(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6493723
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】押出機用スクリュ、それを用いた押出機および成形機
(51)【国際特許分類】
B29C 48/395 20190101AFI20190325BHJP
B29C 49/04 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
B29C47/38
B29C49/04
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-161877(P2014-161877)
(22)【出願日】2014年7月23日
(65)【公開番号】特開2016-22736(P2016-22736A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】711011386
【氏名又は名称】株式会社タハラ
(72)【発明者】
【氏名】山元 崇史
(72)【発明者】
【氏名】青柳 禎城
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 大輔
【審査官】
深草 祐一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−218678(JP,A)
【文献】
特開昭62−299324(JP,A)
【文献】
特開平05−269734(JP,A)
【文献】
特開2004−291558(JP,A)
【文献】
特開昭50−140563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 47/00−47/96
B29C 31/00−31/10,37/00−37/04,71/00−71/02
B29C 45/00−45/24,45/46−45/63,45/70−45/72,45/74−45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に向けて順にフィード部、圧縮部および計量部を具備した、熱可塑性樹脂の押出機用スクリュにおいて、前記圧縮部のメインフライトから継続したメインフライトを具備した計量部にて、隣接する前記継続したメインフライト間の溝内にサブフライトを設け、前記計量部における隣接するメインフライト間の間隔をスクリュ先端に向けて幅広から幅狭へついで該幅狭から幅広へ前記計量部の中央に向けて幅広間隔を次第に広くして変え、さらに該中央からスクリュ先端に向け前記幅広から幅狭へついで該幅狭から幅広へ幅広間隔を次第に狭くして変え、かつ前記計量部における前記サブフライトの両側の溝深さをスクリュ先端に向け小から大へ、ついで大から小へ順に変え、かつ前記サブフライトの一方の溝深さが小となるときに他方の溝深さが大と互い違いになるようにし、前記サブフライトが延設方向に等間隔または不等間隔の複数の切欠きを持つことを特徴とする押出機用スクリュ。
【請求項2】
前記隣接するサブフライトの両側のメインフライト間の間隔を、前記幅狭間隔が直前の前記幅広間隔の1/5ないし1/2となるように変化させる一方、前記幅広間隔が直前の前記幅狭間隔の2ないし5倍となるように変化させたことを特徴とする請求項1記載の押出機用スクリュ。
【請求項3】
前記サブフライト両側の溝深さを、前記大の溝深さが前記小の溝深さの1.5ないし9倍となるように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の押出機用スクリュ。
【請求項4】
先端に向けて順にフィード部、圧縮部および計量部を具備した、熱可塑性樹脂の押出機用スクリュにおいて、前記圧縮部のメインフライトから継続したメインフライトを具備した計量部にて、隣接する前記継続したメインフライト間の溝内にサブフライトを設け、前記計量部における隣接するメインフライト間の間隔をスクリュ先端に向けて幅広から幅狭へついで該幅狭から幅広へ前記計量部の中央に向けて幅広間隔を次第に広くして変え、さらに該中央からスクリュ先端に向け前記幅広から幅狭へついで該幅狭から幅広へ幅広間隔を次第に狭くして変え、かつ前記計量部における前記サブフライトの両側の溝深さをスクリュ先端に向け小から大へ、ついで大から小へ順に変え、かつ前記サブフライトの一方の溝深さが小となるときに他方の溝深さが大と互い違いになるようにしたことを特徴とする押出機用スクリュ。
【請求項5】
前記隣接するサブフライトの両側のメインフライト間の間隔を、前記幅狭間隔が直前の前記幅広間隔の1/5ないし1/2となるように変化させる一方、前記幅広間隔が直前の前記幅狭間隔の2ないし5倍となるように変化させたことを特徴とする請求項4記載の押出機用スクリュ。
【請求項6】
前記サブフライト両側の溝深さを、前記大の溝深さが前記小の溝深さの1.5ないし9倍となるように構成したことを特徴とする請求項4または請求項5記載の押出機用スクリュ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載のスクリュを具備したことを特徴とする押出機。
【請求項8】
請求項7記載の押出機を具備したことを特徴とする成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂の押出機用スクリュ、それを用いた押出機および成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂を押出機にて押出して成形する場合、良質の樹脂成形品を得るためには、押出機の中で溶融した樹脂を十分に混練して均質な溶融状態にて押し出すことが極めて重要である。
【0003】
特に、カラーマスターバッチ、すなわち高濃度の着色剤が混入された樹脂ペレット、を用いて成形品を着色成形する場合は、十分な混練が必要となる。混練が不十分だと、成形品に色ムラが発生する。パール顔料などの場合、この色ムラが顕著に目立ち、商品価値を損なってしまうことになる。
【0004】
また、押し出されてくる樹脂の温度にムラがあると、成形が不安定になる。特に、ダイレクトブローの多頭成形において、パリソン長さが樹脂温度の影響で変化するため、成形品の厚み等のばらつきの原因となる。
【0005】
さらに、発泡剤を配合添加して発泡押出成形する場合、混練が不十分だと、気泡のサイズが大きく不均一な状態となり、きめ細かい均一な発泡成形品を得ることができない。
【0006】
これらの問題に対処するため、従来のスクリュにおける混練部として
図14に示すものが使用されている。この混練の機構は、メインフライト101間のスクリュ溝102の中に円柱状の突起103を多数配置して、スクリュ100の回転による牽引流と圧力勾配による圧力流からなる螺旋流の整然とした循環流を乱すことによって混練させることを意図したものである。
【0007】
しかしながら、上述の従来技術では、
図15に模式的に示すように、スクリュ溝102内の循環流がメインフライト101間のスクリュ溝102内に配置した突起103にぶつかると、突起103の周囲を迂回して前方へ流れていく。このとき、流れ方向が若干変わることによって流線の変化はあるが、大きな攪拌効果にはなりにくく、混練機能として十分に満足できるものではないと考えられる。たとえば、カラーマスターバッチにより着色品を成形する場合、色ムラによる外観不良を防止できない場合もある。
図15中、実線Aにて示したのが上面部での樹脂の流れであり、破線Bにて示したのが底面部での樹脂の流れである。
【0008】
また、これら突起103は、スクリュ溝102内に立設されているから、突起の根本部分が直角になり、これら根本部分に樹脂が付着、滞留して熱劣化物のヤケの発生原因になってしまうという恐れもあった。
【0009】
そこで、本出願人は、特許文献1に示した混練用部品を具備したスクリュを提案した。すなわち、当該文献1の
図1に示したように、スクリュの計量部のメインフライト間の溝内に、長手方向に断続している切欠きのある邪魔板を1〜4列配置したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−218678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の特許文献1のスクリュにおいても、混練作用は十分とは言えず、特にスクリュのどのポイントを樹脂が通過するかによって樹脂が受ける混練作用が大きく異なってしまう。その結果、対象とする樹脂や押出条件によっては押出機から押し出される樹脂に色ムラや温度ムラが生じてしまうという課題があった。
【0012】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、押出機の中で溶融した樹脂を十分に混練して均質な溶融状態にて押し出す押出機用スクリュを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するため、先端に向けて順にフィード部、圧縮部および計量部を具備した、熱可塑性樹脂の押出機用スクリュにおいて、前記圧縮部のメインフライトから継続したメインフライトを具備した計量部にて
、隣接する前記継続したメインフライト間の溝内にサブフライトを設け、
前記計量部における隣接するメインフライト間の間隔をスクリュ先端に向けて幅広
から幅狭
へついで該幅狭から幅広へ前記計量部の中央に向けて幅広間隔を次第に広くして変え、さらに該中央からスクリュ先端に向け前記幅広から幅狭へついで該幅狭から幅広へ幅広間隔を次第に狭くして変え、かつ
前記計量部における前記サブフライトの両側の溝深さをスクリュ先端に向け小から大へ、ついで大から小へ順に変え、かつ前記サブフライトの一方の溝深さが小となるときに他方の溝深さが大と互い違いになるようにし、前記サブフライトが延設方向に等間隔または不等間隔の複数の切欠きを持つ押出機用スクリュである。
【0014】
計量部にてサブフライトを設けたのは、溶融樹脂のサブフライト乗り越えによる混練効果を奏させるためである。
計量部における隣接するメインフライト間の間隔をスクリュ先端に向けて幅広
から幅狭
へついで該幅狭から幅広へ前記計量部の中央に向けて幅広間隔を次第に広くして変え、さらに該中央からスクリュ先端に向け前記幅広から幅狭へついで該幅狭から幅広へ幅広間隔を次第に狭くして変えたのは、溝容積に
、計量部中央までの急激な変化および計量部中央からスクリュ先端に向けての急激な変化という2段階の急激な変化をつけることにより、溶融樹脂の伸張流れを発生させ、溶融樹脂の混練効果を促進するためである。前記サブフライトの両側の溝深さを小から大へ、ついで大から小へ順に変えたのは、溶融樹脂がサブフライトを挟んで隣り合う溝の浅い側から深い側へ流れるようにして混練効果をさらに高めるためである。サブフライトに前記複数の切欠きを設けたのは、溶融樹脂のサブフライト乗り越えによる混練効果に加え、さらなる混練効果を促進するため、サブフライト両側の溝を流れる溶融樹脂の往来を容易にするためである。そのため、これら切欠きをサブフライトに設ける位置は、等間隔でも良いし、不等間隔でも良い。要は、所望の混練効果を奏するものなら、それら間隔および個々の切欠きの大きさを問わない。
【0015】
また、第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段における好ましい態様であって、前記隣接するサブフライトの両側のメインフライト間の間隔を、前記幅狭間隔が直前の前記幅広間隔の1/5ないし1/2となるように変化させる一方、前記幅広間隔が直前の幅狭部分の2ないし5倍となるように変化させたものである。幅狭の間隔が直前の幅広の間隔の1/5より小さくなる場合は、溝幅が狭すぎて溶融樹脂が流れにくくなり、スクリュ自体の性能を発揮できなくなる恐れがある。幅狭の間隔が直前の幅広の間隔の1/2より広い場合、溝容積の変化が乏しくなる恐れがある。幅広間隔が直前の幅狭間隔の2倍より狭い場合も、溝容積の変化が乏しくなる恐れがある。幅広間隔が直前の幅狭間隔の5倍より広い場合、溝容積が広くなりすぎて溶融樹脂が滞留し、樹脂焼けを生じやすくなる。
【0016】
第3の課題解決手段は、上記第1または第2の課題解決手段における好ましい態様であって、前記サブフライト両側の溝深さを、前記大の溝深さが前記小の溝深さの1.5ないし9倍となるように構成したものである。ここに、前記小の溝深さと前記大の溝深さの平均は、所定の押出量確保のため、前記圧縮部の終点溝深さと同じとする。前記大の溝深さが前記小の溝深さの1.5倍より小さい場合、前記小の溝深さの溝および前記大の溝深さの溝にて流れる溶融樹脂の量があまり変わらず、前記小の溝深さの溝から前記大の溝深さの溝へのサブフライトを越えた移動が乏しくなる。前記大の溝深さが前記小の溝深さの9倍より大きい場合、前記小の溝深さと前記大の溝深さの平均の値の観点から、前記小の溝深さの溝が浅くなりすぎて樹脂焼けが生じやすくなり、また前記大の溝深さの溝では溝底に溶融樹脂が滞留して樹脂焼けが生じやすくなる。
【0017】
第4の課題解決手段は、先端に向けて順にフィード部、圧縮部および計量部を具備した、熱可塑性樹脂の押出機用スクリュにおいて、前記圧縮部のメインフライトから継続したメインフライトを具備した計量部にて
、隣接する前記継続したメインフライト間の溝内にサブフライトを設け、
前記計量部における隣接するメインフライト間の間隔をスクリュ先端に向けて幅広
から幅狭
へついで該幅狭から幅広へ前記計量部の中央に向けて幅広間隔を次第に広くして変え、さらに該中央からスクリュ先端に向け前記幅広から幅狭へついで該幅狭から幅広へ幅広間隔を次第に狭くして変え、かつ
前記計量部における前記サブフライトの両側の溝深さをスクリュ先端に向け小から大へ、ついで大から小へ順に変え、かつ前記サブフライトの一方の溝深さが小となるときに他方の溝深さが大と互い違いになるようにした押出機用スクリュである。
【0018】
計量部にてサブフライトを設けたのは、溶融樹脂のサブフライト乗り越えによる混練効果を奏させるためである。
計量部における隣接するメインフライト間の間隔をスクリュ先端に向けて
幅広から幅狭
へついで該幅狭から幅広へ前記計量部の中央に向けて幅広間隔を次第に広くして変え、さらに該中央からスクリュ先端に向け前記幅広から幅狭へついで該幅狭から幅広へ幅広間隔を次第に狭くして変えたのは、溝容積に
、計量部中央までの急激な変化および計量部中央からスクリュ先端に向けての急激な変化という2段階の急激な変化をつけることにより、溶融樹脂の伸張流れを発生させ、溶融樹脂の混練効果を促進するためである。前記サブフライトの両側の溝深さを小から大へ、ついで大から小へ順に変えたのは、溶融樹脂がサブフライトを挟んで隣り合う溝の浅い側から深い側へ流れるようにして混練効果をさらに高めるためである。
【0019】
第5の課題解決手段は、第4の課題解決手段における好ましい態様であって、前記隣接するサブフライトの両側のメインフライト間の間隔を、スクリュ先端に向けて幅狭部分が直前の幅広部分の1/5ないし1/2となるように変化させる一方、幅広部分が直前の幅狭部分の2ないし5倍となるように変化させたものである。幅狭の間隔が直前の幅広の間隔の1/5より小さくなる場合は、溝幅が狭すぎて溶融樹脂が流れにくくなり、スクリュ自体の性能を発揮できなくなる恐れがある。幅狭の間隔が直前の幅広の間隔の1/2より広い場合、溝容積の変化が乏しくなる恐れがある。幅広間隔が直前の幅狭間隔の2倍より狭い場合も、溝容積の変化が乏しくなる恐れがある。幅広間隔が直前の幅狭間隔の5倍より広い場合、溝容積が広くなりすぎて溶融樹脂が滞留し、樹脂焼けを生じやすくなる。
【0020】
第6の課題解決手段は、第4または第5の課題解決手段における好ましい態様であって、前記サブフライト両側の溝深さを、前記大の溝深さが前記小の溝深さの1.5ないし9倍となるように構成したものである。ここに、前記小の溝深さと前記大の溝深さの平均は、所定の押出量確保のため、前記圧縮部の終点溝深さを同じとする。前記大の溝深さが前記小の溝深さの1.5倍より小さい場合、前記小の溝深さの溝および前記大の溝深さの溝にて流れる溶融樹脂の量があまり変わらず、前記小の溝深さの溝から前記大の溝深さの溝へのサブフライトを越えた移動が乏しくなる。前記大の溝深さが前記小の溝深さの9倍より大きい場合、前記小の溝深さと前記大の溝深さの平均の値の観点から、前記小の溝深さの溝が浅くなりすぎて樹脂焼けが生じやすくなり、また前記大の溝深さの溝では溝底に溶融樹脂が滞留して樹脂焼けが生じやすくなる。
【0021】
さらに第7の課題解決手段は、上記第1ないし第6の課題解決手段のいずれかを具備した押出機である。
【0022】
第8の課題解決手段は、上記第7の課題解決手段を具備した成形機である。
【0023】
上記第1ないし第3の課題解決手段による作用は、次の通りである。すなわち、連続的に変化するメインフライト間の間隔と溝深さにより溝容積に
2段階の急激な変化を与え、 伸張流動を発生させることにより溶融樹脂に強い混練効果を与える。また、サブフライト両側の溝深さを互い違いに変化させることにより、両側の溝内の溶融樹脂を入れ替える交換流れを発生させ、混合効果を得る。さらに、切欠き溝を設けたサブフライトによって樹脂の流れを乱すことによりこの交換流れによる混合効果をより一層高める。以上の作用により、溶融樹脂に効率的に混練効果を与え、色ムラ、温度ムラのない均質な樹脂を押し出すことができる。
【0024】
第4ないし第6の課題解決手段による作用は、第1ないし第3の課題解決手段におけるサブフライト部の複数の切欠きが無いため、それら切欠きを通した溶融樹脂の往来がない点を除き、第1ないし第3の課題解決手段の作用とほぼ同様である。
【0025】
第7の課題解決手段による作用は、上記に示したように優れた混練効果を持つスクリュを具備することによって、均質な押出物を押し出すことができる押出機を得られる。
【0026】
第8の課題解決手段による作用は、上記に示した作用により、より均質なパリソンを利用した成形が可能となり、色ムラなく全体的に均質な成形品を成形することのできる成形機を得られる。
【発明の効果】
【0027】
上述したように本発明は、溶融した樹脂に対して混練を均一に与え、押出物の均質化に貢献する。この結果温度ムラや色ムラが解消される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明に係るスクリュの実施形態を示す側面図
【
図4】
図2に示したスクリュの一部のサブフライトの形成方向に沿った断面図
【
図5】
図2に示したスクリュの一部にて溶融樹脂の流れを示す拡大側面図
【
図6】
図1に示したスクリュを用いた押出機を具備した中空成形機の実施形態を示す側面図
【
図8】本発明に係るスクリュの第2の実施形態を示す側面図
【
図11】
図9に示したスクリュの一部のサブフライトの形成方向に沿った断面図
【
図12】
図9に示したスクリュの一部にて溶融樹脂の流れを示す拡大側面図
【
図13】本発明に係るスクリュの第3の実施形態を示す側面図
【
図15】
図14に示した分配混合部における溶融樹脂の流れを示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係るスクリュの実施形態を
図1ないし
図5に基づいて説明する。
【0030】
図1に示すように、スクリュ1は、押出機のホッパ側から順にフィード部F、圧縮部Cおよび計量部Mとから構成される。各部の長さは押出機のバレル口径(dと称す)に対し、フィード部Fが7dないし14d、好ましくは9dないし11dの範囲、圧縮部Cは7dないし14d、好ましくは9dないし11dの範囲、計量部Mは4dないし9d、好ましくは6dないし8dの範囲となっている。
【0031】
フィード部Fは、
図6に示したように、押出機52のホッパ52Aから供給された樹脂ペレットすなわち固体樹脂をスクリュ1の先端に向けて加熱しながら輸送する領域であり、スクリュ基端から先端に向けて等しいピッチ間隔にて螺旋状に配設したメインフライト11を具備する。フィード部Fの溝深さは一定であり、圧縮部Cおよび計量部Mより常に大きく設定して形成されている。
【0032】
圧縮部Cは、フィード部Fにて予熱され一部溶融した樹脂を加圧および圧縮して、機械的エネルギーを供給することで樹脂の溶融を促進する領域であり、フィード部Fから継続するメインフライト11によって構成されるスクリュ溝にメインフライト11に対し斜めに横断するサブフライト12を設けてなる溶融樹脂の溶融促進部分を構成している。圧縮部Cにてのスクリュ溝深さは、スクリュ1の先端に向けて徐々に小さくなっており、この間に溶融に伴う樹脂体積の減少分を相殺し、昇圧を図って、さらに固体樹脂間の残留空気または生成ガスをフィード部F側からホッパ52Aの口へと排出する。
【0033】
計量部Mは、圧縮部Cにてほぼ溶融が完了した樹脂の均質化を促進して整流する領域であり、
図1ないし
図3に示すように、圧縮部Cのメインフライト11から継続するメインフライト11Aを具備し、隣接するメインフライト11A間のスクリュ溝内に上述のサブフライト12とは異なったサブフライト13を設け、隣接するサブフライト13の両側のメインフライト11A間の間隔をスクリュ1の先端に向けて、幅広の間隔W1、W1より幅狭の間隔W2、W2より幅広の間隔W3、W3より幅狭の間隔W4、そしてW4より幅広の間隔W5のように、幅狭の間隔と幅広の間隔とを交互になるよう順に変えている。
【0034】
計量部Mにおけるメインフライト11Aの幅は、フィード部F及び圧縮部Cのメインフライト11のピッチを基準に1/15ないし1/5の範囲であり、好ましくは1/10である。その理由はフライトの幅が広いと、メインフライト11A両側の溝容積が小さくなるために押出量が小さくなってしまうためであり、フライトの幅が狭いと強度不足になるとともに、樹脂が容易にフライトを乗り越えて逆流することにより、押出量が減少してしまうためである。メインフライト11Aの高さは、バレル52Bの内壁との間に0.05mmないし0.15mmの間隙を設けた高さとする。その理由は間隙が0.05mmより少ないと運転時にバレル52Bとメインフライト11Aが接触して損耗してしまい、間隙が0.15mmより大きいと、樹脂が容易にフライトを乗り越えて逆流することにより、押出量が減少してしまうためである。
【0035】
計量部Mにおけるサブフライト13の幅は、メインフライト11Aの幅の1/4ないし3/4の範囲である。それは、小さすぎると強度不足となり、一方、大きすぎると溝容積が減って押出量の低下を招くからである。サブフライト13の高さは、メインフライト11Aよりも低く、浅溝部分の溝底よりも高くする。好ましくは浅溝部分の溝底から見たメインフライト11Aの高さの5/10ないし9/10とする。サブフライト13の高さが高すぎると隣り合う溝間を樹脂が行き来せず、混練効果が悪くなると考えられ、低すぎるとサブフライトとしての役目を果たさず、樹脂が容易に深溝側へと流れてしまうからである。
【0036】
間隔W1ないしW5は、具体的には、間隔W1が圧縮部Cにおけるメインフライト11の間隔と同じまたはより狭い間隔とし、幅狭の間隔W2が間隔W1の1/5ないし1/2、幅広の間隔W3が幅狭の間隔W2の2ないし5倍、幅狭の間隔W4が幅広の間隔W3の1/5ないし1/2、間隔W5は間隔W4の2ないし5倍の範囲である。
【0037】
計量部Mではさらに、サブフライト13の両側の溝深さを、スクリュ1の先端に向けて、小から大へ、ついで大から小へ順に変えている。大きい溝深さの溝h2,h4,h6,h8の深さは、小さい溝深さの溝h1,h3,h5,h7,h9の溝深さの1.5ないし9倍となるように設定する。ここに、小さい溝深さの溝h1,h3,h5,h7,h9の溝深さと、大きい溝深さの溝h2,h4,h6,h8の深さとの平均は、圧縮部Cの終点の溝深さと同じとする。
【0038】
計量部Mにおけるサブフライト13は、その延設方向に断続してなる複数の切欠き13Aを持つ。これら切欠き13Aは、サブフライト13の両側の溝からの溶融樹脂の交換流れを誘発するものである。したがって、切欠き13Aの形成箇所、形成の数および形状は、混合が効果的に得られるよう、溶融樹脂の種類や押出機のサイズ、その他成形の条件によって変わるが、
図4に示すように、スクリュ1の軸方向と直交する断面から見て等間隔に8方向に長方形断面の切欠が設けられている。なお、
図4において、大径の二点鎖線L1は、バレル52Bの内壁を表わし、小径の二点鎖線L2はサブフライト13の一側の溝の底を表わす。
【0039】
切欠き13Aは、サブフライト13の全体にわたって等間隔に設けることが均一な混練を行う観点から望ましい。ただし、浅溝部分を通過する樹脂が深溝側に容易に流れるのを防ぐため、これら部分のみ切欠きを設けない場合もある。切欠き13Aの形成数は、多すぎるとサブフライト13が溶融樹脂の循環流を堰き止めるという効果が乏しくなり、少なすぎると隣り合う溝間の溶融樹脂の交換流れが制限されて分配混合効果が低下してしまうため、6〜12程度が好ましい。同様の理由から、複数の切欠の全長はサブフライト13の全体の長さの1/3〜1/6の範囲であることが好ましい。切欠き13Aの形状は、矩形、サブフライトの基部に樹脂が滞留することを防ぐため基部角にRを付けた矩形または半円形であることが好ましい。
【0040】
スクリュ1の先端に形成したスクリュヘッド14は、押出機出口部に設けられるスクリーンおよびブレーカプレートと干渉しないように高さの低い円錐形状となっている。
【0041】
かかるスクリュ1を用いた押出機を備えた中空成形機は、
図6および
図7に示すように、筒状のパリソンPを押出・垂下させるヘッド51を設けた押出機52と、パリソンPを中空成形品に成形する成形金型53と、成形金型53を開閉・型締させる金型の型締装置54と、垂下したパリソンPを所定の長さに切断するパリソン切断装置55と、成形金型53を所定の位置間で往復移送させる金型移送装置56と、成形金型53内に収容されたパリソンPの内部に圧縮エアを供給するエア吹込装置57と、成形された成形品Sを取り出す取出装置58と、成形機前面に配設した安全扉59と、などにより構成されている。
【0042】
押出機52は、架台60上に設けられ、ホッパ52A、上述のスクリュ1を内蔵したバレル52Bおよび溶融樹脂を押出し筒状のパリソンPとして押出・垂下するヘッド51を設けている。
【0043】
次に、上述のスクリュ、それを用いた押出機およびその押出機を用いた中空成形機による動作を述べる。
【0044】
ホッパ52Aから供給された樹脂ペレットすなわち固体樹脂は、スクリュ1のフィード部Fから圧縮部Cへ移送され、押出機52のバレル52Bからの加熱とスクリュ1の回転により生じる摩擦発熱、剪断発熱により溶融するが、圧縮部Cのサブフライト12により溶融樹脂部と固相樹脂部とに分離され、固相樹脂部では発熱が有効に作用して溶融能力が向上し、溶融が安定し、溶融の促進も施される。
【0045】
サブフライト12を乗り越えてきた溶融樹脂は、着色用のカラーマスターバッチの高濃度のものや小さな未溶融物や高分子量のゲル状のものを含んでおり、均質な状態ではない。
図5に、樹脂の物性データに高密度ポリエチレン(MFR0.35)を用い、流入温度及びバレル内壁温度を190℃一定、回転数40rpm、押出量14.4kg/時の条件下、圧縮部Cから計量部Mに移送されてきた樹脂の流れのシミュレーションした結果の模式図を示す。図中、二点鎖線にて示したPSは図の右から左へ流れて行く溶融樹脂の流跡線を表している。特に区域M1、M2、M3では、溶融樹脂の溝間の移動が見られる。
【0046】
区域M1では、左側の溝にある溶融樹脂の一部が切欠き13Aを通って右側の溝へ移り、混合される。区域M2では、右側の溝にある溶融樹脂がメインフライト11Aの側壁に突き当たって流れを変え、図の右上から左下の方向へ流れており、それらの一部の溶融樹脂は切欠き13Aを通って右側の溝から左側の溝へ移動している。さらに、サブフライト13の側壁に突き当たった一部の溶融樹脂は再び、浅い溝から深い溝へ溝方向に沿って流れていく。区域M3では、次第に浅くなる左側の溝から押し出される形で溶融樹脂の一部が切欠き13Aを通り、右側の溝へと移動して混合される。以上のように、サブフライト13の両側の溝深さを互い違いに変化させた効果と切欠き13Aを設けた通過効果とによって、溶融樹脂の流れは乱されて混合され、溶融樹脂の全体が均質な状態で押し流されて行く。
【0047】
ついで、
図7に示すように、ヘッド51からパリソンPが押し出されて垂下し、開放した成形金型53内に収容され、型締装置54によって型締された状態のまま、金型移送装置56によってエア吹込装置57の直下に移送される。エア吹込装置57は、図示を省略した打込みノズルを下降させて成形金型53に打ち込み、成形金型53内のパリソンPに圧縮エアを吹込み、膨張したパリソンPを成形金型53に形成した図示を省略したキャビティに圧接させて成形品を成形する。そして成型金型53が開放した状態にて原の位置であるヘッド51の直下に移動する一方、打込みノズルが二点鎖線にて示した成形品Sを吊り下げ、取出装置58が打込みノズルから成形品を取出し、外部へ搬出する。
【実施例1】
【0048】
上述のスクリュ1での混練効果を確認するため、スクリュ1、および比較用の従来スクリュにおける計量部の流動解析を行った。スクリュ1と従来スクリュは、φ50mmのバレル口径に対応しており、計量部の長さ(400mm)は等しい。従来スクリュのメインフライト間の間隔と溝深さは、スクリュ1の計量部Mにおける、メインフライト間の間隔の平均値(46mm)、溝深さの平均値(4.2mm)とそれぞれ等しく、かつ一定である。従来スクリュのメインフライトの幅(4mm)と高さ(4.1mm)もスクリュ1と等しい。従来スクリュのサブフライトの幅(3mm)はスクリュ1と等しく、高さはメインフライトの高さと同じとし、切欠きを設けない。計算条件は
図5のシミュレーションと同様で、樹脂の物性データに高密度ポリエチレン(MFR0.35)を用い、溶融樹脂の流入温度及びバレル内壁温度を190℃一定、回転数40rpm、押出量14.4kg/時とした。その計算結果から、溶融樹脂の計量部における温度上昇値の、流出口断面での変動係数と、圧力損失を算出した。さらに、3000個のトレーサーを入口断面に均等に配置することによる粒子追跡解析を行い、各粒子が計量部にて受ける剪断応力、伸張応力の平均値とそれぞれの変動係数を算出した。ここで、圧力損失の値が正であると、樹脂が流れる際の抵抗となり、樹脂の押出量が低下する。逆に、負の圧力損失は、昇圧効果があることを示し、押出量の増加につながる。温度上昇値の変動係数は、温度ムラの大きさを示す。また、剪断応力と伸張応力は混練作用の強さを表し、各値の変動係数は混練の不均一性を表す。表1に示す通り、スクリュ1は比較対象の従来スクリュと比べて、圧力損失は大きいものの、混練作用の強さ(剪断応力の大きさ、伸張応力の大きさ)が向上していることが分かる。これは溝容積に変化をつけ、特に伸張流れを促進した効果である。また、変動係数が小さいこと(剪断応力の変動係数が小さい、伸張応力の変動係数が小さい、温度上昇値の変動係数が小さい)から、樹脂全体がより均一な混練受けていることも分かる。これは溝深さを変化させ、かつサブフライトに切欠きを設けた効果により、樹脂の流れが乱されて、混合が促進されたためである。この結果より、スクリュ1が従来スクリュよりも高い混練効果をもつことが判明した。
【0049】
【表1】
【0050】
また、本発明にかかるスクリュの第2の実施の形態を、
図8ないし
図12に従い説明する。第2のスクリュ1’は、中空成形機用押出機に用いられるものであり、上述のスクリュ1と寸法、スクリュヘッドの形状および計量部Mにおけるサブフライトに切欠きがない点を除き上述のスクリュ1と同一の構成であり、上述のスクリュと同一の構成部材には同一の符号を付し、それらの説明を適宜省略する。
【0051】
第2のスクリュ1’は、押出機出口部にスクリーン及びブレーカプレートが設けられないタイプの中空成形機用に使用されるため、スクリュヘッド14’はスクリーン及びブレーカプレートとの干渉を避ける必要がなく、樹脂の滞留を防ぐために、上述のスクリュヘッド14よりさらに尖った円錐形状に形成されている。
【0052】
第2のスクリュ1’の計量部Mにおけるサブフライト13’は、スクリュ1の切欠き13Aがないことを除き、その外形形状ならびに幅および高さの寸法がスクリュ1のサブフライト13と何ら変わらない。また、サブフライト13’の両側の溝深さも、スクリュ1のサブフライト13の両側の溝深さと同一である。
【0053】
サブフライト13’の断面を示す
図11において、大径の想像線L1はバレル52Bの内壁を表わし、小径の想像線L2はサブフライト13’の一方の側の溝底を表わす。
【0054】
かかるスクリュ1’、それを備えた押出機およびその押出機を持つ中空成形機の動作も、
図1ないし
図7に示したスクリュ、押出機および中空成形機と同様である。かかる押出機および中空成形機により成形する際の押出機内のスクリュ1’による樹脂の流れを、
図5の場合と同様、樹脂の物性データに高密度ポリエチレン(MFR0.35)を用い、流入温度及びバレル内壁温度を190℃一定、回転数40rpm、押出量14.4kg/時の条件下でシミュレートした。その結果の模式図を
図12に示す。図中、二点鎖線にて示したPS’は図の右から左へ流れて行く溶融樹脂の流跡線を表している。特に、区域M4,M5では、溝間を移動する溶融樹脂が観察できる。
【0055】
区域M4では、右側の溝の溶融樹脂はメインフライト11Aの側壁に突き当たって流れを変え、図の右上から左下の方向へ流れ、再びサブフライト13’の側壁に突き当たって浅溝から深溝への溝方向に沿って流れて行く。さらに、一部の溶融樹脂が右側の浅溝から押し出されてサブフライト13’を乗り越え、左側の溝へ移って混合される。区域M5では、サブフライト13’の左側の浅溝の溶融樹脂の一部が押し出される形で右側の溝へと移動し、一部混合効果が見出される。なお、ここでメインフライト11Aを乗り越えている溶融樹脂は、バレルに付着したまま押し出されずに回転しているものである。以上のように、サブフライト13’の両側の溝深さを互い違いに変化させた効果、およびサブフライト上の溶融樹脂の乗り越え効果により、溶融樹脂はより混合され、全体が均質な状態で押し流されていく。
【実施例2】
【0056】
上述のスクリュ1’の混練の効果を確認するため、表1と同様に計量部の流動解析を行い、従来スクリュとの比較を行った。計算条件は表1での条件と同じである。表2に示す計算結果の通り、スクリュ1’は切欠きをもつスクリュ1と比較して、混練作用の強さに大きな違いはなく、従来スクリュと比べて高い混練効果をもつことが分かる。不均一性を表す変動係数の値は、スクリュ1と比べて、概ねスクリュ1’の方が小さいが、これはサブフライトに切欠きを設けないためである。すなわち、サブフライト両側の溝を行き来する全ての樹脂が、サブフライトを乗り越える際の応力を同じように受けるため、より均一な混練が行われる。ただし、圧力損失についてはスクリュ1よりも、スクリュ1’の方が大きくなったので、多少押出量が下がると考える。
【0057】
【表2】
【0058】
さらに、本発明にかかるスクリュの第3の実施の形態を、
図13に従い説明する。この第3のスクリュ1”は、射出成形機用押出機に用いられる一般的なスクリュであるフルフライトスクリュに適用したものである。上述のスクリュ1と寸法、スクリュヘッドの形状、スクリュ基部が異なる点および圧縮部Cにてサブフライト12がない点を除き、上述のスクリュ1と同様な構成であり、上述のスクリュと同一の構成部材には同一の符号を付し、それらの説明を適宜省略する。
【0059】
第3のスクリュ1”は、上述の実施の形態と同様に、図示を省略した押出機のホッパ側から順にフィード部F”、圧縮部C”および計量部M”を持つ。
【0060】
計量部M”におけるサブフライト13”は、その外形形状および寸法がスクリュ1のサブフライト13と何ら変わらない。また、サブフライト13”の両側の溝深さも、スクリュ1のサブフライト13の両側の溝深さと同様である。
【0061】
スクリュヘッド14”は、射出時にスクリュ1”がプランジャとしての機能を発揮するよう、スクリュ1”の前進時にスクリュヘッド14”より図示を省略したノズル側の計量樹脂がスクリュ1”側へ逆流するのを防止するため、逆流防止リング15を組み込んでいる。
【0062】
かかるスクリュ1”を備えた押出機およびその押出機を持つ射出成形機(図示略)は、
図6および
図7に示した中空成形機と同様、押出機の図示を省略したノズル部へ溶融樹脂を均一に混練しながら送る
【0063】
上述の通り、本実施の形態によれば、固体樹脂が溶融され、かつ均一に混練され、良質の成形品が得られることとなる。
【符号の説明】
【0064】
1 スクリュ
11 メインフライト
11A メインフライト
12 サブフライト
13 サブフライト
13A 切欠き
52 押出機
F フィード部
C 圧縮部
M 計量部
h1,h3,h5,h7,h9 小の溝深さの溝
h2,h4,h6,h8 大の溝深さの溝
・・・