係る第2の洗浄液噴霧部5を構成する親指側洗浄液噴霧部5a及び指先側洗浄液噴霧部5bはいずれも、噴霧構造4を備えた先端部分がカバー6の第2の中空部6a内に収容されている。
さらに、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1による手指51の洗浄時に、手指51における手の平側と手の甲側を反転させることで、手指51における手の甲側及び手の小指側の側面も、第1の洗浄液噴霧部3及び第2の洗浄液噴霧部5を用いてくまなく洗浄することができる。
また、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、上述の第1の洗浄液噴霧部3及び第2の洗浄液噴霧部5(親指側洗浄液噴霧部5a及び指先側洗浄液噴霧部5b)がともにカバー6の第2の中空部6a内に収容されており、しかも、手指51の洗浄時に、カバー6の第2の中空部6a内、及び、排ミスト回収部2の第1の中空部2b内の空気が常時吸引されて排出口2cから排出されるため、第1の洗浄液噴霧部3を左右方向、また、親指側洗浄液噴霧部5aの先端を水平方向に、さらには指先側洗浄液噴霧部5bをその中心軸方向にそれぞれスライドさせても、使用済みの排ミストがカバー6の外に飛散することはない。
【0041】
上述の通り、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1が、第1の洗浄液噴霧部3及び第2の洗浄液噴霧部5を備えていることで、使用者50はカバー6内において手指51を殆ど動かさなくても、その表面の全域をくまなくきれいに洗浄することができる。
よって、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1によれば、使用者50がその手指51をほとんど動かすことができない場合でも、使用者50に対して身体的な苦痛を伴うことなく快適にかつ確実に手指51の表面の全域をきれいに洗浄することができる。
【0042】
続いて、図5を参照しながら本実施形態に係る噴霧構造4の詳細な構造について説明する。
図5は本発明の実施形態に係る噴霧構造の断面概念図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る噴霧構造4は、図5に示すように、圧縮空気28を供給する圧縮空気供給管26cにおける噴霧口4aに近接する位置に、洗浄液23を供給するための洗浄液供給管26aを少なくとも備えてなるものである。
図5に示す噴霧構造4では、噴霧口4aに近接する位置の圧縮空気供給管26cの流路が狭くなっており、この流路が狭まった部分に洗浄液供給管26aが接続されている。
このため、圧縮空気供給管26c内を噴霧口4aに向かって圧縮空気28を流動させると、狭まった部分に噴霧口4a側に向かう吸引力が発生し、この吸引力により洗浄液供給管26a内の洗浄液23が圧縮空気供給管26c内に吸引される。
そして、圧縮空気供給管26c内に引き込まれた洗浄液23が、噴霧口4aに近接する位置において、圧縮空気28とともに噴霧口4aから噴射されることで、噴霧構造4の噴霧口4aからミスト状でかつ適度な圧力を有する洗浄液23が噴射される。
よって、本実施形態に係る噴霧構造4によれば、使用者50が自らの手指51をこすり合わせることができなくとも、噴霧構造4の噴霧口4aから噴出されるミスト状でかつ適度な圧力を有する洗浄液23により、使用者50の手指51の表面全体を、あたかも手指51のこすり洗いを行ったかのように、くまなくきれいに洗浄することができる。
【0043】
さらに、本実施形態に係る噴霧構造4は、図5に示すように、圧縮空気供給管26cの流路が狭まった部分に、洗浄液供給管26aに加えて、洗剤等が溶解されていない洗浄水18(例えば、洗浄水等)を供給するための洗浄水供給管26bを接続しておいてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、例えば、洗浄液供給管26aに電磁弁27aを、洗浄水供給管26bに電磁弁27bをそれぞれ備えることで、圧縮空気供給管26cに、洗浄液23のみを供給する状態と、洗浄水18のみを供給する状態と、洗浄液23及び洗浄水18のいずれも供給しないで圧縮空気28のみを供給する状態、の3つの状態を自在に切り替えることが可能になる。
そして、噴霧構造4の噴霧口4aから圧縮空気28と洗浄液23とからなる混合霧体(第2の混合霧体)を噴射する場合は、この第2の混合霧体により使用者50の手指51の表面を洗浄することができる。
また、噴霧構造4の噴霧口4aから圧縮空気28と洗浄水18(例えば、水道水)からなる混合霧体(第1の混合霧体)を噴射する場合は、この第1の混合霧体により、使用者50の手指51の表面に付着した洗浄液23を洗い流すことができる。
そして、噴霧構造4の噴霧口4aから圧縮空気28のみを噴射する場合は、使用者50の手指51の表面を乾かすことができる。
【0044】
よって、本実施形態に係る噴霧構造4における圧縮空気供給管26cに、洗浄液供給管26a及び洗浄水供給管26bの両者が接続される場合は、使用者50の手指51の洗浄、同手指51からの洗浄液23の洗い流し、並びに、洗浄液23を洗い流した後の手指51の乾燥、の全てを図5に示す1種類の構造の噴霧構造4により行うことができる。
この場合、使用者50は、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1で手指51を洗浄した後に、別途他の場所で洗浄液23を洗い流し、さらにその後に手指51を乾燥させる作業を行う必要がなくなる。この結果、使用者50が手指51を洗浄する際の負担を大幅に軽減することができる。
また、図5に示すような噴霧構造4を備えてなる本実施形態に係る手指自動洗浄装置1によれば、手指51の洗浄、洗浄液23の洗い流し、手指51の乾燥の上記3つの動作を1種類の噴霧構造4により実現することができるので、その構造がシンプルでしかも高性能な手指自動洗浄装置を提供することができる。
【0045】
さらに、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、同装置内において洗浄水18(例えば、水道水)と洗剤を適宜混合して自動で洗浄液23を調整できるよう構成してもよい。
ここで本実施形態に係る手指自動洗浄装置1における洗剤調整部20について図6を参照しながら詳細に説明する。
図6は本発明の実施形態に係る洗剤調整部及びその周辺設備の概念図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、図6に示すように、例えば、粉状(又は液状)の洗剤19と洗浄水18(例えば水道水)とを混合するための洗剤供給管17が接続されたベンチュリー管16、並びに、洗浄水18中に混合された洗剤19を洗浄水18中に溶解させるための洗浄液調整部20を備えていてもよい。なお、図6に示すベンチュリー管16、洗剤供給管17及び洗浄液調整部20はいずれも任意選択構成要素である。
【0046】
より具体的には、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1において洗浄水18に洗剤19を混合するための混合構造としては、例えば、図6に示すように、ベンチュリー管16の上流側に洗浄水供給管26bが、またベンチュリー管16の下流側に導入管24がそれぞれ接続され、さらにベンチュリー管16において流路が狭まっている部分に洗剤供給管17を接続されたものを用いることができる。
このような洗剤19の混合構造では、洗浄水供給管26bから洗浄水18がベンチュリー管16に流入した際に、ベンチュリー管16の流路が狭まった部分における流速が速くなる。これに伴い、ベンチュリー管16の流路が狭まった部分に接続される洗剤供給管17内に負圧が生じ、洗剤供給管17内の洗剤19が、流路が狭まった部分の下流側に吸引される。
よって、ベンチュリー管16の下流側に接続される導入管24では、洗浄水18と洗剤19の混合流体が形成されることになる。
【0047】
このとき、洗剤19が液体である場合は、洗剤19が洗浄水18中に容易に分散して溶解するため、導入管24内の混合流体をそのまま先の図5に示す噴霧構造4に供給しても問題が生じるおそれは低い。
その一方で、洗剤19が粉体である場合は、単に洗浄水18中に洗剤19を混合しただけでは、十分に洗剤19を溶解させることができない場合も想定される。この場合、噴霧構造4に向かって流動する間に、溶解しきれなかった洗剤19により目詰まりが生じるおそれがある。
上述のような不具合を回避する目的で、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1において、洗浄水18と粉体状の洗剤19を用いて洗浄液23を調整する場合は、導入管24の下流側に洗浄液調整部20(任意選択構成要素)を備えていてもよい。
このような洗浄液調整部20は、例えば、図6に示すように、内部に液体を収容可能な中空状の収容器21と、この収容器21の底部に一体に設けられて高周波数の音波を生じさせる高周波発生部22と、収容器21内に収容された洗浄液23を先の第1の洗浄液噴霧部3及び第2の洗浄液噴霧部5に供給するための洗浄液供給管26aとを備えてなるものでもよい。なお、洗浄液供給管26aはその流路に、収容器21内において調整された洗浄液23を洗浄液噴霧部3及び第2の洗浄液噴霧部5に送り出すためのポンプPを備えている。
【0048】
このような洗浄液調整部20では、導入管24を介して収容器21内に送給された洗浄水18と洗剤19との混合体に対して、高周波発生部22により高周波を付加することができる。これにより、洗浄水18中における未溶解の洗剤19が、洗浄水18中にスムーズに溶解して略均質な洗浄液23になる。
よって、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1が図6に示すような洗浄液調整部20を備える場合は、洗浄水18及び粉状の洗剤19から洗浄液23を調整して用いる場合に、洗浄水18中に十分に溶解しきらなかった洗剤19で洗浄液供給管26aに目詰まりが生じるのを好適に防ぐことができる。
【0049】
なお、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1が特に撮像部11、画像認証部12及び高さ調整部13を備える場合は、各使用者50の使用者情報として、それぞれの使用者にとっての最適な第1,第2の混合霧体の圧力データや、洗浄液23の濃度データを併せて関連付けて登録しておいてもよい。この場合、手指自動洗浄装置1の使用者50毎に噴霧構造4から噴射される圧力流体の圧力や、洗浄液23の濃度を変更することが可能になる。
この場合、使用者50の好みや身体状態に応じて最適な圧力の混合霧体及び/又は最適な濃度の洗浄液23を供給することができる。よって、このような本実施形態に係る手指自動洗浄装置1によれば、より高性能でかつ手指51の洗浄をより快適に行うことができる手指自動洗浄装置を提供することができる。
なお、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1において噴霧構造4から噴射される混合流体(例えば、第1の混合霧体、第2の混合霧体)や圧縮空気の圧力を所望に変えるには、先の図5に示す噴霧構造4において圧縮空気供給管26cに供給される圧縮空気28の圧力を所望に変更するだけでよい。
【0050】
さらに、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1において、使用者50毎に洗浄液23の濃度を変更する場合は、手指自動洗浄装置1の使用者50が代わる度に、新たに洗浄液23を調整する必要がある。
この場合は、先の図6に示す洗浄液調整部20における収容器21に、排出管25を設け、さらにこの排出管25の流路にポンプPを別途設けておくとよい。
この場合、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1の使用者50が代わった際に、収容器21内に残存する洗浄液23を排出管25及びポンプPにより外部に排出することができる。そして、この後に収容器21内において新たな洗浄液23を調整することができる。
【0051】
また、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1において洗剤19及び洗浄水18により洗浄液23を調整する場合で、かつ、手指自動洗浄装置1の使用者50毎に洗浄液23の濃度を調整する必要がある場合は、先の図6に示す洗浄水18と洗剤19の混合構造において、洗剤供給管17に供給される洗剤19の量を適宜変更する必要がある。
このため、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、先の図2に示すように、洗浄液調整部20の上流側に、洗剤供給管17に供給する洗剤19の供給量を調整することができる洗剤供給部29を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
【0052】
図7(a)は本発明の実施形態に係る洗剤供給部の断面概念図であり、(b)は同洗剤供給部における第1の回転式弁のイメージ図であり、(c)は同洗剤供給部における第2の回転式弁のイメージ図である。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る手指自動洗浄装置1における洗剤供給部29は、例えば、洗剤供給管17の上流側に配される洗剤供給口17aに、第1の回転式弁31を備えた供給弁ユニット44を介設して、洗剤19を収容した洗剤収容ボトル30を接続したものでもよい。
【0053】
上述の洗剤供給部29において、第1の回転式弁31(供給弁ユニット44)は、洗剤収容ボトル30内に収容される洗剤19の供給と停止を切り替えるという作用を有する。また、洗剤供給管17の洗剤供給口17a側に設けられる、第2の回転式弁32は、第1の回転式弁31から供給された洗剤19を、単位時間当たりの供給量を均一化しながら洗剤供給管17の下流側に供給するという作用を有する。
上述のような第1の回転式弁31としては、例えば、図7(b)に示すように、回転軸31aにより一体に連結される一対の円盤状の回転子31cの間に、矩形状の仕切り板31b(弁)を一体に固設したものを用いることができる。
このような第1の回転式弁31では、図7(b)に示すように、一対の回転子31cを均等に2等分するように、回転軸31aの周方向に仕切り板31bが突設されている。
また、上述のような第2の回転式弁32としては、例えば、図7(c)に示すように、回転軸32aにより一体に連結される一対の円盤状の回転子32cの間に、矩形状の仕切り板32b(弁)を一体に固設したものを用いることができる。
このような第2の回転式弁32では、図7(c)に示すように、一対の回転子32cを均等に4等分するように、回転軸31aの周方向に仕切り板32bが突設されている。
さらに、供給弁ユニット44又は洗剤供給管17をなす中空管内において、上述の第1,第2の回転式弁31,32を、それぞれの回転軸31a,32aを基軸に回転させるには、第1,第2の回転式弁31,32を収容する部分の中空管が、少なくとも角筒状をなしている必要がある(図7(b),(c)を参照)。
【0054】
さらに、第1,第2の回転式弁31,32を角筒状の中空管内で回転させる場合、仕切り板31b,32bには、第1,第2の回転式弁31,32の回転を妨げように、洗剤19による圧力が作用する。
これに対して本実施形態に係る洗剤供給部29では、第1,第2の回転式弁31,32を収容する角筒状管体において、第1,第2の回転式弁31,32に近接する位置の管体の内径を局所的に縮径しておくことで、第1,第2の回転式弁31,32に作用する抵抗を軽減している。
より具体的には、本実施形態に係る洗剤供給部29では、図7(a)に示すように、第1,第2の回転式弁31,32に隣接する位置の角筒状管体内に、回転補助部31d,32dを突設しておくことで、管体の内径を局所的に縮径している。
なお、角筒状管体内において回転補助部31d,32dは、その平坦面が回転軸31a,31bの中心軸と平行になるように配されている。
【0055】
次に、図8を参照しながら第1の回転式弁31の動作についてより詳細に説明する。図8(a)〜(c)は、いずれも洗剤収容ボトルから洗剤供給管に洗剤が供給される過程を示す断面概念図である。なお、図1乃至図7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
上述のような第1の回転式弁31では、図8(a)〜(c)に示すように、回転軸31aの回転に伴って、角筒状管体の内側面に対する仕切り板31bのなす角度が変わる。
より具体的には、図8(a)に示すように、第1の回転式弁31bの仕切り板31bが水平状を成している状態から、図8(b)に示すように、仕切り板31bと回転補助部31dとが一直線状に並んだ状態になるまでは、第1の回転式弁31から洗剤19は導出されない。
この後、図8(b)に示す状態から仕切り板31bをさらに反時計回りに回動させると、仕切り板31bと回転補助部31dの隙間から洗剤19が洗剤供給管17に導出し始める。そして、図8(b)に示すように、第1の回転式弁31を収容する角筒状管体の内側面と、仕切り板31bとが略平行をなすとき、第1の回転式弁31の開度は最大になる。つまり、第1の回転式弁31は全開となる。
よって、洗剤収容ボトル30が第1の回転式弁31を備える場合は、回転軸31aを回転させるだけで、洗剤収容ボトル30の開口30aの開閉状態を所望に切り替えることができる。そして、これにより洗剤収容ボトル30内に収容される洗剤19を、洗剤供給管17に供給することができる。さらに、洗剤収容ボトル30における第1の回転式弁31の開度を調整することで、洗剤供給管17に供給される洗剤19の供給量を適宜調整することができる。
【0056】
なお、本実施の形態に係る洗剤供給部29では、個々の洗剤収容ボトル30の開口30aに第1の回転式弁31を一体に備えていてもよいが、この場合は、洗剤収容ボトル30を使い捨てにする際に不経済である。
このため、例えば図7(a)及び図8に示す洗剤供給部29のように、洗剤19を収容する洗剤収容ボトル30とは別に、第1の回転式弁31を備えた供給弁ユニット44を準備しておいてもよい。この場合は、洗剤供給管17の洗剤供給口17aと、洗剤収容ボトル30の開口30aとの間に、供給弁ユニット44を後付けすることができる。これにより、洗剤収容ボトル30に対して外部から操作可能な開閉弁を、後から付加することができる。
そして、本実施形態に係る洗剤供給部29が供給弁ユニット44を別体として備える場合は、洗剤収容ボトル30を廉価にすることができる。この結果、手指自動洗浄装置1の使用時のランニングコストを削減することができる。
【0057】
なお、本実施形態に係る洗剤供給部29では、供給弁ユニット44を別体として備える場合を例に挙げて説明しているが、第1の回転式弁31を洗剤収容ボトル30又は洗剤供給管17に一体に設けてもよい。この場合も、支障なく目的とする機能を発揮させることができる。
【0058】
その一方で、図7,8に示すような第1の回転式弁31を用いるだけでは、洗剤19の供給量の微調整が難しい場合がある。
このような事情に鑑み本実施形態に係る手指自動洗浄装置1の洗剤供給部29は、上述のような第1の回転式弁31の下流側に第2の回転式弁32を備えていてもよい。
このような第2の回転式弁32は、上述の第1の回転式弁31における断面一文字状の仕切り板31bに代えて、断面十字状の仕切り板32bを備えてなるものである。
そして、第2の回転式弁32を備えていることで、図7(a)に示すように仕切り板32bが回転軸32aを基軸に反時計回りに回転する際に、仕切り板32bにより区画された容積に相当する量の洗剤19を、所望の周期で洗剤供給管17に供給し続けることができる。
【0059】
この結果、第2の回転式弁32における回転軸32aを連続的に回転させることで、洗剤供給管17に対して略均一な量の洗剤19を連続的に供給することができる。
よって、本実施形態に係る洗剤供給部29では、第1の回転式弁31に加えて、その下流側に第2の回転式弁32を備えていることで、洗剤供給管17への洗剤19の供給量を高精度に調整することができる。
この結果、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1が、図7(a)に示すような洗剤供給部29(第1の回転式弁31及び第2の回転式弁32)を備えていることで、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1の使用者50毎に洗浄液23中の洗剤19の濃度を変更することが可能になる。
なお、図7(a)における洗剤供給管17の下流側(図中の符号Fを参照)は、先の図6における洗剤供給管17の上流側につながっている。
また、第1の回転式弁31又は第2の回転式弁32における仕切り板31b又は仕切り板32bの回転方向は時計回り方向でもよい。この場合も、上述の効果と同じ効果が発揮される。
【0060】
さらに、先の図2に示すように本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、噴霧構造4から噴霧される第1の混合霧体(ミスト状の洗浄水18)や第2の混合霧体(ミスト状の洗浄液23)の温度を人の体温に近づけるために、洗浄水供給管26b図6を参照)、洗浄水供給管26b図5を参照)の下流側に水温調整部15を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
このような水温調整部15は、例えば洗浄水18(例えば、水道水)を加温するための電気やガス、あるいは電磁波等を用いた加温部(図示せず)と、この加温設備において加温された洗浄水18を、未加温の洗浄水18と混合して所望の温度帯の洗浄水18に調整する混合部と、により構成してもよい。
この場合は、噴霧構造4から噴射される圧力流体(第1の混合霧体や第2の混合霧体)の温度を人の体温に近付けることができるので、使用者50の手指51を洗浄する際の使用者50の体感を良好にできる上、洗浄液23による手指51の洗浄効果を高めることもできる。
【0061】
以下に、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1における排ミスト回収部2から排出された排ミストを含む排気の処理方法について図2図9乃至図12を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る手指自動洗浄装置1の排ミスト回収部2から排出された排気は、十分に除湿した後に手指自動洗浄装置1の外に排出すればよい。
より具体的には、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、その排気処理設備として、例えば先の図2に示すように、吸引部7の下流側に設けられ、排ミストを含む排気から水分を除去するフィルタ8を備えていてもよい。
この場合、排ミスト回収部2から排出される排気中に含まれている水分の大部分をフィルタ8により除去することができる。したがって、フィルタ8を通過した排気を、図示しない配管等を通じて屋外にそのまま排出することできる。
【0062】
上述のような本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、フィルタ8を通過した排気をそのまま屋外に排出する必要がある。このため、手指自動洗浄装置1の設置時に、フィルタ8から排出の排気を屋外に導くための配管や、排気口を建物に設ける工事を併せて行う必要があった。この場合、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1の設置場所を、屋外に近い壁際にする必要があり、手指自動洗浄装置1の設置場所が制限されてしまうという課題が生じていた。
また、上述のような本実施形態に係る手指自動洗浄装置1から生じる排気を屋内に排出すると、フィルタ8からの排気の湿度が高いせいで、手指自動洗浄装置1の周囲の湿度が意図せず上昇してしまい、衛生上の問題が生じる懸念もあった。
このため、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1を屋内の所望の場所で使用可能にするために、フィルタ8からの排気中の湿度を低減させる工夫や、手指自動洗浄装置1から排気を生じさせないようにするための構造上の工夫が必要とされていた。
【0063】
このような事情に対処するため、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、先の図2に示すように、フィルタ8を通過した排気をさらに除湿するために、フィルタ8の下流側に除湿部9(例えば、デシカント式の除湿装置等)を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合は、フィルタ8から排出される排気を除湿部9により十分に除湿することができるので、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1からの排気を乾燥した状態にすることができる。
よって、フィルタ8に加えて除湿部9を備えてなる本実施形態に係る手指自動洗浄装置1によれば、除湿部9から排出された排気をそのまま屋内に排出することができる。この結果、手指自動洗浄装置1の周囲の環境を衛生的に保つことができる高性能な手指自動洗浄装置を提供することができる。
【0064】
また、本実施の形態に係る手指自動洗浄装置1では、排ミスト回収部2内の排ミストを吸引して強制的に排気するため、除湿部9から排出される除湿済排気の量も大きくなる。このため、本実施の形態に係る手指自動洗浄装置1において除湿済排気をそのまま室内に排気すると、手指自動洗浄装置1からの排気音が問題になるおそれがある。
このような事情に鑑み本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、先の図1,2に示すように除湿部9から排出される除湿済排気を、除湿部9に接続される循環路10を介して排ミスト回収部2の第1の中空部2b内に環流し、さらに、排ミスト回収部2と除湿部9との間で排気を環流させるよう構成してもよい。なお、このような手指自動洗浄装置1における循環路10は任意選択構成要素である。
そして、上述のような本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、その使用時に、手指自動洗浄装置1から排気が一切生じないので、手指自動洗浄装置1の静音性を高めることができる。
【0065】
さらに、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、排ミスト回収部2に送給される除湿済排気を利用して、排ミスト回収部2内に、排出口2cに向かって流れる旋回流を生じさせてもよい。
このような本実施形態に係る手指自動洗浄装置1について図9乃至図12を参照しながら詳細に説明する。
図9(a)は本発明の実施形態に係る旋回流発生部を備えた排ミスト回収部の一部を切り欠いて示す側面図であり、(b)は同排ミスト回収部のF−F線矢視断面図である。なお、図1乃至図7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る手指自動洗浄装置1は、図9(a)に示すように、除湿部9から排出された除湿済排気42の流路を所望に分岐させる分岐部33と、この分岐部33から導出される除湿済排気42を、排ミスト回収部2の第1の開口2aに近接した位置に送給する循環路10と、この循環路10に送給された除湿済排気42を排ミスト回収部2の周方向に導出させる複数の導出口10aとを備えていてもよい。なお、分岐部33、循環路10及び導出口10aはいずれも任意選択構成要素である。
また、図9(a)に示す手指自動洗浄装置1では、フィルタ8において排気から除去された液体(使用済の洗浄液23等)は、排水管34を通じて最終的に下水に排出される。
【0066】
上述のような分岐部33、循環路10及び導出口10aを備えた本実施の形態に係る手指自動洗浄装置1では、図9(b)に示すように、排ミスト回収部2を平面視した際の周方向に導出された除湿済排気42が、排出口2c側に吸引されることで、第1の中空部2b内に旋回流43が生じる。
そして、排ミスト回収部2の第1の中空部2b内に上述のような旋回流43が生じることで、排ミスト回収部2内の排ミストを迅速かつスムーズに排出口2cから排出することができる。
この場合、第1の中空部2b内に生じる旋回流43は、排ミスト回収部2の第1の開口2aの周囲の空気を効率良く第1の開口2a内に引込むことができる。
したがって、手指自動洗浄装置1が旋回流発生部35(図2を参照)を備える場合は、排ミスト回収部2の第1の開口2aの周囲にカバー6を備える必要がなくなる。
この場合、よりシンプルで機能的な手指自動洗浄装置1を提供することができるというメリットを有する。
よって、上述のような旋回流発生部35を備えた本実施形態に係る手指自動洗浄装置1によれば、その使用時に手指自動洗浄装置1からの排気を無くすことができる。さらに、排ミスト回収部2内の排ミストを排出口2cから迅速かつスムーズに排出することもできる。この結果、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1の静音性及び排ミストの回収効率を一層高めることができる。
【0067】
また、除湿部9から生じる除湿済排気42を利用して排ミスト回収部2内に旋回流43を発生させるための他の構成としては図10に示すような構造を用いることができる。
図10は変形例に係る旋回流発生部を備えた排ミスト回収部の要部の鉛直方向部分断面図である。なお、図1乃至図9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
変形例に係る旋回流発生部35aは、図10に示すように、例えば排ミスト回収部2の内側面上に、第1の開口2aの周方向に回動する回転リング36aと、この回転リング36aの内側面上に突設される複数の細長板状のフィン37aと、このフィン37aに除湿済排気42を送給する除湿済排気送給構造45とにより構成することができる。
【0068】
上述のような変形例に係る旋回流発生部35aにおいて、回転リング36aは、ボールベアリング39を介して排ミスト回収部2の内側面上に重なった状態で取設されている。また、回転リング36aの上端側のボールベアリング39は、着脱可能なカバー40により排ミスト回収部2に固定されている。
【0069】
さらに、変形例に係る旋回流発生部35aにおける除湿済排気送給構造45は、例えば、図10に示すように、回転リング36aを固定するカバー40上に嵌設されて壁面を形成する幅広リング46と、この幅広リング46の上部開口側に一体に設けられ、循環路10から送給される除湿済排気42を一時的に収容する除湿済排気受け部10bと、この除湿済排気受け部10bに送給された除湿済排気42を排ミスト回収部2内に導出する導出口10aとにより構成することができる。
【0070】
また、図10に示す除湿済排気送給構造45は、除湿済排気42を幅広リング46の上端側から下端側に向かって流動させるための風向調整部47を備えている。
この風向調整部47は、カバー41からなり、このカバー41は、除湿済排気受け部10bの上部開口を被覆するとともに、幅広リング46の上端との間に隙間を形成しながら覆設されている。
そして、上記カバー41が、幅広リング46との間に隙間を形成しながら第1の開口2a側に折れ曲がっていることで、第1の開口2aに沿って切れ目のない除湿済排気42の導出口10aを形成することができる。
そして、除湿済排気送給構造45が風向調整部47を備えていることで、導出口10aから送給される除湿済排気42を、幅広リング46の内側面上を、鉛直上方側から下方側に向かって流動させることができる。
【0071】
また、除湿済排気42が幅広リング46の内側面上を鉛直上方側から下方側に向かって流動することで、第1の開口2aの周囲の空気を排ミスト回収部2内に引込むことができる。
この結果、手指51の洗浄に用いられた排ミストを確実に排ミスト回収部2内に引込むことができる。これにより、排ミストが、第1の開口2aの周囲に飛散するのを確実に防ぐことができる。
よって、本実施形態に係る手指自動洗浄装置1では、風向調整部47を備えた除湿済排気送給構造45を、カバー6の代替手段として用いることができる。
つまり、実施形態に係る手指自動洗浄装置1が、風向調整部47を備えた除湿済排気送給構造45を備えている場合は、先の図1に示すカバー6を備えていなくともよい。
【0072】
さらに、図10に示す変形例に係る旋回流発生部35aでは、導出口10aから導出されて、幅広リング46の内側面上を排出口2cに向かって流動する除湿済排気42により、フィン37aを鉛直下方側に押圧することができる。そして、この作用により回転リング36aを、図10中の紙面右方向に回動させることができる。さらに、フィン37aを備えた回転リング36aが排ミスト回収部2の周方向に回転することで、第1の中空部2b内に除湿済排気42の回転流を生じさせることができる。
また、第1の中空部2b内の空気は、排出口2cから常時吸引されているため、第1の中空部2b内に生じる除湿済排気42の回転流は、旋回流43になる。
なお、排ミスト回収部2の第1の中空部2b内に旋回流43が生じることによる効果は、排ミスト回収部2が旋回流発生部35(先の図9を参照)を備えている場合の効果と同じである。
【0073】
なお、図10に示す変形例に係る排ミスト回収部2が、回転リング36aを備えていない場合は、排ミスト回収部2内に旋回流43を発生させることが困難である。
しかしながらこの場合でも、排ミスト回収部2が少なくとも除湿済排気送給構造45を備えていることで、第1の開口2aの周囲の空気を排ミスト回収部2内に引込むことができる。
したがって、図10に示す変形例に係る排ミスト回収部2が、フィン37aを備えた回転リング36aを備えていなくとも、周囲への排ミストの飛散防止効果を発揮させることができる。
つまり、図10に示す変形例に係る排ミスト回収部2が、フィン37aを備えた回転リング36aを備えない場合も、自動洗浄装置1は目的とする機能を十分に発揮することができる。
【0074】
さらに、除湿部9から生じる除湿済排気42を利用して、排ミスト回収部2内に旋回流43を生じさせる別の構成として、図11及び図12に示すような構造を用いることもできる。
図11は別の変形例に係る旋回流発生部を備えた排ミスト回収部の要部の鉛直方向部分断面図である。また、図12は別の変形例に係る旋回流発生部を備えた排ミスト回収部の要部の水平方向部分断面図である。なお、図1乃至図10に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
先の図10に示す排ミスト回収部2は、第1の開口2a側に設けられる除湿済排気送給構造45から導出される除湿済排気42を利用して回転リング36aを回転させるという構造を有している。
これに対して、図11,12に示す別の変形例に係る排ミスト回収部2は、排ミスト回収部2の周囲の空気の引き込みを促進するための除湿済排気送給構造45aに加えて、回転リング36bを回転させるための除湿済排気送給構造45bを別途に備えている。
すなわち、図11,12に示す別の変形例に係る排ミスト回収部2は、除湿済排気送給構造45a(除湿済排気送給構造45に相当)に加えて、旋回流発生部35bとして、フィン37bを備えた回転リング36b、および、この回転リング36bを回転させるための除湿済排気送給構造45bを備えている。
なお、図11,12に示す別の変形例に係る排ミスト回収部2における除湿済排気送給構造45aは、先の図10に示す除湿済排気送給構造45と同一である。
【0075】
別の変形例に係る旋回流発生部35bは、図11,12に示すように、排ミスト回収部2の内側面上において、第1の開口2aの周方向に回動する回転リング36bと、この回転リング36bの内側面上(第1の中空部2b側)に突設される複数のフィン37bと、このフィン37bに除湿済排気42を送給する除湿済排気送給構造45bとにより構成されている。
また、別の変形例に係る旋回流発生部35bにおいて、回転リング36bは、ボールベアリング39を介して排ミスト回収部2の内側面上に取設されている。さらに、回転リング36bの上端は、着脱可能なカバー40により排ミスト回収部2に固定されている。
なお、先の図10に示す変形例に係る排ミスト回収部2の場合と同様に、図11,12に示す別の変形例に係る排ミスト回収部2においても、カバー40上に除湿済排気送給構造45aが嵌設されている。
【0076】
そして、別の変形例に係る旋回流発生部35bにおける除湿済排気送給構造45bは、図11,12に示すように、回転リング36bの背面側(フィン37bが突設されていない側)の排ミスト回収部2に設けられ、かつ循環路10から送給される除湿済排気42を収容する除湿済排気受け部10bと、この除湿済排気受け部10bに収容された除湿済排気42を、第1の中空部2b側に排出するための多数の導出口10aと、この導出口10aと対向する位置の回転リング36bに形成される窓38とにより構成することができる。
上述のような除湿済排気送給構造45bでは、図11,12に示すように導出口10aと対向する位置に回転リング36aが配されている。さらに、回転リング36bは、導出口10aと対向する位置に窓38を備えている。よって、導出口10aから導出された除湿済排気42は、回転リング36bの窓38を通過して、排ミスト回収部2の第1の中空部2b内に供給される。
また、図12に示すように、全ての導出口10aの流路は、排ミスト回収部2を平面視した際に、排ミスト回収部2の内側面と、導出口10aの流路のなす角度が例えば45°になるように形成してもよい。
【0077】
上述のような別の変形例に係る旋回流発生部35bを備える場合は、図12に示すように、除湿済排気42が第1の中空部2b内に導出される際に、この除湿済排気42によってフィン37bが押圧される。この結果、回転リング36bが図12において時計周り方向に回転する。そして、排ミスト回収部2内においてフィン37aを備えた回転リング36bが回転することで、排ミスト回収部2内に時計周り方向の回転流が生じる(図12を参照)。
さらに、図11,12に示す別の変形例に係る排ミスト回収部2においても、排出口2cから常時第1の中空部2b内の空気が吸引されている。
このため、別の変形例に係る旋回流発生部35bを備えた排ミスト回収部2では、フィン37bを備えた回転リング36bが回転することで生じる回転流が、排出口2c側に吸引されて、図11,12に示すように、第1の中空部2b内に旋回流43が生じる。
よって、図11,12に示す旋回流発生部35bを備えた別の変形例に係る排ミスト回収部2によれば、先の図10に示す旋回流発生部35a備えた排ミスト回収部2による効果と同じの効果を発揮させることができる。
なお、排ミスト回収部2の内側面と、導出口10aの流路のなす角度は45°である必要は特になく、導出口10aから導出される除湿済排気42によってフィン37bを押圧して回転リング36bを回転させることができれば、上記以外の角度であってもよい。
【0078】
図11,12に示すような別の変形例に係る排ミスト回収部2を備える場合は、除湿済排気42を、除湿済排気送給構造45aと除湿済排気送給構造45bの2箇所で同時に利用することができる。
この場合、除湿部9から排出される除湿済排気42の排出量が特に大きい場合に、除湿済排気42の流速を適度に減速することができる。
この結果、図11,12に示すような別の変形例に係る排ミスト回収部2によれば、排ミスト回収部2の周囲の空気を第1の中空部2b内に引込むことによる排ミストの飛散防止効果と、除湿済排気42を適度に減速させることによる第1の中空部2b内の流体の整流効果とを同時に発揮させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上説明したように本発明は、手を自由に動かすことができない人の手指を自動で隅々まできれいに洗浄することができる手指自動洗浄装置であり、医療又は福祉、食品製造、衛生管理、あるいは研究開発等の関連設備に関する技術分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0080】
1…手指自動洗浄装置 2…排ミスト回収部 2a…第1の開口 2b…第1の中空部 2c…排出口 3…第1の洗浄液噴霧部 3a…供給配管 4…噴霧構造 4a…噴霧口 5…第2の洗浄液噴霧部 5a…親指側洗浄液噴霧部 5b…指先側洗浄液噴霧部 5c,5c…供給配管 6…カバー 6a…第2の中空部 6b…第2の開口 7…吸引部 8…フィルタ 9…除湿部 10…循環路 10a,10a,10a…導出口 10b…除湿済排気受け部 11…撮像部 12…画像認証部 13…高さ調整部 14…アームレスト 15…水温調整部 16…ベンチュリー管 17…洗剤供給管 17a…洗剤供給口 18…洗浄水 19…洗剤 20…洗浄液調整部 21…収容器 22…高周波発生部 23…洗浄液 24…導入管 25…排出管 26a…洗浄液供給管 26b,26b…洗浄水供給管 26c…圧縮空気供給管 27a,27b…電磁弁 28…圧縮空気 29…洗剤供給部 30…洗剤収容ボトル 30a…開口 31…第1の回転式弁 31a…回転軸 31b…仕切り板 31c…回転子 31d…回転補助部 32…第2の回転式弁 32a…回転軸 32b…仕切り板 32c…回転子 32d…回転補助部 33…分岐部 34…排水管 35,35a,35b…旋回流発生部 36a,36b…回転リング 37a,37b…フィン 38…窓 39…ボールベアリング 40,41…カバー 42…除湿済排気 43…旋回流 44…供給弁ユニット 45,45a,45b…除湿済排気送給構造 46…幅広リング 47…風向調整部 50…使用者 51…手指 P,P…ポンプ
【要約】
【課題】人の手指を自動で隅々まできれいに洗浄することができる手指自動洗浄装置を提供する。
【解決手段】ボウル状の排ミスト回収部2と、この排ミスト回収部2の第1の中空部2b上に配され、洗浄対象である手指51の上面側に洗浄液を噴霧する噴霧構造4を備えている第1の洗浄液噴霧部3と、排ミスト回収部2の第1の開口2aの鉛直上方側でかつその周縁側に配され、洗浄対象である手指51の周縁側に洗浄液23を噴霧する噴霧構造4を備えている第2の洗浄液噴霧部5と、排ミスト回収部2の排出口2cの下流側に配されている吸引部7と、を備えている手指自動洗浄装置1による。
【選択図】図1
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図12