特許第6493841号(P6493841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6493841自動車用電池充電器に使用される電子装置の製造および組み立て工程
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6493841
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】自動車用電池充電器に使用される電子装置の製造および組み立て工程
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/73 20110101AFI20190325BHJP
   H05K 3/36 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   H01R12/73
   H05K3/36 Z
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-548811(P2015-548811)
(86)(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公表番号】特表2016-504736(P2016-504736A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】IB2013060837
(87)【国際公開番号】WO2014097061
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年11月16日
(31)【優先権主張番号】MO2012A000321
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512098360
【氏名又は名称】メタ システムズ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ラザーニ,チェーザレ
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−028871(JP,A)
【文献】 特開2005−045882(JP,A)
【文献】 特表平08−511674(JP,A)
【文献】 特開2005−253173(JP,A)
【文献】 特開2000−251989(JP,A)
【文献】 特開2012−143035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00−12/91
H01R24/00−24/86
H01R43/00−43/02
H01R43/027−43/28
H05K 1/14
H05K 3/36
H02G 3/08− 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用電池充電器に使用される電子装置(1)の製造および組み立て工程であって、
−少なくとも1つの細長い形状の第1の電力コネクタ(7)を有する少なくとも1つの第1の電子基板(2)を配置するステップと、
−前記第1の電力コネクタ(7)を通せるように、少なくとも1つの貫通開口部(14)を有する少なくとも1つの第2の電子基板(10)を配置するステップと、
−少なくとも1つの電力回路を含み、かつ、前記第1の電力コネクタ(7)に接続可能な少なくとも1つの第2の電力コネクタ(18)を有する少なくとも1つの第3の電子基板(15)を配置するステップと;
少なくとも1つの第1の制御コネクタ(6)を前記第1の電子基板(2)上に配置するステップと
少なくとも1つの制御回路、および、前記第1の制御コネクタ(6)に接続可能な少なくとも1つの第2の制御コネクタ(13)を前記第2の電子基板(10)上に配置するステップと
−前記第1の電力コネクタ(7)を前記貫通開口部(14)から挿入すること、及び前記第2の制御コネクタ(13)を前記第1の制御コネクタ(6)に接続すること
を含前記第2の電子基板(10)を前記第1の電子基板(2)組み合わせるステップと、
−前記第2の電力コネクタ(18)を前記第1の電力コネクタ(7)に接続することを含み、前記第3の電子基板(15)を前記第2の電子基板(10)組み合わせるステップと、
前記第1の制御コネクタ(6)と前記第1の電力コネクタ(7)の少なくとも1つに対応して、熱硬化性材料(9)を前記第1の電子基板(2)の少なくとも一部上に堆積させるステップと
前記第1の制御コネクタ(6)および/または前記第1の電力コネクタ(7)を前記第1の電子基板(2)上に固定するために前記熱硬化性材料(9)を凝固させるステップと、を含むことを特徴とする工程。
【請求項2】
前記第1の制御コネクタ(6)は前記第1の電子基板(2)から伸長する少なくとも1つの金属端子を含み、前記第2の制御コネクタ(13)は前記金属端子の少なくとも1つの接続穴を有する少なくとも1つのボトムエントリタイプのポートを含み、前記第2の制御コネクタ(13)を前記第1の制御コネクタ(6)に接続する前記ステップは、前記金属端子を前記接続穴に挿入することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の工程。
【請求項3】
前記第1の制御コネクタ(6)は少なくとも2つの金属端子を含み、前記第2の制御コネクタ(13)は少なくとも2つの接続穴を含み、前記2つの端子は、1つの同じ制御信号を前記第1の電子基板(2)から前記第2の電子基板(10)へ送信するのに適切であることを特徴とする、請求項に記載の工程。
【請求項4】
前記第1の電力コネクタ(7)は前記第1の電子基板(2)から伸長する少なくとも1つの細長い形状の金属刃を含み、前記第2の電力コネクタ(18)は前記金属刃を接続するための少なくとも1つのハウジングを有するボトムエントリタイプのポートを備え、前記第2の電力コネクタ(18)を前記第1の電力コネクタ(7)に接続する前記ステップは、前記金属刃を接続ハウジングに挿入することを含むことを特徴とする、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の工程。
【請求項5】
前記貫通開口部(14)の断面は、前記第1の電力コネクタ(7)の横断面の断面を再したものであることを特徴とする、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の工程。
【請求項6】
少なくとも1つの案内要素(21)を、前記第2の電子基板(10)と前記第3の電子基板(15)の少なくともそのうちの1つと一体的に関連付けることと、直案内手段(22)を前記第1の電子基板(2)と一体的に組み合わせることとを含み、前記第2の電子基板(10)を前記第1の電子基板(2)に組み合わせる前記ステップ、および/または、前記第3の電子基板(15)を前記第2の電子基板(10)に組み合わせる前記ステップは、前記直案内手段(22)上で前記案内要素(21)を連結し、かつ摺動するステップを含むことを特徴とする、請求項1〜のうちいずれか一項に記載の工程。
【請求項7】
−少なくとも1つの第1の電力コネクタ(7)を有する少なくとも第1の電子基板(2)と、
−前記第1の電子基板(2)に組み合わされた少なくとも1つの第2の電子基板(10)と、
−前記第2の電子基板(10)に組み合わされ、かつ、前記第1の電力コネクタ(7)に接続する少なくとも1つの第2の電力コネクタ(18)を有する少なくとも1つの電力回路を含む少なくとも1つの第3の電子基板(15)と、を含む自動車用電池充電器に使用される電子装置(1)であって、
前記第2の電子基板(10)は少なくとも1つの貫通開口部(14)を含み、前記第1の電力コネクタ(7)は細長い形状を有し、かつ、前記貫通開口部(14)を通して前記第1の電子基板(2)から前記第3の電子基板(15)まで伸長することを特徴とする、電子装置(1)。
【請求項8】
−前記第1の電子基板(2)は少なくとも1つの第1の制御コネクタ(6)を有し、
−前記第2の電子基板(10)は少なくとも制御回路を含み、前記第1の制御コネクタ(6)接続する少なくとも1つの第2の制御コネクタ(13)を有することを特徴とする、請求項に記載の電子装置(1)。
【請求項9】
前記第1の制御コネクタ(6)は前記第1の電子基板(2)から伸長する少なくとも1つの金属端子を含み、前記第2の制御コネクタ(13)は前記金属端子を収容するための少なくとも1つの穴を有する少なくとも1つのボトムエントリタイプのポートを含むことを特徴とする、請求項に記載の電子装置(1)。
【請求項10】
前記第1の制御コネクタ(6)は少なくとも2つの金属端子を含み、前記第2の制御コネクタ(13)は少なくとも2つの接続穴を含み、前記2つの端子は、同じ制御信号を前記第1の電子基板(2)から前記第2の電子基板(10)へ送信するのに適切であることを特徴とする、請求項に記載の電子装置(1)。
【請求項11】
前記第1の電力コネクタ(7)は前記第1の電子基板(2)から伸長する少なくとも1つの細長い形状の金属刃を含み、前記第2の電力コネクタ(18)は前記金属刃を接続するための、少なくとも1つのハウジングを有するボトムエントリタイプのポートを含むことを特徴とする、請求項10のうちいずれか一項に記載の電子装置(1)。
【請求項12】
前記貫通開口部(14)の断面は、前記第1の電力コネクタ(7)の横断面の断面を再したものであることを特徴とする、請求項11のうちいずれか一項に記載の電子装置(1)。
【請求項13】
前記第2の電子基板(10)と前記第3の電子基板(15)のうちの少なくとも1つに、および、前記第1の電子基板(2)に一体的に組み合わされた直案内手段(22)に固定された少なくとも1つの案内要素(21)を含み、前記案内要素(21)は前記直案内手段(22)に摺動するように連結されることを特徴とする、請求項12のうちいずれか一項に記載の電子装置(1)。
【請求項14】
前記第1の制御コネクタ(6)および/または前記第1の電力コネクタ(7)を前記第1の電子基板(2)上に固定するために、前記第1の制御コネクタ(6)と前記第1の電力コネクタ(7)の1つに対応して前記第1の電子基板(2)の少なくとも一部上に堆積された、固体化した熱硬化性材料(9)の少なくとも1つの層を含むことを特徴とする、請求項13のうちのいずれか一項に記載の電子装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子基板の製造および組み立て工程、ならびにそれによって得られる電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気および電子分野に関して、いくつかの段階で共に適切に接続されかつ組み立てられるいくつかの電子基板からなる電子装置の製造が既知である。
【0003】
特に、電子制御回路および電力回路専用の1つまたは複数の別個の電子基板の使用が既知であり、普及している。
【0004】
特に、制御回路を電力回路から分離する場合、電子基板に関して作業するいずれの操作者にとっても安全性がより高まる可能性がある。
【0005】
実際、制御回路は、この場合、電力回路と比較すると、安全性が低下した電圧で作動する可能性がある。
【0006】
一般的に言えば、それぞれが隣接した2つの電子基板の制御論理間の接続は、例えば、共に連結して制御信号の送信を可能とすることができる雄および雌DINコネクタからなる特殊な制御コネクタによって行われる。
【0007】
また、それぞれが隣接した2つの電子基板の電子式電力回路間の接続は、例えば、共に連結して電力信号を通すことができる雄および雌タイプのいわゆる「ファストン(faston)」コネクタからなる特殊な電力コネクタによって行われる。
【0008】
その場合とは違って、それぞれが隣接していない2つの基板を電気的に接続するためには、一連の特定のケーブルによって共に接続されたそれぞれの電子基板周辺部に沿って適切に固定された適切なコネクタを使用しなければならない。
【0009】
従って、その結果、電子基板群外に伸長する一連のケーブルによって、それぞれが直接隣接していないそれら基板全てを適切に接続することができることになる。
【0010】
しかしながら、既知のタイプの上記の工程および装置にはいくつかの欠点がある。
【0011】
特に、複数のケーブルによってそれぞれが直接隣接していない電子基板を接続するために必要なことは、必然的に、組み立て工程の複雑さが増すこと、および、組み立て自体を完了させるのに必要とされる全時間が長くなることを伴う。
【0012】
さらに、複数のケーブルによってそれぞれが直接隣接していない電子基板を接続するために必要なことは、必然的に、接続エラーが生じる可能性が高くなり、それゆえに、エラーの可能性を制限するために、基板の組み立ておよび電気接続中、および/または、異なるタイプ/色のコネクタの使用中に操作者を導くのに適切な特定のマニュアルの使用が必要になる。
【0013】
電子基板の周辺の1つまたは複数の部分に対応して配置されたコネクタを使用することは、必然的に、コネクタ自体に対する専用のプリント回路上の適切な空間によって、このようなコネクタを収容するための基板のレイアウトを適切に検討することがさらに制限される。
【0014】
また、ケーブルの使用は、多くの場合、過度に長い経路を具現し、それによって電力信号における外乱が生じることを伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の主な目的は、電子基板の組み立ておよび電気的接続の簡略化および高速化を可能にする、電子基板の製造および組み立て工程、ならびに、それによって得られる電子装置を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、電子基板の組み立て工程中のエラーの低減を可能にする、電子基板の製造および組み立て工程、ならびに、それによって得られる電子装置を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、電子基板、ひいては、製造された電子装置の全体の寸法の低減を可能にする、電子基板の製造および組み立て工程、ならびに、それによって得られる電子装置を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、簡易、合理的、容易、そして効果的な使用範囲内における技術水準の上記欠点の克服、および、低費用の解決法を可能にする、電子基板の製造および組み立て工程、ならびに、それによって得られる電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的は、請求項1に記載の、電子基板の製造および組み立てを行うための本発明の工程によって実現される。
【0020】
上記目的は、請求項9に記載の、本発明の電子装置によっても実現される。
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、好ましいが唯一のものではない、単に例として示されるが以下のような添付の図面に制限されない電子基板の製造および組み立て工程、ならびに、それによって得られる電子装置の実施形態の説明からより明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による電子装置を示す不等角投影図である。
図2】本発明による工程を示す不等角投影図である。
図3】本発明による工程を示す不等角投影図である。
図4】本発明による工程を示す不等角投影図である。
図5】本発明による工程を示す不等角投影図である。
図6】本発明による工程を示す不等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
特にこのような図に関して、包括的に1によって示されるものは、本発明による工程によって作ることができる電子装置である。
【0024】
特に、当該工程およびそれによって得られる装置は、いくつかの重ね合わされた電子基板間の組み立ておよび電気的接続工程の大幅な簡略化ならびに高速化を可能にする。
【0025】
実際、本解決法によると、極めて容易かつ迅速なやり方で、コネクタ全てを電子的に接続するために、電子基板を上下になるように挿入することで十分である。
【0026】
従って、技術水準とは異なるやり方で、提案された解決法によって、一連の特定の外部ケーブルによって共に接続された電子基板のそれぞれの周辺部に沿って固定されたコネクタによって、それぞれが隣接していない2つの基板を電気的に接続することは不要である。
【0027】
また、提案された解決法は、電子基板の組み立ておよび電子的な接続の工程中のエラーの大幅な制限、ならびに、電子基板、ひいては、得られる電子装置の全体の寸法の大幅な低減を可能にする。
【0028】
例示において示される装置1は、特に、電気車両の電池を再充電するのに使用可能な、車両用電池充電器で構成される。
【0029】
それゆえに、装置1は、電気車両の電池に接続可能で、電池自体を再充電するのに適した、適切な電気回路で構成される。しかしながら、異なるタイプの電子装置の製造も除外できない。
【0030】
例示において示される実施形態に関して、装置1は:
−第1のプリント回路3と;
−電源電圧および電流を処理するのに適切であり、例えば、電子式電力構成要素またはコンデンサなどからなる複数の電子構成要素4と;
−例えば、変圧器、フィルタ、および、インダクタンスコイルなどの構成要素からなる複数の巻線構成要素5と、を含む第1の電子基板2を含む。
【0031】
特に、巻線構成要素5は、kW域の電力に使用可能な大型構成要素である。
【0032】
電子構成要素4および巻線構成要素5は、第1のプリント回路3に固定され、かつ、プリント回路自体の導電トラックに電子的に接続される。
【0033】
有利には、第1の電子基板2は、1つまたは複数の第1の制御コネクタ6、および、1つまたは複数の第1の電力コネクタ7を含む。
【0034】
特に、本明細書において、「制御コネクタ」によって表されるものは、制御信号(つまり、低減した電圧/電流信号)を送るのに使用可能な電子コネクタを意味することを指摘する。
【0035】
さらに、本明細書において、「電力コネクタ」によって表されるものは、電力信号(つまり、高電圧/電流信号)を伝導するのに使用可能な電子コネクタを意味することを指摘する。
【0036】
電子基板2は、第1のプリント回路3に固着され、かつ、巻線構成要素5が固定されるプリント回路の一部を取り巻く周辺保持壁を有するテンプレート8も有する。
【0037】
有用には、電子基板2は、テンプレート8によって範囲が定められたプリント回路3の全域において析出され、かつ、巻線構成要素5をプリント回路自体において留めることができるようにするのに適切な固体化した熱硬化性材料9の層を含む。
【0038】
有利には、固体化した熱硬化性材料9の層は、第1の制御コネクタ6および第1の電力コネクタ7に対応した第1のプリント回路3の区域において析出されて、コネクタをプリント回路自体に留められるようにすることができる。
【0039】
従って、実際には、固体化した熱硬化性材料9の層は、電子基板のより高い機械的堅牢性を実現し、直接的に第1のプリント回路3に対して、第1の制御コネクタ6を、特に、第1の電力コネクタ7を確実に留めることを可能にする。
【0040】
有用には、熱硬化性材料9の層は、通常操作中に巻線構成要素5によって生じた熱の均一かつ効率の良い拡散も可能にする。
【0041】
有用には、熱硬化性材料9を樹脂または同様の材料で作ることができる。
【0042】
第1のプリント回路3を、ベトロナイト(vetronite)タイプまたは他の同様の電気絶縁材料の、誘電材料の支持物に対して既知のタイプの技法によって作ることができる。
【0043】
代替的には、装置1の一実施形態は、IMS(絶縁金属回路基板)タイプのプリント回路の具現および使用を想定することができる。
【0044】
従って、この場合、第1のプリント回路3は、誘電層が析出される金属材料、好ましくはアルミニウムの支持物を含む。
【0045】
装置1は、第2のプリント回路11と、制御回路を構成するためにプリント回路11上で共に接続される複数の電子構成要素12とを含む第2の電子基板10も有する。
【0046】
第2の電子基板10は、第1の制御コネクタ6に接続され、第1の電子基板2から/への制御信号の送信に適切な第2の制御コネクタ13を含む。
【0047】
特に、第1の制御コネクタ6のそれぞれを、例えば、第1のプリント回路3から垂直方向に伸長する3対の金属端子から作ることができ、第2の制御コネクタ13のそれぞれを、金属端子を挿入するための3つの対応する対の接続穴を有するボトムエントリタイプの適切なポートから作ることができる。
【0048】
有用には、金属端子の、および、対応する接続穴の各対を使用して、第1の電子基板2と第2の電子基板10との間に同じ制御信号を送信する。
【0049】
これによって、各制御信号の冗長性の導入、および、装置1の信頼性および精度の大幅な改善が可能になる。
【0050】
このことは、例えば、装置1の自動車用途の場合、振動の発生によって制御信号の外乱が引き起こされる可能性がある時に、特に有用である。
【0051】
有利には、第2のプリント回路11は、複数の貫通開口部14を含み、第1の電子基板2上の第1の電力コネクタ7のそれぞれは、細長い形状を有し、かつ、各貫通開口部14を通って上方に伸長する。
【0052】
装置1は、第3のプリント回路16、および、第3のプリント回路16上で共に接続されて電子式電力回路を画定する複数の巻線および電力構成要素17を含む第3の電子基板15も有する。
【0053】
特に、第3の電子基板15は、対応する第1の電力コネクタ7の先端に接続される複数の第2の電力コネクタ18を有する。
【0054】
それゆえに、第1の電力コネクタ7のそれぞれは、細長い形状を有し、第2の電子基板10上で得られる各貫通開口部14を通して、第3の電子基板15上の対応する第2の電力コネクタ18の所まで、第1の電子基板2から伸長する。
【0055】
有用には、例示において示される好ましい実施形態に関して、各第1の電力コネクタ7は、第1の電子基板2の第1のプリント回路3から伸長する細長い形状の金属刃で構成され、各第2の電力コネクタ18は、金属刃の自由先端のためのハウジングを有するボトムエントリタイプのポートで構成される。
【0056】
特に、第2の電力コネクタ18は、第3のプリント回路16の上面から伸長する、上方に回転する「ファストン」タイプの雌コネクタであって、第3の電子基板15上に作られた適切な開口部を通して下から、金属刃の先端を収容するのに適した雌コネクタ18で構成可能である。
【0057】
有用には、第2の電力コネクタ18のそれぞれは、互いから分離し、かつ、結果として第1の電子基板2から生じ、第2の電子基板10上で倍になることが示される電力信号の倍加を可能にするのに適切な2対の接触子を有する。
【0058】
これによって、各電力信号の冗長性を導入し、装置1の信頼性および精度を大幅に改善することが可能になる。
【0059】
このことは、例えば、装置1の自動車用途の場合、振動の発生によって電力信号の外乱が引き起こされる可能性がある時に、特に有用である。
【0060】
有用には、各貫通開口部14の断面は、実質的に、金属刃7の横断面の、実質的に平坦かつ幅広の断面を再形成したものである。
【0061】
有用には、第2の電子基板10の第3の制御コネクタ19を、第3の電子基板15上の対応する第4の制御コネクタ20に接続させることができる。
【0062】
特に、第1の制御コネクタ6および第2の制御コネクタ13と同じように、各第3の制御コネクタ19は、例えば、第2のプリント回路11から垂直方向に伸長する3対の金属端子で構成可能であり、第4の制御コネクタ20のそれぞれを、金属端子を挿入するための3つの対応する対の接続穴を有するボトムエントリタイプの適切なポートから作ることができる。
【0063】
有利には、装置1は、第2の電子基板10および/または第3の電子基板15に固定された1つまたは複数の案内要素21と、第1の電子基板2に固定された案内手段22とを含むことができ、ここで、案内要素21は、第2の電子基板10および/または第3の電子基板15の位置付けに好都合であるように、組み立て中に案内手段22に摺動するように連結可能である。
【0064】
例にすぎないが、図5は、案内要素21が特定のかご形状物で構成されており、当該かご形状物を組み立て後、第3の電子基板15の下部に固定する特定の実施形態を示す。
【0065】
常に、このような実施形態によると、案内手段22は、テンプレート8の壁の部分に対応して直接的に得られる適切な垂直方向の直動案内で構成される。
【0066】
案内要素21は、第3の電子基板15の下面に関連付け可能な適切な小型フレーム23と、第3の電子基板15の位置付けおよび組み立て中に直動案内22内に挿入可能かつ摺動する適切な突出要素24とを有する。
【0067】
有用には、第3の制御コネクタ19に対応して、案内要素21は、金属端子を通らせることができるようにし、かつ、それら金属端子の挿入時に案内するのに適切な穿孔部25を有する。
【0068】
本発明による工程は:
−第1の制御コネクタ6および実質的に細長い形状の第1の電力コネクタ7を有する第1の電子基板2を配置するステップと;
−第1の制御コネクタ6に接続可能な第2の制御コネクタ13を有し、貫通開口部14を有する制御回路を含む第2の電子基板10を配置するステップと;
−電力回路を含み、かつ、第1の電力コネクタ7に接続可能な第2の電力コネクタ18を有する第3の電子基板15を配置するステップと;
−第2の電子基板10を第1の電子基板2に関連付けて、第2の制御コネクタ13を第1の制御コネクタ6に接続し、かつ、第1の電力コネクタ7を各貫通開口部14から挿入するステップと;
−第3の電子基板15を第2の電子基板10に関連付けて、第2の電力コネクタ18を第1の電力コネクタ7に接続するステップと、
を含む。
【0069】
特に、第1の制御コネクタ6と第2の制御コネクタ13との間の接続によって、第1の制御コネクタ6の金属端子が第2の制御コネクタ13の各接続穴内に挿入されることになる。
【0070】
また、第1の電力コネクタ7と第2の電力コネクタ18との接続によって、第1の電力コネクタ7の金属刃の自由先端が第2の電力コネクタ18の対応する接続ハウジング内へ挿入されることになる。
【0071】
有用には、工程には、案内要素21と第3の電子基板15の下部との一体的な関連付けと、直動案内手段22と第1の電子基板2との一体的な関連付けとが想定される。
【0072】
それゆえに、第3の電子基板15を第2の電子基板10に関連付ける上記ステップは、直動案内22内で案内要素21の突出要素24が連結しかつ摺動することが想定されている。
【0073】
有用には、本発明による工程は:
−1つもしくは複数の第1の制御コネクタ6、および/または、1つもしくは複数の第1の電力コネクタ7に対応して、熱硬化性材料9を第1の電子基板2の一部上に析出するステップと;
−第1の制御コネクタ6および/または第1の電力コネクタ7を第1の電子基板2上に留めるために熱硬化性材料9を固体化するステップと、
をさらに含むことができる。
【0074】
実際、説明した本発明がどのようにして提案された目的を実現するのかは確認されている。
【0075】
特に、第2の電子基板上に作られる特有の電力コネクタおよび相関的な貫通開口部の存在によって、電子基板の組み立ておよび電気的接続の大幅な簡略化ならびに高速化が可能になるという事実を強調する。
【0076】
実際、技術水準とは異なるやり方において、一連の特定の外部ケーブルによって互いに接続された電子基板のそれぞれの周辺部に沿って固定されたコネクタによって、それぞれが隣接していない2つの基板を電気的に接続させることは、もはや不要である。
【0077】
さらに、これによって、電子基板の組み立ておよび電気的接続工程中のエラーの大幅な低減が可能になる。
【0078】
実際、するべきことは、電子基板を上下になるように挿入して、極めて簡易かつ迅速なやり方で全コネクタを電子的に接続させることだけである。
【0079】
また、電力コネクタの特有の構成、つまり、電線によって互いに接続される特定のサイドコネクタがないことによって、電子基板、ひいては、製造された電子装置の全体の寸法の大幅な低減が可能になる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6