(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6493826
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】流体機械及び推進装置、流体機械のウォータージェット推進機。
(51)【国際特許分類】
B63H 11/12 20060101AFI20190325BHJP
B63H 1/28 20060101ALI20190325BHJP
B63H 5/07 20060101ALI20190325BHJP
B63H 5/16 20060101ALI20190325BHJP
B63H 11/08 20060101ALI20190325BHJP
B64C 29/00 20060101ALI20190325BHJP
F04D 25/16 20060101ALI20190325BHJP
F04D 19/02 20060101ALI20190325BHJP
F04D 29/54 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
B63H11/12
B63H1/28 Z
B63H5/07 B
B63H5/07 C
B63H5/16 Z
B63H11/08 A
B63H5/07 D
B64C29/00 Z
F04D25/16
F04D19/02
F04D29/54 E
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-225603(P2014-225603)
(22)【出願日】2014年10月17日
(65)【公開番号】特開2015-107794(P2015-107794A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2017年10月16日
(31)【優先権主張番号】特願2013-230615(P2013-230615)
(32)【優先日】2013年10月21日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513280430
【氏名又は名称】泰工技研工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】工藤 泰士
【審査官】
葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/015432(WO,A1)
【文献】
実開昭55−123699(JP,U)
【文献】
特開2008−062683(JP,A)
【文献】
特開2013−052719(JP,A)
【文献】
国際公開第88/005008(WO,A1)
【文献】
米国特許第03434447(US,A)
【文献】
特開昭52−018697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 1/28
B63H 5/07, 5/16
B63H 11/08,11/12
B64C 29/00
F04D 19/02,25/16
F04D 29/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流空気取り入れ口にプロペラ(127)を備え、
このプロペラの後段に対数螺旋形状羽根(104)
さらにその対数螺旋形状羽根(104)の後段に空気を圧縮する動翼(103)および静翼(106)を備えた軸流圧縮機を一連に連なり設置し、
該軸流圧縮の動翼を駆動する動力軸(117)を備え
ねじれ羽根車(124)及び軸流圧縮機を構成する静翼(102)と動翼(101)を収納した広口径から小径口への勾配を備えた,自在回転勾配筒(112)の内側に設置し、
前記動力軸(117)と前記自在回転勾配筒(112)とが固定されていて同期して回転し、前記動力軸(117)は前記プロペラ(127)および前記対数螺旋形状羽根(104)の回転によって駆動され、
前記自在回転勾配筒(112)内に、前記軸流圧縮機を構成する静翼(102)及び動翼(101)が上流側に、ねじれ羽根車(124)が下流側に設置されており
流入圧縮空気をさらに容積変化効果で圧縮を促進し、
前記自在回転勾配筒(112)と前記ねじれ羽根車(124)の回転により排出口から高圧縮空気を旋回渦流にして排出することを特徴とする高圧力の旋回渦流空気を噴出する流体機械。
【請求項2】
請求項1に記載の流体機械を用いて生成した圧縮空気を利用して船舶のスクリューへの圧縮旋回渦流空気を供給するシステムを構成する流体機械。
【請求項3】
本体筒(331)内に動力軸(330)を中芯に上流側から空気を取り入れ
上流に対数螺旋羽根車(305)、続いて斜流羽根車(304)と順に設置し
この斜流羽根車(304)に続いて軸流圧縮機構の静翼(327)動翼(328)を設置し、この動翼(328)の下流直近の本体筒(331)の胴体横壁に、穴をあけ筒形状(326)を設置し、
この筒形状の(326)から水を装置内に流入させ
この筒形状(326)の下流直近に静翼(302)および動翼(308)の軸流圧縮装置を、前記本体筒(331)と連結管(316)により近接連結された本体筒(324)内に設置しこの軸流圧縮装置の直近下流にねじれ羽根車(307)およびねじれ羽根車(306)を自在回転勾配筒(301)内に設置し、
上流からの対数螺旋羽根車(305)、斜流羽根車(304)および軸流圧縮機構を構成する静翼(327)および動翼(328)からの圧縮空気と
横からの筒形状(326)を通じて流入する水を、上流からの圧縮空気と混合させ
静翼(302)動翼(308)の軸流圧縮機構で圧縮し
下流の自在回転勾配筒(301)の回転により同期回転をするねじれ羽根車(307)とよじれ羽根車(306)の吸引力で下流へ気液混合の旋回渦流を排出口に一連に連なった圧縮機構で加圧された気液混合体を自在回転勾配筒の容積変化により軸流圧縮効果との相乗効果で加圧を促進し高圧の気液混合回転旋回渦流動として噴出口から噴射する流体機械のウオータージェット推進機。
【請求項4】
筒(429)の流体の中に動力軸(434)を中芯に設置し
対数螺旋形状羽根車(409)および斜流羽根車(410)を前記動力軸(434)に上流側空気入口から順に設置し、
この後段に空気を圧縮する動翼(406)および静翼(407)を備えた軸流圧縮装置、
続いてねじれ流路を内包した勾配回転筒を一連に連なり設置し、
排出口から高圧圧縮空気を旋回渦流として、圧縮空気排出管を通じて排出し、
前記筒形状の様態の横壁穴から水を取り入れる水流入口(435)を設け、
取り入れた水を送給する静翼と動翼を設け、該動翼は前記圧縮空気排出管に固定され前記動力軸の回転に同期して回転し、
この下流にねじれ羽根車を内包した自在回転の勾配回転筒を、前記圧縮空気排出管に設置して水の排出口から高圧の流体を旋回流のまま供給し、旋回流動として排出し、
もって圧縮空気旋回渦流体と高圧旋回渦流体とを其々別々に独立した流路を流動し排出口から噴出し、噴出口で気液混合の高圧旋回渦流体とすることにより水中に噴射することを特徴とする流体機械のウオータージェット推進機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特殊圧縮機構による、圧縮空気を利用し船舶のキャビテーションの削減、伴流の削減、粘性摩擦抵抗の削減、造波抵抗の削減、起振力の解消による推進効率の向上で航行高速度化、により推進力を増力し燃費の改善をする流体機械の推進装置、およびこれを用いた圧縮空気供給システムに関する、ならびに取り入れ口から排出口まで一連に連なる機構による圧縮装置の流体機械と、これを用い圧縮空気を活用した気液混合のウォータージェット推進装置並びに吸引圧縮噴出機能を利用した空中推進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶の推進装置には船の用途などに応じて、大きく分けてスクリュウプロペラ、ウオータージェット推進、外輪水車、アルキメデススクリュー、があり、スクリュウプロペラ方式には固定ピッチプロペラ、可変ピッチプロペラ、二重反転プロペラ、ノズルプロペラ、シュナイダープロペラがあり、ノズルプロペラを利用したポッド推進もある、推進力を増力するためにサーフェスドライブ方式があり高速化を実現し、またキャビテーション対策、プロペラ下流での旋回流の削減による推進効率を向上するためのプロペラ噴流装置、が提供されている、がしかし何れも水に対する水を利用した装置である。
【0003】
またスクリュウプロペラにはプロペラ翼を回転により生じる圧力の影響を分散、静粛性の確保の目的から、プロペラ翼の後退角を大きくしたハイスキュ−・プロペラが開発され騒音を下げることに効果をもたらしている。
【0004】
プロペラ前方にフィンやダクトを設けて伴流を均一化してプロペラの推進効率を向上する改善が行われている。
【0005】
プロペラの方向に、流体を噴射してプロペラ伴流分布を均一化してキャビテーションの発生を抑制し静粛性とプロペラの推進効率性能の向上を図ろうとしたものもある。
【0006】
推進用のプロペラ同軸上の上流側に逆方向に回転するプロペラを設けて反転流を発生させる二重反転プロペラやタンデム推進方式で下流の旋回流を削減してプロペラの推進効率向上をさせようとしたものもある。
【0007】
また船体周囲から取り入れた海水を船尾に設けた噴出口から船体後方に向けて推進プロペラの上流に反転流を生成させる装置を提供している。
【0008】
スクリュープロペラを水面に覗かせて海(水)面で回転させ、水しぶきを発生し高く巻き上げ高速で航行する、独自のスクリュープロペラを用いたサーフェスドライブ方式があり、超高速航行を実現しているが、静粛性の追求には難度が高く、回転シャフトの耐久性に問題を抱えており解決の難度が高い。
【0009】
一般的にディ−ゼルエンジンなどの動力機でスクリュウプロペラを回転させて推進力を得ているが、エンジンで駆動する発電機で発電し電動機を回転し推進力を得る、または蓄電池に充電した電力で電動機を駆動してスクリュウプロペラを回転させる、電気推進機方式がある。
【0010】
主に中小船舶に採用されているウォ−タ−ジェット推進では海水を取り入れ高圧ポンプで後方のノズルから高圧の流体を船尾空間に噴出し推進力を得ている、推進装置としてはスクリュ−プロペラに比べ構造が複雑であるが40−50ノットの高速航行が可能でスクリュ−ではないためにキヤビテ−ションは発生が少ない推進方式である。反面低速航行時の方向安定性、操縦性の難度が高いことやエネルギ−効率はスクリュ−プロペラより悪く、低速航行での燃費は悪いなどの欠点がある。
【0011】
外輪水車はパドル式とも呼ばれ推進効率が低く破損しやすいことから一部の観光船を除いては現在使用されていない。
【0012】
アルキメデススクリュ−はアルキメデスのネジの原理を用いたもので砕氷船のような特殊の船で使われている、ネジ型回転部が砕氷機と推進機を兼ね備えていて流氷や氷上、雪上、柔らかい泥地でも航行できる。
【0013】
大気、空気中の推進装置は主にプロペラによるあるいはジェット推進、ロケット推進であるが連続的に作動する圧縮噴出装置エンジンを搭載した外部には、はねを要しない円盤形状の推進装置である。
【0014】
以上述べるようにスクリュ−プロペラ推進方式とウォ−タ−ジェット推進方式が主流であり特にスクリュ−プロペラ推進方式は噴流発生装置が提供され、キャビテ−ション対策、伴流対策として提案されているが決定的ではなく、船体の推進力のロスを解消することは限定的であり、伴流は船体に引きずられて航行しているのが現状であり、キャビテ−ションの発生防止も完全とは言えない、またウォ−タ−ジェット推進方式による大型船舶は見当たらない、反面現在提供されている技術には高圧縮空気を利用した推進力増力装置システムは、スクリュ−プロペラ推進方式にも、ウォ−タ−ジェット推進方式にも見当たらない、なおサーフェスドライブ方式にも解決されなければならない課題がある。また空中推進装置には騒音などいろいろな課題がある。
【0015】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
推進用スクリュ−プロペラは回転数を高回転にする事によって推進力を増力して高速推進となるがキャビテ−ションの発生で一定速度以上には速度は上がらない。キャビテーションの発生はスクリュ−プロペラを損傷し、推進効率を低下させることから、改善されなければならない。
【0017】
推進用スクリュ−プロペラを用いた推進において船速を2倍する場合機関馬力は8倍となり燃油料は8倍必要とする、省エネの対策が必要である。
【0018】
船舶の推進には航行時に造波抵抗、粘性圧力抵抗、粘性摩擦抵抗があり、速力に応じてエネルギーを奪われ速度は減殺される。エネルギー効率を向上しなければならない。
【0019】
船舶が航走すると水に粘性があるために、船舶の周りに近い、部分の水は、船舶の進行に引っ張られて、船と同じ方向に進む船舶を追いかけて流れるこの伴流は、分布が平均的ではなく局所的な速度は変化しており、一般に船尾近傍で大きな値となり船舶の幅方向には小さいが推進エネルギーの減損になる。
【0020】
スクリュ−プロペラによる後方に流れる水流は水流速の二乗に比例して水圧は負圧となり後方に引っ張られる力が働き推進力の減損となる。
【0021】
サーフェスドライブ方式は低速での加速や操縦性、高速性に優れている、反面大量の水しぶきを発生し高く巻き上げ静粛性にも問題を抱え、またプロペラシャフト捩り振動が発生し振動が大きくシャフトの耐久性に難点がある。
【0022】
ウォータージェット推進方式は高圧の噴出流体(水)を船尾空間に高速噴出して推力を得ているが、大型船舶には採用されていない。
【0023】
ウォータージェット推進方式では、前述のように低速航行時に方向安定性は難度が高く操縦性の難度も高い。またエネルギー効率はスクリュープロペラ推進方式に劣る。
【0024】
ウォータージェット推進方式では船底から水を取り入れ高圧ポンプにより空中から水面に向けて高圧噴射し推力を得るが、水中で噴射すると推力は半減する。
【0025】
ウォータージェット推進方式は、低速航行域での燃料消費率(然費)が悪く、エネルギー効率が悪い。
【0026】
本発明は上述したこれらの課題の存在に、鑑みて解決を行おうとするものであり、その目的は、船舶の推進効率を目指すものであり、キャビテーション対策、伴流対策、粘性抵抗の低減、起振力の発生低減、推進速度の改善、静粛性の追求、である、その手段に水に噴流を発生させてキャビテーションの改善を行う方式やスーパーキャビテーションプロペラによる推進力向上などの方式を採用し改善するのではなく、高圧縮旋回渦流空気を活用するものであり圧縮空気製造の流体機械、気液混合の流体機械とこれを用いた圧縮空気の供給システム推進装置、ならびに気液混合供給噴射システムのウォータージェット推進装置を提供するにある。
【0027】
この発明に係る第一の流体機械は、上流空気取り入れ口にプロペラ(127)を備え、
このプロペラの後段に対数螺旋形状羽根(104)さらにその対数螺旋形状羽根(104)の後段に空気を圧縮する動翼(103)および静翼(106)を備えた軸流圧縮機を一連に連なり設置し、該軸流圧縮の動翼を駆動する動力軸(117)を備え、ねじれ羽根車(124)及び軸流圧縮機を構成する静翼(102)と動翼(101)を収納した広口径から小径口への勾配を備えた,自在回転勾配筒(112)の内側に設置し、前記動力軸(117)と前記自在回転勾配筒(112)とが固定されていて同期して回転し、前記動力軸(117)は前記プロペラ(127)および前記対数螺旋形状羽根(104)の回転によって駆動され、前記自在回転勾配筒(112)内に、前記軸流圧縮機を構成する静翼(102)及び動翼(101)が上流側に、ねじれ羽根車(124)が下流側に設置されており、流入圧縮空気をさらに容積変化効果で圧縮を促進し、前記自在回転勾配筒(112)と前記ねじれ羽根車(124)の回転により排出口から高圧縮空気を旋回渦流にして排出することを特徴とする高圧力の旋回渦流空気を噴出する流体機械である。
【0028】
尚その後段に羽根車を設け、回転自在な勾配形状の筒の内側に軸流圧縮機の回転翼と静翼を要しねじれ羽根車を設けたことを特徴とする。
【0029】
さらに上記回転自在な勾配形状の筒の外壁に軸流圧縮機の回転翼を設け、この外側に軸流圧縮機の静翼と、無接触軸受、羽根車軸受を其々固定する筒を設けることを特徴としている。
【0030】
上記一連の記述で述べる流体機械において取り入れた流体(空気)を、連続的に流れる流れの中で対数螺旋羽根、軸流羽根車、軸流圧縮機、を順に一連の中に設け圧縮し、ねじれ羽根車の回転と自在回転勾配筒の機構を用いて容積変化による圧縮する相乗効果で高圧圧縮しながら旋回渦流を噴出する空気を船舶の航行に利用することを特徴としている。
【0031】
この発明の上記流体機械で生成される圧縮流体(空気)の活用方式を、船尾の位置(スクリュープロペラの上流)からスクリュープロペラの回転軸を中心に円周状数カ所からスクリュープロペラに向けて高圧縮旋回渦流空気を噴射することによりスクリュープロペラ前方の周囲の水の流れは高圧縮旋回渦流の影響を受け負圧の作用となり周囲の水は流れ込みやすくなり吸引作用が働き伴流発生を抑制する、さらに吸引作用は船尾において周囲の水を、スクリュープロペラに向けて誘流動する作用となり、この流動は船体を推進する働きとなるとともにスクリュープロペラの効率を向上する、と同時にスクリュープロペラの近傍で気泡となり多数の泡がスクリュープロペラの裏面を覆う、この泡によってスクリュープロペラの抗力が減少し推進力を向上する効果を発揮する、などのことができることを特徴としている。
【0032】
スクリュープロペラの回転軸中央先端から後流に向けて、上記流体機械で連続的に生成する圧縮旋回渦流空気をスクリュープロペラが生成する噴流に供給し混合流体にできることを特徴とする。なお上記[0031]で述べる船尾の位置(スクリュウプロペラの上流)からスクリュウの回転軸を中心に円周上数箇所からスクリュウプロペラに向けて高圧旋回渦流空気を噴射することによりとしているが、この数箇所の噴出口をスクリュウプロペラの回転方向に角度をつけて憤射することにより円周上数箇所からなる噴出流は円周上の大きな旋回渦流を生成し、スクリュウプロペラが回転し吸引し流動する水流の流動を促進する効果がありより流体の流れを促し船舶の推進力を向上させることを特徴とする。
【0033】
上記流体機械で連続的に生成する圧縮旋回渦流空気を、船体側面の水接触部に向けて供給することにより気液混合を生成し、水とは異質の流体膜となり粘性抵抗(摩擦抵抗+造渦抵抗)を削減する、このことで造波の発生を抑制することにも利用できることを特徴とする。
【0034】
この発明の第二の流体機械はウォータージェットにおいて、船体の外から取り入れた水を軸流ポンプで加圧してジェット噴流として海面に噴出しベンチュリー効果で空中の空気を吸引し気体との混合効果で噴出圧力を向上させ推進力を得ているが、流体(水)が軸流ポンプに吸い込まれる手前の過程でこの流体(水)に圧縮空気を供給して気液混合の流体(水、空気)を軸流ポンプに供給して気液混合渦流のジェット噴流を生成させ水中に噴出しても空中噴射と同様の噴出圧力の噴出をすることにより船舶の推進ができることを特徴としている。
【0035】
この発明の第三の流体機械は、本体筒(331)内に動力軸(330)を中芯に上流側から空気を取り入れ上流に対数螺旋羽根車(305)、続いて斜流羽根車(304)と順に設置しこの斜流羽根車(304)に続いて軸流圧縮機構の静翼(327)動翼(328)を設置し、この動翼(328)の下流直近の本体筒(331)の胴体横壁に、穴をあけ筒形状(326)を設置し、この筒形状の(326)から水を装置内に流入させこの筒形状(326)の下流直近に静翼(302)および動翼(308)の軸流圧縮装置を、前記本体筒(331)と連結管(316)により近接連結された本体筒(324)内に設置しこの軸流圧縮装置の直近下流にねじれ羽根車(307)およびねじれ羽根車(306)を自在回転勾配筒(301)内に設置し、上流からの対数螺旋羽根車(305)、斜流羽根車(304)および軸流圧縮機構を構成する静翼(327)および動翼(328)からの圧縮空気と横からの筒形状(326)を通じて流入する水を、上流からの圧縮空気と混合させ静翼(302)動翼(308)の軸流圧縮機構で圧縮し下流の自在回転勾配筒(301)の回転により同期回転をするねじれ羽根車(307)とよじれ羽根車(306)の吸引力で下流へ気液混合の旋回渦流を排出口に一連に連なった圧縮機構で加圧された気液混合体を自在回転勾配筒の容積変化により軸流圧縮効果との相乗効果で加圧を促進し高圧の気液混合回転旋回渦流動として噴出口から噴射する流体機械のウオータージェット推進機である。
【0036】
騒音やエネルギー効率など問題を抱えた動力により羽を回転させる方式とは違い、この発明の第四の流体機械は第一形態で示した連続的に取り入れた空気を、圧縮噴出機能を備えた流体機械に回転動力を内蔵し円盤状に設置した空気抵抗を削減する流線形状の外形を要したことを特徴とする浮揚推進装置。
【0037】
この発明の第四の流体機械は空中の推進装置を第一に掲げた
【0038】
この発明の第一は前述に示すように、取り入れた空気を対数螺旋羽根形状の流路に従い流動した空気を軸流圧縮機で高圧縮する機構と、ねじれ羽根車を内包した自在回転勾配筒の勾配の容積変化により圧縮する機構の相乗効果で、高圧縮をして、さらにねじれ羽根車効果で旋回渦流として噴出できることから、噴出した高圧縮旋回渦流空気は水中の推進力が強く周囲をより負圧にすることができる、この装置により生成した高圧縮旋回渦流はスクリュープロペラ推進方式において、船尾からスクリュープロペラに向けて噴出することにより周囲は負圧となり噴出高圧縮空気旋回渦流の流動に引き寄せられ、船尾で生成する伴流の発生を抑制する効果があり、周囲の水はスクリュープロペラへの流動となる、噴出した高圧縮旋回渦流はスクリュープロペラ直近で気泡化し多数の泡がプロペラ裏面を覆いこの泡によってプロペラ裏面での抗力が減少しスクリュープロペラの推進力を向上する。
【0039】
スクリュープロペラの近傍から供給する圧縮旋回渦流空気は気泡となり水の粘性度が低下してスクリュープロペラの高回転時の回転摩擦抵抗が減少し、キャビテーションの生成を抑制し推進力が向上する。
【0040】
スクリュープロペラの中央から噴き出す圧縮旋回渦流空気は生成された噴流に混合され周囲の水とは異なる性質の噴流となり粘性摩擦抵抗を削減し後方への流れを促進する効果があり伴流の生成を抑制する、その結果後方に引っ張られる力を削減できて、前記[0035]で述べる生成された気液混合噴流束と合流し推進効率を向上する。
【0041】
これらのことは、スクリュープロペラの近傍、水中に高圧縮旋回渦流空気を供給することからキャビテーション現象を減少させるだけでなく、海面(水面)の効力を利用したサーフェスドライブ方式にすることなく、空気を活用することであり、水しぶきを巻き上げる難点を解決できて静粛性も追求出来る効果と、さらにプロペラシャフトの捩り振動の発生で振動が大きくシャフトの耐久性に問題を生じることを解決できて、高速航行が出来る効果がある。
【0042】
前記の流体機械の推進方式による連続的な高圧縮旋回渦流空気をスクリュープロペラの周囲の全体を包み込むように供給することで、スクリュープロペラの周囲が気泡で覆われスクリュープロペラの回転に対する粘性摩擦抵抗は減少し推進力が向上するとともに、キャビテーションの発生を減少させる。
【0043】
この発生した泡はスクリュープロペラの回転により、生成する噴流と混合し周囲の水流とは異なる性質の粘性度の低い噴流となり、後方への流動は周囲の水を引き連れる伴流の生成を減少させる、この効果が推進に対して引き戻される負の力を減少させる事になり推進力は既存の推進装置に比較して増力する。
【0044】
本発明は、船外から水を吸い上げ高圧ポンプで加圧し高速の噴流を船尾から水面に噴出させてその反作用で推進力を得る、ウォータージェット推進方式において、高圧ポンプに吸入される過程の水流に旋回渦流圧縮空気を混合させて気泡が含まれた気液混合噴流を生成させることにより、水面に噴出する水流は周辺の他の水流とは異なる性質の噴流となり粘性が低下して粘性摩擦が削減される結果、周囲からの水の吸引力が削減され伴流が減少することで推進への負の力が削減され、後方への流れの増力となり、推進力は向上する。
【0045】
ウォータージェット噴流は空中に噴出することにより負圧になり周辺の空気を吸引し混合体となることにより噴流束の反動力(反作用)を得ることができるが、水中での噴出は推進力が半減しエネルギーの無駄となる、強制的に噴流に空気を混合させることで、水中でも、噴流束の反動力を得ることができてその結果、推進力を、水面でも、水中でも推進力は向上する。このことはスクリュウプロペラ推進方式に比較して、翼効果を発揮できない低速航行時の燃費効率を向上する効果がある。
【0046】
ウォータージェット推進方式において、自然に空気を取り入れて混合体にする方法とは違い、空気を強制的に供給して混合体を得る方式であるため、空気の量、供給圧力、を調整できることから推進効率に最適な混合体にすることが出来て、推進力の向上を得ることが出来る。
【0047】
空気を混合したウォータージェット噴流の排出を旋回流にすることにより、水中に噴出する噴流束は、周辺の流体とは異なる性質の高流速の気液混合水流となる流体は、粘性流体摩擦が減少する、その結果周辺流体との粘性摩擦抵抗が削減され推進力が向上する。
【0048】
流体(水)が大気の空気を吸引混合する高効率は、高速航行時の高圧高速噴流で可能であり、既存のウォータジェット推進方式は低速時では空気の吸引力が低く空気の混合割合が低いために、排出する噴射を高圧力にすることは出来ず、推進効率が低く燃料消費率が悪く、スクリュープロペラに推進効率が劣るが、本発明は低速時にも圧縮空気を混合する方式であることから低速時にも空気をジェット噴流束に取り入れることであり、噴射圧力を増力できることになり、低速時にも高推進効率を得ることが出来て燃料消費率も向上し燃費を低減できる。
【0049】
このことは、低速航行から高速航行まで高推進効率を得ることが可能になり、低速航行時の燃料消費率も向上することが出来て燃費を低速航行から高速航行の全行程で低減できる。水中に噴射した比較実験において、水を噴射した場合の反動力に対して、空気を20%混合噴射した反動力の比較は1.7倍を確認している、このことは単純計算でも既存の方式に対して1.7倍の推進力を得ることができることを示している。
【0050】
本発明のもう一つの方式は圧縮空気を活用した第二の方式であり、ウォータージェット推進方式に於いて筒形状に空気圧縮機構の流体機械に、水の高圧、高速圧縮機構の流体機械が連結し、高圧縮旋回渦流空気を噴出する流路と、高圧縮、高速水流を噴出する流路とを独立して有することにより噴流束の中央に高圧縮旋回渦流空気を噴出し、この外側円周状に高圧縮高速の水を噴出する機構であり、気液を噴出後に混合する気液混合噴出流体機械のウォータージェット推進装置である、船外から取り入れた水を高圧の軸流ポンプで高圧、高速で噴出する噴流束の中央に独立した別の流路から圧縮旋回渦流空気を排出口から噴出して、噴出後に混合させるこの方式は、大容量の噴出束の空気吸入効果が中央部分まで及ばないことを補完し大容量の噴流束を効率良く、空気を混合することにより大型船舶にも活用することが可能にする効果がある。
【0051】
ウォータージェット噴流束は、高速時に大気から空気を効率よく吸引し混合するが、噴流束の径が200mmを超えると中心部は空気の混合が出来ず、負の力が戻す働きとなり、推進効率を減衰させる、このことから上記[0050]で述べるように、水の噴流束の中央に空気を独立して供給することにより均一された気液混合流体を生成することになり、推進効率を向上させ大容量のウォータージェット推進方式が可能となる。
【0052】
流体は気圧の低い方に密度が小さい方に流動することを利用することによりより流動摩擦抵抗が少ない形状の流線形状を利用し圧縮噴出エンジンを作動することによりはねによらない浮揚、推進装置を新たな運搬手段を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る空気圧縮装置の断面図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態に係る空気圧縮装置を利用したスクリュープロペラに圧縮空気を供給する例をあげて示した図面である。
【
図3】本発明の第一の実施形態に使用する主要部品の図面である。
【
図4】本発明の第二の実施形態に係るウォータージェット推進方式の例を断面で示した図面である。
【
図5】本発明の第二の実施形態に使用する主要部品の図面である。
【
図6】本発明の第三の実施形態に係るウォータージェット推進方式の例を断面で示した図面である。
【
図7】本発明の第三の実施形態に使用する主要部品の図面である。
【
図8】本発明の第四の実施形態に係る空中の推進方式の例を断面で示した図面である。
【
図9】本発明の第四の実施形態に使用する主要部品の図面である。
【
図10】本発明の第四形態に使用する回転動力機能を内蔵した流体圧縮噴出装置を示した図面である。
【
図11】本発明の第四形態の回転動力機能を内蔵した流体圧縮噴出装置の主要部品を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に添付の図面に基づき参照して、船舶の燃費、推進速度、エネルギー効率、静粛性を追求した形態を、本発明の流体機械の実施形態として詳細に説明する。
【0054】
(第一の実施形態)
図1の第一の実施形態に係る100は全体が円筒形状の筒に機能を設けた機構であり空気を連続的に取り入れ、連続的に圧縮し、連続的に圧縮空気を吐出するシステムの空気圧縮装置の流体機械の断面を、例を上げて示した図面でありPCT/JP2012/069269に記載の流体機械を基本としている。 空気導入口107を上流側とし、圧縮空気吐出口111側を下流とする、其々船舶の仕様により異なるが大気を取り込みやすい箇所からダクト150を通じて上流側の空気取り入れ口107の後段にプロペラ127を設け効率よく空気を取り入れる、中芯に位置する動力軸117を回転させるとプロペラ127、対数螺旋羽根車104、対数螺旋羽根車103を回転させ、連結管126を回転させる、同126に連結する回転勾配筒112を回転させる、同112の内壁に固定してある軸流圧縮羽根車動翼101および同固定してあるねじれ羽根車124を回転させる、排出口111に中心軸115を固定してある、同115に軸流圧縮羽根車の静翼102は固定され回転しない、上流側は転がり軸受108により軸流羽根車動翼101と中芯軸を支持している、動力軸117は外筒114の内径に固定してある空気取入口107を介して固定してある転がり軸受110と同固定してある対数螺旋形状流路118の転がり軸受で支えている、下流の軸受106は転がり軸受109を中心に固定してあり動力軸を支えている。フィルター128を通過した空気は下流の対数螺旋羽根車103に送り込まれる。ここで対数螺旋羽根車とは、自然界には強力な回転力を発生する竜巻、台風、ハリケーン,渦潮があり、この流体の渦の旋回は対数螺旋を描き流動する、外周の流体を巻き込む流動力、回転力は強大で、この自然に発生する流動現象を流体機械の機構に取り入れること、並びに分子間内部摩擦抵抗がある乱流を低減するための流路を、対数螺旋流路を形成する対数螺旋羽根、および対数螺旋流路を形成する羽根の組み立てで確立することにより、実現する羽根形状を言う。
【0056】
さらに下流は動力軸に固定されている連結管126に連結した自在回転の回転勾配筒112を回転し、同内壁に固定してある軸流圧縮機機構の動翼101を、自在回転勾配筒112とともに回転させることにより、静翼102との作用で吸引圧縮し、回転勾配の容積変化による容積圧縮効果との相乗効果で圧縮した空気は下流のねじれ羽根車124に流動し吐出口111から高圧縮旋回渦流空気にして噴出する。ねじれ羽根車にかぎらずよじれた流路を用いるなど他の方式により旋回渦流とすることもできる。ここで回転勾配筒について、管路の損失係数において流体を流す勾配管路の勾配角度を15°以下に設計することにより摩擦損失以外の損失水頭を無視出来ることから、流体摩擦の削減においては、旋回渦流圧縮流体が流動する流路が旋回流動に同期回転する回転勾配筒により、接触壁面との外部摩擦の削減で摩擦損失を削減し、排出に対して反作用を低減できる機構を採用している。このことは第二、三の実施形態も同様である。
【0057】
自在回転勾配筒112の下流側の軸受は接触抵抗を削減する無接触回転軸受105により自在回転を可能にしてある。
【0058】
回転勾配筒112に嵌合固定してある発電用磁石120は回転勾配筒112が回転することにより発電用コイル121に起電する、用途は多岐に考えられる。船舶の航行では、推進力に負の働きをする抵抗がある、主体は粘性摩擦抵抗であり、粘性圧力抵抗はスクリュープロペラにより発生する噴流で圧力差によって(伴流、渦流など)後ろに引っ張られる抵抗である、造波抵抗は船舶の速度が高速になれば主体となる抵抗であり、波を作るエネルギーの分だけ損失する抵抗で、速度の2乗に比例して増加する、尚、粘性抵抗は速度と船舶の長さに比例し動粘性係数に反比例することから船舶と水との接触する部分に高圧縮旋回渦流空気を供給して船舶と水との間に気液混合の膜の層を生成させ動粘性係数値を低下させて小さくし速度の向上を図ることにも利用できる、このことで結果的に高速航行時の造波抵抗を低減できる。
【0059】
上記説明するように、ダクト150等から取り入れた空気を、上流側から下流側まで一連の流動の中で圧縮作用の動作を軸流圧縮機の動翼101と静翼102の軸流圧縮効果と、自在回転勾配筒112の容積変化効果と、空気を噴出側に圧縮を促進しながら噴出する機構の自在回転勾配筒112と、ねじれ羽根車124の相乗効果により連続的に高圧縮旋回渦流空気を噴出する。この流体機械は他の用途にも活用が可能である。船舶の場合の動力の取り方はこの流体機械の空気圧縮装置は大きなトルクを必要としないことから尚、前述しているように抵抗力を削減し推進力向上により得られるエネルギーと、スクリュープロペラの最適設計が可能となり重量を軽減しエネルギーを削減できることで、スクリュープロペラの動力からベルト掛けで活用することができる、或いは熱交換器などの設備の動力を活用できるので新たに動力を設ける必要はない。
【0060】
船舶のスクリュープロペラ航行には推進に負の働きをする伴流、粘性抵抗(摩擦抵抗+造渦抵抗)、造波抵抗、起振力、キャビテーションがあり推進効率向上の課題である。一般にスクリュープロペラは、船尾の後方に位置し船体が前にある、この船尾との位置関係は推進効率、キャビテーションに影響するため重要視されている、伴流は、スクリュープロペラの効率に影響を及ぼすだけではなく、キャビテーションにも大きく影響をおよぼす、平均的な速度として表されるが局所的には速度は変化しており、船尾船底とシューピースの近傍が多く発生する、またスクリュープロペラの浅深度、大型化の影響を受け没水深度が相対的に小さくなり翼が水面上に露出しない状態であっても部分空気吸い込みが発生し、スクリュープロペラの翼面の低圧部に水面から空気を吸い込み,翼面上に空洞が形成され、翼の負荷が変化し、スクリュープロペラに直行して発生する起振力は、推進効率を低下させシャフトの損壊、騒音発生などを引き起こす、これは完全空気吸い込みの領域では発生しないことが実験的研究で証明されている(神戸商船大学西川栄一教授、起振力の発生原因が、不安定な空洞形成によるプロペラ翼相互の流体力のアンバランスだからである)、これらは船舶の推進効率を向上するために解決しなければならない課題である、
図2の、上記[0050]で述べる流体機械を利用した推進装置
図200は、船舶が航行する航行中連続して高圧縮旋回渦流空気を活用することにより上記の課題を解決する手段の実施例を概略した図面である、スクリュープロペラのキャビテーション防止、伴流対策、起振力対策、高速度化、推進効率の向上による燃料消費量の削減を実現することを目的にしている。噴出口201は船尾に設けてあり、スクリュウプロペラ202に向って、噴出口8箇所201から噴射する高圧縮旋回渦流空気を噴射してスクリュウプロペラ202直近で泡となり翼の裏面を包囲する、噴出口201から202スクリュウプロペラの間は噴射する高圧縮旋回渦流空気の流れに乗じて周囲の水が流動し、負圧になり吸引され、スクリュウプロペラ202に向い流動する、高圧縮旋回渦流空気と混合した流体は周囲の水とは異なった性質でありスクリュープロペラ202の後流は粘性抵抗を低下させて引き連れる作用は働きを減少させ、後流へと流動する事から伴流を促進する働きを減少させる、さらに気泡に覆われたスクリュウプロペラ202の抗力を低下させ推進効率を向上し、スーパーキャビテーション現象となり、キャビテーションは発生しない、さらに均一に噴出口201の噴出口から噴射する高圧縮旋回渦流空気はスクリュープロペラ202に、完全空気吸い込み領域となり、起振力発生原因である不安定な空洞形成によるプロペラ翼相互の流体力のアンバランスが生じないことから起振力は発生せず静粛性の向上が得られる、以上述べたことで、推進効率向上を達成するための課題の、伴流、キャビテーション、起振力、粘性抵抗、静粛性の追求の課題を解決できる方法となり得る、造波抵抗は、水の粘性のために船体表面との接触摩擦抵抗で粘性抵抗であり、速度の2乗に比例して増加する、また、粘性抵抗は推進速度、接触面積に比例し水の動粘性係数に反比例することから、図面には表示していないが接触面に高圧縮旋回渦流空気を供給して船体と水の間に気泡が混合した水流膜を形成することで、粘性抵抗を低減し動粘性係数を小さくして、その結果造波抵抗を削減することにも活用できる、この高圧縮旋回渦流空気を供給する流体機械は必ずしも提案する流体機械によらない場合も有り得る、造波抵抗の課題解決については[0053]でも述べる。
【0061】
スクリュープロペラの上流側の近傍、円周状に圧縮空気を噴出する噴出口201を数カ所に設け、ならびにスクリュープロペラ中央に、後流に向けて噴出する噴出口を設けた噴出システムである。
【0062】
通常スクリュープロペラの前に船体がある、水の粘性、船体による造波、船体の形状の原因で、プロペラに流入する水の速度は、航行時その時の船舶の速度より遅いのが普通である、噴出口201から噴射する高圧縮旋回渦流空気は、この噴射により後方への流動は周囲を負圧にする働きとなり周囲の流体は引きつけられスクリュープロペラの前方への流動効果を生成し、スクリュウプロペラ202の近傍では気泡となり周囲を充満させる。
【0063】
気泡に囲まれたスクリュープロペラの回転は気泡効果により粘性摩擦抵抗を低減させる効果がありスクリュープロペラの回転抵抗は低減し抗力の低減、静粛性向上、回転増力となる。
【0064】
気泡が混合された流体210は周辺の水の流体とは性質が異なった流体の束となり、この周辺の水との粘性摩擦抵抗は低減され、スクリュープロペラ202で生成する噴流を後方への流動を促進するその結果船体203の推進力は増大する。
【0065】
気泡が含まれた流体束210は、その外側の水とは性質が異なり、粘性摩擦抵抗を低減した状態で後流するので周囲の水を吸引する吸引力が低下する事になり伴流の生成が低減されるその結果、伴流を引きずる負の力(引き戻そうとする力)が削減され、推進効率が向上する。
【0066】
スクリュウプロペラ202の中央の空気口201から噴出する高圧縮空気は、気泡を含む流体束の後流速を促進し、気泡の混合を促進することにより粘性摩擦抵抗を低減する効果となり流体束の流速を促進し船舶の推進効率を向上する、実施形態説明図ではスクリュープロペラに1箇所、スクリュープロペラから距離をおいて船尾から円周状に8箇所で噴出することにしているがまた、スクリュープロペラが生成する噴流に対する、混合流体の空気の割合は20%が最適と考えるが、船舶の大きさ、形状、等にあわせこの噴出量、噴出圧およびスクリュープロペラまでの距離、噴出口径を適宜変えることによりその船舶に最適な推進装置とすることができる。
(第二の実施形態)
【0067】
図4の、ウォータージェット推進装置300は船外船底部に開口部を持つ水導入管から取り入れた水を軸流圧縮ポンプによる高圧のジェット噴流の中に、高圧の圧縮空気を混合する機構を備えたウォータージェット推進装置の例を断面で示した図面である。
【0068】
図4、ウオータージェット推進装置300は、全体が筒形状の中に形成しており、空気取入口312側を上流、吐出口323側を下流としている、動力軸330を回転させることにより、対数螺旋形状羽根車305,斜流羽根車304,軸流圧縮機の動翼327、軸流圧縮機の動翼302,ねじれ羽根車307,ねじれ勾配羽根車306,回転勾配筒301が回転する。対数螺旋羽根車305は第一の実施形態の対数螺旋形状羽根車104と同様な働きをする羽根である。
【0069】
動力軸330は無接触軸受311により上流側を支え、軸流圧縮機の動翼302に連結固定してある回転勾配筒301の外周を無接触軸受319、310、により下流側を支えている。無接触軸受の何れかを転がり玉軸受など転がり軸受にすることもできる。
【0070】
動力の回転で、水は船外から導入管をとうして流入口326から軸流圧縮機の動翼302の回転により静翼328との吸引圧縮効果で下流へ流動する、ダクトを通して、空気取入口312から流入した空気は対数螺旋形状羽根車305を通過下流へ流動し、さらに斜流羽根車304を通過下流へ流動し、軸流圧縮機の動翼327により静翼328との効果で吸引され高圧縮空気となる、この圧縮空気は、軸流羽根車動翼の302が回転し、静翼308との効果で圧縮吸引作用により水の流入口326から流入した水に、混合され軸流圧縮機の静翼308との圧縮吸引により下流のねじれ羽根車307、さらに下流の勾配ねじれ羽根車306へ流動して羽根車のねじれに応じて混合流体は自在回転機構の回転勾配筒301と同期回転しながら容積圧縮の相乗効果で排出口322から高圧の気液混合流体を旋回渦噴流で噴射する。この発明は流体機械が作動して流体の連続的な流れの中で水流体と空気流体を混合し気液混合圧縮流体として噴射することでウォータージェット推進装置とするものであり水の量に対する高圧旋回渦流空気の混合割合は20%が望ましいが船舶の大きさ、形状などにより空気、水、其々のターボ機構の容積を適宜決めることにより最適な推進効率を実現できる。
【0071】
噴射した気液混合流体束の周囲は負圧になり吸引力が働き周囲の水は、流動案内309の案内流路に従い後方へ流動する、噴射流体の負圧作用が働きこの外側の流体は噴射流体と同後方へ流動する。気液混合流体束は周囲の流体とは性質が異なるために粘性摩擦抵抗が低減し後流への働きが増進し船舶への反動力を向上させ推進力の増力となる。
(第三の実施形態)
【0072】
図6の400は第二実施形態とはことなり水流体と圧縮空気流体を流体機械内部で混合せず其々独立した流路で噴出口まで導き其々を噴出後に混合して噴射流体とする方式のウォータージェット推進方式の装置である。
【0073】
ダクト側の空気流入口411側を上流として噴出口436側を下流とする、水は、水導入口を通じ水流入口435より軸流圧縮機の動翼402,静翼403の効果により吸引圧縮作用で吸引され圧縮しながら下流へ流動する。
【0074】
動力軸434を回転させることにより、対数螺旋羽根車409、斜流羽根車408,軸流圧縮機の動翼406、この動翼406に連結固定してある回転勾配筒405、動力軸に固定してある勾配圧縮器404、回転勾配筒405のストレート部の外周に固定してある軸流圧縮機の動翼402、この動翼に連結固定してある回転勾配筒412、および回転勾配筒に固定してあるねじれ羽根車401が回転する。ここで勾配圧縮機404とは流路が4部屋に別れ其々が巻き貝のごとく捩れて中心軸に巻き付き巻き貝の内面のごとく滑らかな対数螺旋を描き広口径から狭口径への流路を形成する容積圧縮機である。この流路は必ずしも4部屋とは限らない。
【0075】
動力軸434の回転によりダクトを通じ空気は空気取入口411から流入し、対数螺旋羽根車409を回転させ下流に流動して、斜流羽根車408を下流に流動し、軸流圧縮機の動翼406静翼407の圧縮吸引力により下流へ流動させ、勾配圧縮機404に流動し、回転勾配筒405の容積変化による圧縮効果、と斜流羽根車408、軸流圧縮機の動翼406,静翼407の圧縮機構の圧縮効果との相乗効果で高圧縮旋回渦空気流体を噴出口436から噴出する。
【0076】
動力軸434を回転させることにより船艇部に開口部を持つ水導入管を通じて流入口435にある流体は、軸流圧縮機の動翼402の回転により静翼403との効果で吸引圧縮され、この動翼に連結固定してある回転勾配筒412ならびに回転勾配筒412の内周に固定してあるねじれ羽根車401を回転させて軸流圧縮効果と回転勾配筒の容積変化と、ねじれ羽根車の圧縮効果との相乗効果で高圧縮の旋回渦流体を噴射口436から噴射して中央から噴射される高圧旋回渦流空気と混合され、高反動力(反作用)の混合流体束となり高推進力を得る。
【0077】
空気流体と水流体は動力軸434の回転動力による同軸状の同一回転動作であるが空気の流路と、水の流路は独立した其々の流路を形成し噴出口で混合して高噴射効果を得ることができる。このことは水を空中に噴射し反動力を得る事が出来るのは高速で噴射するからで、周囲が負圧になり空中の空気を吸引し混合体の流体を形成できるからである、大きな200mm径以上の水噴流には、高速流体でも中央には空気は混合できないことを、中央に空気を供給するこの発明は、解決する手段ともなる。
【0078】
この発明は水噴射流体の中央に圧縮空気を供給して、船舶の低速航行時にも気液の混合により高噴射力の流体を噴射して強い反動力を得ることができるウォータージェット推進システムを提供し、気液混合高圧噴射流体で既存の低速時の推進効率の低さによる燃費の悪さのウォータージェット推進装置の課題も解決することにある。水の噴流体に対する空気の混合割合は20%が理想と考えるが、船舶の大きさ、形状、等により適宜其々空気、水の圧縮機構の容積を決めることにより最適な推進装置にすることが出来る。
【0079】
噴出口436から噴出する噴流体束の円周は負圧になり、水を引き寄せる働きをすることから、流動案内421により、水の流れを噴流体束の流れに並行して、後流へと案内するものである、混合噴流体の形成は中央の圧縮空気噴出口をこの外側の水噴流噴出口の位置に対して同一位置ではなく噴射位置を変えることができる。
【0080】
(第四の実施形態)
図8の800は804円盤状に大気中の空気を吸引し圧縮噴出を連続的に作動する801,802推進エンジンを搭載設置し流体抵抗を少なくするための流線形状の803上面蓋で被い流体吸入口を設け噴出孔を設置した空気中の推進装置である。
【0081】
円盤中央に主力の推進エンジン801を搭載しこの推進エンジンの円周上周辺に少なくとも四か所以上の補助推進エンジン802を搭載し、補助推進エンジン802を降下作動するために180度向きを変えて交互に設置し浮揚と降下をコントロールすることができる。
【0082】
円盤804には推進エンジン801、および802の作動をコントロールするためのコントローラー805、806が設置され、この805,806には充電器、蓄電器が内蔵されている。
【0083】
円盤804上に設置した装置を大気、空気の流動抵抗を減少させる、外形が流線形状の上蓋本体803が被い蓋となっている。
【0084】
上蓋本体803には推進エンジン801、802の空気吸入口を設け吸入口周辺からスムーズに効率的に空気を流入できる形状としている。この形状は吸入口への流体(空気)の流れが周辺流体(空気)が吸引されより流動的なながれを形成するように特徴つけている。
【0085】
上蓋本体803の推進エンジン801,802の吸引口にはそれぞれ傘807,808が設けてあり吸引する流動体の流れを吸入口周辺からの流動を促進する作用をするとともに大気の流動に作用されにくくする雨水を直接吸引することを避けることができる。
【0086】
推進エンジン802は設置した円周状外辺に自在に向けて傾斜させて圧縮噴出流動体が円盤804の底面の広範囲に噴出圧力を作用させる構造としている。
【0087】
浮揚体であり、推進装置である800は作動時において構造上、上蓋本体803上部は推進エンジン801,802の吸入口の傘807,808との空間を流動する流動体の流れにより周辺流体(大気、空気)は希薄となり気圧がさがり円盤804の底面は圧縮、濃縮された流動体(主に圧縮空気)により流動体密度は大きくなり気圧は上昇する装置となっていて噴出する圧縮流動体の噴出反動により装置は上面に向かい浮揚する。
【0088】
以上のように空気を利用するにあたり変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかであり、この発明の流体機械の制作は可能であることから、推進効率を向上し消費燃料を削減すること、ならびに高速航行の実現、静粛性の実現ができる船舶の製造は、他国籍船舶との差別化の実現であり、独自の技術の確立は喫緊の課題でもある、これらのことを解決する手段として利用できる、装置の外周にはねを要しない推進装置は騒音低減やエネルギー問題、美的感覚からも新たな運搬手段として利用価値は高い。
【符号の説明】
【0089】
114、323、324、428、429:外筒本体
113:内筒
115:中心軸
117、330、434:動力軸
107,312,411、:空気流入口
104、305、307、409:対数螺旋羽根車
118:対数螺旋形状流路
101、302、327、406,402:軸流圧縮機動翼
102、308、328、407、403:軸流圧縮機静翼
112,301,405、412、回転勾配筒
124、306、401:ねじれ羽根車
304:斜流羽根車
105、311、319、310.420、423、424、425、:無接触軸受
111、322、436:噴出口
126:連結管
127:プロペラ
128:フィルター
119、315、316,413,415,418:固定リング
110,109,108、:転がり軸受
202:スクリュープロペラ
204:舵2
205:シューピース
326、435:水導入口
404:回転勾配容積圧縮機
120:発電用磁石
121:発電コイル
801、802:推進エンジン
803:上蓋本体
804:円盤
805、806:コントローラー。蓄電器、電池
807、808:傘