(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、車両の荷重支持能力及び地面からの振動と衝撃を緩和する効果に優れた非空気入りタイヤを提供することである。また、高速走行時の振動が低減された非空気入りタイヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、内側バンド及び外側バンドを含み、前記外側バンドは前記内側バンドと離間し、前記内側バンドの外周面を取り囲むように備えられ、前記内側バンドと前記外側バンドとの間で円周方向に延び、1つ以上の空洞部を含む円周方向の断面形状を有するスポーク部とを含む非空気入りタイヤが提供される。
【0009】
また、前記スポーク部は、前記内側バンド側で前記スポーク部を支持する第1の内側支持部と、前記外側バンド側で前記スポーク部を支持する第1の外側支持部と、前記第1の内側支持部と前記第1の外側支持部とを連結する第1の中央支持部と、軸方向に延びる第1の内側延設部と、前記第1の内側延設部よりもタイヤ外径側で軸方向に延びる第1の外側延設部とが備えられる第1のスポークと、前記内側バンド側で前記スポーク部を支持する第2の内側支持部と、前記外側バンド側で前記スポーク部を支持する第2の外側支持部と、前記第2の内側支持部と前記第2の外側支持部とを連結する第2の中央支持部と、軸方向に延びる第2の内側延設部と、前記第2の内側延設部よりもタイヤ外径側で軸方向に延びる第2の外側延設部とが備えられる第2のスポークとを含み、前記断面形状における空洞部は、前記第1のスポーク、第2のスポーク、前記第2の内側延設部及び前記第2の外側延設部によって形成される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0010】
また、前記第1の外側支持部及び前記第2の外側支持部は、前記外側バンド側で互いに連結され、内径側部分では互いに離間するように構成され、前記第1の内側支持部及び前記第2の内側支持部は前記内側バンド側で互いに連結され、外径側部分では互いに離間するように構成され、前記第1の内側延設部及び第2の内側延設部は互いに連結され、前記第1の外側延設部及び第2の外側延設部は互いに連結される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0011】
また、前記第1の中央支持部は、軸方向の一方側の第2の中央支持部と軸方向の他方側の第2の中央支持部との間に備えられ、前記第1の中央支持部は、前記軸方向の一方側の第2の中央支持部及び前記軸方向の他方側の第2の中央支持部のうち何れか一方と前記空洞部を形成するように離間し、前記軸方向の一方側の第2の中央支持部と前記軸方向の他方側の第2の中央支持部のうち何れか他方と隣接する非空気入りタイヤが提供され得る。
【0012】
また、前記空洞部のうち少なくとも一方は隅を有する多角形状で構成される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0013】
また、前記空洞部は複数形成され、複数の空洞層を構成し、前記複数の空洞層は、前記内側バンド側の内側空洞層と、前記外側バンド側の外側空洞層と、前記内側空洞層と前記外側空洞層との間に備えられる中間空洞層とを含み、前記内側空洞層は前記中間空洞層よりも相対的に小さなサイズの空洞部を有する非空気入りタイヤが提供され得る。
【0014】
また、前記外側空洞層は、前記中間空洞層よりも相対的に小さなサイズの空洞部を有する非空気入りタイヤが提供され得る。
【0015】
また、前記内側空洞層及び前記外側空洞層は互いに対応するように構成される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0016】
また、前記内側空洞層の一部の空洞部、前記中間空洞層及び前記外側空洞層の一部の空洞部は半径方向に並んで配列される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0017】
また、前記内側空洞層及び前記外側空洞層は、前記中間空洞層を中心として対称になるように配列される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0018】
また、前記外側空洞層、前記内側空洞層及び前記中間空洞層の空洞部は、複数の辺で構成される多角形であり、前記中間空洞層の外側には前記外側空洞層が配置され、前記中間空洞層の内側には前記内側空洞層が配置され、前記外側空洞層、前記内側空洞層及び前記中間空洞層に備えられる空洞部は、前記中間空洞層の空洞部を構成する辺と前記内側空洞層の空洞部を構成する辺とが向かい合い、前記中間空洞層の空洞部を構成する辺と前記外側空洞層の空洞部を構成する辺とが向かい合うように配列される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0019】
本発明のまた他の実施形態によれば、前記スポーク部は、角を形成しながら、半径方向に沿ってジグザグ状に延びる第1のスポークと、角を形成しながら、前記第1のスポークと対応するように半径方向に沿ってジグザグ状に延びる第2のスポークとを含み、前記第1のスポークは、前記第1のスポークの角から軸方向に沿って延びる第1の延設部を含み、前記第2のスポークは、前記第2のスポークの角から軸方向に沿って延び、前記第1の延設部と連結される第2の延設部を含み、前記断面形状の前記空洞部は、前記第1のスポーク及び前記第2のスポークによって形成される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0020】
また、前記第1のスポーク及び前記第2のスポークは、軸方向に沿って延びる軸を中心として対称になるように構成される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0021】
また、前記第1のスポークは、軸方向の一方側に向けて傾斜した第1のチルト部と、軸方向の他方側に向けて傾斜した第2のチルト部とを含み、前記第1のチルト部及び前記第2のチルト部は半径方向に沿って交互に配置される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0022】
また、前記第1のチルト部と前記第2のチルト部とが連結される地点で軸方向に向ける前記角が形成される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0023】
また、前記第1のスポークは、軸方向の一方側端部に配置され、前記第1の延設部は角から軸方向の一方側に向けて延び、前記第2のスポークは、軸方向の他方側端部に配置され、前記第2の延設部は、前記第2のスポークの角から軸方向の他方側に向けて延びる非空気入りタイヤが提供され得る。
【0024】
また、前記空洞部の少なくとも一部は、軸方向に向けて配列された頂点を有する六角形の非空気入りタイヤが提供され得る。
【0025】
また、前記空洞部は、六角空洞及び半六角空洞を含み、前記内側バンド側で前記六角空洞及び半六角空洞が軸方向に沿って交互に配列され、前記外側バンド側で前記六角空洞及び半六角空洞が軸方向に沿って交互に配列され、前記内側バンド側での空洞部の配列と前記外側バンド側での空洞部の配列とは、軸方向に延びる軸を中心として対称になるように形成される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0026】
本発明のまた他の実施形態によれば、前記スポーク部は、第1のスポーク及び第2のスポークを含み、前記第1のスポークは、内側バンドから軸方向の一方側に向け、且つ半径方向の外側に延びる第1の内側傾斜部及び外側バンドから軸方向の一方側に向け、且つ半径方向の内側に延びる第1の外側傾斜部を含み、前記第2のスポークは、内側バンドから軸方向の他方側に向け、且つ半径方向の外側に延びる第2の内側傾斜部及び外側バンドから軸方向の他方側に向け、且つ半径方向の内側に延びる第2の外側傾斜部を含む非空気入りタイヤが提供され得る。
【0027】
また、前記第1の内側傾斜部の外側端部及び前記第1の外側傾斜部の内側端部は、中心連結部で互いに連結される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0028】
また、前記第2の内側傾斜部の外側端部及び前記第2の外側傾斜部の内側端部は、中心連結部で互いに連結される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0029】
また、前記第1の内側傾斜部の内側端部及び前記第2の内側傾斜部の内側端部は曲線状に折り曲げられ、前記第1の外側傾斜部の外側端部及び前記第2の外側傾斜部の外側端部は曲線状に折り曲げられる非空気入りタイヤが提供され得る。
【0030】
また、前記第1の内側傾斜部の内側端部及び前記第2の内側傾斜部の内側端部は、連続する曲線状を形成するように互いに連結され、前記第1の外側傾斜部の外側端部及び前記第2の外側傾斜部の外側端部は、連続する曲線状を形成するように互いに連結される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0031】
また、前記空洞部は複数提供され、第1〜第3のグループを構成し、前記第1のグループの空洞部は、前記内側バンド側に並んで配列され、前記第2のグループの空洞部は、前記外側バンド側に並んで配列され、前記第3のグループの空洞部は、前記第1のグループの空洞部と前記第2のグループの空洞部との間に配列される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0032】
本発明のまた他の実施形態によれば、前記スポーク部は、前記第1のスポーク及び第2のスポークを含み、前記第1のスポーク及び前記第2のスポークは夫々、前記内側バンドと連結される第1の傾斜部と、前記第1の傾斜部と連結される第2の傾斜部と、前記第2の傾斜部と連結される第3の傾斜部と、前記第3の傾斜部と連結される第4の傾斜部と、前記第4の傾斜部と前記外側バンドとの間に配置される半円部とを含む非空気入りタイヤが提供され得る。
【0033】
また、前記第1のスポークの第1の傾斜部の外側端部は、前記第2のスポークの第2の傾斜部の内側端部と連結され、前記第2のスポークの前記第2の傾斜部の外側端部は、前記第1のスポークの前記第3の傾斜部の内側端部と連結され、前記第1のスポークの前記第3の傾斜部の外側端部は、前記第2のスポークの前記第4の傾斜部の内側端部と連結され、前記第2のスポークの前記第4の傾斜部の外側端部は、前記第1のスポークの前記半円部の内側端部と連結される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0034】
また、前記第4の傾斜部の勾配よりも前記第3の傾斜部の勾配が更に大きく、前記第3の傾斜部の勾配よりも前記第2の傾斜部の勾配が更に大きく、前記第2の傾斜部の勾配よりも前記第1の傾斜部の勾配が更に大きく形成される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0035】
また、前記第1のスポークは、一方側の第1のスポーク及び他方側の第1のスポークを含み、前記第2のスポークは、一方側の第2のスポーク及び他方側の第2のスポークを含み、前記一方側及び他方側の第1のスポークと、前記一方側及び他方側の第2のスポークは、前記一方側の第1のスポーク、前記一方側の第2のスポーク、前記他方側の第1のスポーク及び前記他方側の第2のスポークの順番で配列され、前記一方側の第1のスポークの第1の傾斜部、前記一方側の第2のスポークの第2の傾斜部、前記他方側の第1のスポークの第3の傾斜部及び他方側の第2のスポークの第4の傾斜部は、連続して形成される単一の円周を構成する非空気入りタイヤが提供され得る。
【0036】
また、前記空洞部は、前記第1のスポークの前記第1の傾斜部、前記第2のスポークの前記第1の傾斜部及び前記内側バンドによって形成される第1のタイプの空洞と、前記第1のスポークの前記第1の傾斜部、前記第2のスポークの前記第1の傾斜部、前記第1のスポークの前記第2の傾斜部及び前記第2のスポークの前記第2の傾斜部によって形成される第2のタイプの空洞と、前記第1のスポークの前記第2の傾斜部、前記第2のスポークの前記第2の傾斜部、前記第1のスポークの前記第3の傾斜部及び前記第2のスポークの前記第3の傾斜部によって形成される第3のタイプの空洞と、前記第1のスポークの前記第3の傾斜部、前記第2のスポークの前記第3の傾斜部、前記第1のスポークの前記第4の傾斜部及び前記第2のスポークの前記第4の傾斜部によって形成される第4のタイプの空洞と、前記第1のスポークの半円部、前記第2のスポークの半円部、第1のスポークの第4の傾斜部及び第2のスポークの第4の傾斜部によって形成される第5のタイプの空洞と、前記第1のスポークの半円部及び前記第2のスポークの半円部によって形成される円形の空洞とを含む非空気入りタイヤが提供され得る。
【0037】
また、前記第2のタイプの空洞は、前記第1のタイプの空洞と前記第3のタイプの空洞との間に配置され、前記第4のタイプの空洞は、前記第3のタイプの空洞、前記第5のタイプの空洞及び円形の空洞の間に配置される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0038】
また、前記第2のタイプの空洞は、前記第3のタイプの空洞よりも更に大きなサイズを有し、前記第3のタイプの空洞は前記第4のタイプの空洞よりも更に大きなサイズを有する非空気入りタイヤが提供され得る。
【0039】
また、前記第5のタイプの空洞及び前記円形の空洞は、前記外側バンド側に配列され、前記第5のタイプの空洞及び前記円形の空洞は、互いに交互に配列される非空気入りタイヤが提供され得る。
【0040】
本発明のまた他の実施形態によれば、前記第1のスポーク部及び前記第2のスポークの少なくとも何れか一方に、軸方向に貫通する空洞部が設けられた非空気入りタイヤが提供され得る。
【0041】
また、前記スポーク部は、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(Thermo PlasticPolyester Elastomer,TPEE)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(Thermo Plastic Polyurethane Elastomer,TPU)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(Thermo Plastic OlefinicElastomer,TPO)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(Thermo Plastic Polyamide Elastomer,TPAE)のうち、少なくとも何れか1つを含む非空気入りタイヤが提供され得る。
【0042】
また、前記スポーク部の引張弾性率が30MPa以上200MPa以下である非空気入りタイヤが提供され得る。
【0043】
また、前記スポーク部の曲げ弾性率が40MPa以上300MPa以下である非空気入りタイヤが提供され得る。
【発明の効果】
【0044】
本発明の一実施形態による非空気入りタイヤは、荷重支持能力及び緩衝機能が向上され得る。
【0045】
また、本発明の一実施形態による非空気入りタイヤは、均一な接触面及び均一な応力分散を実現し得る。
【0046】
また、本発明の一実施形態による非空気入りタイヤは、空洞部に異物が入り込むことを防止し得る。
【0047】
また、本発明の一実施形態による非空気入りタイヤは、振動及び騒音を低減させ得る。
【0048】
また、本発明の一実施形態による非空気入りタイヤは、縦方向の剛性を改良することができる。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明の詳細な説明に先立って、以下で説明する本明細書及び請求範囲に使用される用語及び単語は、日常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に立脚して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0051】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。この際、添付の図面において、同一の構成要素は、できる限り同一の符号で示していることを留意しなければならない。なお、本発明の要旨を曖昧にするおそれのある公知の機能及び構成に関する詳細な説明は省略する。同様の理由で添付の図面において、一部の構成要素は、誇張されるか、省略されるかまたは概略的に図示され、各構成要素の寸法は、実際の寸法を反映するものではない。
【0052】
一方、後述する「半径方向(Radial direction;r)」とはタイヤの半径方向を指し、「軸方向(Axialdirection;a)」とは半径方向と直交し、タイヤの回転軸と平行な方向を指す。軸方向とは、タイヤの回転軸の中心を必ず通るものではなく、タイヤの回転軸の方向と並んだ方向を含む。また、「円周方向(Circumferentialdirection;c)」とは、タイヤの外周面に沿った方向であって、半径方向と垂直な方向を指す。一方、特別な言及がない限り、前記方向は正の方向及び負の方向を何れも含む。
【0053】
以下、
図1〜
図3を参照し、本発明の第1の実施形態による非空気入りタイヤの構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態による非空気入りタイヤの概略斜視図であり、
図2は、第1の実施形態による非空気入りタイヤを、
図1のA−A'に沿って示した断面斜視図であり、
図3は、本発明の第1の実施形態による非空気入りタイヤを、
図1のA−A'に沿って示した断面図である。
【0054】
図1〜
図3を参照して、本発明の第1の実施形態による非空気入りタイヤ1は、バンド部10及びスポーク部20を含み得る。
【0055】
バンド部10は、非空気入りタイヤの全体的な外形に対応する形状であり得る。このようなバンド部10は、例えば、円形のシリンダ状であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。また、バンド部10は、後述するスポーク部20と一体に形成され得る。
【0056】
バンド部10は、所定の幅を有し、両端部が連結された帯状の内側バンド11及び外側バンド12を含み得る。外側バンド12は、内側バンド11と半径方向に離間し、内側バンド11の外周面を取り囲み得る。
【0057】
内側バンド11の内週面には、リム(rim、図示せず)が結合され得る。よって、内側バンド11の形状は、リム(rim)の形状に対応して多様に変更可能である。
【0058】
外側バンド12は、内側バンド11と所定の距離だけ離間して、内側バンド11を取り囲むように備えられ得る。つまり、外側バンド12の内周面と内側バンド11の外周面とは、互いに対向し得る。この際、外側バンド12と内側バンド11とは、後述するスポーク部20によって連結され得る。
【0059】
一方、外側バンド12の外周面には、せん断帯13が備えられ得る。せん断帯13は、外側バンド12に対応する形状であって、外側バンド12の円周方向に沿って配置され得る。
【0060】
せん断帯13は、非空気入りタイヤ1に作用する初期応力を一次的に緩和させる役割を果たし、炭素繊維を含む複合材やスチールコードを含む複合材を使用して、1つ以上の層(layer)で製作され得る。例えば、せん断帯13は、CFRP(CarbonFiber Reinforced Plastics)で製造されるか、空気入りタイヤに使用されるスチールコードベルトで構成された1つ以上の層で製作され得る。
【0061】
せん断帯13の外周面にトレッド30が備えられ得る。トレッド30は、非空気入りタイヤ1の最外側に配置され、地面と直接的に接触され得る。トレッド30は、当業界で通用される多様な構造が採用され得る。
【0062】
スポーク部20は、内側バンド11と外側バンド12との間に備えられ得る。このようなスポーク部20は、熱可塑性エラストマー(ThermoPlastic Elastomer,TPE)を含み得る。例えば、スポーク部20は、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(Thermo Plastic PolyesterElastomer,TPEE)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(Thermo Plastic Polyurethane Elastomer,TPU)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(ThermoPlastic Olefinic Elastomer,TPO)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(Thermo Plastic Polyamide Elastomer,TPAE)などを含み得る。スポーク部20は、内側バンド11と外側バンド12とを連結する支持体の役割を果たし得る。また、スポーク部20は、非空気入りタイヤ1に加えられる衝撃を分散及び吸収する緩衝材の役割を果たし、非空気入りタイヤ1が装着される任意の車両の荷重を支持する役割を果たし得る。このように、スポーク部20は、衝撃緩衝及び荷重支持の役割に適した構成が求められる。
【0063】
このようなスポーク部20は、以下のような機械的な物性値を有し得る。
【表1】
【0064】
スポーク部20の引張弾性率(Tensile Modulus)はASTM D638によって測定され得る。このスポーク部20の引張弾性率は30MPa以上200MPa以下が好ましい。スポーク部20の引張弾性率が30Mpa未満である場合、荷重に対する支持能力が不足し、小さな衝撃でもスポーク部20が過渡に変形し、それによってスポーク部20が破損する危険が高くなる。また、スポーク部20の引張弾性率が200Mpaを超える場合、硬度(hardness)が非常に増加して、スポーク部20の変形が極端に小さくなり、乗り心地が悪化する。また、タイヤの接地面積(footprint)が減少して制動性能が低下するという問題が生じる。
【0065】
スポーク部20の曲げ弾性率(FlexuralModulus)は、ASTM D790によって測定され得る。このようなスポーク部20の曲げ弾性率は、40MPa以上300MPa以下が好ましい。スポーク部20の曲げ弾性率が40MPa未満である場合、支持能力が不足して小さな衝撃でもスポーク部20が過渡に変形し、それによってスポーク部20が破損する危険が高くなる。また、曲げ弾性率が300MPaを超える場合、スポーク部20の変形が極端に小さくなり、乗り心地が悪化する。
【0066】
このようなスポーク部20は、内側バンド11と外側バンド12との間で円周方向に連続して延びるように構成され得る。つまり、スポーク部20は、タイヤ周方向に沿って円形の閉曲線を形成するように構成され得る。また、スポーク部20の断面を円周方向から見たとき、その断面は1つ以上の空洞部130;250;330;430を含む。このような空洞部は断面を円周方向からみたとき、閉ループの断面を有し得る。スポーク20は、円周方向に延びるため、スポーク部20に形成された空洞も円周方向に沿って延びるように構成される。
【0067】
また、スポーク部20は、第1のスポーク110及び第2のスポーク120を含み得る。第1のスポーク110及び第2のスポーク120は、内側バンド11と外側バンド12との間で半径方向に沿って延びる。また、第1のスポーク110及び第2のスポーク120は、半径方向に延びる軸raを中心として対称になるように構成され得る。第1のスポーク110は、内側バンド11側でスポーク部20を支持する第1の内側支持部111と、外側バンド12側でスポーク部20を支持する第1の外側支持部112と、第1の内側支持部111と第1の外側支持部112とを連結し、半径方向に延びる第1の中央支持部113と、前記第1の内側支持部111と前記第1の中央支持部113とに連結され、軸方向に延びる第1の内側延設部114と、前記第1の外側支持部112と前記第1の中央支持部113とに連結され、第1の内側延設部114よりも外径側で軸方向に延びる第1の外側延設部115とを含む。また、第2のスポーク120は、内側バンド11側でスポーク部20を支持する第2の内側支持部121と、外側バンド12側でスポーク部20を支持する第2の外側支持部122と、第2の内側支持部121と第2の外側支持部122とを連結する第2の中央支持部123と、軸方向に延びる第2の内側延設部124と、第2の内側延設部124よりも外径側で軸方向に延びる第2の外側延設部125とを含む。
【0068】
第1の内側支持部111及び第2の内側支持部121は、内側バンド11側で互いに連結され、連結された部分の半径方向の外側で離間するように構成され得る。このような離間部分は、後述する内側空洞層の空洞部132を形成し得る。また、第1のスポーク110の第1の中央支持部113及び第2のスポーク120の第2の中央支持部123は、向かい合うように軸方向に沿って折り曲げられ得る。このような折り曲げによって第1の中央支持部113及び第2の中央支持部123は互いに連結され得る。第1の外側支持部112及び第2の外側支持部122は外側バンド12側で互いに連結され、連結された部分の半径方向の内側で離間するように構成され得る。このような離間部分は、後述する外側空洞層の空洞部134を形成し得る。また、第1の内側延設部114及び第2の内側延設部124は、軸方向に沿って向かい合うように延びることで互いに連結される。また、第1の外側延設部115及び第2の外側延設部125は、軸方向に沿って向かい合うように延びることで互いに連結される。
【0069】
一方、円周方向の断面(即ち、
図1のA−A'に沿った断面)から見たとき、スポーク部20の円周方向の断面は1つ以上の空洞部130を含み、このような空洞部130は、第1のスポーク110、第2のスポーク120によって形成され得る。
【0070】
空洞部130は多角形状であり得る。このような多角形は、例えば、少なくとも1つの頂点が軸方向に向く四角形、五角形、六角形及び八角形のうち何れか1つ以上であり得る。
【0071】
このような空洞部130は複数提供され、複数のグループを形成し得る。例えば、このような空洞部130のグループは、内側空洞部層131、外側空洞部層133及び中間空洞層135を含み得る。内側空洞層131の空洞部132は内側バンド11側で軸方向に互いに隣接するように配列され、外側空洞層133の空洞部134は外側バンド12側で軸方向に互いに隣接するように配列され、中間空洞層135の空洞部136は内側空洞部層131と外側空洞層133との間で軸方向に互いに隣接するように配列され得る。また、内側空洞層の空洞部132は、内側空洞層の第1の空洞部132’及び内側空洞層の第2の空洞部132’’を含み得る。また、外側空洞層の空洞部134は、外側空洞層の第1の空洞部134’及び外側空洞層の第2の空洞部134’’を含み得る。内側空洞層の第2の空洞部132’’、中間空洞層の空洞部136及び外側空洞層の第2の空洞部134’’は、半径方向rに沿って並んで配列され得る。
【0072】
このような空洞部130は、第1のスポーク110及び第2のスポーク120の離間及び連結によって形成され得る。例えば、第1の内側支持部111と第2の内側支持部121との間の離間部分では、内側空洞層の空洞部132が形成され得る。つまり、第1、2の内側支持部111、121が連結された部分の半径方向の外径側部分で内側空洞層の空洞部132が形成され得る。このような内側空洞層131の空洞部132は軸方向に沿って配列され得る。
【0073】
また、第1、2の内側支持部111、121間に連結された部分と、第1、2の中央支持部113、123間に連結された部分によって、内側空洞層の第1の空洞部132’が形成され得る。つまり、内側空洞層の第1の空洞部132’は、第1、2の内側支持部111、121間に連結された部分と、第1、2の中央支持部113、123間に連結された部分との間の空間によって形成される。また、第1、2の内側支持部111、121間に連結された部分と、第1、2の内側延設部114、124間に連結された部分によって、内側空洞層の第2の空洞部132’’が形成され得る。つまり、内側空洞層の第2の空洞部132’’は、第1、2の内側支持部111、121間に連結された部分と、第1、2の内側延設部114、124間に連結された部分との間の空間によって形成される。
【0074】
このような内側空洞層131の第1の空洞部132’及び内側空洞層131の第2の空洞部132’’は交互に配置され得る。また、内側空洞層131の第1の空洞部132’は、内側空洞層131の第2の空洞部132’’よりも半径方向に沿って更に大きく形成され得る。また、内側空洞層131の第1の空洞部132’及び内側空洞部層131の第2の空洞部132’’は互いに異なる形状を有し得る。例えば、内側空洞層131の第1の空洞部132’は六角形であってもよく、内側空洞部層131の第2の空洞部132’’は八角形であってもよい。
【0075】
また、第1の外側支持部112及び第2の外側支持部122は、外側バンド12側で互いに連結され、連結された部分の半径方向の内側で離間するように構成され得る。また、第1の外側支持部112と第2の外側支持部122との間の離間部分では、外側空洞層の空洞部134が形成され得る。つまり、第1、2の外側支持部112、122が連結された部分の半径方向の内側の部分で、外側空洞層の空洞部134が形成され得る。このような外側空洞層133の空洞部134は、軸方向に沿って配列され得る。
【0076】
また、第1、2の外側支持部112、122間に連結された部分と、第1、2の中央支持部113、123間に連結された部分によって、外側空洞層の第1の空洞部134’が形成され得る。つまり、外側空洞層の第1の空洞部134’は、第1、2の外側支持部112、122間に連結された部分と、第1、2の中央支持部113、123間に連結された部分との間の空間によって形成され得る。また、第1、2の外側支持部112、122間に連結された部分と、第1、2の外側延設部115、125間に連結された部分によって、外側空洞層の第2の空洞部134’’が形成され得る。つまり、外側空洞層の第2の空洞部134’’は、第1、2の外側支持部112、122間に連結された部分と、第1、2の外側延設部115、125間に連結された部分との間の空間によって形成され得る。
【0077】
このような外側空洞層133の第1の空洞部134’及び外側空洞層133の第2の空洞部134’’の配列及び形状は、内側空洞層と対応するように構成され得る。つまり、外側空洞層の第1の空洞部134’及び外側空洞層の第2の空洞部134’’は交互に配置され得る。また、外側空洞層の第1の空洞部134’は、外側空洞層の第2の空洞部134’’よりも半径方向に沿って更に大きく形成されてもよく、外側空洞層の第2の空洞部134’’と異なる形状を有してもよい。また、第1の中央支持部113と第2の中央支持部123との間の離間/連結によって中間空洞層135の空洞部136が形成され得る。例えば、第1の中央支持部113が2つの第2の中央支持部123間に挟んで配置される場合、第1の中央支持部113は、一方側の第2の中央支持部123’と離間する方向に折り曲げられ得る。よって、第1の中央支持部113は、他方側の第2の中央支持部123’’側に折り曲げられるように構成され得る。一方、第1の中央支持部113は、2つの第2の中央支持部のうち一方側の第2の中央支持部123’と対称になるように配置されるとともに、2つの第2の中央支持部のうち他方側の第2の中央支持部123’’と対称になるように配置される。よって、一方側の第2の中央支持部123’も第1の中央支持部113と同様に、第1の中央支持部と離間する方向に折り曲げられ得る。このような折り曲げによって、第1の中央支持部113と一方側の第2の中央支持部123’は中間空洞層135の空洞部136を形成し得る。また、このような中間空洞層135の空洞部136は内側空洞層131と外側空洞層133との間で配列され得る。このような中間空洞層135の空洞部136は軸方向に沿って配列され得る。
【0078】
一方、第1の中央支持部113と他方側の第2の中央支持部123’’は中間部分で隣接し、内側バンド11側と外側バンド12側で離間する。内側バンド11側で離間した第1、2の中央支持部113、123’’は内側空洞層の第1の空洞部132’の形成に寄与し、外側バンド12側で離間した第1、2の中央支持部113、123’’は外側空洞層の第1の空洞部134’の形成に寄与し得る。つまり、内側空洞層131の第1の空洞部132’は第1、2の内側支持部111、121及び第1、2の中央支持部113、123’’によって形成され得る。外側空洞層133の第1の空洞部134’は、第1、2の外側支持部112、122及び第1、2の中央支持部113、123’’によって形成され得る。第1、2の内側延設部114、124は、このような内側空洞層131の第1の空洞部132’の形成及び外側空洞層133の第1の空洞部134’の形成に寄与しない。
【0079】
また、内側空洞層131の空洞部132は、中間空洞層135の空洞部136よりも相対的に小さなサイズで形成され得、外側空洞層133の空洞部134も中間空洞層135の空洞部136よりも相対的に小さなサイズで形成され得る。つまり、中間空洞層135の空洞部136は内側空洞層131の空洞部132及び外側空洞層133の空洞部134よりも大きなサイズを有し得る。
【0080】
また、内側空洞層131と外側空洞層133は中間空洞層136を中心として対称になるように配列され得る。また、中間空洞層135の空洞部136の内側バンド11側には内側空洞層131の空洞部132が配列され得、中間空洞層135の空洞部136の外側バンド12側には外側空洞層133の空洞部134が配列され得る。また、内側空洞層131の一部の空洞部132、中間空洞層135の空洞部136及び外側空洞層133の一部の空洞部134は、半径方向に並んで配列され得る。例えば、内側空洞層の第2の空洞部132’’、中間空洞層の空洞部136及び外側空洞層の第2の空洞部134’’は、半径方向に並んで配列され得る。
【0081】
一方、このような構成の以外にも、本発明の第2の実施形態によれば、円周方向の断面形状は他の方式で構成され得る。以下、
図4及び
図5を参照して、第2の実施形態を説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態による非空気入りタイヤを
図1のA−A’に沿って示した断面斜視図であり、
図5は、本発明の第2の実施形態による非空気入りタイヤを
図1のA−A’に沿って示した断面図である。
【0082】
図4及び
図5を参照すれば、第2の実施形態による非空気入りタイヤは、第1のスポーク210及び第2のスポーク220を含むスポーク部20を備え得る。
第1のスポーク210及び第2のスポーク220は、チルト部211、212; 221、222及び延設部213;223を含み得る。第1のスポーク210は、軸方向の一方側に向けて傾斜した第1のチルト部211と、軸方向の他方側に向けて傾斜した第2のチルト部212とを含み得る。つまり、第1のスポーク210は、互いに異なる方向に向けて傾斜した第1のチルト部211と第2のチルト部212とを含み得る。このように第1のチルト部211及び第2のチルト部212は半径方向に沿って交互に配置され得る。第1、2のチルト部211、212は半径方向に延び、内側バンド11及び外側バンド12を連結する。つまり、第1のスポーク210は内側バンド11及び外側バンド12と連結され、半径方向に沿ってジグザグ状に延びる。このようにチルト部が接する地点で角が形成され得る。
【0083】
一方、第2のスポーク220は、半径方向に延びる軸を中心として第1のスポーク210と対称になるように構成され得る。よって、第2のスポーク220も互いに異なる方向に向けて傾斜した第1のチルト部221と第2のチルト部222とが交差して配置され、第2のスポーク220の第1のチルト部221及び第2のチルト部222が配置される方向は、第1のスポーク210の第1のチルト部211及び第2のチルト部212が配置される方向と対称になり得る。例えば、第1のスポーク210が内側バンド11から半径方向raに沿って第1のチルト部211、第2のチルト部212の順番に配置されて構成される場合、第2のスポーク220が内側バンド11から半径方向raに沿って第2のチルト部222、第1のチルト部221の順番に配置されて構成され得る。このような第1、2のチルト部221、222は半径方向に沿ってジグザグ状に配列される。また、第1、2のチルト部221、222が接する地点では角が形成され得る。
【0084】
また、第1のスポーク210の角には第1の延設部213が備えられ、第2のスポーク220の角には第2の延設部223が備えられ得る。このような第1、2の延設部213、223は軸方向に延びるように形成され得る。つまり。円周方向から見たとき、第1、2の延設部213、223はバンド部10と平行して備えられ得る。
【0085】
第1のスポーク210に備えられる第1の延設部213は第1のスポーク210の角方向に延設される。つまり、第1の延設部213は、第1のスポーク210の軸方向の一方側の角から、軸方向の一方側に向けて延び、軸方向の他方側の角から軸方向の他方側に向けて延びる。また、第1のスポーク210と類似した方式で、第2のスポーク220に備えられる第2の延設部223は、第2のスポーク220の角から軸方向に向かって延設される。第1のスポーク210及び第2のスポーク220は互いに対称になるように配置されるため、第1のスポーク210に備えられる第1の延設部213及び第2のスポーク220に備えられる第2の延設部223は互いに連結される。つまり、第1のスポーク210の第1の延設部213のうち、第2のスポーク220に向けて延びる第1の延設部213’と、第2のスポーク220の第2の延設部223のうち、第1のスポーク210に向ける第2の延設部223’とは互いに連結される。例えば、軸方向の一方側に突出した第1のスポーク210の角と、軸方向の他方側に突出した第2のスポーク220の角とは、向かい合う方向に延びて互いに連結される。
【0086】
第1のスポーク210、第2のスポーク220及びバンド部10によって空洞部250が形成され得る。空洞部250は、複数備えることができ、内側バンド11側の空洞部250と、外側バンド12の空洞部250とは、同一の幅(軸方向長さ)と高さ(半径方向長さ)とを有し得る。また、空洞部250は高さよりも大きい幅を有する形状に形成され得る。空洞部250は六角空洞251及び半六角空洞252で構成され得る。六角空洞251は第1のスポーク210、第2のスポーク220及び延設部213、223によって形成され得る。また、内側バンド11または外側バンド12側に配置された六角空洞251は、第1のスポーク210、第2のスポーク220及びバンド部10によって形成され得る。また、半六角空洞252は第1のスポーク210、第2のスポーク220及びバンド部10によって形成され得る。このような半六角空洞252は内側バンド11側及び外側バンド12側に備えられ得る。また、六角空洞251及び半六角空洞252は交互に配置され得る。また、内側バンド11側での空洞部の配列と、外側バンド12側での空洞部の配列は、内側バンド11と外側バンド12との間で軸方向に延びる軸を中心として対称になるように構成され得る。
【0087】
一方、このような構成の以外にも、本発明の第3の実施形態によれば、円周方向の断面形状は他の方式で構成され得る。以下、
図6及び
図7を参照して第3の実施形態を説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態による非空気入りタイヤを
図1のA−A’に沿って示した断面斜視図であり、
図7は、本発明の第3の実施形態による非空気入りタイヤを
図1のA−A’に沿って示した断面図である。
【0088】
図6及び
図7を参照すれば、第1のスポーク310及び第2のスポーク320は内側バンド11と外側バンド12との間で半径方向rに沿って延び得る。
【0089】
第1のスポーク310は、軸方向の一方側に向け、且つ内側バンド11から半径方向rの外側に延びる第1の内側傾斜部311と、軸方向の一方側に向け、且つ外側バンド12から半径方向の内側に延びる第1の外側傾斜部312とを含む。このような第1の内側傾斜部311及び第1の外側傾斜部312は、軸方向に延びる軸aaを中心として対称になるように構成され得る。また、第1の内側傾斜部311の内側端部313は、内側バンド11と接しながら、滑らか且つ連続する曲線で形成され、第1の外側傾斜部312の外側端部314は外側バンド12に接しながら、滑らか且つ連続的な曲線で形成され得る。また、第1の内側傾斜部311の外側端部及び第1の外側傾斜部312の内側端部は、内側バンド11と外側バンド12との間で中心連結部340を形成しながら接し得る。
【0090】
第2のスポーク320は、半径方向に延びる軸raを中心として第1のスポーク310と対称になるように構成され得る。つまり、第2のスポーク320は、内側バンド11から軸方向の他方側に向け、且つ半径方向の外側に延びる第2の内側傾斜部321と、外側バンド12から軸方向の他方側に向け、且つ半径方向の内側に延びる第2の外側傾斜部322とを含む。このような第2の内側傾斜部321及び第2の外側傾斜部322は軸方向に延びる軸aaを中心として対称になるように構成され得る。また、第2の内側傾斜部321の内側端部323は、内側バンド11に接しながら、滑らかな曲線で形成され、第2の外側傾斜部322の外側端部324は、外側バンド12に接しながら、滑らかな曲線で形成され得る。また、第2の内側傾斜部321の外側端部及び第2の外側傾斜部322の内側端部は、内側バンド11と外側バンド12との間で中心連結部340を形成しながら接し得る。また、第1のスポーク310の中心連結部340及び第2のスポーク部320の中心連結部340は対応するように構成し得る。つまり、第1のスポーク310の中心連結部340は、第2のスポーク320の中心連結部340として機能し得る。
【0091】
また、第1のスポーク310及び第2のスポーク320は、内側バンド11及び外側バンド12側でも連結され得る。つまり、第1のスポーク310の内側端部313は、第2のスポーク320の内側端部323と連結され得、このような連結は連続する曲線で構成され得る。同様に、第1のスポーク310の外側端部314は、第2のスポーク320の外側端部324と連結され得、このような連結は連続する曲線で構成され得る。
【0092】
このような第1、2のスポーク310、320は円周方向の断面から見たときにウェーブ状に構成され得る。つまり、第1のスポーク310及び第2のスポーク320は、内側バンド11と外側バンド12との間で軸方向に延びる2つのウェーブが軸方向に延びる軸aaを中心として対称になるように形成され得る。
【0093】
このような内側バンド11、外側バンド12、第1のスポーク310及び第2のスポーク320は空洞330を形成し得る。また、空洞330は複数備えられ、複数のグループを形成し得る。例えば、このような空洞330のグループは、第1のグループ331の空洞332、第2のグループ333の空洞334及び第3のグループ335の空洞336を含み得る。第1のグループ331の空洞332は内側バンド11側に配列され、第2のグループ333の空洞334は外側バンド12側に配列され、第3のグループ335の空洞336は第1のグループ331の空洞332と第2のグループ333の空洞334との間に配列され得る。
【0094】
第1のグループ331の空洞332は、軸方向に沿って並んで配列され得る。このような第1のグループ331の空洞332は三角形と類似した形状を有し、外側バンド11に向けて角が形成され得る。また、第2のグループ333の空洞334は、軸方向に沿って並んで配列され得る。このような第2のグループ333の空洞334は三角形と類似した形状を有し、内側バンド12に向けて角が形成され得る。第3のグループ335の空洞336は菱形と類似した形状を有し、半径方向で屈曲部を有し得る。
【0095】
一方、このような構成の以外にも、本発明の第4の実施形態によれば、円周方向の断面形状は他の方式で構成され得る。以下、
図8及び
図9を参照して、第4の実施形態を説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態による非空気入りタイヤを
図1のA−A’に沿って示した断面斜視図であり、
図9は、本発明の第4の実施形態による非空気入りタイヤを
図1のA−A’に沿って示した断面図である。
【0096】
図8及び
図9を参照すれば、第4の実施形態による非空気入りタイヤは、第1のスポーク410及び第2のスポーク420を含むスポーク部20を備え得る。
【0097】
第1のスポーク410及び第2のスポーク420は、夫々傾斜部411、412、413、414;421、422、423、424及び半円部415;425を含み得る。つまり、第1のスポーク410及び第2のスポーク420は、夫々内側バンド11と連結され、一方側に傾斜して外側バンドに向けて延びる第1の傾斜部411;421と、第1の傾斜部411;421の外側端部と連結され、他方側に傾斜して外側バンドに向けて延びる第2の傾斜部412;422と、第2の傾斜部412;422の外側端部と連結され、一方側に傾斜して外側バンドに向けて延びる第3の傾斜部413;423と、第3の傾斜部413;423の外側端部と連結され、他方側に傾斜して外側バンドに向けて延びる第4の傾斜部414;424と、第4の傾斜部414;424の外側端部に連結され、第4の傾斜部414;424の外側端部と外側バンド12との間に配置され、一報側に向けて膨らんだ形状を有する半円部415;425とを含み得る。また、傾斜部411、412、413、414;421、422、423、424及び半円部415;425は、内側バンド11から外側バンド12に向ける方向に沿って第1の傾斜部411;421、第2の傾斜部412;422、第3の傾斜部413;423、第4の傾斜部414;424及び半円部415;425の順番に配列される。
【0098】
また、第1、2、3及び4の傾斜部411、412、413、414;421、422、423、424は夫々その端部で他の傾斜部と連結される。例えば、第1の傾斜部411の外側端部と第2の傾斜部412の内側端部とが連結され、第3の傾斜部413の内側端部と第2の傾斜部412の外側端部とが連結される。つまり、第1、2、3及び4の傾斜部411、412、413、414は半径方向に沿ってジグザグ状に延び得る。
【0099】
また、第1の傾斜部411及び第3の傾斜部413は半径方向の外側に向けて延び、且つ軸方向の一方側に向けて傾斜し、第2の傾斜部412及び第4の傾斜部414は半径方向の外側に向けて延び、且つ軸方向の他方側に向けて傾斜するように構成される。つまり、第1の傾斜部411及び第3の傾斜部413が傾斜した方向と、第2の傾斜部412及び第4の傾斜部414が傾斜した方向とは反対である。
【0100】
また、第4の傾斜部414の勾配よりも第3の傾斜部413の勾配が更に大きく、第3の傾斜部413の勾配よりも第2の傾斜部412の勾配が更に大きく、第2の傾斜部412の勾配よりも第1の傾斜部411の勾配が更に大きい。ここで、「勾配」とは、傾斜部と軸方向に延びる軸との間の鋭角と定義され、このような鋭角は軸方向の一方側または他方側に向けることができる。更に、第1、2、3及び4の傾斜部411、412、413、414は半径方向の外側に向けて膨らんだ形状を有する。
【0101】
半円部415は、第4の傾斜部414と外側バンド12とを連結し、半径方向に延びる。つまり、半円部415の内側端部は第4の傾斜部414の外側端部と連結され、半円部415の外側端部は外側バンド12と連結される。このような第1のスポーク410の半円部415は軸方向の一方側に向けて膨らむように配列される。
【0102】
第2のスポーク420は半径方向に延びる軸raを中心として第1のスポーク410と対称になるように構成され得る。つまり、第2のスポーク部420は、第1の傾斜部421、第2の傾斜部422、第3の傾斜部423、第4の傾斜部424及び半円部425を含み得る。また、傾斜部及び半円部は内側バンド11から外側バンド12に向く方向に沿って第1の傾斜部421、第2の傾斜部422、第3の傾斜部423、第4の傾斜部424及び半円部425の順番に配列される。
【0103】
また、第1、2、3及び4の傾斜部421、422、423、424は夫々その端部で他の傾斜部と連結され、半径方向に沿ってジグザグ状に延び得る。
【0104】
一方、第2のスポーク420は第1のスポーク410と対称をなすため、第2のスポーク420の傾斜部421、422、423、424が傾斜した方向は、第1のスポーク410の傾斜部411、412、413、414が傾斜した方向と反対である。つまり、第2のスポーク420の第1の傾斜部421及び第3の傾斜部423は軸方向の他方側に向けて傾斜し、第2の傾斜部422及び第4の傾斜部424は軸方向の一方側に向けて傾斜するように構成される。
【0105】
また、第4の傾斜部424の勾配よりも第3の傾斜部423の勾配が更に大きく、第3の傾斜部423の勾配よりも第2の傾斜部422の勾配が更に大きく、第2の傾斜部422の勾配よりも第1の傾斜部421の勾配が更に大きい。また、第1、2、3及び4の傾斜部421、422、423、424は半径方向の外側に向けて膨らんだ形状を有する。
【0106】
半円部425は、第4の傾斜部424と外側バンド12とを連結し、半径方向に延びる。つまり、半円部425の内側端部は第4の傾斜部424の外側端部と連結され、半円部425の外側端部は外側バンド12と連結される。このような第2のスポーク420の半円部425は第1のスポーク410の半円部415と対称をなすため、軸方向の他方側に向けて膨らむように配列される。一方、第1のスポーク410の半円部415及び第2のスポーク420の半円部425は外側バンド12に連結され得るが、これに限られるものではない。例えば、第1のスポーク410の半円部415と第2のスポーク420の半円部425とは互いに連結されると共に、外側バンド12にも連結され得る。
【0107】
また、第1のスポーク410及び第2のスポーク420は複数備えられ、交互に配置され得る。この場合、第1、2のスポーク410、420の傾斜部411、412、413、414;421、422、423、424は連続する円周を形成し得る。例えば、軸方向に沿って一方側の第1のスポーク410’、一方側の第2のスポーク420’、他方側の第1のスポーク410’’及び他方側の第2のスポーク420’’が順次配列されるとき、一方側の第1のスポーク410’の第1の傾斜部411、一方側の第2のスポーク420’の第2の傾斜部422、他方側の第1のスポーク410’’の第3の傾斜部413及び他方側の第2のスポーク420’’の第4の傾斜部424は連続的且つ滑らかな単一の円周を形成し得る。
【0108】
また、第1、2のスポーク410、420の第1の傾斜部411、421の外側端部と、第1、2のスポーク410、420の第2の傾斜部412、422の内側端部とは互いに連結される。例えば、軸方向に沿って一方側の第1のスポーク410’、一方側の第2のスポーク420’及び他方側の第1のスポーク410’’が順次配列されるとき、一方側の第1のスポーク410’の第1の傾斜部411の外側端部と、一方側の第2のスポーク420’の第1の傾斜部421の外側端部とが互いに連結される。このような第1の傾斜部の外側端部に、一方側の第1のスポーク410’の第2の傾斜部412の内側端部と一方側の第2のスポーク420’の第2の傾斜部422の内側端部とが連結される。また、一方側の第1のスポーク410’の第3の傾斜部413の外側端部と、一方側の第2のスポーク420’の第3の傾斜部423の外側端部とが互いに連結される。このような第3の傾斜部の外側端部に、一方側の第1のスポーク410’の第4の傾斜部414の内側端部と、一方側の第2のスポーク420’の第4の傾斜部424の内側端部とが連結される。また、一方側の第1のスポーク410’の半円部415と一方側の第2のスポーク420’の半円部425とは互いに離間する。
【0109】
また、このような場合、一方側の第2のスポーク420’の第2の傾斜部422の外側端部と、他方側の第1のスポーク410’’の第2の傾斜部412の外側端部とが互いに連結される。このような第2の傾斜部の外側端部に、一方側の第2のスポーク420’の第3の傾斜部423の内側端部と、他方側の第1のスポーク410’’の第3の傾斜部413の内側端部とが連結される。
【0110】
また、一方側の第2のスポーク420’の第4の傾斜部424の外側端部と、他方側の第1のスポーク410’’の第4の傾斜部414の外側端部とが互いに連結される。また、第4の傾斜部の外側端部に、第2のスポーク420’の半円部425の内側端部と、他方側の第1のスポーク410’’の半円部415の内側端部とが互いに連結される。前記、第2のスポーク420’の半円部425の外側端部と、他方側の第1のスポーク410’’の半円部415の外側端部とが連結される。
【0111】
一方、このような第1のスポーク410の傾斜部と第2のスポーク420の傾斜部との離間/連結及び第1のスポーク410の半円部415と第2のスポーク420の半円部425との離間/連結によって空洞430が形成され得る。
【0112】
第1、2のスポーク410、420の第1の傾斜部411、421及び内側バンド11は第1のタイプの空洞431を形成する。第1、2のスポーク410、420の第2の傾斜部412、422及び第1、2のスポーク410、420の第1の傾斜部411、421は第2のタイプの空洞432を形成する。第1、2のスポーク410、420の第3の傾斜部413、423と第1、2のスポーク410、420の第2の傾斜部412、422は第3のタイプの空洞433を形成する。第1、2のスポーク410、420の第4の傾斜部414、424及び第1、2のスポーク410、420の第3の傾斜部413、423は第4のタイプの空洞434を形成する。このような第1、2のスポーク410、420の傾斜部411、412、413、414;421、422、423、424によって形成される空洞は多角形であり得る。また、第1のスポーク410の半円部415、第2のスポーク420の半円部425、第1のスポーク410の第4の傾斜部414及び第2のスポーク420の第4の傾斜部424は第5のタイプの空洞435を形成する。また、第1のスポーク410の半円部415及び第2のスポーク420の半円部425は円形の空洞436を形成する。
【0113】
また、第2のタイプの空洞432は第1のタイプの空洞431と第3のタイプの空洞433との間に配置される。第4のタイプの空洞434は第3のタイプの空洞433、第5のタイプの空洞435及び円形の空洞436の間に配置される。円形の空洞436は第5のタイプの空洞435の間に配置される。円形の空洞436及び第5のタイプの空洞435は外側バンド12側に配置され、円形の空洞436及び第5のタイプの空洞435は互いに交互に配置され得る。このような第2のタイプの空洞432は第3のタイプの空洞433よりも大きく構成され、第3のタイプの空洞433は第4のタイプの空洞434よりも大きく構成され得る。
【0114】
一方、本発明の第5の実施形態によれば、以上の実施形態では、スポーク部20は軸方向に貫通する空洞部を更に含み得る。
図10は、本発明の第5の実施形態による非空気入りタイヤを軸方向から見たものであり、
図11は、
図10の非空気入りタイヤの分解斜視図である。
【0115】
図10及び
図11を参照すれば、第1のスポーク110、210、310、410及び第2のスポーク120、220、320、420のうち1つ以上には、軸方向に貫通する空洞部500が提供され得る。このような空洞部500は複数備えられ、複数の空洞部500は軸方向から見たときに半径方向に沿って並んで配列され得る。このような空洞部500のサイズ及び個数は、タイヤの規格が大きくなるにつれて、増加し得る。また、空洞部500はスポーク20の側面に一定の間隔で配列され得る。
【0116】
スポーク20は、地面からの衝撃などによって繰り返し変形され、このような繰り返し変形によって熱が発生するようになる。スポーク20の空洞部500は、このような熱を外部に容易に放熱することを助ける。また、空洞部500が備えられることで、タイヤ1の重量が減り得る。
【0117】
一方、上述した実施形態では、内側バンド11、外側バンド12、第1のスポーク110、210、310、410及び第2のスポーク120、220、320、420が別途の部材で構成されると述べたが、これに限られるものではない。つまり、内側バンド11、外側バンド12、第1のスポーク110、210、310、410及び第2のスポーク120、220、320、420のうち何れか1つ以上は一体に形成され得る。例えば、内側バンド11、外側バンド12、第1のスポーク110、210、310、410及び第2のスポーク120、220、320、420は何れも連続する単一部材で形成され得る。また、このように連続する単一部材は、例えば3Dプリントを用いて製造され得る。一方、他の例として、内側バンド11の何れの一部、外側バンド12の何れの一部及び第1のスポーク110、210、310、410が1つの単一部材で形成され、内側バンド11の他の一部、外側バンド12の他の一部及び第2のスポーク120、220、320、420が他の1つの単一部材で形成され得る。この場合、単一部材は射出成形(Injection Molding)で夫々形成(分割射出成形)された後、互いに連結され、このような各単一部材の射出成形は軸方向に沿って実施され得る。
【0118】
上記では本発明による実施形態に基づいて本発明の構成と特徴を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の思想と範囲内で多様に変更または変形できることは本発明の属する技術分野における当業者にとって明らかであり、よってこのような変更または変形は添付の特許請求の範囲に属するものであることも明らかである。